説明

ファンデーション

(a)金属酸化物粒子、及び
(b)化粧用組成物の1.7重量%を超える、架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを含む化粧用組成物であって、
ここで、有機官能化シリコーン微細繊維は、金属酸化物粒子の表面に結合し、及び表面から離れて広がっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、化粧用組成物、特に化粧用ファンデーション組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
溶媒として、そして他の理由で、閉塞(水分保持)特性、改善された感触特性を提供するために、シリコーン類を含む脂肪又は親油性物質を化粧品に包含することが知られている。金属酸化物粒子有益剤を化粧用組成物に包含することもまた知られており、酸化物の種類、粒径及び/又は形状に応じて、剤は、例えば、顔料利益及び/又は日焼け止め利益を提供する可能性がある。両方の種類の構成成分の利益を組み合わせるために、両方の種類の構成成分を単一の組成物に含めることを考慮するのは当然の行程である。しかしこれは難題を提示し、それは、金属酸化物粒子が、一般に疎水性マトリックスに容易に分散しないからである。この難題を克服するために、乳化剤を組成物に加えることによって、金属酸化物粒子を親油性相内で安定化することが知られている。
【0003】
低誘電率媒質中の乳化剤は、安定化を提供し、且つ凝集を防止するために、立体効果を使用する可能性がある。より具体的には、乳化剤は、粒子の自由表面を親水性端末でコーティングし、親油性鎖を媒質の中へ伸ばし、鎖は、浸透性効果によりアグロメレーションを防ぐように作用し、2個の粒子が互いに近づくと、鎖が重なり合って、ポリマー濃度の一時的な増加を引き起こす。この増加は、粒子間の流体に力を加える浸透性応力をもたらし、それによって粒子を分離させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、組成物への遊離乳化剤の添加は、製品の寿命を通して粒子の良好な分散を確実にするのに十分ではない可能性がある。乳化剤の濃度が低すぎる場合、浸透性応力はそれに応じて低くなり、2個の粒子が互いに近づくと、乳化剤が粒子に架橋して事実上アグロメレーションを促進する可能性がある。他方、乳化剤の濃度が高すぎる場合、浸透性応力の挙動は逆転して、枯渇凝集をもたらす可能性がある。このシナリオにおいて、遊離乳化剤の濃度が高すぎる可能性があって、粒子が互いに近づくと、遊離乳化剤は粒子の間から押し出される可能性がある。濃度の差は、粒子の間の空間から流体を引き出す浸透性応力を作り出し、それによってアグロメレーションを促進する可能性がある。
【0005】
乳化剤の理想的なレベルは、あらゆる系で存在するが、その系における小さな変化が乳化剤の量を最適から遠ざけ、それによって上記の問題をもたらす可能性がある。特に使用中に乾燥していることが必要な製品の場合、全ての時点で理想的なレベルの乳化剤を得ることはほとんど不可能であり、それは、乾燥プロセスの際に乳化剤の濃度が連続的に増加するからである。換言すれば、粒子の表面の非結合コーティングの使用は、あらゆる系にとって、乳化剤の濃度がその寿命のある段階において次善でなければならないことを意味する。
【0006】
非結合乳化剤コーティングの欠点を克服するために、粒子の表面に結合しているコーティングの使用が、用いられてもよい。結合は、乳化剤の架橋を防ぐ可能性があり、溶液中に遊離乳化剤がないので、枯渇凝集が避けられる可能性がある。加えて、表面からの乳化剤の拡散を防ぐ必要がないので、乳化剤の親水性/親油性バランス(HLB)を制御する必要性がない。その結果、結合コーティング中の分子は、非結合乳化剤よりも長い端末を有する可能性があり、次に、立体安定性効果を増す可能性がある。
【0007】
立体安定性を提供するために結合乳化剤でコーティングされた金属酸化物粒子を含む組成物を配合することは、既知である。そのような処方は、芳香剤ジャーナル(Fragrance Journal)、81頁〜85頁、2002−6におけるマサネオ・カメイ(Masaneo Kamei)による表題「粉末表面処理のための新規シリコーンの開発(Development of Novel Silicones for Powder Surface Treatment)」の記事で開示されている。しかし、その記事で開示されている化粧用組成物は、皮膚に適用することが難しく、そうであるべきよりも均一でない、金属酸化物粒子有益剤により達成される利益をもたらす可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によると、
(a)金属酸化物粒子、及び
(b)化粧用組成物の1.7重量%を超える、架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを含む化粧用組成物であって、
ここで、有機官能化シリコーン微細繊維は、金属酸化物粒子の表面に結合し、及び表面から離れて広がっている。
【0009】
本明細書で使用する時、用語「結合」には、化学吸着及び共有結合のような化学結合が挙げられるが、それらには限定されない。用語「結合される」は、そのように解釈されるべきである。
【0010】
本発明の第2の態様によると、本発明の第1の態様の化粧用組成物を含む化粧用ファンデーション組成物が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本明細書の全ての重量、測定値及び濃度は、特に指定のない限り、組成物全体に関して25℃で測定される。
【0012】
金属酸化物日焼け止め剤粒子に関して本明細書で使用する時、ドーピング又はコーティング物質の全ての重量は、従ってドーピング又はコーティングされる下にある金属酸化物粒子の重量の百分率として示される。この定義は、さらに、ドーピング又はコーティング物質それ自体が金属酸化物である場合でも当てはまる。従って、粒子がxグラムの重量があり、コーティング又はドーピング物質がyグラムの重量がある場合、コーティング又はドーピング物質の重量百分率はy/x×100である。
【0013】
