説明

フィルタカートリッジ

【課題】測定試料であるトナー等の帯電した粉体を吸引し、その粉体の電荷量や帯電量を測定する粉体電荷量測定器内に取り付けられるフィルタカートリッジに関し、外部の帯電した粉体の吸引操作が容易で操作性に優れ、また外部から使用済みか否かを確認することが可能なフィルタカートリッジを提供する。
【解決手段】フィルタカートリッジ4は、吸引方向Aに沿って延在する筒状の長尺部4a、長尺部4aの下流端の内径よりも大きく拡径された筒状の拡径部4bおよび長尺部4aよりも短い筒状の短尺部4cとを有している。フィルタカートリッジ4は、ポリプロピレン樹脂からなりそのほぼ全体が透光領域となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定試料であるトナー等の帯電した粉体を吸引し、その粉体の電荷量や帯電量を測定する粉体電荷量測定器内に取り付けられるフィルタカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の粉体電荷量測定器として、例えば特許文献1には、絶縁容器と、絶縁容器内に収納された導体容器を有し、この導体容器の内部にトナーを捕獲するフィルタを、導体容器の吸引ノズルを構成する吸気口部と排気口部とで挟み込んだ構造で、吸引ノズル内のトナーの電荷量を測定するトナー帯電量測定装置について記載されている。このトナー帯電量測定装置においては、分解してきれいに掃除した吸引ノズルにフィルタを組み込んだ状態で絶縁容器内にセットし、吸引ノズル内に吸引したトナーの電荷量を測定する。そして、絶縁容器から吸引ノズルを取り出し、トナーが入った吸引ノズルの重量を測定する。この測定した重量と予め測定していた吸引ノズル単体の重量との差分を測定した電荷量で除すと、トナーの単位重量当たりの帯電量を求めることができる。
【0003】
【特許文献1】特許第3567463号公報(図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の帯電量測定装置の導体容器においては、測定する度に導体容器内を清掃する必要があり、頻繁に測定を繰り返す場合においてはその清掃作業が非常に繁雑となる。この問題に対して、導体容器を清掃作業しなくてもよい使い捨ての導体容器にすることが考えられるが、使用済みの導体容器か否かを確認することができないと使用済みの導体容器を誤って再使用することがある。また、導体容器自体が非常に高価なため使い捨てにするには、導体容器内に合成樹脂などの絶縁容器を設けて大幅にコストをさげる必要がある。しかし、上記特許文献1においては、導体容器内に絶縁体を持ち込むことは帯電した物体を持ち込むことにもなり、またトナー等の吸引時において、吸引したトナーと絶縁物との間で摩擦帯電が生じて測定誤差につながると考えられていた。しかし、実際に確認したところそのような影響は無く、たとえ摩擦帯電によって電荷が発生していても、正及び負の等価な電荷がキャンセルされて実際の測定には影響を与えないとの新たな知見が得られた。
【0005】
そこで、本発明の目的は、外部の帯電した粉体の吸引操作が容易で操作性に優れ、また外部から使用済みか否かを確認することが可能なフィルタカートリッジを提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
本発明のフィルタカートリッジは、外部から吸引した粉体の電荷量を測定する粉体電荷量測定器内に取り付けられ、吸引された粉体を捕獲するフィルタが収納されたフィルタカートリッジであって、前記フィルタカートリッジが、合成樹脂からなるとともに、粉体を吸引する吸引方向に沿って延在した第1筒部と、前記フィルタを収納し前記第1筒部よりもその径が拡径された筒状の拡径部と、前記吸引方向に沿って延在し、前記吸引方向に関して前記第1筒部との間に前記拡径部を挟む第2筒部とを有している。そして、前記第1筒部、前記拡径部、及び、前記第2筒部の少なくともいずれかに透光領域が形成されている。
【0007】
これによると、粉体が吸引された使用済みのフィルタカートリッジか未使用のフィルタカートリッジかを透光領域から確認することが可能となる。そのため、使用済みフィルタカートリッジを誤って再使用するのを防ぐことができる。
【0008】
本発明において、前記透光領域が、前記吸引方向に関して前記拡径部の前記フィルタよりも上流に形成されていることが好ましい。これにより、透光領域からフィルタで捕獲された粉体を確認することが可能となる。そのため、使用済みフィルタカートリッジを再使用するのを確実に防ぐことが可能となる。
【0009】
また、本発明において、前記フィルタカートリッジが、半透明又は透明の合成樹脂からなり、フィルタカートリッジ全体に前記透光領域が形成されていることが好ましい。これにより、フィルタカートリッジが使用済みのものかどうかを容易に確認することができる。また、フィルタカートリッジが透明な場合は、フィルタの収納状態も確認することができる。
【0010】
また、本発明のフィルタカートリッジは、外部から吸引した粉体の電荷量を測定する粉体電荷量測定器内に取り付けられ、吸引された粉体を捕獲するフィルタが収納されたフィルタカートリッジであって、前記フィルタカートリッジが、合成樹脂からなるとともに、粉体を吸引する吸引方向に沿って延在した第1筒部と、前記フィルタを収納し前記第1筒部よりもその径が拡径された筒状の拡径部と、前記吸引方向に沿って延在し、前記吸引方向に関して前記第1筒部との間に前記拡径部を挟む第2筒部とを有しており、前記第1筒部が、前記吸引方向に関して前記拡径部よりも上流に配置されるとともに、前記拡径部の直径より長く且つ前記第2筒部よりも長尺に形成されており、前記第1筒部には、内径が前記吸引方向に沿って逓減する逓減領域と、その逓減領域の下流に形成されその内径が前記吸引方向に沿って逓増する逓増領域とが形成されていることが好ましい。これにより、外部の帯電した粉体の吸引操作が容易になると共に、長尺な第1筒部を製造するときに使用する金型を分割金型にすることが可能になる。そのため、フィルタカートリッジの製造コストを低下させることができる。
