説明

フィリングの製造方法

【課題】乳酸発酵物、具材及び酸性水中油型乳化調味料(乳酸発酵物を含有したものを除く)を混合し、当該混合物を加熱殺菌するフィリングの製造方法であって、得られるフィリングが保存安定性に優れたフィリングの製造方法を提供する。
【解決手段】乳酸発酵物、具材及び酸性水中油型乳化調味料(乳酸発酵物を含有したものを除く)を混合し、当該混合物を加熱殺菌するフィリングの製造方法であって、乳酸発酵物として乳酸発酵卵白を用いるフィリングの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳酸発酵物、具材及び酸性水中油型乳化調味料(乳酸発酵物を含有したものを除く)を混合し、当該混合物を加熱殺菌するフィリングの製造方法であって、得られるフィリングが保存安定性に優れたフィリングの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マヨネーズ、マヨネーズ類あるいは乳化ドレッシング等の酸性水中油型乳化調味料は適度な酸味とこく味を有することから従来よりパン等のフィリングのベースとして使用されている。一方、嗜好の多様化に伴い様々な風味のフィリングが要望されており、その一つとしてヨーグルトのような乳酸発酵臭を有したフィリングが要望されている。
【0003】
乳酸発酵臭を有したフィリングの製造方法としては、例えば、特開平6−54661号公報(特許文献1)に開示されているような殺菌ヨーグルト等の醗酵乳の存在下で油脂を乳化させた乳酸発酵臭を有した酸性水中油型乳化調味料を用い、当該酸性水中油型乳化調味料と具材とを混合後、加熱殺菌する方法により、乳酸発酵臭を有したフィリングが得られる。
【0004】
前記方法で製したフィリングは、保存中もほぼ安定性で好ましいものである。しかしながら、前記方法は、乳酸発酵物を含有した酸性水中油型乳化調味料を予め準備する必要があり、乳酸発酵臭を有したフィリングしか製造出来ないことから、様々な風味を要望されるフィリングの分野では生産性に欠けるという問題があった。
【0005】
そこで、発明者は、生産性を考慮し、乳酸発酵物を含有しない酸性水中油型乳化調味料を用い、当該調味料と具材及び殺菌ヨーグルト等の醗酵乳を混合し、当該混合物を加熱殺菌しフィリングを製した。しかしながら、得られたフィリングは、保存中に水相や油相の分離が観察され商品価値を損なうものであった。
【0006】
【特許文献1】特開平6−54661号公報
【特許文献2】特開昭53−9353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の目的は、乳酸発酵物、具材及び酸性水中油型乳化調味料(乳酸発酵物を含有したものを除く)を混合し、当該混合物を加熱殺菌するフィリングの製造方法であって、得られるフィリングが保存安定性に優れたフィリングの製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた。その結果、乳酸発酵物、具材及び酸性水中油型乳化調味料(乳酸発酵物を含有したものを除く)を混合し、当該混合物を加熱殺菌するフィリングの製造方法であっても、乳酸発酵物として乳酸発酵卵白を用いるならば、意外にも保存安定性に優れたフィリングが得られることを見出し本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1)乳酸発酵物、具材及び酸性水中油型乳化調味料(乳酸発酵物を含有したものを除く)を混合し、該混合物を加熱殺菌するフィリングの製造方法であって、乳酸発酵物として乳酸発酵卵白を用いるフィリングの製造方法、
(2)乳酸発酵卵白の配合量が固形分換算で0.5%以上である(1)のフィリングの製造方法、
である。
【0010】
