説明

ファルネシルピロホスフェートシンターゼ活性阻害剤であるサリチル酸誘導体

本発明は、式I


〔式中、各部分は明細書に記載する通りである。〕
の化合物の使用および主にその新規化合物に関し、これは、ファルネシルピロホスフェートシンターゼモジュレーターとして、そして例えば増殖性疾患の処置に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の要約:
本発明は、ファルネシルピロホスフェートシンターゼ(FPPS)の活性に依存する障害、特に増殖性疾患および/またはコレステロール生合成関連障害の処置に使用するためのサリチル酸誘導体、上記障害または特に後述する障害の処置における、または処置用製剤の製造のための、該サリチル酸誘導体の使用、サリチル酸誘導体を温血動物、特にヒトに投与することを含む、上記障害または特に後述する障害の処置方法、上記障害または特に後述する障害の処置用製剤、かかる製剤の製造方法、新規サリチル酸誘導体、温血動物、特にヒトの障害、好ましくは上記障害または特に後述する障害の処置に使用するためのこれらの化合物、かかる化合物および少なくとも1個の薬学的に許容される担体物質を含む製剤、これらの新規化合物の製造工程または製造方法および上記および下記の通りのその投与および使用を含む方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ゾメタは、現在骨粗鬆症および転移骨癌に使用されるビスホスホネート剤である。さらにそれはインビトロで抗寄生虫活性を有する。
【化1】

【0003】
近年、元々薬物標的に関する知識無しに発見されたゾメタが、強力かつ選択的ファルネシルピロホスフェートシンターゼ(FPPS)阻害剤であることが判明した。
【0004】
FPPSは、メバロン酸経路の分岐点における重要な酵素である。本酵素は、ジメチルアリルピロホスフェート(DMAPP)およびイソペンテニルピロホスフェート(IPP)のゲラニルピロホスフェート(GPP)へのヘッド・トゥー・テール−(1’−4)−縮合およびGPPとIPPのファルネシルピロホスフェート(FPP)への第二のヘッド・トゥー・テール縮合を触媒する。これらの縮合反応の機構は、カルボカチオンが中間体として形成される反応を触媒する数少ない酵素群に、FPPSが属すると言う意味で興味深い。FPPは、一方では、ステロイド、特にコレステロール合成の前駆体である。それ故に、この酵素の阻害はコレステロール合成の低下、およびそれ故に血中コレステロール濃度低下に至る(J.F.Reilly et al., Biochem. J. (2002) 366 (501−510))。
【0005】
他方で、タンパク質プレニルトランスフェラーゼ類は、C15ファルネシルピロホスフェートまたはゲラニルゲラニルピロホスフェートシンターゼの炭素基の、タンパク質基質およびペプチド基質のCaaXモチーフ中の保存システイン残基への転移を触媒する。ファルネシル基の付加は、タンパク質の細胞膜への固定を必要とする。例えば、多くの制御Gタンパク質が、かかるファルネシル化により細胞膜に固定される。最近のデータは、そのアポトーシス効果がRasファルネシル化の阻害に関連するかもしれないが、特にRho GTPasesのゲラニル−ゲラニル化が、その抗侵襲性効果の主標的である可能性を示唆する。FPPSの阻害によるファルネシル化阻害は、それ故にGタンパク質の調節不全が関与する癌および腫瘍疾患のような種々の増殖性疾患の処置に、例えば前立腺腫瘍細胞の処置に有用であると見なされ、そしてアレンドロネート、ゾレドロネートおよびパミドロネートの抗腫瘍効果が前立腺細胞におけるメバロン酸経路の阻害と関連付けられ、そして抗腫瘍効果が試験された(例えばM. Goffinetet al., BMC Cancer 2006, 6:60参照)。ゾレドロネートの直接の抗腫瘍能が、種々の動物モデルで観察されている(Croucher P. et al., The Breast 2003, Suppl.2:S30に要約)。さらに、例えば、FPPSのFGF受容体(FGFRs)への結合が証明でき、線維芽細胞でのFPPSの過発現がまたRasのファルネシル化増加を促進し、一時的にRas/ERK(細胞外シグナル制御キナーゼ)カスケードのFGF−2刺激活性化を拡張することが示された。
【0006】
Gタンパク質は一般にシグナル伝達タンパク質であり、しばしば癌遺伝子アナログがある。例えば、深く特徴付けされている癌遺伝子rasは、正常にGTPに結合するが、GTPase活性を有しないタンパク質をコードする。対応するRasタンパク質が細胞内で形成されたら、それは永久に(“構成的に”)活性化されたままであり、正常受容体のシグナルは無視される。この結果は無制御な増殖である。rasにおける変異は、全肺および結腸癌腫の30〜50%ならびに90%を超える膵臓癌腫に関与する。
【0007】
それ故に、GPPがタンパク質のプレニル化に使用されるため、FPPSのブロッカーは、多くの癌に関与する小GTPase腫瘍性タンパク質の活性を阻害し、シグナル伝達の制御のための重要な経路を調節する。さらにこの酵素の調節は、コレステロール生合成に対して、現在上市されているHMG CoAレダクターゼ阻害剤に類似する効果を有する。
【0008】
FPPSは、近年アレディア<<(パミドロネート)およびゾメタ<<(ゾレドロン酸)のような窒素含有ビスホスホネート剤の分子標的であることが示された。ビスホスホネート類は、破骨細胞による骨吸収を阻止する、確立され、極めて有効な薬剤群であり、それ故に、異常に増加した骨ターンオーバーが関連する状態、例えば骨粗鬆症、パジェット病、高カルシウム血症および骨転移の処置に使用される。それ故に、FPPSは現在重要な薬物標的として認識されている。新規FPPS阻害剤が、骨疾患の処置にだけでなく、腫瘍学において、高コレステロールレベルの処置において、そして抗感染剤として治療能を有することが予期される。
【0009】
骨吸収の抑制に関連する細胞機構への取り組みにおいて、ゲラニルゲラニル化の損失を破骨細胞アポトーシスの誘発、アクチン細胞骨格および膜輸送改変と関連付ける価値のある証拠が蓄積してきている(例えばF. P. Coxon et al., J. Bone Miner. Res. 2000, 15:1467参照)。ビスホスホネート類は、破骨細胞アポトーシスを、インビトロおよびインビボの両方で、正常マウスおよび骨吸収が増加したマウスの両方で誘発することが報告された(例えばD. E. Huges et al., J. Bone Miner. Res. 1995, 10:1478参照)。窒素含有ビスホスホネート類(N−BPs)および窒素を欠くBPsの両方のアポトーシス作用は、骨芽細胞を介する間接的作用とは対照的に破骨細胞内の細胞内作用に由来する(例えばA. A. Reszka et al., JBC 1999, 274:34967参照)。N−BPsが破骨細胞中のイソプレニル化タンパク質を妨害することによりアポトーシスを起こす可能性は、単にGGPPを置き換えることによる効果の遮断により証明された。クロドロネートまたはエチドロネートではなく、N−BPsアレンドロネートおよびリセドロネート(risendronate)による破骨細胞アポトーシスの誘発は、ゲラニルゲラニオールの添加により遮断されたが、ファルネソールでは遮断されず、ゲラニルゲラニル化のみが重要であることを示唆した。ビスホスホネート類により影響を受け、破骨細胞アポトーシスをもたらすゲラニルゲラニル化小GTPasesに関与するシグナル伝達経路は未知のままである。プレニル化小GTPases、例えばRas、Rho、Rac、Cdc42、およびRabファミリーのものは、細胞骨格配置、膜ラフリング、細胞内小胞の輸送、およびアポトーシスを含む、破骨細胞機能に重要な種々の細胞過程を制御する重要なシグナル伝達タンパク質である(Coleman M.L. et al. Cell Death Differ 2002, 9:493; Coxon F.P. et al. Calcif Tissue Int 2002, 72:80; Etienne-Manneville S. et el., Nature 2002, 420:629; Zerial M. et al., Nat Rev Mol Cell Biol, 2001, 2:107)。メバロン酸経路の阻害およびプレニル化タンパク質の喪失は、それ故に、報告されている破骨細胞に対するN−BPsの種々の効果の、全てではないかもしれないが、大部分を説明する。例えば、Rho、Rac、またはCdc42のプレニル化の喪失は、インビトロまたはインビボでビスホスホネート類で処置した破骨細胞では存在しない破骨細胞波状縁の喪失に至るSato M. et al. J Bone Miner Res 1990, 5:31)。Rho、Rac、およびCdc42が破骨細胞における細胞骨格系に必要であるため(Chellaiah M. A. et al., Biochim Biophys Acta 2000, 429:429)、これらの小GTPasesのプレニル化の喪失は、ビスホスホネート処置の特徴的効果であるアクチン環の喪失も引き起こす(例えばSato M et al. J Clin Invest 1991, 88:2095)。Rab GTPasesのプレニル化の喪失は、破骨細胞における小胞輸送を撹乱し(Alakangas A. et al., Calcif Tissue Int 2002, 70:40)、それによって波状縁形成、リソソーム酵素群の輸送、および分解した骨マトリックスの経細胞輸送に影響を与える(Mulari M.T. et al., Traffic 2003 4:113; Nesbitt S.A. et al., Science 1997, 276:266; Salo J. et al., Science 1997, 276:270)。Racのような小GTPasesのプレニル化の喪失、および細胞生存を促進する下流シグナル伝達経路の撹乱もまた、N−BPsが破骨細胞アポトーシスを誘発する経路である可能性がある(Glantschnig H. et al., Cell Death Differ 2003, 10:1165)。
【0010】
それ故に、本発明の目的は、特に増加した効果、耐容性、経口バイオアベイラビリティおよび/または薬物動態学のような有益な薬理学的特性を備えた、新規FPPS阻害剤およびFPPS依存性障害の阻止方法の提供である。
【発明の概要】
【0011】
発明の一般的な記載
驚くべきことに、本発明により、サリチル酸誘導体が、ビスホスホネート類ではないにもかかわらずFPPSに阻害作用を示すことができ、FPPS活性に依存する疾患、特に軟および硬組織の腫瘍および癌疾患、特に転移、例えば骨転移の処置に、またコレステロール低下剤として適することが判明した。加えて、この新規化合物群の大多数は、FPPS阻害剤であることが判明した。
【0012】
発明の詳細な記載:
第一面において、本発明は、温血動物、特にヒトの処置に使用するための、好ましくはFPPS依存性障害の処置のための、式I
【化2】

〔式中、Rは水素、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ハロ、−ORまたは−NRであり、ここで
Rは、2個存在するならば互いに独立して、水素、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルカノイル、非置換または置換アリール、非置換または置換アロイル、非置換または置換ヘテロシクリルまたは非置換または置換ヘテロシクリルカルボニル(ヘテロシクリル−C(=O)−)であり、
XはCRであり、ここで、Rは水素であるか、または、ナフチル環が式Iの分子の残りにその“a”と記した炭素を介して結合しているならば、水素またはハロであり、
またはXはCRであり、RおよびRは、一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ、
Yは水素であるか、またはRと一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ;
ただし、RとRまたはYとRのペアの最大で1個が上に定義した架橋を形成し;
は水素、ハロ、ヒドロキシル、エーテル化ヒドロキシルまたはエステル化ヒドロキシルであり;
各Rは、存在するならば、1個を超えるR部分が存在する場合、互いに独立して、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ヒドロキシル、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ハロ、アミノ、モノ−またはジ置換アミノ、ニトロまたはシアノであり;
各Rは、存在するならば、1個を超えるR部分が存在する場合、互いに独立して、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ヒドロキシル、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ハロ、アミノ、モノ−またはジ置換アミノ、ニトロまたはシアノであり;
pは0、1〜4の正数であり、
qは0〜3の正数であり、そして
rは1または2である。〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、
FPPS依存性疾患の処置における式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用、FPPS依存性疾患の処置に有用な製剤の製造のための式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を治療有効量で特に処置を必要とする温血動物、特にヒトに投与することを含む処置方法、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含むFPPS依存性疾患の処置用製剤、および式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩と、少なくとも1個の薬学的に許容される担体物質を混合することを含む、かかる製剤の製造方法に関する。
【0013】
この明細書で使用する一般的用語は、好ましくは、本開示の範囲内で、特にことわらない限り、以下の意味を有する(ここで、好ましい態様を、1個以上で最大全ての表現または記号をここに示すより具体的なまたはより好ましい定義に置き換えることにより、規定することができる):
【0014】
化合物、塩、医薬組成物、疾患などに対して複数表現が採用されているとき、これは、一つの化合物、塩なども意味することを意図する。
【0015】
用語“処置”または“治療”は、該疾患/障害、特に以下の疾患/障害の予防的または好ましくは治療的(緩和、治癒、症状緩和、症状軽減、FPPS活性制御および/またはFPPS阻害を含み、これらに限定されない)処置を意味する。
【0016】
“一つの”化合物、“一つの”塩、“一つの”障害、“一つの”疾患などは、好ましくは“一つ以上の”化合物、塩、障害、疾患などを意味する。
“により得ることができる”は、好ましくは“により得られる”に置き換え得る。
【0017】
用語“含む”が使用されているとき、これは、その前に記載された1個の要素、複数要素、一つの作用、複数の作用、一個の特性または複数の特性が、単独では満たされないかもしれず、むしろ、1個以上の他の要素および/または特性(例えば他の添加剤、他の作用)が、具体的に記載されたものに加えて存在し得ることを意味することを意図する。これは用語“含んで成る”または“から成る”とは対照的であり、これは、ここでは、このような表現の前に具体的に記載されているもの以外の他の要素または特性を含まないことを意味し、それ故に、特性および/または要素の完全な記載/表明を示す。“含む”が使用されているときは、可能であり、好都合であるならば、これは(他の表示個所とは独立して)、狭い用語“から成る”または(工程または方法の場合)“の工程を含んで成る”に置き換えることができ、そうして、特異的なおよび好ましい本発明の態様に至る。
【0018】
非置換または置換アルキルにおいて、アルキル(またアルコキシなどにおいて)は、好ましくは20個まで、より好ましくは12個までの炭素原子を有し、直鎖または分枝鎖であり、より好ましくは低級アルキル、特にC−C−アルキルである。置換アルキルは、好ましくはC−乃至C20−アルキル、より好ましくは低級アルキル、直線状でも1個所以上(ただし炭素原子数が許すならば)分枝していてもよく、例えばメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2,2−ジメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−プロピルであり、以下に記載の非置換または置換ヘテロシクリル(好ましくはイミダゾール−1−イル以外)、特にピロリジニル、例えばピロリジノ、オキソピロリジニル、例えばオキソピロリジノ、C−C−アルキル−ピロリジニル、2,5−ジ−(C−Cアルキル)ピロリジニル、例えば2,5−ジ−(C−Cアルキル)−ピロリジノ、テトラヒドロフラニル、チオフェニル、C−C−アルキルピラゾリジニル、ピリジニル、C−C−アルキルピペリジニル、ピペリジノ、アミノまたはN−モノ−またはN,N−ジ−[低級アルキル、フェニル、C−C−アルカノイルおよび/またはフェニル−低級アルキル)−アミノで置換されているピペリジノ、環炭素原子を介して結合する非置換またはN−低級アルキル置換ピペリジニル、ピペラジノ、低級アルキルピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、S−オキソ−チオモルホリノまたはS,S−ジオキソチオモルホリノ;以下に定義する非置換または置換アリール、特にフェニル、ナフチル、モノ−乃至トリ−[C−C−アルキル、ハロおよび/またはシアノ]−フェニルまたはモノ−乃至トリ−[C−C−アルキル、ハロおよび/またはシアノ]−ナフチル;以下に定義する非置換または置換シクロアルキル、特にC−C−シクロアルキル、モノ−乃至トリ−[C−C−アルキルおよび/またはヒドロキシ]−C−C−シクロアルキル;ハロ(例えばトリフルオロメチルにおける)、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、(低級アルコキシ)−低級アルコキシ−低級アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、トリ−(C−C−アルキル)シリル−C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ、フェノキシ、ナフチルオキシ、フェニル−またはナフチル−低級アルコキシ;例えば、アミノ−低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ、ニトロ、シアノ、ホルミル(CHO)、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル;フェニル−またはナフチル−低級アルコキシカルボニル、例えばベンジルオキシカルボニル;C−C−アルカノイル、例えばアセチル、ベンゾイル、ナフトイル、カルバモイル、N−モノ−またはN,N−ジ置換カルバモイル、例えばN−モノ−またはN,N−ジ−置換カルバモイル(ここで、置換基は低級アルキルおよびヒドロキシ−低級アルキルから選択される);アミジノ、グアニジノ、ウレイド、メルカプト、低級アルキルチオ、フェニル−またはナフチルチオ、フェニル−またはナフチル−低級アルキルチオ、低級アルキル−フェニルチオ、低級アルキル−ナフチルチオ、ハロゲン−低級アルキルメルカプト、低級アルキルスルフィニル、フェニル−またはナフチル−スルフィニル、フェニル−またはナフチル−低級アルキルスルフィニル、低級アルキル−フェニルスルフィニル、低級アルキル−ナフチル(napthyl)スルフィニル、スルホ、低級アルカンスルホニル、フェニル−またはナフチル−スルホニル、フェニル−またはナフチル−低級アルキルスルホニル、アルキルフェニルスルホニル、ハロゲン−低級アルキルスルホニル、例えばトリフルオロメタンスルホニル;スルホンアミド、ベンゾスルホンアミド、アジド、アジド−C−C−アルキル、特にアジドメチル、アミノ、アミノ−C−C−アルキル、特にアミノメチル、N−モノ−またはN,N−ジ−[低級アルキル、フェニル、C−C−アルカノイルおよび/またはフェニル−低級アルキル)−アミノまたはN−モノ−またはN,N−ジ−[低級アルキル、フェニル、C−Cアルカノイルおよび/またはフェニル−低級アルキル)−アミノメチルから成る群から独立して選択される1個以上、好ましくは3個までの、置換基で置換されており;
【0019】
ここで、置換アルキル(またはここに記載する置換アリール、ヘテロシクリルなど)の置換基または置換基の一部として上に記載したフェニルまたはナフチル(またフェノキシまたはナフトキシにおいても)は、それ自体、非置換であるか、またはハロ、特にフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード、ハロ−低級アルキル、例えばトリフルオロメチル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アジド、アミノ、N−モノ−またはN,N−ジ−(低級アルキル、フェニル、ナフチル、C−C−アルカノイル、フェニル−低級アルキルおよび/またはナフチル−低級アルキル)−アミノ、ニトロ、ホルミル(CHO)、カルボキシ、低級アルコキシカルボニルカルバモイル、シアノおよび/またはスルファモイルから独立して選択される1個以上、例えば3個まで、好ましくは1個または2個の置換基で置換されている。式IにおけるRの場合、非置換または置換アルキルは、好ましくはC−C−アルキル、例えばメチルまたはエチル、ハロ−C−C−アルキル、例えばハロメチル、ヒドロキシル−C−C−アルキル、例えばヒドロキシメチル、アミノ−C−C−アルキル、例えばアミノメチル、またはカルボキシ−C−C−アルキル、例えばカルボキシメチルである。
【0020】
非置換または置換アルケニルは、好ましくはC−C20−アルケニル、より好ましくはC−C12−アルケニル、さらに好ましくはC−C−アルケニルであり、これは直鎖または分枝鎖であり、1個以上の二重結合を有する。置換基は、好ましくは置換アルキルについて記載したものから選択される1個以上、特に3個までの置換基であり、好ましくは活性水素含有置換基(例えばアミノまたはヒドロキシル)はまた互変異性形態(ケトまたはイミノ化合物のような)としても存在でき、または、安定性が低すぎるとき置換基から除かれることを条件とする。
【0021】
非置換または置換アルキニルは、好ましくはC−C20−アルキニル、より好ましくはC−C12−アルキニル、さらに好ましくはC−C−アルキニルであり、これは直鎖または分枝鎖であり、1個以上の三重結合を有する。置換基は、好ましくは置換アルキルについて記載したものから選択される1個以上、特に3個までの置換基であり、好ましくは活性水素含有置換基(例えばアミノまたはヒドロキシル)はまた互変異性形態(ケトまたはイミノ化合物のような)としても存在でき、または、安定性が低すぎるとき置換基から除かれることを条件とする。
【0022】
非置換または置換アリールにおいて、アリールは、好ましくは20個を超えない炭素原子の、特に16個を超えない炭素原子の不飽和炭素環系であり、好ましくは単環式、二環式または三環式、例えばフェニル、ナフチル、フェナントレニルまたはフルオレニルであり、それは非置換であるか、または置換アリールとして、好ましくは置換アルキルについて上記のもの、およびアルケニルから独立して選択される1個以上、好ましくは3個まで、例えば1個または2個の置換基で置換されている。好ましくは、置換基は、C−C−アルキル、例えばメチル、ヒドロキシル−C−C−アルキル、例えばヒドロキシメチル、ハロ、例えばフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード、ヒドロキシル、C−C−アルコキシ、例えばメトキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、例えばトリフルオロメトキシ、アミノ、C−C−アルカノイルアミノ、例えばアセチルアミノ、アミノ−アルキル、例えばアミノメチル、N−モノ−またはN,N−ジ置換アミノ−アルキル、好ましくはN−モノ−またはN,N−ジ置換アミノ−C−C−アルキル、例えばN−モノ−またはN,N−ジ置換アミノメチル、およびアジドアルキル、好ましくはアジド−C−C−アルキル、例えばアジドメチル、シアノまたはC−C−アルカノイル、特にCHOまたはC−C−アルケニルから成る群から独立して選択される。
【0023】
非置換または置換ヘテロシクリルにおいて、ヘテロシクリルは、好ましくは不飽和(=環内に可能な最大数の二重結合を担持する)、飽和または部分的に飽和であり、好ましくは単環式または本発明の広い面においては二環式または三環式環であるヘテロ環基であり;3〜24個、より好ましくは4〜16個、最も好ましくは4〜10個の環原子を有し;ここで、1個以上、好ましくは1〜4個、特に1個または2個の炭素環原子が、窒素、酸素および硫黄から成る群から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、結合する環は、好ましくは4〜12個、特に5〜7個の環原子を有し;このヘテロ環基(ヘテロシクリル)は、非置換であるか、または置換アルキルについて上記で定義した置換基から成る群から独立して選択される1個以上、特に1〜3個の置換基で置換されており;そして、ヘテロシクリルは、特にオキシラニル、アジリニル、アジリジニル、1,2−オキサチオラニル、チエニル(=チオフェニル)、フラニル、テトラヒドロフリル、ピラニル、チオピラニル、チアントレニル、イソベンゾフラニル、ベンゾフラニル、クロメニル、2H−ピロリル、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリル、イミダゾリジニル、ベンゾイミダゾリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピラゾリジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、ジチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピリダジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、(S−オキソまたはS,S−ジオキソ)−チオモルホリニル、インドリジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、特に1,4−ジアゼパニル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、クマリル、インダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、イソキノリル、キノリル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、デカヒドロキノリル、オクタヒドロイソキノリル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ジベンゾチオフェニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリル、キナゾリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、ベータ−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フラザニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、クロメニル、イソクロマニル、クロマニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルおよび2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルから成る群から選択されるヘテロシクリル基であり、これらの基の各々は非置換であるか、または置換アルキルについて上記のもの、アルケニル、例えばC−C−アルケニル、およびオキソから、特に低級アルキル、特にメチルまたはtert−ブチル、低級アルコキシ、特にメトキシ、オキソおよびハロから成る群から選択される1個以上、好ましくは3個までの置換基で置換されている。
【0024】
非置換または置換シクロアルキルにおいて、シクロアルキルは好ましくは3〜16個、より好ましくは3〜9個の環炭素原子を有する飽和単環式または二環式炭化水素基、特にC−C−シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルであり、置換アルキルについて記載したもの特にC−C−アルキルおよびヒドロキシから独立して選択される1個以上、好ましくは1〜3個の置換基で置換されているか、または(好ましくは)非置換である。
【0025】
ハロ(またはハロゲン)は好ましくはフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード、最も好ましくはフルオロ、クロロまたはブロモである。
カルボキシは−COOHである(ここでは遊離形で示す、塩を形成し得る)。
【0026】
非置換または置換アルカノイルにおいて、アルカノイルは、好ましくはホルミルまたはより好ましくはC−C20−、さらに好ましくはC−C−アルカノイル、例えばアセチル、プロパノイルまたはブチロイルであり、直鎖または分枝鎖であり、置換アルキルについて上記のものから独立して選択される1個以上、特に3個までの置換基で置換されているか、または好ましくは上記の通り非置換であるか、またはホルミル(−CHO)である。
【0027】
非置換または置換アロイルにおいて、アロイルは好ましくはアリール−カルボニル(アリール−C(=O)−)であり、ここで、アリールは上に定義した通り、例えばベンゾイルまたはナフトイルであり、非置換であるか、またはアルキルについて上記のものから選択される1個以上、好ましくは3個までの置換基で置換されている。
【0028】
非置換または置換ヘテロシクリルカルボニル(ヘテロシクリル−C(=O)−)において、ヘテロシクリルは、好ましくは上に定義した通りであり、非置換であるか、または好ましくは置換アルキルについて上記のものおよびオキソから独立して選択される1個以上、特に3個までの部分で置換されている。
【0029】
アミノ−アルキル(置換アルキルの特定の形態でもある)において、アルキルは、好ましくは上に定義した通りであり、分枝していないか、または分枝している。アミノ部分は、好ましくは末端炭素原子に結合する。好ましいのはアミノ−C−C−アルキル、特にアミノメチルである。
【0030】
N−モノ−またはN,N−ジ置換アミノ−アルキルにおいて、アルキルは好ましくは上に定義した通りであり、分枝していないか、または分枝している。モノ−またはジ置換アミノ部分は好ましくは末端炭素原子に結合する。置換基は、好ましくは非置換または置換アルキル、特にC−C−アルキルまたはフェニル−C−C−アルキル、例えばメチル、エチルまたはベンジル、アシル、特にC−C−アルカノイル、例えばアセチル、非置換または置換アリール、好ましくは上に定義した通り、特にフェニル、非置換または置換アロイル、好ましくは上に定義した通り、例えばベンゾイル、および非置換または置換シクロアルキル、好ましくは上に定義した通り、特にシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルから選択される。
【0031】
アジド−アルキル(置換アルキルの特定の形態でもある)において、アルキルは好ましくは上に定義した通りであり、分枝していないか、または分枝している。アジド部分は好ましくは末端炭素原子に結合する。好ましいのはアジド−C−C−アルキル、特にアジドメチルである。
【0032】
およびRは、一体となって式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を形成させるとは、このベンゾ基と共に、RおよびRと結合する環がナフチル部分を表すことを意味する。
【0033】
Yは、Rと一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を形成させるとは、このベンゾ基と共に、YおよびRと結合する環がナフチル部分を表すことを意味する。
【0034】
エーテル化ヒドロキシルは、好ましくは非置換または置換(好ましくはC−C−)アルキルオキシであり、ここで、該置換基は、好ましくは置換アルキルについて記載したものから独立して選択され、好ましくはメトキシまたは3−(2−トリメチルシリル−エトキシ−メトキシであり;または非置換または置換アリールオキシであり、ここで、非置換または置換アリールは上に定義した通りであり;例えばそれぞれ置換または好ましくは非置換のフェニルオキシまたはナフチルオキシである。
【0035】
エステル化ヒドロキシルは、好ましくはアシルオキシであって、アシルは以下に定義する通りであり、より好ましくはC−C−アルカノイルオキシ、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ、C−C−アルカンスルホニルオキシ(アルキル−S(O)−O−)、またはフェニル−またはナフチルスルホニルオキシ(フェニル−S(O)−O−またはナフチル−S(O)−O−)であり、ここで、フェニルは非置換であるか、または例えば1個以上、例えば3個までのC−C−アルキル部分で置換されている。
【0036】
アシルは好ましくは非置換または置換アリール−カルボニル(=アリール−CO−;=アロイル)または−スルホニル(=アリール−S(O)−)、非置換または置換ヘテロシクリルカルボニルまたは−スルホニル、非置換または置換シクロアルキルカルボニルまたは−スルホニル、ホルミルまたは非置換または置換アルキルカルボニルまたは−スルホニル、非置換または置換アルキルオキシカルボニルまたは−オキシスルホニル、非置換または置換アリール−オキシカルボニルまたは−オキシスルホニル、非置換または置換ヘテロシクリルオキシカルボニルまたは−オキシスルホニル、または非置換または置換シクロアルキルオキシカルボニルまたは−オキシスルホニルであり、ここで、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキルおよび非置換または置換アルキルは好ましくは上記の通りである。好ましいのはC−C−アルカノイル、例えばアセチル、非置換またはモノ−、ジ−またはトリ−(ハロおよび/またはC−C−アルキル)−置換ベンゾイルまたはナフトイル、C−C−シクロアルキルカルボニル、ピロリジンカルボニル、特にピロリジノカルボニル、C−C−アルキルスルホニル、例えばメチルスルホニル(=メタンスルホニル)、(フェニル−またはナフチル)−C−C−アルキルスルホニル、例えばフェニルメタンスルホニル、または(非置換、または[C−C−アルキル−、フェニル−、ハロ−低級アルキル−、ハロ、オキソ−C−C−アルキル−C−C−アルキルオキシ−、フェニル−C−C−アルコキシ−、ハロ−C−C−アルキルオキシ−、フェノキシ−、C−C−アルカノイルアミノ−、シアノ−、C−C−アルカノイル−および/またはC−C−アルキルスルホニル−]置換)(フェニルまたはナフチル)−スルホニル、例えばフェニルスルホニル(=ベンゼンスルホニル)、ナフタレン−1−スルホニル、ナフタレン−2−スルホニルまたはトルエン−4−スルホニル、または(C−C−アルキル、フェニル、ナフチル、フェニル−C−C−アルキルおよび/またはナフチル(napthyl)−C−C−アルキル)−オキシカルボニル、例えばC−C−アルコキシカルボニル、例えばメトキシカルボニルである。
【0037】
正数を示す記号の中で、pは0〜4の正数、好ましくは0、1または2であり;qは0〜3の正数、好ましくは0、1または2であり、そしてrは1または2、好ましくは1である。
【0038】
ある場合、本発明の化合物は、置換基に1個以上のキラル中心を含むか、または他の不斉(鏡像体に至る)を示すかもしれず、または他の方法で、例えば1個を超えるキラル中心または1個を超える他のタイプの不斉により、またはZ/E(またはcis−trans)異性(ジアステレオマー)を可能にする環または二重結合により、1個を超える立体異性体の形態で存在できるかもしれない。本発明は、2個以上のかかる異性体の混合物、例えば鏡像体の混合物、特にラセミ体、ならびに好ましくは精製異性体、特に精製されたおよび最も具体的には本質的に(すなわち少なくとも90%を超える)純粋な鏡像体またはジアステレオマー、または鏡像体富化混合物の両方を含む。
【0039】
式Iにおいて、ナフチル(napthyl)部分が式Iで“b”と記したその炭素を介して残りの分子に結合するとき、得られるのは式IA
【化3】