【0011】
また、本発明において、前記第2筒部には、内径が前記吸引方向に沿って逓増する逓増領域が形成されており、前記第2筒部の最も下流にある排気口が、前記第1筒部の最も上流にある吸引口よりもその径が大きいことが好ましい。これにより、吸引口からの吸引力を高めることが可能となる。
【0012】
また、本発明のフィルタカートリッジは、外部から吸引した粉体の電荷量を測定する粉体電荷量測定器内に取り付けられ、吸引された粉体を捕獲するフィルタが収納されたフィルタカートリッジであって、前記フィルタカートリッジが、合成樹脂からなるとともに、粉体を吸引する吸引方向に沿って延在した第1筒部と、前記フィルタを収納し前記第1筒部よりもその径が拡径された筒状の拡径部と、前記吸引方向に沿って延在し、前記吸引方向に関して前記第1筒部との間に前記拡径部を挟む第2筒部とを有しており、前記第1筒部の外周面には、その周方向に沿って互いに離隔して配置された複数の突起が形成されており、前記複数の突起は、前記第1筒部を前記粉体電荷量測定器の筐体内に挿入したときに、その先端が前記筐体と係合することが好ましい。これにより、筐体内からフィルタカートリッジを取り外すときに、筐体からフィルタカートリッジが抜け落ちにくくなる。そのため、フィルタカートリッジ内から粉体が零れにくくなる。
【0013】
また、本発明において、前記第2筒部の前記吸引方向の下流端部には、前記第2筒部の外周面から突出した環状突起が形成されていることが好ましい。これにより、筐体に対してフィルタカートリッジを出し入れする際に、フィルタカートリッジが持ちやすくなる。
【0014】
また、本発明のフィルタカートリッジは、外部から吸引した粉体の電荷量を測定する粉体電荷量測定器内に取り付けられ、吸引された粉体を捕獲するフィルタが収納されたフィルタカートリッジであって、前記フィルタカートリッジが、合成樹脂からなるとともに、粉体を吸引する吸引方向に沿って延在した第1筒部と、前記フィルタを収納し前記第1筒部よりもその径が拡径された筒状の拡径部と、前記吸引方向に沿って延在し、前記吸引方向に関して前記第1筒部との間に前記拡径部を挟む第2筒部とを有しており、前記拡径部の外周側面が多面形状に面取りされていることが好ましい。これにより、筐体から取り外したフィルタカートリッジが転がりにくくなる。そのため、フィルタカートリッジ内から粉体が零れにくくなると共に、粉体を捕獲したフィルタカートリッジの重量測定を安定して行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態によるフィルタカートリッジが採用されたトナー等の粉体電荷量測定器の第1のハウジング部材と第2のハウジング部材とを分離させたときの斜視図である。図2は、図1に示す粉体電荷量測定器の分解斜視図である。図3は、本発明の一実施形態によるフィルタカートリッジが採用された粉体電荷量測定器の断面図である。
【0017】
粉体電荷量測定器1は、図1に示すように、筐体1aと、筐体1aに収納されたフィルタカートリッジ4とを有し、外形が略円筒形状に形成されている。筐体1aは、第1のハウジング部材2と、第2のハウジング部材3とを有し、分離可能な構成となっている。なお、フィルタカートリッジ4は、これら両ハウジング部材2,3間に配置されている。また、粉体電荷量測定器1には、図示しない吸引ポンプに繋がった配管部材を粉体電荷量測定器1に接続する接続部材70が接続されている。このため、粉体電荷量測定器1は、吸引ポンプが駆動されることによって、その軸方向に平行な方向であって図3中左方から右方に向かう方向(吸引方向A)にトナーを吸引する。
【0018】
第1のハウジング部材2は、図2及び図3に示すように、アルミニウム合金からなる円筒状の外側第1カバー21と、ポリカーボネート樹脂からなる円筒状の第1ホルダ22と、ステンレス鋼からなり外側第1カバー21との間において第1ホルダ22を挟む位置に配置された円筒状のノズル部を形成した内側第1ケース23とを有しており、外側第1カバー21とノズル部を形成した内側第1ケース23とが電気的に絶縁された状態で配置されている。
【0019】
外側第1カバー21の吸引方向Aの上流端には、第1ホルダ22及び内側第1ケース23の一部が挿通可能な孔31aを有する環状フランジ31が形成されている。外側第1カバー21の吸引方向Aの下流端には、当該下流端近傍において周方向に延在する溝32が形成されることによって構成された環状突起33が形成されている。環状突起33には、2つの切欠部34a,34bが形成されている。切欠部34aは、切欠部34bから180°回転した位置に形成されている。すなわち、2つの切欠部34a,34bは外側第1カバー21の中心軸を中心として点対称に配置されている。なお、環状突起33は、図3に示すように、外側第1カバー21と第2のハウジング部材3の外側第2カバー51とを嵌合させたときに、その嵌合方向について、外側第1カバー21の外側第2カバー51と重なる外周面から突出している。
【0020】
