フィルターユニット及び投写型映像表示装置
【課題】、エアフィルタの収納スペースの増大させることなくエアフィルタの掃除を自動化するとともに、エアフィルタから除去された塵埃を再飛散させることなく容易に廃棄できるようにしたフィルターユニットを提供する。
【解決手段】本発明に係るフィルターユニット3は、吸入空気中の塵埃を捕捉するエアフィルタ(具体的には第1エアフィルタ40)と、エアフィルタを自動的に掃除する掃除部、例えば、自走式掃除部60)とを有する。掃除部は、エアフィルタに付着した塵埃を掻き取る回転ブラシ64と、回転ブラシ64の回転中心軸と平行な方向を長手方向とするとともに、長手方向の回転ブラシ側に、回転ブラシ64に付着した塵埃を取り入れる塵埃取入口65Aを備えたダストボックス65を有する。さらに、このダストボックス65はフィルターユニット3に対し着脱自在に取り付けられている。
【解決手段】本発明に係るフィルターユニット3は、吸入空気中の塵埃を捕捉するエアフィルタ(具体的には第1エアフィルタ40)と、エアフィルタを自動的に掃除する掃除部、例えば、自走式掃除部60)とを有する。掃除部は、エアフィルタに付着した塵埃を掻き取る回転ブラシ64と、回転ブラシ64の回転中心軸と平行な方向を長手方向とするとともに、長手方向の回転ブラシ側に、回転ブラシ64に付着した塵埃を取り入れる塵埃取入口65Aを備えたダストボックス65を有する。さらに、このダストボックス65はフィルターユニット3に対し着脱自在に取り付けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルターユニットに関し、特に、エアフィルタを自動的に掃除するように構成されたフィルターユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
エアフィルタを自動的に掃除するようにしたエアフィルタ装置は、光源ランプやライトバルブ等の光学系機器を冷却するために冷却空気が使用され投写型映像表示装置に用いられている。また、投写型映像表示装置の場合は投写方向や取付位置が設置場所により種々異なるため、エアフィルタ装置が機内に取り付けられた状態のままではエアフィルタのメンテナンス作業が難しくなる場合もあり得るため、近年は外部から着脱自在の使用とされたものが利用されるようになってきている。エアフィルタを自動的に掃除するようにしたエアフィルタ装置を用いると、エアフィルタの掃除、交換等のメンテナンス作業の回数を著しく低減することができる。
【0003】
その一例として特許文献1に記載されたものがある。これは、プレフィルタと第2、第3のフィルタとを備え、プレフィルタに捕捉された塵埃をブラシにより除去するものである。このものでは、プレフィルタを掃除する細長のブラシがプレフィルタの中央部を両面から挟んで横断するようにフィルターユニットに取り付けられ、このブラシに対し長手方向と直角の方向にプレフィルタを摩擦させながら往復動させ、これにより、プレフィルタに捕捉された塵埃が除去されていた。また、エアフィルタから除去された塵埃はフィルターユニット内に溜められ、このフィルターユニットを定期的に外部から取り外すことによりフィルターユニット内に溜まった塵埃を廃棄するように取り扱われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−65021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1においては、ブラシによりプレフィルタから除去された塵埃はフィルターユニットに溜められているが、この塵埃を溜めるプレフィルタは、ブラシを取り付けるスペースでもある。このため、フィルターユニットに塵埃を溜めることが難しいばかりでなく、フィルターユニットに溜められた塵埃がフィルターユニットの移動に伴い再飛散するおそれがあった。また、フィルターユニット内に溜められた塵埃を廃棄する場合には、ブラシを外さなければならず煩わしいという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術における課題に鑑み成されたものであって、エアフィルタの掃除を自動化するとともに、エアフィルタから除去された塵埃を再飛散させることなく容易に廃棄できるようにしたフィルターユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るフィルターユニットは、上記課題を解決するために、吸入空気中の塵埃を捕捉するエアフィルタと、エアフィルタを自動的に掃除する掃除部とを有し、前記掃除部は、エアフィルタに付着した塵埃を掻き取る回転ブラシと、回転ブラシの回転中心軸と平行な方向を長手方向とするとともに、長手方向の回転ブラシ側に回転ブラシに付着した塵埃を取り入れる塵埃取入口を備えたダストボックスを有し、さらに、このダストボックスは着脱自在に取り付けられていることを特徴とする。
【0008】
このように構成された本発明に係るエアフィルタ装置によれば、掃除部により自動的にエアフィルタが掃除される。また、回転ブラシの回転により除去された塵埃が、ダストボックスの長手方向の回転ブラシ側に形成された塵埃取入口からダストボックス内に溜められるので再飛散するおそれがない。また、このダストボックスは、フィルターユニットに対し着脱自在に取り付けられているので、ダストボックスに貯留された塵埃の廃棄及びダストボックスの掃除が容易である。
【0009】
また、前記エアフィルタを取り付けるベース部材が備えられるとともに、このベース部材に対しエアフィルタが固定的に取り付けられ、さらに、前記掃除部は、前記エアフィルタに付着した塵埃を掻き取るように回転ブラシを回転させながら移動するように構成されているようにしてもよい。前記特許文献1に記載の従来のものでは、エアフィルタを移動させるように構成されているため、エアフィルタの移動スペースが必要となり、フィルターユニットが大型に成るという問題があった。しかしながら、この発明のようにすると、エアフィルタの移動スペースを省略することができるので、フィルターユニットが小型化される。
【0010】
また、前記ダストボックスは、長手方向両端において回転可能に軸支されるとともに、塵埃取入口が上方となる角度位置に回動させた状態においてのみ当該フィルターユニットから着脱できるように形成されていることが好ましい。塵埃が溜まったダストボックスをフィルターユニットから取り外すときに、ダストボックスに貯留されていた塵埃が塵埃取入口から漏出するおそれがある。しかし、上記のように構成されていると、ダストボックスをフィルターユニットから取り外す際には塵埃取入口を上方位置にすることになるので、塵埃取入口から塵埃が漏出することがない。また、ダストボックスを取り付けるときは、ダストボックスを立てた状態で取り付けることになるので、取付が容易である。
【0011】
また、前記ダストボックスは、エアフィルタ掃除時の位置から所定角度以上には回動しないように構成されるとともに、この所定角度は、105度〜120度に形成されていることが好ましい。このように構成されていると、前記所定角度位置へ回動されたフィルターユニットは、元の方向へは倒れ難くなりその位置に安定化される。したがって、ダストボックスの取り外し時に、ダストボックスをこの位置まで回動させて取り外すようにすると、取り外し作業中のダストボックスが元の位置の方へ倒れて塵埃が漏出するといったおそれが少なくなる。
【0012】
また、前記ダストボックスは、長手方向両端の側面に、ダストボックスの回動を所定角度位置に規制するための回動規制部と、この回動規制部から突出する回動軸とを有し、前記掃除部は、ダストボックスを取り付ける基台を有し、この基台には前記回動軸を軸支する軸受部が設けられ、この軸受部は、前記所定角度位置において回動軸が取り外しできるように構成されるとともに、この所定角度位置において前記回動規制部と協働してダストボックスの回動を規制する規制壁が形成されていることが好ましい。このように構成すると、軸受部の構造のみでダストボックスを所定角度位置で回動を規制することができる。
【0013】
前記ダストボックスは、エアフィルタ側に取り付けられる底部材と、この底部材に対し閉蓋するように取り付けられる蓋部材とに2分割されるとともに、蓋部材は、前記底部材に対し開閉可能とするように、反回転ブラシ側の長辺部で前記底部材に対し軸支されていることが好ましい。このように構成すると、取り外したダストボックス内を容易にきれいに掃除することができる。また、ダストボックスが基台に取り付けられている状態において、蓋部材が容易に開放される心配がない。
【0014】
前記蓋部材は、ダストボックスが基台から取り外された状態において、前記閉蓋位置から略180度開放されるように構成されていることが好ましい。蓋部材を180度回動させることにより、蓋部材を開けた状態で容易にダストボックス内部を掃除することができる。
【0015】
前記蓋部材は、エアフィルタ掃除運転時に前記回転ブラシにおける基台に対向する側を覆うように形成されていることが好ましい。このように構成すると、回転ブラシとダストボックスとの仕切り部材を蓋部材側に容易に取り付けることができる。この仕切り部材により、一旦ダストボックス内に溜まった塵埃の漏出を抑制する塵埃取入口を確実に形成することができる。また、この蓋部材は、基台に対するカバー機能を兼ねるので、基台のカバーが不要となり部品点数を削減することができる。さらに、この蓋部材は、ダストボックスの一部品を構成しているため、ダストボックスを取り外すことによりこの蓋部材を取り外すことができる。したがって、ダストボックスを取り外すことにより、基台のカバー機能を有する蓋部材を取り外ずして回転ブラシを露出させることができ、回転ブラシに付着した塵埃を除去することができる。
【0016】
前記ダストボックスは、塵埃の貯留状態を観察できるように少なくとも一部が透明材料により形成されていることが好ましい。このように構成すると、底部材に対し閉蓋する蓋部材を開かなくてもダストボックス内に貯まっている塵埃の量や状態を把握することができるので、取り扱いが便利になる。
【0017】
また、本発明に係る投写型映像表示装置は、上記のように構成されたフィルターユニットを光学系機器冷却用の空気吸込口に着脱自在に設けたものである。このように構成すると、大きなエアフィルタの収納スペースを必要としない掃除が自動化されたエアフィルタ装置を設けることができる。また、このフィルターユニットを取り付けることにより、エアフィルタの洗浄,掃除、交換等のメンテナンス作業の回数を著しく低減することができるとともに、このメンテナンス作業を容易化することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るフィルターユニットによれば、自走式掃除部により自動的にエアフィルタが掃除される。また、エアフィルタを移動させる必要がないので、エアフィルタの収納スペースを小さくすることができる。また、エアフィルタから除去された塵埃は、ダストボックス内に貯留されるので再飛散するおそれがない。ダストボックスがフィルターユニットに対し着脱自在に取り付けられているので、ダストボックスに貯留された塵埃の廃棄及びダストボックスの掃除が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係るフィルターユニットを用いた投写型映像表示装置の斜視図である。
【図2】同投写型映像表示装置における光学系機器の概略平面配置図である。
【図3】同投写型映像表示装置の側面図である。
【図4】同投写型映像表示装置の投写態様を示す図であり、(a)は上向き投写状態図であり、(b)は天井吊投写状態図であり、(c)は下向き投写状態図である。
【図5】同投写型映像表示装置に用いられるフィルターユニットの斜視図であり、正面に引き出した状態から上下反転させた状態図である。
【図6】図5の状態における同フィルターユニットの平面図である。
【図7】図5と同様の角度から見たフィルターユニットの斜視図であって、自走式掃除部が図5の待機位置から反対側の位置へ移動した状態図である。
【図8】図5の状態における同フィルターユニットの分解斜視図である。
【図9】図1のA−A断面図である。
【図10】同フィルターユニットにおける自走式掃除部周りの図面であり、自走式掃除部は内部を開放した状態で示している。
【図11】同フィルターユニットにおける自走式掃除部の外観斜視図であって、(a)は反エアフィルタ側から見た外観斜視図であり、(b)はエアフィルタ側から見た外観斜視図である。
【図12】図6のB−B断面図である。
【図13】図6のC−C断面図である。
【図14】同フィルターユニットにおける自走式掃除部の断面図であって、図10のD−D位置における内部を開放していない状態の断面図である。
【図15】同自走式掃除部においてダストボックスを取り外すことのできる所定角度位置へ回動させた状態図である。
【図16】図15の状態の同自走式掃除部からダストボックスを上方へ取り外した状態図であって、(a)は分解斜視図であり、(b)は取り外されたダストボックスの、見る角度を変更した斜視図である。
【図17】同フィルターユニットにおけるダストボックスの回動軸を支持する軸受部の説明図であって、(a)はダストボックスの回動軸が嵌合されていない状態図であり、(b)はダストボックスの回動軸が嵌合された掃除時の状態図であり、(c)はダストボックスを所定角度位置に回動した状態図である。
【図18】同ダストボックスにおける蓋部材の回動説明図であって、(a)は蓋部材を略90度回動した状態図であり、(b)は蓋部材を略180度回動した状態図である。
【図19】同フィルターユニットにおける自走式掃除部の断面図であって、図10のF−F位置における内部を開放していない状態の断面図である。