の化合物であり、これは式Iの化合物の一態様を表す。
【0040】
式Iにおいて、ナフチル(napthyl)部分が式Iで“a”と記したその炭素を介して残りの分子に結合するとき、得られるのは式IB
【化4】

であり、これは、本発明に従う種々の態様の式Iの化合物の好ましい態様を表す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
好ましい発明の態様:
式Iの部分および記号の以下の好ましい態様において、上に示したより具体的な定義を、互いに独立して使用して、より一般的な定義に置き換え、そうしてより具体的な好ましい本発明の態様を規定することができ、ここで、残りの定義は上記または下記に定義した本発明の態様で定義した通り広いままであり得る。
【0042】
は好ましくは水素または(特に式Iの新規化合物において)C−C−アルキル、アミノ−C−C−アルキル、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル、フェニル、C−C−アルカノイルおよび/またはフェニル−低級アルキル)−アミノ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ、C−C−アルコキシ、ヒドロキシ−C−C−アルコキシ、カルボキシ−C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、フェニル−またはナフチル−C−C−アルコキシ、アミノ、N−モノ−またはN,N−ジ−{C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、[N’,N’−ジ−(C−C−アルキル)−アミノ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、モノ−乃至トリ−[C−C−アルキルおよび/またはヒドロキシ]−C−C−シクロアルキル、フェニル、ナフチル、モノ−乃至トリ−[C−C−アルキル、ハロおよび/またはシアノ]−フェニル、モノ−乃至トリ−[C−C−アルキル、ハロおよび/またはシアノ]−ナフチル、C−C−アルカノイル、フェニル−C−C−アルキル、フェニル−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、[(C−C−アルキル)−C−C−シクロアルキル]−C−C−アルキル、[ヒドロキシ−C−C−シクロアルキル]−C−C−アルキル、[C−C−アルキル−ピロリジニル]−C−C−アルキル、[テトラヒドロフラニル−C−C−アルキル、チオフェニル−C−C−アルキル、ピリジニル−C−C−アルキル、C−C−アルキルピラゾリジニル、ピリジニルおよび/またはC−C−アルキルピペリジニル}−アミノ、(または特に)フェニル、ナフチル、モノ−、ジ−またはトリ−(C−C−アルキル)−フェニルまたは−ナフチル、ヒドロキシル−C−C−アルキル−フェニルまたは−ナフチル、モノ−、ジ−またはトリ−(ハロ)−フェニルまたは−ナフチル、ヒドロキシフェニル、ヒドロキシナフチル、モノ−、ジ−またはトリ−(C−C−アルコキシ)−フェニルまたは−ナフチル、ハロ−C−C−アルコキシ−フェニルまたは−ナフチル(例えばトリフルオロメトキシフェニル)、C−C−アルカノイル−フェニルまたは−ナフチル、アジド−C−C−アルキルフェニル、アミノ−C−C−アルキルフェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル、ピロリル、2,5−ジ−(C−C−アルキル)−ピロリル、ピロリジニル、オキソピロリジニル、モノ−またはジ−C−C−アルキルピロリジニル、フラニル、ピペリジニル、C−C−アルコキシピリジニル、ヒドロキシ−C−C−アルキルピペリジニル(特に−ピペリジノ)、ピペラジニル、特にピペラジノ、C−C−アルキルピペラジニル、特に−ピペラジノ、C−C−アルキル−ピペラジニル、特に−ピペラジニル、モルホリニル、特にモルホリノ、チオモルホリニル、特にチオモルホリノ、S−オキソ−チオモルホリニル、特にS−オキソ−チオモルホリノ、S,S−ジオキソチオモルホリニル、特にS,S−ジオキソ−チオモルホリノ、アゼパニル、特にアゼパン−1−イル、C−C−アルキル−1,4−ジアゼパニル、特に−ジアゼパン−1−イル、インドリル、インドリル、N−(C−C−アルキル)−インドリル、ベンゾフラニルまたはベンゾチオフェニルである。
【0043】
Xは、好ましくはCR(ここで、Rは水素または、ナフチル環が式Iの分子の残りにその“a”と記した炭素を介して結合しているならば、水素またはハロ、好ましくは水素である)であるか;
またはXはCRであり、そして、RおよびRは、一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させる。
【0044】
Yは好ましくは水素またはRと一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させる。
は好ましくは水素またはヒドロキシルである。
【0045】
各Rおよび/またはRは、存在するならば、1個を超えるRおよび/またはR部分が存在する場合は互いに独立して、C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、ヒドロキシ、トリ−(C−C−アルキルシリル)−C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ、ハロ、C−C−アルコキシカルボニルまたはシアノである。
指数pおよび/または(nが1である場合にのみ可能である存在するとき)指数qは、各々好ましくは0、1または2であり、より好ましくはpとqの合計が0、1、または2であるとの条件付である。
【0046】
指数rは2または好ましくは1である。
本発明の態様の一つのタイプにおいて、Rが置換アルキルまたはHであるならば、pとqの合計は1以上(p+q≧1)である。
【0047】
本発明の態様の一つのタイプにおいて、RおよびYは、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋以外の上または下に定義した意味を有する。
【0048】
本発明の態様の一つのタイプにおいて、Y、RおよびRの少なくとも1個は水素以外であり、rが1であるか、またはRが置換アルキル以外であるか(Rについてここに記載した置換アルキル以外の意味を有する)、またはrが1であり、そしてRが置換アルキル以外である。
【0049】
本発明はまた、上または下に定義した通りの式Iの新規化合物、それ自体、またはその塩にも関するが、ただし、本化合物は4−(イミダゾール−1−イルメチル)−2−[2−(ナフタリン(napthalin)−1−イル)エトキシ]−安息香酸、3−(ナフタリン(napthalin)−2−イルメトキシ)−2−ナフトエ酸および2−(ナフタリン−1−イルメトキシ)−安息香酸以外である。
【0050】
一つの重要な態様において、本発明は、
が水素、非置換アルキル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ハロ、−ORまたは−NRであり、ここで、
Rが、2個存在するならば互いに独立して、水素、非置換または置換アルキル、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換アルカノイル、非置換または置換アリール、非置換または置換アロイル、非置換または置換ヘテロシクリルまたは非置換または置換ヘテロシクリルカルボニル(ヘテロシクリル−C(=O)−)であり、
XがCRであり、ここで、Rが水素またはハロであるか、
またはXがCRであり、そしてRおよびRが、一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ、
が好ましくは水素であり;
Yが水素であるか、またはRと一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ;
ただし、RとRまたはYとRのペアの最大で1個が上に定義した架橋を形成し;
が水素、ヒドロキシル、エーテル化ヒドロキシルまたはエステル化ヒドロキシルであり;
各Rが、存在するならば、1個を超えるR部分が存在する場合、互いに独立して、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ヒドロキシル、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ハロ、アミノ、モノ−またはジ置換アミノ、ニトロまたはシアノであり、
各Rが、存在するならば、1個を超えるR部分が存在する場合、互いに独立して、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ヒドロキシル、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ハロ、アミノ、モノ−またはジ置換アミノ、ニトロまたはシアノであり、
pが0〜4の正数であり、
qが0〜3の正数であり、そして
rが1または2である、
ただし、R、RおよびRの少なくとも1個が、水素以外の本態様に記載した意味を有しなければならない;
上に示した式IBの化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0051】
前段落で記載した化合物の中で特に好ましいのは、pおよびqの少なくとも1個が1である式IBの化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0052】
他の重要な態様において、本発明は、
が水素、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ハロ、−ORまたは−NRであり、ここで、
Rが、2個存在するならば互いに独立して、水素、非置換または置換アルキル、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換アルカノイル、非置換または置換アリール、非置換または置換アロイル、非置換または置換ヘテロシクリルまたは非置換または置換ヘテロシクリルカルボニル(ヘテロシクリル−C(=O)−)であり、
XがCRであり、ここで、Rが水素または、ナフチル環が式Iの分子の残りにその“a”と記した炭素を介して結合しているならば、水素またはハロであるか、
またはXがCRであり、そしてRおよびRは、一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ、
Yが水素であるか、またはRと一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ;
ただし、RとRまたはYとRのペアの最大で1個が上に定義した架橋を形成し;
が水素、ヒドロキシル、エーテル化ヒドロキシルまたはエステル化ヒドロキシルであり;
各Rが、存在するならば、1個を超えるR部分が存在する場合、互いに独立して、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ヒドロキシル、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ハロ、アミノ、モノ−またはジ置換アミノ、ニトロまたはシアノであり、
各Rが、存在するならば、1個を超えるR部分が存在する場合、互いに独立して、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ヒドロキシル、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ハロ、アミノ、モノ−またはジ置換アミノ、ニトロまたはシアノであり、
pが0〜4の正数であり、
qが0〜3の正数であり、そして
rが1または2である、
ただし、
(i)Rが水素であり、XがC−Rであり、ここで、Rが水素であり、Rが水素であり、nが1であり、qが0であり、そしてpが1であるならば、Rは置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ヒドロキシル、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ハロ、アミノ、モノ−またはジ置換アミノ、カルボキシ、アシル、ニトロまたはシアノである(すなわち、非置換アルキルではない);および
(ii)Rが水素以外のこの態様/請求項に定義した意味の一つを有し、そしてX、Y、R、R、R、n、qおよびrがただし書き(i)および(ii)の前にこの態様/請求項で定義した通りであるならば、pは0(零)であってもよく(すなわち、水素のみが存在し、置換基Rが存在しない)またはpが1であってもよく、かつRが非置換アルキルであってもよい;
上に示した式I、特にIAまたはより具体的にIBの新規化合物、またはその薬学的に許容される塩;
または特に本発明に従うその使用に関する。
【0053】
他の重要な態様は、
が非置換アルキル;アミノ−C−C−アルキル、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル、フェニル、C−C−アルカノイルおよび/またはフェニル−低級アルキル)−アミノ−C−C−アルキルおよびハロ−C−C−アルキルから成る群から選択される置換アルキル;非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ハロ、−ORまたは−NRであり、ここで、
Rが、2個存在するならば互いに独立して、水素、非置換または置換アルキル、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換アルカノイル、非置換または置換アリール、非置換または置換アロイル、非置換または置換ヘテロシクリルまたは非置換または置換ヘテロシクリルカルボニル(ヘテロシクリル−C(=O)−)であり、
XがCRであり、ここで、Rが水素または、ナフチル環が式Iの分子の残りにその“a”と記した炭素を介して結合しているならば、水素またはハロであるか、
またはXがCRであり、そして、RおよびRは、一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ、
Yが水素であるか、またはRと一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ;
ただし、RとRまたはYとRのペアの最大で1個が上に定義した架橋を形成し;
が水素、ヒドロキシル、エーテル化ヒドロキシルまたはエステル化ヒドロキシルであり;
各Rが、存在するならば、1個を超えるR部分が存在する場合、互いに独立して、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ヒドロキシル、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ハロ、アミノ、モノ−またはジ置換アミノ、ニトロまたはシアノであり、
各Rが、存在するならば、1個を超えるR部分が存在する場合、互いに独立して、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ヒドロキシル、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ハロ、アミノ、モノ−またはジ置換アミノであり、
pが0〜4の正数であり、
qが0〜3の正数であり、そして
rが1または2である、
上に示した式I、特にIAまたはより具体的に式IBの新規化合物またはその薬学的に許容される塩;
または特に本発明に従う使用に関する。
【0054】
なお好ましい態様は、
が非置換アルキル;アミノ−C−C−アルキル、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル、フェニル、C−C−アルカノイルおよび/またはフェニル−低級アルキル)−アミノ−C−C−アルキルおよびハロ−C−C−アルキルから成るから選択される置換アルキル;非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、ハロ、−ORまたは−NRであり、ここで、
Rが、2個存在するならば互いに独立して、水素、非置換または置換アルキル、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換アリールまたは非置換または置換ヘテロシクリルであり、
XがCRであり、ここで、Rが水素であるか、ナフチル環が式Iの分子の残りにその“a”と記した炭素を介して結合しているならば、水素またはハロであるか、
またはXがCRであり、そしてRおよびRは、一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ、
Yが水素であるか、またはRと一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ;
ただし、RとRまたはYとRのペアの最大で1個が上に定義した架橋を形成し;
が水素またはヒドロキシルであり;
各Rが、存在するならば、1個を超えるR部分が存在する場合、互いに独立して、非置換または置換アルキル、ヒドロキシル、エーテル化ヒドロキシル、ハロまたはシアノであり、
各Rが、存在するならば、1個を超えるR部分が存在する場合、互いに独立して、非置換または置換アルキル、ヒドロキシル、エーテル化ヒドロキシル、ハロまたはシアノであり、
pが0〜4の正数であり、
qが0〜3の正数であり、そして
rが1または2である、
上に示した式I、特にIAまたはより具体的に式IBの新規化合物またはその薬学的に許容される塩;
または特に本発明に従う使用に関する。
【0055】
他の好ましい態様において、本発明は、
が水素、C−C−アルキル、アミノ−C−C−アルキル、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル、フェニル、C−C−アルカノイルおよび/またはフェニル−低級アルキル)−アミノ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル(例えばトリフルオロメチル)、ハロ、C−C−アルコキシ、ヒドロキシ−C−C−アルコキシ、カルボキシ−C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、フェニル−またはナフチル−C−C−アルコキシ、アミノ、N−モノ−またはN,N−ジ−{C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、[N’,N’−ジ−(C−C−アルキル)−アミノ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、モノ−乃至トリ−[C−C−アルキルおよび/またはヒドロキシ]−C−C−シクロアルキル、フェニル、ナフチル、モノ−乃至トリ−[C−C−アルキル、ハロおよび/またはシアノ]−フェニル、モノ−乃至トリ−[C−C−アルキル、ハロおよび/またはシアノ]−ナフチル、C−C−アルカノイル、フェニル−C−C−アルキル、フェニル−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、[(C−C−アルキル)−C−C−シクロアルキル]−C−C−アルキル、[ヒドロキシ−C−C−シクロアルキル]−C−C−アルキル、[C−C−アルキル−ピロリジニル]−C−C−アルキル、[テトラヒドロフラニル−C−C−アルキル、チオフェニル−C−C−アルキル、ピリジニル−C−C−アルキル、C−C−アルキルピラゾリジニル、ピリジニルおよび/またはC−C−アルキルピペリジニル}−アミノ、(または特に)フェニル、ナフチル、モノ−、ジ−またはトリ−(C−C−アルキル)−フェニルまたは−ナフチル、ヒドロキシル−C−C−アルキル−フェニルまたは−ナフチル、モノ−、ジ−またはトリ−(ハロ)−フェニルまたは−ナフチル、ヒドロキシフェニル、ヒドロキシナフチル、モノ−、ジ−またはトリ−(C−C−アルコキシ)−フェニルまたは−ナフチル、ハロ−C−C−アルコキシ−フェニルまたは−ナフチル(例えばトリフルオロメトキシフェニル)、C−C−アルカノイル−フェニルまたは−ナフチル、アジド−C−C−アルキルフェニル、アミノ−C−C−アルキルフェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル、ピロリル、2,5−ジ−(C−C−アルキル)ピロリル、ピロリジニル、オキソピロリジニル、モノ−またはジ−C−C−アルキルピロリジニル、フラニル、ピペリジニル、C−C−アルコキシピリジニル、ヒドロキシ−C−C−アルキルピペリジニル(特に−ピペリジノ)、ピペラジニル、特にピペラジノ、C−C−アルキルピペラジニル、特に−ピペラジノ、C−C−アルキル−ピペラジニル、特に−ピペラジニル、モルホリニル、特にモルホリノ、チオモルホリニル、特にチオモルホリノ、S−オキソ−チオモルホリニル、特にS−オキソ−チオモルホリノ、S,S−ジオキソチオモルホリニル、特にS,S−ジオキソ−チオモルホリノ、アゼパニル、特にアゼパン−1−イル、C−C−アルキル−1,4−ジアゼパニル、特に−ジアゼパン−1−イル、インドリル、インドリル、N−(C−C−アルキル)−インドリル、ベンゾフラニルまたはベンゾチオフェニルであり、
XがCRであり、ここで、Rが水素であるか、または、ナフチル環が式Iの分子の残りにその“a”と記した炭素を介して結合しているならば、水素またはハロ、好ましくは水素であるか;
またはXがCRであり、そしてRおよびRは、一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ、
Yが水素であるか、またはRと一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ;
ただし、RとRまたはYとRのペアの最大で1個が上に定義した架橋を形成し;
が水素またはヒドロキシルであり、
各Rおよび/またはRが、存在するならば、1個を超えるRおよび/またはR部分が存在する場合は互いに独立して、C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、ヒドロキシ、トリ−(C−C−アルキルシリル)−C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ、ハロ、C−C−アルコキシカルボニルまたはシアノであり;
pが0、1または2であり、
qが0、1または2であり、そして
rが1または2、好ましくは1である、
式Iの化合物、特に式IBの化合物またはその薬学的に許容される塩;
それ自体(その場合、Rは、水素以外のこの態様で定義した意味を有するとの条件が付く)または(この直前の条件無しに)温血動物、特にヒトの処置に使用するための、好ましくはFPPS依存性障害の処置のためのかかる化合物、FPPS依存性疾患の処置における式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用、FPPS依存性疾患の処置に有用な製剤の製造における式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を治療有効量で、特に処置を必要とする温血動物、特にヒトに投与することを含む処置方法、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含むFPPS依存性疾患の処置用製剤、および式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩と少なくとも1個の薬学的に許容される担体物質を混合することを含む、かかる製剤の製造方法に関する。
【0056】
さらに好ましくは、本発明は、
がC−C−アルキル、アミノ−C−C−アルキル、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル、フェニル、C−C−アルカノイルおよび/またはフェニル−低級アルキル)−アミノ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ、C−C−アルコキシ、ヒドロキシ−C−C−アルコキシ、カルボキシ−C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、フェニル−またはナフチル−C−C−アルコキシ、アミノ、N−モノ−またはN,N−ジ−{C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、[N’,N’−ジ−(C−C−アルキル)−アミノ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、モノ−乃至トリ−[C−C−アルキルおよび/またはヒドロキシ]−C−C−シクロアルキル、フェニル、ナフチル、モノ−乃至トリ−[C−C−アルキル、ハロおよび/またはシアノ]−フェニル、モノ−乃至トリ−[C−C−アルキル、ハロおよび/またはシアノ]−ナフチル、C−C−アルカノイル、フェニル−C−C−アルキル、フェニル−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、[(C−C−アルキル)−C−C−シクロアルキル]−C−C−アルキル、[ヒドロキシ−C−C−シクロアルキル]−C−C−アルキル、[C−C−アルキル−ピロリジニル]−C−C−アルキル、[テトラヒドロフラニル−C−C−アルキル、チオフェニル−C−C−アルキル、ピリジニル−C−C−アルキル、C−C−アルキルピラゾリジニル、ピリジニルおよび/またはC−C−アルキルピペリジニル}−アミノ、(または特に)フェニル、ナフチル、モノ−、ジ−またはトリ−(C−C−アルキル)−フェニルまたは−ナフチル、ヒドロキシル−C−C−アルキル−フェニルまたは−ナフチル、モノ−、ジ−またはトリ−(ハロ)−フェニルまたは−ナフチル、ヒドロキシフェニル、ヒドロキシナフチル、モノ−、ジ−またはトリ−(C−C−アルコキシ)−フェニルまたは−ナフチル、ハロ−C−C−アルコキシ−フェニルまたは−ナフチル(例えばトリフルオロメトキシフェニル)、C−C−アルカノイル−フェニルまたは−ナフチル、アジド−C−C−アルキルフェニル、アミノ−C−C−アルキルフェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル、ピロリル、2,5−ジ−(C−C−アルキル)ピロリル、ピロリジニル、オキソピロリジニル、モノ−またはジ−C−C−アルキルピロリジニル、フラニル、ピペリジニル、C−C−アルコキシピリジニル、ヒドロキシ−C−C−アルキルピペリジニル(特に−ピペリジノ)、ピペラジニル、特にピペラジノ、C−C−アルキルピペラジニル、特に−ピペラジノ、C−C−アルキル−ピペラジニル、特に−ピペラジニル、モルホリニル、特にモルホリノ、チオモルホリニル、特にチオモルホリノ、S−オキソ−チオモルホリニル、特にS−オキソ−チオモルホリノ、S,S−ジオキソチオモルホリニル、特にS,S−ジオキソ−チオモルホリノ、アゼパニル、特にアゼパン−1−イル、C−C−アルキル−1,4−ジアゼパニル、特に−ジアゼパン−1−イル、インドリル、インドリル、N−(C−C−アルキル)−インドリル、ベンゾフラニルまたはベンゾチオフェニルであり、
XがCRであり、ここで、Rが水素であるか、ナフチル環が式Iの分子の残りにその“a”と記した炭素を介して結合しているならば、水素またはハロであるか、
またはXがCRであり、そしてRおよびRは、一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ、
Yが水素であるか、またはRと一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ;
ただし、RとRまたはYとRのペアの最大で1個が上に定義した架橋を形成し;
が水素またはヒドロキシルであり、
各Rおよび/またはRが、存在するならば、1個を超えるRおよび/またはR部分が存在する場合は互いに独立して、C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、ヒドロキシ、ハロ、C−C−アルコキシカルボニル、シアノまたはトリ−(C−C−アルキルシリル)−C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシであり;
pが0、1または2であり、
qが0、1または2であり、そして
rが1または2、好ましくは1である、
式Iの化合物、特に式IBの化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0057】
本発明は、特に、
がメチル、アミノメチル、トリフルオロメチル、フェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、2,4−ジメチル−フェニル、2,6−ジメチルフェニル、3−(ヒドロキシメチル)フェニル、4−(ヒドロキシメチル)−フェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロ−フェニル、4−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、2,6−ジメトキシ−フェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル、4−アセチルアミノフェニル、3−ホルミルフェニル、3−アジドメチルフェニル、3−アミノメチルフェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル、ピロール−1−イル、2,5−ジメチル−ピロール−1−イル、ピロリジノ、2−オキソピロリジノ、2,5−ジメチルピロリジノ、フラン−3−イル、ピペリジノ、3−ヒドロキシメチルピペリジノ、ピペラジノ、4−メチルピペラジノ、4−アセチル−ピペラジノ、モルホリノ、2−メトキシ−ピリジン−3−イル、アゼパン−1−イル、4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル、インドール−5−イル、インドール−4−イル、N−メチル−インドール−5−イル、1−ベンゾフラン−2−イル、1−ベンゾチオフェン−3−イル、ブロモ、クロロ、メトキシ、3−メチル−n−ブトキシ、2−ヒドロキシ−エトキシ、カルボキシメチルオキシ、トリフルオロメトキシ、ベンジルオキシ、N−メチルアミノ、N−エチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−(n−プロピル)−アミノ、N−(2,2−ジメチルプロピル)−アミノ、N−(1,2,2−トリメチルプロピル)−アミノ、N−(1−(エチル)−n−プロピル)−アミノ、N−(2−ヒドロキシエチル)−アミノ、N−(3−ヒドロキシプロピル)−アミノ、N−(2−メトキシエチル)−アミノ、N−(3−メトキシプロピル)−アミノ、N−(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミノ、N−(2−メトキシエチル)−N−メチル−アミノ、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル−アミノ、N−ベンジルアミノ、N−シクロプロピルメチル−アミノ、N−シクロヘキシルメチル−アミノ、N−(1−シクロヘキシル−エタン−1−イル)−アミノ、N−シクロプロピルメチル−N−(n−プロピル)−アミノ、N−[2−(N’,N’−ジエチルアミノ)−エチル]−N−メチル−アミノ、N−フェニルアミノ、N−(2−メチルフェニル−アミノ、N−(4−メチルフェニル)−アミノ、N−(2,6−ジメチルフェニル)−アミノ、N−(ナフタリン−2−イル)−アミノ、N−(4−イソプロピルフェニル)−アミノ、N−(2−フルオロフェニル)−アミノ、N−(2−クロロフェニル)−アミノ、N−(3−クロロフェニル)−アミノ、N−(2−シアノフェニル)−アミノ、N−(3−クロロ(chlor)フェニル)−N−メチル−アミノ、N−(シクロブチル)−アミノ、N−(シクロペンチル)−アミノ、N−(シクロヘプチル)−アミノ、N−(4−メチル−シクロヘキシル)−アミノ、N−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−アミノ、N−[3−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−プロピル]−アミノ、N−(テトラヒドロフラン−2−イルメチル)−アミノ、N−(チオフェン−2−イルメチル)−アミノ、N−[2−(ピリジン−2−イル)−エチル]−N−メチル−アミノ、N−(1−メチルピラゾリジン−5−イル)−アミノ、N−(ピリジン−2−イル)−アミノ、N−(ピリジン−3−イル)−アミノ、N−(ピリジン−4−イル)アミノまたはN−(1−メチルピペリジン−4−イル)−アミノであり(ここで、アスタリスク()を付した部分は好ましくは各キラル炭素が異性体純粋な形態、すなわち、R−またはS−形態として存在できる);
XがCRであり、ここで、Rが水素または、ナフチル環が式Iの分子の残りにその“a”と記した炭素を介して結合しているならば、水素、クロロまたはブロモであるか、
またはXがCRであり、そしてRおよびRは、一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ、
Yが水素またはRと一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ;
ただし、RとRまたはYとRのペアの最大で1個が上に定義した架橋を形成し;
が水素またはヒドロキシルであり、
各Rおよび/またはRは、存在するならば、1個を超えるRおよび/またはR部分が存在する場合は互いに独立して、メチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシル、3−(2−トリメチルシリル−エトキシ−メトキシ、クロロ、メトキシカルボニルまたはシアノであり;
pが0または1であり、
qが0または1であり、そして
rが1である、
式Iの化合物、特に式IBの化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0058】
極めて好ましい態様において、本発明はまた、実施例に記載する式Iの新規化合物、または(好ましくは薬学的に許容される)その塩にも関する。
【0059】
他の好ましい態様は上におよび下に、または本明細書に引用することにより包含させる特許請求の範囲に記載する。
【0060】
製造方法
式Iの化合物は、原則として、類似生成物について当分野で既知の方法に従い得ることができ、それは式Iの新規化合物については新規方法であり、特に
式II
【化5】

〔式中、R、R、R、R、R、X、Y、n、p、qおよびrは式Iの化合物について定義した通りであり、そしてAは非置換または置換アルキル、好ましくは低級アルキルである。〕
の化合物の加水分解により製造でき;
ここで、このまたはこれに先立つ反応に参加すべきではない式IIの出発物質中のさらなる官能基は保護された形態で存在でき、そして得られる1個以上の保護基を担持する式Iの化合物においてかかる保護基を除去し;
そして、望むならば、得られる式Iの化合物を異なる式Iの化合物に変換し、得られる式Iの化合物の塩を異なるその塩に変換し、得られる式Iの遊離化合物をその塩に変換し、および/または式Iの化合物の得られる一つの異性体を得られる式Iの1個以上の異なる異性体から単離する。
【0061】
加水分解は酸、特にハロゲン化水素酸、例えば塩酸の存在下、適当な溶媒または溶媒混合物、例えばジオキサン中、例えば0℃〜反応混合物の沸点、例えば10℃〜80℃の範囲の温度で;または塩基、特にアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウムの存在下、適当な溶媒または溶媒混合物、例えばテトラヒドロフラン、水および/またはメタノール中、好ましくは0℃〜反応混合物の沸点、例えば10〜80℃の範囲の温度で行い得る。
【0062】
保護基
1個以上の他の官能基、例えばカルボキシ、ヒドロキシ、アミノなどが、反応に参加すべきでないためまたは反応を妨害するために式IIの出発物質または何らかの前駆体において保護されているか、または保護する必要があるならば、これらはペプチド化合物、およびまたセファロスポリン系およびペニシリン系、ならび各酸誘導体および糖類の合成に通常されるこのような基である。保護基は、除去されたら最終化合物にはもはや存在しない基であり、一方置換基として残る基は、出発物質または中間体段階で付加され、最終化合物を得るために除去される基であるここで使用する意味での保護基ではない。例えば、tert−ブトキシは、式Iの化合物に残るならば置換基であるが、それが除去されて式Iの最終化合物となるならば、保護基である。
【0063】
保護基は前駆体に既に存在してよく、望まない二次反応、例えばアシル化、エーテル化、エステル化、酸化、加溶媒分解、および類似反応に対して意図する官能基を保護しなければならない。それ自体容易に、すなわち、望まない二次反応なしで、典型的にアセトリシス、プロトノリシス、加溶媒分解、還元、光分解または、例えば生理学的に準じる条件下での酵素活性により除去され、最終生成物に存在しないのが保護基の特徴である。専門家は、どの保護基が上記および下記の反応に適するか知っているか、または容易に確立できる。
【0064】
かかる官能基のかかる保護基での保護、保護基それ自体、およびその除去反応は、例えば標準参考書、例えばJ. F. W. McOmie, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, London and New York 1973、T. W. Greene, “Protective Groups in Organic Synthesis”, Third edition, Wiley, New York 1999、“The Peptides”; Volume 3 (editors: E. Gross and J. Meienhofer), Academic Press, London and New York 1981, in “Methoden der organischen Chemie” (Methods of organic chemistry), Houben Weyl, 4th edition, Volume 15/I, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974、H.-D. Jakubke and H. Jescheit, “Aminosaeuren, Peptide, Proteine” (Amino acids, peptides, proteins), Verlag Chemie, Weinheim, Deerfield Beach, and Basel 1982およびJochen Lehmann, “Chemie der Kohlenhydrate: Monosaccharide und Derivate” (Chemistry of carbohydrates: monosaccharides and derivatives), Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974に記載されている。
【0065】
所望による反応および変換
式Iの化合物を異なる式Iの化合物に変換し得る。
例えば、置換基Rおよび/またはRが存在してそれがカルボキシである式Iの化合物において、該カルボキシを、例えば最初にクロロギ酸エチルで4級窒素塩基、例えばトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン存在下、適当な溶媒、例えば環状エーテル、例えばテトラヒドロフラン中、好ましくは−50℃〜30℃の温度で処置し、続いて還元剤、例えば水素化ホウ素ナトリウムで、適当な溶媒または溶媒混合物、例えばアルコール、例えばメタノール中、好ましくは−50〜20℃、例えば−20〜10℃の範囲の温度で処理することにより、ヒドロキシメチルに還元できる。
【0066】
また“望むならば”行う所望による工程において、反応に参加すべきではない出発化合物の官能基は保護されていない形態で存在してよく、または例えば上の“保護基”の下に記載した保護基の1個以上で保護されていてよい。次いで保護基を完全にまたは一部そこに記載する方法に従い除去する。
【0067】
塩形成基を有する式Iの化合物の塩類はそれ自体既知の方法で製造し得る。式Iの化合物の酸付加塩類は、それ故に、酸または適当なアニオン交換試薬での処理により得られる。2個の酸分子(例えば式Iの化合物のジハロゲニド)も、化合物あたり1個の酸分子を有する塩(例えばモノハロゲニド)にも変換できる;これは加熱融解させることにより、または例えば固体として、高真空下、高温、例えば130〜170℃で加熱することにより、式Iの化合物の1分子あたり1個の酸分子が除去されることにより行い得る。
【0068】
塩類は、通常、例えば適当な塩基性化合物、例えばアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、またはアルカリ金属水酸化物、典型的に炭酸カリウムまたは水酸化ナトリウムで処理することにより遊離化合物に変換できる。
【0069】
立体異性混合物、例えばジアステレオマー混合物は、その対応する異性体に、それ自体既知の方法で、適当な分離法の手段により分離できる。ジアステレオマー混合物は、例えばその個々のジアステレオマーに、分別結晶、クロマトグラフィー、溶媒分配、および類似方法により分離し得る。この分離は、出発化合物のレベルでまたは式Iの化合物自体で行い得る。鏡像体は、ジアステレオマー塩類の形成を介して、例えば鏡像体純粋キラル酸との塩形成により、またはキラルリガンドを有するクロマトグラフ基質を使用するクロマトグラフィー、例えばHPLCの手段により分離し得る。
【0070】
この章に記載した変換に類似する反応を適当な中間体レベルでも実施し得る(そしてそれ故に対応する出発物質の製造に有用である)ことは強調すべきである。
【0071】
出発物質
式IIの出発物質、ならびにここに、例えば以下に記載する他の出発物質(中間体を含む)は、当分野で既知の方法に従い、または準じて製造でき、当分野で既知でありおよび/または市販されている。新規出発物質、ならびにその製造方法は、同様に本発明の態様である。好ましい態様において、好ましい化合物を得ることができるような出発物質を使用し、選択反応を選択する。
【0072】
出発物質の合成において、以下に記載する出発物質および中間体に示す式中の記号R、R、R、R、R、X、Y、p、qおよびrは、式Iの化合物について定義した意味を有するか、または特に指示する通りであり、一方Aは式IIの化合物について定義した意味を有するか、または特に指示する通りである。
【0073】
式IIの化合物は、例えば、式III
【化6】