第1ホルダ22は、図2及び図3に示すように、孔31aから外部に突出する円筒状の先端部22aと、外側第1カバー21によってその大部分が覆われる円筒状の本体部22bと、先端部22aと本体部22bとを繋ぐ環状フランジ22cとを有している。第1ホルダ22は、図3に示すように、外側第1カバー21の外側からネジが螺入されることによって互いの環状フランジ31,22cが密着した状態で外側第1カバー21に固定されている。
【0021】
本体部22bの吸引方向Aの下流端には、本体部22bの径方向に突出した環状突起36が形成されている。環状突起36は、その外径が環状突起33の外径とほぼ同じになっている。また、環状突起36には、2つの切欠部34a,34bと同じ形状及び同じサイズの2つの切欠部37a,37bが形成されている。これら切欠部37a,37bは、外側第1カバー21に第1ホルダ22を固定したときに、切欠部37aが切欠部34aにちょうど対向し、切欠部37bが切欠部34bにちょうど対向するように配置され、2つの大きな切欠部38a,38bを構成している。
【0022】
また、環状突起36には、本体部22bの径方向であって外側に付勢された樹脂ボールを有する2つのプレスフィットプランジャ39a,39bが設けられている。プレスフィットプランジャ39aは、プレスフィットプランジャ39bから180°回転した位置に配置されている。すなわち、2つのプレスフィットプランジャ39a,39bは本体部22bの中心軸を中心として点対称に配置されている。なお、プレスフィットプランジャ39a,39bは、切欠部37a,37bから90°回転した位置に配置されている。
【0023】
内側第1ケース23は、図2及び図3に示すように、吸引方向Aに沿って延在する長尺部23aと、長尺部23aの下流端の内径よりも大きく拡径された拡径部23bと、拡径部23b内に配置された筒状のカラー45とを有している。長尺部23aは、内側第1ケース23が第1ホルダ22に取り付けられたときに第1ホルダ22から外部に突出する先端部41aと、吸引方向Aに沿って段階的に拡径され先端部41aと拡径部23bとを繋ぐ繋ぎ部41bとを有している。なお、内側第1ケース23は、第1ホルダ22に内側第1ケース23を通した後、繋ぎ部41bの吸引方向Aの上流端近傍にC型止め輪42が設けられることによって、第1ホルダ22から脱落しないように取り付けられる。また、先端部41aには、絶縁材料からなり可撓性を有する短尺のチューブ99が嵌め込まれているが、特に設けられていなくてもよい。
【0024】
拡径部23bは、吸引方向Aに沿って段階的に拡径されている。カラー45の内周面には、吸引方向Aに対して傾斜するテーパ面45aが形成されている。カラー45は、拡径部23bの吸引方向Aの上流端に形成された環状フランジ43に密着した状態でネジにより拡径部23bに固定されている。
【0025】
繋ぎ部41b内には、付勢部材47が配置されている。この付勢部材47は、繋ぎ部41bの段差部48とカラー45との間に配置されており、内側第1ケース23内に挿入されたフィルタカートリッジ4を吸引方向A(すなわち、フィルタカートリッジ4を内側第1ケース23から離れる方向)に付勢する。付勢部材47は、コイルバネ47aと、コイルバネ47aとカラー45との間に配置された台座47bとで構成されているが、例えば、コイルバネ47aをゴムなどの弾性部材に換えて構成されていてもよいし、台座47bがなくてもよい。
【0026】
また、第1ホルダ22の本体部22b内には、付勢部材49が配置されている。付勢部材49は、環状フランジ22cと拡径部23bとの間に配置されており、第1ホルダ22内に挿入された内側第1ケース23を吸引方向Aに付勢する。なお、内側第1ケース23にはC型止め輪42が設けられているので、内側第1ケース23は、第1ホルダ22から脱落せずに吸引方向Aに関して第1ホルダ22にスライド可能に支持されている。付勢部材49は、コイルバネから構成されているが、例えば、ゴムなどの弾性部材から構成されていてもよい。
以上のように、フィルタカートリッジ4を吸引方向Aに付勢する部材等が第1のハウジング部材2内に収納されるが、その厚みはおおよそ25mm厚で、後述するフィルタカートリッジ4の拡径部の直径と同程度となっている。
【0027】
第2のハウジング部材3は、図2及び図3に示すように、アルミニウム合金からなる円筒状の外側第2カバー51と、ポリカーボネート樹脂からなる第2ホルダ52と、ステンレス鋼からなり外側第2カバー51との間において第2ホルダ52を挟む位置に配置された円筒状のカップホルダを形成した内側第2ケース53と、ポリカーボネート樹脂からなり第2ホルダ52との間において外側第2カバー51を挟む位置に配置された継ぎ手ホルダ54とを有しており、外側第2カバー51と内側第2ケース53とが電気的に絶縁された状態で配置されている。
【0028】
外側第2カバー51の吸引方向Aの下流端には、第2ホルダ52の一部が挿通可能な孔61aを有する環状フランジ61が形成されている。環状フランジ61には、測定用電位計(図示せず)に接続された同軸ケーブル(図示せず)を通す孔61bが形成されており、同軸ケーブルの外側シールド線が外側第2カバー51に接続されており、芯線が内側第2ケース53に接続されている。
【0029】