なお、特開昭53−9353号公報(特許文献2)には、卵を用いたペースト状醗酵食品の製造方法に関し、卵として卵白が例示され、乳酸発酵卵白を用いることが示唆されている。また、同文献には、卵白ではないが卵黄を用いて製した乳酸発酵物を用いたサンドイッチ用のスプレットに好適なペースト状醗酵食品の製造方法が記載されている。しかしながら、前記食品の製造方法は、特許文献1と同様、乳酸発酵物の存在下で油脂を乳化させたもので、特許文献2には、本願発明のような乳酸発酵卵白と乳化物(酸性水中油型乳化調味料)とを混合すること、更に当該混合物の加熱殺菌後の保存安定性に関し、何ら記載されていない。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、生産性を有した製造方法で保存安定性に優れた乳酸醗酵臭を有したフィリングが得られることから、様々な風味のフィリングを製造するフィリング分野の製造方法として好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ意味する。
【0013】
本発明においてフィリングとは、サンドイッチ、パン、ハンバーガー等の間に挟んだり、パンの中に充填したり、パンの上にトッピングしたりするものであって、マヨネーズ、マヨネーズ類あるいは乳化ドレッシング等の酸性水中油型乳化調味料をベースとしたものである。また、本発明は、上記パン類に用いるものの他、サラダやフライ、ハンバーグ等の調理食品等のトッピング材等として用いるものも含まれる。
【0014】
本発明は、上記フィリングの製造方法において、様々な風味のフィリングの製造にも応用可能な生産性を有し、細菌的にも問題のないフィリングが得られる、乳酸発酵物、具材及び酸性水中油型乳化調味料(乳酸発酵物を含有したものを除く)を混合し、当該混合物を加熱殺菌するフィリングの製造方法であって、前記乳酸発酵物として乳酸発酵卵白を用いることを特徴とする。このような製造方法により、保管中に油分離や水分離が殆ど発生しない保存安定性に優れた、乳酸発酵臭を有したフィリングが得られる。
【0015】
ここで、乳酸発酵卵白とは、液状の卵白に乳酸菌を添加して発酵させることにより得られるものであって、このような乳酸発酵は一般的に栄養源として乳酸菌資化性糖類を用いて必要に応じ発酵促進物質を添加し、乳酸菌を1mLあたり好ましくは10〜10、さらに好ましくは10〜10供し発酵されており、本発明も同様な方法で得られたものを用いるとよい。
【0016】
上記乳酸発酵卵白に用いる卵白としては、例えば、鶏等の鳥類の卵を割卵し卵黄を分離したものであり工業的に得られるもの、またこれを殺菌、凍結したもの、濃縮または希釈したもの、特定の成分(リゾチームやアビジン等)を除去したもの、乾燥させたものを水戻ししたもの等が挙げられる。また効果に影響を及ぼさない程度に卵黄やその他の卵由来の成分を含んでいても差し支えない。
【0017】
上記乳酸発酵卵白に用いる乳酸菌としては、一般的にヨーグルトやチーズの製造に利用される例えば、ラクトバチルス属(Lactobacillus bulgaricus等)、ストレプトコッカス属(Streptococcus thermophilus、Streptococcus diacetylactis等)、ラクトコッカス属(Lactococcus lactis等)、ロイコノストック属(Leuconostoc cremoris等)、エンテロコッカス属(Enterococcus faecalis)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium Bbifidum等)等が挙げられる。
【0018】
上記乳酸菌資化性糖類としては、例えば、単糖類(グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、N−アセチルグルコサミン等)、二糖類(ラクトース、マルトース、スクロース、セルビオース、トレハロース等)、オリゴ糖類(特に3〜5個の単糖類が結合しているもの)、ブドウ糖果糖液糖等が挙げられ、1種又は2種以上を組み合わせて液状の卵白に添加することができる。また、卵白にはビタミン、アミノ酸等の発酵促進物質や、菜種油、パーム油等の油脂原料等を添加してもよい。
【0019】
