フィルタユニット及びその交換装置
【課題】
強い放射性をもつ放射性の気体廃棄物を処理するためのフィルタで使用済みのものを安全に取り扱うことを可能とする装置の、導入期間の短縮および導入費用の削減を実現する
【解決手段】
本発明のフィルタユニット交換装置は、上記課題を解決するために、放射性の気体廃棄物の導入管路と排出管路を有したフィルタユニット交換装置において、ケーシングが放射線を遮蔽する遮蔽体で形成され、かつ、前記放射性の気体廃棄物の流路のうち、流入開口部付近と流出開口部付近が屈曲した迷路構造を形成し、かつ、前記流入開口部と前記流出開口部が概ね同じ方向を向いているフィルタユニットを使用して放射性の気体廃棄物を処理するシステムに適用することを特徴とする。
強い放射性をもつ放射性の気体廃棄物を処理するためのフィルタで使用済みのものを安全に取り扱うことを可能とする装置の、導入期間の短縮および導入費用の削減を実現する
【解決手段】
本発明のフィルタユニット交換装置は、上記課題を解決するために、放射性の気体廃棄物の導入管路と排出管路を有したフィルタユニット交換装置において、ケーシングが放射線を遮蔽する遮蔽体で形成され、かつ、前記放射性の気体廃棄物の流路のうち、流入開口部付近と流出開口部付近が屈曲した迷路構造を形成し、かつ、前記流入開口部と前記流出開口部が概ね同じ方向を向いているフィルタユニットを使用して放射性の気体廃棄物を処理するシステムに適用することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフィルタユニット及びその交換装置に係り、特に、気体中に含まれる放射性の物質を除去するものに好適なフィルタユニット及びその交換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所や核燃料処理施設などの放射性物質を扱う施設においては、放射性の気体廃棄物が発生することがあり、多くの場合は気体廃棄物中に含まれる放射性物質の微小な粒子やミストを細かな目を持つフィルタに通し、フィルタによって捕捉することで、気体廃棄物から放射性物質を除去して外界に排出している。
【0003】
当然、気体廃棄物中の放射性物質を除去するために使用したフィルタは、それ自身に放射性物質が付着するため、使用後に交換する際は、放射性廃棄物として適切な取扱いが必要となる。
【0004】
使用済みのフィルタが出す放射線が十分弱い場合には、使用済みフィルタをビニールバッグなどの包装材越しに人の手でハンドリングしながら、包装材の中へ密封して、安全に処理する装置、方法が提案されている。その一例として、特許文献1などがある。
【0005】
また一方で、フィルタの出す放射線が強く、人の手で取扱いが難しい場合には、遠隔操作式のクレーンやコンベアなどを用いて、人が放射線を被ばくしないでフィルタ交換を行なう装置、方法が提案されている。その一例として、特許文献2に記載されているフィルタ交換装置とその使用方法などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−191189号公報
【特許文献2】特開平11−202092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1やそれに類する装置は、構造が比較的簡便であるという長所があるが、強い放射性を持つ使用済みフィルタの取扱いを安全に行なうことが難しいという問題があった。
【0008】
また、特許文献2のような、遠隔作業による方法、装置では、必要なシステムが複雑になり、導入に必要な時間や費用の負担が大きいという問題があった。
【0009】
このように、従来の方法では、強い放射性をもつ使用済みフィルタを安全に取り扱うことを可能とすると同時に、導入期間の短縮及び導入費用の削減を実現するという課題の達成は困難であった。
【0010】
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、強い放射性をもつ使用済みフィルタを安全に取り扱うことを可能とすると同時に、導入期間の短縮及び導入費用の削減を実現できるフィルタユニット及びその交換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のフィルタユニットは、上記目的を達成するために、放射性の気体廃棄物の流路を形成するケーシングと、前記流路の途中に配置され、該流路を流れる気体廃棄物から放射性物質を除去するフィルタと、前記ケーシングに開けられた気体廃棄物が流入する流入開口部と、前記ケーシングに開けられた気体廃棄物を流出させる流出開口部とを備えたフィルタユニットにおいて、前記ケーシングが放射線を遮蔽する遮蔽体で形成され、かつ、前記放射性の気体廃棄物の流路のうち、前記流入開口部付近と前記流出開口部付近が屈曲した迷路構造を形成し、かつ、前記流入開口部と前記流出開口部が概ね同じ方向を向いていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明のフィルタユニットの交換装置は、上記目的を達成するために、放射性の気体廃棄物の導入管路と排出管路を有したフィルタユニット交換装置において、上記構成のフィルタユニットを使用して放射性の気体廃棄物を処理するシステムに適用することを特徴とする。
【0013】
具体的には、フィルタを遮蔽体の内部に内蔵したフィルタユニットと、該フィルタユニットを載せる台車と、前記フィルタユニットへの気体廃棄物を導入、排出を行なう配管と、該配管を支える配管架台と、前記フィルタユニットを台車に載せ、下ろす動作をするためのクレーンと吊り具からなる運搬装置とから成っている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によって、簡易な構成の装置で使用済みフィルタの交換を実現しているため、導入のリードタイム短縮と保守に必要な時間、費用が節減できるという効果が得られる。また、台車及び吊り具の構造の効果で、フィルタ交換作業中に作業者がフィルタユニットに近づかなければならない時間が減るため、フィルタを線源とする放射線の被ばく量を低減する効果が得られる。
【0015】
また、フィルタは、常に遮蔽体を外装としたフィルタユニット内部にあるために、フィルタ自体が高線量となっても周囲に漏れる放射線量は小さいため、フィルタ交換作業時の作業員の被ばくが低減できるのみならず、装置周囲での作業の安全性が高まるという効果が得られると共に、放射性廃棄物となった使用済みフィルタの管理が安全かつ容易になるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1(a)】本発明のフィルタユニット交換装置の一実施例を示す平面図である。
【図1(b)】本発明のフィルタユニット交換装置の一実施例を示す正面図である。
【図2(a)】本発明のフィルタユニット交換に用いられる吊り具を示し、閉止プラグを取り外した状態の図である。
【図2(b)】本発明のフィルタユニット交換に用いられる吊り具を示し、閉止プラグを取り付けた状態の図である。
【図3(a)】本発明のフィルタユニットの一実施例を示す平面図である。
【図3(b)】本発明のフィルタユニットの一実施例を示す側面図である。
【図3(c)】本発明のフィルタユニットの一実施例を示す正面図である。
【図4】本発明のフィルタユニット一実施例を、図3(b)のA−A線に沿う断面図である。
【図5(a)】本発明のフィルタユニットと配管架台の接続部の構造を示し、フィルタユニットと配管架台を切り離した状態の接続部断面図である。
【図5(b)】本発明のフィルタユニットと配管架台の接続部の構造を示し、フィルタユニットと配管架台を接続した状態の接続部断面図である。
【図6(a)】本発明のフィルタユニット交換に用いられる閉止プラグの平面図である。
【図6(b)】本発明のフィルタユニット交換に用いられる閉止プラグの正面図である。
【図7】本発明のフィルタユニットの取付け手順の第1の工程を示す図である。
【図8】図7の取付け手順の第1の工程の後の第2の工程を示す図である。
【図9】図8の取付け手順の第2の工程の後の第3の工程を示す図である。
【図10】本発明のフィルタユニットの取外し手順の第1の工程を示す図である。
【図11】図10の取外し手順の第1の工程の後の第2の工程を示す図である。
【図12】図11の取外し手順の第2の工程の後の第3の工程を示す図である。
【図13】図12の取外し手順の第3の工程の後の第4の工程を示す図である。
【図14】本発明のフィルタユニット交換装置を使用して、気体廃棄物を処理、浄化して排気するまでの系統を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図示した実施例に基づいて、本発明のフィルタユニット及びその交換装置を説明する。
【実施例1】
【0018】
図1(a)及び図1(b)は、本発明によるフィルタユニット交換装置1に、フィルタユニット2を取付けた状態である。
【0019】
該図に示す如く、本実施例でのフィルタユニット交換装置1は、装置の基部となるベース4と、その上に据付けられる配管架台5と、配管架台5に固定されて気体廃棄物の流入、流出路となる入口配管8a及び出口配管8bと、ベース4上に設置された台車3と、図1には図示されない吊り具6とクレーン7から概略構成されている。
【0020】
ベース4は鉄骨をはしご状に組んで形成したベース枠40の上側に、ほぼ水平なベース天板41が配置、固定されており、ベース天板41に対して、配管架台5の架台基部50、2本のレール42及び2つのストッパ43、44が固定されている。
【0021】
レール42は2本がほぼ平行に配置されており、この上を台車3が設置され、前後に走行する。台車3が走行可能な範囲はストッパ43、44で制限されており、台車3がレール42の上から逸脱しない構造となっている。
【0022】
配管架台5は架台基部50がベース4に固定され、その上にほぼ鉛直に板状の配管スタンド51が取付けられている。配管スタンド51には、外部からフィルタユニット2へ流入する気体廃棄物を導入する入口配管8aと、フィルタユニット2で処理された気体廃棄物を流出させる出口配管8bが取付けられている。