化粧用組成物に関して本明細書で使用する時、金属酸化物日焼け止め剤粒子の重量百分率は、下にある金属酸化物粒子とあらゆるドーピング又はコーティングとを合わせた重量を、化粧用組成物の全体重量により割ったものである。従って、粒子がxグラムの重量があり、コーティング又はドーピング物質がyグラムの重量があり、化粧用組成物の全体(コーティング又はドーピングされた金属酸化物粒子を含む)がzグラムの重量がある場合、金属酸化物粒子の重量百分率は、(x+y)/z×100である。
【0014】
特に指示のない限り、本明細書で言及される組成物の百分率は全て組成物全体(すなわち、存在する構成成分全ての和)の重量%であり、全ての比は重量比である。
【0015】
特に指示のない限り、重合体分子量は、全て数平均分子量である。
【0016】
組成物中の架橋オルガノポリシロキサンエラストマーの重量百分率に対する本明細書での参照は、その組成物中の固体オルガノポリシロキサンエラストマーの重量百分率に対する参照であり、組成物中の固体オルガノポリシロキサンエラストマーに溶媒を足した重量の百分率に対する参照ではない。これは、市販のオルガノポリシロキサンエラストマー類が多くの場合に溶媒と組み合わされて市販されているので、疑いを避けるために記述されている。
【0017】
特に指示のない限り、本文内で参照される全ての文献の内容は、その全てが本明細書に参考として組み込まれる。
【0018】
実際に測定した値の特定の例が提示される場合を除いて、本明細書で言及される数値は、「約」という語により修飾されていると考えるべきである。
【0019】
ナノメートル及びマイクロメートルの大きさの範囲の金属酸化物一次粒子は、単位容量当たり高い表面積を有し、それに相応して反応性があり、アグロメレーションをもたらして、二次粒子を形成する。このアグロメレーションは不可避であり、ある時点までは望ましくない可能性がなく、微細なナノメートルサイズの粒子は、光を拡散しないので、それらは長波長紫外線焼け止め剤としてはあまり好適ではない。しかし二次粒径が抑制されない場合、生成された粒子は、要求される特性を有さない可能性があり、組成物は、使用中に均一の利益を提供しない可能性がある。加えて、特に日焼け止め剤の場合では、過剰なアグロメレーションは、得られる利益を変えるか、又は著しく低減する可能性があって、一次粒径が二次粒子の全体の表面積を決定し、一般に、より小さい一次粒子がより大きい表面積の二次粒子を生じさせると考えられる。次に二次粒子の表面積は、中波長紫外線の吸収を決定すると考えられ、二次粒子の表面積が大きいほど、中波長紫外線の吸収が大きい。他方、二次粒径は、粒径が大きいほどより多く反射し、長波長紫外線の拡散を決定すると考えられる。理論に束縛されるものではないが、二次粒子のアグロメレーションは中波長紫外線の吸収と長波長紫外線の拡散の両方を低減する可能性があり、それによって日焼け止め利益に著しく影響を与えると考えられている:二次粒子のアグロメレーションは、二次粒子表面積全体を決定し、それによって中波長紫外線吸収の程度を低減し、加えて、長波長紫外線の拡散は二次粒径と共に増加するが、二次粒子の全体数は、アグロメレーションが増大すると減少し、それによって長波長紫外線の反射も低減する。
【0020】
二次粒子のアグロメレーションを低減する又は防止するために、金属酸化物粒子には有機官能化シリコーン微細繊維のコーティングが提供され、微細繊維は、金属酸化物粒子の表面に結合されているか、又は表面から担体媒質中に伸びている。既に考察されているように、コーティングされた金属酸化物粒子が互いに近づくと、それらの微細繊維が絡まる可能性があると考えられる。絡まりが起こっている領域の、得られた高濃度の有機官能化シロキサンポリマーは、高い浸透圧を生成し、担体流体を隣接する粒子の間に流れ込ませ、粒子を分離させる。
【0021】
微細繊維は、金属酸化物粒子を、アミノ、イミノ、ハロゲン、ヒドロキシル、及びアルコキシルから成る群から選択される反応性部分を含む有機官能化シリコーンポリマーにより、有機官能化シリコーンポリマーが金属酸化物ポリマーの表面に吸収されるように処置されることによって、有利に結合されることができる。
【0022】
有利には、有機官能化シリコーンポリマーは、5〜100、好ましくは25〜50のシリコーン反復単位を含む。この大きさのポリマー類は、担体媒質の中に突き出ており、その中で自由に流動する可能性があり、それによって更にアグロメレーションを回避する。本明細書で使用する時、「シリコーン反復単位」又は「シリコーン単位」は、以下を意味し、
【0023】
【化1】

式中、X及びYは、独立して、アルキル基又はいずれかの官能基である。
【0024】
好ましくは、有機官能化シリコーンポリマーは、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)1.0〜1.3を有する。理論に束縛されるものではないが、表面コーティングは、浸透圧を最大限にするために、また相対的により長いポリマー鎖による凝集を架橋することを避けるために、可能な限り均一であることが重要であると考えられる。
【0025】
有機官能化シリコーンポリマーは、線状有機官能化シリコーンポリマーであることができる。この場合、反応性部分は、分子鎖の一端に位置していることが好ましい。
【0026】
あるいは、有機官能化シリコーンポリマーは、分枝鎖有機官能化シリコーンポリマーであることができる。この場合、反応性部分は、好ましくは側鎖に位置している。有利には、反応性部分が見出される側鎖は、シリコーン主鎖の一端の5シリコーン反復単位内、好ましくは3シリコーン反復単位内に位置している。
【0027】
コーティングされた金属酸化物粒子を製造するために、上記で特定された有機官能化シリコーンポリマー、前記有機官能化シリコーンポリマーを溶解する有機溶媒及び金属酸化物が混合され、次に加熱により乾燥される。有機官能化シリコーンポリマーは、粒子直径及び比表面積に応じて、処理される金属酸化物粒子の0.1重量%〜30重量%、好ましくは1重量%〜15重量%、より好ましくは2重量%〜8重量%の量で使用されるべきである。
【0028】
適切な有機溶媒は、表面処理のため、その引火点及び発火点、並びに金属酸化物粒子の表面活性及び熱安定性を考慮して選択されるべきである。有機溶媒の好ましい例には、エーテル類、ケトン類、ハロゲン化炭化水素類、脂肪族炭化水素類、及びアルコール類、並びに水のような他の溶媒とのそれらの混合物が挙げられる。有機溶媒は、金属酸化物粒子に対して1〜50重量%の量で使用されるべきである。
【0029】
