説明

フィルター膜を支持するためのフレーム

(i)可撓性構造を有しかつ上部及び下部膜層と前記膜層を支持するための支持体材料とを含む統合された透過通路膜(4)であって、前記支持体が、予め規定された距離でモノフィラメント糸によって間隔をあけられかつ一緒に結合された上部及び下部織物表面を有する3Dスペーサ織物であり、前記上部及び下部織物表面の各々が、前記上部及び下部膜層を形成する少なくとも一つの膜層を与えられ、透過通路が前記上部及び下部膜層の間に挿入され、かつ統合された透過通路の透過物の放出のための出口開口と接続されているもの、及び(ii)前記膜を支持しかつ膜の縁で前記統合された透過通路を封止するフレームシステムであって、前記フレームシステムが第一フレーム異形材(1又は5)及び第二フレーム異形材(2又は6)を含み、それらの各々が膜を包囲することができる形及び寸法を有するもの、を含むフィルター要素であって、前記第一及び第二フレーム異形材の各々が内側部分(12,22、又は52,62)及び外側部分(11,21、又は54,64)を有し、前記膜(4)が前記第一フレーム異形材(1又は5)と前記第二フレーム異形材(2又は6)の間に挿入される。複数のフィルター要素を含むフィルターモジュールも提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、統合された透過通路膜(integrated permeate channel membrane)を含むフィルター要素、及び膜を支持し、かつ膜の縁で前記統合された透過通路を封止するフレームシステムに関する。本発明はまた、かかるフィルター要素の製造方法、及びこれらのフィルター要素を複数含むフィルター膜モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、水業界では膜バイオリアクター(MBR)に多大な関心がある。MBRは、二つの基本的な方法(生物学的分解及び膜分離)を組み合わせて単一の方法にしたものであり、そこでは浮遊固体と生物学的分解の役割を持つ微生物が膜濾過ユニットによって処理された水から分離される。今日まで、研究は、家庭用、工業用、及び家庭用と工業用の両方の廃水処理プラント、工業的製造工程からの濃縮流れ、廃棄物処理場からの浸透水の処理、及びスラッジの脱水に対するMBRの適用可能性に集中してきた。廃水用途の膜バイオリアクターの成功は飲料水製造工程におけるMBRコンセプトの適用の研究に導いた。
【0003】
廃水MBR用途では、リアクターにおける生物学的処理は膜濾過による物理学的処理と組み合わされる。沈殿処理の代わりに膜濾過を使用することによって、高いスラッジ負荷をリアクターに維持することができ、それは(理論的に)低いスラッジ生成量とともに高い生物学的分解速度に導く。15〜20g/lのスラッジ濃度はMBR文献に述べられている。方法の高い効率は、高濃度流れを処理し、小さい設置面積でシステムを設計することを可能にするだろう。実際には、設置面積は、沈殿タンクをなしで済ましかつ8〜12g/lの最大維持可能なスラッジ濃度による膜濾過のために要求される面積が小さくなることによって縮小される。さらに、従来の沈殿システムにおけるより高いスラッジ生成速度が記録されている。
【0004】
JP2003/212436は、浸漬タイプの膜カートリッジ及びその製造方法を開示する。この出願では、膜がフィルターカートリッジの内側縁に溶接される浸漬タイプの膜カートリッジが製造されている。
【0005】
JP2003/135939及びJP2003/144869は、有機繊維から構成される多孔質ベース材料の表面に多孔質樹脂層を形成することによって製造される分離膜を開示する。樹脂の一部は多孔質ベース材料の少なくとも表面層部分中に浸透され、少なくとも表面層部分で多孔質ベース材料と複合層を形成する。これらの特許の目的は、詰まりがほとんど起こらず、多孔質ベース材料からの多孔質樹脂層の剥がれが防止される、高い水透過性の膜を開発することである。
【0006】
JP06−218239は、支持体上に膜を結合するときに膜装置の中心側に接着剤が流出するのを防ぐことができ、かつ膜の脱着が容易な膜の固定構造を開示し、そこでは溝が支持体の周囲部分に与えられ、膜は溝をカバーするように配置され、かつ溝の外側で支持体に接着剤で固定されている。
【0007】
US2006/0213368は、優れた高温非晶質安定性及び高温加熱操作下での長い寿命を持ち、かつ高性能水素純化装置に使用するために小型化されることができる、水素透過膜を開示する。膜は専用の非晶質のニッケルジルコニウム合金から作られ、かつ二つのニッケル補強フレーム(各々は25mmの横方向外側寸法、85mmの垂直方向外側寸法、5mmのフレーム幅、及び0.2mmのフレーム厚さを有する)の間に置かれ、膜は補強フレームに超音波溶接され、それによって固定されている。
【0008】
US5011555は、第一及び第二の熱可塑性ピースを一緒に超音波溶接し、これらの二つのピース間に膜を溶接するための二工程法を開示する。
【0009】
US5681438は、連続的な電気的脱イオン法のための膜モジュールを開示し、そこでは非多孔質膜がスペーサ要素に結合され、その要素は次に互いに結合され、膜が結合される表面とは反対の膜の表面との接触の結果として膜支持領域を作る。
【0010】
US3888765は、一緒に接続されかつ互いに軸方向に配列された二つの環状体間に装着された薄い可撓性金属篩表面からなる精密ミクロン篩構造を開示する。
【0011】
DE3417248は、リンス液から歯科用アマルガムを除去するために好適な、液体からの固体の分離のためのフィルターを開示する。フィルターは、プラスチックハウジングに垂直に積み重ねる円形カラーを有する篩スクリーンからなる。
【0012】
FR2647512は、濾過のための組織又は膜のように、緊張下で弾性的に変形可能な表面のクリンプのための方法を開示し、そこでは弾性的に変形可能な表面は、固定された支持体と除去可能なフレームの間にはさまれている。除去可能なフレームは、固定された支持体の一区域と接触し、フレームが固定支持体とのロック位置に動かされるときに表面をクランプする。ロック動作中、フレームの突出部は緊張下で表面に配置する。
【0013】
WO2003/037489は、プレート濾過モジュールを開示し、前記モジュールはその内部領域から流出するための少なくとも一つの開口を有する複数の「フィルター膜ポケット」を含む。前記ポケットは、隣接フィルター膜ポケットが液体によって強く横切ることができるような方法で、好ましくは互いに同じ距離で、平行な態様で硬い支持要素に垂直に配置される。濾過モジュールは、フィルター膜ポケットが本質的に平坦でかつ可撓性であり、対抗する側上で支持要素に固定され、前記支持要素が液体を排出するための少なくとも一つの排出ラインを含み、それが可撓性の液体透過性芯及び複数の液体透過性芯要素を有するフィルター膜ポケットを介して吸引されることを特徴とする。
【0014】
WO2006/056159は、フレームのない膜カートリッジを開示し、そこでは膜層は、縁で一緒に押圧される少なくとも二つの間隔のあいた排液層を持つ補強構造の外側面上に被覆される。しかしながら、補強構造への膜層の取り付けは貧弱であり、結果として使用可能なバックフラッシュ圧が低い。
【0015】
膜が補強構造に強く連結される、統合された透過通路膜(以下IPC膜としても言及される)は特許出願WO2006/015461から知られている。IPC膜は、統合及び一体構造を形成する二つの膜表面の間に挿入される透過通路を含む。これは、予め規定された距離でモノフィラメント糸によって間隔をあけられた二つの織物表面を有する、3Dスペーサ織物としても言及される三次元スペーサ織物を使用することによって達成される。膜層は、織物表面を通って走るモノフィラメント糸のループも膜層に埋め込まれるように、織物表面上に直接被覆され、部分的に前記表面に含浸する。そうすることによって、間隔のあけられた二つの膜表面を有する構造が得られる。3Dスペーサ織物上に直接被覆することによって、IPC膜は製造されるのがより容易になり、結果として製造コストの低下をもたらし、また、相対的に高い圧力でバックフラッシュ操作を可能にする高い結合強度を持ち、結果として濾過効率を高める。