外側第2カバー51の吸引方向Aの上流端には、外側第2カバー51の内周面から突出する2つの突起51a,51bをそれぞれ構成する2つの突起形成部材66,67が固定されている。具体的には、外側第2カバー51の上流端には、2つの切欠部68,69が形成されている。これら切欠部68,69は、外側第2カバー51の中心軸を中心として点対称に配置されている。そして、先端部(突起51a,51b)が外側第2カバー51の内周面から突出するように、突起形成部材66,67が切欠部68,69にそれぞれ嵌め込まれてネジで外側第2カバー51に固定されている。突起形成部66,67の外側第2カバー51の内周面から突出した部分の形状は、切欠部38a,38bに対応した形状となっている。そのため、2つの外側第1及び第2カバー21,51を嵌合させてから第1のハウジング部材2を周方向に沿って90°回転させることで、吸引方向Aと平行な嵌合方向に関して突起51a,51bと環状突起33とが係合する。このように突起51a,51b及び環状突起33が両ハウジング部材2,3の嵌合をロックするロック機構を構成している。
【0030】
第2ホルダ52は、図2に示すように、略円板形状を有しており、内側第2ケース53と対向する面には内側第2ケース53の吸引方向Aの下流端が嵌め込まれる凹部63が形成されている。凹部63の底面の中心には孔64が形成されている。第2ホルダ52の凹部63が形成された面とは反対側の面には、図3に示すように、孔64を内包し且つ孔61a内に挿入される環状突起52aが形成されている。また、第2ホルダ52は、外側第2カバー51に固定されたときに孔61bと対向し且つ孔61bとほぼ同径の孔52bが形成されている。この孔52bにも、内側第2ケース53と接続された同軸ケーブルの芯線およびその芯線を覆う絶縁部材が通される。
【0031】
内側第2ケース53は、図3に示すように、吸引方向Aに対して傾斜するテーパ面53a、吸引方向Aに沿って延在するストレート面53b及びテーパ面53aとストレート面53bとを繋ぐ湾曲面53cからなる内周面を有している。また、内側第2ケース53の第2ホルダ52とは反対側の端部外周には、径方向に突出する環状突起65が形成されている。環状突起65は、その外径が内側第1ケース23の拡径部23bの最も大きい外径と同じになっている。内側第2ケース53は、第2ホルダ52の外側からネジが螺入されることによって、内側第2ケース53の吸引方向Aの下流端が凹部63に嵌め込まれた状態で第2ホルダ52に固定されている。
【0032】
継ぎ手ホルダ54は、図3に示すように、環状フランジ61の孔61aと第2ホルダ52の環状突起52aとの間に嵌め込まれる内筒71と、内筒71の外側に配置された外筒72と、内及び外筒71,72を繋ぐ環状フランジ73とから形成されている。内筒71の内周面には、吸引方向Aに関して中央近傍から下流端にかけて雌ねじが形成されており、この雌ねじ部分に接続部材70がねじ込まれている。また、内筒71の上流端部には、第2ホルダ52の環状突起52aが嵌め込まれている。環状突起52aの外周面には環状溝が形成されており、その環状溝にはOリングが配置されている。これによって、内筒71とホルダ52との間のシール性が向上する。なお、継ぎ手ホルダ54は、継ぎ手ホルダ54の外側から第2ホルダ52にネジが螺入されることで、継ぎ手ホルダ54と第2ホルダ52との間に環状フランジ61を挟んだ状態で、外側第2カバー51、第2ホルダ52及び継ぎ手ホルダ54の3者が固定される。
【0033】
続いて、フィルタカートリッジ4について以下に説明する。図4は、図2に示すフィルタカートリッジの斜視図である。図5は、図2に示すフィルタカートリッジの断面図である。
【0034】
フィルタカートリッジ4は、図4及び図5に示すように、絶縁材料からなり互いに嵌合可能な2つのハウジング81,82と、両ハウジング81,82内に収納されたフィルタ83とで構成されている。本実施形態における両ハウジング81,82は、ポリプロピレン樹脂からなり、乳白色あるいは透明性の高いものが用いられる。乳白色の樹脂を用いる場合、厚みが比較的薄くなっているので、外部から内部の状態、すなわち、フィルタカートリッジ4内に粉体が吸引された使用済みのフィルタカートリッジ4かどうかを確認することが可能な半透明になっており、フィルタカートリッジ4のほぼ全体が透光領域となっている。なお、フィルタカートリッジ4を構成する合成樹脂はポリプロピレン樹脂に限らず、フィルタカートリッジ4内を確認することが可能な半透明性および透明性を実現可能な絶縁樹脂であれば、どのような合成樹脂であってもよい。また、両ハウジング81,82の少なくとも一方が、透明性を有する合成樹脂(例えば、ポリカーボネート樹脂)からなる場合は、上述に加えて、フィルタカートリッジ4内のフィルタ83の収納状態も確認することが可能となる。
【0035】
また、フィルタカートリッジ4は、吸引方向Aに沿って延在する筒状の長尺部4a、長尺部4aの下流端の内径よりも大きく拡径された筒状の拡径部4bおよび長尺部4aよりも短い筒状の短尺部4cとを有しており、長尺部4aの長さは、拡径部4bの外径より長く形成されている。より具体的には長尺部4aの長さは、拡径部4bの外径と同程度から2倍程度の長さに形成するのが良く、より好適には1.2倍から1.8倍程度、最適には1.5倍程度の形成することにより、粉体電荷量測定器1にフィルタカートリッジ4を挿入することにより、長尺部4aの先端部が粉体電荷量測定器1の第1のハウジング部材2より突出することになり、外部の帯電した粉体を吸引する際の操作が容易になる。なお、フィルタ83には、フィルタカートリッジ4内に吸引された粉体がフィルタ83を通過しない程度の孔径を有する複数のフィルタ孔が形成されている。
【0036】
図4に示すように、拡径部4bの中心から最も離れた外周側面が多面形状(例えば16角形)に面取りされている。これにより、筐体1aから取り外したフィルタカートリッジ4を、その外周側面が接するように平坦な面に載置してもフィルタカートリッジ4が転がりにくくなる。そのため、フィルタカートリッジ4内からトナーが零れにくくなると共に、粉体を捕獲したフィルタカートリッジの重量測定を安定して行うことができる。
