説明

ファクシミリ通信システムおよびファクシミリ通信システムの制御方法およびプログラムおよび記録媒体

【課題】ファクシミリ特定業務を円滑に実行することができるファクシミリ通信システムおよびファクシミリ通信システムの制御方法およびプログラムおよび記録媒体を提供すること目的とする。
【解決手段】受信したファクシミリ画情報をいったん保存し、その保存したファクシミリ画情報について、ユーザ操作による所定の処理を行うファクシミリ通信システムにおいて、第1の時間帯においては、前記保存したファクシミリ画情報について、ユーザ操作による所定の処理を実行可能とする一方、前記第1の時間帯以外の時間帯においては、前記保存したファクシミリ画情報について、所定の自動処理を行う制御手段を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ特定業務を円滑に実行することができるファクシミリ通信システムおよびファクシミリ通信システムの制御方法およびプログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ファクシミリ特定業務を処理するペーパレスファクシミリシステムでは、ファクシミリ受信情報を紙に印字せずに、データベースサーバ装置などに保管するようにしている。会社業務においては、例えば、当該業務にファクシミリ振り分け担当者を配置し、このファクシミリ振り分け担当者がおのおののファクシミリ受信情報の内容を確認した後、各宛先者にデータを転送するなどしている。
【特許文献1】特開2005−94383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような運用を行なっている場合、ファクシミリ振り分け担当者が帰宅した後に到着したファクシミリに関しては翌日にファクシミリ振り分け担当者が出社するまで宛先者まで届けられないことになってしまい、円滑な業務の妨げとなっていた。
【0004】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、ファクシミリ特定業務を円滑に実行することができるファクシミリ通信システムおよびファクシミリ通信システムの制御方法およびプログラムおよび記録媒体を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、受信したファクシミリ画情報をいったん保存し、その保存したファクシミリ画情報について、ユーザ操作による所定の処理を行うファクシミリ通信システムにおいて、第1の時間帯においては、前記保存したファクシミリ画情報について、ユーザ操作による所定の処理を実行可能とする一方、前記第1の時間帯以外の時間帯においては、前記保存したファクシミリ画情報について、所定の自動処理を行う制御手段を備えたものである。
【0006】
また、受信したファクシミリ画情報をいったん保存し、その保存したファクシミリ画情報について、ユーザ操作による所定の処理を行うファクシミリ通信システムにおいて、所定のユーザがログインしている場合には、前記保存したファクシミリ画情報について、ユーザ操作による所定の処理を実行可能とする一方、所定のユーザがログインしていない場合には、前記保存したファクシミリ画情報について、所定の自動処理を行う制御手段を備えたものである。
【0007】
また、受信したファクシミリ画情報をいったん保存し、その保存したファクシミリ画情報について、ユーザ操作による所定の処理を行うファクシミリ通信システムの制御方法において、第1の時間帯においては、前記保存したファクシミリ画情報について、ユーザ操作による所定の処理を実行可能とする一方、前記第1の時間帯以外の時間帯においては、前記保存したファクシミリ画情報について、所定の自動処理を行う制御ステップを備えたものである。
【0008】
また、受信したファクシミリ画情報をいったん保存し、その保存したファクシミリ画情報について、ユーザ操作による所定の処理を行うファクシミリ通信システムの制御方法において、所定のユーザがログインしている場合には、前記保存したファクシミリ画情報について、ユーザ操作による所定の処理を実行可能とする一方、所定のユーザがログインしていない場合には、前記保存したファクシミリ画情報について、所定の自動処理を行う制御ステップを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
