説明

フィリング・トッピング材の製造方法

【課題】コクがあってフレッシュな風味を持ち、滑らかで口溶けが良く、ボディー感のある衛生的にも優れたフィリング・トッピング材及びその製造方法の提供。
【解決手段】フィリングベース、水中油型乳化油脂組成物、具材を含有するフィリング・トッピング材であって、水中油型乳化油脂組成物中の油脂の含有量が、水中油型乳化油脂組成物全体中40〜80重量%であることを特徴とするフィリング・トッピング材。カレーパンやビーフシチュー風味の調理パンを初めとするドーナツや惣菜パン作製に用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフィリング・トッピング材に関する。主としてフライや焼成により製造されるドーナツや惣菜パンに適したフィリング・トッピング材として用いられる。より詳しくは、レトルト処理をしたフィリングベースに乳化油脂組成物や具材を添加することにより、コクがあってフレッシュな風味を持ち、滑らかで口溶けが良く、ボディー感のある衛生的にも優れたフィリング・トッピング材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来フィリング・トッピング材は、主としてフライや焼成により製造されるドーナツや惣菜パンにおいて生地に載せたり挟んだりして用いられ、生地中に先に包餡してフライや焼成を行う包餡用のフィリング・トッピング材や、生地をフライや焼成した後、その内部に充填されることを特徴とする、いわゆる後充填用途としてのフィリング・トッピング材があるが、何れも原料をすべて混合し、一括でボイル殺菌処理や、レトルト処理等の加熱処理を行うためにコクやフレッシュ感が不充分であったり、主にルウや小麦粉などの澱粉を使用してボディーを形成しているために滑らかさが不充分である。それに加えて、特に後充填用のフィリング・トッピング材は、包餡用のフィリング・トッピング材に比べて、充填時の作業性、即ち口金等の使用による生地中への注入しやすさ、或いは食べた時の滑らかな食感と口溶けを良くするために、一般的に軟らかく粘度が低い物性であるのが特徴であり、そこで、従来は粘度を低くするために、澱粉、油脂、液糖といったフィリング・トッピング材を構成する原料の種類や配合比率を工夫したり、水分などを調整して製造していた。しかし、物性が軟らかいことで、とろっとした食感は得られるが、その反面ボディー感がなく、生地とフィリング材とを別々に食べているような一体感のないドーナツ、惣菜パンなどになってしまう問題があった。生地中に後充填すると、フィリング・トッピング材の水分が多いことから、充填後時間とともに離水が起こりやすくなるため、パンとフィリングとの界面が水分でべとべとになってしまい、結果として菌数が増大する恐れがあり衛生的にも大きな問題となっていた。
【0003】
こうした問題を解決すべく、これまで数々の報告がなされてきた。例えば、澱粉と熱可逆性ゲルによってゲル化している水中油型乳化油脂組成物を含有する製パン焼き込みフィリングクリーム(特許文献1)や、機械耐性を有するロールイン用フィリング(特許文献2)などが報告されている。しかし、これらの方法では、生地とフィリング材との一体感や、生地への離水の問題が依然として残っており、改善の余地がある。
【特許文献1】特開平2004−73120号公報
【特許文献2】特開平07−184528号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、コクがあってフレッシュな風味を持ち、滑らかで口溶けが良く、ボディー感のある衛生的にも優れたフィリング・トッピング材及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、レトルト加熱処理したフィリングベースと、乳化油脂組成物、一度加熱処理を施した具材などを添加、混合し、さらにボイル加熱殺菌することにより、クリーミーで、かつボディー感のあるフィリング・トッピング材が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明の第一は、フィリングベース、水中油型乳化油脂組成物、具材を含有するフィリング・トッピング材であって、水中油型乳化油脂組成物中の油脂の含有量が、水中油型乳化油脂組成物全体中40〜80重量%であることを特徴とするフィリング・トッピング材に関する。