ファスナー用スライダ
【課題】 ファスナーの装着されている袋体に後から取り付け可能で、ファスナーの端部からも取り付け可能であり、且つ一旦袋体のファスナーに取り付けても取り外し易く、他の袋体のファスナーにも簡単に取り付け、取り外しやすいファスナー用スライダを提供する。
【解決手段】 ファスナーの係合状態の雄係合部材と雌係合部材とを分離する突起部(2A)を形成した一方のスライダ部材(2)と、雌雄の係合部材を係合する狭窄部(3C)を形成した他方のスライダ部材(3)とより成るファスナー用スライダ1の一方のスライダ部材(2)に、更に二本の突出部(2E)を設けるとともに、前記他方のスライダ部材(3)にはこの突出部(2E)を嵌め入れる穴(3F)を設け、一方のスライダ部材(2)と他方のスライダ部材(3)とを一体嵌合したとき、二本の突出部(2E)が前記他方の係合部材(3)の穴(3F)から突出する嵌合構造とする。
【解決手段】 ファスナーの係合状態の雄係合部材と雌係合部材とを分離する突起部(2A)を形成した一方のスライダ部材(2)と、雌雄の係合部材を係合する狭窄部(3C)を形成した他方のスライダ部材(3)とより成るファスナー用スライダ1の一方のスライダ部材(2)に、更に二本の突出部(2E)を設けるとともに、前記他方のスライダ部材(3)にはこの突出部(2E)を嵌め入れる穴(3F)を設け、一方のスライダ部材(2)と他方のスライダ部材(3)とを一体嵌合したとき、二本の突出部(2E)が前記他方の係合部材(3)の穴(3F)から突出する嵌合構造とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存のファスナー付包装用袋体に使用することのできるスライダ、特にファスナを設けた包装用袋体に後付けすることが可能で、分割型として形成し、これらを嵌合させて一つのスライダとしてファスナーを開閉自在とすることのできるファスナー用スライダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、合成樹脂フィルム製の包装用袋体には、ファスナー(チャックともいう)付の包装用袋体が使用されることが多い。かかる包装用袋体のファスナーは、塵埃や水分の侵入を防止したり包装用袋体に入れた物品が遺失したりするのを防止するための手段として設けられている。従来のファスナー付の包装用袋体の殆どはこのファスナーを手で開閉するか、或いはファスナーを開閉するためのスライダが取り付けられている。即ち、スライダを用いる場合、図8に示すように、包装用袋体Wの口部Eには開閉用のスライダ付ファスナーFが設けられる。このスライダ10は、矢印R方向にスライドさせるとファスナーFが開口され、矢印S方向にスライドさせるとファスナーFは閉鎖される。
【0003】
従来の前記ファスナーFは、図9に取り付け状態の斜視図を示すが、図10(A)に示すように、一方の内側面W1 に凸条部F3を設けた雄係合部材F1と、他方の内側面W2 に前記凸条部F3を係脱自在に嵌め入れる凹状の係合溝F4を設けた雌係合部材F2と、がそれぞれ袋体の口部Eの内側に接着して設けられる。そして当初は包装用袋体WのファスナーFが閉じているときは図10(A)に示すように、雄係合部材F1の凸条部F3と、雌係合部材F2の係合溝F4とは嵌合状態であるが、包装用袋体Wの口部Eを開けるときには図10(B)に示すように、スライダ10の突起部10Aを、ファスナーFの凸条部F3と係合溝F4との間に割り込ませて位置させ、該スライダ10をスライド(移動)させると、口部Eは開口状態となり、包装用袋体Wの口部Eを閉じるときには図10(C)に示すように、スライダ10の狭窄部10Cを、雄係合部材F1と雌係合部材F2の間の外側に位置させて該スライダ10をスライド(移動)させると、狭窄部10cが包装用袋体Wの口部Eを両側から圧迫して口部Eは閉鎖状態となる。
【0004】
図11(A)は、前記従来のスライダ10の斜視図であり、図11(B)は、その半割にした状態の斜視である。これらの図では、内容が判りやすいように実際の使用状態とは上下逆向き(突起部10Aと狭窄部10Cが上方に向いている)としてある。これらの図に示すように、従来のスライダ10は、中央の広くした中心線方向片側寄りの内側空間10Eに立設させた突起部10Aと、底部10Bの両側に立設させた両側壁10D、10Dと、他方の片側寄りに空間の狭い狭窄部10Cを形成した壁部10F、10Fと、で構成されている。該スライダ10は、包装用袋体Wの口部Eに設けたファスナーFに、後から係止させることも可能である。このような構成により、上記するように、スライダ10を取り付ける場合、スライダ10の突起部10Aを上から割り込ませると共に狭窄部10Cで包装用袋体Wの口部Eの外側の両側かから挟み込ませるように取り付ける。こうして前記スライダ10を矢印R方向(図8)へスライドさせるとスライダ10はファスナーFの口部Eを開口し、矢印S方向へスライドさせるとファスナーFの口部Eを閉鎖することができる。
【0005】
図9に示すようなスライダが最も便利であるが、製作用の金型は少し複雑化せざるを得ない。そこで本出願人は、図12及び図13に示すような嵌合式のファスナー用スライダを提案した。即ち、ファスナー用のスライダが、袋体の口部に設けられ一方の内側面に凸条部を設けた雄係合部材と他方の内側面に前記凸条部を係脱自在に嵌め入れる嵌合溝を設けた雌係合部材とより成るファスナーのこれら雄係合部材と雌係合部材とを分離する突起部を形成した一方のスライダ部材(2)と、これら雄係合部材と雌係合部材とを嵌合する狭窄部(3C)を形成した他方のスライダ部材(3)と、より成るスライダ(1)であって、前記一方のスライダ部材(2)と他方のスライダ部材(3)とが一体となる嵌合構造としたことを特徴としたファスナー用スライダである(特許文献1)。