【0023】
配管スタンド51の入口配管8a及び出口配管8bが取付けられている位置は、気体廃棄物が通過するための穴55が設けられており、配管スタンド51の反対側の面の側と気体廃棄物が相互に通過可能となっている。また、配管スタンド51の入口配管8a及び出口配管8bが取付けられた部分の反対の面には、リング状の接続フランジ52がそれぞれ取付けられており、フィルタユニット2との取り合い点となる。
【0024】
また、配管スタンド51には2本の固定ボルト53が取付けられており、これと固定用ナット22を使って、配管スタンド51に対して、フィルタユニット2を固定している。
【0025】
台車3は、2本のレール42の上を走行するための前輪31と後輪32を、それぞれ2個持っている。また、台車3にはハンドル33が取付けられている。ハンドル33を回転させると、ハンドル33の回転運動が図示しないウォーム減速器34及び動力伝達機構35を介して後輪32へ伝達される構造になっており、この構造によってハンドル33を操作することで、台車3を所望の方向に移動させることができる。また、台車3の前後方向に力が加わっても、ウォーム減速器34によって後輪32は回転が制限されているため、操作者の意図に反して台車3が移動してしまう可能性を低減している。
【0026】
また、台車3の上には左右に2箇所トラニオン受け36が取付けられている。トラニオン受け36の上端部は、半円形状の切り欠かれた軸受37となっており、ここで後述のフィルタユニット2の軸受用トラニオン19を受けて支持する。
【0027】
更に、台車3の上には、フィルタユニット2の側面と接してこれを支えるための支え板38が取付けられている。これらの軸受37と支え板38によって、台車3上にフィルタユニット2を載せたときの姿勢が、一意的に決まる。
【0028】
次に、吊り具6の構造について、図2(a)及び図2(b)を用いて説明する。図2(a)は、吊り具6から後述の閉止プラグ23を取外した状態、図2(b)は、閉止プラグ23を取付けた状態を示している。
【0029】
該図に示す如く、吊り具6は、吊り具本体部60は横長の板形状となっており、上側にはクレーン7(図示せず)のフック70で吊るためのスリング61が取付けられている。吊り具本体部60の下側には、左右両端に近い部分に、それぞれフィルタユニット用スリング62が接続されており、フィルタユニット用スリング62の下端には、後述するフィルタユニット2の吊り上げ用トラニオン18に玉掛けするための吊り板63が取付けられている。吊り板63には、吊り上げ用トラニオン18を掛けるための穴65が開けられている。
【0030】
なお、2本のフィルタユニット用スリング62の間隔は、フィルタユニット2に2個付いている吊り上げ用トラニオン18の間隔とほぼ等しく設定されている。
【0031】
また、吊り具本体部の下側には、2本の閉止プラグ用スリング64が取付けられている。閉止プラグ用スリング64の下端には、図示しない吊り金具が取付けられており、閉止プラグ23を任意に取付け、取外しすることが可能となっている。
【0032】
これによって、必要に合わせて、図2(a)、図2(b)に示すいずれかの状態を任意に取ることができる。
【0033】
2本の閉止プラグ用スリングの間隔は、後述するフィルタユニット2が有する気体入口開口部27と気体出口開口部28の中心間距離とほぼ等しくなっている。
【0034】
なお、この吊り具6を掛けるクレーン7は、多くの原子力プラント建屋などに作業用として常設されているクレーンでも良く、そのようなクレーンが使用可能な場合には、新たにクレーンを設置する必要はない。
【0035】
次に、フィルタユニット2の構造について図3(a)、図3(b)、図3(c)及び図4を用いて説明する。図3(a)、図3(b)、図3(c)は、フィルタユニット2の3方向からの外観を示している。
【0036】
該図に示すフィルタユニット2は、外側が遮蔽体11で構成されている。遮蔽体11は、放射線を遮蔽するために、質量数が比較的大きい元素である鉄、鉛、タングステンなどを主成分とした合金で作るか、それらを組み合わせた構造とすることが望ましい。
【0037】
図3(a)に投影される面は、フィルタユニット2が配管架台5と取り合う面である。この面には開口部が2箇所設けられており、一方は、外部から気体廃棄物が流入する気体入口開口部27であり、もう一方は、フィルタユニット2内で処理されて気体廃棄物が流出する気体出口開口部28である。
【0038】
この気体入口開口部27及び気体出口開口部28の周囲には、それぞれドーナツ状のフィルタユニットフランジ12が取付けられ、フィルタユニットフランジ12の配管架台5と取り合う面は平面となっており、2つのフィルタユニットフランジ12の平面は、ほぼ同一の面上に位置するよう配置されている。また、この平面には、気体入口開口部27及び気体出口開口部28を取り囲むように円形の溝が彫ってあり、そこにOリング16が取付けられていると共に、閉止プラグ23を固定するためのネジ穴17が開けられている。
【0039】
フィルタユニット2の側面には、2箇所の固定用リブ20が取付けられており、それぞれ穴21が開けられている。穴21は、フィルタユニット2を配管架台5に対して固定するときに、配管架台5の固定ボルト53を通すためのものである。穴21に固定ボルト53を通した状態で、固定用ナット22を締めることで、図1(a)及び図1(b)に示す状態として、フィルタユニット2を配管架台5に固定することができる。
【0040】
図3(b)に投影される面には、吊り上げ用トラニオン18と軸受用トラニオン19が取付けられている。吊り上げ用トラニオン18は、フィルタユニット2の左右中央の位置であり、上下方向については上側寄りに取付けられている。軸受用トラニオン19の位置は、吊り上げ用トラニオン18よりも低い位置に取付けられ、図3(b)では右側にオフセットした位置に取付けられている。また、図3(b)の紙面裏側にも同様の位置に吊り上げ用トラニオン18と軸受用トラニオン19が取付けられている。2つの吊り上げ用トラニオン18は同一軸上にある位置関係となり、2つの軸受用トラニオン19も同一軸上にある位置関係となる。
【0041】
図4に示す如く、フィルタユニット2は、内部に空洞14が形成されており、空洞14を仕切る位置にフィルタ10が設けられている。また、気体入口開口部27と空洞14は屈曲した迷路構造となった風路13で繋がっている。気体出口開口部28も同様に、屈曲した迷路構造となった風路13で空洞14に繋がっているが、繋がる先の空洞14はフィルタ10で仕切られた反対側となる。
【0042】
この構造により、フィルタユニット2に流入する気体廃棄物は、図4の白抜き矢印で示す方向に流れ、気体入口開口部27から入り、フィルタ10を通過して処理され、気体出口開口部28より流出することとなる。フィルタ10は、通過する気体廃棄物に含まれる放射性物質を捕捉、蓄積する機能を有しており、そのため、フィルタユニット2を通過することによって、気体廃棄物に含まれる放射性物質が低減される。
【0043】
フィルタ10は、処理する気体廃棄物の性質と処理の目的に応じて様々な種類のフィルタの選択肢があり得るが、代表的なフィルタの種類としては、HEPAフィルタや活性炭フィルタなどがある。
【0044】
フィルタユニット2は使用を続けるうちに、次第にフィルタ10に蓄積する放射性物質の量が増加し、それにしたがって、フィルタ10から放出される放射線の量も増加する。しかし、フィルタ10の位置から見たいずれの方向にも十分な厚さの遮蔽体11が存在するため、遮蔽体11を透過してフィルタユニット2の外部へ漏れる放射線の量の増加は抑制される。
【0045】
更に、風路13が迷路構造となっているため、散乱現象によってフィルタユニット2の気体入口開口部27及び気体出口開口部28から漏れる放射線の量も抑制される。
【0046】
よって、フィルタ10単体では、人が近づくことが困難なほどフィルタ10に蓄積された放射性物質の量が増加しても、フィルタユニット2の形態では安全に人が近づいて作業可能となる。
【0047】
次に、図5(a)及び図5(b)を用いて、フィルタユニット2と配管架台5の接続部の構造を説明する。
【0048】
図5(a)は、フィルタユニット2と配管架台5を切り離した状態での接続部断面であり、台車3に置かれたフィルタユニット2のフィルタユニットフランジ12は、配管架台5の接続フランジ52とほぼ平行かつ同一軸線上に位置する。これは、入口配管8a及び出口配管8bのいずれの流路についても同様である。
【0049】
図5(b)は、フィルタユニット2と配管架台5を接続した状態での接続部断面であり、フィルタユニット2の固定用リブ20を、配管架台5の固定ボルト53と固定用ナット22で締め込むことによって、フィルタユニット2は配管架台5に押付けられる。そのとき、フィルタユニットフランジ12に取付けられたOリング16が接続フランジ52の面に接触して押しつぶされるため、接続部は良好な気密を保持することができる。
【0050】
また、フィルタユニットフランジ12と接続フランジ52の接触面は、台車3の進行方向(即ち、レール42の長手方向)と直交するよう配置することで、Oリング16の押しつぶされ方が均一になり易くなり、接続部の気密が保持しやすくなる。
【0051】
なお、フィルタユニットフランジ12と接続フランジ52の隙間54を、隙間ゲージ測定等で測定することにより、気密が十分であるか否かを判定することも可能である。
【0052】
次に、図6(a)及び図6(b)を用いて閉止プラグ23の構造を説明する。
【0053】
該図に示す如く、閉止プラグ23の形状はキノコ状となっており、キノコの傘にあたる部分の中央に、吊り具6の閉止プラグ用スリング64に接続するためのアイボルト24が取付けられ、周囲に穴25が開けられている。
【0054】
この穴25の数と位置関係は、フィルタユニット2の接続フランジ12のネジ穴17と一致するようになっている。また、キノコの軸にあたる部分の下端部29は、テーパ状となっている。
【0055】
