説明

フィルタおよび同フィルタを備えた空気調和機

【課題】網体の一部に縒れが生じても拡がらずに所定の範囲内に限定できるようにしたフィルタおよび同フィルタを備えた空気調和機を提供する。
【解決手段】枠体51と、同枠体51内に張設される網体52とからなるフィルタ5において、前記網体52は、表面に熱溶着層を備えていない一方の非溶着糸521および表面に熱溶着層を備えた一方の溶着糸531と、表面に熱溶着層を備えた他方の溶着糸532とを織り込んで形成され、前記一方の溶着糸531および前記他方の溶着糸532の交差部が熱溶着されてなる構成にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタおよび同フィルタを備えた空気調和機に関わり、より詳細には、コストダウンを図るとともに、網体の一部に縒れが生じても拡がらず所定の範囲内に限定できるようにした構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の空気調和機に用いられるフィルタとして、図示はしないが、塵埃を捕捉する網体が樹脂繊維からなる縦糸と横糸とを平織りして形成されたものがある。この構成によって、捕捉された塵埃が網体に絡まりにくくすることができ、吸引ノズルにて容易に塵埃を除去することが可能であった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上述したフィルタは、網体が糸径100μm以下の縦糸と横糸とを平織して形成されているので、空気の流れを妨げないように圧力損失は小さくできるが、空気中の塵埃を捕捉する能力は低くなる。このような問題点を解決するために、図4に示すような枠体101と、この枠体101内に張設され縦糸と横糸とが織り込まれた網体102とからなるフィルタ100が開示されている。このフィルタ100は、網体102が高密度に目付けされることで空気中の塵埃を捕捉する能力に優れており、また、糸径100μm以下の樹脂繊維を用いることで圧力損失の増加を抑制できるようにしている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
フィルタ100の網体102は、表面に熱溶着層を備えた樹脂繊維からなる縦糸と横糸とが平織りされたのちに熱溶着されているが、表面に熱溶着層を備えた縦糸と横糸とが高価であるためコスト高になってしまうという問題点を有していた。
【0005】
また、フィルタ100の網体102は、縦糸と横糸の表面に熱溶着層を備えず熱溶着をしないことでコストダウンできるが、溶着しないと縦糸と横糸とに縒れが生じてしまう虞がある。この縒れが広範囲に拡がってしまうと、網体102の網目が不揃いになって塵埃を捕捉する能力が低下してしまうという問題点を有していた。
【0006】
そのため、塵埃を捕捉する能力が低下したフィルタ100が空気調和機に用いられた場合、フィルタ100の風下側となる空気通路や、この空気通路に設置された熱交換器や送風ファン等(何れも図示せず)に汚れが付着してしまうという問題点があり、また、フィルタ100で捕捉できなかった塵埃の一部が、吹出空気といっしょに被空調室に吹き出されてしまう虞があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−122871号公報
【特許文献2】特開2008−116089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑み、コストダウンを図るとともに、網体の一部に縒れが生じても拡がらず所定の範囲内に限定できるようにしたフィルタおよび同フィルタを備えた空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成できるように構成するため、本発明は以下に示す特徴を備えている。
【0010】
枠体と、同枠体内に張設される網体とからなるフィルタにおいて、
前記網体は、表面に熱溶着層を備えた一方の溶着糸と、表面に熱溶着層を備えていない他方の非溶着糸および表面に熱溶着層を備えた他方の溶着糸とを織り込んで形成され、
前記一方の溶着糸および前記他方の溶着糸の交差部が熱溶着されてなることを特徴としている。
【0011】
また、枠体と、同枠体内に張設される網体とからなるフィルタにおいて、
前記網体は、表面に熱溶着層を備えていない一方の非溶着糸および表面に熱溶着層を備えた一方の溶着糸と、表面に熱溶着層を備えていない他方の非溶着糸および表面に熱溶着層を備えた他方の溶着糸とを織り込んで形成され、