【0016】
かかるIPC膜は、浄化工程又は廃水流のための膜バイオリアクター(MBR)に使用される、いわゆる膜ポケット又はカートリッジにそれらの用途を見い出しうる。従来技術WO2006/015461の膜カートリッジは、二つの膜表面間に挿入された透過通路を含み、そこでは透過通路はカートリッジの縁のまわりを全て封止され、透過通路から透過物を抽出するために排水パイプが与えられている。かかる膜ポケット又はカートリッジの製造はやっかいであり、多数の人手による介入を含む。
【0017】
WO2008/141935は、シームレス膜バッグを開示し、そこではスペーサ織物は膜物質を含浸され、これらの最内膜表面の間に内部透過通路を有する二つの膜を形成し、二つの膜の縁は、膜間の距離にわたる膜物質によって一緒に接合されている。内部透過通路から透過物を抽出するために管が与えられる。この方法によって、内部透過通路を有するIPC膜が形成され、そこでは膜を通過せずに透過通路から又はそれへの流体の直接的な動きを防止するように構成された膜の周囲のシーラントは要求されない。
【0018】
排水浄化のために現在利用可能なフィルターシステムは複数のかかる膜カートリッジからなり、それは一般的にはモジュールに装着され、上方向及び下方向を開放する箱形状ハウジングに装着される。膜カートリッジの各々は透過物の放出のための開口を有し、それは、フィルター膜カートリッジが垂直で相互に平行であり、隣接する膜カートリッジから離れるように配置される。個々の膜カートリッジ間の介在空間は、流体が横断可能である通路を形成する。膜カートリッジを有するこの箱の下には、空気供給を与える装置を含むハウジングが配置され、それを通して上方流れが生成され、それによって液体流れが膜カートリッジに沿って流れる。膜表面に平行なこの上方の空気流れは浄化流を発生してフィルター膜の詰まり、即ちフィルター膜表面上の廃棄物の付着を防止する。濾過工程中及び上方の空気の流れの影響下では、膜物質で被覆された可撓性スペーサ織物から構成されるフィルター膜間の膜間距離が変化し、それによってある場所のフィルター膜間の距離が小さくなり、他の場所ではこの距離は大きくなる。膜間距離が小さくなるとき、浄化流の強さはフィルターの表面全体にわたって十分でなく、結果として詰まりを生じる。フィルターカートリッジの強さは、フィルター膜の表面を横切るスペーサ棒を使用することによって高めることができるが、これは、濾過を抑制する付着物のフィルター膜の浄化を損なう。
【0019】
この上方の空気流れに関する別の問題は、膜間距離のこれらの変動のため、フィルター膜層が引っ掻きや引き裂きによって損傷され、結果としてフィルター膜の寿命が短かくなることである。
【0020】
それゆえ、本発明の目的は、上述の欠点のないフィルター要素を開発することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的は、請求項1に記載の統合された透過通路膜(以下、「IPC膜」又は「膜」としても言及される)、及び請求項1に記載の第一及び第二フレーム異形材を含むフレームシステム(以下、「フレーム」としても言及される)を含むフィルター要素を提供することである。
【0022】
本発明のフィルター要素は、フレームシステムによって支持されたIPC膜が濾過時及び上方の空気の流れ時に詰まり及び損傷に対して敏感でなく、結果としてフィルター要素の改良された寿命をもたらす利点を有する。
【0023】
本発明のフィルター要素はまた、IPC膜に取り付けられた周囲のフレームシステムの取り付けによってIPC膜の縁に統合透過通路(以下、「IPC」又は、「透過通路」としても言及される)の改良された封止の結果として逆洗工程時及び/又は濾過工程時に高い圧力を使用することができるという利点を持つ。この改良された封止によって、濾過工程において高い圧力を使用することができ、結果として透過物の高い流束及び速い濾過工程をもたらす。この改良された封止によって、逆洗工程において高い圧力を使用することができ、結果としてIPC膜の効率的な浄化工程及びフィルタ要素の改良された寿命をもたらす。
【0024】
また、本発明の目的は、内部透過通路と関連して、追加の内部輪郭通路(以下、「追加の透過通路」としても言及される)を示すフィルター要素を提供することである。追加の内部輪郭通路は、統合された透過通路から膜の出口開口まで抽出された透過物を収集及び輸送するために膜の境界に沿ってフレームシステムの長手方向通路に形成される。この追加の透過通路は、濾過工程時に透過物の改良された流束の利点を持ち、結果として膜の透過側で圧力損失を減らし、従って詰まりの減少をもたらす利点を持つ。この追加の透過通路はまた、統合された透過通路内への透過物の逆流の速度の改良の利点を持ち、結果として逆洗工程を速める。
【0025】
また、本発明の目的は、請求項11に記載のフィルター要素を製造するための方法を提供することである。この方法は、フィルター要素、従って請求項1に記載の本発明のフレームが膜を支持しかつ膜の縁でIPCを封止するために使用されることができ、容易に低コストで製造されることができるという利点を持つ。
【0026】
また、本発明の目的は、本発明のフィルター要素を複数含むフィルターモジュールを提供することである。このフィルターモジュールは、モジュール内の漏出するフィルター要素又は詰まったフィルター要素を他のフィルター要素によって容易に置き換え可能であるという利点を持つ。
【0027】
本発明の他の特別な実施形態は従属請求項に規定される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、第一タイプのフレームシステムの第一フレーム異形材の概略図を示す。
【0029】
【図2】図2は、軸a−aに沿った、第一タイプのフレームシステムの第一フレーム異形材の断面の概略図を示す。
【0030】
【図3】図3は、第一タイプのフレームシステムの第二フレーム異形材の概略図を示す。
【0031】
【図4】図4は、軸b−bに沿った、第一タイプのフレームシステムの第二フレーム異形材の断面の概略図を示す。
【0032】
【図5】図5は、第一フレーム異形材が第二フレーム異形材上に重ねられた第一タイプのフレームシステムの断面の概略図を示す。
【0033】
【図6−7】図6及び7は、第一フレーム異形材が間に膜を有して第二フレーム異形材上に重ねられた第一タイプのフレームシステムの断面の概略図を示す。
【0034】
【図8】図8は、第二タイプのフレームシステムの第一フレーム異形材の概略図を示す。
【0035】
【図9】図9は、軸a−aに沿った、第二タイプのフレームシステムの第一フレーム異形材の断面の概略図を示す。
【0036】
【図10】図10は、第二タイプのフレームシステムの第二フレーム異形材の概略図を示す。
【0037】
【図11】図11は、軸b−bに沿った、第二タイプのフレームシステムの第二フレーム異形材の断面の概略図を示す。
【0038】
【図12−14】図12〜14は、第一フレーム異形材が第二フレーム異形材上に重ねられた第二タイプのフレームシステムの断面の概略図を示す。
【0039】
【図15−16】図15及び16は、第一フレーム異形材が間に膜を有して第二フレーム異形材上に重ねられた第二タイプのフレームシステムの断面の概略図を示す。
【0040】
【図17−18】図17及び18は、第一フレーム異形材が間に膜を有して第二フレーム異形材上に重ねられ、かつフレーム異形材の内側部分が曲がった縁を与えられている、第一及び第二タイプのフレームシステムの断面の概略図を示す。
【図19−20】図19及び20は、第一フレーム異形材が間に膜を有して第二フレーム異形材上に重ねられ、かつフレーム異形材の内側部分が曲がった縁を与えられている、第一及び第二タイプのフレームシステムの断面の概略図を示す。