有機官能化シリコーンポリマー、有機溶媒、及び金属酸化物粒子の混合は、それらを通常の混合機の中に一緒に入れるか、又は有機官能化シリコーンポリマーを有機溶媒と金属酸化物粒子の混合物に噴霧することによって、実施されてもよい。混合物の加熱は、金属酸化物粒子の熱抵抗性及び使用される有機溶媒の種類を考慮して、適正な方法で実施されるべきである。
【0030】
好適な有機官能化シリコーンポリマー類の例には、ジメチルポリシロキシシラザン、α−モノヒドロキシシロキサン、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン、α−モノアルコキシポリジメチルシロキサン、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン、α−ジアルコキシポリジメチルシロキサン、α−トリアルコキシポリジメチルシロキサン、α,ω−ヘキサ−アルコキシポリジメチルシロキサン、ジメチルポリシロキシクロリド、ジメチルポリシロキシブロミド、及びジメチルポリシロキシヨージドが挙げられる。それらの例のうち好ましいものは、α−モノアルコキシポリジメチルシロキサン、α−ジアルコキシポリジメチルシロキサン、α−トリアルコキシポリジメチルシロキサン、α−モノヒドロキシメチルフェニルシロキサン、α−トリアルコキシポリメチルヘキシルシロキサン、及びメチルスチリル/ジメチルポリシロキシブロミドである。それらは顔料に極めて容易に吸着され、吸着されると、それらは、処理された顔料に平滑な感触を付与する。有機官能化シリコーン中の反応性基は、ケイ素原子に直接的に、又は置換基を通して間接的に結合する可能性がある。
【0031】
金属酸化物粒子をコーティングするのに用いられてもよい市販の有機官能化シリコーンポリマー類には、次の物質が挙げられる:信越社(Shin Etsu Co. Ltd)により製造されるX−24−9826、X−24−9171及びX−24−9174;東芝シリコーン社(Toshiba Silicone Co. Ltd.)により製造されるTSL8185及びTSL8186;チッソ社(Chisso Corporation)により製造されるSIO6645.0;信越化学社(Shin-Etsu Chemical Co. Ltd.)により製造されるKBM−3103;日本ユニカー社(Nippon Unicar Co. Ltd.)により製造されるA−137。
【0032】
金属酸化物粒子に微細繊維を提供することに加えて、それらには、また、疎水性担体媒質中の粒子の分散性を改善するために、疎水性コーティングが提供されてもよい。疎水性コーティングは、微細繊維の提供の前に前処理として、又は微細繊維の提供の後に後処理として適用されてもよい。有利には、金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子の2〜25重量%、好ましくは5重量%〜15重量%、より好ましくは7重量%〜12重量%の疎水性コーティングを含む。
【0033】
有利には、疎水性コーティングは、以下の物質の1つ以上とイソプロピルアルコールとの混合物を、金属酸化物粉末に適用し、150℃で3時間乾燥することにより作製されてもよい:反応性オルガノポリシロキサン、ポリオレフィン(ポリエチレン及びポリプロピレンを包含する)、水素添加レシチン及びその塩類、N−アシルアミノ酸及びその塩類、並びにデキストリン脂肪酸エステル類。好ましくは反応性オルガノポリシロキサンは、オルガノ水素ポリシロキサン、トリオルガノシロキシケイ酸、及びトリアルコキシ基で両方の末端が修飾されているオルガノポリシロキサンを含む。反応性オルガノポリシロキサン類の部類に入る市販の物質には、信越化学社(Shin-Etsu Chemical Company Ltd)により製造されるKF−99、KF−9901、KF−7312F、KF−7312−J、KF−7312K、KF−9001、KF−9002、X−21−5249及びX−21−5250;ダウ・コーニング東レシリコーン社(Dow Corning Toray Silicone Co. Ltd.)により製造されるSH−1107、DC593、BY−11−015、BY−11−018及びBY−11−022;東芝シリコーン社(Toshiba Silicone Co. Ltd.)により製造されるTSF484、TSF483及びTSF4600;日本ユニカー社(Nippon Unicar Co. Ltd.)により製造されるFZ3704及びAZ6200が挙げられる。
【0034】
疎水性コーティングは、前の段落で記載されたものに限定されず、代わりに、当業者に既知の代替的な疎水性コーティングが用いられてもよい。そのようなコーティングには、トリアルコイルイソプロピルチタネート、好ましくはトリイソステアロイルイソプロピルチタネート、及びペルフルオロコーティング、好ましくはポリペルフルオロエトキシメトキシPEG−2ホスフェートを挙げてもよい。
【0035】
幾つかのコーティングは、立体安定化を提供して凝集を回避するために、疎水特性及び微細繊維を示すことの両方を提供してもよい。この部類に入る市販のコーティングには、信越社(Shin Etsu Co Ltd.)からのKF9908(トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)、KF9909(トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン)及びKP575(アクリレート/トリデシルアクリレート/トリエトキシシリルプロピルメタクリレート/ジメチコンメタクリレートコポリマー)が挙げられる。
【0036】
本発明の化粧用組成物は、金属酸化物粒子を含み、これは、あらゆる好適な金属酸化物の粒子を含んでもよい。好ましくは、金属酸化物粒子は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラ、酸化クロム、水酸化クロム、酸化ジルコニウム、及び酸化セリウムから成る群から選択される。より好ましくは、金属酸化物粒子は、二酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、及びそれらの混合物から選択されてもよい。なおより好ましくは、金属酸化物粒子は、二酸化チタン粒子を含む。
【0037】