したがって、本発明によれば、業務担当のユーザが在席しているときと不在の場合とで、受信したファクシミリ画情報についてそれぞれ適切な処理を適用することができるのでファクシミリ特定業務を円滑に行うことができるという効果を得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施例にかかるファクシミリ通信システムの一例を示している。
【0012】
このファクシミリ通信システムは、アナログ公衆網PSTNを介して他のファクシミリ装置とファクシミリ通信を行い、ファクシミリ画情報を受信するネットワーク対応ファクシミリ装置FXと、受信されたファクシミリ画情報をいったん保存すると共に、適宜な処理を適用するデータ処理サーバ装置SDと、受信されたファクシミリ画情報を保存管理するための文書管理サーバ装置FSと、電子メール配信サービスを行うメールサーバ装置SMと、ネットワークを介して印刷ジョブを受け付けて、その受け付けた印刷ジョブの印刷動作を行うネットワーク対応印刷装置PXと、複数のユーザが適宜に使用するクライアント端末装置PC1〜PCnとを、それぞれローカルエリアネットワークLNを介して接続したものである。
【0013】
これらのネットワーク対応ファクシミリ装置FX、データ処理サーバ装置SD、文書管理サーバ装置FS、メールサーバ装置SM、ネットワーク対応印刷装置PX、および、クライン後端末装置PC1〜PCnの各装置間の情報のやりとりは、ローカルエリアネットワークLNを介して行われる。
【0014】
また、ローカルエリアネットワークLNを介して行われるデータ通信は、いわゆるTCP/IPと呼ばれるトランスポートレイヤまでの伝送プロトコルと、それ以上の上位レイヤの通信プロトコルとの組み合わせ(いわゆるプロトコルスイート)が適用して行われる。
【0015】
そして、データ処理サーバ装置SDは、ネットワーク対応ファクシミリ装置FXが受信したファクシミリ画情報に対して次の4つのデータ処理のいずれかを実行する。
(1)クライアント端末装置PC1〜PCnの特定のフォルダに保存する。
(2)文書管理サーバ装置FXに新たに文書として登録する。
(3)ファクシミリ画情報を添付したメール文書を作成し、メールサーバ装置SMを使用してメール送信する。
(4)ファクシミリ画情報をネットワーク対応印刷装置PXで印刷する。
【0016】
図2は、ネットワーク対応ファクシミリ装置FXの構成例を示している。
【0017】
同図において、システム制御部1は、このネットワーク対応ファクシミリ装置FXの各部の制御処理、および、ファクシミリ伝送制御手順処理などの各種制御処理を行うものであり、システムメモリ2は、システム制御部1が実行する制御処理プログラム、および、処理プログラムを実行するときに必要な各種データなどを記憶するとともに、システム制御部1のワークエリアを構成するものであり、パラメータメモリ3は、このネットワーク対応ファクシミリ装置FXに固有な各種の情報を記憶するためのものであり、時計回路4は、現在時刻情報を出力するものである。
【0018】
スキャナ5は、所定の解像度で原稿画像を読み取るためのものであり、プロッタ6は、所定の解像度で画像を記録出力するためのものであり、操作表示部7は、このネットワーク対応ファクシミリ装置FXを操作するためのもので、各種の操作キー、および、各種の表示器からなる。
【0019】
符号化復号化部8は、画信号を符号化圧縮するとともに、符号化圧縮されている画情報を元の画信号に復号化するためのものであり、画像蓄積装置9は、符号化圧縮された状態の画情報を多数記憶するためのものである。
【0020】
グループ3ファクシミリモデム10は、グループ3ファクシミリのモデム機能を実現するためのものであり、伝送手順信号をやりとりするための低速モデム機能(V.21モデム)、および、おもに画情報をやりとりするための高速モデム機能(V.17モデム、V.34モデム、V.29モデム、V.27terモデムなど)を備えている。
【0021】
網制御装置11は、このネットワーク対応ファクシミリ装置FXをアナログ公衆回線網PSTNに接続するためのものであり、自動発着信機能を備えている。
【0022】
ローカルエリアネットワークインターフェース回路12は、このネットワーク対応ファクシミリ装置FXをローカルエリアネットワークLANに接続するためのものであり、ローカルエリアネットワーク伝送制御部13は、ローカルエリアネットワークLANを介して、他のデータ端末装置との間で種々のデータをやりとりするための各種所定のプロトコルスイートの通信制御処理を実行するためのものである。