そして、前記突起部(2A)を設けた一方のスライダ部材(2)の両側には側壁(2C、2C)を形成し、他方のスライダ部材(3)の狭窄部(3C)の両側に柱部(3A、3A)を形成すると共に該柱部(3A)の両外側に凹部(3E、3E)を形成し、前記側壁(2C)を前記凹部(3E)に嵌合させる嵌合構造とすることを特徴としている。
【0006】
【特許文献1】特願2008−148231
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
引用文献1の発明のスライダ1は、包装用袋体Wの口部に設けたファスナーFを完全に密閉することができる。即ち、包装用袋体Wの口部の端部の外側から一方のスライド部材2を横から割り込ませ、他方のスライド部材3は口部Eの上から狭窄部で挟み込むように取り付けることができるので、口部Eに設けたファスナーFは端から端まで密封することができる。従って、包装用袋体Wの内部に入れた小さい物品はこぼれ出にくくなる。しかしながら、このファスナー用スライダは、一方のスライダ部材2と、他方のスライダ部材3とを一体に嵌合したとき、嵌合を解いて元の一方のスライダ部材2と、他方のスライダ部材3とに分解しにくいという問題が生じていた。袋体のファスナーに取り付けた場合、必ずしも元の状態に分解する必要はないが、一旦取り外して他の袋体に付け替える場合は分解しにくいと不便である。
【0008】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、ファスナーの装着されている包装用袋体に後から取り付け可能で、構造が比較的簡単でファスナーの端部からも取り付け可能であり、且つ一旦袋体のファスナーに取り付けても取り外し易く、他の袋体のファスナーにも簡単に取り付けや取り外しがしやすいファスナー用スライダを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明に係るファスナー用スライダは、請求項1に記載の発明が、袋体(W)の口部(E)に設けられ一方の内側に凸条部(F3)を設けた雄係合部材(F1)と他方の内側面に前記凸条部を係脱自在に嵌め入れる嵌合溝(F4)を設けた雌係合部材(F2)とより成るファスナーの係合状態の雄係合部材(F1)と雌係合部材(F2)とを分離する突起部(2A)を形成した一方のスライダ部材(2)と、前記雄係合部材(F1)と前記雌係合部材(F2)とを係合する狭窄部(3C)を形成した他方のスライダ部材(3)とより成り、これら一方のスライダ部材(2)と他方のスライダ部材(3)とを嵌合してなるファスナー用スライダにおいて、
前記一方のスライダ部材(2)にはさらに他方の係合部材方向に伸びる二本の突出部(2E、2E)を設けるとともに、前記他方のスライダ部材(3)には前記二本の突出部(2E、2E)を嵌め入れる穴(3F)を設け、前記一方のスライダ部材(2)と他方のスライダ部材(3)とを一体嵌合したとき、前記一方の係合部材(2)に設けた二本の突出部(2E、2E)が前記他方の係合部材(3)の穴(3F)から突出する嵌合構造としたことを特徴としている。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、前記二本の突出部(2E、2E)を設けた一方のスライダ部材(2)側には段部(2G、2G)を形成し、前記二本の突出部(2E、2E)を嵌め入れる穴(3F)を設けた他方のスライダ部材側(3)には前記段部(2G、2G)に嵌合する突出部(3G、3G)を形成した嵌合構造とすることを特徴としている。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、前記二本の突出部(2E、2E)を設けた一方のスライダ部材(2)側には前記突出部(3G)と同様の突出部を形成し、前記二本の突出部(2E、2E)を嵌め入れる穴(3F)を設けた他方のスライダ部材(3)側には前記突出部(3G、3G)と嵌合する段部(2G、2G)と同様の段部を形成した嵌合構造とすることを特徴としている。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、前記ファスナーの係合状態の雄係合部材(F1)と雌係合部材(F2)とを分離する一方のスライダ部材(2)に形成した突起部(2A)には、その先端部に膨出部(2P)を形成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
上記手段とした本発明のファスナー用スライダによれば、突起部のある一方のスライダ部材と狭窄部のある他方のスライダ部材とを別々に製作し、容易に嵌合して一体とし、通常のスライダと同様のスライダとすることができる。このスライダは、閉鎖状態のファスナーの間に突起部のある一方のスライダ部材を容易に割り込ませてファスナーを開くことができる。また、一旦袋体の口部にファスナーを開閉できるように取り付けたこの発明のファスナー用スライダは、二本の突出部を押すだけで一方のスライダ部材と他方のスライダ部材に分解して取り外すことができる。さらに、前記二本の突出部を設けた一方のスライダ部材側に形成した段部と、嵌合する突出部とを嵌合構造とする(請求項2)ことで嵌合状態は確実なものとすることができる。一方のスライダ部材に突出部を設け、他方のスライダ部材に段部を設けた場合(請求項3)も同様である。
