説明

フィルターの製造方法、フィルター、液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置

【課題】圧力損失の上昇を可及的に抑制しつつ異物捕集能力を向上させることができるフィルターの製造方法を提供する。
【解決手段】金属線36A、36Bを組み合わせて形成されたメッシュ構造を有するフィルター16のフィルター素材36の表面に熱を与え、フィルター素材の表面を溶融させる。溶融により元の開口部の周縁から庇状の張り出し部が形成されて元の開口部が絞られた新たな開口部16Bを形成する。溶融はレーザー光、または電子ビームの照射により行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフィルターの製造方法、フィルター、液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置に関
し、特に金網フィルターに適用して有用なものである。
【背景技術】
【0002】
液体噴射装置は種々な液体を噴射するもので、中でも広く使用されているものに、イン
クジェット式記録装置がある。インクジェット式記録装置は、複数のノズル開口から液体
であるインク滴を吐出するインク噴射ヘッドを備えている。このインク噴射ヘッドにより
インク滴を媒体である記録紙等の表面に着弾させて画像や文字を印刷するようになってい
る。
【0003】
そして、インク噴射ヘッド内に設けられたインクの供給流路には、インク内に混入した
異物、即ち、何らかの原因で供給流路内に残留している合成樹脂等の微細片や気泡を取り
除くためのフィルターが配置されている。このフィルターの一種として細い線径の金属線
を、ミクロン単位の異物も捕捉し得るように特殊な形に織り込んだ綾畳織り等の金属フィ
ルターが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−246212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の如き綾畳織り等の金属フィルターにおける捕集能力を向上させるには金属線の線
径を細くして細かいメッシュ構造のフィルターを形成する必要がある。
【0006】
ところが、線径が細い金属線を使用するにしても、作製することができる線径やフィル
ターに形成する工程での負荷に対する強度不足に起因する限界が存在するばかりでなく、
フィルター自体の製造コストも上昇する。
【0007】
一方、フィルターにおいては、一般にその異物捕集能力と圧力損失とはトレードオフの
関係にある。したがって、異物捕集能力の向上を目的としてメッシュ構造を細かくした場
合にはインクの供給流路における圧力損失が大きくなってしまうという新たな問題を生起
する。
【0008】
かかる問題はインクジェット式記録ヘッド等の液体噴射ヘッドに搭載されるフィルター
に限定されず、他の装置に搭載されるフィルターにおいても同様に存在する。
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、圧力損失の上昇を可及的に抑制しつつ異物捕
集能力を向上させることができるフィルターの製造方法、フィルター、液体噴射ヘッドお
よび液体噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する本発明の態様は、金属線を組み合わせて形成されたメッシュ構造を
有するフィルターの素材の表面に熱を与え、フィルターの素材の表面を溶融させる溶融工
程を有することを特徴とするフィルターの製造方法にある。
本態様によれば、表面の溶融部の存在でメッシュ構造の開口が絞られるので異物捕集能
力の向上を図ったフィルターを形成することができる。一方、溶融部は表面部分のみに存
在する、すなわち内部はフィルターの素材のメッシュ構造がそのまま残存するので、圧力
損失の上昇を抑制することができる。かくして、圧力損失の上昇を可及的に抑制しつつ異
物捕集能力を向上させたフィルターを形成することが可能になる。
【0011】
ここで、前記溶融工程は、レーザー光の照射や電子ビームの照射により溶融させること
で好適に実現し得る。
【0012】
また、前記溶融工程においては、前記フィルターの素材の両面を溶融させるのが望まし
い。フィルターの製造条件を同じにすることができ、このことによりフィルターの反りを
防止することができるからである。また、前記溶融工程に先立ち、前記フィルターの素材
の両面に押圧力を付与して潰すことによりメッシュ構造の隙間を狭くする工程を有するの
が望ましい。この場合には、メッシュ構造の開口がより大きい安価なフィルター素材を利
用して所定のフィルターを製造することができるので製造コストの低減も実現できるから
である。
【0013】
前記溶融工程は、レーザー光の照射により溶融させ、前記レーザー光は前記メッシュ構
造を形成する金属線の軸方向に対し交差する方向とするのが望ましい。レーザー光を金属
線の軸方向に沿って走行しつつ照射する場合や、前記軸方向に直交する方向に走査しつつ
照射する場合に較べて溶融部によるメッシュ構造の開口部の孔の形状を、短い加工時間で
安定的に形成することができるからである。ここで、前記メッシュ構造は綾畳織りで形成
することができる。
【0014】
本発明の他の態様は、金属線を組み合わせて形成したメッシュ構造を有するフィルター
であって、前記フィルターの表面が溶融されていることを特徴とするフィルターにある。
本態様によれば、表面が溶融されていることでメッシュ構造の開口が絞られるので異物
捕集能力を向上させることができる。一方、溶融されている部分は表面のみに存在する、
すなわち内部はフィルターの素材のメッシュ構造がそのまま残存するので、圧力損失の上
