説明

フィブラートとスタチンを含む固体剤型

本発明は、フィブラート、特にフェノフィブラート、およびスタチン(HMG CoAレダクターゼインヒビターとしても知られる)の組み合わせを含む粒子型または固体剤型の薬用組成物に関するものであり、この組成物は、水または水性媒質を添加する必要なしに製造でき、経口投与時の両活性成分の適当なバイオアベイラビリティーを保証するため、活性物質 (即ち、フィブラートおよびスタチン) の少なくとも80%は、溶解した形態でこの組成物中に存在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、フィブラート、特にフェノフィブラート、およびスタチン(HMG CoAレダクターゼインヒビターとしても知られる)の組み合わせを含む粒子型または固体剤型の薬用組成物に関するものである。この組成物は、水または水性媒質を添加する必要なしに製造できる。その結果、極めて水分の少ない(2%w/w未満の水)組成物が得られ、それにより適切な保存安定性が保証される(フィブラートとスタチンは共に水によって分解する)。さらに、活性物質 (即ち、フィブラートおよびスタチン) の少なくとも80%は、溶解した形態でこの組成物中に存在し、この事が、経口投与時の両活性成分の適当なバイオアベイラビリティーを保証する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
フィブラートは、一般に経口投与後の吸収が劣悪且つ変動する薬物である。通常これらは、バイオアベイラビリティーを上げるため、食物と共に服用するよう処方する。現在最も良く使用されているフィブラートであるフェノフィブラートの剤型では、この薬物のバイオアベイラビリティー、ひいてはその有効性を増大させるために幾つかの改善がなされてきた。さらに、臨床指針は、フィブラート療法のみならず、例えばフェノフィブラートおよびスタチンの併用療法もまた、コレステロールおよび脂質管理の最も効果的な手段であるに相違ないと指摘している。事実、臨床医は、トリグリセリド低下作用の故に例えばフェノフィブラートの使用を好み、一方では、LDL-C低下およびHDL-C上昇に及ぼす正の作用の故にスタチンを使用すると思われるため、フェノフィブラートによる処置はしばしばスタチンによる処置と一諸に処方されている。ところが、現在のところこうした併用療法は、二つの別個の製品の使用によってのみ達成でき、即ち、患者は例えば1個のフェノフィブラート錠剤を、スタチンを含有する別の錠剤またはカプセル剤と共に服用する必要があるのである。
【0003】
上記のように、改善されたフェノフィブラートの組成物を取得することに対する関心が存在し、その結果、近年そのような組成物に関する幾つかの刊行物が現れてきている(例えばWO 04/041250を参照されたい)。このような組成物は、改善されたフィブラート療法を導き得るものではあるが、それらは、保存安定性の点で安定であり且つ同時に両活性物質の適当なバイオアベイラビリティーにつながる、フィブラートおよびスタチンの組み合わせを含む組成物を提供する必要性を満たしてはいない。
【0004】
WO 03/013608は、フィブラートとスタチンを含有する組成物を記載している。しかしながら、製造プロセス(活性物質を一諸に融解し、ゼラチンカプセルに充填し冷却する)の理由から、カプセル剤だけしか製造できない。さらに、薬学的観点から、この製造プロセスは、例えば体積変動、薬物含有量の変動などに関する規制基準を考慮すると、大規模化が困難であると思われる。この組成物は固体組成物であるように見えても、カプセル剤以外の剤型を可能にする製剤化原則上の柔軟性がないように思われる。
【0005】
したがって、単一の剤型にフィブラートとスタチンを活性成分として含有する薬用組成物であって、安定であり且つ活性物質に対する適当な生物薬剤学的性質(例えば、適当なバイオアベイラビリティー、食物摂取への依存性が低い、等)を提供し、そして大スケールで容易に製造できるような薬用組成物を開発する必要性がある。さらに、フィブラートとスタチンを含有する製剤であって、特別な種類の剤型を選択できる高度の柔軟性を伴って薬用剤型へとさらに加工できる製剤を開発する必要性もある。薬学分野では、このような柔軟性は、その製剤が粉末または粒子型の固体製品の形態である場合に獲得できる。したがって、本発明は、さらなる加工、例えば錠剤への加工に適した、そのような粒子材料を提供する。
【0006】
加えて、空腹状態の患者における当該薬物(特にフェノフィブラートに関して)のバイオアベイラビリティーと、摂食した患者における当該薬物のバイオアベイラビリティーの相違を実質的に縮小または克服できる、そして/または、現行処置に伴って観察される個体内および/または個体間の変動を実質的に縮小または克服できる、適当なバイオアベイラビリティーを有する組成物に対する必要性が依然として存在する。さらに、観察されている副作用を低下させることのできる組成物に対する必要性もまた存在する。
【0007】
一般に、治療上活性な物質の吸収およびバイオアベイラビリティーは、経口投与された場合、様々な因子に影響され得ることが知られている。このような因子は、胃腸管における食物の存在を包含し、そして一般に薬物の胃内滞留時間は、空腹状態よりも食物存在時の方が著しく長い。薬物のバイオアベイラビリティーが胃腸管における食物の存在により或る程度以上に影響を受ける時、その薬物は食物作用を示すと言う。摂食したばかりの患者に薬物を投与することに伴うリスクが存在するため、食物作用は重要である。このリスクは、その薬物が投与された理由である状態を治療するには不充分な吸収となってしまう程の悪影響を、血流への吸収が受け得るという可能性に由来するものである。例えばフェノフィブラートの場合には、食物が取り込みを増大させるという点で、事態は異なっている。即ち、薬物と同時に食物取り込みが無いと、不充分な吸収になり得るのである。フェノフィブラートを含有する市販製品Tricor(登録商標)(Abbott社製)の吸収程度は、空腹状態に比較して摂食状態ではおよそ35%増大する。
【0008】
上記のように、活性化合物の適当なバイオアベイラビリティーおよび/または食物作用の低下もしくは排除を示す、1またはそれ以上のフィブラートを含む新たな薬用組成物に対する必要性が依然として存在する。この文脈において、「適当なバイオアベイラビリティー」という語は、本発明に係る組成物の投与が、単純な錠剤でこの活性物質を投与した後に得られるバイオアベイラビリティーに比較して改善されている;または、バイオアベイラビリティーが、同じ活性物質を同量含有している市販製品の投与後に得られるバイオアベイラビリティーに比較して、少なくとも同じであるかまたは改善されていることを意味する。特に、より迅速且つ大量の、そして/またはより完全な活性化合物の取り込みを達成する事、そしてそれにより投与用量の低減または毎日の投与回数の減少を可能にすることが望まれる。さらに、本発明に係る薬用組成物は、該剤型(特に、本発明に係る組成物中に含有される1または活性物質、即ちフェノフィブラートのようなフィブラートにとって適切な)と同時に食物を摂取する必要性を低下させまたは否定することができ、それによって患者は、いつ薬物を服用するかについて、より大きな自由が与えられる。
【発明の開示】
【0009】
発明の説明
本発明は、フィブラートおよびスタチン処置に応答する状態の処置のための、粒子材料の形態および個体剤型の薬用組成物を提供する。
【0010】
上述のように、脂質管理(例えば、アテローム性動脈硬化症、冠動脈心疾患、糖尿病管理、肥満症、過体重、代謝症候群など)を必要とする状態の処置の改善を導く、経口使用のための、フィブラートおよびスタチンまたはその薬学上許容し得る塩の組み合わせを含む薬用組成物を開発する必要性がある。
【0011】
さらに、特にフィブラート成分の(但し下記のように、幾つかの場合にはスタチン成分の)バイオアベイラビリティー改善を達成することは有益である。フェノフィブラートのようなフィブラートは水溶性がきわめて低く、この性質が、フェノフィブラートのバイオアベイラビリティーが劣悪である主たる理由の一つとされている。したがって、フィブラートが主として溶解した形態である組成物を提供することが好都合である。同じ事が、水溶性の低いスタチンにも当てはまる。
【0012】
バイオアベイラビリティーの改善は処置の改善につながる。低い用量および/または少ない回数の投与で同じ治療応答が得られ、血漿中レベルの低変動性および食物による制約をなくす事も可能となる。例えばフェノフィブラートを適応とする状態の、改善された処置を可能にする別の方法は、血漿中のフェノフィブラート濃度の増大が初期に達成され、またはそれが投与時間に対して遅延するように、胃腸管へのフェノフィブラートの放出のバランスをとることによるものである。さらなる治療上の改善は、1またはそれ以上のフィブラートを含有する、修飾または遅延放出組成物を開発することであろう。
【0013】
特に、固体剤型(例えば錠剤など)へとさらに加工できる粒子型の固体組成物を開発する必要性がある。このような組成物は活性薬物、即ちフィブラートおよびスタチンを主として溶解した形態で含有していなければならないが、同時にこの組成物は、例えば錠剤のような固体剤型へとさらに加工できる特別な形態でなければならない。即ち、活性物質を主として溶解した形態で含有するこの粒子材料は、適当な性質、例えば流動性、付着性(これは回避すべきである)、圧縮可能性などの点に関して適切な性質を持っていなければならない。
【0014】
或る態様では、本発明は、1またはそれ以上のフィブラートおよび1またはそれ以上のスタチンを活性物質として含む粒子材料であって、活性物質総量の少なくとも80%w/wが、疎水性、親水性、および水混和性媒質より成る群から選ばれる媒質に溶解している粒子材料に関するものである。
【0015】
通常、活性物質総量の少なくとも85%w/w、少なくとも90%w/w、少なくとも95%w/wまたは少なくとも98%w/wが媒質に溶解している。
【0016】
活性物質の100%が媒質に溶解している態様では、活性物質は粒子組成物中で固溶体の形態で存在する。固溶体の存在は、本明細書で記載するDSC試験によって検証できる。しかしながら、保存中に固溶体から活性物質の若干の結晶化が予想できる。したがって本発明は、活性物質が固溶体の形態で存在する粒子材料を包含するが、保存中に活性物質が沈殿し得るということも本発明の範囲内にある。
【0017】
上に述べたように、適当な流動性を獲得して異なる剤型を得るためには、本発明に係る粒子材料に充分な流動性が求められる。したがって、本発明に係る粒子材料は、ノズル直径が10.0mmの漏斗から組成物が流出する流速を測定する、Ph.Eur.に記載の方法に従って測定した適当な流動性を持つ。
【0018】
本発明に係る粒子材料は、2種類の活性物質、即ちフィブラートおよびスタチンまたはその薬学上許容し得る塩を含む。以下に活性物質の説明を供する。
【0019】
フィブラート
フィブラートは、ゲミフィブロジル、フェノフィブラート、ベンザフィブラート、クロフィブラートおよびシプロフィブラートを包含する。これらは脂質調節剤として使用される。これらはプロドラッグと見なされ、インビボでそれらの活性代謝産物への代謝を受ける。
【0020】
特別な態様では、フィブラートはフェノフィブラートまたはその類似体である。通常、媒質中のフィブラート濃度は、フィブラート、スタチンおよび媒質の総重量を基準として少なくとも10%w/wである。特に、媒質中のフィブラート濃度は、フィブラート、スタチンおよび媒質の総重量を基準として少なくとも15%w/w、または少なくとも16%w/w、または少なくとも17%w/w、または少なくとも20%w/w、好ましくは少なくとも25%w/w、より好ましくは少なくとも30%w/w、特に少なくとも35%w/wである。
【0021】
例示目的だけのために、以下の記載はフィブラートの特別な例、即ちフェノフィブラートを基準としている。したがって、例えばフェノフィブラートは、活性物質であるフェノフィブリン酸へと代謝される。フェノフィブリン酸は約20時間の排泄半減期を持つ。患者の血液中に検出されるフェノフィブリン酸量の測定値は、フェノフィブラート取り込みの効率を反映し得る。
【0022】
フェノフィブラートは化学名2-[4-(4-クロロベンゾイル]-2-メチル-プロパン酸、1-メチルエチルエステルであり、以下の構造式を有する:
【化1】

【0023】
フェノフィブラートは水に不溶の白色固体である。融点は79-82℃である。
人間のアテローム性動脈硬化症は、総コレステロール、低密度リポ蛋白コレステロール(LDL-C)、およびアポリポ蛋白B(アポB)レベルの上昇を伴うことが、臨床試験で証明されている。アテローム性動脈硬化症の発現は、高密度リポ蛋白コレステロール(HDL-C)およびその運搬複合体アポリポ蛋白A(アポAIおよびアポAII)レベルの低下を伴う。
【0024】
フェノフィブラートはII型糖尿病の処置にも有効である。
【0025】
フェノフィブリン酸、即ちフェノフィブラートの活性代謝産物は、処置される患者の総コレステロール、LDL-コレステロール、アポリポ蛋白B、総トリグリセリドおよび富トリグリセリドリポ蛋白の低下をもたらす。さらに、フェノフィブラートによる処置は、HDL-コレステロールならびにアポAIおよびアポAIIの増加をもたらす。フェノフィブラートは、既存のフィブラートファミリー薬物の製品に優る、特異且つ臨床的な利点を提供する、強力な脂質調節物質として働く。フェノフィブラートは、高トリグリセリド血症患者の血漿トリグリセリドレベル、ならびに高コレステロール血症および混合型血中脂質異常患者の血漿コレステロールおよびLDL-Cの実質的な低下をもたらす。
【0026】
フェノフィブラートはさらに、尿酸の尿中排泄を増加させることにより、高尿酸血症および正常対象の血清尿酸レベルを低下させる。
【0027】
フェノフィブラートはさらに、成人患者の高トリグリセリド血症(フレドリクソンIV型およびV型高脂血症)治療のための食餌療法の補助療法としての適応がある。空腹時血中カイロミクロン高値を示す糖尿病患者における血糖管理の改善は、通常、空腹時トリグリセリドを低下させて血中カイロミクロン高値を解消し、それにより薬理学的介入の必要性を不要にする。
【0028】
スタチン
スタチンにはシンバスタチン、アトルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチンおよびフルバスタチン、ならびにそれらの薬学上許容し得る塩、例えばアルカリ金属およびアルカリ土類金属塩がある。スタチンは脂質管理において好ましい効果があり、血漿中の脂質レベルの調節が重要である種々の疾患の処置に使用される。一般にスタチンは経口投与後に良好に吸収される(例えばフルバスタチンおよびシンバスタチン)が、幾つかのスタチンはバイオアベイラビリティーが劣悪である(ロバスタチンはバイオアベイラビリティーが約30〜40%であり、プラバスタチンは約30%、シンバスタチンは約5%、そしてロスバスタチンは約50%である)。幾つかのスタチン(例えばプラバスタチンおよびフルバスタチン)は水溶性であるが、水溶性の低いスタチン(例えばアトルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチンおよびシンバスタチン)もある。一般にスタチンは水分に対して敏感であり、即ち、水分を含まない、または殆ど含まない組成物は改善された安定性を持つと考えられ、同じ事が水性媒質を使用せずに製造された組成物についても当てはまる。
【0029】
本発明に係る粒子材料または固体剤型の場合、媒質中のスタチン濃度は、フィブラート、スタチンおよび媒質の総重量を基準にすると、少なくとも1%w/wである。より詳細には、媒質中のスタチン濃度は、フィブラート、スタチンおよび媒質の総重量を基準にすると、少なくとも1.5%w/w、または少なくとも2.5%w/w、または少なくとも5%w/w、または少なくとも7.5%w/w、または少なくとも10%w/wである。
【0030】
特別の態様では、本発明は、フェノフィブラートおよびシンバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含有する粒子材料、フェノフィブラートおよびアトルバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含有する粒子材料、フェノフィブラートおよびロバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含有する粒子材料、フェノフィブラートおよびプラバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含有する粒子材料、フェノフィブラートおよびロスバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含有する粒子材料、フェノフィブラートおよびシンバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含有する粒子材料に関するものである。
【0031】
以下に具体的なスタチンについての実施例を記載するが、本発明はこれらの具体例に限定される訳ではない。
【0032】
アトルバスタチン
【化2】

