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フィルタ洗浄装置及びフィルタ洗浄方法
説明

フィルタ洗浄装置及びフィルタ洗浄方法

【課題】フィルタの濾材内部まで効果的に洗浄し、濾材内部に捕集された異物を押し出す高性能でコンパクトなフィルタ洗浄装置及びフィルタ洗浄方法を提供する。
【解決手段】フィルタ洗浄装置1は、フィルタ2を移送するコンベア3と、コンベア3上においてフィルタ2に洗浄液を噴射する複数の洗浄液噴射ノズル24からなる洗浄液噴射ノズル群4と、コンベア3上において洗浄液噴射ノズル群4の下流側でフィルタ2に高圧ガスのみを噴射する複数の高圧ガス噴射ノズル25からなる高圧ガス噴射ノズル群5と、を備え、フィルタ洗浄方法は、フィルタ2をコンベア3に搭載するステップと、フィルタ2を搬送しながらフィルタ2に洗浄液を噴射するステップと、フィルタ2を搬送しながらフィルタ2に高圧ガスのみを噴射するステップと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ洗浄装置及びフィルタ洗浄方法に係り、特に、例えば、空気調和機などに備えられるフィルタの洗浄装置、及びこのフィルタ洗浄装置を用いたフィルタの洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、建物の空気調和機などの空気取入口には、周縁に枠が形成された網状のフィルタを装着し、空気調和機などにより吸入された空気中の塵埃などの異物を捕集して空気を濾過するのが一般的である。このフィルタは、使用により塵埃などの異物がフィルタ面に付着し、フィルタの空気を濾過する能力が低下するため、一定期間ごとにフィルタを空気取入口から取り外して交換または洗浄し、異物を除去することが行なわれている。
【0003】
この網状フィルタの洗浄は、例えば、高圧エアジェッタなどによる水洗浄、バキュームによる吸引、バイブレータなどを使用したふるい(叩き)落し、ブラシによる掻き落とし等、或いはこれらの組合せにより実施される。そして、これらの洗浄作業は手作業もしくは半自動により行われる。
【0004】
例えば、特許文献1には、空調機などの空気取り入れ口に装着される網状のフィルタを洗浄するフィルタ洗浄装置が開示されている。ここでは、空調機などに装着される周縁に枠を有する網状のフィルタに付着する埃などを、エアノズルによるエアの噴出と回転ブラシの作動とでフィルタの汚れ面から除去することが開示されている。
【0005】
また、中性能或いは高性能な空調用フィルタとして、濾材を用いた空調用フィルタが採用されている。この濾材を用いた空調用フィルタは、プレフィルタにより網状フィルタを装着して塵埃などを捕集した後、空気中の微細な粉塵や油成分などまでも捕集する。この濾材は化学繊維を主体とした多孔質の不織布などからなり、その網目状構造により空気中の微細な粉塵や油成分などの異物を捕集する。なお、空調用フィルタ(或いはフィルタ)が捕集する空気中の微細な粉塵や油成分などを本明細書では「異物」と総称する。
【0006】
従来、この空調用フィルタは濾材の洗浄の難しさから使い捨てされていたが、環境問題への関心の高まりにより洗浄再生されて再使用する試みが研究されている。そして、空調用フィルタを回収して洗浄する自動化された洗浄方法が提案されている。この空調用フィルタの自動化された洗浄は、主に超音波の洗浄効果を利用した超音波洗浄システムにより行なわれている。また、例えばケミカルフィルタのようなガス吸着フィルタに向いた超臨界二酸化炭素を利用した洗浄システムも提案されている。
【0007】
