説明

フィルタ装置及び該装置を用いた測定システム並びにフィルタ方法

【課題】高ダイナミックレンジが要求される測定に適した急峻な特性を得る。
【解決手段】フィルタ装置は、入力信号をそのまま伝送するスルーライン25bと、通過帯域の一部が重複して中心周波数が少しずつずれた複数のバンドパスフィルタからなるバンドパスフィルタ群25とを有する周波数可変用フィルタ21と、入力信号をそのまま伝送するスルーライン26b,27bと、複数のローパスフィルタからなるローパスフィルタ群26と、複数のハイパスフィルタからなるハイパスフィルタ群27とを有する周波数帯域幅変動用フィルタ22と、周波数可変用フィルタ21及び周波数帯域幅変動用フィルタ22からスルーラインを含む所定のフィルタを選択するように、設定周波数に応じて接点が切替制御される切替部23とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力信号の帯域を制限するフィルタ装置及びフィルタ方法に関するとともに、前記フィルタ装置を用いて入力信号の測定(例えば周波数分析や波形観測など)を行う測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
外部から受信した被測定信号の分析を行う信号分析装置(例えばスペクトラムアナライザ)には、本来の受信対象の信号の他にイメージレスポンスや増幅器が有する非線形歪みによる不要信号の受信を防ぐために、入力回路にプリセレクタ装置を使用している。
【0003】
ところで、上述したプリセレクタ装置において、例えば1GHzくらいまでの周波数範囲で通過帯域が選択的に可変できる従来のフィルタ装置としては、周波数同調のものも知られているが、一般的にはLC回路で構成することが多い。
【0004】
このLC回路で構成される従来のフィルタ装置としては、例えば特許文献1に開示されるバンドパスフィルタが公知である。この特許文献1に開示されるバンドパスフィルタは、ダイオードをスイッチング素子として用い、1つのバンドパスフィルタのLCの構成要素をダイオードで切り替えることにより、複数の通過帯域を選択している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−318836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に開示される従来のバンドパスフィルタでは、急峻な特性を得ることができなかった。しかも、ダイオードが、高レベルの高周波信号(RF)入力時に歪みが発生し、高ダイナミックレンジが要求されるスペクトラムアナライザ等の測定装置に使用するのには適さないという課題があった。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、急峻な特性を得ることができ、高ダイナミックレンジが要求される測定に適したフィルタ装置及び該装置を用いた測定システム並びにフィルタ方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載されたフィルタ装置は、入力された信号をそのまま伝送するスルーライン25bと、通過帯域の一部が重複して中心周波数が少しずつずれた複数のバンドパスフィルタ25a1〜25anからなるバンドパスフィルタ群25とを有する周波数可変用フィルタ21と、
入力された信号をそのまま伝送するスルーライン26b,27bと、複数のローパスフィルタ26a1〜26anからなるローパスフィルタ群26と、複数のハイパスフィルタ27a1〜27anからなるハイパスフィルタ群27とを有する周波数帯域幅変動用フィルタ22と、
前記周波数可変用フィルタ及び前記周波数帯域幅変動用フィルタから前記スルーラインを含む所定のフィルタを選択するように、設定周波数に応じて接点が切替制御される切替部23とを備えたことを特徴とする。
ことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載されたフィルタ装置は、入力された信号をそのまま伝送するスルーライン45bと、通過帯域の一部が重複して中心周波数が少しずつずれた複数のバンドパスフィルタ45a1〜45anからなるバンドパスフィルタ群45とを有する周波数可変用フィルタ41と、
前記周波数可変用フィルタからの信号をIF帯の信号に周波数変換する周波数変換部42と、