【0023】
これらの、システム制御部1、システムメモリ2、パラメータメモリ3、時計回路4、スキャナ5、プロッタ6、操作表示部7、符号化復号化部8、画像蓄積装置9、グループ3ファクシミリモデム10、網制御装置11、および、ローカルエリアネットワーク伝送制御部13は、内部バス14に接続されており、これらの各要素間でのデータのやりとりは、主としてこの内部バス14を介して行われている。
【0024】
また、網制御装置11とグループ3ファクシミリモデム10との間のデータのやりとりは、直接行なわれている。
【0025】
図3は、クライアント端末装置PC(PC1〜PCn)の構成例を示している。なお、このクライアント端末装置PCは、いわゆるパーソナルコンピュータ装置と同等の構成・機能を備えている。
【0026】
同図において、CPU(中央処理装置)21は、このクライアント端末装置PCの動作制御を行うものであり、ROM(リード・オンリ・メモリ)22は、CPU21が起動時に実行するプログラムや必要なデータ等を記憶するためのものであり、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)23は、CPU21のワークエリア等を構成するためのものである。
【0027】
キャラクタジェネレータ24は、図形文字の表示データを発生するためのものであり、時計回路25は、現在日時情報を出力するためのものであり、ローカルエリアネットワークインターフェース回路26は、このクライアント端末装置PCをローカルエリアネットワークLNに接続するためのものであり、ローカルエリアネットワーク伝送制御部27は、ローカルエリアネットワークLNを介して、他のデータ端末装置との間で種々のデータをやりとりするための各種所定のプロトコルスイートの通信制御処理を実行するためのものである。
【0028】
磁気ディスク装置28は、例えば、文書編集プログラムなどの種々のアプリケーションプログラム、ワークデータ、ファイルデータ、および、画情報データなどの種々のデータを記憶するためのものであり、光学媒体駆動装置29は、交換可能な光学記録媒体(例えば、CD−ROM、DVDなど)30のデータをアクセス(読み書き)するためのものであり、画面表示装置31は、このクライアント端末装置PCを操作するための画面を表示するためのものであり、表示制御部32は、画面表示装置31の表示内容を制御するためのものである。
【0029】
キーボード装置33は、このクライアント端末装置PCに種々のキー操作を行うためのものであり、画面指示装置34は、画面表示装置31の任意の点を指示する等の操作作業を行うためのものであり、入力制御部35は、キーボード装置33および画面指示装置34の入力情報を取り込む等するためのものである。
【0030】
これらのCPU21、ROM22、RAM23、キャラクタジェネレータ24、時計回路25、ローカルエリアネット伝送制御部27、磁気ディスク装置28、光学媒体駆動装置29、表示制御部32、および、入力制御部35は、内部バス36に接続されており、これらの各要素間のデータのやりとりは、主としてこの内部バス36を介して行われる。
【0031】
図4は、各サーバ装置(データ処理サーバ装置SD、メールサーバ装置SM、および、文書管理サーバ装置FS)の構成例を示している。
【0032】
同図において、CPU(中央処理装置)41は、このサーバ装置の動作制御を行うものであり、ROM(リード・オンリ・メモリ)42は、CPU41が起動時に実行するプログラムや必要なデータ等を記憶するためのものであり、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)43は、CPU41のワークエリア等を構成するためのものである。
【0033】
キャラクタジェネレータ44は、図形文字の表示データを発生するためのものであり、時計回路45は、現在日時情報を出力するためのものであり、操作表示部46は、このサーバ装置を操作するためのもので、各種の操作キー、および、各種の表示器からなる。
【0034】
ローカルエリアネットワークインターフェース回路47は、このサーバ装置をローカルエリアネットワークLNに接続するためのものであり、ローカルエリアネットワーク伝送制御部48は、ローカルエリアネットワークLNを介して、他のデータ端末装置との間で種々のデータをやりとりするための各種所定のプロトコルスイートの通信制御処理を実行するためのものである。
