説明

フィラメントワインディング装置

【課題】各繊維束ガイド91・92よりも広い幅の繊維束Fをライナー1の外周面1Sに巻き付けることができ、ライナー1の部位に応じて繊維束Fの幅Wfを変えて巻き付けることができるフィラメントワインディング装置を提供することである。
【解決手段】ライナー1の回転軸Raに対して略垂直方向に伸縮する第1繊維束ガイド91及び第2繊維束ガイド92を放射状に設けた第1ヘリカルヘッド43及び第2ヘリカルヘッド44を備え、ライナー1を回転させながら第1ヘリカルヘッド43及び第2ヘリカルヘッド44を通過させることでライナー1の外周面1Sに繊維束Fを巻き付けていくフィラメントワインディング装置100において、第1繊維束ガイド91及び第2繊維束ガイド92からライナー1の外周面1Sに供給される繊維束Fの経路上で、繊維束Fに接触して繊維束Fの幅Wfを拡げる第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィラメントワインディング装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂を含浸させた繊維束をライナーの外周面に巻き付けていくフィラメントワインディング装置が知られている。フィラメントワインディング装置は、放射状に複数の繊維束ガイドを設けたヘリカルヘッドを備え、回転するライナーの外周面に複数本の繊維束を同時に巻き付けることを可能としている。例えば特許文献1の如くである。
【0003】
このようなフィラメントワインディング装置においては、巻き乱れを防止するためにライナーの外径に応じた最適な位置に繊維束ガイドを移動させる必要がある。従って、該繊維束ガイドをライナーの回転軸に近接する方向に移動させた場合であっても、隣り合う繊維束ガイド同士が干渉しないように、繊維束ガイドの幅が制限される。
【0004】
ところで、ライナーの外周面を繊維束で効率的に覆うには、繊維束の幅は広いほうがよい。特にライナーの筒状部での円周長は、ドーム部での円周長より長いため、筒状部に巻き付ける繊維束の幅は広いほうがよい。
【0005】
しかしながら、ライナーの外周面に巻き付ける繊維束の幅は、繊維束ガイドの供給口の幅で決定される。繊維束ガイドを通過する前には繊維束ガイドの幅よりも広い幅の繊維束であっても、繊維束ガイドを通過する際には繊維束ガイドの供給口の幅に狭められる。このため、繊維束ガイドの供給口の幅よりも広い幅の繊維束をライナーの外周面に巻き付けることができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−36461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の如き課題を鑑みてなされたものであり、第1の目的は、繊維束ガイドの供給口の幅よりも広い幅の繊維束をライナーの外周面に巻き付けることができるフィラメントワインディング装置を提供することである。第2の目的は、ライナーの部位に応じて繊維束の幅を変えて巻き付けることができるフィラメントワインディング装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
次に、この課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、第1の発明は、ライナーの回転軸に対して略垂直方向に伸縮する繊維束ガイドを放射状に設けたヘリカルヘッドを備え、前記ライナーを回転させながら前記ヘリカルヘッドを通過させることで前記ライナーの外周面に繊維束を巻き付けていくフィラメントワインディング装置において、前記繊維束ガイドから前記ライナーの外周面に供給される繊維束の経路上で、繊維束に接触して繊維束の幅を拡げる拡張ガイドを具備するものである。
【0010】
第2の発明は、前記拡張ガイドは、前記繊維束ガイドの伸縮動作によって、選択的に繊維束の経路上に配置されるものである。
【0011】
第3の発明は、前記拡張ガイドは、前記繊維束ガイドの供給口が拡張ガイドよりも前記ライナーの回転軸から離間した位置にある場合、繊維束に接触して繊維束の幅を拡げ、前記繊維束ガイドの供給口が拡張ガイドよりも前記ライナーの回転軸に近接した位置にある場合、繊維束に接触しないものである。
【0012】
第4の発明は、前記拡張ガイドは、前記ヘリカルヘッドの側方であって、前記ライナーの進行方向側に配置されるものである。
【0013】
第5の発明は、前記拡張ガイドは、円環状に形成され、繊維束が前記拡張ガイドに接触しながら前記拡張ガイドの円環の内側を通過するように配置されるものである。
【0014】
第6の発明は、前記拡張ガイドは、前記拡張ガイドに接触した繊維束の経路が略円弧状になるように形成されるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
第1の発明によれば、繊維束は、拡張ガイドに接触された後にライナー外周面に巻き付けられる。これにより、繊維束ガイドの供給口の幅よりも広い幅の繊維束をライナーの外周面に巻き付けることができる。
【0017】
