説明

フィギュアシリーズ、フィギュア型枠の製作方法、およびフィギュアシリーズの展示方法

【課題】豊富な色彩を有し、羽二重餅のごとき柔らかな触感が付与されたフィギュアシリーズのフィギュアを手に触って遊び、楽しめるフィギュアシリーズ、フィギュア型枠の製作方法、およびフィギュアシリーズの展示方法を提供する。
【解決手段】或るカテゴリーに属するアイテムを複数のフィギュアで形成するフィギュアシリーズであって、各フィギュアは、各フィギュアに共通する基本形状に形成されるベース材と、このベース材に設けられ個性を特徴づけるように記号化して付加される特徴的要素とを有する一方で、各フィギュアを、複数の色相要素と複数の明度要素で成る色彩マトリクスに対応づけられる色彩を有する軟質性の合成樹脂材で成形した。また、フィギュア型枠は、ベース材に特徴的要素を付加してフィギュア原型を形成した後、このフィギュア原型の周囲に柔軟性を有する合成樹脂材を注入して固化させてからフィギュア原型を取り出して作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物、人、車、仮想上の物などに造形され、触り心地、質感に特徴があり、見る者を楽しませる斬新デザイン性に優れたフィギュアを配列して成るフィギュアシリーズ、フィギュア型枠の製作方法、およびフィギュアシリーズの展示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、よく知られたフィギュアシリーズとして、たとえば株式会社バンダイ社製作に係る「タマゴラス」(バンダイ社の登録商標)などがある。これは卵型を成すフィギュアから展開することで、クマ、リス、ライオンなどの動物が出現し、かつ、姿態を次々に変化できるようにしたフィギュア群で構成される。このフィギュアシリーズは飾るフィギュアである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来のフィギュアシリーズにあっては、硬質の合成樹脂材を用いて製作されているため、それらをユーザが手にするとき、硬質感を感じる感触であり、手でもみもみ(もにもに)して触り心地の良い、手に馴染みあるフィギュアではない。
【0004】
また、或るカテゴリーに属する多数のフィギュアをシリーズとして構成し、各フィギュア同士間で互いに識別できるように特徴づけて造形(成形)したものはなく、コミュニケーション促進には一定の制約がある。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みて工夫されたもので、豊富な色彩を有し、羽二重餅のごとき柔らかな触感が付与されたフィギュアシリーズのフィギュアを手に触って遊び、楽しむことで、ユーザの心を和ませ、家族、友人、職場などユーザ同士間での間の会話が助長され、コミュニケーションを円滑に行えるコミュニケーションツールとしても有益なフィギュアシリーズ、フィギュア型枠の製作方法、およびフィギュアシリーズの展示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、或るカテゴリーに属するアイテムを複数のフィギュアで形成するフィギュアシリーズであって、前記各フィギュアは、各フィギュアに共通する基本形状に形成されるベース材と、このベース材に設けられ個性を特徴づけるように記号化して付加される特徴的要素とを有する一方で、前記各フィギュアを、複数の色相要素と複数の明度要素で成る色彩マトリクスに対応づけられる色彩を有する軟質性の合成樹脂材で成形したことを特徴とするフィギュアシリーズである。
【0007】
本発明によれば、色彩マトリクスに対応づけられた色彩を有するフィギュアのベース材に、記号化された特徴的要素が付加することでフィギュアシリーズが構成される。このため、フィギュアを手にしてもにもにして遊ぶことで、ユーザの心を和ませ、ユーザ同士間での会話が助長され、ひいてはコミュニケーションの雰囲気を柔らかなものとすることが可能となる。
【0008】
(2)本発明はまた、前記カテゴリーの一つは、動物シリーズであることを特徴とする前記(1)記載のフィギュアシリーズである。
【0009】
本発明によれば、記号化された特徴的要素をフィギュアに付加して多種類の動物フィギュアを形成しているので、ユーザみんなで触って楽しめるフィギュアシリーズを得ることができるようになる。
【0010】