【0035】
磁気ディスク装置49は、例えば、配信サーバプログラムなどの種々のアプリケーションプログラム、ワークデータ、ファクシミリ文書情報などのファイルデータ、および、画情報データなどの種々のデータを記憶するためのものであり、光学媒体駆動装置50は、交換可能な光学記録媒体(例えば、CD−ROM、DVDなど)51のデータをアクセス(読み書き)するためのものである。
【0036】
これらのCPU41、ROM42、RAM43、キャラクタジェネレータ44、時計回路45、操作表示部46、ローカルエリアネット伝送制御部48、磁気ディスク装置49、および、光学対倍駆動装置50は、内部バス52に接続されており、これらの各要素間のデータのやりとりは、主としてこの内部バス52を介して行われる。
【0037】
次に、本発明の第1の実施例について説明する。
【0038】
この第1の実施例では、文書管理サーバ装置FSの記憶領域は、図5(a)に示すように、ファクシミリ受信フォルダと、複数の担当者用ファクシミリ受信フォルダ#1〜#nが設けられている。
【0039】
また、この第1の実施例では、図6(a)に示すようなデータ処理スケジュール表(その1)が設けられて、データ処理サーバ装置SDに保存されており、データ処理サーバ装置SDは、このデータ処理スケジュール表に従って、受信されたファクシミリ画情報を処理するようにしている。
【0040】
すなわち、この場合、受信時間帯がファクシミリ振り分け担当者(後述)の勤務時間に相当する09:00〜18:00では、データ処理方法として、「文書管理サーバ装置FXのファクシミリ受信フォルダへ保存」が設定されており、また、それ以外の受信時間帯では、データ処理方法として「印刷」が設定されている。
【0041】
したがって、受信時間帯が09:00〜18:00では、ネットワーク対応ファクシミリ装置FXが受信したファクシミリ画情報は、ローカルエリアネットワークLNを介して、データ処理サーバ装置SDに転送され、データ処理サーバ装置SDは、その受信ファクシミリ画情報を、文書管理サーバ装置FSのファクシミリ受信フォルダに保存する。
【0042】
一方、受信されたファクシミリ画情報を振り分けるファクシミリ振り分け担当者が設定されていて、そのファクシミリ振り分け担当者が受信されたファクシミリ画情報の内容を確認して、そのファクシミリ画情報を処理する担当者を決定し、その担当者に対応したいずれかの担当者用ファクシミリ受信フォルダ#1〜#nに、ファクシミリ受信フォルダに保存されたファクシミリ画情報を移動する。
【0043】
それにより、各担当者は、文書管理サーバ装置FXにおいて自分に割り当てられている担当者用ファクシミリ受信フォルダ#1〜#nを、適宜にチェックし、新しくファクシミリ画情報が受信されている場合は、当該ファクシミリ画情報を確認し、例えば、ネットワーク対応印刷装置PXからファクシミリ画情報の画像を印刷する等の作業を行う。
【0044】
また、受信時間帯が18:00〜09:00では、ネットワーク対応ファクシミリ装置FXが受信したファクシミリ画情報は、ローカルエリアネットワークLNを介して、データ処理サーバ装置SDに転送され、データ処理サーバ装置SDは、その受信ファクシミリ画情報を、ネットワーク対応印刷装置PXより印刷出力する。
【0045】
図5(b)に文書管理サーバ装置の保存領域の他の例を示す。この場合、同図(a)に示した保存領域に、ファクシミリ振り分け担当者の上司用のファクシミリ受信フォルダ(上司用ファクシミリ受信フォルダ)を設けている。
【0046】
そして、この場合、スケジュール表は、図6(b)に示すように、この場合、受信時間帯がファクシミリ振り分け担当者の勤務時間に相当する09:00〜18:00では、データ処理方法として、「文書管理サーバ装置FXのファクシミリ受信フォルダへ保存」が設定されており、また、それ以外の受信時間帯では、データ処理方法として「上司用受信フォルダへ保存」が設定されている。
【0047】
したがって、この場合には、受信時間帯が09:00〜18:00では、データ処理サーバ装置SDは、上述した例と同じ動作を行うが、18:00〜09:00の時間帯では、データ処理サーバ装置SDは、ネットワーク対応ファクシミリ装置FXが受信した受信ファクシミリ画情報を、文書管理サーバ装置FSの上司用ファクシミリ受信フォルダに保存する。