【0033】
アトルバスタチンカルシウムは、pH4およびそれ以下の水溶液に不溶の白色ないしオフホワイト色の結晶性粉末である。アトルバスタチンカルシウムは、蒸留水、pH7.4の燐酸緩衝液、およびアセトニトリルにきわめて溶けにくく、エタノールに溶けにくく、メタノールに溶け易い。
【0034】
経口投与用リピトール錠は、10、20、40または80mgのアトルバスタチンおよび以下の不活性成分:炭酸カルシウム(USP);カンデリラろう(FCC);クロスカルメロースナトリウム(NF);ヒドロキシプロピルセルロース(NF);乳糖一水和物(NF);ステアリン酸マグネシウム(NF);微結晶性セルロース(NF);Opadry White YS-1-7040(ヒドロキシプロピル-メチルセルロース、ポリエチレングリコール、タルク、二酸化チタン);ポリソルベート80(NF);シメチコンエマルジョン、を含有する。
【0035】
アトルバスタチンは合成脂質低下物質である。アトルバスタチンは3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-補酵素A(HMG-CoA)レダクターゼのインヒビターである。この酵素は、コレステロール生合成の初期律速工程であるHMG-CoAからメバロン酸塩への変換を触媒する。
【0036】
アトルバスタチンは、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-補酵素Aを、コレステロールを包含するステロールの前駆体であるメバロン酸塩へと変換する律速酵素であるHMG-CoAレダクターゼの選択的競合的インヒビターである。コレステロールとトリグリセリドはリポ蛋白複合体の一部として血流中を循環している。超遠心分離によりこれらの複合体は、HDL(高密度リポ蛋白)、IDL(中間密度リポ蛋白)、LDL(低密度リポ蛋白)、およびVLDL(超低密度リポ蛋白)画分に分離する。肝臓中のトリグリセリド(TG)およびコレステロールはVLDLに取り込まれ、末梢組織にデリバリーされるため血漿中に放出される。LDLはVLDLから生成され、主に高親和性LDLレセプターを介して異化を受ける。臨床試験および病理試験は、総コレステロール(total-C)、LDL-コレステロール(LDL-C)、およびアポリポ蛋白B(アポB)の血漿中レベルの上昇は人間のアテローム性動脈硬化症を促進し、これが心血管疾患発症の危険因子である事、そして一方HDL-Cレベルの上昇は心血管疾患リスクの低下に関連している事を示している。
【0037】
アトルバスタチンは経口投与後速やかに吸収され、最大血漿中濃度が1または2時間以内に現れる。吸収の程度はアトルバスタチン用量に比例して増大する。アトルバスタチン(親薬物)の絶対的バイオアベイラビリティーはおよそ14%であり、HMG-CoAレダクターゼ阻害活性の全身アベイラビリティーはおよそ30%である。低い全身アベイラビリティーは、胃腸粘膜におけるプレシステミッククリアランスおよび/または肝臓の初回通過代謝に起因する。CmaxおよびAUCでの評価によると、食物は薬物吸収の速度および程度をそれぞれおよそ25%および9%低下させるが、LDL-Cの低下は、アトルバスタチンを食物と共に投与しても食物なしで投与しても、似通っていると言われている。血漿中アトルバスタチン濃度は、午前中に薬物を投与した後と比較して、夕方の投与後には、より低くなる(CmaxおよびAUCでおよそ30%)。しかしながらLDL-Cの低下は、薬物投与の時間が一日のうちいつであるかに拘わらず同じであると言われている。
【0038】
プラバスタチン
プラバスタチンナトリウム(PRAVACHOL(登録商標))は、新しいクラスの脂質低下化合物、HMG-CoAレダクターゼインヒビターの一つであり、コレステロール生合成を低下させる。これらの物質は、コレステロール生合成の初期律速工程であるHMG-CoAからメバロン酸塩への変換を触媒する酵素3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-補酵素A(HMG-CoA)レダクターゼの競合的インヒビターである。
【0039】
プラバスタチンナトリウムは化学的に1-ナフタレン-ヘプタン酸、1,2,6,7,8,8a-ヘキサヒドロ-β,β,6-トリヒドロキシ-2-メチル-8-(2-メチル-1-オキソブトキシ)-,一ナトリウム塩、[1S-[1α(βS*,βS*),2α,6α,8βR*,8aα]]-と表される。構造式を下に示す。
【0040】
【化3】

【0041】
プラバスタチンナトリウムは、無臭の、白色ないしオフホワイト色の細かいまたは結晶性の粉末である。これはpH7.0における分配係数(オクタノール/水)が0.59の、比較的極性の親水性化合物である。これはメタノールおよび水に溶け(>300mg/mL)、イソプロパノールに溶けにくく、アセトン、アセトニトリル、クロロホルム、およびエーテルに殆ど溶けない。
【0042】
PRAVACHOLは10mg、20mg、40mg、および80mg錠が経口投与用に入手できる。不活性成分は、クロスカルメロースナトリウム、乳糖、酸化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、微結晶性セルロース、およびポビドンを包含する。10mg錠は赤色酸化鉄をも含有し、20mgおよび80mg錠は黄色酸化鉄をも含有し、そして40mg錠はGreen Lake Blend(D&C黄色10号 - アルミニウムレーキおよびFD&C青色1号 - アルミニウムレーキの混合物)をも含有する。
【0043】
プラバスタチンは脂質低下作用を二つの方法で出現させる。第一に、HMG-CoAレダクターゼ活性の可逆的阻害の結果、コレステロールの細胞内プールにおいて中等度の低下をもたらす。この事が、細胞表面のLDLレセプター数増大と、レセプター仲介性異化の亢進および循環LDLのクリアランスを引き起こす。第二にプラバスタチンは、LDL前駆体であるVLDLの肝における合成を阻害することにより、LDL産生を阻害する。
【0044】
臨床試験および病理試験は、総コレステロール(total-C)、低密度リポ蛋白コレステロール(LDL-C)、およびアポリポ蛋白B(アポB - LDLの膜輸送複合体)のレベルの上昇が人間のアテローム性動脈硬化症を促進する事を示している。同様に、HDL-コレステロール(HDL-C)およびその輸送複合体アポリポ蛋白Aのレベルの低下はアテローム性動脈硬化症の発現に関連している。疫学調査は、心血管疾患罹患率および死亡率はtotal-CおよびLDL-Cのレベルに正比例し、HDL-Cレベルに反比例する事を立証している。LDLのようにコレステロールを多く含むトリグリセリドに富むリポ蛋白(VLDL、IDL、およびレムナントを包含する)もまたアテローム性動脈硬化症を促進し得る。血漿中TGの上昇は、しばしば低HDL-Cレベルおよび小LDL粒子との三者関係で、そして冠動脈性心疾患の非脂質代謝性危険因子に随伴して見いだされる。このように総血漿中TGはCHDの独立した危険因子である事が一貫して示されている訳ではない。さらに、冠動脈および心血管疾患罹患率および死亡率のリスクに及ぼすHDL上昇またはTG低下の独立した影響は確定されていない。正常な志願者および高コレステロール血症患者のいずれにおいても、PRAVACHOL(プラバスタチンナトリウム)による処置はTotal-C、LDL-Cおよびアポリポ蛋白Bを低下させた。PRAVACHOLはさらに、VLDL-CおよびTGを低下させ、HDL-Cおよびアポリポ蛋白Aの増加をもたらした。プラバスタチンがLP(a)、フィブリノーゲン、およびその他何らかの冠動脈性心疾患に対する独立した生化学的リスクマーカーに及ぼす影響は分かっていない。プラバスタチンは他のHMG-CoAレダクターゼインヒビターと比較して、より親水性であるが、有効性または安全性に及ぼす相対的親水性の影響は、もしあったとしても確立されていない。
【0045】
他のHMG-CoAレダクターゼインヒビターと同様プラバスタチンは可変的なバイオアベイラビリティーを持っている。対象間の変動に基づく変動係数(CV)は、AUCについて50%ないし60%であった。空腹状態の成人にプラバスタチン20mgを投与した。CmaxおよびAUCの幾何平均はそれぞれ23.3〜26.3ng/mLおよび54.7〜62.2ng*hr/mLの範囲であった。
【0046】
ロスバスタチン
ロスバスタチンは強力なHMG-CoAレダクターゼインヒビター(スタチン)である。ロスバスタチンは、原発性高コレステロール血症、混合型異常脂血症、高トリグリセリド血症、およびホモ接合型家族性高コレステロール血症の処置に対して認可されている。これは、アトルバスタチン、シンバスタチン、およびプラバスタチンよりも低密度リポ蛋白(LDL)-コレステロールの大きな低下をもたらした。
【0047】
用量範囲は、1日に1回の始発用量5〜20mgで1日に1回5〜40ミリグラム(mg)経口である。20mg/日で脂質低下目標に到達しない対象においては、用量を40mg/日まで漸増することができる。この薬物は1日のうち任意の時間に食物と共にまたは食物なしで投与できる。重篤な腎障害の患者およびシクロスポリンまたはゲムフィブロジルの同時投与を受けている患者に対しては用量の調節が推奨される。
【0048】
ピーク血漿中レベルは経口投与の3〜5時間後に起こり、5〜80mgの用量範囲にわたり直線性があった。定常状態における蓄積は僅かである。ロスバスタチンは肝臓以外の組織に比して肝臓組織により選択的に吸収されるようであるが、これは相対的親水性に帰することができる。この薬物は肝代謝を僅かに受けるだけであり、用量の大半は胆汁によって排泄される。バイオアベイラビリティーはおよそ20%である。
【0049】
シンバスタチン
シンバスタチンはアスペルジルス・テレウス(Aspergillus terreus)の発酵生成物から合成によって誘導される脂質低下物質である。不活性ラクトンであるシンバスタチンは、経口摂取後に加水分解されて対応するβ-ヒドロキシ酸型となる。これが3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-補酵素A(HMG-CoA)レダクターゼのインヒビターである。この酵素は、コレステロール生合成の初期律速工程であるHMG-CoAからメバロン酸塩への変換を触媒する。
【0050】
シンバスタチンは、ブタン酸、2,2-ジメチル-1,2,3,7,8,8a-ヘキサヒドロ-3,7-ジメチル-8-[2-(テトラヒドロ-4-ヒドロキシ-6-オキソ-2H-ピラン-2-イル)-エチル]-1-ナフタレニルエステル、[1S-[1α,3α,7β,8β(2S*,4S*),-8aβ]]である。シンバスタチンの実験式はC25H38O5であり、分子量は418.57である。構造式は、
【化4】

