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フィルター、バンプ付きメンブレンリングの製造方法およびウエハ一括コンタクトボード
説明

フィルター、バンプ付きメンブレンリングの製造方法およびウエハ一括コンタクトボード

【課題】バンプ付きメンブレンリングの数十μmの微小なニッケルバンプを電気めっきにより多数形成する場合において、均一なサイズで形成する方法の提供。
【解決手段】ソーダライムガラスの微細な粒子を焼結させて形成した、孔径が0.5μm以下の微細孔を有する無機多孔質体からなる板状のフィルター17を、処理槽11に、陰極13のメンブレンリングと平行になるように設置し、電気めっきを行う。これにより、サブミクロン程度の大きさのニッケル粒子からなるスライムが、陰極13側へ拡散することを良好に防止することができ、均一なニッケルバンプ26を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気めっきにおいて、不溶性残渣を除去するためのフィルター、そのフィルターを用いて電気めっきによりめっき成長させ形成したバンプを有するバンプ付きメンブレンリングの製造方法、バンプ付きメンブレンリングを構成部品とするウエハを一括してバーンイン試験を行うためのウエハ一括コンタクトボードに関する。
【背景技術】
【0002】
ウエハ上に複数形成された半導体デバイスの検査は、プローブカードによる製品検査(電気的特性試験)と、その後に行われる信頼性試験であるバーンイン試験に大別される。バーンイン試験は、固有欠陥のある半導体デバイス、あるいは製造上のばらつきから、時間とストレスに依存する故障を起こすデバイスを除くために行われるスクリーニング試験の一つである。プローブカードによる検査が製造したデバイスの電気的特性試験であるのに対し、バーンイン試験は熱加速試験と言える。
【0003】
バーンイン試験においては、プローブカードによって1チップ毎に行われる電気的特性試験の後に、ウエハをダイシングによりチップに切断し、パッケージングしたものについて一つずつバーンイン試験を行う方法(1チップバーンインシステム)が広く採用されているが、現在、特許文献1に示すように、ウエハ上に多数形成された半導体デバイスのバーンイン試験を一括して一度に行うためのウエハ一括コンタクトボード(バーンインボード)の開発及び実用化が進められている。ウエハ一括コンタクトボードを用いたウエハ・一括バーンインシステムは、コスト的に実現可能性が高い他に、ベアチップ出荷及びベアチップ搭載といった最新の技術的な流れを実現可能にするためにも重要な技術である。ウエハ一括コンタクトボードが実用化されると、従来プローブカードによって行われていた製品検査(電気的特性試験)を、ウエハ一括で行うことも可能となる。ウエハ一括コンタクトボードは、ウエハを一括で検査するため、数万個以上のパッドと接する必要があることや、加熱試験に用いる点で、従来プローブカードと比較して高い信頼性が要求される。
【0004】
ウエハ一括コンタクトボードは、通常、多層配線基板に、異方性導電ゴムシートを介して、バンプ付きメンブレンリングを固定した構造を有する。バンプ付きメンブレンリングは、リングと、リングに張り渡された絶縁性薄膜の一方の面に設けられたバンプと、このバンプと電気的に接続して他方の面に設けられたパッドとを備えるものである。バンプ付きメンブレンリングに設けられた数千〜数十万個のバンプが、半導体ウエハ上のデバイスのパッドと接触し、多層配線基板の導電層に接続された電源および信号源から印加される電源電圧およびバーンイン試験信号が、異方性導電ゴムシートを介してバンプ付きメンブレンリングのパッドに送られる。パッドに導通するバンプからウエハ上の半導体デバイスに送られて、バーンイン試験が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−231019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
バンプの形成方法としては、電気めっき法が採用されている。電気めっき法においては、陽極の金属板から溶け出した微小なスライム(s’lime)が発生し、このスライムが被めっき物に付着して凹凸ができ、均一なめっきができない場合がある。スライムが溶液内に拡散しないように、通常、陽極をアノードバックという袋に入れて電気めっきを行う。