【0037】
ハウジング81には、長尺部4aと、拡径部4bの上流側半分を構成する上流半部85とが形成されている。長尺部4aは、先端部41aの内径よりも若干小さい外径を有する先端部86と、先端部86と上流半部85とを繋ぎ、繋ぎ部41bの最も小さい内径よりも若干小さい外径を有する繋ぎ部87とを有している。
【0038】
先端部86には、図5に示すように、吸引方向Aに沿ってその内径が逓減する逓減領域84aが形成されている。すなわち、吸引方向Aに関して、先端部86の上流端に形成された吸引口86aの内径d1が下流端の内径d2よりも僅かに大きくなっている。また、先端部86は、吸引方向Aに関して、先端部41aとほぼ同じ長さを有しており、フィルタカートリッジ4が内側第1ケース23に挿入されたときに先端部86の上流端と先端部41aの上流端とが実質的に同じ位置に配置される。これにより、粉体電荷量測定器1に吸引した粉体が先端部41aの内周面に付着せず、ほとんどの粉体がフィルタカートリッジ4内に入り込む。そのため、電荷量を測定したすべての粉体の重量をフィルタカートリッジ4の重量測定によって、測定することが可能となる。
【0039】
繋ぎ部87には、吸引方向Aに沿ってその内径が逓増する逓増領域84bが形成されている。すなわち、吸引方向Aに関して、繋ぎ部87の上流端の内径d3が下流端の内径d4よりも小さくなっている。このように先端部86に逓減領域84aが形成され、繋ぎ部87に逓増領域84bが形成されていることで、長尺部4aを成形するための金型を先端部86と繋ぎ部87との境界で分割した分割金型にすることが可能となる。このため、フィルタカートリッジ4の製造コストを低下させることができる。また、繋ぎ部87は、吸引方向Aに関して、繋ぎ部41bとほぼ同じ長さを有している。繋ぎ部87の外周面であって吸引方向Aの下流端には、吸引方向Aに延在しつつ外周面から突出した3つの当接部88および3つの突起89が形成されている。これら当接部88および突起89は、周方向に沿って互いに等間隔に離隔して配置され、且つ、交互に配置されている。
【0040】
3つの当接部88は、吸引方向Aに延在する角柱形状を有しており、繋ぎ部87の外周面からの高さが突起89よりも低くなっている。具体的には、フィルタカートリッジ4を内側第1ケース23に挿入したときに、当接部88はカラー45の内周面に接触せずに通過して台座47bに当接する。そして、フィルタカートリッジ4が付勢部材47によって吸引方向Aに付勢される。このようにフィルタカートリッジ4が吸引方向Aに付勢されることで、フィルタカートリッジ4の下流端を第2ホルダ52の側面に押し付けることができる。そのため、フィルタカートリッジ4と内側第2ケース53との間のシール性も向上し、粉体を確実にフィルタカートリッジ4内に吸引捕集することができ、両先端部41a,86間から内側第1ケース23とフィルタカートリッジ4の隙間に誤って粉体が吸引されることがなくなる。なお、フィルタカートリッジ4と内側第2ケース53との間のシール性をより向上させるため、内側第2ケース53のフィルタカートリッジ4の下流端部と接する面に例えば2mm厚のシリコン樹脂製のパッキンを挿入するようにしても良い。
【0041】
3つの突起89は、吸引方向Aに延在する三角柱形状を有しており、突起89の尖った先端が繋ぎ部87の外周面から最も離れた位置に配置されている。また、突起89は、フィルタカートリッジ4を内側第1ケース23に挿入したときに、先端がカラー45の内周面に接触して押し潰される程度の高さを有している。これにより、筐体1aからフィルタカートリッジ4を取り外すときに、カラー45と突起89とが係合しているので第1のハウジング部材2からフィルタカートリッジ4が抜け落ちにくくなる。そのため、フィルタカートリッジ4内から粉体が零れにくくなる。さらに突起89の吸引方向の上流端面が傾斜している。そのため、フィルタカートリッジ4を内側第1ケース23に挿入したときに、突起89の先端が押し潰されやすい。
【0042】
上流半部85内には、図4(a)及び図5に示すように、4つのリブ91が形成されている。リブ91は、上流半部85の入口近傍から傾斜面85aに沿って上流半部85の外周端近傍まで延在した略三角形形状を有している。これらリブ91は、上流半部85の中心軸を中心として互いに90°離れた位置に配置されている。そして、こられリブ91の下流側の端面は、フィルタカートリッジ4内に収納されたフィルタ83の上流側表面と接触可能な位置に配置されており、粉体を吸引しているときにフィルタ83と接触してそのフィルタ83の振れの範囲を規制する。そのため、フィルタ83が大きく変形することによって破損するのを抑制することができると共に、フィルタ83で確実に粉体を捕獲することができる。
【0043】
また、上流半部85の外周端部近傍には、両ハウジング81,82を溶着するための周方向に沿って延在した環状の溶着部85bが形成されている。これにより、両ハウジング81,82間にフィルタ83を挟み込んだ状態で両者を嵌め合わせ、溶着部85bをフィルタカートリッジ4の外部から加熱することで両ハウジング81,82を溶着することができる。なお、両ハウジング81,82は、接着剤で固定してもよい。この場合は溶着部85bを形成していなくてもよい。
【0044】