である。
【0051】
シンバスタチンは、水に殆ど溶けず、クロロホルム、メタノールおよびエタノールに溶け易い、白色ないしオフホワイト色の非吸湿性結晶性粉末である。
経口投与用錠剤ZOCOR(登録商標)は、5mg、10mg、20mg、40mgまたは80mgのシンバスタチンおよび以下の不活性成分:セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酸化鉄、乳糖、ステアリン酸マグネシウム、澱粉、タルク、二酸化チタンおよびその他の成分、を含有する。ブチル化ヒドロキシアニソールを保存剤として添加する。
【0052】
総コレステロール(total-C)、LDL-C、およびアポリポ蛋白B(アポB )の血漿中レベル上昇は人間のアテローム性動脈硬化症を促進し、心血管疾患発症の危険因子であり、一方、高密度リポ蛋白コレステロール(HDL-C)およびその輸送複合体Apo A-1のレベル増大は、心血管疾患のリスク低下に関連している。高い血漿中トリグリセリド(TG)およびコレステロールを多く含むTGに富むリポ蛋白(超低密度リポ蛋白(VLDL)、中間密度リポ蛋白(IDL)、およびレムナントを包含する)もまたアテローム性動脈硬化症を促進し得る。血漿中TGの上昇は、しばしば低HDL-Cレベルおよび小LDL粒子との三者関係で、そしてCHDの非脂質代謝性危険因子に随伴して見いだされる。このように総血漿中TGはCHDの独立した危険因子である事が一貫して示されている訳ではない。さらに、冠動脈および心血管罹患率および死亡率のリスクに及ぼすHDL-C上昇またはTG低下の独立した影響は確定されていない。シンバスタチンは、正常なおよび上昇したLDL-C濃度をいずれも低下させることが示されている。LDLは超低密度リポ蛋白(VLDL)から生成され、もっぱら高親和性LDLレセプターによって異化を受ける。
シンバスタチンは、その主たる作用部位である肝臓で強力な初回通過除去を受け、その後胆汁に、薬物等価物の排泄がなされる。シンバスタチンが肝で強力な除去を受ける(人間において>60%と推定される)結果、全身循環に対する薬物のアベイラビリティーは低い。
【0053】
本発明は、フィブラートおよびスタチン処置に応答する状態の処置改善のための、粒子材料および固体剤型を提供する。さらに、このような組成物および固体剤型は、例えば他の活性物質、例えば他の抗脂血症物質または抗II型糖尿病物質、例えばグリメピリド、グリベンクラミド、グリクラジド、レパグリニド、ナテグリニド、メトホルミン、ピオグリタゾン、ロシグリタジン、もしくはアカルボースを含有し、またはそれらと組み合わせて使用することができる。エゼチミブのようなコレステロール吸収インヒビターおよびコレセベラムのようなコレステロール捕捉剤と組み合わせることもできる。これらはまた、望ましくないレベルのトリグリセリドおよび/またはコレステロールを導き得る薬物に含有させ、またはそれらと組み合わせて使用することもできる。したがって、本発明に係る組成物は、例えばイソトレチノインおよびHIVプロテアーゼインヒビターのようなレトロウイルスプロテアーゼインヒビターなどに含有させ、またはそれらと組み合わせて使用することができる。
【0054】
本発明に係る粒子材料は、ノズル直径が10.0mmの漏斗から組成物が流出する流速を測定する、Ph.Eur.に記載の方法に従って測定する時、適当な流動性を持つ。製造設備および/または充填設備への付着を回避するため、この粒子材料は流動性である事が重要である。この性質は、この粒子材料をさらに別の種類の製剤、例えば固体剤型に加工することを望む場合にも重要である。
【0055】
上記のように、本発明に係る粒子材料は媒質を含有する。幾つかの態様では、この媒質は油または油様性質を持ち、そして/または比較的大量に存在する。このような場合には、この材料に吸収または吸着性を持つ物質を含有させて、最終的な粒子材料が非油性粉末に見えるように、そして油性表面をもたらし得る媒質の幾らかを保存中に放出しないようにすることが必要であるかも知れない。したがって、この粒子材料は1またはそれ以上の油収着材料を含有することができ、その材料は本明細書の記載に従って試験する時、
i) 本明細書に記載の閾値試験に従って試験した場合、10%またはそれ以上の油閾値を有し、そして、
ii) 本明細書に記載の放出試験に従って試験した場合、少なくとも30%の油を放出する、および、
iii) Ph. Eur.の崩壊試験に従って試験した場合、錠剤の形態において、最大1時間の崩壊時間を持つ(この錠剤は約90%w/wまたはそれ以上の油収着材料を含有している)、
のうち少なくとも一方である。或る状況では、例えば高濃度の媒質が油性または油様性質を持つことができるようにするため、該組成物に収着材料を配合するのが好都合であることが判明した。媒質が最大で約25℃の融点を持つような場合、収着材料を配合することが特に適当であろう。媒質および収着材料として好適な材料の適当な例は本明細書に記載する。
【0056】
別の態様では、本発明は、1またはそれ以上のフィブラートおよび疎水性または親水性または水混和性媒質を含み、その媒質の濃度が少なくとも約10%w/wであるような粒子材料に関するものである。以下に、本発明に係る粒子材料への使用に好適な媒質を記載する。
【0057】
疎水性または親水性または水混和性媒質
本明細書の文脈中、「疎水性または親水性または水混和性媒質」という語は、油、ろう、半固体材料、および製薬工業で溶媒(例えば有機溶媒)または共溶媒として通常使用される材料を包含する、極めて広い意義で使用し、そしてこの語は、周囲温度で液体形態である、治療的および/または予防的に活性な物質をも包含し;さらにこの語は、例えばマイクロエマルジョンおよびナノエマルジョンのようなエマルジョンならびに懸濁液を包含する。疎水性または親水性または水混和性媒質は、通常、周囲温度または上昇した温度(実用的な理由から、最大温度は約250℃である)で液体である。これらは親水性、親油性、疎水性および/または両親媒性材料であってよい。特別な態様では、この媒質は非水性である。
【0058】
本発明の状況における使用にとって好適な疎水性または親水性または水混和性媒質は、融点が少なくとも約0℃、そして最大で約250℃である物質または材料である。
【0059】
本発明の特別な態様では、疎水性または親水性または水混和性媒質は、融点が約5℃もしくはそれ以上、例えば約10℃もしくはそれ以上、約15℃もしくはそれ以上、約20℃もしくはそれ以上、または約25℃もしくはそれ以上である。上に述べたように、このような低い融点の媒質を使用する場合、通常、油収着材料の添加が必要である。しかしながら当業者は、必要時にこのような油収着材料を添加する事が分かっているであろう。
【0060】
本発明のさらなる態様では、疎水性または親水性または水混和性媒質は、少なくとも約25℃、例えば少なくとも約30℃、少なくとも約35℃、または少なくとも約40℃の融点を持つ。実用的な理由から、融点は通常高過ぎてはいけない。即ち、この油または油様材料は通常、最大約300℃、例えば最大約250℃、最大約200℃、最大約150℃、または最大約100℃の融点を持つ。融点が高いと、比較的高い温度が、例えば活性物質(この場合、治療的および/または予防的に活性な物質が包含される)の酸化もしくはその他の種類の分解を促進するかも知れない。
【0061】
本明細書の文脈では、融点をDSC(示差走査熱量測定法)により測定する。融点は、DSCの直線的増加が温度軸を横切る温度として決定する。
【0062】
興味深い疎水性または親水性または水混和性媒質は、一般に、メルト・バインダーまたは固体溶媒(固体剤型の形態の場合)として、または共溶媒もしくは局所使用用医薬品中の成分として医薬品製造に用いられる物質である。
【0063】
これは親水性、疎水性および/または界面活性を有する。一般に、親水性および/または疎水性媒質は、本発明に係る粒子材料または固体剤型の製造に使用するのに好適である。特別の態様では、該薬用組成物からの活性物質の放出が、即時または非修飾または修飾されるように設計されている場合にそれらを利用できる。疎水性媒質は通常、修飾放出薬用組成物の製造に使用する。上に述べた考察は、一般原則を説明するために単純化してあるが、他の媒質の組み合わせおよび他の目的が適切な数多くの事例があり、故に上の例は本発明を決して限定すべきではない。
【0064】
典型的には、好適な親水性または水混和性媒質は、ポリエーテルグリコール、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール;ポリオキシエチレン;ポリオキシプロピレン;ポロキサマーおよびこれらの混合物より成る群から選ばれ、または、キシリトール、ソルビトール、酒石酸ナトリウムカリウム、スクローストリベへナート、グルコース、ラムノース、ラクチトール、ベヘン酸、ヒドロキノンモノメチルエーテル、酢酸ナトリウム、フマル酸エチル、ミリスチン酸、クエン酸、Gelucire 50/13、その他の種類のGelucire、例えばGelucire 44/14等、Gelucire 50/10、Gelucire 62/05、Sucro-ester 7、Sucro-ester 11、Sucro-ester 15、マルトース、マンニトールおよびこれらの混合物より成る群から選択できる。
【0065】
好適な疎水性または水混和性媒質は、直鎖飽和炭化水素、ソルビタンエステル、パラフィン類;脂肪および油、例えばカカオ脂、牛脂、ラード、ポリエーテルグリコールエステル;高級脂肪酸、例えばステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、高級アルコール、例えばセタノール、ステアリルアルコール、低融点ろう、例えばモノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリン、水素化獣脂、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、置換および/または非置換モノグリセリド、置換および/または非置換ジグリセリド、置換および/または非置換トリグリセリド、蜜ろう、白ろう、カルナウバワックス、カスターワックス、和ろう、アセチラートモノグリセリド;NVPポリマー、PVPポリマー、アクリルポリマー、またはこれらの混合物より成る群から選択できる。
【0066】
興味深い態様では、この媒質は、平均分子量が約400〜約35000、例えば約800〜約35000、約1000〜約35000の範囲にあるポリエチレングリコール、例えばポリエチレングリコール1000、ポリエチレングリコール2000、ポリエチレングリコール3000、ポリエチレングリコール4000、ポリエチレングリコール5000、ポリエチレングリコール6000、ポリエチレングリコール7000、ポリエチレングリコール8000、ポリエチレングリコール9000、ポリエチレングリコール10000、ポリエチレングリコール15000、ポリエチレングリコール20000、またはポリエチレングリコール35000である。或る状況では、約35000ないし約100000の分子量のポリエチレングリコールが使用できる。
【0067】
別の興味深い態様では、この媒質は、分子量が約2000〜約7000000、例えば約2000〜約100000、約5000〜約75000、約10000〜約60000、約15000〜約50000、約20000〜約40000、約100000〜約7000000、例えば約100000〜約1000000、約100000〜約600000、約100000〜約400000、または約100000〜約300000のポリエチレンオキシドである。
【0068】
別の態様では、この媒質は、ポロキサマー、例えばPoloxamer 188、Poloxamer 237、Poloxamer 338もしくはPoloxamer 407またはその他のエチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマー、例えばPluronic(登録商標)および/またはTetronic(登録商標)系列である。好適なPluronic(登録商標)系列のブロックコポリマーは、約3000またはそれ以上、例えば約4000ないし約20000の分子量、および/または約200ないし約4000cps、例えば約250ないし約3000cpsの粘度(Brookfield)を有するポリマーを包含する。好適な例は、Pluronic(登録商標) F38、P65、P68LF、P75、F77、P84、P85、F87、F88、F98、P103、P104、P105、F108、P123、F123、F127、10R8、17R8、25R5、25R8等を包含する。好適なTetronic(登録商標)系列のブロックコポリマーは、約8000またはそれ以上、例えば約9000〜約35000の分子量、および/または約500〜約45000cps、例えば約600〜約40000の粘度(Brookfield)を有するポリマーを包含する。上記の粘度は、室温でペーストである物質については60℃で、室温で固体である物質については77℃で測定する。
【0069】
特別の態様では、本発明に係る粒子材料は、媒質としてポリエチレングリコールとポロキサマーの比率(重量)が1:3および10:1の間、好ましくは1:1および5:1の間、より好ましくは3:2および4:1の間、特に2:1および3:1の間、とりわけ約7:3である混合物を含む。特にこのポロキサマーはポロキサマー188である。
【0070】
別の態様では、ポリエチレングリコールを媒質として使用し、これは平均分子量が約6000である(PEG6000)。
【0071】
この媒質はソルビタンエステル、例えばジ-イソステアリン酸ソルビタン、ジオレイン酸ソルビタン、モノラウリル酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキ-イソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、トリ-イソステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタンまたはこれらの混合物であってもよい。
【0072】
この媒質は異なる媒質の混合物、例えば親水性および/または疎水性材料の混合物を含んでいてもよい。
【0073】
その他の好適な媒質は、溶媒または半固体賦形剤、例えばプロピレングリコール、ポリグリコール化グリセリド(Gelucire 44/14を包含する)、植物起源の複雑な脂肪材料(カカオ脂、カルナウバワックス、および、例えばアーモンド油、ココナツ油、トウモロコシ油、綿実油、ゴマ油、大豆油、オリーブ油、ひまし油、パーム核油、落花生油、菜種油、グレープシード油などのような植物油を包含する)、水素化植物油、例えば水素化落花生油、水素化パーム核油、水素化綿実油、水素化大豆油、水素化ひまし油、水素化ココナツ油;動物起源の天然脂肪材料(蜜ろう、ラノリンを包含する)、脂肪族アルコール(セチル、ステアリル、ラウリル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル脂肪族アルコールを包含する);エステル(ステアリン酸グリセロール、ステアリン酸グリコール、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピルを包含する);液体分子内エステル化半合成グリセリド(Miglycol 810/812を包含する);アミドまたは脂肪酸アルコールアミド(ステアロアミドエタノールを包含する)、脂肪族ココナツ酸のジエタノールアミド、モノおよびジ-グリセリドの酢酸エステル、モノおよびジ-グリセリドのクエン酸エステル、モノおよびジグリセリドの乳酸エステル、モノおよびジ-グリセリド、脂肪酸のポリグリセロールエステル、ポリリシノール酸ポリ-グリセロール、脂肪酸のプロピレングリコールエステル、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム、モノおよびジ-グリセリドのジアセチル酒石酸エステルなどであってよい。
【0074】
通常、本発明に係る粒子材料または固体剤型は、その粒子材料または固体剤型中の媒質濃度が、約5%w/wもしくはそれ以上、例えば約10%w/wもしくはそれ以上、約15%w/wもしくはそれ以上、約20%w/wもしくはそれ以上、約25%w/wもしくはそれ以上、約30%w/wもしくはそれ以上、約35%w/wもしくはそれ以上、約40%w/wもしくはそれ以上、約45%w/wもしくはそれ以上、約50%w/wもしくはそれ以上、約55%w/wもしくはそれ以上、約60%w/wもしくはそれ以上、約65%w/wもしくはそれ以上、約70%w/wもしくはそれ以上、約75%w/wもしくはそれ以上、約80%w/wもしくはそれ以上、約85%w/wもしくはそれ以上、約90%w/wもしくはそれ以上、または約95%w/wもしくはそれ以上である。
【0075】
特別な態様では、本発明に係る粒子材料または固体剤型中の媒質濃度は、約20%〜約80%w/w、例えば約25%〜約75%w/wの範囲である。
【0076】
比較的大量の媒質を配合し、なお且つ固体である材料を得られる事が、利点の一つである。したがって、上述の油収着材料を使用することにより、比較的高ロードの媒質を含む固体組成物を製造することが可能である。薬学分野では、特に、水溶性(例えば水溶性が低い)、水性媒質中での安定性(即ち、水性媒質中で分解が起こる)、経口バイオアベイラビリティー(例えば低いバイオアベイラビリティー)などの点で活性物質が適当な性質を持っていない状況では、または、活性物質の、制御された、修飾された、遅延された、持続的な、そして/または間欠的なデリバリーを達成するため、組成物からの活性物質の放出を修飾することが望ましい状況では、固体組成物中に比較的大量の媒質(例えば、油または油様性質を持ったもの)を配合できることが有利である。
【0077】
一般知識および通常の実験を利用して、薬学上許容し得る、分散可能な、活性物質を溶解させるまたは少なくとも部分的に溶解させる、そして所望範囲に融点を持つ、適当な媒質を選択することは、当業者の技術の範囲内にある。適当な媒質の候補物質はWO 03/004001に記載されており、これを引用により本明細書の一部とする。
【0078】
本明細書の文脈中、適当な媒質とは、例えば上に記載のもの、およびWO 03/004001に開示されたものである。
【0079】
さらなる利点は、得られる粒子材料が流動性粉末であり、故に、例えば錠剤、カプセル剤またはサシェ剤といった固体剤型へと容易に加工できる事である。通常この粒子材料は、大量のさらなる添加剤を加えなくても直接圧縮により錠剤を製造するのに適した性質を持っている。この粒子材料の流動性を調べるための適当な試験はPh. Eur.に記載の方法であり、直径10.0mmのノズル(開口部)を持つ漏斗からその材料が流出する流速を測定するものである。
【0080】
薬学上許容し得る賦形剤
本明細書の文脈中、「薬学上許容し得る賦形剤」という語は、それ自身が実質上何ら治療的および/または予防的効果を持たないという意味で不活性である材料を意味することを意図している。このような賦形剤は、許容し得る技術的性質を有する薬用、化粧用および/または食品組成物の取得を可能にする目的で添加することができる。本発明に係る粒子材料または固体剤型は、1またはそれ以上の薬学上許容し得る賦形剤を含有することができる。
【0081】
本発明に係る組成物または固体剤型に使用するための好適な賦形剤の例は、増量剤、希釈剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤などまたはそれらの混合物を包含する。本発明に係る組成物または固体剤型は異なる目的で使用され得るので、賦形剤の選択は、通常このような異なる用途を考慮したうえで行う。適切な用途のための、その他の薬学上許容し得る賦形剤は、例えば酸性化剤、アルカリ化剤、保存剤、抗酸化剤、緩衝化剤、キレート化剤、着色料、錯化剤、乳化剤および/または可溶化剤、香料および芳香剤、保湿剤、甘味料、湿潤剤などである。
【0082】
好適な増量剤、希釈剤および/または結合剤の例は、乳糖(例えば、スプレードライ乳糖、α-乳糖、β-乳糖、Tabletose(登録商標)、種々の等級のPharmatose(登録商標)、Microtose(登録商標)またはFast-Floc(登録商標))、微結晶性セルロース(種々の等級のAvicel(登録商標)、Elcema(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tai(登録商標)またはSolka-Floc(登録商標))、ヒドロキシプロピルセルロース、L-ヒドロキシプロピルセルロース(低置換)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(例えばShin-Etsu, Ltd社製Methocel E、FおよびK、Metolose SH、例えば4000cps等級のMethocel EおよびMetolose 60 SH、4000cps等級のMethocel FおよびMetolose 65 SH、4000、15000および100000cps等級のMethocel K;ならびに4000、15000、39000および100000等級のMetolose 90 SH)、メチルセルロースポリマー(例えばMethocel A、Methocel A4C、Methocel A15C、Methocel A4M)、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチレン、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースおよびその他のセルロース誘導体、スクロース、アガロース、ソルビトール、マンニトール、デキストリン、マルトデキストリン、澱粉または修飾澱粉(馬鈴薯澱粉、とうもろこし澱粉および米澱粉を包含する)、燐酸カルシウム(例えば塩基性リン酸カルシウム、燐酸水素カルシウム、燐酸二カルシウム水和物)、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、コラーゲン等を包含する。
希釈剤の具体例は、例えば炭酸カルシウム、二塩基性燐酸カルシウム、三塩基性燐酸カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストラン、デキストリン、デキストロース、フルクトース、カオリン、乳糖、マンニトール、ソルビトール、澱粉、α化澱粉、スクロース、糖などである。
【0083】
崩壊剤の具体例は、例えばアルギン酸またはアルギン酸塩、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびその他のセルロース誘導体、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、グリコール酸澱粉ナトリウム、澱粉、α化澱粉、カルボキシメチル澱粉(例えばPrimogel(登録商標)およびExplotab(登録商標))などである。
【0084】
結合剤の具体例は、アラビアゴム、アルギン酸、寒天、カラギーナンカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶性セルロース、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、液体グルコース、グアガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ペクチン、PEG、ポビドン、α化澱粉などである。
【0085】
流動促進剤および潤滑剤もまた第二の組成物に含有させることができる。例には、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはその他のステアリン酸金属塩、タルク、ろうおよびグリセリド、軽油、PEG、ベヘン酸グリセリン、コロイドシリカ、水素化植物油、コーンスターチ、ステアリルフマル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、硫酸アルキル、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどが包含される。
【0086】
本発明に係る組成物または固体剤型に含有させることのできるその他の賦形剤は、例えば香料、着色料、矯味剤、pH調節剤、緩衝化剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、湿潤剤、湿気調節剤、界面活性剤、懸濁化剤、吸収促進剤、放出を修飾するための物質などを包含できる。
【0087】