一方、特許文献2には、空調設備に用いられるフィルタを自動的に洗浄処理するフィルタの洗浄装置が開示されている。ここでは、搬送コンベアによって移送されるフィルタの移送路上に、搬送コンベアの搬送面に向けて高圧エアを噴射する複数のエア噴射ノズルを搬送コンベアの幅方向に所要の間隔をおいて設け、そのエア噴射ノズルの下流側に、高圧エアの噴射口を中心に有し、その外側に水噴射口が形成され、その両口から高圧エアと高圧水とを同時に噴射する複数の気液噴射ノズルを搬送コンベアの幅方向に所要の間隔をおいて設けることが開示されている。
【0008】
一方、特許文献3には、フィルタ洗浄装置が開示されている。ここでは、洗浄水を噴出する洗浄用ノズルと、前記洗浄用ノズルから所定の距離を置いて被洗浄物のフィルタを前記洗浄用ノズルの反対側へ傾倒して支持するワーク受け台を備え、被洗浄物のフィルタの汚れた面を前記ワーク受け台側に配置し、前記洗浄用ノズルと前記ワーク受け台の一方を駆動装置により平行に移動するように構成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特公平06−102128号公報
【特許文献2】特開平09−122425号公報
【特許文献3】特許第2839286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
網状フィルタの洗浄手段である、例えば、高圧エアジェッタなどによる水洗浄、バキュームによる吸引、バイブレータなどを使用したふるい(叩き)落し、ブラシによる掻き落とし等の手段、或いはこれらの組合せによる手段は、濾材を用いた空調用フィルタのフィルタに付着した異物を除去するには不十分であるという問題がある。
【0011】
すなわち、中性能或いは高性能な空調用フィルタに捕集されている異物は、フィルタを構成する濾材の繊維表面又は繊維間に付着しているため、異物を繊維から剥離させ、フィルタから排出させる必要がある。これに対して、高圧エアジェッタなどによる水洗浄、バキュームによる吸引、バイブレータなどを使用したふるい(叩き)落しなどは、繊維に付着した異物を十分に剥離させることができない。また、ブラシによる掻き落としでは、ブラシによる摩擦がフィルタ濾材を破損させてしまうという問題がある。
【0012】
また、濾材を用いた中性能或いは高性能な空調用フィルタの洗浄に使用されている超音波洗浄システムは、大型な装置が必要であり消費電力が高いため省エネルギに反し、環境への配慮が問題となる。また、超臨界二酸化炭素洗浄システムは、大型な装置が必要となる、装置が特殊であるため装置管理などに専門性が必要となる、連続運転が困難である、或いは、一回の洗浄フィルタの枚数が限られ生産性に劣る、などの問題がある。
【0013】
さらに、特許文献2に示されるフィルタの洗浄装置は、後述するように、液体を連続的に噴射するためフィルタの表面に液体が溜ってしまい、高圧エアが繊維間の異物を押し出すのに抵抗してしまい洗浄効果が低下するという問題がある。また、連続的に液体が噴射されて濾材内部に液体が浸ることで水膜が形成され、噴射される高圧エアが濾材内部を縦断するのをブロックし、異物を押し出す効果が低下するという問題がある。
【0014】
本願の目的は、かかる課題を解決し、フィルタの濾材内部まで効果的に洗浄し、濾材内部に捕集された異物を押し出す高性能でコンパクトなフィルタ洗浄装置及びフィルタ洗浄方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明に係るフィルタ洗浄装置は、フィルタを移送するフィルタ搬送手段と、フィルタ搬送手段の搬送面上のフィルタに洗浄液を噴射する洗浄液噴射ノズルと、フィルタ搬送手段の搬送面上のフィルタに、洗浄液噴射ノズルの下流側で高圧ガスのみを噴射する高圧ガス噴射ノズルと、を備えることを特徴とする。
【0016】