〔式中、Halはハロ、特にクロロまたはブロモであるか、または低級アルカンスルホニル、例えばメタンスルホニルである。〕
の化合物と、式IV
【化7】

のアセチルサリチル酸エステルを、例えば塩基、例えばアルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸カリウム、および場合によりアルカリ金属ヨウ化物、例えばヨウ化カリウムの存在下、適当な溶媒、例えばN,N−ジ−低級アルキル−低級アルカンアミド、例えばジメチルホルムアミド中、例えば20℃〜反応混合物の沸点、例えば20〜80℃の範囲の温度で反応させることにより;または置換に適当な他の条件を使用して、例えばアルカリ金属ハイドライド、特に水素化ナトリウムの存在下、適当な溶媒、例えば直前に記載した溶媒中、低温で、例えば−80〜20℃で反応させることにより製造する。あるいは、Halの代わりにヒドロキシルが存在する式IIIに類似する化合物を出発物質として使用して、反応を上記の通り、アルカリ金属ハロゲン化物、特にヨウ化カリウムの存在下、または最初に対応するC−C−アルカンスルホニルハロゲニド(例えばクロライド)を4級窒素塩基、例えばトリ−(C−C−アルキル)−アミンの存在下、適当な溶媒、例えばトルエン中、例えば−20〜50℃の範囲の温度で、例えばおおよそ室温での反応により、式IIIのC−C−アルカン(例えばメタン)−スルホネートを形成させることにより行い得る。
【0074】
がハロ、特にヨード、ブロモまたはクロロである式IIの化合物において、このハロを、(特に鈴木(宮浦)条件下で、すなわち、有機ボラン類のパラジウム触媒クロスカップリングにより)式IIのハロ−R担持化合物を、式(V)
【化8】

〔式中、R1*は非置換または置換アリール、非置換または置換アルケニルまたは非置換または置換ヘテロアリールであり、式Iの化合物におけるRについて定義した通り各々Dに炭素原子を介して結合しており、そしてDは−B(OH)であるかまたは式
【化9】

の基である。〕
の化合物と、好ましくは鈴木反応の条件下、好ましくは極性非プロトン性溶媒、例えばジメチルホルムアミド(DMF)またはテトラヒドロフラン、および水の混合物中、クロスカップリング用触媒、特に貴金属触媒、好ましくはパラジウム触媒、例えばパラジウム(II)錯体、例えばビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライドの存在下、塩基、例えば炭酸カリウム、水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムの存在下、60℃〜130℃の範囲の好ましい温度、例えば約80℃で反応させることにより;または他の好ましい方法に従い、環状エーテル溶媒、例えばテトラヒドロフラン中、クロスカップリング用触媒、特に貴金属触媒、好ましくはパラジウム(0)錯体、例えばトリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(0)存在下、適当なリガンド、例えば2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(SPhos)存在下、60〜150℃の範囲の好ましい温度で反応させることにより置き換えることができ;必要であれば、反応混合物の沸点が高すぎるならば、特に加熱をマイクロ波励起により行うならば、この反応を密封容器(例えば密封リアクター)中で行い、こうして、Rが非置換または置換アリール、非置換または置換アルケニルまたは非置換または置換ヘテロアリールであり、各々炭素原子を介して分子の残りに結合している対応する式IIの化合物を得る。
【0075】
がハロである式IIの化合物において、該ハロをN結合非置換または置換ヘテロシクリルまたは式Iの化合物で定義したNRに、各々、式(VI)
【化10】

〔式中、R1**は非置換または置換ヘテロシクリルまたはNRであり、各々式VIの水素原子に窒素を介して結合している。〕
の化合物と、例えばパラジウム(II)触媒、例えばPd(OAc)、および(ラセミ)2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル[(rac)−BINAP)]、および塩基、特にアルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸セシウムの存在下、適当な溶媒、例えば環状エーテル、例えばジオキサン中、30℃〜反応混合物の沸点の範囲の、例えば70〜110℃の範囲の好ましい温度で、例えば70〜110℃で反応させて置き換えて、式IIの対応する化合物を得ることができる。あるいは、本反応をパラジウム(0)触媒、例えばトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル存在下、適当な溶媒、例えばエーテル、例えばジメトキシエタン中、および塩基、例えばリン酸塩、例えばリン酸カリウム存在下、例えば30〜100℃の範囲の温度で、例えば90℃で反応させることにより行うことができる。
【0076】
式IVの化合物は、例えば、対応する式VII
【化11】

のサリチル酸と、式VIII
【化12】

〔式中、Aは式IVの化合物について定義した通り、例えばメチルまたはtert−ブチル、例えば対応するアセチルの形である。〕
のアルコールと、適当な溶媒または溶媒混合物、例えばジメチルホルムアミドおよび/またはトルエン存在下、例えば30〜90℃の範囲の温度で反応させることにより得ることができる。
【0077】
1個以上のRおよびRが存在し、かつその少なくとも1個が例えば低級アルキル、例えばメチルでエステル化されている式IIの出発物質において、該アルコール基、例えばメチルを、例えばHClを用いたジオキサン中の加水分解により除去し、エステル化カルボキシ基の代わりにカルボキシ基を有する対応する化合物を得る。
【0078】
1個以上のカルボキシ基Rおよび/またはRが存在するこうして得られる式IIの化合物において、最初にカルボキシ基の活性化のための反応、例えば、最初にクロロギ酸エチルと4級窒素塩基、例えばトリエチルアミンの存在下、適当な溶媒、例えばテトラヒドロフラン中、例えば−50〜20℃の範囲の温度、例えば約−5℃で反応させるか、またはエチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドおよび1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾールと、適当な溶媒、例えばジメチルホルムアミド中、4級窒素塩基、例えば直前に記載したものの存在下で反応させ、または他のカップリング剤と反応させ、その後、アンモニアまたは対応するモノ−またはジ置換アンモニアと、適当な溶媒、例えば水中、例えば30〜80℃の高温で反応させることにより、カルボキシをカルバモイルまたはN−モノ−またはN,N−ジ置換カルバモイルに変換し、式IIの対応する非置換またはN−モノ−またはN,N−ジ置換カルバモイル化合物を得ることができる。
【0079】
あるいは、1個以上のシアノ基Rおよび/またはRが存在する式IIの化合物において、例えばアセトアミドと、触媒、例えばパラジウムジクロライドの存在下、適当な溶媒、例えばテトラヒドロフランおよび/または水中、例えば0〜50℃の温度で反応させることにより、シアノをカルバモイルに変換し得る。
【0080】
1個以上の部分ヒドロキシRおよび/またはRが存在する式IIの化合物は、ヒドロキシの代わりに保護されたヒドロキシルが存在する前駆体、例えば[2−(トリメチルシリル)−エトキシ]−メトキシから、例えば塩酸を適当な溶媒、例えばジオキサン中、例えば40〜80℃の範囲の温度で使用する脱保護により得ることができる。
【0081】
式IIIの化合物、またはHalの代わりにヒドロキシル基が存在する類似体は、式IX
【化13】

〔式中、kは0または1である。〕
のアルデヒドを、例えば水素化ホウ素ナトリウムで、アルコール、例えばメタノールを用い、例えば−30〜50℃の範囲の温度で還元することにより製造できる。この反応について、存在するならば、ヒドロキシル置換基Rおよび/またはRを、例えば2−(トリメチルシリル)−エトキシ−メトキシクロライドと、適当な溶媒、例えばメチレンジクロライド中、4級窒素塩基、例えばN,N−ジイソプロピル−N−エチルアミンの存在下、反応させることにより、ヒドロキシル保護基を挿入して保護できる。
【0082】
がアミノアルキル(特にアミノメチル)で置換されたアリール(例えばフェニル)である式IIの化合物は、アリールがアジドアルキル(特にアジドメチル)である対応する化合物から、アジド基を適当な還元剤、例えばポリマー支持トリフェニルホスフィンの存在下、適当な溶媒、例えばテトラヒドロフランおよび/または水中、例えば0〜50℃の温度で還元することにより得ることができる。このアジドアルキル(特にアジドメチル)置換基は、アリール(eryl)置換基がCHO基を担持する対応するアジドアルキルより1個CH基が少ないアルキルである式IIの化合物から、最初に例えば水素化ホウ素ナトリウムでアルコール、例えばメタノール中、例えば−30〜30℃で還元し、続いて得られたヒドロキシル基上のヒドロキシルを、例えばメタンスルホニルクロライドまたはトルエンスルホニルクロライドで、4級窒素塩基、例えばN,N−ジイソプロピル−N−エチルアミンの存在下活性化し、そして最後に活性化ヒドロキシル基を、アジド塩、例えばナトリウムアジドと、適当な溶媒、例えばジメチルホルムアミド中、例えば0〜50℃の温度で反応させることにより形成し得る。付いて、アミノアルキル基を、例えば適当なアルキルハロゲニド類、適当な酸ハロゲニド類などを、一般的反応条件下で用いて置換して、N−モノ−またはN,N−ジ置換アミノ−アルキルを得る。
【0083】
薬理学的活性
本発明の化合物のFPPS阻害剤としての活性は、先に報告されたリン脂質被覆フラッシュプレートを使用する脂肪酸シンターゼアッセイに類似するシンチレーション近接原則(principal)を使用して試験できる(Weiss DR, Glickman JF (2003) Characterization of Fatty Acid Synthase Activity Using Scintillation Proximity. Assay and Drug Development Technologies; 1 (1-2):161-6参照)。
【0084】
【表1】