本発明に係る組成物または固体剤型中のその他の添加剤は、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、次亜燐酸、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、没食子酸プロピル、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、トコフェロール、酢酸トコフェロール、ヘミ琥珀酸トコフェロール、TPGSまたはその他のトコフェロール誘導体などであってよい。担体組成物はさらに、例えば安定化剤を含有できる。担体組成物中の抗酸化剤および/または安定化剤の濃度は通常、約0.1%w/w〜約5%w/wである。
【0088】
本発明に係る組成物または固体剤型はさらに、1またはそれ以上の界面活性剤または界面活性を有する物質を含有できる。このような物質は溶けにくい活性物質の湿潤に関係し、したがってその活性物質の溶解性の改善に寄与する。
【0089】
界面活性剤の例を以下に挙げる。
本発明に係る組成物または固体剤型での使用に好適な賦形剤は、界面活性剤、例えばWO 00/50007(Lipocine, Inc.)に開示のような疎水性および/または親水性界面活性剤である。好適な界面活性剤の例は、
i) ポリエトキシ化脂肪酸、例えばポリエチレングリコールの脂肪酸モノ-もしくはジエステルまたはその混合物、例えばラウリル酸、オレイン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、リシノール酸を伴うポリエチレングリコールのモノ-またはジエステル。ポリエチレングリコールは、PEG4、PEG5、PEG6、PEG7、PEG8、PEG9、PEG10、PEG12、PEG15、PEG20、PEG25、PEG30、PEG32、PEG40、PEG45、PEG50、PEG55、PEG100、PEG200、PEG400、PEG600、PEG800、PEG1000、PEG2000、PEG3000、PEG4000、PEG5000、PEG6000、PEG7000、PEG8000、PEG9000、PEG1000、PEG10000、PEG15000、PEG20000、PEG35000、から選択できる。
ii) ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、即ち、上記のようなエステルであって個々の脂肪酸のグリセリルエステルの形態のもの;
iii) 例えば植物油、例えば水素化ひまし油、アーモンド油、パーム核油、ひまし油、アプリコット核油、オリーブ油、落花生油、水素化パーム核油などを伴うグリセロール、プロピレングリコール、エチレングリコール、PEGまたはソルビトールエステル、
iv) ポリグリセリン化脂肪酸、例えばステアリン酸ポリグリセロール、オレイン酸ポリグリセロール、リシノール酸ポリグリセロール、リノール酸ポリグリセロール、
v) プロピレングリコール脂肪酸エステル、例えばモノラウリル酸プロピレングリコール、リシノール酸プロピレングリコールなど、
vi) モノ-およびジグリセリド、例えばモノオレイン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル、モノ-および/またはジオレイン酸グリセリル、カプリル酸グリセリル、カプリン酸グリセリル等;
vii) ステロールおよびステロール誘導体;
viii) ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル(PEG-ソルビタン脂肪酸エステル)、例えば上に記載した種々の分子量を持つPEGのエステル、および種々のTween(登録商標)系列;
ix) ポリエチレングリコールアルキルエーテル、例えばPEGオレイルエーテルおよびPEGラウリルエーテル;
x) 糖エステル、例えばモノパルミチン酸スクロースおよびモノラウリル酸スクロース;
xi) ポリエチレングリコールアルキルフェノール、例えばTriton(登録商標) XまたはN系列;
xii) ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、例えばPluronic(登録商標)系列、Synperonic(登録商標)系列、Emkalyx(登録商標)、Lutrol(登録商標)、Supronic(登録商標)等。これらのポリマーの一般名は「ポロキサマー」であり、この文脈に関連する例は、ポロキサマー105、108、122、123、124、181、182、183、184、185、188、212、215、217、231、234、235、237、238、282、284、288、331、333、334、335、338、401、402、403、および407である;
xiii) Span(登録商標)系列またはAriacel(登録商標)系列といったソルビタン脂肪酸エステル、例えばモノラウリル酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン等;
xiv) 低級アルコール脂肪酸エステル、例えばオレイン酸エステル、イソプロピルミリスチン酸エステル、イソプロピルパルミチン酸エステル等;
xv) 陽イオン、陰イオンおよび両イオン性界面活性剤を包含するイオン性界面活性剤、例えば脂肪酸塩、胆汁酸塩、燐脂質、燐酸エステル、カルボキシラート、スルファートおよびスルホナートなど、
である。
【0090】
本発明に係る組成物または固体剤型に界面活性剤または界面活性剤混合物が存在する場合、その界面活性剤(群)の濃度は通常、約0.1〜80%w/w、例えば約0.1〜約20%w/w、約0.1〜約15%w/w、約0.5〜約10%w/w、或いは約0.10〜約80%w/w、例えば約10〜約70%w/w、約20〜約60%w/wまたは約30〜約50%w/wの範囲である。
【0091】
本発明の特別な態様では、1またはそれ以上の薬学上許容し得る賦形剤のうち少なくとも一つは、シリカ酸またはその誘導体または塩(珪酸塩、二酸化珪素およびそのポリマーを包含する);アルミノ珪酸マグネシウムおよび/またはアルミノメタ珪酸マグネシウム、ベントナイト、カオリン、三珪酸マグネシウム、モンモリロナイトおよび/またはサポナイト、より成る群から選択する。
【0092】
収着材料
直前の段落に記載した材料は、医薬品、化粧品および/または食品中の油または油様材料のための収着材料として有用となり得る。特別な態様では、この材料を医薬品中の油または油様材料の収着材料として使用する。油または油様材料のための収着材料として機能する能力を持つ材料は「油収着材料」とも称する。上述のように、本発明に係る特別な材料または剤型での使用に好適な媒質は、油のまたは油様性質を持つことができ、よって該組成物中に油収着材料を含有させるのが好都合である。
【0093】
さらに、本明細書の文脈中、「収着」という語は「吸収」および「吸着」を意味する。これらの語の一方を使用する時は常に、吸収と吸着の現象を包含することを意図していることを理解せねばならない。「収着材料」および「油収着材料」なる語は同じ意義を持つことを意図している。
【0094】
本発明に従う使用にとって好適な収着材料は、薬学上許容し得る固体材料であって、これは本明細書の記載に従って試験する時、
i) 本明細書に記載の閾値試験に従って試験した場合、10%またはそれ以上の油閾値を有し、そして、
ii) 本明細書に記載の放出試験に従って試験した場合、少なくとも30%の油を放出する、および、
iii) Ph. Eur.の崩壊試験に従って試験した場合、錠剤の形態において、最大1時間の崩壊時間を持つ(この錠剤は約90%w/wまたはそれ以上の薬学上許容し得る材料を含有している)、
のうち少なくとも一方である。
【0095】
この材料は特に、医薬品、化粧品、および/または食品、とりわけ医薬品中の油または油様材料のための収着材料として有用である。
【0096】
上記のことから分かるように、油収着材料は少なくとも二つの試験を満たすことが重要である。試験のうち一方は必須、即ち閾値試験は満足されねばならない。この試験は、その油収着材料が、適当な流動性を維持しつつ、どれだけの油または油様材料を吸収できるかの尺度を与える。(油が吸収されている、または吸収されていない)本発明に係る使用のための油収着材料は、他の賦形剤と容易に混和し、そして/または、例えば関係する器具への付着に関する大きな問題無しに組成物へのさらなる加工ができるよう、適当な流動性を持つことが重要である。この試験は本明細書の実験の項に記載されており、この試験を実施する方法についての指針が供されている。閾値試験は、異なる量の油をロードした固体材料の流動性を測定することを含む。
【0097】
上記のことから、油閾値は通常10%を超えなければならず、この油収着材料はしばしば少なくとも約15%、例えば少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、または少なくとも約45%の油閾値を持つ。
【0098】
本発明に係る使用にとって特に好適な材料であるAeroperl 300は、約60%という極めて高い油閾値を持つ。したがって、本発明の特別な態様では、少なくとも約50%、例えば少なくとも約55%または少なくとも約60%の油閾値を有する材料を使用する。
【0099】
さらに、本発明に係る使用のための油収着材料は、少なくとももう一つの試験、即ち放出試験および/または崩壊試験を満たさねばならない。
【0100】
放出試験は、水と接触した時に油収着材料がその材料に吸収されている油を放出する能力の尺度を与える。この能力は、特に活性物質が油または油様材料に閉じこめられているような状況では非常に重要である。油収着材料が油を放出できないと、活性物質がその材料から僅かな程度しか放出されないという大きな危険性がある。したがって、こうした状況では例えば劣悪な吸収などに関連したバイオアベイラビリティーの問題が起こると考えられる。
【0101】
放出試験の要件は、本明細書に記載のごとく試験した場合に、薬学上許容し得る該固体材料が、
ii) 少なくとも約30%、例えば少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、または少なくとも約60%の油を放出する、
ことである。本明細書に記載の実施例から分かるように、Aeroperl 300のような好適な油収着材料は、はるかに高い放出を行う。それ故、本発明の特別な態様では、本明細書に記載のごとく試験した場合に、薬学上許容し得る固体材料が、
ii) 少なくとも約65%、例えば少なくとも約70%、少なくとも約75%、または少なくとも約80%の油を放出する。
【0102】
本発明に係る使用のための油収着材料がそのうち少なくとも一方を満たさねばならない第二の試験は、崩壊試験である。この試験は特別な形態の固体材料では実施せず、該固体材料でできた錠剤について実施する。崩壊に関する要件は、固体剤型に含まれた場合その固体材料がその剤型に望ましくない性質を付与しない、例えばその剤型に含まれる活性物質の溶解およびバイオアベイラビリティーに関する望ましくない性質を導かない事を保証するために重要である。本発明に係る使用に好適な材料の幾つかについては、該固体材料自身を100%w/w含有する錠剤を打錠することが可能である。その場合にはこの試験を係る錠剤に対して実施する。しかしながら、該固体材料のみから錠剤を製造することがかなり難しい状況もあり得ると考えられる。そのような場合には、通常圧縮錠剤の製造に使用する薬学上許容し得る賦形剤を10%w/wまたはこれ以下の濃度で添加することが可能である。好適な薬学上許容し得る賦形剤の例は、増量剤、希釈剤、結合剤および潤滑剤を包含する。しかしながら、通常崩壊剤として分類される賦形剤は回避すべきである。
【0103】
したがって、本発明に係る使用のための薬学上許容し得る固体材料は、本明細書に記載のように試験する時、
iii) 錠剤の形態の場合、Ph. Eur.崩壊試験に従って試験する時、最大1時間の崩壊時間を持つべきであり、この錠剤は、約90%w/wもしくはそれ以上、例えば約92.5%w/wもしくはそれ以上、約95%w/wもしくはそれ以上、約97.5%w/wもしくはそれ以上、または約100%の薬学上許容し得る材料を含有する。
【0104】
さらなる態様では、この薬学上許容し得る固体材料は、本明細書に記載のように試験する時、
iii) 錠剤の形態の場合、Ph. Eur.崩壊試験に従って試験する時、最大約50分間、例えば最大約40分間、最大約30分間、最大約20分間、最大約10分間、または最大約5分間の崩壊時間を持ち、この錠剤は、約90%w/wもしくはそれ以上、例えば約92.5%w/wもしくはそれ以上、約95%w/wもしくはそれ以上、約97.5%w/wもしくはそれ以上、または約100%の薬学上許容し得る材料を含有する。
【0105】
特別な態様では、収着材料として使用する固体材料は、三つの試験全てを満たす。したがって、この薬学上許容し得る固体材料は、本明細書に記載のように試験する時、
i) 少なくとも約10%、例えば少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、または少なくとも約60%の油閾値を有し、
ii) 少なくとも約30%、例えば少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、または少なくとも約80%の油を放出し、そして、
iii) 錠剤の形態の場合、Ph.Eur.崩壊試験に従って試験する時、最大1時間、例えば最大約50分間、最大約40分間、最大約30分間、最大約20分間、最大約10分間、または最大約5分間の崩壊時間を持ち、この錠剤は、約90%w/wもしくはそれ以上、例えば約92.5%w/wもしくはそれ以上、約95%w/wもしくはそれ以上、約97.5%w/wもしくはそれ以上、または約100%の薬学上許容し得る材料を含有する。
【0106】
本発明に係るその他の特別な態様は、
本発明に係る組成物中の収着材料として使用する固体医薬品材料が、本明細書に記載のように試験する時、
i) 少なくとも約55%の油閾値を有し;
この固体医薬品材料が、本明細書に記載のように試験する時、
ii) 少なくとも約75%の油を放出し;そして/または、
この固体医薬品材料が、本明細書に記載のように試験する時、
iii) 錠剤の形態の場合、Ph. Eur.崩壊試験に従って試験する時、最大約10分間の崩壊時間を持ち、この錠剤が約97.5%w/wの薬学上許容し得る材料を含有する、
ような態様である。
【0107】
本発明に係る組成物中の収着材料として使用する薬学上許容し得る固体材料は、通常、例えば粉末、粒子、顆粒(granule)、顆粒(granulate)などの形態の粒子材料である。
【0108】
油収着材料としての使用に好適な、このような粒子材料は、通常、約0.15g/cm3またはそれ以上、例えば少なくとも約0.20g/cm3、または少なくとも約0.25g/cm3の嵩密度を有する。
【0109】
さらに、この油収着材料は、通常、少なくとも約100g(油)/100g、例えば少なくとも約150g(油)/100g、少なくとも約200g(油)/100g、少なくとも約250g(油)/100g、少なくとも約300g(油)/100g、または少なくとも約400g(油)/100g(薬学上許容し得る材料)の油吸収値を有する。この油吸収値は本明細書の実験の項に記載のようにして測定する。
【0110】
本発明者等は、油収着材料としての使用に好適な幾つかの材料の共通特徴が、比較的大きな表面積を持つことであることを見いだした。したがって、本発明に係る油収着材料として使用するための薬学上許容し得る材料は、少なくとも5m2/g、例えば少なくとも約25m2/g、少なくとも約50m2/g、少なくとも約100m2/g、少なくとも約150m2/g、少なくとも約200m2/g、少なくとも約250m2/g、または少なくとも約275m2/gのBET表面積を持ち得る。
【0111】
上述のように、本発明に係る油収着材料として使用するための薬学上許容し得る材料の特徴の一つは、油または油様材料をロードしてもそれが良好な流動性を保持することである。即ち、25%w/wもしくはそれ以上、例えば30%w/wもしくはそれ以上、40%w/wもしくはそれ以上、45%w/wもしくはそれ以上、50%w/wもしくはそれ以上、55%w/wもしくはそれ以上、60%w/wもしくはそれ以上、65%w/wもしくはそれ以上、または約70%w/wのviscoleoをロードした薬学上許容し得る材料の流動性は通常、Ph. Eur.の要件を満たす。
【0112】
特に、この油収着材料は、シリカ酸またはその誘導体もしくは塩、例えば二酸化珪素またはそのポリマーを薬学上許容し得る賦形剤として含むことができる。しかしながら、品質に応じて二酸化珪素が潤滑剤となり得、またはこれが油収着材料となり得る。後者の機能を満足する品質が最も重要であると思われる。
【0113】
特別な態様では、本発明に係る組成物または固体剤型は、Aeroperl(登録商標) 300(Degussa, Frankfurt, Germanyより入手可能)に相当する性質を有する二酸化珪素製品である薬学上許容し得る賦形剤を含む。
【0114】
本発明に係る組成物または剤型に油収着材料を使用することは、その組成物が油または油様材料を含んでいる薬用、化粧品、栄養、および/または食品組成物の製造に極めて有利である。利点の一つは、比較的大量の油および油様材料を配合し、なお且つ固体である材料を得ることが可能であることである。したがって、本発明に係る油収着材料を使用することにより、比較的高ロードの油または油様材料を含む固体組成物を製造することが可能である。薬学分野では、特に、水溶性(例えば水溶性が低い)、水性媒質中での安定性(即ち、水性媒質中で分解が起こる)、経口バイオアベイラビリティー(例えば低いバイオアベイラビリティー)などの点で活性物質が適当な性質を持っていない状況では、または、活性物質の、制御された、遅延された、持続的な、そして/または間欠的なデリバリーを達成するため、組成物からの活性物質の放出を修飾することが望ましい状況では、固体組成物中に比較的大量の油または油様材料を配合できることが有利である。したがって、特別な態様では、これを薬用組成物の製造に使用する。
【0115】
固体組成物への加工において使用するための油収着材料は通常、約5%w/wもしくはそれ以上、例えば約10%w/wもしくはそれ以上、約15%w/wもしくはそれ以上、約20%w/wもしくはそれ以上、約25%w/wもしくはそれ以上、約30%w/wもしくはそれ以上、約35%w/wもしくはそれ以上、約40%w/wもしくはそれ以上、約45%w/wもしくはそれ以上、約50%w/wもしくはそれ以上、約55%w/wもしくはそれ以上、約60%w/wもしくはそれ以上、約65%w/wもしくはそれ以上、約70%w/wもしくはそれ以上、約75%w/wもしくはそれ以上、約80%w/wもしくはそれ以上、約85%w/wもしくはそれ以上、約90%w/wもしくはそれ以上、または約95%w/wもしくはそれ以上の油もしくは油様材料を吸収し、なお且つ固体材料である。
【0116】
本発明に係る粒子材料または固体剤型の製造方法
別の態様では、本発明は、本発明に係る薬用組成物の製造方法に関するものである。一般に、薬学分野内の任意の適当な方法を使用することができる。
【0117】
かつて本発明者等は、水溶性が低く、バイオアベイラビリティーの問題がその低い水溶性によって起こると思われる活性物質の配合にとって特に好適な粒子組成物の取得方法を発明した。その薬用組成物は、例えば顆粒化、混合、スプレードライなどといった任意の簡便な方法により製造できる。特に有用な方法はWO 03/004001に記載の方法であり、引用によりこれを本明細書の一部とする。ここには、制御凝集化法、即ち粒子サイズの生長制御を可能にする方法によって粒子材料を製造するプロセスが記載されている。この方法は、例えば活性物質と媒質を含む第一の組成物を融解し、第二の固体担体媒質上にスプレーすることを含んでいる。通常、融解可能な媒質は、少なくとも5℃であって活性物質の融点よりは低い融点を持つ。媒質の融点は10℃〜150℃の範囲、例えば30℃〜100℃の範囲とすることができ、または40℃〜50℃の範囲が最も好ましい。
【0118】
したがって、別の態様では、本発明は、
i) 妥当な場合には、媒質を液体形態とし、
ii) その液体媒質をフィブラートおよび/またはスタチンの融点より低い温度に維持し、
iii) その媒質中に所望量のフィブラートおよびスタチンを溶解し、
iv) 得られた溶液を、該媒質の融点より低い温度の固体担体上にスプレーし、
v) 得られた組成物を機械的に処理して粒子、即ち粒子材料を得、そして、
vi) 所望によりその粒子材料を、固体剤型を製造するための常套的方法に付す、
という工程を含む、本発明に係る粒子材料または固体経口剤型を製造する方法に関するものである。
【0119】
WO 03/004001に記載の制御凝集化法を使用することの利点は、望ましくない粒子サイズの生長をさせずに比較的大量の融解物を粒子材料に適用できることである。したがって、本発明の一つの態様では、薬用組成物の粒子材料が、≧10μm、例えば≧20μm、約20〜約2000、約30〜約2000、約50〜約2000、約60〜約2000、約75〜約2000、例えば約100〜約1500μm、約100〜約1000μm、または約100〜約700μm、または最大約400μmもしくは最大300μm、例えば約50〜約400μm、例えば約50〜約350μm、約50〜約300μm、約50〜約250μm、または約100〜約300μmの幾何重量平均直径dgwを持つ。
【0120】
有機溶媒を基礎とする固体分散および固溶体の説明
本発明の重要な態様では、フィブラートおよびスタチンの少なくとも一部が、該組成物中で、分子分散および固溶体を包含する固体分散の形態で存在する。通常、フィブラートまたはスタチンのいずれかの10%もしくはそれ以上、例えば20%もしくはそれ以上、30%もしくはそれ以上、40%もしくはそれ以上、50%もしくはそれ以上、60%もしくはそれ以上、70%もしくはそれ以上、80%もしくはそれ以上、90%もしくはそれ以上、例えば95%もしくはそれ以上、または約100%w/wが、固体分散の形態で該媒質中に存在する(但し、フィブラートおよびスタチンの総量の少なくとも80%w/wが該媒質中に溶解している)。
【0121】
固体分散は様々な方法で、例えば有機溶媒を使用して、または活性物質を別の適当な媒質 (例えば、室温または昇温で液体である媒質) 中に分散もしくは溶解することによって取得できる。
【0122】
固体分散(溶媒法)は、活性物質(例えば薬物)と媒質の物理的混合物を一般的な有機溶媒に溶解し、その後溶媒を蒸発させることによって製造する。担体はしばしば親水性ポリマーである。好適な有機溶媒は、活性物質が溶解できる薬学上許容し得る溶媒、例えばメタノール、エタノール、塩化メチレン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトンまたはこれらの混合物を包含する。
【0123】
好適な水溶性媒質は、ポリマー、例えばポリエチレングリコール、ポロキサマー、ポリオキシエチレンステアラート、ポリ-ε-カプロラクトン、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルピロリドン-ポリビニルアセタートコポリマー PVP-PVA(Kollidon VA64)、ポリメタクリルポリマー(Eudragit RS、Eudragit RL、Eudragit NE、Eudragit E)およびポリビニルアルコール(PVA)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、およびポリ(エチレンオキシド)(PEO)を包含する。
【0124】
酸性官能基を含むポリマーが固体分散にとって好適であり、これは、好ましいpH範囲で活性物質を放出し、腸における許容可能な吸収を実現する。このようなポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート(HMPCP)、ポリビニルアセタートフタラート(PVAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート(HPMCAS)、アルギナート、カルボマー、カルボキシメチルセルロース、メタクリル酸コポリマー(Eudragit L、Eudragit S)、シェラック、セルロースアセタートフタラート(CAP)、グリコール酸澱粉、ポラクリリン、メチルセルロースアセタートフタラート、ヒドロキシプロピルセルロースアセタートフタラート、セルロースアセタートテレフタラート、セルロースアセタートイソフタラートおよびセルロースアセタートトリメリタートより成る群から選ばれる1またはそれ以上であってよい。
【0125】
