説明

フィルタ位置合わせ装置

【課題】ヘッドおよびボウルを一緒に固定する前に、カートリッジポートをヘッドポートに物理的に固定することができる空間がボウルの下に十分ないときでさえ、フィルタカートリッジのポートがハウジングのヘッドのポートに液密にシールされることを確実にする脱着可能な装置を提供すること。
【解決手段】本発明は、ボウルおよびヘッドが一緒に対合されるとき、2つのポートが互いに位置合わせされかつ液密にシールされるのを確実にするようにカートリッジをボウル内で心合わせし、かつそれを十分な高さのところに維持するための1つまたは複数の脱着可能に取り付けられる位置合わせ装置を使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタカートリッジ位置合わせ装置に関する。より詳しくは、それはボウル(bowl)型式のハウジング内のフィルタカートリッジ用の位置合わせ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのフィルタカートリッジが、使い捨て可能にかつ再使用可能なハウジング1内に嵌合するように設計されている。通常ステンレス鋼またはプラスチックから作られるこのハウジング1は、一般に図1に示すようなヘッド2およびボウル4、およびボウル4の内側の、ヘッド2のポート10に対して液密にシールされるカートリッジ6のネックまたはポート8を有する使い捨て可能なフィルタカートリッジ6を含む。このヘッド2およびボウル4は、スナップ式取付部品、差し込み継手等などの他の手段も使用できかつ使用されてきているけれども、(図1に示すように)対応する雄および雌ねじ12および14を一般に使用して互いに脱着可能に対合させることができる。ハウジング1のヘッド2は、第2のポート16を含む。システムの流れの形態に応じて、ヘッド2の1つのポート、10または16のいずれかはハウジングおよびフィルタ内への流体(ガスまたは液体)用の入口であり、もう1つのポート16または10はそれぞれ出口になる。伝統的には、流体はポート16を通りそのようなハウジングに入り、次いでフィルタを通過しフィルタポート8に行き、次いでヘッドポート10を通り外へ出る。必要な場合、ボウルの排出ができるように、ボウルの底部に排出口栓5が一般に含まれる。
【0003】
伝統的に、図1に示すようにフィルタシステムを組み立てるために、ポート8の外側表面11に固定されるOリング9を介してカートリッジ6のポート8をヘッド2のポート10内に液密にシールし、次いでボウル4をカートリッジ6の下に配置し、それをヘッド2とボウル4が接触するまで持ち上げ、次いでヘッド2とボウル4を一緒に固定する。このOリングはポート8、10間の摩擦嵌合を形成し、ポート8、10間の液密シールをもたらす。
【0004】
しかしながら、ボウル4がヘッド2に既に固定されているカートリッジ6の下に配置されるための十分な余地を持たないような位置にハウジング1が置かれるとき、問題が現われる。そのような状況は、ハウジングが床またはろ過システムの別の構成部品に隣接するとき現われる。これらの場合、一般にカートリッジ6をボウル4内に置き、ボウル4およびカートリッジ6をヘッド2の下で位置合わせし、ボウル4を可能な限り遠い範囲に降下させ、次いでカートリッジ6をヘッド2内にシールさせるようにさせる。しばしばカートリッジのポート8とヘッド2のポート10の間のシールは、適切ではなくなる。この問題を克服するために、組み立て前および後でハウジング内でこのカートリッジを固定するためのいくつかの新しいハウジング設計が提案されてきている。米国特許第6533933号明細書参照。この設計では、カートリッジおよびボウルのいずれかが、それらの中に(カートリッジ上の突起およびその中にこの突起が嵌合するボウル内側表面のスロットなどの)必要とされる対合装置を設けるように特に再設計され、または少なくともこのボウルが、既存のカートリッジに取り付けられる固定可能な取付具を受け入れるように改変される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6533933号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この新規なボウル/カートリッジ設計に交換されていない何千ものハウジングが依然として存在する。
【0007】
本発明は、カートリッジおよびその上大部分の実施形態ではハウジングも恒久的に交換するかまたは改変する必要なしに、カートリッジのポート8がヘッド2のポート10と位置合わせされ、かつ適切にポート10内にシールされることを確実にするための装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ヘッドおよびボウルを一緒に固定する前に、カートリッジポートをヘッドポートに物理的に固定することができる空間がボウルの下に十分ないときでさえ、カートリッジのポートがハウジングのヘッドのポートに液密にシールされることを確実にする脱着可能な装置に関する。