第2の発明によれば、ライナーの外径に合わせて伸縮する前記供給ガイドの伸縮位置に応じて、繊維束が拡張ガイドに接触される。これにより、繊維束ガイドの供給口の幅よりも広い幅の繊維束をライナーの外周面に巻き付けることができる。また、ライナーの部位に応じて繊維束の幅を変えて巻き付けることができる。
【0018】
第3の発明によれば、繊維束ガイドが収縮して繊維束同士の間隔が広がった場合に繊維束の幅を繊維束ガイドの幅以上に拡げてライナーの外周面に巻き付けることができる。これにより、繊維束ガイドの供給口の幅よりも広い幅の繊維束をライナーの外周面に巻き付けることができる。また、ライナーの部位に応じて繊維束の幅を変えて巻き付けることができる。
【0019】
第4の発明によれば、ライナーがヘリカルヘッドを通過する際に繊維束を拡張ガイドに接触させて繊維束の幅を拡げることができる。これにより、繊維束ガイドの供給口の幅よりも広い幅の繊維束をライナーの外周面に巻き付けることができる。また、ライナーの部位に応じて繊維束の幅を変えて巻き付けることができる。
【0020】
第5の発明によれば、繊維束の巻き付け角度の変化に伴って拡張ガイドにおける繊維束の接触位置が移動しても、繊維束は拡張ガイドに接触した状態に維持される。これにより、繊維束ガイドの供給口の幅よりも広い幅の繊維束をライナーの外周面に巻き付けることができる。また、ライナーの部位に応じて繊維束の幅を変えて巻き付けることができる。
【0021】
第6の発明によれば、繊維束と拡張ガイドとの接触面積が増えるので拡張ガイドからの抗力が増大し繊維束の幅を広げる効果が強くなる。これにより、繊維束ガイドの供給口の幅よりも広い幅の繊維束をライナーの外周面に巻き付けることができる。また、ライナーの部位に応じて繊維束の幅を変えて巻き付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係るフィラメントワインディング装置を示す図。
【図2】ヘリカル巻き装置を構成する第1ヘリカルヘッドならびに第2ヘリカルヘッドを示す図。
【図3】第1ヘリカルヘッドならびに第2ヘリカルヘッドを構成するガイド支持装置を示す図。
【図4】第1繊維束ガイド及び第2繊維束ガイドを通過した繊維束Fが第1拡張ガイド及び第2拡張ガイドに接触した状態を示す斜視図。
【図5】第1繊維束ガイド及び第2繊維束ガイドがライナーの回転軸に近接する方向に移動した状態を示す図。
【図6】第1繊維束ガイド及び第2繊維束ガイドがライナーの回転軸から離間する方向に移動した状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
まず、図1を用いて、本発明の一実施形態に係るフィラメントワインディング装置(以降「FW装置」)100の全体構成について説明する。
【0024】
図1に示す矢印Aは、ライナー1の移送方向を示している。また、ライナー1の移送方向と平行な方向をFW装置100の前後方向とし、ライナー1が移送される一方向を前側(本図左側)、他方向を後側(本図右側)と定義する。なお、FW装置100は、ライナー1を矢印Aの方向、及び矢印Aの反対方向に往復動させるため、該ライナー1の移送方向に応じて前側及び後側が定まる。
【0025】
FW装置100は、ライナー1の外周面1Sに繊維束Fを巻き付けていく装置である。FW装置100は、主に主基台10と、ライナー移送装置20と、フープ巻き装置30と、ヘリカル巻き装置40と、で構成される。
【0026】
ライナー1は、例えば高強度アルミニウム材やポリアミド系樹脂等によって形成された略円筒形状の中空容器である。ライナー1は、該ライナー1の外周面1Sに繊維束Fが巻き付けられることによって耐圧特性の向上が図られる。つまり、ライナー1は、耐圧容器を構成する基材とされる。
【0027】
主基台10は、FW装置100の基礎を構成する主たる構造体である。主基台10の上部には、ライナー移送装置用レール11が設けられている。ライナー移送装置用レール11には、ライナー移送装置20が載置されている。また、主基台10の上部には、ライナー移送装置用レール11に対して平行にフープ巻き装置用レール12が設けられている。フープ巻き装置用レール12には、フープ巻き装置30が載置されている。
【0028】
このような構成により、主基台10は、FW装置100の基礎を構成するとともに、FW装置100の前後方向にライナー移送装置20ならびにフープ巻き装置30を移動させることを可能としている。
【0029】
ライナー移送装置20は、ライナー1を回転させながら移送する装置である。詳細には、ライナー移送装置20は、FW装置100の前後方向を中心軸としてライナー1を回転させるとともに、FW装置100の前後方向にライナー1を移送する装置である。ライナー移送装置20は、主に基台21と、ライナー支持部22と、で構成される。
【0030】
基台21には、上部に一対のライナー支持部22が設けられている。ライナー支持部22は、ライナー支持フレーム23と回転軸24で構成され、ライナー1を回転させる。
【0031】
具体的に説明すると、ライナー支持部22は、基台21から上方に向けて延設されたライナー支持フレーム23と、該ライナー支持フレーム23から前後方向に向けて延設された回転軸24と、で構成される。そして、回転軸24に取り付けられたライナー1は、図示しない動力機構によって一方向に回転されるのである。
