フィルタ装置を有するポンプ
吸引側から圧力側まで媒体をポンプ輸送するためのポンプは、フィルタ装置を含む。フィルタ装置は、流入経路(105)、第1の流出経路(110)および第2の流出経路(120)を含む。疎水性の膜フィルタ(140)は、流入経路(105)と第1の流出経路との間に配置される。親水性の膜フィルタ(150)は、流入経路(105)と第2の流出経路(120)との間に配置される。流入経路(105)において流れる媒体とともに移動する気泡(210)がその動作の間に疎水性の膜フィルタ(140)と接触するように、少なくとも1つの疎水性の膜フィルタ(140)のセクションと1つの親水性の膜フィルタ(150)のセクションは、1mmの距離(d)でお互いに向かい合って位置する。フィルタ装置の第1および第2の流出経路(110,120)は、ポンプの吸引側に接続される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフィルタ装置を有するポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
小型化が続くにつれて、マイクロポンプはますます重要になっている。実際に使用されて、マイクロポンプは、マイクロポンプの注入口でしばしば粒子フィルタを必要とする。なぜなら、さもなければ、ポンプチャンバの中に存在している粒子によって、マイクロポンプの極小の弁で漏れ量を生じうるか、または、粒子によって、ポンプ膜の動きを妨げうるからである。このことは、結局、ポンプを動かなくする。
【0003】
粒子とは対照的に、気泡は分離される必要がないため、大部分のマイクロポンプは、現在では、気泡に関して耐性がある。さまざまなガスが考えられ、最も単純なケースは、気泡を含む。
【0004】
フィルタ−それらが疎水性(液体をはじく)か親水性(液体を引きつける)かに関係なく−は、ぬれフィルタを通じて気泡を導くことを可能にする高い圧力を必要とする。これは、特に、親水性フィルタに妥当する。しばしば、高い圧力も、たとえば、疎水性フィルタを通じて、1滴の液体を導くために必要とされる。しかしながら、このために必要な高い圧力は、流動抵抗に関して不利である。したがって、特にマイクロポンプのために、流動抵抗は、できるだけ少ない程度にフィルタによる影響を与えなければならない。
【0005】
マイクロ流体工学において、液体は、マイクロポンプを通じてポンプ輸送され、そして、粒子を有するマイクロポンプのいかなる汚濁をも回避するために、親水性フィルタが、マイクロポンプの注入口の前面で主に用いられる。しかしながら、気泡が、濡らされた親水性フィルタでマイクロポンプによって吸い込まれる場合、フィルタは、気泡によってブロックされる。しかしながら、マイクロポンプは、フィルタを通じて気泡を吸い込むために必要とする高い吸入力を、しばしば生成することができない。たとえば、必要な吸入力(または吸入圧)は、1つの制約の状態に達しうる。結果として、システムは、完全に役に立たなくなりうる。
【0006】
マイクロ流体工学において、小さいシステム圧だけが発生する(マイクロポンプにおける、いわゆるラボチップアプリケーション等)という非常に頻繁な場合において、一方では、粒子フィルタの利用が必要であることは一般的なおよび基本的な課題であるが、しかし、他方では、気泡が非常に高い圧力を有するこれらのフィルタをブロックすることができる。非常に高い圧力は、たとえば、使用するフィルタの細孔の大きさおよびより小さい粒子をろ過して取り除くことに起因し、より高い前記圧力となる。マイクロポンプは非常に小さいので、非常に小さい粒子でさえろ過して取り除くことが重要である。しかしながら、小さい粒子がろ過して取り除きうるために、細孔の大きさも、非常に小さくしなければならない。そして、それは、順に、たとえば、フィルタを通じて気泡を押圧することを必要とする圧力を増加させる。しかしながら、使用するマイクロポンプは、フィルタの非常に小さい孔を通じて気泡を押圧するためにしばしば十分でない限られた圧力を発生させるだけである。
【0007】
従来のフィルタは、疎水性領域および親水性領域を有しており、従来技術からすでに公知である。たとえば、米国特許出願公開第2003/0042211号は、疎水性および親水性の要素の直列配置が、粒子と同様に泡を切り離すために実装する公知のフィルタを開示する。公知でもあることは、気泡が流路から除去されることができ、疎水性の要素を用いて周囲の空気を順に送るフィルタである。しかしながら、前記システムの不利な点は、吸引側のマイクロポンプを動作する間、気泡が疎水性の要素による環境からシステムに吸い込まれうるということである。米国特許第5,997,263号は、フィルタの範囲内の特定の場所で行き詰りうる、いくらかの気泡を除去または回避するためのさらに従来のフィルタを開示する。しかしながら、開示するフィルタ装置は、一次元のフィルタであって、したがって、二次元の平面フィルタより実質的に高い流動抵抗を有する。加えて、バリアとして実装される一次元のフィルタで、異なる疎水性および親水性領域がフィルタラインに沿って実装され、しかしながら、全体としてダクトカバーは、親水性か疎水性のいずれか一方である。これは、流動抵抗の増加の原因にもなる。
【0008】
さらに、バブル耐性粒子フィルタが、米国特許第4,278,084号および英国特許第1510072号において開示されており、人工栄養のために用いられる。しかしながら、疎水性のセクションが、親水性のセクションの上で垂直の位置に達するように、両方のフィルタに対して、それらを適用させる必要がある。その結果、いくつかの上昇する気泡も、重力のため、疎水性のセクションの方へ動く。気泡が疎水性のフィルタを通過することができるのは、そこだけである。フィルタの「適切な」方向は、このように、機能するために、フィルタにとって不可欠である。特に、水平軸について180度の回転に続いて、フィルタは機能しないか、または、そのパフォーマンスは、明らかに劣っている。なぜなら、これは、流動抵抗の著しい増加の原因になるからである。
【0009】
米国特許第3,523,408号Aは、0.25mm〜5mmの距離が基本的に平行な液体をはじきおよび液体で濡れているフィルタの要素の間において設けられるガスバーナを開示する。
【0010】
米国特許第5,190,524号Aは、混合物を形成するために複数の液注入を結合する装置を開示する。空気室は、混合物のための複数に分かれた閉鎖可能な注入口および排出口を示す。1つの親水性の膜および1つの疎水性の膜が空気室の範囲内において設けられる。
【0011】
米国特許第5,989,318号Aから、二相流から水を分離する装置が公知である。ここで、1つのキャビティにおいて、疎水性のフィルタは、二相流からガスを除去するために設けられている。加えて、親水性のフィルタは、水が流水口の開口部から出るのを防止するために設けられている。
【0012】
米国特許第4,302,223号Aは、一対の間隔を置いた膜を呈している空気除去装置を開示しており、その1つは疎水性で、他の1つは親水性である。ポンプは、ガスを除去している装置を介して空気除去装置の注入口に接続されている。
【0013】
欧州特許出願公開第0489403号A2は、合成重合微小孔構造体の構造において、ハウジングおよび微小孔構造媒体を含むフィルタ装置を開示する。
【0014】
独国特許出願公開第1949038号Aは、ガスに対して排出口の前面に配置される液体をはじくセクションと、液体に対して排出口の前面に設けられる濡れ性があるセクションを有するガスおよび液体のための分離器を開示する。
【0015】
米国特許第7,422,565号B2は、受入本体および少なくとも1つの親水性の膜を呈する注入管路用の流体分離器を開示する。親水性の膜は、液体のみが通過することができるように流体通路において設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0042211号
【特許文献2】米国特許第5,997,263号
【特許文献3】米国特許第4,278,084号
【特許文献4】英国特許第1510072号
【特許文献5】米国特許第3,523,408号
【特許文献6】米国特許第5,190,524号
【特許文献7】米国特許第5,989,318号
【特許文献8】米国特許第4,302,223号
【特許文献9】欧州特許出願公開第0489403号
【特許文献10】独国特許出願公開第1949038号
【特許文献11】米国特許第7,422,565号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
この従来技術を発端として、本発明の目的は、このように、フィルタ装置の方向に関係なく流動抵抗の増加の原因となる気泡のない気泡を含む媒体から粒子をフィルタするポンプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この目的は、請求項1に記載のポンプによって達成される。
【0019】
本発明のポンプは、親水性の膜フィルタおよび疎水性の膜フィルタのいずれもを有するフィルタ装置を含み、フィルタされる媒体の流入経路は、第1の流出経路および第2の流出経路に分けられる。疎水性および親水性の膜フィルタの配置は、少なくとも疎水性の膜フィルタのセクションおよび親水性の膜フィルタのセクションが、わずか1mmおよびわずか200μmの距離で、お互いに向かい合って位置することを特徴とする。このように、流入経路において流れる媒体とともに移動する気泡が、その動作の間に疎水性の膜フィルタと接触する。その結果、気泡は、疎水性の膜フィルタを容易に通過することができ、膜フィルタの前面における気泡を蓄積することのビルドアップは、このことにより防止される。
【0020】
このように、このフィルタ装置において、−フィルタ装置の空間的な方向に関係なく−気泡は、フィルタのある位置で蓄積され、そこで充満(安定)をもたらし、そして、段階的にフィルタを通じて押圧されることを防止される。むしろ、気泡は、それらの動作の間に疎水性のフィルタのセクションに接触し、疎水性のフィルタのセクションを通じて−止まることなく−導かれる。フィルタの膜が、平らに実装され、そして、疎水性および親水性のセクションがそれらの表面法線に関してお互いに向き合うように位置するという点で、たとえば、フィルタのセクションの向かい合った配置が達成されうる。
【0021】
このように、疎水性および親水性の膜のセクションの小さい距離のために、−空間における方向に関係なく−フィルタ装置は、流動抵抗が増加することなく、気泡が容易に通過することができる粒子フィルタを設けるように提供される。
【0022】
本発明の基本的な考えを受けて、1、2、あるいはそれ以上の疎水性および親水性のフィルタの要素(フィルタのセクション)が流れ方向において平行に配置され、分離流路が、その後結合するように、フィルタ装置が設けられもする。たとえば、フィルタ装置は、ポンプの注入口(吸入側)で配置される。
