説明

ファンデーション等の衣料

【課題】黄変したりすることなく通気性にも優れ、かつ所定の形状を長期間維持することができ、保形性に優れているのは勿論のこと、着用感やファッション性の点でも優れた装身用成形体を用いたファンデーション等の衣料を提供する。
【解決手段】表面層部と裏面層部とを中間中空層部を構成する連結糸で互いに接続した立体中空状の布地を、所定の形状に加熱プレス成形することにより成形された装身用成形体を用いたファンデーション等の衣料において、前記装身用成形体9は、予め所定の形状に裁断された立体中空状の布地を人体膨出形状に対応した三次元形状に加熱プレス成形することにより形成され、前記装身用成形体を熱プレス成形するためのモールド形状は、外向きの人体膨出部を内向きに寄せるとともに、上向きにアップさせる形状に形成して課題を解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、衣料用の各種パッドや、ブラジャー・ボデイスーツ等の女性用衣服の一部又は全部を構成する装身用成形体に関し、特に立体中空状の編織地布を用い、モールド成型等により成形される装身用成形体を用いたファンデーション等の衣料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装身用成形体は、衣料用の乳房パッドや肩パッド等の各種のパッド、あるいはブラジャー、ボデイスーツ、ブラスリップ、キャミソール、ガードル、水着などの女性用衣服等において、乳房や肩などの部位を構成する部材のように、当該女性用衣服などの一部又は全体を構成するものとして、広く使用されている。これらの衣料用の各種パッドや女性用衣服は、乳房や肩などの形を整えたり、プロポーションを美しく見せるため、ブラジャーやボデイスーツ等の胸部や肩部等に、モールド成型などにより成形された乳房パッドや肩パッド等を装着したり、乳房受けカップ等を構成する部材を、モールド成型などにより成形するように構成されている。
【0003】
そして、このような衣料用の各種パッドや女性用衣服等の一部又は全部を構成する装身用成形体としては、例えば、ポリウレタン発泡体、ポリエチレン発泡 体、ポリ塩化ビニル発泡体等の種々の合成樹脂発泡体をそのまま所定の形状にモールド成型等により成形したものや、これらの合成樹脂発泡体で形成した芯体の表面を適当な不織布や生地等からなる表地で被覆したもの、あるいはファイバーフィルのシート体を芯体として所定の形状にモールド成型等により成形したものなどが使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−199104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上述した従来の装身用成形体のうち、前者のポリウレタン等の合成樹脂発泡体を用いた装身用成形体の場合には、合成樹脂発泡体が黄変しやすいばかりか通気性の点で劣り、長期間白色性を維持するのが困難であったり、高温高湿環境下等において衣服内気候を快適に維持するのが困難であるという問題点を有していた。
【0006】
特に、上記ポリウレタン等の合成樹脂発泡体を用いた装身用成形体の場合には、単層構造であるため、二層構造ないし中空層構造として、表裏の機能分離が可能であるとともに、中空層を持つことにより、被服内気候のコントロール性に優れ、例えば、中間中空層部14を当該表面層部11及び裏面層部12の編み目組織(又はこれをカバーする表着など)によって保温性、又は空冷性を持たせることを可能とするという要求には、到底応えることができないものであった。
【0007】
また、上述した従来の装身用成形体のうち、後者のファイバーフィルのシート体を芯体として用いた装身用成形体の場合には、シート体を構成する繊維が横に寝てしまうため、保形性の点で劣り、乳房等の形状を美しく創出するのが困難であるという問題点を有していた。
【0008】
そこで、本出願人は、上記の問題点を解決し、黄変したりすることなく通気性にも優れ、かつ所定の形状を長期間維持することができ、保形性に優れた装身用成形体を提供するため、特願平10−373142号公報(特開2000−199104号公報)に開示されたものを既に提案している。
【0009】
この特開2000−199104号公報に係る装身用成形体は、身体に装着するために用いる装身用成形体であって、表面層部と裏面層部とを中間中空層部を構成する連繋糸で互いに接続した立体中空状の布地を、所定の形状に加熱圧縮成形することにより形成されたものである。
【0010】
しかしながら、上記特開2000−199104号公報に係る装身用成形体の場合には、表面層部と裏面層部とを中間中空層部を構成する連繋糸で互いに接続した立体中空状の布地を、所定の形状に加熱圧縮成形することにより形成されたものであり、黄変したりすることなく通気性にも優れ、かつ所定の形状を長期間維持することができ、保形性に優れているが、表面層部と裏面層部を構成する素材や組織について考慮されていなかったため、着用感やファッション性の点で十分でないという問題点があった。