【0032】
このような構成により、ライナー移送装置20は、FW装置100の前後方向を中心軸としてライナー1を回転させるとともに、FW装置100の前後方向にライナー1を移送することを可能としている。
【0033】
フープ巻き装置30は、ライナー1の外周面1Sに繊維束Fを巻き付ける装置である。詳細には、フープ巻き装置30は、繊維束Fの巻き付け角度がFW装置100の前後方向に対して略垂直となる、いわゆるフープ巻きを行なう装置である。フープ巻き装置30は、主に基台31と、動力機構32と、フープ巻き掛け装置33と、で構成される。
【0034】
基台31には、動力機構32によって回転されるフープ巻き掛け装置33が設けられている。フープ巻き掛け装置33は、巻き掛けテーブル34とボビン35で構成され、ライナー1の外周面1Sにフープ巻きを行なう。
【0035】
具体的に説明すると、フープ巻き掛け装置33は、主にフープ巻きを行なう巻き掛けテーブル34と、該巻き掛けテーブル34に繊維束Fを供給するボビン35と、で構成される。そして、巻き掛けテーブル34に設けられた繊維束ガイドによってライナー1の外周面1Sに繊維束Fが導かれ、巻き掛けテーブル34が回転することでフープ巻きが行なわれる。
【0036】
このような構成により、フープ巻き装置30は、繊維束Fの巻き付け角度がFW装置100の前後方向に対して略垂直となるフープ巻きを行なうことを可能としている。なお、本FW装置100は、フープ巻き装置30の移動速度や巻き掛けテーブル34の回転速度を調節することによって、繊維束Fの巻き付け態様を自在に変更可能としている。
【0037】
ヘリカル巻き装置40は、ライナー1の外周面1Sに繊維束Fを巻き付ける装置である。詳細には、ヘリカル巻き装置40は、繊維束Fの巻き付け角度がFW装置100の前後方向に対して所定の値となる、いわゆるヘリカル巻きを行なう装置である。ヘリカル巻き装置40は、主に基台41と、ヘリカル巻き掛け装置42と、で構成される。
【0038】
基台41には、ヘリカル巻き掛け装置42が設けられている。ヘリカル巻き掛け装置42は、第1ヘリカルヘッド43と第2ヘリカルヘッド44で構成され、ライナー1の外周面1Sにヘリカル巻きを行なう。なお、本FW装置100のヘリカル巻き装置40には、第1ヘリカルヘッド43と第2ヘリカルヘッド44の二つが備えられているが、それ以上のヘリカルヘッドを備えるとしても良い。
【0039】
具体的に説明すると、ヘリカル巻き掛け装置42は、主にヘリカル巻きを行なう第1ヘリカルヘッド43と、同じくヘリカル巻きを行なう第2ヘリカルヘッド44と、で構成される。そして、第1ヘリカルヘッド43に設けられた第1繊維束ガイド91と第2ヘリカルヘッド44に設けられた第2繊維束ガイド92によってライナー1の外周面1Sに繊維束Fが導かれ(図2参照)、ライナー1が回転しながら通過することでヘリカル巻きが行なわれる。なお、第1ヘリカルヘッド43ならびに第2ヘリカルヘッド44には、図示しないボビンから繊維束Fが供給される。
【0040】
このような構成により、ヘリカル巻き装置40は、繊維束Fの巻き付け角度がFW装置100の前後方向に対して所定の値となるヘリカル巻きを行なうことを可能としている。なお、本FW装置100は、ライナー1の移送速度や回転速度を調節することによって、繊維束Fの巻き付け態様を自在に変更可能としている。
【0041】
次に、図2を用いて、ヘリカル巻き装置40を構成する第1ヘリカルヘッド43ならびに第2ヘリカルヘッド44について更に詳しく説明する。
【0042】
図2に示す矢印Aは、ライナー1の移送方向を示している。また、図中に示す矢印Bは、ライナー1の回転方向を示している。
【0043】
上述したように、ヘリカル巻き装置40は、繊維束Fの巻き付け角度がFW装置100の前後方向に対して所定の値となるヘリカル巻きを行なう装置である。ヘリカル巻き装置40を構成する第1ヘリカルヘッド43ならびに第2ヘリカルヘッド44は、ライナー1の移送方向に互いに隣接するように配置されている。また、第2ヘリカルヘッド44は、該第2ヘリカルヘッド44に設けられた第2繊維束ガイド92が第1ヘリカルヘッド43に設けられた第1繊維束ガイド91の間に位置するように位相差PAを設けて配置されている(図5A、図6A参照)。
【0044】
第1ヘリカルヘッド43には、ライナー1の回転軸Raを中心として放射状に第1繊維束ガイド91が設けられている(図5A、図6A参照)。具体的には、第1ヘリカルヘッド43に放射状に取り付けられた各ガイド支持装置45によって、第1繊維束ガイド91がライナー1の回転軸Raに垂直な方向に移動し、第1繊維束ガイド91の軸心を中心として回転可能に支持されている。
【0045】
これにより、第1ヘリカルヘッド43は、複数本の繊維束Fをライナー1の外周面1Sに同時に案内することができるのである。なお、本FW装置100の第1ヘリカルヘッド43には、第1繊維束ガイド91が90本設けられているため、90本の繊維束Fを同時に案内することを可能としている。
【0046】