【0009】
本発明は、ボウルおよびヘッドが一緒に対合されるとき、2つのポートが互いに位置合わせされかつ液密にシールされるのを確実にするように、カートリッジをボウル内でかつ十分な高さのところに心合わせするための1つまたは複数の位置合わせ装置を使用する。
【0010】
第1の実施形態は、カートリッジのポートの上に嵌合し、ハウジングのヘッドのポートと液密に対合するキャップからなる。この装置は、ボウルおよびヘッドが一緒に対合されるとき2つのポートが一緒に液密にシールされるのを確実にするのに十分な高さである。さらに、この装置は、2つのポートの正確な位置合わせおよび液密シールを確実にするために、カートリッジがハウジング内で確実に心合わせされて着座するのに十分な幅である。
【0011】
第2の実施形態は、カートリッジのポートを含む端部から遠い端部に固定される位置合わせ装置を使用する。この実施形態ではこの装置は、エンドキャップまたはボウルの底部に最も近いエンドキャップに隣接する本体上に嵌合する。これはカートリッジの既存のポートを、ヘッドのポートとの良好なシールを確実にするように上向きに持ち上げる。さらにこの装置は、2つのポートがシールのために位置合わせされるようにカートリッジを同軸にかつ/または軸方向に確実に位置合わせする幅であるか、またはある幅にてこの装置から延びるフランジ、ウイングまたは他のそのような装置を有する。
【0012】
第3の実施形態は、装置の幅またはどのようなその機構もカートリッジとヘッドのポートとの垂直の位置合わせまたは心合わせももたらさないことを除き、第2の実施形態の装置と同様な位置合わせ装置を使用する。この実施形態は、底部に隣接する端部とポートに隣接する端部の間、その長さに沿った中間のどこかでカートリッジの本体に解放可能に固定される第2の位置合わせ装置を加える。この第2の装置は、カートリッジおよびヘッドポートが垂直に位置合わせされるのを確実にする心合わせ能力をシステムに提供する。
【0013】
第4の実施形態は、第2の実施形態の位置合わせ装置を使用し、底部に隣接する端部とポートに隣接する端部の間、その長さに沿った中間のどこかでカートリッジの本体に解放可能に固定される第2の位置合わせ装置を加える。この第2の装置は、ポート間の同軸のかつ/または軸方向位置合わせを確実にする追加の心合わせ能力をシステムに提供する。
【0014】
全ての上記の実施形態は、既存のカートリッジに加えられることができるように、摩擦嵌合、スナップ式取付具等を介してカートリッジに解放可能に固定されるのが好ましい。別法としてこの装置は、所望の場合カートリッジあるいはエンドキャップまたは成型スリーブなどのカートリッジの構成部品の1つに恒久的に取り付けられることもできる。この装置は、限定ではなく溶媒接着、オーバーモールディング、接着剤接着、熱または超音波接着等を含む様々な方法で恒久的に取り付けられることができる。
【0015】
フィルタカートリッジの上側または下側表面に脱着可能に取り付けられることができるベースを備えるフィルタカートリッジ用の位置合わせ装置を提供することが本発明の1つの目的であり、前記ベースは、組み立てられるときフィルタカートリッジをハウジングヘッドに着座させるのに十分な高さであり、かつ組み立てられるときカートリッジをハウジングボウル内で心合わせをするのに十分な幅である。
【0016】
多孔質カートリッジ本体、多孔質のコアおよび本体とコアの間のフィルタ材料、本体の第1の端部およびコアの第1の端部に液密にシールされる第1のエンドキャップ、コアと位置合わせ可能な開口部を有する第2のエンドキャップとを有し、多孔質のカートリッジ本体に入る流体はコアに到達する前にこのフィルタ材料を通過しなければならず、開口部に到達する前にこのコアを通過しなければならないように、この第2のエンドキャップは本体の第2の端部に対し液密にシールされかつ開口部がコアに対して液密にシールされるフィルタカートリッジを提供することが本発明の1つの目的であり、この改良装置は、位置合わせ装置を有するカートリッジがボウル型式のハウジング内に配置されるとき、カートリッジがボウル内で心合わせされ、第2のエンドキャップの開口部とハウジングの対応する開口部との液密対合が1つまたは複数の位置合わせ装置によって確実にされるのに十分な高さであるように、1つまたは複数の脱着可能に取り付けられる位置合わせ装置が本体の1つまたは複数の部分に固定される。