【図20】本実施の形態おける自走式掃除部の掃除動作説明図である。
【図21】本実施の形態おける自走式掃除部の待機位置への帰還動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態に係る投写型映像表示装置について図面を参照しながら説明する。なお、図1には、本実施の形態に係る投写型映像表示装置における正立投写状態時の外観斜視図を示すが、以下の説明において、特に断りなく上下方向、左右方向及び前後方向をいうときは、図1に図示した矢印の方向をいうものとする。
【0021】
本実施の形態に係る投写型映像表示装置は、3板式液晶投写型映像表示装置であって、図1の外観斜視図に示すような箱型の外装ケース1を備えている。そして、この外装ケース1内には図2に示すような光学系2が内装されており、投写レンズ2Aが外装ケース1の正面11から突出するように配置されている。また、フィルターユニット3が、エアフィルタ装置として外装ケース1内の空気吸込口12に沿って配置されるように、外装ケース1の正面11から引き出し式に取り付けられている。なお、フィルターユニット3の吸込み側は、外装ケース1の左右側面13に設けられた複数の切込み14により機外に通じている。
【0022】
光学系2は、図2に示すように、光源として放電式ランプからなる4個の光源ランプ21が使用されている。この場合において、各光源ランプ21は、光軸21Aが正面11に対し平行となる方向に配置されている。また、4個の光源ランプ21は、光路変更部材21aを用いることにより、所定の方向(この場合は正面に向かう方向)に射出されるように組み合わされている。
【0023】
光源ランプ21から出射された照明光は、インテグレータレンズ22、偏光変換素子23、コンデンサーレンズ24aを介し、赤、緑、青の各色光に分離する色分離光学系に導かれている。色分離光学系は、2種類のダイクロイックミラー25a,25b、3個の全反射ミラー26a,26b,26c、3個のリレーレンズ27a,27b,27c、3個のコンデンサーレンズ24r,24g,24b等により構成されている。また、赤、緑、青の各色光に分離された照明光は、赤、緑又は青色用の液晶ライトバルブ28r,28g,28bにより光変調され、クロスダイクロイックプリズム29により合成されて映像光として投写レンズ2Aから射出されている。これら光学系を構成する機器のうち冷却空気による冷却が必要とされるのは、最も高温となる光源ランプ21の他、液晶ライトバルブ28r,28g,28bを構成する液晶パネル、偏光板などや、偏光変換素子23などである。
【0024】
このように構成された投写型映像表示装置は、図3のような正立投写状態に設置される他、光源ランプ21の光軸21Aが常に水平方向に配置される状態として、図3に示す矢印R1又はR2方向に回転させた状態で用いられる。図4はこれを具体的に示したもので、図4(a)は上向き投写状態、図4(b)は天井吊投写状態、図4(c)は下向き投写状態である。このように、光源ランプ21の光軸21Aを常に水平方向とすることにより放電式ランプからなる光源ランプ21の過熱が防止されている。
【0025】
フィルターユニット3は、図1に、投写型映像表示装置の正面11から前方に引き出した状態の斜視図が示されている。図5はこの状態から上下反転させた状態の斜視図であり、図6はその平面図である。また、図7は、自走式掃除部60が図5の待機状態位置から反対側の端部へ移動した状態図である。そして、このエアフィルタ装置としてのフィルターユニット3は、図8の分解斜視図に示すように、ベース部材30、ベース部材30の風上側に設けられる第1エアフィルタ40、本発明にいう掃除部としての自走式掃除部60、ラック70,取っ手部80、ベース部材30の風下側に設けられる第2エアフィルタ50等から構成されている。
【0026】
ベース部材30は、図8に示すように、樹脂成形品であって、中央部に冷却空気を取り入れる開口部31が形成されるとともに、この開口部31を跨ぐように格子状のフレーム部32が形成されている。また、ベース部材30は、開口部31周辺の枠部33の正面11側には取っ手部80が取り付けられ、風上側表面部における正面11から見た右側(すなわち、図5の図示位置)が自走式掃除部60が非掃除時に待機する待機位置であり、取り付け初期時の位置とされている。また、ベース部材30の左右側面には、このフィルターユニット3を正面11の外側からスライド式に外装ケース1内に取り付ける際のレール部34が形成されている。また、図8に示されるように、ベース部材30の風上側表面部における開口部31の前後の位置には、光源ランプ21の光軸21Aと平行な方向に延びるようにラック70がそれぞれ取り付けられている。このラック70は、自走式掃除部60を移動させるためのものである。
【0027】
ベース部材30の風上側表面部には、ベース部材30の開口部31に対応する位置に第1エアフィルタ40が取り付けられている。第1エアフィルタ40は、本発明におけるエアフィルタを意味する。
【0028】
第1エアフィルタ40は、図8に示すように、周辺枠部41と、フィルタ面を複数に区分する格子枠形状のフレーム部42と、空気中の塵埃を捕捉する多孔性の濾過材部43とが樹脂一体成形により形成されたものであり、剛性強度を向上させるために周辺枠部41には折り曲げ部44が形成されている。また、第1エアフィルタ40は、周辺枠部41がベース部材30の枠部33に対しフィルタ面と略直角の方向からねじ止めされている。すなわち、図5に示すように、左右方向のねじ40a及び前後方向のねじ40bによりねじ止めされている。
【0029】
ベース部材30の風下側表面部には、ベース部材30の開口部31に対応して第2エアフィルタ50が取り付けられている。
第2エアフィルタ50は、図8に示すように、高分子繊維に静電気を帯電させた静電フィルタ部材51と、クッション性を有する平らなウレタンシート部材52とから構成されており、ウレタンシート部材52がベース部材30の周辺の枠部33側、すなわち、静電フィルタ部材51の風上側に取り付けられている。また、ベース部材30の周辺の枠部33の一部には、図9に示すように、コ字形枠部35を形成するように押え部35aが開口部31へ部分的に突出するように構成されている。したがって、2部材から構成された第2エアフィルタ50は、風上側の面、すなわちウレタンシート部材52の表面がベース部材30の枠部33の表面部に当接されるとともに、周辺の一部においてコ字形枠部35内に押し込められるようにして取り付けられている。このように、第2エアフィルタ50もベース部材30の枠部33に対しフィルタ面と略直角の方向から取り付けられている。
【0030】
第2エアフィルタ50を構成する静電フィルタ部材51は、図9に示すように、シート状濾過材が左右方向にプリーツ折りされたものであって、第1エアフィルタ40が捕捉する塵埃よりも微細な塵埃を捕捉することができる。ウレタンシート部材52は、クッション性を有するので、周辺部の一部をコ字形枠部35内に押し込んで固定する際に取り付けを容易にすることができる。
【0031】
自走式掃除部60は、第1エアフィルタを自動的に掃除する掃除であって、図9に断面で示すとともに図10に内部を開放して示すように、フィルターユニット3の風上側表面部において、長手方向が第1エアフィルタ40の前後方向に延びるように配置されている。また、自走式掃除部60は、基台としての搬送用基台61に駆動部62、伝動軸63、回転ブラシ64、ダストボックス65、ワンウエイクラッチ66、平歯車67、ピニオン68a,68bなどの各種構成機器が取り付けられたものである。また、自走式掃除部60は、図10に示すように、大きく分けて駆動部62を収納する駆動室60aと、伝動軸63、回転ブラシ64及びダストボックス65を収納する塵埃除去室60bと、ワンウエイクラッチ66、平歯車67等を収納するクラッチ室60cとに分離されている。
【0032】
駆動室60aに収納される駆動部62は、出力軸を左右方向にして配置されたモータ62aと、その出力軸の先端に取り付けられた傘歯車62bと、傘歯車62bと噛み合うように伝動軸63に取り付けられた傘歯車62cとから構成され、モータ62aのトルクが伝動軸63に伝達されるように形成されている。
【0033】
また、クラッチ室60cには、伝動軸63の後端部に取り付けられた平歯車67と、この平歯車67に噛み合う回転ブラシ64の軸体64aに取り付けられたワンウエイクラッチ66が収納されている。なお、伝動軸63は、図11(a),(b)の自走式掃除部60の外形図に示すように、前後の端部が搬送用基台61から突出し、自走式掃除部60の両端の外側(ベース部材30の前後)にピニオン68a,68bが取り付けられている。また、このピニオン68a,68bは、光源ランプ21の光軸21Aと平行な方向に延びるように取り付けられているラック70と噛み合うように構成されている。
【0034】
塵埃除去室60bは、長手方向が第1エアフィルタ40の前後方向に跨る程度の大きさのものであって、内部には伝動軸63、回転ブラシ64、ダストボックス65が第1エアフィルタ40側から順次配置されている。また、これら機器は、第1エアフィルタ40の前後方向に跨って延びる程度の長さに形成されている。
【0035】
そして図10に示すように、伝動軸63は、前述の駆動室60aにおける傘歯車62b,62cの噛み合いにより、モータ62aにより回転駆動されるように構成されている。また、伝動軸63の前後端において、ピニオン68a,68bがベース部材30に取り付けられたラック70と噛み合うように構成されているため、伝動軸63の回転運動がピニオン68a,68bとラック70の歯車機構により直線運動に変換されて、搬送用基台61に伝達される。これにより、樹脂成形品である搬送用基台61に各種構成機器が搭載された自走式掃除部60は、第1エアフィルタ40風上側表面部において、光源ランプ21の光軸21Aと平行な方向に移動する。したがって、投写型映像表示装置が図3及び図4に示すように多様な投写方向に取り付けられたとしても、光源ランプ21の光軸21Aが水平方向となるように設定されている以上、自走式掃除部60の移動方向、すなわち回転ブラシ64の移動方向は常に水平に維持される。
【0036】
自走式掃除部60は、モータ62aの駆動により図5の待機位置から図7の反対側の位置まで移動する。また、自走式掃除部60がこの位置まで移動したときには位置センサ(不図示)が作動してモータ62aが反転され、自走式掃除部60が再び待機位置へ戻るように構成されている。なお、ピニオン68a,68bは、自走式掃除部60が図5の待機位置から図7の反対位置へ移動するときには正面11から見て反時計方向に回転され、自走式掃除部60が図7の反対位置から図5の待機位置へ戻るときには正面11から見て時計方向に回転される。また、自走式掃除部60がこのように円滑に移動することができるように、図12及び図13に示すように、自走式掃除部60の前後面から平板状の突出部601が形成されるとともに、ベース部材30におけるラック70を取り付けている台座部36,37の側面にこの突出部601をスライドさせる凹溝36a,37aが形成されている。なお、これら図におけるねじ36b及び37bは、これら台座部36,37をベース部材30に固定するためのものである。
【0037】
回転ブラシ64は、図14の自走式掃除部60の断面図(図10におけるD−Dの位置における断面図)に示すように、金属や樹脂などの材料からなる軸体64aと、軸体64aに巻きつけられたブラシ部材64bとから構成されている。また、軸体64aの後方の端部には、図10に示すように、前述のワンウエイクラッチ66が取り付けられている。
【0038】
また、回転ブラシ64は、図14に示すように、その先端部により第1エアフィルタ40から塵埃を掻き取ることができるように塵埃除去室60bから上方(図14の図面上においては下方)に向かって(第1エアフィルタ40側に向かって)ブラシの先端部が搬送用基台61から少し食み出すように形成されている。また、自走式掃除部60が図5の待機位置から図7の反対位置へ移動する移動方向における回転ブラシ64の後側にダストボックス65が形成されている。
【0039】
ダストボックス65は、回転ブラシ64の回転中心軸と平行に配置される細長容器であって、樹脂成形品として構成されている。また、ダストボックス65には、回転ブラシ64からの塵埃を受け入れる塵埃取入口65Aが回転ブラシ64に向かって開口するように形成されている。そして、回転ブラシ64とダストボックス65とは、回転ブラシ64の先端部がダストボックス65の塵埃取入口65Aから内部に少し侵入するような位置関係に形成されている。
【0040】
そして、ダストボックス65における塵埃取入口65Aには、回転ブラシ64に付着した塵埃を除去する除塵体69が上方部から下方部(図14の図面上においては下方部から上方部)に向けて形成されている。また、このダストボックス65の塵埃取入口65Aの下方(図14図面上の上方)部には、ダストボックス65と回転ブラシ64が収納されている部分とを仕切る仕切り部材651が形成されており、除塵体69により回転ブラシ64から除去されてダストボックス65内に貯留された塵埃がダストボックス65外へ飛散することを防止している。
【0041】