前記周波数可変用フィルタから所定のバンドパスフィルタを選択するように、設定周波数に応じて接点が切替制御される切替部43とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載されたフィルタ装置は、請求項1に記載のフィルタ装置2又は請求項2に記載のフィルタ装置4の何れかを選択するように切替制御される切替部5を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載されたフィルタ方法は、入力された信号をそのまま伝送するスルーライン25b,26b,27bと、通過帯域の一部が重複して中心周波数が少しずつずれた複数のバンドパスフィルタ25a1〜25anと、複数のローパスフィルタ26a1〜26anと、複数のハイパスフィルタ27a1〜27anとを選択的に組み合わせて被測定信号の通過帯域を制限するステップを含むことを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載された測定システムは、請求項1〜3の何れかのフィルタ装置を用い、該フィルタ装置から出力される被測定信号の周波数分析や波形観測を行う測定装置3を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、急峻な特性を得ることができ、高ダイナミックレンジが要求される測定に適したフィルタ装置を提供し、入力信号を所望する帯域に制限して周波数分析や波形観測を行うことができる。
【0014】
RF帯の入力信号を設定周波数に応じて選択されたバンドパスフィルタを通過させてIF帯の信号に周波数変換し、IF帯の信号から更に通過帯域を制限する構成とすれば、RF帯の入力信号をIF帯に周波数変換し、狭帯域で所望の信号を見ることができる。
【0015】
第1フィルタ装置と第2フィルタ装置とを選択的に切り替える構成とすれば、設定周波数や用途に応じて最適なフィルタ装置を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るフィルタ装置を含む測定システムの第1実施の形態を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るフィルタ装置に用いられるバンドパスフィルタの周波数特性の一例を示す図である。
【図3】本発明に係るフィルタ装置に用いられるバンドパスフィルタの周波数特性の他の一例を示す図である。
【図4】本発明に係るフィルタ装置に用いられるバンドパスフィルタの周波数特性の他の一例を示す図である。
【図5】本発明に係るフィルタ装置に用いられるローパスフィルタの周波数特性の一例を示す図である。
【図6】本発明に係るフィルタ装置に用いられるハイパスフィルタの周波数特性の一例を示す図である。
【図7】本発明に係るフィルタ装置によって選択的に得られる出力信号の周波数特性の一例を示す図である。
【図8】本発明に係るフィルタ装置によって選択的に得られる出力信号の周波数特性の他の一例を示す図である。
【図9】本発明に係るフィルタ装置によって選択的に得られる出力信号の周波数特性の他の一例を示す図である。
【図10】本発明に係るフィルタ装置を含む測定システムの第2実施の形態を示すブロック図である。
【図11】本発明に係るフィルタ装置を含む測定システムの第3実施の形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。尚、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではなく、この形態に基づいて当業者などによりなされる実施可能な他の形態、実施例及び運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれる。
【0018】
図1は本発明に係るフィルタ装置を含む測定システムの第1実施の形態を示すブロック図、図2〜図4は本発明に係るフィルタ装置に用いられる複数のバンドパスフィルタの周波数特性の各例を示す図、図5は本発明に係るフィルタ装置に用いられるローパスフィルタの周波数特性の一例を示す図、図6は本発明に係るフィルタ装置に用いられるハイパスフィルタの周波数特性の一例を示す図、図7〜図9は本発明に係るフィルタ装置によって選択的に得られる出力信号の周波数特性の各例を示す図、図10は本発明に係るフィルタ装置を含む測定システムの第2実施の形態を示すブロック図、図11は本発明に係るフィルタ装置を含む測定システムの第3実施の形態を示すブロック図である。
【0019】
本発明に係るフィルタ装置は、例えば1GHzくらいまでの周波数範囲で通過帯域が選択的に可変できるプリセレクタ装置の可変フィルタに適したものであり、特に、急峻な特性を得るため、中心周波数が固定のLC回路(受動素子)による他段のフィルタを用い、設定周波数に応じて周波数を変えるLCの可変フィルタを構成している。
【0020】
図1に示すように、第1実施の形態の測定システム1(1A)は、第1フィルタ装置2と測定装置3から構成される。また、第1フィルタ装置2は、周波数可変用フィルタ21、周波数帯域幅変動用フィルタ22、切替部23、制御部24を備えて概略構成される。
【0021】
