説明

ファシリティーマットベースおよびそれを用いたファシリティーマット

【課題】コストおよびメンテナンスで有益なファシリティーマットおよびそれを構成するファシリティーマットベースを提供する。
【解決手段】断面方形の細長い部材よりなる一直線状またはL字状に構成されたフレームバーと、該フレームバーに沿って接合された帯板状またはT字状のフレームプレートとよりなるI型、L型またはT型のマットフレームユニットを適宜組み合わせ、前記マットフレームユニットを、該マットフレームユニットの各フレームバーが外周において連続するように接合して組み合わせ構成されたマットフレームと、該マットフレームにおいて生じた空間部分に前記フレームプレートの厚さと同様の厚さを有するアンダーマットを嵌め込んだことを特徴とするファシリティーマットベースおよび外周フレームバーの内のりに密接してマットブロックを配設したファシリティーマット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビルの入り口等に敷くためのファシリティーマットおよびそれを構成するファシリティーマットベースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ビルの入り口等に靴拭き用のマットが敷かれている。これは、外部において靴に付着した汚れや雨水等がビル内へ持ち込まれないようにするためのものである。近年のビルの構造は、従来に較べ広い入り口とそれに連なる広いロビーを設ける傾向が強く、それに伴いこれらの靴拭きマットもビル内の環境に沿った色々な工夫が試みられている。特に大きなマットに替わり小面積のマットを組み合わせ使用する工夫が見受けられる。(例えば、特許文献1参照)
しかしマット敷きの面積が大きくなればなる程、その設置やメインテナンスが困難となり、そのための労力や経費が嵩み、これらに対する対策が強くもとめられている。
【特許文献1】意匠公報第574447号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は上記に鑑み、ビル等の広域のフロアーに敷かれる、しかも設置やメインテナンスが容易なファシリティーマットベースおよびそれを用いたファシリティーマットを提供することをその目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のファシリティーマットベースは、
1)断面が方型または方型の上面外周側に所定の面取りを施した断面である細長い部材よりなる一直線状、L字状、コ字状、または一部に曲線を含む形状に構成されたフレームバーと、
該フレームバーに沿って接合された帯板状またはT字状のフレームプレートとよりなるI型、L型、コ型、T型、または一部に曲線を含む型のマットフレームユニットを適宜組み合わせ、且つ前記マットフレームユニットの各フレームバーが外周において連続するように接合して組み合わせ構成されたマットフレームと、
該マットフレームの下面に貼付された保護シートと、
前記組み合わされたマットフレームのフレームプレートにより生じた空間部分に嵌め込まれ、且つ前記フレームプレートの厚さに保護シートの厚さを加えた厚さを有し、またその上面が該フレームプレートの上面に一致するように嵌め込まれたアンダーマットを、設けたものである。
【0005】
2)また、上述1)において、前記マットフレームユニットを、前記フレームバーを前記フレームプレートの外周端に、且つ該フレームバーの下面と該フレームプレートの下面が同一平面上になるように、またはフレームバーをフレームプレートの外周端上面に、且つ該フレームバーの外周面と該フレームプレートの外端面が同一平面上になるように、接合して構成したものであり、
3)さらに、上述1)または2)において、前記のマットフレームユニットの適宜の組み合わせを、コーナー部材としての4個のL型の組み合わせとしたものであり、
4)上述の1)または2)において、前記のマットフレームユニットの適宜の組み合わせを、コーナー部材としての4個のL型の組み合わせの、少なくとも一方向に相対向する2辺部分にI型を挿入組み合わせたものであり、
5)上述の1)または2)において、前記のマットフレームユニットの適宜の組み合わせを、コーナー部材としての4個のL型の組み合わせの少なくとも相対向する2辺部分にT型を挿入したものであり、
6)上述の1)または2)において、前記のマットフレームユニットの適宜の組み合わせを、内側向きに対向する2個のコ型のマットフレームユニットと、該2個のコ型のマットフレームユニットの対向する端部間を連結するようにI型マットフレームユニットを挿入組み合わせたものである。
【0006】
また、本発明のファシリティーマットベースは、
7)上述の1)〜6)において、前記各マットフレームユニットにおけるフレームバーの連結部は、その一端部に上方に向かって凹型接合部、他端部に上方に向かって凸型接合部を設けたものであり、
