説明

フィルタ及びセジメンタ

【課題】燃料から水を十分に分離することが可能であり、且つ、目詰まりが生じにくいフィルタ及びセジメンタを提供する。
【解決手段】セジメンタ100は、フィルタ10が装着されたものであり、このフィルタ10は、撥水性を有する樹脂性のメッシュと、当該メッシュを保持するためのフレームとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ及びセジメンタに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料(例えば、軽油)に水が混入した状態のまま、当該燃料がエンジンや燃料噴射装置などに供給されると、各種の支障が生じてしまう。そこで、燃料の供給経路には、燃料から水を除去するために、セジメンタが設けられている。このセジメンタは、セジメンタ装着用のフィルタ(以下単に「フィルタ」という。)を備え、水と燃料の比重差を利用して両者を分離し、燃料から水を除去する装置である(特許文献1参照)。
【0003】
ところが、このようなセジメンタにあっては、燃料の流速が早くなり、或いは、燃料の流量が大きくなると、燃料から水が十分に分離される前(具体的には、水が自重落下して、燃料から十分に分離される前)に、燃料がセジメンタを通過してしまう。そのため、水が2次側(具体的には、エンジン側若しくは燃料噴射側)へ流出しやすくなり、前述した支障を十分に防止することができない。
【0004】
そこで、従来のセジメンタにあっては、燃料から水を十分に分離するために、フィルタとして撥水性の濾紙が使用されている。このように、フィルタとして撥水性の濾紙を使用した場合には、燃料は濾紙を通過する一方で、水は濾紙を通過しないため、燃料から水を十分に分離することが可能となる。
【特許文献1】特開平6−280710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術の如く、フィルタとして撥水性の濾紙を使用した場合には、当該濾紙が燃料中のダストを捕捉し、フィルタに目詰まりが生じやすくなる。その結果、従来のセジメンタにあっては、目詰まりしたフィルタを新しいものに交換するために、フィルタの定期交換が必要となるなど、各種の問題が生じてしまう。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、燃料から水を十分に分離することが可能であり、且つ、目詰まりが生じにくいフィルタ及びセジメンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のセジメンタ装着用のフィルタは、撥水性を有する樹脂性のメッシュと、当該メッシュを保持するためのフレームと、を有する。
また、本発明のセジメンタは、前記フィルタが装着されたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、燃料から水を十分に分離することが可能であり、且つ、目詰まりが生じにくいフィルタ及びセジメンタを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図1〜図3を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の実施形態に係るセジメンタ100を示す概略断面、図2は図1のフィルタ10を示す側面図、図3は図2のA−A線矢視図である。
【0010】
図1に示すセジメンタ100は、図2及び図3に示すフィルタ10が装着されたものであり、このフィルタ10は、撥水性を有する樹脂性のメッシュ1と、メッシュ1を保持するためのフレーム2とを有する。メッシュ1は、複数の開口部2aが形成された筒型のフレーム2に貼り付けられ、これらのメッシュ1及びフレーム2が一体化されている。
【0011】
メッシュ1の素材は、撥水性を有する樹脂性のものであれば、特に限定されるものではなく、このような素材として、例えば、フッ素などを使用することが可能である。
【0012】
また、メッシュ1の粒径は、60μm以上とし、具体的には、60μm〜300μmである。メッシュ1の粒径が60μm未満の場合には、メッシュ1に目詰まりが生じるリスクが増大し、とりわけ、エマルジョン化した水によってメッシュ1に目詰まりが生じやすくなってしまうため、メッシュ1の粒径は、60μm以上とする。また、JISD1617又はISO4020に規定された試験法においてサクション側でフィルタを使用する場合には、水の粒径は約300μmであることから、この粒径以下のメッシュを使用することとする。これにより、燃料から水を分離することが可能となる。特に、メッシュのオープニングを燃料中のダストにて目詰まりしないサイズ、例えば200μmとした場合には、フィルタ10に目詰まりが生じにくくなり、フィルタ10の定期交換が不要となる。
【0013】
このような本発明の実施形態にあっては、1次側からセジメンタ100内に流入した燃料は、セジメンタ100内のフィルタ10を外側から内側へ通過し、2次側に流出する。燃料がフィルタ10を通過する際、燃料そのものはフィルタ10を通過するが、当該燃料に混入していた水はフィルタ10を通過しないので、燃料から水が十分に分離されることとなる。しかも、このフィルタ10は、撥水性を有する樹脂性のメッシュ1を使用しているため、目詰まりしにくい。このようにして、本発明の実施形態によれば、燃料から水を十分に分離することが可能となり、且つ、目詰まりが生じにくいフィルタ10及びセジメンタ100を提供することが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のセジメンタを示す概略断面図である。
【図2】本発明のフィルタを示す側面図である。
【図3】図2のA−A線矢視図である。
【符号の説明】
【0015】
1 メッシュ
2 フレーム
2a 開口部
10 フィルタ
100 セジメンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撥水性を有する樹脂性のメッシュと、
当該メッシュを保持するためのフレームと、
を有するセジメンタ装着用のフィルタ。
【請求項2】
請求項1に記載の前記フィルタが装着されたセジメンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−13995(P2010−13995A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−173813(P2008−173813)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【出願人】(000220804)東京濾器株式会社 (84)
【Fターム(参考)】