第2ヘリカルヘッド44には、ライナー1の回転軸Raを中心として放射状に第2繊維束ガイド92が設けられている(図5A、図6A参照)。具体的には、第2ヘリカルヘッド44に放射状に取り付けられた各ガイド支持装置45によって、第2繊維束ガイド92がライナー1の回転軸Raに垂直な方向に移動し、第2繊維束ガイド92の軸心を中心として回転可能に支持されている。
【0047】
これにより、第2ヘリカルヘッド44は、複数本の繊維束Fをライナー1の外周面1Sに同時に案内することができるのである。なお、本FW装置100の第2ヘリカルヘッド44には、第2繊維束ガイド92が90本設けられているため、90本の繊維束Fを同時に案内することを可能としている。
【0048】
また、図2における第1ヘリカルヘッド43の後側(矢印Aの反対方向側)であって第1繊維束ガイド91の近傍には、第1拡張ガイド48が配置される。同様に、第2ヘリカルヘッド44の前側(矢印A方向側)であって第2繊維束ガイド92の近傍には、第2拡張ガイド49が配置される。一方、ライナー1が矢印Aの反対方向に移送される場合、第1拡張ガイド48の位置は、第1ヘリカルヘッド43の「前側」となる。すなわち、第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49は、ライナー1の移送方向に対して第1繊維束ガイド91及び第2繊維束ガイド92の「前側」に配置される。
【0049】
第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49は、断面が円形の部材が円環状に形成されたガイド部48a・49aと、取付ブラケット部48b・48bと、から構成される(図5A、図6A参照)。ガイド部48a・49aは、ライナー1が通過可能であって、第1繊維束ガイド91の供給口91a及び第2繊維束ガイド92の供給口92aがガイド部48a・49aの内側よりもライナー1の回転軸Raから離間可能な内径の円環に形成される。
【0050】
第1拡張ガイド48は、ガイド部48aの中心がライナー1の回転軸Raと一致するように取付ブラケット部48bを介して第1ヘリカルヘッド43のフレーム46に固定される。同様に、第2拡張ガイド49は、ガイド部49aの中心がライナー1の回転軸Raと一致するように取付ブラケット部49bを介して第2ヘリカルヘッド44のフレーム47に固定される。
【0051】
このような構成により、第1ヘリカルヘッド43ならびに第2ヘリカルヘッド44は、ライナー1の外周面1Sに複数本の繊維束F(本FW装置100においては180本の繊維束F)を同時に導き、ヘリカル巻きを行なうことを可能としている。
【0052】
なお、本FW装置100には、ライナー1の回転軸Ra方向(前後方向)に第2ヘリカルヘッド44を駆動する間隔調節手段が設けられている。換言すると、本FW装置100には、該FW装置100の前後方向に第2ヘリカルヘッド44を駆動する間隔調節手段が設けられている。
【0053】
間隔調節手段である駆動装置50は、電動モータ51によって回転されるウォームギア52と、第2ヘリカルヘッド44に固設されたラックギア53と、で構成される。駆動装置50は、電動モータ51の回転動力によって第2ヘリカルヘッド44を駆動する。この際、第2拡張ガイド49は、第2ヘリカルヘッド44のフレーム47に設けられているので、第2ヘリカルヘッド44をFW装置100の前方向に移動させても常に第2繊維束ガイド92の前側(矢印A方向側)に配置された状態を維持する。
【0054】
また、本FW装置100には、ライナー1の周方向に第2ヘリカルヘッド44を駆動する位相調節手段が設けられている。換言すると、本FW装置100には、ライナー1の回転軸Raを中心として第2ヘリカルヘッド44を駆動する位相調節手段が設けられている。
【0055】
位相調節手段である駆動装置60は、電動モータ61によって回転されるウォームギア62と、第2ヘリカルヘッド44に固設されたラックギア63と、で構成される。駆動装置60は、電動モータ61の回転動力によって第2ヘリカルヘッド44を駆動する。この際、第2拡張ガイド49は、第2ヘリカルヘッド44のフレーム47に設けられているので、第2ヘリカルヘッド44をライナー1の回転軸Raを中心として回転移動させても常に第2繊維束ガイド92の近傍に配置された状態を維持する。
【0056】
次に、図3及び図4を用いて、第1ヘリカルヘッド43ならびに第2ヘリカルヘッド44を構成するガイド支持装置45及び第2拡張ガイド49(第1拡張ガイド48)について説明する。なお、第1ヘリカルヘッド43ならびに第2ヘリカルヘッド44は略同一の構成であるので、ここでは第2ヘリカルヘッド44に取り付けられたガイド支持装置45を図示して説明し、第1ヘリカルヘッド43に取り付けられたガイド支持装置45の説明は省略する。
【0057】
図3中に示す白抜きの矢印は、移動機構70を構成する各部材の動作方向を示している。また、図中に示す黒塗りの矢印は、回転機構80を構成する各部材の動作方向を示している。図4中に示す白抜きの矢印は、繊維束Fの供給方向を示している。
【0058】
