説明

ファントム内を広範囲にわたって三次元的に動作する放射線量測定装置

【課題】人体の動きにより近い動きを正確に再現できると共に、検知部を簡単に交換することができ、ファントム内を広範囲にわたって三次元的に動作する放射線量測定装置を提供する。
【解決手段】ファントム内を広範囲にわたって三次元的に動作する放射線量測定装置10に、放射線治療装置1のベッド2上でファントム3の後側に配置される装置本体12と、装置本体12に支持された第一ベースを左右へ移動させる第一駆動機構18と、第一ベースに支持された第二ベースを上下へ移動させる第二駆動機構24と、第二ベースに支持された第三ベースを前後へ移動させる第三駆動機構30と、第三ベースに後端が支持されると共にスライド保持部材にスライド可能に保持され前端がファントム3内へ突出可能とさた円筒状のガイド部材32と、ガイド部材32内に脱着可能に挿入された支持ロッドの前端に取付けられ放射線量を測定するための検知部38と、を具備させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線治療治療装置から照射される放射線の放射線量測定装置に関するものであり、特に、ファントム内を広範囲にわたって三次元的に動作する放射線量測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、人体の内部に形成された腫瘍に対して、外部から所定の放射線を照射することで治療を行う放射線治療が知られている。この放射線治療では、腫瘍以外の正常な部位へ放射線が照射されないようにすることが望ましく、腫瘍に対して高精度で放射線を照射することができる放射線治療装置が種々提案されている。
【0003】
ところで、肺等の臓器の動く位置に腫瘍が形成されている場合、肺等の動きに伴って腫瘍の位置も移動するので、放射線治療装置から照射された放射線が腫瘍からずれてしまう問題があった。そこで、腫瘍の動きに合せて放射する放射線量を自動で変更させることができる放射線治療装置も知られている。この放射線治療では、放射線治療装置によって治療を行う前に、予め呼吸に伴う腫瘍の動きを解析した上で、放射線照射野内に腫瘍が存在する時のみ放射線を照射するような制御プログラムを作成し、その制御プログラムによって腫瘍の動きに追従するように放射線治療装置を制御して治療を行っていた。
【0004】
しかしながら、放射線治療装置によって放射線を照射する位置やタイミングが、実際の腫瘍の動きに対して、本当に追従しているか否かが判らず、追従していなかった場合、腫瘍に対して充分な放射線量を照射することができず治療成績が低下してしまったり、正常な部位に放射線が照射されて問題が発生したりする虞があった。
【0005】
そこで、所定形状に形成されたカムと、カムの回転によって進退する軸体と、軸体の先端に取付けられたフィルム収納箱とを備えた装置が提案されている(例えば、特許文献1)。この装置は、カムの形状を動く臓器の動きに対応させた形状とすることで、先端に取付けられたフィルム収納箱に臓器と同じような動きをさせ、このフィルム収納箱に対して放射線治療装置から放射線を照射することで、照射する放射線の位置やタイミングが臓器に対して正しく追従しているか否かを確認することができるようになっている。
【0006】
一方、放射線治療装置から照射される放射線の位置や放射線量を確認する場合、一般的に照射の対象となる腫瘍は、人体の内部に存在しているので、人体の外部から照射した放射線が、腫瘍との間の人体の組織によって撹乱されたり吸収されたりして、放射線が屈折したり照射量が減少したりする問題がある。そこで、放射線に対して人体と略等価の素材を用いて模擬人体(以下、ファントムと称す)を作成した上で、ファントム内における腫瘍と対応した位置に放射線量を測定する検知部(例えば、放射線によって感光する検知フィルムや、検知センサ、等)を取付け、このファントムを用いることで放射線治療装置から照射される放射線の位置や放射線量を検証して、放射線治療に対する治療成績を向上させるようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ファントム内の腫瘍と対応した位置に検知部を取付けるようにしており、ファントム自体は動かないので、腫瘍(検知部)のある位置が呼吸等によって動く位置にある場合では、検知部が人体の動きに合わせて移動することはなく、放射線治療装置による放射線治療の検証を充分に行うことができない問題があった。
【0008】
これに対して、ファントムと特許文献1の装置とを組合せることで、特許文献1の装置の先端(フィルム収納箱)をファントム内へ挿入し、フィルム収納箱がファントムの内部で動くようにすることが考えられる。しかしながら、特許文献1の装置では、カムの回転による軸体の進退によってフィルム収納箱を移動させるようにしており、蓋然的に、フィルム収納箱(臓器や腫瘍に相当)の動きが一方向のみの動きとなるので、例えば、肺に形成された腫瘍を対象とした場合、フィルム収納箱を上下方向へ移動させなければならないため、フィルム収納箱を移動させる装置本体をファントムの上側に配置しなければならず、装置本体が邪魔になって放射線を照射することができなくなる虞がある。
【0009】
また、従来のファントムと特許文献1の装置とを組合せた場合、ファントム内に配置されたフィルム収納箱内のフィルムを交換する時には、ファントムと特許文献1の装置とを分離させなければならないので、分離させることで、ファントムと特許文献1の装置との位置関係や、ファントムと放射線治療装置との位置関係等がずれてしまい、フィルムを交換する度にファントムや特許文献1の装置等の位置合わせを行わなければならず、手間がかかる問題がある。
【0010】
更に、特許文献1の装置では、カムの回転によりフィルム収納箱を移動させるようにしているので、対象とする臓器や患者に応じた形状のカムを作成しなければならず、放射線治療装置の確認に手間がかかると共に、コストが高くなる問題がある。また、特許文献1の装置では、上述したように、フィルム収納箱を一方向にしか移動させることができず、構造上実際の臓器の動きを忠実に再現することはできない問題があるので、この装置で追従を確認しても、放射線治療装置によって照射される放射線の位置やタイミングが、実際の臓器(腫瘍)の動きとは異なる可能性があり、放射線を照射すべき位置がずれて充分な治療成績を得ることができない虞がある。
【0011】
また、放射線治療装置では、照射する放射線の位置が、正確に目標とした位置に照射されているか否かを定期的に確認してメンテナンスを行う必要があり、一方向のみの単純な動きについては、特許文献1の装置でも検証することができる。しかしながら、目標が三次元的に複雑に動く場合については、その動きを検証するための測定装置がなく、放射線治療装置を充分にメンテナンスすることができなかった。
【0012】
一方、CT(Computed Tomography)等の放射線画像装置の場合でも、実際の内部組織(断面)と撮影された断面とが一致しているか否かを定期的に検証して装置の校正を行う必要があるが、特許文献1等の従来の装置では、充分に検証することができなかった。
【0013】