【0041】
【図21−22】図21及び22は、曲がった縁を有する内側部分の断面の概略的な立面図を示す。
【0042】
【図23−24】図23及び24は、第一フレーム異形材が間に膜を有して第二フレーム異形材上に重ねられ、フレーム異形材の内側部分が曲がった縁を与えられ、フレーム異形材の内側及び外側部分が接着剤受容溝及び接着剤溝を与えられている、第一及び第二タイプのフレームシステムの断面の概略図を示す。
【図25−26】図25及び26は、第一フレーム異形材が間に膜を有して第二フレーム異形材上に重ねられ、フレーム異形材の内側部分が曲がった縁を与えられ、フレーム異形材の内側及び外側部分が接着剤受容溝及び接着剤溝を与えられている、第一及び第二タイプのフレームシステムの断面の概略図を示す。
【0043】
【図27−28】図27及び28は、第一フレーム異形材が間に膜を有して第二フレーム異形材上に重ねられ、フレーム異形材の内側部分がスペーサ棒を与えられている、第一及び第二タイプのフレームシステムの断面の概略図を示す。
【図29−30】図29及び30は、第一フレーム異形材が間に膜を有して第二フレーム異形材上に重ねられ、フレーム異形材の内側部分がスペーサ棒を与えられている、第一及び第二タイプのフレームシステムの断面の概略図を示す。
【0044】
【図31−32】図31及び32は、第一フレーム異形材が間に膜を有して第二フレーム異形材上に重ねられ、本発明のフレーム異形材の内側部分が膜の表面上に取り付けられ、液を濾過するために使用される膜の領域に最も近い、膜の表面に取り付けられた内側部分によって形成されたコーナが封止されている、第一及び第二タイプのフレームシステムの断面の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明は、(i)可撓性構造を有しかつ上部及び下部膜層と前記膜層を支持するための支持体材料とを含む統合された透過通路膜(4)であって、前記支持体が、予め規定された距離でモノフィラメント糸によって間隔をあけられかつ一緒に結合された上部及び下部織物表面を有する3Dスペーサ織物であり、前記上部及び下部織物表面の各々が、前記上部及び下部膜層を形成する少なくとも一つの膜層を与えられ、透過通路が前記上部及び下部膜層の間に挿入され、かつ統合された透過通路の透過物の放出のための出口開口と接続されているもの、及び(ii)前記膜を支持しかつ膜の縁で前記統合された透過通路を封止するフレームシステムであって、前記フレームシステムが第一フレーム異形材(1又は5)及び第二フレーム異形材(2又は6)を含み、それらの各々が膜を包囲することができる形及び寸法を有するもの、を含むフィルター要素であって、前記第一及び第二フレーム異形材の各々が内側部分(12,22、又は52,62)及び外側部分(11,21、又は54,64)を有し、前記膜(4)が前記第一フレーム異形材(1又は5)と前記第二フレーム異形材(2又は6)の間に挿入され、内側部分が膜の周囲で上部及び下部膜層の表面と接触し、二つのフレーム異形材の外側部分が、互いに接触し、内側部分が膜に嵌合する長手方向通路(3又は7)を形成し、膜領域に最も近い、膜層の表面と接触する内側部分の縁が湾曲した形を有し、内側部分を膜層に取り付け、外側部分を互いに取り付けるために接着剤が使用されることを特徴とするフィルター要素を提供する。フィルター要素のフィルターシステムは、統合された透過通路膜を支持するため及び一工程で膜の縁を封止するために特に好適である。
【0046】
本発明はまた、かかるフィルター要素を製造するための方法を提供する。
【0047】
本発明はさらに、フィルターモジュールを提供し、前記フィルターモジュールは複数の前記フィルター要素を含む。
【0048】
統合された透過通路膜
統合された透過通路膜は、膜層を支持するための支持体材料を含み、前記支持体は三次元スペーサ織物(以下、「3Dスペーサ織物」としても言及される)である。3Dスペーサ織物は、WO2006/015461A1、EP1992400A1,及びWO2008/141935A1に記載される予め規定された距離でモノフィラメント糸によって間隔をあけられかつ一緒に結合された上部及び下部織物表面を有する。
【0049】
好ましい実施形態では、3Dスペーサ織物の織物表面及びモノフィラメントはWO2006/015461A1、EP1992400A1、及びWO2008/141935A1に記載のモノフィラメント糸におけるループによって連結される。好ましくは、織物表面は、編まれた、織られた、又は織られていないタイプのものである。上部と下部織物表面の間の距離は0.5〜10mmであることが好ましい。3Dスペーサ織物は、ポリエステル、ナイロン、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン、及びポリプロピレンからなる群から選択される材料を含むことが好ましい。
【0050】
IPC膜は、前記上部と下部織物表面上に適用された膜層をさらに含み、透過通路は前記二つの膜層の間に介在され、そこでは膜層は、WO2006/015461A1、EP1992400A1、及びWO2008/141935A1に記載されていたような前記上部及び下部織物表面と多数の場所で結合される。
【0051】
膜層は、好ましくは被覆装置において膜ドープで被覆することによって、前記上部及び下部織物表面の両側で適用される。その後、ドープは、溶媒を除去することによって凝固させられる。凝固は、相反転法によって実施されることができ、そこでは膜ドープの溶媒は膜ポリマーの非溶媒によってドープから抽出される。相反転は液体(例えば水)中で又は前記非溶媒の蒸気を含む周囲環境で実施されることができる。膜形成はまた、溶媒の蒸発(乾式相反転)によって得られてもよい。相反転法は外側から開始される。
【0052】
IPC膜は、膜が折り曲げられかつローラ上に巻かれるように可撓性構造を持つ。これは、膜がプレート材料の剛性を持たないことを意味する。
【0053】
膜は通常、非対称細孔サイズ分布を持ち、そこでは最小細孔が供給側に存在する。従って、大きな粒子は膜層を透過することができず、膜は例えばバックフラッシュによって容易に浄化される。そうでなければ、粒子は膜を透過し、膜層の内側の細孔を詰まらせるだろう。細孔サイズ分布は凝固工程時に調整され、IPC膜の両側の内側及び外側表面は同じ程度に凝固剤にさらされるべきではない。非対称細孔サイズ分布は蒸気相での凝固によって実現されることができる。また、膜ドープを被覆された3Dスペーサ織物の縁が凝固工程前に封止され、凝固剤の透過通路への透過を防止するときにこの非対称細孔サイズ分布を得ることができる。業界では、これは膜を被覆する前に別個の工程でなされることができるか、又はこれはEP1992400A1及びWO2008/141935A1に開示された被覆工程とともになされることができる。
【0054】