【0085】
先のFPPSアッセイ法は、基質を生成物から分離するために有機:水性抽出を使用している。これらの方法は極めて時間がかかり、多数の(20,000種より多い)化合物の試験には適さない。
【0086】
ここに記載するFlashPlate法は、多数の化合物を、容易に、かつ直接的に速く試験することを可能にするとの利点を有する。生成物形成は、表面に埋め込まれたシンチレーション物質を含むリン脂質被覆“FlashPlate”(商標、Perkin-Elmer Lifesciences)を使用して検出できる。形成された親油性トリチウム標識FPPはプレートに結合するが、トリチウム標識IPPは結合しない。この反応の放射能標識親油性生成物は、このようにして“Image FlashPlate”に捕捉され、これはトリチウムが接近したとき光子を放出する。さらにLEADseeker imager General Electric, Amersham Lifesciences Division, Cardiff, GBの使用が包含され、これは、先に記載された脂肪酸シンターゼアッセイよりもプレート読み取り時間および黄色化合物による化合物妨害の減少の点で明白な利点を有する(Weiss Glickman 2003)。
【0087】
全ての定常状態動力学的パラメータを、GraphPad Prismソフトウエア(GraphPad Prism version 4.00 for Windows, GraphPad Software, San Diego California USA)の非線形回帰アルゴリズムを使用するアンリ・ミカエリス・メンテン式
V=Vmax[S]/[S]+K
〔式中、
maxは経時的な生成物形成の最大速度であり;
[S]はIPPまたはGPPの濃度であり;
は、親和性および触媒反応速度の係数を含むアンリ・ミカエリス・メンテン定数である。〕
に適合させることにより決定する。
catはVmax/[FPPS]により決定する
IC50曲線をGraphPad Prismソフトウエアの
Y=底部+(頂部−底部)/1+10(logIC50−X)×ヒル傾斜
としての種々の傾斜、非線形回帰アルゴリズムを使用するシグモイド曲線に適合させる。
【0088】
材料
組み換えヒトファルネシルピロホスフェートシンターゼ(FPPS)を、先に記載の通り{J.-M. Rondeau et al., ChemMedChem 2006, 1, 267-271.}クローン化し、発現させ、精製し、10mg/mL貯蔵溶液として25mM Tris pH7.4、25mM NaCl、2mM DTT(ジチオスレイトール)中に貯蔵した。ゲラニルピロホスフェート(GPP)をAnawa AG(Switzerland)から購入し、4部イソプロパノール:3部アンモニア:1部水中1mg/mL溶液として貯蔵した。1−[H]イソペンテニルピロホスフェート(IPP)、50Ci/mmol;1Ci/mLをAnawa AGから購入し、エタノール:水酸化アンモニア1:1中、−80℃で貯蔵した。1−[H]ファルネシルピロホスフェートトリアンモニウム塩、100Ci/mmol;70%エタノール、0.25M 重炭酸アンモニウム中1mCi/mLをAnawa AGから購入した。リン脂質被覆384ウェルイメージFlashPlatesTMをPerkinElmerから購入した。アッセイ緩衝液は20mM HEPES pH7.4、5mM MgClおよび1mM CaClから成った。
【0089】
FPPSアッセイを12μlの最終検出容積で、次の通りの定常状態条件で行う:
脂質被覆FlashPlateについて、注意:LEADseeker(商標)を一貫して続けなければならない。FlashPlates(商標)を一貫してずっと続けなければならない。
3μlの18%DMSO/水中の試験化合物溶液または18%DMSO/アッセイ緩衝液(担体対照)(アッセイ中のDMSOの最終濃度4.5%)、
3μlのGPP作業溶液、最終濃度150nM
3μlの[H]−IPP作業溶液最終濃度150nM
3μlのFPPS作業溶液を添加し、最終濃度500pM。
全ての成分をアッセイ緩衝液に希釈する。全成分添加後(上記の順番)、混合物を45分間、室温でインキュベートする。
【0090】
化合物によるFPPS酵素反応の阻害を、LEADseeker IV(Amersham Biotech)、リーダー、読み取り時間2分間、方法SPAで、フラットフィールド補正を使用して測定し、Amersham384ウェル標準および類似する一致指標放射補正(quasi-coincident radiation correction)を使用する。
【0091】
試験化合物を、最高濃度が90%DMSO中2mMとなるような、90%DMSO中8点または16点、2倍または3倍段階希釈シリーズで並べる。複数データを得るために、これらの化合物源プレートを希釈し、それぞれ3μLの化合物溶液を包含するように384ウェルイメージFlashPlates(CyBiWell HTSピペッターを使用)に複製し、そこにアッセイ試薬を添加し、読む。この方法は、100μMが最高試験濃度である、トリプリケートで行う用量応答曲線をもたらす。
【0092】
ポジティブコントロールとしてゾメタを使用でき、これはこの反応を、50〜200nMのIC50で阻害する。
式Iの化合物は、この試験系(実施例ではFPPS SPAと呼ぶ)で、50nM〜100μM、好ましくは50nM〜20μMの範囲の阻害に関するIC50値を示すことができる。
【0093】
FPPSを阻害するその能力のため、そしてそれ故に一方ではコレステロール生合成、他方でタンパク質ファルネシル化を阻害するその能力のため、式Iの化合物は、とりわけ、一方ではコレステロール生合成関連障害の処置に、例えば血中のコレステロール濃度低下のために、および/または、他方でタンパク質ファルネシル化関連障害の処置に、特に増殖性疾患、例えば癌または腫瘍疾患の処置に、またはこれらの処置用製剤の製造ために有用である。転移、特にまた、何らかの癌または腫瘍疾患の骨転移が特に包含される。式Iの化合物は、膜結合Gタンパク質分子数を減らすことによりコレラ毒素に対する感受性を低下させるために、および、Gタンパク質数を減らすことにより百日咳毒素誘発咳の処置にも使用し得る。全てのこれらの障害を、以後FPPS依存性疾患と呼ぶ(複数表現は単数、すなわち一つの疾患を含む)。
【0094】
以下でおよび上での用語“使用”(動詞または名詞として)(式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の使用およびその使用法などの同等な本発明の態様に関して)は、これは、それぞれ以下の本発明の態様の任意の1個以上を含む:適当であり、好都合である限り、そして他に指示がない限り、FPPS依存性疾患の処置における使用、FPPS依存性疾患の処置に使用するための医薬組成物の製造のための使用、FPPS依存性疾患の処置における1個以上の式Iの化合物の使用方法、FPPS依存性疾患の処置のための1個以上の式Iの化合物を含む製剤の使用、好ましくはまたそれをかかる処置にすぐ使用できるようにすることも含む(例えば中入書(例えば添付文書など)の添加、製剤、適当な調製物、特定の使用への適合、カスタム化など)FPPS依存性疾患の処置用製剤の製造方法、およびかかる製剤のための式Iの化合物の使用、および/または上記および下記の全ての他の予防的または治療的使用、FPPS依存性疾患のために式Iの化合物を投与することを含む処置方法およびタンパク質キナーゼ依存性疾患の処置において使用するための1個以上の式Iの化合物。特に、処置する、そして、故に式Iの化合物の“使用”に好ましい疾患は、FPPS依存性疾患(“依存性”は、“活性に”依存を意味し、また“支持される”も意味し、“唯一依存”だけでなく、例えばFPPS活性が完全にまたはある生理学的状況下(例えば先立つ)制御機構により直接的または間接的に不適切である場合)、ここに記載する疾患、特にここに記載する増殖性疾患である。
【0095】
強力なFPPS阻害剤としての式Iの化合物の特性に基づき、式Iの化合物は、新生物疾患、例えば癌および腫瘍(特に固形腫瘍だけでなく白血病、良性または特に悪性腫瘍)、例えば脳、腎臓、肝臓、副腎、膀胱、乳房、胃、胃腫瘍、卵巣、結腸、直腸、前立腺、膵臓、肺、膣または甲状腺の癌腫、肉腫、神経膠芽腫、多発性骨髄腫または消化器癌、特に結腸癌腫または結腸直腸腺腫または頭頚部の腫瘍、新生物、上皮特性の新生物またはリンパ腫、ならびに骨髄腫、特に多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、AML(急性骨髄性白血病)、AMM(原発性(angiogenic)骨髄線維症)、中皮腫、神経膠腫および神経膠芽腫、または骨の癌の処置に特に適当である。
【0096】
他方で、式Iの化合物は、コレステロール生合成関連障害、例えば血中のコレステロール濃度低下のため、例えばアテローム性動脈硬化症、胆石(bilestones)、特に胆石症、脂肪石灰化肉芽腫症、高コレステロール血症、高リポタンパク質血症、コレステロール結晶塞栓症、心筋梗塞(infection)、脳梗塞、狭心症などの処置(予防も含む)のために、また他の処置(予防を含む)手段と組み合わせた補助的処置として特に適当である。
【0097】
さらに、ここに記載する活性の点から、式Iの化合物は、骨粗鬆症(osteoporose)、リウマチ性関節炎を含む関節炎、骨関節症およびパジェット病を含む、一般的なまたは炎症が関連する骨減少の処置に特に適当である。
【0098】
医薬方法、製剤など
以下で式Iの化合物を述べるとき、その式の新規化合物が特に好ましい。
本発明は、式Iの化合物を含む医薬組成物、FPPS依存性疾患、特に上に記載した好ましい疾患の治療的(本発明の広い面においてはまた予防的)処置または処置方法におけるその使用、該使用のための化合物および、特に該使用のための製剤およびその製造、およびかかる疾患の処置のための式Iの化合物の使用方法に関する。
【0099】
本発明はまた、インビボで式Iの化合物自体に変換する式Iの化合物のプロドラッグにも関する。式Iの化合物に対する全ての記載は、それ故に適当でありかつ好都合である限り、式Iの化合物の対応するプロドラッグにも言及すると理解すべきである。
【0100】
薬理学的に許容される本発明の化合物は、有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を活性成分として、1個以上の無機または有機、固体または液体、薬学的に許容される担体(担体物質)と共にまたは混合されて含む医薬組成物中に、存在し、または、例えば、その製造に使用し得る。
【0101】
本発明はまた、予防的または特に治療的(記載の疾患に対して)有効量の本発明の式Iの化合物、またはその互変異性体またはその薬学的に許容される塩、特に記載する疾患の一つのために、かかる処置を必要とする温血動物、例えばヒトに投与することを含む、FPPS依存性疾患および/または増殖性疾患の阻害に応答する疾患の処置方法にも関する。
【0102】
さらに、本発明は、FPPS依存性疾患、特に増殖性疾患またはコレステロール生合成関連障害の処置用医薬の製造のための、ここに定義する化合物、またはその薬学的に許容される塩、または水和物または溶媒和物の使用を提供する。
【0103】
本発明は、特に、上記および下記の疾患の1個以上の処置における式Iの化合物(または式Iの化合物を含む製剤)の使用に関し、ここで、該疾患は、FPPSの阻害に応答する(有益な方法で、例えばその症状の一つ以上を一部または完全に除くから完全な治癒または寛解まで)、特にFPPSが(他の制御機構の状況で)不適切に高いまたはより好ましくは正常より高い(例えば構成的)活性を示す。
【0104】
式Iの化合物はまた他の抗増殖性化合物と組み合わせて有利に使用し得る。かかる抗増殖性化合物はアロマターゼ阻害剤;抗エストロゲン;トポイソメラーゼI阻害剤;トポイソメラーゼII阻害剤;微小管活性化合物;アルキル化化合物;ヒストンデアセチラーゼ阻害剤;細胞分化過程を誘発する化合物;シクロオキシゲナーゼ阻害剤;MMP阻害剤;mTOR阻害剤;抗新生物代謝拮抗剤;プラチン化合物;タンパク質または脂質キナーゼ活性を標的とする/減少する化合物およびさらなる抗血管形成化合物;タンパク質または脂質ホスファターゼの活性を標的とする、減少するまたは阻害する化合物;ゴナドレリンアゴニスト;抗アンドロゲン;メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤;N−ビスホスホン酸誘導体;カテプシンK阻害剤;生物学的応答修飾剤;抗増殖性抗体;ヘパラナーゼ阻害剤;Ras発癌性異性体の阻害剤;テロメラーゼ阻害剤;プロテアソーム阻害剤;血液学的悪性腫瘍の処置に使用する化合物;Flt−3の活性を標的とする、減少するまたは阻害する化合物;Hsp90阻害剤、例えば17-AAG(17−アリルアミノゲルダナマイシン、NSC330507)、17-DMAG(17−ジメチルアミノエチルアミノ−17−デメトキシ−ゲルダナマイシン、NSC707545)、IPI-504、Conforma TherapeuticsからのCNF1010、CNF2024、CNF1010;テモゾロミド(TEMODAL(登録商標));カイネシン紡錘体タンパク質阻害剤、例えばGlaxoSmithKlineのSB715992またはSB743921、またはCombinatoRxのペンタミジン/クロルプロマジン;MEK阻害剤、例えばArray PioPharmaのARRY142886、AstraZenecaのAZD6244、PfizerのPD181461、ロイコボリン、EDG結合剤、抗白血病化合物、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤、S−アデノシルメチオニンデカルボキシラーゼ阻害剤、抗増殖性抗体または他の化学療法化合物を含み、これらに限定されない。さらに、これらに代えてまたは加えて、それらはまた手術、電離放射線、光線力学的治療、例えば、コルチコステロイドを含むインプラント、ホルモン類を含む他の腫瘍法と組み合わせて使用でき、またはそれらは放射線増感剤として使用し得る。また、抗増殖性処置において、抗炎症剤との組合せも含む。
【0105】
ここで使用する用語“アロマターゼ阻害剤”は、エストロゲン産生を阻害する、すなわち、それぞれ基質アンドロステンジオンおよびテストステロンからエストロンおよびエストラジオールへの変換を阻害する化合物を意味する。本用語は、ステロイド、特にアタメスタン、エキセメスタンおよびフォルメスタン、および特に、非ステロイド、特にアミノグルテチミド、ログレチミド、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾールおよびレトロゾールを含み、これらに限定されない。エキセメスタンを、例えば、商標AROMASINの下に市販されている形で、例えば、投与できる。フォルメスタンを、例えば、商標LENTARONの下に市販されている形で、例えば、投与できる。ファドロゾールを、例えば、商標AFEMAの下に市販されている形で、例えば、投与できる。アナストロゾールを、例えば、商標ARIMIDEXの下に市販されている形で、例えば、投与できる。レトロゾールを、例えば、商標フェマーラまたはFEMARの下に市販されている形で、例えば、投与できる。アミノグルテチミドを、例えば、商標ORIMETENの下に市販されている形で、例えば、投与できる。アロマターゼ阻害剤である化学療法剤を含む本発明の組合せは、ホルモン受容体陽性腫瘍、例えば乳房腫瘍の処置に特に有用である。
【0106】
ここで使用する用語“抗エストロゲン”は、エストロゲン受容体レベルでエストロゲンの作用に拮抗する化合物に関する。本用語は、タモキシフェン、フルベストラント、ラロキシフェンおよびラロキシフェンヒドロクロライドを含み、これらに限定されない。タモキシフェンを、例えば、商標NOLVADEXの下に市販されている形で、例えば、投与できる。塩酸ラロキシフェンを、例えば、商標EVISTAの下に市販されている形で、例えば、投与できる。フルベストラントをUS4,659,516に記載の通り、製剤でき、またはそれを、例えば、商標FASLODEXの下に市販されている形で、例えば、投与できる。抗エストロゲンである化学療法剤を含む本発明の組合せは、エストロゲン受容体陽性腫瘍、例えば乳房腫瘍の処置に特に有用である。
【0107】
ここで使用する用語“抗アンドロゲン”は、男性ホルモンの生物学的作用を阻害できる全ての物質に関し、ビカルタミド(CASODEX)を含み、これに限定されず、これは、例えばUS4,636,505に記載の通り製剤できる。
【0108】
ここで使用する用語“ゴナドレリンアゴニスト”は、アバレリクス、ゴセレリンおよび酢酸ゴセレリンを含み、これらに限定されない。ゴセレリンはUS4,100,274に開示され、例えば、商標ZOLADEXの下に市販されている形で、例えば、投与できる。アバレリクスは、例えばUS5,843,901に記載の通り製剤できる。
【0109】
ここで使用する用語“トポイソメラーゼI阻害剤”は、トポテカン、ギマテカン(gimatecan)、イリノテカン、カンプトテシン(camptothecian)およびそのアナログ、9−ニトロカンプトテシンおよび巨大分子カンプトテシンコンジュゲートPNU-166148(WO99/17804の化合物A1)を含み、これに限定されない。イリノテカンを、例えば、商標CAMPTOSARの下に市販されているような形で、例えば、投与できる。トポテカンを、例えば、商標HYCAMTINの下に市販されている形で、例えば、投与できる。
【0110】
ここで使用する用語“トポイソメラーゼII阻害剤”は、アントラサイクリン系、例えばドキソルビシン(リポソーム製剤、例えばCAELYXを含む)、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシンおよびネモルビシン(nemorubicin)、アントラキノン類ミトキサントロンおよびロソキサントロン、およびポドフィロトキシン類エトポシドおよびテニポシドを含み、これらに限定されない。エトポシドを、例えば、商標ETOPOPHOSの下に市販されているような形で、例えば、投与できる。テニポシドを、例えば、商標VM 26-BRISTOLの下に市販されているような形で、例えば、投与できる。ドキソルビシンを、例えば、商標ADRIBLASTINまたはアドリアマイシンの下に市販されているような形で、例えば、投与できる。エピルビシンを、例えば、商標FARMORUBICINの下に市販されているような形で、例えば、投与できる。イダルビシンを、例えば、商標ZAVEDOSの下に市販されているような形で、例えば、投与できる。ミトキサントロンを、例えば、商標NOVANTRONの下に市販されているような形で、例えば、投与できる。
【0111】
用語“微小管活性化合物”は、タキサン類、例えばパクリタキセルおよびドセタキセル、ビンカアルカロイド、例えば、ビンブラスチン、特に硫酸ビンブラスチン、ビンクリスチン特に硫酸ビンクリスチン、およびビノレルビン、ディスコデルモライド類、コルヒチンおよびエポチロン類およびその誘導体、例えばエポチロンBまたはDまたはその誘導体を含み、これらに限定されない、微小管安定化、微小管脱安定化化合物および微小管重合化阻害剤に関する。パクリタキセルは、例えば、タキソールで市販されているような形で、例えば投与し得る。ドセタキセルを、例えば、商標タキソテールの下に市販されている形で、例えば、投与できる。硫酸ビンブラスチンを、例えば、商標VINBLASTIN R.P.の下に市販されている形で、例えば、投与できる。硫酸ビンクリスチンを、例えば、商標FARMISTINの下に市販されている形で、例えば、投与できる。ディスコデルモライドを、例えば、US5,010,099に記載の通り得ることができる。また包含されるのは、WO98/10121、US6,194,181、WO98/25929、WO98/08849、WO99/43653、WO98/22461およびWO00/31247に記載されているエポチロン誘導体である。特に好ましいのはエポチロンAおよび/またはBである。
【0112】
ここで使用する用語“アルキル化化合物”は、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファランまたはニトロソウレア(BCNUまたはグリアデル)を含み、これらに限定されない。シクロホスファミドを、例えば、商標CYCLOSTINの下に市販されている形で、例えば、投与できる。イホスファミドを、例えば、商標HOLOXANの下に市販されている形で、例えば、投与できる。
【0113】
用語“ヒストンデアセチラーゼ阻害剤”または“HDAC阻害剤”はヒストンデアセチラーゼを阻害し、抗増殖性活性を有する化合物に関する。これは、WO02/22577に開示された化合物、特にN−ヒドロキシ−3−[4−[[(2−ヒドロキシエチル)[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドおよびその薬学的に許容される塩類を含む。それは、さらにスベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)を特に含む。
【0114】
用語“抗新生物代謝拮抗剤”は、5−フルオロウラシルまたは5−FU、カペシタビン、ゲムシタビン、DNAデメチル化化合物、例えば5−アザシチジンおよびデシタビン、メトトレキサートおよびエダトレキサート、および葉酸アンタゴニスト、例えばペメトレキセドを含み、これらに限定されない。カペシタビンを、例えば、商標XELODAの下に市販されている形で、例えば、投与できる。ゲムシタビンを、例えば、商標GEMZARの下に市販されている形で、例えば、投与できる。
【0115】
ここで使用する用語“プラチン化合物”は、カルボプラチン、シスプラチン、シスプラスチンおよびオキサリプラチンを含み、これらに限定されない。カルボプラチンを、例えば、商標CARBOPLATの下に市販されている形で、例えば、投与できる。オキサリプラチンを、例えば、商標ELOXATINの下に市販されている形で、例えば、投与できる。
【0116】
ここで使用する用語“タンパク質または脂質キナーゼ活性を標的/減少する化合物”;または“タンパク質または脂質ホスファターゼ活性”;または“さらなる抗血管形成化合物”は、タンパク質チロシンキナーゼおよび/またはセリンおよび/またはスレオニンキナーゼ阻害剤または脂質キナーゼ阻害剤、例えば、
a) 血小板由来増殖因子−受容体(PDGFR)の活性を標的、減少または阻害する化合物、例えばPDGFRの活性を標的、減少または阻害する化合物、特にPDGF受容体を阻害する化合物、例えばN−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、例えばイマチニブ、SU101、SU6668およびGFB−111;
b) 線維芽細胞増殖因子−受容体(FGFR)の活性を標的、減少または阻害する化合物;
c) インシュリン様増殖因子受容体I(IGF−IR)の活性を標的、減少または阻害する化合物、例えばIGF−IRの活性を標的、減少または阻害する化合物、特にIGF−I受容体のキナーゼ活性を阻害する化合物、例えばWO02/092599に開示された化合物、またはIGF−I受容体の細胞外ドメインまたはその増殖因子を標的とする抗体;
d) Trk受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的、減少または阻害する化合物、またはエフリンB4阻害剤;
e) Axl受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的、減少または阻害する化合物;
f) Ret受容体チロシンキナーゼの活性を標的、減少または阻害する化合物;
g) Kit/SCFR受容体チロシンキナーゼの活性を標的、減少または阻害する化合物、例えばイマチニブ;
h) C−kit受容体チロシンキナーゼ−(PDGFRファミリーの一部)の活性を標的、減少または阻害する化合物、例えばc−Kit受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的、減少または阻害する化合物、特にc−Kit受容体を阻害する化合物、例えばイマチニブ;
i) c−Ablファミリー、その遺伝子融合産物(例えばBCR−Ablキナーゼ)および変異体のメンバーの活性を標的、減少または阻害する化合物、例えばc−AbIファミリーメンバーおよびその遺伝子融合産物の活性を標的、減少または阻害する化合物、例えばN−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、例えばイマチニブまたはニロチニブ(AMN107);PD180970;AG957;NSC 680410;ParkeDavisのPD173955;またはダサチニブ(BMS-354825)
j) タンパク質キナーゼC(PKC)およびセリン/スレオニンキナーゼ類のRafファミリー、MEK、SRC、JAK、FAK、PDK1、PKB/Akt、およびRas/MAPKファミリーメンバーのメンバー、および/またはサイクリン依存性キナーゼファミリー(CDK)のメンバーの活性を標的、減少または阻害する化合物、特にUS5,093,330に開示されたスタウロスポリン誘導体、例えばミドスタウリン;さらなる化合物の例は例えばUCN-01、サフィンゴール、BAY 43-9006、ブリオスタチン1、ペリホシン;イルモホシン;RO 318220およびRO 320432;GO 6976;Isis 3521;LY333531/LY379196;イソキノリン(isochinoline)化合物、例えばWO00/09495に記載のもの;FTIs;PD184352またはQAN697(P13K阻害剤)またはAT7519(CDK阻害剤);
【0117】
k) タンパク質−チロシンキナーゼ阻害剤の活性を標的、減少または阻害する化合物、例えばイマチニブメシレート(GLEEVEC)またはチロホスチンを含むタンパク質−チロシンキナーゼ阻害剤の活性を標的、減少または阻害する化合物。チロホスチンは、好ましくは低分子量(Mr<1500)化合物、またはその薬学的に許容される塩、特にベンジリデンマロニトリル・クラスまたはS−アリールベンゼンマロニトリル(nirile)または二基質キノリン群化合物から選択される化合物、より具体的にチロホスチンA23/RG-50810;AG 99;チロホスチンAG 213;チロホスチンAG 1748;チロホスチンAG 490;チロホスチンB44;チロホスチンB44(+)鏡像体;チロホスチンAG 555;AG 494;チロホスチンAG 556、AG957およびアダホスチン(4−{[(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル]アミノ}−安息香酸アダマンチルエステル;NSC 680410、アダホスチン)から成る群から選択される任意の化合物;