好ましい実施態様は、水中油型乳化油脂組成物の油滴径が、0.5〜3.0μmであることを特徴とする上記記載のフィリング・トッピング材に関する。より好ましくは水中油型乳化油脂組成物が、酸性水中油型乳化油脂組成物であることを特徴とする上記記載のフィリング・トッピング材に関する。本発明の第二は、上記記載のフィリング・トッピング材の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明で製造されたフィリング・トッピング材は、コクがあってフレッシュな風味を持ち、ボディー感はあるが滑らかで口溶けの良い、生地と一体感のある、衛生的にも優れたフィリング・トッピング材が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明にいうとは、主としてフライや焼成により製造されるドーナツや惣菜パンにおいて生地に載せたり挟んだりして用いられるもので、生地中に先に包餡してフライや焼成を行う包餡用のフィリング・トッピング材や、生地をフライや焼成した後、その内部に充填されることを特徴とする、いわゆる後充填用途としてのフィリング・トッピング材がある。そして前記フィリング・トッピング材は、フィリングベース、水中油型乳化油脂組成物、具材を主に含有し、さらに必要に応じて小麦粉、小麦澱粉、コーンスターチなどの穀物粉体類、黒コショウ、ガーリック、唐辛子、クミン、カレー粉などの香辛料類、ブイヨン、食塩、シーズニング等の粉体調味料、ウスターソース、醤油、トマトケチャップ等の液体調味料、牛脂、ラード、サラダ油などの油脂類、マヨネーズ、ごぼう、人参、じゃがいも、タマネギ、コーン等の野菜類、水飴、オリゴ糖、還元澱粉糖化合物の糖類、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸カルシウム等の塩類、酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸等の有機酸類、全卵液、卵黄粉末等の卵製品、水、保存料、着色料、香料などが必要に応じて適宜添加される。
【0009】
本発明にいうフィリングベースとは、フィリング・トッピング材を製造するためのベースとなるもので、小麦粉と油脂からなるルウ、及び、必要に応じて小麦粉、コーンスターチ、馬澱などの澱粉を、香辛料、調味料や水とともに混合して加熱調理を行い、得られるものである。前記フィリングベースは、例えば以下のような製造方法で作ることができる。即ち、小麦粉と油脂からなるホワイトルウを40〜80℃で加熱して軟らかくした後、カレー粉などの香辛料、ブイヨン等の粉体調味料、ウスターソース等の液体調味料、水を加えてのばし、十分混合した後、これをレトルトパウチ袋に適量充填し、100〜130℃、20〜30分間レトルト加熱処理を行った後、冷却して得られる。
【0010】
本発明で用いられる水中油型乳化油脂組成物は、主に油脂を含有してなる油相部と主に水を含有してなる水相部からなり、酸性、中性どちらでも良いが、水中油型乳化油脂組成物を酸性にすることで、pHが下がり、日持ち安定性が向上するだけでなく、フィリング・トッピング材に酸味が加わることで、引き締まった風味が得られる。水中油型乳化油脂組成物中の油脂の含有量は、水中油型乳化油脂組成物全体中40〜80重量%であることが好ましい。より好ましくは50〜75重量%、さらに好ましくは60〜75重量%である。また、水中油型乳化油脂組成物のフィリング・トッピング材への添加量は、フィリング・トッピング材全体中1〜15重量%が好ましく、より好ましくは2.0〜7.5重量%である。
【0011】
本発明の水中油型乳化油脂組成物の油滴径は0.5〜3.0μmが好ましく、より好ましくは0.5〜1.0μmである。3.0μmより大きいと、ボディー感が低下したり、とろっとした滑らかな食感が得られなくなる場合がある。また0.5μmより小さいと、製造できない場合がある。本発明の水中油型乳化油脂組成物の油滴径は、体積基準平均粒径のことであり、粒度分布計、例えばマイクロトラックFRA(日機装(株)社製)を用いて光学的な測定することができ、粒度分布計で測定した時の体積粒径のメジアン径を意味する。