【0048】
図6(c)は、スケジュール表のさらに他の例を示したものである。この場合のスケジュール表は、同図(a)に加えて、受信時間帯18:00〜09:00において、「担当者へメール通知」という処理が追加されている。
【0049】
したがって、この場合には、上述したように、受信時間帯18:00〜09:00において、受信したファクシミリ画情報をネットワーク対応ファクシミリ装置FXより印刷出力した場合には、その旨を通知する電子メールを作成し、あらかじめ登録されているファクシミリ振り分け担当者のメールアドレスに、当該電子メールを送信する。
【0050】
このようにすることで、次にファクシミリ振り分け担当者が勤務に入ったときに、不在時にファクシミリ受信原稿が記録出力されている旨を確認することができる。
【0051】
この場合のデータ処理サーバ装置SDの処理の一例を図7に示す。
【0052】
まず、データ処理サーバ装置SDにおいてデータを受信する(処理101)と、その受信時刻と、スケジュール表での設定を使ってどのデータ処理方法を用いるかを決定する(処理102)。その後決定したデータ処理方法を用いて受信したデータを処理することになる(処理103)。
【0053】
ところで、ファクシミリ振り分け担当者の勤務時間が日によって変動するようなことも考えられる。このような場合は、上述した実施例のように、スケジュール表を用いてデータ処理サーバ装置SDの処理内容を時間帯に応じて変更するような方法では対応できない。
【0054】
そこでファクシミリ振り分け担当者が使用するクライアント端末装置PCを起動してログインすると、データ処理サーバに自動的にログインするような仕組みを実装する。例えば、Microsoft Windows系(登録商標)などのオペレーティングシステムは、ユーザがログインするとスタートアップフォルダに登録されている実行ファイルが自動実行される。
【0055】
そこで、実行するとデータ処理サーバ装置SDにログインし、終了するときにはログアウトするような実行プログラムを作成し、それをスタートアップフォルダに登録しておく。
【0056】
通常、オペレーティングシステムからログアウトすると、オペレーティングシステムは実行中のプログラムを自動的に終了させるので、前記実行プログラムによって自動的にデータ処理サーバ装置SDからログアウトすることになる。
【0057】
また、データ処理サーバ装置SDにおいては、指定したユーザのログイン中、ログアウト中によって受信したデータのデータ処理方法を設定することができる。
【0058】
例えば、ファクシミリ振り分け担当者のユーザ名が“ユーザA”であるとして、“ユーザA”がログイン中であった場合には文書管理サーバ装置FSの特定のフォルダ“ファクシミリ受信フォルダ”に保存する。また、ログアウト中であった場合には印刷を行なうと設定しておく。このような設定は、例えば、図8(a)に示すようなデータ処理設定表としてデータ処理サーバ装置SDで保持しておく。
【0059】
これにより、ファクシミリ振り分け担当者が勤務時間の間はファクシミリデータは“ファクシミリ受信フォルダ”に保存され、帰宅している間は印刷されるように運用されることになる。
【0060】
また、図8(b)にしめすように、ログアウト中の処理として、「担当者へメール通知」という処理を追加したデータ処理設定表を設けることもできる。この場合には、ファクシミリ振り分け担当者がログアウト中であった場合には、印刷を行なうとともに、その旨を通知する電子メールを作成し、あらかじめ登録されているファクシミリ振り分け担当者のメールアドレスに、当該電子メールを送信する。
【0061】
このようにすることで、次にファクシミリ振り分け担当者が勤務に入ったときに、不在時にファクシミリ受信原稿が記録出力されている旨を確認することができる。
【0062】
この場合のデータ処理サーバ装置SDの処理の一例を図9に示す。
【0063】
まず、データ処理サーバ装置SDにおいてデータを受信すると(処理201)、データ処理設定表で指定されたユーザのログイン状況と、データ処理設定表での設定を使ってどのデータ処理方法を用いるかを決定する(処理202)。その後決定したデータ処理方法を用いて受信したデータを処理することになる(処理203)。
【0064】
