説明

フアクシミリ装置

【目的】 1回線の公衆回線に親子接続された装置の相互で送受信可能なファクシミリ装置を得る。
【構成】 親子接続されている相手装置を呼び出す内線ファクシミリ呼出信号を接続ラインに送出する信号発生部、および接続ラインを介して相手装置より送られてくる内線ファクシミリ呼出信号を検出する信号検出部を設けた。
【効果】 1回線の公衆回線に親子接続されたファクシミリ装置相互の間で、通信料金なしに、また宅内交換機を使用することもなくファクシミリ通信を行うことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、1回線の公衆回線に複数装置が親子接続されるファクシミリ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は従来のファクシミリ装置を示すブロック図である。図において、10はこのファクシミリ装置の全体制御を行うマイクロコンピュータ(以下マイコンという)であり、11はこのマイコン10の制御処理を規定するプログラムが格納されたメモリである。
【0003】12は送信原稿を読み取って画像信号を生成する読取部であり、13は受信した画像信号に基づく画像を記録紙上に記録する記録部である。14はマン・マシンのインタフェースのためのキーやディスプレイ等が配置されたコントロールパネルであり、15は送信原稿のセット検出などを行うメカ系スイッチである。
【0004】16は送受信される画像信号の変調および復調を行うモデムであり、17はこのモデム16に接続されて回線とのインタフェースをとる網制御回路(以下NCU回路という)である。18はこのNCU回路17に接続された回線接続端子であり、19は同じく外部電話機接続端子である。また、20は通話のためのハンドセットであり、フックスイッチのオン・オフも制御している。
【0005】図3はこのようなファクシミリ装置の親子接続を示す接続図である。図において、1は親機として機能するファクシミリ装置であり、2は子機として機能するファクシミリ装置である。3は親機としてのファクシミリ装置1の回線接続端子18に接続された公衆回線であり、4は親機としてのファクシミリ装置1の外部電話機接続端子19と子機としてのファクシミリ装置2の回線接続端子18とを接続している接続ラインである。
【0006】次に動作について説明する。図3に示すように1回線の公衆回線3に親子接続された2台のファクシミリ装置1,2を使用する際、親機としてのファクシミリ装置1を自動受信モードに、子機としてのファクシミリ装置2を電話モードに設定すれば、両方のファクシミリ装置1,2から送信を行うことができ、受信は親機としてのファクシミリ装置1が行うことになる。
【0007】また、逆に親機としてのファクシミリ装置1を電話モードに、子機としてのファクシミリ装置2を自動受信モードに設定すれば、子機としてのファクシミリ装置2が受信を行うことになる。このように接続されたファクシミリ装置1,2からの送信動作について以下に説明する。なお、図5はその通信手順を示すタイムチャートである。
【0008】送信側のファクシミリ装置のマイコン10は、ハンドセット20によるオフフックを検出すると公衆回線3を直流閉結し、コントロールパネル14から入力されたダイヤル番号に従って、ダイヤルパルスまたはプッシュボタン信号を公衆回線3に出力する。
【0009】その後、受信側のファクシミリ装置に接続されたことが公衆回線3からの信号により、また、メカ系スイッチ15の動作によって送信原稿がセットされたことが、さらに、コントロールパネル14のスタートボタンが操作されたことがそれぞれマイコン10によって検出されると、送信側のファクシミリ装置は通信制御手順を経て送信に入る。
【0010】一方、受信側のファクシミリ装置は、局からのCI信号が公衆回線3を介してNCU回路17に到着したことを検出すると、NCU回路17から公衆回線3を経由して送信側のファクシミリ装置との交信に入り、所定の通信制御手順を経て受信に入る。
【0011】これによって、送信側ファクシミリ装置の読取部12で読み取られた画像信号はモデム16で変調されてNCU回路17より公衆回線3に送信され、受信側ファクシミリ装置のNCU回路17で受信されてそのモデム16で復調され、記録部13で記録紙上に記録される。
【0012】なお、このような従来のファクシミリ装置の通信手順に関連する技術が記載された文献としては、例えば三菱電機株式会社が1991年3月に発行した「サービスマニュアルMELFAS P80/710」などがある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来のファクシミリ装置は以上のように構成されているので、1回線の公衆回線3に親子接続された複数のファクシミリ装置1,2の相互で画像信号の送受信を行うことができないという問題点があった。
【0014】この発明は上記のような課題を解消するためになされたものであり、1回線の公衆回線に親子接続された装置間で相互に送受信可能なファクシミリ装置を得ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明に係るファクシミリ装置は、親子接続されている相手装置を呼び出す内線ファクシミリ呼出信号を接続ラインに送出する信号発生部と、接続ラインを介して相手装置より送られてくる内線ファクシミリ呼出信号を検出する信号検出部を設けたものである。
【0016】