上記構成により、フィルタ洗浄装置は、フィルタ搬送手段により移送されるフィルタに対し、洗浄液噴射ノズルによりフィルタ内部に噴射された洗浄液が濾材から異物を剥離させ、さらに、高圧ガス噴射ノズルにより噴射された高圧ガスにより異物が洗浄液と共にフィルタから押し出される。この際に、高圧ガスが濾材を構成する繊維表面及び繊維間に圧力を加えながら移動するため、洗浄液により繊維表面から剥離した異物、及び洗浄液により流動性が高まった繊維間の異物をフィルタから押し出すことができる。このように、フィルタの濾材内部まで効果的に洗浄でき、高性能でコンパクトなフィルタ洗浄装置とすることができる。
【0017】
また、フィルタ洗浄装置は、洗浄液噴射ノズル及び高圧ガス噴射ノズルが、1組の連続する装置として複数組設けられることが好ましい。これにより、例えば、予備洗浄、粗洗浄、精密洗浄といったように段階的に洗浄の精度を上げ、フィルタの洗浄効果を高めることができる。
【0018】
また、フィルタ洗浄装置は、洗浄液噴射ノズルが、移送されるフィルタに対して上側から洗浄液を噴射する上部洗浄液噴射ノズルと、下側から洗浄液を噴射する下部洗浄液噴射ノズルと、から構成されることが好ましい。これにより、フィルタに上下双方から洗浄液が噴射され、濾材の表面及び裏面から洗浄液により異物を効率的に剥離させることができる。
【0019】
また、フィルタ洗浄装置は、洗浄液噴射ノズル及び高圧ガス噴射ノズルが、移送されるフィルタの上下方向の厚みにより昇降する昇降装置に取付けられることが好ましい。これにより、上下方向の厚みが異なるフィルタに対し、洗浄されるフィルタに最適な高さ方向の位置から洗浄液及び高圧ガスを噴射することができる。
【0020】
また、フィルタ洗浄装置は、フィルタ搬送手段が、ベルトコンベアと、回転するベルトコンベアに連動して回転してフィルタを移送する複数のローラコンベアと、から構成されることが好ましい。これにより、洗浄されるフィルタを連続的に処理する自動化が可能となる。
【0021】
上記目的を達成するため、本発明に係るフィルタ洗浄方法は、フィルタをフィルタ搬送手段に搭載するステップと、フィルタをフィルタ搬送手段により搬送しながらフィルタに洗浄液を噴射するステップと、フィルタをフィルタ搬送手段により搬送しながらフィルタに高圧ガスのみを噴射するステップと、を備えることを特徴とするフィルタ洗浄方法。
【0022】
上記構成により、フィルタ洗浄方法は、フィルタ搬送手段のコンベアに搭載したフィルタに対し、まず、洗浄液噴射ノズルによりフィルタ内部に噴射された洗浄液が異物を剥離させ、さらに、高圧ガス噴射ノズルにより噴射された高圧ガスにより異物が洗浄液と共にフィルタから押し出される。この際に、高圧ガスが濾材を構成する繊維表面及び繊維間に圧力を加えながら移動するため、洗浄液により繊維表面から剥離した異物、及び洗浄液により流動性が高まった繊維間の異物をフィルタから押し出すことができる。このように、フィルタの濾材内部まで効果的に洗浄でき、高性能なフィルタ洗浄方法とすることができる。
【0023】
また、フィルタ洗浄方法は、フィルタに洗浄液を噴射するステップと、フィルタに高圧ガスを噴射するステップとが、1組の連続するステップとして複数回繰り返されることが好ましい。これにより、例えば、予備洗浄ステップ、粗洗浄ステップ、精密洗浄ステップといったように段階的に洗浄の精度を上げ、フィルタの洗浄効果を高めることができる。
【0024】
さらに、フィルタ洗浄方法は、洗浄液が、フィルタの上側及び下側においてフィルタの移送方向に所定の間隔を有して設置された1組の噴射ノズルからフィルタに噴射され、洗浄液を噴射するステップは、一方の噴射ノズルが洗浄液をフィルタに噴射するステップと、他方の噴射ノズルがフィルタに洗浄液を噴射するステップとから構成されることが好ましい。これにより、フィルタに上下双方から洗浄液が噴射され、濾材の表面及び裏面から洗浄液により異物を効率的に剥離させることができる。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明に係るフィルタ洗浄装置及びフィルタ洗浄方法によれば、フィルタの濾材内部まで効果的に洗浄し、濾材内部に捕集された異物を押し出す高性能でコンパクトなフィルタ洗浄装置及びフィルタ洗浄方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係るフィルタ洗浄装置の1つの実施形態の概略構成を側面から示す説明図である。