【0017】
多孔質のカートリッジ本体、多孔質のコアおよび本体とコアの間のフィルタ材料、本体の第1の端部およびコアの第1の端部に対し液密にシールされる第1のエンドキャップ、コアと位置合わせ可能な開口部を有する第2のエンドキャップとを有し、多孔質のカートリッジ本体に入る流体がコアに到達する前にフィルタ材料を通り流れなければならなくかつ開口部に到達する前にコアを通り流れなければならないように、第2のエンドキャップが本体の第2の端部に対して液密にシールされ、かつ開口部がコアに対して液密にシールされるフィルタカートリッジを提供することが本発明の1つの目的であり、この改良装置は、位置合わせ装置を有するカートリッジがボウル型式のハウジング内に配置されるとき、カートリッジがボウル内で心合わせされ、第2のエンドキャップの開口部とハウジングの対応する開口部との液密対合が1つまたは複数の位置合わせ装置によって確実にされるのに十分な高さであるように、1つまたは複数の脱着可能に取り付けられる装置が本体の1つまたは複数の部分に固定される。
【0018】
多孔質のカートリッジ本体、多孔質のコアおよび本体とコアの間のフィルタ材料、本体の第1の端部およびコアの第1の端部に対し液密にシールされる第1のエンドキャップ、コアと位置合わせされる開口部を有する第2のエンドキャップとを有し、多孔質のカートリッジ本体に入る流体がコアに到達する前にフィルタ材料を通り流れなければならず、かつ開口部に到達する前にコアを通り流れなければならないように、第2のエンドキャップが本体の第2の端部に対して液密にシールされ、開口部がコアに対して液密にシールされるフィルタカートリッジを提供することが本発明の1つの目的であり、位置合わせ装置を有するカートリッジがボウル型式のハウジング内に配置されるとき、カートリッジがボウル内で心合わせされ、第2のエンドキャップの開口部とハウジングの対応する開口部との液密対合が確実にされるのに十分な高さであり、かつ動作中1つまたは複数の位置合わせ装置によってそのような対合位置に保持されるように1つまたは複数の着脱可能に取り付けられる位置合わせ装置が本体の1つまたは複数の本体部分に固定される。
【0019】
ボウルおよびこのボウルが脱着可能に対合されることができるヘッドから形成され、このヘッドはフィルタカートリッジのポートを液密に受けるためのポートを有し、フィルタカートリッジは外側多孔質本体、本体の第1の端部上の第1の閉じたエンドキャップ、そこから外向きに延びるカートリッジポートを有する第2のエンドキャップ有し、この第2のエンドキャップが本体の第2の端部に対して液密にシールされるフィルタハウジングを提供することが本発明の1つの目的であり、この改良装置は、カートリッジの第2のエンドキャップ本体に対して脱着可能にかつ液密にシールされる1つの位置合わせ装置、およびボウルおよびヘッドが対合されるときヘッドのポートと位置合わせ装置の間の液密シールを確実にするのに十分な高さおよび心合わせ位置合わせをボウル内でカートリッジにもたらす1つまたは複数の位置合わせ装置を備える。
【0020】
リングの平面内にある内側および外側直径を有する支持リングを有する装置であって、その内側直径が膜カートリッジより大きく、その外側直径がハウジング構造体より小さく、かつ支持リングがリングの平面から突起する少なくとも1つの部材を備え、この部材が膜カートリッジと連結するリップを備える、ハウジング構造体に膜カートリッジを取り付けるのに適した位置合わせ装置を提供することが本発明の1つの目的である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来技術のハウジングおよびカートリッジの横断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を含むカートリッジの平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のカートリッジハウジングボウルの平面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を含むハウジングおよびカートリッジの横断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態を含むハウジングおよびカートリッジの横断面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態を含むハウジングおよびカートリッジの横断面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態を含むハウジングおよびカートリッジの横断面図である。