【0023】
さらなる実施形態において、たとえば、1mmの最大距離は、平面的に配置されたフィルタのセクションのいくつかのポイントに関するように、疎水性および親水性のフィルタのセクションは、平面の形式において、お互いに向かい合うように配置されうる。さらなる実施形態において、1mmの最大距離は、くさびの一部のみに適応するように、平面的に実装された疎水性および親水性の膜フィルタは、くさびの形で片側にテーパを形成しうる。これは、いくつかの気泡が、−くさびへ侵入が持続するように−疎水性の膜フィルタと接触する媒体の範囲内おいて存在し、そして、最初に増加することなく同様に容易に通過しうることが確実でもある。
【0024】
さらなる実施形態において、くさびの代わりに、疎水性および親水性の膜フィルタは、錐体の形に相互に配置されもしうる。疎水性および親水性の膜フィルタのセクションは、たとえば、半円形形状(流れ方向に対して垂直な断面平面)に形成され、それぞれ、錐体の表面の部分を形成するように、錐体の頂点は、下流方向に位置される。本実施形態においても、気泡は、頂点の方向に錐体へ移動して、その動作の間に疎水性の膜フィルタに接触しうる。気泡はそれから接触し、その動作において再び中断されることなく、容易に疎水性の膜フィルタを通過するように、頂点、たとえば、疎水性および親水性の膜フィルタが収束するまでに、−お互い接触させることをそれらは必要としない−、1mmの最大距離が到達する。
【0025】
さらなる実施形態において、いくつかの疎水性および親水性の膜フィルタのセクションが実装されることも可能であり、お互いの最大距離が、向かい合って配置された一対の疎水性および親水性の膜フィルタのセクションに関連する。膜フィルタ装置が、錐体の表面を形成する場合、疎水性および親水性のセクションは、たとえば、ストライプ形に構成されうる。その動作の間、媒体とともに、気泡は、少なくとも1つの疎水性のフィルタのセクションに接触する。これに関連して、気泡が、フィルタ装置の空間的な方向に関係なく(さらに詳細は以下を見よ)、疎水性のフィルタのセクションに接触するように、明らかなことは、疎水性および親水性のフィルタのセクションを配置することになる。
【0026】
いくつかのケースにおけるフィルタ装置が気泡の増加を防止し、フィルタが、重力に関して方向に関係なく安定した流動抵抗を示すように、特定のマイクロポンプにおいて、実施形態は、限られた吸入圧を生成するのみのそれらの部分のためのポンプに関連する。特に、実施形態において、いくつかの上昇する気泡も、重力のため、そこに実装される疎水性のない領域を有するフィルタのセクションに達することが可能であることを防止する。加えて、気泡が、毛管力の結果として、疎水性の膜フィルタのセクションへ導くように、小さい範囲のため、毛管力は、重力に関係なくフィルタに液体または媒体を引き入れることができることを有効に利用することは、有利である。実施形態について有利であることは、一度、疎水性および親水性の膜フィルタを通過されると、分離流路が、その後再結合し、このように閉鎖系を呈するので、ポンプが、いかなる周囲の空気も吸い込まないということである。
【0027】
このように実施形態の有利な点は、空間的な方向から主として独立している低い流動抵抗である。加えて、分離流路はフィルタ後に再結合するので、ポンプは、いかなる周囲の空気も吸い込むことが出来ない。したがって、存在しうるいくつかの気泡は、顕著な圧力落下もなく、フィルタ装置を通じて導かれる。気泡は、媒体から取り除かれず、媒体の範囲内において残存しうる。
【0028】
本発明の実施形態は、添付の図に関してさらに詳細に以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1a】図1aは、本発明の実施形態にかかるバブル耐性フィルタの概略図を示す。
【図1b】図1bは、図1aに記載のバブル耐性フィルタを有するポンプの純粋な概略図を示す。
【図2】図2は、ブロッキング圧および毛管力を例示するための表現を示す。
【図3】図3は、実施形態に対する他の1つと平行して配置される疎水性および親水性の膜フィルタを有するフィルタ装置の断面図を示す。
【図4】図4は、更なる実施形態に対するくさびの形で実装される親水性および疎水性の膜フィルタを伴う断面図を示す。
【図5】図5は、錐体形状において実装されるフィルタ装置のさらなる概略図を示す。
【図6a】図6aは、いくつかの疎水性および親水性の膜フィルタ領域を有するフィルタ装置を示す。
【図6b】図6bは、いくつかの疎水性および親水性の膜フィルタ領域を有するフィルタ装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の説明に関して、異なる実施形態において、同一であるか、または同一の働きを有する機能の構成要素は、同じ参照番号を有する。そして、従って、様々な実施形態における機能の構成要素の説明は、相互に交換可能である点に留意されたい。
【0031】
図1aは、本発明の実施形態にかかるフィルタ装置の概略図を示す。フィルタ装置は、流入経路105、第1の流出経路110および第2の流出経路120を含む。加えて、フィルタ装置は、流入経路105と第1の流出経路110との間に位置する疎水性の膜フィルタ140、および流入経路105と第2の流出経路120との間に位置する親水性の膜フィルタ150も含む。流入経路105において流れる媒体220とともに移動する気泡210が、その動作の間に、疎水性の膜フィルタ140と接触するように、膜フィルタ装置は、少なくとも1つの疎水性の膜フィルタ140のセクションおよび1つの親水性の膜フィルタ150のセクションが、1mmの距離dでお互いに向かい合って位置する。このように、媒体210を流入している範囲内において存在するいくつかの気泡210は、フィルタ装置を詰まらせない。その動作の間、気泡210は、疎水性の膜フィルタ140を通過する。気泡210を含む媒体220が通過するとき、ブロッキング圧は測定されえない。図1bは、そのようなフィルタ装置を有するポンプ142を単に概略的に示す。第1の流出経路110および第2の流出経路120は、ポンプ142の吸入側144に接続される。
【0032】
作動モードのより良好な理解のために、更に詳細にいくつかのタームを記載することは、第一に当然である。
【0033】
図2は、ブロッキング圧の、および動作する毛管力の具体例を表す。親水性のフィルタ150を通ずる気泡の通過の3つの段階が、概略的に示される。第1の段階(i)において、媒体220は、最初、感知できるほどのブロッキング圧なしで親水性のフィルタ150を通じて流れる。第2の段階(ii)において、自由表面215が媒体220に形成するように、気泡210が、流入方向105からくる。媒体220は、90°よりも小さい濡れ角θでフィルタの表面を濡らす。
【0034】
このように、要素、または、少なくとも親水性のフィルタ150の表面は、濡れている(媒体または液体は、そこで、「上向きに引っ張られる」)。濡れ角θが90°より大きい場合、これは、液体がはじいている(疎水性)として表面を分類する。図2において示されるように濡れ角が90°よりも小さい場合、力がすきまから液体を除去することを必要とするように、媒体は、親水性のフィルタ150の表面に沿って引っ張られる。必要な力は、液体がすきままたは孔に引き入れられる毛管力だけである。
【0035】
第3の段階(iii)において、自由表面215が親水性のフィルタ150の(流れ方向における)後部出力で現れるように、気泡210が親水性のフィルタ150を通じてすでに部分的に押圧されている。
【0036】
ブロッキング圧の測定は、いわゆるバブルポイント法またはバブルポイント試験を使用して、しばしば実行される。前記試験は、バブルプレッシャー試験またはバブルポイント測定としても公知であって、膜の特性を試験するために使用される。たとえば、約0.22μm(たとえば、除菌のために)の通路開口部を形成する膜の孔は、媒体で満たされる。媒体は、たとえば、水を含み、充填を実行するための最も簡単な方法は、圧力を使ってフィルタシステムに水を流すことである。試験のために、一番良いことは、設計に応じて、(中空繊維モジュールのために)透過側から膜ハウジングをゆっくり加圧することである。例となる水を孔から移すために、力(2つのフィルタ側の圧力差)が必要とされる。前記圧力差は、孔の直径lに依存する:
ここで、Δp=圧力差、σ=液体の表面張力(水=72.75mN/m)、θ=濡れ角、l=孔の直径である。
【0037】
バブルポイントを決定するために、フィルタに動作する圧力が増加される。気泡が連続的に出るのを見られうる時と同じ瞬間で、圧力が、圧力計で読み出される。表面張力、濡れ角、および圧力差が既知であるので、方程式を適応することによって、たとえば、膜で最も大きな孔のサイズを算出することができ、このように、膜のその品質を決定する。物理的な定義によって、90°よりも小さい接触角度を有する表面は、親水性(濡れ性)であり、前記したように、90°よりも大きい接触角度を有すと、それは疎水性(非濡れ性)である。従って、接触角度θが、90°よりも小さい(cosθ>0)場合、正の圧力差(Δp>0)が結果として得る。
【0038】
たとえば、図2において示されるように、たとえば、丸いピンホール開口(ピンホール面板、ピンホール・ブラインド)が使用され、そして、自由表面が気泡のために形成される場合、毛管力は克服されなければならない。たとえば、このメニスカスが移動することを通じて直径Dを有するピンホール開口が考慮される場合、メニスカスの最小の曲率半径rは、r=D/2として与えられ、そして、圧力バリアΔpbは、濡れ角に関係なく克服されなければならない:
【0039】
たとえば、D=100μmのダクト直径が与えられ、空気/水に対して、σwa=0.075N/mの表面張力が与えられると、圧力バリアΔpbは、30hPaであり、D=50μmがΔpb=60hPaを結果として得る。
【0040】
すきま開口(すきま面板、すきまブラインド)の場合、1つの湾曲面のみがある場合、従って、高さHを有するすきまに存在しているブロッキング圧は、正確に、直径D=Hを有するピンホール開口の半分のブロッキング圧である。
【0041】
たとえば、H=100μmのすきま高さが与えられ、そして、空気/水に対して、σwa=0.075N/mの表面張力が与えられると、従って、圧力バリアΔpbは、15hPaであり、H=25μmに対して、Δpb=30hPaを結果として得る。しかしながら、最高50hPaまでの吸入圧は、大部分のマイクロポンプによって容易に発生されうる。
【0042】