8)上述の1)〜6)において、前記各マットフレームユニットにおけるフレームバーの連結部は、上方に向かって凹型の接合部を型成されており、相互に連結されるマットフレームユニットは突き合わされた前記フレームバーの連結部である相互の凹型の接合部を連結バーにより螺子係合したものである。
【0007】
9)さらに、上述の1)〜8)における、前記マットフレームユニットの組み合わせにより構成された外形状を方形としたものであり、
10)上述の1)〜8)における、前記マットフレームユニットの組み合わせにより構成された外形状を非方形形状としたものであり、
11)上述の1)〜8)における、前記各マットフレームユニットの材料を、ステンレス鋼材、アルミ合金材またはエンジニアリング・プラスチックとしたものである。
【0008】
また、本発明のファシリティーマットは、
12)上述の1)〜11)のいずれか1項に記載のファシリティーマットベースと、該ファシリティーマットベースの組み合わせ連結されたフレームバーの内法の全面に複数のマットブロックが敷き詰めたものであり、
13)上述の1)〜11)いずれか1項に記載のファシリティーマットベースと、該ファシリティーマットベースの組み合わせ連結されたフレームバーの内法の全面に、所定の複数のマットブロックを密接集合して1群としたマットブロックセットを敷き占めた、ファシリティマットユニットを、さらに縦、横に複数連結して構成さしたものであり、
14)上述の1)〜11)のいずれか1項に記載のファシリティーマットベースと、該ファシリティーマットベースの組み合わせ連結されたフレームバーの内法の全面に、所定の複数のマットブロックを密接集合して1群としたマットブロックセットの複数を、目地バーを目地として介して敷き詰めたものであり、
15)上述の12)または14)における、前記複数のマットブロックの少なくとも1枚を、ロゴマーク入りのマットブロック、または点字ブロックとしたものである。
【0009】
上述のごとく、本発明のファシリティーマット(facility mat 至便性のある設備マットの意)は、基本的にマットベース、それに敷き詰められるマットブロック、マットベースの裏面に貼付されフロアーへの傷付け防止や摩擦補助のための保護シートよりなる。
また、前記マットベースは、その周辺に位置するフレームバーとフレームプレートよりなるマットフレームと、該フレームプレートにて囲まれた内底面の空間に嵌め込まれるアンダーマットより構成されている。
【0010】
本発明のファシリティーマットベースおよびそれを用いたファシリティーマットは、主として比較的広域のロビー等の場所において使用される。L型、I型、コ型およびT型のマットフレームユニットの組み合わせによりマット面積を比較的自由に選択することができ、また軽量で、接合が簡易で取り扱い容易なマットフレームユニットとマットブロックの組み合わせにより、新設、交換のメインテナンスを極めて容易に、且つ安価に行うことができることを特徴としている。基本的には、各マットフレームユニット間の接合は、フレームバーの接合端同士または連結バーを用いてネジ接合により行われ、またフレームプレート間の接合は、取り外し自在の粘着テープにより接合される。
【発明の効果】
【0011】
本発明のファシリティーマットベースおよびそれを用いたファシリティーマットにより、比較的広域のロビー等の部分的区域に適用でき、部分的な取り替え、洗浄が容易にでき常にメインテナンスの行き届いたフロアーマットを、総合的に安価に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1における、ファシリティーマットの1例を示す説明図である。
図4は、実施形態1における、L型マットフレームユニットAの説明図であり、(a)は平面視、(b)は側面視の説明図である。
図7は、L型マットフレームユニットAの連結接合部分の拡大説明図であり、(a)は凸部接合端、(b)は凹部接合端の部分断面説明図である。
図において、1はファシリティーマット、AはL型マットフレームユニット、10はマットブロック、11はフレームバー、12はフレームプレート、13はアンダーマット、111は凸部接合端、112は凹部接合端、113は止めネジ用バカ孔、114は止めネジ用タップ孔である。
なお、図1、4において各部の寸法は誇張表示されており、また図1においては、連結用止めネジの表示は省略されている。(以下の図面においても同様)
【0013】
本実施の形態1は、4個のL型マットフレームユニットAを組み合わせ接合してマットフレームを構成し、該マットフレームの空間底部にアンダーマット13を挿入し、該マットフレームのフレームバーの内法部に4個のマットブロック10を密着嵌挿して構成されたファシリティーマット1である。
4個のマットフレームユニットAは、相隣るマットフレームユニットAのフレームバー11の凸部接合端111および凹部接合端112を組み合わせ、図4に示される止めネジ用バカ孔113および止めネジ用タップ孔114を合わせ、止めネジにより連結固定する。