【0011】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、黄変したりすることなく通気性にも優れ、かつ所定の形状を長期間維持することができ、保形性に優れているのは勿論のこと、着用感やファッション性の点でも優れた装身用成形体を用いたファンデーション等の衣料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、表面層部と裏面層部とを中間中空層部を構成する連結糸で互いに接続した立体中空状の布地を、所定の形状に加熱プレス成形することにより成形された装身用成形体を用いたファンデーション等の衣料において、
前記装身用成形体は、予め所定の形状に裁断された立体中空状の布地を人体膨出形状に対応した三次元形状に加熱プレス成形することにより形成され、前記装身用成形体を熱プレス成形するためのモールド形状は、外向きの人体膨出部を内向きに寄せるとともに、上向きにアップさせる形状に形成されていることを特徴とするファンデーション等の衣料である。
【0013】
また、請求項2に記載された発明は、前記装身用成形体の表面層部と裏面層部が機能分離されていることを特徴とする請求項1に記載のファンデーション等の衣料である。
【0014】
さらに、請求項3に記載された発明は、前記装身用成形体は、編組織を帯状に切り替えることにより形成された伸び難い部分と伸び易い部分とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のファンデーション等の衣料である。
【0015】
又、請求項4に記載された発明は、前記装身用成形体の表面層部は、装飾的機能を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかにに記載のファンデーション等の衣料である。
【0016】
更に、請求項5に記載された発明は、前記装身用成形体の裏面層部を構成する糸として、肌当たりと吸汗性に優れたものを採用したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のファンデーション等の衣料である。
【0017】
本発明は、上記の如く表面層部と裏面層部とを備えた二層構造体である事を基本的に利点とするものであり、人体に直接接触する内面の衛生的並びに触感的特性を満足させる構造と、表面層部によって消費者の視覚的且つ美的特性を満足させる構造を単なるリバーシブルでなく必要な間隔(空間)を以って平行デザインする利点をデザインしたものである。此れは結果として商品に求められる安全性を高めるものである。
【0018】
なお、上記立体中空状の布地としては、立体二重編機等によって編成された編地布が用いられるが、これに限定されるものではなく、織地布からなるものを用いても勿論よい。
【0019】
上記請求項1に記載された発明は、身体に装着するために用いる装身用成形体に関するものであるが、身体は、円筒形状的であり、且つバストやヒップなど起伏を有するものであるため、かかる身体(人体)に適合する二層構造編物は、外面は大きく、内面は小さい。
【0020】
また、原則として、編組織であり、プレス成形条件から表面編み組織(糸加工を含む)は、より伸張性並びに成形性の高い編み組織であること、内面の編み組織は、伸張性は表面の編み組織と同じ又は以下で伸張力並びに保形性は高いことが望ましい。中間中空層部を構成する連結糸は、X字状又はO字状が望ましい。
【0021】
また、この発明に係るファンデーション等の衣料は、単に身体に装着するためではなく、人体の補正機能をも備えていることが望ましい。人体の補正機能から求められる編み組織は、伸びるところと、伸びないところを有し、編み基本組織をボーダー状に切り替え、ソフトな部分、ハードな部分を構成するのが望ましく、又、補正を必要とする部分、必要としない部分を構成するようにしても良い。
【0022】
さらに、この発明に係るファンデーション等の衣料は、人体の運動性、衛生性(着用感)から求められる編み組織であることが望ましく、装着して気持ち良いこと、快適であり、装身用成形体の総体が皮膚条件をもつ二層構造編物であることが望ましい。装身用成形体の表裏を構成する編み組織に、エラスティックヤーンを一部又は全体に使用し、内面は、吸汗性且つ衛生的素材(編み糸)を使用し、外面は、発散性の高い素材(編み糸)を使用するのが望ましい。
【0023】
また更に、この発明に係るファンデーション等の衣料は、商品付加価値から求められる編み組織であることが望ましく、機能性があり、格好がよく、二層構造編物には、製品特性から必要箇所に必要な素材を用い、必要なパターン化された布地等を接着し、又は同時に成形するのが望ましい。
【0024】
装身用成形体は、例えば、衣料用の乳房パッドや肩パッド等の各種のパッド、あるいはブラジャー、ボデイスーツ、ブラスリップ、キャミソール、ガードル、水着などの女性用衣服等の製品において、その芯体として用いられるが、これに限らず、衣料用の乳房パッドや肩パッド等の各種のパッド、あるいはブラジャー、ボデイスーツ、ブラスリップ、キャミソール、ガードル、水着などの女性用衣服等の製品そのものとして用いても良いことは勿論である。
【0025】
前記立体中空状の布地の中間中空層部には、保形用のボーンを挿入するように構成しても良い。
【0026】
また、前記中間中空層部を構成する連結糸は、例えば、表面層部と裏面層部との間に、X字形状又はO字形状に配置されている。
【発明の効果】
【0027】
