説明

フィルタ装置及び粉粒体処理装置

【課題】回収粉体内への異物であるホットメルト接着剤の混入を防止し、回収粉体の再利用化を可能とすることができるフィルタ装置を提供する。
【解決手段】平面投影方向の断面形状が星型でプリーツ状に形成された略円筒形状のフィルタ濾過体28と、フィルタ濾過体28の上下に配置されたプレート26,27と、フィルタ濾過体28の内部に収容された濾過体固定部材としてのケージ30と、フィルタ濾過体28の円周方向に適宜の間隔をおいて配置され且つフィルタ濾過体28の外周側山部に溶着固定された複数の固定具31と、フィルタ濾過体28の外周に環装され且つ固定具31に支持された状態で両端部同士が溶着締結された帯状のバンド32と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体流により流動化された粉体や粉粒体等の微細物を気体と分離するフィルタに関し、特に、捕集した微細物の払い落とし時に、異物混入を防止する効果に優れたフィルタ装置及び粉粒体処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、医薬品や化粧品或いは食品等の製造分野には、粉体や粉粒体等の微細物を、造粒処理、コーティング処理、混合処理、乾燥処理等の各種処理を経て様々な製品を製造する場合が周知である。
【0003】
また、このような製品製造工程においては、微細物を気体流によって流動化することによって造粒処理等を行う流動層造粒装置といった粉粒体処理装置が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
さらに、このような粉粒体処理装置を用いて造粒処理等を実施する際には、流動化した粉粒体にバインダやコーティング液等をスプレーにて供給している。
【0005】
このため、粉粒体処理装置には、粉粒体の流動化のために気体が供給される一方、その排気から粉粒体を分離するためのフィルタ装置が設けられている。
【0006】
このフィルタ装置は、気体流によって流動化された粉粒体を濾別し、気体だけを分離して粉粒体処理装置の外部へと排出する機能を果たしている。
【0007】
この際、フィルタ装置に設置されたフィルタ濾過体には、粉粒体処理装置の稼働に伴う粉体や粉粒体等の微細物の捕集によって、次第に目詰まりが発生してくる。
【0008】
従って、粉粒体処理装置では、フィルタ濾過体の目詰まりを防止するため、適宜、フィルタ内部に逆洗用パルスエアを噴射することでフィルタ濾過体に付着した微細物の払い落としを行なっている。
【0009】
一方、フィルタ濾過体には、逆洗用パルスエアを噴射することによってフィルタ濾過体が必要以上に膨らんでしまうことを防止するため、その外周の複数個所に帯状のバンドを巻き付け固定したものが知られている(特許文献2参照)。
【0010】
この際、バンドの両端部同士並びにバンド内周面とフィルタ濾過体の外周とは(以下、「バンド両端部等」と称する。)、例えば、毒性が無く且つ不燃性の接着剤、主として、エチレン酢酸ビニル共重合物やポリオレフィン共重合物、ポリアミド、合成ゴム系等のホットメルト接着剤を用いて接着する方法が多く用いられている。
【0011】
尚、ホットメルト接着剤は、バンド両端部等を接着する際には、グルーガン等の工具を用いて過熱溶融した状態で接着箇所に塗布され、冷却により固化することで接着が完了となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2005−193131号公報
【特許文献2】特開2006−000756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところが、上記の如く構成されたフィルタ装置にあっては、ホットメルト接着剤を用いてフィルタ濾過体の外周を固定するバンド両端部等を接着(固定)している。
【0014】
従って、接着作業を行う周囲環境(温度や湿度等)やホットメルト接着剤の塗布量によって接着強度が依存されるため、接着強度にばらつきが発生し易く、一定品質を確保することが困難で、しかも、接着強度が弱い部分は剥がれ易いという問題が生じていた。
【0015】
また、上述したように、フィルタ装置のフィルタ濾過体は、微細物の付着・捕集に伴う目詰まりの進行を防止するために、適宜、逆洗用パルスエアが噴射される。
【0016】
従って、この逆洗用パルスエアの繰り返し噴射による微細物の払い落としに伴い、バンド両端部間等の接着箇所には、ホットメルト接着剤を引き剥がそうとする負荷が発生することから、その負荷によってフィルタ濾過体からホットメルト接着剤の一部が脱落し、剥がれの要因ともなるといった問題も生じていた。
【0017】