(3)本発明はまた、前記動物シリーズのベース材に、前記特徴的要素として、目、耳、口、鼻、尻尾、羽根、ひれ、尾、毛などを適宜に肉付けした肉付け部を設けることによりフィギュア原型を作成することを特徴とする前記(1)または(2)記載のフィギュアシリーズである。
【0011】
本発明によれば、ベース材に、動物に応じた目、耳、口、鼻、尻尾、羽根、ひれ、尾、毛などに相当する肉付け部を付加することでフィギュア原型を作成した。係るフィギュア原型を用いることにより、多種多様な動物フィギュアシリーズを能率的に製作できるようになる。
【0012】
(4)本発明はまた、前記特徴的要素は、前記フィギュアにおける前記肉付け部、また顔の部分に施される、模様または色であることを特徴とする前記(3)記載のフィギュアシリーズである。
【0013】
本発明によれば、フィギュアに模様または色を付すことで、表情豊かな個性的な動物フィギュアを作成できるようになる。
【0014】
(5)本発明はまた、前記ベース材は、二個の球体を合体して結合されることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のフィギュアシリーズである。
【0015】
本発明によれば、フィギュアの基本形状を形成するベース材を、二個の球体を合体して結合して形成したので、姿態がくびれた形状を呈し、その結果、全体としてかわいらしく、心の和む姿態を有するフィギュアシリーズを作成できるようになる。
【0016】
(6)本発明はまた、前記二個の球体は、大きい球体と小さい球体とが黄金比をなすことを特徴とする前記(5)記載のフィギュアシリーズである。
【0017】
本発明によれば、ベース材を成す大きい球体と小さい球体とは黄金比で形成されるため、心に安定感と和みを醸し出す調和あるフィギュアシリーズを作成できるようになる。
【0018】
(7)本発明はまた、前記色彩マトリクスは、少なくとも10以上の色相要素および10以上の明度要素で形成されることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載のフィギュアシリーズである。
【0019】
本発明によれば、多種類の全て色彩が異なる豊富な品揃えのフィギュアシリーズの中から、ユーザの嗜好にあったフィギュア選択の余地が増加し、需要喚起を効果的に発揮できるようになる。
【0020】
(8)本発明はまた、前記色彩マトリクスは、色彩を滑らかに連続して変化するグラデーションで形成されることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載のフィギュアシリーズである。
【0021】
本発明によれば、グラデーションの中からもっともそのフィギュアに相応しい色彩を用いることで、商品構成のバリエーションの豊富化を図れるようになる。
【0022】
(9)本発明はまた、前記(1)〜(8)のフィギュアシリーズにおける前記フィギュアを成形するフィギュア型枠を、前記ベース材に前記特徴的要素を付加してフィギュア原型を形成した後、このフィギュア原型の周囲に柔軟性を有する合成樹脂材を注入して固化させてから前記フィギュア原型を取り出して作成することを特徴とするフィギュア型枠の製作方法である。
【0023】
本発明によれば、ベース材に特徴的要素を付加したフィギュア原型の周囲に柔軟性を有する合成樹脂材を注入して固化させる。その後にフィギュア原型だけを取り出した残りの固化した合成樹脂材をフィギュア型枠として作成する。合成樹脂材により多種類のフィギュア型枠が作成されるので、フィギュアシリーズの製作コストを安価にできるようになる。
【0024】
(10)本発明はまた、前記フィギュアを、透明フィルム部材を有するパッケージに収納し、かつ、このパッケージを、前記フィギュアの色彩と同じ色彩に対応する前記色彩マトリクスに配列し、前記パッケージの展示時、前記フィギュアを前記透明フィルム部材を通して外部から視認できるように展示することを特徴とするフィギュアシリーズの展示方法である。
【0025】
本発明によれば、フィギュアを収納したパッケージを、色彩マトリクスに対応する色彩配置に配列したとき、透明フィルム部材を通して内部のフィギュアを外部から視認できるように展示されるので、グラデーションで変化する豊富な商品構成の中からユーザの嗜好に合ったフィギュアを選択するのに便利となる。
【0026】
(11)本発明はまた、前記パッケージの外表面に、前記フィギュアの色彩と同じ色彩が着色されることを特徴とする前記(10)記載のフィギュアシリーズの展示方法である。