この発明は、以上説明したように、黄変したりすることなく通気性にも優れ、かつ所定の形状を長期間維持することができ、保形性に優れているのは勿論のこと、着用感やファッション性の点でも優れたファンデーション等の衣料を提供することができる。
【0028】
この発明のファンデーション等の衣料によれば、装身用成形体を形成する布地自体が立体中空状の布地であるため、合成樹脂発泡体を使用した場合のように黄変したりすることがなく、しかも立体中空状の布地は、表面層部と裏面層部とを連繋糸で互いに接続した中間中空層部を具えており、通気性にも非常に優れ、更に表面層部や裏面層部、あるいは中間中空層部を形成する繊維として熱セット性に優れた繊維を使用することにより、所定の形状を長期間維持することができ、保形性に優れたファンデーション等の衣料を提供することができる。
【0029】
また、この発明のファンデーション等の衣料によれば、上記の作用に加えて、前記表面層部及び裏面層部の少なくとも一方を構成する組織を、前記装身用成形体の少なくとも一部において変化させることにより、装身用成形体に求められる種々の機能、例えば、肌当たりの良さや、吸汗性などの着用感に関する機能、あるいは商品としての付加価値やファッション性などの機能、更にストレッチ性などの運動機能などを満たすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の実施の形態1に係る装身用成型体を適用したファンデーション等の衣料としてのブラジャーを示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る装身用成型体を適用したブラジャーのカップ部を示す下方から見た構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る装身用成型体を適用したブラジャーのカップ部を示す外観斜視図である。
【図4】立体中空状の布地をそれぞれ示す断面図である。
【図5】立体中空状の布地をそれぞれ示す断面図である。
【図6】立体中空状の布地をそれぞれ示す断面図である。
【図7】立体中空状の布地をそれぞれ示す断面図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係る装身用成型体を適用したブラジャーのカップ部の処理例を示す説明図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係る装身用成型体を適用したブラジャーのカップ部の製造装置を示す断面図である。
【図10】この発明の実施の形態1に係る装身用成型体を適用したブラジャーを示す構成図である。
【図11】この発明の実施の形態1に係る装身用成型体を適用したブラジャーを示す構成図である。
【図12】人体骨格を示す説明図である。
【図13】この発明の実施の形態1に係る装身用成型体を適用したブラジャーのカップ部を示す説明図である。
【図14】この発明の実施の形態1に係る装身用成型体を適用したブラジャーのカップ部を示す説明図である。
【図15】この発明の実施の形態2に係る装身用成型体を適用したブラジャーのカップ部を示す構成図である。
【図16】この発明の実施の形態2に係る装身用成型体を適用したブラジャーのカップ部を示す構成図である。
【図17】この発明の実施の形態2に係る装身用成型体を構成する編み地を示す構成図である。
【図18】この発明の実施の形態3に係る装身用成型体を適用したブラジャーのカップ部を示す構成図である。
【図19】この発明の実施の形態3に係る装身用成型体を適用したガードルを示す構成図である。
【図20】この発明の実施の形態4に係る装身用成型体を適用したブラジャーのカップ部を示す構成図である。
【図21】この発明の実施の形態4に係る装身用成型体を適用したブラジャーのカップ部を示す構成図である。
【図22】この発明の実施の形態5に係る装身用成型体を適用したブラジャーのカップ部を示す構成図である。
【図23】この発明の実施の形態5に係る装身用成型体を適用したブラジャーのカップ部を示す構成図である。
【図24】この発明の実施の形態5に係る装身用成型体を適用したブラジャーのカップ部を示す構成図である。
【図25】この発明の実施の形態5に係る装身用成型体を適用したブラジャーの要部を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0032】
実施の形態1
図1はこの発明の実施の形態1に係る装身用成形体を適用したファンデーション等の衣料としてのブラジャーを示すものである。
【0033】
図1において、1は女性用下着としてのブラジャーを示すものであり、このブラジャー1は、女性の左右のバストをそれぞれ覆う左右のバストカップ部2、3を備えている。これらの左右のバストカップ部2、3は、当該左右のカップ部 2、3の下側に縫着された前身頃部4によって、一体的に連結されており、この前身頃部4の左右両側には、女性の胴囲に固定される後身頃部5、6がそれぞれ縫着されている。なお、上記前身頃部4は、左右に分割されたものを、中央部で縫い合わせたものでも、あるいは左右の前身頃部を一体的に形成してものであっても良い。この前身頃部4の左右両側にそれぞれ縫着された左右の後身頃部5、6の先端部には、フックやアイ等からなる図示しない係止具が、縫着等の手段によって取り付けられているが、フックやアイ等の係止具を用いずに、左右の後身頃部5、6が女性の胴囲の背面側で一体的に連結されているものであっても良 い。また、上記左右のバストカップ部2、3の三角形状に形成された上端部に は、女性の肩に掛けるストラップ7、8がそれぞれ装着されている。