ところが、バンプ付きメンブレンリングのような、数十μm以下の微小なバンプを数千〜数十万個という多数形成する場合、この付着したスライムがバンプに異常成長を起こし、他のバンプよりはるかに大きなバンプとなってしまい、コンタクト性が著しく低下したり、歩留りが低下するという問題がある。バンプ付きメンブレンリングにおける、めっき成長させ形成された数万個のめっきバンプのうち、異常成長したものについて、TEM(透過電子顕微鏡)観察を行ったところ、異常成長したバンプ内部に、スライム、すなわち大きさがサブミクロン程度のニッケル粒子が凝集していることを発見した。これは、スライムがアノードバックの孔を通りぬけて、被めっき物のメンブレンリングにニッケル粒子が凝集し、その部分だけ電流密度が大きくなり、異常成長したものと考えられる。直径数十μmの微細なバンプを形成するためのめっき工程においては、基板全面を均一にめっきするような場合に用いられる通常のアノードバックでは、スライムの除去が困難であることがわかった。さらなる微細化が進むと、バンプの数も多くなり、より一層、めっき成長させ形成された均一なバンプめっきが要求される。
また、めっき工程においては、外部から微粒子や陽極金属中に含まれる不純物を除去するために、めっき溶液を循環させて濾過を行っている。濾過を行うフィルターの網目を小さくしてポンプの回転速度を上げることが考えられるが、フィルターの目を小さくすると、濾過に数十時間要し、また、目詰まりによって、ポンプ効率が悪くなり、濾過が良好に行われないことが考えられる。さらに、めっき中は、めっき液の対流により、バンプの形状がいびつになるため、循環を停止しているので、アノードバッグの効率向上が必須である。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、数十μm以下の微小なバンプを多数、均一に、電気めっきによりめっき成長させ、形成するためのフィルター、そのフィルターを用いてめっき成長させ、形成されたバンプを有するバンプ付きメンブレンリングの製造方法、並びにその製造方法により得られたバンプ付きメンブレンリングを備えたウエハ一括コンタクトボードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
電気めっきにおいて、陽極から発生する不溶性残渣が拡散して陰極の被めっき物に付着するのを防止するために用いられ、不溶性残渣は通過せず、かつ、陽イオンは通過する多数の細孔を有するフィルターであって、
前記細孔の孔径は、0.5μm以下であり、
めっき浴に耐性を有する材料からなることを特徴とするフィルター。
【0009】
(構成2)
前記フィルターは、上端部が開口し、下端部が閉鎖した袋状の形状であることを特徴とする構成1記載のフィルター。
【0010】
(構成3)
前記フィルターは、無機系材料または有機系材料からなる多孔質体であることを特徴する構成1または2記載のフィルター。
【0011】
(構成4)
ポリイミドフィルムと導電性フィルムとを貼り合わせた積層フィルムを、剛性リングに貼り渡す接着工程と、
前記ポリイミドフィルムに前記導電性フィルムが露出する深さでバンプホールを形成するバンプホール形成工程と、
構成1から3いずれか1項記載のフィルターを用いて、電気めっきにより、前記バンプホール内部をめっき成長させて埋めた後、続いて前記ポリイミドフィルム表面に突出する半球状のバンプを、めっき成長させて形成するバンプ形成工程と、
前記導電性フィルムをパターニングすることにより、前記バンプと導通するパッドを形成するパッド形成工程と
を有することを特徴とするバンプ付きメンブレンの製造方法。
【0012】
(構成5)
構成4の製造方法により製造されたバンプ付きメンブレンリングと、
基板上に複数の導電層が絶縁層を介して積層されてなる多層配線基板とを有することを特徴とするウエハ一括コンタクトボード。
【発明の効果】
【0013】