【図8A】本発明による底部位置合わせ装置の平面図である。
【図8B】本発明によるカートリッジの長さ上に使用するための位置合わせ装置の平面図である。
【図9】本発明の第5の実施形態を含むハウジングおよびカートリッジの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図2〜4は、本発明の第1の実施形態を示す。アダプターまたは位置合わせ装置20がカートリッジ6にそのポート8に隣接して(図4参照)取り付けられているのが図2に示されている。この装置20は図4に示すように、カートリッジ6のポート8の上に嵌合し、ハウジング1のヘッド2のポート10と液密に対合する。この装置20は、ボウル4およびヘッド2が一緒に対合されるとき2つのポート8、10が一緒に液密にシールされるのを確実にするのに十分な高さをカートリッジに加える。さらに、この装置20は、2つのポート8、10の正確な位置合わせおよび液密シールを確実にするために、カートリッジがボウル4のリブ24(図3および4)の中心に確実に着座するために十分な幅の部分22を有する。この装置20は、ヘッド2の内側表面25と摩擦的に嵌合するように設計される一連のOリング23を含むネック部分21を有する。
【0023】
図3を見れば分かるように、ボウル4はその側面に形成され、ボウル4の底部26の近くからまたは底部からボウル4の頂部に隣接する位置に延びる一連のリブ24を有する。ボウル4の頂部内側表面は、ヘッド2の対応するねじ12と対合するように設計される一連のねじ14を含む(図4参照)。
【0024】
この装置20は、様々な機械的な装置によってカートリッジのポート8および/または頂部に脱着可能に固定することができる。例えば、図4に示すように、この装置のネック21の内側表面は、ヘッド2に対してシールするためのOリングを通常含むカートリッジの溝28と連結することができるタブ27を有する。別法として、このOリングを溝28内に保持し、この装置の内側表面とカートリッジのOリングの間を摩擦嵌合を使用してそれらを一緒に保持することができる。この装置は、その長さに沿ってカートリッジに取り付けるクリップ(図示せず)を含むこともできる。他のそのような機械的装置は、この分野の当業者には同様に明らかであろう。
【0025】
図5に示す第2の実施形態は、カートリッジ6のポート8を含む端部から遠い端部32に固定される位置合わせ装置30を使用する。この実施形態では、この装置30は、ボウル26の底部に最も近いエンドキャップ34またはエンドキャップ34に隣接するカートリッジ本体上に嵌合する。この装置30は、ボウル4がヘッド2に取り付けられるときカートリッジの既存のポート8がボウル4内のその位置に対して上向きに駆動され、ヘッド2のポート10と良好なシールを確実にするように、一連のリブ35上に置かれている。さらにこの装置30は、2つのポート8、10が適切なシールのために位置合わせされるように、カートリッジ6をボウル4内で同心的に位置合わせされるのを確実にする幅であるか、またはある幅でそこから延びるフランジ、ウイングまたは他のそのような装置36を有するかのいずれかである。
【0026】
図6に示す第3の実施形態は、装置の幅またはどのようなその機構もカートリッジ6とヘッド2のポート10との垂直方向位置合わせまたは心合わせももたらさないことを除き、第2の実施形態の位置合わせ装置と同様な位置合わせ装置40を使用する。この実施形態は、底部に隣接する端部32とポート8に隣接する端部の間のその長さに沿った中間のどこかで、カートリッジ6の本体44に解放可能に固定される第2の位置合わせ装置42を加える。この第2の装置42は、カートリッジポート8とヘッドポート10が同心の位置合わせにあることを確実にする心合わせ能力をシステムに提供する。
【0027】
この第2の装置42は、様々な機械的装置によってカートリッジ6に脱着可能に固定することができる。例えば図6に示すようにこの第2の装置42は、本体44に形成される流体がそれを通りカートリッジ6内に流れ込むまたはカートリッジから流れ出る1つまたは複数の開口部48内に一般に挿入することによって、カートリッジ6の本体44に取り付ける1つまたは複数のクリップ46を有する。好ましくは2つ以上、より好ましくは3つ以上、最も好ましくは3つの非連続のクリップが使用されることができる。別法として、単一の連続するクリップ(図示せず)も使用されることができる。多数の非連続クリップの使用では、それらは装置42の円周周りに互いから等間隔に広がることが好ましい。別法として、第2の装置42の内側表面とカートリッジの本体44の間に、それらを一緒に保持するために摩擦係合を作り出すために第2の装置の内側表面上に形成される溝(図示せず)内に1つまたは複数のOリングを使用することができる。装置42と本体44の間の圧力嵌めを可能にするであろう弾力性のあるプラスチックを単に使用することもできる。他のそのような機械的装置は、この分野の当業者には同様に明らかであろう。