【0034】
この実施の形態1に係る装身用成形体9は、図1に示すように、例えば、左右のバストカップ部2、3のみを構成するために用いられるが、これに限定される訳ではなく、左右のバストカップ部2、3と前身頃部4を一体的に形成してもよく、左右のバストカップ部2、3と前身頃部4と後身頃部5、6を一体的に形成してもよい。また、これら以外にも、上記装身用成形体9は、前身頃部4や後身頃部5、6の単体を形成するパーツや、前身頃部4と後身頃部5、6を一体的に形成するために用いてもよい。
【0035】
上記左右のバストカップ部2、3を構成する装身用成形体9は、図3に示すように、合成繊維からなる立体中空状の編地布10をモールド成型することによって、女性の体のバストの形状に合うよう、バストトップ部Tにかけて略円錐形状に形成されている。また、上記立体中空状の編地布10は、図4に示すように、立体二重編機を用いたダブルラッセル編等によって二層構造に形成されている。この立体中空状の編地布10は、カップ部2、3の表面側に位置し、凸側の面を構成する部分である表面層部11と、カップ部2、3の裏面側に位置し、凹側の面を構成する部分である裏面層部12と、表面層部11と裏面層部12とをX字形状の連結糸13で接続するとともに、カップ部2、3の空間を構成する部分である中間中空層部14とから構成されている。なお、上記中間中空層部14を構成するX字形状の連結糸13は、図4(a)に示すように直線状に設けても、図4(b)に示すように曲線状に設けてもどちらでも良い。また、上記立体中空状の編地布10は、図4に示すように、2層構造であっても、図5に示すように、中間中空層部14を仕切り部15aによって仕切り、3層構造またはそれ以上の多層構造としてもよい。
【0036】
上記立体中空状の編地布10の表面層部11は、図6に示すように、モールド成型等の熱成形時に、成形性並びに熱セット性が高い組織及び糸使いとし、少なくとも裏面層部12より膨出性が高く、製品としてのブラジャー1の表面を構成するのに相応しい組織及び糸使いとするのが望ましい。この表面層部11は、例えば、糸に伸張性(嵩高性)を持たせたウーリー加工のポリエステル又はポリアミド系糸等が使用される。また、裏面層部12は、モールド成型等の熱成形時の成形性が、表面層部11側に比べて熱量等の点で同じか又はそれ以上で保形性の高い組織及び糸使いとするとともに、着用感を考慮して、綿糸等を交編した組織及び糸使いとするのが望ましい。この裏面層部12は、例えば、保形性が高いタテ編のラッセル編やトリコット編等によって形成され、当該裏面層部12を構成する糸としては、例えば、ポリエステル系糸やポリアミド系糸等が使用されると同時に、吸汗性を高めるために綿糸やシルク、あるいはキュプラ糸等を混入し、又は交編することが望ましい。なお、ラッセル編には、ラッセル機が使用され、トリコット編には、トリコット機が使用されるため、表面層部がラッセル編の場合には、裏面層部もラッセル編に、表面層部がトリコット編の場合には、裏面層部もトリコット編となる。また、肌当たりを良くするために、ウーリー糸等の使用も望ましい。さらに、中間中空層部14は、少なくとも製品として必要とする立体的な空間を成形時並びに製品として維持できる構成となっており、表面層部11を支持する張力及び弾性を高める組織及び糸使いとするのが望ましい。この中間中空層部14は、例えば、張力や弾性が高いポリエステル系のモノフィラメント糸等が使用されるが、使用糸のデニールによって連繋糸13の密度は当然異なるため限定できないが、ブラジャー等の製品としての付加価値をもった表裏を構成する密度レベルとすることが望ましい。これらの中間中空層部14の密度 は、通気性を要求するものであれば相対的に低く設定され、保温性や成形性を要求するものであれば相対的に高く設定される。
【0037】
上記中間中空層部14を構成する連繋糸13の走りは、表面層部11と裏面層部12を接続するものであり、これら表面層部11及び裏面層部12に対して、成形時の圧力によって連繋糸13が滑らかに変形するように、70度〜110度の範囲でX字形状に交差するように接続するのが望ましい。また、上記中間中空層部14を構成する連繋糸13は、当該空間の保形性及び凸形状の弾力性、製品が必要とする体形の補正機能等の性能を満足するため、ポリエステル等の熱成形性の高い材質及びデニールを選ぶように設定されている。この連結糸13の太さとしては、例えば、50〜500デニールの太さの繊維が望ましい。
【0038】
さらに、上記中間中空層部14を構成する連繋糸13の走りは、上述したように、X字形状に交差するように接続するのが望ましい。これは、図7に示すように、中間中空層部14を構成する連繋糸13を表面層部11及び裏面層部12に対して直交するように配置した場合には、モールド成型する際に、連繋糸13が押圧力によって寝てしまい、所定の立体的な形状を維持するのが困難であるためや、肌に直接着用する下着では、直交する連繋糸13の頭部がモールド成型によって凸状化し、人体への刺激を与える欠点があるためである。この図7に示す例は、本発明では適切でない連結糸の構成を示す断面図である。
【0039】