【図2】図1のフィルタ洗浄装置のA―A断面を示す説明図である。
【図3】1組の洗浄液噴射ノズル群及び高圧ガス噴射ノズル群によるフィルタ洗浄の説明図である。
【図4】フィルタ内へ高圧ガス噴射ノズル群から噴射した高圧ガスによる異物の押し出しを示す説明図である。
【図5】本発明に係るフィルタ洗浄方法の基本的な実施形態の概略構成を示すフローチャートである。
【図6】図5の実施形態に加えてさらに繰り返し洗浄する場合の概略構成を示すフローチャートである。
【図7】図6の実施形態に加えてさらにフィルタの上下方向から洗浄する場合の概略構成を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(フィルタ洗浄装置)
以下に、図面を用いて本発明に係るフィルタ洗浄装置1の実施形態につき、詳細に説明する。図1は、フィルタ洗浄装置1の1つの実施形態の概略構成を側面から示す説明図である。また、図2は、図1のフィルタ洗浄装置1のA―A断面を示す説明図である。
【0028】
本実施形態では、フィルタ2は、化学繊維を主体とした多孔質の不織布などからなる濾材を用いた空調用フィルタであり、中性能或いは高性能な空調用フィルタである。このフィルタ2は、例えば、建物の空気調和機などの空気取入口に取り付けられ、吸入された空気に含まれる塵埃などの異物を捕集して空気を濾過する。従って、このフィルタ2は、塵埃などの異物がフィルタ2に付着し空気を濾過する能力が低下するため、一定期間ごとにフィルタ2を空気取入口から外して洗浄しなければならない。この濾材を用いたフィルタ2の厚みは、約10mm〜約500mmの範囲であり、その網目状構造により空気中の微細な粉塵や油成分などまでも捕集する。フィルタ2は、その縦横の大きさにより単一個、或いは複数個が洗浄用の枠材に収められてフィルタ洗浄装置1に搭載されて洗浄される。
【0029】
フィルタ洗浄装置1は、ケーシング19内に設置され、フィルタ2を移送するフィルタ搬送手段であるコンベア3、コンベア3の搬送面上のフィルタ2に洗浄液を噴射する複数の洗浄液噴射ノズル24からなる洗浄液噴射ノズル群4、及びコンベア3の搬送面上のフィルタ2に、洗浄液噴射ノズル群4の下流側で高圧ガスのみを噴射する複数の高圧ガス噴射ノズル25からなる高圧ガス噴射ノズル群5から構成される。すなわち、後述するように、本発明に係るフィルタ洗浄装置1は、洗浄されるフィルタ2がコンベア3で移送され、洗浄液噴射ノズル群4により洗浄液がフィルタ2に噴射され、その下流側で高圧ガス噴射ノズル群5により高圧ガスのみフィルタ2に噴射されることで、フィルタ2の濾材内部まで効果的に洗浄し、繊維表面から剥離した異物だけではなく繊維間に捕集された異物を押し出すことが可能となる。この高圧ガスの速度は、約50m/sから約300m/sの範囲である。ここで、図2に示すように、洗浄液噴射ノズル群4は、直線状に列をなした複数の洗浄液噴射ノズル24から構成される。また、高圧ガス噴射ノズル群5も、直線状に列をなした複数の高圧ガス噴射ノズル25から構成される。
【0030】
コンベア3は、左右のローラ6a及び6b及びベルト7からなるベルトコンベア、及び複数のローラコンベア8から構成される。フィルタ2は、コンベア3により図1中の矢印Bの方向に移送される。すなわち、フィルタ洗浄装置1は、図1に示すように、相互に略平行に配設されたローラ6a及びローラ6bにベルト7が巻き掛けられたベルトコンベアがベルト駆動モータ(図示せず)によりローラ軸9を介して回転する。そして、フィルタ2は、ベルト7を介してローラ6a,6bに連動して回転するローラコンベア8により移送される。但し、ローラコンベア8を省略し、移送されるフィルタ2をベルト7に搭載して搬送しても良い。この場合、ベルト7には洗浄液及び高圧ガスが流れ出すための穴が複数設けられていることが望ましい。