固体分散中の活性物質と媒質の量に関しては、ポリマーに対する活性物質の重量比は約3:1〜約1:20の範囲とすることができる。しかしながら、約3:1〜約1:5、例えば約1:1〜約1:3等といった、より狭い範囲を採用することもできる。
【0126】
固体分散は、好ましくはスプレードライ技術、制御凝集化、凍結乾燥、もしくは担体粒子上への被覆、またはその他任意の溶媒除去プロセスによって作製する。乾燥させた製品は、分子分散および固溶体を包含する固体分散の形態で存在する活性物質を含有する。
【0127】
活性物質を少なくとも部分的に固体分散または溶液の形態で含む薬用組成物は、原則として、薬用組成物を製造する当分野で既知の適当な方法を用いて製造できる。
【0128】
有機溶媒を基礎とする方法の使用とは別に、1またはそれ以上のフィブラートの固体分散または固溶体を、制御凝集化法で使用する担体組成物中に活性化合物を分散および/または溶解することによって取得することができる。この固体分散/固溶体の安定性を確保するため、安定化剤などを添加できる。
【0129】
固体剤型
本発明に係る薬用組成物は粒子形態であり、そのまま使用することができる。しかしながら多くの場合、この組成物を顆粒、ペレット、ミクロスフェア、ナノ粒子などの形態、または錠剤、カプセル剤およびサシェ剤などを包含する固体剤型の形態で供するのがより好都合である。本発明に係る固体剤型は単一の単位製剤であってよく、または、複数の個別単位、例えばペレット、ビーズおよび/または顆粒を含むポリデポ製剤形態であってよい。
【0130】
通常、本発明に係る薬用組成物または固体剤型は、経口、バッカルまたは舌下投与経路による投与を意図している。
【0131】
本発明はさらに、上述の投与型に関するものでもある。活性物質を迅速放出、遅延放出または修飾放出で放出するよう意図した組成物/固体剤型が、本発明の範囲内にある。
【0132】
本発明に係る固体剤型は、上記のように粒子形態の薬用組成物を含む。通常、粒子形態の薬用組成物の濃度は、その剤型の約5〜100%w/w、例えば約10%〜約90%w/w、約15%〜約85%w/w、約20%〜約80%w/w、約25%〜約80%w/w、約30%〜約80%w/w、約35%〜約80%w/w、約40%〜約75%w/w、約45%〜約75%w/w、または約50%〜約70%w/wの範囲である。本発明の或る態様では、粒子形態の薬用組成物の濃度はその剤型の50%w/wまたはそれ以上である。
【0133】
本発明に係る固体剤型は、当業者に周知の技術により、本発明に係る粒子材料を加工することにより取得する。通常、本明細書に記載した1またはそれ以上の薬学上許容し得る賦形剤をさらに添加する事を含む。
【0134】
本発明に係る組成物または固体剤型は、薄膜被覆、腸溶被覆、修飾放出被覆、保護被覆、付着防止被覆などで被覆することもできる。
【0135】
本発明に係る固体剤型は、例えば活性物質の放出に関して好適な性質を得るために被覆することもできる。被覆は単一の単位製剤(例えば錠剤、カプセル剤)に適用でき、或いはポリデポ製剤またはその個別単位に適用できる。
【0136】
好適な被覆材料は、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アクリルポリマー、エチルセルロース、セルロースアセタートフタラート、ポリビニルアセタートフタラート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロースアセタート、セルロースアセタートフタラート、ゼラチン、メタクリル酸コポリマー、ポリエチレングリコール、シェラック、スクロース、二酸化チタン、カルナウバワックス、微結晶性ろう、ゼインである。
【0137】
可塑剤およびその他の成分を被覆材料に添加できる。同じまたは異なる活性物質を被覆材料に添加することもできる。
【0138】
本発明に係る粒子材料または固体剤型を、フィブラートとスタチンを任意の適当な方法で放出するように設計できる。特別な態様では、この組成物(即ち、粒子材料または固体剤型)が、経口投与後のフィブラートおよび/またはスタチンのバイオアベイラビリティーを高めることができる。活性物質を、作用開始を増強するため比較的速やかに放出させることができ、ゼロ次または一次速度式に従うように放出させることができ、または、予め決められた放出パターンを得るため、制御または修飾された様式で放出させることができる。操作を施していない製剤もまた本発明の範囲内にある。
【0139】
特別な態様では、本発明に係る固体剤型は、それを必要とする哺乳動物に投与する時、既存の商業的フィブラートおよび/またはスタチン製剤に比較して、フィブラートおよび/またはスタチンのバイオアベイラビリティーの増大をもたらす。
【0140】
フェノフィブラートに関して、本発明に係る固体剤型は、市販のTricor(登録商標)錠剤に比較して少なくとも約1.1、または少なくとも約1.2、または少なくとも約1.3、または少なくとも約1.4、または少なくとも約1.5、または少なくとも約1.75もしくはそれ以上、または少なくとも約2.0、または少なくとも約2.5、または少なくとも約3.0のAUC値を提供できる(これらのAUC値は類似条件下で測定する)。さらに、或る固体剤型は、市販のTricor(登録商標)錠に比較して少なくとも約1.1、または少なくとも約1.2、または少なくとも約1.3、または少なくとも約1.4、または少なくとも約1.5、または少なくとも約1.6もしくはそれ以上、または少なくとも約2.0、または少なくとも約2.5、または少なくとも約3.0のCmax値を提供できる(これらのCmax値は類似条件下で測定する)。
【0141】
本発明に係るその他の側面
或る態様では、本発明は、フィブラートとスタチンを含む粒子形態の薬用組成物であって、それを必要とする哺乳動物に投与する時、少なくとも約1.0のAUC/AUCControl値を示す組成物に関するものである(このAUCControlは同じフィブラートおよび/またはスタチンを含有する市販製品を用いて測定し、AUC値は類似条件下で測定する)。
【0142】
例えばフェノフィブラートに対して注射用組成物に基づく絶対的なバイオアベイラビリティーデータは求められない(大抵は水性媒質中での溶解性の問題による)。フェノフィブラートを含有する市販組成物は界面活性剤および/または例えば親油性媒質を含んでいる。この界面活性剤は改善されたバイオアベイラビリティーを付与し、故に、そのような組成物のバイオアベイラビリティーはすでに充分なものとなり得る。しかしながら、様々な剤型の製造を可能にする柔軟な製剤技術を開発する必要性が依然として存在する。したがって、そのような改善されたそして/または柔軟な組成物に対する要件は、既に市販の製品に見られるバイオアベイラビリティーと同じまたはより良いバイオアベイラビリティーを獲得することである。
【0143】
したがって、さらなる態様では、AUC/AUCControl値が少なくとも約1.1、例えば少なくとも約1.2、少なくとも約1.3、少なくとも約1.4、少なくとも約1.5、約1.75もしくはそれ以上、約1.8もしくはそれ以上、約1.9もしくはそれ以上、約2.0もしくはそれ以上、約2.5もしくはそれ以上、約2.75もしくはそれ以上、約3.0もしくはそれ以上、約3.25もしくはそれ以上、約3.5もしくはそれ以上、約3.75もしくはそれ以上、約4.0もしくはそれ以上、約4.25もしくはそれ以上、約4.5もしくはそれ以上、約4.75もしくはそれ以上、または約5.0もしくはそれ以上である(これらのAUC値は類似条件下で測定する)。
【0144】
上述の比較試験では、フィブラートがフェノフィブラートである時、市販製品は錠剤の形態のTricor(登録商標)またはカプセル剤の形態のTricor(登録商標)である。フィブラートがゲムフィブロジルである場合は好適な市販製品はLopid(登録商標)であり;フィブラートがベザフィブラートである場合は好適な市販製品はBezalip(登録商標)であり;フィブラートがクロフィブラートである場合は好適な市販製品はAtromid(登録商標)であり;そしてフィブラートがシプロフィブラートである場合は好適な市販製品はLipanon(登録商標)である。Tricor(登録商標)の推奨用量は、食物と共に服用して54-160mg/日である。Tricor(登録商標)錠は54および160mgの強度であるが、一方Tricor(登録商標)カプセル剤は67および200mg強度で提供されている。この錠剤はカプセル剤よりもバイオアベイラビリティーが高い。その他の商品名はLipanthyl(登録商標)、Lipantil(登録商標)またはCatalip(登録商標)である。
【0145】
個別スタチンに関する対照組成物は、個々のスタチンについての議論において上に述べている。
【0146】
本発明のもう一つの目的は、食物作用を低下または排除することである。したがって別の側面では、本発明は、フィブラートとスタチンを含む薬用組成物(粒子材料または固体剤型)であって、それを必要とする哺乳動物に経口投与する時、少なくとも0.75の下方90%信頼限界で(AUCfed/AUCfasted)値が少なくとも約0.85である事によって立証されるように(このAUCはフィブラートもしくはスタチンのいずれか、または両者について測定する)、著明な望ましくない食物作用を示さない薬用組成物に関するものである。
【0147】
特別な態様では、本発明に係る薬用組成物は、約0.9もしくはそれ以上、例えば約0.95もしくはそれ以上、約0.97もしくはそれ以上、または約1もしくはそれ以上の(AUCfed/AUCfasted)値を有する。
【0148】
換言すると、食物有りおよび無しで哺乳動物に経口投与した後に測定した各々の生物学的等価性の相違は、25%未満、例えば20%未満、15%未満、10%未満、または5%未満である。
【0149】
別の側面では、本発明はフィブラートとスタチンを含む粒子形態の薬用組成物であって、それを必要とする哺乳動物に経口投与する時、同じフィブラートまたは同じスタチンを含有する市販製品と同じまたはより低い用量を投与した場合に、同じフィブラートおよび/または同じスタチンを含有する市販製品と本質上生物学的に等価である薬用組成物に関するものである。
【0150】
その特別な態様では、用量は、同じフィブラートを含有する市販製品の剤型で投与されたフィブラートの用量、および/または同じスタチンを含有する市販製品の剤型で投与されたスタチンの用量の、最大約98%w/w、例えば最大約95%w/w、最大約90%w/w、最大約85%w/w、最大約80%w/w、最大約75%w/w、最大約70%w/w、最大約65%w/w、最大約60%w/w、最大約55%w/w、または最大約50%w/wである。
【0151】
通常、生物学的等価性は以下のパラメータのうち少なくとも一つによって決定する:tmax(最大血漿中濃度に到達するまでの時間)、cmax(最大血漿中濃度)、AUC0-t(時刻0から時刻tまでの曲線下面積)、AUC0-infinity(時刻0から時刻無限大までの曲線下面積)、W50(血漿中濃度がcmaxの50%またはそれ以上である時間)、W75(血漿中濃度がcmaxの75%またはそれ以上である時間)、および/またはMRT(平均滞留時間)。
【0152】
フィブラートによる処置に伴う大きな問題は、大きな個体内または個体間変動である。したがって、さらなる側面では、本発明は、フィブラートとスタチンを含む粒子形態の薬用組成物であって、それを必要とする哺乳動物に経口投与する時、同じ条件で同等の治療効果を与える用量の、同じフィブラートを含有する市販製品と比較して、個体内および/または個体間変動を低下させる薬用組成物に関するものである。
【0153】
適切な量のフィブラートおよび/またはスタチンが吸収されたか否かを判定する簡便な方法は、糞便から排泄される未変化フィブラートの含有量を測定することであろう。したがって一つの態様では、本発明は、組成物に含まれるフィブラートおよび/またはスタチンの最大約25%w/w、例えば最大約20%w/w、最大約15%w/w、最大約10%w/w、最大約5%w/wが、経口投与後に糞便中に排泄される固体薬用組成物に関するものである。
【0154】
本発明に係る薬用組成物または固体剤型は、フィブラートを適切な方法で放出するよう設計されている。具体的な放出パターンおよび具体的な吸収パターンを下に述べる。
特別な態様では、フィブラートおよび/またはスタチンが、経口投与後、約2時間以内、例えば約1.5時間以内、または約1時間以内に該組成物から放出され、そして/または、
フィブラートおよび/またはスタチンの約50%w/wまたはそれ以上が、経口投与後約30分間以内に該組成物から放出され、そして/または、
フィブラートおよび/またはスタチンの約50%w/wまたはそれ以上が、経口投与後約20分間以内に該組成物から放出され、そして/または、フィブラートの約60%w/wまたはそれ以上が、経口投与後約1.5時間以内に該組成物から放出され、そして/または、フィブラートおよび/またはスタチンの約60%w/wまたはそれ以上が、経口投与後約1時間以内に該組成物から放出され、そして/または、
フィブラートおよび/またはスタチンの約70%w/wまたはそれ以上が、経口投与後約1.5時間以内に該組成物から放出され、そして/または、
フィブラートおよび/またはスタチンの約70%w/wまたはそれ以上が、経口投与後約1時間以内に該組成物から放出され、そして/または、
溶解媒質としての水、100rpmおよび約37℃の温度を採用するUSP溶解試験(パドル)に従ってインビトロ溶解試験を実施する時、フィブラートおよび/またはスタチンの約85%w/wまたはそれ以上が、約45分間以内に該組成物から放出される。
【0155】
別の態様では、フィブラートおよび/またはスタチンの約50%w/wまたはそれ以上が、約20分間、15分間、または10分間以内に該組成物から放出され、そして/または、
フィブラートおよび/またはスタチンの約60%w/wまたはそれ以上が、約20分間または15分間以内に該組成物から放出され、そして/または、
溶解媒質としての水、100rpmおよび約37℃の温度を採用するUSP溶解試験(パドル)に従ってインビトロ溶解試験を実施する時、フィブラートおよび/またはスタチンの約70%w/wまたはそれ以上が、約20分間または15分間以内に該組成物から放出される。
【0156】
さらに別の態様では、該組成物に含まれるフィブラートおよび/またはスタチンの約50%w/wまたはそれ以上が、約8時間、7時間、6時間、または5時間以内に吸収され、そして/または、
該組成物に含まれるフィブラートおよび/またはスタチンの約60%w/wまたはそれ以上が、経口投与後約8時間または7時間以内に吸収され、そして/または、
該組成物に含まれるフィブラートの約60%w/wまたはそれ以上が、経口投与後約7時間以内に吸収され、そして/または、
該組成物に含まれるフィブラートの約70%w/wまたはそれ以上が、経口投与後約8時間または7時間以内に吸収される。
【0157】
本発明のこの主たる側面の下に開示した詳細および細部を本発明の他の側面に準用する。したがって、粒子形態の薬用組成物に対して本明細書に記載および/または特許請求した、バイオアベイラビリティーの増大、バイオアベイラビリティーパラメータの変化、望ましくない食物作用の低下、および1またはそれ以上のフィブラートの放出などに関する性質は、本発明に係る固体剤型に対しても同様である。
【0158】
材料および方法
材料
フェノフィブラート(Sigmaにより供給)
乳糖一水和物、200メッシュ(DMVより)
顆粒状二酸化珪素、Aeroperl(登録商標) 300(Degussa)、
ポリエチレングリコール6000、Pluracol(登録商標) E6000(BASFより)、
ポロキサマー188、Pluronic(登録商標) F-68(BASFより)、
モノステアリン酸グリセリン、Rylo(登録商標) MD50(Danisco Cultorより)、Ph.Eur.、
Avicel PH200(微結晶性セルロース)(FMCより)、
【0159】
ステアリン酸マグネシウム
錠剤、カプセル剤または顆粒は、種々のタイプのポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート(Aqoat)、セルロースアセタートフタラートCAP、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラートHPMCPまたはメタクリル酸コポリマー、例えばEudragit L30D、Eudragit 100/S、Eudragit 100/Lにより腸溶被覆することができる。
【0160】
Tricor錠製剤
TRICOR(登録商標)は、1錠あたりフェノフィブラート54mgまたは160mgを含有する、経口投与に利用できるフェノフィブラート含有錠剤である。
【0161】
この錠剤は以下の不活性成分を含有する:コロイド状二酸化珪素、クロスポビドン、乳糖一水和物、レシチン、微結晶性セルロース、ポリビニルアルコール、ポビドン、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、タルク、二酸化チタン、キサンタンガム、着色料。
【0162】
装置
実験室スケール流動床装置:Strea-1。
メルトフィードユニットは、噴霧器用に供給空気を加熱するための別ユニット、圧力タンクおよびフィーディング管で構成されるプロトタイプである。顆粒を手動で篩過し、Turbula混合機内で顆粒以外の賦形剤と混合した。
【0163】
錠剤の圧縮を単発式圧縮機Diaf TM20で実施した。
【0164】
方法
本発明方法に従い、融解した媒質(群)にフェノフィブラート薬物を溶解し、以下のごとく粒子担体に適用した:
電子レンジに入れたビーカー中で媒質(群)を融解した。このビーカーを温度調節加熱板に移し、マグネティックスターラーで攪拌した。この融解物に、マグネティックスターラーで拡販しつつフェノフィブラートを75℃の温度で徐々に溶解した。この熱溶液を、流動床中の担体上にメルトスプレー適用するため、圧力タンクに移した。顆粒生成物をこの流動床から吐出させ、0.7mmまたは1.0mm篩で手動篩過した。篩過生成物を、Turbula混合機中で0.5分間ステアリン酸マグネシウムと混和した。顆粒以外の相を配合しなければならない場合は、その顆粒以外の相を予めTurbula混合機内で3分間顆粒と混合しておいた。
【0165】
錠剤の圧縮を単発式機械Diaf TM20で実施した。
【0166】
閾値試験
この試験は、ノズル直径が10.0mmの漏斗から材料が流出する流速を測定するPh.Eur.に記載の方法に従って流動性を測定することを含む。
【0167】
本発明に係る使用のための薬学上許容し得る被検固体材料100gにViscoleo(中等度鎖状トリグリセリドMCT;Miglyol 812N、Condeaより)を加え、手動混合した。得られた混合物を0.3mm篩で篩過して均質な混合物を確保した。この混合物100gがノズルを通って流れなくなるまで油を連続して添加した。被検材料が高い嵩容積を持つ(例えばAeroperl 300のように)場合は、その混合物を試験する際、50gだけを使用する。材料の流れが得られる油の最大濃度を閾値(%w/wで表す)と呼ぶ。
【0168】
放出試験
BDH VWR Internationalから得られる脂溶性着色料Sudan II(BDH Gur(登録商標)) 14.3mgをviscoleo(断片化した中等度鎖状トリグリセリド) 50.0gに溶解した。
【0169】
本発明に係る使用のための薬学上許容し得る被検固体材料10.0gに油10gを加え、この油が固体材料に完全に吸収されるまで混合した。続いてこの混合物を0.3mm篩で篩過して均質な混合物を作り上げた。
【0170】
この混合物1.00gを遠心管に移し、水3.00mlを加えた。この懸濁液を血液試料ターナー中で1時間混合し、その後5000rpmで10分間遠心した。油と水の上層を注意深くビーカーに移し、80℃の乾熱器中で恒量となるまで水を蒸発させた。固体材料から放出された油の量を、水相蒸発後に残留している量に基づいて算出した。
【0171】
崩壊試験
Ph. Eur.に記載の方法に従って崩壊時間を測定した。
【0172】
溶解試験
この試験は、パドル装置を用いるPh.Eur. 2.9.3に従って実施した。UV検出によるHPLCを用いて定量を行った。
媒質:0.75%のラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を加えた水900ml
回転速度:50rpm
温度:37℃
試料採取時間:10、20、30、45および60分
許容基準:45分間で>75%(安定性試験のため)
【0173】
嵩密度の測定
問題の粉末100gを250mlメスシリンダーに注ぐことにより、嵩密度を測定した。嵩密度は、軽くたたいて落ち着かせた嵩密度としてg/mlで表される。この測定はPh.Eur.に従って実施した(見かけの体積)。
【0174】
油吸収値の測定
油吸収値は、明確な量(100g)の薬学上許容し得る被検材料に、明確な量(100g)のviscoleoを加えることにより測定する。油10gの追加が、流動性の点で適当な性質を持たない材料をもたらす、即ち、Ph. Eur.(流動性試験;本明細書上記の閾値試験を参照されたい)に従って試験した時に該材料が要件を満たさない場合に、油吸収値(g(viscoleo)/100g(材料)として表される)に到達している。
【0175】
BET表面積の測定
適用した装置はMicromertics Gemini 2375であった。適用した方法は、多点測定に基づくUSP容量分析法によるものであった。
【0176】
流動性の測定
流動性は、ノズル直径が10.0mmの漏斗から材料が流出する流速を測定するPh.Eur.に記載の方法に従って測定した。
【0177】
重量偏差の測定
本明細書の実施例において製造した錠剤を、Ph. Eur.に従って実施する重量偏差試験に付した。
【0178】
平均錠剤硬度の測定
本明細書の実施例において製造した錠剤を、Schleuniger Model 6D装置を使用しこの装置の一般取扱説明書に従って実施する錠剤硬度試験に付した。
【0179】
固溶体の測定
本発明に従い、フィブラートを媒質に溶解する。これを実証するため、示差走査熱量測定を含む試験を実施する。この試験は、粒子組成物、固体剤型または媒質とフィブラートの混合物(固溶体の形成が予想された後に)について実施する。PCに接続した標準DSC装置を使用する。
試料サイズ:アルミ皿中10mg
加熱速度: 27℃から110℃まで5℃/分で
評価:フィブラートおよびスタチンいずれの吸熱ピークも観察されず、融解間隔が媒質のみと比較して著明にシフトしないならば、フィブラートとスタチンは溶解状態または非結晶状態であると考えられる。
【0180】
幾何重量平均直径dgwの測定
幾何重量平均直径は、得られた粒子材料(または出発材料)を空気中に分散させるレーザー回折法を使用して測定した。この測定は、等価な球径の分布を記録するSympatec Helos装置中、1bar分散圧で実施した。この分布を容量-サイズの対数正規分布に当てはめる。
【0181】
本明細書中使用する「幾何重量平均直径」とは、容量サイズの対数正規分布の平均直径を意味する。
【0182】
ビーグル犬でのインビボ試験
市販のフェノフィブラート錠製剤、即ちTricor(登録商標)のバイオアベイラビリティーに対する本発明に係る組成物のバイオアベイラビリティーを決定する目的で、ビーグル犬を使用するin vivo試験を実施した。
【0183】
この実験は、各々体重12-18kg(開始体重)の雄性ビーグル犬を使用し、デンマークで実施した。実験は、一般試験であり、非無作為化交差研究として実施した。各動物を自身の対照とした。下のデータに従いフェノフィブラートの経口投与を行った。
【0184】
投与前に犬を一晩絶食させ(水は自由に与える)、投与の5時間後に摂食させた(水は自由に与える)。各犬に、体重を考慮せずに、明記した用量のフェノフィブラートを投与した。
【0185】
以下の時点:投与前、投与の1、1.5、2、3、4、6、8、12および24時間後、に血液試料を外頸静脈から採取した。血液4mlを採取し、EDTAと混合し、この試料を凍結(-80℃)した。この血液試料をオンライン抽出LC/MSを用いて分析し、結果をmg/mLで表した。
【0186】
測定したフェノフィブラートの全血濃度プロファイルを薬動力学的ソフトウェアWinNonlin(登録商標)(Pharsight, California; USA)を用いて処理し、薬動力学的パラメータを算出した。全てのデータは必要ならば用量調節する。
【0187】
以下の実施例は本発明を例示する目的を持ち、本発明の範囲を限定する意図はない。
【実施例】
【0188】
実施例1
フェノフィブラートとアトルバスタチンを含有する即時放出錠剤
【0189】
【表1】