また、上記表面層部11、裏面層部12及び中間中空層部14を構成する編糸の太さは、上述したように、目的とする成形体のソフト性や繊細性、又はハード性や目粗な状況などの求める条件に合わせて選択設計され、モノフィラメント糸又はマルチフィラメント糸のいずれでも良い。しかしながら、上記中間中空層部14を構成する連繋糸13には、張力及び弾性が求められるため、モノフィラメント糸を使用するのが望ましい。
【0040】
このように、上記ブラジャー1のカップ部2、3等の成形体は、多くが成形部(凸状部)に張力及び弾性が求められることから、連結糸13としては、製品が求める範囲に応じて、物理的、物性的高弾性が求められ、あるいはモノフィラメント糸を使用するのが望ましい。
【0041】
そのため、カップ部2、3等の成形体の切断面から連繋糸13が突出する虞れがある場合には、肌の刺激を防止する目的で、切断面から連繋糸13が突出するのを防止できる密度と強度のある素材で縫い包むか、あるいは図8に示すように、切断面をカバーする包装帯(パイピング)15を設けるのが望ましい。また、上記の如く、ダブルラッセル等による製品又はパッド体のエッジは、中空連結糸の露出を防止するためにパイピング方式(縫製・接着の手段で)が望ましいが、ダブルラッセル等による製品又はパッド体のエッジを、シリコン樹脂等の人体に影響が少ない樹脂の塗布またはコーティングによって、カバーすることにより、そのまま製品化(縫製等によりテープを打た無くとも良い)してもよい。
【0042】
上記立体中空状の編地布10の表面層部11は、製品としてのブラジャーの装飾機能を兼ね備えたものであり、刺繍等を施したものを用いてもよい。
【0043】
また、上記立体中空状の編地布10の表面層部11及び裏面層部12の少なくとも一方を構成する組織の目の粗さを、カップ部2、3の少なくとも一部において変化させるように構成してもよい。例えば、ブラジャー1のカップ部2、3の通気性を要求する部分は、表面層部11及び裏面層部12の編み地の目を粗くするとともに、当該カップ部2、3の保形性を要求する部分、バストの下端部や体側部などは、表面層部11及び裏面層部12の編み地の目を細かくして、剛性を高めるように構成してもよい。
【0044】
なお、上記表面層部11及び裏面層部12、特に女性の体に直接接触する裏面層部12には、綿糸等を使用するのが望ましい。また、上記表面層部11及び裏面層部12は、編み組織として、平編み、リブ編み、パイル編み等であってもよい。さらに、編み機の種類としては、タテ編み機として、ラッセル機、トリコット機、ミラニーズ機などが、ヨコ編み機としては、横編み機、丸編み機、靴下編み機等が用いられる。これらのうち、二層編みには、例えば、ラッセル機、トリコット機、並びに丸編み機にて編まれたものが用いられる。上記X字形状の中間中空層部14の厚みは、例えば、1〜10mm程度に設定されるが、これより薄くても厚くてもよいことは勿論である。
【0045】
このブラジャー1のカップ部2、3の製造は、先ず、立体中空状の編地布10を所定の大きさ及び形状にカットする。ここで、上記立体中空状の編地布10をカットする形状としては、成形形状に合わせてカットするのが前提であり、例えば、絞りの深い形状のものは、成形性を高めると同時に必要とする形状に容易に創出するための引込み量を計算して、余裕のある大きさ及び形状とする。また、プレス成形機の被成形編地の固定方式(押さえ)にあった形状とすること、さらには成形の製品形状が例えばブラジャーの身頃を一体とする場合の形状では、プレス成形機の機能にもよるが、ほぼ製品形状にカットする。そして、このようにカットされた又はほぼ製品化された立体中空状の編地布10を、図9に示すようにプレス成形機16にセットし、所定の条件で加熱圧縮成形してカップ部2、3を成形することにより製造する。なお、プレス工程は、略製品パターンで裁断されたもの、略ピース取り可能な長方形に裁断されたものをプレスする方式と、略製品化されたものをプレスする方式とがあり、主にこれらのプレスする方式は、商品特性並びに効率性から選択される。
【0046】
ところで、上記実施の形態1に係る装身用成形体9としては、図2に示すように、バストを支えたり、バストを寄せる等のバストの補整機能を司る左右のバストカップ部2、3と前身頃部4を一体的に形成したものを用いることが望まし い。また、これら左右のバストカップ部2、3と前身頃部4を一体的に形成した装身用成形体9は、人体骨格に有機的に対応するため、三次元形状に形成するのが望ましい。上記装身用成形体9は、左右のバストカップ部2、3の基底部2 a、3aが、バストを支える作用を発揮する領域となっているとともに、左右のバストカップ部2、3の体側部2b、3bが、バストを寄せる作用を発揮する領域となっている。
【0047】
上記左右のバストカップ部2、3と前身頃部4を一体的に形成した装身用成形体9は、図1及び図2に示すように、その表面層部11が装飾を兼ね備えた表地としての役割を果たしており、その裏面層部12は、直接、人体に接触するた め、衛生面や肌当たり等を考慮した役割を果たしている。そのため、上記装身用成形体は、これらに適用可能なように、その表裏面層の編及び組成等のすべてのデザインが採り入れられる。
【0048】