【0014】
本発明のファスナー用スライダは、別個の二つの部分からなり、一体嵌合させるため金型の構造も簡単であり、安価に製作することができる。また、ファスナーの端部の一方の横から一方のスライダ部材を嵌め込み、別途上から他方のスライダ部材をファスナーの上から入れ、嵌合することができるので、包装用袋体のファスナー端部に隙間を作らないで該包装用袋体を密閉することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本願発明の具体的な実施の形態を詳述する。尚、本出願人が以前に出願した図11及び図12に示すファスナー用スライダを構成する符号の共通部分は同一の符号を用いて説明する。
【0016】
図1は、本発明のファスナー用スライダ1の組立状態の全体斜視図であり、図2(A)は本発明のファスナー用スライダ1を構成する一方のスライダ部材2と、他方のスライダ部材3と、を一体嵌合させる前の状態の分解斜視図である。図2(B)は、図2(A)に示す一体嵌合させる前の状態の分解斜視図を上下逆にした状態の分解斜視図であり、図2(C)は、図2(B)のP矢視方向から見た図であり、図3は、図1の組立状態の縦断面斜視図である。図4(A)は、本発明のファスナー用スライダ1の組立状態の平面図であり、図4(B)は、図4(A)のMーM矢視断面図であり、図4(C)は、底面図である。また、図5(A)は、図4(B)のNーN矢視断面図であり、図5(B)は、図4(B)のRーR矢視断面図である。
【0017】
本発明のファスナー用スライダ1は、図1に示すように、ファスナーの係合状態の雄係合部材F1と雌係合部材F2(いずれも図9参照)とを分離する突起部2Aと二本の突出部2E、2Eとを形成した一方のスライダ部材2と、前記雄係合部材F1と雌係合部材F2とを係合する狭窄部3Cを形成した他方のスライダ部材3とより構成される。そして前記一方のスライダ部材2に形成される突起部2Aは、底部2B(図3参照)に立設させ、二本の突出部2E、2Eは前記他方のスライダ部材3方向に伸びるように設けられる。また、前記他方のスライダ部材3には前記二本の突出部2E、2Eを嵌め入れる穴3Fを設けてある。そして、前記一方のスライダ部材2と他方のスライダ部材3とを一体嵌合したとき、前記一方の係合部材2に設けた二本の突出部2E、2Eが前記他方の係合部材3の穴3Fから突出するような嵌合構造としてある。
【0018】
一方のスライダ部材2の突起部2Aは、底部2Bの中央に立設され、前記二本の突出部2E、2Eは、該底部2Bの両側に立設した側壁部2C、2Cのそれぞれ内壁側に設けられる。尚、前記突起部2Aは、その先端部が少し膨らむような膨出部2Pが形成されている。この膨出部2Pは突起部2Aをファスナの雄係合部材F1と雌係合部材F2に割り込ませたときスライダ1が外れにくくするためのものである(図6参照)。
また、前記他方のスライダ部材3に設ける穴3Fは、前記一方のスライダ部材2と該他方のスライダ部材3とを一体としたとき前記二本の突出部2E、2Eが丁度嵌まる位置に設けてある。この場合、これら二本の突出部2E、2Eが前記他方の係合部材の穴3Fから少し突出するようにしてあるが、これは、図1に示す状態のとき、これら二本の突出部2E、2Eを両側から指で押すことができるようにするためである。こうして指で押すと、弾性変形してこれら二本の突出部2E、2Eの間隔が狭まり、穴3Fから外れやすくなる。このように二本の突出部2E、2E間が狭まり、穴3Fから外れやすくなると、袋体WのファスナーFからも外れやすくなり、スライダ1を外し交換しやすくなり、便利である。
【0019】
次に、図2(A)、図2(B)に示すように、前記一方のスライダ部材2の二本の突出部2E、2Eの反対側(下側)の内壁部には段部2G、2Gを形成し、他方のスライダ部材3の前記二本の突出部2E、2Eを嵌め入れる穴3Fを設けた他方のスライダ部材3側(下側)には前記段部2G、2Gに嵌合する突出部3G、3Gを形成した嵌合構造とする。このように段部2Gと突出部3Gとの嵌合により一方のスライダ部材2と他方のスライダ部材3とはしっかりとした嵌合構造となる。
【0020】
或いは、前記二本の突出部2E、2Eを設けた前記一方のスライダ部材2側には突出部3Gと同様の突出部を形成し、前記二本の突出部2E、2Eを嵌め入れる穴3Fを設けた前記他方のスライダ部材3の側には前記段部2Gと同様の段部を形成して嵌合構造としても良い。
【0021】
図5(A)に示すように、前記突出部2E、2Eを設けた一方のスライダ部材2の内壁面2H、2Hはテーパ状として包装用袋体Wの口部Eに嵌め入れ易くしてある。また、他方のスライダ部材3の穴3Fの内側側面には段部3H、3Hが形成され、一方のスライダ部材2の突出部2E、2Eにはこれらの段部3H、3Hと嵌まるよう凸部2I、2Iが形成されている。この嵌合により一方のスライダ部材2と他方のスライダ部材3とを一体嵌合させたときこれらが外れにくくなり、安定的な嵌合状態とすることができる。
また、図5(B)に示すように、一方のスライダ部材2の突起部2Aには先端部部が少し膨らむような 膨出部2Pが形成されている。これは、図6に示すように、突起部2Aがファスナの雄係合部材F1と雌係合部材F2に割り込ませたときスライダ1が外れにくくなる。
【0022】