上記で考察されたように、一次粒径は二次粒子の表面積を決定するのに重要である。有利には、本発明の金属酸化物粒子は、10〜500nm、好ましくは15〜100nm、より好ましくは20〜65nm、なおより好ましくは25〜40nmの数加重平均一次粒径を有する。定義された範囲内で、高い表面積及び有益な中波長紫外線吸収特性を有する二次粒子が形成される可能性がある。
【0038】
本明細書で使用する時、用語「一次粒径」は、X線回折により決定される、金属酸化物の結晶の大きさを意味する。これは、一番強いルチル線の広がりを測定することに基づいている。
【0039】
更に、金属酸化物粒子は、0.005〜100μm、好ましくは0.015〜10μm、より好ましくは0.05〜1μmの数加重平均二次粒径を有することができる。日焼け止め用金属酸化物は、有利には100〜250nmの数加重平均二次粒径を有してもよい。顔料用金属酸化物は、有利には250nm超〜500nmの数加重平均二次粒径を有してもよい。
【0040】
数加重平均二次粒径は、ニコンプ・370サブ・ミクロン・パーティクル・サイザー(Nicomp 370 Sub Micron Particle Sizer)を使用して決定される。
【0041】
本発明の化粧用組成物は、0.1重量%〜45重量%の金属酸化物粒子を含んでもよい。金属酸化物顔料が存在する場合、化粧用組成物は、好ましくは、0.05重量%〜30重量%、好ましくは1重量%〜20重量%の金属酸化物顔料を含む。金属酸化物日焼け止め活性種が存在する場合、化粧用組成物は、好ましくは、0.05重量%〜15重量%、好ましくは0.5重量%〜10重量%、より好ましくは1重量%〜5重量%の金属酸化物日焼け止め活性種を含む。
【0042】
微細金属酸化物粒子は、不当な化学又は光化学反応を引き起こすことがある、反応性の高い表面を有する。この効果に対抗するために、それらの表面を、シリカのような他の物質、又はアルミナのような金属酸化物の1つ以上でドーピングして、表面の反応性を低減することが知られている。この表面処理は、典型的には金属酸化物粒子の15〜30重量%を表す。有利には、本発明の化粧用組成物中に含まれる金属酸化物粒子は、そのようにドーピングされてもよい。
【0043】
本発明の化粧用組成物に用いられてもよい市販の日焼け止め剤には、イシハラ社(Ishihara Corp.)からのKQ−1、ケミラ社(Kemira Corp.)からのM262、並びにイシハラ社(Ishihara Corp.)からのTTO S−3及びTTO S−4が挙げられる。本明細書に用いるのに好適な酸化鉄顔料には、ワーナー・ジェンキンソン(Warner Jenkinson)から入手可能なメチコン処理酸化鉄が挙げられる。
【0044】
極めて好ましい実施形態において、次の物質が用いられる:約15nmの平均一次粒径を有する、ミヨシ・カセイ(Miyoshi Kasei)からのSAS/TTO S−3/D5、及び約100nmの一次粒径を持つSAI/NAI TR10。それらの市販の物質は、本発明の微細繊維で前コーティングされる。
【0045】
架橋オルガノポリシロキサンエラストマーは、化粧用組成物の1.7重量%超〜15重量%まで、好ましくは2重量%〜10重量%、より好ましくは2.2〜5重量%の量で存在することができる。上記で述べたように、それらは組成物中の固体オルガノポリシロキサンエラストマーの量である。驚くべきことに、本発明者らは、1.7%を超えるエラストマーで、特に好ましい範囲において、金属酸化物粒子により提供される利益の均一性が改善することを確立した。
【0046】
本発明の組成物は、乳化性架橋オルガノポリシロキサンエラストマー、非乳化性架橋オルガノポリシロキサンエラストマー又はそれらの混合物を含むことができる。存在する場合、乳化性架橋オルガノポリシロキサンエラストマーは、組成物の0.01〜15重量%、好ましくは0.01〜1重量%の量で存在する。さらに、そして存在する場合は、非乳化性架橋オルガノポリシロキサンエラストマーは、化粧用組成物の0.01〜15重量%、好ましくは2〜5重量%の量で有利に存在する。
【0047】
本明細書で使用する時、用語「非乳化」は、架橋オルガノポリシロキサンエラストマーに関して用いられるとき、ポリオキシアルキレン又はポリグリセリル単位を含まない架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを包含する。
【0048】
本明細書で使用する時、用語「乳化」は、架橋オルガノポリシロキサンエラストマーに関して用いられるとき、少なくとも1つのポリオキシアルキレン(例えば、ポリオキシエチレン若しくはポリオキシプロピレン)又はポリギセリル(polygyceryl)単位を含む架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを包含する。
【0049】
架橋オルガノポリシロキサンエラストマーの出発物質としての機能を果たすことができる硬化性オルガノポリシロキサン組成物の種類には、特に制限はない。これに関連する例は、SiH含有ジオルガノポリシロキサンとケイ素結合ビニル基を有するオルガノポリシロキサンとの付加反応により白金金属触媒下で硬化する付加反応硬化オルガノポリシロキサン組成物;ヒドロキシル末端ジオルガノポリシロキサンとSiH含有ジオルガノポリシロキサンとの脱水素反応により有機スズ化合物の存在下で硬化する縮合硬化オルガノポリシロキサン組成物;ヒドロキシル末端ジオルガノポリシロキサンと加水分解性オルガノシランの縮合反応(この縮合反応は、脱水、アルコール−遊離、オキシム−遊離、アミン−遊離、アミド−遊離、カルボキシル−遊離、及びケトン−遊離反応によって例示される)により有機スズ化合物又はチタン酸エステルの存在下で硬化する縮合硬化オルガノポリシロキサン組成物;オルガノペルオキシド触媒の存在下で熱硬化するペルオキシド硬化オルガノポリシロキサン組成物;及びガンマ線、紫外線、又は電子ビームのような高エネルギー放射線により硬化されるオルガノポリシロキサン組成物である。
【0050】