膜層は、ポリスルホン(PSU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエステル、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルアセテート(PVAc)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアミド(PA)、ポリビニルプロリドン(PVP)、架橋PVP、酢酸セルロース(CA)及び三酢酸セルロース(CTA)のようなセルロース誘導体、ポリカーボネートブロックポリマーからなる群から選択される膜ポリマー、シリコーンゴム、ポリメチルペンテン、クロロプレン、SBR、NBR、ウレタン、Hypalon(登録商標)、ネオプレン、ニトリル、ブナ、ウレタン、エピクロロヒドリン、Viton(登録商標)、EPDM、ブチル、天然ゴム(ラテックス)、アクリルゴム、フルオロエラストマー及びパーフルオロエラストマーからなる群から選択されるゴム、及びそれらの混合物/ブレンドを含むことが好ましい。さらに好適な膜ポリマーは、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)、例えば塩化ビニル又はエーテルアクリレートとのアクリロニトリルのコポリマー、ポリエチレンスクシネート(PESU)、ポリウレタン(PU)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、及びヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、及びセルローストリカルバニレート(CTC)のようなセルロース誘導体、それらの混合物/ブレンド、及びそれらのグラフト化誘導体(スルホン化、アクリル化、アミノ化など)を含む。膜層はまた、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋されたポリビニルピロリドン(PVPP)、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、メチルセルロース、及びポリエチレンオキサイドのような親水性ポリマーを含んでもよい。膜層はまた、TiO、HfO、Al、ZrO、Zr(PO、Y、SiO、ペロブスカイト酸化物材料及びSiCのような親水性無機材料を含んでもよい。
【0055】
膜ドープは、膜ポリマーを含む液体ポリマー溶液であり、好ましくは10S-1の剪断で1000〜100000の粘度を有し、10000〜50000S−1の範囲の粘度を有する。膜ドープは、膜ポリマー、親水性フィラー材料、N−メチル−ピロリドン(NMP)、N−エチル−ピロリドン(NEP)、N−N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ホルムアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、トリエチルホスフェート、及びそれらの混合物のような非プロトン溶媒、及びグリセロールのような安定化剤を含む。グリセロールのような親水化及び安定化剤はまた、相反転法が完了した後であるが乾燥前に含めることができる。親水性フィラーは膜の親水性及びそのファウリング挙動に影響する。しばしば溶媒混合物における変動は異なる膜モルフォロジー、従って異なる膜性能を起こすだろう。水におけるポリスルホン−NMP溶液の浸漬によって形成された膜は多孔質である。しかしながら、異なる膜構造が水におけるポリスルホン−NMP−THF溶液の浸漬時に得られることができる。
【0056】
IPC膜は、WO2006/015461A1、EP1992400A1、及びWO2008/141935A1に記載されたような透過通路から透過物を抽出するために与えられる排水パイプをさらに含む。
【0057】
フレームシステム
本発明のフィルター要素は、IPC膜を支持し、かつ膜の縁に統合された透過通路を封止するために、フレームシステム(以下、「フレーム」としても言及される)をさらに含む。フレームシステムは第一フレーム異形材(図1〜7の数字1又は図8〜16の数字5参照)及び第二フレーム異形材(図1〜7の数字2又は図8〜16の数字6参照)を含み、それらの各々は、膜を包囲することができる形及び寸法を有する。二つのタイプのフレームシステムが本発明に規定される。即ち、図1〜7で表わされるような第一タイプのフレームシステム、及び図8〜16に表わされるような第二タイプのフレームシステム。
【0058】
第一及び第二フレーム異形材の各々は内側部分(図1〜7の数字12及び22、又は図8〜16の数字52及び62参照)及び外側部分(図1〜7の数字11及び21、又は図8〜16の数字54及び64参照)を有する。IPC膜(4)は、内側部分が膜の周囲に上部及び下部膜層の表面と接触するように、二つのフレーム異形材の外側部分が互いに接触するように、そして内側部分が膜に嵌合する長手方向通路(3又は7)を形成するように、第一フレーム異形材(1又は5)と第二フレーム異形材(2又は6)の間に挿入される。この長手方向通路(3又は7)は、図5、13又は14に示されるように、第一及び第二フレーム異形材の内側部分によって形成された第一及び第二通路フランジ(13、23、又は53、63)を有する。
【0059】
前記長手方向通路(3又は7)の幅(32、又は71,72)は、異形材が第一及び第二フレーム異形材の間に膜を挿入するために上述のような方法で互いに重ねられるときの内側部分(12と22、又は52と62)間の距離である。
【0060】
第一タイプのフレームシステムについては、幅(32)は、膜の厚さに適合する、第一及び第二フレーム異形材の二つの厚さ(30及び31)の合計によって形成される、固定された値を持つ。
【0061】
フレームシステムの第二タイプのための幅(71又は72)は固定された値を持たないが、幅広い範囲の値内で変化されることができる。最小幅は全くない。最大幅だけが、図13〜16に示されたような第二フレーム異形材の外側部分(64)と第一フレーム異形材の外側部分(54)の間の表面重なりの距離によって減少される、膜の第一フレーム異形材の外側部分の厚さ(70)に依存する。図13に例示されるような最小表面重なりは、第二フレーム異形材の外側部分(64)及び第一フレーム異形材の外側部分(54)を、両部分が互いに十分に強く固定されて、膜が長手方向通路中にタイトに固定されるような方法で、取り付けることができるために必要である。第二タイプのフレームシステムの長手方向通路(71又は72)のためのこの幅広い範囲の値は、異なる厚さを有する異なるタイプの膜が一つのタイプのフレームシステムだけによって支持されることができるという利点を持つ。これはずっと低いコストをもたらす。なぜならば製造されるために必要なのは一つのタイプのフレームシステムだけであり、それは異なる厚さを有する幅広い範囲の異なるタイプの膜を支持するために使用されることができるからである。
【0062】
膜(4)は、内側部分(12,22、又は52,62)を膜層の各側の表面に、そして外側部分(11,21、又は54,64)を互いに接着剤によって取り付けることによって長手方向通路に固定される。接着剤は、いかなるタイプの合成又は天然樹脂、感圧性ホットメルト樹脂のようなホットメルト樹脂から選択されることができ、エポキシ又はポリウレタン樹脂が使用されてもよい。接着剤は、互いに反応して接着を形成することができる少なくとも二つの異なる化合物を含む混合された接着剤であることが好ましい。二成分ポリウレタン樹脂又は二成分エポキシ樹脂が最も好ましく、そこでは少なくとも二つのイソシアネート基を含む化合物又は少なくとも二つのエポキシ基を含む化合物は、ポリオール化合物又はポリアミン化合物(即ち、少なくとも二つのヒドロキシル又はアミン基を有する化合物)と反応するために加えられてもよい組成物中の一つの反応化合物として使用される。本発明の一実施形態では、「湿潤」膜(接着剤を適用する前に乾燥されていない膜)の取り付けのために、吸水剤が接着剤に加えられることが好ましい。吸水剤はいかなるタイプの天然又は合成多孔質材料であることもできる。多孔質材料は好ましくは無機ケイ酸塩、ゼオライト又は分子篩、より好ましくは分子篩である。多孔質材料は好ましくは0.2〜0.8nm、より好ましくは0.3〜0.5nmの範囲の細孔サイズを有する。多孔質材料は好ましくは0.5mm未満、より好ましくは100μm未満、最も好ましくは0.5〜30μmの粒子直径を有する。湿潤状態の膜に対しては、分子篩のような吸水剤が好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜40重量%の範囲の量で接着剤に添加されることが好ましい。吸水剤は、膜表面へのフレームの内側部分の取り付けのためだけでなく、外側部分の互いの取り付けのためにも接着剤に添加される。
【0063】