図3に示すように、ガイド支持装置45は、第2ヘリカルヘッド44のフレーム47に取り付けられ、第1繊維束ガイド91又は第2繊維束ガイド92を移動及び回転可能に支持する装置である。ガイド支持装置45は、移動機構70と、回転機構80と、で構成される。
【0059】
移動機構70は、ライナー1の回転軸Raに対して略垂直方向に第2繊維束ガイド92を移動させる機構である。移動機構70は、主に回転筒71と、中間軸72と、ボールネジ73と、で構成される。
【0060】
移動機構70は、図示しない電動モータの回転動力を回転筒71や中間軸72を介してスパイラル軸731に伝達可能に構成される。さらに、スパイラル軸731には、ボールナット732が軸方向に移動可能に構成されている。よって、移動機構70は、電動モータからの回転動力による該スパイラル軸731の回転運動をボールナット732を介してガイド支持部材93の送り運動に変換することができるのである。すなわち、移動機構70は、ガイド支持部材93に支持された第2繊維束ガイド92をライナー1の回転軸Raに対して略垂直方向に移動させることを可能としている。
【0061】
回転機構80は、第2繊維束ガイド92の軸心を中心軸として該第2繊維束ガイド92を回転させる機構である。回転機構80は、主に回転筒81と、中間軸82と、駆動軸83と、で構成される。回転機構80は、図示しない電動モータの回転動力を回転筒81や中間軸82を介して駆動軸83に伝達可能に構成される。さらに、駆動軸83には、第2繊維束ガイド92が歯合される。よって、回転機構80は、駆動軸83に伝達される回転動力によって第2繊維束ガイド92が回転可能に構成される。すなわち、回転機構80は、ガイド支持部材93に支持された第2繊維束ガイド92を該第2繊維束ガイド92の軸心を中心軸として回転させることを可能としている。
【0062】
このような構成により、移動機構70は、第2繊維束ガイド92をライナー1の回転軸Raから離間する方向及び近接する方向に移動させることができる。具体的には、移動機構70は、第2繊維束ガイド92の供給口92aを第2拡張ガイド49のガイド部49aの内側よりもライナー1の回転軸Raから離間した位置、すなわち繊維束Fの経路上に第2拡張ガイド49を配置可能なように第2繊維束ガイド92を移動させることができる。また、移動機構70は、第2繊維束ガイド92の供給口92aを第2拡張ガイド49のガイド部49aの内側よりもライナー1の回転軸Raに近接した位置、すなわち繊維束Fの経路上に第2拡張ガイド49が配置されないように第2繊維束ガイド92を移動させることができる。
【0063】
これにより、ライナー1が前側(矢印A方向)に向かって移送される場合、第2繊維束ガイド92の供給口92aが第2拡張ガイド49のガイド部49aの内側よりもライナー1の回転軸Raから離間した位置に移動されると、第2繊維束ガイド92の供給口92aから供給される複数本の繊維束Fは、ガイド部49aの内側に接触しながらライナー1の外周面1Sに案内される。
【0064】
一方、図3に示すように、移動機構70によって、第2繊維束ガイド92の供給口92aが第2拡張ガイド49のガイド部49aの内側よりもライナー1の回転軸Raから近接した位置92fに移動されると、第2繊維束ガイド92から供給される複数本の繊維束Ffは、ガイド部49aの内側に接触することなくライナー1の外周面1Sfに案内される。
【0065】
以上のような構成のFW装置100において、図4、図5及び図6を用いて、第1繊維束ガイド91及び第2繊維束ガイド92の動作態様について説明する。
【0066】
まず、図4及び図5を用いて、ライナー1の外径が小さい部分に繊維束Fを巻き付ける場合、すなわち第1繊維束ガイド91及び第2繊維束ガイド92がライナー1の回転軸Raに近接する方向に移動した場合を説明する。
【0067】
図4は、第2繊維束ガイド92の内部を通過する繊維束Fを示している。図中にある矢印は繊維束Fの供給方向を示している。図5A、図5Bは、第1繊維束ガイド91及び第2繊維束ガイド92がライナー1の回転軸Raに近接する方向に移動した状態、すなわち第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49のガイド部48a・49aの内側に移動された状態を示している。図5Aと図5Bは、そのときの正面図と側面図である。図中に示す矢印Cは、各繊維束ガイド91・92の移動方向を示している。また、図中に示す矢印Dは、第2ヘリカルヘッド44の移動方向を示している。
【0068】
図4に示すように、第2繊維束ガイド92を介して供給される繊維束Fは、第2繊維束ガイド92の供給口92aの幅Wgが繊維束Fの幅Wfよりも狭い場合、供給口92aの幅Wgに狭められた状態でライナー1に案内される。
【0069】
図5A、図5Bに示すように、ライナー1の外径が小さい部分に繊維束Fを巻き付ける場合、第1繊維束ガイド91の供給口91a及び第2繊維束ガイド92の供給口92aは、ライナー1の回転軸Raに近接する方向、すなわち第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49のガイド部48a・49aの内側に移動される(矢印C参照)。
【0070】