本発明のフィルターによれば、細孔の孔径が、0.5μm以下であるので、陽極の金属の不溶性残渣である微小なスライムが、陰極側へ拡散して、陰極の被めっき物に付着するのを良好に防止することができる。よって、スライムが被めっき物に付着して、部分的に電流密度が高くなって異常成長することを防止することができる。特に、数十μm以下の微小なバンプを数万個めっきする場合には、部分的に異常成長するのを防止することができ、均一なバンプを形成することができるので、歩留りを向上させることができる。
【0014】
構成2によれば、上端部が開口し、下端部が閉鎖した袋状の形状とすることにより、作業工程が簡略であり、容易にスライムを除去することが可能である。
【0015】
本発明のバンプ付きメンブレンリングの製造方法によれば、数万個の微小なバンプが均一に電気めっきにより形成されているので、高歩留りを実現でき、高い信頼性を得ることができる。
【0016】
本発明のウエハ一括コンタクトボードよれば、本発明のバンプ付きメンブレンリングを備えているので、高い信頼性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第一の実施形態によるフィルターを備えた電気めっき装置の概略構成図
【図2】本発明の第二の実施形態によるフィルターを備えた電気めっき装置の概略構成図
【図3】本発明のバンプ付きメンブレンリングの製造過程を示す概略断面図
【図4】本発明のウエハ一括コンタクトボードの概略断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明の第一の実施形態によるフィルターについて説明する。図1に、本発明のフィルターを用いて、メンブレンリングにニッケル(Ni)バンプを形成するための電気めっき装置の概略構成図を示す。
本実施形態のフィルターは、不溶性残渣は通過せず、かつ、陽イオンは通過する多数の細孔を有するものであり、孔径0.5μm以下の微細孔を多数備えている。高分子有機化合物からなる織布あるいは不織布であり、上端部が開口し、下端部が閉鎖した袋状であることを特徴とする。フィルター16は、細孔の孔径が0.5μm以下の微細孔であるため、陽極のニッケルの不溶性残渣が拡散するのを良好に防止することができる。孔径は好ましくは、めっき成長によるバンプ形成速度を不溶性残渣の拡散防止の観点から、0.1μm上0.5μm以下が望ましく、さらには、0、2μm以上0.4μm以下が好ましい。
【0019】
高分子有機化合物からなるフィルターは、例えば、ポリプロピレン、ナイロン、サラン、カネカロン、ポリエチレン、ポリスチレン、テトロン(登録商標)、フッ素系樹脂のような、めっき浴の溶液に耐性を有する高分子有機化合物を挙げることができる。高分子有機化合物からなる不織布のフィルターの形成方法としては、公知の、電界紡糸法等を挙げることができる。これら高分子有機化合物からなる織布あるいは不織布のフィルターは、酸性あるいはアルカリ性のめっき浴に耐性を有し、良好にスライムを除去できるので、好ましい。
【0020】
本発明のフィルターを用いたニッケルめっき装置は、図1に示すように、めっき浴14で満たされた処理槽11と、めっき浴中14に設置された、フィルター16に収容された陽極12と、陰極13と、均一な大きさのバンプを形成するため、電界を制御するための遮蔽板15とを備えるものである。陰極13には被めっき物であるメンブレンリングが設置されている。メンブレンリングとは、詳細は後述するが、例えば、剛性リングに銅フィルムといった導電性フィルムとポリイミドフィルムからなる積層フィルムが貼り渡されたものであり、積層フィルムにバンプホールがバンプ形成の数だけ形成されている。そのバンプホールにニッケルめっきを施して、バンプを形成するものである。陽極金属としては、ニッケルを用いる。
【0021】
めっき浴14としては、例えばスルファミン酸浴を用いる。スルファミン酸浴構成は、ニッケルイオンの供給源としてのスルファミン酸ニッケル水溶液と、陽極溶解促進剤としてのシュウ化ニッケルと、pH緩衝剤としてのホウ酸とからなる。
【0022】
ニッケルめっきのめっき浴としては、スルファミン酸浴に限らず、塩化ニッケルからなるストライク浴(ウッド浴)、硫酸ニッケルからなるワット浴等であってもよく、これらのめっき浴に対して、本発明のフィルターを用いることは効果的である。
【0023】
図1に示すように、メンブレンリングへのバンプ形成は、陰極側の積層フィルム28のバンプホール部をめっきした後、成長を続けて半球状となることにより行われる。
