説明

フィルター枠におけるフィルターレンズの保持機構

【課題】フィルターレンズをフィルターレンズ枠本体に装着、固定する場合においてフィルターレンズの平面度が歪まない構成のフィルターレンズの保持機構を提供する。
【解決手段】フィルターレンズ枠本体の内径部には、装着される円型フィルターレンズの円周部が接合可能なレンズ押さえ縁部とフィルターレンズ嵌合部を有しており、該レンズ押さえ縁部により前面を係止され、且つフィルターレンズ嵌合部内に装着された円型フィルターレンズの背面側はフィルターレンズ枠本体の内径部に刻設された押さえリング溝内に嵌合する押さえリングにより拘止されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ用フィルター枠におけるフィルターレンズの保持機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタル一眼レフカメラにおいて、カメラレンズ鏡筒の前面に着脱自在に装着されるフィルターレンズは、光を吸収したり、透過させたり、或いは光に変化を与えるなど光を様々制御する機能を有するものである。
【0003】
フィルターレンズの種類は、レンズ保護用フィルター、円偏光フィルター、光量調整フィルター、ソフトフォーカス用フィルター、光条効果用フィルター等あらゆる撮影目的により数多くの種類が提供されており、上記の各種フィルターに用いられるフィルターレンズは、カメラレンズ鏡筒の前面に着脱自在に装着できるような構成を有するフィルター枠内に嵌着されて保持されている。
【0004】
斯くして、従来のカメラ用フィルター枠におけるフィルターレンズの保持機構の一例を特開2005−301172号公報(以下、特許文献1と称する)に見ることができる。特許文献1は、各種の撮影効果を得ることのできるフィルターレンズを夫々フィルター枠本体に嵌着保持した状態でデジタルカメラの鏡筒前面に着脱自在に装着するタイプのフィルターに関するものであり、そのフィルターレンズの嵌着保持機構は、フィルター枠本体にフィルターレンズ嵌着部とレンズ押さえ内段部を設け、該フィルターレンズをフィルター嵌着部に嵌合した後、フィルターレンズをレンズ押さえバネのスプリング機構で保持している。
【0005】
図3(A)、(B)、(C)は、特許文献1並びに従来のフィルターレンズ保持機構を説明するものであり、図3(A)はフィルター枠とフィルターレンズの組み立て説明図、図3(B)はフィルター枠の要部拡大断面図、図3(C)はフィルター枠にフィルターレンズをレンズ押さえバネを用いて嵌着保持した状態をフィゾー型干渉計にて観察した状態を示している。
【0006】
図3において、50はフィルター枠本体、51はフィルターレンズ、52はフィルターレンズ押さえバネを示しており、該フィルターレンズ押さえバネ52は、リング形状の一部に切欠部53を設けてその直径を可変できるとともに、光軸C方向に図の如く湾曲しておりフィルターレンズ51の押さえバネ機能を有している。フィルター枠本体50には、フィルターレンズ51が嵌着するレンズ嵌着部54、レンズ押さえ内段部55、デジタルカメラのレンズ鏡筒部前面に着脱自在に螺着するための雄ネジ56、前記レンズ押さえバネ52の嵌合溝部57、他のレンズアタッチメントとの螺合連結を可能にする雌ネジ58が設けられている。
【0007】
そして、フィルターレンズ51をフィルター枠本体50のレンズ嵌着部54に装着し、フィルターレンズ押さえバネ52を嵌合溝部57に嵌着して、フィルターレンズ51を前記レンズ押さえ内段部55とフィルターレンズ押さえバネ52間で挟持してフィルター枠本体50を形成している。
【0008】
斯くして、図3(C)は、フィルターレンズ枠本体50の背面図を示し、該フィルターレンズ本体50に装着されたフィルターレンズ51の平面度を干渉計で測定した状態を略図的に示している。そして、図5(C)においては、フィルターレンズ51の面に曲がった干渉縞59が観察され、該曲がった干渉縞59が測定される原因は、折角良好な平面度を有したフィルターレンズ51がフィルターレンズ枠本体50への装着時に、フィルターレンズ押さえバネ52をフィルターレンズ52と嵌合溝部57間に圧入、嵌合してフィルターレンズ枠本体50内に保持しているために生じるものであり、従来のフィルターレンズ押さえバネ52によるフィルターレンズ保持機構は、フィルターレンズ51の平面度を大きく歪めてしまう欠点がある。
【0009】