【0028】
図7に示す第4の実施形態は、第2の実施形態の位置合わせ装置20を使用し、第3の実施形態の第2の位置合わせ装置42を加える。両方の装置はボウル4内にカートリッジを位置合わせし、ボウルとヘッド2が一緒に対合するときポート8、10間に液密シールが確実にされるように、第1の要素20がやはりカートリッジ6のポート8をボウル4内に持ち上げる。
【0029】
図で第2の装置42がカートリッジ6の長さまたは垂直軸に沿って下向きにぶら下がるように示されているけれども、それはクリップ46などの保持要素が最も下方にあるように同様に容易に配置することもできる。
【0030】
図8Aおよび8Bは、本発明による位置合わせ装置それ自体を示す。示される装置50は、底部(図8A)または第2の位置合わせ装置(図8B)のいずれかとして使用することができる。
【0031】
図8Aに示すような底部用に使用される装置は、リング52の平面内にある内部リム54および外側直径56を有する支持リング52から構成され、内部リム54の内側直径は、ボウル内に配置されるとき底部の下に嵌合しカートリッジに追加の高さをもたらすことができるように、膜カートリッジの外側寸法より小さい。この内部リムは、ボウル内に配置されるとき0.0625から0.5inch(1.59mmから12.7mm)の追加のカートリッジの高さをもたらすことが好ましい。高さで0.0625から0.25inch(1.59mmから6.35mm)であることがより好ましい。リムが中に挿入されるボウルに応じて、リム54にそれより大きなまたは小さな高さも設計することができる。外側直径56は、ボウルの内側直径と同じまたはそれより小さく、カートリッジの外側直径と同じまたはそれより大きい。
【0032】
図8Bに示すようなカートリッジの長さに対して使用される装置は、リング52の平面内にあるカートリッジの外側直径と同じまたはそれより大きい内側直径および外側直径56を有する支持リング52から構成され、この外側直径56は、ボウルの内側直径と同じまたはそれより小さく、カートリッジの外側直径と同じまたはそれより大きい。これによって図8Bの装置は、カートリッジの長さに沿って使用のその所望の位置に容易に移動することができる。さらに、1つのそのような装置がカートリッジの長さに沿って取り付けられて示されてきたけれども、2つ以上もより長い長さのカートリッジに同様に使用することができる。
【0033】
両実施形態(図8Aおよび8B)で、この支持リング52は上記で述べたようにカートリッジ6と連結する少なくとも1つの取付け装置を備える。図示のこの実施形態では、上記で述べたように位置合わせ装置を取り付けるための他の取付け装置もやはり使用できるけれども、スナップまたはクリップ46の使用が示されている。図示のように、このクリップ46は第1のショルダ58および第2のショルダ60から形成され、第1のショルダ58は支持リング52から(所望により)斜めにまたは垂直に延び、第2のショルダ60は第1のショルダ58から垂直に延びリップ62を有して終端する。第1のショルダ58の少なくとも一部分が、定位置(図示せず)にあるとき追加の保持付勢またはばね効果をもたらすようにリング52の中央に向かって斜め内向きの角度で延びることが好ましい。
【0034】
底部取付け装置として使用されるとき、このリング52は、それが少なくとも高さを、かつ所望の場合上記で述べた心合わせ能力を依然としてもたらすことができる場合は、所望の場合閉じられることができる(図示せず)。
【0035】
図9は、カートリッジの底部に使用されるときの位置合わせ装置用の別の取付け装置を示す。これは、(図示のように外向きの、または所望の場合内向き(図示せず)の)ねじ72を含む特別なエンドキャップ70の使用を必要とする。このリング52は、エンドキャップ70のねじと対合することができるねじ76を含む凹部74を除き剛体である。
【0036】
カートリッジのボウル型式ハウジング内の正確な位置合わせおよび設置およびハウジングに対するカートリッジのこのエンドキャップの液密な方法での適切なシールをもたらすのに加えて、この位置合わせ装置は、圧力変動等に曝されたときでも使用中カートリッジとハウジングの間のシール関係が維持されるのを確実にする。この位置合わせ装置はカートリッジを定位置に保持し、カートリッジに加えられるどのような動作圧力も、従来技術で起こってきたようにカートリッジをハウジングとのシール関係から外へ脱座させまたは押し出すことはない。任意の特定の理論によって結び付けられることは不要であるけれども、この位置合わせ装置はそうでない場合はハウジングに存在する可能性のあるどのようなたるみも取り除き、カートリッジをハウジングおよびその構成部品に対して定位置にほとんど完全に固定する。これによって、全ての流体はハウジングを出る前にフィルタを通過しなければならず、脱座したカートリッジに起因するバイパスが全く起こらないことが確実になる。