4個のマットフレームユニットA間相互の連結方法は、上記の止めネジによる方法の外、溶接、接着等により行うこともできる。
なお、マットフレームユニットAにおける、フレームバー11とフレームプレート12の接合は、使用状態に適する強固な接合を期待できるものであれば溶接、接着等如何なる方法でも良いが、溶接により接合するのがより好ましい。
【0014】
前記連結結合された4個のマットフレームユニットAの空間部にアンダーマット13を嵌挿する。該アンダーマット13は、その厚さが前記マットフレームユニットAのフレームプレート12の厚さと略同一であり、材料としては弾性材料であることが好ましく、コスト的に塩化ビニールシート材がより好ましい。
また、アンダーマット13は、1枚シート構成でも複数枚を組み合わせた構成でも良い。
以上、前記4個のL型マットフレームユニットAの連結結合体と、その空間部に嵌挿される前記アンダーマット13とにより、本実施の形態1におけるファシリティーマットベースが構成される。
【0015】
前記のごとく、図1においてはファシリティーマットベースのフレームバー11の内法部に4個のマットブロック10を密着嵌挿してファシリティーマット1が構成される。 該マットブロック10は、従来から一般的に使用されているブロックベースからループパイル状等の植毛を立ち上げた定形のタイルマットを複数密着嵌挿して使用する。複数のマットブロック10の模様、色彩の配列デザインは、ファシリティーマット1が敷かれるロビー等とのマッチングを考慮して配列される。
また、前記定形については、500mm×500mm角のマットブロック10が、取扱い性上から好ましい。
。 植毛の形態については除塵性、吸水性、耐久性等用途に応じ、材料および植毛形状が適宜選択される。
また、前記複数のマットブロック10の少なくとも1枚をロゴマークにより模様付けされたものを使用することもできる。また、複数のマットブロック10に点字ブロックが配設されたものを使用し、盲人の方への利便をはかることもできる。
【0016】
[実施の形態2]
図2は、本実施の形態2における、ファシリティーマットの1例を示す説明図である。
図6は、本実施の形態2における、ファシリティーマットに使用されるT型マットフレームの1例を示す説明図であり、(a)は平面視、(b)は側面視の説明図である。
図において、2は本実施の形態2のファシリティーマット、BはT型マットフレームユニット、31はT型マットフレームのフレームバー、32はT型マットフレームのフレームプレート、321はT型マットフレームのフレームプレートの横部材、322はT型マットフレームのフレームプレートの縦部材、311はT型マットフレームの凸部接合端、312はT型マットフレームの凹部接合端、313は止めネジ用バカ孔、314は止めネジ用タップ孔である。
なお、図1と同じ部材、部分については、同一の符号を付し、これらの説明を省略する。また、図面における寸法は任意寸法にて記載されている。
【0017】
本実施の形態2のファシリティーマット2は、前記実施の形態1の、4個のL型マットフレームユニットAにおける対向する辺のL型マットフレームユニットA間に、少なくとも1個のT型マットフレームユニットBを配設したものである。
また、L型マットフレームユニットA間にT型マットフレームユニットBを複数直列に配設することにより、比較的細長い帯状のファシリティーマット2を構成することができる。この場合、直列する複数のT型マットフレームユニットBの対向する一部をI型マットフレームユニットCに置き換えることもできる。
T型マットフレームユニットBを挿入することにより、I型マットフレームユニットCを用いて帯状としたものに比較して形状が安定する。
【0018】
本実施の形態2において、対向して配列されたT型マットフレームユニットBのフレームプレートの縦部材322の長さは、L型マットフレームユニットAのフレームプレート12の内法の長さに同等とする。
なお、本実施の形態2における、L型マットフレームユニットAとT型マットフレームユニットB間、T型マットフレームユニットBとT型マットフレームユニットBとの間の各接合方法、およびアンダーマット13、マットブロック10の配設方法、材料等は上述の実施の形態1の場合に準ずるため、これらの説明を省略する。なお、図面における寸法は任意寸法にて記載されている。
【0019】
[実施の形態3]
図3は本実施の形態3における、ファシリティーマットベース3の1例を示す説明図であり、(a)は平面視、(b)はX−X’矢視側面視説明図である。
図5は、本実施の形態3における、I型マットフレームの1例を示す説明図であり、(a)は平面視、(b)は側面視の説明図である。
図において、CはI型マットフレームユニット、21はI型マットフレームのフレームバー、22はI型マットフレームのフレームプレート、211はI型マットフレームの凸部接合端、212はI型マットフレームの凹部接合端、213は止めネジ用バカ孔、214は止めネジ用タップ孔である。