また、上記装身用成形体9は、バストカップ部2、3そのものを形成しても良いが、バストカップ部2、3の芯体として用いても良い。さらに、前述したように、バストカップ部2、3と前身頃部4等を一体的に形成しても良い。この場合、バストカップ部2、3と前身頃部4等を一体的に形成する装身用成形体9は、図10に示すように、バストカップ部2、3の全体を構成しても、図11に示すように、バストカップ部の1/2〜1/3を構成しても、或いはバストカップ部の1/3〜1/2を構成してもよい。
【0049】
さらに、上記装身用成形体9は、図2に示すように、人体骨格に有機的に対応する三次元形状に形成されている。この点、従来のバストカップ部2、3を構成するバストパッド等の芯体は、バストの基底部を平面としてモールド型が作成されており、このモールド型を用いてモールド成形により熱セットされていた。すなわち、従来のバストカップ部2、3を構成するバストパッド等の芯体は、その基底部が平面となるようにモールド成形されていた。
【0050】
しかし、人体骨格20のバスト基底部21は、図12に示すように、平面状ではなく、曲面状に湾曲しており、この曲面状に湾曲したバスト基底部21に、略円錐形状に突出したバスト22が交わるようになっている。なお、図12は、女性の人体骨格20をバスト基底部21と、ウエスト部と、ヒップ部とで、それぞれ断面をとったものを示すものである。そのため、この実施の形態に係る装身用成形体9は、そのバスト基底部21が人体骨格20に対応して曲面状に湾曲したモールド型を用いて、熱プレスにより成形されるように構成されている。
【0051】
また、上記装身用成形体9を熱プレス成形するためのモールド形状は、図2に示すように、外向きのバストの形状を、内向きに寄せるとともに、上向きにアップさせる形状に補整するように形成されている。上記モールド型で熱プレス成形される装身用成形体9は、その基底部21が人体骨格20に対応して曲面状に形成されるが、そのトップ部Tに向けた形状は、バストの移動率の範囲内で、理想的なバストの形状を創出するように設定されている。その際、上記装身用成形体を熱プレス成形するためのモールド形状を決定する人体骨格は、図13に示すように、人体形状を原則とするが、乳房の移動率の範囲内で理想的な形状を構成するように設定される。
【0052】
さらに、上記装身用成形体9を熱プレス成形するためのモールド形状は、図14に示すように、製品としてのブラジャー1を着用したときの形状変化を考慮して設計される。一般的に、ブラジャー1は、人体に装着する際に、20%〜40%の伸張率で伸張した状態で着用される。そのため、上記ブラジャー1を着用した際に、人体にフィットさせるためには、この20%〜40%の伸張率を考慮して、各部の寸法や形状等が設定されている。
【0053】
以上の構成において、この実施の形態1に係る装身用成形体を適用したブラジャーの場合には、次のようにして、黄変したりすることなく通気性にも優れ、かつ所定の形状を長期間維持することができ、保形性に優れているのは勿論のこと、着用感やファッション性の点でも優れたものとなっている。
【0054】
すなわち、この実施の形態に係る装身用成形体9を適用したブラジャー1は、図1及び図2に示すように、左右のカップ部2、3が、表面層部11と裏面層部12とを中間中空層部14を構成する連繋糸13で互いに接続した立体中空状の布地10を、所定の形状に加熱圧縮成形することにより形成されるように構成したので、左右のカップ部2、3を形成する布地自体が立体中空状の布地10であるため、非黄変性の高いポリエステル素材等を適宜に選択して構成できるものであることから、現在使用されている合成樹脂発泡体(主にポリウレタン)より黄変することも無く、しかも立体中空状の布地10は、表面層部11と裏面層部12とを連繋糸13で互いに接続した中間中空層部14を具えており、通気性にも非常に優れ、更に表面層部11や裏面層部12、あるいは中間中空層部14を形成する繊維として熱セット性に優れた繊維を使用することにより、所定の形状を長期間維持することができ、保形性に優れた左右のカップ部2、3を提供することができる。更に説明すると、上記立体中空状の布地10は、表面層部11と裏面層部12とを連繋糸13で互いに接続した中間中空層部14を具えており、二層構造ないし中空層構造であることから、表裏の機能分離が可能であるとともに、中空層を持つことから、被服内気候のコントロール性に優れている。例え ば、中間中空層部14を当該表面層部11及び裏面層部12の編み目組織(又はこれをカバーする表着など)によって保温性、又は空冷性を持たせることが可能となり、特にレジャー用として両面の役割を担うこともできる。
【0055】
また、この実施の形態に係る装身用成形体9を適用したブラジャー1は、前記表面層部11及び裏面層部12の少なくとも一方を構成する組織を、当該装身用成形体9の少なくとも一部において変化させるように構成したので、上記の作用に加えて、前記表面層部11及び裏面層部12の少なくとも一方を構成する組織を、前記装身用成形体9の少なくとも一部において変化させることにより、装身用成形体に求められる種々の機能、例えば、肌当たりの良さや、吸汗性などの着用感に関する機能、あるいは商品としての付加価値やファッション性などの機能、更にバストアップやバストを寄せる機能などを満たすことが可能となる。
【0056】
実施の形態2
図15はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、表面層部及び裏面層部の少なくとも一方を構成する組織が、ストレッチ性を有する編み組織及び編み糸からなるように構成されている。