フィルタのブロッキング圧を与えられ、開口直径は、細孔の大きさに対応する。5μmの細孔の大きさを与えられて、式(2)によるブロッキング圧は、約600hPaであり、より小さい孔の直径に対してより高くなる。しかしながら、このオーダーの規模の吸入圧は、一般のマイクロポンプによって生成され得ない。このようなわけで、特にマイクロポンプで、効率的にフィルタを通じて気泡を導くことは、極めて重要である。
【0043】
図3は、ハウジング300の範囲内において位置するフィルタ装置の実施形態を示す。ハウジング300は、流入経路105のための入力および(共有された)流出経路205のための出力を有する。ハウジング300の範囲内において、すきま160が親水性の膜フィルタ150と疎水性の膜フィルタ140との間に形成されるように、親水性の膜フィルタ150および疎水性の膜フィルタ140がお互いに向かい合って配置される。示される実施形態において、2つの平面的に実装されたフィルタは、お互いに向かい合って位置され、そして、すきま160が一定のすきま幅d(一定の距離)を有するように、親水性の膜フィルタ150および疎水性の膜フィルタ140が平らに構成されうる。すきま160の終端で、たとえば、終端壁310が設けられ、それは、親水性または疎水性の膜フィルタ150,140に接続される。終端壁は、たとえば、気泡210のためのビルドアップ空間が終端壁310で形成されないように、構成されうる。
【0044】
好都合に、媒体に応じて、毛管力は、媒体220をすきまに引き入れ、そして、このように流動抵抗を低減するように、すきま幅dが必要な大きさにされる。
【0045】
フィルタ装置において、流入経路105は、共通(共有の)の流出経路205に再結合する、第1の流出経路110および第2の流出経路120に分離する。第1の流出経路110は、疎水性の膜フィルタ140を通過し、そして、第2の流出経路120は、親水性の膜フィルタ150を通過する。媒体220が流入経路105を通じてハウジング300の範囲内におけるフィルタ装置に流入する場合、疎水性の膜フィルタ140が媒体に、より高い流動抵抗を示すので、媒体220は、親水性の膜フィルタ150を通じて流れる。
【0046】
処理の間、たとえば、空気を含む気泡210が、ハウジング300の(重力に対して)上部の領域において第1の流出経路100に沿って形成されることが起こりうる。さらなるいくつかの気泡は、媒体220を介して流入経路105を通じてフィルタ装置内に入り込む場合、前記さらなるいくつかの気泡は、第1の流出経路110を介してハウジング300の上部の部分に達する。同時に、そこに位置されるいくつかの空気またはガスは、共通の流出経路205を通じてハウジング300を出る。このように、媒体220の範囲内において位置される気泡は、フィルタの前面において気泡の蓄積することなく、フィルタ装置を通過する。
【0047】
図4は、さらなる実施形態を示し、ここで、親水性の膜フィルタ150および疎水性の膜フィルタ140が再び、たとえば、平らに配置され、2つの親水性および疎水性の膜フィルタ150,140は、この実施形態において、くさびの形に配置される。このように、親水性および疎水性の膜フィルタは、頂点312を形成するようにテーパに形成される。その結果、親水性の膜フィルタ150と疎水性の膜フィルタ140との間の距離は、頂点312の方へ下流方向において連続的に減少する。本実施形態においても、流入経路105を介して例となるハウジング300に入り込む媒体は、第1の流出経路110および第2の流出経路120に分離する。一旦それらがフィルタを通過すると、それらは、共通の流出経路205を形成するように再結合する。たとえば、媒体220の範囲内において存在するいくつかの気泡は、疎水性の膜フィルタ140を介して移動するように、疎水性の膜フィルタは、第1の流出経路110に沿って位置する。同時に、媒体220は、第2の流出経路120に沿って移動し、親水性の膜フィルタ150を介して共通の流出経路205に達する。
【0048】
前記くさびの形の配置が結果として得るように、疎水性の膜フィルタおよび親水性の膜フィルタ150,140は、平面的に、図4の描画面に対して垂直にのびている。親水性と疎水性との膜フィルタ150,140の間の非常に小さい距離が実装されるので、この実施形態は、親水性および疎水性の膜フィルタ150,140の間の距離は、連続的に減少するという効果を有する。非常に小さい距離のため、非常に小さい気泡は、充血性の効果が引き起こされることなく、その動作の間に、疎水性の膜フィルタ140に接触しうる。疎水性の膜フィルタ140と気泡との接触において、大きな気泡210は、上層部に形成されうる。たとえば、距離dが、約600μmの値から、たとえば、10μm未満の値まで連続的に減少することが可能である。
【0049】
たとえば、まず、親水性の膜フィルタ150および疎水性の膜フィルタ140が平面的に平行に(そして、相互に対向されて)配置され、そして、図4において示されるように、下流の方向のくさびの形の形式においてお互いの方向に収束するように、得られるくさびの形の配置は、さらなる実施形態において、図3において示されるように、平行な配置に結合される。
【0050】
図5は、さらなる実施形態を示し、ここで、親水性の膜フィルタ150および疎水性の膜フィルタ140は、頂点412を有する錐体を形成し、媒体220の流れの方向は、右から左であり、そして、頂点412は、下流に位置される。疎水性の膜フィルタ140および親水性の膜フィルタ150は内部に配置され、外側の筐体400に固定する。図5が縦のシリンダ軸に沿って断面図を表すように、筐体は、円筒状でありうる。本実施形態における疎水性の膜フィルタ140は、(重力場に対して)垂直に上層部に配置され、親水性の膜フィルタ150は、その下に垂直に配置される。このように、媒体220の範囲内において位置されるいくつかの気泡210は、下流方向における錐体の内部に導かれ、そして、疎水性の膜フィルタ140に接触する。そして、それらは、第1の流出経路110を介して容易に通過しうる。一方、媒体220はその下の垂直に位置される側における第2の流出経路120を介して親水性の膜フィルタ150を通過しうる。
【0051】
親水性の膜フィルタ150および疎水性の膜フィルタ140の間の距離が、頂点412の方へ下流方向において連続的に減少することが図5からも理解されうる。このように、下流方向における親水性の膜フィルタ150に沿って移動する、一様なわずかな気泡210は、頂点412で疎水性の膜フィルタ140に接触し、そして、そこで前記フィルタを容易に通過する。交差線6´−6は、図6bにおける断面表示が関連する断面線を表す。
【0052】
一様なわずかな気泡が疎水性の膜と接触せず、このように、フィルタを通過しうるように、図5において示される実施形態は、フィルタの要素が用いられるという点で拡張または改良され、それらのセクションは、疎水性/親水性になっており、そして、くさびを形成するために収束する。
【0053】
図6aおよび6bは、さらなる実施形態を示し、ここで、親水性の膜フィルタ150および疎水性の膜フィルタ140が、たとえば、互いに交互に入れ替える方法で配置されるいくつかのセクションを有する。
【0054】
図6aは、たとえば、図3において示されるようなフィルタ装置のさらなる実装を示す。図6aにおいて示される実施形態において、疎水性の膜フィルタは、第1のセクション140aおよび第2のセクション140bを有し、親水性の膜フィルタも、第1のセクション150aおよび第2のセクション150bを有する。流入経路105から流出経路205への流れ方向に沿って、親水性および疎水性のセクションが、流れ方向において、交互に他方の後ろに一方が配置される。図3に示される実施形態と比較したとき、(図3における)親水性の膜フィルタ150は、疎水性の膜セクション140aの第1の部分および親水性の膜セクション150bの第2の部分に置換され、それらは、流れ方向において、他方の後ろに一方が位置される。同時に、図3において示される疎水性の膜フィルタ140は、第1の親水性のセクション150aおよび第2の疎水性のセクション140bに置換され、再び、流れ方向において、他方の後ろに一方が位置される。このように、親水性および疎水性のセクション140a,150aは、平行に配置され、そして、流れ方向において、相互に対向され、そして、第2の疎水性のセクション140bおよび第2の親水性のセクション150bは、平行に−下流方向においてそれに対して隣接して−配置され、相互に対向される。たとえば、親水性および疎水性のセクション150a,bおよび140a,bは、表面が平行であり、そして、相互に対向するように、かさねて平面に実装される。
【0055】
そして、図6aにおいて示される実施形態は、フィルタ装置の方向に関係なく、上部のダクト域に沿って垂直に伝播する非常に小さい気泡は、疎水性の膜セクション140に接触する利点を有する。しかしながら、−疎水性のセクション140が、親水性のセクション150によっていつも続くか、または先行されるのであれば、第1に、親水性のセクション150が形成され、疎水性のセクション140が続くように、セクションの順番は変更することができる。
【0056】
さらなる実施形態において、たとえば、図4において示されるように、下流に位置される第2の親水性および疎水性のセクション140b,150bが相互にくさびの形に構成されることは可能である。このように、疎水性の第2のセクション140bが接触するか、または親水性の第2のセクション150bに接続される場合、次に、終端壁310は不必要になりうる。
【0057】
さらなる実施形態において、直列配置される疎水性および親水性の膜領域150,140の平行した配置を結合することも可能である。すなわち、疎水性および親水性の膜セクション140,150は、平行におよび相互に対向して位置されていないが、たとえば、図6aにおいて示されるように、平面的に、お互い隣接するように配置される。
【0058】
図6bは、図5において示されたような親水性および疎水性の膜領域150,140の錐体の形の実装のさらなる実施形態を示す。それは、たとえば、図5における断面線6−6´に沿って、流入経路105の方向から流れ方向へ垂直である断面図である。このように、図6bは、膜領域が錐体の形状に配置される実施形態を示す。これに関連して、(時計回りの方向において)フィルタ膜は、親水性および疎水性のセクション150,140を有し、第1の親水性の膜領域150aは、後に、たとえば、第1の疎水性の膜領域140aが続き、それに隣接して、第2の親水性の膜領域150bは、後に、第2の疎水性の膜領域140bがかさねて続く。全体の錐体の表面が、図6bにおいて示されるように、ストライプの形の形式において、親水性および疎水性の膜領域150,140によって形成されるまで、この交互の配置が続く。親水性および疎水性の膜領域150,140のすべては、頂点412の方へ収束する。ここで、それらの全ては、合致し、互いに接続している。