また、従来採用されてきたフィルターレンズの保持機構として、図4(A)、(B)、(C)に示すフィルター保持機構がある。図4(A)、(B)、(C)において、図4(A)はフィルター枠とフィルターレンズの組み立て説明図、図4(B)はフィルター枠の要部拡大断面図、図4(C)はフィルターレンズ枠本体にフィルターレンズをレンズ押さえ環を用いて嵌着保持した状態をフィゾー型干渉計にて観察した状態を示している。
【0010】
図4において、60はフィルター枠本体、61はフィルターレンズ、62はフィルターレンズ押さえ環、63はフィルターレンズ押さえ環の外周部に螺設された雄ネジを示しており、該フィルターレンズ押さえ環62は、リング形状のネジ式押さえ縁を形成している。フィルター枠本体60には、フィルターレンズ61が嵌着するレンズ嵌着部64、レンズ押さえ内段部65、デジタルカメラのレンズ鏡筒部前面に着脱自在に螺着するための雄ネジ66、前記レンズ押さえ環62の螺合ネジ部67、他のレンズアタッチメントとのの螺合連結を可能にする雌ネジ68が設けられている。
【0011】
そして、図4(B)に示す如く、フィルターレンズ61をフィルターレンズ枠本体50のレンズ嵌着部64に装着し、フィルターレンズ押さえ環62の雄ネジ63を前記螺合ネジ部67に螺着して、フィルターレンズ61を前記レンズ押さえ内段部65とフィルターレンズ押さえ環62間で挟持してフィルターレンズ枠本体61を形成している。
【0012】
斯くして、図4(C)は、フィルターレンズ枠本体60の背面図を示し、該フィルターレンズ枠本体60に装着されたフィルターレンズ61の平面度を干渉計で測定した状態を略図的に示している。そして、図4(C)においては、フィルターレンズ61面に図4(C)の如く一方向に偏った曲がった干渉縞69が観察されるが、該曲がった干渉縞69が測定される原因は、折角良好な平面度を有したフィルターレンズ61がフィルターレンズ枠本体60への装着時に、フィルターレンズ押さえ環62をねじ込むことにより、該フィルター押さえ環62は斜めに進むことになり、フィルターレンズ62の円周縁部に対して斜めに押圧するフィルターレンズ押さえ環62(押さえ縁)となることにより生じるものであり、従来のフィルターレンズ押さえ環62によるフィルターレンズの保持機構は、フィルターレンズ61の平面度を大きく歪めてしまう欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
特許文献1 特開2005−301172
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明が解決しようとする課題は、各種の加工が施されたフィルターレンズをフィルターレンズ枠本体に装着、固定する場合においてフィルターレンズの平面度が歪まない構成のフィルターレンズの保持機構を提供するものであり、また本発明は、フィルターレンズ枠本体へのフィルターレンズの装着が簡易になり、短時間で装着工程が行えることから製造コストが大幅に削減できるフィルター枠におけるフィルターレンズの保持機構を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明において、フィルターレンズ枠本体の内径部には、装着される円型フィルターレンズの円周部が接合可能なレンズ押さえ縁部とフィルターレンズ嵌合部を有しており、該レンズ押さえ縁部により前面を係止され且つフィルターレンズ嵌合部内に装着された円型フィルターレンズの背面側はフィルターレンズ枠本体の内径部に刻設された押さえリング溝内に圧入される高分子弾性体からなる押さえリングにより拘止されている構成のフィルターレンズの保持機構を提供して、フィルターレンズをフィルターレンズ枠本体に装着、固定する場合においてフィルターレンズの平面度が歪まないフィルター枠におけるフィルターレンズの保持機構を提供するものである。
【0016】
本発明において、前記押さえリング溝内に圧入される高分子弾性体からなる押さえリングの形状は、その断面が正方形や長方形型状を有しており、該押さえリングの外部側で前記リング溝内に向かって圧入する面側にはV字型またはU字形の切り欠き部を有しているフィルター枠におけるフィルターレンズの保持機構を提供するものである。
【0017】
また、本発明において、前記押さえリング溝内に圧入される高分子弾性体からなる押さえリングの形状は、その断面が厚みのあるL字形型状を有しており、該押さえリングの外部側で前記リング溝内に向かって圧入する面側方向にL字型が対向しているフィルター枠におけるフィルターレンズの保持機構を提供するものである。
【0018】