【0024】
次に、本発明の第二の実施形態によるフィルターについて説明する。図2は、本発明のフィルターが設置された電気めっき装置の概略構成図である。図1と同じ構成要素については同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施形態のフィルター17は、不溶性残渣は通過せず、かつ、ニッケルイオンは通過する、孔径0.5μm以下の多数の微細孔を有するものである。フィルター17は、板状であり、めっき浴を満たす処理槽に取り付け可能で、陰極のメンブレンリングと平行に設置して使用する。厚さ1mm〜20mmのガラスあるいはセラミックからなる無機系多孔質体である。無機系多孔質体は、公知の方法により得ることができる。例えば、粒径0.1mm〜0.5mmのソーダライムガラスからなる微細な粒子(ガラスビーズ)を、720℃で、30分〜120分焼結することによって得ることができる。
また、例えば、ホウケイ酸ガラス板を、800℃で加熱処理し、ガラスを構成する酸化ケイ素(SiO)とそれ以外を分離させ、酸溶液に溶けやすいところと、溶けにくいところを作り、最後に酸溶液に上記ガラスを接触させることによって無機系多孔質体を得ることができる。
【0025】
無機系多孔質体の材料としては、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノシリケートガラスであってもよく、これらの一つあるいは複数の微細な粒子を焼結することによって得られる無機系多孔質体であってもよい。
【0026】
また、ポリエチレンやポリプロピレン等の有機高分子の微細な粒子から得られる有機系多孔質体であってもよい。
これらの無機系多孔質体、有機系多孔質体の微細孔の孔径は、微細な粒子のサイズ、焼結(加熱)条件等により制御することができる。
これら無機系多孔質体、有機系多孔質体からなるフィルターは、酸性あるいはアルカリ性のめっき浴に耐性を有し、良好にスライムを除去できるので好ましい。
【0027】
上記2つの実施形態においては、ニッケルめっきについて説明したが、これに限らず、金、パラジウム、ルテニウム、白金、銀、クロム、銅等の他の金属を電気めっきする場合にも、本発明のフィルターを用いることは効果的である。
【0028】
また、処理槽11には、めっき浴中に発生するニッケル粒子を含む種々の不溶性の不純物を除去するために、供給管および排出管と、フィルターと、ポンプとからなる濾過循環経路を設けてもよい。循環濾過に用いるフィルターの微細孔の孔径は、濾過時間や濾過効率を考慮して、0.1μm〜0.5μm、望ましくは、0.2μm〜0.4μm程度が好ましい。めっき中は、循環により、めっき浴に対流が生じて、バンプ形状が不均一になるのを防止するため、循環は停止することが望ましい。
【0029】
次に、本発明のフィルターを用いて電気めっきにより、めっき成長させ形成したバンプを有するバンプ付きメンブレンリングの製造方法について説明する。図3に、その製造過程の概略断面図を示す。
図3(a)に示すように、厚さ18μmの銅フィルム21と厚さ25μmのポリイミドフィルム22が積層されてなる積層フィルム28に、直径約8インチ、厚さ2mmの環状のSiCからなるリング23を熱硬化性接着剤により接着する。この積層フィルム28としては、銅フィルム21とポリイミドフィルム22との熱膨張係数の差が0.5ppm/℃である積層フィルムを用いることが望ましい。この時、積層フィルム28、その上にSiCリング23および重石を置き、150℃に加熱して一定時間放置することにより、熱硬化性接着剤を硬化させて積層フィルム28とSiCリング23を接着させる。
【0030】
次に、図3(b)に示すように、上記加熱接着工程を終えたものを、常温まで冷却し、加熱前の状態まで収縮させる。カッターでリング23の外周に沿ってリング23の外側の積層フィルム28を切断除去する。
【0031】
次に、図3(c)に示すように、積層フィルム28の銅フィルム上に、NiおよびAuメッキ(厚さ1〜2μm)を順次施し(図示せず)、アライメントマーク24を形成する。
【0032】
次に、図3(d)に示すように、ポリイミドフィルム22の所定位置に、エキシマレーザーを用いて、直径約30μmΦのバンプホール25を形成する。
