フアクシミリ装置と自動車電話装置の接続方法及びインターフエース装置
【目的】 インターフェース装置のCPUに何等かの異常状態が発生した場合でも自動車電話は正常に使用でき、かつ、上記異常状態をファクシミリ装置にアラーム等で知らせる。
【構成】 自動車電話装置の無線装置7Bとハンドセット9Bとの間に配線された複数の信号線の一部を切離す切換器を構成するRL1,RL2リレーと、その切離した前記無線装置7Bとハンドセット9Bの各信号線をファクシミリ装置に接続制御し解読処理するCPU8rと、このCPUの異常状態発生を検知するタイマー回路8iとを備え、CPUの異常状態を検知すると上記切離された一部の信号線を前記RL1,RL2リレーにより元通りに無線装置7Bとハンドセット9Bを直接接続するようにして、正常に自動車電話を使用できかつファクシミリ装置には異常をアラーム等で知らせる。
【構成】 自動車電話装置の無線装置7Bとハンドセット9Bとの間に配線された複数の信号線の一部を切離す切換器を構成するRL1,RL2リレーと、その切離した前記無線装置7Bとハンドセット9Bの各信号線をファクシミリ装置に接続制御し解読処理するCPU8rと、このCPUの異常状態発生を検知するタイマー回路8iとを備え、CPUの異常状態を検知すると上記切離された一部の信号線を前記RL1,RL2リレーにより元通りに無線装置7Bとハンドセット9Bを直接接続するようにして、正常に自動車電話を使用できかつファクシミリ装置には異常をアラーム等で知らせる。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファクシミリ装置と自動車電話装置の接続方法及びインターフェース装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、本発明が実施されるファクシミリ通信システムのシステム構成図を示したものである。図において、ファクシミリ装置1,2は、電話回線網3に接続される一方、ファクシミリ装置4は、インターフェース装置5を介して、自動車電話装置6に接続され、それぞれのファクシミリ装置1,2,4の相互間で通信が行われる。
【0003】ファクシミリ装置1,2は、同一構成であり、スキャナ11は原稿画像を読み取って所定の解像度の画情報を取り出すものであり、プロッタ12は画情報を記録紙に記録するものである。符号化復号化部13は、送信する画情報の符号化及び受信した画情報の復号化を行うものである。
【0004】網制御装置14は、電話回線網3に対する所定の発着信動作を行うものであり、モデム15は、伝送制御手順における各種手順信号および画情報を伝送するものである。通信制御部16は、網制御装置14とモデム15を制御して所定の伝送制御手順により画情報の送受信を行うものである。
【0005】操作表示部17は、装置の動作状態を表示すると共に、オペレータが各種操作を行うためのものである。システム制御部18は、マイクロコンピュータシステム(CPU)で構成され、上記各部を制御してこのファクシミリ装置の所定の動作を実行するものである。
【0006】図示していないが、ファクシミリ装置4には、網制御装置14は配設されておらず、他の部分はファクシミリ装置1,2と同一構成である。そして、モデム15がインターフェース装置5に接続されている。このインターフェース装置5は、モデム15と自動車電話装置6間の送受信信号の信号レベルやインピーダンス等の整合をとるものである。
【0007】ところで、自動車電話装置(日本電信電話株式会社:NTT)には、新,旧方式が存在するためそれに対応したインターフェース装置を用意する必要があった。
【0008】図7は、上記要望を満足させる新旧両方式兼用のファクシミリ通信システムの装置構成図を示したものである。図において、無線装置7Aには、インターフェース装置8が接続され、そのインターフェース装置8には、ハンドセット9Aとファクシミリ装置10とが接続されている。
【0009】上記、無線装置7Aおよびハンドセット9Aは、旧方式の自動車電話装置であり、両者間の信号線は24本ある。そして、インターフェース装置8は、無線装置7Aおよびハンドセット9Aを、それぞれ24ピンのコネクタ8a,8bにより接続している。
【0010】また、インターフェース装置8は、新方式の無線装置やハンドセットを使用することも可能である。
【0011】このために、新方式の無線装置7Bを接続するコネクタ8c、およびそのハンドセット9Bを接続するコネクタ8dが配設されている。この新方式の無線装置7Bとハンドセット9B間の信号線は10本であり、コネクタ8c,8dは、10ピンのものである。なお、新方式の無線装置7Bとハンドセット9Bを接続する場合には、旧方式の無線装置7Aとハンドセット9Aは、取り外される。