第1繊維束ガイド91及び第2繊維束ガイド92は、ライナー1の回転軸Raに近接するに従って互いの間隔が徐々に小さくなっていく。この結果、第1繊維束ガイド91及び第2繊維束ガイド92から供給される複数の繊維束Fは、互いに近接した状態でライナー1の外周面1Sに巻き付けられる。従って、繊維束Fによってライナー1の外周面1Sを容易に覆うことができる。この際、第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49は、第1繊維束ガイド91の供給口91a及び第2繊維束ガイド92の供給口92aよりもライナー1の回転軸Raから離間している。従って、第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49が繊維束Fの経路上に配置されないので、繊維束Fの幅Wfは、第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49によって拡げられることがない。
【0071】
次に、ライナー1の外径が大きい部分に繊維束Fを巻き付ける場合、すなわち第1繊維束ガイド91及び第2繊維束ガイド92がライナー1の回転軸Raから離間する方向に移動した場合を説明する。
【0072】
図6A、図6Bは、第1繊維束ガイド91及び第2繊維束ガイド92がライナー1の回転軸Raから離間する方向に移動した状態、すなわち第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49のガイド部48a・49aの外側に移動された状態を示している。図6Aと図6Bは、そのときの正面図と側面図である。図中に示す矢印Cは、各繊維束ガイド91・92の移動方向を示している。また、図中に示す矢印Dは、第2ヘリカルヘッド44の移動方向を示している。
【0073】
図4に示すように、繊維束Fは、第2繊維束ガイド92の供給口92aの幅Wgに狭められた状態で供給口92aから供給される。
【0074】
図6A、図6Bに示すように、ライナー1の外径が大きい部分に繊維束Fを巻き付ける場合、第1繊維束ガイド91及び第2繊維束ガイド92は、ライナー1の回転軸Raから離間する方向、すなわち第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49のガイド部48a・49aの外側に移動される(矢印C参照)。
【0075】
このとき、第1繊維束ガイド91及び第2繊維束ガイド92は、ライナー1の回転軸Raから離間するに従って互いの間隔が徐々に大きくなっていく。この結果、第1繊維束ガイド91及び第2繊維束ガイド92から供給される複数の繊維束Fは、隣り合う繊維束Fとの間隔が徐々に大きくなりながらライナー1の外周面1Sに巻き付けられる。従って、隣り合う繊維束Fとの間隔が大きくなるにつれて、繊維束Fによってライナー1の外周面1Sを覆うことが容易ではなくなる。
【0076】
ここで、第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49は、第1繊維束ガイド91の供給口91a及び第2繊維束ガイド92の供給口92aよりもライナー1の回転軸Raに近接している。つまり、繊維束Fの経路上に第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49が配置される。従って、図4に示すように、第1繊維束ガイド91及び第2繊維束ガイド92から供給される繊維束Fは、ガイド部48a・49aに接触し、その幅Wfをガイド部48a・49aからの抗力によって本来の繊維束Fの幅Wfまで押し拡げられた後にライナー1の外周面1Sに巻き付けられる。
【0077】
この際、繊維束Fは、円環状に形成されたガイド部48a・49aに接触しているので、ライナー1の外周面1Sに巻き付けられる繊維束Fの巻き付け角度が変化しても第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49から外れることがない。つまり、繊維束Fは、第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49に接触した状態に維持される。
【0078】
また、繊維束Fは、断面が円形状の部材から形成されている第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49のガイド部48a・49aの曲面に接することで略円弧状の経路を構成する。このため、第2拡張ガイド49における繊維束Fの接触面積は、接触面を平面とする場合に比べて大きくすることができる。このように、第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49と繊維束Fとの接触面積を大きくすることで、第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49が繊維束Fを拡げる効果を増大させることができる。なお、本実施形態において、ガイド部48a・49aは断面が円形状の部材から形成されるがこれに限定されず、繊維束Fが接触する部分が曲面に形成されていればよい。
【0079】