また、ダストボックス65は、図15に示すように、長手方向両端において反回転ブラシ側の位置(回転ブラシ64から遠くなる方に偏った位置)において搬送用基台61に対し回転可能に軸支されている。また、ダストボックス65は、自走式掃除部60を上面とするようにフィルターユニット3を載置した状態において、塵埃取入口65Aが上方位置となる所定角度位置まで回動できるように構成されており、それ以上は回動できないように構成されている。なお、この実施の形態において、この所定角度θ(図15参照)は、ダストボックス65の回動角度の上限値であって、その一例として110度に設定されている。また、この所定角度θは、所定位置へ回動した状態においては重心が回動側へ移動しており元へ戻りにくい状態となる角度であることが必要であるが、大きくなり過ぎると塵埃取入口65Aから塵埃が漏出しやすくなる。したがって、上記の所定角度θは、110度に特定されるものではなく、105度〜120度の範囲内に設定されていればよい。また、ダストボックス65の着脱については、図16(a),(b)に示すように、上記の所定角度位置へ回動された状態においてフィルターユニット3から取り外せることは勿論であるが、作業性を考慮し、塵埃取入口65Aが上方を向いている所定の角度範囲で着脱自在とすることが好ましい。この所定の角度範囲としては、回動角度が約80度から上記所定角度θまでが好ましい。
【0042】
ダストボックス65をこのように回動可能とし、かつ着脱自在とするために、ダストボックス65の長手方向両端の側面にはダストボックス65の回動を所定角度位置に規制するための長円形平板状の回動規制部652と、この回動規制部652から突出する回動軸653とが設けられている(図16参照)。また、回動軸653は、図15、図16等から分かるように搬送用基台61に取り付けられている軸受部611に軸支されている。
【0043】
軸受部611は、図17に拡大図示するように、回動軸653を嵌合して回動自在とするための軸挿入部612と、回動規制部652と協働してダストボックスの回動角度及び着脱の制御を行う回動制御部613とから構成されている。軸挿入部612は、回動軸653を挿入して支持する半円形孔部612aと、この半円形孔部612aを図示上方へ開口するガイド部612bとを備えている。一方、回動制御部613は、回動規制部652の回動を許容する部分円形壁613aと、掃除時には回動軸653が軸受部611から取り外されることを規制する規制壁613bと、所定角度位置においてそれ以上の回動を阻止するとともに回動規制部652を図示上方へ案内するガイド壁613cとから構成されている。
【0044】
また、ダストボックス65は、図14の断面図からよく分かるように、エアフィルタ側に取り付けられる底部材654と、この底部材654に対し閉蓋するように取り付けられた蓋部材655との2部材から構成されている。また、ダストボックス65は、特に、蓋部材655は、塵埃の貯留状態を観察できるように少なくとも一部が透明材料により形成されている。
【0045】
底部材654は、先端がダストボックス65の塵埃取入口65Aまでの幅寸法であるが、蓋部材655は、先端が塵埃取入口65Aより先に延び回転ブラシ64、伝動軸63などを閉蓋するように、搬送用基台61の側縁まで延びている。
【0046】
また、蓋部材655は、図16に示すように、回転ブラシ64から遠い方の長辺部で底部材654に対し、2箇所で回転自在に軸支されている。この軸支構造は、図18に示すように、軸部654aが底部材654に設けられ、この軸部654aに対し弾性的に回転自在に係合される係合部655aが蓋部材655に設けられたものである。そして、この蓋部材655は、図18に示すように、ダストボックス65が搬送用基台61から取り外された状態において、底部材654に対し閉蓋位置から180度開放されるように構成されている。なお、前述の回動規制部652及び回動軸653が蓋部材655に形成されている。
【0047】
軸受部611により軸支されるダストボックス65は、取り外すとき以外においては、図14に示すように、蓋部材655の先端部が搬送用基台61に対し固定ねじ656によりねじ止めされて、回動しないように固定されている。なお、固定ねじ656は、搬送用基台61に埋め込まれた雌ねじ部614に対しねじ止めされている。
【0048】
また、ダストボックス65には、図10に示すように平板状部材からなる3個の仕切壁659が形成されている。仕切壁659は、その平板面が回転ブラシ64の移動方向(すなわち、光源ランプ21の光軸21Aと平行な方向)を向くように底部材654と一体的に形成されている。また、蓋部材655の中央内面側には、図19に示すように、蓋部材655と底部材654とを閉蓋状態に固定するための突状係合部655bが形成されるとともに、中央の仕切壁659の先端には、突状係合部655bに係合する突状係合部659aが形成されている。このように構成されることにより、蓋部材655が底部材654に対して閉蓋状態を保持するときには、蓋部材655の突状係合部655bが中央の仕切壁659の突状係合部659aに対し弾性的に係合し、これにより蓋部材655と底部材654とが一体化されている。
【0049】
ダストボックス65の塵埃取入口65Aに取り付けられる除塵体69は、図14に示すように、底部材654に平行な取付面部691で取り付けられるように構成された略への字型部材であって、ステンレス等の金属により形成されている。そして、除塵体69には、底部材側から斜めに起立する斜行面部692が形成され、その先端部に、塵埃除去運転中の回転ブラシ64の先端部を梳くように櫛歯状部693が形成されている。
【0050】
この実施の形態における取っ手部80の内側であって、ベース部材30の側方に位置する部分には、図1に示すように、このフィルターユニット3の電源及び制御線を接続するためのコネクタ90が取り付けられている。また、このコネクタ90は、外装ケース1側に取り付けられた電源及び制御線用のコネクタ91に接続される。そして、この接続によりフィルターユニット3が投写型映像表示装置本体に対し電気的に接続され、投写型映像表示装置の操作部又は制御部からの指令に基づき操作されるように構成されている。フィルターユニット3側のコネクタ90と外装ケース1側のコネクタ91との接続は、直接人手により接続されるのではなく、外装ケース1に対しフィルターユニット3をスライド式に取り付ける際に、フィルターユニット3を外装ケース1内へ押し込む力を利用して行われる。
【0051】
(掃除動作)
上記のように構成されたフィルターユニット3は、次のようにして自動的に掃除が行われる。
【0052】
フィルターユニット3は、目詰まりセンサ(不図示)により第1エアフィルタ40の目詰まりが検出されたときに運転される。目詰まりセンサは、特に限定されるものではなく、例えば、第1エアフィルタ40が目詰まりを生じることにより、通風抵抗が増大し送風機用電動機(不図示)の電流値が増大することを検出するものが用いられている。
【0053】
フィルターユニット3が運転されるときは、モータ62aが駆動され伝動軸63及びピニオン68a,68bが回転されることにより自走式掃除部60が図5に示す待機位置から図7に示す反対側の位置に向かって移動する。
【0054】
回転ブラシ64は、第1エアフィルタ40を下方に押圧しながら図20における実線矢印M2の方向に回転することにより、第1エアフィルタ40に付着している塵埃Q1が掻き取られる。また、回転ブラシ64により掻き取られて回転ブラシ64に付着している塵埃Q2は、ダストボックス65の塵埃取入口65Aにおいて除塵体69の櫛歯状部693によりダストボックス65内に振り落とされて、ダストボックス65内に貯留される。また、掃除時において、ダストボックス65の塵埃取入口65Aは、常に回転ブラシ64の移動方向に向かって開放されている。
【0055】
このようにして自走式掃除部60が第1エアフィルタ40の塵埃を掻き取りながら図7に示す反対側の位置に到達すると、位置センサ(不図示)がこれを検出し、モータ62aが反転する。そして、自走式掃除部60が図5の待機位置へ移動する。図21は、この移動時の説明図であって、実線矢印M3が移動方向を示す。自走式掃除部60の待機位置への移動に際し、回転ブラシ64を反転させると回転ブラシ64に付着した塵埃Q2が再飛散する可能性がある。そこで、本実施の形態においてはワンウエイクラッチ66によりモータ62aの回転トルクが回転ブラシ64に伝達されないように構成されている。
【0056】
(メンテナンス作業)
次に、以上のように掃除されるフィルターユニット3のメンテナンスは次のようにして行われる。
【0057】
第1エアフィルタ40は、以上のような動作により自動的に繰り返し掃除されるが、長期間使用すると第1エアフィルタ40に塵埃が付着して残存する量が増大する。したがって、第1エアフィルタ40の洗浄、交換などのメンテナンスは、第1エアフィルタ40の掃除が手作業により行われる場合と比較すると極端にその回数を減らすことができる。しかしながら、長期間使用した場合は第1エアフィルタ40に付着したまま残る塵埃量も増加するため、適切な期間をおいて第1エアフィルタ40を取り外して掃除したり、場合によっては新しいものと交換したりする必要の生じることは避け難い。本実施の形態は、このような場合に次のようにして第1エアフィルタ40のメンテナンスを行うことができる。
【0058】
先ず、投写型映像表示装置の正面11側からフィルターユニット3を引き出して取り外す。このとき、フィルターユニット3側のコネクタ90とベース部材30側のコネクタ91は直接手を触れることなく分離するように構成されている。したがって、この場合にフィルターユニット3に接続されているコンセントを手で抜く必要はない。
【0059】
次いで、引き出されたフィルターユニット3は、図5のように上下反転されて適宜の位置に載置される。そして、この状態においてベース部材30のフィルタ面に対し直角の方向からねじ40a及びねじ40bを取り外すことにより、自走式掃除部60に干渉されることなく、第1エアフィルタ40をベース部材30のフィルタ面に対し直角の方向に取り外すことができる。第1エアフィルタ40は、このようにして容易に取り外すことができ、適切な方法で洗浄又は掃除することができる。また、第1エアフィルタ40が極端に古くなっている場合には、第1エアフィルタ40を新品と交換することもできる。また、洗浄又は掃除された第1エアフィルタ40及び新品の第1エアフィルタ40は、ベース部材30の開口部31に対応する所定の位置に載置した後、ねじ40a及びねじ40bを締結することにより、自走式掃除部60に干渉されることなく、容易に取り付けることができる。
【0060】
また、第2エアフィルタ50について、洗浄、掃除、交換などのメンテナンスを行う場合は、第2エアフィルタ50をベース部材30の枠部33に対しフィルタ面と直角の方向から容易に取り外すことができる。すなわち、この場合は、フィルターユニット3を投写型映像表示装置の正面11から引き出し、図1の状態として適宜の位置に載置する。そして、コ字形枠部35から第2エアフィルタ50の周辺部を引き出すことにより、第2エアフィルタ50を取り外すことができる。また、洗浄又は掃除後の第2エアフィルタ50を取り付けるときは、ウレタンシート部材52の表面をベース部材30の枠部33の表面部に当接するとともに、静電フィルタ部材51とウレタンシート部材52とを重ね合わせた組合せ物の周辺部を部分的にコ字形枠部35内に押し込めることにより、第2エアフィルタ50を容易に取り付けることができる。このように、第2エアフィルタ50の着脱も自走式掃除部60に干渉されることなく容易に行うことができる。
【0061】
また、ダストボックス内に溜まった塵埃を廃棄するときは、フィルターユニット3を投写型映像表示装置の正面11側から引き出し、これを図5のように反転して適宜の場所に載置する。そして、図14に図示されている固定ねじ656を外し、図15に示すようにダストボックスを約80度から所定角度位置までの範囲の角度へ回動する。次いで図16に示すようにダストボックス65を引き上げる。これにより、ダストボックス65から塵埃を漏出させることなく、ダストボックス65をフィルターユニット3から取り外すことができる。
【0062】
そして、フィルターユニット3から取り外されたダストボックス65の底部材654に対して閉蓋している蓋部材655を図18に示すように回動し、回動が規制される180度まで開く。なお、このように開くには、蓋部材655の突状係合部655bとダストボックス65における中央の仕切壁659の突状係合部659aとの係合を取り外すことが必要であり、この係合を外すことにより、底部材654に対し蓋部材655を自由に回動させることができる。
【0063】
なお、上記のダストボックス65の取り外しにおいて、回動規制部652及び回動軸653が蓋部材655に取り付けられていたので、回動したときに蓋部材655が開蓋するおそれが少ない。すなわち、回動規制部652及び回動軸653を底部材654側に形成した場合には、蓋部材655を把持して回動軸653を中心にダストボックス65を回動させると、所定角度回動した位置において、底部材654に形成された回動規制部652がガイド壁613cに当接する。このため、底部材654は、それ以上回動できなくなる。他方、蓋部材655はなお回動できるため、所定角度回動した位置に底部材654に対する蓋部材655の係合が解除されるおそれがある。これに対し本実施の形態のように、回動規制部652を蓋部材655に形成している限りは、蓋部材655自体が所定角度位置で回動できなくなるため、このようなおそれがないという利点を備えている。
【0064】
また、ダストボックス65を取り外した状態においては、図16に図示するように回転ブラシ64が露出された状態となるので、回転ブラシ64を、掃除機等を使用して掃除することもできる。
【0065】
そして、ダストボックス65及び回転ブラシ64のメンテナンス作業が終了したときは、上記と逆のように操作して、ダストボックス65を組み立てて、フィルターユニット3に取り付ける。
【0066】