ハウジング82には、短尺部4cと、拡径部4bの下流側半分を構成する下流半部92とが形成されている。短尺部4cは、内側第2ケース53の最も小さい内径(ストレート面53b部分の内径)よりも若干小さい外径を有している。また、短尺部4cの下流端には、外周面から突出した環状突起95が形成されている。環状突起95は、吸引方向Aに関して、上流側に形成された傾斜面96と下流側に形成された傾斜面97とを有しており、その外径が内側第2ケース53の最も小さい内径とほぼ同じ径となっている。傾斜面97は、短尺部4cの外周面に対する傾斜角度が傾斜面96よりも小さくなっており、比較的緩やかに形成されている。このような環状突起95が短尺部4cに形成さていることで、ユーザが指で短尺部4cを摘んで持ったときに、環状突起95がほどよく指先に引っ掛かる。そのため、筐体1aに対してフィルタカートリッジ4を出し入れする際に、フィルタカートリッジ4が持ちやすくなる。また、傾斜面97が緩やかに形成されているので、環状突起95の外周先端がほどよく指先にくい込み、よりフィルタカートリッジ4が持ちやすくなる。
【0045】
短尺部4には、吸引方向Aに沿ってその内径が逓増する逓増領域84cが形成されている。すなわち、吸引方向Aに関して、短尺部4cの上流端の内径d5が下流端に形成された排気口98の内径d6よりも僅かに小さくなっている。排気口98は、吸引口86aよりもその径が大きい。これにより、吸引口86aからの吸引力を高めることが可能となる。
【0046】
下流半部92内には、図4(b)及び図5に示すように、互いに直交し、短尺部4cと下流半部92の境界部分から傾斜面92aに沿って下流半部92の外周端近傍まで延在した略台形形状の2つのリブ93が形成されている。これらリブ93の上流側の端面は、フィルタカートリッジ4内に収納されたフィルタ83の下流側表面と接触可能な位置に配置されており、粉体を吸引しているときにフィルタ83と接触してそのフィルタ83の振れの範囲を規制する。そのため、フィルタ83が大きく変形することによって破損するのを抑制することができると共に、フィルタ83で確実に粉体を捕獲することができる。また、各リブ93の下流端には切欠部93aが形成されている。
【0047】
続いて、粉体電荷量測定器1を用いて吸引した粉体の単位重量当たりの帯電量を求めるまでの動作について説明する。図6は、第1及び第2のハウジング部材にフィルタカートリッジを組み付けるときの説明図である。
【0048】
まず、フィルタカートリッジ4を外部から内部の状態を確認して、使用済みのものか否かを確認する。そして、未使用のフィルタカートリッジ4の単体の重量を測定する。そして、図6に示すように、分離された第1及び第2のハウジング部材2,3の間にフィルタカートリッジ4を配置し、そのフィルタカートリッジ4の長尺部4aを内側第1ケース23の長尺部23aに挿入する。このとき、当接部88が台座47bに当接し、突起89の先端がカラー45の内周面に接触して押し潰されて突起89とカラー45とが係合する。これら3つの突起89とカラー45との係合により、フィルタカートリッジ4の吸引方向Aに沿う中心軸と筐体1aの中心軸とがほぼ一致する。
【0049】
次に、両カバー21,51を嵌合させたときに、突起51a,51bが切欠部38a,38bを通過可能な位置に両カバー21,51の位置合わせを行う。そして、第1及び第2のハウジング部材2,3を互いに近づく方向へ移動させてカバー21,51同士を嵌合させる。カバー21,51同士を嵌合する前では、図6に示すように、内側第1ケース23の吸引方向Aの下流端が、付勢部材49の付勢力によって第1ホルダ22の下流端よりも吸引方向Aに突出している。しかし、カバー21,51同士を嵌合することによって、図3に示すように、内側第1ケース23の下流端面と内側第2ケース53の環状突起65の上流端面とが接触し、内側第1ケース23が第1ホルダ22内に押し込まれる。このとき、付勢部材49による付勢力によって内側第1ケース23の下流端面に対する環状突起65の上流端面の圧接力が大きくなるので、内側第1ケース23と内側第2ケース53との電気的接触状態がより一層確実になる。さらに、外側第1及び第2カバー21,51同士を嵌合させ、突起51a,51bと環状突起33とを係合させたときに、両カバー21,51間にがたつき等があると、内側第1ケース23の下流端面に対する内側第2ケース53の圧接力が低下するが、付勢部材49を設けていることで、両カバー21,51間のがたつきを吸収し、内側第1ケース23と内側第2ケース53間の圧接力の低下を抑制する。
【0050】
また、カバー21,51同士を嵌合したときに、付勢部材47による付勢力がフィルタカートリッジ4に作用しているので、フィルタカートリッジ4の下流端面と第2ホルダー52の側面との圧接力が大きくなる。そのため、フィルタカートリッジ4と内側第2ケース53との間のシール性が向上し、粉体を確実にフィルタカートリッジ4内に吸引捕集することができ、内側第1ケース23とフィルタカートリッジ4の隙間に誤って粉体が吸引されることがなくなる。
【0051】
次に、外側第1及び第2カバー21,51が嵌合した後、第1のハウジング部材2を90°回転させる。すると、プレスフィットプランジャ39a,39bの樹脂ボールが、外側第2カバー51の内周面の環状突起33と対向する部分であって吸引方向Aに沿って突起形成部材66,67と重なる位置に形成された2つの湾曲溝に入り込む。なお、湾曲溝は外側第2カバー51に4つ形成されており、外側第2カバー51の中心軸を中心として互いに90°離隔した位置に配置されている。これによって、第1のハウジング部材2が第2のハウジング部材3に対して回転しにくい状態となる。また、突起51a,51bが切欠部38a,38bを通過した位置から90°回転するので、嵌合方向に関して突起51a,51bと環状突起33とが係合する。このときの嵌合によって両カバー21,51の電気的接触状態が保たれる。また、付勢部材47,49の付勢力は両カバー21,51を離す方向(嵌合方向と平行な方向)にも作用するので、突起51a,51bと環状突起33との係合力が増すと共に電気的接触状態がより確実なものとなる。この観点からいえば、付勢部材47,49もロック機構の一部を構成している。こうして、両ハウジング部材2,3の嵌合がロックされて筐体1aが構成される。