更にまた、前記押さえリング溝内に圧入される高分子弾性体からなる押さえリングの材質は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂並びにシリコン系樹脂にて成型されているフィルター枠におけるフィルターレンズの保持機構を提供するものである。
【発明の効果】
【0019】
斯くして、本発明は、各種の加工が施されたフィルターレンズをフィルターレンズ枠本体に装着、固定する場合においてフィルターレンズの平面度が歪まない構成のフィルターレンズの保持機構を提供するものであり、本発明は、上述した構成を採用することによりフィルターレンズ枠本体へのフィルターレンズの装着が簡易になり、短時間で装着工程が行えることから製造コストが大幅に削減できるフィルター枠におけるフィルターレンズの保持機構を提供可能にした。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(A)本発明の実施例1を説明する組み立て図である。 (B)本発明の実施例1を説明する要部拡大断面図である。 (C)本発明の実施例1に用いられる押さえリングの断面形状図である。 (D)実施例1に用いられる他の押さえリング断面形状図である。
【図2】(A)本発明の実施例2を説明する組み立て図である。 (B)本発明の実施例2を説明する要部拡大断面図である。 (C)本発明の実施例2に用いられる押さえリングの断面形状図である.(D)実施例2に用いられる他の押さえリング断面形状図である。
【図3】(A)従来例を説明する組み立て図である。 (B)従来例を説明する要部拡大断面図である。 (C)フィルターレンズの保持状態を説明する概略図である。
【図4】(A)他の従来例を説明する組み立て図である。 (B)他の従来例を説明する要部拡大断面図である。 (C)図4(B)におけるフィルターレンズの保持状態を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、各種の加工が施されたフィルターレンズをフィルターレンズ枠本体に装着、固定する場合においてフィルターレンズの平面度が歪まない構成のフィルターレンズの保持機構を提供するものであり、また本発明は、フィルターレンズ枠本体へのフィルターレンズの装着が簡易になり、短時間で装着工程が行えることから製造コストが大幅に削減できるフィルター枠におけるフィルターレンズの保持機構を提供するものである。
【0022】
本発明が、適用できるフィルターレンズおよびフィルターレンズ枠の種類は、例えば、レンズ保護用フィルター、円偏光フィルター、光量調整フィルター、ソフトフォーカス用フィルター、光条効果用フィルター等あらゆる撮影目的に使用されるフィルターレンズを一般枠や二重枠構造のフィルターレンズ枠に装着、保持できるフィルターレンズ保持機構に関するもので、従来、押さえバネや押さえ環によりフィルターレンズを保持していた構成上の欠点を改良したフィルターレンズの保持機構を提供するものである。
【0023】
斯くして、本発明において、フィルターレンズ枠本体の内径部には、装着される円型フィルターレンズの円周部が接合可能なレンズ押さえ縁部とフィルターレンズ嵌合部を有しており、該レンズ押さえ縁部により前面を係止され、且つフィルターレンズ嵌合部内に装着された円型フィルターレンズの背面側はフィルターレンズ枠本体の内径部に刻設された押さえリング溝内に圧入される高分子弾性体からなる押さえリングにより拘止されている構成のフィルターレンズの保持機構を提供して、フィルターレンズをフィルターレンズ枠本体に装着、固定する場合においてフィルターレンズの平面度が歪まないフィルター枠におけるフィルターレンズの保持機構であることが好ましい。
【0024】
本発明において、前記押さえリング溝内に圧入される高分子弾性体からなる押さえリングの形状は、その断面が正方形や長方形型状を有しており、該押さえリングの外部側で前記リング溝内に向かって圧入する面側にはV字型またはU字形の切り欠き部を有していることが好ましい。
【0025】
また、本発明において、前記押さえリング溝内に圧入される高分子弾性体からなる押さえリングの形状は、その断面が厚みのあるL字形型状を有しており、該押さえリングの外部側で前記リング溝内に向かって圧入する面側方向にL字型が対向している構成であってもよい。
【0026】
更にまた、前記押さえリング溝内に圧入される高分子弾性体からなる押さえリングの材質は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂並びにシリコン系樹脂にて成型されていることが好ましい。
【0027】