ところで、上述した実施例では、ネットワーク対応ファクシミリ装置FX、データ処理サーバ装置SD、メールサーバ装置SM、文書管理サーバ装置FS、ネットワーク対応印刷装置PX、および、クライアント端末装置PCを別個の装置として構成しているが、これらの複数の装置機能を1つの装置に搭載しても良い。例えば、ネットワーク対応ファクシミリ装置FX、ネットワーク対応印刷装置PX、および、データ処理サーバ装置SDの機能を統合して備えた複合機として実装することも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施例にかかるファクシミリ通信システムの一例を示したブロック図。
【図2】ネットワーク対応ファクシミリ装置FXの構成例を示したブロック図。
【図3】クライアント端末装置PC(PC1〜PCn)の構成例を示したブロック図。
【図4】各サーバ装置(データ処理サーバ装置SD、メールサーバ装置SM、および、文書管理サーバ装置FS)の構成例を示したブロック図。
【図5】文書管理サーバ装置FSの保存領域の例を示した概略図。
【図6】データ処理スケジュール表を例示した概略図。
【図7】データ処理サーバ装置SDの処理の一例を示したフローチャート。
【図8】データ処理設定表を例示した概略図。
【図9】データ処理サーバ装置SDの処理の他の例を示したフローチャート。
【符号の説明】
【0066】
FX ネットワーク対応ファクシミリ装置
SD データ処理サーバ装置
SM メールサーバ装置
FS 文書管理サーバ装置
PX ネットワーク対応印刷装置
PC,PC1〜PCn クライアント端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信したファクシミリ画情報をいったん保存し、その保存したファクシミリ画情報について、ユーザ操作による所定の処理を行うファクシミリ通信システムにおいて、
第1の時間帯においては、前記保存したファクシミリ画情報について、ユーザ操作による所定の処理を実行可能とする一方、前記第1の時間帯以外の時間帯においては、前記保存したファクシミリ画情報について、所定の自動処理を行う制御手段を備えたことを特徴とするファクシミリ通信システム。
【請求項2】
受信したファクシミリ画情報をいったん保存し、その保存したファクシミリ画情報について、ユーザ操作による所定の処理を行うファクシミリ通信システムにおいて、
所定のユーザがログインしている場合には、前記保存したファクシミリ画情報について、ユーザ操作による所定の処理を実行可能とする一方、所定のユーザがログインしていない場合には、前記保存したファクシミリ画情報について、所定の自動処理を行う制御手段を備えたことを特徴とするファクシミリ通信システム。
【請求項3】
受信したファクシミリ画情報をいったん保存し、その保存したファクシミリ画情報について、ユーザ操作による所定の処理を行うファクシミリ通信システムの制御方法において、
第1の時間帯においては、前記保存したファクシミリ画情報について、ユーザ操作による所定の処理を実行可能とする一方、前記第1の時間帯以外の時間帯においては、前記保存したファクシミリ画情報について、所定の自動処理を行う制御ステップを備えたことを特徴とするファクシミリ通信システムの制御方法。
【請求項4】
受信したファクシミリ画情報をいったん保存し、その保存したファクシミリ画情報について、ユーザ操作による所定の処理を行うファクシミリ通信システムの制御方法において、
所定のユーザがログインしている場合には、前記保存したファクシミリ画情報について、ユーザ操作による所定の処理を実行可能とする一方、所定のユーザがログインしていない場合には、前記保存したファクシミリ画情報について、所定の自動処理を行う制御ステップを備えたことを特徴とするファクシミリ通信システムの制御方法。
【請求項5】
コンピュータに、請求項3または請求項4記載のファクシミリ通信システムの制御方法の制御ステップを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項5記載のプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−45717(P2010−45717A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−209802(P2008−209802)
【出願日】平成20年8月18日(2008.8.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】