図7は、本発明のファスナー用スライダ1をファスナーのある包装用袋Wに実際に取り付けた状態の斜視図である。図8(A)は包装用袋WのファスナーFに本発明のファスナー用スライダ1を取り付ける途中の斜視図であり、図8(B)は、本発明のファスナー用スライダ1を取り付けた状態の斜視図である。先ず袋体Wの閉鎖状態の口部Eに一方スライダ部材2の突起2Aを押す嵌合部材F1の凸条部3Fと雌嵌合部材F2の嵌合溝F4とを分離するように入れる。次に、他方のスライダ部材3の狭窄部3Cで袋体Wの口部Eを挟み込んで嵌め入れ、一方のスライダ部材2の二本の突出部2E、2Eを他方のスライダ部材3の穴3Fに嵌め入れる。また、同時に一方のスライダ部材2に設けた段部2G、2Gに他方のスライダ部材3に設けた突出部3G、3Gを嵌め込む。こうすると図8(B)に示すように、一方のスライダ部材2と他方のスライダ部材3とがしっかり嵌合した状態で一体となる。そして、スライダ1を左右に移動させると袋体Wの口部Eに設けたファスナーFを開閉することができる。
【0023】
一方、袋体Wの口部Eに嵌め入れたスライダ1を取り外すときには、図8(B)に示す、他方のスライダ部材3の穴3Fから少し出た一方のスライダ部材の二本の突出部2E、2Eを押すと、これらは弾性変形して少し穴3Fより小さくなるので外しやすくなる。この状態で図8(A)に示すように、取り付ける場合は逆に一方のスライダ部材2と他方のスライダ部材3とを分解して袋体Wから外ずし、他の包装用袋体Wの口部Eに嵌めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明のファスナー用スライダ1の組立状態の全体斜視図である。
【図2】図2(A)は本発明のファスナー用スライダを構成する一方のスライダ部材と、他方のスライダ部材と、を一体嵌合させる前の状態の分解斜視図である。図2(B)は、図2(A)に示す一体嵌合させる前の状態の分解斜視図を上下逆にした状態の分解斜視図であり、図2(C)は、図2(B)のP矢視方向から見た図である。
【図3】図3は、図1の組立状態の縦断面斜視図である。
【図4】図4(A)は、本発明のファスナー用スライダ1の組立状態の平面図であり、図4(B)は、図4(A)のXーX矢視断面図であり、図4(C)は、底面図である。
【図5】図5(A)は、図4(B)のYーY矢視断面図であり、図5(B)は、図4(B)のZーZ矢視断面図である。
【図6】ファスナにスライダを取り付けた場合の図5(B)と同じ方向から見た断面図であって、一方のスライダ部材の突起部がファスナの間に割り込ませた状態を示す図である。
【図7】包装用袋体の口部に設けたファスナーに、本発明のファスナー用スライダを取り付けた状態の斜視図である。
【図8】図8(A)は、包装用袋体の口部の端部の外側から一方のスライド部材の突起部を横から割り込ませ、他方のスライド部材は口部Eの上から狭窄部で挟み込むように取り付ける状態の図を示し、図8(B)は、一方のスライド部材と他方のスライド部材とを一体に嵌合した状態を示す図である。
【図9】従来の包装用袋体の口部に設けたファスナーに取り付けたスライダの斜視図である。
【図10】図10(A)は、通常の包装用袋体に設けるファスナーの構造を示す図であり、図10(B)は、閉じてあるファスナーにスライダの突起部を割り込ませてファスナーを開ける状態を示す図であり、図10(C)は、開いてあるファスナーをスライダの狭窄部で閉じる状態を示す図である。
【図11】図11(A)は、従来のスライダの構成を示す全体斜視図であり、図11(B)は、その半割にした状態の斜視である。
【図12】本出願人が本出願の前に出願したファスナー用スライダの全体斜視図である。
【図13】本出願人が本出願の前に出願したファスナー用スライダを構成する一方のスライダ部材と他方のスライダ部材とを一体嵌合させる前の状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
1 スライダ
2 一方のスライダ部材
2A 一方のスライダ部材の突起部
2B 一方のスライダ部材の底部
2C 一方のスライダ部材の側壁
2P 膨出部
3 他方のスライダ部材
3C 他方のスライダ部材の狭窄部
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存のファスナー付包装用袋体に使用することのできるスライダ、特にファスナを設けた包装用袋体に後付けすることが可能で、分割型として形成し、これらを嵌合させて一つのスライダとしてファスナーを開閉自在とすることのできるファスナー用スライダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、合成樹脂フィルム製の包装用袋体には、ファスナー(チャックともいう)付の包装用袋体が使用されることが多い。かかる包装用袋体のファスナーは、塵埃や水分の侵入を防止したり包装用袋体に入れた物品が遺失したりするのを防止するための手段として設けられている。従来のファスナー付の包装用袋体の殆どはこのファスナーを手で開閉するか、或いはファスナーを開閉するためのスライダが取り付けられている。即ち、スライダを用いる場合、図8に示すように、包装用袋体Wの口部Eには開閉用のスライダ付ファスナーFが設けられる。このスライダ10は、矢印R方向にスライドさせるとファスナーFが開口され、矢印S方向にスライドさせるとファスナーFは閉鎖される。
【0003】