【0052】
次に、フィルタカートリッジ4の先端部86からフィルタ83に向かう吸引力が生じるように図示しない吸引ポンプを駆動し、粉体をチューブ99を介してフィルタカートリッジ4内に吸い込む。吸い込んだ粉体はフィルタ83に捕獲される。このとき、ほとんどの粉体はフィルタ83に付着しているが、先端部86、繋ぎ部87および上流半部85の内面にも多少粉体が付着している。そして、吸引ポンプの駆動を停止する。
【0053】
次に、フィルタカートリッジ4内の粉体の総電荷量を測定する。絶縁体で形成されたフィルタカートリッジ4の外表面にはフィルタカートリッジ4内に捕集された粉体の電荷量に応じて、誘電分極により等量の電荷が誘電分極により誘起され、フィルタカートリッジ4の外表面に誘電分極により誘起された電荷量に応じて、フィルタカートリッジ4を収納した導体容器、すなわち、内側第2ケース23及び内側第2ケース53で構成された導体容器に静電誘導によりフィルタカートリッジ4内の捕集された粉体の電荷量と等量の電荷が発生し、その電荷による電位を電位計で測定してフィルタカートリッジ4内の捕集された粉体の総電荷量の値を得ることが出来る。なお、粉体の総電荷量Qは、粉体を吸引する前後の内側第2ケース23及び内側第2ケース53で構成された導体容器の電荷量を測定し、その差分から求められる。
【0054】
続いて、フィルタカートリッジ4内の粉体の単位重量当たりの電荷量を求める。この場合は、筐体1aからフィルタカートリッジ4を取り出して吸い込んだ粉体が入ったフィルタカートリッジ4の重量を測定する。フィルタカートリッジ4を筐体1aから取り出す方法は、上記と逆の手順で行う。すなわち、第1のハウジング部材2を90°回転させ、両ハウジング部材2,3を互いに離れる方向に移動させる。そして、カラー45と突起89との係合によって内側第1ケース23に支持されたフィルタカートリッジ4を内側第1ケース23から取り外し、そのフィルタカートリッジ4を重量測定器、例えば電子天秤で測定する。そして、その測定した重量と、フィルタカートリッジ4を筐体1aに取り付ける前に予め測定していたフィルタカートリッジ4の単体重量との差分で、上記の粉体の総電荷量Qを除すと、粉体の単位重量当たりの電荷量を求めることができる。
【0055】
以上のように、本実施形態によると、フィルタカートリッジ4のほぼ全体が透光領域となっているので、粉体が吸引された使用済みのフィルタカートリッジ4か未使用のフィルタカートリッジ4かを外部から容易に確認することが可能となる。そのため、使用済みフィルタカートリッジを誤って再使用するのを防ぐことができる。また、次の測定に際しては、フィルタカートリッジ4を新たなものに交換するだけでよく、従来のように吸引ノズル部等を分解して清掃する必要がなく、測定の作業性が向上する。
【0056】
本実施形態においては、フィルタカートリッジ4のほぼ全体が透光領域となっているが、長尺部4a、拡径部4b及び短尺部4cのいずれかに部分的に透光領域が形成されておればよい。これにおいても、フィルタカートリッジが使用済みか否かを確認することができる。さらに、透光領域が拡径部4bのフィルタ83よりも上流に形成されていてもよい。この場合、上記の効果に加えて、透光領域からフィルタ83で捕獲された粉体を確認することが可能となる。そのため、使用済みフィルタカートリッジを再使用するのを確実に防ぐことが可能となる。なお、フィルタカートリッジに部分的に透光領域を設ける場合は、当該透光領域を設ける部分に開口部を形成し、その開口部を覆う透明なフィルムや樹脂板をフィルタカートリッジに溶着又は接着すればよい。
また、本実施形態によると、フィルタカートリッジ4は、粉体を吸引する吸引方向に沿って延在した第1筒部と、フィルタを収納し第1筒部よりもその径が拡径された筒状の拡径部と、吸引方向に沿って延在し、吸引方向に関して第1筒部との間に拡径部を挟む第2筒部とを有しており、第1筒部が、吸引方向に関して拡径部よりも上流に配置されるとともに、拡径部の直径より長く且つ第2筒部よりも長尺に形成されているため、外部の帯電した粉体の吸引操作を容易に行うことが出来る。
【0057】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施形態においては、長尺部4aに逓減領域84a及び逓増領域84bが形成されているが、これら2つの領域84a,84bが形成されていなくてもよい。すなわち、長尺部4aに吸引方向Aに沿ってその内径が逓増(逓減)する1つの逓増領域(逓減領域)や内径が一定なストレート領域が形成されていてもよい。なお、短尺部4cにおいても吸引方向Aに沿ってその内径が逓減する逓減領域や内径が一定なストレート領域が形成されていてもよい。また、吸引口86aが、排気口98よりもその径が大きくてもよいし、同じであってもよい。また、付勢部材47,49が設けられていなくてもよい。また、フィルタカートリッジ4の外周面に複数の突起89が形成されていなくてもよい。また、フィルタカートリッジ4の外周側面が面取りされてなくてもよい。また、短尺部4cの下流端に環状突起95が形成されていなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態によるフィルタカートリッジが採用されたトナー等の粉体電荷量測定器の第1のハウジング部材と第2のハウジング部材とを分離させたときの斜視図である。