そこで、本発明は上記の実情に鑑み、人体の動きにより近い動きを正確に再現できると共に、検知部を簡単に交換することができ、ファントム内を広範囲にわたって三次元的に動作する放射線量測定装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明のファントム内を広範囲にわたって三次元的に動作する放射線量測定装置は、「放射線治療装置等のベッド上に載置され、人体を模し内部に空間を有したファントムの後側に配置される枠状の装置本体と、該装置本体内に支持され、左右方向へ延びた第一レールと、該第一レールによって左右方向へ移動可能に保持された第一ベースと、該第一ベースを左右方向へ移動駆動させる第一駆動機構と、該第一駆動機構によって左右方向へ移動駆動される前記第一ベースに支持され、前記装置本体内で上下方向へ延びた第二レールと、該第二レールによって上下方向へ移動可能に保持された第二ベースと、該第二ベースを上下方向へ移動駆動させる第二駆動機構と、該第二駆動機構によって上下方向へ移動駆動される前記第二ベースに支持され、前記装置本体内で前後方向へ延びた第三レールと、該第三レールによって前後方向へ移動可能に保持された第三ベースと、該第三ベースを前後方向へ移動駆動させる第三駆動機構と、該第三駆動機構によって前後方向へ移動駆動される前記第三ベースに後端が支持されると共に、該第三ベースが前方へ移動すると前端が前記装置本体から前側のファントム内へ突出可能とされ、合成樹脂によって円筒状に形成されたガイド部材と、該ガイド部材の外周を前後方向へスライド可能に支持し、前記第三レールの前端側で前記第二ベースに取付けられたスライド保持部材と、該スライド保持部材と前記第三ベースとによって支持された前記ガイド部材内に後側から脱着可能に挿入支持され、合成樹脂によって棒状に形成された支持ロッドと、該支持ロッドの前端に取付けられると共に前記ガイド部材から前方へ突出し、放射線量を測定するための検知部とを具備する」ことを特徴とする。
【0015】
ここで、「左右方向」、「上下方向」、「前後方向」とは、放射線治療装置に付随するベッドに対して、ベッドの幅方向を左右方向、ベッドの長手方向を前後方向、ベッドの面に対して直角方向を上下方向とするものである。
【0016】
また、「装置本体」としては、「外形が直方体状に形成されたもの」、「外形が平板状に形成されたもの」、「外形が側面視で三角形状に形成されたもの」、等が挙げられる。また、「第一レール」、「第二レール」、「第三レール」としては、「単体でも、移動方向以外の方向に対しては移動不能の状態とすることができるもの」、「複数用いることで、移動方向以外の方向に対しては移動不能の状態とすることができるもの」、等が挙げられる。
【0017】
また、「第一駆動機構」、「第二駆動機構」、「第三駆動機構」としては、「レールに沿って延びた棒状の螺子部材と、螺子部材と螺合すると共にレールによって移動可能に保持されたベースに取付けられるナット部と、螺子部材を回転駆動させるモータと、を備えたもの」、「レールに沿って延びたラックギアと、ラックギアと噛合するピニオンギアと、ピニオンギアを回転駆動させると共にレールによって移動可能に保持されたベースに取付けられたモータと、を備えたもの」、「レールの両端に回転可能に配置されるスプロケットと、スプロケットに巻き掛けられ一部がレールによって移動可能に保持されたベースに固定されるチェーンと、何れか一方のスプロケットを回転駆動させるモータと、を備えたもの」、等が挙げられる。なお、各駆動機構は、所定の制御プログラムに基づいて、コンピュータにより制御されるものである。
【0018】
更に、ガイド部材や支持ロッドを形成する「合成樹脂」としては、「アクリル樹脂」、「ポリカーボネート樹脂」、「ABS樹脂」、「ポリプロピレン」、「ポリアリレート樹脂」、「メタクリル樹脂」、「PEEK(ポリエーテル・エーテル・ケトン)」、「ポリアミド樹脂」、等が挙げられる。
【0019】
また、「スライド保持部材」としては、「円筒状のガイド部材の外周面に対して全周に亘って接触するブッシュ状のもの(摺動ブッシュ、メタルベアリング、等)」、「円筒状のガイド部材の外周面を転動するボール又はローラを複数備えたもの(ボールベアリング、ローラベアリング、等)」、等が挙げられる。
【0020】
また、「検知部」としては、「放射線により感光する検知フィルム(フィルムバッジ)を備えたもの」、「ガイガー・ミュラー計数管(GM計数管)」、「NaI(Tl)シンチレーション検出器」、「半導体検出器」、「熱蛍光線量計(TLD)」、「蛍光ガラス線量計」、「電離箱」、等が挙げられる。なお、GM計数管、シンチレーション検出器、半導体検出器、等の放射線検知センサを用いた場合、リアルタイムで放射線を検知することができる。
【0021】
ところで、ファントム内へ挿入されるガイド部材は、前端に検知部が取付けられているので、後端側が専ら支持されたいわゆる片持支持の状態となり、前端の検知部の重量や、ガイド部材が三次元的に移動することで、かかる重量や慣性力等によって、前端が撓んだり振れたりする虞がある。そこで、強度・剛性の高い素材として、金属を用いることが考えられるが、ガイド部材に金属を用いた場合、放射線が吸収或いは反射してしまい、検知部で正確に放射線量を検知することができなくなる問題がある。
【0022】
本発明によると、前端に放射線を検知する検知部が支持ロッドを介して取付けられたガイド部材を、第一駆動機構によって左右方向へ、第二駆動機構によって上下方向へ、更に、第三駆動機構によって前後方向へ移動させることができるので、各駆動機構による駆動を適宜制御することで、ガイド部材の前端の検知部をファントム内で三次元的に自由に移動させることができ、ファントム内を広範囲にわたって三次元的に動作する放射線量測定装置(以下、単に放射線量測定装置とも称す)とすることができると共に、ガイド部材(支持ロッド)の前端の検知部の動きを、人体の動きにより近い動きとすることができる。
【0023】
また、ガイド部材を、合成樹脂で円筒状に形成しているので、単なる棒状の部材とした場合と比較して、ガイド部材の剛性を高めて撓み難くすることができ、前端に取付けられた検知部の移動位置精度を高めることができると共に、放射線に対する透過性を充分に確保することができ、検知部で放射線を検知する際の妨げとなるのを回避させることができる。また、ガイド部材を、後端に加えて第三レールの前端側に取付けられたスライド保持部材によっても支持しているので、第三駆動機構によりガイド部材を前後方向へ移動させた時に、ガイド部材を揺れ難くすることができ、ガイド部材の前端(検知部)が振れるのを可及的に抑制して検知部の位置精度を高めることができる。
【0024】
更に、ガイド部材の内部に支持ロッドが挿入支持されるようにしているので、支持ロッドが挿入されることでガイド部材の剛性をより高めることができ、更にガイド部材を撓み難くすることができる。また、前端に検知部が取付けられた支持ロッドを、ガイド部材の後側から脱着可能に支持しているので、ガイド部材の円筒内を通して検知部を支持ロッドと共に後側へ脱着することができ、ファントムと放射線量測定装置とを分離させなくても検知部を簡単に交換することができる。
【0025】
また、上述したように、三次元的に移動する検知部の移動位置精度を高くすることができるので、放射線治療装置による放射線の照射位置や照射タイミングを高精度で確認して検証することが可能となり、動く腫瘍に対して放射線を確実に追従させることができ、放射線治療装置による放射線治療の治療成績を向上させることができると共に、放射線治療装置を充分にメンテナンスすることができ、最良の状態に維持させることができる。
【0026】
更に、前端の検知部を三次元的に移動させることができると共に、ファントムの後側に放射線量測定装置を配置しているので、人体の如何なる場所に形成された腫瘍に対しても、放射線量測定装置が放射線治療装置等の邪魔をすることなく対応することができ、汎用性が高く使い勝手の良いものとすることができる。また、装置本体を枠状としているので、放射線量測定装置全体を軽量化することができ、持ち運び易くすることができると共に、放射線治療装置等のベッドに載置し易くすることができる。