昇を抑制することができる。かくして、圧力損失の上昇を可及的に抑制しつつ異物捕集能
力を向上させることができるフィルターとなる。
【0015】
ここで、前記フィルターの両表面が溶融されていることが望ましい。フィルターの製造
条件を同じにすることができ、このことによりフィルターの反りを防止することができる
からである。
【0016】
本発明の他の態様は、上記フィルターを具備することを特徴とする液体噴射ヘッドにあ
る。
本態様によれば、液体の吐出不良を防止して、信頼性を向上した液体噴射ヘッドを低コ
ストで実現できる。
【0017】
本発明の他の態様は、上記フィルターを具備することを特徴とする液体噴射装置にある

本態様によれば、液体の吐出不良を防止して、信頼性を向上した液体噴射装置を低コス
トで実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態に係る記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る記録ヘッドの分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る記録ヘッドの断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るフィルターの平面図及び一部拡大斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態のフィルターの製造方法を示す斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態のフィルターの製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態に係る液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置
を示す概略斜視図である。当該インクジェット式記録ヘッドは、本発明の実施の形態に係
るフィルターの製造方法により製造したフィルターを具備している。
【0020】
図1に示すように、本形態の液体噴射装置であるインクジェット式記録装置1は、例え
ば、ブラック(B)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)等の複数の異なる
色のインクが貯留される貯留室を有するインクカートリッジ(液体貯留手段)2が装着さ
れたインクジェット式記録ヘッド10(以下、記録ヘッド)を具備する。記録ヘッド10
はキャリッジ3に搭載されており、記録ヘッド10が搭載されたキャリッジ3は、装置本
体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。そして、駆動
モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッ
ジ3に伝達されることで、キャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装
置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙装置
等により給紙された紙等の被記録媒体Sがプラテン8上を搬送されるようになっている。
【0021】
次に、本形態に係る記録ヘッド10について説明する。なお、図2は、本形態に係る記
録ヘッドの分解斜視図であり、図3はその断面図である。
【0022】
図2及び図3に示すように、インクジェット式記録ヘッド10を構成するヘッドホルダ
ーの一例であるカートリッジケース11は、上述したインクカートリッジ(図示なし)が
装着されるカートリッジ装着部12を有する。例えば、本実施形態では、このカートリッ
ジ装着部12に、ブラックインク及び複数色のカラーインクが充填された各インクカート
リッジがそれぞれ装着されるようになっている。また、カートリッジケース11の底面に
は、一端が各カートリッジ装着部12に開口し、他端が後述するヘッドケース側に開口す
る複数のインク連通路(第1の液体流路)13がそれぞれ形成された管状の流路形成部1
4が突設されている(図3参照)。
【0023】
カートリッジケース11の上面側、すなわち、カートリッジ装着部12のインク連通路
13の開口部分には、インクカートリッジに挿入される複数のインク供給針15が、イン
ク内の気泡や異物を除去するためのフィルター16を介して固定されている。
【0024】
カートリッジケース11の下面側には、シール部材17及び回路基板18を挟んで、ヘ
ッド部材19が固定されている。本形態に係るヘッド部材19は、複数の圧電素子を有す
る圧電素子ユニット20を収容するための中空箱体状の部材であるヘッドケース21と、
このヘッドケース21のカートリッジケース11とは反対側の端面に固定されるヘッド本
体22とで構成されている。ヘッド本体22は、複数のノズル23が穿設されたノズルプ
レート24と、ノズル23に連通する圧力発生室25を含む流路が形成された流路形成基
板26と、流路形成基板26のノズルプレート24とは反対面側に配される振動板27と
で構成されている。これらノズルプレート24及び振動板27と流路形成基板26とはそ
れぞれ接着剤によって接合されている。またヘッドケース21には、一端側が圧力発生室
25に連通すると共に他端側がカートリッジケース11のインク連通路13に連通するイ
ンク供給路28が設けられている。インク連通路13とインク供給路28との接続部分は
、シール部材17によって密封されている。
【0025】
このようにカートリッジケース11の下面側に、シール部材17、回路基板18、ヘッ
ド部材19を構成するヘッドケース21及びヘッド本体22の順で配し、これら各部材の