従来の前記ファスナーFは、図9に取り付け状態の斜視図を示すが、図10(A)に示すように、一方の内側面W1 に凸条部F3を設けた雄係合部材F1と、他方の内側面W2 に前記凸条部F3を係脱自在に嵌め入れる凹状の係合溝F4を設けた雌係合部材F2と、がそれぞれ袋体の口部Eの内側に接着して設けられる。そして当初は包装用袋体WのファスナーFが閉じているときは図10(A)に示すように、雄係合部材F1の凸条部F3と、雌係合部材F2の係合溝F4とは嵌合状態であるが、包装用袋体Wの口部Eを開けるときには図10(B)に示すように、スライダ10の突起部10Aを、ファスナーFの凸条部F3と係合溝F4との間に割り込ませて位置させ、該スライダ10をスライド(移動)させると、口部Eは開口状態となり、包装用袋体Wの口部Eを閉じるときには図10(C)に示すように、スライダ10の狭窄部10Cを、雄係合部材F1と雌係合部材F2の間の外側に位置させて該スライダ10をスライド(移動)させると、狭窄部10cが包装用袋体Wの口部Eを両側から圧迫して口部Eは閉鎖状態となる。
【0004】
図11(A)は、前記従来のスライダ10の斜視図であり、図11(B)は、その半割にした状態の斜視である。これらの図では、内容が判りやすいように実際の使用状態とは上下逆向き(突起部10Aと狭窄部10Cが上方に向いている)としてある。これらの図に示すように、従来のスライダ10は、中央の広くした中心線方向片側寄りの内側空間10Eに立設させた突起部10Aと、底部10Bの両側に立設させた両側壁10D、10Dと、他方の片側寄りに空間の狭い狭窄部10Cを形成した壁部10F、10Fと、で構成されている。該スライダ10は、包装用袋体Wの口部Eに設けたファスナーFに、後から係止させることも可能である。このような構成により、上記するように、スライダ10を取り付ける場合、スライダ10の突起部10Aを上から割り込ませると共に狭窄部10Cで包装用袋体Wの口部Eの外側の両側かから挟み込ませるように取り付ける。こうして前記スライダ10を矢印R方向(図8)へスライドさせるとスライダ10はファスナーFの口部Eを開口し、矢印S方向へスライドさせるとファスナーFの口部Eを閉鎖することができる。
【0005】
図9に示すようなスライダが最も便利であるが、製作用の金型は少し複雑化せざるを得ない。そこで本出願人は、図12及び図13に示すような嵌合式のファスナー用スライダを提案した。即ち、ファスナー用のスライダが、袋体の口部に設けられ一方の内側面に凸条部を設けた雄係合部材と他方の内側面に前記凸条部を係脱自在に嵌め入れる嵌合溝を設けた雌係合部材とより成るファスナーのこれら雄係合部材と雌係合部材とを分離する突起部を形成した一方のスライダ部材(2)と、これら雄係合部材と雌係合部材とを嵌合する狭窄部(3C)を形成した他方のスライダ部材(3)と、より成るスライダ(1)であって、前記一方のスライダ部材(2)と他方のスライダ部材(3)とが一体となる嵌合構造としたことを特徴としたファスナー用スライダである(特許文献1)。
そして、前記突起部(2A)を設けた一方のスライダ部材(2)の両側には側壁(2C、2C)を形成し、他方のスライダ部材(3)の狭窄部(3C)の両側に柱部(3A、3A)を形成すると共に該柱部(3A)の両外側に凹部(3E、3E)を形成し、前記側壁(2C)を前記凹部(3E)に嵌合させる嵌合構造とすることを特徴としている。
【0006】
【特許文献1】特願2008−148231
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
引用文献1の発明のスライダ1は、包装用袋体Wの口部に設けたファスナーFを完全に密閉することができる。即ち、包装用袋体Wの口部の端部の外側から一方のスライド部材2を横から割り込ませ、他方のスライド部材3は口部Eの上から狭窄部で挟み込むように取り付けることができるので、口部Eに設けたファスナーFは端から端まで密封することができる。従って、包装用袋体Wの内部に入れた小さい物品はこぼれ出にくくなる。しかしながら、このファスナー用スライダは、一方のスライダ部材2と、他方のスライダ部材3とを一体に嵌合したとき、嵌合を解いて元の一方のスライダ部材2と、他方のスライダ部材3とに分解しにくいという問題が生じていた。袋体のファスナーに取り付けた場合、必ずしも元の状態に分解する必要はないが、一旦取り外して他の袋体に付け替える場合は分解しにくいと不便である。
【0008】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、ファスナーの装着されている包装用袋体に後から取り付け可能で、構造が比較的簡単でファスナーの端部からも取り付け可能であり、且つ一旦袋体のファスナーに取り付けても取り外し易く、他の袋体のファスナーにも簡単に取り付けや取り外しがしやすいファスナー用スライダを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明に係るファスナー用スライダは、請求項1に記載の発明が、袋体(W)の口部(E)に設けられ一方の内側に凸条部(F3)を設けた雄係合部材(F1)と他方の内側面に前記凸条部を係脱自在に嵌め入れる嵌合溝(F4)を設けた雌係合部材(F2)とより成るファスナーの係合状態の雄係合部材(F1)と雌係合部材(F2)とを分離する突起部(2A)を形成した一方のスライダ部材(2)と、前記雄係合部材(F1)と前記雌係合部材(F2)とを係合する狭窄部(3C)を形成した他方のスライダ部材(3)とより成り、これら一方のスライダ部材(2)と他方のスライダ部材(3)とを嵌合してなるファスナー用スライダにおいて、