【0027】
また、第一駆動機構、第二駆動機構、及び第三駆動機構によってガイド部材を介して支持ロッドの前端に取付けられた検知部を三次元的に移動させることができるので、それら各駆動機構を制御する制御プログラムを変更するだけで、検知部の動きを簡単に変更することができ、汎用性の高いものとすることができると共に、検知部の動きの変更にかかるコストを低減させることができる。
【0028】
更に、前端の検知部を三次元的に正確に移動させることができるので、前端の検知部の位置を正確に把握することができ、CT等の放射線画像装置によって検知部を人体の内部組織に見立てて撮影することで、放射線画像装置の検証に用いることができ、放射線画像装置を良好な状態にメンテナンス(校正)することができる。
【0029】
また、本発明のファントム内を広範囲にわたって三次元的に動作する放射線量測定装置は、上記の構成に加えて、「前記検知部は、放射線を検知可能な検知フィルムと、該検知フィルムを覆い合成樹脂によって形成された球状の模擬部と、該模擬部全体を覆うと共に前記支持ロッドの前端に取付可能とされ、前記模擬部とは異なる素材により形成された取付保持部材とを備えている」ことを特徴としても良い。
【0030】
ここで、「模擬部」としては、「二つの半球を備え、半球の間に検知フィルムを挟持することで覆うようにしたもの」、「スリットを有した球体とされ、スリット内に検知フィルムを挿入することで覆うようにしたもの」、等が挙げられる。また、模擬部を形成する「合成樹脂」としては、「アクリル樹脂」、「ポリカーボネート樹脂」、「ABS樹脂」、「ポリプロピレン」、「ポリアリレート樹脂」、「メタクリル樹脂」、「PEEK(ポリエーテル・エーテル・ケトン)」、「ポリアミド樹脂」、等が挙げられ、ガイド部材や、支持ロッドと同様の樹脂とすることが望ましい。
【0031】
また、取付保持部材における「模擬部とは異なる素材」としては、上述の合成樹脂に加えて、「コルクガシ等の樹皮」、「天然樹脂」、「天然ゴム」、「木材」、等が挙げられ、放射線に対して人体と略等価の素材を用いることが望ましく、例えば、人体の肺に形成された腫瘍を模擬する場合では、素材として「コルク」を用いることが望ましい。
【0032】
ところで、取付保持部材を、模擬部と同じ素材で形成するようにした場合、CT等により放射線画像を撮影すると、模擬部と取付保持部材との境界が不明瞭となって、模擬部の正確な位置が判らなくなり、CT等の放射線画像装置の検証や校正に用いることができなくなる虞がある。
【0033】
一方、模擬部は、人体等に形成された腫瘍を模したものであり、腫瘍の大きさに応じて大きさとする必要があるので、模擬部を支持ロッドに直接取付けるようにした場合、支持ロッド側の取付部の大きさも腫瘍部に合わせた大きさとしなければならない問題が発生する。そのため、腫瘍の大きさに応じた取付部を有する支持ロッドを、予め複数用意する必要があり、コストが増加する問題がある。
【0034】
本発明によると、放射線を検知する検知部を、検知フィルムを覆い合成樹脂で形成した模擬部と、模擬部とは異なる素材で形成し支持ロッドの前端に取付けられる取付保持部材とで構成しているので、CT等の放射線画像を撮影した場合、模擬部と取付保持部材とでは形成する素材の違いにより、腫瘍としての模擬部と取付保持部材との境界を明確に写すことができ、放射線画像装置や放射線治療にかかる検証や校正に対して充分に対応することが可能な放射線量測定装置とすることができる。
【0035】
また、模擬部を、取付保持部材を介して支持ロッドへ取付けるようにしているので、模擬部の大きさに合わせた取付保持部材が必要となるが、支持ロッド全体を多数用意する場合と比較して、取付保持部材は小さいので、検証等にかかるコストの増加を抑制することができる。
【0036】
また、本発明のファントム内を広範囲にわたって三次元的に動作する放射線量測定装置は、上記の構成に加えて、「前記支持ロッドは、前記ガイド部材の軸心周りに回動可能に支持されている」ことを特徴としても良い。
【0037】
本発明によると、支持ロッドをガイド部材の軸心周りに回動させることができるので、蓋然的に、支持ロッドを回動させることで支持ロッドの前端に取付けられた検知部もガイド部材の軸心周りに回動させることが可能となり、放射線治療装置から照射される放射線の方向へ合わせた向きに検知部を向けることができ、放射線を確実に検知することができる。
【0038】
なお、支持ロッドを、手動により回動させるようにしても良いし、モータを用いて回動させるようにしても良く、何れの場合でも、支持ロッド(検知部)の回動角度を位置決めできるようにすることが望ましい。
【0039】
更に、本発明のファントム内を広範囲にわたって三次元的に動作する放射線量測定装置は、上記の構成に加えて、「前記ガイド部材の後端に配置され、該ガイド部材の軸心を中心とすると共に該ガイド部材の内径よりも大きい多角形に凹んだ嵌合溝と、該嵌合溝の内形と対応する外形で該嵌合溝内に挿入嵌合可能とされ、前記支持ロッドの後端に固定される嵌合片とを更に具備する」ことを特徴としても良い。
【0040】
本発明によると、多角形に形成されたガイド部材側の嵌合溝と、支持ロッド側の嵌合片とが互いに嵌合するようにしているので、嵌合溝に嵌合片を嵌合させることで、簡単に多角形の角数に応じた角度に支持ロッドの回動位置を固定することができ、検知部の回転角度位置を簡単に位置決めすることができる。
【0041】
また、本発明のファントム内を広範囲にわたって三次元的に動作する放射線量測定装置は、上記の構成に加えて、「前記装置本体は、外形が直方体状に形成されていると共に、前記第一レールは、前記装置本体における前側の左右方向へ延びた上下の二辺に沿って夫々配置されている」ことを特徴としても良い。
【0042】
ところで、左右方向へ延びた第一レールを、前後方向へ離反させるように配置した場合、一対の第一レールによって左右方向へ案内される第一ベースは蓋然的に左右方向及び前後方向へ延びた面に沿ったような形態となるが、この第一ベースに上下方向へ延びた第二レールを支持させる場合、第二レールの両端を支持するためには第一ベースの形態を上下方向へも延びた形態とする必要があり、第一ベースが大型化して放射線量測定装置全体が大きくなってしまう問題があると共に、第一ベースが大型化することで重量が重くなって第一駆動機構にかかる負荷が大きくなるので、第一駆動機構も大きくしなければならなくなる問題が発生する。
【0043】
本発明によると、装置本体の外形を直方体状とすると共に、一対の第一レールを装置本体の前側における上下の二辺に配置しているので、第一レールによって左右方向へ案内される第一ベースを上下方向へ延びた形態とすることができ、第一ベースによって上下方向へ延びた第二レールの両端或いは全体を支持することができ、第一ベースを可及的に小型化することができ、放射線量測定装置全体を小型化することができる。
【0044】
また、上下に配置された一対の第一レールによって第一ベースを案内するようにしているので、一つの第一レールによって第一ベースを案内した場合と比較して、第一ベースを安定した状態で案内させることができると共に、上述したように第一ベースによって第二レールを良好な状態で支持することができ、第二レールに案内される第二ベースも安定した状態で案内することができるので、結果的に、前端に取付けられた検知部を振れ難くすることができ、検知部の移動位置精度を高めることができる。