【0031】
本実施形態では、洗浄液噴射ノズル群4は、移送されるフィルタ2に対して上側から洗浄液を噴射する上部洗浄液噴射ノズル群4a,4c、4eと、下側から洗浄液を噴射する下部洗浄液噴射ノズル群4b,4d、4fと、から構成される。そして、本実施形態では、フィルタ2の洗浄は予備洗浄領域、粗洗浄領域、及び精密洗浄領域の3つの領域から構成される。このように、フィルタ2は、段階的に繰り返して洗浄され、予備洗浄領域、粗洗浄領域、及び精密洗浄領域を順次通過することでその洗浄度が高まっていく。但し、フィルタ2の洗浄は予備洗浄領域、粗洗浄領域、及び精密洗浄領域の3つの領域に限らず、1つ又は2つの領域、或いは4つ以上の領域から構成されても良い。
【0032】
従って、予備洗浄領域では、フィルタ2の上部の予備洗浄用洗浄液噴射ノズル群4a、フィルタ2の下部の予備洗浄用洗浄液噴射ノズル群4b、及び予備洗浄用高圧ガス噴射ノズル群5aが1組の洗浄装置を形成する。同様に、粗洗浄領域では、フィルタ2の上部の粗洗浄用洗浄液噴射ノズル群4c、フィルタ2の下部の粗洗浄用洗浄液噴射ノズル群4d、及び粗洗浄用高圧ガス噴射ノズル群5bが1組の洗浄装置を形成する。さらに、精密洗浄領域では、フィルタ2の上部の精密洗浄用洗浄液噴射ノズル群4e、及びフィルタ2の下部の精密洗浄用洗浄液噴射ノズル群4f、及び精密洗浄用高圧ガス噴射ノズル群5cが1組の洗浄装置を形成する。
【0033】
フィルタ洗浄装置1の各領域の洗浄液噴射ノズル群4a〜4fには、洗浄液タンク10から洗浄液供給配管12を介して洗浄液ポンプ11により洗浄液が供給される。洗浄液の供給量は、図2に示すように洗浄液噴射ノズル群4a〜4fに設けられた噴射液制御装置18により制御され、適切な洗浄液の量が供給される。図2に示すように、各領域の洗浄液噴射ノズル群4a〜4fには複数の洗浄液噴射ノズル24が直線的な列をなして取り付けられ、フィルタ2の幅方向の全体に略均等に洗浄液を噴射する。図2に示す本実施形態では、洗浄液噴射ノズル群4aは、7個の洗浄液噴射ノズル24から構成されるが、この個数には限らない。
【0034】
フィルタ洗浄装置1の各領域の高圧ガス噴射ノズル群5a〜5cについても同様に、高圧ガスタンク13から高圧ガス供給配管14を介して高圧ガスが供給される。高圧ガスの供給量は、高圧ガス噴射ノズル群5a〜5cに設けられた高圧ガス制御装置(図示せず)により制御され、適切な高圧ガスの量が供給される。各領域の高圧ガス噴射ノズル群5a〜5cには複数の高圧ガス噴射ノズル25が直線的な列をなして取り付けられ、フィルタ2の幅方向の全体に略均等に高圧ガスを噴射する。
【0035】
洗浄液噴射ノズル群4及び高圧ガス噴射ノズル群5は、移送されるフィルタ2の上下方向の厚み(d)により図1に示すC方向に昇降する昇降装置15に架台16及び支持棒17を介して取付けられる。すなわち、移送されるフィルタ2の上下方向の厚み(d)は、約10mm〜約500mmの範囲であり、昇降装置15は、このフィルタ2の上下方向の厚み(d)に対して最適な高さ方向の位置から洗浄液噴射ノズル群4及び高圧ガス噴射ノズル群5に噴射をさせるように昇降する。この昇降装置15には、ボールねじ(図示せず)が設けられ、サーボモータ(図示せず)によりC方向に昇降するが、他の方式、例えばロック・シリンダなどにより昇降させても良い。
【0036】
(本発明に係るフィルタ洗浄)