膜領域に最も近い、膜層の表面と接触する、第一及び第二フレーム異形材の内側部分の縁は曲がった形を有する(図17又は18の数字82及び92又は図19及び20の数字102及び112参照)。これは、膜表面がフレーム異形材の二つの内側部分間で膜の濾過領域の最も近くで接触する、第一及び第二フレーム異形材の通路フランジ(13,23,53,63)の縁が曲がった形を有することを意味する。これらの縁の曲がった形が図17〜20に示されているが、図1〜16ではその縁の曲がった形は表わされていないことに注意。湾曲の丸み付けは、膜がフレームシステムに支持されるとき及び/又は膜が濾過工程で使用されるとき、特に浄化ガスが下から浸漬された濾過モジュール内に導入され、高い流速のガスがプロペラ又はポンプによって膜表面の領域において発生され、フィルター膜を付着物から浄化するとき、膜を損傷しないようにするため又は膜を損傷する危険を減少するために十分に大きいことが必要である。(この浄化手順の記載はUS2008/827A1に開示されている。)この損傷は膜層におけるクラック又は裂け目であることができ、それは膜の漏出をもたらす。縁の丸み付けは、半径R及び角度αを有する円の一部によって表わされることができる。この丸み付けは、半径Rが大きいときに膜表面を損傷しないように十分に大きい。半径Rが小さいとき、角度αは、図21及び22に示されているように、半径が大きいときより大きくすることが必要である。好ましい実施形態では、角度αは好ましくは3〜120度、より好ましくは5〜90度の範囲であり、半径Rは好ましくは0.5〜50mm、より好ましくは1〜30mm、最も好ましくは1.5〜20mmの範囲である。
【0064】
第一及び第二フレーム異形材の形及び寸法は、上記のような方法で互いに重ねられるとき、第一及び第二フレーム異形材が膜を包囲することができるように膜の形及び寸法に適合する。
【0065】
膜を包囲するフレーム異形材の形状は、長方形、正方形、菱形、三角形、円形又は半円形、好ましくは長方形であることができる。
【0066】
好ましい実施形態では、第一タイプのフレームシステムの二つのフレーム異形材は同じ構成を持つ。これは、製造されなければならないのは一つのタイプのフレーム異形材だけであるという追加の利点を有し、このフレーム異形材は第一及び第二フレーム異形材の両方のために使用されることができ、それはフレーム異形材を作るためにずっと低いコストをもたらす。膜を支持し、膜の縁でIPCを封止する方法では、第一及び第二フレーム異形材は互いに鏡像であり、互いに重ねられ、それによって長手方向通路において通路フランジによって膜を固定する。
【0067】
本発明の別の実施形態では、第一タイプのフレームシステムの第一及び第二フレーム異形材(それらの各々は上記のように内側及び外側部分を持つ)は同じ又は異なる構成を持つことができる。「同じ構成」とは、本質的な特徴が同じであるが、非本質的な特徴は異なってもよいことを意味する。「異なる構成」とは、本質的な特徴が二つのフレーム異形材において異なることを意味する。かかる本質的な特徴の例は、第二フレーム異形材の厚さ(31)より大きくすることができる第一フレーム異形材の厚さ(30)、又は第二フレーム異形材のものより大きくすることができる第一フレーム異形材の内側部分(12)の表面、又は第二フレーム異形材(21)のものより大きくすることができる第一フレーム異形材の外側部分(11)の表面、又は第二フレーム異形材の外側部分に存在する穴中に嵌合することができる第一フレーム異形材の外側部分における突起の存在である。
【0068】
本発明の一実施形態では、フィルター要素を製造するための方法が提供され、前記方法は下記工程を含む:
− 上記のようなIPC膜(4)を与える、
− 上記のような第一フレーム異形材(1又は5)及び第二フレーム異形材(2又は6)を与える、
− 膜が第一フレーム異形材の内側部分(12又は52)と接触しているように第一フレーム異形材上に膜(4)を装着する、
− 第一フレーム異形材上に第二フレーム異形材を重ねる、但し膜は、膜が第二フレーム異形材の内側部分(22又は62)と接触し、かつ第一及び第二フレーム異形材の外側部分(11,21、又は54,64)が互いに接触するように存在する、
− 第一フレーム異形材の内側部分(12又は52)と膜の一方の表面の間に、第二フレーム異形材の内側部分(22又は62)と膜の他方の表面の間に、及び第一及び第二フレーム異形材の外側部分(11,21、又は54,64)の間に接着剤を適用する、及び
− 第一及び第二フレーム異形材の内側部分を膜のいずれかの表面に、そして第一及び第二フレーム異形材の外側部分を互いに取り付ける。
【0069】
フィルター要素のフレームシステムは、単一の工程でIPC膜を支持し、膜の縁を封止するために特に好適である。膜の縁が封止されるとき、二つの膜表面間に挿入された、統合された透過通路が濾過工程時に透過物を収集するために形成される。それゆえ、膜の縁は、膜層を通過せずに透過通路を入ったり来たりする直接的な流体の動きを防止するために膜の周囲で極めて注意深く封止されなければならない。本発明のフレームシステムは、それが膜上に極めて都合良く適用されることができ、それによって膜の周囲の縁が長手方向通路にそれを取り付けることによって、即ち内側部分を膜表面に取り付けることによって及び外側部分を互いに取り付けることによって封止されるという利点を持つ。フレームシステムの存在は縁の封止を保証し、特にフレーム異形材の互いの取り付け及び膜への取り付けの全てが接着剤によって、より好ましくは上記のような二成分ポリウレタン又はエポキシ樹脂によって実施されるとき、漏出のいかなる危険も防止する。縁の完全な封止は、濾過工程時及び逆洗工程時に高い圧力を使用できるという追加の利点を持つ。
【0070】
フレームシステムの存在による縁の完全な封止は、フレーム異形材の外側部分と、内側部分に取り付けられたIPC膜との間に空間が与えられるときにフレームシステムの内側に内側輪郭通路(24又は55)が形成されることができるという追加の利点を持つ。この追加の内側透過通路は内側透過通路と関連し、かつ排水開口又はパイプと関連する。この排水開口又はパイプは図に表われていない。この追加の内側透過通路は透過液の増加する流束を与え、結果として膜の透過側での圧力損失の減少をもたらし、それはさらに詰まりの減少をもたらしうる。この追加の内側透過通路の存在は、逆洗工程時に、統合された透過通路内への透過物の逆流の速度が高まり、結果として速くて効率的な逆洗可能な方法をもたらすという追加の利点を持つ。
【0071】
本発明のフレームシステムは、3Dスペーサ織物が支持体として使用される可撓性フィルター要素の強度及び剛性を増加する利点を持つ。この増加した強度によって、膜の膜間距離は、例えばフィルターモジュールにおいて、上方の空気流れによって影響されることが少ない。これは、濾過工程時の小さな膜間距離の発生が減少され、結果として膜層の損傷及び詰まりの傾向が少なくなることを意味する。
【0072】
本発明のフィルター要素は、フィルター要素がフィルターモジュール内に容易に装着されることができるモジュラーフィルターシステムとして使用されることができ、フィルター要素が漏出又は多くの詰まりによって効率的に作用しないとき、それが別のフィルター要素によって容易かつ迅速に代替されることができるという利点を持つ。
【0073】
内側及び/又は外側部分上に接着剤受容溝を有するフレーム異形材
本発明の別の実施形態では、フレームシステムの第一及び第二タイプのフレーム異形材の内側部分が接着剤の使用によって膜の表面に取り付けられるとき、これらの内側部分が少なくとも一つの接着剤受容溝(即ち、内側部分上又は膜表面上に適用される接着剤の過剰分が集められることができる溝)を与えられる。本発明の好ましい実施形態では、接着剤受容溝(121,141,161,171)は、膜の濾過領域に最も近い、接着剤が適用される場所のそばに、膜表面上に取り付けられる側に存在する。図23〜26では各部分上に二つの接着剤受容溝が表わされ、一つの接着剤溝も表わされている。
【0074】