【0027】
本発明によれば、パッケージ外表面にもフィギュアと同じ色彩を着色しているので、フィギュアシリーズが色彩感覚豊かな色調で展示され、楽しく、もの柔らかで心に優しく、ユーザに問いかけてくるかのごとき感覚を醸し出す商品としての展示効果を有するようになる。
【発明の効果】
【0028】
フィギュアシリーズに係る発明よれば、フィギュアを手に触って遊び、楽しむことで、ユーザの心を和ませるデザイン処理を施すことで、家族、友人、職場などユーザ同士間での間の会話が助長され、コミュニケーションを円滑に行えるコミュニケーションツールとしても有益なフィギュアシリーズを得ることができる。また、フィギュア型枠の製作方法に係る発明によれば、ベース材からフィギュア型枠を製作することでコスト安価なフィギュアシリーズの製作が可能となる。さらに、フィギュアシリーズの展示方法に係る発明によれば、ユーザがフィギュアを手に触ってみて楽しく、心の和む柔らかで優しいフィギュアを想起させるに好都合な展示方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態に係り、フィギュアシリーズを構成するフィギュアをパッケージに収納した状態を示す外観図である。
【図2】同じく、フィギュアを収納したパッケージを色彩マトリクスに対応して陳列した状態を示す外観図である。
【図3】同じく、フィギュアシリーズの商品構成リストである。
【図4】同じく、商品構成リストに対応するCMYK色情報リストである。
【図5】同じく、(a)は商品構成リストを示し、(b)は当該リストに対応する色相および明度に関する説明図である。
【図6】同じく、フィギュア原型と、フィギュアとを兼用して示した外観図である。
【図7】同じく、ベース材に係り、(a)はその外観図、(b)は側面図、(c)は背面図である。
【図8】同じく、(a)は黄金比を説明する説明図、(b)はベース材に黄金比を適用する説明図である。
【図9】同じく、フィギュアを製作するプロセスを説明する説明図に係り、(a)はベース材の外観図、(b)はフィギュア原型の外観図、(c)はフィギュアを製作する状態を説明する外観図である。
【図10】同じく、フィギュアを製作する作業フロー図である。
【図11】同じく、パッケージを分解して示した展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明のフィギュアシリーズ、フィギュア型枠の製作方法、およびフィギュアシリーズの展示方法を図に示す実施形態に基づいて詳述する。本実施形態のフィギュアシリーズでは、動物のカテゴリーに属する動物を模したフィギュアを例に挙げて説明する。なお、説明の順序として、先ず、フィギュアシリーズの展示方法を説明し、次いで、フィギュアシリーズにおけるフィギュアおよびフィギュア原型の製作方法を説明していくこととする。
【0031】
〈フィギュアシリーズの展示方法〉
【0032】
図1の商品外観図に示すように、動物シリーズのフィギュア、例えばリスを模したフィギュア1をパッケージ2に収納した状態で商品3が形成される。パッケージ2に種々のフィギュアを収納した商品3は、図2に示すように展示ボード4のフック5に引っかけられてマトリクス状に配置させて展示される。なお、図2においてはフィギュアの図示は割愛している。配置は具体的には、図3に示すグラデーションで色彩配置した色彩マトリクスで形成されるフィギュアシリーズの商品構成リスト6に沿って行われる。色彩マトリクスは10行と10列の100項目よりなる商品構成リスト6と対応する関係にあり、同等のものである。
【0033】
商品構成リスト6は、パッケージ2に収納されるフィギュア1に関する四角形状の商品ラベルがマトリクス状に配置して印刷される。各商品ラベルには商品番号と、フィギュアの図柄と、動物の種類とが記載されている。100項目に対応する商品ラベルは図4のCMYK色情報リストに示される色の配合比率に基づいてカラー印刷される。なお、Cは藍色、Mは深紅色、Yは黄色、Kは黒色を表す。これにより、図5(a)に示す商品構成リスト6、すなわち色彩マトリクスは、これに対応して示した同図(b)の商品構成リストの説明図のように、赤、橙、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、および黒の色相から成る色相要素、各色相要素の色彩が高明度から低明度に亘って滑らかに連続してグラデーション表示する明度要素とで成る。
【0034】