前記一方の溶着糸および前記他方の溶着糸の交差部が熱溶着されてなることを特徴としている。
【0012】
また、前記非溶着糸がポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)繊維からなり、前記溶着糸がポリプロピレン(PP樹脂)繊維からなることを特徴としている。
【0013】
また、前記フィルタを備えたことを特徴とする空気調和機としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、網体は、表面に熱溶着層を備えた一方の溶着糸と、表面に熱溶着層を備えていない他方の非溶着糸および表面に熱溶着層を備えた他方の溶着糸とを織り込んで形成され、一方の溶着糸および他方の溶着糸の交差部が熱溶着されている。そのため、網体は表面に熱溶着層を備えた高価な溶着糸で全域が形成されないので、例えば、網体の全域が熱溶着層を表面に備えた溶着糸が織り込まれ、且つ熱溶着されることで形成された構成に較べて、コストダウンを図れるようにしたフィルタになる。また、熱溶着されていない他方の非溶着糸に縒れが生じても互いに熱溶着された一方の溶着糸と他方の溶着糸とで区画される範囲内に限定できるようになり、他方の非溶着糸の縒れを最小限に留めて塵埃を捕捉する能力を低下させないようにしたフィルタとなる。
【0015】
請求項2の発明によれば、網体は、表面に熱溶着層を備えていない一方の非溶着糸および表面に熱溶着層を備えた一方の溶着糸と、表面に熱溶着層を備えていない他方の非溶着糸および表面に熱溶着層を備えた他方の溶着糸とを織り込んで形成され、一方の溶着糸および他方の溶着糸の交差部が熱溶着されている。そのため、網体は表面に熱溶着層を備えた高価な溶着糸で全域が形成されないので、例えば、網体の全域が熱溶着層を表面に備えた溶着糸が織り込まれ、且つ熱溶着されることで形成された構成に較べてコストダウンを図れ、また、請求項1の発明よりも高価な溶着糸を減らすことで更にコストダウンを図れるようにしたフィルタになる。また、互いに熱溶着されていない一方の非溶着糸と他方の非溶着糸とに縒れが生じても互いに熱溶着された一方の溶着糸と他方の溶着糸とで区画される範囲内に限定できるようになり、一方の非溶着糸と他方の非溶着糸との縒れを最小限に留めて塵埃を捕捉する能力を低下させないようにしたフィルタとなる。
【0016】
請求項3の発明によれば、一方の溶着糸および他方の溶着糸がポリプロピレン(PP樹脂)繊維からなり、一方の非溶着糸および他方の非溶着糸がポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)繊維からなる構成にしている。これにより、一方の溶着糸および他方の溶着糸は、ポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)繊維からなる場合に較べて廉価な構成になる。また、一方の非溶着糸および他方の非溶着糸は、ポリプロピレン(PP樹脂)繊維よりも強度の高いポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)繊維を使用するので、一方の溶着糸および他方の溶着糸よりも細い糸径にして同等の強度を維持するように形成できるため、圧力損失の増加を抑えて塵埃を捕捉する能力を高めることができるようになる。
【0017】
請求項4の発明によれば、空気調和機にコストダウンを図り塵埃を捕捉する能力を低下させないフィルタを備えた構成になる。これにより、空気調和機のコストダウンに寄与できて、前面吸込口および上面吸込口と吹出口とを結ぶ空気通路や、この空気通路に配置された熱交換器や送風ファン等に汚れを付着させることがなく、また、塵埃の一部が吹出口から吹出空気といっしょに被空調室に吹き出される虞がない空気調和機となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明によるフィルタを備えた空気調和機の断面図である。
【図2】本発明によるフィルタの説明図で、(A)はフィルタの外観斜視図であり、(B)はフィルタを構成する網体の外観斜視図である。
【図3】本発明によるフィルタの説明図で、(A)はフィルタの正面図であり、(B)は図3(A)に示すF部の一例を示す拡大図であり、(C)はF部の他の例を示す拡大図である。