【作用】この発明におけるファクシミリ装置は、親子接続された相手装置に送信する場合、送信側装置は相手装置との間を接続している接続ラインに、信号発生部で発生した内線ファクシミリ呼出信号を送出し、受信側装置は相手装置より接続ラインを介して送られてくる内線ファクシミリ呼出信号を信号検出部で検出すると、自動的に受信動作に移ることにより、親子接続された装置間で相互に送受信可能なファクシミリ装置を実現する。
【0017】
【実施例】実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明する。図1において、10はマイコン、11はメモリ、12は読取部、13は記録部、14はコントロールパネル、15はメカ系スイッチ、16はモデム、17はNCU回路、18は回線接続端子、19は外部電話機接続端子、20はハンドセットであり、図4に同一符号を付した従来のそれらと同一、あるいは相当部分であるため詳細な説明は省略する。
【0018】また、21は接続ライン4を介して親子接続されている相手側のファクシミリ装置2(1)を呼び出すための内線ファクシミリ呼出信号をその接続ライン4に送出する信号発生部であり、22は接続ライン4を介して相手側のファクシミリ装置1(2)より送られてくる前記内線ファクシミリ呼出信号の検出を行う信号検出部である。
【0019】次に動作について説明する。例えば、親子接続された親機としてのファクシミリ装置1から子機としてのファクシミリ装置2に送信を行う場合、親機であるファクシミリ装置1のオペレータは、まず送信原稿をセットしてコントロールパネル14上の内線送信用のボタンを操作する。なお、図2はその通信手順を示すタイムチャートである。
【0020】送信側となる親機のファクシミリ装置1では、マイコン10が送信原稿のセットをメカ系スイッチ15の動作で検出した後、コントロールパネル14上の内線送信用のボタンが操作されたことを検出すると、信号発生部21を起動して内線ファクシミリ呼出信号を発生させ、それをNCU回路17より外部電話機接続端子19を介して接続ライン4に送出し、その後交信の手順に入る。
【0021】一方、受信側となる子機のファクシミリ装置2では、信号検出部22で当該内線ファクシミリ呼出信号が回線接続端子18を介してNCU回路17で受信されたことを検出すると、マイコン10は自動的に受信動作に移り、接続ライン4を通して交信の手順に入る。
【0022】このようにして通信制御手順を経て送受信が開始され、親機であるファクシミリ装置1の読取部12で読み取られた画像信号は、モデム16で変調されてNCU回路17より接続ライン4に送信され、子機であるファクシミリ装置2のNCU回路17で受信されてそのモデム16で復調され、記録部13で記録紙上に記録される。
【0023】なお、公衆回線3を介して他のファクシミリ装置と送受信を行う際の動作は従来の場合と同一であるため、その説明は省略する。
【0024】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、送信側装置は相手装置との間を接続している接続ラインに信号発生部で発生した内線ファクシミリ呼出信号を送出し、受信側装置は相手装置より接続ラインを介して送られてくる内線ファクシミリ呼出信号を信号検出部で検出すると自動的に受信動作に移るように構成したので、1回線の公衆回線に親子接続された装置の相互で、通信料金なしに、また宅内交換機を使用することもなくファクシミリ通信を行うことが可能なファクシミリ装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】上記実施例の通信手順を示すタイムチャートである。
【図3】従来、およびこの発明におけるファクシミリ装置の親子接続を示す接続図である。
【図4】従来のファクシミリ装置を示すブロック図である。
【図5】その通信手順を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 ファクシミリ装置(親機)
2 ファクシミリ装置(子機)
3 公衆回線
4 接続ライン
17 網制御回路(NCU回路)
18 回線接続端子
19 外部電話機接続端子
21 信号発生部
22 信号検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 網制御回路に接続された回線接続端子および外部電話機接続端子を備え、前記回線接続端子が公衆回線に接続されて親機として機能し、また、前記回線接続端子が接続ラインを介して前記親機として機能している装置の外部電話機接続端子に接続されて子機として機能するファクシミリ装置において、前記接続ラインを介して親子接続されている相手装置を呼び出す内線ファクシミリ呼出信号を前記接続ラインに送出する信号発生部と、前記接続ラインを介して相手装置より送られてくる前記内線ファクシミリ呼出信号の検出を行う信号検出部を設けたことを特徴とするファクシミリ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開平5−114966
【公開日】平成5年(1993)5月7日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−299620
【出願日】平成3年(1991)10月21日
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)