図3に、本発明に係る1組の洗浄液噴射ノズル24a,24b及び高圧ガス噴射ノズル25によるフィルタ2の洗浄について模式的に示す。図3中のフィルタ2のE面は、建物の空気調和機などの空気取入口に取り付けられた場合に排出側となる面であり、F面は吸入側となる面である。図3中のX方向は上面の方向であり、Y方向はフィルタ2が移送される方向である。すなわち、例えば、建物の空気調和機などの空気取入口において吸入され、フィルタ2の不織布20に捕集された異物21は、高圧ガス噴射ノズル25により吸入された方向と逆方向に向かって排出される。つまり、異物21を高圧ガス23により元の経路の方向に戻すように排出する。
【0037】
Y方向に移送されたフィルタ2には、まずフィルタ2の上方に設けられた予備洗浄用洗浄液噴射ノズル群4a、粗洗浄用洗浄液噴射ノズル群4c、又は精密洗浄用洗浄液噴射ノズル群4eにより洗浄液が噴射される。これにより、フィルタ2のE面側の表面の不織布20に捕集された異物21が洗浄液22により浸されて剥離する。また、フィルタ2のE面側内部の不織布20に捕集された異物21が洗浄液22により浸されて剥離する。次に、フィルタ2には、予備洗浄用洗浄液噴射ノズル群4aなどからY方向に距離(D)だけ離れた位置でフィルタ2の下方に設けられた予備洗浄用洗浄液噴射ノズル群4b、粗洗浄用洗浄液噴射ノズル群4d、又は精密洗浄用洗浄液噴射ノズル群4fにより洗浄液が噴射される。これにより、フィルタ2のF面側の表面の不織布20に捕集された異物21が洗浄液22により浸されて剥離する。また、フィルタ2のF面側内部の不織布20に捕集された異物21が洗浄液22により浸されて剥離する。
【0038】
このように、フィルタ2の上面及び下面から時間差をもって洗浄液を噴射することで、相互の噴射液が衝突することなく、それぞれの表面近傍に捕集された異物21を共に洗浄液により効果的に剥離できる。また、フィルタ2の内部の不織布20に捕集された異物21に対して両側から洗浄液を噴射することでフィルタ2全体に満遍なく洗浄液を散布できる。
【0039】
洗浄液22を噴射され内部まで洗浄液に浸ったフィルタ2には、さらに、予備洗浄用高圧ガス噴射ノズル群5a,粗洗浄用高圧ガス噴射ノズル群5b,又は精密洗浄用高圧ガス噴射ノズル群5cにより高圧ガスが噴射される。図4に、フィルタ2内へ高圧ガス噴射ノズル群5から噴射した高圧ガス23による異物21の押し出しの様子を模式的に示す。
【0040】
図4(a)には、フィルタ2に対して高圧ガス噴射ノズル群5a,5b,5cから噴射した高圧ガス23のみにより異物21を押し出す機構を模式的に示す。高圧ガス噴射ノズル25から噴射された高圧ガス23は、フィルタ2内において高圧水に比べて抵抗が少ないので、フィルタ2を縦断して吹き抜け、フィルタ2の内部の不織布20に捕集された異物21をその圧力により押し出す。このとき、不織布20に捕集された異物21は、洗浄液22に浸され剥離されることで繊維間の移動度が向上しており、洗浄液22と共に高圧ガス23の圧力で容易にフィルタ2の外部へと押し出される。
【0041】
一方、図4(b)には、特許文献2に記載されているように、フィルタ2内へ高圧エアと高圧水とを同時に噴射する場合についての機構を模式的に示す。この場合には、高圧水29が継続してフィルタ2に放水されるため、フィルタ2の表面に水溜り26が生じて高圧エアがフィルタ2を縦断して吹き抜けるのをブロックしてしまう。また、高圧水29が継続して放水されるため、フィルタ2の内部において部分的に水膜27が生じて高圧エアがフィルタ2を縦断して吹き抜けるのをブロックしてしまう。このことから、本発明に係るフィルタ洗浄装置1のように高圧水29を用いずに高圧ガス23のみを使用することで効率的に不織布20に捕集された異物21を押し出すことができる。
【0042】
(フィルタ洗浄方法)
図5〜図7に、本発明に係るフィルタ洗浄方法をフローチャートで示す。図5は、フィルタ洗浄方法の基本的なフローチャートである。図6は、繰り返し洗浄する場合のフローチャートである。さらに、図7は、洗浄液をフィルタ2の上下から噴射する場合のフローチャートである。各ステップには、ステップを示す“S”という記号に番号を付加してフィルタ洗浄方法の順番を示す。