好ましい非乳化オルガノポリシロキサン組成物は、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー類である。そのようなジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー類は、ダウ・コーニング(Dow Corning)(DC9040、DC9041)、ゼネラル・エレクトリック(General Electric )(SFE839及びベルベシル(Velvesil)材料)、信越(Shin Etsu)(KSG−15、16、18〔ジメチコン/フェニルビニルジメチコンクロスポリマー〕)、グラント社(Grant Industries)(グランシル(Gransil)(商標)材料ライン)を含む多様な供給元から供給され、ラウリルジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーは信越(Shin Etsu)により供給される(例えば、KSG−31、KSG−32、KSG−41、KSG−42、KSG−43、及びKSG−44)。
【0051】
特に有用な乳化エラストマー類は、ジビニル化合物から、特に少なくとも2個の遊離ビニル基を持つシロキサンポリマー類から、ポリシロキサン主鎖上でSi−H結合と反応させて形成された、ポリオキシアルキレン変性エラストマー類である。好ましくは、エラストマー類は、分子球状MQ樹脂のSi−H部位で架橋しているジメチルポリシロキサン類である。市販されている乳化性架橋オルガノポリシロキサンエラストマー類の例には、信越化学社(Shin-Etsu Chemical Company Ltd.)からのKSG−21(固体オルガノポリシロキサンエラストマーを27%含む)、KSG−210(固体オルガノポリシロキサンエラストマーを24%含む)及びKSG−320が挙げられる。ポリグリセリル単位を含む乳化性架橋オルガノポリシロキサンエラストマー類の市販のものの例は、信越化学社(Shin-Etsu Chemical Company Ltd.)からのKSG710及びKSG−800である。
【0052】
有利には、本発明の化粧用組成物は油を含む。油は、化粧用組成物の7重量%〜80重量%の量で存在することができる。
【0053】
油は、揮発性油類、不揮発性油類、及びそれらの混合物から成る群から選択されることができる。
【0054】
本明細書で使用する時、用語「不揮発性」は、油と関連して用いられるとき、次の定義の少なくとも1つを満たす油類を包含する:(a)油は、25℃及び1気圧で約26.7Pa(0.2mmHg)以下の蒸気圧を示す;(b)油は、1気圧で少なくとも約300℃の沸点を有する。
【0055】
本明細書で使用する時、用語「揮発性」は、油類と関連して用いられるとき、本明細書前記で定義された「不揮発性」ではない物質を包含する。
【0056】
上記の定義に準拠するあらゆる不揮発性油が、本発明の化粧用組成物中に含まれてもよい。そのような不揮発性油類には、官能化と非官能化の両方のシリコーンオイル類、炭化水素油類、及びそれらの混合物を挙げてもよい。不揮発性油は、化粧用組成物の0〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の量で存在してもよい。
【0057】
本発明の化粧用組成物に含まれてもよい揮発性油類には、官能化と非官能化の両方のシリコーンオイル類、炭化水素油類、及びそれらの混合物を挙げてもよい。本発明で有用な揮発性油は、次の性質の1つ以上を示す可能性がある−飽和又は不飽和である可能性があり、直鎖又は分枝鎖又は環状構造を有する可能性がある。
【0058】
本発明の化粧用組成物に組み込まれてもよい揮発性炭化水素類の例には、イソドデカン及びイソデカン(例えば、プレスパース社(Presperse Inc.)から入手可能なペルメチル−99A(Permethyl-99A))のようなポリデカン、並びにC7〜C15イソパラフィン類(例えば、エクソン・ケミカルズ(Exxon Chemicals)から入手可能なイソパー・シリーズ(Isopar Series))が挙げられる。
【0059】
本発明の化粧用組成物に組み込まれてもよい揮発性シリコーン油類の例には、以下の式に対応する環状揮発性シリコーン類:
【0060】
【化2】

(式中、nは、約3〜約7である)、及び以下の式に対応する線状揮発性シリコーン類:
(CH33Si−O−〔Si(CH32−O〕m−Si(CH33
(式中、mは、約1〜約20、好ましくは3〜12である)が挙げられる。
【0061】
好ましくは環状揮発性シリコーンは、シクロペンタシロキサン又はシクロヘキサシロキサンである。
【0062】
線状揮発性シリコーン類は、一般に、25℃で約5E−6m2/s(5センチストークス)未満の粘度を有し、環状シリコーン類は、一般に、25℃で約1E−5m2/s(10センチストークス)未満の粘度を有する。
【0063】
市販の揮発性シリコーン油類の例には、次のシクロメチコン類が挙げられる:ダウ・コーニング(Dow Corning)200、ダウ・コーニング244、ダウ・コミング245(Dow Coming 245)、ダウ・コーニング(Dow Corning)344、及びダウ・コーニング345(ダウ・コーニング社(Dow Corning Corp.)から市販されている);SF−1204及びSF−1202シリコーン・フルイッズ(Silicone Fluids)(G.Eシリコーンズ(G. E. Silicones)から市販されている)、GE7207及び7158(ゼネラル・エレクトリック社(General Electric Co.)から市販されている);並びにSWS−03314(SWSシリコーンズ社(SWS Silicones Corp.)から市販されている)。信越化学社(Shin-Etsu Chemical Co)からTMF1.5流体として入手可能なメチルシルセスキオキサン類;シルケア・シリコーンズ(SILCARE SILICONES)、例えば、それぞれクラリアント(Clariant)から、シルケア(Silcare)15M60として入手可能なフェニル置換シルセスキオキサン類(Silcare)、シルケア(Silcare)31M60及び31M50として入手可能なn−オクチル置換シルセスキオキサン類、シルケア(Silcare)41M10、41M15、及び41M20として入手可能なヘキシルメチコン、カプリリルメチコン、及びラウリルメチコンの市販されている他の例。
【0064】
揮発性油は、化粧用組成物の7〜70重量%、好ましくは10重量%〜50重量%、より好ましくは20重量%〜40重量%の量で存在してもよい。
【0065】