さらに、ホットメルト接着剤の一部が脱落し、その脱落したホットメルト接着剤が回収容器等に堆積した微細物内に混入した場合、その回収粉体を再利用するためには異物であるホットメルト接着剤を除去する必要がある。
【0018】
実際には、回収粉体に混入してしまったホットメルト接着剤の除去作業は、非常に手間を要するうえ、費用も嵩むため、回収した微細物は廃棄処分をせざるを得なかった。
【0019】
尚、医薬品や化粧品或いは食品等の高付加価値製品の分野で使用される粉体は、比較的高価な物が多いことから、回収した微細物の再利用化を可能としたフィルタ装置の要求が非常に強く求められていた。
【0020】
そこで、本発明は、上記事情を考慮し、回収粉体内への異物であるホットメルト接着剤の混入を防止し、回収粉体の再利用化を可能とすることができるフィルタ装置及び粉粒体処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明のフィルタ装置は、平面投影方向の断面形状が星型でプリーツ状に形成された略円筒形状のフィルタ濾過体と、該フィルタ濾過体の上下に配置されたプレートと、前記フィルタ濾過体の内部に収容された濾過体固定部材と、前記フィルタ濾過体の円周方向に適宜の間隔をおいて配置され且つ前記フィルタ濾過体の外周側山部に溶着固定された複数の固定具と、前記フィルタ濾過体の外周に環装され且つ前記固定具に支持された状態で両端部同士が溶着締結された帯状のバンドと、を備えていることを特徴とする。
【0022】
本発明のフィルタ装置によれば、フィルタ濾過体の膨らみ防止効果を向上することができるばかりでなく、回収粉体内への異物の混入を抑制し得て、しかも、バンドのずれや曲がりを抑制することができる。
【0023】
請求項2に記載のフィルタ装置は、前記バンドの両端部同士及び前記フィルタ濾過体の外周側山部と前記固定具とは超音波溶着で溶着されていることを特徴とする。
【0024】
請求項2に記載のフィルタ装置によれば、溶着方法として超音波溶着を使用することにより、溶着面積を最小限に留めてフィルタ濾過体の痛みを少なくすることができるばかりでなく、各接合部位の接合強度を強く確保し得て、しかもフィルタ濾過体の洗浄性を向上することができる。
【0025】
請求項3に記載のフィルタ装置は、前記固定具には、前記バンドが係合するように外周方向に開放した凹部又は前記バンドが貫通するスリットが形成されていることを特徴とする。
【0026】
請求項3に記載のフィルタ装置によれば、バンドの位置決めをより一層確実に行うことができ、バンドのずれや曲がりの発生並びにバンドの脱落を抑制することができる。
【0027】
請求項4に記載のフィルタ装置は、前記固定具は、前記外周側山部と同方向に突出するように二つ折りとされ且つその稜線方向に沿う両縁部と前記外周側山部とが溶着されていることを特徴とする。
【0028】
請求項4に記載のフィルタ装置によれば、固定具を二つ折り形状とすることによって、フィルタ濾過体の外周側山部に載せた状態で固定具を溶着することができるばかりでなく、溶着作業を容易に行い得て、しかもフィルタ濾過体の外周側山部に沿って固定部を溶着することができ、溶着面積の増大並びに接合強度の確保を容易に実現すると共に、固定具の小型化にも貢献することができる。
【0029】
また、本発明の粉粒体処理装置は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載のフィルタ装置を配置した略円筒形状の造粒筒と、ブロワーから導入されて清浄化した気体を所定温度に調整したうえで前記造粒筒内に供給して粉粒体を流動化させる給気ダクトと、前記造粒筒内に供給された気体を前記フィルタ装置を経由した後に筒外へと排出する排気ダクトと、を備えていることを特徴とする。
【0030】
本発明の粉粒体処理装置によれば、医薬品や化粧品或いは食品等の高付加価値製品を製造・生産する分野で使用される比較的高価な回収粉体の再利用化を可能とすることができ、コストメリットに貢献することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明のフィルタ装置は、回収粉体内への異物であるホットメルト接着剤の混入を防止し、回収粉体の再利用化を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態に係るフィルタ装置を適用した粉粒体処理装置の説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るフィルタ装置の説明図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るフィルタ装置の外観斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るフィルタ装置における実施例1の要部の斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るフィルタ装置における実施例2の要部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
