説明

ファクシミリ装置

【課題】 外出先などの電話機から省電力制御に係わる設定を変えることができるファクシミリ装置を提供する。
【解決手段】 待機時に省電力モードへ移行する省電力化手段を備えたファクシミリ装置において、回線を介して電話機から送られてきた省電力制御信号を検出する信号検出部2と、信号検出部2により検出された省電力制御信号に従って省電力制御に係わる設定を変更する省電力制御部1とを備えた。また、省電力モードへ移行する条件が発生したときに定着ヒータ5をオフにするか否かを省電力制御信号に従って変更するように省電力制御部1を構成した。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は待機時に省電力モードへ移行する省電力化手段を備えたファクシミリ装置に係わり、特に、外出先の電話機から省電力制御の設定を変えることができるファクシミリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報機器などの省電力化が重要な課題となっており、ファクシミリ装置においても従来より様々な省電力化が実施されている。例えば、受信も送信も行われていない待機時においては、プロッタ内の定着ヒータをオフ状態にしたり、CPUの動作周波数を下げたり、各部のモータを停止させたり、表示装置への電源供給を切断したりする。特開昭57-13852号公報に示されたファクシミリ装置は上記のようなファクシミリ装置の一つであり、付属の電話機がオフフックされたことを検出してファクシミリ装置本体に電源を投入したり、相手側からの呼び出しを受けたときに上記本体に電源を投入したりする。また、特開昭57-168573 号公報に示されたファクシミリ装置では、2個のCPUを用い、一方のCPUに対して送受信中に主電源から電源を供給し、待機状態では主電源を切り、他方のCPUに対して副電源から電源を供給するようにして消費電力を節減している。また、特開平8-214096号公報に示されたファクシミリ装置では、受信信号に応じて省電力制御を行うと共に、原稿セット時の信号やオフフック信号など種々の信号に応じた省電力制御も行う。また、利用者に対しては、電力節減中であることを示す表示なども行う。なお、従来より、ファクシミリ装置が行うことができる省電力制御を実際に行わせるか否かというような設定や、省電力モードに入る際の待機時間の長さの設定などを、利用者がファクシミリ装置の操作部を操作して行うこともできる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、最近、上記のような省電力制御に係わる設定を外出先から行いたいという要求が利用者から出てきている。例えば、1台のファクシミリ装置を一人の利用者が占有している場合で、上記ファクシミリ装置のそばにいて発信などを頻繁に行う場合は、発信しようとしたときに省電力モードになっていると発信できるようになるまで待たされることがあるので、省電力制御を実行しないように設定しておき、外出時に省電力制御を実行するように設定変更するような場合、外出時の設定を忘れることがあり、このようなことから外出先において設定変更したいという要求が出てくるのである。また、プロッタに定着ヒータを用いているファクシミリ装置の場合、外出中に待機時の定着ヒータを予熱状態にしておくのは安全性上の問題があるので外出中の省電力制御では定着ヒータを通電断状態にしたいが、ファクシミリ装置のそばにいるときは受信ファクシミリを早く見たいので定着ヒータを予熱状態にしておきたいという利用者もおり、外出時の設定変更忘れの解決策として上記と同様の要求が出てくる。しかしながら、従来のファクシミリ装置では外出先から省電力制御に係わる上記のような設定ができないのである。 本発明の解決すべき課題は、上記のような従来技術の問題を解決し、外出先などの電話機から省電力制御に係わる設定を変えることができるファクシミリ装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、待機時に省電力モードへ移行する省電力化手段を備えたファクシミリ装置において、回線を介して電話機から送られてきた省電力制御信号を検出する信号検出手段と、上記信号検出手段により検出された省電力制御信号に従って省電力制御に係わる設定を変更する省電力制御手段とを備えた。また、請求項2記載の発明では、請求項1記載のファクシミリ装置において、省電力モードへ移行する条件が発生したときに定着ヒータをオフにするか否かを省電力制御信号に従って変更するように省電力制御手段を構成した。また、請求項3記載の発明では、請求項1記載のファクシミリ装置において、省電力制御信号に従って省電力モードへ移行する際の待機時間を変更するように省電力制御手段を構成した。また、請求項4記載の発明では、請求項1〜3の何れかに記載のファクシミリ装置において、省電力制御信号としてDTMF信号を検出するように信号検出手段を構成した。また、請求項5記載の発明では、請求項1〜3の何れかに記載のファクシミリ装置において、省電力制御信号としてダイヤルパルス信号を検出するように信号検出手段を構成した。また、請求項6記載の発明では、請求項1〜3の何れかに記載のファクシミリ装置において、着呼後にファクシミリ信号を受信すると、直ちにファクシミリ受信フローへ移行する構成にした。