【0190】
フェノフィブラートとアトルバスタチンは、70℃で主にポリエチレングリコール6000およびポロキサマー188(70:30w/w比)に溶解する。この分散を、Phast FS-1.7メルトスプレーユニットを用いて流動床Phast FB-100中の乳糖250g上にスプレーする。得られたその材料を0.7mm篩で篩過し、Turbula混合機中で0.5分間ステアリン酸マグネシウムと混和する。
【0191】
この粉末混合物を、複合カップ形状の667mg錠剤中にフェノフィブラート160mgとアトルバスタチン20mg強度を有する13mm錠剤に圧縮する。
平均崩壊時間:20分間、硬度:45N。
【0192】
実施例2
フェノフィブラートとプラバスタチンを含有する即時放出錠剤
【0193】
【表2】

【0194】
フェノフィブラートとプラバスタチンは、70℃で主にポリエチレングリコール6000およびポロキサマー188(70:30w/w比)に溶解する。この分散を、Phast FS-1.7メルトスプレーユニットを用いて流動床Phast FB-100中の乳糖250g上にスプレーする。得られたその材料を0.7mm篩で篩過し、Turbula混合機中で0.5分間ステアリン酸マグネシウムと混和する。
【0195】
この粉末混合物を、複合カップ形状の688mg錠剤中にフェノフィブラート160mgとアトルバスタチン40mg強度を有する13mm錠剤に圧縮する。
平均崩壊時間:25分間、硬度:47N。
【0196】
実施例3
フェノフィブラートとロスバスタチンを含有する即時放出錠剤
【0197】
【表3】