【0012】図8及び図9は、図7に示すインターフェース装置8の回路構成図を示したものである。インターフェース装置8は、図8に示すように旧方式の無線装置7Aおよびハンドセット9Aを接続するために必要な旧方式インターフェース部81と、図9に示すように新方式の無線装置7Bおよびハンドセット9Bを接続する新方式インターフェース部82と、両方式において必要な共通部83(図8参照)とにより構成されている。
【0013】図8の旧方式インターフェース部81の主な構成要素は、無線装置7Aのコネクタ8aと、ハードセット9Aのコネクタ8bからなり、各コネクタは送信信号〜保安用接地までの24ピンを有する。
【0014】また、共通部83はファクシミリ装置10と新方式インターフェース部82への各種
【0015】
【外1】
【0016】との送信信号TD、受信信号RDの伝送を行うトランス8e,8f,ファクシミリ装置10からの通話・ファックス切換信号TEXにてフック信号を切換接続するリレー8h、旧方式の無線装置からのフック信号をファクシミリ装置のフック信号
【0017】
【外2】
【0018】また、図9の新方式インターフェース部82の主な構成要素は、無線装置7Bのコネクタ8cと、ハンドセット9Bのコネクタ8d、各制御信号を解読処理するCPU8r、シリアルインターフェース8s,8t、及び新方式の無線装置からのフック信号をファクシミリ装置10のフック信号入力部HOKBに伝えるフォトカプラ8Vを有する。
【0019】上記各コネクタは送信信号〜電源までの10ピンを有し、CPU8rは、ROM,RAMを内蔵し、デジタル信号の入出力ポートIP1,OP1を備えたシングルチップのLSIである。このCPU8rには、シリアル信号を入出力するためのインターフェース用のLSIであるシリアルインターフェース8s,8tが信号バスにより接続されている。
【0020】
【外3】
【0021】上記、図9に示す新方式のインターフェース部82は、上り,下りシリアル信号に各種情報をのせてハンドセット9Bと無線装置7Bの間で授受を行っているため、CPU8rにて上記各種情報を読み込んで解読し、データ伝送する方式をとっていた。
【0022】また、図10に示す旧方式の他のインターフェース装置の回路構成図において、ファクシミリ装置10のメンテナンス等のために、コネクタ8cまたはコネクタ10aの結合が外されて、ファクシミリ装置10がインターフェース装置8から切離されたとする。すると、コネクタ8aの巻線Lのアース側ライン(GND)が切断されるので、リレー8dはオフし、その各接点は、接点b1〜b3側に切換わる。
【0023】これにより、無線装置7A側の送信信号TX、受信信号RX、フック信号HKの各ラインは、コネクタ8b側の対応する各ラインに接続される。
【0024】つまり、ファクシミリ装置10に接続されているコネクタ8cを外すと無線装置7Aとハンドセット9Aが自動的に元の状態に接続が戻るようになっていた。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の図9に示す新方式のインターフェース装置をブロック構成図で示すと、図11のようになり、動作の概要は次のとおりである。
【0026】CPU8rおよびシリアルインターフェース8s,8tは、図11に示すように、無線装置7Bからの下りシリアル信号SDを入力して、そのままハンドセット9Bに転送する。また、ハンドセット9Bからの上りシリアル信号SUを入力して、無線装置7Bに転送する。このとき、上りシリアル信号SUの上記フックスイッチ情報のデータよりフック状態を検出し、オンフックのとき、出力ポートの一端子OP1の信号レベルをローレベルに、また、オフフックのときハイレベルにする。
【0027】また、入力ポートの一端子IP1の信号レベルがハイレベルのときには、ハンドセット9Bからの上りシリアル信号SUをそのまま無線装置7Bに転送する一方、端子IP1の信号レベルがローレベルのときには、上りシリアル信号SUの上記フックスイッチ情報にオフフック状態をセットして、無線装置7Bに転送するようになっている。
【0028】上記図11で説明したように、従来の新方式のインターフェース装置8は、ファクシミリ装置10の接続の有無に係らず、上り,下りシリアル信号の授受をハンドセット9Bと無線装置7Bの間で行うために必ずCPU8rが動作していた。
【0029】このCPUが何等かの障害(雑音や静電気等)で暴走したり、故障したりした異常状態発生の場合、上り,下りシリアル信号の授受を行うことが出来なくなる。こうなると、ファクシミリのみならず自動車電話も使用出来なくなるという問題があった。