【0037】
別法としてこの取付け装置は、所望の場合カートリッジまたはエンドキャップまたは成型スリーブなどのその構成部品の1つに恒久的に取り付けられることができる。この装置は、限定ではなく溶剤接着、オーバーモールデング、接着剤接着、熱または超音波接着等を含む様々な方法で恒久的に取り付けられることができる。
【0038】
ろ過カートリッジ内に使用されるろ過媒体の選択は、工業で通常使用される任意の媒体であることができる。通常この媒体は、限定ではなく、平らなシート膜、らせん状に巻かれた平らなシート膜、ひだのある平らなシート膜、らせん状のひだのある平らなシート膜、中空繊維膜、らせん状に巻かれた連続繊維デプスフィルター媒体などのデプスフィルター媒体、焼結金属フィルタ媒体、セラミック媒体、流体から選択される材料を取り除くためにそれらの表面に取り付けられるリガンドを有する樹脂またはセラミックビーズまたは膜などの活性捕捉材料(active capture material)を含む微粒子媒体、アニオン樹脂、カチオン樹脂またはこの2つだけの混合物、または膜構造体に組み込まれる混合物およびこれらの任意の組合せなどのイオン交換媒体を含む。
【0039】
この媒体は、紙、再生セルロースまたはニトロセルロースなどの他のセルロース材料、ガラス繊維または織物、ステンレス鋼、ニッケル、クロムおよびそれらの合金および混合物などの金属、セラミック、プラスチック、好ましくは超高分子量(ultra molecular weight)ポリエチレンなどのポリエチレンまたはポリプロピレン等を含むポリオレフィン、ホモポリマー、コポリマーまたはターポリマーなどの熱可塑性材料、PVDF、PTFE樹脂、PFA、ECTFEおよび他のフッ素化樹脂、特にパーフルオロ(perfluorinated)熱可塑性樹脂、PVC、ナイロン、ポリアミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリアリルスルフォンおよびポリフェニルスルフォンなどの変性ポリスルフォン、ポリイミド、ポリカーボネート、PET等などのろ過に通常使用される任意の材料で形成することができる。
【0040】
これらの実施形態の全てにおいて、ボウルおよびヘッドはプラスチック、好ましくはポリエチレン、超高分子量ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリオレフィンのコポリマーまたはターポリマーを含む熱可塑性材料、ナイロン、PTFE樹脂、PFA、PVDF、ECTFEおよび他のフッ素化樹脂、特にパーフルオロ熱可塑性樹脂、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリアリルスルフォンおよびポリフェニルスルフォンなどの変性ポリスルフォン、ガラスまたは、熱可塑性または熱硬化性の他の強化プラスチック、またはステンレス鋼、アルミニウム、銅、青銅、黄銅、ニッケル、クロムまたはチタンまたはそれらの合金および混合物などの金属から作ることができる。
【0041】
位置合わせ装置はプラスチック、好ましくはポリエチレン、超高分子量ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリオレフィンのコポリマーまたはターポリマーを含む熱可塑性材料、ナイロン、PTFE樹脂、PFA、PVDF、ECTFEおよび他のフッ素化樹脂、特にパーフルオロ熱可塑性樹脂、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリアリルスルフォンおよびポリフェニルスルフォンなどの変性ポリスルフォン等のプラスチック、ガラスまたは、熱可塑性または熱硬化性の他の強化プラスチックから作ることができる。
【実施例】
【0042】
図5に示す実施形態による図8Aおよび8Bに示すような第1および第2の位置合わせ装置が、この装置の部品として成型されたクリップの使用を介して、長さ10inchのDurapore(登録商標)膜カートリッジ(Millpore Corporation)の底部および中間部分に取り付けられた。底部装置のクリップは底部エンドキャップのリムの上に取り付けられ、第2の装置のクリップがカートリッジの外側本体のスロット内に取り付けられた。このカートリッジは次いでポリプロピレンのハウジングボウル(Millpore Corporation)内に配置され、カートリッジ/ボウルの組合せは、ボウルおよびハウジング上の対合ねじを介して一緒に繋ぎ合わされた。この装置は、カートリッジのポートをヘッドのポートと位置合わせさせかつ液密で着座させることが見出された。