【0012】
本発明の水中油型乳化油脂組成物の油相部に含有する油脂とは、食用油脂であればその種類に特に限定はなく、あまに油、桐油、サフラワー油、かや油、胡桃油、芥子油、向日葵油、綿実油、菜種油、大豆油、辛子油、カポック油、米糠油、胡麻油、玉蜀黍油、落花生油、オリーブ油、椿油、茶油、ひまし油、椰子油、パーム油、パーム核油、カカオ脂、シア脂、ボルネオ脂等の植物油脂や、魚油、鯨油、牛脂、豚脂、乳脂、羊脂等の動物油脂、またこれらの油脂を原料にエステル交換したものや、硬化油、分別油、混合油が挙げられ、これら油脂の群から選択される少なくとも1種を用いることができる。
【0013】
一方、水中油型乳化油脂組成物の水相部については主として水を含有し、必要に応じて食酢、増粘剤、食塩、糖類、卵液、乳化剤、その他呈味剤から構成されていて、水分含量は、水中油型乳化油脂組成物全体中20〜60重量%が好ましい。食酢は、原料を含め特に限定はなく、例えば米や麦を原料とする穀物酢、りんごやぶどう等を原料とする果物酢などを例示することができる。増粘剤の種類は特に限定しないが、コムギ、コメ、モチコメ、トウモロコシ、モチトウモロコシ、オオムギ、サトイモ、リョクトウ、馬鈴薯、ユリ、カタクリ、チューリップ、カンナ、アミロトウモロコシ、シワエンドウ、クリ、クズ、ヤマノイモ、甘藷、ソラマメ、インゲンマメ、タピオカなどに由来の澱粉を用いる事ができる。呈味材を添加する事もでき、特にその種類の制約を受けないが、例えば、砂糖、水飴、ブドウ糖果糖液糖、ソルビトール、トレハロースなどの糖類、食塩、しょうゆ、ウスターソース、トンカツソース、ケチャップ、レモン、かぼす、ゆず、りんご、オレンジなどの果汁、またピクルス、コーン、たまねぎなどの固形の食材などが挙げられる。本発明に用いることができる乳化剤としては食用であれば特に制限されず、通常水中油型乳化油脂組成物に使用される乳化剤であれば良く、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等が少なくとも1種用いられる。
【0014】
本発明で用いる水中油型乳化油脂組成物の製造方法は、例えば、水に食酢、増粘剤、食塩、糖類、食酢や食塩や糖類以外の呈味剤を加えて攪拌した後、卵液を添加して攪拌し、さらに油脂を添加しながらホモミキサー等で予備乳化を実施後、コロイドミルで仕上げ乳化を実施する。
【0015】
本発明のフィリング・トッピング材に用いられる具材とは、肉類、たまねぎ、にんじん、じゃがいも、トマトなどの野菜類、チーズ製品、植物性蛋白、アーモンドや落花生などの種実類などが挙げられるが、食用であれば特に何ら限定されず使用することができる。ただし、調理感を出すためには、フィリングベースや水中油型乳化油脂組成物と混合して加熱殺菌する前に、あらかじめ前処理をしておくことが好ましい。具材に対する前処理は、例えば肉類に対しては耐熱性ポリエチレンラミネートの袋に詰め、70〜95℃で50〜80分間加熱処理を行う。野菜類に対してはカット後、例えば60〜100℃になるまで加熱した1%の食塩水に漬けた状態で2〜60分間静置した後、真空冷却機で冷却処理を行えばよい。
【0016】
本発明にかかるフィリング・トッピング材の製造方法として、特に限定はないが、例えば、以下の製造方法が挙げられる。具材について、肉類は耐熱性ポリエチレンラミネートの袋に詰め、70〜95℃で50〜80分間の処理を行う。たまねぎ、にんじんなどの野菜はカット後1%の食塩水で60〜100℃に加熱し、真空冷却機で冷却する。次に、前処理を行った肉類、野菜類を釜に投入し、本発明の水中油型乳化油脂組成物、カレー粉などの香辛料類や塩などの粉体調味料類を加えよく混ぜる。さらに、フィリングベース、水、澱粉素材を加え混合する。これを耐熱性ポリエチレンラミネートに充填し、70〜95℃で50〜80分間のボイル加熱殺菌後冷却し、本発明のフィリング・トッピング材を得る。
【0017】