まず、第1フィルタ装置2の各構成について説明する。周波数可変用フィルタ21は、必要な範囲の周波数のみを通し、他の周波数を減衰させるべく、中心周波数が固定のLC回路で構成されるバンドパスフィルタ群25からなる。バンドパスフィルタ群25は、通過帯域の一部が重複して中心周波数が少しずつずれた複数のバンドパスフィルタ25a1,25a2,25a3,・・・,25anで構成される。なお、本例のバンドパスフィルタ群25は、入力された信号をそのまま伝送するスルーライン25bを含むものとしている。
【0022】
下記表1〜表3及び図2〜図4は、上記バンドパスフィルタ群25の一部を構成するバンドパスフィルタ25a1,25a2,25a3の周波数特性の各例を示している。
【0023】
【表1】

【0024】
【表2】

【0025】
【表3】

【0026】
周波数帯域幅変動用フィルタ22は、周波数帯域幅を変動させるもので、ローパスフィルタ群26とハイパスフィルタ群27との組み合わせで構成される。ローパスフィルタ群26は、低周波を良く通し、遮断周波数より高い周波数を減衰させる複数のローパスフィルタ26a1,26a2,26a3,・・・,26anで構成される。各ローパスフィルタ26a1,26a2,26a3,・・・,26anは、入力信号に並列するコンデンサと入力信号に直列する抵抗器から構成される。なお、本例のローパスフィルタ群26は、入力された信号をそのまま伝送するスルーライン26bを含むものとしている。
【0027】
下記表4及び図5は、上記ローパスフィルタ群26の一部を構成するローパスフィルタ26a1の周波数特性の一例を示している。
【0028】
【表4】

【0029】
ハイパスフィルタ群27は、高周波を良く通し、遮断周波数より低い周波数の帯域を減衰させる複数のハイパスフィルタ27a1,27a2,27a3,・・・,27anで構成される。各ハイパスフィルタ27a1,27a2,27a3,・・・,27anは、入力信号に並列する抵抗器と入力信号に直列するコンデンサから構成される。なお、本例のハイパスフィルタ群27は、入力された信号をそのまま伝送するスルーライン27bを含むものとしている。
【0030】
下記表5及び図6は、上記ハイパスフィルタ群27の一部を構成するハイパスフィルタ27a1の周波数特性の一例を示している。
【0031】
【表5】

【0032】
切替部23は、図1に示すように、被測定信号が入力される入力端子28とローパスフィルタ群26との間に配置される切替部23aと、ローパスフィルタ群26とバンドパスフィルタ群25との間に配置される切替部23bと、バンドパスフィルタ群25とハイパスフィルタ群27との間に配置される切替部23cと、ハイパスフィルタ群27と出力端子29との間に配置される切替部23dからなる。これら切替部23a,23b,23c,23dは、例えば流れる電流を制御部24から制御することで開閉される機械的な接点を有する電磁リレーなどで構成される。
【0033】
制御部24は、入力端子28に入力される信号の設定周波数に合わせて所望のフィルタが選択されるべく切替部23(23a〜23d)の接点を開閉制御している。
【0034】
測定装置3は、出力端子29から入力される信号の周波数分析を行うスペクトラムアナライザや信号の波形を観測するオシロスコープなどで構成される。
【0035】
上述した第1実施の形態の測定システムでは、入力端子28に入力されるRF帯の被測定信号の設定周波数に応じて所望のフィルタ(スルーラインを含む)を選択するべく、制御部24により切替部23(23a〜23d)の接点を開閉制御すると、選択されたフィルタ(スルーラインを含む)を通過した信号が出力端子29を介して測定装置3に入力される。
【0036】
具体的には、例えばローパスフィルタ群26:スルーライン、バンドパスフィルタ群25:バンドパスフィルタ25a3、ハイパスフィルタ群27:スルーラインをそれぞれ選択するように、制御部24により切替部23の接点が開閉制御されると、図7に示す周波数特性の信号が出力端子29を介して測定装置3に入力される。
【0037】
また、ローパスフィルタ群26:ローパスフィルタ26a1、バンドパスフィルタ群25:バンドパスフィルタ25a3、ハイパスフィルタ群27:スルーラインをそれぞれ選択するように、制御部24により切替部23の接点が開閉制御されると、図8に示す周波数特性の信号が出力端子29を介して測定装置3に入力される。
【0038】
さらに、ローパスフィルタ群26:スルーライン、バンドパスフィルタ群25:バンドパスフィルタ25a3、ハイパスフィルタ群27:ハイパスフィルタ27a1をそれぞれ選択するように、制御部24により切替部23の接点が開閉制御されると、図9に示す周波数特性の信号が出力端子29を介して測定装置3に入力される。
【0039】