なお、図1、図2と同じ部材、部分については、同一の符号を付し、これらの説明を省略する。また、図面における寸法は任意寸法にて記載されている。
【0020】
本実施の形態3は、前記実施の形態1の、4個のL型マットフレームユニットAにおける対向する縦および横の辺のL型マットフレームユニットA間に、少なくとも1個以上のI型マットフレームユニットCを配設したものである。
これにより、広い面積に適用し得るファシリティーマット用のファシリティーマットベース3を構成することができる。図3においては、各辺1個のI型マットフレームユニットCを挿入した場合を示しているが、挿入されるI型マットフレームユニットCの数を変えることにより、それに比例した任意の面積を有する正方形または矩形のファシリティーマットを提供することができる。
【0021】
なお、本実施の形態2における、L型マットフレームユニットAとT型マットフレームユニットB間、T型マットフレームユニットBとT型マットフレームユニットBとの間の各接合方法、およびアンダーマット13、マットブロック10の配設方法、材料等は上述の実施の形態1の場合に準ずるため、これらの説明を省略する。
【0022】
[実施の形態4]
上述の実施の形態1、2および3は、基本的にファシリティーマットの形状が、方形形状すなわち正方形または矩形の場合であり、従って、それを構成する、ファシリティーマットベース、アンダーマット、およびマットブロックは方形形状をもって構成されている。
本実施の形態4のファシリティーマットは、上述の方形形状のファシリティーマットに対して、非方形形状のファシリティーマットである。
図8は、菱形のファシリティーマットの場合であり、図9は、ファシリティーマット内に柱などをよけた、中央部に円形空間部を備えたものであり、また、図10は、方形の周辺の一部を曲線(図では円弧状)により切欠いた形状にて配設されたものである。
本発明は、特許請求の範囲に記載の基本的構成、すなわちフレームバーとフレームプレートより構成されたL型、T型またはI型のマットフレームユニットを組み合わせマットフレームとし、該マットフレームとアンダーマットを組み合わせたファシリティーマットベースにマットブロックを密着嵌挿して構成されるファシリティーマットを構成するものであれば良く、非方形の形状としても図8、図9、図10のものにより限定されるものではない。
【0023】
[実施の形態5]
図11は、本実施の形態5のファシリティーマットベースの平面説明図である。図11aは基本的に2個のコ型マットフレームユニットを使用し、その間を対向してI型マットフレームユニットで連結した場合であり、図11bは対向してT型マットフレームユニットにより連結した場合を示す。
図において、Dはコ型のマットフレームユニット、41はコ型のマットフレームユニットの長辺のフレームバー、411は短辺のフレームバー、42はコ型のマットフレームユニットの長辺のフレームプレート、421は短辺のフレームプレート、43はコ型のマットフレームユニットにおける連結部である。なお、図2、3における図1の相当部材には同一の符号を付し説明は省略する。また、図面における寸法は任意寸法にて記載されている。
【0024】
本実施の形態5は、基本的に2個のコ型マットフレームユニットD、それも比較的両短辺部が短いものを使用するところに特徴がある。
即ち、上記実施の形態1乃至3における、フロアマットの出入り口側に配置される辺(この場合仮に上辺とする)はその連結部が比較的上辺の中央部または中央部近傍に配置されることになり、外観的にあまり好ましくはない。また比較的通行人の通行の激しい出入り口中央部分に連結部が位置されていると、通行人は、この前記連結部を踏む可能性が非常に高く、またメインテナンス面、安全面からしても、この部分に連結部が存在しない方が好ましい。
【0025】
本実施の形態5の短辺の比較的短いコ型のマットフレームユニットDを使用することにより、I型マットフレームユニットCまたはT型マットフレームユニットBとの連結部43の位置はフロアーマットの端部近傍に位置することになり、外観的にも、メインテナンス面、安全面からも好ましいものとなる。
また、短辺の比較的短いコ型マットフレームユニットDは、L型マットフレームユニットに較べて屈曲した辺の長さが短いため、マットフレームユニット運搬時の取り扱いが容易となり、且つ変形も少ない。
【0026】
[実施の形態6]
図12は、本実施の形態6における各マットフレームユニット間の連結部における連結状態を示す説明図である。図13aは断面参考図、図13bは平面参考図である。
図において、5は連結部材、6は連結用螺子である。 なお、図面における寸法は任意寸法にて記載されている。
図に明らかなように、本実施の形態6におけるマットフレームユニットの連結部は、前述の図3〜図7における連結部が一方が上方に向かって凹型接合部、それに組み合わされる連結部が上方に向かって凸型接合部、即ち下側に凹型、の段付きとなっている形式(以下、凹/凸形式という)に対して、連結端部がいずれも上方に向かって凹型となる段付き端部を有する形式(以下、凹/凹形式という)としたところに特徴がある。