【0045】
更に、装置本体の外形を直方体状としているので、装置本体全体の剛性を高めることが可能となり、各駆動機構による駆動力や駆動力の反力等によって装置本体が歪むのを防止することができ、前端の検知部を振れ難くすることができると共に、装置本体を放射線治療装置等のベッドに載置し易くすることができる。
【発明の効果】
【0046】
このように、本発明によれば、人体の動きにより近い動きを正確に再現できると共に、検知部を簡単に交換することができ、ファントム内を広範囲にわたって三次元的に動作する放射線量測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態であるファントム内を広範囲にわたって三次元的に動作する放射線量測定装置をファントムと共に放射線治療装置に取付けた状態を示す斜視図である。
【図2】図1の放射線量測定装置を示す斜視図である。
【図3】(A)は図1の放射線量測定装置の平面図であり、(B)は図1の放射線量測定装置の側面図である。
【図4】図1の放射線量測定装置の正面図である。
【図5】(A)は図3(B)におけるアーア断面図であり、(B)は図3(B)におけるイーイ断面図である。
【図6】(A)は図1の放射線量測定装置の要部を示す斜視図であり、(B)は(A)に示す要部を分解して示す斜視図である。
【図7】図1の放射線量測定装置における検知部を分解して示す斜視図である。
【図8】図7の例とは異なる形態の検知部を分解して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明の一実施形態であるファントム内を広範囲にわたって三次元的に動作する放射線量測定装置(以下、放射線量測定装置とも称す)について、図1乃至図7を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態であるファントム内を広範囲にわたって三次元的に動作する放射線量測定装置をファントムと共に放射線治療装置に取付けた状態を示す斜視図である。図2は、図1の放射線量測定装置を示す斜視図である。図3(A)は図1の放射線量測定装置の平面図であり、(B)は図1の放射線量測定装置の側面図である。また、図4は図1の放射線量測定装置の正面図である。更に、図5(A)は図3(B)におけるアーア断面図であり、(B)は図3(B)におけるイーイ断面図である。また、図6(A)は図1の放射線量測定装置の要部を示す斜視図であり、(B)は(A)に示す要部を分解して示す斜視図である。図7は、図1の放射線量測定装置における検知部を分解して示す斜視図である。
【0049】
本実施形態の放射線量測定装置10は、図1に示すように、放射線治療装置1に付随するベッド2上に載置することができるものである。なお、本例では、ベッド2の幅方向を左右方向、ベッド2の長手方向を前後方向、ベッド2の面に対して直角方向を上下方向とし、放射線治療装置1に近づく方向を前方(前側)として以下説明する。
【0050】
この放射線量測定装置10は、放射線治療装置1のベッド上2に載置され、人体を模し内部に移動可能な空間を有したファントム3の後側に配置される枠状の装置本体12と、装置本体12内に支持され左右方向へ延びた第一レール14と、第一レール14によって左右方向へ移動可能に保持された第一ベース16と、第一ベース16を左右方向へ移動駆動させる第一駆動機構18と、第一ベース16に支持され装置本体12内で上下方向へ延びた第二レール20と、第二レール20によって上下方向へ移動可能に保持された第二ベース22と、第二ベース22を上下方向へ移動駆動させる第二駆動機構24と、を備えている。
【0051】
また、放射線量測定装置10は、第二ベース22に支持され装置本体12内で前後方向へ延びた第三レール26と、第三レール26によって前後方向へ移動可能に保持された第三ベース28と、第三ベース28を前後方向へ移動駆動させる第三駆動機構30と、第三ベース28に後端が支持されると共に第三ベース28が前方へ移動すると前端が装置本体12から前側のファントム3内へ突出可能とされ、合成樹脂によって円筒状に形成されたガイド部材32と、ガイド部材32の外周を前後方向へスライド可能に支持し第三レール26の前端側で第二ベース22に取付けられたスライド保持部材34と、ガイド部材32内に後側から脱着可能に挿入支持され合成樹脂によって棒状に形成された支持ロッド36と、支持ロッド36の前端に取付けられると共にガイド部材32から前方へ突出し放射線量を測定するための検知部38と、を備えている。
【0052】
また、放射線量測定装置10は、ガイド部材32の後端の位置で第三ベース28に取付けられ、ガイド部材32の軸心を中心とすると共にガイド部材32の内径よりも大きい正方形に凹んだ嵌合溝40aを有する回転位置決め部材40と、回転位置決め部材40の嵌合溝40aの内形と対応した正方形の外形で嵌合溝40a内へ後側から挿入嵌合可能とされ支持ロッド36の後端に固定された嵌合片42と、を更に備えている(図6を参照)。
【0053】
なお、本例のファントム3は、図1に示すよう、人体における胸部を模擬したものであり、放射線量測定装置10における検知部38がファントム3における肺の内部を三次元的に移動することができるようになっている。つまり、本例では、肺に形成された腫瘍を対象とし、呼吸によって移動する腫瘍の動きを再現させるようにしたものである。また、本例では、第一レール14、第二レール20、及び第三レール26に、公知のリニアレールを用いている。
【0054】
本例の放射線量測定装置10における装置本体12は、図2等に示すように、外形が直方体状に形成されている。具体的には、前面を形成し矩形状の開口12aを有した板状の前板12bと、前板12bの後面における下辺の左右両端に取付けられ後方へ延出した棒状の下横フレーム12cと、前板12bの上辺に沿って取付けられる棒状の上前フレーム12dと、上前フレーム12dの後側の左右両端に取付けられ後方へ延出した棒状の上横フレーム12eと、左右の下横フレーム12c及び上横フレーム12dの後端同士を夫々連結し上下方向へ延びた棒状の後縦フレーム12fと、左右の後縦フレーム12fの下端同士を連結する棒状の下後フレーム12gと、左右の後縦フレーム12fの上端同士を連結する棒状の上後フレーム12hと、を備えている。また、装置本体12には、下面に取付けられた板状の底板12iを備えている。
【0055】
この装置本体12は、図5に示すように、上前フレーム12d、上横フレーム12e、後縦フレーム12f、及び上後フレーム12hの断面の外形が、正方形とされていると共に、下横フレーム12c及び下後フレーム12gの断面の外形が、上前フレーム12d等と同じ大きさの正方形を二つ並べた大きさの長方形とされており、夫々のフレームが同一断面形状の長尺部材を適宜長さに切断されている。この装置本体12の前板12bは、上前フレーム12d等の幅よりも若干小さい厚手の板材を用いており、装置本体12全体の剛性が高くなるようになっている。
【0056】
放射線量測定装置10における第一レール14は、図5等に示すように、二つのレールにより構成されており、装置本体12における前板12bの上辺と下辺に沿って夫々取付けられることで、互いに平行に配置されている。第一ベース16は、図示するように、一対の第一レール14に跨るように所定厚さの板状に形成され、上下両端が夫々第一レール14によって移動可能に保持されている。第一駆動機構18は、装置本体12内で前側の上辺付近に配置されており、上側の第一レール14に沿って左右方向へ延びると共に回転可能に装置本体12に支持された棒状のボールネジ18aと、ボールネジ18aと螺合し第一ベース16に取付けられるナット部材18bと、装置本体12に取付けられボールネジ18aを回転駆動させる第一駆動モータ18cと、を備えている。この第一駆動機構18は、第一駆動モータ18cによってボールネジ18aを回転させることで、ナット部材18bを介して第一ベース16を第一レール14に沿って左右方向へ移動させることができるようになっている。