閉止プラグ23の使用時には、下端部29をフィルタユニット2の気体入口開口部27又は気体出口開口部28に挿入する。挿入すると、キノコの傘にあたる部分の下側面が、フィルタユニットフランジ12のOリング16と接触する。この状態で、穴25とネジ穴17の位置を合わせ、閉止プラグ用固定ボルト26を穴25に通して、ネジ穴17に締め込むことで、フィルタユニット2内部の放射性物質を内部に密閉して漏れを防止すると共に、気体入口開口部27及び気体出口開口部28から漏れる放射線の線量もさらに下げることができる。
【0056】
この状態では、放射性物質の閉じ込めと放射線の遮蔽がフィルタユニット2と閉止プラグ23で達成されているため、使用済みのフィルタユニット2は安全に取り扱うことができる。
【0057】
以下では、フィルタユニット2の交換作業の方法について説明する。
【0058】
なお、通常、交換作業を行なうタイミングはフィルタユニット2が寿命を迎えた場合である。寿命と判断する条件はフィルタの種類にもよるが、例としてHEPAフィルタを単独で使っているフィルタユニット2では、例えば、以下の2条件のいずれかを満たした場合とすることが考えられる。
【0059】
条件1:フィルタユニット2内部のフィルタ10に捕捉された粒子等が増え、フィルタユニット2の圧力損失が規定値を上回った場合。
【0060】
条件2:フィルタユニット2内部のフィルタ10に捕捉された放射性物質の量が増え、遮蔽体11を透過する放射線量が規定値を上回った場合。
【0061】
上記の条件1を判定するためには、入口配管8aと出口配管8bの差圧を測定する差圧計102を設置し、測定された差圧と規定値を比較することで実現可能である。上記の条件2を判定するためには、フィルタユニット2表面の放射線量を線量計で測定し、測定された放射線量と規定値を比較することで実現可能である。線量の測定は、可搬式の線量計を使用して定期的に行っても良いし、他の方法としては、常時フィルタユニット2の表面線量を測定する線量計101を図8(a)に示す位置に架台等を組んで設置しても良い。
【0062】
なお、本実施例では、台車3が前後に移動することの効果によって、この位置に線量計101を設置しても、交換作業において、線量計101とフィルタユニット2の干渉や線量計101と台車3の干渉等は発生せず、問題なく作業がすすめられる。
【0063】
ここからは、図7(a)〜(c)、図8(a)〜(c)、図9(a)〜(c)を用いて、フィルタユニット交換作業のうちの、フィルタユニット2の取付け作業手順について、図に沿って説明する。
【0064】
図7(a):台車3のハンドル33を操作して、台車3を引いて(図の右側方向に移動させて)、可動範囲後端まで移動させる。なお、図示はしていないが、このときチェーンや輪止めなどを使って台車3の移動を拘束すれば、台車3が不意の外力によって(後輪32がスリップしながら)移動することが防止でき、作業の安全性が高まる。
【0065】
図7(b):吊り具6をクレーン7のフック70に掛ける。このとき、閉止プラグ23は、取付けなくて良い。
【0066】
図7(c):クレーン7を操作してフック70をフィルタユニット2の上まで移動させてから、作業員9が吊り板63の穴65を、フィルタユニット2の吊り上げ用トラニオン18に掛ける(2箇所)。
【0067】
図8(a):クレーン7を操作してフィルタユニット2を持ち上げ、台車3の上へ移動させる。更に、フィルタユニット2の軸受用トラニオン19が、台車3の軸受37に2箇所とも乗るようにクレーン7を操作する。次にクレーン7を操作して、図の左側へ軸受用トラニオン19を回転中心として、フィルタユニット2を90度倒す。
【0068】
なお、図8(a)の状態から倒すために行なうクレーン7の操作は、クレーン7の高さが十分あれば、フック70を下ろす操作だけ行い、フィルタユニット2が完全に倒れてから吊り板63を外すために、フック70を図の左方向へ動かせば良い。
【0069】
このとき、台車3がフィルタユニット2から受ける力の成分は、図の下向きと右向きだけのものとなり、台車3の右側への移動は、ストッパ44で阻止されているため、台車3が不意に動く危険性はない。
【0070】
これは、軸受用トラニオン19をフィルタユニット2の中央よりも右側にオフセットしたことによる効果である。もし、クレーン7の高さが低く、フィルタユニット2を倒す過程でフック70の左右方向位置を調整しなければならない場合でも、吊り具6のフィルタユニット用スリング62の傾きが、常に図上で右上がりの方向となるように操作すれば、台車3が不意に動く危険を防止できる。
【0071】
図8(b):クレーン7を操作して、吊り板63を外しやすい位置までフック70を移動させた後、作業員9が吊り板63をフィルタユニット2から外す(2箇所)。その後、クレーン7を操作し、作業の妨げにならない位置に移動させる。
【0072】
図8(c):台車3を輪止め、チェーンなどで固定している場合は、それを外す。作業者9は台車3のハンドル33を操作して、台車3を前進させる(図の左側へ移動させる)。
【0073】
図9(a):フィルタユニット2のフィルタユニットフランジ12が、配管架台5の接続フランジ52と接触したら台車3の前進を止める。このとき、配管架台5の固定ボルト53は、フィルタユニット2の固定用リブ20の穴21に挿し込まれた状態となっている。
【0074】
図9(b):作業者9は、スパナなどの工具(図示せず)を使用して、配管架台5の固定ボルト53に固定用ナット22を取付けて締める。この作業によって、フィルタユニット2は配管架台5に対して固定される。
【0075】
図9(c):フィルタユニットフランジ12と接続フランジ52の隙間54を、隙間ゲージなどによって測定し、所定の幅よりも狭いことを確認できれば、接続部の気密が確保できた状態になったと判断し、フィルタユニット2の取付け作業を完了とする。
【0076】
ここからは、フィルタユニット交換作業のうちの、フィルタユニット2の取外し作業について説明する。
【0077】
フィルタユニット2の取外し作業では、フィルタ10に放射性物質が蓄積したために、フィルタユニット2のから出る放射線が強くなっていることを想定して、作業者の被ばく量を低減する対策が必要となる。
【0078】
その対策の基本方針としては、以下のことが重要である。即ち、「作業者はフィルタユニット2になるべく近寄らない。」、「特に、放射線の散乱現象によって他の部分より放射線が強いと考えられる気体入口開口部27、気体出口開口部28の前面には作業者が立たない」、「作業者がフィルタユニットに近づく必要がある作業は、なるべく短時間とする」、「フィルタユニット2の内部に溜まっている放射性物質をこぼさない」。
【0079】
以下、図10(a)〜(c)、図11(a)〜(c)、図12(a)、(b)、図13(a)、(b)を用いて、フィルタユニット交換作業のうちの、フィルタユニット2の取外し作業手順について、図に沿って説明する。
【0080】
図10(a):フィルタ取外し作業前の状態である。フィルタユニット2は配管架台5に対して固定されている。なお、破線の矩形は、フィルタユニット2の表面線量を常時監視する場合に、線量計101を配置可能な場所の例である。フィルタユニット2の取外し作業の最初には、入口配管8aからの気体廃棄物の供給を停止させる。
【0081】
図10(b):吊り具6をクレーン7のフック70に掛ける。このとき、2本の閉止プラグ用スリング64には、それぞれ1個ずつの閉止プラグ23を取付けておく。
【0082】
図10(c):作業者9は、フィルタユニット2を配管架台5に固定している固定用ナット22を外す(2箇所)。
【0083】
図11(a):作業者9は台車3のハンドル33を回し、後退させる。
【0084】
図11(b):台車3を可動範囲の後端まで移動させたら、ハンドル33の操作を止める。このとき、取付け作業のときと同様に、輪止め、チェーンなどで台車3の意図しない動きを防止する処置を施すと、以降の作業の安全性を高めることができる。
【0085】
図11(c):クレーン7を操作して、吊り具6の吊り板63がフィルタユニット2の吊り上げ用トラニオン18に掛け易い位置になるようにした後に、作業員9がフィルタユニット2のそばまで寄り、吊り上げ用トラニオン18に吊り板63を掛ける。(2箇所)
図12(a):クレーン7を操作して、軸受用トラニオン19を回転中心としてフィルタユニット2を時計回りに90度回転させて立てる。
【0086】
なお、図11(c)の状態から図12(a)の状態へ遷移する途中では、吊り具6のフィルタユニット用スリング62が紙面で右上がりの傾きとなる状態を保つようにすれば、取付け作業のときと同様に、台車3の意図しない移動を防止することができ、作業が安全に進められる。
【0087】
図12(b):クレーン7を操作して、台車3からフィルタユニット2を切り離した後に、床の適切な場所にフィルタユニット2を下ろす。
【0088】
図13(a):引き続きクレーン7を操作してフック70を下ろすと、吊り具6に取付けられた閉止プラグ23の下側部分は、フィルタユニット2の気体入口開口部27及び気体出口開口部28に挿入される。なお、閉止プラグ23の下端部29がテーパ状になっていることによって、挿入が容易になるという効果が得られる。
【0089】
次に、作業者9がフィルタユニット2に近づいて、吊り具6の吊り板63を、フィルタユニット2の吊り上げ用トラニオン18から外す。
【0090】
なお、このとき、既にフィルタユニット2の気体入口開口部27及び気体出口開口部28は、閉止プラグ23が挿入されているため、放射線の散乱によって開口部前方の放射線が特に強くなっている恐れはなくなっている。
【0091】
図13(b):最後に、閉止プラグ固定用ボルト26によって閉止プラグ23をフィルタユニット2に固定する。このとき、閉止プラグ23は、フィルタユニットフランジ12に取付けられたOリング16と接触して押しつぶすため、フィルタユニット2内部の放射性物質は完全に閉じ込められ、容易にフィルタユニット2の外部に出てこない状態となる。
【0092】