このようにして得られたフィリング・トッピング材をB型粘度計式BH(東機産業(株)社製で、No.7ローター、20rpmで2回転後に測定を行った。後充填用途としては、粘度が2〜50Pa・s、包餡用途としては30〜150Pa・sであれば大きな効果が得られる。包餡用、後充填用途の何れとしても使用できるが、本発明の効果はフィリング・トッピング材の粘度が低い程効果が大きいため、包餡用よりも後充填用途の方が好適である。また、該フィリング・トッピング材を包餡用として用いる場合には、澱粉素材等を加えることが好ましい。本発明のフィリング・トッピング材の具体的用途としては、特に、カレーパンに用いられるペースト状カレーや、ビーフシチュー風味の調理パンに好適である。
【0018】
本発明のフィリング・トッピング材において、フィリングベースについては他材料との混合前にあらかじめレトルト処理をするため、十分加熱が行われていることから、調理感が得られる。一方、一度加熱処理を施した具材については、フィリングベースや水中油型乳化油脂組成物と混合後にボイル殺菌処理を行いレトルト処理を行わないため、さほど強い熱がかからず、具材の食感や香りがフレッシュな状態で保持される。さらに、水中油型乳化油脂組成物を添加することで、乳化によって安定化された水分が組成物中に加えられることになるため、みかけの粘度は低いがボディー感があり、滑らかで口溶けの良いフィリング・トッピング材が得られる。また、フィリングから生地への水分移行が少なく、生地とフィリングが一体感のあるフィリング・トッピング材となる。
【実施例】
【0019】
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
【0020】
<フィリング・トッピング材のベタツキ目視評価>
実施例1〜6及び比較例1、2で得たフィリング・トッピング材15重量部を常法で作製したパン生地に絞り、20℃で48時間保存した後、ベタツキ感という観点で生地側の目視評価を10名の熟練したパネラーにより5点満点で行い、その平均値をとった。官能評価の基準は、5点:生地がベトベトしていない。4点:生地に水分の移行が見られるが、生地はベトベトしていない。3点:生地に水分の移行がみられ、やや生地がベトベトしている。2点:生地に水分の移行がみられ、生地にねちゃつきがある。1点:生地に水分の移行がかなりみられ、生地がねちゃついている。
【0021】
<フィリング・トッピング材のベタツキ定量測定>
実施例1〜3及び比較例1で得たフィリング・トッピング材をデジタルフォースゲージ(シンポ工業株式会社製)にてベタツキの測定を行った。測定は繰り返し40回行い、その平均値を算出した。
【0022】
<フィリング・トッピング材の硬さ測定>
フィリング・トッピング材実施例8〜14及び比較例3で得たフィリング・トッピング材のレオナーにて測定した。測定条件は、測定容器高さ20mm、圧縮距離6mm、プランジャーの直径16mmで各水準4回ずつ測定し、その平均値をとった。
【0023】
<フィリング・トッピング材の官能評価>
実施例1〜14及び比較例1〜3で得たフィリング・トッピング材について、食感という観点で熟練のパネラー10名により、フィリング作成24時間後冷蔵保存後、官能評価を実施した。10点満点で評価を行い、10名の平均値を算出した。食感の評価基準については以下の通りである。10点:とろっとしているが、ボディー感がしっかりある食感、7点:柔らかく、ボディー感がある食感、5点:柔らかいが、ボディー感があまりない、3点:柔らかく、食感がねちゃつく(糊のような食感)、0点:糊のような食感。
<水中油型乳化油脂組成物の油滴径の測定方法>
マイクロトラックFRA(日機装(株)社製)を用いて、100mlのビーカー中に約1gをサンプリングし、水80gを入れてマグネチックスターラーで1000rpmの回転で10分間攪拌したものを、粒度分布系を用いて測定した。
(製造例1) 水中油型乳化油脂組成物1の作製
表1に示した配合により、食酢、増粘剤、食塩、糖類で水相部を調製後、卵液を添加し、さらに油脂を添加しながらホモミキサー等で予備乳化を実施後、クリアミックスCLM1.5S(エム・テクニック株式会社製)で、ローター:R2、スクリーン:S1.5−24、流量:500g/分、圧力:0.35MPa、回転数:21000rpmの条件で仕上げ乳化を実施し、酸性の水中油型乳化油脂組成物1を得た。油滴径を測定した結果、0.5μmであった。