フィルターユニット3の投写型映像表示装置への取り付けは、投写型映像表示装置の正面11側外部からスライド式に行う。投写型映像表示装置の正面側は、投写側であって投写のため空間が通常設けられている。このため、フィルターユニット3の着脱のためのスペースを容易に確保することができる。フィルターユニット3がスライド式に差し込まれると、取っ手部80の裏側に取り付けられたコネクタ90と外装ケース1に取り付けられたコネクタ91とが、挿入時の力により自動的に接続される。これにより、フィルターユニット3は、投写型映像表示装置本体と電気的に接続され、投写型映像表示装置本体の運転動作と連携して運転制御される。これにより、投写型映像表示装置の運転を再開することができる。
【0067】
本実施の形態に係るエアフィルタ装置及び投写型映像表示装置によれば次の効果を奏することができる。
(1)本発明に係るエアフィルタ装置によれば、掃除部としての自走式掃除部60により自動的に第1エアフィルタ40が掃除される。
【0068】
(2)また、回転ブラシ64の回転により除去された塵埃Q2が、ダストボックス65の長手方向の回転ブラシ側に形成された塵埃取入口65Aからダストボックス65内に溜められるので再飛散するおそれがない。
【0069】
(3)また、このダストボックス65は、フィルターユニット3に対し着脱自在に取り付けられているので、ダストボックス65に貯留された塵埃の廃棄及びダストボックス65の掃除が容易である。
【0070】
(4)第1エアフィルタ40を取り付けるベース部材30が備えられるとともに、このベース部材30に対し第1エアフィルタ40が固定的に取り付けられる一方、自走式掃除部60が第1エアフィルタ40に付着した塵埃Q1を掻き取るように回転ブラシ64を回転させながら移動する。上記のごとく、本実施の形態においては従来のようにエアフィルタを移動することをしないので、エアフィルタの収納に必要なスペースが小さくなり、フィルターユニット3を小さくすることができる。
【0071】
(4)また、ダストボックス65は、長手方向両端において回転可能に軸支されるとともに、塵埃取入口65Aが上方となる角度位置に回動させた状態においてのみ当該フィルターユニット3から着脱できるように形成されている。したがって、ダストボックス65をフィルターユニット3から取り外す際には塵埃取入口65Aが必ず上方位置にあるので、塵埃取入口65Aから塵埃が漏出することがない。また、ダストボックス65を取り付けるときは、ダストボックス65を立てた状態で取り付けることになるので、取付が容易である。
【0072】
(5)また、ダストボックス65は、エアフィルタ掃除時の位置から所定角度θ以上には回動しないように構成されるとともに、この所定角度は、105度〜120度の範囲に形成されている。したがって、ダストボックス65を所定角度位置へ回動して取り外すようにすると、この位置で手が滑って手がダストボックスから離れてもダストボックス65が元の位置へ倒れて塵埃取入口65Aから塵埃が漏出するといったおそれを少なくすることができる。
【0073】
(6)また、ダストボックス65は、長手方向両端の側面に、ダストボックス65の回動を所定位置に規制するための回動規制部652と、この回動規制部652から突出する回動軸653とを有しており、搬送用基台61は、この回動軸653を軸支する軸受部611を有している。また、この軸受部611は、所定角度位置において、回動軸653が取り外しできるように構成されるとともに、回動規制部652と協働してダストボックス65の回動を規制する規制壁613bが形成されている。このように、本実施の形態においては軸受部611の構造により、ダストボックス65を所定角度位置で回動を規制している。
【0074】
(7)また、ダストボックス65は、第1エアフィルタ40側に取り付けられる底部材654と、この底部材654を閉蓋するように取り付けられる蓋部材655とに2分割されている。また、蓋部材655は、ダストボックス65がフィルターユニット3から取り外された状態においてのみ底部材654を開閉可能とするように底部材654に対し軸支されている。したがって、ダストボックス65を取り外すとともに、底部材654から蓋部材655を開くことによりダストボックス65内を容易にきれいに掃除することができる。さらに、ダストボックス65が搬送用基台61に取り付けられている状態において、蓋部材655が不用意に開放される心配がない。
【0075】
(8)また、蓋部材655は、ダストボックス65が搬送用基台61から取り外された状態において、閉蓋位置から180度開放されるよう構成されている。したがって、蓋部材655を180度回動して開くことにより、蓋部材655を開けた状態で容易にダストボックス65内部を掃除することができる。
【0076】
(9)また、蓋部材655は、エアフィルタ掃除運転時には回転ブラシ64における搬送用基台61に対向する側を覆うように形成されている。したがって、回転ブラシ64とダストボックス65との仕切り部材651を蓋部材655側に容易に取り付けることができる。この仕切り部材651により、一旦ダストボックス65内に溜まった塵埃の漏出を抑制する塵埃取入口65Aを確実に形成することができる。
【0077】
(10)ダストボックス65は、塵埃の貯留状態を観察できるように少なくとも一部が透明材料により形成されている底部材654に対し閉蓋する蓋部材655を開かなくてもダストボックス65内に貯まっている塵埃の量や状態を把握することができるので、取り扱いが便利になる。
【0078】
(11)また、本実施の形態に係る投写型映像表示装置は、上記のように構成されたフィルターユニット3を光学系機器冷却用の空気吸込口12に着脱自在に設けたものである。したがって、大きなエアフィルタの収納スペースを必要としない掃除が自動化されたエアフィルタ装置を設けることができる。また、このフィルターユニット3を取り付けることにより、第1エアフィルタの洗浄、掃除、交換等のメンテナンス作業の回数を著しく低減することができるとともに、このメンテナンス作業を容易化することができる。
【0079】
(変形例)
本発明は、上記実施の形態において以下のように変更することができる。
・上記実施の形態においては、掃除部が自動的に第1エアフィルタ40を掃除する自走式掃除部60に形成されていたが、これを固定式とし、第1エアフィルタ40に代わるエアフィルタを従来技術のようにフィルタ面に平行して移動させるようにしてもよく、本発明はこれをも包含する。しかしながら、この場合は従来技術と同様、エアフィルタの収納スペースが大きくなり、上記実施の形態1よりも大型化される。なお、この場合における掃除部の取付位置は、前記実施の形態における第1エアフィルタ40の待機位置とすることが好ましい。このようにすると、通風抵抗を少なくすることができる。
【0080】
・また、前記実施の形態におけるフィルタ−ユニット3は、回転ブラシのみを移動させ、ダストボックスを待機位置側で固定的に配置し、回転ブラシがダストボックスの位置へ戻ってきたときに、回転ブラシに付着したごみを除去し、除去されたごみをダストボックス内に取り込むようにしてもよい。また、この場合において、回転ブラシ駆動用のモータは、移動用と回転用とを別個のものとし、回転ブラシを移動の方向に関係なく一定の方向に回転させるようにしてもよい。
【0081】
・上記実施の形態においては、ダストボックス65の塵埃取入口65Aを形成するために仕切り部材651が設けられていたが、回転ブラシ64と蓋部材655との隙間を小さくするとこの仕切り部材651を省略することもできる。なお、この場合、回転ブラシ64は、実線矢印M2又は破線矢印M4の方向に回転されているので、ダストボックス65内又は回転ブラシ64に付着した塵埃が漏出されることはない。
【0082】
・第1エアフィルタ40は、前記実施の形態において周辺枠部41及びフレーム部42と空気中の塵埃を捕捉する多孔性の濾過材部43とが樹脂一体成形されていたが、両者を別々に製作し接着することもできる。
【0083】
・また、第1エアフィルタ40は、前記実施の形態において開口部31周辺の枠部33に対しねじ止めされていたが、この枠部33に対し前後左右何れかの方向からスライド式に取り付けるようにしてもよい。
【0084】
・また、第2エアフィルタ50は、前記実施の形態において静電フィルタ部材51とウレタンシート部材52との2部品から構成されていたが、ウレタンシート部材52を省略することもできる。また、このようなウレタンシート部材52のみならず第2エアフィルタ50全体を省略したものとすることもできる。
【0085】
・また、第2エアフィルタ50を取り付けるためのコ字形枠部35は、前記実施の形態においてベース部材30の開口部31周辺の各辺において部分的に形成されているが、このコ字形枠部35をプリーツ折り目と平行な辺については全体的に形成するようにしてもよい。
【0086】
・また、フィルターユニット3の運転は、前記実施の形態においては目詰まりセンサにより第1エアフィルタ40の目詰まりが検出されたときに運転されていたが、これを投写型映像表示装置の投写が終了時にその都度自動的に作動するようにしてもよい。また、定期的に運転したり、クリーニングスイッチが投入された場合に運転したりするなど他の適宜の方法に変更してもよい。
【0087】
・また、投写型映像表示装置は、前記実施の形態においては3板式の透過型液晶ライトバルブ28r,28g,28bを用いた光学系2としているが、単板式等の他形式の光学系を用いたものとしてもよい。
【0088】
・また、本発明に係るフィルターユニット3は、前記実施の形態においては投写型映像表示装置用としているが、空気調和機用として形成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明に係る掃除装置は、液晶プロジェクタを初めとする種々の投写型映像表示装置や、ルームエアコン、電器集塵機などの種々の空気調和機に適用することができる。
【符号の説明】
【0090】
Q1,Q2…塵埃、θ…所定角度、3…フィルターユニット、12…空気吸込口、30…ベース部材、40…第1エアフィルタ、60…自走式掃除部、61…搬送用基台、64…回転ブラシ、65…ダストボックス、65A…塵埃取入口、611…軸受部、613b…規制壁、652…回動規制部、653…回動軸、654…底部材、655…蓋部材。
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルターユニットに関し、特に、エアフィルタを自動的に掃除するように構成されたフィルターユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
エアフィルタを自動的に掃除するようにしたエアフィルタ装置は、光源ランプやライトバルブ等の光学系機器を冷却するために冷却空気が使用され投写型映像表示装置に用いられている。また、投写型映像表示装置の場合は投写方向や取付位置が設置場所により種々異なるため、エアフィルタ装置が機内に取り付けられた状態のままではエアフィルタのメンテナンス作業が難しくなる場合もあり得るため、近年は外部から着脱自在の使用とされたものが利用されるようになってきている。エアフィルタを自動的に掃除するようにしたエアフィルタ装置を用いると、エアフィルタの掃除、交換等のメンテナンス作業の回数を著しく低減することができる。
【0003】
その一例として特許文献1に記載されたものがある。これは、プレフィルタと第2、第3のフィルタとを備え、プレフィルタに捕捉された塵埃をブラシにより除去するものである。このものでは、プレフィルタを掃除する細長のブラシがプレフィルタの中央部を両面から挟んで横断するようにフィルターユニットに取り付けられ、このブラシに対し長手方向と直角の方向にプレフィルタを摩擦させながら往復動させ、これにより、プレフィルタに捕捉された塵埃が除去されていた。また、エアフィルタから除去された塵埃はフィルターユニット内に溜められ、このフィルターユニットを定期的に外部から取り外すことによりフィルターユニット内に溜まった塵埃を廃棄するように取り扱われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−65021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1においては、ブラシによりプレフィルタから除去された塵埃はフィルターユニットに溜められているが、この塵埃を溜めるプレフィルタは、ブラシを取り付けるスペースでもある。このため、フィルターユニットに塵埃を溜めることが難しいばかりでなく、フィルターユニットに溜められた塵埃がフィルターユニットの移動に伴い再飛散するおそれがあった。また、フィルターユニット内に溜められた塵埃を廃棄する場合には、ブラシを外さなければならず煩わしいという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術における課題に鑑み成されたものであって、エアフィルタの掃除を自動化するとともに、エアフィルタから除去された塵埃を再飛散させることなく容易に廃棄できるようにしたフィルターユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るフィルターユニットは、上記課題を解決するために、吸入空気中の塵埃を捕捉するエアフィルタと、エアフィルタを自動的に掃除する掃除部とを有し、前記掃除部は、エアフィルタに付着した塵埃を掻き取る回転ブラシと、回転ブラシの回転中心軸と平行な方向を長手方向とするとともに、長手方向の回転ブラシ側に回転ブラシに付着した塵埃を取り入れる塵埃取入口を備えたダストボックスを有し、さらに、このダストボックスは着脱自在に取り付けられていることを特徴とする。