【0043】
まず、図5に示すように、洗浄するフィルタ2をフィルタ搬送手段であるコンベア3に搭載する(S1)。次に、フィルタ2をコンベア3により搬送しながらフィルタ2に洗浄液を噴射する(S2)。さらに、フィルタ2をコンベア3により搬送しながらフィルタ2に高圧ガスのみを噴射する(S3)。そして、次に洗浄するフィルタ2がある場合にはステップ1に戻り、ない場合には終了する(S4)。
【0044】
ここで、フィルタ2に洗浄液を噴射するステップ(S2)と、フィルタ2に高圧ガスを噴射するステップ(S3)とは、1組の連続するステップとし、本実施形態では3回繰り返される。すなわち、予備洗浄ステップ、粗洗浄ステップ、及び精密洗浄ステップである。但し、この1組の連続するステップは、予備洗浄ステップ、粗洗浄ステップ、及び精密洗浄ステップの3回に限らず、1回或いは2回の洗浄ステップであるか、或いは4回以上の洗浄ステップであっても良い。
【0045】
上述したステップは、図6に示すフローチャートとなる。すなわち、洗浄するフィルタ2をフィルタ搬送手段であるコンベア3に搭載する(S1)。まず、予備洗浄ステップにおいて、予備洗浄としてフィルタ2に洗浄液を噴射し(S2a)、フィルタ2に高圧ガスのみを噴射する(S2b)。次に、粗洗浄ステップにおいて、粗洗浄としてフィルタ2に洗浄液を噴射し(S3a)、フィルタ2に高圧ガスのみを噴射する(S3b)。さらに、精密洗浄ステップにおいて、精密洗浄としてフィルタ2に洗浄液を噴射し(S4a)、フィルタ2に高圧ガスのみを噴射する(S4b)。そして、次に洗浄するフィルタ2がある場合にはステップ1に戻り、ない場合には終了する(S5)。
【0046】
また、洗浄液は、フィルタ2の上側及び下側においてフィルタ2の移送方向に所定の間隔を有して設置された1対の洗浄液噴射ノズル群4からフィルタ2に噴射され、洗浄液を噴射するステップは、一方の洗浄液噴射ノズル群4が洗浄液をフィルタ2に噴射するステップと、他方の洗浄液噴射ノズル群4がフィルタ2に洗浄液を噴射するステップとから構成される。
【0047】
上述したステップは、図7に示すフローチャートとなる。洗浄するフィルタ2をフィルタ搬送手段であるコンベア3に搭載する(S1)。予備洗浄ステップにおいて、予備洗浄としてフィルタ2に上側から洗浄液を噴射し(S2a)、フィルタ2に下側から洗浄液を噴射し(S2a)、フィルタ2に高圧ガスのみを噴射する(S2b)。次に、粗洗浄ステップにおいて、粗洗浄としてフィルタ2に上側から洗浄液を噴射し(S3a)、フィルタ2に下側から洗浄液を噴射し(S3a)、フィルタ2に高圧ガスのみを噴射する(S3b)。さらに、精密洗浄ステップにおいて、精密洗浄としてフィルタ2に上側から洗浄液を噴射し(S4a)、フィルタ2に下側から洗浄液を噴射し(S4a)、フィルタ2に高圧ガスのみを噴射する(S4b)。そして、次に洗浄するフィルタ2がある場合にはステップ1に戻り、ない場合には終了する(S5)。なお、このフローチャートにおいて、フィルタ2の上側からの洗浄液噴射のステップと下側からの洗浄液噴射のステップは、順序が逆であっても良い。
【0048】
図5の実施形態に加えてさらにフィルタの上下方向から洗浄する場合のフローチャートについては、上述した各フローチャートから明らかであるため説明を省略する。
【符号の説明】
【0049】