次に、本発明のフィルタ装置に係る一実施形態について、医薬品や化粧品或いは食品向け粉粒体処理装置に適用し、図面を参照して説明する。
【0034】
尚、以下に示す実施形態は本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限りこれらの態様に限定されるものではない。
図1は本発明の一実施形態に係るフィルタ装置を適用した粉粒体処理装置の説明図、図2は本発明の一実施形態に係るフィルタ装置の説明図、図3は本発明の一実施形態に係るフィルタ装置の外観斜視図である。
【0035】
図1において、粉粒体処理装置11は、底部12aから上向きに拡開する逆向きの截頭円錐部12bを備えた略円筒形状の造粒筒12と、造粒筒12の底部12aと連通する給気ダクト13と、造粒筒12の上部12cと連通する排気ダクト14と、造粒筒12の内部上方寄りに設けられた仕切板15を介して吊持固定された複数(本実施の形態では一対)のフィルタ装置16,16と、造粒筒12の底部12aに配置された多孔板17と、フィルタ装置16,16と多孔板17との間に配置されたスプレーノズル18と、仕切板15の上方に配管されたパルスエア供給管19と、を備えている。
【0036】
給気ダクト13の内部には、給気方向上流側に配置された清浄用フィルタ20と、清浄用フィルタ20よりも給気方向下流側に配置された熱交換器21と、が配置され、図示を略するブロアから気体が導入される。また、給気ダクト13に導入された気体は、清浄用フィルタ20にて清浄化された後に、熱交換器21にて加熱又は冷却されて所定温度に調整されたうえで、多孔板17を通過して造粒筒12の内部に供給され、原料の粉粒体を流動化する。
【0037】
排気ダクト14は、造粒筒12の内部に供給されてフィルタ装置16,16を介して造粒筒12の上部12cへと流れた気体を筒外へと排出する。
【0038】
仕切板15は略円板状に形成され、その周縁を造粒筒12の内面に接触した状態で固定することで造粒筒12を上下に仕切る。また、仕切板15には、フィルタ装置16,16の上面と対向して払い落とし用パルスエア(圧縮空気)の吹込穴15a,15aが設けられている。尚、この吹込穴15a,15aは、フィルタ装置16,16の上面よりも狭い範囲で一つ以上形成されている。
【0039】
フィルタ装置16,16は、本実施の形態においては、二台設置されているが、その設置数は一台でも二台以上の複数でも良い。尚、フィルタ機能を高めるためには複数のフィルタ装置16,16を設置することが好ましい。また、フィルタ装置16,16は仕切板15に取付金具22を介して取付ボルト23により密着固定されている。
【0040】
さらに、図示しないが、仕切板15に固定されたリテーナー(取付金具)を介して、リテーナーの中心軸の下端をフィルタ装置16,16の下方プレート中央に設けられた穴に貫通させた後、ネジ止めすることにより、密着固定することもできる。
【0041】
スプレーノズル18は、図示しない送液ポンプと接続されており、バインダ液やコーティング液等を造粒筒12の内部下方に向けて噴霧する。これにより、給気ダクト13から多孔板17を通過して造粒筒12の内に供給された気体流によって流動化された粉粒体にバインダ液等が供給され、造粒筒12の内部での造粒処理やコーティング処理を行なうことができる。
【0042】
パルスエア供給管19は、図示しないパルスエア供給源から造粒筒12の内部にパルスエアを供給するもので、造粒筒12の外部に配置されたバルブ24と、仕切板15の吹込穴15a,15aに向けてパルスエアを噴射する一対のパルスジェットノズル25,25と、を備えている。
【0043】
一対のパルスジェットノズル25,25は、フィルタ装置16,16の内側に適宜の時間間隔をおいてパルスエア(圧縮空気)を噴射してフィルタ装置16,16に付着した粉粒体の払い落としを行い濾別する。尚、濾別された気体は、仕切板15の吸込穴より排気ダクト14を通過して外部に排出される。
【0044】
次に、本発明の一実施形態に係るフィルタ装置16,16の詳細を説明する。尚、以下の説明においては、各フィルタ装置16,16が同一の構成のものを採用しているため、一方のフィルタ装置16についてのみ説明する。
【0045】