【0059】
このように、下流方向において移動している気泡210は、その動作の間、疎水性の膜領域140に常に接触する。比較的大きい気泡について、通常、疎水性のダクト領域との接触は、非常に小さい気泡によりもより早く発生する。そのために、それらが、錐体の頂点412へ上がって、そして、この位置の前に、疎水性の膜のセクションに接触しないことが起こりうる。このように、この実施形態も、−重力の振る舞いに関係なく−気泡210は、それらの動作に沿って、より初期のまたはより後の時で疎水性の膜セクション140に接触し、それから容易にそれを通過する。このように、重力に関するフィルタの方向または配列に応じて、充血性の効果が防止されることは、流動抵抗が増加するように、気泡がフィルタの特定の位置で蓄積され、そこでフィルタをブロックすることを意味する。図6bのフィルタ装置は、平行に配置されるいくつかの親水性または疎水性のフィルタセグメントを含む。
【0060】
さらなる実施形態において、親水性および疎水性150,140のフィルタ膜が2つの異なる膜の要素を利用することも、および、異なる細孔の大きさを使用することも可能である。たとえば、バブルポイントは、疎水性および細孔の大きさに依存するので、空気バイパスがより小さい孔幅を使用することによって明確に効率的に保たれるように、同一または異なる孔幅を有する膜の利用が可能である。
【0061】
たとえば、親水性および疎水性の膜フィルタ140,150は、一様に実装された膜フィルタの表面処理によって形成されうる。表面処理の間、たとえば、フィルタは、表面を処理するために使用される材料に応じて、表面処理によって、疎水性または親水性のいずれか一方であるように実装される。シリコン、プラスチックフィルム、金属フィルム等のような材料とするコーティング技術が構築されるように生成され、疎水性または親水性が範囲の増加に展開される。このように、全体として膜が、最初に形成され、その後、膜の特定の部分は、特定のセクションに対して選択的に生じうるように、疎水的または親水的にコートされる。部分的には疎水性コーティングおよび部分的には親水性コーティングを有するフィルタの構成要素は、マイクロポンプの注入口に取り付けられるという点で、従って、いわゆる、バブルフリーポイントフィルタは、マイクロポンプの中に直接的に組み込まれうる。
【0062】
実施形態に従うバブル耐性粒子フィルタは、以下のように要約されうる。膜は、−たとえば、対向する形式において、流れ方向に平行に設計される。フィルタが、水平軸について、180度回転の場合には均一になるように働くように、膜の配置は、機能が完全に位置から独立している。親水性の膜150は、スポンジのような働きをすることができ、水を吸収することができる。すきま厚(距離)dは、たとえば、発生する最も小さい気泡210と同じ大きさに選択されうる。そして、膜がその他に接するようにそれに位置することが可能である。あるいは、発生する気泡の少なくとも80%が距離dより大きい直径を有するように、距離dが選択されうる。膜は、くさびの形であるか、ポケットの形であるか、漏斗の形でも配置され、くさびの形の配置が、最も小さい気泡210が、疎水性の膜領域140と接触することを確実にする。すきま160またはダクトの大きさによって、毛管力が、さらに流動抵抗を低減するために、さらに使用されうる。通常、非常に低い圧力低下が実施形態において存在する。そして、それは、従って、マイクロ流体に関する目的(たとえば、マイクロポンプに対して)非常に適している。
【0063】
このように、実施形態は、気泡がダクトの特定の位置で蓄積できることを回避するだけでなく、同時に、小さい粒子が、フィルタのバブル耐性機能を制限するかまたは妨げる疎水性の位置で積もることを回避する。このように、親水性の膜が上部にある場合、水平の回転軸に関して180度による回転は、ブロックされるフィルタを結果として得て、そして、従って、空気が上部に蓄積し、水は、もはや通過することが出来ないので、従来のソリューションの不利な点は、回避される。
【0064】
実施形態において、既存の泡、または最も小さい既存の泡の直径より明らかに小さいように、距離dが選択されうる。たとえば、距離dは、約200μmまたは約100μmに等しく、または、100μmより下方の範囲内に位置しうる。図4および図5において示されるように、くさび、または錐体の形の形式において配置される膜の構造は、たとえば、頂点312,412で角を含み、そして、その角は、疎水性の膜140および親水性の膜150によって広げられ、そして、5°および50°の間の範囲であるか、または、180°より少なくとも小さい。細孔の大きさは、柔軟な形式で設定され、孔は、0.2μmのオーダーであるか、または、0.1μmから20μm、もしくは5μmから10μmまでのレンジを有することが可能である。
【0065】
実施形態は、流れの分岐が、分岐の後で再結合される1つの疎水性および1つの親水性のセクションを有するフィルタの構成要素によって実装されるフィルタ装置も含む。さらなる実施形態において、細幅の流れのすきまが2つの膜フィルタの間で結果として得られるように、親水性のセクションのフィルタの要素が、疎水性のセクションのフィルタの要素に向かい合って位置する。
【0066】
さらなる実施形態において、液体のみが親水性のフィルタ150の前面におけるすきま160の範囲内に残存するように、そして、一旦、気泡が疎水性のフィルタ140を通過し、もはや気泡が親水性のフィルタ150の前面になくなるように、疎水性および親水性のフィルタが、その間において、細幅のすきま160を有してお互いに向かい合って位置し、すきま160の高いアスペクト比が毛管力の存在を確実にする。
【0067】
このように、異なる接触角度を有する2つ(またはより多くの)フィルタの要素が平行に配置される。そして、1つのフィルタが、供給される液体に関して濡れ作用を有する(従って、充填の間、低い充填圧のみを有する)。それに対して、他のフィルタの要素は、液体に関してより高い充填圧を有し、濡れることはない(たとえば、空気が第2のフィルタの範囲内において残存する)。流路は、フィルタの前面において分離されて、それらの後で再結合する。気泡が入る場合、ここで、測定可能になっているブロッキング圧のない第2の疎水性のフィルタを通る経路をとる。
【0068】
それらが、すべての如何なる抵抗もなく、またはいかなるかなりの抵抗もなしで、フィルタを(たとえば、マイクロポンプの入力で)通過するように、フィルタ装置が気泡に関して耐性があるので、フィルタ装置は、外気が吸い込まれることを避けるために、環境に対して直接的な開口部を有してはならない。このように、フィルタ装置は、外気から切り離されなければならない。
【0069】
従って、本発明の実施形態は、ポンプの吸引側に配置されるバブル耐性粒子フィルタを有するポンプを提供する。本発明の実施形態において、ポンプはマイクロポンプである。通常、本発明の実施形態は、小さい細孔の大きさをともなうフィルタを有するポンプに関する。実施形態は、ポンプが粒子によってブロックされるのを防止するための粒子フィルタを含むギアポンプに関する。通常、本発明の実施形態は、粒子によってブロックされるか、または詰まらせられ、そして、従って、フィルタを必要とする構造を有するポンプに関する。
【技術分野】
【0001】
本発明はフィルタ装置を有するポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
小型化が続くにつれて、マイクロポンプはますます重要になっている。実際に使用されて、マイクロポンプは、マイクロポンプの注入口でしばしば粒子フィルタを必要とする。なぜなら、さもなければ、ポンプチャンバの中に存在している粒子によって、マイクロポンプの極小の弁で漏れ量を生じうるか、または、粒子によって、ポンプ膜の動きを妨げうるからである。このことは、結局、ポンプを動かなくする。
【0003】
粒子とは対照的に、気泡は分離される必要がないため、大部分のマイクロポンプは、現在では、気泡に関して耐性がある。さまざまなガスが考えられ、最も単純なケースは、気泡を含む。
【0004】
フィルタ−それらが疎水性(液体をはじく)か親水性(液体を引きつける)かに関係なく−は、ぬれフィルタを通じて気泡を導くことを可能にする高い圧力を必要とする。これは、特に、親水性フィルタに妥当する。しばしば、高い圧力も、たとえば、疎水性フィルタを通じて、1滴の液体を導くために必要とされる。しかしながら、このために必要な高い圧力は、流動抵抗に関して不利である。したがって、特にマイクロポンプのために、流動抵抗は、できるだけ少ない程度にフィルタによる影響を与えなければならない。
【0005】
マイクロ流体工学において、液体は、マイクロポンプを通じてポンプ輸送され、そして、粒子を有するマイクロポンプのいかなる汚濁をも回避するために、親水性フィルタが、マイクロポンプの注入口の前面で主に用いられる。しかしながら、気泡が、濡らされた親水性フィルタでマイクロポンプによって吸い込まれる場合、フィルタは、気泡によってブロックされる。しかしながら、マイクロポンプは、フィルタを通じて気泡を吸い込むために必要とする高い吸入力を、しばしば生成することができない。たとえば、必要な吸入力(または吸入圧)は、1つの制約の状態に達しうる。結果として、システムは、完全に役に立たなくなりうる。
【0006】
マイクロ流体工学において、小さいシステム圧だけが発生する(マイクロポンプにおける、いわゆるラボチップアプリケーション等)という非常に頻繁な場合において、一方では、粒子フィルタの利用が必要であることは一般的なおよび基本的な課題であるが、しかし、他方では、気泡が非常に高い圧力を有するこれらのフィルタをブロックすることができる。非常に高い圧力は、たとえば、使用するフィルタの細孔の大きさおよびより小さい粒子をろ過して取り除くことに起因し、より高い前記圧力となる。マイクロポンプは非常に小さいので、非常に小さい粒子でさえろ過して取り除くことが重要である。しかしながら、小さい粒子がろ過して取り除きうるために、細孔の大きさも、非常に小さくしなければならない。そして、それは、順に、たとえば、フィルタを通じて気泡を押圧することを必要とする圧力を増加させる。しかしながら、使用するマイクロポンプは、フィルタの非常に小さい孔を通じて気泡を押圧するためにしばしば十分でない限られた圧力を発生させるだけである。
【0007】