【図4】従来例によるフィルタの外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいた実施例として詳細に説明する。
【0020】
本発明によるフィルタ5を備えた空気調和機1は、図1に示す断面図のように、前面に前面吸込口2を設けるとともに、前面上部に上面吸込口3を設け、前面下部に吹出口4を設けている。
【0021】
吹出口4の側方には、図示はしないが、複数のLED等からなる表示部と、リモートコントローラからの信号を受信する受信部とが設けられている。また、吹出口4には複数の左右風向板8と、上下風向板9とが設けられ、この上下風向板9は運転停止時に吹出口4を閉塞するようになっている。
【0022】
前面吸込口2および上面吸込口3と、吹出口4とを結ぶ空気通路には、前面吸込口2および上面吸込口3から吸込まれた空気中に含まれる塵埃を捕捉するフィルタ5と、等間隔で平行に並べられた多数のフィンとこれに直交する伝熱管とからなり、前方上部熱交換器6aと前方下部熱交換器6bと後方上部熱交換器6cとで構成された逆V字状の熱交換器6と、熱交換器6を構成する伝熱管内を流れる冷媒と熱交換された空気を吹出口4から被空調室に吹き出す送風ファン7とが設けられている。
【0023】
また、前方下部熱交換器6bの下方には、前方上部熱交換器6aおよび前方下部熱交換器6bから滴下する凝縮水を受ける前部露受皿10が設けられ、後方上部熱交換器6cの下方には、後方上部熱交換器6cから滴下する凝縮水を受ける後部露受皿11が設けられている。
【0024】
フィルタ5は、図2(A)に示すように、合成樹脂による枠体51と、枠体51内を左右方向に区切る縦リブ511および上下方向に区切る横リブ512と、これら枠体51と、縦リブ511および横リブ512とで支持される図2(B)に示すような網体52とで構成されている。
【0025】
上述したフィルタ5は、図1に示すように、空気調和機1の前面吸込口2および上面吸込口3と、吹出口4とを結ぶ空気通路に設置されることで、前面吸込口2および上面吸込口3から吸い込まれた空気中に含まれている塵埃を網体52によって捕捉し、吹出口4から被空調室へ吹き出される吹出空気の清浄化を図るようにしている。
【0026】
フィルタ5を構成する枠体51は、例えば、ポリプロピレン(PP樹脂)からなる柔軟性を有する樹脂材によって、縦リブ511および横リブ512とともに一体成形されており、枠体51の内側は、図2(A)および図3(A)に示すように、複数の縦リブ511および複数の横リブ512で格子状になっている。
【0027】
フィルタ5を構成する網体52は、図2(B)と、図3(A)乃至図3(C)とに示すように、枠体51と、複数の縦リブ511および複数の横リブ512とで支持されることで、左右方向および上下方向に区切られるように張設された構成になっている。
【0028】
網体52は、一例として図3(B)に示すように、表面に熱溶着層を備えた一方の溶着糸(溶着縦糸)531と、表面に熱溶着層を備えていない他方の非溶着糸(横糸)522および表面に熱溶着層を備えた他方の溶着糸(溶着横糸)532とを織り込んで形成され、一方の溶着糸(溶着縦糸)531および他方の溶着糸(溶着横糸)532の交差部が熱溶着されている。
【0029】
これにより、例えば、網体52が熱溶着層を表面に備えた一方の溶着糸531および他方の溶着糸532が織り込まれ、且つ、これら一方の溶着糸531および他方の溶着糸532の交差部が熱溶着されることで形成された構成に較べて、網体52の一部に、表面に熱溶着層を備えていない他方の非溶着糸522からなる廉価な横糸が用いられることで、コストダウンを図れるようにしたフィルタ5となる。
【0030】
また、熱溶着されていない他方の非溶着糸522に縒れが生じても互いに熱溶着された一方の溶着糸531と他方の溶着糸532とで区画される範囲内に限定できるようになり、他方の非溶着糸522の縒れを最小限に留めて塵埃を捕捉する能力を低下させないようにしたフィルタ5となる。
【0031】
または、他の例として図3(C)に示すように、表面に熱溶着層を備えていない一方の非溶着糸(縦糸)521および表面に熱溶着層を備えた一方の溶着糸(溶着縦糸)531と、表面に熱溶着層を備えていない他方の非溶着糸(横糸)522および表面に熱溶着層を備えた他方の溶着糸(溶着横糸)532とを織り込んで形成され、一方の溶着糸(溶着縦糸)531および他方の溶着糸(溶着横糸)532の交差部が熱溶着された構成にしてもよい。
【0032】