上述の構成により、本FW装置100は、各繊維束ガイド91・92の伸縮動作によって、選択的に第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49を繊維束Fの経路上に配置することができる。すなわち、本FW装置100は、各繊維束ガイド91・92がライナー1の回転軸Raから離間する方向に移動した場合に、繊維束Fを第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49に接触させて繊維束Fの幅Wfを押し拡げ、各繊維束ガイド91・92がライナー1の回転軸Raに近接する方向に移動した場合に、繊維束Fの幅Wfを押し拡げずに、繊維束Fをライナー1の外周面1Sに巻きつけることができる。
【0080】
以上のごとく、ライナー1の回転軸Raに対して略垂直方向に伸縮する第1繊維束ガイド91及び第2繊維束ガイド92を放射状に設けた第1ヘリカルヘッド43及び第2ヘリカルヘッド44を備え、ライナー1を回転させながら第1ヘリカルヘッド43及び第2ヘリカルヘッド44を通過させることでライナー1の外周面1Sに繊維束Fを巻き付けていくフィラメントワインディング装置100において、第1繊維束ガイド91及び第2繊維束ガイド92からライナー1の外周面1Sに供給される繊維束Fの経路上で、繊維束Fに接触して繊維束Fの幅Wfを拡げる第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49を具備するものである。
このように構成することにより、繊維束Fは、第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49に接触された後にライナー1の外周面1Sに巻き付けられる。これにより、第1繊維束ガイド91の供給口91a及び第2繊維束ガイド92の供給口92aの幅Wgよりも広い幅の繊維束Fをライナー1の外周面1Sに巻き付けることができる。また、第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49は、第1繊維束ガイド91及び第2繊維束ガイド92の伸縮に応じて繊維束Fの経路上に配置される。これにより、ライナー1の部位に応じて繊維束Fの幅Wfを変えて巻き付けることができる。
【0081】
また、第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49は、第1繊維束ガイド91及び第2繊維束ガイド92の伸縮動作によって、選択的に繊維束Fの経路上に配置されるものである。
このように構成することにより、ライナー1の外径に合わせて伸縮する第1繊維束ガイド91及び第2繊維束ガイド92の伸縮位置に応じて、繊維束Fが第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49に接触される。これにより、第1繊維束ガイド91の供給口91a及び第2繊維束ガイド92の供給口92aの幅Wgよりも広い幅の繊維束Fをライナー1の外周面1Sに巻き付けることができる。また、ライナー1の部位に応じて繊維束Fの幅Wfを変えて巻き付けることができる。
【0082】
また、第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49は、第1繊維束ガイド91の供給口91a及び第2繊維束ガイド92の供給口92aが第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49よりもライナー1の回転軸Raから離間した位置に伸縮する場合、繊維束Fに接触して繊維束Fの幅Wfを拡げ、第1繊維束ガイド91の供給口91a及び第2繊維束ガイド92の供給口92aが第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49よりもライナー1の回転軸Raに近接した位置に伸縮する場合、繊維束Fに接触しないものである。
このように構成することにより、第1繊維束ガイド91及び第2繊維束ガイド92が収縮して繊維束F同士の間隔が広がった場合に繊維束Fの幅Wfを第1繊維束ガイド91の供給口91a及び第2繊維束ガイド92の供給口92aの幅Wg以上に拡げてライナー1の外周面1Sに巻き付けることができる。これにより、供給口91a及び供給口92aの幅Wgよりも広い幅の繊維束Fをライナー1の外周面1Sに巻き付けることができる。また、ライナー1の部位に応じて繊維束Fの幅Wfを変えて巻き付けることができる。
【0083】
また、第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49は、第1ヘリカルヘッド43及び第2ヘリカルヘッド44の側方であって、ライナー1の進行方向側に配置されるものである。
このように構成することにより、ライナー1が第1ヘリカルヘッド43及び第2ヘリカルヘッド44を通過する際に繊維束Fを第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49に接触させて繊維束Fの幅Wfを拡げることができる。これにより、第1繊維束ガイド91の供給口91a及び第2繊維束ガイド92の供給口92aの幅Wgよりも広い幅の繊維束Fをライナー1の外周面1Sに巻き付けることができる。また、ライナー1の部位に応じて繊維束Fの幅Wfを変えて巻き付けることができる。