従来のフィルタは、疎水性領域および親水性領域を有しており、従来技術からすでに公知である。たとえば、米国特許出願公開第2003/0042211号は、疎水性および親水性の要素の直列配置が、粒子と同様に泡を切り離すために実装する公知のフィルタを開示する。公知でもあることは、気泡が流路から除去されることができ、疎水性の要素を用いて周囲の空気を順に送るフィルタである。しかしながら、前記システムの不利な点は、吸引側のマイクロポンプを動作する間、気泡が疎水性の要素による環境からシステムに吸い込まれうるということである。米国特許第5,997,263号は、フィルタの範囲内の特定の場所で行き詰りうる、いくらかの気泡を除去または回避するためのさらに従来のフィルタを開示する。しかしながら、開示するフィルタ装置は、一次元のフィルタであって、したがって、二次元の平面フィルタより実質的に高い流動抵抗を有する。加えて、バリアとして実装される一次元のフィルタで、異なる疎水性および親水性領域がフィルタラインに沿って実装され、しかしながら、全体としてダクトカバーは、親水性か疎水性のいずれか一方である。これは、流動抵抗の増加の原因にもなる。
【0008】
さらに、バブル耐性粒子フィルタが、米国特許第4,278,084号および英国特許第1510072号において開示されており、人工栄養のために用いられる。しかしながら、疎水性のセクションが、親水性のセクションの上で垂直の位置に達するように、両方のフィルタに対して、それらを適用させる必要がある。その結果、いくつかの上昇する気泡も、重力のため、疎水性のセクションの方へ動く。気泡が疎水性のフィルタを通過することができるのは、そこだけである。フィルタの「適切な」方向は、このように、機能するために、フィルタにとって不可欠である。特に、水平軸について180度の回転に続いて、フィルタは機能しないか、または、そのパフォーマンスは、明らかに劣っている。なぜなら、これは、流動抵抗の著しい増加の原因になるからである。
【0009】
米国特許第3,523,408号Aは、0.25mm〜5mmの距離が基本的に平行な液体をはじきおよび液体で濡れているフィルタの要素の間において設けられるガスバーナを開示する。
【0010】
米国特許第5,190,524号Aは、混合物を形成するために複数の液注入を結合する装置を開示する。空気室は、混合物のための複数に分かれた閉鎖可能な注入口および排出口を示す。1つの親水性の膜および1つの疎水性の膜が空気室の範囲内において設けられる。
【0011】
米国特許第5,989,318号Aから、二相流から水を分離する装置が公知である。ここで、1つのキャビティにおいて、疎水性のフィルタは、二相流からガスを除去するために設けられている。加えて、親水性のフィルタは、水が流水口の開口部から出るのを防止するために設けられている。
【0012】
米国特許第4,302,223号Aは、一対の間隔を置いた膜を呈している空気除去装置を開示しており、その1つは疎水性で、他の1つは親水性である。ポンプは、ガスを除去している装置を介して空気除去装置の注入口に接続されている。
【0013】
欧州特許出願公開第0489403号A2は、合成重合微小孔構造体の構造において、ハウジングおよび微小孔構造媒体を含むフィルタ装置を開示する。
【0014】
独国特許出願公開第1949038号Aは、ガスに対して排出口の前面に配置される液体をはじくセクションと、液体に対して排出口の前面に設けられる濡れ性があるセクションを有するガスおよび液体のための分離器を開示する。
【0015】
米国特許第7,422,565号B2は、受入本体および少なくとも1つの親水性の膜を呈する注入管路用の流体分離器を開示する。親水性の膜は、液体のみが通過することができるように流体通路において設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0042211号
【特許文献2】米国特許第5,997,263号
【特許文献3】米国特許第4,278,084号
【特許文献4】英国特許第1510072号
【特許文献5】米国特許第3,523,408号
【特許文献6】米国特許第5,190,524号
【特許文献7】米国特許第5,989,318号
【特許文献8】米国特許第4,302,223号
【特許文献9】欧州特許出願公開第0489403号
【特許文献10】独国特許出願公開第1949038号
【特許文献11】米国特許第7,422,565号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
この従来技術を発端として、本発明の目的は、このように、フィルタ装置の方向に関係なく流動抵抗の増加の原因となる気泡のない気泡を含む媒体から粒子をフィルタするポンプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この目的は、請求項1に記載のポンプによって達成される。
【0019】
本発明のポンプは、親水性の膜フィルタおよび疎水性の膜フィルタのいずれもを有するフィルタ装置を含み、フィルタされる媒体の流入経路は、第1の流出経路および第2の流出経路に分けられる。疎水性および親水性の膜フィルタの配置は、少なくとも疎水性の膜フィルタのセクションおよび親水性の膜フィルタのセクションが、わずか1mmおよびわずか200μmの距離で、お互いに向かい合って位置することを特徴とする。このように、流入経路において流れる媒体とともに移動する気泡が、その動作の間に疎水性の膜フィルタと接触する。その結果、気泡は、疎水性の膜フィルタを容易に通過することができ、膜フィルタの前面における気泡を蓄積することのビルドアップは、このことにより防止される。
【0020】
このように、このフィルタ装置において、−フィルタ装置の空間的な方向に関係なく−気泡は、フィルタのある位置で蓄積され、そこで充満(安定)をもたらし、そして、段階的にフィルタを通じて押圧されることを防止される。むしろ、気泡は、それらの動作の間に疎水性のフィルタのセクションに接触し、疎水性のフィルタのセクションを通じて−止まることなく−導かれる。フィルタの膜が、平らに実装され、そして、疎水性および親水性のセクションがそれらの表面法線に関してお互いに向き合うように位置するという点で、たとえば、フィルタのセクションの向かい合った配置が達成されうる。
【0021】
このように、疎水性および親水性の膜のセクションの小さい距離のために、−空間における方向に関係なく−フィルタ装置は、流動抵抗が増加することなく、気泡が容易に通過することができる粒子フィルタを設けるように提供される。
【0022】
本発明の基本的な考えを受けて、1、2、あるいはそれ以上の疎水性および親水性のフィルタの要素(フィルタのセクション)が流れ方向において平行に配置され、分離流路が、その後結合するように、フィルタ装置が設けられもする。たとえば、フィルタ装置は、ポンプの注入口(吸入側)で配置される。
【0023】
さらなる実施形態において、たとえば、1mmの最大距離は、平面的に配置されたフィルタのセクションのいくつかのポイントに関するように、疎水性および親水性のフィルタのセクションは、平面の形式において、お互いに向かい合うように配置されうる。さらなる実施形態において、1mmの最大距離は、くさびの一部のみに適応するように、平面的に実装された疎水性および親水性の膜フィルタは、くさびの形で片側にテーパを形成しうる。これは、いくつかの気泡が、−くさびへ侵入が持続するように−疎水性の膜フィルタと接触する媒体の範囲内おいて存在し、そして、最初に増加することなく同様に容易に通過しうることが確実でもある。
【0024】
さらなる実施形態において、くさびの代わりに、疎水性および親水性の膜フィルタは、錐体の形に相互に配置されもしうる。疎水性および親水性の膜フィルタのセクションは、たとえば、半円形形状(流れ方向に対して垂直な断面平面)に形成され、それぞれ、錐体の表面の部分を形成するように、錐体の頂点は、下流方向に位置される。本実施形態においても、気泡は、頂点の方向に錐体へ移動して、その動作の間に疎水性の膜フィルタに接触しうる。気泡はそれから接触し、その動作において再び中断されることなく、容易に疎水性の膜フィルタを通過するように、頂点、たとえば、疎水性および親水性の膜フィルタが収束するまでに、−お互い接触させることをそれらは必要としない−、1mmの最大距離が到達する。
【0025】
さらなる実施形態において、いくつかの疎水性および親水性の膜フィルタのセクションが実装されることも可能であり、お互いの最大距離が、向かい合って配置された一対の疎水性および親水性の膜フィルタのセクションに関連する。膜フィルタ装置が、錐体の表面を形成する場合、疎水性および親水性のセクションは、たとえば、ストライプ形に構成されうる。その動作の間、媒体とともに、気泡は、少なくとも1つの疎水性のフィルタのセクションに接触する。これに関連して、気泡が、フィルタ装置の空間的な方向に関係なく(さらに詳細は以下を見よ)、疎水性のフィルタのセクションに接触するように、明らかなことは、疎水性および親水性のフィルタのセクションを配置することになる。
【0026】
いくつかのケースにおけるフィルタ装置が気泡の増加を防止し、フィルタが、重力に関して方向に関係なく安定した流動抵抗を示すように、特定のマイクロポンプにおいて、実施形態は、限られた吸入圧を生成するのみのそれらの部分のためのポンプに関連する。特に、実施形態において、いくつかの上昇する気泡も、重力のため、そこに実装される疎水性のない領域を有するフィルタのセクションに達することが可能であることを防止する。加えて、気泡が、毛管力の結果として、疎水性の膜フィルタのセクションへ導くように、小さい範囲のため、毛管力は、重力に関係なくフィルタに液体または媒体を引き入れることができることを有効に利用することは、有利である。実施形態について有利であることは、一度、疎水性および親水性の膜フィルタを通過されると、分離流路が、その後再結合し、このように閉鎖系を呈するので、ポンプが、いかなる周囲の空気も吸い込まないということである。
【0027】
このように実施形態の有利な点は、空間的な方向から主として独立している低い流動抵抗である。加えて、分離流路はフィルタ後に再結合するので、ポンプは、いかなる周囲の空気も吸い込むことが出来ない。したがって、存在しうるいくつかの気泡は、顕著な圧力落下もなく、フィルタ装置を通じて導かれる。気泡は、媒体から取り除かれず、媒体の範囲内において残存しうる。
【0028】
本発明の実施形態は、添付の図に関してさらに詳細に以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1a】図1aは、本発明の実施形態にかかるバブル耐性フィルタの概略図を示す。
【図1b】図1bは、図1aに記載のバブル耐性フィルタを有するポンプの純粋な概略図を示す。
【図2】図2は、ブロッキング圧および毛管力を例示するための表現を示す。
【図3】図3は、実施形態に対する他の1つと平行して配置される疎水性および親水性の膜フィルタを有するフィルタ装置の断面図を示す。
【図4】図4は、更なる実施形態に対するくさびの形で実装される親水性および疎水性の膜フィルタを伴う断面図を示す。
【図5】図5は、錐体形状において実装されるフィルタ装置のさらなる概略図を示す。