【0005】上記のように構成したことにより、請求項1記載の発明では、外出先などの電話機を用いてファクシミリ装置の省電力制御に係わる設定を変更することができる。また、請求項2記載の発明では、ファクシミリ装置において省電力モードへ移行する条件が発生したときに定着ヒータをオフにするか否かを外出先などの電話機を用いて変更することができる。また、請求項3記載の発明では、省電力モードへ移行する際の待機時間を外出先などの電話機を用いて変更することができる。また、請求項4記載の発明では、外出先などの電話機のプッシュボタンを押すことにより請求項1〜3記載の発明の設定変更が行われる。また、請求項5記載の発明では、外出先などのダイヤルパルス方式の電話機でダイヤリングすることにより請求項1〜3記載の発明の設定変更が行われる。また、請求項6記載の発明では、請求項1〜3記載の発明において、着呼後にファクシミリ信号を受信すると、ファクシミリ受信が行われる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の各実施の形態のファクシミリ装置の構成ブロック図である。図示するように、このファクシミリ装置は、プログラムを内蔵したROMおよび上記プログラムに従って動作するCPUなどを有して省電力制御を行う省電力制御部(省電力制御手段)1、回線から受信した省電力制御信号を検出する信号検出部(信号検出手段)2、回線へ音声メッセージを出力する音声応答回路3、復号化された受信画情報を記録紙へ出力する例えば電子写真方式のプロッタ4、プロッタ4内に設けられた定着ヒータ5、定着ヒータ5の温度を検出するサーミスタ6、定着ヒータ5に電流を供給するヒータ制御回路7、省電力制御部1の制御により各部へ供給する電源をオンさせたりオフさせたりする省電力回路8、現在時刻を出力するリアルタイムクロック9、プログラムを内蔵したROMおよび上記プログラムに従って動作するCPUなどを有して装置全体を管理・制御するシステム制御部11、利用者がファクシミリ装置に指示を与えるためのキーボードおよびファクシミリ装置が利用者にメッセージ等を与えるための表示手段などから成る操作表示部12、画情報などを一時的に格納しておくRAM13、原稿上の画像を読み取るスキャナ14、公衆電話網を介して遠隔のファクシミリ装置との間に呼を設定したりする網制御装置(NCU)16、G3伝送制御手順などに従ってファクシミリ送受信を行う通信制御部17、送信画情報を符号化したり受信画情報を復号化したりする符号化復号化部(DCR)18、低速モデムおよび高速モデムから成るモデム19、画情報を蓄積しておく画像メモリ20などを備えている。なお、上記省電力制御部1とシステム制御部11のROMを共通化することも可能である。また、操作表示部12は省電力制御を行うか否かを設定するための省電力制御キーなどを備えている。また、上記省電力制御信号は相手側電話機から発信され、例えばDTMF信号である。
【0007】このようなファクシミリ装置でファクシミリを送信する場合は、まずシステム制御部11がスキャナ14により画情報をRAM13に読み込み、その画情報をDCR18によって符号化し、RAM13または画像メモリ20に格納する。また、操作表示部12により指定された宛先など発呼時指定情報をシステム制御部11が取得し、宛先情報を渡されたNCU16が指定の宛先との間に呼を設定する。続いて、通信制御部17が低速モデムを介してフェーズBを実行し、やがてフェーズCに移り、RAM13または画像メモリ20内の上記符号化された画情報をモデム19内の高速モデムにより変調し、NCU16を介して送出する。受信時は、NCU16が呼を設定した後、フェーズBに入り、低速モデムを介して所定の交信を行い、フェーズCに入り、符号化された画情報を受信する。そして、その画情報をNCU16、通信制御部17を介してRAM13に格納し、さらにDCR18により復号化し、RAM13を介してプロッタ10に出力するか、画像メモリ20に蓄積する。 また、この実施の形態では、利用者が操作表示部12内の省電力制御キーなどを押すことにより省電力制御オン状態を指示すると、省電力制御部1が次のような省電力制御を行う。
【0008】まず、待機時間を監視する。待機時間とは送信動作も受信動作も行われていない時間であり、この時間はスキャナ14による原稿読み取りを含む送信動作またはプロッタ10への画像出力を含む受信動作が終了したときに始まり、例えば回線から何らかの信号を受信するか、操作表示部12内のいずれかのキーなどが押されたときに終わる。したがって、省電力制御部1は送信動作または受信動作が終了すると、そのときの現在時刻をリアルタイムクロック9から取得し、その時刻をRAM13などに記憶し、その後、リアルタイムクロック9から周期的に現在時刻を取得して、持続中の待機時間を計時する。そして、待機時間がフラッシュメモリ(図示していない)などに予め設定しておいた所定の時間に達すると、省電力回路8を制御して省電力状態(省電力モード,省エネモード)にする。つまり、省電力回路8はヒータ制御回路7を制御して定着ヒータ5への通電を断つと共に、システム制御部11,操作表示部12内の表示装置,スキャナ14などへの電源供給も停止させる。なお、省電力制御が行われていないときの待機状態では、定着ヒータ5は予熱状態に保持される。ヒータ制御回路7は、サーミスタ6により定着ヒータ5の温度を取得し、その温度が予め設定された予熱温度になるように定着ヒータ5への通電を制御するのである。