この接着剤受容溝の存在は、取り付け時に広げられる接着剤の過剰分が、濾過膜領域を汚して、結果として膜フィルターの濾過能力の減少をもたらさないようにするため、又は内側部分上の曲がった縁を汚して、結果としてこの縁で膜層を損傷する危険を増加しないようにするために防止されることができるという利点を持つ。接着剤の過剰分を受け入れることができるためには、溝の容積は過剰になる接着剤の量より大きいことが好ましい。好ましい実施形態では、溝は好ましくは少なくとも0.3mm、より好ましくは少なくとも0.5mm、最も好ましくは少なくとも0.8mmの深さ、及び好ましくは少なくとも0.5mm、より好ましくは少なくとも1mm、最も好ましくは少なくとも2mmの幅を持つ。
【0075】
上記のようなこの接着剤受容溝の存在に加えて、別の接着剤受容溝(122,142,162及び172)を第一接着剤受容溝と同じ側のフレーム異形材の内側部分上に存在させてもよい。この第二接着剤受容溝は、接着剤が図23〜26に表わされるように適用される場所の他の側のそばに存在させることが好ましい。この第二接着剤受容溝はフレーム異形材の内側部分の周囲上に存在し、好ましくは少なくとも0.3mm、より好ましくは少なくとも0.5mm、最も好ましくは少なくとも0.8mmの深さ、及び好ましくは少なくとも0.5mm、より好ましくは少なくとも1mm、最も好ましくは少なくとも2mmの幅を持ってもよい。この他の溝は、取り付け時に広げられる接着剤の過剰分がフレームシステムの内側を汚さないようにするために防止されることができるという利点を持つ。フレームシステムの内側に存在する接着剤の過剰分が膜の濾過領域の方向に膜中で移行しうるとき、これは、本発明のフレームシステムによって支持されるIPC膜のための上記のようなフレームシステムの内側で形成された内側輪郭通路を妨げたり又は阻止したりしうる。
【0076】
本発明の別の実施形態では、フレーム異形材の外側部分が接着剤の使用によって互いに取り付けられるとき、これらの外側部分の少なくとも一つ、好ましくは二つのフレーム異形材の外側部分の両方が少なくとも一つの接着剤受容溝(即ち、外側部分上に適用される接着剤の過剰分を集めることができる溝)を与えられる。
【0077】
第一タイプのフレームシステムについては、接着剤受容溝(131,151)は、フレームシステムの内側に最も近い、接着剤が適用される場所のそばに、外側部分上の他の外側部分に取り付けられる側に存在する(図23及び24)。この接着剤受容溝はフレーム異形材の周囲上に存在し、上記と同じ深さ及び幅を有してもよい。この溝は、取り付け時に広がる接着剤の過剰分を防止してフレームシステムの内側を汚さないようにすることができる利点を持つ。フレームシステムの内側に存在する接着剤の過剰分が膜の濾過領域の方向で膜に移行することができるとき、これは膜フィルターの濾過能力を低下することもできる。上記のこの接着剤受容溝の存在に加えて、第二接着剤受容溝(132,152)がこれらの外側部分の少なくとも一つの上に、しかし好ましくは二つのフレーム異形材の両方の外側部分上に、接着剤が適用される場所の他の側のそばに存在させることができる(図23及び24)。この接着剤受容溝はフレーム異形材の周囲上に存在させることができ、上記と同じ深さ及び幅を有してもよい。この他の溝は、取り付け時に広がる接着剤の過剰分が防止されてフレームシステムの外側を汚さないようにすることができるという利点を持つ。
【0078】
第二タイプのフレームシステムについては、第一フレーム異形材の外側部分(54)が接着剤の使用によって第二フレーム異形材の外側部分(64)に取り付けられるとき、外側部分(54,64)の一方又は両方は、少なくとも一つの接着剤受容溝(即ち、内側部分上に適用される接着剤の過剰分が集められる溝)を与えられ、好ましくは接着剤溝は図25及び26で表わされるような第二フレーム異形材の外側部分(64)上に存在する。好ましい実施形態では、接着剤受容溝(181)は、フレームシステムの内側に最も近い、接着剤が適用される場所のそばに、第二フレーム異形材の外側部分上に存在する(図25及び26)。この接着剤は第二フレーム異形材の周囲上に存在し、上記と同じ深さ及び幅を有してもよい。この溝は、取り付け時に広げられる接着剤の過剰分が防止されて、フレームシステムの内側を汚さないようにすることができる。フレームシステムの内側に存在する接着剤の過剰分が膜の濾過領域の方向に膜中に移行することができるとき、これは、本発明のフレームシステムによって支持されたIPC膜のために上記のようなフレームシステムの内側に形成された内側輪郭通路を妨げるか又は阻止することができる。上記のようなこの接着剤受容溝の存在に加えて、別の接着剤受容溝(182)を同じ外側部分上又は他の外側部分上又は両方の外側部分上に存在させることができる。好ましい実施形態では、第二接着剤受容溝は、図25及び26の数字182によって表わされるような第二フレーム異形材の外側部分上に、接着剤が適用される場所の他の側のそばに存在する。この他の接着剤受容溝はフレーム異形材の周囲上に存在し、上記と同じ深さ及び幅を有してもよい。この他の溝は、取り付け時に広げられる接着剤の過剰分が防止されて、フレームシステムの外側を汚さないという利点を持つ。
【0079】
内側及び/又は外側部分上の接着剤溝を有するフレーム異形材
本発明の別の好ましい実施形態では、フレーム異形材の内側部分が接着剤によって膜の表面に取り付けられるか、又は外側部分が接着剤によって互いに取り付けられるとき、これらの部分は膜表面上又は他の外側部分上に取り付けられる側に少なくとも一つの接着剤溝(123,143,133,153,163,183)を与えられる(図23及び24)。外側部分が接着剤によって互いに取り付けられるとき、これらの外側部分の少なくとも一つが接着剤溝を与えられる。第一タイプのフレームシステムについては、接着剤溝(13,153)が互いに取り付けられる外側部分の両方上に存在することが好ましい。第二タイプのフレームシステムについては、接着剤溝(183)が第二フレーム異形材の外側部分上に存在することが好ましい。
【0080】
内側又は外側部分の各々の上の接着剤溝は、取り付け部分の表面の中央又はほぼ中央に、かつフレーム異形材の周囲上に存在させることが好ましい。接着剤は接着剤溝中に適用されることができ、接着剤溝は好ましくは0.3mm〜2mm、より好ましくは0.5mm〜1.5mm、最も好ましくは0.8mm〜1.3mmの深さ、及び好ましくは1mm〜5mm、より好ましくは2mm〜4mm、最も好ましくは3mm〜3.5mmの幅を有してもよい。
【0081】
接着剤溝の存在は、取り付けのための接着剤の必要な量がより正確に投与されることができ、均一かつ完全な取り付けを得るために二つの表面間に十分な接着剤が存在しないことや、接着剤が極めて多くの量で適用され、過剰の接着剤が多すぎて取り付け時に広がる接着剤が多すぎることを防止するという利点を有する。
【0082】
より好ましい実施形態では、接着剤溝は、各状況に対して上記されたようなこの接着剤溝のそばに少なくとも一つの接着剤受容溝の存在と、最も好ましくは各状況に対して上記されたようなこの接着剤溝の各側のそばに二つの接着剤受容溝の存在と組み合わされる。この組み合わせは、十分な接着剤が取り付けのために投与されることができ、膜の濾過領域の汚れ及び/又はフレームシステムの内側の汚れ及び/又はフレームシステムの外側の汚れを防止できるという利点を持つ。結果として、接着剤の投与量の許容度が改善されることができ、フレームシステムによって膜を支持するための速い製造方法を得ることができる。
【0083】
内側部分上にスペーサ棒を有するフレーム異形材