【0057】
また、放射線量測定装置10における第二レール20は、図5(A)に示すように、二つのレールにより構成されており、板状の第一ベース16の後面に左右方向へ並んで所定間隔で平行に取付けられている。第二ベース22は、前端側が一対の第二レール20によって移動可能に保持されており、後端が装置本体12内で装置本体12の後端付近まで延びた形態とされている。第二駆動機構24は、装置本体12内で第一ベース16の後側に配置されており、第二レール20に沿って上下方向へ延びると共に回転可能に第一ベース16に支持された棒状のボールネジ24aと、ボールネジ24aと螺合し第二ベース22に取付けられるナット部材24bと、第一ベース16の上部に取付けられボールネジ24aを回転駆動させる第二駆動モータ24cと、を備えている。この第二駆動機構24は、第二駆動モータ24cによってボールネジ24aを回転させることで、ナット部材24bを介して第二ベース22を第二レール20に沿って上下方向へ移動させることができるようになっている。
【0058】
更に、放射線量測定装置10における第三レール26は、図5等に示すように、二つのレールによって構成されており、前後方向へ延びた第二ベース22の一方の側面に上下方向へ並んで所定間隔で平行に取付けられている。第三ベース28は、上下両端が夫々第三レール26によって移動可能に保持されている。第三駆動機構30は、下側の第三レール26に沿って前後方向へ延びると共に回転可能に第ニベース22に支持されたボールネジ30aと、ボールネジ30aと螺合し第三ベース28に取付けられるナット部材30b(図3(B)を参照)と、第二ベース22における第三レール26が取付けられた面とは反対側の面に取付けられボールネジ30aを回転駆動させる第三駆動モータ30cと、を備えている。また、第三駆動機構30は、第三駆動モータ30cの回転軸に固定される駆動プーリ30dと、ボールネジ30aの後端に固定される従動プーリ30eと、従動プーリ30e及び駆動プーリ30dに巻き掛けられるベルト30fと、を更に備えている。
【0059】
この第三駆動機構30は、第三駆動モータ30cからの回転駆動が、駆動プーリ30d、ベルト30f及び従動プーリ30eを介してボールネジ30aへ伝達されるようになっており、ボールネジ30aの回転によってナット部材30bを介して第三ベース28が第三レール26に沿って前後方向へ移動することができるようになっている。なお、本例では、駆動プーリ30d及び従動プーリ30eが歯付プーリとされていると共に、ベルト30fが歯付プーリと噛合する歯付ベルトとされている。
【0060】
また、放射線量測定装置10におけるガイド部材32は、装置本体12の前後方向の長さよりも若干短い長さとされ、後端が第三ベース28に支持されている。具体的には、ガイド部材32の後端を含む後部は、第三ベース28の後端付近と、第三ベース28の前端との二箇所で支持されており、ガイド部材28の軸心が振れ難いようになっている。なお、本例では、ガイド部材32が、アクリル樹脂によって形成されている。
【0061】
また、スライド保持部材34は、図2に示すように、上側の第三レール26における前端の位置で第二ベース22に取付けられており、ガイド部材28を挿通可能な摺動ブッシュ34aを備えている。この摺動ブッシュ34aは、ガイド部材32の軸心と同軸上に配置されており、第三ベース28の移動によってガイド部材32が前後方向へ移動しても、ガイド部材28の軸心が振れないようになっている。また、摺動ブッシュ34aは、摩擦抵抗の小さいフッ素樹脂やポリアミド樹脂等の公知の素材によって形成されている。
【0062】
また、放射線量測定装置10における支持ロッド36は、図6(A)に示すように、ガイド部材32の内径と略同径の外径とされ前端に取付孔36aを有した筒状の前端部36bと、前端部36bの後端から後方へガイド部材32よりも長く延出した棒状のロッド部36cと、を備えている。この支持ロッド36は、前端部36bの取付孔36aに検知部38が脱着可能に取付けられるようになっていると共に、ロッド部36cの最後端から若干前側の位置に嵌合片42が固定されている。この支持ロッド36は、前端部36bがガイド部材32の内部に挿入されると共に、後端に固定された嵌合片42が回転位置決め部材40の嵌合溝40aと嵌合させることで、ガイド部材40と同軸上に取付けることができるようになっていると共に、嵌合片42によってガイド部材40の軸心に対して90度毎に回転角度位置を位置決めすることができるようになっている。
【0063】
更に、放射線量測定装置10における検知部38は、図6及び図7に示すように、放射線を検知可能な板状の検知フィルム44と、検知フィルム44を覆い合成樹脂によって形成された球状の模擬部46と、模擬部46全体を覆うと共に支持ロッド36の前端に取付可能とされ放射線に対して人体と略等価の合成樹脂とは異なる素材により形成された取付保持部材48と、取付保持部材48の前端を保持する環状の前端リング50と、を備えている。この検知部38の模擬部46は、上下に分割された半球状の二つの部材によって構成されており、検知フィルム44を挟むことで覆うようになっている。なお、本例では、模擬部46がガイド部材32と同様のアクリル樹脂によって形成されている。
【0064】
また、検知部38の取付保持部材48は、図6(B)に示すように、支持ロッド36の取付孔36aに挿入される円柱状の取付部48aと、取付部48aの前端から前方へ延出しガイド部材32の内径よりも若干小径とされ模擬部46を覆う円柱状の本体部48bと、本体部48bの前端から円柱状に突出し本体部48bよりも小径の保持突部48cと、を備えている。なお、保持突起48cの外径は、前端リング50の内径と略同じ径とされている。また、本例では、取付保持部材48がコルクによって形成されている。
【0065】
この取付保持部材48は、模擬部38bと同様に、上下に分割された二つの部材によって構成されており、分割面には夫々模擬部46を収容するための半球状の収容凹部48dが形成されている(図7を参照)。また、取付保持部材48は、上下に分割された二つの部材を互いに合わせた状態で、後端の取付部48aを支持ロッド36の取付孔36aに挿入すると共に、前端の保持突起48cに前端リング50を挿入させることで、互いに分離不能な状態となるようになっている。
【0066】
なお、図示は省略するが、放射線量測定装置10には、第一駆動機構18、第二駆動機構24、及び第三駆動機構30を、制御するための制御部(コンピュータ)が接続されており、これにより、所定の制御プラグラムを実行させることで、各駆動機構18,24,30における各駆動モータ18c,24c,30cの回転駆動を適宜制御して、ガイド部材32の先端に支持ロッド36を介して取付けられた検知部38を、ファントム3内で三次元的に移動させることができるようになっている。
【0067】