【0009】以下、図2に示す動作フローに従って、第1の実施の形態の動作を説明する。まず、NCU16により着呼が検出される(S1でYes)。そうすると、省電力制御部1はそのときの電力モードが省電力モード(省エネモード)か否かを判定する(S2)。そして、省電力モードであれば(S2でYes)、省電力制御部1は省電力回路8を制御して通常電力モードに復帰させる(S3)。続いて、NCU16が回線を接続(閉結)すると(S4)、信号検出部2は規定のDTMF信号の受信を監視する(S5)。そして、所定時間の間に上記信号が受信されず(S5でNo)、且つ相手がファクシミリ装置であることを示すファクシミリ信号(例えばCNG信号)も受信されないと(S6でNo)、音声応答回路3に音声データを与えて、例えば「省エネ制御に係わる設定を希望する方はダイヤル1を押して下さい。」というような音声メッセージを再生・出力させる(S7)。つまり、上記音声メッセージの再生・出力に際しては、PCMまたはADPCM方式などでディジタルデータ化されてROMなどの所定領域に書き込まれている音声データを省電力制御部1が読み出して音声応答回路3に与える。そうすると、音声応答回路3はその中に設けられたDA変換器により音声データをアナログ音声信号に変換し、さらに、その信号を増幅して音声メッセージとしてNCU16に渡し、そのときに接続されている相手側電話機へ送信させる。
【0010】一方、ステップS6において例えばCNG信号が受信されると(S6でYes)、ファクシミリ受信フローへ進む。 音声メッセージ出力後、ステップS5へ戻り、規定のDTMF信号が検出されると(S5でYes)、省電力制御部1は音声応答回路3を介して「省エネ制御をオンに設定したいならばダイヤル2、オフに設定したいならばダイヤル3を押して下さい。」というような省エネ設定受け付け待ちメッセージを再生・出力させる(S8)。そして、上記メッセージに応じて送られてきた省電力制御オンを指示するDTMF信号を信号検出部2が検出すると(S9でYes)、省電力制御部1は信号検出部2によりコード化された制御情報(上記の例では「2」)を取得してRAM13の所定の領域に記憶する(S12)。また、省電力制御オフを指示するDTMF信号を検出すると(S9でNo,S10でYes)、省電力制御部1は信号検出部2によりコード化された制御情報(上記の例では「3」)を取得してRAM13の所定の領域に記憶する(S13)。続いて、省電力制御部1は了解した旨を示す了解応答メッセージを音声応答回路3を介して再生・出力させ(S14)、NCU16に指示して回線を切断させる(S15)。さらに、省電力制御部1はRAM13の所定領域に記憶させておいた上記制御情報に従って省電力制御オン状態または省電力制御オフ状態にする(S16)。なお、ステップS11において、前記のいずれの信号も受信されずに回線が切断されたならば(S11でYes)、その時点でこの動作フローを終了させる。こうして、この実施の形態によれば、例えば外出時に、それまでの省電力制御状態を変更しようと思いながらその設定を忘れても、外出先などの電話機を用いて省電力制御をオン状態にもオフ状態にも設定できる。
【0011】本発明の第2の実施の形態では、図1に示したハードウェア構成で、外出先などの電話機を用いて、省電力モード時に定着ヒータを予熱状態に設定することも通電断状態に設定することもできる。以下、図3に示す動作フローに従って、第2の実施の形態の動作を説明する。まず、NCU16により着呼が検出される(S21でYes)。そうすると、省電力制御部1はそのときの電力モードが省電力モード(省エネモード)か否かを判定する(S22)。そして、省電力モードであれば(S22でYes)、省電力制御部1は省電力回路8を制御して通常電力モードに復帰させる(S23)。続いて、NCU16が回線を接続(閉結)すると(S24)、信号検出部2は規定のDTMF信号の受信を監視する(S25)。そして、所定時間の間に上記信号が受信されず(S25でNo)、且つ相手がファクシミリ装置であることを示すファクシミリ信号(例えばCNG信号)も受信されないと(S26でNo)、音声応答回路3に音声データを与えて、例えば「省エネ制御に係わる設定を希望する方はダイヤル1を押して下さい。」というような音声メッセージを再生・出力させる(S27)。一方、ステップS26において例えばCNG信号が受信されると(S26でYes)、ファクシミリ受信フローへ進む。音声メッセージ出力後、ステップS25へ戻り、規定のDTMF信号が検出されると(S25でYes)、省電力制御部1は音声応答回路3を介して「省エネモード時に定着ヒータを予熱状態にしたいならばダイヤル4、オフにしたいならばダイヤル5を押して下さい。」というような省エネ設定受け付け待ちメッセージを再生・出力させる(S28)。そして、上記メッセージに応じて送られてきた定着ヒータ予熱状態を指示するDTMF信号を信号検出部2が検出すると(S29でYes)、省電力制御部1は信号検出部2によりコード化された制御情報(上記の例では「4」)を取得してRAM13の所定の領域に記憶する(S32)。また、定着ヒータオフを指示するDTMF信号を検出すると(S29でNo,S30でYes)、省電力制御部1は信号検出部2によりコード化された制御情報(上記の例では「5」)を取得してRAM13の所定の領域に記憶する(S33)。
