説明

ファクシミリ装置

【課題】 相手先に返信を行う際に見栄えの良い画情報を送信することが可能なファクシミリ装置を提供する。
【解決手段】 制御部101は、S5ステップにおいて入力部110から受信画像を表示するよう指示する操作があると判定すると、S6ステップで画情報メモリ105に格納されている受信した画情報を読み出して表示部109に表示させ、S7ステップにおいて、メモボタンの押下を検出し、S8ステップにおいてセットされている普通紙に受信した画情報の縮小処理をし、その画情報の下側にメモ欄を付加して、S9ステップにおいて印刷を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はファクシミリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のファクシミリ装置では、受信側のファクシミリ装置は、受信した画情報をそのまま記録紙に印刷するようになっている。このようなファクシミリ装置では、受信側のユーザは、印刷された用紙にコメントを記入して送信側に返信する場合に、印刷された用紙の余白等にコメントや意見を記入し返信していた。この為、相手先に見栄えの良い画情報を送信することができなかった。
【0003】
また、例えば引用文献1には、横方向にセットされた原稿を読み込み、読み込んだ画情報を90度回転させて縦方向の画情報で送信する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−121149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この引用文献1に記載の技術においてもまた、受信側がコメントを記載して返信する際には余白部分にコメントを記載する必要があるため、上述したような相手先に見栄えの良い画情報を送信することができなかったという課題は未だ解決されていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、本願発明は、普通紙に印刷可能なファクシミリ装置であり、画情報を格納する格納手段と、前記格納手段に格納されている画情報を印刷する印刷手段と、入力手段と、前記入力手段からの操作に基づいて、前記格納手段に格納されている画情報を縮小した縮小画像にメモ欄を付加して印刷するように前記印刷手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、簡単な操作で、送信側から送られてくるデザイン図、設計図、写真等の画情報を受信側で自動的に縮小し、その縮小した画情報の下側にコメントを記入するメモ欄を作成して印刷することが可能である。このため、受信側のユーザは、印刷された普通紙のメモ欄に意見等を記入して返信できるため、相手先に見栄えの良い返信画情報を送信することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明を適用してなる実施例装置の斜視図である。
【図2】本発明を適用してなる実施例装置のブロック図である。
【図3】本発明を適用してなる実施例装置の動作を示すフロー図である。
【図4】送信画情報と受信側で印刷された普通紙の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用してなる実施例装置であるファクシミリ装置について説明する。尚、本実施例装置はファクシミリ装置について実施しているが、ファクシミリ機能を搭載したコピー機、プリンタ等にも同様に本発明を適用することが可能である。
【実施例】
【0010】
本発明を適用してなる実施例装置であるファクシミリ装置10の斜視図を図1に示す。ファクシミリ装置10は、FAX番号や氏名等の文字を表示する表示部109、テンキーや各種キー等からなる入力部110、ファクシミリ装置10へ普通紙をセットする際に、普通紙を受ける収納部112等を有している。
【0011】
次に、本発明の実施例にかかるファクシミリ装置10の構成を示すブロック図を図2に示す。
【0012】
制御部101は、ファクシミリ装置10の各回路と接続され、ROM(Read Only Memory)106に格納されている各種制御プログラムに基づいて動作する。
【0013】
網制御部102は、電話回線Lと接続されており、回線からの着信信号の検出機能や、回線の極性反転を検出する機能、入力部110から入力された電話番号やファクシミリ番号を回線Lへ送出する機能等を有する。
【0014】
モデム103は、制御部101と接続されており、電話回線Lを介してファクシミリ制御信号の送受信を行う機能や、画情報の変調、復調、更には符号化、復号化の機能を有する。具体的には、画情報をMH(Modified Huffman)、MR(Modified READ)、MMR(Modified Modified READ)等の符号化あるいは、これらの符号化データを復号化する機能を有する。
【0015】
読み取り部104は、制御部101と接続されており、原稿を読み取るイメージスキャナー等で構成されている。
【0016】
画情報メモリ105は、例えばフラッシュメモリからなり、電話回線Lを介して受信された画情報データや読み取り部104により読み取られた画情報データを格納する。
【0017】
ROM(Read Only Memory)106は、制御部101と接続されており、ファクシミリ装置を動作させる為の制御プログラムを格納する。
【0018】
RAM(Random Access Memory)107は、制御部101と接続され、電話番号や氏名等の電話帳画情報等を格納する。
【0019】