この時点で、強い放射線を出すフィルタ10は、遮蔽体11に完全に囲まれ、なおかつ密閉された状態であるので、遮蔽体11を放射性廃棄物の保管容器としてそのまま利用することが可能である。
【0093】
よって、本実施例では、フィルタ10が強い放射線を出すようになった後に、これを遮蔽されていない状態で直接ハンドリングする必要はなく、廃棄物の取扱い、保管の安全性は高いという利点がある。
【0094】
以上が、フィルタユニット2を取付ける作業手順である。作業手順中、固定用ナット22の取外し、吊り具6を使った玉掛け、閉止プラグ固定用ボルト26による閉止プラグ23の固定といった、作業員9がフィルタユニット2のすぐ近くまで寄る必要がある作業項目はあるが、いずれも細かい調整作業などの時間の掛かる作業項目はなく、比較的短時間で完了可能な作業項目である。
【0095】
また、閉止されていない状態での気体入口開口部27及び気体出口開口部28の前方や近くで実施しなければならない作業項目はない。また、フィルタユニット2の気体入口開口部27及び気体出口開口部28は、作業手順中、常に水平か上向きとなっており、気体入口開口部27及び気体出口開口部28から放射性物質がこぼれ落ちる可能性も低減されている。
【0096】
更に、本実施例のフィルタユニット交換装置1では、動力を要する装置は、しばしば設置場所の既設品が使用可能なクレーン7のみであり、複雑な機構がないにも関わらず、強い放射線を放出しているフィルタ10の低被ばく量で交換作業が可能である。
【0097】
よって、従来の技術を用いた場合に較べて、本実施例では、作業上の安全性を確保しつつ、フィルタユニット交換装置1の製作コスト低減、製作期間短縮を実現できるという利点が発生する。
【0098】
本実施例では、これまで記述したように、フィルタユニット2と配管架台5の取合い部分で気体廃棄物が漏えいしない構造となっているが、更に、安全性を高めるために、図14に示す構成が考えられる。
【0099】
図14は、気体廃棄物供給源201から発生する気体廃棄物を、フィルタユニット2で処理、浄化して、排気筒203から排出する系統構成を示している。
【0100】
この構成では、気体廃棄物を流すための圧力差を作るブロア202が出口配管8bの下流にある。ブロア202出口よりも下流部分には、排気筒203のみであるため、ブロア202出口の圧力は、ほぼ大気圧となる。
【0101】
よって、気体廃棄物供給源201から供給される気体廃棄物の圧力を大気圧並とし、ブロア202の作る圧力差を十分大きく取れば、入口配管8a、フィルタユニット2、出口配管8bのいずれの内部も負圧とすることができる。
【0102】
この状態であれば、万一、フィルタユニット2と配管架台5の取合い部分に漏れが生じても、系統外部の空気が系統内部に入る方向に漏れることとなり、系統外部に放射性物質が漏えいする可能性をさらに低減できる利点が生じる。
【符号の説明】
【0103】
1…フィルタユニット交換装置、2…フィルタユニット、3…台車、4…ベース、5…配管架台、6…吊り具、7…クレーン、8…配管、8a…入口配管、8b…出口配管、9…作業員、10…フィルタ、11…遮蔽体、12…フィルタユニットフランジ、13…風路、14…空洞、16…Oリング、17…ネジ穴、18…吊り上げ用トラニオン、19…軸受用トラニオン、20…固定用リブ、21、25、55、65…穴、22…固定用ナット、23…閉止プラグ、24…アイボルト、26…閉止プラグ固定用ボルト、27…気体入口開口部、28…気体出口開口部、29…下端部、31…前輪、32…後輪、33…ハンドル、34…ウォーム減速器、35…動力伝達機構、36…トラニオン受け、37…軸受、38…支え板、40…ベース枠、41…ベース天板、42…レール、43、44…ストッパ、50…架台基部、51…配管スタンド、52…接続フランジ、53…固定ボルト、54…隙間、60…吊り具本体部、61…スリング、62…フィルタユニット用スリング、63…吊り板、64…閉止プラグ用スリング、70…フック、101…線量計、102…差圧計、201…気体廃棄物供給源、202…ブロア、203…排気筒。
【技術分野】
【0001】
本発明はフィルタユニット及びその交換装置に係り、特に、気体中に含まれる放射性の物質を除去するものに好適なフィルタユニット及びその交換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所や核燃料処理施設などの放射性物質を扱う施設においては、放射性の気体廃棄物が発生することがあり、多くの場合は気体廃棄物中に含まれる放射性物質の微小な粒子やミストを細かな目を持つフィルタに通し、フィルタによって捕捉することで、気体廃棄物から放射性物質を除去して外界に排出している。
【0003】
当然、気体廃棄物中の放射性物質を除去するために使用したフィルタは、それ自身に放射性物質が付着するため、使用後に交換する際は、放射性廃棄物として適切な取扱いが必要となる。
【0004】
使用済みのフィルタが出す放射線が十分弱い場合には、使用済みフィルタをビニールバッグなどの包装材越しに人の手でハンドリングしながら、包装材の中へ密封して、安全に処理する装置、方法が提案されている。その一例として、特許文献1などがある。
【0005】
また一方で、フィルタの出す放射線が強く、人の手で取扱いが難しい場合には、遠隔操作式のクレーンやコンベアなどを用いて、人が放射線を被ばくしないでフィルタ交換を行なう装置、方法が提案されている。その一例として、特許文献2に記載されているフィルタ交換装置とその使用方法などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−191189号公報
【特許文献2】特開平11−202092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1やそれに類する装置は、構造が比較的簡便であるという長所があるが、強い放射性を持つ使用済みフィルタの取扱いを安全に行なうことが難しいという問題があった。
【0008】
また、特許文献2のような、遠隔作業による方法、装置では、必要なシステムが複雑になり、導入に必要な時間や費用の負担が大きいという問題があった。
【0009】
このように、従来の方法では、強い放射性をもつ使用済みフィルタを安全に取り扱うことを可能とすると同時に、導入期間の短縮及び導入費用の削減を実現するという課題の達成は困難であった。
【0010】
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、強い放射性をもつ使用済みフィルタを安全に取り扱うことを可能とすると同時に、導入期間の短縮及び導入費用の削減を実現できるフィルタユニット及びその交換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のフィルタユニットは、上記目的を達成するために、放射性の気体廃棄物の流路を形成するケーシングと、前記流路の途中に配置され、該流路を流れる気体廃棄物から放射性物質を除去するフィルタと、前記ケーシングに開けられた気体廃棄物が流入する流入開口部と、前記ケーシングに開けられた気体廃棄物を流出させる流出開口部とを備えたフィルタユニットにおいて、前記ケーシングが放射線を遮蔽する遮蔽体で形成され、かつ、前記放射性の気体廃棄物の流路のうち、前記流入開口部付近と前記流出開口部付近が屈曲した迷路構造を形成し、かつ、前記流入開口部と前記流出開口部が概ね同じ方向を向いていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明のフィルタユニットの交換装置は、上記目的を達成するために、放射性の気体廃棄物の導入管路と排出管路を有したフィルタユニット交換装置において、上記構成のフィルタユニットを使用して放射性の気体廃棄物を処理するシステムに適用することを特徴とする。
【0013】
具体的には、フィルタを遮蔽体の内部に内蔵したフィルタユニットと、該フィルタユニットを載せる台車と、前記フィルタユニットへの気体廃棄物を導入、排出を行なう配管と、該配管を支える配管架台と、前記フィルタユニットを台車に載せ、下ろす動作をするためのクレーンと吊り具からなる運搬装置とから成っている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によって、簡易な構成の装置で使用済みフィルタの交換を実現しているため、導入のリードタイム短縮と保守に必要な時間、費用が節減できるという効果が得られる。また、台車及び吊り具の構造の効果で、フィルタ交換作業中に作業者がフィルタユニットに近づかなければならない時間が減るため、フィルタを線源とする放射線の被ばく量を低減する効果が得られる。
【0015】
また、フィルタは、常に遮蔽体を外装としたフィルタユニット内部にあるために、フィルタ自体が高線量となっても周囲に漏れる放射線量は小さいため、フィルタ交換作業時の作業員の被ばくが低減できるのみならず、装置周囲での作業の安全性が高まるという効果が得られると共に、放射性廃棄物となった使用済みフィルタの管理が安全かつ容易になるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1(a)】本発明のフィルタユニット交換装置の一実施例を示す平面図である。
【図1(b)】本発明のフィルタユニット交換装置の一実施例を示す正面図である。
【図2(a)】本発明のフィルタユニット交換に用いられる吊り具を示し、閉止プラグを取り外した状態の図である。
【図2(b)】本発明のフィルタユニット交換に用いられる吊り具を示し、閉止プラグを取り付けた状態の図である。
【図3(a)】本発明のフィルタユニットの一実施例を示す平面図である。
【図3(b)】本発明のフィルタユニットの一実施例を示す側面図である。
【図3(c)】本発明のフィルタユニットの一実施例を示す正面図である。
【図4】本発明のフィルタユニット一実施例を、図3(b)のA−A線に沿う断面図である。
【図5(a)】本発明のフィルタユニットと配管架台の接続部の構造を示し、フィルタユニットと配管架台を切り離した状態の接続部断面図である。