このようにして、100種類のフィギュアでなるフィギュアシリーズに係る商品3は色彩マトリクス、換言すると商品構成リスト6に沿って図2のように陳列して販売されるようにしている。その結果、客は一目瞭然にフィギュアシリーズ全体を楽しく眺めながら、商品3の購入を円滑に行えるように工夫されることとなる。また、フィギュア1の各アイテムの実際のイメージカラーは、配置される色彩マトリクスに出来る限り近いものが選択されている。例えば、アイテム002番の「ぶた」は、薄いピンク色の色彩マトリクスに対応させて用意される。また例えば、アイテム026番の「トラ」は、黄色の色彩マトリクスに対応させて用意される。
【0035】
〈フィギュアシリーズ〉
【0036】
図6は動物のフィギュアを製作するためのフィギュア原型の一例と、その原型を使用して成形されるフィギュアの一例とを兼用して示した外観図である。すわなち、フィギュア原型は成形さえたフィギュアと同じ形態を有する。したがって、フィギュア原型としては、例えば図6(a)のペンギン、同図(b)のトラ、同図(c)のリス、同図(d)のうさぎ、同図(e)のひつじというように100種類のフィギュア原型が作成される。また、これらフィギュア原型を用いて図6に示される100種類のフィギュア1が成形(製作)される。
【0037】
〈フィギュア原型〉
【0038】
上記のフィギュア原型は図7に示すように、各フィギュアに共通する基本形状に形成されるベース材9と、ベース材9に動物の個性を特徴づける目、耳、口、鼻、尻尾、羽根、尾、毛などを記号化して付加される特徴的要素とを有する。
【0039】
〈ベース材〉
【0040】
ベース材9は硬質合成樹脂材により成形され、大きい球体9aと小さい球体9bとを合体して結合される。これによりベース材9は雪だるまに近似した外観形態を有し、くびれ9cが形成される。
【0041】
大きい球体9aと小さい球体9bとは黄金比を成すように成形される。すなわち、図8(a)に示すように、正方形abcdを作り、辺bcの中点oを中心に線分odを半径とする円を画く。この円と、辺bcの延長線との交点をeとするとき、abとbeとの比が1対(1+√5)/2であることを黄金比いう。この黄金比を利用してベース材9が成形される。すなわち、図8(b)に示すように、ベース材9を平面視した場合に、ベース材9の横幅abと縦幅beとの比を黄金比となるようにベース材9の寸法比が決定される。こうして、図7および図9(a)に示すように、全てのフィギュア製作に共通する基本形状としてのベース材9が成形される(図10のステップS1)。係るベース材9が図3の色彩マトリクス6に合わせて100個作成して用意される。
【0042】
〈フィギュア原型〉
【0043】
上記のベース材9に、ベース材9とほぼ同じ性状の合成樹脂材を使用して特徴的要素が肉付け部として肉盛りして付加される。ここに特徴的要素とは、動物の目、耳、口、鼻、尻尾、羽根、尾、毛など、動物の個性を特徴づける箇所を記号化したものの総称をいう。
これら特徴的要素は、ベース材9に後付けにより合体付加される。これにより、図6(a)〜(e)に示すような特徴ある動物の姿態(形態)を備えたフィギュア原型が作成されることとなる。こうして、図6に示されるように、100種類の動物フィギュアのフィギュア原型が作成される(図10のステップS2)。
【0044】
フィギュア原型が作成されると、これを用いて後述するフィギュア型枠が製作され、製作されたフィギュア型枠を用いてフィギュアが製作されていく。
【0045】
〈フィギュア型枠の製作〉
【0046】
次に、上記フィギュア原型を用いてフィギュア型枠が製作される過程を図9および図10に示すフィギュアの製作フロー図を参照して説明する。
【0047】
ステップS1で図9(a)に示すように、例えばリスの姿態を模したベース材9が作成されると、上記で説明したようにベース材9に記号化された特徴的要素が肉付け部で付加する。これにより、図9(b)に示される硬質のフィギュア原型10が作成される(ステップS2)。ステップS3でフィギュア原型10が不図示の枠型にセットされ、この枠型に樹脂材11を注入する(ステップS4)。注入された樹脂材11が固化(硬化)した後(ステップS5)、樹脂材11に埋没しているフィギュア原型10を取り出す。樹脂材11の中にフィギュア原型10に相当する空洞が形成される。なお、樹脂材11は或る程度の弾性を有するので、フィギュア原型10の取り出しは円滑に行われるようになっている。こうして、図9(c)に示すように、フィギュア原型10が取り出された後の樹脂材11がフィギュア型枠11として製作されることとなる(ステップS6)。