【0012】続いて、省電力制御部1は了解した旨を示す了解応答メッセージを音声応答回路3を介して再生・出力させ(S34)、NCU16に指示して回線を切断させる(S35)。さらに、省電力制御部1はRAM13の所定領域に記憶させておいた上記制御情報に従って省電力モードになったとき定着ヒータを予熱状態または通電断状態にする(S36)。 なお、ステップS31において、前記のいずれの信号も受信されずに回線が切断されたならば(S31でYes)、その時点でこの動作フローを終了させる。このようにして、第2の実施の形態によれば、例えば外出時に、それまでの省電力モード時の定着ヒータ状態を変更しようと思いながらその設定を忘れても、外出先などの電話機を用いて定着ヒータ予熱状態にもオフ状態にも設定できる。なお、上記の動作フローにおいて、第1の実施の形態に示した省電力制御オンオフ設定を組み込むことも可能である。
【0013】本発明の第3の実施の形態では、図1に示したハードウェア構成で、外出先などの電話機を用いて、省電力モードに移行する際の待機時間などタイマ値を設定することができる。以下、図4に示す動作フローに従って、第3の実施の形態の動作を説明する。まず、NCU16により着呼が検出される(S41でYes)。そうすると、省電力制御部1はそのときの電力モードが省電力モード(省エネモード)か否かを判定する(S42)。そして、省電力モードであれば(S42でYes)、省電力制御部1は省電力回路8を制御して通常電力モードに復帰させる(S43)。続いて、NCU16が回線を接続(閉結)すると(S44)、信号検出部2は規定のDTMF信号の受信を監視する(S45)。そして、所定時間の間に上記信号が受信されず(S45でNo)、且つ相手がファクシミリ装置であることを示すファクシミリ信号(例えばCNG信号)も受信されないと(S46でNo)、音声応答回路3に音声データを与えて、例えば「省エネ制御に係わる設定を希望する方はダイヤル1を押して下さい。」というような音声メッセージを再生・出力させる(S47)。一方、ステップS46において例えばCNG信号が受信されると(S46でYes)、ファクシミリ受信フローへ進む。
【0014】音声メッセージ出力後、ステップS45へ戻り、規定のDTMF信号が検出されると(S45でYes)、省電力制御部1は音声応答回路3を介して例えば「待機時間を設定したいならば分単位の待機時間を2桁で入力して下さい。」というような省エネ設定受け付け待ちメッセージを再生・出力させる(S48)。そして、上記メッセージに応じて送られてきた待機時間などを指示するDTMF信号を信号検出部2が検出すると(S49でYes)、省電力制御部1は信号検出部2によりコード化された待機時間など新規タイマ値を取得してRAM13の所定の領域に記憶する(S52)。また、第1または第2の実施の形態で示したような他の設定を指示するDTMF信号を検出すると(S49でNo,S50でYes)、省電力制御部1は信号検出部2によりコード化された制御情報を取得してRAM13の所定の領域に記憶する(S53)。続いて、省電力制御部1は了解した旨を示す了解応答メッセージを音声応答回路3を介して再生・出力させ(S54)、NCU16に指示して回線を切断させる(S55)。さらに、省電力制御部1は、RAM13の所定領域に記憶させておいたタイマ値などに従って、例えばフラッシュメモリに記憶されている待機時間などタイマ値を更新したりする(S56)。なお、ステップS51において、前記のいずれの信号も受信されずに回線が切断されたならば(S51でYes)、その時点でこの動作フローを終了させる。このようにして、第3の実施の形態によれば、例えば外出時に、それまでよりも短い待機時間に変更しようと思いながらその設定を忘れても、外出先などの電話機を用いて待機時間を短く設定したりすることができる。なお、外出中は待機時間が短くてよいのは、ファクシミリ装置を一人の利用者が占有しているような場合には、発信操作などが発生しないからである。また、以上の説明においては、信号検出部2をDTMF信号を検出するものとしたが、ダイヤルパルス信号を検出するように構成することも可能であるし、両方を検出するように構成することも可能である。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は以下のような優れた効果を奏する。