【0198】
フェノフィブラートとロスバスタチンは、70℃で主にポリエチレングリコール6000およびポロキサマー188(70:30w/w比)に溶解する。この分散を、Phast FS-1.7メルトスプレーユニットを用いて流動床Phast FB-100中の乳糖250g上にスプレーする。得られた粒子材料を0.7mm篩で篩過し、Turbula混合機中で0.5分間ステアリン酸マグネシウムと混和する。
【0199】
この粉末混合物を、複合カップ形状の658mg錠剤中にフェノフィブラート160mgとロスバスタチン40mg強度を有する12mm錠剤に圧縮する。
平均崩壊時間:22分間、硬度:41N。
【0200】
実施例4
フェノフィブラートとシンバスタチンを含有する即時放出錠剤
【0201】
【表4】

【0202】
フェノフィブラートとシンバスタチンは、70℃で主にポリエチレングリコール6000およびポロキサマー188(70:30w/w比)に溶解する。この分散を、Phast FS-1.7メルトスプレーユニットを用いて流動床Phast FB-100中の乳糖250g上にスプレーする。この粒子材料を0.7mm篩で篩過し、Turbula混合機中で0.5分間ステアリン酸マグネシウムと混和する。
【0203】
この粉末混合物を、複合カップ形状の688mg錠剤中にフェノフィブラート160mgとシンバスタチン40mg強度を有する13mm錠剤に圧縮する。
平均崩壊時間:25分間、硬度:39N。
【0204】
実施例5
モノステアリン酸グリセリンの親油性マトリックスを基礎とする錠剤
物質 成分 % mg
薬物 フェノフィブラート 28.0 160.00
薬物 ロスバスタチン 1.7 10.00
担体 乳糖 200メッシュ 17.5 100.00
媒質 モノステアリン酸グリセリン 52.4 300.00
賦形剤 ステアリン酸マグネシウム 0.4 2.00
100.0 572.00
【0205】
フェノフィブラートとロスバスタチンは、70℃で主にモノステアリン酸グリセリンに溶解する。この溶液を、Phast FS-1.7メルトスプレーユニットを用いて流動床Phast FB-100中の乳糖200g上にスプレーする。この粒子材料を0.7mm篩で篩過し、Turbula混合機中で0.5分間ステアリン酸マグネシウムと混和する。
【0206】
この粉末混合物を、複合カップ形状の572mg錠剤を有する11mm錠剤に圧縮する。
平均崩壊時間:45分間、硬度:48N。
【0207】
実施例6
ヒドロキシプロピルセルロースの膨潤性ヒドロコロイドマトリックスを基礎とする修飾放出ポリデポカプセル剤
物質 成分 % mg
薬物 フェノフィブラート 23.5 160.00
薬物 アトルバスタチン 2.9 20.00
担体 HPMC 2910 3 cp 22.1 150.00
担体 乳糖 200メッシュ 7.4 50.00
媒質 モノステアリン酸グリセリン 44.1 300.00
合計 100.0 680.00
【0208】
フェノフィブラートとアトルバスタチンは、70℃で主にモノステアリン酸グリセリンに溶解する。この溶液を、Phast FS-1.7メルトスプレーユニットを用いて流動床Phast FB-100中の乳糖50gとHPMC 150gの混合物上にスプレーする。この粒子材料を0.7mm篩で篩過し、硬ゼラチンカプセルに充填する(680mg)。
【0209】
実施例7
即時放出錠剤
【0210】
【表5】

【0211】
フェノフィブラートとプラバスタチンは、70℃で主にポリエチレングリコール3000に溶解する。この分散を、Phast FS-1.7メルトスプレーユニットを用いて流動床Phast FB-100中のAeroperl 250g上にスプレーする。この粒子材料を0.7mm篩で篩過し、Turbula混合機中で0.5分間ステアリン酸マグネシウムと混和する。
【0212】
この粉末混合物を、複合カップ形状の478mg錠剤中にフェノフィブラート160mgとアトルバスタチン40mg強度を有する11mm錠剤に圧縮する。
平均崩壊時間:29分間、硬度:51N。
【0213】
実施例8
本発明に係る固体剤型
上の実施例1に記載の方法に従い以下の組成物を製造した。
【0214】
【表6】

【0215】
実施例9
本発明に係る組成物中のフェノフィブラートとスタチンの好ましい範囲
例えば実施例1-7に記載のような組成物は、フィブラートとスタチンの含有量を調節するために変化させることができる。当業者は、活性物質と薬学上許容し得る賦形剤の量を、本発明の目的から逸脱することなく、如何にして調節するかを知悉しているであろう。本発明に係る組成物中のフェノフィブラートと個別スタチンの適当な範囲を以下に記載する。
フェノフィブラート 140-170mg
を、
アトルバスタチン 10-80mg
フルバスタチン 20-80mg
ロバスタチン 20-80mg
ピタバスタチン 2-4mg
プラバスタチン 10-80mg
ロスバスタチン 5-40mg
シンバスタチン 5-80mg
のいずれかと組み合わせる。
【0216】
実施例10
本発明に係る組成物の安定性
フェノフィブラートおよびスタチンのような薬物にとっては、水分が化合物の安定性に対する著しい脅威である。この事は、単一の錠剤単位の中に2種類の不安定な化合物を調合しようとする場合に特に当てはまる。極めて少量の水分/水でも、「薬物相互作用」分解を著しく増大させ得る。結晶の成長もまた、水分を含む組み合わせ製品にとって潜在的な脅威である。
該製剤の独自性、工程において水を回避していること、そして水の含有の低い成分を注意深く選択していることにより、化合物の優れた安定性が確保される。最終製剤の総水分の平均は0.5%w/w以下である。ポリマーマトリックスが、不安定分子の水分/酸素防御カバーとしての役割を果たす。
【0217】
実施例10
犬におけるインビボ研究のための製剤
本発明に係る組成物を犬でのin vivo試験で調べた。フェノフィブラートは大きなバイオアベイラビリティー問題を持つ薬物であるため、この試験は主に、バイオアベイラビリティーの改善が得られるか否かを調べるためのものであった。したがって、スタチン成分についてのデータは得られていない。
【0218】
フェノフィブラートに関してそれぞれ50mgおよび160mg強度であり、以下の組成を有する錠剤を実施例1に記載のように製造した。
【0219】
【表7】

【0220】
実施例11
溶解試験
実施例10由来の錠剤処方Aを、「方法」に記載の溶解試験に付し、以下の結果を得た。
【0221】
【表8】

【0222】
実施例12
安定性試験
実施例10由来の錠剤処方Aの試料をそれぞれ以下の条件で保存し、1ヶ月および3ヶ月間保存した後に、「方法」に記載の溶解(安定性)試験に付した。溶解%は、45分後に溶解したフェノフィブラートのパーセントである。
【0223】
【表9】

【0224】
錠剤処方Aの試料をそれぞれ以下の条件で保存し、フィブラート検定に付して以下の結果を得た。
【0225】
【表10】

【0226】
本発明に係る錠剤処方Aの試料をそれぞれ以下の条件で保存し、Ph. Eur.による分解生成物試験(分解生成物A、B、Gおよび未知生成物を集積して総分解生成物とした;HPLC法)に付して以下の結果を得た。
【0227】
【表11】

【0228】
実施例13
犬でのインビボ試験
Tricor(登録商標) 160mg(バッチNo.:098212E21)と比較した、ビーグル犬における、実施例10由来の製剤A 160mgのin vivo試験を上の方法に記載のようにして実施し、以下の結果を得た。
【0229】
製剤投与後の血中濃度(mg/mL)(4匹の犬の平均):
【0230】
【表12】

【0231】
AUCに基づく相対的バイオアベイラビリティー(本発明に係る製剤A/Tricor(登録商標)):306%。
相対的Cmax(本発明に係る製剤A/Tricor(登録商標)):356%。
【0232】
実施例14
犬でのin vivo試験
Tricor(登録商標) 160mg(バッチNo.:098212E21)と比較した、ビーグル犬における、製剤A(実施例10) 160mgの第二in vovo試験を上の「方法」に記載のようにして実施し、以下の結果を得た。
製剤投与後の血中濃度(mg/mL)(4匹の犬の平均):
【0233】
【表13】

【0234】
AUCに基づく相対的バイオアベイラビリティー(本発明に係る製剤A/Tricor(登録商標)):198%。
相対的cmax(本発明に係る製剤A/Tricor(登録商標)):238%。
【0235】
実施例15
犬でのin vivo試験
Lipanthyl(登録商標) 67M、2×67mg(バッチNo.:75641)と比較した、ビーグル犬における、製剤B、CおよびD(実施例10) 2×50mgのin vivo試験を上の「方法」に記載のようにして実施し、以下の結果を得た。
製剤投与後の血中濃度(mg/mL)(4匹の犬の平均):
【0236】
【表14】