本発明の乳酸発酵卵白の代表的な製造方法を以下に示す。卵白たんぱく質2〜8%、乳酸菌資化性糖類1〜15%、および発酵促進物質0.5〜10%を水に加え、乳酸、塩酸等の酸剤を用いてpH5〜7.5にpH調整する。なお、風味の面から乳酸を用いるのが好ましい。得られた仕込み液を60〜110℃で10分間加熱した後、乳酸菌スターターを1mLあたり10〜10になるよう添加し、25〜50℃で8〜48時間発酵し乳酸発酵卵白が得られる。また、必要に応じて上記乳酸発酵卵白を加熱殺菌し、高圧下で均質化処理を施してもよい。
【0020】
フィリングへの乳酸発酵卵白の配合量は、乳酸発酵臭が感じられる程度以上配合すればよく、具体的には、固形分換算で0.5%以上が好ましく、1%以上がより好ましい。また、配合量の上限は、特に規定していないが、後述する具材や酸性水中油型乳化調味料との食味のバランスを考慮し、固形分換算で15%以下が好ましい。なお、固形分換算とは、水分を除いた部分の量である。
【0021】
酸性水中油型乳化調味料をベースとしたフィリングには、通常、具材が配合されており、本発明のフィリングも具材が配合されたものである。具材に用いられる食材としては、酸性水中油型乳化調味料をベースとしたフィリングに用いられているものであれば特に限定するものではないが、具体的には例えば、玉ねぎ、きゅうり、にんじん、レタス、セロリ、キャベツ、コーン、大根、ごぼう、ブロッコリー、カリフラワー、トマト、ジャガイモ、サツマイモ等の野菜類、りんご、パイナップル、ぶどう、いちご、キウイ等の果実等、マカロニ、スパゲティ、春雨、ペンネ等の麺類、茹で卵等が挙げられる。これらの食材は、通常、所望の大きさにカットされ、必要に応じ、ボイル、水さらし等の処理を施したものを具材として用いられており、本発明の具材の処理も同様に行うと良い。
【0022】
具材の配合量は、酸性水中油型乳化調味料をベースとしたフィリングに通常、用いられている量を配合すればよく、具体的には、好ましくは5〜50%、より好ましくは8〜40%である。具材の配合量が前記範囲より少ないと、フィリング中で具材の存在感が得られ難く、前記範囲より多いと、フィリングの食感・食味を損なう場合があり好ましくないからである。
【0023】
本発明で用いる酸性水中油型乳化調味料(乳酸発酵物を含有したものを除く)とは、食用油脂が油滴として水相中に略均一に分散し水中油型に乳化され、常温流通を可能ならしめるためにpHを4.6以下に調整され、BH型粘度計を用いて、品温20℃、ローターNo.6、2rpmの測定条件で1分後の示度により算出した粘度が30Pa・s以上の酸性乳化調味料であって、乳酸発酵物を含有したものは除かれる。このような酸性水中油型乳化調味料は、マヨネーズ、マヨネーズ類あるいは半固体状乳化ドレッシング等と称されており、本発明は、これらの市販品を用いてもよい。
【0024】
上記酸性水中油型乳化調味料には、各種原料が配合されている。例えば、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、紅花油、大豆油、パーム油、魚油、卵黄油等の動植物油又はこれらの精製油(サラダ油)、あるいはMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的、酵素的処理等を施して得られる油脂、あるいは各種スパイスオイル等調味油等の食用油脂、食酢、食塩、砂糖、醤油、味噌、核酸系旨味調味料、柑橘果汁、ケチャップ等の各種調味料、卵黄、全卵、ホスフォリパーゼA処理卵黄、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン、オクテニルコハク酸化澱粉等の乳化材、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、アラビアガム、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、うるち米澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、ワキシコーンスターチ、もち米澱粉等の澱粉、湿熱処理澱粉、化工澱粉等の増粘材、クエン酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸等の有機酸又はその塩、アスコルビン酸、ビタミンE等の酸化防止剤、その他、香辛料、色素、卵白等が挙げられる。