また、詳細な説明は省略するが、放射線量測定装置10には、第一ベース16、第二ベース22、及び第三ベース28における両側の移動端を夫々検知する移動端検知センサを備えており、各移動端検知センサによって第一ベース16、第二ベース22、及び第三ベース28等が検知されると、、第一駆動機構18、第二駆動機構24、及び第三駆動機構30の各駆動モータ18c,24c,30cの回転駆動が停止するようになっている。これにより、第一ベース16、第二ベース22、及び第三ベース28等が、装置本体12等に衝突するのを回避させることができ、放射線量測定装置10が破損するのを防止することができるようになっている。また、各ベース16,22,28の移動端を検知する移動端検知センサによって、各ベース16,22,28を検知させることで、各ベース16,22,28の原点位置を設定(再設定)させることができ、放射線量測定装置10の移動精度を良好な状態に維持することができるようになっている。
【0068】
因みに、本例の放射線量測定装置10は、装置本体12の左右方向の幅が約45cm、上下方向の高さが約35cm、前後方向の奥行きが約40cmとされている。また、前端の検知部38の可動範囲は、左右方向が約150mm、上下方向が約250mm、前後方向が約350mmとされている。また、筒状のガイド部材32は、外径が約30mmとされている。更に、放射線量測定装置10の重量は、約15kgとされている。
【0069】
次に、本実施形態の放射線量測定装置10の動作等について説明する。まず、第一ベース16を左右方向へ移動駆動させる第一駆動機構18では、第一駆動モータ18cを回転駆動させると、第一駆動モータ18cの回転軸に連結されたボールネジ18aが回転する。そして、ボールネジ18aの回転により、ボールネジ18aと螺合したナット部材18bが一緒に回転しようとするが、ナット部材18bが第一ベース16に回転不能に取付けられているので、ナット部材18bはボールネジ18aに沿って移動することとなり、第一ベース16が第一レール14に案内されて左右方向へ移動することとなる。
【0070】
また、第二ベース22を上下方向へ移動駆動させる第二駆動機構24では、第二駆動モータ24cを回転駆動させると、第二駆動モータ24cの回転軸に連結されたボールネジ24aが回転する。そして、ボールネジ24aの回転により、ボールネジ24aと螺合したナット部材24bが一緒に回転しようとするが、ナット部材24bが第二ベース22に回転不能に取付けられているので、ナット部材24bはボールネジ24aに沿って移動することとなり、第二ベース22が第二レール20に案内されて上下方向へ移動することとなる。
【0071】
また、第三ベース28を前後方向へ移動駆動させる第三駆動機構30では、第三駆動モータ30cを回転駆動させると、第三駆動モータ30cの回転軸に固定された駆動プーリ30dが回転し、駆動プーリ30dとボールネジ30aの後端に固定された従動プーリ30eとに巻き掛けられたベルト30fを介して従動プーリ30eが回転することとなる。そして、従動プーリ30eと共にボールネジ30aが回転することで、ボールネジ30aと螺合したナット部材30bが一緒に回転しようとするが、ナット部材30bが第三ベース28に回転不能に取付けられているので、ナット部材30bはボールネジ30aに沿って移動することとなり、第三ベース28が第三レール26に案内されて前後方向へ移動することとなる。
【0072】
更に、支持ロッド36を介して検知部38を前端に取付けたガイド部材32は、その後端が第三ベース28に支持されており、上述したように、第三駆動機構30における第三駆動モータ30cの回転駆動によって第三ベース28が前後方向へ移動すると、ガイド部材32が、支持ロッド36及び検知部38と共に前後方向へ移動することとなる。このガイド部材32は、第三ベース28に支持された後端部よりも前側が、第三レール26の前端に配置されたスライド保持部材34によって摺動可能に保持されており、ガイド部材32がその軸心に対して真直ぐに移動することができるようになっている。また、スライド保持部材34では、円筒状の摺動ブッシュ34aによってガイド部材32の外周の全周に亘って保持するようにしているので、ガイド部材32が振れたりガタついたりすることなく、スムーズに移動することができるようになっている。
【0073】
本例の放射線量測定装置10では、図示しない制御部によって、第一駆動モータ18c、第二駆動モータ24c、及び第三駆動モータ30cの回転駆動を制御することで、ガイド部材32の前端に取付けられた検知部38を、上下方向、及び前後方向の所定範囲内で三次元的に自由に移動させることができるようになっている。従って、例えば、人体の臓器として肺に形成された腫瘍を対象とした場合、呼吸に伴って腫瘍の位置が移動するので、その腫瘍の動きを解析して各モータ18c,24c,30cの駆動プログラム(制御プログラム)を作成し、その制御プログラムに基づいて各モータ18c,24c,30cの回転駆動を制御することで、ガイド部材32の前端に取付けられた検知部38内の模擬部46を、実際の腫瘍と同じ動きを正確に再現させることができるようになっている。
【0074】
また、本例の放射線量測定装置10では、ガイド部材32に対して支持ロッド36が脱着可能な状態で取付けられており、支持ロッド36を後方へ引張ることで、ガイド部材32から支持ロッド36を取外すことができるようになっている。また、支持ロッド36の前端に取付けられた検知部38は、その最大外径がガイド部材32の内径よりも小径とされているので、支持ロッド36と共にガイド部材32から取外すことができるようになっている。
【0075】
一方、支持ロッド36をガイド部材32へ取付ける場合は、ガイド部材36の後側から、検知部38を前側として支持ロッド36をガイド部材36内へ挿入する。そして、支持ロッド36の後端に固定された嵌合片42を、ガイド部材32の後端に配置された回転位置決め部材40の嵌合溝40aと嵌合させることで、支持ロッド36をガイド部材32に対してその軸心周りの方向へ回転不能な状態で取付けることができる。また、支持ロッド36の後端に取付けられた嵌合片42は、ガイド部材32の内径よりも大きいので、嵌合片42がガイド部材32の後端に当接し、ガイド部材32に対する支持ロッド36の前方への移動を規制することができるようになっている。
【0076】
なお、支持ロッド36の前端部36bは、外径がガイド部材32の内径と略同径とされているので、支持ロッド36がガイド部材32の内部でガタつかないようになっている。また、支持ロッド36の嵌合片42を嵌合溝40aへ嵌合させる際に、支持ロッド36をその軸心周りに所定角度回転させて嵌合溝40aへ嵌合させることもでき、本例では、嵌合溝40a及び嵌合片42が夫々正方形とされているので、支持ロッド36つまり前端の検知部38を、ガイド部材36の軸心周りに対して90度毎に回転位置を位置決めすることができるようになっている。
【0077】
また、支持ロッド36の前端に取付けられた検知部38は、支持ロッド36から前方へ移動させることで、支持ロッド36から取外すことができる。更に、前端に挿着された前端リング50を外すと、検知部38の取付保持部材48を二つに分割することができ、内部に収容された模擬部46及び模擬部46に挟まれた検知フィルム44を取外すことができるようになっている。
【0078】
一方、検知部38を組立てる時は、新しい検知フィルム44を一対の模擬部46の間に挟んだ上で、模擬部46を取付保持部材48の収容凹部48d内に収容されるように一対の取付保持部材48同士を合わせる。そして、合わせた取付保持部材48の後端側の取付部48aを、支持ロッド36の前端に形成された取付孔36a内に挿入すると共に、前端の保持突起48cに前端リング50を挿着することで、検知部38が組立てられた状態となると同時に支持ロッド36の前端に取付けられた状態となる。