一つの有利な実施形態において、揮発性油は、2〜50×10-62/2(2〜50cst)、より好ましくは3〜50×10-62/s(3〜5cst)、なおより好ましくは3〜50×10-62/s(4cst)の粘度の、揮発性環状シリコーンと揮発性線状ジメチコンの混合物を含むことが好ましい。理論に束縛されるものではないが、乾燥する間、線状ジメチコンは皮膚に長く残って、金属酸化物粒子を濡れた状態に保ち、それによってアグロメレーションを低減する可能性があると考えられる。アグロメレーションは、顔料の場合では色ずれの原因であり、日焼け止め剤の場合では、太陽光線保護指数効果を低減する原因である。
【0066】
有利には、揮発性環状シリコーンと揮発性線状ジメチコンの比は1:1〜25:1、好ましくは5:1〜10:1である。
【0067】
有用な線状ジメチコン類の好ましい例には、DC200 5E−6m2/s(5cst)、DC1630及びDC5−2117が挙げられる。より好ましくは、線状ジメチコンは、DC5−2117を含む。
【0068】
本発明の化粧用組成物は、無水製品として又はエマルションとして配合されてもよい。化粧用組成物がエマルションとして配合される場合、それらのエマルションは、油中水型(シリコーン中水型)エマルション、又は水中油型(水中シリコーン型)エマルションであってもよいが、好ましくはシリコーン中水型エマルションである。
【0069】
有利には、本発明の化粧用組成物は、0.1〜70%、好ましくは1〜50%、より好ましくは5〜40%の水を含有する、シリコーン中水型エマルションとして配合される。
【0070】
本発明の化粧用組成物は、エマルションの形態であるかどうかに関わらず、乳化剤を含むことができる。乳化剤は、非イオン性、アニオン性、カチオン性、双極性イオン性、及び両性乳化剤、並びにそれらの混合物から成る群から選択されてもよい。好適な乳化剤は、マカッチャンの洗剤及び乳化剤(McCutcheon's Detergents and Emulsifiers)、北アメリカ版(North American Edition)、317頁〜324頁で開示されている。
【0071】
本発明の化粧用組成物がシリコーン中水型エマルションである場合では、好ましい乳化剤は、ポリオキシアルキレンコポリマー類(シリコーンポリエーテル類としても知られている)、ポリグリセリルコポリマー類、及びそれらの混合物から成る群から選択される。ポリオキシアルキレンコポリマー類は、米国特許第4,268,499号で詳細に記載されている。より好ましいポリエーテル類には、信越(Shin-Etsu)から、DC5225C又はDC5185として、シクロペンタシロキサンとのブレンドとして入手可能なPEG/PPG−18/18ジメチコン;KF6017又はKF6028として入手可能なPEG9ジメチコンが挙げられる。好ましいポリグリセリル乳化剤は、信越社(Shin-Etsu Inc.)からKF6100及びKF6104として入手可能である。
【0072】
一つの実施形態において、本発明の化粧用組成物は、ポリグリセリルコポリマー乳化剤のみを含み、ポリオキシアルキレン乳化剤を含まないことが好ましい。これは、ポリオキシアルキレン乳化剤が分解してエチレングリコール及びアルデヒド類を放出する可能性があり、これが一部の消費者の皮膚の感受性を増加させる可能性があるからである。
【0073】
乳化剤の総濃度は、製剤の0.01重量%〜約15重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、さらにより好ましくは組成物の1.0重量%〜約5重量%、なおより好ましくは約1.0重量%〜約3重量%であってもよい。
【0074】
本発明の化粧用組成物は、1〜50μm、好ましくは5〜20μmの平均粒子直径を有する球状粒子を任意に含有することができる。球状粒子に関して本明細書で使用する時、粒子直径は、一次粒子のものであることが理解される。
【0075】
好ましい球状粒子には、メチルシルセスキオキサン樹脂微小球から選択されるポリマー粒子、例えば、トスパール(Tospearl)145A又はトスパール2000の名称でGEシリコーン(GE silicone)により販売されているもの;ポリメチルメタクリレート類の微小球、例えば、ミクロパール(Micropearl)M100の名称でセピック(Seppic)により販売されているもの;架橋ポリジメチルシロキサン類の球状粒子、特に、例えばトレフィル(Trefil)E506C又はトレフィル(Trefil)E505Cの名称でダウ・コーニング東レシリコーン(Dow Corning Toray Silicone)により販売されているもの、ポリアミド、とりわけナイロン(Nylon)12の球状(sphericle)粒子、特に、例えばオルガソール(Orgasol)2002D Nat Cosの名称でアトケム(Atochem)により販売されているもの、ポリスチレン微小球、例えば、ダイソスフェアズ(Dynospheres)の名称でダイノ・パーティクルズ(Dyno Particles)により販売されているもの;フロビード(FloBead)EA209の名称でコボ(Kobo)により販売されているエチレンアクリレートコポリマー、並びにそれらの混合物が挙げられるが、それらには限定されない。また、有用であることが見出されているものは、コボ社(Kobo Inc.)からのロナスフェア(Ronasphere)LDPである。また、コボ社(Kobo Inc.)により販売されているポリウレタン粒子BPD500が用いられてもよい。
【0076】
存在する場合、球状粒子は、約0.01%〜約40%、より好ましくは約1%〜約10%、なおより好ましくは約1%〜約5%の濃度で本発明の化粧用組成物に含まれてもよい。
【0077】
本発明の化粧用組成物は、皮膚コンディショニング剤を更に含んでもよい。それらの剤は、保湿剤、剥離剤又は皮膚軟化剤から選択されてもよく、化粧用組成物の約0.01重量%〜30重量%、好ましくは約1重量%〜約20重量%、より好ましくは約1重量%〜10重量%で存在してもよい。
【0078】
本発明の化粧用組成物に含まれてもよい保湿剤には、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、エトキシル化グリセリン、プロポキシル化グリセリン、及びそれらの混合物のような多価アルコール類が挙げられる。最も好ましくは、保湿剤はグリセリンを含む。
【0079】