バッファメモリ108は、例えばフラッシュメモリからなり、画情報メモリ105に格納されている画情報を展開し、画情報データを縮小し、縮小された画情報データにメモ書きを可能とするメモ欄を付加し、その画情報データを印刷部111へ出力するためのメモリである。
【0020】
表示部109は、制御部101と接続されており、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等の液晶ディスプレイパネル等からなり、制御部101からの制御信号に応じて、現在の通信状態やダイヤル入力時における相手先のFAX番号など各種のテキスト情報を表示する。
【0021】
入力部110は、制御部101と接続されており、テンキーやファクシミリを開始するためのスタートキー、通話を開始するための通話キー、通話を終了するための切キー、機能キー、選択キー、受信した画情報データにメモ欄を付加した画情報データの印刷出力を行う為のメモボタン、等のキーからなる。
【0022】
印刷部111は、制御部101と接続されており、バッファメモリ108に一時的に蓄積された画情報等を印刷する。
【0023】
収納部112は、制御部101と接続されており、A4サイズの普通紙をセットすることが可能なトレーである。
【0024】
センサ部113は、制御部101と接続されており、収納部112に普通紙がセットされたことを検出する。
【0025】
次に、本実施例に係わるファクシミリ装置の動作について、図3のフロー図に基づいて説明する。
【0026】
S1ステップにおいて、制御部101は、網制御部102が回線から着信信号を検出したと判定すると、S2ステップへ処理を進める。
【0027】
S2ステップにおいて、制御部101は、モデム103を制御することにより、モデム103は、電話回線Lからのファクシミリ制御信号の受信と続いて回線Lから受信した画情報の復調及び復号化を行う。
【0028】
S3ステップにおいて、制御部101は、S2ステップにて受信した画情報を画情報メモリ105に格納する。
【0029】
S4ステップにおいて、制御部101は、表示部109にファクシミリ受信があった旨を示すメッセージ、例えば、「ファクシミリ受信あり」を表示させ、S5ステップへ処理を進める。
【0030】
S5ステップにおいて、制御部101は、入力部110から受信画像を表示するよう指示する操作があると判定すると、S6ステップへ処理を進め、そうでなければ、S4ステップへ処理を戻す。尚、図示してはいないが、S4ステップへ処理を戻す際にファクシミリ受信や他の電話着呼、或いは電話発呼の指示等があればその動作を実行する。
【0031】
S6ステップにおいて、制御部101は、画情報メモリ105に格納されている受信した画情報を読み出して表示部109に表示させ、S7ステップへ処理を進める。
【0032】
S7ステップにおいて、制御部101は、入力部110にてメモボタンが押下されたと判定するとS8ステップへ処理を進め、そうでなければS10ステップへ処理を進める。
【0033】
S8ステップにおいて、制御部101は、画情報メモリ105に蓄積された画情報をバッファメモリ108に展開して、バッファメモリ108上で画情報の縮小処理を行い、更に、その画情報の下側にメモ欄を付加して画情報を作成する(図4参照)。
【0034】
S9ステップにおいて、制御部101は、S8ステップにて処理された画情報を印刷部112へ送信し、印刷部112に画情報を印刷させる。S9ステップの処理を行なうことにより、縮小された画情報とメモ欄とが印刷された普通紙が排出されることになる。
【0035】
S10ステップにおいて、制御部101は、S8ステップにて処理された画情報を印刷部112へ送信し、印刷部112に画情報を印刷させる。S10ステップの処理を行なうことにより、画像が縮小又は拡大されていない画情報が印刷された普通紙が排出されることになる。
【0036】
図4は、送信側から送られる画情報と、受信側で受信し印刷した普通紙を示している。この場合は、受信側ユーザは、入力部110のメモボタンを押下するだけで、縮小された受信画像とその下側にメモ欄を付加して印刷することが可能である。その活用方法として例えば、送信側がお弁当屋さんであった場合は、送信側で、その日の弁当の写真を載せたメニュー送信し、会社等の受信側で、メモ欄に選んだ弁当の注文数を記入して、そのまま、送信側へ返信するといった方法が挙げられる。
【符号の説明】
【0037】
10・・・・・ファクシミリ装置
101・・・・制御部
102・・・・網制御部
103・・・・モデム
104・・・・読み取り部
105・・・・画情報メモリ
106・・・・ROM
107・・・・RAM
108・・・・バッファメモリ
109・・・・表示部
110・・・・入力部
111・・・・印刷部
112・・・・収納部
113・・・・センサ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
普通紙に印刷可能なファクシミリ装置であり、
画情報を格納する格納手段と、
前記格納手段に格納されている画情報を印刷する印刷手段と、
入力手段と、
前記入力手段からの操作に基づいて、前記格納手段に格納されている画情報を縮小した縮小画像にメモ欄を付加して印刷するように前記印刷手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とするファクシミリ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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