【0008】
このように構成された本発明に係るエアフィルタ装置によれば、掃除部により自動的にエアフィルタが掃除される。また、回転ブラシの回転により除去された塵埃が、ダストボックスの長手方向の回転ブラシ側に形成された塵埃取入口からダストボックス内に溜められるので再飛散するおそれがない。また、このダストボックスは、フィルターユニットに対し着脱自在に取り付けられているので、ダストボックスに貯留された塵埃の廃棄及びダストボックスの掃除が容易である。
【0009】
また、前記エアフィルタを取り付けるベース部材が備えられるとともに、このベース部材に対しエアフィルタが固定的に取り付けられ、さらに、前記掃除部は、前記エアフィルタに付着した塵埃を掻き取るように回転ブラシを回転させながら移動するように構成されているようにしてもよい。前記特許文献1に記載の従来のものでは、エアフィルタを移動させるように構成されているため、エアフィルタの移動スペースが必要となり、フィルターユニットが大型に成るという問題があった。しかしながら、この発明のようにすると、エアフィルタの移動スペースを省略することができるので、フィルターユニットが小型化される。
【0010】
また、前記ダストボックスは、長手方向両端において回転可能に軸支されるとともに、塵埃取入口が上方となる角度位置に回動させた状態においてのみ当該フィルターユニットから着脱できるように形成されていることが好ましい。塵埃が溜まったダストボックスをフィルターユニットから取り外すときに、ダストボックスに貯留されていた塵埃が塵埃取入口から漏出するおそれがある。しかし、上記のように構成されていると、ダストボックスをフィルターユニットから取り外す際には塵埃取入口を上方位置にすることになるので、塵埃取入口から塵埃が漏出することがない。また、ダストボックスを取り付けるときは、ダストボックスを立てた状態で取り付けることになるので、取付が容易である。
【0011】
また、前記ダストボックスは、エアフィルタ掃除時の位置から所定角度以上には回動しないように構成されるとともに、この所定角度は、105度〜120度に形成されていることが好ましい。このように構成されていると、前記所定角度位置へ回動されたフィルターユニットは、元の方向へは倒れ難くなりその位置に安定化される。したがって、ダストボックスの取り外し時に、ダストボックスをこの位置まで回動させて取り外すようにすると、取り外し作業中のダストボックスが元の位置の方へ倒れて塵埃が漏出するといったおそれが少なくなる。
【0012】
また、前記ダストボックスは、長手方向両端の側面に、ダストボックスの回動を所定角度位置に規制するための回動規制部と、この回動規制部から突出する回動軸とを有し、前記掃除部は、ダストボックスを取り付ける基台を有し、この基台には前記回動軸を軸支する軸受部が設けられ、この軸受部は、前記所定角度位置において回動軸が取り外しできるように構成されるとともに、この所定角度位置において前記回動規制部と協働してダストボックスの回動を規制する規制壁が形成されていることが好ましい。このように構成すると、軸受部の構造のみでダストボックスを所定角度位置で回動を規制することができる。
【0013】
前記ダストボックスは、エアフィルタ側に取り付けられる底部材と、この底部材に対し閉蓋するように取り付けられる蓋部材とに2分割されるとともに、蓋部材は、前記底部材に対し開閉可能とするように、反回転ブラシ側の長辺部で前記底部材に対し軸支されていることが好ましい。このように構成すると、取り外したダストボックス内を容易にきれいに掃除することができる。また、ダストボックスが基台に取り付けられている状態において、蓋部材が容易に開放される心配がない。
【0014】
前記蓋部材は、ダストボックスが基台から取り外された状態において、前記閉蓋位置から略180度開放されるように構成されていることが好ましい。蓋部材を180度回動させることにより、蓋部材を開けた状態で容易にダストボックス内部を掃除することができる。
【0015】
前記蓋部材は、エアフィルタ掃除運転時に前記回転ブラシにおける基台に対向する側を覆うように形成されていることが好ましい。このように構成すると、回転ブラシとダストボックスとの仕切り部材を蓋部材側に容易に取り付けることができる。この仕切り部材により、一旦ダストボックス内に溜まった塵埃の漏出を抑制する塵埃取入口を確実に形成することができる。また、この蓋部材は、基台に対するカバー機能を兼ねるので、基台のカバーが不要となり部品点数を削減することができる。さらに、この蓋部材は、ダストボックスの一部品を構成しているため、ダストボックスを取り外すことによりこの蓋部材を取り外すことができる。したがって、ダストボックスを取り外すことにより、基台のカバー機能を有する蓋部材を取り外ずして回転ブラシを露出させることができ、回転ブラシに付着した塵埃を除去することができる。
【0016】
前記ダストボックスは、塵埃の貯留状態を観察できるように少なくとも一部が透明材料により形成されていることが好ましい。このように構成すると、底部材に対し閉蓋する蓋部材を開かなくてもダストボックス内に貯まっている塵埃の量や状態を把握することができるので、取り扱いが便利になる。
【0017】
また、本発明に係る投写型映像表示装置は、上記のように構成されたフィルターユニットを光学系機器冷却用の空気吸込口に着脱自在に設けたものである。このように構成すると、大きなエアフィルタの収納スペースを必要としない掃除が自動化されたエアフィルタ装置を設けることができる。また、このフィルターユニットを取り付けることにより、エアフィルタの洗浄,掃除、交換等のメンテナンス作業の回数を著しく低減することができるとともに、このメンテナンス作業を容易化することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るフィルターユニットによれば、自走式掃除部により自動的にエアフィルタが掃除される。また、エアフィルタを移動させる必要がないので、エアフィルタの収納スペースを小さくすることができる。また、エアフィルタから除去された塵埃は、ダストボックス内に貯留されるので再飛散するおそれがない。ダストボックスがフィルターユニットに対し着脱自在に取り付けられているので、ダストボックスに貯留された塵埃の廃棄及びダストボックスの掃除が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係るフィルターユニットを用いた投写型映像表示装置の斜視図である。
【図2】同投写型映像表示装置における光学系機器の概略平面配置図である。
【図3】同投写型映像表示装置の側面図である。
【図4】同投写型映像表示装置の投写態様を示す図であり、(a)は上向き投写状態図であり、(b)は天井吊投写状態図であり、(c)は下向き投写状態図である。
【図5】同投写型映像表示装置に用いられるフィルターユニットの斜視図であり、正面に引き出した状態から上下反転させた状態図である。
【図6】図5の状態における同フィルターユニットの平面図である。
【図7】図5と同様の角度から見たフィルターユニットの斜視図であって、自走式掃除部が図5の待機位置から反対側の位置へ移動した状態図である。
【図8】図5の状態における同フィルターユニットの分解斜視図である。
【図9】図1のA−A断面図である。
【図10】同フィルターユニットにおける自走式掃除部周りの図面であり、自走式掃除部は内部を開放した状態で示している。
【図11】同フィルターユニットにおける自走式掃除部の外観斜視図であって、(a)は反エアフィルタ側から見た外観斜視図であり、(b)はエアフィルタ側から見た外観斜視図である。
【図12】図6のB−B断面図である。
【図13】図6のC−C断面図である。
【図14】同フィルターユニットにおける自走式掃除部の断面図であって、図10のD−D位置における内部を開放していない状態の断面図である。
【図15】同自走式掃除部においてダストボックスを取り外すことのできる所定角度位置へ回動させた状態図である。
【図16】図15の状態の同自走式掃除部からダストボックスを上方へ取り外した状態図であって、(a)は分解斜視図であり、(b)は取り外されたダストボックスの、見る角度を変更した斜視図である。
【図17】同フィルターユニットにおけるダストボックスの回動軸を支持する軸受部の説明図であって、(a)はダストボックスの回動軸が嵌合されていない状態図であり、(b)はダストボックスの回動軸が嵌合された掃除時の状態図であり、(c)はダストボックスを所定角度位置に回動した状態図である。
【図18】同ダストボックスにおける蓋部材の回動説明図であって、(a)は蓋部材を略90度回動した状態図であり、(b)は蓋部材を略180度回動した状態図である。
【図19】同フィルターユニットにおける自走式掃除部の断面図であって、図10のF−F位置における内部を開放していない状態の断面図である。
【図20】本実施の形態おける自走式掃除部の掃除動作説明図である。
【図21】本実施の形態おける自走式掃除部の待機位置への帰還動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態に係る投写型映像表示装置について図面を参照しながら説明する。なお、図1には、本実施の形態に係る投写型映像表示装置における正立投写状態時の外観斜視図を示すが、以下の説明において、特に断りなく上下方向、左右方向及び前後方向をいうときは、図1に図示した矢印の方向をいうものとする。
【0021】
本実施の形態に係る投写型映像表示装置は、3板式液晶投写型映像表示装置であって、図1の外観斜視図に示すような箱型の外装ケース1を備えている。そして、この外装ケース1内には図2に示すような光学系2が内装されており、投写レンズ2Aが外装ケース1の正面11から突出するように配置されている。また、フィルターユニット3が、エアフィルタ装置として外装ケース1内の空気吸込口12に沿って配置されるように、外装ケース1の正面11から引き出し式に取り付けられている。なお、フィルターユニット3の吸込み側は、外装ケース1の左右側面13に設けられた複数の切込み14により機外に通じている。
【0022】
光学系2は、図2に示すように、光源として放電式ランプからなる4個の光源ランプ21が使用されている。この場合において、各光源ランプ21は、光軸21Aが正面11に対し平行となる方向に配置されている。また、4個の光源ランプ21は、光路変更部材21aを用いることにより、所定の方向(この場合は正面に向かう方向)に射出されるように組み合わされている。
【0023】
光源ランプ21から出射された照明光は、インテグレータレンズ22、偏光変換素子23、コンデンサーレンズ24aを介し、赤、緑、青の各色光に分離する色分離光学系に導かれている。色分離光学系は、2種類のダイクロイックミラー25a,25b、3個の全反射ミラー26a,26b,26c、3個のリレーレンズ27a,27b,27c、3個のコンデンサーレンズ24r,24g,24b等により構成されている。また、赤、緑、青の各色光に分離された照明光は、赤、緑又は青色用の液晶ライトバルブ28r,28g,28bにより光変調され、クロスダイクロイックプリズム29により合成されて映像光として投写レンズ2Aから射出されている。これら光学系を構成する機器のうち冷却空気による冷却が必要とされるのは、最も高温となる光源ランプ21の他、液晶ライトバルブ28r,28g,28bを構成する液晶パネル、偏光板などや、偏光変換素子23などである。
【0024】
このように構成された投写型映像表示装置は、図3のような正立投写状態に設置される他、光源ランプ21の光軸21Aが常に水平方向に配置される状態として、図3に示す矢印R1又はR2方向に回転させた状態で用いられる。図4はこれを具体的に示したもので、図4(a)は上向き投写状態、図4(b)は天井吊投写状態、図4(c)は下向き投写状態である。このように、光源ランプ21の光軸21Aを常に水平方向とすることにより放電式ランプからなる光源ランプ21の過熱が防止されている。
【0025】
フィルターユニット3は、図1に、投写型映像表示装置の正面11から前方に引き出した状態の斜視図が示されている。図5はこの状態から上下反転させた状態の斜視図であり、図6はその平面図である。また、図7は、自走式掃除部60が図5の待機状態位置から反対側の端部へ移動した状態図である。そして、このエアフィルタ装置としてのフィルターユニット3は、図8の分解斜視図に示すように、ベース部材30、ベース部材30の風上側に設けられる第1エアフィルタ40、本発明にいう掃除部としての自走式掃除部60、ラック70,取っ手部80、ベース部材30の風下側に設けられる第2エアフィルタ50等から構成されている。
【0026】
ベース部材30は、図8に示すように、樹脂成形品であって、中央部に冷却空気を取り入れる開口部31が形成されるとともに、この開口部31を跨ぐように格子状のフレーム部32が形成されている。また、ベース部材30は、開口部31周辺の枠部33の正面11側には取っ手部80が取り付けられ、風上側表面部における正面11から見た右側(すなわち、図5の図示位置)が自走式掃除部60が非掃除時に待機する待機位置であり、取り付け初期時の位置とされている。また、ベース部材30の左右側面には、このフィルターユニット3を正面11の外側からスライド式に外装ケース1内に取り付ける際のレール部34が形成されている。また、図8に示されるように、ベース部材30の風上側表面部における開口部31の前後の位置には、光源ランプ21の光軸21Aと平行な方向に延びるようにラック70がそれぞれ取り付けられている。このラック70は、自走式掃除部60を移動させるためのものである。
【0027】