【0024】
【表1】

(製造例2) 水中油型乳化油脂組成物2の作製
クリアミックスの回転数を14000rpmにした以外は、製造例1と同様にして酸性の水中油型乳化油脂組成物2を得た。油滴径を測定した結果、1.5μmであった。
【0025】
(製造例3) 水中油型乳化油脂組成物3の作製
クリアミックスの回転数を7000rpmにした以外は、製造例1と同様にして酸性の水中油型乳化油脂組成物3を得た。油滴径を測定した結果、3.0μmであった。
【0026】
(製造例4) 水中油型乳化油脂組成物4の作製
油脂の配合量とクリアミックスの回転数を14000rpmにした以外は、製造例1と同様にして酸性の水中油型乳化油脂組成物4を得た。油滴径を測定した結果、1.5μmであった。
【0027】
(製造例5) 水中油型乳化油脂組成物5の作製
油脂の配合量とクリアミックスの回転数を14000rpmにした以外は、製造例1と同様にして酸性の水中油型乳化油脂組成物5を得た。油滴径を測定した結果、1.5μmであった。
【0028】
(製造例6) 水中油型乳化油脂組成物6の作製
増粘剤、食塩とで水相を調製後、乳清蛋白質を添加し、さらに油脂を添加しながらホモミキサー等で予備乳化を実施後、クリアミックスCLM1.5S(エム・テクニック株式会社製)で、ローター:R2、スクリーン:S1.5−24、流量:500g/分、圧力:0.35MPa、回転数:14000rpmの条件で仕上げ乳化を実施し、中性の水中油型乳化油脂組成物6を得た油滴径を測定した結果、1.5μmであった。
【0029】
(製造例7) フィリングベース1の作製
表2に示した配合によりフィリングベースはホワイトルウを60℃で加熱して軟らかくし、カレー粉、香辛料、ブイヨン、ウスターソース、りんご加工品、ケチャップ、水を加え十分混合し、これをレトルトパウチに充填し、121℃で30分間レトルト加熱処理した後に冷却し、フィリングベース1を得た。
【0030】
【表2】

(製造例8) フィリングベース2の作製
表2に示した配合により、ホワイトルウを60℃で加熱して軟らかくし、カレー粉、香辛料、ブイヨン、赤ワイン、ウスターソース、トマト加工品、水を加え十分混合し、これをレトルトパウチに充填し、121℃、20分間レトルト加熱処理後に冷却し、フィリングベース2を得た。
【0031】
(実施例1) フィリング・トッピング材1の作製
表3に示す配合により、肉は耐熱性ポリエチレンラミネートの袋に詰め、80℃で60分間のボイル加熱殺菌処理を行った。タマネギ、ニンジンなどの野菜は、80℃に加熱した1%の食塩水に5分間浸漬し、真空冷却機で冷却した。水中油型乳化油脂1とフィリングベース1、肉、ニンジン、タマネギを釜にいれ、塩などの粉体を加えよく混ぜた。そこへさらに水、澱粉素材を加え混合した。これを耐熱性ポリエチレンラミネートに充填し、85℃で60分間のボイル加熱殺菌をした後冷却し、フィリング・トッピング材1を得た。
【0032】
【表3】

(実施例2) フィリング・トッピング材2の作製
実施例1の水中油型乳化油脂組成物1を水中油型乳化組成物2に変更した以外は、実施例1と同様にしてフィリング・トッピング材2を得た。
【0033】
(実施例3) フィリング・トッピング材3の作製
実施例1の水中油型乳化油脂組成物1を水中油型乳化組成物3に変更した以外は、実施例1と同様にしてフィリング・トッピング材3を得た。
【0034】
(実施例4) フィリング・トッピング材4の作製
実施例1の水中油型乳化油脂組成物1を水中油型乳化組成物6に変更した以外は、実施例1と同様にしてフィリング・トッピング材4を得た。
【0035】
(比較例1) フィリング・トッピング材5の作製
実施例1において水中油型乳化油脂組成物1を入れないこと以外は、実施例1と同様にしてフィリング・トッピング材5を得た。
【0036】
(実施例5) フィリング・トッピング材6の作製