【0237】
AUCに基づく相対的バイオアベイラビリティー(本発明に係る製剤B/Lipanthyl(登録商標) 67M):532%。
相対的cmax(本発明に係る製剤BA/Lipanthyl(登録商標) 67M):548%。
AUCに基づく相対的バイオアベイラビリティー(本発明に係る製剤C/Lipanthyl(登録商標) 67M):228%。
相対的cmax(本発明に係る製剤C/Lipanthyl(登録商標) 67M):161%。
AUCに基づく相対的バイオアベイラビリティー(本発明に係る製剤D/Lipanthyl(登録商標) 67M):424%。
相対的cmax(本発明に係る製剤D/Lipanthyl(登録商標) 67M):329%。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性物質として1もしくはそれ以上のフィブラートおよび1もしくはそれ以上のスタチンまたはその薬学上活性な塩を含む粒子材料であって、活性物質総量の少なくとも80%w/wが、疎水性、親水性および水混和性媒質より成る群から選ばれる媒質に溶解している、粒子材料。
【請求項2】
活性物質総量の少なくとも85%w/w、少なくとも90%w/w、少なくとも95%w/w、少なくとも98%w/w、少なくとも99%w/w、または少なくとも99.9%w/wが媒質に溶解している、請求項1に記載の粒子材料。
【請求項3】
ノズル直径が10.0mmの漏斗から組成物が流出する流速を測定する、Ph.Eur.に記載の方法に従って測定した適当な流動性を持つ、請求項1または2に記載の粒子材料。
【請求項4】
1またはそれ以上の油収着材料をさらに含み、その材料が、本明細書の記載に従って試験する時、
i) 本明細書に記載の閾値試験に従って試験した場合、10%またはそれ以上の油閾値を有し、そして、
ii) 本明細書に記載の放出試験に従って試験した場合、少なくとも30%の油を放出する、および、
iii) Ph. Eur.の崩壊試験に従って試験した場合、錠剤の形態において、最大1時間の崩壊時間を持つ(この錠剤は約90%w/wまたはそれ以上の油収着材料を含有している)、
のうち少なくとも一方である、前記請求項のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項5】
前記媒質が最大約250℃の融点を持つ、前記請求項のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項6】
前記媒質が疎水性である、請求項1に記載の粒子材料。
【請求項7】
前記疎水性媒質が、直鎖飽和炭化水素、パラフィン類;脂肪および油、例えばカカオ脂、牛脂、ラード;低融点ろう、例えば蜜ろう、白ろう、カルナウバワックス、カスターワックス、和ろう、置換および/または非置換トリグリセリド、アクリルポリマー、またはこれらの混合物より成る群から選ばれる、請求項6に記載の粒子材料。
【請求項8】
前記媒質が親水性または水混和性である、請求項1に記載の粒子材料。
【請求項9】
前記親水性または水混和性媒質が、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンオキシド、ポロキサマー、ポリオキシエチレンステアラート、ポリ-ε-カプロラクトン、脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド、脂肪アルコール、分画燐脂質およびこれらの混合物より成る群から選ばれる、請求項8に記載の粒子材料。
【請求項10】
前記親水性または水混和性媒質が、Gelucire(登録商標)のようなポリグリコール化グリセリド類から選ばれる、請求項8に記載の粒子材料。
【請求項11】
前記親水性または水混和性媒質が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルポリビニルアセタートコポリマー(PVP-PVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリルポリマー(Eudragit RS;Eudragit RL;Eudragit NE、Eudragit E)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロースを包含するセルロース誘導体、ペクチン、シクロデキストリン、ガラクトマンナン、アルギナート、カラギーナン、キサンタンガム、NVPポリマー、PVPポリマーおよびこれらの混合物より成る群から選ばれる、請求項8に記載の粒子材料。
【請求項12】
前記媒質がポリエチレングリコール(PEG)である、請求項9に記載の粒子材料。
【請求項13】
前記ポリエチレングリコールが少なくとも1500の平均分子量を持つ、請求項12に記載の粒子材料。
【請求項14】
2またはそれ以上の親水性もしくは水混和性媒質を含む、請求項8に記載の粒子材料。
【請求項15】
該混合物が、1:3および10:1の間、好ましくは1:1および5:1の間、より好ましくは3:2および4:1の間、特に2:1および3:1の間、とりわけ約7:3の比率のポリエチレングリコールとポロキサマーを含む、請求項14に記載の粒子材料。
【請求項16】
ポロキサマーがポロキサマー188である、請求項15に記載の粒子材料。
【請求項17】
ポリエチレングリコールが約6000の平均分子量を持つ(PEG6000)、請求項15に記載の粒子材料。
【請求項18】
前記媒質が非水性である、請求項1に記載の粒子材料。
【請求項19】
前記媒質の濃度が少なくとも約10%w/wである、前記請求項のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項20】
前記媒質の濃度が約15%w/wもしくはそれ以上、約20%w/wもしくはそれ以上、約25%w/wもしくはそれ以上、約30%w/wもしくはそれ以上、約35%w/wもしくはそれ以上、または約40%w/wもしくはそれ以上である、前記請求項のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項21】
1またはそれ以上のフィブラートが、ゲムフィブロジル、フェノフィブラート、ベザフィブラート、クロフィブラート、シプロフィブラート、ならびにこれらの活性代謝産物および類似体(任意の関連するフィブリン酸、例えばフェノフィブリン酸を包含する)より成る群から選ばれる、前記請求項のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項22】
フィブラートがフェノフィブラートまたはその類似体である、前記請求項のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項23】
前記媒質中のフィブラート濃度が、フィブラート、スタチンおよび媒質の総重量を基準として少なくとも10%w/wである、前記請求項のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項24】
媒質中のフィブラート濃度が、フィブラート、スタチンおよび媒質の総重量を基準として少なくとも15%w/w、または少なくとも16%w/w、または少なくとも17%w/w、または少なくとも20%w/w、好ましくは少なくとも25%w/w、より好ましくは少なくとも30%w/w、特に少なくとも35%w/wである、前記請求項のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項25】
1またはそれ以上のスタチンが、シンバスタチン、アトルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチンおよびフルバスタチン、ならびにそれらの薬学上許容し得る塩より成る群から選ばれる、前記請求項のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項26】
媒質中のスタチン濃度が、フィブラート、スタチンおよび媒質の総重量を基準として少なくとも1%w/wである、前記請求項のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項27】
媒質中のスタチン濃度が、フィブラート、スタチンおよび媒質の総重量を基準として少なくとも1.5%w/w、または少なくとも2.5%w/w、または少なくとも5%w/w、または少なくとも7.5%w/w、好ましくは少なくとも10%w/wである、前記請求項のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項28】
フェノフィブラートおよびシンバスタチンまたはその薬学上許容し得る塩を含有する、前記請求項のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項29】
フェノフィブラートおよびアトルバスタチンまたはその薬学上許容し得る塩を含有する、請求項1〜27のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項30】
フェノフィブラートおよびロバスタチンまたはその薬学上許容し得る塩を含有する、請求項1〜27のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項31】
フェノフィブラートおよびプラバスタチンまたはその薬学上許容し得る塩を含有する、請求項1〜27のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項32】
フェノフィブラートおよびロスバスタチンまたはその薬学上許容し得る塩を含有する、請求項1〜27のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項33】
フェノフィブラートおよびフルバスタチンまたはその薬学上許容し得る塩を含有する、請求項1〜27のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項34】
最大約2.5%w/wの水分を含有する、前記請求項のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項35】
最大約2%w/wまたは1%w/wの水分を含有する、前記請求項のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項36】
40℃および75%RHで試験した場合、2ヶ月またはそれ以上の保存安定性を有する、前記請求項のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項37】
40℃および75%RHで試験した場合、3ヶ月もしくはそれ以上、4ヶ月もしくはそれ以上、5ヶ月もしくはそれ以上、または6ヶ月もしくはそれ以上の保存安定性を有する、前記請求項のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項38】
ビーズ、顆粒(granule)、顆粒(granulate)、ペレット、粉末、ミクロスフェア、およびナノ粒子の製造に使用するための、前記請求項のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項39】
前記固体剤型の製造に使用するための、前記請求項のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項40】
前記固体剤型が、経口、バッカルまたは舌下投与経路による投与を意図している、請求項39に記載の粒子材料。
【請求項41】
前記固体剤型が、発泡錠を包含する錠剤の形態またはカプセル剤もしくはサシェ剤の形態である、請求項39または40に記載の粒子材料。
【請求項42】
直接打錠により得られる錠剤の製造に使用するための、請求項1-40のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項43】
粒子材料が、≧10μm、例えば≧20μm、約20〜約2000、約30〜約2000、約50〜約2000、約60〜約2000、約75〜約2000、例えば約100〜約1500μm、約100〜約1000μmまたは約100〜約700μm、または最大約400μm〜最大300μm、例えば約50〜約400μm、例えば約50〜約350μm、約50〜約300μm、約50〜約250μmまたは約100〜約300μmの幾何重量平均直径dgwを持つ、前記請求項のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項44】
増量剤、崩壊剤、結合剤、希釈剤、潤滑剤、および流動促進剤より成る群から選ばれる1またはそれ以上の薬学上許容し得る賦形剤を含む、前記請求項のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項45】
香料、着色料、矯味剤、pH調節剤、緩衝化剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、湿潤剤、湿気調節剤、界面活性剤、懸濁化剤、吸収促進剤より成る群から選ばれる薬学上許容し得る添加物をさらに含む、前記請求項のいずれかに記載の粒子材料。
【請求項46】
1またはそれ以上の薬学上許容し得る賦形剤のうち少なくとも一つが、珪酸塩、二酸化珪素およびそのポリマーを包含するシリカ酸またはその誘導体もしくは塩;アルミノ珪酸マグネシウムおよび/またはアルミノメタ珪酸マグネシウム、ベントナイト、カオリン、三珪酸マグネシウム、モンモリロナイトおよび/またはサポナイト、より成る群から選ばれる、請求項44に記載の粒子材料。
【請求項47】
シリカ酸またはその誘導体もしくは塩を含む、請求項46に記載の粒子材料。
【請求項48】
二酸化珪素またはそのポリマーを含む、請求項46に記載の粒子材料。
【請求項49】
Aeroperl(登録商標) 300を含む、請求項46に記載の粒子材料。
【請求項50】
請求項1〜49のいずれかに定義の粒子材料を含む固体剤型。
【請求項51】
40℃および75%RHで試験した場合、2ヶ月またはそれ以上の保存安定性を有する、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項52】
40℃および75%RHで試験した場合、3ヶ月もしくはそれ以上、4ヶ月もしくはそれ以上、5ヶ月もしくはそれ以上、または6ヶ月もしくはそれ以上の保存安定性を有する、請求項50または51に記載の固体剤型。
【請求項53】
溶解媒質としての0.75%のラウリル硫酸ナトリウムを加えた水、50rpmおよび約37℃の温度を採用するPh. Eur.溶解試験(パドル)に従ってインビトロ溶解試験を実施した場合、フィブラートおよび/またはスタチンの少なくとも75%が約45分間以内に該組成物から放出される、請求項50〜52のいずれかに記載の剤型。
【請求項54】
約40℃の温度と約75%の相対湿度で1ヶ月保存した後に溶解試験を実施する、請求項53に記載の固体剤型。
【請求項55】
前記粒子材料の濃度が、その剤型の約5%〜100%w/w、例えば約10%〜約90%w/w、約15%〜約85%w/w、約20%〜約80%w/w、約25%〜約80%w/w、約30%〜約80%w/w、約35%〜約80%w/w、約40%〜約75%w/w、約45%〜約75%w/w、または約50%〜約70%w/wの範囲である、請求項50〜54のいずれかに記載の固体剤型。
【請求項56】
前記粒子材料の濃度がその剤型の50%w/wまたはそれ以上である、請求項55に記載の固体剤型。
【請求項57】
複数の個別単位、例えばペレット、ビーズおよび/または顆粒を含む、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項58】
錠剤、カプセル剤またはサシェ剤の形態である、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項59】
錠剤の形態である、請求項58に記載の固体剤型。
【請求項60】
前記個別単位または固体剤型が、薄膜被覆、修飾放出被覆、腸溶被覆、保護被覆、および付着防止被覆より成る群から選ばれる被覆で被覆されている、請求項57〜59のいずれかに記載の固体剤型。
【請求項61】
前記活性物質が、拡散によりフィブラートを放出するマトリックスに埋め込まれている、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項62】
前記マトリックスが、薬物放出の間実質上無傷であり続ける、請求項61に記載の固体剤型。
【請求項63】
前記活性物質が、浸食によりフィブラートを放出するマトリックスに埋め込まれている、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項64】
前記活性物質が、実質上水不溶性の被覆を通る拡散により該剤型から放出される、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項65】
投与時に複数の個別単位に崩壊してそこから活性物質が放出されるポリデポ剤型の形態である、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項66】
最大約2.5%w/wの水分を含有する、請求項50〜65のいずれかに記載の固体剤型。
【請求項67】
最大約2%w/wまたは1%w/wの水分を含有する、請求項50〜66のいずれかに記載の固体剤型。
【請求項68】
単位剤型の固体剤型であって、該単位剤型が、約140〜約170mgのフェノフィブラートおよび約10〜約80mgのアトルバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含む、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項69】
単位剤型の固体剤型であって、該単位剤型が、約50〜約100mgのフェノフィブラートおよび約5〜約50mgのアトルバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含む、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項70】
単位剤型の固体剤型であって、該単位剤型がフェノフィブラートおよびアトルバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含み、フェノフィブラートおよびアトルバスタチンまたはその薬学上許容し得る塩の重量比が約1:1〜約20:1である、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項71】
単位剤型の固体剤型であって、該単位剤型が、約140〜約170mgのフェノフィブラートおよび約20〜約80mgのフルバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含む、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項72】
単位剤型の固体剤型であって、該単位剤型が、約50〜約100mgのフェノフィブラートおよび約5〜約50mgのフルバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含む、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項73】
単位剤型の固体剤型であって、該単位剤型がフェノフィブラートおよびフルバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含み、フェノフィブラートおよびアトルバスタチンまたはその薬学上許容し得る塩の重量比が約1:1〜約20:1である、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項74】
単位剤型の固体剤型であって、該単位剤型が、約140〜約170mgのフェノフィブラートおよび約20〜約80mgのロバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含む、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項75】
単位剤型の固体剤型であって、該単位剤型が、約50〜約100mgのフェノフィブラートおよび約5〜約50mgのロバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含む、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項76】
単位剤型の固体剤型であって、該単位剤型がフェノフィブラートおよびフルバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含み、フェノフィブラートおよびロバスタチンまたはその薬学上許容し得る塩の重量比が約1:1〜約20:1である、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項77】
単位剤型の固体剤型であって、該単位剤型が、約140〜約170mgのフェノフィブラートおよび約10〜約80mgのプラバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含む、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項78】
単位剤型の固体剤型であって、該単位剤型が、約50〜約100mgのフェノフィブラートおよび約5〜約50mgのプラバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含む、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項79】
単位剤型の固体剤型であって、該単位剤型がフェノフィブラートおよびプラバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含み、フェノフィブラートおよびプラバスタチンまたはその薬学上許容し得る塩の重量比が約1:1〜約20:1である、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項80】
単位剤型の固体剤型であって、該単位剤型が、約140〜約170mgのフェノフィブラートおよび約5〜約80mgのシンバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含む、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項81】
単位剤型の固体剤型であって、該単位剤型が、約50〜約100mgのフェノフィブラートおよび約2.5〜約50mgのシンバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含む、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項82】
単位剤型の固体剤型であって、該単位剤型がフェノフィブラートおよびシンバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含み、フェノフィブラートおよびシンバスタチンまたはその薬学上許容し得る塩の重量比が約1:1〜約40:1である、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項83】
単位剤型の固体剤型であって、該単位剤型が、約140〜約170mgのフェノフィブラートおよび約5〜約40mgのロスバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含む、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項84】
単位剤型の固体剤型であって、該単位剤型が、約50〜約100mgのフェノフィブラートおよび約2.5〜約25mgのロスバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含む、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項85】
単位剤型の固体剤型であって、該単位剤型がフェノフィブラートおよびロスバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含み、フェノフィブラートおよびロスバスタチンまたはその薬学上許容し得る塩の重量比が約2:1〜約40:1である、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項86】
単位剤型の固体剤型であって、該単位剤型が、約140〜約170mgのフェノフィブラートおよび約1〜約10mgのピタバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含む、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項87】
単位剤型の固体剤型であって、該単位剤型が、約50〜約100mgのフェノフィブラートおよび約0.5〜約5mgのピタバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含む、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項88】
単位剤型の固体剤型であって、該単位剤型がフェノフィブラートおよびピタバスタチンまたは薬学上許容し得るその塩を含み、フェノフィブラートおよびピタバスタチンまたはその薬学上許容し得る塩の重量比が約10:1〜約200:1である、請求項50に記載の固体剤型。
【請求項89】
請求項50〜88のいずれかに記載の固体剤型を必要とする哺乳動物に投与した場合、既存の商業的フィブラート剤型に比較して増大したフィブラートのバイオアベイラビリティーをもたらす、請求項50〜88のいずれかに記載の固体剤型。
【請求項90】
市販のTricor(登録商標)錠に比較して少なくとも約1.1、または少なくとも約1.2、または少なくとも約1.3、または少なくとも約1.4、または少なくとも約1.5、または少なくとも約1.75もしくはそれ以上、または少なくとも約2.0、または少なくとも約2.5、または少なくとも約3.0のAUC値を提供する(これらのAUC値は類似条件下で測定する)、請求項89に記載の固体剤型。
【請求項91】
市販のTricor(登録商標)錠に比較して少なくとも約1.1、または少なくとも約1.2、または少なくとも約1.3、または少なくとも約1.4、または少なくとも約1.5、または少なくとも約1.6もしくはそれ以上、または少なくとも約2.0、または少なくとも約2.5、または少なくとも約3.0のcmax値を提供する(これらのcmax値は類似条件下で測定する)、請求項89に記載の固体剤型。
【請求項92】
フィブラートおよび/またはスタチンが安定である、請求項50〜91のいずれかに記載の固体剤型。
【請求項93】
約40℃の温度および約75%の相対湿度で3ヶ月間保存した後に検定した場合、フィブラートおよび/またはスタチンが、保存前の量に比較して少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも100%の量で存在する、請求項92に記載の固体剤型。
【請求項94】
i) 妥当な場合には、媒質を液体形態とし、
ii) その液体媒質をフィブラートおよび/またはスタチンの融点より低い温度に維持し、
iii) その媒質中に所望量のフィブラートおよびスタチンを溶解し、
iv) 得られた溶液を、該媒質の融点より低い温度の固体担体上にスプレーし、
v) 得られた組成物を機械的に処理して粒子、即ち粒子材料を得、そして、
vi) 所望によりその粒子材料を、固体剤型を製造するための常套的方法に付す、
という工程を含む、請求項50に記載の固体経口剤型を製造する方法。
【請求項95】
フィブラート、特にフェノフィブラート、および/またはスタチン、特にロスバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチンまたはシンバスタチンの経口バイオアベイラビリティーを増強するための、請求項1〜49のいずれかに定義の特定材料または請求項50〜93のいずれかに定義の固体剤型の使用。

【公表番号】特表2007−508249(P2007−508249A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529649(P2006−529649)
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【国際出願番号】PCT/DK2004/000668
【国際公開番号】WO2005/034908
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(506068276)ライフサイクル ファーマ アクティーゼルスカブ (5)
【Fターム(参考)】