【図6a】図6aは、いくつかの疎水性および親水性の膜フィルタ領域を有するフィルタ装置を示す。
【図6b】図6bは、いくつかの疎水性および親水性の膜フィルタ領域を有するフィルタ装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の説明に関して、異なる実施形態において、同一であるか、または同一の働きを有する機能の構成要素は、同じ参照番号を有する。そして、従って、様々な実施形態における機能の構成要素の説明は、相互に交換可能である点に留意されたい。
【0031】
図1aは、本発明の実施形態にかかるフィルタ装置の概略図を示す。フィルタ装置は、流入経路105、第1の流出経路110および第2の流出経路120を含む。加えて、フィルタ装置は、流入経路105と第1の流出経路110との間に位置する疎水性の膜フィルタ140、および流入経路105と第2の流出経路120との間に位置する親水性の膜フィルタ150も含む。流入経路105において流れる媒体220とともに移動する気泡210が、その動作の間に、疎水性の膜フィルタ140と接触するように、膜フィルタ装置は、少なくとも1つの疎水性の膜フィルタ140のセクションおよび1つの親水性の膜フィルタ150のセクションが、1mmの距離dでお互いに向かい合って位置する。このように、媒体210を流入している範囲内において存在するいくつかの気泡210は、フィルタ装置を詰まらせない。その動作の間、気泡210は、疎水性の膜フィルタ140を通過する。気泡210を含む媒体220が通過するとき、ブロッキング圧は測定されえない。図1bは、そのようなフィルタ装置を有するポンプ142を単に概略的に示す。第1の流出経路110および第2の流出経路120は、ポンプ142の吸入側144に接続される。
【0032】
作動モードのより良好な理解のために、更に詳細にいくつかのタームを記載することは、第一に当然である。
【0033】
図2は、ブロッキング圧の、および動作する毛管力の具体例を表す。親水性のフィルタ150を通ずる気泡の通過の3つの段階が、概略的に示される。第1の段階(i)において、媒体220は、最初、感知できるほどのブロッキング圧なしで親水性のフィルタ150を通じて流れる。第2の段階(ii)において、自由表面215が媒体220に形成するように、気泡210が、流入方向105からくる。媒体220は、90°よりも小さい濡れ角θでフィルタの表面を濡らす。
【0034】
このように、要素、または、少なくとも親水性のフィルタ150の表面は、濡れている(媒体または液体は、そこで、「上向きに引っ張られる」)。濡れ角θが90°より大きい場合、これは、液体がはじいている(疎水性)として表面を分類する。図2において示されるように濡れ角が90°よりも小さい場合、力がすきまから液体を除去することを必要とするように、媒体は、親水性のフィルタ150の表面に沿って引っ張られる。必要な力は、液体がすきままたは孔に引き入れられる毛管力だけである。
【0035】
第3の段階(iii)において、自由表面215が親水性のフィルタ150の(流れ方向における)後部出力で現れるように、気泡210が親水性のフィルタ150を通じてすでに部分的に押圧されている。
【0036】
ブロッキング圧の測定は、いわゆるバブルポイント法またはバブルポイント試験を使用して、しばしば実行される。前記試験は、バブルプレッシャー試験またはバブルポイント測定としても公知であって、膜の特性を試験するために使用される。たとえば、約0.22μm(たとえば、除菌のために)の通路開口部を形成する膜の孔は、媒体で満たされる。媒体は、たとえば、水を含み、充填を実行するための最も簡単な方法は、圧力を使ってフィルタシステムに水を流すことである。試験のために、一番良いことは、設計に応じて、(中空繊維モジュールのために)透過側から膜ハウジングをゆっくり加圧することである。例となる水を孔から移すために、力(2つのフィルタ側の圧力差)が必要とされる。前記圧力差は、孔の直径lに依存する:
ここで、Δp=圧力差、σ=液体の表面張力(水=72.75mN/m)、θ=濡れ角、l=孔の直径である。
【0037】
バブルポイントを決定するために、フィルタに動作する圧力が増加される。気泡が連続的に出るのを見られうる時と同じ瞬間で、圧力が、圧力計で読み出される。表面張力、濡れ角、および圧力差が既知であるので、方程式を適応することによって、たとえば、膜で最も大きな孔のサイズを算出することができ、このように、膜のその品質を決定する。物理的な定義によって、90°よりも小さい接触角度を有する表面は、親水性(濡れ性)であり、前記したように、90°よりも大きい接触角度を有すと、それは疎水性(非濡れ性)である。従って、接触角度θが、90°よりも小さい(cosθ>0)場合、正の圧力差(Δp>0)が結果として得る。
【0038】
たとえば、図2において示されるように、たとえば、丸いピンホール開口(ピンホール面板、ピンホール・ブラインド)が使用され、そして、自由表面が気泡のために形成される場合、毛管力は克服されなければならない。たとえば、このメニスカスが移動することを通じて直径Dを有するピンホール開口が考慮される場合、メニスカスの最小の曲率半径rは、r=D/2として与えられ、そして、圧力バリアΔpbは、濡れ角に関係なく克服されなければならない:
【0039】
たとえば、D=100μmのダクト直径が与えられ、空気/水に対して、σwa=0.075N/mの表面張力が与えられると、圧力バリアΔpbは、30hPaであり、D=50μmがΔpb=60hPaを結果として得る。
【0040】
すきま開口(すきま面板、すきまブラインド)の場合、1つの湾曲面のみがある場合、従って、高さHを有するすきまに存在しているブロッキング圧は、正確に、直径D=Hを有するピンホール開口の半分のブロッキング圧である。
【0041】
たとえば、H=100μmのすきま高さが与えられ、そして、空気/水に対して、σwa=0.075N/mの表面張力が与えられると、従って、圧力バリアΔpbは、15hPaであり、H=25μmに対して、Δpb=30hPaを結果として得る。しかしながら、最高50hPaまでの吸入圧は、大部分のマイクロポンプによって容易に発生されうる。
【0042】
フィルタのブロッキング圧を与えられ、開口直径は、細孔の大きさに対応する。5μmの細孔の大きさを与えられて、式(2)によるブロッキング圧は、約600hPaであり、より小さい孔の直径に対してより高くなる。しかしながら、このオーダーの規模の吸入圧は、一般のマイクロポンプによって生成され得ない。このようなわけで、特にマイクロポンプで、効率的にフィルタを通じて気泡を導くことは、極めて重要である。
【0043】
図3は、ハウジング300の範囲内において位置するフィルタ装置の実施形態を示す。ハウジング300は、流入経路105のための入力および(共有された)流出経路205のための出力を有する。ハウジング300の範囲内において、すきま160が親水性の膜フィルタ150と疎水性の膜フィルタ140との間に形成されるように、親水性の膜フィルタ150および疎水性の膜フィルタ140がお互いに向かい合って配置される。示される実施形態において、2つの平面的に実装されたフィルタは、お互いに向かい合って位置され、そして、すきま160が一定のすきま幅d(一定の距離)を有するように、親水性の膜フィルタ150および疎水性の膜フィルタ140が平らに構成されうる。すきま160の終端で、たとえば、終端壁310が設けられ、それは、親水性または疎水性の膜フィルタ150,140に接続される。終端壁は、たとえば、気泡210のためのビルドアップ空間が終端壁310で形成されないように、構成されうる。
【0044】
好都合に、媒体に応じて、毛管力は、媒体220をすきまに引き入れ、そして、このように流動抵抗を低減するように、すきま幅dが必要な大きさにされる。
【0045】
フィルタ装置において、流入経路105は、共通(共有の)の流出経路205に再結合する、第1の流出経路110および第2の流出経路120に分離する。第1の流出経路110は、疎水性の膜フィルタ140を通過し、そして、第2の流出経路120は、親水性の膜フィルタ150を通過する。媒体220が流入経路105を通じてハウジング300の範囲内におけるフィルタ装置に流入する場合、疎水性の膜フィルタ140が媒体に、より高い流動抵抗を示すので、媒体220は、親水性の膜フィルタ150を通じて流れる。
【0046】
処理の間、たとえば、空気を含む気泡210が、ハウジング300の(重力に対して)上部の領域において第1の流出経路100に沿って形成されることが起こりうる。さらなるいくつかの気泡は、媒体220を介して流入経路105を通じてフィルタ装置内に入り込む場合、前記さらなるいくつかの気泡は、第1の流出経路110を介してハウジング300の上部の部分に達する。同時に、そこに位置されるいくつかの空気またはガスは、共通の流出経路205を通じてハウジング300を出る。このように、媒体220の範囲内において位置される気泡は、フィルタの前面において気泡の蓄積することなく、フィルタ装置を通過する。
【0047】
図4は、さらなる実施形態を示し、ここで、親水性の膜フィルタ150および疎水性の膜フィルタ140が再び、たとえば、平らに配置され、2つの親水性および疎水性の膜フィルタ150,140は、この実施形態において、くさびの形に配置される。このように、親水性および疎水性の膜フィルタは、頂点312を形成するようにテーパに形成される。その結果、親水性の膜フィルタ150と疎水性の膜フィルタ140との間の距離は、頂点312の方へ下流方向において連続的に減少する。本実施形態においても、流入経路105を介して例となるハウジング300に入り込む媒体は、第1の流出経路110および第2の流出経路120に分離する。一旦それらがフィルタを通過すると、それらは、共通の流出経路205を形成するように再結合する。たとえば、媒体220の範囲内において存在するいくつかの気泡は、疎水性の膜フィルタ140を介して移動するように、疎水性の膜フィルタは、第1の流出経路110に沿って位置する。同時に、媒体220は、第2の流出経路120に沿って移動し、親水性の膜フィルタ150を介して共通の流出経路205に達する。
【0048】
前記くさびの形の配置が結果として得るように、疎水性の膜フィルタおよび親水性の膜フィルタ150,140は、平面的に、図4の描画面に対して垂直にのびている。親水性と疎水性との膜フィルタ150,140の間の非常に小さい距離が実装されるので、この実施形態は、親水性および疎水性の膜フィルタ150,140の間の距離は、連続的に減少するという効果を有する。非常に小さい距離のため、非常に小さい気泡は、充血性の効果が引き起こされることなく、その動作の間に、疎水性の膜フィルタ140に接触しうる。疎水性の膜フィルタ140と気泡との接触において、大きな気泡210は、上層部に形成されうる。たとえば、距離dが、約600μmの値から、たとえば、10μm未満の値まで連続的に減少することが可能である。