【0030】本発明は、上述した事情に鑑み、CPUに何等かの異常状態が発生した場合、自動車電話は正常に使用でき、かつ、インターフェース装置に異常状態が発生したことをファクシミリ装置のオペレータに知らせることのできるファクシミリ装置と自動車電話装置の接続方法及びインターフェース装置の提供を目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明のファクシミリ装置と自動車電話装置の接続方法は、前記、自動車電話装置の無線装置とハンドセットとの間に配線された複数の信号線の一部を切離すと共にその切離した前記無線装置とハンドセットの各信号線をファクシミリ装置に接続制御し各制御信号を解読処理するCPUが異常状態発生時、前記無線装置とハンドセット間の信号線を元通りに直接接続し、各制御信号及びデータ信号の伝送を行うようにしたことを特徴とする。
【0032】また、本発明のインターフェース装置は、自動車電話装置の無線装置とハンドセットとの間に配設され複数の信号線の一部を切離す切換器と、その切離した前記無線装置とハンドセットの各信号線をファクシミリ装置に接続制御し各制御信号を解読処理するCPUと、該CPUの異常状態発生を検知するタイマーとを備え、該タイマーの検知出力により前記無線装置とハンドセットとの間の切離された一部の信号線を前記切換器により元通りに直接接続し、かつ、インターフェース装置のCPU異常状態発生を検知したタイマー出力をファクシミリ装置に入力し、該ファクシミリ装置で警報鳴示するようにしたことを特徴とする。
【0033】
【作用】本発明によれば、新方式の自動車電話装置に接続するファクシミリ装置は、そのインターフェース装置内のCPUに何等かの障害が発生した時に、該インターフェース装置を経由している自動車電話装置のハンドセットと無線装置間の信号線は、直接接続するようにしたので、自動車電話装置は正常に動作させることができる。また、この時、ファクシミリ装置のオペレータに故障を知らせることができ、操作性の向上をはかることができる。
【0034】
【実施例】図1は、本発明の一実施例のインターフェース装置の回路図を示す。図1において、8iはCPU8rの異常を検知するタイマー回路、RL1,RL2は、無線装置7Bとハンドセット9Bの各種信号を切換える切換リレー、D1,D2は上記RL1,RL2リレーのドライバ、GA1はFAXTEL信号のゲートであり、その他の符号は前出の各図と対応しその説明は省略する。
【0035】図2は、図1のタイマー回路の一例を示し、これは、SN74123(リトリガブルワンショットマルチバイブレータ)であり、CPU8rにより一定周期でト
【0036】
【外4】
【0037】2CRで定まる時定数より短くセットしてある。ここで、CPUに何等かの障害が発生した場合、タイマーがリトリガ出来なくなりタイマ出力TOUTがOFFになる。なお、CPUはタイマー回路8iのクリア端子CLRにリセット信号RESETを加え、元の初期状態にする。
【0038】次にCPUが平常時の動作を示す図3のタイミングチャート及びCPUが障害等の異常時の動作を示す図4のタイミングチャートにより説明する。
【0039】平常時においては、リレーRL1,リレーRL2の動作接点は破線位置にあって、無線装置7Bとハンドセット9Bは直接に接続され、送信信号、受信信号が授受されるようになっている。いまファクシミリ装置10のスタートスイッチON(図略)によりFAXTEL信号が切換り(図3の(2))、リレーRL1を動作させる。これによりその動作接点RL1a,RL1bが破線図示位置から実線図示位置と切換り(図3の(3))、送信信号、受信信号はハンドセット9B側(TEL)からファクシミリ(FAX)側に切換る。そして、無線装置7Bからの各信号はトランスT1,T2を通じて送信データ(TXDAT)、受信データ(RXDAT)としてファクシミリ装置に接続され授受される。
【0040】また、リレーRL2は、ドライバD2を介したタイマー回路8iの出力TOUTがONで動作し(図3R>3の(4))、その動作接点RL2a〜RL2dが破線図示位置から実線位置と切換り、無線装置7B及びハンドセット9Bの間に本インターフェース装置が接続され、上り,下りシリアル信号SU,SDは上記動作接点を介して夫々シリアルインターフェース8s,8tに入出力され、CPU8rにて解読処理される。
【0041】ここで、オフフック情報5HOUK(図3の(1))が来たことをCPU8rは検知して、フォトカプラ8vをONし、ファクシミリ装置にフック状態を伝える。
【0042】また、タイマー回路8iはCPU8rからのトリガ入力TINにより正常動作している(図3の(5))。
【0043】次にCPU8rが何等かの原因で暴走発生すると、タイマー回路8iの時定数によりCPU8rからタイマー入力TIN(図4の(1))がなくなる。つまり、タイマー回路8iをリトリガ出来なくなりタイマー出力TOUTがOFFとなる。