l) 受容体チロシンキナーゼ類の上皮細胞増殖因子ファミリー(ホモまたはヘテロ二量体としてのEGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4)およびそれらの変異体の活性を標的、減少または阻害する化合物、例えば上皮細胞増殖因子受容体ファミリーの活性を標的、減少または阻害する化合物は、特にEGF受容体チロシンキナーゼファミリーのメンバー、例えばEGF受容体、ErbB2、ErbB3およびErbB4を阻害するまたはEGFまたはEGF関連リガンドに阻害する化合物、タンパク質または抗体であり、特にWO97/02266(例えば実施例39の化合物)、またはEP0564409、WO99/03854、EP0520722、EP0566226、EP0787722、EP0837063、US5,747,498、WO98/10767、WO97/30034、WO97/49688、WO97/38983および、特に、WO96/30347(例えばCP 358774として既知の化合物)、WO96/33980(例えば化合物ZD 1839)およびWO95/03283(例えば化合物ZM105180)に一般的におよび具体的に開示されている化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体;例えばトラスツマブ(HerceptinTM)、セツキシマブ(ErbituxTM)、Iressa、Tarceva、OSI-774、CI-1033、EKB-569、GW-2016、E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3またはE7.6.3、およびWO03/013541に開示されている7H−ピロロ−[2,3−d]ピリミジン誘導体;および
m) c−Met受容体の活性を標的、減少または阻害する化合物、例えばc−Metの活性を標的、減少または阻害する化合物、特にc−Met受容体のキナーゼ活性を阻害する化合物、またはc−Metの細胞外ドメインを標的とするまたはHGFに結合する抗体
を含み、これらに限定されない。
【0118】
さらなる抗血管形成化合物は、その活性についてさらなる、例えばタンパク質または脂質キナーゼ阻害に関連しない機構を有する化合物、例えばサリドマイド(THALOMID)およびTNP-470を含む。
【0119】
タンパク質または脂質ホスファターゼの活性を標的とする、減少するまたは阻害する化合物は、例えばホスファターゼ1、ホスファターゼ2A、またはCDC25の阻害剤、例えばオカダ酸またはその誘導体である。
【0120】
細胞分化過程を誘発する化合物は、例えばレチノイン酸、α− γ−またはδ−トコフェロールまたはα− γ−またはδ−トコトリエノールである。
【0121】
ここで使用する用語シクロオキシゲナーゼ阻害剤は、例えばCox−2阻害剤、5−アルキル置換2−アリールアミノフェニル酢酸および誘導体、例えばセレコキシブ(CELEBREX)、ロフェコキシブ(VIOXX)、エトリコキシブ、バルデコキシブまたは5−アルキル−2−アリールアミノフェニル酢酸、例えば5−メチル−2−(2’−クロロ−6’−フルオロアニリノ)フェニル酢酸、ルミラコキシブを含み、これらに限定されない。
【0122】
ここで使用する用語“N−ビスホスホン酸誘導体”は、3−アミノ−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸(パミドロン酸)、例えばパミドロネート(APD);3−(N,N−ジメチルアミノ)−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸、例えばジメチル−APD;4−アミノ−1−ヒドロキシブタン−1,1−ジホスホン酸(アレンドロン酸)、例えばアレンドロネート;1−ヒドロキシ−3−(メチルペンチルアミノ)−プロピリデン−ビスホスホン酸、イバンドロン酸、例えばイバンドロネート;6−アミノ−1−ヒドロキシヘキサン−1,1−ジホスホン酸、例えばアミノ−ヘキシル−BP;3−(N−メチル−N−n−ペンチルアミノ)−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸、例えばメチル−ペンチル−APD(=BM21.0955);1−ヒドロキシ−2−(イミダゾール−1−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸、例えばゾレドロン酸;1−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)エタン−1,1−ジホスホン酸(リセドロン酸)、例えばそのN−メチルピリジニウム塩類を含むリセドロネート、例えばN−メチルピリジニウムアイオダイド類、例えばNE-10244またはNE-10446;3−[N−(2−フェニルチオエチル)−N−メチルアミノ]−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸;1−ヒドロキシ−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1,1−ジホスホン酸、例えばEB 1053(Leo);1−(N−フェニルアミノチオカルボニル)メタン−1,1−ジホスホン酸、例えばFR 78844(藤沢);5−ベンゾイル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラゾール−3,3−ジホスホン酸テトラエチルエステル、例えばU-81581(Upjohn);および1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸、例えばYM 529。特にエチドロン、クロドロン、チルドロン、パミドロン、アレンドロン、イバンドロン、リセドロンおよびゾレドロン酸を含み、これらに限定されない。“エチドロン酸”を、例えば、商標DIDRONELの下に市販されている形で、例えば、投与できる。“クロドロン酸”を、例えば、商標BONEFOSの下に市販されている形で、例えば、投与できる。“チルドロン酸”を、例えば、商標SKELIDの下に市販されている形で、例えば、投与できる。“パミドロン酸”を、例えば、商標アレディアTMの下に市販されているような形で、例えば、投与できる。“アレンドロン酸”を、例えば、商標FOSAMAXの下に市販されている形で、例えば、投与できる。“イバンドロン酸”を、例えば、商標BONDRANATの下に市販されている形で、例えば、投与できる。“リセドロン酸”を、例えば、商標ACTONELの下に市販されている形で、例えば、投与できる。“ゾレドロン酸”を、例えば、商標ゾメタの下に市販されているような形で、例えば、投与できる。全ての記載したN−ビスホスホン酸誘導体は文献から既知である。これはその製造方法を含む(例えばEP−A−513760、pp. 13-48参照)。例えば、3−アミノ−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸は、例えば米国特許3,962,432に記載の通り製造でき、ならびに二ナトリウム塩は米国特許4,639,338および4,711,880に記載の通り製造でき、そして1−ヒドロキシ−2−(イミダゾール−1−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸は例えば米国特許4,939,130に記載の通り製造できる。米国特許4,777,163および4,687,767もまた参照。
【0123】
ここで使用する用語“カテプシンK阻害剤”は、US6,353,017B1およびWO03/020278A1に例示されている化合物を含み、これらに限定されない。
【0124】
用語“mTOR阻害剤”は、ラパマイシンの哺乳動物標的(mTOR)を阻害し、抗増殖性活性を有する化合物、例えばシロリムス(Rapamune(登録商標))、エベロリムス(CerticanTM)、CCI-779およびABT578に関する。
【0125】
ここで使用する用語“ヘパラナーゼ阻害剤”は、硫酸ヘパリンの分解を標的とし、減少させ、阻害する化合物を意味する。本用語は、PI-88を含み、これらに限定されない。
【0126】
ここで使用する用語“生物学的応答修飾剤”は、リンホカインまたはインターフェロン類、例えばインターフェロンγに関する。
【0127】
ここで使用する用語“Ras発癌性異性体の阻害剤”(例えばH−Ras、K−Ras、またはN−Ras)は、Rasの発癌性活性を標的とする、減少させるまたは阻害する化合物、例えば“ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤”、例えばL-744832、DK8G557またはR115777(Zarnestra)に関する。
【0128】
ここで使用する用語“テロメラーゼ阻害剤”は、テロメラーゼの活性を標的、減少または阻害する化合物に関する。テロメラーゼの活性を標的、減少または阻害する化合物は、特にテロメラーゼ受容体を阻害する化合物、例えばテロメスタチンである。
【0129】
ここで使用する用語“メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤”は、メチオニンアミノペプチダーゼの活性を標的、減少または阻害する化合物を意味する。メチオニンアミノペプチダーゼの活性を標的、減少または阻害する化合物は、例えばベンガミドまたはその誘導体である。
【0130】
ここで使用する用語“プロテアソーム阻害剤”は、プロテアソームの活性を標的、減少または阻害する化合物を意味する。プロテアソームの活性を標的、減少または阻害する化合物は、例えばBortezomid(ベルケイドTM)およびMLN 341を含む。
【0131】
ここで使用する用語“マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤”または(“MMP”阻害剤)は、コラーゲンペプチド模倣性および非ペプチド模倣性阻害剤、テトラサイクリン誘導体、例えばヒドロキサメートペプチド模倣性阻害剤バチマスタットおよびその経口生物利用可能アナログであるマリマスタット(BB-2516)、プリノマスタット(AG3340)、メタスタット(NSC 683551) BMS-279251、BAY 12-9566、TAA211、MMI270BまたはAAJ996を含み、これらに限定されない。
【0132】
ここで使用する用語“血液学的悪性腫瘍の処置に使用する化合物”は、FMS様チロシンキナーゼ阻害剤、例えばFMS様チロシンキナーゼ受容体(Flt−3R)の活性を標的、減少または阻害する化合物;インターフェロン、1−b−D−アラビノフラネシルシトシン(ara−c)およびビスルファン;およびALK阻害剤、例えば未分化リンパ腫キナーゼを標的とし、減少させ、または阻害する化合物を含み、これらに限定されない。
【0133】
FMS様チロシンキナーゼ受容体(recaptors)(Flt−3R)の活性を標的、減少または阻害する化合物は、特にFlt−3R受容体キナーゼファミリーのメンバーを阻害する化合物、タンパク質または抗体、例えばPKC412、ミドスタウリン、スタウロスポリン誘導体、SU11248およびMLN518を含み、これらに限定されない。
【0134】
ここで使用する用語“HSP90阻害剤”は、HSP90の内因性ATPase活性を標的とし、減少させ、または阻害する;ユビキチンプロテオソーム経路を介してHSP90クライアントタンパク質を分解し、標的とし、減少させ、または阻害する化合物を含み、これらに限定されない。HSP90の内因性ATPase活性を標的とし、減少させ、または阻害する化合物は、特にHSP90のATPase活性を阻害する化合物、タンパク質または抗体例えば、17−アリルアミノ,17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、ゲルダナマイシン誘導体;他のゲルダナマイシン関連化合物;ラジシコールおよびHDAC阻害剤である。
【0135】
ここで使用する用語“抗増殖性抗体”は、トラスツマブ(HerceptinTM)、トラスツマブ−DM1、アービタックス、ベバシズマブ(AvastinTM)、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))、PRO64553(抗CD40)および2C4抗体を含み、これらに限定されない。抗体は、例えば完全モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2個の完全抗体から形成された多特性抗体、および所望の生物学的活性を示す限り抗体フラグメントを含む。
【0136】
急性骨髄性白血病(AML)の処置のために、式(I)の化合物を標準白血病治療と組み合わせて、特にAMLの処置に使用される治療と組み合わせて使用できる。特に、式(I)の化合物を、例えば、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤および/またはAMLの処置に使用される他の薬剤、例えばダウノルビシン、アドリアマイシン、Ara-C、VP-16、テニポシド、ミトキサントロン、イダルビシン、カルボプラチンおよびPKC412と組み合わせて投与できる。
【0137】
用語“抗白血病化合物”は、例えば、Ara-C、デオキシシチジンの2’−アルファ−ヒドロキシリボース(アラビノシド)誘導体であるピリミジン類似体を含む。また包含されるのは、ヒポキサンチン、6−メルカプトプリン(6-MP)およびリン酸フルダラビンのプリン類似体である。
【0138】
ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤、例えば酪酸ナトリウムおよびスベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)の活性を標的とする、減少させるまたは阻害する化合物は、ヒストンデアセチラーゼ類として既知の酵素群の活性を阻害する。特異的HDAC阻害剤は、MS275、SAHA、FK228(以前はFR901228)、トリコスタチンAおよびUS6,552,065に開示された化合物、特に、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド、またはその薬学的に許容される塩およびN−ヒドロキシ−3−[4−[(2−ヒドロキシエチル){2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド、またはその薬学的に許容される塩、特に乳酸塩を含む。
【0139】
ここで使用するソマトスタチン受容体アンタゴニストは、ソマトスタチン受容体標的とする、減少させるまたは阻害する化合物、例えばオクトレオチド、およびSOM230を意味する。
【0140】
腫瘍細胞傷害アプローチは、電離放射線のようなアプローチを意味する。上記および下記の用語“電離放射線”は、電磁線(例えばX線およびガンマ線)または粒子(例えばアルファおよびベータ粒子)として生じる電離放射線を意味する。電離放射線は放射線療法として提供されるがそれに限定されず、当分野で既知である。Hellman, Principles of Radiation Therapy, Cancer, in Principles and Practice of Oncology, Devita et al., Eds., 4th Edition, Vol. 1, pp. 248-275 (1993)参照。
【0141】
ここで使用する用語“EDG結合剤”は、リンパ球再循環を調節する免疫抑制剤、例えばFTY720を意味する。
【0142】
用語“リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤”は、フルダラビンおよび/またはシトシンアラビノシド(ara-C)、6−チオグアニン、5−フルオロウラシル、クラドリビン、6−メルカプトプリン(特にALLに対してara-Cとの組合せで)および/またはペントスタチンを含み、これらに限定されないピリミジンまたはプリンヌクレオシド類似体を意味する。リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤は、特にヒドロキシウレアまたは2−ヒドロキシ−1H−イソインドール−1,3−ジオン誘導体、例えばNandy et al., Acta Oncologica, Vol. 33, No. 8, pp. 953-961 (1994)に記載されたPL-1、PL-2、PL-3、PL-4、PL-5、PL-6、PL-7またはPL-8である。
【0143】
ここで使用する用語“S−アデノシルメチオニンデカルボキシラーゼ阻害剤”は、US5,461,076に開示されている化合物を含み、それらに限定されない。
【0144】
また包含されるのは、WO98/35958に開示された化合物、タンパク質またはVEGFのモノクローナル抗体、例えば1−(4−クロロアニリノ)−4−(4−ピリジルメチル)フタラジンまたはその薬学的に許容される塩、例えばコハク酸塩、またはWO00/09495、WO00/27820、WO00/59509、WO98/11223、WO00/27819およびEP0769947に開示されたもの;Prewett et al, Cancer Res, Vol. 59, pp. 5209-5218 (1999);Yuan et al., Proc Natl Acad Sci U S A, Vol. 93, pp. 14765-14770 (1996);Zhu et al., Cancer Res, Vol. 58, pp. 3209-3214 (1998);およびMordenti et al., Toxicol Pathol, Vol. 27, No. 1, pp. 14-21 (1999)に開示されたもの;WO00/37502およびWO94/10202に開示されたもの;O'Reilly et al., Cell, Vol. 79, pp. 315-328 (1994)により記載されたアンジオスタチン;O'Reilly et al., Cell, Vol. 88, pp. 277-285 (1997)により記載されたエンドスタチン;アントラニル酸アミド類;ZD4190;ZD6474;SU5416;SU6668;ベバシズマブ;または抗VEGF抗体または抗VEGF受容体抗体、例えばrhuMAbおよびRHUFab、VEGFアプタマー、例えばMacugon;FLT−4阻害剤、FLT−3阻害剤、VEGFR-2 IgG1抗体、Angiozyme(RPI 4610)およびベバシズマブ(AvastinTM)である。
【0145】
ここで使用する光線力学的治療は、癌を処置または予防するために光感作性化合物として既知のある種の化学物質を使用する治療を意味する。光線力学的治療の例は、例えばVISUDYNEおよびポルフィマーナトリウムのような化合物での処置を含む。
【0146】
ここで使用する血管新生抑制ステロイドは、例えば、アネコルタブ、トリアムシノロン。ヒドロコルチゾン、11−α−エピヒドロコチゾル、コルテキソロン、17α−ヒドロキシプロゲステロン、コルチコステロン、デスオキシコルチコステロン、テストステロン、エストロンおよびデキサメサゾンのような血管形成を遮断または阻止する化合物を意味する。
【0147】
コルチコステロイド含有インプラントは、例えばフルオシノロン、デキサメサゾンのような化合物を意味する。
【0148】
“他の化学療法化合物”は、植物アルカロイド類、ホルモン化合物およびアンタゴニスト;生物学的応答修飾剤、好ましくはリンホカイン類またはインターフェロン類;アンチセンスオリゴヌクレオチド類またはオリゴヌクレオチド誘導体;shRNAまたはsiRNA;または種々の化合物または他のまたは未知の作用機序を有する化合物を含み、これらに限定されない。
【0149】
コード番号、一般名または商品名により同定した活性化合物の構造は、標準概論“The Merck Index”の現行版、またはデータベース、例えばPatents International(例えばIMS World Publications)から取り得る。
【0150】
式(I)の化合物と組み合わせてできる上記化合物は、文献に、例えば上記に引用した文献に記載する通りに製造および投与できる。
【0151】
“組合せ”により、一投与単位形態の固定された組合せ、または式(I)の化合物と組合せ相手を独立して同時にまたは別々に、特に組合せ相手が協力的、例えば相乗効果を示すことを可能にする感覚で投与し得る組合せ投与のためのパーツ・キットである。
【0152】
本発明はまた、ここに定義した式Iの化合物、またはN−オキシドまたはその互変異性体、またはかかる化合物の薬学的に許容される塩、またはその水和物または溶媒和物、および少なくとも1個の薬学的に許容される担体を含む製剤も低級尾する。
【0153】
式Iの化合物は、単独で、または1種以上の他の治療化合物と組み合わせて投与でき、可能な組合せ治療は、固定された組合せの形態を取るか、または本発明の化合物と1個以上の他の治療(予防を含む)化合物の投与が時間的にずれているか、または互いに独立して、または固定された組合せと1個以上の他の治療化合物の組合せ投与の形を取る。式Iの化合物は、それ以外に、またはそれに加えて、特に腫瘍治療のために、化学療法、放射線療法、免疫療法、光線療法、外科的処置、またはそれらの組合せと組み合わせて投与できる。長期間治療は、上記の通りの、他の処置法の点において補助治療であるため、同様に可能である。他の可能性のある処置は、腫瘍緩解後の患者の状態を維持するための治療、または、例えばリスクのある患者の化学予防療法でさえある。
【0154】
活性成分(=遊離および/または薬学的に許容される塩形態の式Iの化合物)の投与量は、患者のタイプ、種、年齢、体重、性別および医学的状態;処置する状態の重症度;投与経路;患者の腎臓および肝臓の機能;および用いる特定の化合物を含む種々の因子による。通常の技術の医師、臨床医または獣医師は、状態を予防する、逆転させるまたは進行を停止するのに必要な有効量の医薬を容易に決定し、処方できる。効果を発現する活性成分濃度の範囲を達成するための最適な詳細は、標的部位の活性成分の利用能の動態に基づく投与計画を必要とする。これは薬剤の分布、平衡および排泄の考察を含む。
【0155】
体重約70kgの温血動物、例えばヒトに投与する式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の投与量は、好ましくは1日あたり1人あたり約3mg〜約10g、より好ましくは約10mg〜約2.5gであり、好ましくは、例えば、同じサイズであり得る1〜3回の単一用量に分割する。通常、小児には成人の半量を投与する。
【0156】
本発明の化合物を、任意の慣用の経路で、特に非経腸的に、例えば注射可能溶液または懸濁液の形で、経腸的に、例えば経口的に、例えば錠剤またはカプセル剤の形で、局所的に、例えばローション剤、ゲル剤、軟膏剤またはクリーム剤の形で、または経鼻または坐薬形態で投与し得る。局所投与は、例えば皮膚にである。局所投与の別の形態は眼にである。本発明の化合物を少なくとも1個の医薬的に許容される担体または希釈剤と共に含む医薬組成物は、薬学的に許容される担体または希釈剤との混合による慣用法で製造し得る。
【0157】
本発明はまた、有効量、特に上記障害の一つの処置に有効な量の、式Iの化合物またはN−オキシドまたはその互変異性体を、局所、経腸、例えば経口または直腸、または非経腸投与に適し、無機または有機、固体または液体であり得る1個以上の薬学的に許容される担体と共に含む医薬組成物にも関する。
【0158】
活性成分を薬学的に許容される担体物質、例えば希釈剤、例えばラクトース、デキストロース、マンニトール、および/またはグリセロール、および/または滑剤および/またはポリエチレングリコールと共に含む経口投与用に、特に錠剤またはゼラチンカプセル剤用に使用できる。錠剤は、結合剤、例えばケイ酸アルミニウム・マグネシウム、デンプン類、例えばコーン、小麦またはコメデンプン、ゼラチン、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリドン、および、望むならば、崩壊剤、例えばデンプン類、寒天、アルギン酸またはその塩、例えばアルギン酸ナトリウム、および/または起沸性混合物、または吸着剤、色素、風味剤および甘味剤も含み得る。薬理学的に活性な本発明の化合物を非経腸的投与可能なまたは輸液の形で使用することも可能である。医薬組成物は滅菌できおよび/または賦形剤、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤化合物および/または乳化剤、可溶化剤、浸透圧調整用塩類および/または緩衝剤を含み得る。本医薬組成物は、望むならば、他の薬理学的活性物質を含んでよく、それ自体既知の方法で、例えば慣用の混合、造粒、糖衣、溶解または凍結乾燥過程の手段により製造し、約1%〜99%、特に約1%〜約20%の活性成分を含む。
【0159】
さらに、本発明は、最も具体的にはかかる処置を必要とする患者において、特にここに記載の疾患の処置のための、ヒトまたは動物の処置方法に使用するための、式Iの化合物、またはかかる化合物の薬学的に許容される塩を提供する。
【0160】
本発明はまた、増殖性疾患の処置用医薬の製造のための、式Iの化合物、またはかかる化合物の薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0161】
さらに、本発明は、FPPSの阻害に応答する増殖性疾患の方法であって、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩(ここで、基および記号は上に定義した通りの意味を有する)を、特に該疾患に対する有効量で、かかる処置を必要とする温血動物に投与することを含む、方法に関する。
【0162】
さらに、本発明は、上に記載の式Iの化合物またはかかる化合物の薬学的に許容される塩を、医薬担体と共に含む、ヒトを含む温血動物における固形または液性腫瘍の処置のための医薬組成物に関する。
【実施例】
【0163】
実施例:以下の実施例は、範囲を限定することなく本発明を説明するために役立つ:
特にことわらない限り、反応は室温で行う。記載する温度は摂氏度(℃)である。例えば混合物中の溶媒または溶離剤などの比は、容積対容積(v/v)比で示す。用語“で加熱”なる用語が使用されているとき、これは“まで加熱し、かつ維持する”ことを意味する。
【0164】
以下の略語を使用する:
【表2】