加えて、親水性ゲル化剤、例えば、アクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー類、カルボキシビニルポリマー類(例えば、カーボポール(Carbopol)(商標)でB.F.グッドリッチ社(B.F. Goodrich Company)により販売されているもの)、ポリアクリルアミド類(例えば、セピゲル(Seppigel)305としてセピック(Seppic)から入手可能なもの)、及びそれらの混合物から成る群から選択されるようなものが、本発明の化粧用組成物に含まれてもよい。
【0080】
本発明の化粧用組成物は、有機日焼け止め剤をさらに含むことができる。好適な日焼け止め剤は、長波長紫外線吸収特性、中波長紫外線吸収特性又はそれらの混合を有してもよい。日焼け止め活性種の正確な量は、組成物の所望の太陽光線保護指数、すなわち「SPF」、並びに所望の長波長紫外線保護レベルに応じて変わる。本発明の組成物は、好ましくは少なくとも10、好ましくは少なくとも15のSPFを含む。SPFは、通常使用されている、紅斑に対する日焼け止め剤の光防護の測度である。SPFは、同じ個人における、保護された皮膚に最小限の紅斑を生じるのに必要な紫外線エネルギーと、保護されていない皮膚に同じ最小限の紅斑を生じるのに必要な紫外線エネルギーとの比として定義される(米国官報、43,No.166、38206頁〜38269頁、1978年8月25日を参照)。
【0081】
本発明の化粧用組成物は、約2重量%〜約20重量%、好ましくは約4重量%〜約14重量%の有機日焼け止め剤を含むことができる。好適な日焼け止め剤には、CTFA国際化粧品用成分事典及びハンドブック(CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)、第7版、第2巻、1672頁、ウェニンガー(Wenninger )及びマキューエン(McEwen)編(米国化粧品工業会(The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association, Inc.)、ワシントンDC、1997年)で見出されるものが挙げられるが、それらには限定されない。
【0082】
種々の追加的な任意成分が本発明の組成物に組み込まれてもよい。それらの追加的な成分の非限定例には、ペプチド類(例えば、マトリキシル〔ペンタペプチド誘導体〕)、ファルネソール、ビサボロール、フィタントリオール、尿素、グアニジン(例えば、アミノグアニジン)のような追加のスキンケア活性物質;アスコルビン酸、ビタミンA(例えば、レチニルパルミテート又はレチニルプロプリオネートのようなレチノイド誘導体)、ビタミンE(例えば、酢酸トコフェロール)、ビタミンB3(例えば、ナイアシンアミド)及びビタミンB5(例えば、パンテノール)など、並びにそれらの混合物のようなビタミン類及びその誘導体; 抗ニキビ薬剤(レゾルシノール、サリチル酸など);酸化防止剤(例えば、フィトステロール類、リポ酸);フラボノイド類(例えば、イソフラボン類、フィトエストロゲン類);アロエベラ抽出物、アラントインなどのような皮膚鎮静及び回復剤;キレート化剤及び金属イオン封鎖剤;並びに精油類、芳香剤、皮膚感覚剤、乳白剤、芳香族化合物(例えば、丁子油、メントール、カンファー、ユーカリ油、及びオイゲノール)のような審美的な目的に好適な剤が挙げられる。
【実施例】
【0083】
以下の実施例は、本発明の範囲内の好ましい実施形態を更に説明し、実証する。本発明の範囲から逸脱することなく本発明の多くの変更が可能であるため、それら実施例は例示の目的でのみ提示されており、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0084】
本発明の液体ファンデーションは次のようにして調製される:好適な容器に、水、グリセリン、EDTA二ナトリウム及びベンジルアルコールが添加され、従来の技術を使用して、清澄な水相が得られるまで混合される。水相が清澄になると、メチルパラベンが添加され、再び清澄になるまで混合される。得られた相は、シルバーソン(Silverson)SL2T又は同様の装置により高速(837.8rad/s(8,000rpm)、標準ヘッド)で混合される。別の容器の中に、KSG21、DC245、顔料分散体、他の油類及びパラベンが添加され、混合物は、シルバーソン(Silverson)SL2Tを高速設定で使用して、均質の混合物が作製されるまで微粉砕される。
【0085】
この工程の後、水相及びシリコーン相が合わされ、シルバーソン(Silverson)SL2Tを高速設定で使用して、水が完全に組み込まれ、エマルションが形成されるまで微粉砕される。次にエラストマーが添加され、シルバーソン(Silverson)を高速設定で使用して、混合物が再び混合されて、最終生成物を生成する。
【0086】
【表1】

1DC9040は、シクロペンタシロキサン中に11%の固体オルガノポリシロキサンエラストマーを含む。
2KSG15は、シクロペンタシロキサン中に9%の固体オルガノポリシロキサンエラストマーを含む。
3KSG21は、シクロペンタシロキサン中に27%の固体オルガノポリシロキサンエラストマーを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)金属酸化物粒子、及び
(b)化粧用組成物の1.7重量%を超える架橋オルガノポリシロキサンエラストマー
を含む化粧用組成物であって、
有機官能化シリコーン微細繊維が、金属酸化物粒子の表面に結合し、及び表面から離れて広がっていることを特徴とする、化粧用組成物。
【請求項2】
前記微細繊維が、アミノ、イミノ、ハロゲン、ヒドロキシル、及びアルコキシルから成る群から選択される反応性部分を含む有機官能化シリコーンポリマーで金属酸化物粒子を処理することによって結合されていることを特徴とする、請求項1に記載の化粧用組成物。
【請求項3】
前記有機官能化シリコーンポリマーが、5〜100、好ましくは25〜50のシリコーン単位を含むことを特徴とする、請求項2に記載の化粧用組成物。
【請求項4】
前記有機官能化シリコーンポリマーが、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)1.0〜1.3を有することを特徴とする、請求項2又は3に記載の化粧用組成物。
【請求項5】
前記有機官能化シリコーンが線状有機官能化シリコーンであることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項6】