図2及び図3に示すように、フィルタ装置16は、上下一対のプレート26,27と、この上下プレート26,27の間に設けられて全体として平面投影方向の断面(正断面)が星型でプリーツ状の略円筒形状に形成されたフィルタ濾過体28と、上プレート26の上面に設けられたゴム製のパッキン29と、フィルタ濾過体28の内側に配置されて上下プレート26,27の間に保持された多孔質(又はメッシュ状)の略円筒形状のケージ30と、フィルタ濾過体28の外周に複数の固定具31…を介して装着された上下一対のバンド32,32と、を備えている。
【0046】
上プレート26と下プレート27とは、ABS等の合成樹脂材料によって成形されており、略円筒形状のフィルタ濾過体28の上下を塞いでいる。また、上プレート26には稼動時の吸引と払い落とし時のパルスエアの吹き込みを行う開口部26aが形成されている。
【0047】
フィルタ濾過体28は、スパンボンド(長繊維を熱溶着成形したフィルタ)で構成されている。尚、フィルタ濾過体28は、その正断面形状が星型でプリーツ状の略円筒形状に限らず、単なる筒型等でも良い。
【0048】
パッキン29は、上プレート26と仕切板15との間に位置し、仕切板15に対して上プレート26を密着状態とすることにより排気ダクト14への粉粒体の漏れを防止する。
【0049】
濾過体固定部材であるケージ30は、例えば、厚さ1mm以下のステンレス製で、開口率50%程度のパンチングメタルで製作されている。また、ケージ30の形状は、略円筒形状とされ、フィルタ濾過体28とほぼ同一の長さ(高さ)を有していて、フィルタ濾過体28の内部に収容されており、その上下両端部は、シリコン等の充填剤により固定されている。尚、ケージ30の材質は、ステンレス等の鉄製以外の材質(例えば、樹脂製)でも良い。
【0050】
固定具31…は、フィルタ濾過体28の周方向に等間隔で複数(例えば、5箇所)配置されている。尚、固定具31…の配置数は、フィルタ濾過体28の直径寸法により適宜の数を選定することができる。また、各固定具31…には、例えば、図4に示すように、バンド32,32と係合するように外周方向に開放する凹部31a、又は、図5に示すように、バンド32,32が貫通するスリット31b、が形成されている。この際、凹部31a又はスリット31bは、バンド32,32の幅及び厚さを考慮して、凹部31a又はスリット31bとでガタの発生がしない寸法とするのが好ましい。また、凹部31aの深さやスリット31bの形成位置を、固定具31…をフィルタ濾過体28に装着した状態でフィルタ濾過体28の外周に接する付近に設定することによって、バンド32,32の内周面をフィルタ濾過体28の外周面に密着させることが可能となる。尚、固定具31…に凹部31aを形成した場合、バンド32,32の巻き付け作業性が向上される。また、固定具31…にスリット31bを形成した場合、バンド32,32の巻き付け作業時を含めて固定具31…からのバンド32,32の脱落を抑制することができる。尚、固定具31…は複数個配置されるため、凹部31aを備えた固定具31…とスリット31bを形成した固定具31…とを混在して使用することも可能である。さらに、固定具31…の材質は、ポリエステル製の織布(食品衛生法適合品を使用)であり、その厚さは0.5〜1.5mm程度である。また、固定具31…は、フィルタ濾過体28の外周側山部と同方向に突出するように二つ折りとされた状態でフィルタ濾過体28の外周側山部に載せた後、少なくともその稜線方向に沿う両縁部と外周側山部とが溶着されている。尚、本実施の形態においては固定具31…の全周縁部に跨って超音波溶着機によりフィルタ濾過体28に溶着されている。従って、固定具31…を二つ折りとすることにより、フィルタ濾過体28の外周側山部に載せた状態で容易に溶着作業を行うことができ、しかも、溶着面積を広く確保し得て、強固な接合構造を確保することができる。さらに、固定具31…をフィルタ濾過体28の外周側山部に溶着する際には、接合箇所を微細な超音波振動と加圧力によって瞬時に溶融接合する加工技術である超音波溶着を採用することにより、同材質の溶着であれば母材強度に近いレベルまで強度を高く確保することができる。また、作業場周囲環境(温度や湿度等)に影響され難く、安定した溶着作業を行うことが可能となる。
【0051】