【図2】図1に示す粉体電荷量測定器の分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態によるフィルタカートリッジが採用された粉体電荷量測定器の断面図である。
【図4】図2に示すフィルタカートリッジの斜視図である。
【図5】図2に示すフィルタカートリッジの断面図である。
【図6】第1及び第2のハウジング部材にフィルタカートリッジを組み付けるときの説明図である。
【符号の説明】
【0059】
1 粉体電荷量測定器
1a 筐体
4 フィルタカートリッジ
4a 長尺部(第1筒部)
4b 拡径部
4c 短尺部(第2筒部)
47 付勢部材
83 フィルタ
84a 逓減領域
84b,84c 逓増領域
86a 吸引口
89 突起
95 環状突起
98 排気口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から吸引した粉体の電荷量を測定する粉体電荷量測定器内に取り付けられ、吸引された粉体を捕獲するフィルタが収納されたフィルタカートリッジであって、
前記フィルタカートリッジが、合成樹脂からなるとともに、粉体を吸引する吸引方向に沿って延在した第1筒部と、前記フィルタを収納し前記第1筒部よりもその径が拡径された筒状の拡径部と、前記吸引方向に沿って延在し、前記吸引方向に関して前記第1筒部との間に前記拡径部を挟む第2筒部とを有しており、
前記第1筒部、前記拡径部、及び、前記第2筒部の少なくともいずれかに透光領域が形成されていることを特徴とするフィルタカートリッジ。
【請求項2】
前記透光領域が、前記吸引方向に関して前記拡径部の前記フィルタよりも上流に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタカートリッジ。
【請求項3】
前記フィルタカートリッジが、半透明又は透明の合成樹脂からなり、フィルタカートリッジ全体に前記透光領域が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタカートリッジ。
【請求項4】
外部から吸引した粉体の電荷量を測定する粉体電荷量測定器内に取り付けられ、吸引された粉体を捕獲するフィルタが収納されたフィルタカートリッジであって、
前記フィルタカートリッジが、合成樹脂からなるとともに、粉体を吸引する吸引方向に沿って延在した第1筒部と、前記フィルタを収納し前記第1筒部よりもその径が拡径された筒状の拡径部と、前記吸引方向に沿って延在し、前記吸引方向に関して前記第1筒部との間に前記拡径部を挟む第2筒部とを有しており、
前記第1筒部が、前記吸引方向に関して前記拡径部よりも上流に配置されるとともに、前記拡径部の直径より長く且つ前記第2筒部よりも長尺に形成されており、
前記第1筒部には、内径が前記吸引方向に沿って逓減する逓減領域と、その逓減領域の下流に形成されその内径が前記吸引方向に沿って逓増する逓増領域とが形成されていることを特徴とするフィルタカートリッジ。
【請求項5】
前記第2筒部には、内径が前記吸引方向に沿って逓増する逓増領域が形成されており、
前記第2筒部の最も下流にある排気口が、前記第1筒部の最も上流にある吸引口よりもその径が大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルタカートリッジ。
【請求項6】
外部から吸引した粉体の電荷量を測定する粉体電荷量測定器内に取り付けられ、吸引された粉体を捕獲するフィルタが収納されたフィルタカートリッジであって、
前記フィルタカートリッジが、合成樹脂からなるとともに、粉体を吸引する吸引方向に沿って延在した第1筒部と、前記フィルタを収納し前記第1筒部よりもその径が拡径された筒状の拡径部と、前記吸引方向に沿って延在し、前記吸引方向に関して前記第1筒部との間に前記拡径部を挟む第2筒部とを有しており、
前記第1筒部の外周面には、その周方向に沿って互いに離隔して配置された複数の突起が形成されており、
前記複数の突起は、前記第1筒部を前記粉体電荷量測定器の筐体内に挿入したときに、その先端が前記筐体と係合することを特徴とするフィルタカートリッジ。
【請求項7】
前記第2筒部の前記吸引方向の下流端部には、前記第2筒部の外周面から突出した環状突起が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のフィルタカートリッジ。
【請求項8】
外部から吸引した粉体の電荷量を測定する粉体電荷量測定器内に取り付けられ、吸引された粉体を捕獲するフィルタが収納されたフィルタカートリッジであって、
前記フィルタカートリッジが、合成樹脂からなるとともに、粉体を吸引する吸引方向に沿って延在した第1筒部と、前記フィルタを収納し前記第1筒部よりもその径が拡径された筒状の拡径部と、前記吸引方向に沿って延在し、前記吸引方向に関して前記第1筒部との間に前記拡径部を挟む第2筒部とを有しており、
前記拡径部の外周側面が多面形状に面取りされていることを特徴とするフィルタカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−25611(P2010−25611A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−184562(P2008−184562)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【出願人】(593122789)ユーテック株式会社 (118)
【Fターム(参考)】