【符号の説明】
【0043】
1 ハウジング
2 ヘッド
4 ボウル
6 カートリッジ
8 ポート
9、23 Oリング
10 ヘッドポート
11 外側表面
12 14 ねじ
16 第2のポート
20、30、40、50 位置合わせ装置
21 ネック部分
22 幅部分
24、35 リブ
25 内側表面
26 底部
27 タブ
28 溝
32 端部
34、70 エンドキャップ
36 フランジ(ウイング)
42 第2の位置合わせ装置
44 カートリッジ本体
46 クリップ
48 開口部
52 支持リング
54 内部リム
56 外側直径
58 第1のショルダ
60 第2のショルダ
62 リップ
72、76 ねじ
74 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタカートリッジの上側または下側表面に脱着可能に取り付けられることができるベースを備え、前記ベースが組み立てられるときフィルタカートリッジをハウジングヘッドに着座させるのに十分な高さであり、かつ組み立てられるときハウジングボウル内でカートリッジを心合わせするのに十分な幅である、フィルタカートリッジ用の位置合わせ装置。
【請求項2】
ベースが、ベースをフィルタカートリッジに取り付けるための少なくとも1つのクリップを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ベースが、ベースをフィルタカートリッジに取り付けるための連続するクリップを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
ベースが、ベースをフィルタカートリッジに取り付けるための互いから間隔をあけた少なくとも2つの不連続なクリップを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
ベースが、ベースをフィルタカートリッジに取り付けるための互いから間隔をあけた2つ以上の不連続なクリップを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
ベースが、ベースをフィルタカートリッジに取り付けるための互いから間隔をあけた3つの不連続なクリップを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
ベースが、ベースをフィルタカートリッジに取り付けるための互いから等しい間隔をあけた3つの不連続なクリップを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
フィルタカートリッジの外側ケーシングに脱着可能に取り付けるための1つまたは複数の追加の位置合わせ装置をさらに備え、前記1つまたは複数の追加の位置合わせ装置は、それが取り付けられるカートリッジの直径よりわずかに大きな直径を有する中空の中央部分、および組み立てられるときハウジングボウル内でカートリッジを心合わせするのに十分な外側直径および1つまたは複数の追加の位置合わせ装置をフィルタカートリッジに取り付けるための少なくとも1つのクリップを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
多孔質のカートリッジ本体、多孔質のコアおよび本体とコアの間のフィルタ材料、本体の第1の端部およびコアの第1の端部に対し液密にシールされる第1のエンドキャップ、コアと位置合わせ可能な開口部を有する第2のエンドキャップとを有し、多孔質のカートリッジ本体に入る流体がコアに到達する前にフィルタ材料を通り流れなければならずかつ開口部に到達する前にこのコアを通過しなければならないように、第2のエンドキャップが本体の第2の端部に対して液密にシールされかつ開口部がコアに対して液密にシールされるフィルタカートリッジであって、改良が、位置合わせ装置を有するカートリッジがボウル型式のハウジング内に配置されるとき、カートリッジがボウル内で心合わせされ、第2のエンドキャップの開口部とハウジングの対応する開口部との液密対合が1つまたは複数の位置合わせ装置によって確実にされるのに十分な高さであるように、1つまたは複数の脱着可能に取り付けられる位置合わせ装置が本体の1つまたは複数の部分に固定されることにある、フィルタカートリッジ。
【請求項10】