ベース部材30の風上側表面部には、ベース部材30の開口部31に対応する位置に第1エアフィルタ40が取り付けられている。第1エアフィルタ40は、本発明におけるエアフィルタを意味する。
【0028】
第1エアフィルタ40は、図8に示すように、周辺枠部41と、フィルタ面を複数に区分する格子枠形状のフレーム部42と、空気中の塵埃を捕捉する多孔性の濾過材部43とが樹脂一体成形により形成されたものであり、剛性強度を向上させるために周辺枠部41には折り曲げ部44が形成されている。また、第1エアフィルタ40は、周辺枠部41がベース部材30の枠部33に対しフィルタ面と略直角の方向からねじ止めされている。すなわち、図5に示すように、左右方向のねじ40a及び前後方向のねじ40bによりねじ止めされている。
【0029】
ベース部材30の風下側表面部には、ベース部材30の開口部31に対応して第2エアフィルタ50が取り付けられている。
第2エアフィルタ50は、図8に示すように、高分子繊維に静電気を帯電させた静電フィルタ部材51と、クッション性を有する平らなウレタンシート部材52とから構成されており、ウレタンシート部材52がベース部材30の周辺の枠部33側、すなわち、静電フィルタ部材51の風上側に取り付けられている。また、ベース部材30の周辺の枠部33の一部には、図9に示すように、コ字形枠部35を形成するように押え部35aが開口部31へ部分的に突出するように構成されている。したがって、2部材から構成された第2エアフィルタ50は、風上側の面、すなわちウレタンシート部材52の表面がベース部材30の枠部33の表面部に当接されるとともに、周辺の一部においてコ字形枠部35内に押し込められるようにして取り付けられている。このように、第2エアフィルタ50もベース部材30の枠部33に対しフィルタ面と略直角の方向から取り付けられている。
【0030】
第2エアフィルタ50を構成する静電フィルタ部材51は、図9に示すように、シート状濾過材が左右方向にプリーツ折りされたものであって、第1エアフィルタ40が捕捉する塵埃よりも微細な塵埃を捕捉することができる。ウレタンシート部材52は、クッション性を有するので、周辺部の一部をコ字形枠部35内に押し込んで固定する際に取り付けを容易にすることができる。
【0031】
自走式掃除部60は、第1エアフィルタを自動的に掃除する掃除であって、図9に断面で示すとともに図10に内部を開放して示すように、フィルターユニット3の風上側表面部において、長手方向が第1エアフィルタ40の前後方向に延びるように配置されている。また、自走式掃除部60は、基台としての搬送用基台61に駆動部62、伝動軸63、回転ブラシ64、ダストボックス65、ワンウエイクラッチ66、平歯車67、ピニオン68a,68bなどの各種構成機器が取り付けられたものである。また、自走式掃除部60は、図10に示すように、大きく分けて駆動部62を収納する駆動室60aと、伝動軸63、回転ブラシ64及びダストボックス65を収納する塵埃除去室60bと、ワンウエイクラッチ66、平歯車67等を収納するクラッチ室60cとに分離されている。
【0032】
駆動室60aに収納される駆動部62は、出力軸を左右方向にして配置されたモータ62aと、その出力軸の先端に取り付けられた傘歯車62bと、傘歯車62bと噛み合うように伝動軸63に取り付けられた傘歯車62cとから構成され、モータ62aのトルクが伝動軸63に伝達されるように形成されている。
【0033】
また、クラッチ室60cには、伝動軸63の後端部に取り付けられた平歯車67と、この平歯車67に噛み合う回転ブラシ64の軸体64aに取り付けられたワンウエイクラッチ66が収納されている。なお、伝動軸63は、図11(a),(b)の自走式掃除部60の外形図に示すように、前後の端部が搬送用基台61から突出し、自走式掃除部60の両端の外側(ベース部材30の前後)にピニオン68a,68bが取り付けられている。また、このピニオン68a,68bは、光源ランプ21の光軸21Aと平行な方向に延びるように取り付けられているラック70と噛み合うように構成されている。
【0034】
塵埃除去室60bは、長手方向が第1エアフィルタ40の前後方向に跨る程度の大きさのものであって、内部には伝動軸63、回転ブラシ64、ダストボックス65が第1エアフィルタ40側から順次配置されている。また、これら機器は、第1エアフィルタ40の前後方向に跨って延びる程度の長さに形成されている。
【0035】
そして図10に示すように、伝動軸63は、前述の駆動室60aにおける傘歯車62b,62cの噛み合いにより、モータ62aにより回転駆動されるように構成されている。また、伝動軸63の前後端において、ピニオン68a,68bがベース部材30に取り付けられたラック70と噛み合うように構成されているため、伝動軸63の回転運動がピニオン68a,68bとラック70の歯車機構により直線運動に変換されて、搬送用基台61に伝達される。これにより、樹脂成形品である搬送用基台61に各種構成機器が搭載された自走式掃除部60は、第1エアフィルタ40風上側表面部において、光源ランプ21の光軸21Aと平行な方向に移動する。したがって、投写型映像表示装置が図3及び図4に示すように多様な投写方向に取り付けられたとしても、光源ランプ21の光軸21Aが水平方向となるように設定されている以上、自走式掃除部60の移動方向、すなわち回転ブラシ64の移動方向は常に水平に維持される。
【0036】
自走式掃除部60は、モータ62aの駆動により図5の待機位置から図7の反対側の位置まで移動する。また、自走式掃除部60がこの位置まで移動したときには位置センサ(不図示)が作動してモータ62aが反転され、自走式掃除部60が再び待機位置へ戻るように構成されている。なお、ピニオン68a,68bは、自走式掃除部60が図5の待機位置から図7の反対位置へ移動するときには正面11から見て反時計方向に回転され、自走式掃除部60が図7の反対位置から図5の待機位置へ戻るときには正面11から見て時計方向に回転される。また、自走式掃除部60がこのように円滑に移動することができるように、図12及び図13に示すように、自走式掃除部60の前後面から平板状の突出部601が形成されるとともに、ベース部材30におけるラック70を取り付けている台座部36,37の側面にこの突出部601をスライドさせる凹溝36a,37aが形成されている。なお、これら図におけるねじ36b及び37bは、これら台座部36,37をベース部材30に固定するためのものである。
【0037】
回転ブラシ64は、図14の自走式掃除部60の断面図(図10におけるD−Dの位置における断面図)に示すように、金属や樹脂などの材料からなる軸体64aと、軸体64aに巻きつけられたブラシ部材64bとから構成されている。また、軸体64aの後方の端部には、図10に示すように、前述のワンウエイクラッチ66が取り付けられている。
【0038】
また、回転ブラシ64は、図14に示すように、その先端部により第1エアフィルタ40から塵埃を掻き取ることができるように塵埃除去室60bから上方(図14の図面上においては下方)に向かって(第1エアフィルタ40側に向かって)ブラシの先端部が搬送用基台61から少し食み出すように形成されている。また、自走式掃除部60が図5の待機位置から図7の反対位置へ移動する移動方向における回転ブラシ64の後側にダストボックス65が形成されている。
【0039】
ダストボックス65は、回転ブラシ64の回転中心軸と平行に配置される細長容器であって、樹脂成形品として構成されている。また、ダストボックス65には、回転ブラシ64からの塵埃を受け入れる塵埃取入口65Aが回転ブラシ64に向かって開口するように形成されている。そして、回転ブラシ64とダストボックス65とは、回転ブラシ64の先端部がダストボックス65の塵埃取入口65Aから内部に少し侵入するような位置関係に形成されている。
【0040】
そして、ダストボックス65における塵埃取入口65Aには、回転ブラシ64に付着した塵埃を除去する除塵体69が上方部から下方部(図14の図面上においては下方部から上方部)に向けて形成されている。また、このダストボックス65の塵埃取入口65Aの下方(図14図面上の上方)部には、ダストボックス65と回転ブラシ64が収納されている部分とを仕切る仕切り部材651が形成されており、除塵体69により回転ブラシ64から除去されてダストボックス65内に貯留された塵埃がダストボックス65外へ飛散することを防止している。
【0041】
また、ダストボックス65は、図15に示すように、長手方向両端において反回転ブラシ側の位置(回転ブラシ64から遠くなる方に偏った位置)において搬送用基台61に対し回転可能に軸支されている。また、ダストボックス65は、自走式掃除部60を上面とするようにフィルターユニット3を載置した状態において、塵埃取入口65Aが上方位置となる所定角度位置まで回動できるように構成されており、それ以上は回動できないように構成されている。なお、この実施の形態において、この所定角度θ(図15参照)は、ダストボックス65の回動角度の上限値であって、その一例として110度に設定されている。また、この所定角度θは、所定位置へ回動した状態においては重心が回動側へ移動しており元へ戻りにくい状態となる角度であることが必要であるが、大きくなり過ぎると塵埃取入口65Aから塵埃が漏出しやすくなる。したがって、上記の所定角度θは、110度に特定されるものではなく、105度〜120度の範囲内に設定されていればよい。また、ダストボックス65の着脱については、図16(a),(b)に示すように、上記の所定角度位置へ回動された状態においてフィルターユニット3から取り外せることは勿論であるが、作業性を考慮し、塵埃取入口65Aが上方を向いている所定の角度範囲で着脱自在とすることが好ましい。この所定の角度範囲としては、回動角度が約80度から上記所定角度θまでが好ましい。
【0042】
ダストボックス65をこのように回動可能とし、かつ着脱自在とするために、ダストボックス65の長手方向両端の側面にはダストボックス65の回動を所定角度位置に規制するための長円形平板状の回動規制部652と、この回動規制部652から突出する回動軸653とが設けられている(図16参照)。また、回動軸653は、図15、図16等から分かるように搬送用基台61に取り付けられている軸受部611に軸支されている。
【0043】
軸受部611は、図17に拡大図示するように、回動軸653を嵌合して回動自在とするための軸挿入部612と、回動規制部652と協働してダストボックスの回動角度及び着脱の制御を行う回動制御部613とから構成されている。軸挿入部612は、回動軸653を挿入して支持する半円形孔部612aと、この半円形孔部612aを図示上方へ開口するガイド部612bとを備えている。一方、回動制御部613は、回動規制部652の回動を許容する部分円形壁613aと、掃除時には回動軸653が軸受部611から取り外されることを規制する規制壁613bと、所定角度位置においてそれ以上の回動を阻止するとともに回動規制部652を図示上方へ案内するガイド壁613cとから構成されている。
【0044】
また、ダストボックス65は、図14の断面図からよく分かるように、エアフィルタ側に取り付けられる底部材654と、この底部材654に対し閉蓋するように取り付けられた蓋部材655との2部材から構成されている。また、ダストボックス65は、特に、蓋部材655は、塵埃の貯留状態を観察できるように少なくとも一部が透明材料により形成されている。
【0045】
底部材654は、先端がダストボックス65の塵埃取入口65Aまでの幅寸法であるが、蓋部材655は、先端が塵埃取入口65Aより先に延び回転ブラシ64、伝動軸63などを閉蓋するように、搬送用基台61の側縁まで延びている。
【0046】
また、蓋部材655は、図16に示すように、回転ブラシ64から遠い方の長辺部で底部材654に対し、2箇所で回転自在に軸支されている。この軸支構造は、図18に示すように、軸部654aが底部材654に設けられ、この軸部654aに対し弾性的に回転自在に係合される係合部655aが蓋部材655に設けられたものである。そして、この蓋部材655は、図18に示すように、ダストボックス65が搬送用基台61から取り外された状態において、底部材654に対し閉蓋位置から180度開放されるように構成されている。なお、前述の回動規制部652及び回動軸653が蓋部材655に形成されている。
【0047】
軸受部611により軸支されるダストボックス65は、取り外すとき以外においては、図14に示すように、蓋部材655の先端部が搬送用基台61に対し固定ねじ656によりねじ止めされて、回動しないように固定されている。なお、固定ねじ656は、搬送用基台61に埋め込まれた雌ねじ部614に対しねじ止めされている。
【0048】
また、ダストボックス65には、図10に示すように平板状部材からなる3個の仕切壁659が形成されている。仕切壁659は、その平板面が回転ブラシ64の移動方向(すなわち、光源ランプ21の光軸21Aと平行な方向)を向くように底部材654と一体的に形成されている。また、蓋部材655の中央内面側には、図19に示すように、蓋部材655と底部材654とを閉蓋状態に固定するための突状係合部655bが形成されるとともに、中央の仕切壁659の先端には、突状係合部655bに係合する突状係合部659aが形成されている。このように構成されることにより、蓋部材655が底部材654に対して閉蓋状態を保持するときには、蓋部材655の突状係合部655bが中央の仕切壁659の突状係合部659aに対し弾性的に係合し、これにより蓋部材655と底部材654とが一体化されている。
【0049】