外側にヘッド本体22のノズル23を露出する窓部29を有する枠体30をはめ込み、ネ
ジ31によってカートリッジケース11に固定することで、インクジェット式記録ヘッド
10が形成される。
【0026】
上述した記録ヘッド10に設けられたフィルター16が、本発明の実施の形態に係る製
造方法によって製造される。ここで、フィルター16について詳細に説明する。なお、図
4(a)はフィルターの平面図、図4(b)はその一部を抽出・拡大して示す斜視図であ
る。
【0027】
図4に示すように、フィルター16は、ステンレス(SUS)等の金属細線を、例えば
綾畳織りすることによりミクロンオーダーのメッシュ構造を有するフィルター素材を加工
して製造される。すなわち、後に詳述するようにレーザー光を照射して表面を溶融させて
ある。したがって、表面が溶融された溶融部16Aとなっている。この結果、元の開口部
の周縁から張り出すような庇状の張り出し部が形成されて元の開口部が絞られた新たな開
口部16Bが形成されている。一方、溶融部16Aは表面部分に留まるためフィルター1
6の内部におけるメッシュ構造は元の構造のままとなっている。ここで、本形態において
は、フィルター16の両表面に溶融部16Aが形成されている。溶融部16Aは、少なく
とも一方の表面に形成されていれば良いが、両表面に形成することにより製造条件を同じ
にすることで、フィルター16の反りを防止することができる。
【0028】
かかるフィルター16においては、溶融部16Aでメッシュ構造の開口が絞られるので
異物捕集能力を向上させることができる。一方、溶融部16Aは表面部分のみに形成され
、内部には元のメッシュ構造がそのまま残存するので、圧力損失の上昇を抑制することが
できる。
【0029】
ここで、上記実施の形態に係るフィルター16の製造方法に関する第1の実施の形態を
説明する。図5(a)に示すように、フィルター素材36は、例えばSUS等の金属線3
6A,36Bを綾畳織りして形成したものである。かかるフィルター素材36の表面にレ
ーザー光を照射する。この場合の、照射に伴うレーザー光の走査方向は、金属線36Aの
軸方向である図5(a)のX方向及び、金属線36Bの軸方向である図5(a)のY方向
の何れにも交差するA方向とするのが最適である。走査方向をX方向とした場合には金属
線36Aに沿ってレーザー光が走査されることになるため、一つの金属線36Aにレーザ
ー光が照射されている場合、Y方向で隣接する金属線36A間の伝熱効率が悪い。このた
め、フィルター素材36の表面を満遍なく溶融させるのに難があり、安定した開口部16
B(図5(b)参照)を形成することができない。ただ、走査スピードは最も速くするこ
とができる。
【0030】
一方、走査方向をY方向とした場合には金属線36Bに沿ってレーザー光が走査される
ことになるため、Y方向で隣接する金属線36A間の隙間に起因して溶融しにくい部分が
でき、やはりフィルター素材36の表面を満遍なく溶融させるのに難があり、同様に安定
した開口部16B(図5(b)参照)を形成することができない。しかも、走査スピード
も最も遅い。
【0031】
これに対し、前述の如く、照射に伴うレーザー光の走査方向を交差方向であるA方向と
した場合には、フィルター素材36の表面を満遍なく溶融させることができる。このとき
の走査速度は、X方向走査の場合よりも遅く、Y方向走査の場合よりも速くなる。
【0032】
この結果、フィルター素材36の表面を満遍なく溶融させて、図5(b)に示すように
、溶融部16Aおよび開口部16Bを有するフィルター16を形成することができる。
【0033】
ここで、前記レーザー光はフィルター素材36の両面に照射する。このことによりフィ
ルター16の加熱条件を同じにしてフィルター16の反りを防止する。
【0034】
図6はフィルター16の製造方法に関する第2の実施の形態を示す図である。同図(a
)に示すように、本形態は、フィルター素材の表面をレーザー光の照射により溶融させる
工程に先立ち、前記フィルター素材の両面に押圧力を付与して潰すことによりメッシュ構
造の隙間を狭くする工程を有するものである。すなわち、図6(a)に示すように、例え
ば綾畳織りにより形成されたフィルター素材36をプレス加工やローラーによる加圧によ
り、図6(b)に示すように押し潰す。その後、図5に示す第1の実施の形態と同様に表
面にレーザーを照射してフィルター16の表面に溶融部16Aを形成する。
【0035】
本形態によれば、メッシュ構造の開口がより大きい安価なフィルター素材36を利用し
て所定のフィルター16を製造することができる。
【0036】
(他の実施の形態)
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明に係る技術思想は上述したも
のに限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態では、カートリッジケース1
1とインク供給針15との間に設けられたフィルター16について説明したが、本発明の
フィルターは、インクジェット式記録ヘッド10に代表される液体噴射ヘッドに用いられ
るフィルターであれば、その設置場所等については特に限定されるものではない。もちろ
ん、フィルター16は、インクジェット式記録ヘッド10以外に、インクジェット式記録
装置1に代表される液体噴射装置に搭載されるものであってもよい。液体噴射装置に搭載
されるフィルターとしては、例えば、インク等の液体を貯留する貯留タンクなどの貯留手
段が、キャリッジ3に搭載されず、装置本体4に固定されるものにおいて、貯留手段とイ
ンクジェット式記録ヘッド10との間に設けられたフィルターなどであってもよい。
【0037】