【0049】
たとえば、まず、親水性の膜フィルタ150および疎水性の膜フィルタ140が平面的に平行に(そして、相互に対向されて)配置され、そして、図4において示されるように、下流の方向のくさびの形の形式においてお互いの方向に収束するように、得られるくさびの形の配置は、さらなる実施形態において、図3において示されるように、平行な配置に結合される。
【0050】
図5は、さらなる実施形態を示し、ここで、親水性の膜フィルタ150および疎水性の膜フィルタ140は、頂点412を有する錐体を形成し、媒体220の流れの方向は、右から左であり、そして、頂点412は、下流に位置される。疎水性の膜フィルタ140および親水性の膜フィルタ150は内部に配置され、外側の筐体400に固定する。図5が縦のシリンダ軸に沿って断面図を表すように、筐体は、円筒状でありうる。本実施形態における疎水性の膜フィルタ140は、(重力場に対して)垂直に上層部に配置され、親水性の膜フィルタ150は、その下に垂直に配置される。このように、媒体220の範囲内において位置されるいくつかの気泡210は、下流方向における錐体の内部に導かれ、そして、疎水性の膜フィルタ140に接触する。そして、それらは、第1の流出経路110を介して容易に通過しうる。一方、媒体220はその下の垂直に位置される側における第2の流出経路120を介して親水性の膜フィルタ150を通過しうる。
【0051】
親水性の膜フィルタ150および疎水性の膜フィルタ140の間の距離が、頂点412の方へ下流方向において連続的に減少することが図5からも理解されうる。このように、下流方向における親水性の膜フィルタ150に沿って移動する、一様なわずかな気泡210は、頂点412で疎水性の膜フィルタ140に接触し、そして、そこで前記フィルタを容易に通過する。交差線6´−6は、図6bにおける断面表示が関連する断面線を表す。
【0052】
一様なわずかな気泡が疎水性の膜と接触せず、このように、フィルタを通過しうるように、図5において示される実施形態は、フィルタの要素が用いられるという点で拡張または改良され、それらのセクションは、疎水性/親水性になっており、そして、くさびを形成するために収束する。
【0053】
図6aおよび6bは、さらなる実施形態を示し、ここで、親水性の膜フィルタ150および疎水性の膜フィルタ140が、たとえば、互いに交互に入れ替える方法で配置されるいくつかのセクションを有する。
【0054】
図6aは、たとえば、図3において示されるようなフィルタ装置のさらなる実装を示す。図6aにおいて示される実施形態において、疎水性の膜フィルタは、第1のセクション140aおよび第2のセクション140bを有し、親水性の膜フィルタも、第1のセクション150aおよび第2のセクション150bを有する。流入経路105から流出経路205への流れ方向に沿って、親水性および疎水性のセクションが、流れ方向において、交互に他方の後ろに一方が配置される。図3に示される実施形態と比較したとき、(図3における)親水性の膜フィルタ150は、疎水性の膜セクション140aの第1の部分および親水性の膜セクション150bの第2の部分に置換され、それらは、流れ方向において、他方の後ろに一方が位置される。同時に、図3において示される疎水性の膜フィルタ140は、第1の親水性のセクション150aおよび第2の疎水性のセクション140bに置換され、再び、流れ方向において、他方の後ろに一方が位置される。このように、親水性および疎水性のセクション140a,150aは、平行に配置され、そして、流れ方向において、相互に対向され、そして、第2の疎水性のセクション140bおよび第2の親水性のセクション150bは、平行に−下流方向においてそれに対して隣接して−配置され、相互に対向される。たとえば、親水性および疎水性のセクション150a,bおよび140a,bは、表面が平行であり、そして、相互に対向するように、かさねて平面に実装される。
【0055】
そして、図6aにおいて示される実施形態は、フィルタ装置の方向に関係なく、上部のダクト域に沿って垂直に伝播する非常に小さい気泡は、疎水性の膜セクション140に接触する利点を有する。しかしながら、−疎水性のセクション140が、親水性のセクション150によっていつも続くか、または先行されるのであれば、第1に、親水性のセクション150が形成され、疎水性のセクション140が続くように、セクションの順番は変更することができる。
【0056】
さらなる実施形態において、たとえば、図4において示されるように、下流に位置される第2の親水性および疎水性のセクション140b,150bが相互にくさびの形に構成されることは可能である。このように、疎水性の第2のセクション140bが接触するか、または親水性の第2のセクション150bに接続される場合、次に、終端壁310は不必要になりうる。
【0057】
さらなる実施形態において、直列配置される疎水性および親水性の膜領域150,140の平行した配置を結合することも可能である。すなわち、疎水性および親水性の膜セクション140,150は、平行におよび相互に対向して位置されていないが、たとえば、図6aにおいて示されるように、平面的に、お互い隣接するように配置される。
【0058】
図6bは、図5において示されたような親水性および疎水性の膜領域150,140の錐体の形の実装のさらなる実施形態を示す。それは、たとえば、図5における断面線6−6´に沿って、流入経路105の方向から流れ方向へ垂直である断面図である。このように、図6bは、膜領域が錐体の形状に配置される実施形態を示す。これに関連して、(時計回りの方向において)フィルタ膜は、親水性および疎水性のセクション150,140を有し、第1の親水性の膜領域150aは、後に、たとえば、第1の疎水性の膜領域140aが続き、それに隣接して、第2の親水性の膜領域150bは、後に、第2の疎水性の膜領域140bがかさねて続く。全体の錐体の表面が、図6bにおいて示されるように、ストライプの形の形式において、親水性および疎水性の膜領域150,140によって形成されるまで、この交互の配置が続く。親水性および疎水性の膜領域150,140のすべては、頂点412の方へ収束する。ここで、それらの全ては、合致し、互いに接続している。
【0059】
このように、下流方向において移動している気泡210は、その動作の間、疎水性の膜領域140に常に接触する。比較的大きい気泡について、通常、疎水性のダクト領域との接触は、非常に小さい気泡によりもより早く発生する。そのために、それらが、錐体の頂点412へ上がって、そして、この位置の前に、疎水性の膜のセクションに接触しないことが起こりうる。このように、この実施形態も、−重力の振る舞いに関係なく−気泡210は、それらの動作に沿って、より初期のまたはより後の時で疎水性の膜セクション140に接触し、それから容易にそれを通過する。このように、重力に関するフィルタの方向または配列に応じて、充血性の効果が防止されることは、流動抵抗が増加するように、気泡がフィルタの特定の位置で蓄積され、そこでフィルタをブロックすることを意味する。図6bのフィルタ装置は、平行に配置されるいくつかの親水性または疎水性のフィルタセグメントを含む。
【0060】
さらなる実施形態において、親水性および疎水性150,140のフィルタ膜が2つの異なる膜の要素を利用することも、および、異なる細孔の大きさを使用することも可能である。たとえば、バブルポイントは、疎水性および細孔の大きさに依存するので、空気バイパスがより小さい孔幅を使用することによって明確に効率的に保たれるように、同一または異なる孔幅を有する膜の利用が可能である。
【0061】
たとえば、親水性および疎水性の膜フィルタ140,150は、一様に実装された膜フィルタの表面処理によって形成されうる。表面処理の間、たとえば、フィルタは、表面を処理するために使用される材料に応じて、表面処理によって、疎水性または親水性のいずれか一方であるように実装される。シリコン、プラスチックフィルム、金属フィルム等のような材料とするコーティング技術が構築されるように生成され、疎水性または親水性が範囲の増加に展開される。このように、全体として膜が、最初に形成され、その後、膜の特定の部分は、特定のセクションに対して選択的に生じうるように、疎水的または親水的にコートされる。部分的には疎水性コーティングおよび部分的には親水性コーティングを有するフィルタの構成要素は、マイクロポンプの注入口に取り付けられるという点で、従って、いわゆる、バブルフリーポイントフィルタは、マイクロポンプの中に直接的に組み込まれうる。
【0062】
実施形態に従うバブル耐性粒子フィルタは、以下のように要約されうる。膜は、−たとえば、対向する形式において、流れ方向に平行に設計される。フィルタが、水平軸について、180度回転の場合には均一になるように働くように、膜の配置は、機能が完全に位置から独立している。親水性の膜150は、スポンジのような働きをすることができ、水を吸収することができる。すきま厚(距離)dは、たとえば、発生する最も小さい気泡210と同じ大きさに選択されうる。そして、膜がその他に接するようにそれに位置することが可能である。あるいは、発生する気泡の少なくとも80%が距離dより大きい直径を有するように、距離dが選択されうる。膜は、くさびの形であるか、ポケットの形であるか、漏斗の形でも配置され、くさびの形の配置が、最も小さい気泡210が、疎水性の膜領域140と接触することを確実にする。すきま160またはダクトの大きさによって、毛管力が、さらに流動抵抗を低減するために、さらに使用されうる。通常、非常に低い圧力低下が実施形態において存在する。そして、それは、従って、マイクロ流体に関する目的(たとえば、マイクロポンプに対して)非常に適している。
【0063】
このように、実施形態は、気泡がダクトの特定の位置で蓄積できることを回避するだけでなく、同時に、小さい粒子が、フィルタのバブル耐性機能を制限するかまたは妨げる疎水性の位置で積もることを回避する。このように、親水性の膜が上部にある場合、水平の回転軸に関して180度による回転は、ブロックされるフィルタを結果として得て、そして、従って、空気が上部に蓄積し、水は、もはや通過することが出来ないので、従来のソリューションの不利な点は、回避される。
【0064】
実施形態において、既存の泡、または最も小さい既存の泡の直径より明らかに小さいように、距離dが選択されうる。たとえば、距離dは、約200μmまたは約100μmに等しく、または、100μmより下方の範囲内に位置しうる。図4および図5において示されるように、くさび、または錐体の形の形式において配置される膜の構造は、たとえば、頂点312,412で角を含み、そして、その角は、疎水性の膜140および親水性の膜150によって広げられ、そして、5°および50°の間の範囲であるか、または、180°より少なくとも小さい。細孔の大きさは、柔軟な形式で設定され、孔は、0.2μmのオーダーであるか、または、0.1μmから20μm、もしくは5μmから10μmまでのレンジを有することが可能である。