本発明の別の実施形態では、第一及び第二タイプのフレームシステムのフレーム異形材の内側部分は少なくとも一つのスペーサ棒を与えられてもよい。スペーサ棒(191,201,211,221,231,241,251,261)(図27〜30)は、膜表面上に取り付けられる側に存在する。スペーサ棒(191,201,211,221)は内側部分の中央に又はほぼ中央に存在させてもよい。好ましくは、二つ、三つ又はそれより多くのスペーサ棒が存在する。スペーサ棒はフレーム異形材の周囲に存在する。スペーサ棒は、フレーム異形材の内側部分の一体部分、又はジョイントリングもしくはパッキングリングもしくはシーリングリングのような別個の材料で、好ましくはゴム又はゴム状材料のものであることができ、それらはフレーム異形材の内側部分上に取り付けられることができる。スペーサ棒の存在は、膜が膜表面の各側に対して第一及び第二フレーム異形材の内側部分を圧縮することによってフレームシステムに固定されることができ、そこでは膜は第一及び第二内側部分のスペーサ棒の間にしっかりと締められ、膜の周囲で閉じられるという利点を持つ。この位置は、外側部分を互いに取り付けることによって固定されることができる。スペーサ棒の使用は、膜の周囲の封止が改良されるという追加の利点を持つ。
【0084】
本発明の好ましい実施形態では、第一及び第二フレーム異形材が互いに積み重ねられ膜を支持するときに膜表面と接触するようになるスペーサ棒の側は曲がった構成を有し、そこでは丸みは半径R′及び角度α′を有する円の一部によって規定されることができる。好ましい実施形態では、角度α′は15〜180度の範囲であり、半径R′は1〜30mm、より好ましくは2〜20mm、最も好ましくは3〜10mmの範囲である。この丸みを有するスペーサ棒の使用は、濾過工程及び/又は逆洗工程時の膜層を損傷する危険が低下されるという追加の利点を有する。
【0085】
別の好ましい実施形態は、スペーサ棒(231,241,251,261)(図29及び30)は膜の濾過領域に最も近い内側部分の縁に存在する。この構成は、上記のようなフレーム異形材の内側部分の曲がった縁が曲がった構成を有するこのスペーサ棒によって置き換えられ、それによって本発明のフレームシステムにおいて支持することによるこれらのスペーサ棒間でしっかりと締められたフィルター膜を損傷する危険が低下されるという追加の利点を有する。この曲がった構成の丸みは、上記の半径R′及び角度α′を有する円の一部によって規定されることができる。
【0086】
膜上に封止された内側部分を有するフィルター要素
フィルター要素の製造方法では、本発明のフレーム異形材の内側部分は、上で規定されたように接着剤によって膜の表面上に取り付けられる。フレーム異形材の内側部分は、上で規定されたような曲がった縁、及び/又は上で規定されたようなスペーサ棒、及び/又は上で規定されたような接着剤受容溝、及び/又は上で規定されたような接着剤溝を与えられてもよい。フィルター要素を製造する方法では、本発明のフレームシステムは、上記のようなIPC膜のために特に重要である膜の輪郭全体にわたる縁での膜の封止を示す。この封止はさらに、追加の封止工程によって確実にされることができ、そこでは接着剤化合物は、液体を濾過するために使用される膜の領域の最も近くの、膜の表面に取り付けられた内側部分によって形成されたコーナー、及び膜の濾過領域に適用される。曲がった縁を有する及び有さない内側部分のために図31及び32に示されているが、スペーサ棒を有する内側部分のために示されていない、これらのコーナー(271,281,291,301)は、接着剤化合物を充填することによって封止されることができ、それによって液体を濾過するために使用される膜の領域に最も近い、内側部分の側壁の少なくとも一部、及び内側部分に最も近い膜表面の小さい領域は、接着剤化合物によって保護される。膜表面のこの小さい領域は、好ましくは20mmの幅、より好ましくは10mmの幅、最も好ましくは5mmの幅、及び膜の周囲全体に対応する長さを有する領域によって規定されることが好ましい。
【0087】
本発明の好ましい実施形態では、この接着剤化合物は、この弾性化合物によって保護される膜表面の領域が濾過工程時になお動かされることができるような弾性特性を持つ。この接着剤化合物は、各タイプの天然又は合成ゴム;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンに基づくポリオレフィン;ブタジエン、イソプレン又はシリコーンに基づくポリジエン;弾性又は熱可塑性ポリマーなどのポリマー化合物又は樹脂であることができる。この追加のシール存在は、膜の漏出又は膜層中の亀裂又は引裂のような膜の損傷の危険が減少されるという利点を持つ。特に、浄化ガスが下から浸漬された濾過モジュール内に導入され、高い流速のガスがプロペラ又はポンプによって膜表面の領域に発生され、濾過膜を付着物から浄化するときにそうである。
【0088】
フレーム異形材の材料及組成
本発明のフレームシステムのフレーム異形材はいかなるタイプの合成材料からも作られることができ、特に好適な材料はアクリロニトリル、ブタジエン及びスチレン(ABS)のコポリマー、スチレンのコポリマー、ナイロンのようなポリアミド、Teflonのようなフッ素含有ポリマー又はコポリマー、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルのコポリマー、アクリレート又はメタクリレートポリマー又はコポリマーであり、特に好ましいものはABSコポリマーである。他の好適な材料は鉄、アルミニウム又は銅のような金属、又は鉄、アルミニウム、銅、ニッケル、クロム又は亜鉛を含む金属ブレンド、又は鋼、inox又は黄銅のような合金から選択されることができる。他の好適な材料はまた、金属によって又は炭素繊維によって補強される合成材料の複合材料から選択されてもよい。
【0089】
本発明のフレームシステムは、フレーム異形材及び取り付け物がKClO、NaClO(例えばJavel)、クエン酸、シュウ酸などのフィルター膜を浄化/再生するために使用される典型的な浄化液に対して、及び高圧下で使用されるこれらの液に対しても安定であり、かつ耐性があるという利点を持つ。
【0090】
本発明のフレームシステムは、それが凝固工程の前又は後、及び膜を乾燥する前に、即ち湿潤した膜に、又は乾燥した後、即ち乾燥した膜に適用されることができるという利点を持つ。
【0091】
本発明のフレームシステムは、このフレームシステムによって支持されるフィルター膜上に高いバックフラッシュ圧力を適することができるという利点を持つ。
【0092】
本発明のフレームシステムは、フレーム自体が別のフィルター膜を支持するために再使用することができるという利点を持つ。
【0093】
本発明の実施形態では、本発明の複数のフィルター要素を含むフィルターモジュールが提供される。
【0094】
本発明のフレームシステムは、フィルター要素がフィルターモジュールに容易に装着されることができ、このフィルターモジュール中の各フィルター要素が別のフィルター要素によって容易に除去及び/又は交換されることができるという利点を持つ。
【0095】
本発明のフィルター要素は、精密濾過、限外濾過、ナノ濾過、逆浸透、膜蒸留、パーべーパレイション、ガス分離、固定化生物活性種、例えば酵素膜リアクター又は生物膜リアクター、膜拘束体、被支持液体膜、パーストラクション、水脱気、エアレーション、加湿(水浸透)、制御放出、エアコンディショニング、ガス/空気浄化などのために使用されることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)可撓性構造を有しかつ上部及び下部膜層と前記膜層を支持するための支持体材料とを含む統合された透過通路膜(4)であって、前記支持体が、予め規定された距離でモノフィラメント糸によって間隔をあけられかつ一緒に結合された上部及び下部織物表面を有する3Dスペーサ織物であり、前記上部及び下部織物表面の各々が、前記上部及び下部膜層を形成する少なくとも一つの膜層を与えられ、透過通路が前記上部及び下部膜層の間に挿入され、かつ統合された透過通路の透過物の放出のための出口開口と接続されているもの、及び
(ii)前記膜を支持しかつ膜の縁で前記統合された透過通路を封止するフレームシステムであって、前記フレームシステムが第一フレーム異形材(1又は5)及び第二フレーム異形材(2又は6)を含み、それらの各々が膜を包囲することができる形及び寸法を有するもの、