【図5(b)】本発明のフィルタユニットと配管架台の接続部の構造を示し、フィルタユニットと配管架台を接続した状態の接続部断面図である。
【図6(a)】本発明のフィルタユニット交換に用いられる閉止プラグの平面図である。
【図6(b)】本発明のフィルタユニット交換に用いられる閉止プラグの正面図である。
【図7】本発明のフィルタユニットの取付け手順の第1の工程を示す図である。
【図8】図7の取付け手順の第1の工程の後の第2の工程を示す図である。
【図9】図8の取付け手順の第2の工程の後の第3の工程を示す図である。
【図10】本発明のフィルタユニットの取外し手順の第1の工程を示す図である。
【図11】図10の取外し手順の第1の工程の後の第2の工程を示す図である。
【図12】図11の取外し手順の第2の工程の後の第3の工程を示す図である。
【図13】図12の取外し手順の第3の工程の後の第4の工程を示す図である。
【図14】本発明のフィルタユニット交換装置を使用して、気体廃棄物を処理、浄化して排気するまでの系統を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図示した実施例に基づいて、本発明のフィルタユニット及びその交換装置を説明する。
【実施例1】
【0018】
図1(a)及び図1(b)は、本発明によるフィルタユニット交換装置1に、フィルタユニット2を取付けた状態である。
【0019】
該図に示す如く、本実施例でのフィルタユニット交換装置1は、装置の基部となるベース4と、その上に据付けられる配管架台5と、配管架台5に固定されて気体廃棄物の流入、流出路となる入口配管8a及び出口配管8bと、ベース4上に設置された台車3と、図1には図示されない吊り具6とクレーン7から概略構成されている。
【0020】
ベース4は鉄骨をはしご状に組んで形成したベース枠40の上側に、ほぼ水平なベース天板41が配置、固定されており、ベース天板41に対して、配管架台5の架台基部50、2本のレール42及び2つのストッパ43、44が固定されている。
【0021】
レール42は2本がほぼ平行に配置されており、この上を台車3が設置され、前後に走行する。台車3が走行可能な範囲はストッパ43、44で制限されており、台車3がレール42の上から逸脱しない構造となっている。
【0022】
配管架台5は架台基部50がベース4に固定され、その上にほぼ鉛直に板状の配管スタンド51が取付けられている。配管スタンド51には、外部からフィルタユニット2へ流入する気体廃棄物を導入する入口配管8aと、フィルタユニット2で処理された気体廃棄物を流出させる出口配管8bが取付けられている。
【0023】
配管スタンド51の入口配管8a及び出口配管8bが取付けられている位置は、気体廃棄物が通過するための穴55が設けられており、配管スタンド51の反対側の面の側と気体廃棄物が相互に通過可能となっている。また、配管スタンド51の入口配管8a及び出口配管8bが取付けられた部分の反対の面には、リング状の接続フランジ52がそれぞれ取付けられており、フィルタユニット2との取り合い点となる。
【0024】
また、配管スタンド51には2本の固定ボルト53が取付けられており、これと固定用ナット22を使って、配管スタンド51に対して、フィルタユニット2を固定している。
【0025】
台車3は、2本のレール42の上を走行するための前輪31と後輪32を、それぞれ2個持っている。また、台車3にはハンドル33が取付けられている。ハンドル33を回転させると、ハンドル33の回転運動が図示しないウォーム減速器34及び動力伝達機構35を介して後輪32へ伝達される構造になっており、この構造によってハンドル33を操作することで、台車3を所望の方向に移動させることができる。また、台車3の前後方向に力が加わっても、ウォーム減速器34によって後輪32は回転が制限されているため、操作者の意図に反して台車3が移動してしまう可能性を低減している。
【0026】
また、台車3の上には左右に2箇所トラニオン受け36が取付けられている。トラニオン受け36の上端部は、半円形状の切り欠かれた軸受37となっており、ここで後述のフィルタユニット2の軸受用トラニオン19を受けて支持する。
【0027】
更に、台車3の上には、フィルタユニット2の側面と接してこれを支えるための支え板38が取付けられている。これらの軸受37と支え板38によって、台車3上にフィルタユニット2を載せたときの姿勢が、一意的に決まる。
【0028】
次に、吊り具6の構造について、図2(a)及び図2(b)を用いて説明する。図2(a)は、吊り具6から後述の閉止プラグ23を取外した状態、図2(b)は、閉止プラグ23を取付けた状態を示している。
【0029】
該図に示す如く、吊り具6は、吊り具本体部60は横長の板形状となっており、上側にはクレーン7(図示せず)のフック70で吊るためのスリング61が取付けられている。吊り具本体部60の下側には、左右両端に近い部分に、それぞれフィルタユニット用スリング62が接続されており、フィルタユニット用スリング62の下端には、後述するフィルタユニット2の吊り上げ用トラニオン18に玉掛けするための吊り板63が取付けられている。吊り板63には、吊り上げ用トラニオン18を掛けるための穴65が開けられている。
【0030】
なお、2本のフィルタユニット用スリング62の間隔は、フィルタユニット2に2個付いている吊り上げ用トラニオン18の間隔とほぼ等しく設定されている。
【0031】
また、吊り具本体部の下側には、2本の閉止プラグ用スリング64が取付けられている。閉止プラグ用スリング64の下端には、図示しない吊り金具が取付けられており、閉止プラグ23を任意に取付け、取外しすることが可能となっている。
【0032】
これによって、必要に合わせて、図2(a)、図2(b)に示すいずれかの状態を任意に取ることができる。
【0033】
2本の閉止プラグ用スリングの間隔は、後述するフィルタユニット2が有する気体入口開口部27と気体出口開口部28の中心間距離とほぼ等しくなっている。
【0034】
なお、この吊り具6を掛けるクレーン7は、多くの原子力プラント建屋などに作業用として常設されているクレーンでも良く、そのようなクレーンが使用可能な場合には、新たにクレーンを設置する必要はない。
【0035】
次に、フィルタユニット2の構造について図3(a)、図3(b)、図3(c)及び図4を用いて説明する。図3(a)、図3(b)、図3(c)は、フィルタユニット2の3方向からの外観を示している。
【0036】
該図に示すフィルタユニット2は、外側が遮蔽体11で構成されている。遮蔽体11は、放射線を遮蔽するために、質量数が比較的大きい元素である鉄、鉛、タングステンなどを主成分とした合金で作るか、それらを組み合わせた構造とすることが望ましい。
【0037】
図3(a)に投影される面は、フィルタユニット2が配管架台5と取り合う面である。この面には開口部が2箇所設けられており、一方は、外部から気体廃棄物が流入する気体入口開口部27であり、もう一方は、フィルタユニット2内で処理されて気体廃棄物が流出する気体出口開口部28である。
【0038】
この気体入口開口部27及び気体出口開口部28の周囲には、それぞれドーナツ状のフィルタユニットフランジ12が取付けられ、フィルタユニットフランジ12の配管架台5と取り合う面は平面となっており、2つのフィルタユニットフランジ12の平面は、ほぼ同一の面上に位置するよう配置されている。また、この平面には、気体入口開口部27及び気体出口開口部28を取り囲むように円形の溝が彫ってあり、そこにOリング16が取付けられていると共に、閉止プラグ23を固定するためのネジ穴17が開けられている。
【0039】
フィルタユニット2の側面には、2箇所の固定用リブ20が取付けられており、それぞれ穴21が開けられている。穴21は、フィルタユニット2を配管架台5に対して固定するときに、配管架台5の固定ボルト53を通すためのものである。穴21に固定ボルト53を通した状態で、固定用ナット22を締めることで、図1(a)及び図1(b)に示す状態として、フィルタユニット2を配管架台5に固定することができる。
【0040】
図3(b)に投影される面には、吊り上げ用トラニオン18と軸受用トラニオン19が取付けられている。吊り上げ用トラニオン18は、フィルタユニット2の左右中央の位置であり、上下方向については上側寄りに取付けられている。軸受用トラニオン19の位置は、吊り上げ用トラニオン18よりも低い位置に取付けられ、図3(b)では右側にオフセットした位置に取付けられている。また、図3(b)の紙面裏側にも同様の位置に吊り上げ用トラニオン18と軸受用トラニオン19が取付けられている。2つの吊り上げ用トラニオン18は同一軸上にある位置関係となり、2つの軸受用トラニオン19も同一軸上にある位置関係となる。
【0041】
図4に示す如く、フィルタユニット2は、内部に空洞14が形成されており、空洞14を仕切る位置にフィルタ10が設けられている。また、気体入口開口部27と空洞14は屈曲した迷路構造となった風路13で繋がっている。気体出口開口部28も同様に、屈曲した迷路構造となった風路13で空洞14に繋がっているが、繋がる先の空洞14はフィルタ10で仕切られた反対側となる。
【0042】
この構造により、フィルタユニット2に流入する気体廃棄物は、図4の白抜き矢印で示す方向に流れ、気体入口開口部27から入り、フィルタ10を通過して処理され、気体出口開口部28より流出することとなる。フィルタ10は、通過する気体廃棄物に含まれる放射性物質を捕捉、蓄積する機能を有しており、そのため、フィルタユニット2を通過することによって、気体廃棄物に含まれる放射性物質が低減される。
【0043】
フィルタ10は、処理する気体廃棄物の性質と処理の目的に応じて様々な種類のフィルタの選択肢があり得るが、代表的なフィルタの種類としては、HEPAフィルタや活性炭フィルタなどがある。
【0044】
フィルタユニット2は使用を続けるうちに、次第にフィルタ10に蓄積する放射性物質の量が増加し、それにしたがって、フィルタ10から放出される放射線の量も増加する。しかし、フィルタ10の位置から見たいずれの方向にも十分な厚さの遮蔽体11が存在するため、遮蔽体11を透過してフィルタユニット2の外部へ漏れる放射線の量の増加は抑制される。