次に、銅フィルム21の表面がめっきされないように保護した後、銅フィルム21にめっき用電極の陰極を接続してNiの電気めっきを行う。ここで、例えば、上記実施形態1のような本発明のフィルターを用いた電気めっきにより、陽極金属としてニッケルを用い、スルファミン酸浴にて、電気めっきを行う。図3(e)に示すように、めっきは、バンプンプホールを埋めるようにして成長した後、ポリイミドフィルムの表面に達すると、等方的に広がってほぼ半球状に成長し硬質Niからなるバンプ26が形成される。この場合、バンプ26の高さが約20〜30μmになるまでめっきを行う。その後、バンプ26と半導体ウエハ上のパッドとの間のコンタクト抵抗を安定させるため、バンプ26の表面にAuからなる電気メッキ層を形成する。(図示せず)。
【0033】
最後に、図3(f)に示すように、銅フィルム21を周知のリソグラフィ法によりパターニングして、バンプと対応して、直径約150μmのパッド21aを形成し、バンプ付きメンブレンリング20を作製する。
【0034】
次に、本発明のフィルターを用いてバンプが形成されたバンプ付きメンブレンリングと、従来のアノードバッグを用いてバンプが形成されたバンプ付きメンブレンリングについて、バンプの異常成長の数を比較した。
(実施例1)
本発明による孔径が0.5μmのナイロン製の不織布タイプのフィルターを陽極にかぶせて、電気めっきを行うと、7万個のニッケルバンプを形成して、バンプ付きメンブレンリングを作製した。
【0035】
(実施例2)
本発明による孔径が0.5μmのソーダライムガラスビーズを用いて製造した無機多孔質体のフィルターを、陽極と陰極の間であって、陰極のメンブレンと平行に設置して、電気めっきを行うことにより7万個のニッケルバンプを形成してバンプ付きメンブレンリングを作製した。
【0036】
(比較例)
市販の孔径が数十μm〜100μmのメッシュ状のナイロン製のアノードバッグ(織布)を用いて、電気めっきを行うことにより、7万個のニッケルバンプを形成して、バンプ付きメンブレンリングを作製した。
【0037】
(評価)
比較例では、7万個のニッケルバンプのうちスライムが原因で異常成長したバンプは、約350ppmの割合で発生したが、実施例1および実施例2においては、全く発生しなかった。このように、本発明のアノードバッグを用いた場合、7万個という多数のバンプ形成において、異常成長を無くして、均一なバンプを形成することが可能であり、格段に歩留りを向上させることができ、高い信頼性を得ることができる。
【0038】
次に、本発明のウエハ一括コンタクトボードについて説明する。図4にウエハ一括コンタクトボードの概略断面図を示す。
図4に示すように、ウエハ一括コンタクトボード60は、上記のように均一なバンプを有するバンプ付きメンブレンリングと、複数の配線層が絶縁層を介して積層されてなる多層配線基板50と、バンプ付きメンブレンリング20と多層配線基板50とを電気的に接続する異方性導電ゴムシート40とからなる。異方性導電ゴムシート40を多層配線基板の所定の位置に貼り合わせ、次に、この異方性導電ゴムシート付き多層配線基板とバンプ付きメンブレンリング20とをパッド電極が外れないように位置を合わせした後、貼り合わせて作製することができる。
【0039】
バンプ付きメンブレンリング20は、リング23と、リングに張り渡されたポリイミドフィルム22の一方の面に設けられたバンプ26と、このバンプと電気的に接続して他方の面に設けられたパッド21aとを備える。バンプ付きメンブレンリングにおいては、半導体ウエハ71上の各半導体チップの周縁又はセンターライン上に形成されたパッド72(約600〜1000ピン程度)に対応して、この数にチップ数を乗じた数のバンプがポリイミドフィルム22上に形成されている。
【0040】
多層配線基板50は、電源電圧および所定のバーンイン試験信号を付与するための配線層を積層構造として有する。絶縁性基材上に配線層を積層し周知のリソグラフィ法により所望のパターンに形成した後、絶縁層を積層し、該絶縁層に周知のリソグラフィ法によりコンタクトホールを形成した後、その上に他の配線層を積層することによりコンタクトホールを介して下層の導電層と導通させる。この一連の工程を複数回行うことにより、ウエハ上の多数のパッドに電気信号を送るための複数の配線を積層構造として設けている。絶縁性基材としては、低膨張無アルカリガラス(例えば、NA40:HOYA社製)を用いることが望ましい。絶縁層としては、例えば、ポリイミド前駆体を塗布して熱処理によりイミド化させて形成するポリイミドが望ましい。また、配線層としては、Ni/Cu/Cr積層構造を用いることが望ましい。