を含むフィルター要素であって、
− 前記第一及び第二フレーム異形材の各々が内側部分(12,22、又は52,62)及び外側部分(11,21、又は54,64)を有し、
− 前記膜(4)が前記第一フレーム異形材(1又は5)と前記第二フレーム異形材(2又は6)の間に挿入され、内側部分が膜の周囲で上部及び下部膜層の表面と接触し、二つのフレーム異形材の外側部分が互いに接触し、内側部分が膜に嵌合する長手方向通路(3又は7)を形成し、
− 膜領域に最も近い、膜層の表面と接触する内側部分の縁が湾曲した形を有し、
− 内側部分を膜層に取り付け、外側部分を互いに取り付けるために接着剤が使用される、
ことを特徴とするフィルター要素。
【請求項2】
前記第一及び第二フレーム異形材の前記内側部分(12,22、又は52,62)が、内側部分を膜層に取り付けるために使用される前記接着剤の過剰分を受けることができる接着剤受容溝を与えられていることを特徴とする請求項1に記載のフィルター要素。
【請求項3】
前記接着剤受容溝が、膜の領域に最も近い、膜層に内側部分を取り付けるために接着剤が適用される場所のそばに存在することを特徴とする請求項2に記載のフィルター要素。
【請求項4】
前記第一及び第二フレーム異形材の前記内側部分(12,22、又は52,62)が、膜層に内側部分を取り付けるために接着剤が適用される場所のいずれかの側上に少なくとも二つの接着剤受容溝を与えられ、前記溝が接着剤の過剰分を受けることができることを特徴とする請求項1に記載のフィルター要素。
【請求項5】
前記第一及び第二フレーム異形材の前記内側部分(12,22、又は52,62)が、膜層に内側部分を取り付けるために接着剤を適用するための少なくとも一つの接着剤受容溝を与えられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフィルター要素。
【請求項6】
前記第一又は第二フレーム異形材の前記外側部分(11,21、又は54,64)の少なくとも一つが、外側部分を互いに取り付けるために使用される前記接着剤の過剰分を受けることができる接着剤受容溝を与えられていることを特徴とする請求項1に記載のフィルター要素。
【請求項7】
前記第一及び第二フレーム異形材の前記外側部分(11,21、又は54,64)の各々が、外側部分を互いに取り付けるために使用される前記接着剤の過剰分を受けることができる接着剤受容溝を与えられていることを特徴とする請求項1に記載のフィルター要素。
【請求項8】
前記接着剤受容溝が、膜の領域に最も近い、外側部分を互いに取り付けるために接着剤が適用される場所のそばに存在することを特徴とする請求項6又は7に記載のフィルター要素。
【請求項9】
前記第一又は第二フレーム異形材の前記外側部分(11,21、又は54,64)の少なくとも一つが、外側部分を互いに取り付けるために接着剤が適用される場所のいずれかの側上に少なくとも二つの接着剤受容溝を与えられ、前記溝が接着剤の過剰分を受けることができることを特徴とする請求項1に記載のフィルター要素。
【請求項10】
前記第一又は第二フレーム異形材の前記外側部分(11,21、又は54,64)の各々が、外側部分を互いに取り付けるために接着剤が適用される場所のいずれかの側上に少なくとも二つの接着剤受容溝を与えられ、前記溝が接着剤の過剰分を受けることができることを特徴とする請求項1に記載のフィルター要素。
【請求項11】
前記第一及び第二フレーム異形材の前記外側部分(11,21、又は54,64)が、外側部分を互いに取り付けるために接着剤を適用するための少なくとも一つの接着剤受容溝を与えられていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のフィルター要素。
【請求項12】
膜の統合された透過通路から前記出口開口への抽出された透過物の収集及び輸送のために膜の境界に沿って前記長手方向通路に追加の透過物輪郭通路が形成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のフィルター要素。
【請求項13】
下記工程を含むことを特徴とするフィルター要素を製造するための方法:
− 請求項1に記載の統合された透過通路膜(4)を与える、
− 請求項1〜11のいずれかに記載の第一フレーム異形材(1又は5)及び第二フレーム異形材(2又は6)を与える、
− 膜が第一フレーム異形材の内側部分(12又は52)と接触しているように第一フレーム異形材上に膜(4)を装着する、
− 第一フレーム異形材上に第二フレーム異形材を重ねる、但し膜は、膜が第二フレーム異形材の内側部分(22又は62)と接触し、かつ第一及び第二フレーム異形材の外側部分(11,21、又は54,64)が互いに接触するように存在する、
− 第一フレーム異形材の内側部分(12又は52)と膜の一方の表面の間に、第二フレーム異形材の内側部分(22又は62)と膜の他方の表面の間に、及び第一及び第二フレーム異形材の外側部分(11,21、又は54,64)の間に接着剤を適用する、及び
− 第一及び第二フレーム異形材の内側部分を膜のいずれかの表面に、そして第一及び第二フレーム異形材の外側部分を互いに取り付ける。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれかに記載のフィルター要素を複数含むことを特徴とするフィルターモジュール。
【請求項15】
請求項1に記載の統合された透過通路膜を支持し、請求項1に記載のフレームシステムによって前記膜の縁で統合された透過通路を封止することによる、濾過工程及び/又は逆洗工程時に適用される圧力を改良するため、及び膜の漏出の危険及び/又は膜表面の損傷を低下するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12−14】
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【図15−16】
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【図17−18】
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【図19−20】
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【図21−22】
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【図23−24】
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【図25−26】
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【図27−28】
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【図29−30】
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【図31−32】
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【公表番号】特表2013−503734(P2013−503734A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527314(P2012−527314)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際出願番号】PCT/EP2010/062836
【国際公開番号】WO2011/026879
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(507263874)ヴラームス インステリング ヴール テクノロギシュ オンデルゾーク エヌ.ヴイ. (ヴイアイティーオー) (3)
【Fターム(参考)】