【0027】
本実施の形態6では、凹/凹形式の連結部を有するマットフレームユニットを突き合わせ、該連結部に上方から別途の連結部材5を挿入し、螺子6により両連結接合部を係合する。従って、連結接合部23、43には連結部材5に合わせて、予め螺子6用の螺子孔が設けられている。螺子6は、螺子頭部の高さの低いものであればいずれにても良いが、皿小ネジが好ましい。
また、連結のための螺子本数は4本程度が、メインテナンス、安全の面で好ましい。
【0028】
[実施の形態7]
図13は、マットフレームユニットの構造を示す断面参考図であり、図13aは、フレームバー底面がフレームプレート上面に当接された場合、図13aはフレームバーの内面側下部にフレームプレート端部が当接された場合を示す。
なお、13はアンダーマット、14は保護シートである。なお、図面における寸法は任意寸法にて記載されている。
保護シート14は、マットフレームユニットの底面のアンダーマット13の下面を除いた面に両面接着テープ等により貼付される。この保護シート14の貼付の目的は、マットフレーム底面がロビーの大理石や木製のフロアー面に直接接することによる傷や剥離の発生を防止するためのものであり、従って、保護シートとしては、薄くて貼付し易い軟質材質のものを使用する。厚さ0.1〜0.5mm程度の軟質塩化ビニールシートなどが好ましい。
この厚さは、厚過ぎると、取り扱いが難しくなり、また、マットフレームユニットの高さが意に反し高くなってしまう。また、薄過ぎるとフロアマットとフロア面間に入り込んだダストを保護シート厚さ内に取り込むことができず、フロアにそれによるスクラッチ等を生じる可能性がある。
【0029】
図13bの場合は、フレームバー底面をフレームプレート上面に当接させているため、マットフレームユニットの高さが高くなり、安全面から好ましい方向ではない。
これに対し図13aでは、フレームバーの内面側下部にフレームプレート端部が当接されており、図13bの場合に較べ、マットフレームユニットの高さ(厚さ)がフレームプレート分の厚み分セーブすることができ、安全面からもより好ましい。
【0030】
また、フレームバーの断面は、方形または方形の上面外周側に所定の面取りを施した断面であり、この所定の面取りは、角部のエッジによる履き物への切れや剥離のトラブルを防止し、また歩行者のつまずきによるトラブルを防止するものである。所定の面取りの大きさは、可能な限り大きい方がよいが、前述の連結部材5における皿小ネジの頭部の大きさに干渉しない範囲であることが必要である。概ね0.5〜1mm程度が好ましい。
【0031】
[実施の形態8]
図14は本実施の形態8における、ファシリティーマット7の1例を示す平面参考図である。図14においては連結部の詳細、連結のための螺子の表示は省略されている。
本図14では複数のフレームユニットを組み合わせた大形のファシリティーマットベースのフレームバー内法部に多数のマットブロック10を密着して配列した大形で単一のファシリティマットユニット71である。なお、図14においては単一のファシリティマットユニット71のフレームバー部分は太線にて表示されており、各連結接合部の詳細表示はは省略されている。因みに、図14では500mm×500mm×9.5(厚さ)mmのマットブロック10を縦方向12枚、横方向18枚を密着配列した状態を示す。なお、フレームユニットはL型4個(長さ3000mm×2000mm)とI型4個(長さ3000mm、および2000mmのもの各2個)により構成されている。ファシリティマット全体としては、約縦6000mm×横9000mmの寸法となる。 なお、図面における寸法は任意寸法にて記載されている。
【0032】
[実施の形態9]
図15は本実施の形態9における、他のファシリティーマット8の1例を示す平面参考図である。 本図15では複数のフレームユニットを組み合わせたファシリティーマットベースのフレームバーの内法部に多数のマットブロック10を密着配列してなるマットブロックセットを内挿したファシリティマットユニット81を、縦横複数を連結してなるファシリティマット8を示すものである。なお、図15においては各ファシリティマットユニット81のフレームバー部分は太線にて表示されており、各連結接合部の詳細表示は省略されている。
因みに、図15では500mm×500mm×9.5(厚さ)mmのマットブロック10を縦方向4枚、横方向6枚を密着配列したファシリティマットユニットを、縦に3個横方向に3個計9個を連結した状態を示す。なお、フレームユニットはL型4個(長さ3000mm×2000mm)とI型4個(長さ3000mm、および2000mmのもの各2個)により構成されている。 ファシリティマット全体としては、縦6024mm×横9024mm(但しフレームバーの幅6mmおよび3mm)の寸法となる。
なお、図面における寸法は任意寸法にて記載されている。