これにより、例えば、網体52が、熱溶着層を表面に備えていない一方の非溶着糸521および熱溶着層を表面に備えた一方の溶着糸531と、熱溶着層を表面に備えていない他方の非溶着糸522および熱溶着層を表面に備えた他方の溶着糸532とが織り込まれ、且つ、これら一方の溶着糸531および他方の溶着糸532の交差部が熱溶着されることで形成された図3(B)に示す構成に較べて、網体52は表面に熱溶着層を備えた高価な一方の溶着糸531を減らすことで、更にコストダウンを図れるようにしたフィルタ5となる。
【0033】
また、互いに熱溶着されていない一方の非溶着糸521と他方の非溶着糸522とに縒れが生じても互いに熱溶着された一方の溶着糸531と他方の溶着糸532とで区画される範囲内に限定できるようになり、一方の非溶着糸521と他方の非溶着糸522との縒れを最小限に留めて塵埃を捕捉する能力を低下させないようにしたフィルタ5となる。
【0034】
フィルタ5は、射出成形される際、金型内に網体52をセットして閉じた金型に流入した溶融樹脂が固化することにより、網体52が、所謂インサート成形によって図2(A)に示すように枠体51に接合される。
【0035】
網体52は、一方の非溶着糸521および他方の非溶着糸522が、例えば、表面に熱溶着層を備えていないポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)繊維からなり、一方の溶着糸531および他方の溶着糸532が、ポリプロピレン(PP樹脂)繊維からなる構成にすることで、網体52の全域が、表面に熱溶着層を備えて互いに溶着された一方の溶着糸521および他方の溶着糸522からなる構成に較べてコストダウンを図れることになる。
【0036】
また、一方の非溶着糸521および他方の非溶着糸522は、ポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)繊維からなる構成にしたことで、ポリプロピレン(PP樹脂)繊維からなる場合に較べて強度に優るため、糸径を細く形成することで網体52の開口面積を増加させて圧力損失を低減できる。
【0037】
また、一方の溶着糸531および他方の溶着糸532は、ポリプロピレン(PP樹脂)繊維からなる構成にしたことで、ポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)繊維からなる場合に較べて廉価な素材で形成できるためコストダウンに寄与できる。その場合、一方の溶着糸531および他方の溶着糸532は、ポリプロピレン(PP樹脂)繊維の糸径を太くすることで強度を増強すればよい。
【0038】
なお、一方の非溶着糸521および他方の非溶着糸522が、ポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)繊維からなり、一方の溶着糸531および他方の溶着糸532が、ポリプロピレン(PP樹脂)繊維からなる構成に限ることなく、一方の非溶着糸521および他方の非溶着糸522と、一方の溶着糸531および他方の溶着糸532とは、何れも他の素材によって形成される構成にしてもよい。
【0039】
また、網体52の網目は、図3(B)に示すように、糸径aによる一方の溶着糸531の(横方向の)間隔をAとし、糸径bによる他方の非溶着糸522および糸径dによる他方の溶着糸532の(縦方向の)間隔をBとした時、AとBとが同等になるように編み込まれている。なお、図3(B)において、一方の溶着糸531の太さを糸径aとし、他方の非溶着糸522の太さを糸径bとし、他方の溶着糸532の太さを糸径dとしている。
【0040】
また、網体52の網目は、図3(C)に示すように、糸径aによる一方の非溶着糸521および一方の溶着糸531の(横方向の)間隔をAとし、糸径bによる他方の非溶着糸522および他方の溶着糸532の(縦方向の)間隔をBとした時、AとBとが同等になるように編み込まれている。なお、図3(C)において、一方の非溶着糸521の太さを糸径aとし、一方の溶着糸531の太さを糸径cとし、他方の非溶着糸522の太さを糸径bとし、他方の溶着糸532の太さを糸径dとしている。
【0041】
熱溶着されていない一方の非溶着糸521に外力が加わって縒れが生じた場合、この一方の非溶着糸521の縒れは、一方の溶着糸531の間、または、一方の溶着糸531と縦リブ511との間を超えた範囲に拡がってしまうことがない。また、熱溶着されていない他方の非溶着糸522に外力が加わって縒れが生じた場合、この他方の非溶着糸522の縒れは、他方の溶着糸532の間、または、他方の溶着糸532と横リブ512との間を超えた範囲に拡がってしまうことがない。