【0165】
実施例1〜11の脚注
RetのためのHPLC条件:
実施例1−8、10:
方法A:LC-MS Waters 2795;カラム:Sunfire C18;4.6×20mm、3.5μm;水+0.1%TFA−アセトニトリル(AN)+0.1%TFA、3ml/分;40℃;4分 5−100%AN
実施例11−12、17:
方法B:LC-MS Waters, LCZ single quad MS;カラム:Waters XTerra C18;3.0×30mm、2.5μm;(95%水+5%AN+0.2%HCOOH)−100%AN+0.2%HCOOH、0.6ml/分;50℃;1.5分 5−95%AN
実施例9:
方法C:LC-MS HP-1100 (Hewlett-Packard);カラム(colomn):Zorbax SB-C18;3×30mm、1.89μm;水−アセトニトリル(AN)、0.7ml/分、35℃;3.25分 40−100%AN、0.75分 100%AN、0.25分 100−40%AN
実施例13−16の脚注
PTFA:ポリテトラフルオロエチレン
rac−BINAP:2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフタレンのラセミ混合物
【0166】
実施例13および14:
方法D:
Micromass ZQ MS検出を備えたWatersクロマトグラフィー系。0.1%のトリフルオロ酢酸を含む以下の組成の水性アセトニトリルを、Macherey Nagel Nucleodur 100-10 C-18カラム(250×40mm、10μm粒子径)を使用して100ml/分の流速で移動相として使用する:10%水性アセトニトリルで、1分間定組成溶離、続いて2.0分間の10%水性アセトニトリルから40%水性アセトニトリルへの直線勾配、続いて12.0分間の40%水性アセトニトリルから95%水性アセトニトリルへの直線勾配、続いて2.0分間の95%水性アセトニトリルから100%アセトニトリルへの直線勾配。生成物の回収はMSシグナルにより始動させる。
【0167】
実施例15、16:
15aa−ai、15ak−ay、15ba、16a−c 方法D:分析的方法3分間
Micromass ZMD MS検出を備えたAgilent 1100 LCクロマトグラフィー系。A(5%アセトニトリルおよび0.2%ギ酸を含む水)およびB(0.2%ギ酸を含むアセトニトリル)から成る二変数勾配を、Waters X TerraTM C−18カラム(30×3mm、2.5μm粒子径)を使用して0.7ml/分の流速で移動相として使用する:1.5分間の5%のBから95%のBへの直線勾配、続いて1.0分間の95%のBの定組成溶離。
【0168】
15aj、az 方法E 分析的方法5分間
Micromass ZMD MS検出を備えたAgilent 1100 LCクロマトグラフィー系。A(5%アセトニトリルおよび0.2%ギ酸を含む水)およびB(0.2%ギ酸を含むアセトニトリル)から成る二変数勾配を、Waters X TerraTM C−18カラム(30×3mm、2.5μm粒子径)を使用して0.7ml/分の流速で移動相として使用する:0.5分間の5%のBの定組成溶離、続いて3.0分間の5%から95%のBへの直線勾配、続いて1.0分間の95%のBの定組成溶離。
【0169】
一般的スキーム−A
【化14】

Rはアルキル(例えばメチルまたはtert−ブチル)、アリールまたはアリールアルキルであり;Xは水素(そうであるならば化合物Aが生成物である)であるか、またはハロまたはトリフルオロメタンスルホニル(トリフリル)であり;R1*は非置換または置換アリールまたは、特に実施例から導き出せる通りBに炭素原子を介して結合している非置換または置換ヘテロアリールであり;そしてRおよびRは水素またはアミノ置換基から選択されるか、または特にまた実施例から導き出せる通りそれらが結合している窒素と一体となって環を形成する。Zは、低級アルキルであるか、またはBOZは式A
【化15】