【0079】
なお、本例では、検知部38における模擬部46を球状としているので、模擬部46を取付保持部材48の収容凹部48dに収容して挟持する際に、模擬部46の割り面、つまり、検知フィルム44の向きを、所望の向きに向けて挟持させることができ、支持ロッド36の後端の嵌合片42と嵌合溝40aとによるガイド部材32の軸心周り(前後方向へ延びた軸心周り)の回転位置に加えて、任意の方向へ検知フィルム44を向けることができるようになっている。
【0080】
また、本例では、検知部38の取付保持部材48がコルクによって形成されているので、コルクの弾性力により支持ロッド36の取付孔36aや前端リング50に圧入されて、取付けられるようになっており、ガイド部材32が動いても検知部38が支持ロッド36の前端から外れないようになっている。
【0081】
このように、本実施形態の放射線量測定装置10によると、前端に放射線を検知する検知部38が支持ロッド36を介して取付けられたガイド部材32を、第一駆動機構18によって左右方向へ、第二駆動機構24によって上下方向へ、更に、第三駆動機構30によって前後方向へ移動させることができるので、各駆動機構18,24,30による駆動を適宜制御することで、ガイド部材32の前端の検知部38をファントム3内で三次元的に自由に移動させることができ、ファントム3内を広範囲にわたって三次元的に動作する放射線量測定装置10とすることができると共に、ガイド部材32の前端における検知部38の動きを、人体の動きにより近い動きとすることができる。
【0082】
また、ガイド部材32を、アクリル樹脂で円筒状に形成しているので、単なる棒状の部材とした場合と比較して、ガイド部材32の剛性を高めて撓み難くすることができ、前端に取付けられた検知部38の移動位置精度を高めることができると共に、放射線に対する透過性を充分に確保することができ、検知部38で放射線を検知する際の妨げとなるのを回避させることができる。
【0083】
また、ガイド部材32を、後端に加えて第三レール26の前端側に取付けられたスライド保持部材34によっても支持しているので、第三駆動機構30によりガイド部材32を前後方向へ移動させた時に、ガイド部材32を揺れ難くすることができ、ガイド部材32の前端の検知部38が振れるのを可及的に抑制して検知部38の位置精度を高めることができる。
【0084】
更に、前端に検知部38が取付けられた支持ロッド36を、ガイド部材32の後側から脱着可能に支持しているので、ガイド部材32の円筒内を通して検知部38を支持ロッド36と共に後側へ脱着することができ、ファントム3と放射線量測定装置10とを分離させなくても検知部38を簡単に交換することができる。
【0085】
また、上述したように、三次元的に移動する検知部38の移動位置精度を高くすることができるので、放射線治療装置1による放射線の照射位置や照射タイミングを高精度で確認して検証することが可能となり、動く腫瘍に対して放射線を確実に追従させることができ、放射線治療装置1による放射線治療の治療成績を向上させることができると共に、放射線治療装置1を充分にメンテナンスすることができ、最良の状態に維持させることができる。
【0086】
更に、前端の検知部38を三次元的に移動させることができると共に、ファントム3の後側に放射線量測定装置10を配置しているので、人体の肺の如何なる場所に形成された腫瘍に対しても、放射線量測定装置10が放射線治療装置1の邪魔をすることなく対応することができ、汎用性が高く使い勝手の良いものとすることができる。
【0087】
また、装置本体12を枠状としているので、放射線量測定装置10全体を軽量化することができ、持ち運び易くすることができると共に、放射線治療装置1等のベッド2に載置し易くすることができる。
【0088】
更に、第一駆動機構18、第二駆動機構24、及び第三駆動機構30によってガイド部材32を介して支持ロッド36の前端に取付けられた検知部38を三次元的に移動させることができるので、それら各駆動機構18,24,30を制御する制御プログラムを変更するだけで、検知部38の動きを簡単に変更することができ、汎用性の高いものとすることができると共に、検知部38の動きの変更にかかるコストを低減させることができる。
【0089】
また、本実施形態の放射線量測定装置10によると、装置本体12の外形を直方体状とすると共に、一対の第一レール14を装置本体12の前側における上下の二辺に配置し、第一レール14によって左右方向へ案内される第一ベース16を上下方向へ延びた形態としているので、第一ベース16によって上下方向へ延びた第二レール20の全体を支持することができ、第一ベース16及び第二レール20によって移動する第二ベース22の移動精度を高めることができると共に、第一ベース16等を可及的に小型化することができ、放射線量測定装置10全体を小型化することができる。
【0090】
また、第一レール14、第二レール20、及び第三レール26を、夫々一対ずつとして、第一ベース16、第二ベース22、及び第三ベース28を夫々移動可能に案内するようにしているので、一つのレールによってベースを案内した場合と比較して、各ベース16,22,28をガタツキのない安定した状態で案内させることができ、ガイド部材32の前端に取付けられた検知部38を振れ難くすることができ、検知部38の移動位置精度を高めることができる。
【0091】
更に、装置本体12の外形を直方体状としているので、装置本体12全体の剛性を高めることが可能となり、各駆動機構18,24,30による駆動力や駆動力の反力等によって装置本体12が歪むのを防止することができ、前端の検知部38を振れ難くすることができると共に、装置本体12を放射線治療装置1のベッド2に載置し易くすることができる。
【0092】
また、支持ロッド36をガイド部材32の軸心周りに回動させることができると共に、嵌合溝40aに嵌合片42を嵌合させることで簡単に支持ロッド36の回動位置を固定することができるので、検知部38の回転角度位置を簡単に位置決めすることができる上に、放射線治療装置1から照射される放射線の方向へ合わせた向きに検知部38を向けることができ、放射線を確実に検知させることができる。
【0093】
更に、放射線を検知する検知部38を、検知フィルム44を覆いアクリル樹脂で形成した模擬部46と、模擬部46を覆いコルクで形成した取付保持部材48とで構成しているので、CT等の放射線画像を撮影した場合、模擬部46と取付保持部材48とを形成する夫々の素材の違いにより、腫瘍としての模擬部46と取付保持部材48との境界を明確に写すことができ、放射線画像装置や放射線治療にかかる検証や校正に対して充分に対応することが可能な放射線量測定装置10とすることができる。
【0094】
また、検知部38における模擬部46を、取付保持部材48を介して支持ロッド36へ取付けるようにしているので、模擬部46の大きさに合わせた取付保持部材48が必要となるが、支持ロッド36全体を多数用意する場合と比較して、取付保持部材48は充分に小さいので、検証等にかかるコストの増加を抑制することができる。
【0095】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0096】
すなわち、上記の実施形態では、ファントム3を、人体の胸部を模擬したものとし、肺に形成された腫瘍を対象としたものを示したが、これに限定するものではなく、ファントムを人体の腹部や頭部等の他の部位を模擬したものとすると共に、他の臓器に形成された腫瘍を対象としても良い。