1 フィルタ洗浄装置、2 フィルタ、3 コンベア、4 洗浄液噴射ノズル群,4a 予備洗浄用洗浄液噴射ノズル群(上部),4b 予備洗浄用洗浄液噴射ノズル群(下部),4c 粗洗浄用洗浄液噴射ノズル群(上部),4d 粗洗浄用洗浄液噴射ノズル群(下部),4e 精密洗浄用洗浄液噴射ノズル群(上部),4f 精密洗浄用洗浄液噴射ノズル群(下部)、5 高圧ガス噴射ノズル群,5a 予備洗浄用高圧ガス噴射ノズル群,5b 粗洗浄用高圧ガス噴射ノズル群,5c 精密洗浄用高圧ガス噴射ノズル群、6a,6b ローラ、7 ベルト、8 ローラコンベア、9 ローラ軸、10 洗浄液タンク、11 洗浄液ポンプ、12 洗浄液供給配管、13 高圧ガスタンク、14 高圧ガス供給配管、15 昇降装置、16 架台、17 支持棒、18 噴射液制御装置、19 ケーシング、20 不織布、21 異物、22 洗浄液、23 高圧ガス、24a,24b 洗浄液噴射ノズル、25 高圧ガス噴射ノズル、26 水溜り、27 水膜、28 気液噴射ノズル、29 高圧水。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタを移送するフィルタ搬送手段と、
フィルタ搬送手段の搬送面上のフィルタに洗浄液を噴射する洗浄液噴射ノズルと、
フィルタ搬送手段の搬送面上のフィルタに、洗浄液噴射ノズルの下流側で高圧ガスのみを噴射する高圧ガス噴射ノズルと、
を備えることを特徴とするフィルタ洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載のフィルタ洗浄装置であって、洗浄液噴射ノズル及び高圧ガス噴射ノズルは、1組の連続する装置として複数組設けられることを特徴とするフィルタ洗浄装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフィルタ洗浄装置であって、洗浄液噴射ノズルは、移送されるフィルタに対して上側から洗浄液を噴射する上部洗浄液噴射ノズルと、下側から洗浄液を噴射する下部洗浄液噴射ノズルと、から構成されることを特徴とするフィルタ洗浄装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1に記載のフィルタ洗浄装置であって、洗浄液噴射ノズル及び高圧ガス噴射ノズルは、移送されるフィルタの上下方向の厚みにより昇降する昇降装置に取付けられることを特徴とするフィルタ洗浄装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1に記載のフィルタ洗浄装置であって、フィルタ搬送手段は、ベルトコンベアと、回転するベルトコンベアに連動して回転してフィルタを移送する複数のローラコンベアと、から構成されることを特徴とするフィルタ洗浄装置。
【請求項6】
フィルタをフィルタ搬送手段に搭載するステップと、
フィルタをフィルタ搬送手段により搬送しながらフィルタに洗浄液を噴射するステップと、
フィルタをフィルタ搬送手段により搬送しながらフィルタに高圧ガスのみを噴射するステップと、を備えることを特徴とするフィルタ洗浄方法。
【請求項7】
請求項6に記載のフィルタ洗浄方法であって、フィルタに洗浄液を噴射するステップと、フィルタに高圧ガスを噴射するステップとは、1組の連続するステップとして複数回繰り返されることを特徴とするフィルタ洗浄方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のフィルタ洗浄方法であって、洗浄液は、フィルタの上側及び下側においてフィルタの移送方向に所定の間隔を有して設置された1組の噴射ノズルからフィルタに噴射され、洗浄液を噴射するステップは、一方の噴射ノズルが洗浄液をフィルタに噴射するステップと、他方の噴射ノズルがフィルタに洗浄液を噴射するステップとから構成されることを特徴とするフィルタ洗浄方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−46912(P2013−46912A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−254295(P2012−254295)
【出願日】平成24年11月20日(2012.11.20)
【分割の表示】特願2010−26232(P2010−26232)の分割
【原出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】