【0042】
その際、網体52の一部をなす一方の溶着糸531および他方の溶着糸532にのみ熱溶着層を備え、且つ熱溶着がされているので、一方の非溶着糸521および他方の非溶着糸522の全部に熱溶着層を備え、且つ熱溶着される構成に較べて、網体52としてのコストを低減できることになる。
【0043】
以上説明したように、本発明の構成によれば、フィルタ5を構成する網体52は、表面に熱溶着層を備えていない一方の非溶着糸521および表面に熱溶着層を備えた一方の溶着糸531と、表面に熱溶着層を備えていない他方の非溶着糸522および表面に熱溶着層を備えた他方の溶着糸532とを織り込んで形成され、一方の溶着糸531および他方の溶着糸532の交差部が熱溶着されたことで、一方の非溶着糸521および他方の非溶着糸522を含む網体52の全域を溶着する構成に較べてコストダウンを図ることができる。また、溶着されていない一方の非溶着糸521および他方の非溶着糸522に縒れが生じても、互いに熱溶着された一方の溶着糸531と他方の溶着糸532とで区画される範囲内に限定できるようになり、一方の非溶着糸521と他方の非溶着糸522との縒れを最小限に留めて塵埃を捕捉する能力を低下させないようにしたフィルタ5となる。
【0044】
そのため、このフィルタ5が用いられることで、空気調和機のコストダウンに寄与できることになる。また、前面吸込口2および上面吸込口3と吹出口4とを結ぶ空気通路や、この空気通路に設けられた熱交換器6、送風ファン7、左右風向板8および上下風向板9等に汚れを付着させることがなくなり、また、塵埃を充分に捕捉できるので、塵埃の一部が吹出口4から吹出空気といっしょに被空調室に吹き出される虞がない空気調和機となる。
【符号の説明】
【0045】
1 空気調和機
2 前面吸込口
3 上面吸込口
4 吹出口
5 フィルタ
51 枠体
511 縦リブ
512 横リブ
52 網体
521 一方の非溶着糸(縦糸)
522 他方の非溶着糸(横糸)
531 一方の溶着糸(溶着縦糸)
532 他方の溶着糸(溶着横糸)
6 熱交換器
6a 前方上部熱交換器
6b 前方下部熱交換器
6c 後方上部熱交換器
7 送風ファン
8 左右風向板
9 上下風向板
10 前部露受皿
11 後部露受皿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体と、同枠体内に張設される網体とからなるフィルタにおいて、
前記網体は、表面に熱溶着層を備えた一方の溶着糸と、表面に熱溶着層を備えていない他方の非溶着糸および表面に熱溶着層を備えた他方の溶着糸とを織り込んで形成され、
前記一方の溶着糸および前記他方の溶着糸の交差部が熱溶着されてなることを特徴とするフィルタ。
【請求項2】
枠体と、同枠体内に張設される網体とからなるフィルタにおいて、
前記網体は、表面に熱溶着層を備えていない一方の非溶着糸および表面に熱溶着層を備えた一方の溶着糸と、表面に熱溶着層を備えていない他方の非溶着糸および表面に熱溶着層を備えた他方の溶着糸とを織り込んで形成され、
前記一方の溶着糸および前記他方の溶着糸の交差部が熱溶着されてなることを特徴とするフィルタ。
【請求項3】
前記非溶着糸がポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)繊維からなり、前記溶着糸がポリプロピレン(PP樹脂)繊維からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフィルタ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載のフィルタを備えたことを特徴とする空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−122622(P2012−122622A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−271093(P2010−271093)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(000006611)株式会社富士通ゼネラル (1,266)
【Fターム(参考)】