実施の形態8に較べ、外観的には区画された印象を与えるが、各ファシリティマットユニット毎の、独立したメインテナンスが可能となる。
【0033】
[実施の形態10]
図16は本実施の形態10における、ファシリティーマット8の1例を示す平面参考図である。
本実施の形態10は基本的には、実施の形態8における大形のファシリティーマットベースのフレームバー内法部に密着して配列された多数のマットブロック10を、適当数のマットブロックセットに分割し、各マットブロックセット間に目地としての目地バーを嵌挿したものである。
従って基本的には前記実施の形態9に類似した構成ではあるが、実施の形態9における内法側に位置するフレームバーに較べて、各マットブロックセット間に嵌挿される目地バーの目的、即ち各マットブロックセット間の温度差や経時変化等による伸縮を分断する目的を満足する寸法、強度を有するものであればよい。
図16にみられるように、本実施の形態10では500mm×500mmのマットブロックを10〜12枚程度配接されたマットブロックセット、すなわち長さ約5〜6m毎に目地バーを配設するものであり、歩行者や荷物移動によるマットブロックの片寄りを防止する。
目地の挿入は上記のマットブロックの片寄りの防止目的以外にも、外観意匠上から積極的に適宜位置に目地を挿入することもできる。
なお、目地バーはフレームバーと同様なものを用いてもよい。また各目地バーはその位置が全体のファシリティマットユニットの内法内で固定されていることが必要である。
各接する目地バー間が接着、雁木組み等により固定されていれば、目地バーは必ずしも外周のフレームバーと接着、固定されている必要はない。
【実施例】
【0034】
[実施例1]
ロビー用ファシリティーマット
1)ファシリティーマットベース: (単位 mm)
全面積 約3020×2020(矩形形状)
マットフレームユニット; L型マットフレームユニット 4個
I型マットフレームユニット 2個
フレームバー;断面寸法 6×6
フレームプレート;約2500×幅250×厚さ1.5
材料;ステンレススチール
アンダーマット; 約2500×1500×厚さ1.5
材料 軟質塩化ビニール
2)マットブロック:
タイルマット(アウトハ−ドマット)(K社製)
500×500×9.5(ループパイル高さ7)
【0035】
上述のロビーにおいて、各マットフレームユニットを各凹凸部接合端において、ステンレスM3止めネジ×2により連結固定し、該連結固定されたマットフレームユニットの空間部に上記アンダーマットを挿入しファシリティーマットベースを構成した。
また、マットベース内にマットブロック24枚(6枚×4枚)を密着嵌挿しファシリティーマットを完成した。
上記ファシリティーマットをロビーにおいて、通常常設マットとして6ヶ月試用した。
【0036】
上記ファシリティーマットベースは、従来のものに較べて各フレームユニットの形状がコンパクト、軽量であり、搬送および設置の取り扱いが容易で、設置工数が大幅に軽減できた。(フレームユニットの製造コストも材料費、工数とも低減されている。)
6ヶ月試用の結果、マットとしての使用状態は従来のロビー用マットと全く遜色がなく、メインテナンスが容易になったことにより、従来のロビー用マットよりきめ細かいメインテナンスが可能となることが確認された。
なお、本実施例は、ロビー用ファシリティーマットとしての1実施例を示すものであり、特許請求の範囲に記載であれば、本発明は本実施例の構成、仕様に限定されるものではない。
【0037】
[実施例2]
ロビー用大形ファシリティーマット
1)ファシリティーマットベース: (単位 mm)
全面積 約9000×6000(矩形形状)
マットフレームユニット; L型マットフレームユニット
(長さ3000×2000) 4個
I型マットフレームユニット
(長さ3000および2000)各2個
連結接合方式:凹/凹方式
フレームバー;断面寸法 6×6(外面取り1c)
フレームプレート;幅250×厚さ1.5
材料;ステンレススチール
(突き合わせ方式:図14(a)による)
保護シート; 厚さ0.5軟質塩化ビニールシート
アンダーマット; 厚さ2.0 材料 軟質塩化ビニール
連結部材; 長さ60×幅6×高さ3(M3皿小ネジバカ孔×4)
2)マットブロック:
タイルマット(アウトハ−ドマット)(K社製)
500×500×9.5(ループパイル高さ7)
【0038】
上述のロビーにおいて、各マットフレームユニットの各凹/凹接合部を上述の連結部材を用いて、ステンレスM3皿小ネジ×4により連結固定し、該連結固定されたマットフレームユニットの空間部に上記アンダーマットを挿入し大形ファシリティーマットベースを構成した。
また、マットベース内にマットブロック216枚(縦12枚×横18枚)を密着嵌挿し大形ファシリティーマットを完成した。
上記大形ファシリティーマットをロビーにおいて、通常常設マットとして6ヶ月試用し使用後の状態を観察した。
【0039】
上記ファシリティーマットは、従来のものに較べて各フレームユニットの連結接合が容易であり、設置工数が大幅に軽減できた。