【0025】
また、このような酸性水中油型乳化調味料は、上述した原料のうち、水相原料をミキサー内で均一として水相部を調製した後、当該水相部を攪拌させながら油相部である食用油脂を徐々に注加して粗乳化し、当該粗乳化物をコロイドミル、高圧ホモゲナイザー等の乳化機で仕上げ乳化を行なう方法等で一般的に製造されている。
【0026】
酸性水中油型乳化調味料(乳酸発酵物を含有したものを除く)の配合量は、具材と同様、酸性水中油型乳化調味料をベースとしたフィリングに通常、用いられている量を配合すればよく、具体的には、好ましくは10〜90%、より好ましくは20〜80%である。酸性水中油型乳化調味料の配合量が前記範囲を外れると全体の食味のバランスを損ない好ましくないからである。
【0027】
以上、本発明のフィリングに配合する乳酸発酵卵白、具材及び酸性水中油型乳化調味料(乳酸発酵物を含有したものを除く)について詳述したが、本発明であるフィリングの製造方法は、生産性を考慮し、先ずこれらの原料を混合して全体が略均一な混合物を製する。なお、混合物を製する際に用いる混合機としては、食品工業的に使用されているミキサーであれば任意の装置を用いることが出来る。また、本発明のフィリングには上記必須原料の他、本発明の効果を損なわない範囲で、他の原料を配合してもよい。
【0028】
次に、得られた混合物を、細菌的問題を考慮し加熱殺菌する。フィリングの加熱殺菌は、通常、ナイロンとポリエチレンの多層袋等の容器にフィリングを充填した後、当該充填物を湯浴や蒸気等で加熱殺菌を施しており、本発明も同様の方法で行うとよい。加熱殺菌は、中心品温が好ましくは60〜95℃、より好ましくは65〜85℃で、好ましくは2〜90分間、より好ましくは5〜60分間処理するとよい。加熱殺菌の際の中心品温が前記範囲より低い場合や処理時間が前記範囲より短いと、細菌を十分に死滅することが出来ず好ましくない。また、中心品温が前記範囲より高い場合や処理時間が前記範囲より長いと、フィリングに配合した酸性水中油型乳化調味料の乳化が壊れる場合があり好ましくない。
【0029】
以下、本発明のフィリングの製造方法について、実施例、比較例及び試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
【実施例】
【0030】
[製造例]乳酸発酵卵白の調製
液卵白34%、パーム油10%、スクロース6%、卵黄0.5%、酵母エキス0.05%、50%乳酸0.15%及び清水49.3%からなる卵白水溶液を攪拌、調製した。得られた卵白水溶液を75℃で10分間加熱した後、乳酸菌スターター0.01%(Lactobacillus bulgaricus、Streptococcus thermophilus)を添加し、42℃で24時間発酵を行った後、70〜90℃で加熱殺菌し、次いで高圧ホモゲナイザーを用いて30MPaの圧力で処理し、固形分約20%の乳酸発酵卵白を製した。
【0031】
[実施例1]乳酸発酵卵白6%(固形分換算)配合フィリングの調製
下記の配合割合で乳酸発酵卵白(上記製造例で得られたもの、固形分約20%)、マヨネーズ類(キユーピー(株)、マヨネーズ102−S、乳酸発酵物を含有しない)、玉ねぎ、食塩、α化澱粉、キサンタンガム及び清水をミキサーで均一に混合した後、当該混合物を1kg用パウチ(ナイロンとポリエチレンの多層袋)に1kg充填密封し、次いで、70℃の湯浴中で中心品温65℃以上が30分間保持されるように加熱殺菌を施し、乳酸発酵卵白が固形分換算で約6%配合したフィリングを製した。
【0032】
<乳酸発酵卵白6%(固形分換算)配合フィリングの配合割合>
乳酸発酵卵白(上記製造例のもの) 30%
マヨネーズ類 47%
玉ねぎ(5mmダイス、水さらし品) 20%
食塩 0.3%
α化澱粉 0.2%
キサンタンガム 0.05%