表4に示す配合により、肉は耐熱性ポリエチレンラミネートの袋に詰め、80℃で60分間のボイル加熱殺菌処理を行った。タマネギ、ニンジンなどの野菜は、80℃に加熱した1%の食塩水に5分間浸漬し、真空冷却機で冷却した。水中油型乳化油脂2とフィリングベース2、肉、ニンジン、タマネギを釜にいれ、塩などの粉体を加えよく混ぜた。水、澱粉素材を加え混合した。これを耐熱性ポリエチレンラミネートに充填し、85℃で60分間のボイル加熱殺菌をした後冷却し、フィリング・トッピング材6を得た。
【0037】
【表4】

(実施例6) フィリング・トッピング材7の作製
実施例5の水中油型乳化油脂組成物2を水中型乳化組成物4に変更した以外は、実施例5と同様にしてフィリング・トッピング材7を得た。
【0038】
(実施例7) フィリング・トッピング材8の作製
実施例5の水中油型乳化油脂組成物2を水中型乳化組成物5に変更した以外は、実施例5と同様にしてフィリング・トッピング材8を得た。
【0039】
(比較例2) フィリング・トッピング材9の作製
実施例5において水中油型乳化油脂組成物2を添加しないこと以外は、実施例5と同様にしてフィリング・トッピング材9を得た。
【0040】
(実施例8) フィリング・トッピング材10の作製
表5に示す配合により、肉は耐熱性ポリエチレンラミネートの袋に詰め、80℃で60分間のボイル加熱殺菌処理を行った。タマネギ、ニンジンなどの野菜は、80℃に加熱した1%の食塩水に5分間浸漬し、真空冷却機で冷却した。水中油型乳化油脂組成物2とフィリングベース1、肉、ニンジン、タマネギを釜にいれ、塩などの粉体を加えよく混ぜた。水、澱粉素材を加え混合した。これを耐熱性ポリエチレンラミネートに充填し、85℃で60分間のボイル加熱殺菌をした後冷却し、フィリング・トッピング材10を得た。
【0041】
【表5】

(実施例9) フィリング・トッピング材11の作製
実施例8の水中油型乳化油脂組成物2の添加量を2.5%に変更した以外は、実施例8と同様にしてフィリング・トッピング材11を得た。
【0042】
(実施例10) フィリング・トッピング材12の作製
実施例8の水中油型乳化油脂組成物2の添加量を5.0%に変更した以外は、実施例8と同様にしてフィリング・トッピング材12を得た。
【0043】
(実施例11) フィリング・トッピング材13の作製
実施例8の水中油型乳化油脂組成物2の添加量を7.5%に変更した以外は、実施例8と同様にしてフィリング・トッピング材13を得た。
【0044】
(実施例12) フィリング・トッピング材14の作製
実施例8の水中油型乳化油脂組成物2の添加量を10.0%に変更した以外は、実施例8と同様にしてフィリング・トッピング材14を得た。
【0045】
(実施例13) フィリング・トッピング材15の作製
実施例8の水中油型乳化油脂組成物2の添加量を12.5%に変更した以外は、実施例8と同様にしてフィリング・トッピング15材を得た。
【0046】
(実施例14) フィリング・トッピング材16の作製
実施例8の水中油型乳化油脂組成物2の添加量を15.0%に変更した以外は、実施例8と同様にしてフィリング・トッピング材16を得た。
【0047】
(比較例3) フィリング・トッピング材17の作製
実施例8において水中油型乳化油脂組成物2を添加しないこと以外は、実施例8と同様にしてフィリング・トッピング材17を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィリングベース、水中油型乳化油脂組成物、具材を含有するフィリング・トッピング材であって、水中油型乳化油脂組成物中の油脂の含有量が、水中油型乳化油脂組成物全体中40〜80重量%であることを特徴とするフィリング・トッピング材。
【請求項2】
水中油型乳化油脂組成物の油滴径が、0.5〜3.0μmであることを特徴とする請求項1に記載のフィリング・トッピング材。
【請求項3】
水中油型乳化油脂組成物が、酸性水中油型乳化油脂組成物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィリング・トッピング材。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載のフィリング・トッピング材の製造方法。