前記一方のスライダ部材(2)にはさらに他方の係合部材方向に伸びる二本の突出部(2E、2E)を設けるとともに、前記他方のスライダ部材(3)には前記二本の突出部(2E、2E)を嵌め入れる穴(3F)を設け、前記一方のスライダ部材(2)と他方のスライダ部材(3)とを一体嵌合したとき、前記一方の係合部材(2)に設けた二本の突出部(2E、2E)が前記他方の係合部材(3)の穴(3F)から突出する嵌合構造としたことを特徴としている。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、前記二本の突出部(2E、2E)を設けた一方のスライダ部材(2)側には段部(2G、2G)を形成し、前記二本の突出部(2E、2E)を嵌め入れる穴(3F)を設けた他方のスライダ部材側(3)には前記段部(2G、2G)に嵌合する突出部(3G、3G)を形成した嵌合構造とすることを特徴としている。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、前記二本の突出部(2E、2E)を設けた一方のスライダ部材(2)側には前記突出部(3G)と同様の突出部を形成し、前記二本の突出部(2E、2E)を嵌め入れる穴(3F)を設けた他方のスライダ部材(3)側には前記突出部(3G、3G)と嵌合する段部(2G、2G)と同様の段部を形成した嵌合構造とすることを特徴としている。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、前記ファスナーの係合状態の雄係合部材(F1)と雌係合部材(F2)とを分離する一方のスライダ部材(2)に形成した突起部(2A)には、その先端部に膨出部(2P)を形成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
上記手段とした本発明のファスナー用スライダによれば、突起部のある一方のスライダ部材と狭窄部のある他方のスライダ部材とを別々に製作し、容易に嵌合して一体とし、通常のスライダと同様のスライダとすることができる。このスライダは、閉鎖状態のファスナーの間に突起部のある一方のスライダ部材を容易に割り込ませてファスナーを開くことができる。また、一旦袋体の口部にファスナーを開閉できるように取り付けたこの発明のファスナー用スライダは、二本の突出部を押すだけで一方のスライダ部材と他方のスライダ部材に分解して取り外すことができる。さらに、前記二本の突出部を設けた一方のスライダ部材側に形成した段部と、嵌合する突出部とを嵌合構造とする(請求項2)ことで嵌合状態は確実なものとすることができる。一方のスライダ部材に突出部を設け、他方のスライダ部材に段部を設けた場合(請求項3)も同様である。
【0014】
本発明のファスナー用スライダは、別個の二つの部分からなり、一体嵌合させるため金型の構造も簡単であり、安価に製作することができる。また、ファスナーの端部の一方の横から一方のスライダ部材を嵌め込み、別途上から他方のスライダ部材をファスナーの上から入れ、嵌合することができるので、包装用袋体のファスナー端部に隙間を作らないで該包装用袋体を密閉することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本願発明の具体的な実施の形態を詳述する。尚、本出願人が以前に出願した図11及び図12に示すファスナー用スライダを構成する符号の共通部分は同一の符号を用いて説明する。
【0016】
図1は、本発明のファスナー用スライダ1の組立状態の全体斜視図であり、図2(A)は本発明のファスナー用スライダ1を構成する一方のスライダ部材2と、他方のスライダ部材3と、を一体嵌合させる前の状態の分解斜視図である。図2(B)は、図2(A)に示す一体嵌合させる前の状態の分解斜視図を上下逆にした状態の分解斜視図であり、図2(C)は、図2(B)のP矢視方向から見た図であり、図3は、図1の組立状態の縦断面斜視図である。図4(A)は、本発明のファスナー用スライダ1の組立状態の平面図であり、図4(B)は、図4(A)のMーM矢視断面図であり、図4(C)は、底面図である。また、図5(A)は、図4(B)のNーN矢視断面図であり、図5(B)は、図4(B)のRーR矢視断面図である。
【0017】
本発明のファスナー用スライダ1は、図1に示すように、ファスナーの係合状態の雄係合部材F1と雌係合部材F2(いずれも図9参照)とを分離する突起部2Aと二本の突出部2E、2Eとを形成した一方のスライダ部材2と、前記雄係合部材F1と雌係合部材F2とを係合する狭窄部3Cを形成した他方のスライダ部材3とより構成される。そして前記一方のスライダ部材2に形成される突起部2Aは、底部2B(図3参照)に立設させ、二本の突出部2E、2Eは前記他方のスライダ部材3方向に伸びるように設けられる。また、前記他方のスライダ部材3には前記二本の突出部2E、2Eを嵌め入れる穴3Fを設けてある。そして、前記一方のスライダ部材2と他方のスライダ部材3とを一体嵌合したとき、前記一方の係合部材2に設けた二本の突出部2E、2Eが前記他方の係合部材3の穴3Fから突出するような嵌合構造としてある。
【0018】
一方のスライダ部材2の突起部2Aは、底部2Bの中央に立設され、前記二本の突出部2E、2Eは、該底部2Bの両側に立設した側壁部2C、2Cのそれぞれ内壁側に設けられる。尚、前記突起部2Aは、その先端部が少し膨らむような膨出部2Pが形成されている。この膨出部2Pは突起部2Aをファスナの雄係合部材F1と雌係合部材F2に割り込ませたときスライダ1が外れにくくするためのものである(図6参照)。