清水 残余
―――――――――――――――――――――――――
合計 100%
【0033】
[実施例2]乳酸発酵卵白8%(固形分換算)配合フィリングの調製
実施例1において、乳酸発酵卵白(上記製造例で得られたもの、固形分約20%)とマヨネーズ類の配合量をそれぞれ40%と38%に変更した以外は、実施例1と同様の方法で乳酸発酵卵白が固形分換算で約8%配合したフィリングを製した。
【0034】
[比較例1]殺菌ヨーグルト6%(固形分換算)配合フィリングの調製
下記の配合割合で実施例1の同様の方法で殺菌ヨーグルト(明治乳業(株)、明治メリーソフト、固形分約15%)を固形分換算で6%配合したフィリングを製した。
【0035】
<殺菌ヨーグルト6%(固形分換算)配合フィリングの配合割合>
殺菌ヨーグルト 40%
マヨネーズ類(実施例1のもの) 37%
玉ねぎ(5mmダイス、水さらし品) 20%
食塩 0.3%
α化澱粉 1.4%
キサンタンガム 0.05%
清水 残余
―――――――――――――――――――――――――
合計 100%
【0036】
[比較例2]殺菌ヨーグルト8%(固形分換算)配合フィリングの調製
比較例1の配合割合において、殺菌ヨーグルト(明治乳業(株)、明治メリーソフト、固形分約15%)とマヨネーズ類の配合量をそれぞれ55%と22%に変更した以外は、実施例1と同様の方法で殺菌ヨーグルトが固形分換算で約8%配合したフィリングを製した。
【0037】
[比較例3]サワークリーム6%(固形分換算)配合フィリングの調製
下記の配合割合で実施例1の同様の方法でサワークリーム(森永乳業(株)、森永トロイカ、固形分約40%)を固形分換算で6%配合したフィリングを製した。
【0038】
<サワークリーム6%(固形分換算)配合フィリングの配合割合>
サワークリーム 15%
マヨネーズ類(実施例1のもの) 62%
玉ねぎ(5mmダイス、水さらし品) 20%
食塩 0.3%
キサンタンガム 0.05%
清水 残余
―――――――――――――――――――――――――
合計 100%
【0039】
[比較例4]サワークリーム8%(固形分換算)配合フィリングの調製
比較例3の配合割合において、サワークリーム(森永乳業(株)、森永トロイカ、固形分約40%)とマヨネーズ類の配合量をそれぞれ20%と57%に変更した以外は、実施例1と同様の方法でサワークリームが固形分換算で約8%配合したフィリングを製した。
【0040】
[試験例]
実施例1及び2、並びに比較例1乃至4で得られた乳酸発酵物を固形分換算で6%あるいは8%配合したフィリングをそれぞれ10℃で保管し、1日後及び14日後の安定性を目視で観察した。結果を表1に示す。
【0041】
【表1】

【0042】
乳酸発酵物、具材及び酸性水中油型乳化調味料(乳酸発酵物を含有したものを除く)を混合し、当該混合物を加熱殺菌する生産性を有したフィリングの製造方法において、表1より、乳酸発酵物として乳酸発酵卵白を用いた実施例1及び2は、殺菌ヨーグルトを用いた比較例1及び2、サワークリームを用いた比較例3及び4と比較し、明らかに保存安定性に優れていることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳酸発酵物、具材及び酸性水中油型乳化調味料(乳酸発酵物を含有したものを除く)を混合し、該混合物を加熱殺菌するフィリングの製造方法であって、乳酸発酵物として乳酸発酵卵白を用いることを特徴とするフィリングの製造方法。
【請求項2】
乳酸発酵卵白の配合量が固形分換算で0.5%以上である請求項1記載のフィリングの製造方法。

【公開番号】特開2009−219387(P2009−219387A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−65604(P2008−65604)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【出願人】(000001421)キユーピー株式会社 (657)
【Fターム(参考)】