【0041】
異方性導電ゴムシート40は、主面と垂直な方向にのみ導電性を有する、シリコン樹脂のような弾性体41に、金属粒子がパッド電極部分41aに導通方向に沿って埋め込まれてなるものである。多層配線基板50上の端子とバンプ付きメンブレンリング20のパッド21aとを電気的に接続し、バンプ付きメンブレンリング20上のパッド21aに押圧することで、半導体ウエハ表面の凹凸及びバンプの高さのバラツキを吸収し、半導体ウエハ71上のパッド72とポリイミドフィルム22上のバンプ26とを確実に接続する。
【0042】
多層配線基板50の配線層に接続された電源および信号源から印加される電源電圧およびバーンイン試験信号が、異方性導電ゴムシートを介してバンプ付きメンブレンリングのパッド21aに送られ、パッド21aに導通するバンプ26からウエハ上の半導体デバイスに送られて、バーンイン試験が行われる。
【0043】
上記のようにして作製されたウエハ一括コンタクトボードは、均一性の高いバンプを備えているので、信頼性が高いものが得られる。また、バーンイン試験に用いられるウエハ一括コンタクトボードとして用いる他に、特性検査用のプローブカードとしても用いることもできる。
また、本発明のフィルターは、陽極から発生するスライムに限らず、めっき浴中に存在し、均一なバンプ成長に弊害となる有機系または無機系の不溶性異物を捕捉するフィルターとしての役割を有する。
【符号の説明】
【0044】
11 処理槽
12 陽極
13 陰極
14 めっき浴
15 遮蔽板
16、17 フィルター
20 バンプ付きメンブレンリング
21a パッド
26 バンプ
28 積層フィルム
40 異方性導電ゴムシート
50 多層配線基板
60 ウエハ一括コンタクトボード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気めっきにおいて、陽極から発生する不溶性残渣が拡散して陰極の被めっき物に付着するのを防止するために用いられ、不溶性残渣は通過せず、かつ、陽イオンは通過する多数の細孔を有するフィルターであって、
前記細孔の孔径は、0.5μm以下であり、
めっき浴に耐性を有する材料からなることを特徴とするフィルター。
【請求項2】
前記フィルターは、上端部が開口し、下端部が閉鎖した袋状の形状であることを特徴とする請求項1記載のフィルター。
【請求項3】
前記フィルターは、無機系材料または有機系材料からなる多孔質体であることを特徴する請求項1または2記載のフィルター。
【請求項4】
ポリイミドフィルムと導電性フィルムとを貼り合わせた積層フィルムを、剛性リングに貼り渡す接着工程と、
前記ポリイミドフィルムに前記導電性フィルムが露出する深さでバンプホールを形成するバンプホール形成工程と、
請求項1から3いずれか1項記載のフィルターを用いて、電気めっきにより、前記バンプホール内部をめっき成長させて埋めた後、続いて前記ポリイミドフィルム表面に突出する半球状のバンプを、めっき成長させて形成するバンプ形成工程と、
前記導電性フィルムをパターニングすることにより、前記バンプと導通するパッドを形成するパッド形成工程と
を有することを特徴とするバンプ付きメンブレンの製造方法。
【請求項5】
請求項4記載の製造方法により製造されたバンプ付きメンブレンリングと、
基板上に複数の導電層が絶縁層を介して積層されてなる多層配線基板とを有することを特徴とするウエハ一括コンタクトボード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−255027(P2010−255027A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−104175(P2009−104175)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】