ダストボックス65の塵埃取入口65Aに取り付けられる除塵体69は、図14に示すように、底部材654に平行な取付面部691で取り付けられるように構成された略への字型部材であって、ステンレス等の金属により形成されている。そして、除塵体69には、底部材側から斜めに起立する斜行面部692が形成され、その先端部に、塵埃除去運転中の回転ブラシ64の先端部を梳くように櫛歯状部693が形成されている。
【0050】
この実施の形態における取っ手部80の内側であって、ベース部材30の側方に位置する部分には、図1に示すように、このフィルターユニット3の電源及び制御線を接続するためのコネクタ90が取り付けられている。また、このコネクタ90は、外装ケース1側に取り付けられた電源及び制御線用のコネクタ91に接続される。そして、この接続によりフィルターユニット3が投写型映像表示装置本体に対し電気的に接続され、投写型映像表示装置の操作部又は制御部からの指令に基づき操作されるように構成されている。フィルターユニット3側のコネクタ90と外装ケース1側のコネクタ91との接続は、直接人手により接続されるのではなく、外装ケース1に対しフィルターユニット3をスライド式に取り付ける際に、フィルターユニット3を外装ケース1内へ押し込む力を利用して行われる。
【0051】
(掃除動作)
上記のように構成されたフィルターユニット3は、次のようにして自動的に掃除が行われる。
【0052】
フィルターユニット3は、目詰まりセンサ(不図示)により第1エアフィルタ40の目詰まりが検出されたときに運転される。目詰まりセンサは、特に限定されるものではなく、例えば、第1エアフィルタ40が目詰まりを生じることにより、通風抵抗が増大し送風機用電動機(不図示)の電流値が増大することを検出するものが用いられている。
【0053】
フィルターユニット3が運転されるときは、モータ62aが駆動され伝動軸63及びピニオン68a,68bが回転されることにより自走式掃除部60が図5に示す待機位置から図7に示す反対側の位置に向かって移動する。
【0054】
回転ブラシ64は、第1エアフィルタ40を下方に押圧しながら図20における実線矢印M2の方向に回転することにより、第1エアフィルタ40に付着している塵埃Q1が掻き取られる。また、回転ブラシ64により掻き取られて回転ブラシ64に付着している塵埃Q2は、ダストボックス65の塵埃取入口65Aにおいて除塵体69の櫛歯状部693によりダストボックス65内に振り落とされて、ダストボックス65内に貯留される。また、掃除時において、ダストボックス65の塵埃取入口65Aは、常に回転ブラシ64の移動方向に向かって開放されている。
【0055】
このようにして自走式掃除部60が第1エアフィルタ40の塵埃を掻き取りながら図7に示す反対側の位置に到達すると、位置センサ(不図示)がこれを検出し、モータ62aが反転する。そして、自走式掃除部60が図5の待機位置へ移動する。図21は、この移動時の説明図であって、実線矢印M3が移動方向を示す。自走式掃除部60の待機位置への移動に際し、回転ブラシ64を反転させると回転ブラシ64に付着した塵埃Q2が再飛散する可能性がある。そこで、本実施の形態においてはワンウエイクラッチ66によりモータ62aの回転トルクが回転ブラシ64に伝達されないように構成されている。
【0056】
(メンテナンス作業)
次に、以上のように掃除されるフィルターユニット3のメンテナンスは次のようにして行われる。
【0057】
第1エアフィルタ40は、以上のような動作により自動的に繰り返し掃除されるが、長期間使用すると第1エアフィルタ40に塵埃が付着して残存する量が増大する。したがって、第1エアフィルタ40の洗浄、交換などのメンテナンスは、第1エアフィルタ40の掃除が手作業により行われる場合と比較すると極端にその回数を減らすことができる。しかしながら、長期間使用した場合は第1エアフィルタ40に付着したまま残る塵埃量も増加するため、適切な期間をおいて第1エアフィルタ40を取り外して掃除したり、場合によっては新しいものと交換したりする必要の生じることは避け難い。本実施の形態は、このような場合に次のようにして第1エアフィルタ40のメンテナンスを行うことができる。
【0058】
先ず、投写型映像表示装置の正面11側からフィルターユニット3を引き出して取り外す。このとき、フィルターユニット3側のコネクタ90とベース部材30側のコネクタ91は直接手を触れることなく分離するように構成されている。したがって、この場合にフィルターユニット3に接続されているコンセントを手で抜く必要はない。
【0059】
次いで、引き出されたフィルターユニット3は、図5のように上下反転されて適宜の位置に載置される。そして、この状態においてベース部材30のフィルタ面に対し直角の方向からねじ40a及びねじ40bを取り外すことにより、自走式掃除部60に干渉されることなく、第1エアフィルタ40をベース部材30のフィルタ面に対し直角の方向に取り外すことができる。第1エアフィルタ40は、このようにして容易に取り外すことができ、適切な方法で洗浄又は掃除することができる。また、第1エアフィルタ40が極端に古くなっている場合には、第1エアフィルタ40を新品と交換することもできる。また、洗浄又は掃除された第1エアフィルタ40及び新品の第1エアフィルタ40は、ベース部材30の開口部31に対応する所定の位置に載置した後、ねじ40a及びねじ40bを締結することにより、自走式掃除部60に干渉されることなく、容易に取り付けることができる。
【0060】
また、第2エアフィルタ50について、洗浄、掃除、交換などのメンテナンスを行う場合は、第2エアフィルタ50をベース部材30の枠部33に対しフィルタ面と直角の方向から容易に取り外すことができる。すなわち、この場合は、フィルターユニット3を投写型映像表示装置の正面11から引き出し、図1の状態として適宜の位置に載置する。そして、コ字形枠部35から第2エアフィルタ50の周辺部を引き出すことにより、第2エアフィルタ50を取り外すことができる。また、洗浄又は掃除後の第2エアフィルタ50を取り付けるときは、ウレタンシート部材52の表面をベース部材30の枠部33の表面部に当接するとともに、静電フィルタ部材51とウレタンシート部材52とを重ね合わせた組合せ物の周辺部を部分的にコ字形枠部35内に押し込めることにより、第2エアフィルタ50を容易に取り付けることができる。このように、第2エアフィルタ50の着脱も自走式掃除部60に干渉されることなく容易に行うことができる。
【0061】
また、ダストボックス内に溜まった塵埃を廃棄するときは、フィルターユニット3を投写型映像表示装置の正面11側から引き出し、これを図5のように反転して適宜の場所に載置する。そして、図14に図示されている固定ねじ656を外し、図15に示すようにダストボックスを約80度から所定角度位置までの範囲の角度へ回動する。次いで図16に示すようにダストボックス65を引き上げる。これにより、ダストボックス65から塵埃を漏出させることなく、ダストボックス65をフィルターユニット3から取り外すことができる。
【0062】
そして、フィルターユニット3から取り外されたダストボックス65の底部材654に対して閉蓋している蓋部材655を図18に示すように回動し、回動が規制される180度まで開く。なお、このように開くには、蓋部材655の突状係合部655bとダストボックス65における中央の仕切壁659の突状係合部659aとの係合を取り外すことが必要であり、この係合を外すことにより、底部材654に対し蓋部材655を自由に回動させることができる。
【0063】
なお、上記のダストボックス65の取り外しにおいて、回動規制部652及び回動軸653が蓋部材655に取り付けられていたので、回動したときに蓋部材655が開蓋するおそれが少ない。すなわち、回動規制部652及び回動軸653を底部材654側に形成した場合には、蓋部材655を把持して回動軸653を中心にダストボックス65を回動させると、所定角度回動した位置において、底部材654に形成された回動規制部652がガイド壁613cに当接する。このため、底部材654は、それ以上回動できなくなる。他方、蓋部材655はなお回動できるため、所定角度回動した位置に底部材654に対する蓋部材655の係合が解除されるおそれがある。これに対し本実施の形態のように、回動規制部652を蓋部材655に形成している限りは、蓋部材655自体が所定角度位置で回動できなくなるため、このようなおそれがないという利点を備えている。
【0064】
また、ダストボックス65を取り外した状態においては、図16に図示するように回転ブラシ64が露出された状態となるので、回転ブラシ64を、掃除機等を使用して掃除することもできる。
【0065】
そして、ダストボックス65及び回転ブラシ64のメンテナンス作業が終了したときは、上記と逆のように操作して、ダストボックス65を組み立てて、フィルターユニット3に取り付ける。
【0066】
フィルターユニット3の投写型映像表示装置への取り付けは、投写型映像表示装置の正面11側外部からスライド式に行う。投写型映像表示装置の正面側は、投写側であって投写のため空間が通常設けられている。このため、フィルターユニット3の着脱のためのスペースを容易に確保することができる。フィルターユニット3がスライド式に差し込まれると、取っ手部80の裏側に取り付けられたコネクタ90と外装ケース1に取り付けられたコネクタ91とが、挿入時の力により自動的に接続される。これにより、フィルターユニット3は、投写型映像表示装置本体と電気的に接続され、投写型映像表示装置本体の運転動作と連携して運転制御される。これにより、投写型映像表示装置の運転を再開することができる。
【0067】
本実施の形態に係るエアフィルタ装置及び投写型映像表示装置によれば次の効果を奏することができる。
(1)本発明に係るエアフィルタ装置によれば、掃除部としての自走式掃除部60により自動的に第1エアフィルタ40が掃除される。
【0068】
(2)また、回転ブラシ64の回転により除去された塵埃Q2が、ダストボックス65の長手方向の回転ブラシ側に形成された塵埃取入口65Aからダストボックス65内に溜められるので再飛散するおそれがない。
【0069】
(3)また、このダストボックス65は、フィルターユニット3に対し着脱自在に取り付けられているので、ダストボックス65に貯留された塵埃の廃棄及びダストボックス65の掃除が容易である。
【0070】
(4)第1エアフィルタ40を取り付けるベース部材30が備えられるとともに、このベース部材30に対し第1エアフィルタ40が固定的に取り付けられる一方、自走式掃除部60が第1エアフィルタ40に付着した塵埃Q1を掻き取るように回転ブラシ64を回転させながら移動する。上記のごとく、本実施の形態においては従来のようにエアフィルタを移動することをしないので、エアフィルタの収納に必要なスペースが小さくなり、フィルターユニット3を小さくすることができる。
【0071】
(4)また、ダストボックス65は、長手方向両端において回転可能に軸支されるとともに、塵埃取入口65Aが上方となる角度位置に回動させた状態においてのみ当該フィルターユニット3から着脱できるように形成されている。したがって、ダストボックス65をフィルターユニット3から取り外す際には塵埃取入口65Aが必ず上方位置にあるので、塵埃取入口65Aから塵埃が漏出することがない。また、ダストボックス65を取り付けるときは、ダストボックス65を立てた状態で取り付けることになるので、取付が容易である。
【0072】
(5)また、ダストボックス65は、エアフィルタ掃除時の位置から所定角度θ以上には回動しないように構成されるとともに、この所定角度は、105度〜120度の範囲に形成されている。したがって、ダストボックス65を所定角度位置へ回動して取り外すようにすると、この位置で手が滑って手がダストボックスから離れてもダストボックス65が元の位置へ倒れて塵埃取入口65Aから塵埃が漏出するといったおそれを少なくすることができる。
【0073】
(6)また、ダストボックス65は、長手方向両端の側面に、ダストボックス65の回動を所定位置に規制するための回動規制部652と、この回動規制部652から突出する回動軸653とを有しており、搬送用基台61は、この回動軸653を軸支する軸受部611を有している。また、この軸受部611は、所定角度位置において、回動軸653が取り外しできるように構成されるとともに、回動規制部652と協働してダストボックス65の回動を規制する規制壁613bが形成されている。このように、本実施の形態においては軸受部611の構造により、ダストボックス65を所定角度位置で回動を規制している。
【0074】
(7)また、ダストボックス65は、第1エアフィルタ40側に取り付けられる底部材654と、この底部材654を閉蓋するように取り付けられる蓋部材655とに2分割されている。また、蓋部材655は、ダストボックス65がフィルターユニット3から取り外された状態においてのみ底部材654を開閉可能とするように底部材654に対し軸支されている。したがって、ダストボックス65を取り外すとともに、底部材654から蓋部材655を開くことによりダストボックス65内を容易にきれいに掃除することができる。さらに、ダストボックス65が搬送用基台61に取り付けられている状態において、蓋部材655が不用意に開放される心配がない。
【0075】
(8)また、蓋部材655は、ダストボックス65が搬送用基台61から取り外された状態において、閉蓋位置から180度開放されるよう構成されている。したがって、蓋部材655を180度回動して開くことにより、蓋部材655を開けた状態で容易にダストボックス65内部を掃除することができる。
【0076】