以上のようにして、所望の信号が出力端子29を介して測定装置3に入力されると、信号の周波数分析や波形の観測が測定装置3で行われる。
【0040】
次に、第2実施の形態の測定システムについて図10を参照しながら説明する。図10に示すように、第2実施の形態の測定システム1(1B)は、第2フィルタ装置4と測定装置3から構成される。また、第2フィルタ装置4は、周波数可変用フィルタ41、周波数変換部42、切替部43、制御部44を備えて概略構成される。
【0041】
周波数可変用フィルタ41は、第1実施の形態と同様に、必要な範囲の周波数のみを通し、他の周波数を減衰させるべく、中心周波数が固定のLC回路で構成されるバンドパスフィルタ群45からなる。バンドパスフィルタ群45は、通過帯域の一部が重複して中心周波数が少しずつずれた複数のバンドパスフィルタ45a1,45a2,45a3,・・・,45anで構成される。
【0042】
周波数変換部42は、周波数可変用フィルタ41からの信号をIF帯の信号に周波数変換するもので、局部発振器42a、混合器42b、IFフィルタ42cを備えて構成される。
【0043】
局部発振器42aは、制御部44の制御により、被測定信号の所望とするIF帯の周波数に合わせた周波数固定の信号を発振出力している。
【0044】
混合器42bは、周波数可変用フィルタ41からの信号と、局部発振器42aからの信号とを混合し、この混合によって得られる中間周波数のIF信号をIFフィルタ42cに出力している。
【0045】
IFフィルタ42cは、混合器42bで混合された中間周波数のIF信号に対し、狭帯域の帯域制限を行って出力端子29に出力している。
【0046】
切替部43は、図10に示すように、被測定信号が入力される入力端子28とバンドパスフィルタ群45との間に配置される切替部43aと、バンドパスフィルタ群45と混合器42bとの間に配置される切替部43bからなる。これら切替部43a,43bは、例えば流れる電流を制御部44から制御することで開閉される機械的な接点を有する電磁リレーなどで構成される。
【0047】
制御部44は、入力端子28に入力される被測定信号の設定周波数に合わせてバンドパスフィルタ群45から所望のフィルタが選択されるべく切替部43(43a,43b)の接点を開閉制御している。
【0048】
測定装置3は、出力端子29から出力される信号の周波数分析を行うスペクトラムアナライザや信号の波形を観測するオシロスコープなどで構成される。
【0049】
上述した第2実施の形態の測定システム1Bでは、入力端子28に入力される被測定信号の設定周波数に応じて切替部43(43a,43b)の接点が制御部44により開閉制御されると、周波数可変用フィルタ41のバンドパスフィルタ群45の中から所望のバンドパスフィルタ(45a1〜45an,45bの何れか)が選択される。入力端子28から入力された被測定信号は、選択されたバンドパスフィルタ(45a1〜45an,45bの何れか)を通過して周波数変換部42に入力される。周波数変換部42は、入力された信号をIF帯の信号に周波数変換し、中間周波数のIF信号の帯域制限を行う。そして、このIF信号の帯域制限がなされた信号は、出力端子29を介して測定装置3に入力され、信号の周波数分析や波形の観測が測定装置3で行われる。
【0050】
次に、第3実施の形態の測定システムについて図11を参照しながら説明する。図11に示すように、第3実施の形態の測定システム1(1C)は、上述した第1実施の形態の第1フィルタ装置2、第2実施の形態の第2フィルタ装置4、切替部5、制御部6、測定装置3から構成される。なお、第1実施の形態及び第2実施の形態と同一の構成要素には同一番号を付し、その説明を省略する。
【0051】
第3実施の形態の測定システム1Cは、入力端子28と第1フィルタ装置2及び第2フィルタ装置4との間、第1フィルタ装置2及び第2フィルタ装置4と出力端子29との間に切替部5(5a,5b)を設け、制御部6により切替部5a,5bの接点を開閉制御し、設定周波数や用途に応じて第1フィルタ装置2又は第2フィルタ装置4の何れか一方を選択する構成である。
【0052】
なお、図11の例では、別途設けた制御部6により切替部5の接点を開閉制御する構成としているが、第1フィルタ装置2の制御部24又は第2フィルタ装置4の制御部44で兼ねることも可能である。また、第2フィルタ装置4における周波数可変用フィルタ41を第1フィルタ装置2の周波数可変用フィルタ21で代用し、構成の簡略化を図ることもできる。
【0053】
このように、第1実施の形態では、通過帯域の一部が重複して中心周波数が少しずつずれた複数のバンドパスフィルタにより周波数を可変とし、ローパスフィルタとハイパスフィルタにより周波数帯域幅を変動させることで通過帯域が調整可能であり、RF帯の被測定信号を設定周波数に応じて選択されたフィルタを通過させて帯域を制限する構成としている。