【0045】
更に、風路13が迷路構造となっているため、散乱現象によってフィルタユニット2の気体入口開口部27及び気体出口開口部28から漏れる放射線の量も抑制される。
【0046】
よって、フィルタ10単体では、人が近づくことが困難なほどフィルタ10に蓄積された放射性物質の量が増加しても、フィルタユニット2の形態では安全に人が近づいて作業可能となる。
【0047】
次に、図5(a)及び図5(b)を用いて、フィルタユニット2と配管架台5の接続部の構造を説明する。
【0048】
図5(a)は、フィルタユニット2と配管架台5を切り離した状態での接続部断面であり、台車3に置かれたフィルタユニット2のフィルタユニットフランジ12は、配管架台5の接続フランジ52とほぼ平行かつ同一軸線上に位置する。これは、入口配管8a及び出口配管8bのいずれの流路についても同様である。
【0049】
図5(b)は、フィルタユニット2と配管架台5を接続した状態での接続部断面であり、フィルタユニット2の固定用リブ20を、配管架台5の固定ボルト53と固定用ナット22で締め込むことによって、フィルタユニット2は配管架台5に押付けられる。そのとき、フィルタユニットフランジ12に取付けられたOリング16が接続フランジ52の面に接触して押しつぶされるため、接続部は良好な気密を保持することができる。
【0050】
また、フィルタユニットフランジ12と接続フランジ52の接触面は、台車3の進行方向(即ち、レール42の長手方向)と直交するよう配置することで、Oリング16の押しつぶされ方が均一になり易くなり、接続部の気密が保持しやすくなる。
【0051】
なお、フィルタユニットフランジ12と接続フランジ52の隙間54を、隙間ゲージ測定等で測定することにより、気密が十分であるか否かを判定することも可能である。
【0052】
次に、図6(a)及び図6(b)を用いて閉止プラグ23の構造を説明する。
【0053】
該図に示す如く、閉止プラグ23の形状はキノコ状となっており、キノコの傘にあたる部分の中央に、吊り具6の閉止プラグ用スリング64に接続するためのアイボルト24が取付けられ、周囲に穴25が開けられている。
【0054】
この穴25の数と位置関係は、フィルタユニット2の接続フランジ12のネジ穴17と一致するようになっている。また、キノコの軸にあたる部分の下端部29は、テーパ状となっている。
【0055】
閉止プラグ23の使用時には、下端部29をフィルタユニット2の気体入口開口部27又は気体出口開口部28に挿入する。挿入すると、キノコの傘にあたる部分の下側面が、フィルタユニットフランジ12のOリング16と接触する。この状態で、穴25とネジ穴17の位置を合わせ、閉止プラグ用固定ボルト26を穴25に通して、ネジ穴17に締め込むことで、フィルタユニット2内部の放射性物質を内部に密閉して漏れを防止すると共に、気体入口開口部27及び気体出口開口部28から漏れる放射線の線量もさらに下げることができる。
【0056】
この状態では、放射性物質の閉じ込めと放射線の遮蔽がフィルタユニット2と閉止プラグ23で達成されているため、使用済みのフィルタユニット2は安全に取り扱うことができる。
【0057】
以下では、フィルタユニット2の交換作業の方法について説明する。
【0058】
なお、通常、交換作業を行なうタイミングはフィルタユニット2が寿命を迎えた場合である。寿命と判断する条件はフィルタの種類にもよるが、例としてHEPAフィルタを単独で使っているフィルタユニット2では、例えば、以下の2条件のいずれかを満たした場合とすることが考えられる。
【0059】
条件1:フィルタユニット2内部のフィルタ10に捕捉された粒子等が増え、フィルタユニット2の圧力損失が規定値を上回った場合。
【0060】
条件2:フィルタユニット2内部のフィルタ10に捕捉された放射性物質の量が増え、遮蔽体11を透過する放射線量が規定値を上回った場合。
【0061】
上記の条件1を判定するためには、入口配管8aと出口配管8bの差圧を測定する差圧計102を設置し、測定された差圧と規定値を比較することで実現可能である。上記の条件2を判定するためには、フィルタユニット2表面の放射線量を線量計で測定し、測定された放射線量と規定値を比較することで実現可能である。線量の測定は、可搬式の線量計を使用して定期的に行っても良いし、他の方法としては、常時フィルタユニット2の表面線量を測定する線量計101を図8(a)に示す位置に架台等を組んで設置しても良い。
【0062】
なお、本実施例では、台車3が前後に移動することの効果によって、この位置に線量計101を設置しても、交換作業において、線量計101とフィルタユニット2の干渉や線量計101と台車3の干渉等は発生せず、問題なく作業がすすめられる。
【0063】
ここからは、図7(a)〜(c)、図8(a)〜(c)、図9(a)〜(c)を用いて、フィルタユニット交換作業のうちの、フィルタユニット2の取付け作業手順について、図に沿って説明する。
【0064】
図7(a):台車3のハンドル33を操作して、台車3を引いて(図の右側方向に移動させて)、可動範囲後端まで移動させる。なお、図示はしていないが、このときチェーンや輪止めなどを使って台車3の移動を拘束すれば、台車3が不意の外力によって(後輪32がスリップしながら)移動することが防止でき、作業の安全性が高まる。
【0065】
図7(b):吊り具6をクレーン7のフック70に掛ける。このとき、閉止プラグ23は、取付けなくて良い。
【0066】
図7(c):クレーン7を操作してフック70をフィルタユニット2の上まで移動させてから、作業員9が吊り板63の穴65を、フィルタユニット2の吊り上げ用トラニオン18に掛ける(2箇所)。
【0067】
図8(a):クレーン7を操作してフィルタユニット2を持ち上げ、台車3の上へ移動させる。更に、フィルタユニット2の軸受用トラニオン19が、台車3の軸受37に2箇所とも乗るようにクレーン7を操作する。次にクレーン7を操作して、図の左側へ軸受用トラニオン19を回転中心として、フィルタユニット2を90度倒す。
【0068】
なお、図8(a)の状態から倒すために行なうクレーン7の操作は、クレーン7の高さが十分あれば、フック70を下ろす操作だけ行い、フィルタユニット2が完全に倒れてから吊り板63を外すために、フック70を図の左方向へ動かせば良い。
【0069】
このとき、台車3がフィルタユニット2から受ける力の成分は、図の下向きと右向きだけのものとなり、台車3の右側への移動は、ストッパ44で阻止されているため、台車3が不意に動く危険性はない。
【0070】
これは、軸受用トラニオン19をフィルタユニット2の中央よりも右側にオフセットしたことによる効果である。もし、クレーン7の高さが低く、フィルタユニット2を倒す過程でフック70の左右方向位置を調整しなければならない場合でも、吊り具6のフィルタユニット用スリング62の傾きが、常に図上で右上がりの方向となるように操作すれば、台車3が不意に動く危険を防止できる。
【0071】
図8(b):クレーン7を操作して、吊り板63を外しやすい位置までフック70を移動させた後、作業員9が吊り板63をフィルタユニット2から外す(2箇所)。その後、クレーン7を操作し、作業の妨げにならない位置に移動させる。
【0072】
図8(c):台車3を輪止め、チェーンなどで固定している場合は、それを外す。作業者9は台車3のハンドル33を操作して、台車3を前進させる(図の左側へ移動させる)。
【0073】
図9(a):フィルタユニット2のフィルタユニットフランジ12が、配管架台5の接続フランジ52と接触したら台車3の前進を止める。このとき、配管架台5の固定ボルト53は、フィルタユニット2の固定用リブ20の穴21に挿し込まれた状態となっている。
【0074】
図9(b):作業者9は、スパナなどの工具(図示せず)を使用して、配管架台5の固定ボルト53に固定用ナット22を取付けて締める。この作業によって、フィルタユニット2は配管架台5に対して固定される。
【0075】
図9(c):フィルタユニットフランジ12と接続フランジ52の隙間54を、隙間ゲージなどによって測定し、所定の幅よりも狭いことを確認できれば、接続部の気密が確保できた状態になったと判断し、フィルタユニット2の取付け作業を完了とする。
【0076】
ここからは、フィルタユニット交換作業のうちの、フィルタユニット2の取外し作業について説明する。
【0077】
フィルタユニット2の取外し作業では、フィルタ10に放射性物質が蓄積したために、フィルタユニット2のから出る放射線が強くなっていることを想定して、作業者の被ばく量を低減する対策が必要となる。
【0078】
その対策の基本方針としては、以下のことが重要である。即ち、「作業者はフィルタユニット2になるべく近寄らない。」、「特に、放射線の散乱現象によって他の部分より放射線が強いと考えられる気体入口開口部27、気体出口開口部28の前面には作業者が立たない」、「作業者がフィルタユニットに近づく必要がある作業は、なるべく短時間とする」、「フィルタユニット2の内部に溜まっている放射性物質をこぼさない」。
【0079】
以下、図10(a)〜(c)、図11(a)〜(c)、図12(a)、(b)、図13(a)、(b)を用いて、フィルタユニット交換作業のうちの、フィルタユニット2の取外し作業手順について、図に沿って説明する。
【0080】
図10(a):フィルタ取外し作業前の状態である。フィルタユニット2は配管架台5に対して固定されている。なお、破線の矩形は、フィルタユニット2の表面線量を常時監視する場合に、線量計101を配置可能な場所の例である。フィルタユニット2の取外し作業の最初には、入口配管8aからの気体廃棄物の供給を停止させる。
【0081】
図10(b):吊り具6をクレーン7のフック70に掛ける。このとき、2本の閉止プラグ用スリング64には、それぞれ1個ずつの閉止プラグ23を取付けておく。
【0082】
図10(c):作業者9は、フィルタユニット2を配管架台5に固定している固定用ナット22を外す(2箇所)。
【0083】