の基である。
【0170】
実施例1:4−(2−メチル−フェニル)−2−(ナフタリン−1−イルメトキシ)−安息香酸
遊離体1.1(63mg、0.17mmol)のTHF/MeOH(1:1、2.0mL)溶液に、2M LiOH溶液(0.50mL)を添加する。反応混合物を60℃で1時間加熱する。室温に冷却後、反応混合物を1M HCl溶液で酸性化し、EtOAcで抽出する。有機層をHOで洗浄し、乾燥させ、減圧下濃縮する。得られた残留物をEtO/ヘキサンに懸濁して、濾過後に白色固体として表題化合物を得る;ES−MS:[M+Na]=391;HPLC:tRet=3.03分。
【0171】
出発物質を次の通り製造する:
工程1.1:遊離体1.1:
遊離体1.2(100mg、0.27mmol)、2−メチルフェニルボロン酸(55mg、0.41mmol)、2M NaCO溶液(0.60mL、1.23mmol)およびPd(PPh)(34mg、0.03mmol)のTHF(2.4mL)中の混合物を80℃で2時間加熱する。室温に冷却後、反応混合物をEtOAcに希釈する。有機層をHOで洗浄し、乾燥させ、減圧下濃縮する。得られた残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して、遊離体1.1を無色油状物として得る;ES−MS:[M+Na]=405:tRet=3.46分。
【0172】
工程1.2:遊離体1.2:
4−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル(30g、130mmol、CAS:22717-56-2)、1−クロロメチルナフタレン(25g、142mmol、CAS:86-52-2)、KI(1.7g、10mmol)およびKCO(27g、195mmol)のDMF(300mL)中の混合物を、65℃で7時間撹拌する。室温に冷却後、反応混合物をEtOAcに希釈する。有機層をHOで洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下濃縮する。得られた残留物をEtO/ヘキサンに懸濁し、室温で一夜撹拌する。遊離体1.2を濾過後に薄黄色固体として得る;ES−MS:[M+Na]=394:tRet=3.16分。
【0173】
実施例2:4−フェニル−2−(ナフタリン−1−イルメトキシ)−安息香酸
表題化合物を遊離体2.1(58mg、0.16mmol)の加水分解により、実施例1の方法に準じて合成する。白色固体;ES−MS:[M+Na]=377;HPLC:tRet=2.88分。
【0174】
工程2.1:遊離体2.1:
遊離体2.1を、遊離体1.2(100mg、0.27mmol)のカップリングにより、遊離体1.1の方法に準じて合成する。無色油状物;ES−MS:[M+Na]=391;HPLC:tRet=3.33分。
【0175】
実施例3:4−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−2−(ナフタリン−1−イルメトキシ)−安息香酸:
実施例3の表題化合物を、遊離体3.1(36mg、0.084mmol)の加水分解により、実施例1の方法に準じて合成する。白色固体;ES−MS:[M+Na]=437;HPLC:tRet=2.66分。
【0176】
工程3.1:遊離体3.1:
遊離体3.1を、遊離体1.2(150mg、0.40mmol)のカップリングにより、遊離体1.1の方法に準じて合成する。白色固体;ES−MS:[M+Na]=451;HPLC:tRet=3.13分。
【0177】
実施例4:4−(3−アミノメチル−フェニル)−2−(ナフタリン−1−イルメトキシ)−安息香酸
遊離体4.1(80mg、0.19mmol)のTHF/HO(10:1、1.1mL)溶液に、ポリマー支持トリフェニルホスフィン(612mg、0.95mmol)を室温で添加する。反応混合物を60℃で1時間撹拌する。室温に冷却後、反応混合物をTHFで希釈し、濾過する。MeOH(2mL)および2M LiOH(1mL)を溶液に添加する。反応混合物を60℃で1時間加熱する。室温に冷却後、溶液を1M HClで酸性化し、EtOAcで抽出する。有機層をHOで洗浄し、乾燥させ、減圧下濃縮する。得られた残留物を逆相分取HPLC(0.1%TFA、CHCN/HO)で精製して、表題化合物4を凍結乾燥後に得る。白色固体;ES−MS:[M+H]=384;HPLC:tRet=1.40分。
【0178】
工程4.1:遊離体4.1:
遊離体4.2(150mg、0.38mmol)のMeOH(2.0mL)溶液に、NaBH(16mg、0.42mmol)を0℃で添加する。反応混合物を室温で3時間撹拌する。飽和NHCl溶液で処理後、混合物をEtOAcで抽出する。有機層を乾燥させ、減圧下濃縮する。得られた残留物を精製せずにトルエン(1.0mL)に溶解する。反応混合物に、ジイソプロピルエチルアミン(63mg、0.49mmol)およびメタンスルホニルクロライド(65mg、0.57mmol)を添加する。室温で3時間撹拌後、反応混合物をEtOAcに希釈する。有機層をHOで洗浄し、乾燥させ、減圧下濃縮する。得られた残留物のDMF(3.0mL)溶液に、NaN(74mg、1.14mmol)を添加する。室温で一夜撹拌後、反応混合物をEtOAcに希釈する。有機層をHOで洗浄し、乾燥させ、減圧下濃縮する。得られた残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して、遊離体4.1を無色油状物として得る;ES−MS:[M+Na]=446:tRet=3.37分。
【0179】
工程4.2:遊離体4.2:
遊離体4.2を遊離体1.2(500mg、1.3mmol)のカップリングにより、遊離体1.1の方法に準じて合成する。薄黄色固体;ES−MS:[M+Na]=419;HPLC:tRet=3.08分。
【0180】
実施例5:4−(2−オキソピロリジノ)−2−(ナフタリン−1−イルメトキシ)−安息香酸
表題化合物5を遊離体5.1(42mg、0.11mmol)の加水分解により、実施例1の方法に準じて合成する。白色固体;ES−MS:[M+Na]=384;HPLC:tRet=2.17分。
【0181】
工程5.1:遊離体5.1:
遊離体1.2(100mg、0.27mmol)、ピロリジノン(69mg、0.81mmol)、CsCO(130mg、0.40mmol)、Pd(OAc)(7.0mg、0.030mmol)およびラセミ体BINAP(30mg、0.045mmol)のジオキサン(3.0mL)中の混合物を、100℃で、N雰囲気下、3時間加熱する。室温に冷却後、反応混合物を濾過し、EtOAcで洗浄する。濾液を減圧下濃縮する。得られた残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して、遊離体5.1を無色油状物として得る;ES−MS:[M+Na]=398:tRet=2.53分。
【0182】
実施例6:4−ピロロ−2−2−(ナフタリン−1−イルメトキシ)−安息香酸
表題化合物6を遊離体6.1(33mg、0.090mmol)の加水分解により、実施例1の方法に準じて合成する。白色固体;ES−MS:[M+Na]+=370;HPLC:tRet=2.72分。
【0183】
工程6.1:遊離体6.1:
遊離体6.1を遊離体1.2(100mg、0.27mmol)のカップリングにより、遊離体5.1の方法に準じて合成する。無色油状物、ES−MS:[M+H]=362:tRet=3.16分。
【0184】
実施例7:4−ピペリジノ−2−(ナフタリン−1−イルメトキシ)−安息香酸
表題化合物7を工程7.1の化合物(42mg、0.11mmol)の加水分解により、実施例1の方法に準じて合成する。白色固体;ES−MS:[M+H]+=362;HPLC:tRet=2.83分。
【0185】
工程7.1:遊離体7.1
遊離体7.1を遊離体1.2(100mg、0.27mmol)のカップリングにより、遊離体5.1の方法に準じて合成する。無色油状物;ES−MS:[M+H]=376;HPLC:tRet=3.26分。
【0186】
実施例8:4−フェニルアミノ−2−(ナフタリン−1−イルメトキシ)−安息香酸
表題化合物8を遊離体8.1(51mg、0.11mmol)の加水分解により、実施例1の方法に準じて合成する。白色固体;ES−MS:[M+H]+=370;HPLC:tRet=2.67分。
【0187】
工程8.1:遊離体8.1:
遊離体8.1を遊離体1.2(100mg、0.27mmol)のカップリングにより、遊離体5.1の方法に準じて合成する。無色油状物;ES−MS:[M+Na]=406;HPLC:tRet=3.06分。
【0188】
実施例9:4−(4−カルバモイル−フェニル)−2−(ナフタリン−1−イルメトキシ)−安息香酸
実施例1、遊離体1.1に準じて、4−カルバモイル−フェニルボロン酸と4−ブロモ−2−(ナフタレン−1−イルメトキシ)−安息香酸メチルエステル(遊離体1.2)の反応により4’−カルバモイル−3−(ナフタレン−1−イルメトキシ)−ビフェニル−4−カルボン酸メチルエステルを得る(ES−MS:[M+H]=412:tRet=2.63分)。
実施例1に従うエステル加水分解により、実施例17の表題化合物を白色固体として得る。(ES−MS:[M+H]=398:tRet=1.42分(方法C))。
【0189】
実施例10:2−(5−シアノ−ナフタリン(napthalin)−1−イル−メトキシ)−安息香酸
遊離体10.1(10.0mg、0.028mmol)の混合物を、4M HCl−ジオキサン(2mL)中、60℃で3時間加熱する。室温に冷却後、反応混合物をEtOAcに希釈する。得られた残留物を逆相分取HPLC(0.1%TFA、CHCN/HO)で精製して、実施例10の表題化合物を白色固体として得る;ES−MS:[M+Na]=326:tRet=2.23分。
【0190】
出発物質を次の通り製造する:
工程10.1:遊離体10.1
5−(ヒドロキシメチル)−1−ナフタレンカルボニトリル(200mg、1.09mmol、CAS:176907-25-8)およびジイソプロピルエチルアミン(206mg、1.6mmol)のトルエン溶液に、メタンスルホニルクロライド(148mg、1.3mmol)を室温で添加する。同じ温度で2時間撹拌後、反応混合物をEtOAcに希釈する。有機層をHOおよび塩水で洗浄し、乾燥させ、減圧下濃縮して、薄黄色固体を得る。得られた固体、2−ヒドロキシ安息香酸tert−ブチルエステル(213mg、1.1mmol、CAS:23408-05-01)、KCOおよびKIのDMF(3.0mL)中の混合物を65℃で4時間撹拌する。室温に冷却後、反応混合物をEtOAcに希釈する。有機層をHOで洗浄し、乾燥させ、減圧下濃縮する。得られた残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して、遊離体10.1を白色固体として得る;ES−MS:[M+Na]=382:tRet=2.11分。
【0191】
実施例11:4−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−(ナフタリン−1−イルメトキシ)−安息香酸
2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−エトキシ)安息香酸(101mg、0.51mmol)、1−クロロメチルナフタレン(25g、142mmol、CAS:86-52-2)、および4.5当量のKCO(2.3mmol)のDMF(1.5mL)中の混合物を150℃で16時間撹拌する。室温に冷却後、1.33mL MeOHおよび0.254mL 40%水性NaOHを反応混合物に添加し、反応混合物を95℃で2.5時間加熱する。室温に冷却後、形成した沈殿を濾取し、残った溶液を蒸発させ、3mLのHOに溶解し、1M HCl溶液で酸性化し、CHClで抽出する。有機層をHOで洗浄し、乾燥させ、減圧下濃縮する。実施例11の表題化合物を白色固体として得る;ES−MS:[M−H]=337:tRet=1.45分。
【0192】
実施例12:4−カルボキシメトキシ−2−(ナフタリン−1−イルメトキシ)−安息香酸
クロム酸酸化剤を、534mgの三酸化クロムを2mlの蒸留水に溶解することにより製造する。この溶液に、0.46mlの濃硫酸を添加する。激しく撹拌している15mg(44.3μmole)の実施例11の化合物の1mLのアセトン溶液に、試薬のオレンジ色が持続するのに充分なクロム酸酸化剤を添加する。
ポット中の冷却した残留物を分液漏斗に移し、CHClを添加し、混合物をKCO溶液で2回抽出する。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、塩化メチレンを蒸発させる。得られた残留物を逆相クロマトグラフィーで精製して、実施例20の表題化合物を白色固体として得る;ES−MS:[M+H]=353:tRet=1.45分。
【0193】
実施例13:
【化16】

(式中、Ar/HetArはアリールまたはヘテロアリールであり、これは置換されていなくても、置換されていてもよく、環炭素原子を介して結合している)
一般名:4−(非置換または置換アリール−またはヘテロアリール)−2−(ナフタレン−1−イルメトキシ)−安息香酸類。
【0194】
一般的方法:
4−(非置換または置換アリール−またはヘテロアリール)−2−(ナフタレン−1−イルメトキシ)−安息香酸類の平行合成
並べられたマイクロ波耐性ガラス管に、29種のボロン酸類(0.256mmol)の1種を各管に添加する。次いで、4−ブロモ−2−(ナフタレン−1−イルメトキシ)−安息香酸(0.213mmol)、ジメトキシエタン(7部)/エタノール(2部)/水(3部)の混合物中のPdCl(PPh)飽和溶液(0.9ml)およびNaCOの2モル濃度水性溶液(0.215ml)を各管に添加する。全管を耐圧アルミニウム・キャップで密封し、反応混合物を、個々に、マイクロ波オーブン中、110℃の温度に到達するまで加熱する。この温度を10分間一定に保つ。室温に冷却後、反応混合物を、個々に100mlガラス管に移し、酢酸エチル(2ml)および水(15ml)を各管に添加する。相分離後、各管を5回酢酸エチル(5ml)で抽出し、合わせた有機抽出物を蒸発させる。得られた並べられた粗物質を個々のマイクロ波耐性ガラス管に移し、各管にメタノール(0.5ml)、テトラヒドロフラン(0.5ml)およびLiOHの1モル濃度水性溶液(0.5ml)を添加する。管を耐圧アルミニウム・キャップで密封し、反応混合物を、個々に、マイクロ波オーブン中、120℃の温度に到達するまで加熱する。温度を12分間一定にし、室温に冷却する。酢酸(0.1ml)およびテトラヒドロフラン(2ml)を個々に管に添加し、各反応混合物を0.45μm PTFA膜を通して濾過する。濾液を分取LC−MS法により個々に精製する。
【0195】
分取LC−MS法:
Micromass(登録商標) ZQ MS検出を備えた分取Watersクロマトグラフィー系(Waters GmbH, Eschborn, Germany)。0.1%のトリフルオロ酢酸を含む次の組成の水性アセトニトリルを、Macherey Nagel Nucleodur(登録商標) 100-10 C-18カラム(逆相C18結合シリカ;Macherey & Nagel, Dueren, Germany;250×40mm、10μm粒子径)を使用して100ml/分の流速で移動相として使用する:10%水性アセトニトリルで1分間定組成溶離、続いて2.0分間の10%水性アセトニトリルから40%水性アセトニトリルへの直線勾配、続いて12.0分間の40%水性アセトニトリルから95%水性アセトニトリルへの直線勾配、続いて2.0分間の95%水性アセトニトリルから100%アセトニトリルへの直線勾配。生成物の回収はMSシグナルにより始動させる。
【0196】
この一般的方法を使用して、次の化合物を製造する:
【表3】

【表4】

【0197】
【表5】

【表6】

【0198】
【表7】

【表8】

【0199】
【表9】

【0200】
実施例14:
【化17】

Rx、Ry=互いに独立して以下の個々の化合物から導き出せる通り。
一般名:4−アミノ−2−(ナフタレン−1−イルメトキシ)−安息香酸誘導体
【0201】
一般的方法:
4−アミノ−2−(ナフタレン−1−イルメトキシ)−安息香酸類の平行合成
並べられたマイクロ波耐性ガラス管に、20種のアミン類/アニリン類(0.290mmol)の1種を各管に添加する。次いで、4−ブロモ−2−(ナフタレン−1−イルメトキシ)−安息香酸(0.267mmol)、CsCO(0.373mmol)、rac−BINAP(0.0267mmol)、Pd(OAc)(0.013mmol)およびトルエン(1ml)を各管に添加する。管を耐圧アルミニウム・キャップで密封し、反応混合物を、個々に、マイクロ波オーブン中、115℃の温度に到達するまで加熱する。この温度を50分間一定に保つ。室温に冷却後、反応混合物を100mlガラス管に個々に移し、水で希釈し、酢酸エチルで数回抽出する。合わせた有機抽出物を個々に蒸発させ、メタノール(0.4ml)およびテトラヒドロフラン(0.4ml)を使用して並べられたマイクロ波耐性ガラス管に移し、LiOHの2モル濃度水性溶液(0.8ml)を各管に添加する。管を耐圧アルミニウム・キャップで密封し、反応混合物を、個々に、マイクロ波オーブン中、120℃の温度に到達するまで加熱する。温度を12分間一定に保ち、室温に冷却する。酢酸(0.2ml)およびメタノール(2ml)を個々に管に添加し、各反応混合物を0.45μm PTFA膜を通して濾過する。濾液を分取LC−MS法により個々に精製する。
【0202】
分取LC−MS法:
Micromass(登録商標) ZQ MS検出を備えた分取Watersクロマトグラフィー系。0.1%のトリフルオロ酢酸を含む次の組成の水性アセトニトリルを、Macherey Nagel Nucleodur(登録商標) 100-10 C-18カラム(250×40mm、10μm粒子径)を使用して100ml/分の流速で移動相として使用する:10%水性アセトニトリルで1分間定組成溶離、続いて2.0分間の10%水性アセトニトリルから40%水性アセトニトリルへの直線勾配、続いて12.0分間の40%水性アセトニトリルから95%水性アセトニトリルへの直線勾配、続いて2.0分間の95%水性アセトニトリルから100%アセトニトリルへの直線勾配。生成物の回収はMSシグナルにより始動させる。
【0203】
この一般的方法を使用して、次の化合物を製造する:
【表10】

【表11】

【0204】
【表12】

【表13】

【0205】
実施例15:
【化18】

Rx、Ry=互いに独立して、以下の個々の化合物から導き出せる通り。
一般名:4−アミノ−2−(ナフタレン−1−イルメトキシ)−安息香酸誘導体
【0206】
一般的方法:
4−アミノ−2−(ナフタレン−1−イルメトキシ)−安息香酸類の平行合成
並べられたガラス管に、27種のアミン類/アニリン類(0.400mmol)の1種を各管に添加する。4−ブロモ−2−(ナフタレン−1−イルメトキシ)−安息香酸(0.267mmol)の1,2−ジメトキシエタン(1.5ml)溶液およびKPO(0.800mmol)を各管に添加する。全管をアルゴンで通気し、密封する。アルゴン雰囲気下、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(0.0267mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.0267mmol)を各管に急速に添加する。得られた磁気撹拌している混合物を、陽アルゴン雰囲気下、90℃で24時間加熱する。室温に冷却後、メタノール(1ml)を各管に添加し、反応混合物を、個々にCelite(登録商標)501および0.45μm PTFA膜を通して濾過する。濾液を分取LC−MS法により個々に精製する。所望の化合物を含む分取HPLCフラクションを個々に100mlガラスバイアルに貯め、溶媒を蒸発させる。メタノール(0.75ml)、テトラヒドロフラン(0.75ml)およびLiOHの2モル濃度水性溶液(0.67ml)を各管に添加し、管を密封する。並べられた反応混合物を80℃で17時間静置する。室温に冷却後、酢酸(0.058ml)、酢酸エチル(10ml)およびpH7.0の水性リン酸緩衝液(10ml)を個々に各管に添加する。相分離後各管を3回酢酸エチル(10ml)で抽出し、合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させ、溶媒を蒸発させる。
【0207】
分取LC−MS法:
Micromass(登録商標) ZQ MS検出を備えた分取分取Watersクロマトグラフィー系。0.1%のトリフルオロ酢酸を含む次の組成の水性アセトニトリルを、Waters Sunfire(登録商標) C−18カラム(逆相C18結合(onded)シリカ、Waters GmbH, Eschborn, Germany;150×30mm、5μm粒子径)を使用して50ml/分の流速で移動相として使用する:10%水性アセトニトリルで1分間定組成溶離、1.5分間の10%水性アセトニトリルから60%水性アセトニトリルへの直線勾配、続いて7.5分分間の60%水性アセトニトリルから95%水性アセトニトリルへの直線勾配、続いて1.0分間の95%水性アセトニトリルから100%アセトニトリルへの直線勾配。生成物の回収はMSシグナルにより始動させる。
【0208】
この一般的方法を使用して、次の化合物を製造する:
【表14】

【表15】

【0209】
【表16】

【表17】

【0210】
【表18】

【表19】

【0211】
【表20】

【0212】
実施例16
【化19】

Rx、Ry=互いに独立して、以下の個々の化合物から導き出せる通り。
一般名:4−アミノ−2−(ナフタレン−1−イルメトキシ)−安息香酸誘導体
【0213】
一般的方法:
4−アミノ−2−(ナフタレン−1−イルメトキシ)−安息香酸類の平行合成
並べられたガラス管に、3種のアミン類/アニリン類(0.400mmol)の1種を3個の管の一つに入れる。4−ブロモ−2−(ナフタレン−1−イルメトキシ)−安息香酸(0.267mmol)の1,2−ジメトキシエタン(1.5ml)溶液およびKPO(0.800mmol)を各管に添加する。全管をアルゴンで通気し、密封する。アルゴン雰囲気下、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(0.0267mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.0267mmol)を各管に添加する。得られた磁気撹拌している混合物を陽アルゴン雰囲気下、90℃で17時間加熱する。室温に冷却後、反応混合物を個々に100mlガラス管に移し、水で希釈し、酢酸エチルで数回抽出し、合わせた有機抽出物を個々に蒸発させる。メタノール(0.75ml)、テトラヒドロフラン(0.75ml)およびLiOHの2モル濃度水性溶液(0.67ml)を抽出物に個々に添加し、全管を密封する。並べられた反応混合物を80℃で17時間静置する。室温に冷却後、酢酸(0.058ml)およびテトラヒドロフラン(2ml)を個々に管に添加し、各反応混合物を0.45μm PTFA膜を通して濾過する。濾液を分取LC−MS法により個々に精製する。
【0214】
分取LC−MS法:
Micromass(登録商標) ZQ MS検出を備えた分取分取Watersクロマトグラフィー系。0.1%のトリフルオロ酢酸を含む次の組成の水性アセトニトリルを、Waters Sunfire(登録商標) C−18カラム(150×30mm、5μm粒子径)を使用して50ml/分の流速で移動相として使用する:10%水性アセトニトリルで1分間定組成溶離、続いて1.5分間の10%水性アセトニトリルから60%水性アセトニトリルへの直線勾配、続いて7.5分間の60%水性アセトニトリルから95%水性アセトニトリルへの直線勾配、続いて1.0分間の95%水性アセトニトリルから100%アセトニトリルへの直線勾配。生成物の回収はMSシグナルにより始動させる。
【0215】
この一般的方法を使用して、次の化合物を製造する:
【表21】

【0216】
実施例17:
実施例11に準じて、次の化合物を、対応するサリチル酸誘導体と適当なアルキル化剤の反応により得る:
【表22】

【表23】

【0217】
【表24】

【表25】

【0218】
【表26】

【0219】
【表27】

【0220】
実施例18:FPPSに対するIC50
実施例17r)の化合物は、上に記載した“FPPS SPA”と呼ばれる試験系で次の生物学的特性を有する:IC50=12,48μM。
【0221】
実施例19:乾燥充填カプセル
各々先に記載した実施例の式Iの化合物の一つを活性成分として0.25g含む5000個のカプセルを次の通り製造する:
【表28】

製造法:記載した物質を粉砕し、0.6mmメッシュサイズの篩いを篩過させる。混合物の0.33gずつを、カプセル充填機を使用してゼラチンカプセルに入れる。
【0222】
実施例20:軟カプセル
各々先に記載した実施例の式Iの化合物の一つを活性成分として0.05g含む5000個の軟ゼラチンカプセルを次の通り製造する:
【表29】

製造法:活性成分を粉砕し、PEG 400(約380〜約420のMを有するポリエチレングリコール, Fluka, Switzerland)およびTween(登録商標)80(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、Atlas Chem. Ind. Inc., USA、供給者Fluka, Switzerland)に懸濁させ、湿式粉砕機(wet pulverizer)で約1〜3μmの粒子径まで挽く。混合物の0.43gずつを、カプセル充填機を使用して軟ゼラチンカプセルに入れる。
【0223】
実施例21:FPPS SPAに従う阻害:
【表30】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
温血動物におけるファルネシルピロホスフェート(pyrophosaphate)シンターゼ(FPPS)依存性障害の処置に使用するための、式I
【化1】

〔式中、Rは水素、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ハロ、−ORまたは−NRであり、ここで
Rは、2個存在するならば互いに独立して、水素、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルカノイル、非置換または置換アリール、非置換または置換アロイル、非置換または置換ヘテロシクリルまたは非置換または置換ヘテロシクリルカルボニル(ヘテロシクリル−C(=O)−)であり、
XはCRであり、ここで、Rは水素であるか、または、ナフチル環が式Iの分子の残りにその“a”と記した炭素を介して結合しているならば、水素またはハロであり、
またはXはCRであり、RおよびRは、一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ、
Yは水素であるか、またはRと一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ;
ただし、RとRまたはYとRのペアの最大で1個が上に定義した架橋を形成し;
は水素、ハロ、ヒドロキシル、エーテル化ヒドロキシルまたはエステル化ヒドロキシルであり;
各Rは、存在するならば、1個を超えるR部分が存在する場合、互いに独立して、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ヒドロキシル、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ハロ、アミノ、モノ−またはジ置換アミノ、ニトロまたはシアノであり;
各Rは、存在するならば、1個を超えるR部分が存在する場合、互いに独立して、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ヒドロキシル、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ハロ、アミノ、モノ−またはジ置換アミノ、ニトロまたはシアノであり;
pは0、1〜4の正数であり、
qは0〜3の正数であり、そして
rは1または2である。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
温血動物がヒトである、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
式IB
【化2】