(9)また、蓋部材655は、エアフィルタ掃除運転時には回転ブラシ64における搬送用基台61に対向する側を覆うように形成されている。したがって、回転ブラシ64とダストボックス65との仕切り部材651を蓋部材655側に容易に取り付けることができる。この仕切り部材651により、一旦ダストボックス65内に溜まった塵埃の漏出を抑制する塵埃取入口65Aを確実に形成することができる。
【0077】
(10)ダストボックス65は、塵埃の貯留状態を観察できるように少なくとも一部が透明材料により形成されている底部材654に対し閉蓋する蓋部材655を開かなくてもダストボックス65内に貯まっている塵埃の量や状態を把握することができるので、取り扱いが便利になる。
【0078】
(11)また、本実施の形態に係る投写型映像表示装置は、上記のように構成されたフィルターユニット3を光学系機器冷却用の空気吸込口12に着脱自在に設けたものである。したがって、大きなエアフィルタの収納スペースを必要としない掃除が自動化されたエアフィルタ装置を設けることができる。また、このフィルターユニット3を取り付けることにより、第1エアフィルタの洗浄、掃除、交換等のメンテナンス作業の回数を著しく低減することができるとともに、このメンテナンス作業を容易化することができる。
【0079】
(変形例)
本発明は、上記実施の形態において以下のように変更することができる。
・上記実施の形態においては、掃除部が自動的に第1エアフィルタ40を掃除する自走式掃除部60に形成されていたが、これを固定式とし、第1エアフィルタ40に代わるエアフィルタを従来技術のようにフィルタ面に平行して移動させるようにしてもよく、本発明はこれをも包含する。しかしながら、この場合は従来技術と同様、エアフィルタの収納スペースが大きくなり、上記実施の形態1よりも大型化される。なお、この場合における掃除部の取付位置は、前記実施の形態における第1エアフィルタ40の待機位置とすることが好ましい。このようにすると、通風抵抗を少なくすることができる。
【0080】
・また、前記実施の形態におけるフィルタ−ユニット3は、回転ブラシのみを移動させ、ダストボックスを待機位置側で固定的に配置し、回転ブラシがダストボックスの位置へ戻ってきたときに、回転ブラシに付着したごみを除去し、除去されたごみをダストボックス内に取り込むようにしてもよい。また、この場合において、回転ブラシ駆動用のモータは、移動用と回転用とを別個のものとし、回転ブラシを移動の方向に関係なく一定の方向に回転させるようにしてもよい。
【0081】
・上記実施の形態においては、ダストボックス65の塵埃取入口65Aを形成するために仕切り部材651が設けられていたが、回転ブラシ64と蓋部材655との隙間を小さくするとこの仕切り部材651を省略することもできる。なお、この場合、回転ブラシ64は、実線矢印M2又は破線矢印M4の方向に回転されているので、ダストボックス65内又は回転ブラシ64に付着した塵埃が漏出されることはない。
【0082】
・第1エアフィルタ40は、前記実施の形態において周辺枠部41及びフレーム部42と空気中の塵埃を捕捉する多孔性の濾過材部43とが樹脂一体成形されていたが、両者を別々に製作し接着することもできる。
【0083】
・また、第1エアフィルタ40は、前記実施の形態において開口部31周辺の枠部33に対しねじ止めされていたが、この枠部33に対し前後左右何れかの方向からスライド式に取り付けるようにしてもよい。
【0084】
・また、第2エアフィルタ50は、前記実施の形態において静電フィルタ部材51とウレタンシート部材52との2部品から構成されていたが、ウレタンシート部材52を省略することもできる。また、このようなウレタンシート部材52のみならず第2エアフィルタ50全体を省略したものとすることもできる。
【0085】
・また、第2エアフィルタ50を取り付けるためのコ字形枠部35は、前記実施の形態においてベース部材30の開口部31周辺の各辺において部分的に形成されているが、このコ字形枠部35をプリーツ折り目と平行な辺については全体的に形成するようにしてもよい。
【0086】
・また、フィルターユニット3の運転は、前記実施の形態においては目詰まりセンサにより第1エアフィルタ40の目詰まりが検出されたときに運転されていたが、これを投写型映像表示装置の投写が終了時にその都度自動的に作動するようにしてもよい。また、定期的に運転したり、クリーニングスイッチが投入された場合に運転したりするなど他の適宜の方法に変更してもよい。
【0087】
・また、投写型映像表示装置は、前記実施の形態においては3板式の透過型液晶ライトバルブ28r,28g,28bを用いた光学系2としているが、単板式等の他形式の光学系を用いたものとしてもよい。
【0088】
・また、本発明に係るフィルターユニット3は、前記実施の形態においては投写型映像表示装置用としているが、空気調和機用として形成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明に係る掃除装置は、液晶プロジェクタを初めとする種々の投写型映像表示装置や、ルームエアコン、電器集塵機などの種々の空気調和機に適用することができる。
【符号の説明】
【0090】
Q1,Q2…塵埃、θ…所定角度、3…フィルターユニット、12…空気吸込口、30…ベース部材、40…第1エアフィルタ、60…自走式掃除部、61…搬送用基台、64…回転ブラシ、65…ダストボックス、65A…塵埃取入口、611…軸受部、613b…規制壁、652…回動規制部、653…回動軸、654…底部材、655…蓋部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入空気中の塵埃を捕捉するエアフィルタと、エアフィルタを自動的に掃除する掃除部とを有し、
前記掃除部は、エアフィルタに付着した塵埃を掻き取る回転ブラシと、回転ブラシの回転中心軸と平行な方向を長手方向とするとともに、長手方向の回転ブラシ側に回転ブラシに付着した塵埃を取り入れる塵埃取入口を備えたダストボックスを有し、
さらに、このダストボックスは着脱自在に取り付けられている
ことを特徴とするフィルターユニット。
【請求項2】
請求項1記載のフィルターユニットにおいて、
前記エアフィルタを取り付けるベース部材が備えられるとともに、このベース部材に対しエアフィルタが固定的に取り付けられ、
さらに、前記掃除部は、前記エアフィルタに付着した塵埃を掻き取るように回転ブラシを回転させながら移動するように構成されている
ことを特徴とするフィルターユニット。
【請求項3】
請求項1又は2記載のフィルターユニットにおいて、
前記ダストボックスは、長手方向両端において回転可能に軸支されるとともに、塵埃取入口が上方となる角度位置に回動させた状態においてのみ当該フィルターユニットから着脱できるように形成されている
ことを特徴とするフィルターユニット。
【請求項4】
請求項3記載のフィルターユニットにおいて、
前記ダストボックスは、エアフィルタ掃除時の位置から所定角度以上には回動しないように構成されるとともに、
この所定角度は、105度〜120度の範囲に形成されている
ことを特徴とするフィルターユニット。
【請求項5】
請求項4記載のフィルターユニットにおいて、
前記ダストボックスは、長手方向両端の側面に、ダストボックスの回動を所定角度位置に規制するための回動規制部と、この回動規制部から突出する回動軸とを有し、
前記掃除部は、ダストボックスを取り付ける基台を有し、この基台には前記回動軸を軸支する軸受部が設けられ、
この軸受部は、前記所定角度位置において回動軸が取り外しできるように構成されるとともに、この所定角度位置において前記回動規制部と協働してダストボックスの回動を規制する規制壁が形成されている
ことを特徴とするフィルターユニット。
【請求項6】
請求項3〜5の何れか1項に記載のフィルターユニットにおいて、
前記ダストボックスは、エアフィルタ側に取り付けられる底部材と、この底部材に対し閉蓋するように取り付けられる蓋部材とに2分割されるとともに、蓋部材は、前記底部材に対し開閉可能とするように、反回転ブラシ側の長辺部で前記底部材に対し軸支されている
ことを特徴とするフィルターユニット。
【請求項7】
請求項6記載のフィルターユニットにおいて、
前記蓋部材は、ダストボックスが基台から取り外された状態において、前記閉蓋位置から略180度開放されるように構成されている
ことを特徴とするフィルターユニット。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のフィルターユニットにおいて、
前記蓋部材は、エアフィルタ掃除運転時に前記回転ブラシにおける基台に対向する側を覆うように形成されている
ことを特徴とするフィルターユニット。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか1項に記載のフィルターユニットにおいて、
前記ダストボックスは、塵埃の貯留状態を観察できるように少なくとも一部が透明材料により形成されていることを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか1項に記載のフィルターユニットが、光学系機器冷却用の空気吸込口に着脱自在に設けられていることを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項1】
吸入空気中の塵埃を捕捉するエアフィルタと、エアフィルタを自動的に掃除する掃除部とを有し、
前記掃除部は、エアフィルタに付着した塵埃を掻き取る回転ブラシと、回転ブラシの回転中心軸と平行な方向を長手方向とするとともに、長手方向の回転ブラシ側に回転ブラシに付着した塵埃を取り入れる塵埃取入口を備えたダストボックスを有し、
さらに、このダストボックスは着脱自在に取り付けられている
ことを特徴とするフィルターユニット。
【請求項2】
請求項1記載のフィルターユニットにおいて、
前記エアフィルタを取り付けるベース部材が備えられるとともに、このベース部材に対しエアフィルタが固定的に取り付けられ、
さらに、前記掃除部は、前記エアフィルタに付着した塵埃を掻き取るように回転ブラシを回転させながら移動するように構成されている
ことを特徴とするフィルターユニット。
【請求項3】
請求項1又は2記載のフィルターユニットにおいて、
前記ダストボックスは、長手方向両端において回転可能に軸支されるとともに、塵埃取入口が上方となる角度位置に回動させた状態においてのみ当該フィルターユニットから着脱できるように形成されている
ことを特徴とするフィルターユニット。
【請求項4】
請求項3記載のフィルターユニットにおいて、
前記ダストボックスは、エアフィルタ掃除時の位置から所定角度以上には回動しないように構成されるとともに、
この所定角度は、105度〜120度の範囲に形成されている
ことを特徴とするフィルターユニット。
【請求項5】
請求項4記載のフィルターユニットにおいて、
前記ダストボックスは、長手方向両端の側面に、ダストボックスの回動を所定角度位置に規制するための回動規制部と、この回動規制部から突出する回動軸とを有し、
前記掃除部は、ダストボックスを取り付ける基台を有し、この基台には前記回動軸を軸支する軸受部が設けられ、
この軸受部は、前記所定角度位置において回動軸が取り外しできるように構成されるとともに、この所定角度位置において前記回動規制部と協働してダストボックスの回動を規制する規制壁が形成されている
ことを特徴とするフィルターユニット。
【請求項6】
請求項3〜5の何れか1項に記載のフィルターユニットにおいて、
前記ダストボックスは、エアフィルタ側に取り付けられる底部材と、この底部材に対し閉蓋するように取り付けられる蓋部材とに2分割されるとともに、蓋部材は、前記底部材に対し開閉可能とするように、反回転ブラシ側の長辺部で前記底部材に対し軸支されている
ことを特徴とするフィルターユニット。
【請求項7】
請求項6記載のフィルターユニットにおいて、
前記蓋部材は、ダストボックスが基台から取り外された状態において、前記閉蓋位置から略180度開放されるように構成されている
ことを特徴とするフィルターユニット。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のフィルターユニットにおいて、
前記蓋部材は、エアフィルタ掃除運転時に前記回転ブラシにおける基台に対向する側を覆うように形成されている
ことを特徴とするフィルターユニット。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか1項に記載のフィルターユニットにおいて、
前記ダストボックスは、塵埃の貯留状態を観察できるように少なくとも一部が透明材料により形成されていることを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか1項に記載のフィルターユニットが、光学系機器冷却用の空気吸込口に着脱自在に設けられていることを特徴とする投写型映像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2011−255299(P2011−255299A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−131293(P2010−131293)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(391044797)株式会社コーワ (283)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(391044797)株式会社コーワ (283)
【Fターム(参考)】
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