【0044】これによりドライバD2を介して動作中のリレーRL2はOFFとなり(図4の(2))、その動作接点RL2a〜RL2dが破線図示位置となる。このため、無線装置7Bとハンドセット9Bの上り、下りシリアル信号SU,SDが直接接続される。
【0045】また、リレーRL1も同様にゲートGA1,ドライバD1を通じてFAXTEL信号が入力されON状態になっていても(図4の(3))、タイマー回路8iのタイマー出力TOUTがOFFになるので、ゲートGA1もOFF(図4の(4))し、リレーRL1もOFFになる(図4の(5))。
【0046】この結果、リレーRL1の動作接点RL1a,RL1bは破線図示位置に復旧し、無線装置7Bとハンドセット9B(TEL側)の接続は元に戻り、両方の各送信信号、受信信号は直接接続されるようになる。
【0047】このようにリレーRL1,RL2の切換動作によりCPUが異常動作時においても各信号は元のように接続されるのでハンドセット9B、つまり自動車電話自体の使用は正常に行えるようになる。
【0048】次に上記図4に示すCPU8iの異常動作時にファクシミリ装置10のアラームを鳴動させオペレータに知らせるフローチャートを図5に示す。
【0049】図1において、タイマー回路8iの動作時(非動作時)の状態を5FAILという信号で、ファクシミリ装置に入力し、本インターフェース装置の電源Vも入力する。
【0050】インターフェース装置は、本システムのソフトウエアにより上記5FAIL信号(LOW)を監視し(S1)、かつ、上記電源V(HIGH)を監視する(S2)。いずれもYESであれば、ファクシミリ装置のアラームを鳴動する(S3)。この場合、管理レポートとして記録することにより(S4)、オペレータに異常状態を知らせる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明のファクシミリ装置と自動車電話装置の接続方法及びインターフェース装置は、CPUに異常状態が発生した場合でも、各信号の信号線を元に戻して無線電話装置とハンドセットを接続し、自動車電話を正常に使うことができ、信頼性、オペレータの操作性が向上する。
【0052】また、インターフェース装置の異常状態をファクシミリ装置によりオペレータに知らせることができ、オペレータの操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のインターフェース装置の回路図である。
【図2】図1のタイマー回路の一例を示す図である。
【図3】図1のCPUが平常時の動作を示すタイミングチャートである。
【図4】図1のCPUが障害等の異常時の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】図1のCPUが異常時のアラーム等を鳴動するフローチャートである。
【図6】本発明が実施されるファクシミリ通信システムのシステム構成図である。
【図7】従来の新、旧両方式兼用のファクシミリ通信システムの装置構成図である。
【図8】図7に示すインターフェース装置の旧方式の回路構成図である。
【図9】図7に示すインターフェース装置の新方式の回路構成図である。
【図10】従来の旧方式の他のインターフェース装置の回路構成図である。
【図11】図9に示す新方式のインターフェース装置のブロック構成図である。
【符号の説明】
7B…無線装置、 8r…CPU、 8s,8t…シリアルインターフェース、8i…タイマー回路、 8v…フォトカプラ、 9B…ハンドセット、 RL1,RL2…リレー、 D1,D2…ドライバ。
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファクシミリ装置と自動車電話装置の接続方法及びインターフェース装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、本発明が実施されるファクシミリ通信システムのシステム構成図を示したものである。図において、ファクシミリ装置1,2は、電話回線網3に接続される一方、ファクシミリ装置4は、インターフェース装置5を介して、自動車電話装置6に接続され、それぞれのファクシミリ装置1,2,4の相互間で通信が行われる。
【0003】ファクシミリ装置1,2は、同一構成であり、スキャナ11は原稿画像を読み取って所定の解像度の画情報を取り出すものであり、プロッタ12は画情報を記録紙に記録するものである。符号化復号化部13は、送信する画情報の符号化及び受信した画情報の復号化を行うものである。