〔式中、Rは水素、非置換アルキル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ハロ、−ORまたは−NRであり、ここで
Rは、2個存在するならば互いに独立して、水素、非置換または置換アルキル、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換アルカノイル、非置換または置換アリール、非置換または置換アロイル、非置換または置換ヘテロシクリルまたは非置換または置換ヘテロシクリルカルボニル(ヘテロシクリル−C(=O)−)であり、
XはCRであり、ここで、Rは水素またはハロであり、
またはXはCRであり、RおよびRは、一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ、
は、好ましくは水素であり;
Yは水素であるか、またはRと一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ;
ただし、RとRまたはYとRのペアの最大で1個が上に定義した架橋を形成し;
は水素、ヒドロキシル、エーテル化ヒドロキシルまたはエステル化ヒドロキシルであり;
各Rは、存在するならば、1個を超えるR部分が存在する場合、互いに独立して、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ヒドロキシル、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ハロ、アミノ、モノ−またはジ置換アミノ、ニトロまたはシアノであり、
各Rは、存在するならば、1個を超えるR部分が存在する場合、互いに独立して、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ヒドロキシル、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ハロ、アミノ、モノ−またはジ置換アミノ、ニトロまたはシアノであり、
pは0〜4の正数であり、
qは0〜3の正数であり、そして
rは1または2である。
ただし、R、RおよびRの少なくとも1個が、本態様に記載した水素以外の意味を有さなければならない。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
pおよびqの少なくとも1個が1である、請求項3に記載の式IBの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
が水素、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ハロ、−ORまたは−NRであり、ここで、
Rが、2個存在するならば互いに独立して、水素、非置換または置換アルキル、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換アルカノイル、非置換または置換アリール、非置換または置換アロイル、非置換または置換ヘテロシクリルまたは非置換または置換ヘテロシクリルカルボニル(ヘテロシクリル−C(=O)−)であり、
XがCRであり、ここで、Rが水素であるか、または、ナフチル環が式Iの分子の残りにその“a”と記した炭素を介して結合しているならば、水素またはハロであり、
またはXがCRであり、RおよびRは、一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ、
Yが水素であるか、またはRと一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ;
ただし、RとRまたはYとRのペアの最大で1個が上に定義した架橋を形成し;
が水素、ヒドロキシル、エーテル化ヒドロキシルまたはエステル化ヒドロキシルであり;
各Rが、存在するならば、1個を超えるR部分が存在する場合、互いに独立して、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ヒドロキシル、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ハロ、アミノ、モノ−またはジ置換アミノ、ニトロまたはシアノであり、
各Rが、存在するならば、1個を超えるR部分が存在する場合、互いに独立して、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ヒドロキシル、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ハロ、アミノ、モノ−またはジ置換アミノ、ニトロまたはシアノであり、
pが0〜4の正数であり、
qが0〜3の正数であり、そして
rが1または2である;
ただし、(i)Rが水素であり、XがC−Rであり、ここで、Rが水素であり、Rが水素であり、nが1であり、qが0であり、そしてpが1であるならば、Rは置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ヒドロキシル、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ハロ、アミノ、モノ−またはジ置換アミノ、カルボキシ、アシル、ニトロまたはシアノである(すなわち、非置換アルキルではない);および(ii)Rが水素以外のこの態様/請求項に定義した意味の一つを有し、そしてX、Y、R、R、R、n、qおよびrがただし書き(i)および(ii)の前にこの態様/請求項で定義した通りであるならば、は0(零)であってもよく(すなわち、水素のみが存在し、置換基Rが存在しない)またはpが1であってもよく、かつRが非置換アルキルであってもよい;
請求項1に記載の化合物、特に請求項3に記載の式IBの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
が非置換アルキル;アミノ−C−C−アルキル、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル、フェニル、C−C−アルカノイルおよび/またはフェニル−低級アルキル)−アミノ−C−C−アルキルおよびハロ−C−C−アルキルから成る群から選択される置換アルキル;非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ハロ、−ORまたは−NRであり、ここで、
Rが、2個存在するならば互いに独立して、水素、非置換または置換アルキル、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換アルカノイル、非置換または置換アリール、非置換または置換アロイル、非置換または置換ヘテロシクリルまたは非置換または置換ヘテロシクリルカルボニル(ヘテロシクリル−C(=O)−)であり、
XがCRであり、ここで、Rが水素であるか、または、ナフチル環が式Iの分子の残りにその“a”と記した炭素を介して結合しているならば、水素またはハロであり、
またはXがCRであり、RおよびRは、一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ、
Yが水素であるか、またはRと一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ;
ただし、RとRまたはYとRのペアの最大で1個が上に定義した架橋を形成し;
が水素、ヒドロキシル、エーテル化ヒドロキシルまたはエステル化ヒドロキシルであり;
各Rが、存在するならば、1個を超えるR部分が存在する場合、互いに独立して、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ヒドロキシル、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ハロ、アミノ、モノ−またはジ置換アミノ、ニトロまたはシアノであり、
各Rは、存在するならば、1個を超えるR部分が存在する場合、互いに独立して、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換シクロアルキル、ヒドロキシル、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ハロ、アミノ、モノ−またはジ置換アミノであり、
pが0〜4の正数であり、
qが0〜3の正数であり、そして
rが1または2である、
請求項1に記載の化合物、特に請求項3に記載の式IBの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
が非置換アルキル;アミノ−C−C−アルキル、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル、フェニル、C−C−アルカノイルおよび/またはフェニル−低級アルキル)−アミノ−C−C−アルキルおよびハロ−C−C−アルキルから成る群から選択される置換アルキル;非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロシクリル、ハロ、−ORまたは−NRであり、ここで、
Rが、2個存在するならば互いに独立して、水素、非置換または置換アルキル、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換アリールまたは非置換または置換ヘテロシクリルであり、
XがCRであり、ここで、Rが水素であるか、ナフチル環が式Iの分子の残りにその“a”と記した炭素を介して結合しているならば、水素またはハロであり、
またはXがCRおよびRおよびRは、一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ、
Yが水素またはRと一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ;
ただし、RとRまたはYとRのペアの最大で1個が上に定義した架橋を形成し;
が水素またはヒドロキシルであり;
各Rは、存在するならば、1個を超えるR部分が存在する場合、互いに独立して、非置換または置換アルキル、ヒドロキシル、エーテル化ヒドロキシル、ハロまたはシアノであり、
各Rは、存在するならば、1個を超えるR部分が存在する場合、互いに独立して、非置換または置換アルキル、ヒドロキシル、エーテル化ヒドロキシル、ハロまたはシアノであり、
pが0〜4の正数であり、
qが0〜3の正数であり、そして
rが1または2である、
請求項1に記載の化合物、特に請求項3に記載の式IBの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
が水素、C−C−アルキル、アミノ−C−C−アルキル、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル、フェニル、C−C−アルカノイルおよび/またはフェニル−低級アルキル)−アミノ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル(例えばトリフルオロメチル)、ハロ、C−C−アルコキシ、ヒドロキシ−C−C−アルコキシ、カルボキシ−C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、フェニル−またはナフチル−C−C−アルコキシ、アミノ、N−モノ−またはN,N−ジ−{C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、[N’,N’−ジ−(C−C−アルキル)−アミノ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、モノ−乃至トリ−[C−C−アルキルおよび/またはヒドロキシ]−C−C−シクロアルキル、フェニル、ナフチル、モノ−乃至トリ−[C−C−アルキル、ハロおよび/またはシアノ]−フェニル、モノ−乃至トリ−[C−C−アルキル、ハロおよび/またはシアノ]−ナフチル、C−C−アルカノイル、フェニル−C−C−アルキル、フェニル−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、[(C−C−アルキル)−C−C−シクロアルキル]−C−C−アルキル、[ヒドロキシ−C−C−シクロアルキル]−C−C−アルキル、[C−C−アルキル−ピロリジニル]−C−C−アルキル、[テトラヒドロフラニル−C−C−アルキル、チオフェニル−C−C−アルキル、ピリジニル−C−C−アルキル、C−C−アルキルピラゾリジニル、ピリジニルおよび/またはC−C−アルキルピペリジニル}−アミノ、(または特に)フェニル、ナフチル、モノ−、ジ−またはトリ−(C−C−アルキル)−フェニルまたは−ナフチル、ヒドロキシル−C−C−アルキル−フェニルまたは−ナフチル、モノ−、ジ−またはトリ−(ハロ)−フェニルまたは−ナフチル、ヒドロキシフェニル、ヒドロキシナフチル、モノ−、ジ−またはトリ−(C−C−アルコキシ)−フェニルまたは−ナフチル、ハロ−C−C−アルコキシ−フェニルまたは−ナフチル(例えばトリフルオロメトキシフェニル)、C−C−アルカノイル−フェニルまたは−ナフチル、アジド−C−C−アルキルフェニル、アミノ−C−C−アルキルフェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル、ピロリル、2,5−ジ−(C−C−アルキル)ピロリル、ピロリジニル、オキソピロリジニル、モノ−またはジ−C−C−アルキルピロリジニル、フラニル、ピペリジニル、C−C−アルコキシピリジニル、ヒドロキシ−C−C−アルキルピペリジニル(特に−ピペリジノ)、ピペラジニル、特にピペラジノ、C−C−アルキルピペラジニル、特に−ピペラジノ、C−C−アルキル−ピペラジニル、特に−ピペラジニル、モルホリニル、特にモルホリノ、チオモルホリニル、特にチオモルホリノ、S−オキソ−チオモルホリニル、特にS−オキソ−チオモルホリノ、S,S−ジオキソチオモルホリニル、特にS,S−ジオキソ−チオモルホリノ、アゼパニル、特にアゼパン−1−イル、C−C−アルキル−1,4−ジアゼパニル、特に−ジアゼパン−1−イル、インドリル、インドリル、N−(C−C−アルキル)−インドリル、ベンゾフラニルまたはベンゾチオフェニルであり、
XがCRであり、ここで、Rが水素であるか、または、ナフチル環が式Iの分子の残りにその“a”と記した炭素を介して結合しているならば、水素またはハロ、好ましくは水素であり;
またはXがCRであり、RおよびRは、一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ、
Yが水素であるか、またはRと一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ、
ただし、RとRまたはYとRのペアの最大で1個が上に定義した架橋を形成し;
が水素またはヒドロキシルであり、
各Rおよび/またはRは、存在するならば、1個を超えるRおよび/またはR部分が存在する場合は互いに独立して、C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、ヒドロキシ、トリ−(C−C−アルキルシリル)−C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ、ハロ、C−C−アルコキシカルボニルまたはシアノであり;
pが0、1または2であり、
qが0、1または2であり、そして
rが1または2、好ましくは1である、
請求項1に記載の化合物、特に請求項3に記載の式IBの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
がC−C−アルキル、アミノ−C−C−アルキル、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル、フェニル、C−C−アルカノイルおよび/またはフェニル−低級アルキル)−アミノ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ、C−C−アルコキシ、ヒドロキシ−C−C−アルコキシ、カルボキシ−C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、フェニル−またはナフチル−C−C−アルコキシ、アミノ、N−モノ−またはN,N−ジ−{C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、[N’,N’−ジ−(C−C−アルキル)−アミノ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、モノ−乃至トリ−[C−C−アルキルおよび/またはヒドロキシ]−C−C−シクロアルキル、フェニル、ナフチル、モノ−乃至トリ−[C−C−アルキル、ハロおよび/またはシアノ]−フェニル、モノ−乃至トリ−[C−C−アルキル、ハロおよび/またはシアノ]−ナフチル、C−C−アルカノイル、フェニル−C−C−アルキル、フェニル−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、[(C−C−アルキル)−C−C−シクロアルキル]−C−C−アルキル、[ヒドロキシ−C−C−シクロアルキル]−C−C−アルキル、[C−C−アルキル−ピロリジニル]−C−C−アルキル、[テトラヒドロフラニル−C−C−アルキル、チオフェニル−C−C−アルキル、ピリジニル−C−C−アルキル、C−C−アルキルピラゾリジニル、ピリジニルおよび/またはC−C−アルキルピペリジニル}−アミノ、(または特に)フェニル、ナフチル、モノ−、ジ−またはトリ−(C−C−アルキル)−フェニルまたは−ナフチル、ヒドロキシル−C−C−アルキル−フェニルまたは−ナフチル、モノ−、ジ−またはトリ−(ハロ)−フェニルまたは−ナフチル、ヒドロキシフェニル、ヒドロキシナフチル、モノ−、ジ−またはトリ−(C−C−アルコキシ)−フェニルまたは−ナフチル、ハロ−C−C−アルコキシ−フェニルまたは−ナフチル(例えばトリフルオロメトキシフェニル)、C−C−アルカノイル−フェニルまたは−ナフチル、アジド−C−C−アルキルフェニル、アミノ−C−C−アルキルフェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル、ピロリル、2,5−ジ−(C−C−アルキル)ピロリル、ピロリジニル、オキソピロリジニル、モノ−またはジ−C−C−アルキルピロリジニル、フラニル、ピペリジニル、C−C−アルコキシピリジニル、ヒドロキシ−C−C−アルキルピペリジニル(特に−ピペリジノ)、ピペラジニル、特にピペラジノ、C−C−アルキルピペラジニル、特に−ピペラジノ、C−C−アルキル−ピペラジニル、特に−ピペラジニル、モルホリニル、特にモルホリノ、チオモルホリニル、特にチオモルホリノ、S−オキソ−チオモルホリニル、特にS−オキソ−チオモルホリノ、S,S−ジオキソチオモルホリニル、特にS,S−ジオキソ−チオモルホリノ、アゼパニル、特にアゼパン−1−イル、C−C−アルキル−1,4−ジアゼパニル、特に−ジアゼパン−1−イル、インドリル、インドリル、N−(C−C−アルキル)−インドリル、ベンゾフラニルまたはベンゾチオフェニルであり、
XがCRであり、ここで、Rが水素であるか、またはナフチル環が式Iの分子の残りにその“a”と記した炭素を介して結合しているならば、水素またはハロであり、
またはXがCRであり、RおよびRは、一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ、
Yが水素であるか、またはRと一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ;
ただし、RとRまたはYとRのペアの最大で1個が上に定義した架橋を形成し;
が水素またはヒドロキシルであり、
各Rおよび/またはRが、存在するならば、1個を超えるRおよび/またはR部分が存在する場合は互いに独立して、C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、ヒドロキシ、ハロ、C−C−アルコキシカルボニル、シアノまたはトリ−(C−C−アルキルシリル)−C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシであり;
pが0、1または2であり、
qが0、1または2であり、そして
rが1または2、好ましくは1である、
請求項1に記載の化合物、特に請求項3に記載の式IBの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
がメチル、アミノメチル、トリフルオロメチル、フェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、2,4−ジメチル−フェニル、2,6−ジメチルフェニル、3−(ヒドロキシメチル)フェニル、4−(ヒドロキシメチル)−フェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロ−フェニル、4−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、2,6−ジメトキシ−フェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル、4−アセチルアミノフェニル、3−ホルミルフェニル、3−アジドメチルフェニル、3−アミノメチルフェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル、ピロール−1−イル、2,5−ジメチル−ピロール−1−イル、ピロリジノ、2−オキソピロリジノ、2,5−ジメチルピロリジノ、フラン−3−イル、ピペリジノ、3−ヒドロキシメチルピペリジノ、ピペラジノ、4−メチルピペラジノ、4−アセチル−ピペラジノ、モルホリノ、2−メトキシ−ピリジン−3−イル、アゼパン−1−イル、4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル、インドール−5−イル、インドール−4−イル、N−メチル−インドール−5−イル、1−ベンゾフラン−2−イル、1−ベンゾチオフェン−3−イル、ブロモ、クロロ、メトキシ、3−メチル−n−ブトキシ、2−ヒドロキシ−エトキシ、カルボキシメチルオキシ、トリフルオロメトキシ、ベンジルオキシ、N−メチルアミノ、N−エチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−(n−プロピル)−アミノ、N−(2,2−ジメチルプロピル)−アミノ、N−(1,2,2−トリメチルプロピル)−アミノ、N−(1−(エチル)−n−プロピル)−アミノ、N−(2−ヒドロキシエチル)−アミノ、N−(3−ヒドロキシプロピル)−アミノ、N−(2−メトキシエチル)−アミノ、N−(3−メトキシプロピル)−アミノ、N−(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミノ、N−(2−メトキシエチル)−N−メチル−アミノ、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル−アミノ、N−ベンジルアミノ、N−シクロプロピルメチル−アミノ、N−シクロヘキシルメチル−アミノ、N−(1−シクロヘキシル−エタン−1−イル)−アミノ、N−シクロプロピルメチル−N−(n−プロピル)−アミノ、N−[2−(N’,N’−ジエチルアミノ)−エチル]−N−メチル−アミノ、N−フェニルアミノ、N−(2−メチルフェニル−アミノ、N−(4−メチルフェニル)−アミノ、N−(2,6−ジメチルフェニル)−アミノ、N−(ナフタリン−2−イル)−アミノ、N−(4−イソプロピルフェニル)−アミノ、N−(2−フルオロフェニル)−アミノ、N−(2−クロロフェニル)−アミノ、N−(3−クロロフェニル)−アミノ、N−(2−シアノフェニル)−アミノ、N−(3−クロロ(chlor)フェニル)−N−メチル−アミノ、N−(シクロブチル)−アミノ、N−(シクロペンチル)−アミノ、N−(シクロヘプチル)−アミノ、N−(4−メチル−シクロヘキシル)−アミノ、N−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−アミノ、N−[3−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−プロピル]−アミノ、N−(テトラヒドロフラン−2−イルメチル)−アミノ、N−(チオフェン−2−イルメチル)−アミノ、N−[2−(ピリジン−2−イル)−エチル]−N−メチル−アミノ、N−(1−メチルピラゾリジン−5−イル)−アミノ、N−(ピリジン−2−イル)−アミノ、N−(ピリジン−3−イル)−アミノ、N−(ピリジン−4−イル)アミノまたはN−(1−メチルピペリジン−4−イル)−アミノであり(ここで、アスタリスク()を付した部分は好ましくは各キラル炭素が異性体純粋な形態、すなわち、R−またはS−形態として存在する形態として存在できる);
XがCRであり、ここで、Rが水素であるか、または、ナフチル環が式Iの分子の残りにその“a”と記した炭素を介して結合しているならば、水素、クロロまたはブロモであり、
またはXがCRであり、RおよびRは、一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ、
Yが水素またはRと一体となって、式#CH=CH−CH=C#Hの架橋を形成し(これは#を付した炭素で結合する)、それにより縮環ベンゾ基を完成させ;
ただし、RとRまたはYとRのペアの最大で1個が上に定義した架橋を形成し;
が水素またはヒドロキシルであり、
各Rおよび/またはRが、存在するならば、1個を超えるRおよび/またはR部分が存在する場合は互いに独立して、メチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシル、3−(2−トリメチルシリル−エトキシ−メトキシ、クロロ、メトキシカルボニルまたはシアノであり;
pが0または1であり、
qが0または1であり、そして
rが1である、
請求項1に記載の化合物、特に請求項3に記載の式IBの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
次の名前を有する化合物から成る群から選択される、式Iの化合物:
4−(2−メチル−フェニル)−2−(ナフタリン−1−イルメトキシ)−安息香酸、
4−フェニル−2−(ナフタリン−1−イルメトキシ)−安息香酸、
4−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−2−(ナフタリン−1−イルメトキシ)−安息香酸、
4−(3−アミノメチル−フェニル)−2−(ナフタリン−1−イルメトキシ)−安息香酸、
4−(2−オキソピロリジノ)−2−(ナフタリン−1−イルメトキシ)−安息香酸、
4−ピロロ−2−2−(ナフタリン−1−イルメトキシ)−安息香酸、
4−ピペリジノ−2−(ナフタリン−1−イルメトキシ)−安息香酸、
4−フェニルアミノ−2−(ナフタリン−1−イルメトキシ)−安息香酸、
4−(4−カルバモイル−フェニル)−2−(ナフタリン−1−イルメトキシ)−安息香酸、
2−(5−シアノ−ナフタリン(napthalin)−1−イル−メトキシ)−安息香酸、
4−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−(ナフタリン−1−イルメトキシ)−安息香酸、
4−カルボキシメトキシ−2−(ナフタリン−1−イルメトキシ)−安息香酸
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
次の表に示す化合物から成る群から選択される、式Iの化合物;
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
FPPS依存性疾患の処置に使用するための、式
【化3】

を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩および少なくとも1個の薬学的に許容される担体物質を含む、製剤。
【請求項15】
FPPS依存性疾患の処置用製剤の製造のための、請求項1〜13のいずれかに記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項16】
FPPS依存性疾患の処置方法であって、請求項1〜13のいずれかに記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を治療有効量で特に処置を必要とする温血動物、特にヒトに投与することを含む処置方法。
【請求項17】
請求項1〜13のいずれかに記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩と少なくとも1個の薬学的に許容される担体物質を混合することを含む、FPPS依存性疾患の処置用製剤の製造方法。

【公表番号】特表2012−505185(P2012−505185A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530507(P2011−530507)
【出願日】平成21年10月12日(2009.10.12)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063257
【国際公開番号】WO2010/043584
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】