また、前記他方のスライダ部材3に設ける穴3Fは、前記一方のスライダ部材2と該他方のスライダ部材3とを一体としたとき前記二本の突出部2E、2Eが丁度嵌まる位置に設けてある。この場合、これら二本の突出部2E、2Eが前記他方の係合部材の穴3Fから少し突出するようにしてあるが、これは、図1に示す状態のとき、これら二本の突出部2E、2Eを両側から指で押すことができるようにするためである。こうして指で押すと、弾性変形してこれら二本の突出部2E、2Eの間隔が狭まり、穴3Fから外れやすくなる。このように二本の突出部2E、2E間が狭まり、穴3Fから外れやすくなると、袋体WのファスナーFからも外れやすくなり、スライダ1を外し交換しやすくなり、便利である。
【0019】
次に、図2(A)、図2(B)に示すように、前記一方のスライダ部材2の二本の突出部2E、2Eの反対側(下側)の内壁部には段部2G、2Gを形成し、他方のスライダ部材3の前記二本の突出部2E、2Eを嵌め入れる穴3Fを設けた他方のスライダ部材3側(下側)には前記段部2G、2Gに嵌合する突出部3G、3Gを形成した嵌合構造とする。このように段部2Gと突出部3Gとの嵌合により一方のスライダ部材2と他方のスライダ部材3とはしっかりとした嵌合構造となる。
【0020】
或いは、前記二本の突出部2E、2Eを設けた前記一方のスライダ部材2側には突出部3Gと同様の突出部を形成し、前記二本の突出部2E、2Eを嵌め入れる穴3Fを設けた前記他方のスライダ部材3の側には前記段部2Gと同様の段部を形成して嵌合構造としても良い。
【0021】
図5(A)に示すように、前記突出部2E、2Eを設けた一方のスライダ部材2の内壁面2H、2Hはテーパ状として包装用袋体Wの口部Eに嵌め入れ易くしてある。また、他方のスライダ部材3の穴3Fの内側側面には段部3H、3Hが形成され、一方のスライダ部材2の突出部2E、2Eにはこれらの段部3H、3Hと嵌まるよう凸部2I、2Iが形成されている。この嵌合により一方のスライダ部材2と他方のスライダ部材3とを一体嵌合させたときこれらが外れにくくなり、安定的な嵌合状態とすることができる。
また、図5(B)に示すように、一方のスライダ部材2の突起部2Aには先端部部が少し膨らむような 膨出部2Pが形成されている。これは、図6に示すように、突起部2Aがファスナの雄係合部材F1と雌係合部材F2に割り込ませたときスライダ1が外れにくくなる。
【0022】
図7は、本発明のファスナー用スライダ1をファスナーのある包装用袋Wに実際に取り付けた状態の斜視図である。図8(A)は包装用袋WのファスナーFに本発明のファスナー用スライダ1を取り付ける途中の斜視図であり、図8(B)は、本発明のファスナー用スライダ1を取り付けた状態の斜視図である。先ず袋体Wの閉鎖状態の口部Eに一方スライダ部材2の突起2Aを押す嵌合部材F1の凸条部3Fと雌嵌合部材F2の嵌合溝F4とを分離するように入れる。次に、他方のスライダ部材3の狭窄部3Cで袋体Wの口部Eを挟み込んで嵌め入れ、一方のスライダ部材2の二本の突出部2E、2Eを他方のスライダ部材3の穴3Fに嵌め入れる。また、同時に一方のスライダ部材2に設けた段部2G、2Gに他方のスライダ部材3に設けた突出部3G、3Gを嵌め込む。こうすると図8(B)に示すように、一方のスライダ部材2と他方のスライダ部材3とがしっかり嵌合した状態で一体となる。そして、スライダ1を左右に移動させると袋体Wの口部Eに設けたファスナーFを開閉することができる。
【0023】
一方、袋体Wの口部Eに嵌め入れたスライダ1を取り外すときには、図8(B)に示す、他方のスライダ部材3の穴3Fから少し出た一方のスライダ部材の二本の突出部2E、2Eを押すと、これらは弾性変形して少し穴3Fより小さくなるので外しやすくなる。この状態で図8(A)に示すように、取り付ける場合は逆に一方のスライダ部材2と他方のスライダ部材3とを分解して袋体Wから外ずし、他の包装用袋体Wの口部Eに嵌めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明のファスナー用スライダ1の組立状態の全体斜視図である。
【図2】図2(A)は本発明のファスナー用スライダを構成する一方のスライダ部材と、他方のスライダ部材と、を一体嵌合させる前の状態の分解斜視図である。図2(B)は、図2(A)に示す一体嵌合させる前の状態の分解斜視図を上下逆にした状態の分解斜視図であり、図2(C)は、図2(B)のP矢視方向から見た図である。
【図3】図3は、図1の組立状態の縦断面斜視図である。
【図4】図4(A)は、本発明のファスナー用スライダ1の組立状態の平面図であり、図4(B)は、図4(A)のXーX矢視断面図であり、図4(C)は、底面図である。
【図5】図5(A)は、図4(B)のYーY矢視断面図であり、図5(B)は、図4(B)のZーZ矢視断面図である。
【図6】ファスナにスライダを取り付けた場合の図5(B)と同じ方向から見た断面図であって、一方のスライダ部材の突起部がファスナの間に割り込ませた状態を示す図である。
【図7】包装用袋体の口部に設けたファスナーに、本発明のファスナー用スライダを取り付けた状態の斜視図である。
【図8】図8(A)は、包装用袋体の口部の端部の外側から一方のスライド部材の突起部を横から割り込ませ、他方のスライド部材は口部Eの上から狭窄部で挟み込むように取り付ける状態の図を示し、図8(B)は、一方のスライド部材と他方のスライド部材とを一体に嵌合した状態を示す図である。
【図9】従来の包装用袋体の口部に設けたファスナーに取り付けたスライダの斜視図である。