【0004】網制御装置14は、電話回線網3に対する所定の発着信動作を行うものであり、モデム15は、伝送制御手順における各種手順信号および画情報を伝送するものである。通信制御部16は、網制御装置14とモデム15を制御して所定の伝送制御手順により画情報の送受信を行うものである。
【0005】操作表示部17は、装置の動作状態を表示すると共に、オペレータが各種操作を行うためのものである。システム制御部18は、マイクロコンピュータシステム(CPU)で構成され、上記各部を制御してこのファクシミリ装置の所定の動作を実行するものである。
【0006】図示していないが、ファクシミリ装置4には、網制御装置14は配設されておらず、他の部分はファクシミリ装置1,2と同一構成である。そして、モデム15がインターフェース装置5に接続されている。このインターフェース装置5は、モデム15と自動車電話装置6間の送受信信号の信号レベルやインピーダンス等の整合をとるものである。
【0007】ところで、自動車電話装置(日本電信電話株式会社:NTT)には、新,旧方式が存在するためそれに対応したインターフェース装置を用意する必要があった。
【0008】図7は、上記要望を満足させる新旧両方式兼用のファクシミリ通信システムの装置構成図を示したものである。図において、無線装置7Aには、インターフェース装置8が接続され、そのインターフェース装置8には、ハンドセット9Aとファクシミリ装置10とが接続されている。
【0009】上記、無線装置7Aおよびハンドセット9Aは、旧方式の自動車電話装置であり、両者間の信号線は24本ある。そして、インターフェース装置8は、無線装置7Aおよびハンドセット9Aを、それぞれ24ピンのコネクタ8a,8bにより接続している。
【0010】また、インターフェース装置8は、新方式の無線装置やハンドセットを使用することも可能である。
【0011】このために、新方式の無線装置7Bを接続するコネクタ8c、およびそのハンドセット9Bを接続するコネクタ8dが配設されている。この新方式の無線装置7Bとハンドセット9B間の信号線は10本であり、コネクタ8c,8dは、10ピンのものである。なお、新方式の無線装置7Bとハンドセット9Bを接続する場合には、旧方式の無線装置7Aとハンドセット9Aは、取り外される。
【0012】図8及び図9は、図7に示すインターフェース装置8の回路構成図を示したものである。インターフェース装置8は、図8に示すように旧方式の無線装置7Aおよびハンドセット9Aを接続するために必要な旧方式インターフェース部81と、図9に示すように新方式の無線装置7Bおよびハンドセット9Bを接続する新方式インターフェース部82と、両方式において必要な共通部83(図8参照)とにより構成されている。
【0013】図8の旧方式インターフェース部81の主な構成要素は、無線装置7Aのコネクタ8aと、ハードセット9Aのコネクタ8bからなり、各コネクタは送信信号〜保安用接地までの24ピンを有する。
【0014】また、共通部83はファクシミリ装置10と新方式インターフェース部82への各種
【0015】
【外1】
【0016】との送信信号TD、受信信号RDの伝送を行うトランス8e,8f,ファクシミリ装置10からの通話・ファックス切換信号TEXにてフック信号を切換接続するリレー8h、旧方式の無線装置からのフック信号をファクシミリ装置のフック信号
【0017】
【外2】
【0018】また、図9の新方式インターフェース部82の主な構成要素は、無線装置7Bのコネクタ8cと、ハンドセット9Bのコネクタ8d、各制御信号を解読処理するCPU8r、シリアルインターフェース8s,8t、及び新方式の無線装置からのフック信号をファクシミリ装置10のフック信号入力部HOKBに伝えるフォトカプラ8Vを有する。
【0019】上記各コネクタは送信信号〜電源までの10ピンを有し、CPU8rは、ROM,RAMを内蔵し、デジタル信号の入出力ポートIP1,OP1を備えたシングルチップのLSIである。このCPU8rには、シリアル信号を入出力するためのインターフェース用のLSIであるシリアルインターフェース8s,8tが信号バスにより接続されている。
【0020】
【外3】
【0021】上記、図9に示す新方式のインターフェース部82は、上り,下りシリアル信号に各種情報をのせてハンドセット9Bと無線装置7Bの間で授受を行っているため、CPU8rにて上記各種情報を読み込んで解読し、データ伝送する方式をとっていた。
【0022】また、図10に示す旧方式の他のインターフェース装置の回路構成図において、ファクシミリ装置10のメンテナンス等のために、コネクタ8cまたはコネクタ10aの結合が外されて、ファクシミリ装置10がインターフェース装置8から切離されたとする。すると、コネクタ8aの巻線Lのアース側ライン(GND)が切断されるので、リレー8dはオフし、その各接点は、接点b1〜b3側に切換わる。