【0057】
すなわち、この実施の形態2では、図15に示すように、バストカップ部のパッドを構成する装身用成形体9として、表面層部11及び裏面層部12を構成する編糸13に、弾性を有するエラスチックヤーンを使用して伸張度を高め、当該装身用成形体9自体が弾性を有するように構成されている。上記装身用成形体9は、ブラジャー1の表地30に対して人体自重によって拡張し、結果ブラジャー表地30に一体化する容積となるよう圧縮形成されている当該成形体9を前身頃部4に縫着することによって構成されており、当該装身用身頃体9が着用時に弾性変形することにより、バストのサポート力や運動性能を高めるようになっている。
【0058】
また、図16に示す実施の形態では、連結糸を含む前記表面層部及び裏面層部並びに中間中空層部の少なくとも一方を構成する組織が、ボーダー組織であるように構成されている。ボーダー組織には、▲1▼編み目組織を目粗×細密、平編み×メッシュ編み、▲2▼編み組織又は編み糸により、伸張度を高伸張度×低伸張度、▲3▼編み糸を細糸×太糸、透明糸×不透明糸、光沢糸×非光沢糸、▲4▼さらには二次テクニックによる模様によるボーダーがある。
【0059】
この図16に示す実施の形態では、装身用成形体9の編組織をボーダー等に切り替え、商品の特性に対応して付加価値を高めるように構成されている。具体的には、バストカップ部2、3及び前身頃部4の上部の外周縁31を除いた部分32に、サポート力を高めるため、弾性を有するエラスチックヤーンを使用して伸張度を高めたり、編み目を細かして伸びずらくするように構成されているとともに、バストカップ部2、3及び前身頃部4の上部の外周縁31は、所定の幅にわたって編み目を粗くして伸びやすくすることによりソフトに形成するように構成されている。なお、上記装身用成形体9の編組織をボーダー等に切り替えるに は、例えば、図17に示すように、編組織の編み目の粗さをボーダー状に異ならせた編み地を構成し、この編み地を、バストカップ部2、3及び前身頃部4の上部の外周縁31に相当する部分を編み目が粗く、バストカップ部2、3及び前身頃部4の上部の外周縁31以外の部分32の編目が細かくなるように配置型入れの上カットすることによって構成される。
【0060】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0061】
実施の形態3
図18はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態3では、立体中空状の布地の中間中空層部に、保形用のボーンを挿入するように構成されている。
【0062】
すなわち、この実施の形態3に係る装身用成形体9は、図18に示すように、中空部分14をストライプ状に構成した部分40と、メッシュ調に構成した部分41とを合成して構成されている。また、上記装身用成形体9は、ストライプ状に形成された中空部分40の内部に、適宜ボーン42を挿入し、例えば、バストの体側部に位置する装身用成形体9の剛性を高め、バストを寄せる効果を一層高めるように構成しても良い。
【0063】
更に説明すると、上記装身用成形体9は、図4に示すような中空層部X状連結糸13を、図18(a)に示すように全面に構成した41の部分と、これをストライプ調に構成した40の部分を有するように構成されており、当該ストライプ状に構成した部分40の中空部分40の内部に、適宜ボーン42を挿入するように構成されている。
【0064】
なお、上記装身用成形体9としては、ブラジャーに適用した場合に限らず、図19(a)に示すようなガードル43や、図19(b)に示すようなウエストニッパーに適用しても良く、この場合、図19(b)に示すように、装身用成形体9のストライプ状に形成された中空部分45の内部に、適宜ボーン44を挿入 し、下腹部等の所定部分を押さえる作用を高めるように構成してもよい。尚、図19(a)に示すようなガードル43において、図19(b)に示すものと同様に構成しても良いことは勿論である。
【0065】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0066】
実施の形態4
図20はこの発明の実施の形態4を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態4では、装身用成形体が、ブラジャー等のバストカップ部ではなく、バストカップ部に装着されるパッド体等のパーツ体を構成するようなっている。このパッド体等のパーツ体は、単体でその役割を持ち、場合によっては製品の裏地に縫い止め又は接着しても良い。
【0067】
すなわち、この実施の形態4に係る装身用成形体50は、図20に示すよう に、バストカップ部2、3の一部から全体的範囲までの形状(図示例では、一部のみ)に形成したパッド体として用いるように構成されている。このパッド体50は、図20(b)(c)に示すように、正面形状がハート形状に形成されているとともに、断面形状がバストトップ部の曲面を形成するように構成されている。
【0068】
また、上記装身用成形体としてのパッド体50は、図21に示すように、ダブルラッセル編からなる中空のパッド体であって、バストカップ部2、3の約3/4の範囲を覆うように形成されており、かつ、表地51とパッド体50との間 に、バスト補整用のボーン52をセットすることにより、肌当たりを高めつつ、バストアップ能力を高めるように構成しても良い。上記ボーン52は、袋状のテープ体52に挿入された状態で、表地51及びパッド体50とともに縫着されている。