【図10】図10(A)は、通常の包装用袋体に設けるファスナーの構造を示す図であり、図10(B)は、閉じてあるファスナーにスライダの突起部を割り込ませてファスナーを開ける状態を示す図であり、図10(C)は、開いてあるファスナーをスライダの狭窄部で閉じる状態を示す図である。
【図11】図11(A)は、従来のスライダの構成を示す全体斜視図であり、図11(B)は、その半割にした状態の斜視である。
【図12】本出願人が本出願の前に出願したファスナー用スライダの全体斜視図である。
【図13】本出願人が本出願の前に出願したファスナー用スライダを構成する一方のスライダ部材と他方のスライダ部材とを一体嵌合させる前の状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
1 スライダ
2 一方のスライダ部材
2A 一方のスライダ部材の突起部
2B 一方のスライダ部材の底部
2C 一方のスライダ部材の側壁
2P 膨出部
3 他方のスライダ部材
3C 他方のスライダ部材の狭窄部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋体の口部に設けられ一方の内側に凸条部を設けた雄係合部材と他方の内側面に前記凸条部を係脱自在に嵌め入れる嵌合溝を設けた雌係合部材とより成るファスナーの係合状態の雄係合部材と雌係合部材とを分離する突起部を形成した一方のスライダ部材と、前記雄係合部材と前記雌係合部材とを係合する狭窄部を形成した他方のスライダ部材とより成り、これら一方のスライダ部材と他方のスライダ部材とを嵌合してなるファスナー用スライダにおいて、
前記一方のスライダ部材にはさらに他方の係合部材方向に伸びる二本の突出部を設けるとともに、前記他方のスライダ部材には前記二本の突出部を嵌め入れる穴を設け、前記一方のスライダ部材と他方のスライダ部材とを一体嵌合したとき、前記一方の係合部材に設けた二本の突出部が前記他方の係合部材の穴から突出する嵌合構造としたことを特徴とするファスナー用スライダ。
【請求項2】
前記二本の突出部を設けた一方のスライダ部材側には段部を形成し、前記二本の突出部を嵌め入れる穴を設けた他方のスライダ部材側には前記段部に嵌合する突出部を形成した嵌合構造とすることを特徴とする請求項1に記載のファスナー用スライダ。
【請求項3】
前記二本の突出部を設けた一方のスライダ部材側には突出部を形成し、前記二本の突出部を嵌め入れる穴を設けた他方のスライダ部材側には前記突出部と嵌合する段部を形成した嵌合構造とすることを特徴とする請求項1に記載のファスナー用スライダ。
【請求項4】
前記ファスナーの係合状態の雄係合部材と雌係合部材とを分離する一方のスライダ部材に形成した突起部には、その先端部に膨出部を形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のファスナー用スライダ。
【請求項1】
袋体の口部に設けられ一方の内側に凸条部を設けた雄係合部材と他方の内側面に前記凸条部を係脱自在に嵌め入れる嵌合溝を設けた雌係合部材とより成るファスナーの係合状態の雄係合部材と雌係合部材とを分離する突起部を形成した一方のスライダ部材と、前記雄係合部材と前記雌係合部材とを係合する狭窄部を形成した他方のスライダ部材とより成り、これら一方のスライダ部材と他方のスライダ部材とを嵌合してなるファスナー用スライダにおいて、
前記一方のスライダ部材にはさらに他方の係合部材方向に伸びる二本の突出部を設けるとともに、前記他方のスライダ部材には前記二本の突出部を嵌め入れる穴を設け、前記一方のスライダ部材と他方のスライダ部材とを一体嵌合したとき、前記一方の係合部材に設けた二本の突出部が前記他方の係合部材の穴から突出する嵌合構造としたことを特徴とするファスナー用スライダ。
【請求項2】
前記二本の突出部を設けた一方のスライダ部材側には段部を形成し、前記二本の突出部を嵌め入れる穴を設けた他方のスライダ部材側には前記段部に嵌合する突出部を形成した嵌合構造とすることを特徴とする請求項1に記載のファスナー用スライダ。
【請求項3】
前記二本の突出部を設けた一方のスライダ部材側には突出部を形成し、前記二本の突出部を嵌め入れる穴を設けた他方のスライダ部材側には前記突出部と嵌合する段部を形成した嵌合構造とすることを特徴とする請求項1に記載のファスナー用スライダ。
【請求項4】
前記ファスナーの係合状態の雄係合部材と雌係合部材とを分離する一方のスライダ部材に形成した突起部には、その先端部に膨出部を形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のファスナー用スライダ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−154995(P2010−154995A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−335782(P2008−335782)
【出願日】平成20年12月29日(2008.12.29)
【出願人】(000249676)株式会社ミューパック・オザキ (16)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月29日(2008.12.29)
【出願人】(000249676)株式会社ミューパック・オザキ (16)
【Fターム(参考)】
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