【0048】
〈フィギュアの製作〉
【0049】
上記で製作されたフィギュア型枠11を用いてフィギュアが製作される。すなわち、ステップS7でフィギュア型枠11にフィギュアの素材である色彩マトリクス6に応じた色彩を有する軟質の樹脂材を注入した後、樹脂材を固化させる(ステップS8)。固化した後、フィギュア型枠11から固化した樹脂材を取り出す(ステップS9)。これによりフィギュアとなる直前のフィギュアが製作される。取り出された直後のフィギュアに、目、耳、鼻などの記号化された特徴的要素、およびフィギュア本体の顔に、個性を表現する特徴的要素としての色を着色する(ステップS10)。顔に色を着色する例としては、図6(a)のようにペンギンのフィギュア1であり、ペンギンの顔に白色の塗料で着色する場合が該当する。こうして、図1のようにパッケージ2に商品として収納されるフィギュア1が製作されることとなる(ステップS11)。
【0050】
上記のようにして、100種類のフィギュアが製作され、パッケージ2に収納される。
【0051】
〈パッケージ〉
【0052】
図11に示すパッケージの一例を分解した展開図で示すと、パッケージ2は紙で形成した第1パーツ2aと、紙で形成した第2パーツ2bとからなる。第1パーツ2aの窓部には内部を透視できる透明フィルム部材2cが貼り付けられる。第1パーツ2aおよび第2パーツ2bの外表面に市松模様のデザインが着色される。この着色は内部に収納されるフィギュア1の色と同色である。
【0053】
第2パーツ2bの糊代2dを第1パーツ2aの部分2eに、また、第2パーツ2bの延在部2fを第1パーツ2aの延在部2gにそれぞれ接合して組み立てる。これにより、パッケージ2が形成される。
【0054】
延在部2f、2gにはJ字状の切欠溝2hが形成され、これに図2に示すフック5に係合されるようになっている。
【0055】
また、延在部2gに図3に示す商品構成リスト6に掲示の図案と同じ図案がラベル2iとして印刷されている。
【0056】
こうして、図1に示すように、パッケージ2にラベル2iと一致するフィギュア1が収納されることで、一個の商品3が製作される。このような商品3が100種類製作され、図2のように色彩マトリクスに対応させてボード4のフック5に引っかけることにより、フィギュアシリーズとして商品3を展示できるようになっている。
【0057】
本実施形態に係るフィギュアシリーズによれば、フィギュアシリーズを構成する各フィギュアはくびれ9cを共有する造形美を有し、かつ、羽二重餅のようにもにもにした感触の柔らかな、すべてのフィギュアで色が異なるフィギュアであるので、手に持って、もにもにして遊ぶことにより、ユーザに親しみ感を与え、心を和ませることができる。また、友達、家族、職場にフィギュアを持ち歩くことで、コミュニケーションを生み出せる効果を創出できる。
【0058】
また、多種類の全て色彩が異なる豊富な品揃えの商品3であるフィギュアシリーズの中から、ユーザの嗜好にあったフィギュア選択の余地が増加し、需要喚起を効果的に発揮できる利点もある。
【0059】
また、本実施形態に係るフィギュア型枠の製作方法によれば、合成樹脂材により多種類のフィギュア型枠を簡単に作成できので、フィギュアシリーズの製作コストを安価にできる。
【0060】
また、本実施形態に係るフィギュアシリーズの展示方法によれば、グラデーションで変化する豊富な商品構成の中からユーザの嗜好に合ったフィギュアを能率よく選択できる。また、パッケージ外表面にもフィギュアと同じ色彩を着色しているので、色彩感覚の豊かにフィギュアシリーズを展示できる。
【0061】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0062】
例えば、上記実施形態ではフィギュアシリーズとして動物のカテゴリーについて説明したが、勿論、動物以外の、人、車、あるいは仮想上の人、動物、物などにも適用できるのは言うまでもない。
【0063】
また、上記実施形態のフィギュアシリーズでは、100個のフィギュアを例に挙げたが、商品構成リストは100個以上のフィギュアで構成してもよく、また、100個以下のフィギュアで構成してもよい。
【0064】
また、フィギュア原型を黄金比で形成したが、黄金比でなくてもよい。
【0065】