6ヶ月試用の結果、マットとしての使用状態は従来のロビー用マットと全く遜色がなく、メインテナンスが容易になったことにより、従来のロビー用マットよりきめ細かいメインテナンスが可能となることが確認された。
なお、本実施例は、ロビー用ファシリティーマットとしての1実施例を示すものであり、特許請求の範囲に記載であれば、本発明は本実施例の構成、仕様に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0040】
上述の実施の形態および本発明のファシリティーマットベースおよびファシリティーマットは、ビルのロビー等ばかりでなく、公共施設の広面積用や商業施設の出入口部分等の広範な用途に使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の形態1における、ファシリティーマットの1例を示す説明図である。
【図2】実施の形態2における、ファシリティーマットの1例を示す説明図である。
【図3】実施の形態3における、ファシリティーマットベース3の1例を示す説明図であり、(a)は平面視、(b)はX−X’矢視側面視説明図である。
【図4】実施形態1における、L型マットフレームユニットAの説明図であり、(a)は平面視、(b)は側面視の説明図である。
【図5】実施の形態3における、I型マットフレームの1例を示す説明図であり、(a)は平面視、(b)は側面視の説明図である。
【図6】実施の形態2における、ファシリティーマットに使用されるT型マットフレームの1例を示す説明図であり、(a)は平面視、(b)は側面視の説明図である。
【図7】L型マットフレームユニットAの連結接合部分の拡大説明図であり、(a)は凸部接合端、(b)は凹部接合端の部分断面説明図である。
【図8】菱形の非方形形状のファシリティーマットを示す。
【図9】中央部に円形空間部を備えた非方形形状のファシリティーマットを示す。
【図10】方形の周辺の一部を円弧状に切欠いた備えた非方形形状のファシリティーマットを示す。
【図11】実施の形態5のファシリティーマットベースの平面説明図である。
【図12】実施の形態6における各マットフレームユニット間の連結部における連結状態を示す説明図である。
【図13】マットフレームユニットの構造を示す断面参考図である。
【図14】実施の形態8における、ファシリティーマットの1例を示す平面参考図である。
【図15】実施の形態9における、ファシリティーマットの1例を示す平面参考図である。
【図16】実施の形態10における、ファシリティーマットの1例を示す平面参考図である。
【符号の説明】
【0042】
1 ファシリティーマット
2 実施の形態2のファシリティーマット
A L型マットフレームユニット
B T型マットフレームユニット
C I型マットフレームユニット
D コ型マットフレームユニット
10 マットブロック
11 フレームバー
12 フレームプレート
13 アンダーマット
14 フレームプレート
15 目地
111 凸部接合端
112 凹部接合端
113 止めネジ用バカ孔
114 止めネジ用タップ孔
115 面取り
21 I型マットフレームのフレームバー
22 I型マットフレームのフレームプレート
211 I型マットフレームの凸部接合端
212 I型マットフレームの凹部接合端
213 止めネジ用バカ孔
214 止めネジ用タップ孔
31 T型マットフレームのフレームバー
32 T型マットフレームのフレームプレート
311 T型マットフレームの凸部接合端
312 T型マットフレームの凹部接合端
313 止めネジ用バカ孔
314 止めネジ用タップ孔
321 T型マットフレームのフレームプレートの横部材
322 T型マットフレームのフレームプレートの縦部材
41 コ型マットフレームのフレームバー
42 コ型マットフレームのフレームプレート
43 コ型マットフレームの連結部
411 コ型マットフレームのフレームバーの横部材
421 コ型マットフレームのフレームプレートの横部材
5 連結部材
6 連結用ネジ
7 実施の形態8におけるファシリティマット
71 実施の形態8におけるファシリティマットユニット
8 実施の形態9におけるファシリティマット
81 実施の形態9におけるファシリティマットユニット
90 円弧状切欠き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面が方形または方形の上面外周側に所定の面取りを施した断面である細長い部材よりなる一直線状、L字状、コ字状、または一部に曲線を含む形状に構成されたフレームバーと、
該フレームバーに沿って接合された帯板状またはT字状のフレームプレートとよりなるI型、L型、コ型、T型、または一部に曲線を含む型のマットフレームユニットを適宜組み合わせ、且つ前記マットフレームユニットの各フレームバーが外周において連続するように接合して組み合わせ構成されたマットフレームと、