【0023】これにより、無線装置7A側の送信信号TX、受信信号RX、フック信号HKの各ラインは、コネクタ8b側の対応する各ラインに接続される。
【0024】つまり、ファクシミリ装置10に接続されているコネクタ8cを外すと無線装置7Aとハンドセット9Aが自動的に元の状態に接続が戻るようになっていた。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の図9に示す新方式のインターフェース装置をブロック構成図で示すと、図11のようになり、動作の概要は次のとおりである。
【0026】CPU8rおよびシリアルインターフェース8s,8tは、図11に示すように、無線装置7Bからの下りシリアル信号SDを入力して、そのままハンドセット9Bに転送する。また、ハンドセット9Bからの上りシリアル信号SUを入力して、無線装置7Bに転送する。このとき、上りシリアル信号SUの上記フックスイッチ情報のデータよりフック状態を検出し、オンフックのとき、出力ポートの一端子OP1の信号レベルをローレベルに、また、オフフックのときハイレベルにする。
【0027】また、入力ポートの一端子IP1の信号レベルがハイレベルのときには、ハンドセット9Bからの上りシリアル信号SUをそのまま無線装置7Bに転送する一方、端子IP1の信号レベルがローレベルのときには、上りシリアル信号SUの上記フックスイッチ情報にオフフック状態をセットして、無線装置7Bに転送するようになっている。
【0028】上記図11で説明したように、従来の新方式のインターフェース装置8は、ファクシミリ装置10の接続の有無に係らず、上り,下りシリアル信号の授受をハンドセット9Bと無線装置7Bの間で行うために必ずCPU8rが動作していた。
【0029】このCPUが何等かの障害(雑音や静電気等)で暴走したり、故障したりした異常状態発生の場合、上り,下りシリアル信号の授受を行うことが出来なくなる。こうなると、ファクシミリのみならず自動車電話も使用出来なくなるという問題があった。
【0030】本発明は、上述した事情に鑑み、CPUに何等かの異常状態が発生した場合、自動車電話は正常に使用でき、かつ、インターフェース装置に異常状態が発生したことをファクシミリ装置のオペレータに知らせることのできるファクシミリ装置と自動車電話装置の接続方法及びインターフェース装置の提供を目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明のファクシミリ装置と自動車電話装置の接続方法は、前記、自動車電話装置の無線装置とハンドセットとの間に配線された複数の信号線の一部を切離すと共にその切離した前記無線装置とハンドセットの各信号線をファクシミリ装置に接続制御し各制御信号を解読処理するCPUが異常状態発生時、前記無線装置とハンドセット間の信号線を元通りに直接接続し、各制御信号及びデータ信号の伝送を行うようにしたことを特徴とする。
【0032】また、本発明のインターフェース装置は、自動車電話装置の無線装置とハンドセットとの間に配設され複数の信号線の一部を切離す切換器と、その切離した前記無線装置とハンドセットの各信号線をファクシミリ装置に接続制御し各制御信号を解読処理するCPUと、該CPUの異常状態発生を検知するタイマーとを備え、該タイマーの検知出力により前記無線装置とハンドセットとの間の切離された一部の信号線を前記切換器により元通りに直接接続し、かつ、インターフェース装置のCPU異常状態発生を検知したタイマー出力をファクシミリ装置に入力し、該ファクシミリ装置で警報鳴示するようにしたことを特徴とする。
【0033】
【作用】本発明によれば、新方式の自動車電話装置に接続するファクシミリ装置は、そのインターフェース装置内のCPUに何等かの障害が発生した時に、該インターフェース装置を経由している自動車電話装置のハンドセットと無線装置間の信号線は、直接接続するようにしたので、自動車電話装置は正常に動作させることができる。また、この時、ファクシミリ装置のオペレータに故障を知らせることができ、操作性の向上をはかることができる。
【0034】
【実施例】図1は、本発明の一実施例のインターフェース装置の回路図を示す。図1において、8iはCPU8rの異常を検知するタイマー回路、RL1,RL2は、無線装置7Bとハンドセット9Bの各種信号を切換える切換リレー、D1,D2は上記RL1,RL2リレーのドライバ、GA1はFAXTEL信号のゲートであり、その他の符号は前出の各図と対応しその説明は省略する。
【0035】図2は、図1のタイマー回路の一例を示し、これは、SN74123(リトリガブルワンショットマルチバイブレータ)であり、CPU8rにより一定周期でト