【0065】
実施形態は、流れの分岐が、分岐の後で再結合される1つの疎水性および1つの親水性のセクションを有するフィルタの構成要素によって実装されるフィルタ装置も含む。さらなる実施形態において、細幅の流れのすきまが2つの膜フィルタの間で結果として得られるように、親水性のセクションのフィルタの要素が、疎水性のセクションのフィルタの要素に向かい合って位置する。
【0066】
さらなる実施形態において、液体のみが親水性のフィルタ150の前面におけるすきま160の範囲内に残存するように、そして、一旦、気泡が疎水性のフィルタ140を通過し、もはや気泡が親水性のフィルタ150の前面になくなるように、疎水性および親水性のフィルタが、その間において、細幅のすきま160を有してお互いに向かい合って位置し、すきま160の高いアスペクト比が毛管力の存在を確実にする。
【0067】
このように、異なる接触角度を有する2つ(またはより多くの)フィルタの要素が平行に配置される。そして、1つのフィルタが、供給される液体に関して濡れ作用を有する(従って、充填の間、低い充填圧のみを有する)。それに対して、他のフィルタの要素は、液体に関してより高い充填圧を有し、濡れることはない(たとえば、空気が第2のフィルタの範囲内において残存する)。流路は、フィルタの前面において分離されて、それらの後で再結合する。気泡が入る場合、ここで、測定可能になっているブロッキング圧のない第2の疎水性のフィルタを通る経路をとる。
【0068】
それらが、すべての如何なる抵抗もなく、またはいかなるかなりの抵抗もなしで、フィルタを(たとえば、マイクロポンプの入力で)通過するように、フィルタ装置が気泡に関して耐性があるので、フィルタ装置は、外気が吸い込まれることを避けるために、環境に対して直接的な開口部を有してはならない。このように、フィルタ装置は、外気から切り離されなければならない。
【0069】
従って、本発明の実施形態は、ポンプの吸引側に配置されるバブル耐性粒子フィルタを有するポンプを提供する。本発明の実施形態において、ポンプはマイクロポンプである。通常、本発明の実施形態は、小さい細孔の大きさをともなうフィルタを有するポンプに関する。実施形態は、ポンプが粒子によってブロックされるのを防止するための粒子フィルタを含むギアポンプに関する。通常、本発明の実施形態は、粒子によってブロックされるか、または詰まらせられ、そして、従って、フィルタを必要とする構造を有するポンプに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引側から圧力側まで媒体をポンプ輸送するためのポンプは、
流入経路(105)、第1の流出経路(110)および第2の流出経路(120)と、
前記流入経路(105)と前記第1の流出経路(110)との間に位置する疎水性の膜フィルタ(140)と、
前記流入経路(105)と前記第2の流出経路(120)との間に位置する親水性の膜フィルタ(150)と、
を含むフィルタ装置であって、
少なくとも1つの前記疎水性の膜フィルタ(140)と前記親水性の膜フィルタ(150)のセクションは、前記流入経路(105)において流れる媒体(220)とともに移動する気泡(210)がその動作の間に前記疎水性の膜フィルタ(140)と接触するように、1mmの距離(d)で離れて互いに対向され、
前記フィルタ装置の前記第1および前記第2の流出経路(110,120)は、前記ポンプの前記吸入側に接続される、ポンプ。
【請求項2】
前記ポンプは、マイクロ膜ポンプを含む、請求項1に記載のポンプ。
【請求項3】
前記疎水性の膜フィルタ(140)および前記親水性の膜フィルタ(150)は、平行に配置され、そして、平面的に、互いに対向される、請求項1または請求項2に記載のポンプ。
【請求項4】
前記疎水性の膜フィルタ(140)および前記親水性の膜フィルタ(150)は、前記流れの方向において、くさび形のテーパに形成される、請求項1または請求項2に記載のポンプ。
【請求項5】
前記疎水性の膜フィルタ(140)および前記親水性の膜フィルタ(150)は、前記流れの方向において、錐体のテーパに形成される、請求項1または請求項2に記載のポンプ。
【請求項6】
前記疎水性および前記親水性の膜フィルタ(140,150)のいくつかの向かい合って配置されたセクションは、前記媒体(220)から下流に、疎水性および親水性のセクション(140,150)が互い違いになるように、前記媒体(220)から下流に構成される、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のポンプ。
【請求項7】
下流方向において、前記疎水性のおよび前記親水性の膜フィルタ(140,150)は、終端壁(310)によって互いに隔てられ、気泡(210)のためのビルドアップ空間が前記終端壁(310)で形成されないように、前記終端壁(310)が構成される、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のポンプ。
【請求項8】
前記親水性の膜フィルタ(150)および前記疎水性の膜フィルタ(140)が共通の膜基材を含み、前記親水性の膜フィルタ(150)および前記疎水性の膜フィルタ(140)は前記膜基材の異なる表層コーティングを有する、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のポンプ。
【請求項9】
前記疎水性の膜フィルタ(140)の要素は、ポンプ輸送される媒体に対して100°より大きい接触角を有し、前記親水性の膜フィルタ(150)の要素は、ポンプ輸送される媒体に対して80°未満の接触角を有する、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のポンプ。
【請求項1】
吸引側から圧力側まで媒体をポンプ輸送するためのポンプは、
流入経路(105)、第1の流出経路(110)および第2の流出経路(120)と、
前記流入経路(105)と前記第1の流出経路(110)との間に位置する疎水性の膜フィルタ(140)と、
前記流入経路(105)と前記第2の流出経路(120)との間に位置する親水性の膜フィルタ(150)と、
を含むフィルタ装置であって、
少なくとも1つの前記疎水性の膜フィルタ(140)と前記親水性の膜フィルタ(150)のセクションは、前記流入経路(105)において流れる媒体(220)とともに移動する気泡(210)がその動作の間に前記疎水性の膜フィルタ(140)と接触するように、1mmの距離(d)で離れて互いに対向され、
前記フィルタ装置の前記第1および前記第2の流出経路(110,120)は、前記ポンプの前記吸入側に接続される、ポンプ。
【請求項2】
前記ポンプは、マイクロ膜ポンプを含む、請求項1に記載のポンプ。
【請求項3】
前記疎水性の膜フィルタ(140)および前記親水性の膜フィルタ(150)は、平行に配置され、そして、平面的に、互いに対向される、請求項1または請求項2に記載のポンプ。
【請求項4】
前記疎水性の膜フィルタ(140)および前記親水性の膜フィルタ(150)は、前記流れの方向において、くさび形のテーパに形成される、請求項1または請求項2に記載のポンプ。
【請求項5】
前記疎水性の膜フィルタ(140)および前記親水性の膜フィルタ(150)は、前記流れの方向において、錐体のテーパに形成される、請求項1または請求項2に記載のポンプ。
【請求項6】
前記疎水性および前記親水性の膜フィルタ(140,150)のいくつかの向かい合って配置されたセクションは、前記媒体(220)から下流に、疎水性および親水性のセクション(140,150)が互い違いになるように、前記媒体(220)から下流に構成される、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のポンプ。
【請求項7】
下流方向において、前記疎水性のおよび前記親水性の膜フィルタ(140,150)は、終端壁(310)によって互いに隔てられ、気泡(210)のためのビルドアップ空間が前記終端壁(310)で形成されないように、前記終端壁(310)が構成される、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のポンプ。
【請求項8】
前記親水性の膜フィルタ(150)および前記疎水性の膜フィルタ(140)が共通の膜基材を含み、前記親水性の膜フィルタ(150)および前記疎水性の膜フィルタ(140)は前記膜基材の異なる表層コーティングを有する、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のポンプ。
【請求項9】
前記疎水性の膜フィルタ(140)の要素は、ポンプ輸送される媒体に対して100°より大きい接触角を有し、前記親水性の膜フィルタ(150)の要素は、ポンプ輸送される媒体に対して80°未満の接触角を有する、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のポンプ。
【図1a】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【公表番号】特表2012−519801(P2012−519801A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553405(P2011−553405)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【国際出願番号】PCT/EP2010/052848
【国際公開番号】WO2010/102961
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(591037214)フラウンホッファー−ゲゼルシャフト ツァ フェルダールング デァ アンゲヴァンテン フォアシュンク エー.ファオ (259)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【国際出願番号】PCT/EP2010/052848
【国際公開番号】WO2010/102961
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(591037214)フラウンホッファー−ゲゼルシャフト ツァ フェルダールング デァ アンゲヴァンテン フォアシュンク エー.ファオ (259)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]