【0054】
そして、高周波に対応した電磁リレーなどの機械的な接点の開閉制御により、被測定信号の設定周波数に応じてフィルタの切り替えを行っている。これにより、急峻な特性を得ることができ、高ダイナミックレンジが要求される測定に適したフィルタ装置及び該装置を用いた測定システムを提供することができる。
【0055】
また、第2実施の形態では、RF帯の入力信号を設定周波数に応じて選択されたバンドパスフィルタを通過させた後、IF帯の信号に周波数変換し、IF帯の信号から更に通過帯域を制限する構成としている。これにより、RF帯の入力信号をIF帯に周波数変換し、狭帯域で所望の信号を見ることができる。
【0056】
さらに、第3実施の形態では、第1実施の形態の第1フィルタ装置と、第2実施の形態の第2フィルタ装置とを選択的に切り替える構成としている。これにより、設定周波数や用途に応じて最適なフィルタ装置を選択することができる。
【符号の説明】
【0057】
1(1A,1B,1C) 測定システム
2 第1フィルタ装置
3 測定装置
4 第2フィルタ装置
5 切替部
6 制御部
21 周波数可変用フィルタ
22 周波数帯域幅変動用フィルタ
23(23a〜23d) 切替部
24 制御部
25 バンドパスフィルタ群
25a1〜25an バンドパスフィルタ
25b スルーライン
26 ローパスフィルタ群
26a1〜26an ローパスフィルタ
26b スルーライン
27 バンドパスフィルタ群
27a1〜271an バンドパスフィルタ
27b スルーライン
28 入力端子
29 出力端子。
41 周波数可変用フィルタ
42 周波数変換部
43(43a,43b) 切替部
44 制御部
45 バンドパスフィルタ群
45a1〜45an バンドパスフィルタ
45b スルーライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された信号をそのまま伝送するスルーライン(25b)と、通過帯域の一部が重複して中心周波数が少しずつずれた複数のバンドパスフィルタ(25a1〜25an)からなるバンドパスフィルタ群(25)とを有する周波数可変用フィルタ(21)と、
入力された信号をそのまま伝送するスルーライン(26b,27b)と、複数のローパスフィルタ(26a1〜26an)からなるローパスフィルタ群(26)と、複数のハイパスフィルタ(27a1〜27an)からなるハイパスフィルタ群(27)とを有する周波数帯域幅変動用フィルタ(22)と、
前記周波数可変用フィルタ及び前記周波数帯域幅変動用フィルタから前記スルーラインを含む所定のフィルタを選択するように、設定周波数に応じて接点が切替制御される切替部(23)とを備えたことを特徴とするフィルタ装置。
【請求項2】
入力された信号をそのまま伝送するスルーライン(45b)と、通過帯域の一部が重複して中心周波数が少しずつずれた複数のバンドパスフィルタ(45a1〜45an)からなるバンドパスフィルタ群(45)とを有する周波数可変用フィルタ(41)と、
前記周波数可変用フィルタからの信号をIF帯の信号に周波数変換する周波数変換部(42)と、
前記周波数可変用フィルタから所定のバンドパスフィルタを選択するように、設定周波数に応じて接点が切替制御される切替部(43)とを備えたことを特徴とするフィルタ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のフィルタ装置(2)又は請求項2に記載のフィルタ装置(4)の何れかを選択するように切替制御される切替部(5)を備えたことを特徴とするフィルタ装置。
【請求項4】
入力された信号をそのまま伝送するスルーライン(25b,26b,27b)と、通過帯域の一部が重複して中心周波数が少しずつずれた複数のバンドパスフィルタ(25a1〜25an)と、複数のローパスフィルタ(26a1〜26an)と、複数のハイパスフィルタ(27a1〜27an)とを選択的に組み合わせて被測定信号の通過帯域を制限するステップを含むことを特徴とするフィルタ方法。
【請求項5】
請求項1〜3の何れかのフィルタ装置を用い、該フィルタ装置から出力される被測定信号の周波数分析や波形観測を行う測定装置(3)を備えたことを特徴とする測定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−199790(P2012−199790A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62757(P2011−62757)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成23年度、総務省、電波資源拡大のための委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】