【0069】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0070】
実施の形態5
図22乃至図24はこの発明の実施の形態5を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態5では、装身用成形体に二次的な加工を施すことにより、装飾性などを高めるように構成されている。
【0071】
すなわち、この実施の形態5に係る装身用成形体60は、図22に示すよう に、バストカップ部2,3と前身頃部4等を一体的に形成したものであり、オパール加工61による装飾が施されているとともに、部分的に編糸62を加熱溶解させてデザイン化するようになっている。このオパール加工としては、例えば、エステルとベンベルの交編でベンベルを溶解させる方法がある。ここで、オパール加工としては、薬剤により溶解するキュプラー(商品名)の性質を利用し、これに交編させた表地に、薬剤をデザイン的に塗布し溶解させ、模様とするか、又は水溶性糸を中空連結糸として編み込み、部分的にこれを溶かし除去の上、デザイン化したもの等が挙げられる。
【0072】
また、上記装身用成形体60には、フロック加工による装飾を施すように構成してもよく、例えば、メッシュ調のダブルラッセル地に植毛してデザイン化するように構成される。
【0073】
さらに、上記装身用成形体60には、エンブロイダリーレースによる装飾を施すように構成してもよく、例えば、メッシュ調のダブルラッセル地にトリコット地等を重ねて刺繍を施し、デザイン的に重ねたり、トリコット地をカットしてデザイン化するように構成してもよい。
【0074】
また、上記装身用成形体60には、図23に示すように、コーテイング63による装飾を施すように構成したり、図24に示すように、コーテイング64によってサポート力を高めたり、汗を吸収したり、肌への接触性を滑らかにする等、機能を高めるように構成してもよい。なお、上記装身用成形体60へのコーテイングは、表裏いずれに、又は表裏両面に施しても良い。
【0075】
さらに、図24に示すコーテイング64のコーテイング材を、ストレッチ性並びに肉厚を持ったものとし、これをブラジャー1のショルダーに延設して一体的に設計しても良い。この場合、コーテイング64は、図25に示すように、パーツ化し、超音波等によりショルダー部のエッジ64aを処理してフラット化することが望ましい。
【0076】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【符号の説明】
【0077】
1:ブラジャー、2、3:左右のカップ部、4:下辺連結布、10:立体中状の編地布、11:表面層部、12:裏面層部、13:連繋糸、14:中間中空層部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面層部と裏面層部とを中間中空層部を構成する連結糸で互いに接続した立体中空状の布地を、所定の形状に加熱プレス成形することにより成形された装身用成形体を用いたファンデーション等の衣料において、
前記装身用成形体は、予め所定の形状に裁断された立体中空状の布地を人体膨出形状に対応した三次元形状に加熱プレス成形することにより形成され、前記装身用成形体を熱プレス成形するためのモールド形状は、外向きの人体膨出部を内向きに寄せるとともに、上向きにアップさせる形状に形成されていることを特徴とするファンデーション等の衣料。
【請求項2】
前記装身用成形体の表面層部と裏面層部が機能分離されていることを特徴とする請求項1に記載のファンデーション等の衣料。
【請求項3】
前記装身用成形体は、編組織を帯状に切り替えることにより形成された伸び難い部分と伸び易い部分とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のファンデーション等の衣料。
【請求項4】
前記装身用成形体の表面層部は、装飾的機能を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかにに記載のファンデーション等の衣料。
【請求項5】
前記装身用成形体の裏面層部を構成する糸として、肌当たりと吸汗性に優れたものを採用したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のファンデーション等の衣料。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate


【公開番号】特開2011−17117(P2011−17117A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186385(P2010−186385)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【分割の表示】特願2002−174746(P2002−174746)の分割
【原出願日】平成14年6月14日(2002.6.14)
【出願人】(306040805)株式会社MIC (9)
【Fターム(参考)】