【0036】
【外4】
【0037】2CRで定まる時定数より短くセットしてある。ここで、CPUに何等かの障害が発生した場合、タイマーがリトリガ出来なくなりタイマ出力TOUTがOFFになる。なお、CPUはタイマー回路8iのクリア端子CLRにリセット信号RESETを加え、元の初期状態にする。
【0038】次にCPUが平常時の動作を示す図3のタイミングチャート及びCPUが障害等の異常時の動作を示す図4のタイミングチャートにより説明する。
【0039】平常時においては、リレーRL1,リレーRL2の動作接点は破線位置にあって、無線装置7Bとハンドセット9Bは直接に接続され、送信信号、受信信号が授受されるようになっている。いまファクシミリ装置10のスタートスイッチON(図略)によりFAXTEL信号が切換り(図3の(2))、リレーRL1を動作させる。これによりその動作接点RL1a,RL1bが破線図示位置から実線図示位置と切換り(図3の(3))、送信信号、受信信号はハンドセット9B側(TEL)からファクシミリ(FAX)側に切換る。そして、無線装置7Bからの各信号はトランスT1,T2を通じて送信データ(TXDAT)、受信データ(RXDAT)としてファクシミリ装置に接続され授受される。
【0040】また、リレーRL2は、ドライバD2を介したタイマー回路8iの出力TOUTがONで動作し(図3R>3の(4))、その動作接点RL2a〜RL2dが破線図示位置から実線位置と切換り、無線装置7B及びハンドセット9Bの間に本インターフェース装置が接続され、上り,下りシリアル信号SU,SDは上記動作接点を介して夫々シリアルインターフェース8s,8tに入出力され、CPU8rにて解読処理される。
【0041】ここで、オフフック情報5HOUK(図3の(1))が来たことをCPU8rは検知して、フォトカプラ8vをONし、ファクシミリ装置にフック状態を伝える。
【0042】また、タイマー回路8iはCPU8rからのトリガ入力TINにより正常動作している(図3の(5))。
【0043】次にCPU8rが何等かの原因で暴走発生すると、タイマー回路8iの時定数によりCPU8rからタイマー入力TIN(図4の(1))がなくなる。つまり、タイマー回路8iをリトリガ出来なくなりタイマー出力TOUTがOFFとなる。
【0044】これによりドライバD2を介して動作中のリレーRL2はOFFとなり(図4の(2))、その動作接点RL2a〜RL2dが破線図示位置となる。このため、無線装置7Bとハンドセット9Bの上り、下りシリアル信号SU,SDが直接接続される。
【0045】また、リレーRL1も同様にゲートGA1,ドライバD1を通じてFAXTEL信号が入力されON状態になっていても(図4の(3))、タイマー回路8iのタイマー出力TOUTがOFFになるので、ゲートGA1もOFF(図4の(4))し、リレーRL1もOFFになる(図4の(5))。
【0046】この結果、リレーRL1の動作接点RL1a,RL1bは破線図示位置に復旧し、無線装置7Bとハンドセット9B(TEL側)の接続は元に戻り、両方の各送信信号、受信信号は直接接続されるようになる。
【0047】このようにリレーRL1,RL2の切換動作によりCPUが異常動作時においても各信号は元のように接続されるのでハンドセット9B、つまり自動車電話自体の使用は正常に行えるようになる。
【0048】次に上記図4に示すCPU8iの異常動作時にファクシミリ装置10のアラームを鳴動させオペレータに知らせるフローチャートを図5に示す。
【0049】図1において、タイマー回路8iの動作時(非動作時)の状態を5FAILという信号で、ファクシミリ装置に入力し、本インターフェース装置の電源Vも入力する。
【0050】インターフェース装置は、本システムのソフトウエアにより上記5FAIL信号(LOW)を監視し(S1)、かつ、上記電源V(HIGH)を監視する(S2)。いずれもYESであれば、ファクシミリ装置のアラームを鳴動する(S3)。この場合、管理レポートとして記録することにより(S4)、オペレータに異常状態を知らせる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明のファクシミリ装置と自動車電話装置の接続方法及びインターフェース装置は、CPUに異常状態が発生した場合でも、各信号の信号線を元に戻して無線電話装置とハンドセットを接続し、自動車電話を正常に使うことができ、信頼性、オペレータの操作性が向上する。
【0052】また、インターフェース装置の異常状態をファクシミリ装置によりオペレータに知らせることができ、オペレータの操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のインターフェース装置の回路図である。