また、フィルターを溶融させるタイミングとしては、取付板フィルターに溶着してから
溶融させてもよい。このことにより反りの影響を抑制することができる。さらに、フィル
ターの中央部と外部で溶かし具合を変える際に、レーザーとマスクにより形状を作っても
良い。
【0038】
上述した実施の形態では金網フィルターとして綾畳織りのフィルター16について説明
したが、綾畳織りに限定するものでもない。SUS等の金属線を組み合わせてメッシュ構
造を形成したものであれば、それ以上の限定はない。例えば、平畳織りのフィルターでも
良いし、また金属細線を織り込んだものに限らず、SUSの金属細線を組み合わせた不織
布を材料とするものでも構わない。
【0039】
上述したインクジェット式記録装置1としては、インクジェット式記録ヘッド10がキ
ャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定する必
要はない。例えば、インクジェット式記録ヘッド10が固定されて、紙等の被記録媒体S
を副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用す
ることができる。
【0040】
また、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、例えば、プリンタ
ー等の画像記録装置に用いられる各種のインクジェット式記録ヘッド等の記録ヘッド、液
晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディ
スプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッ
ド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等にも適用することができる

【0041】
さらに、本発明は、インクジェット式記録ヘッドに代表される液体噴射ヘッドに搭載さ
れるフィルターの製造方法に限られず、他の装置に搭載されるフィルターの製造方法にも
適用することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 インクジェット式記録装置、 16 フィルター、 16A 溶融部、 16B
開口部、 17 シール部材、 18 回路基板、 19 ヘッド部材、 20 圧電
素子ユニット、 21 ヘッドケース、 22 ヘッド本体、 23 ノズル、 24
ノズルプレート、 25 圧力発生室、 26 流路形成基板、 27 振動板、 28
インク供給路、 29 窓部、 30 枠体、 31 ネジ、 36 フィルター素材、
36A,36B 金属線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属線を組み合わせて形成されたメッシュ構造を有するフィルターの素材の表面に熱を
与え、フィルターの素材の表面を溶融させる溶融工程を有することを特徴とするフィルタ
ーの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載するフィルターの製造方法において、
前記溶融工程は、レーザー光の照射により溶融させることを特徴とするフィルターの製
造方法。
【請求項3】
請求項1に記載するフィルターの製造方法において、
前記溶融工程は、電子ビームの照射により溶融させることを特徴とするフィルターの製
造方法。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか一つに記載するフィルターの製造方法において、
前記溶融工程において、前記フィルターの素材の両面を溶融させることを特徴とするフ
ィルターの製造方法。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか一つに記載するフィルターの製造方法において、
前記溶融工程に先立ち、前記フィルターの素材の両面に押圧力を付与して潰すことによ
りメッシュ構造の隙間を狭くする工程を有することを特徴とするフィルターの製造方法。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載するフィルターの製造方法において、
前記溶融工程は、レーザー光の照射により溶融させ、
前記レーザー光は前記メッシュ構造を形成する金属線の軸方向に対し交差する方向であ
ることを特徴とするフィルターの製造方法。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか一つに記載するフィルターの製造方法において、
前記メッシュ構造は綾畳織りで形成されることを特徴とするフィルターの製造方法。
【請求項8】
金属線を組み合わせて形成したメッシュ構造を有するフィルターであって、
前記フィルターの表面が溶融されていることを特徴とするフィルター。
【請求項9】
請求項8に記載するフィルターにおいて、
前記フィルターの両表面が溶融されていることを特徴とするフィルター。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載するフィルターを具備することを特徴とする液体噴射ヘ
ッド。
【請求項11】
請求項8または請求項9に記載するフィルターを具備することを特徴とする液体噴射装
置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−139611(P2012−139611A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292054(P2010−292054)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】