【0084】
また、第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49は、ガイド部48a・49aが円環状に形成され、繊維束Fが第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49に接触しながら第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49のガイド部48a・49aの内側を通過するように配置されるものである。
このように構成することにより、繊維束Fの巻き付け角度の変化に伴って第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49における繊維束Fの接触位置が移動しても、繊維束Fは第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49に接触した状態に維持される。これにより、第1繊維束ガイド91の供給口91a及び第2繊維束ガイド92の供給口92aの幅Wgよりも広い幅の繊維束Fをライナー1の外周面1Sに巻き付けることができる。また、ライナー1の部位に応じて繊維束Fの幅Wfを変えて巻き付けることができる。
【0085】
また、第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49は、第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49に接触した繊維束Fの経路が略円弧状になるように形成されるものである。
このように構成することにより、繊維束Fと第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49との接触面積が増えるので第1拡張ガイド48及び第2拡張ガイド49からの抗力が増大し繊維束Fの幅Wfを広げる効果が強くなる。これにより、第1繊維束ガイド91の供給口91a及び第2繊維束ガイド92の供給口92aの幅Wgよりも広い幅の繊維束Fをライナー1の外周面1Sに巻き付けることができる。また、ライナー1の部位に応じて繊維束Fの幅Wfを変えて巻き付けることができる。
【符号の説明】
【0086】
1 ライナー
1S 外周面
43 第1ヘリカルヘッド
44 第1ヘリカルヘッド
48 第1拡張ガイド
49 第2拡張ガイド
91 第1繊維束ガイド
92 第2繊維束ガイド
100 フィラメントワインディング装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライナーの回転軸に対して略垂直方向に伸縮する繊維束ガイドを放射状に設けたヘリカルヘッドを備え、
前記ライナーを回転させながら前記ヘリカルヘッドを通過させることで前記ライナーの外周面に繊維束を巻き付けていくフィラメントワインディング装置において、
前記繊維束ガイドから前記ライナーの外周面に供給される繊維束の経路上で、繊維束に接触して繊維束の幅を拡げる拡張ガイドを具備するフィラメントワインディング装置。
【請求項2】
前記拡張ガイドは、
前記繊維束ガイドの伸縮動作によって、選択的に繊維束の経路上に配置される請求項1に記載のフィラメントワインディング装置。
【請求項3】
前記拡張ガイドは、
前記繊維束ガイドの供給口が拡張ガイドよりも前記ライナーの回転軸から離間した位置にある場合、繊維束に接触して繊維束の幅を拡げ、
前記繊維束ガイドの供給口が拡張ガイドよりも前記ライナーの回転軸に近接した位置にある場合、繊維束に接触しない請求項1又は請求項2に記載のフィラメントワインディング装置。
【請求項4】
前記拡張ガイドは、
前記ヘリカルヘッドの側方であって、前記ライナーの進行方向側に配置される請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のフィラメントワインディング装置。
【請求項5】
前記拡張ガイドは、
円環状に形成され、繊維束が前記拡張ガイドに接触しながら前記拡張ガイドの円環の内側を通過するように配置される請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のフィラメントワインディング装置。
【請求項6】
前記拡張ガイドは、
前記拡張ガイドに接触した繊維束の経路が略円弧状になるように形成される請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のフィラメントワインディング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−63591(P2013−63591A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203655(P2011−203655)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】