請求項1記載の発明によれば、外出先などの電話機を用いてファクシミリ装置の省電力制御に係わる設定を変更することができるので、例えば外出時に、それまでの省電力制御状態を変更しようと思いながらその設定を忘れても、外出先などの電話機を用いて省電力制御をオン状態にもオフ状態にも設定できる。また、請求項2記載の発明では、ファクシミリ装置において省電力モードへ移行する条件が発生したときに定着ヒータをオフにするか否かを外出先などの電話機を用いて変更することができるので、例えば外出時に、それまでの省電力モード時の定着ヒータ状態を変更しようと思いながらその設定を忘れても、外出先などの電話機を用いて定着ヒータを予熱状態にもオフ状態にも設定できる。また、請求項3記載の発明では、省電力モードへ移行する際の待機時間を外出先などの電話機を用いて変更することができるので、例えば外出時に、それまでよりも短い待機時間に変更しようと思いながらその設定を忘れても、外出先の電話機などを用いて待機時間を短く設定したりすることができる。また、請求項4記載の発明では、外出先などの電話機のプッシュボタンを押すことにより請求項1〜3記載の発明の設定変更が行われるので、プッシュボタン方式の電話機さえあれば、どこからでも上記の設定変更を行うことができる。また、請求項5記載の発明では、外出先などのダイヤルパルス方式の電話機でダイヤリングすることによっても請求項1〜3記載の発明の設定変更を行うことができる。また、請求項6記載の発明では、請求項1〜3記載の発明において、着呼後にファクシミリ信号を受信すると、ファクシミリ受信が行われるので、ファクシミリモードと電話モードとの切り替えに受信側の利用者を煩わせることなく、いつでもファクシミリ受信ができるし、いつでも本発明に係わる電話機による省電力制御関連の設定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施の形態のファクシミリ装置の構成ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示すファクシミリ装置の動作フロー図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示すファクシミリ装置の動作フロー図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態を示すファクシミリ装置の動作フロー図である。
【符号の説明】
1:省電力制御部(省電力制御手段)、2:信号検出部(信号検出手段)、3音声応答回路、4 プロッタ、5:定着ヒータ、8:省電力回路、9:リアルタイムクロック、11:システム制御部、12:操作表示部、13:RAM。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 待機時に省電力モードへ移行する省電力化手段を備えたファクシミリ装置において、回線を介して電話機から送られてきた省電力制御信号を検出する信号検出手段と、上記信号検出手段により検出された省電力制御信号に従って省電力制御に係わる設定を変更する省電力制御手段とを備えたことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項2】 請求項1記載のファクシミリ装置において、省電力モードへ移行する条件が発生したときに定着ヒータをオフにするか否かを省電力制御信号に従って変更するように省電力制御手段を構成したことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項3】 請求項1記載のファクシミリ装置において、省電力制御信号に従って省電力モードへ移行する際の待機時間を変更するように省電力制御手段を構成したことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載のファクシミリ装置において、省電力制御信号としてDTMF信号を検出するように信号検出手段を構成したことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項5】 請求項1〜3の何れかに記載のファクシミリ装置において、省電力制御信号としてダイヤルパルス信号を検出するように信号検出手段を構成したことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項6】 請求項1〜3の何れかに記載のファクシミリ装置において、着呼後にファクシミリ信号を受信すると、直ちにファクシミリ受信フローへ移行する構成にしたことを特徴とするファクシミリ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2000−32191(P2000−32191A)
【公開日】平成12年1月28日(2000.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−210404
【出願日】平成10年7月9日(1998.7.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】