【0097】
また、上記の実施形態では、支持ロッド36(検知部38)におけるガイド部材32の軸心周りの回転位置を位置決めするための嵌合溝40a及び嵌合片42を、ガイド部材32の軸心を中心とした正方形に形成されたものを示したが、これに限定するものではなく、正三角形、或いは、正五角形以上の正多角形としても良く、上記と同様の作用効果を奏することができる。
【0098】
更に、上記の実施形態では、検知部38として、模擬部46に検知フィルム44を挟持させたものを示したが、これに限定するものではなく、図8に示すように、検知フィルム44に換えて放射線検知センサを備えたものしても良い。詳述すると、図8は、図7の例とは異なる形態の検知部を分解して示す斜視図である。なお、上記と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。図8に示す検知部39は、模擬部46を略球形状とし、模擬部46内に挿入される前端にシンチレータ等の放射線に反応する反応部52aを有した棒状の検知センサ52(ピンポイント線量計)を備えている。
【0099】
また、図8に示すように、取付保持部材48は、収容凹部48dの形状が、模擬部46と検知センサ52とに対応した形状となっている。なお、図は省略するが、検知センサ52の後端からは接続ケーブルが延びだしており、支持ロッド36を通してガイド部材32の後側へ延びだし、所定の機器に接続されるようになっている。この検知部39を用いることで、放射線治療装置1等から照射される放射線をリアルタイムで検知することができ、放射線治療装置1、放射線画像装置、及び放射線治療、等の検証や校正にかかる手間を簡略化することができる。
【0100】
更に、上記の実施形態では、放射線量測定装置10を放射線治療装置1のベッド2に載置したものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、CT等の放射線画像装置のベッドに載置しても良く、これにより、上記の放射線量測定装置10では、上述したように、前端の検知部38を三次元的に正確に移動させることができ、前端の検知部38の位置を正確に把握することができるので、CT等の放射線画像装置によって検知部38を人体の内部組織に見立てて撮影することで、放射線画像装置の検証に用いることができ、放射線画像装置を良好な状態にメンテナンス(校正)することができる。
【0101】
また、上記の放射線量測定装置10を放射線画像装置に用いた場合、放射線を検知する検知部38を、検知フィルム44を覆いアクリル樹脂で形成した模擬部46と、模擬部46を覆いコルクで形成した取付保持部材48とで構成しているので、放射線画像を撮影すると、模擬部46と取付保持部材48とを形成する夫々の素材の違いにより、腫瘍としての模擬部46と取付保持部材48との境界を明確に写すことができ、放射線画像装置の検証や校正に充分に行うことができる。
【符号の説明】
【0102】
1 放射線治療装置
2 ベッド
3 ファントム
10 放射線量測定装置
12 装置本体
14 第一レール
16 第一ベース
18 第一駆動機構
20 第二レール
22 第二ベース
24 第二駆動機構
26 第三レール
28 第三ベース
30 第三駆動機構
32 ガイド部材
34 スライド保持部材
36 支持ロッド
38 検知部
39 検知部
40 回転位置決め部材
40a 嵌合溝
42 嵌合片
44 検知フィルム
46 模擬部
48 取付保持部材
50 前端リング
52 検知センサ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0103】
【特許文献1】特開平7−80089号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線治療装置等のベッド上に載置され、人体を模し内部に空間を有したファントムの後側に配置される枠状の装置本体と、
該装置本体内に支持され、左右方向へ延びた第一レールと、
該第一レールによって左右方向へ移動可能に保持された第一ベースと、
該第一ベースを左右方向へ移動駆動させる第一駆動機構と、
該第一駆動機構によって左右方向へ移動駆動される前記第一ベースに支持され、前記装置本体内で上下方向へ延びた第二レールと、
該第二レールによって上下方向へ移動可能に保持された第二ベースと、
該第二ベースを上下方向へ移動駆動させる第二駆動機構と、
該第二駆動機構によって上下方向へ移動駆動される前記第二ベースに支持され、前記装置本体内で前後方向へ延びた第三レールと、
該第三レールによって前後方向へ移動可能に保持された第三ベースと、
該第三ベースを前後方向へ移動駆動させる第三駆動機構と、
該第三駆動機構によって前後方向へ移動駆動される前記第三ベースに後端が支持されると共に、該第三ベースが前方へ移動すると前端が前記装置本体から前側のファントム内へ突出可能とされ、合成樹脂によって円筒状に形成されたガイド部材と、
該ガイド部材の外周を前後方向へスライド可能に支持し、前記第三レールの前端側で前記第二ベースに取付けられたスライド保持部材と、
該スライド保持部材と前記第三ベースとによって支持された前記ガイド部材内に後側から脱着可能に挿入支持され、合成樹脂によって棒状に形成された支持ロッドと、
該支持ロッドの前端に取付けられると共に前記ガイド部材から前方へ突出し、放射線量を測定するための検知部と
を具備することを特徴とするファントム内を広範囲にわたって三次元的に動作する放射線量測定装置。
【請求項2】
前記検知部は、
放射線を検知可能な検知フィルムと、
該検知フィルムを覆い合成樹脂によって形成された球状の模擬部と、
該模擬部全体を覆うと共に前記支持ロッドの前端に取付可能とされ、前記模擬部とは異なる素材により形成された取付保持部材と
を備えていることを特徴とする請求項1に記載のファントム内を広範囲にわたって三次元的に動作する放射線量測定装置。
【請求項3】
前記支持ロッドは、
前記ガイド部材の軸心周りに回動可能に支持されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のファントム内を広範囲にわたって三次元的に動作する放射線量測定装置。
【請求項4】
前記ガイド部材の後端に配置され、該ガイド部材の軸心を中心とすると共に該ガイド部材の内径よりも大きい多角形に凹んだ嵌合溝と、
該嵌合溝の内形と対応する外形で該嵌合溝内に挿入嵌合可能とされ、前記支持ロッドの後端に固定される嵌合片と
を更に具備することを特徴とする請求項3に記載のファントム内を広範囲にわたって三次元的に動作する放射線量測定装置。
【請求項5】
前記装置本体は、
外形が直方体状に形成されていると共に、
前記第一レールは、
前記装置本体における前側の左右方向へ延びた上下の二辺に沿って夫々配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4までの何れか一つに記載のファントム内を広範囲にわたって三次元的に動作する放射線量測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−200491(P2011−200491A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71578(P2010−71578)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(592213132)榎本ビーエー株式会社 (8)
【Fターム(参考)】