図11(a):作業者9は台車3のハンドル33を回し、後退させる。
【0084】
図11(b):台車3を可動範囲の後端まで移動させたら、ハンドル33の操作を止める。このとき、取付け作業のときと同様に、輪止め、チェーンなどで台車3の意図しない動きを防止する処置を施すと、以降の作業の安全性を高めることができる。
【0085】
図11(c):クレーン7を操作して、吊り具6の吊り板63がフィルタユニット2の吊り上げ用トラニオン18に掛け易い位置になるようにした後に、作業員9がフィルタユニット2のそばまで寄り、吊り上げ用トラニオン18に吊り板63を掛ける。(2箇所)
図12(a):クレーン7を操作して、軸受用トラニオン19を回転中心としてフィルタユニット2を時計回りに90度回転させて立てる。
【0086】
なお、図11(c)の状態から図12(a)の状態へ遷移する途中では、吊り具6のフィルタユニット用スリング62が紙面で右上がりの傾きとなる状態を保つようにすれば、取付け作業のときと同様に、台車3の意図しない移動を防止することができ、作業が安全に進められる。
【0087】
図12(b):クレーン7を操作して、台車3からフィルタユニット2を切り離した後に、床の適切な場所にフィルタユニット2を下ろす。
【0088】
図13(a):引き続きクレーン7を操作してフック70を下ろすと、吊り具6に取付けられた閉止プラグ23の下側部分は、フィルタユニット2の気体入口開口部27及び気体出口開口部28に挿入される。なお、閉止プラグ23の下端部29がテーパ状になっていることによって、挿入が容易になるという効果が得られる。
【0089】
次に、作業者9がフィルタユニット2に近づいて、吊り具6の吊り板63を、フィルタユニット2の吊り上げ用トラニオン18から外す。
【0090】
なお、このとき、既にフィルタユニット2の気体入口開口部27及び気体出口開口部28は、閉止プラグ23が挿入されているため、放射線の散乱によって開口部前方の放射線が特に強くなっている恐れはなくなっている。
【0091】
図13(b):最後に、閉止プラグ固定用ボルト26によって閉止プラグ23をフィルタユニット2に固定する。このとき、閉止プラグ23は、フィルタユニットフランジ12に取付けられたOリング16と接触して押しつぶすため、フィルタユニット2内部の放射性物質は完全に閉じ込められ、容易にフィルタユニット2の外部に出てこない状態となる。
【0092】
この時点で、強い放射線を出すフィルタ10は、遮蔽体11に完全に囲まれ、なおかつ密閉された状態であるので、遮蔽体11を放射性廃棄物の保管容器としてそのまま利用することが可能である。
【0093】
よって、本実施例では、フィルタ10が強い放射線を出すようになった後に、これを遮蔽されていない状態で直接ハンドリングする必要はなく、廃棄物の取扱い、保管の安全性は高いという利点がある。
【0094】
以上が、フィルタユニット2を取付ける作業手順である。作業手順中、固定用ナット22の取外し、吊り具6を使った玉掛け、閉止プラグ固定用ボルト26による閉止プラグ23の固定といった、作業員9がフィルタユニット2のすぐ近くまで寄る必要がある作業項目はあるが、いずれも細かい調整作業などの時間の掛かる作業項目はなく、比較的短時間で完了可能な作業項目である。
【0095】
また、閉止されていない状態での気体入口開口部27及び気体出口開口部28の前方や近くで実施しなければならない作業項目はない。また、フィルタユニット2の気体入口開口部27及び気体出口開口部28は、作業手順中、常に水平か上向きとなっており、気体入口開口部27及び気体出口開口部28から放射性物質がこぼれ落ちる可能性も低減されている。
【0096】
更に、本実施例のフィルタユニット交換装置1では、動力を要する装置は、しばしば設置場所の既設品が使用可能なクレーン7のみであり、複雑な機構がないにも関わらず、強い放射線を放出しているフィルタ10の低被ばく量で交換作業が可能である。
【0097】
よって、従来の技術を用いた場合に較べて、本実施例では、作業上の安全性を確保しつつ、フィルタユニット交換装置1の製作コスト低減、製作期間短縮を実現できるという利点が発生する。
【0098】
本実施例では、これまで記述したように、フィルタユニット2と配管架台5の取合い部分で気体廃棄物が漏えいしない構造となっているが、更に、安全性を高めるために、図14に示す構成が考えられる。
【0099】
図14は、気体廃棄物供給源201から発生する気体廃棄物を、フィルタユニット2で処理、浄化して、排気筒203から排出する系統構成を示している。
【0100】
この構成では、気体廃棄物を流すための圧力差を作るブロア202が出口配管8bの下流にある。ブロア202出口よりも下流部分には、排気筒203のみであるため、ブロア202出口の圧力は、ほぼ大気圧となる。
【0101】
よって、気体廃棄物供給源201から供給される気体廃棄物の圧力を大気圧並とし、ブロア202の作る圧力差を十分大きく取れば、入口配管8a、フィルタユニット2、出口配管8bのいずれの内部も負圧とすることができる。
【0102】
この状態であれば、万一、フィルタユニット2と配管架台5の取合い部分に漏れが生じても、系統外部の空気が系統内部に入る方向に漏れることとなり、系統外部に放射性物質が漏えいする可能性をさらに低減できる利点が生じる。
【符号の説明】
【0103】
1…フィルタユニット交換装置、2…フィルタユニット、3…台車、4…ベース、5…配管架台、6…吊り具、7…クレーン、8…配管、8a…入口配管、8b…出口配管、9…作業員、10…フィルタ、11…遮蔽体、12…フィルタユニットフランジ、13…風路、14…空洞、16…Oリング、17…ネジ穴、18…吊り上げ用トラニオン、19…軸受用トラニオン、20…固定用リブ、21、25、55、65…穴、22…固定用ナット、23…閉止プラグ、24…アイボルト、26…閉止プラグ固定用ボルト、27…気体入口開口部、28…気体出口開口部、29…下端部、31…前輪、32…後輪、33…ハンドル、34…ウォーム減速器、35…動力伝達機構、36…トラニオン受け、37…軸受、38…支え板、40…ベース枠、41…ベース天板、42…レール、43、44…ストッパ、50…架台基部、51…配管スタンド、52…接続フランジ、53…固定ボルト、54…隙間、60…吊り具本体部、61…スリング、62…フィルタユニット用スリング、63…吊り板、64…閉止プラグ用スリング、70…フック、101…線量計、102…差圧計、201…気体廃棄物供給源、202…ブロア、203…排気筒。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性の気体廃棄物の流路を形成するケーシングと、前記流路の途中に配置され、該流路を流れる気体廃棄物から放射性物質を除去するフィルタと、前記ケーシングに開けられた気体廃棄物が流入する流入開口部と、前記ケーシングに開けられた気体廃棄物を流出させる流出開口部とを備えたフィルタユニットにおいて、
前記ケーシングが放射線を遮蔽する遮蔽体で形成され、かつ、前記放射性の気体廃棄物の流路のうち、前記流入開口部付近と前記流出開口部付近が屈曲した迷路構造を形成し、かつ、前記流入開口部と前記流出開口部が概ね同じ方向を向いていることを特徴とするフィルタユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のフィルタユニットにおいて、
前記流入開口部と前記流出開口部が、ほぼ同一の平面上にあることを特徴とするフィルタユニット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフィルタユニットにおいて、
前記流入開口部の周囲と前記流出開口部の周囲に、弾性を有するガスケットを設けたことを特徴とするフィルタユニット。
【請求項4】
請求項1乃至3にいずれか1項に記載のフィルタユニットにおいて、
揚重機で吊るための吊り具取付け部位を有し、該吊り具取付け部位が、該吊り具取付け部位を使用して前記揚重機で吊り上げたときに、前記流入開口部及び前記流出開口部が水平方向よりも上方向を向く配置となり、かつ、前記吊り具取付け部位を使用して前記フィルタユニットを前記揚重機で吊り上げたときに、前記吊り具取付け部位よりも下側の位置に2箇所の突起を有し、該2箇所の突起は、前記フィルタユニットの本体部を挟んで互いに反対の面に配置されていることを特徴とするフィルタユニット。
【請求項5】
請求項4に記載のフィルタユニットにおいて、
前記2箇所の突起が、前記取付け部位を使用して前記揚重機で前記フィルタユニットを吊り上げたときに、前記取付け部位を通る鉛直線よりも水平方向にオフセットした位置に存在することを特徴とするフィルタユニット。
【請求項6】
放射性の気体廃棄物の導入管路と排出管路を有したフィルタユニット交換装置において、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のフィルタユニットを使用して放射性の気体廃棄物を処理するシステムに適用することを特徴とするフィルタユニット交換装置。
【請求項7】
請求項6に記載のフィルタユニット交換装置において、
設置位置の床に対して容易に動かないように設置又は固定されているフィルタユニット交換装置本体部と、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のフィルタユニットを搭載するための台車を構成要素として有し、かつ、該フィルタユニット交換装置の前記導入管路の下流側末端と、前記排出管路の上流側末端の位置関係が、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のフィルタユニットの前記流入開口部と前記導入管路の下流側末端が接触すると同時に、前記フィルタユニットの前記流出開口部と前記排出管路の上流側末端を接触させることが可能な位置関係にあることを特徴とするフィルタユニット交換装置。
【請求項8】
請求項7に記載のフィルタユニット交換装置において、