また、上記では商品3をボード4により平面状態で展示したが、円筒状、円錐状、紡錘状といった立体展示をしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、動物、人、車、仮想上の物などに造形され、触り心地、質感に特徴があり、見る者を楽しませる斬新デザイン性に優れたフィギュアを配列して成るフィギュアシリーズ、フィギュア型枠の製作方法、およびフィギュアシリーズの展示方法に利用される。
【符号の説明】
【0067】
1 フィギュア
2 パッケージ
2c 透明フィルム部材
2i ラベル
2h 切欠溝
3 商品
4 ボード
5 フック
6 商品構成リスト(色彩マトリクス)
7 内部ケース
7a 箱部
9 ベース材
9a 大きい球体
9b 小さい球体
9c くびれ
10 フィギュア原型
11 樹脂材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
或るカテゴリーに属するアイテムを複数のフィギュアで形成するフィギュアシリーズであって、前記各フィギュアは、各フィギュアに共通する基本形状に形成されるベース材と、このベース材に設けられ個性を特徴づけるように記号化して付加される特徴的要素とを有する一方で、前記各フィギュアを、複数の色相要素と複数の明度要素で成る色彩マトリクスに対応づけられる色彩を有する軟質性の合成樹脂材で成形したことを特徴とするフィギュアシリーズ。
【請求項2】
前記カテゴリーの一つは、動物シリーズであることを特徴とする請求項1記載のフィギュアシリーズ。
【請求項3】
前記動物シリーズのベース材に、前記特徴的要素として、目、耳、口、鼻、尻尾、羽根、ひれ、尾、毛などを適宜に肉付けした肉付け部を設けることによりフィギュア原型を作成することを特徴とする請求項1または2記載のフィギュアシリーズ。
【請求項4】
前記特徴的要素は、前記フィギュアにおける前記肉付け部、または顔の部分に施される、模様または色であることを特徴とする請求項3記載のフィギュアシリーズ。
【請求項5】
前記ベース材は、二個の球体を合体して結合されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィギュアシリーズ。
【請求項6】
前記二個の球体は、大きい球体と小さい球体とが黄金比をなすことを特徴とする請求項5記載のフィギュアシリーズ。
【請求項7】
前記色彩マトリクスは、少なくとも10以上の色相要素および10以上の明度要素で形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のフィギュアシリーズ。
【請求項8】
前記色彩マトリクスは、色彩を滑らかに連続して変化するグラデーションで形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のフィギュアシリーズ。
【請求項9】
請求項1乃至8のフィギュアシリーズにおける前記フィギュアを成形するフィギュア型枠を、前記ベース材に前記特徴的要素を付加してフィギュア原型を形成した後、このフィギュア原型の周囲に柔軟性を有する合成樹脂材を注入して固化させてから前記フィギュア原型を取り出して作成することを特徴とするフィギュア型枠の製作方法。
【請求項10】
前記フィギュアを、透明フィルム部材を有するパッケージに収納し、かつ、このパッケージを、前記フィギュアの色彩と同じ色彩に対応する前記色彩マトリクスに配列し、前記パッケージの展示時、前記フィギュアを前記透明フィルム部材を通して外部から視認できるように展示することを特徴とするフィギュアシリーズの展示方法。
【請求項11】
前記パッケージの外表面に、前記フィギュアの色彩と同じ色彩が着色されることを特徴とする請求項10記載のフィギュアシリーズの展示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−207269(P2010−207269A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−53566(P2009−53566)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【特許番号】特許第4533962号(P4533962)
【特許公報発行日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(509066570)株式会社テクノクオリティー (2)
【Fターム(参考)】