バンド32,32の材質は、ポリエステル製の織布(食品衛生法適合品を使用)であり、幅20〜30mm、厚み0.5〜1.5mm程度が好ましい。また、バンド32,32は、フィルタ濾過体28の上下適宜間隔を存して二本配置されている。従って、上述した固定具31…もフィルタ濾過体28の上下適宜間隔を存して配置される。この際、フィルタ濾過体28の外周方向に対して上下でズラすことにより、同一のフィルタ濾過体28の外周に上下二つの固定具31…を接合することがなくなり、フィルタ濾過体28の外周側山部強度を確保することができる。尚、バンド32,32の本数は、フィルタ装置16,16の全長(高さ)に応じて適宜本数を用いることができる。また、バンド32,32の両端部同士は、そのラップ代を5〜10mm程度確保し、そのラップ部分をフィルタ濾過体28の内側方向に互いに折り曲げたうえで、超音波溶着によって締結している(図4参照)。尚、バンド32,32の両端ラップ代を同様に5〜10mm程度確保し、そのラップ部分を互いに内外に重ね合わせた状態で超音波溶着によって締結しても良い(図5参照)。
【0052】
上記の構成において、本発明のフィルタ装置16,16を粉粒体処理装置11に取り付けた後、フィルタ濾過体28への目詰まり防止のためにエアを噴き付けて払い落としを行った際には、フィルタ濾過体28の外周に巻き付けたバンド32,32及びバンド32,32とフィルタ濾過体28との接合箇所に、フィルタ濾過体28が膨らもうとする方向の負荷が掛かる。
【0053】
この際、本発明のバンド32,32の両端部同士並びにフィルタ濾過体28と固定具31…とは超音波溶着によって接着剤レスで接合しているため、これら接合部の剥がれや脱落等を抑制することができるばかりでなく、造粒筒12の底部12aに堆積した回収粉体中への異物の混入も抑制することができる。
【0054】
ところで、本発明のフィルタ装置16,16では、衛生上の目的や造粒筒12の底部12aに堆積した回収粉体を再利用する目的で、GMP(Good Manufacturing Practice)や食品衛生法の基準に適合した材質を使用しているが、その使用目的等に応じて適宜材料のものを用いることができる。
【0055】
また、本発明に係るフィルタ装置16,16は、上述した粉粒体処理装置11に限定されず、例えば、一般的な集塵用途に使用される集塵機等への適用も可能であり、その用途は多岐にわたることができる。
【符号の説明】
【0056】
11…粉粒体処理装置
12…造粒筒
13…給気ダクト
14…排気ダクト
15…仕切板
16…フィルタ装置
26…上プレート
26a…開口部
27…下プレート
28…フィルタ濾過体
30…ケージ(濾過体固定部材)
31…固定具
31a…凹部
31b…スリット
32…バンド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面投影方向の断面形状が星型でプリーツ状に形成された略円筒形状のフィルタ濾過体と、該フィルタ濾過体の上下に配置されたプレートと、前記フィルタ濾過体の内部に収容された濾過体固定部材と、前記フィルタ濾過体の円周方向に適宜の間隔をおいて配置され且つ前記フィルタ濾過体の外周側山部に溶着固定された複数の固定具と、前記フィルタ濾過体の外周に環装され且つ前記固定具に支持された状態で両端部同士が溶着締結された帯状のバンドと、を備えていることを特徴とするフィルタ装置。
【請求項2】
前記バンドの両端部同士及び前記フィルタ濾過体の外周側山部と前記固定具とは超音波溶着で溶着されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項3】
前記固定具には、前記バンドが係合するように外周方向に開放した凹部又は前記バンドが貫通するスリットが形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフィルタ装置。
【請求項4】
前記固定具は、前記外周側山部と同方向に突出するように二つ折りとされ且つその稜線方向に沿う両縁部と前記外周側山部とが溶着されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のフィルタ装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れかに記載のフィルタ装置を配置した略円筒形状の造粒筒と、ブロワーから導入されて清浄化した気体を所定温度に調整したうえで前記造粒筒内に供給して粉粒体を流動化させる給気ダクトと、前記造粒筒内に供給された気体を前記フィルタ装置を経由した後に筒外へと排出する排気ダクトと、を備えていることを特徴とする粉粒体処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−172844(P2010−172844A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−19514(P2009−19514)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(000101617)アマノ株式会社 (174)
【出願人】(000112912)フロイント産業株式会社 (55)
【Fターム(参考)】