そして、本発明は、各種の加工が施されたフィルターレンズをフィルターレンズ枠本体に装着、固定する場合においてフィルターレンズの平面度が歪まない構成のフィルターレンズの保持機構を提供するものであり、本発明は、上述した構成を採用することによりフィルターレンズ枠本体へのフィルターレンズの装着が簡易になり、短時間で装着工程が行えることから製造コストが大幅に削減できるフィルター枠におけるフィルターレンズの保持機構を提供可能にした。
【実施例1】
【0028】
図1(A)は、本発明の実施例1を説明する組み立て図、図1(B)は、実施例1を説明する要部拡大断面図、図1(C)は、実施例1に用いられる押さえリングの断面形状拡大図、図1(D)は、実施例1に用いられる他の押さえリング断面形状拡大図である。
【0029】
図1(A)(B)において、1はフィルターレンズ枠本体、2は円形のフィルターレンズ、3は高分子弾性体からなる押さえリングを示しており、フィルター枠本体1にはフィルターレンズ2が嵌着するフィルターレンズ嵌着部4、レンズ押さえ縁部5、デジタルカメラのレンズ鏡筒部前面に着脱自在に螺着するための雄ネジ6、前記押さえリング3を拘止するために刻設された押さえリング溝7、そして、他のレンズアタッチメントとの螺合、連結を可能にする雌ネジ8が設けられている。尚、図1(A)、(B)において、Cはフィルター枠本体1の光軸、9は入射光側で前面を示し、10はレンズ鏡筒側を示しており、入射光側9の前面に対して、鏡筒側10は背面と称している。
【0030】
斯くして、図1(B)において、フィルターレンズ枠本体1の内径部には、装着される円型フィルターレンズ2の円周部が接合可能なレンズ押さえ縁部5とフィルターレンズ嵌合部4を有しており、該フィルターレンズ嵌合部4にフィルターレンズ2が嵌合されると、該フィルターレンズ2の前面はレンズ押さえ縁部5により係止される。
【0031】
次にフィルターレンズ嵌合部4内に装着されたフィルターレンズ2の背面側にはフィルターレンズ枠本体1の内径部に刻設された押さえリング溝7が設けてあり、該押さえリング溝7内には高分子弾性体からなる押さえリング3が圧入されて嵌合する構成で、前記押さえリング3はフィルターレンズ2の円周部を均一な圧力で拘止可能であり、円形のフィルターレンズ2をフィルターレンズ枠本体1に装着、固定する場合においてフィルターレンズ2の平面度が歪まないフィルター枠におけるフィルターレンズの保持機構が提供できる。
【0032】
而して、図1(C)、(D)は、実施例1に用いられる押さえリング3の断面形状拡大図であり、図1(C)は前記押さえリング溝7内に圧入される高分子弾性体からなる押さえリング3の形状はその断面が正方形や長方形型状を基本形状とし、該押さえリング3の外部側で前記リング溝7内に向かって圧入する面側にはV字型の切り欠き部11を有して、押さえリング溝7に嵌合しやすい形状としている。
【0033】
また、同様に図1(D)は前記押さえリング溝7内に圧入される高分子弾性体からなる押さえリング3の形状はその断面が正方形や長方形型状を基本形状とし、該押さえリング3の外部側で前記リング溝7内に向かって圧入する面側にはU字型の切り欠き部12を有して、押さえリング溝7に嵌合しやすい形状としている。
【0034】
そして、押さえリング溝7内に圧入される高分子弾性体からなる押さえリング3の材質は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂並びにシリコン系樹脂により成型されている。
【実施例2】
【0035】
図2(A)は、本発明の実施例2を説明する組み立て図、図2(B)は、実施例2を説明する要部拡大断面図、図2(C)は、実施例2に用いられる押さえリングの断面形状拡大図、図2(D)は、実施例2に用いられる他の押さえリング断面形状拡大図である。
【0036】
図2(A)(B)において、1はフィルターレンズ枠本体、2は円形のフィルターレンズ、3は高分子弾性体からなる押さえリングを示しており、フィルター枠本体1にはフィルターレンズ2が嵌着するフィルターレンズ嵌着部4、レンズ押さえ縁部5、デジタルカメラのレンズ鏡筒部前面に着脱自在に螺着するための雄ネジ6、前記押さえリング3を拘止するために刻設された押さえリング溝7、そして、他のレンズアタッチメントとの螺合、連結を可能にする雌ネジ8が設けられている。尚、図2(A)、(B)において、Cはフィルター枠本体1の光軸、9は入射光側で前面を示し、10はレンズ鏡筒側を示しており、入射光側9の前面に対して、鏡筒側10は背面と称している。
【0037】