該マットフレームの下面に貼付された保護シートと、
前記組み合わされたマットフレームのフレームプレートにより囲まれて生じた空間部分に嵌め込まれ、且つ前記フレームプレートの厚さに保護シートの厚さを加えた厚さを有し、またその上面が該フレームプレートの上面に一致するように嵌め込まれたアンダーマットを、設けたことを特徴とするファシリティーマットベース。
【請求項2】
前記マットフレームユニットは、前記フレームバーを前記フレームプレートの外周端に、且つ該フレームバーの下面と該フレームプレートの下面が同一平面上になるように、または、フレームバーをフレームプレートの外周端上面に、且つ該フレームバーの外周面と該フレームプレートの外端面が同一平面上になるように、接合して構成されたことを特徴とする請求項1に記載のファシリティーマットベース。
【請求項3】
前記のマットフレームユニットの適宜の組み合わせが、コーナー部材としての4個のL型の組み合わせであることを特徴とする請求項1または2に記載のファシリティーマットベース。
【請求項4】
前記のマットフレームユニットの適宜の組み合わせが、コーナー部材としての4個のL型の組み合わせの、少なくとも一方向に相対向する2辺部分にI型を挿入組み合わせたことを特徴とする請求項1または2に記載のファシリティーマットベース。
【請求項5】
前記のマットフレームユニットの適宜の組み合わせが、コーナー部材としての4個のL型の組み合わせの少なくとも相対向する2辺部分にT型を挿入したことを特徴とする請求項1または2に記載のファシリティーマットベース。
【請求項6】
前記のマットフレームユニットの適宜の組み合わせが、内側向きに対向する2個のコ型のマットフレームユニットと、該2個のコ型のマットフレームユニットの対向する端部間を連結するようにI型マットフレームユニットを挿入組み合わせたことを特徴とする請求項1または2に記載のファシリティーマットベース。
【請求項7】
前記各マットフレームユニットにおけるフレームバーの連結部は、その一端部に上方に向かって凹形接合部、他端部に上方に向かって凸形接合部が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のファシリティーマットベース。
【請求項8】
前記各マットフレームユニットにおけるフレームバーの連結部は、上方に向かって凹形接合部を形成されており、相互に連結されるマットフレームユニットは相互に連結して突き合わされた前記フレームバーの相互の凹形接合部を、別途の連結バーにより螺子係合されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のファシリティーマットベース。
【請求項9】
前記マットフレームユニットの組み合わせにより構成された外形状が方形であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のファシリティーマットベース。
【請求項10】
前記マットフレームユニットの組み合わせにより構成された外形状が非方形形状であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のファシリティーマットベース。
【請求項11】
前記各マットフレームユニットの材料が、ステンレス鋼材、アルミ合金材またはエンジニアリング・プラスチックであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のファシリティーマットベース。
【請求項12】
前記請求項1〜11のいずれか1項に記載のファシリティーマットベースと、該ファシリティーマットベースの組み合わせ連結されたフレームバーの内法の全面に複数のマットブロックが密接して敷き詰められたことを特徴とするファシリティーマット。
【請求項13】
前記請求項1〜11のいずれか1項に記載のファシリティーマットベースと、該ファシリティーマットベースの組み合わせ連結されたフレームバーの内法の全面に、所定の複数のマットブロックを密接集合して1群としたマットブロックセットを敷き占めた、ファシリティマットユニットを縦、横に複数連結して構成さしたことを特徴とするファシリティーマット
【請求項14】
前記請求項1〜11のいずれか1項に記載のファシリティーマットベースと、該ファシリティーマットベースの組み合わせ連結されたフレームバーの内法の全面に、所定の複数のマットブロックを密接集合して1群としたマットブロックセットの複数を、目地バーを目地として介して、敷き詰めたことを特徴とするファシリティーマット。
【請求項15】
前記複数のマットブロックの少なくとも1枚が、ロゴマーク入りのマットブロック、または点字ブロックであることを特徴とする請求項12または13に記載のファシリティーマット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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