前記台車上には、請求項4又は5に記載のフィルタユニットの前記2箇所の突起を同時に支持することができる支持構造部材を有し、前記支持構造部材によって、前記2箇所の突起を支持した状態で、前記2箇所の突起の両方を通る直線を回転中心として、前記フィルタユニットを回転運動させることが可能な構造となっていることを特徴とするフィルタユニット交換装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載のフィルタユニット交換装置において、
前記台車は床面又は前記フィルタユニット交換装置に固定されたレールの上を走行する構造となっていることを特徴とするフィルタユニット交換装置。
【請求項10】
請求項6乃至9のいずれか1項に記載のフィルタユニット交換装置において、
前記フィルタユニット本体部と、前記フィルタユニット交換装置の位置関係を固定するための部材を有することを特徴とするフィルタユニット交換装置。
【請求項11】
請求項7乃至10のいずれか1項に記載のフィルタユニット交換装置において、
前記フィルタユニット交換装置の本体部と、前記台車とは別体の請求項1乃至5のいずれか1項に記載のフィルタユニットを揚重機によって吊り上げるために使用する吊り具を備えていることを特徴とするフィルタユニット交換装置。
【請求項12】
請求項11のフィルタユニット交換装置において、
前記吊り具は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のフィルタユニットを吊るのと同時に、前記フィルタユニットの前記流入開口部及び前記流出開口部を閉止する閉止部材を吊ることが可能である構造となっていることを特徴とするフィルタユニット交換装置。
【請求項13】
請求項12のフィルタユニット交換装置において、
前記吊り具に、前記フィルタユニットの前記流入開口部及び前記流出開口部を閉止するための2つの閉止部材を吊ったときに、前記2つの閉止部材の間隔が、前記フィルタユニットの前記流入開口部と前記流出開口部の間隔にほぼ等しいことを特徴とするフィルタユニット交換装置。
【請求項14】
請求項6乃至13のいずれか1項に記載のフィルタユニット交換装置において、
前記フィルタユニット交換装置の前記導入管路と前記排出管路及び前記フィルタユニットの内部の圧力が、大気圧よりも低い圧力で運転される構造となっていることを特徴とするフィルタユニット交換装置。
【請求項15】
請求項14に記載のフィルタユニット交換装置において、
前記フィルタユニット交換装置の前記導入管路と前記排出管路及び前記フィルタユニットの内部の圧力が大気圧よりも低い圧力で運転される構造が、前記排出管路よりも下流に送風機を配置することで実現されていることを特徴とするフィルタユニット交換装置。
【請求項1】
放射性の気体廃棄物の流路を形成するケーシングと、前記流路の途中に配置され、該流路を流れる気体廃棄物から放射性物質を除去するフィルタと、前記ケーシングに開けられた気体廃棄物が流入する流入開口部と、前記ケーシングに開けられた気体廃棄物を流出させる流出開口部とを備えたフィルタユニットにおいて、
前記ケーシングが放射線を遮蔽する遮蔽体で形成され、かつ、前記放射性の気体廃棄物の流路のうち、前記流入開口部付近と前記流出開口部付近が屈曲した迷路構造を形成し、かつ、前記流入開口部と前記流出開口部が概ね同じ方向を向いていることを特徴とするフィルタユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のフィルタユニットにおいて、
前記流入開口部と前記流出開口部が、ほぼ同一の平面上にあることを特徴とするフィルタユニット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフィルタユニットにおいて、
前記流入開口部の周囲と前記流出開口部の周囲に、弾性を有するガスケットを設けたことを特徴とするフィルタユニット。
【請求項4】
請求項1乃至3にいずれか1項に記載のフィルタユニットにおいて、
揚重機で吊るための吊り具取付け部位を有し、該吊り具取付け部位が、該吊り具取付け部位を使用して前記揚重機で吊り上げたときに、前記流入開口部及び前記流出開口部が水平方向よりも上方向を向く配置となり、かつ、前記吊り具取付け部位を使用して前記フィルタユニットを前記揚重機で吊り上げたときに、前記吊り具取付け部位よりも下側の位置に2箇所の突起を有し、該2箇所の突起は、前記フィルタユニットの本体部を挟んで互いに反対の面に配置されていることを特徴とするフィルタユニット。
【請求項5】
請求項4に記載のフィルタユニットにおいて、
前記2箇所の突起が、前記取付け部位を使用して前記揚重機で前記フィルタユニットを吊り上げたときに、前記取付け部位を通る鉛直線よりも水平方向にオフセットした位置に存在することを特徴とするフィルタユニット。
【請求項6】
放射性の気体廃棄物の導入管路と排出管路を有したフィルタユニット交換装置において、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のフィルタユニットを使用して放射性の気体廃棄物を処理するシステムに適用することを特徴とするフィルタユニット交換装置。
【請求項7】
請求項6に記載のフィルタユニット交換装置において、
設置位置の床に対して容易に動かないように設置又は固定されているフィルタユニット交換装置本体部と、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のフィルタユニットを搭載するための台車を構成要素として有し、かつ、該フィルタユニット交換装置の前記導入管路の下流側末端と、前記排出管路の上流側末端の位置関係が、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のフィルタユニットの前記流入開口部と前記導入管路の下流側末端が接触すると同時に、前記フィルタユニットの前記流出開口部と前記排出管路の上流側末端を接触させることが可能な位置関係にあることを特徴とするフィルタユニット交換装置。
【請求項8】
請求項7に記載のフィルタユニット交換装置において、
前記台車上には、請求項4又は5に記載のフィルタユニットの前記2箇所の突起を同時に支持することができる支持構造部材を有し、前記支持構造部材によって、前記2箇所の突起を支持した状態で、前記2箇所の突起の両方を通る直線を回転中心として、前記フィルタユニットを回転運動させることが可能な構造となっていることを特徴とするフィルタユニット交換装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載のフィルタユニット交換装置において、
前記台車は床面又は前記フィルタユニット交換装置に固定されたレールの上を走行する構造となっていることを特徴とするフィルタユニット交換装置。
【請求項10】
請求項6乃至9のいずれか1項に記載のフィルタユニット交換装置において、
前記フィルタユニット本体部と、前記フィルタユニット交換装置の位置関係を固定するための部材を有することを特徴とするフィルタユニット交換装置。
【請求項11】
請求項7乃至10のいずれか1項に記載のフィルタユニット交換装置において、
前記フィルタユニット交換装置の本体部と、前記台車とは別体の請求項1乃至5のいずれか1項に記載のフィルタユニットを揚重機によって吊り上げるために使用する吊り具を備えていることを特徴とするフィルタユニット交換装置。
【請求項12】
請求項11のフィルタユニット交換装置において、
前記吊り具は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のフィルタユニットを吊るのと同時に、前記フィルタユニットの前記流入開口部及び前記流出開口部を閉止する閉止部材を吊ることが可能である構造となっていることを特徴とするフィルタユニット交換装置。
【請求項13】
請求項12のフィルタユニット交換装置において、
前記吊り具に、前記フィルタユニットの前記流入開口部及び前記流出開口部を閉止するための2つの閉止部材を吊ったときに、前記2つの閉止部材の間隔が、前記フィルタユニットの前記流入開口部と前記流出開口部の間隔にほぼ等しいことを特徴とするフィルタユニット交換装置。
【請求項14】
請求項6乃至13のいずれか1項に記載のフィルタユニット交換装置において、
前記フィルタユニット交換装置の前記導入管路と前記排出管路及び前記フィルタユニットの内部の圧力が、大気圧よりも低い圧力で運転される構造となっていることを特徴とするフィルタユニット交換装置。
【請求項15】
請求項14に記載のフィルタユニット交換装置において、
前記フィルタユニット交換装置の前記導入管路と前記排出管路及び前記フィルタユニットの内部の圧力が大気圧よりも低い圧力で運転される構造が、前記排出管路よりも下流に送風機を配置することで実現されていることを特徴とするフィルタユニット交換装置。
【図1(a)】
【図1(b)】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図3(c)】
【図4】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図6(a)】
【図6(b)】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図1(b)】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図3(c)】
【図4】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図6(a)】
【図6(b)】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−83487(P2013−83487A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222244(P2011−222244)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
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