前記反応性部分が分子鎖の一端に位置することを特徴とする、請求項5に記載の化粧用組成物。
【請求項7】
前記有機官能化シリコーンが分枝鎖有機官能化シリコーンであることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項8】
前記反応性部分が側鎖に位置することを特徴とする、請求項7に記載の化粧用組成物。
【請求項9】
反応性部分が見出される前記側鎖が、シリコーン主鎖の一端の5シリコーン反復単位内、好ましくは3シリコーン反復単位内に位置することを特徴とする、請求項8に記載の化粧用組成物。
【請求項10】
前記金属酸化物粒子が、0.001〜100μm、好ましくは0.015〜10μm、より好ましくは0.05〜1μmの数加重平均粒径を有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項11】
前記金属酸化物粒子が、10〜500nm、好ましくは15〜100nm、より好ましくは20〜65nmの数重量平均一次粒径を有することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項12】
前記金属酸化物粒子が、二酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化セリウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化鉄粒子、及びそれらの混合物から成る群から選択されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項13】
前記金属酸化物粒子が、疎水性コーティングでさらにコーティングされていることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項14】
前記疎水性コーティングが、反応性オルガノポリシロキサン、ポリオレフィン、水素添加レシチン、水素添加レシチンの塩類、N−アシルアミノ酸、N−アシルアミノ酸の塩類、デキストリン脂肪酸エステル類、及びそれらの混合物から成る群から選択される物質で金属酸化物粒子の表面を処理することによって製造されることを特徴とする、請求項13に記載の化粧用組成物。
【請求項15】
反応性オルガノポリシロキサンが、オルガノ水素ポリシロキサン、トリオルガノシロキシケイ酸、トリアルコキシ基で両方の末端が修飾されているオルガノポリシロキサン、及びそれらの混合物から成る群から選択されることを特徴とする、請求項14に記載の化粧用組成物。
【請求項16】
化粧用組成物の1.7重量%超〜15重量%、好ましくは2重量%〜10重量%、より好ましくは2.2重量%〜5重量%の、架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを含むことを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項17】
化粧用組成物の0.01〜15重量%、好ましくは0.01重量%〜1重量%の、乳化性架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを含むことを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項18】
化粧用組成物の0.01〜15重量%、好ましくは2重量%〜5重量%の、非乳化性架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを含むことを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項19】
化粧用組成物の7重量%〜80重量%の油をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項20】
前記油が、揮発性油、不揮発性油、及びそれらの混合物から成る群から選択されることを特徴とする、請求項19に記載の化粧用組成物。
【請求項21】
前記揮発性油が、2〜50×10-62/s(2〜50cst)の粘度を有する揮発性環状シリコーンオイル及び揮発性線状ジメチコンを含むことを特徴とする、請求項20に記載の化粧用組成物。
【請求項22】
揮発性環状シリコーンオイルと揮発性線状ジメチコンの比が1:1〜25:1、好ましくは5:1〜10:1であることを特徴とする、請求項21に記載の化粧用組成物。
【請求項23】
乳化剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜22のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項24】
前記乳化剤が、ポリオキシアルキレンコポリマー類、ポリグリセリルコポリマー類、及びそれらの混合物から成る群から選択されることを特徴とする、請求項23に記載の化粧用組成物。
【請求項25】
前記乳化剤が、ポリオキシアルキレン乳化剤を含まないことを特徴とする、請求項23に記載の化粧用組成物。
【請求項26】
有機日焼け止め剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜25のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項27】
1〜50μmの平均粒子直径を有する球状ポリマー粒子をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜26のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項28】
請求項1〜27のいずれか一項に記載の化粧用組成物を含むことを特徴とする化粧用ファンデーション組成物。

【公表番号】特表2008−500349(P2008−500349A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515231(P2007−515231)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【国際出願番号】PCT/US2005/018075
【国際公開番号】WO2005/115310
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】