【図2】図1のタイマー回路の一例を示す図である。
【図3】図1のCPUが平常時の動作を示すタイミングチャートである。
【図4】図1のCPUが障害等の異常時の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】図1のCPUが異常時のアラーム等を鳴動するフローチャートである。
【図6】本発明が実施されるファクシミリ通信システムのシステム構成図である。
【図7】従来の新、旧両方式兼用のファクシミリ通信システムの装置構成図である。
【図8】図7に示すインターフェース装置の旧方式の回路構成図である。
【図9】図7に示すインターフェース装置の新方式の回路構成図である。
【図10】従来の旧方式の他のインターフェース装置の回路構成図である。
【図11】図9に示す新方式のインターフェース装置のブロック構成図である。
【符号の説明】
7B…無線装置、 8r…CPU、 8s,8t…シリアルインターフェース、8i…タイマー回路、 8v…フォトカプラ、 9B…ハンドセット、 RL1,RL2…リレー、 D1,D2…ドライバ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ファクシミリ装置と自動車電話装置とを接続する場合、前記、自動車電話装置の無線装置とハンドセットとの間に配線された複数の信号線の一部を切離すと共にその切離した前記無線装置とハンドセットの各信号線をファクシミリ装置に接続制御し各制御信号を解読処理するCPUが異常状態発生時、前記無線装置とハンドセット間の信号線を元通りに直接接続し、各制御信号及びデータ信号の伝送を行うようにしたことを特徴とするファクシミリ装置と自動車電話装置の接続方法。
【請求項2】 自動車電話装置の無線装置とハンドセットとの間に配設され複数の信号線の一部を切離す切換器と、その切離した前記無線装置とハンドセットの各信号線をファクシミリ装置に接続制御し各制御信号を解読処理するCPUと、該CPUの異常状態発生を検知するタイマーとを備え、該タイマーの検知出力により前記無線装置とハンドセットとの間の切離された一部の信号線を前記切換器により元通りに直接接続することを特徴とするファクシミリ装置と自動車電話装置のインターフェース装置。
【請求項3】 インターフェース装置のCPU異常状態発生を検知したタイマー出力をファクシミリ装置に入力し、該ファクシミリ装置で警報鳴示するようにしたことを特徴とする請求項2記載のファクシミリ装置と自動車電話装置のインターフェース装置。
【請求項1】 ファクシミリ装置と自動車電話装置とを接続する場合、前記、自動車電話装置の無線装置とハンドセットとの間に配線された複数の信号線の一部を切離すと共にその切離した前記無線装置とハンドセットの各信号線をファクシミリ装置に接続制御し各制御信号を解読処理するCPUが異常状態発生時、前記無線装置とハンドセット間の信号線を元通りに直接接続し、各制御信号及びデータ信号の伝送を行うようにしたことを特徴とするファクシミリ装置と自動車電話装置の接続方法。
【請求項2】 自動車電話装置の無線装置とハンドセットとの間に配設され複数の信号線の一部を切離す切換器と、その切離した前記無線装置とハンドセットの各信号線をファクシミリ装置に接続制御し各制御信号を解読処理するCPUと、該CPUの異常状態発生を検知するタイマーとを備え、該タイマーの検知出力により前記無線装置とハンドセットとの間の切離された一部の信号線を前記切換器により元通りに直接接続することを特徴とするファクシミリ装置と自動車電話装置のインターフェース装置。
【請求項3】 インターフェース装置のCPU異常状態発生を検知したタイマー出力をファクシミリ装置に入力し、該ファクシミリ装置で警報鳴示するようにしたことを特徴とする請求項2記載のファクシミリ装置と自動車電話装置のインターフェース装置。
【図2】
【図1】
【図4】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開平5−91288
【公開日】平成5年(1993)4月9日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−251144
【出願日】平成3年(1991)9月30日
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【公開日】平成5年(1993)4月9日
【国際特許分類】
【出願日】平成3年(1991)9月30日
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
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