多孔質のカートリッジ本体、多孔質のコアおよび本体とコアの間のフィルタ材料、本体の第1の端部およびコアの第1の端部に対し液密にシールされる第1のエンドキャップ、コアと位置合わせ可能な開口部を有する第2のエンドキャップとを有し、多孔質のカートリッジ本体に入る流体がコアに到達する前にフィルタ材料を通り流れなければならなくかつ開口部に到達する前にコアを通り流れなければならないように、第2のエンドキャップが本体の第2の端部に対して液密にシールされかつ開口部がコアに対して液密にシールされるフィルタカートリッジにおける改良であって、位置合わせ装置を有するカートリッジがボウル型式のハウジング内に配置されるとき、カートリッジがボウル内で心合わせされ、第2のエンドキャップの開口部とハウジングの対応する開口部との液密対合が1つまたは複数の位置合わせ装置によって確実にされるのに十分な高さであるように、1つまたは複数の脱着可能に取り付けられる装置が本体の1つまたは複数の部分に固定される改良。
【請求項11】
位置合わせ装置が本体の第1のエンドキャップに脱着可能に取り付けられることができるベースであり、ヘッドおよびボウルが対合されるとき前記ベースが第2のエンドキャップのポートをヘッドのポート内に液密にシールさせるのに十分な高さであり、かつボウルおよびヘッドが対合されるときベースがカートリッジを心合わせするのに十分な幅を有する、請求項10に記載の改良。
【請求項12】
ベースが、ベースを第1のエンドキャップまたは本体に取り付けるための少なくとも1つのクリップを有する、請求項10に記載の改良。
【請求項13】
本体に脱着可能に取り付けるための1つまたは複数の追加の位置合わせ装置をさらに備え、前記1つまたは複数の追加の位置合わせ装置がそれが取り付けられる本体の直径よりわずかに大きな直径を有する中空の中央部分および組み立てられるとき本体をボウル内で心合わせをするのに十分な外側直径を有し、1つまたは複数の追加の位置合わせ装置が1つまたは複数の追加の位置合わせ装置を本体に取り付けるための少なくとも1つのクリップを有する、請求項10に記載の改良。
【請求項14】
ボウルおよびボウルが脱着可能に対合されることができるヘッドから形成され、ヘッドはフィルタカートリッジのポートを液密に受けるためのポートを有し、フィルタカートリッジは外側多孔質本体、本体の第1の端部上の第1の閉じたエンドキャップ、そこから外向きに延びるカートリッジポートを有する第2のエンドキャップとを有し、第2のエンドキャップが本体の第2の端部に対して液密にシールされるフィルタハウジングにおける改良であって、1つの位置合わせ装置がカートリッジの第2のエンドキャップ本体に対して脱着可能にかつ液密にシールされ、1つまたは複数の位置合わせ装置が、ボウルおよびヘッドが対合されるときヘッドのポートと位置合わせ装置の間の液密シールを確実にするのに十分な高さおよび心合わせ位置合わせをボウル内でカートリッジにもたらす改良。
【請求項15】
位置合わせ装置が、第2のエンドキャップのポートを含みかつ液密に固定するための内側中空領域と、ヘッドおよびボウルがカートリッジおよび内部の位置合わせ機構と対合されるときヘッドのポートと液密にシールするのに十分な直径の外側表面とを有する、キャップの形態である、請求項14に記載の改良。
【請求項16】
リングの平面内にある内側および外側直径を有する支持リングを備え、内側直径が膜カートリッジより大きく、外側直径がハウジング構造体より小さく、かつ支持リングがリングの平面から突起する少なくとも1つの部材を備え、この部材が膜カートリッジと連結するリップを備える、ハウジング構造体に膜カートリッジを取り付けるのに適した位置合わせ装置。
【請求項17】
部材が第1および第2のショルダをさらに備える、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
部材が第1および第2のショルダをさらに備え、第1のショルダが支持リングから斜めに延び、第2のショルダが第1のショルダから垂直に延びかつリップを有して終端する、請求項16に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−31848(P2013−31848A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−238632(P2012−238632)
【出願日】平成24年10月30日(2012.10.30)
【分割の表示】特願2007−20482(P2007−20482)の分割
【原出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(504115013)イー・エム・デイー・ミリポア・コーポレイシヨン (33)
【Fターム(参考)】