斯くして、図2(B)において、フィルターレンズ枠本体1の内径部には、装着される円型フィルターレンズ2の円周部が接合可能なレンズ押さえ縁部5とフィルターレンズ嵌合部4を有しており、該フィルターレンズ嵌合部4にフィルターレンズ2が嵌合されると、該フィルターレンズ2の前面はレンズ押さえ縁部5により係止される。
【0038】
次にフィルターレンズ嵌合部4内に装着されたフィルターレンズ2の背面側にはフィルターレンズ枠本体1の内径部に刻設された押さえリング溝7が設けてあり、該押さえリング溝7内には高分子弾性体からなる押さえリング3が圧入されて嵌合する構成で、前記押さえリング3はフィルターレンズ2の円周部を均一な圧力で拘止可能であり、円形のフィルターレンズ2をフィルターレンズ枠本体1に装着、固定する場合においてフィルターレンズ2の平面度が歪まないフィルター枠におけるフィルターレンズの保持機構が提供できる。
【0039】
而して、図2(C)、(D)は、実施例2に用いられる押さえリング3の断面形状拡大図であり、図2(C)は前記押さえリング溝7内に圧入される高分子弾性体からなる押さえリング3の形状はその断面がL字形を形成しており、該押さえリング3の外部側で前記リング溝7内に向かって圧入する面側にはL字型形状13を有して、押さえリング溝7に嵌合しやすい形状としている。
【0040】
また、同様に図2(D)は、前記押さえリング溝7内に圧入される高分子弾性体からなる押さえリング3の形状はその断面がL字型形状13を形成しており、該L字型形状13の上部先端部は切り欠き部14を設けて先端部を柔らかく構成して、押さえリング溝7に嵌合しやすい形状としている。
【0041】
そして、押さえリング溝7内に圧入される高分子弾性体からなる押さえリング3の材質は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂並びにシリコン系樹脂により成型されている。
【0042】
斯くして、本発明は、各種の加工が施されたフィルターレンズ2をフィルターレンズ枠本体1に装着、固定する場合においてフィルターレンズ2の平面度が歪まない構成のフィルターレンズ2の保持機構を提供するものであり、本発明は、上述した構成を採用することによりフィルターレンズ枠本体1へのフィルターレンズ2の装着が簡易になり、短時間で装着工程が行えることから製造コストが大幅に削減できるフィルター枠におけるフィルターレンズの保持機構を提供可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 フィルターレンズ枠本体
2 フィルターレンズ
3 押さえリング
4 フィルターレンズ嵌着部
5 レンズ押さえ縁部
6 雄ネジ
7 押さえリング溝
8 雌ネジ
9 入射光側
10 レンズ鏡筒側
11 V字型の切り欠き部
12 U字型の切り欠き部
13 L字型形状
14 切り欠き部
C 光軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルターレンズ枠本体の内径部には装着される円型フィルターレンズの円周部が接合可能なレンズ押さえ縁部とフィルターレンズ嵌合部を有しており、該レンズ押さえ縁部により前面を係止され且つフィルターレンズ嵌合部内に装着された円型フィルターレンズの背面側はフィルターレンズ枠本体の内径部に刻設された押さえリング溝内に圧入される高分子弾性体からなる押さえリングにより拘止されていることを特徴とするフィルター枠におけるフィルターレンズの保持機構。
【請求項2】
前記押さえリング溝内に圧入される高分子弾性体からなる押さえリングの形状はその断面が正方形や長方形型状を有しており、該押さえリングの外部側で前記リング溝内に向かって圧入する面側にはV字型またはU字形の切り欠き部を有していることを特徴とする請求項1に記載のフィルター枠におけるフィルターレンズの保持機構。
【請求項3】
前記押さえリング溝内に圧入される高分子弾性体からなる押さえリングの形状はその断面が厚みのあるL字形型状を有しており、該押さえリングの外部側で前記リング溝内に向かって圧入する面側方向にL字型が対向していることを特徴とする請求項1に記載のフィルター枠におけるフィルターレンズの保持機構。
【請求項4】
前記押さえリング溝内に圧入される高分子弾性体からなる押さえリングの材質はアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂並びにシリコン系樹脂により成型されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のフィルター枠におけるフィルターレンズの保持機構。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate