説明

フィルタ装置

【課題】フィルタエレメントをケース内の所定の位置に確実に安定して定着させることができ、またフィルタエレメントの交換時にはそのフィルタエレメントのみを廃棄するだけでよく、さらにフィルタカートリッジを組み立てる際の作業工程が減少し、能率よく組み立てることができるフィルタ装置を提供する。
【解決手段】フィルタカートリッジ3のケース16は、有底筒状で一端側の開口部にヘッド2との結合が可能な結合部材18を備え、このケース16内にフィルタエレメント17および定着部材27が収容され、定着部材27は内筒体29を一体的に備え、この内筒体29がフィルタエレメント17の内部に挿脱可能に挿入され、この挿入によりフィルタエレメント17が定着部材27に一体的に組み合わされ、定着部材27が結合部材18に結合することによりケース16内にフィルタエレメント17が定着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば油圧回路等の流体循環系において、その流体中の異物や混入物、汚染物質等を捕捉するために用いられるフィルタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のフィルタ装置は、例えば特開2004−81996に見られるように、流入口および流出口を有するヘッドと、ケース内にフィルタエレメントを収容してなるフィルタカートリッジとを備え、前記ヘッドに前記フィルタカートリッジが着脱可能に取り付けられている。
前記ヘッドは流体循環系の配管等に取り付けられ、その流体循環系を流れる流体がヘッドの流入口から前記フィルタカートリッジ内に流入するとともに、前記フィルタエレメントを通過してヘッドの流出口から流出し、流体がフィルタエレメントを通過する際に、その流体中の異物等がフィルタエレメントにより捕捉されて除去される。
【0003】
フィルタエレメントは、ひだ折りされたろ紙あるいは不織布等を用いて円筒状に形成されている。そしてこの円筒状のフィルタエレメントの内周部に、補強部材として、周面に多数の小さな透孔を有する内筒が嵌着されている。このフィルタエレメントは、前記ケース内に定着部材と共に収容され、その定着部材によりケース内の所定の位置、すなわちケース内の中心軸線上に同心的に配置するように定着されている。
【0004】
フィルタエレメントは使用に伴う目詰まり等によりその性能が徐々に低下し、したがって定期的な交換が必要となる。フィルタエレメントを交換する際には、フィルタカートリッジをヘッドから取り外し、こののちフィルタカートリッジのケース内から定着部材を取り出し、さらにケース内からフィルタエレメントを抜き取る。
【0005】
そして、ケース内から抜き取ったフィルタエレメントを廃棄し、ケース内には新たなフィルタエレメントを収容し、さらにこのケース内に定着部材を収容してそのフィルタエレメントをケースに定着させてフィルタカートリッジを組み立て、このフィルタカートリッジをヘッドに取り付けて再使用する。
【特許文献1】特開2004−81996
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のフィルタ装置では、定着部材とフィルタエレメントとが分離されているため、そのフィルタエレメントをケースに定着させる安定性が低く、ややもするとフィルタエレメントがケース内で移動し、その性能が低下してしまうことがある。
【0007】
また、フィルタエレメントの内周部には補強用の内筒が装着され、フィルタエレメントを交換して廃棄する際には、その内筒ごとフィルタエレメントを廃棄しており、このため内筒が無駄になり、その分フィルタエレメントの交換コストが高くなり、またその内筒により廃棄物量が増し、環境問題や資源節約等の点で問題が生じるという課題がある。
【0008】
フィルタエレメントをフィルタカートリッジのケースに定着させるための定着部材をそのフィルタエレメントに一体的に取り付け、その交換時にフィルタエレメントを内筒および定着部材と一体に廃棄するようなものもあるが、この場合にはフィルタエレメントと共に定着部材および内筒が廃棄されるため無駄がより多くなり、さらに交換コストが高くなり、また環境問題や資源節約等の点で大きな問題が生じてしまう。
【0009】
一方、フィルタエレメントとその補強用の内筒とを分解可能に構成し、そのフィルタエレメントの交換時に内筒をフィルタエレメントから取り外し、フィルタエレメントのみを廃棄し、内筒を再使用するようにしたものもあるが、この場合には、フィルタカートリッジがケースと、定着部材と、内筒とフィルタエレメントとの4つの個々の部品となり、このためフィルタカートリッジを組み立てる際の工程が増え、作業能率が低下し、また部品の管理も面倒となる。
【0010】
この発明はこのような点に着目してなされたもので、その目的とするところは、フィルタエレメントをケース内の所定の位置に確実に安定して定着させることができ、またフィルタエレメントの交換時にはそのフィルタエレメントのみを廃棄するだけでよく、さらにフィルタカートリッジを組み立てる際の作業工程が減少し、能率よく組み立てることができるフィルタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、流入口および流出口を有するヘッドと、ケース内に筒状のフィルタエレメントを収容してなるフィルタカートリッジとを備え、前記ヘッドに前記フィルタカートリッジが着脱可能に取り付けられ、前記ヘッドの流入口から前記フィルタカートリッジ内に流入する流体が前記フィルタエレメントを通過してヘッドの流出口から流出するフィルタ装置において、前記フィルタカートリッジのケースは、有底筒状で一端側の開口部に前記ヘッドとの結合が可能な結合部材を備え、このケース内に前記フィルタエレメントおよび定着部材が収容され、前記定着部材は内筒体を一体的に備え、この内筒体が前記フィルタエレメントの内部に挿脱可能に挿入され、この挿入によりフィルタエレメントが定着部材に一体的に組み合わされ、前記定着部材が前記結合部材に脱着可能に結合することにより前記ケース内に前記フィルタエレメントが定着されていることを特徴としている。
【0012】
前記定着部材と前記結合部材は、ねじ込みによる手段、あるいは前記定着部材と前記結合部材とのいずれか一方に設けられた弾性的変位が可能な係合子と、他方に設けられた係合溝との係合による手段で互いに脱着可能に結合されている。
【0013】
また、前記定着部材の内筒体と前記フィルタエレメントは、ねじ込みによる手段で互いに分離可能に組み合わされている。
【発明の効果】
【0014】
この発明のフィルタ装置によれば、定着部材の内筒体を介してフィルタエレメントをケース内の所定の位置に確実に安定して定着させることができ、またフィルタエレメントの交換時にはそのフィルタエレメントのみを廃棄するだけでよく、さらにフィルタカートリッジを組み立てる際の作業工程が減少し、能率よく組み立てることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1にはこの発明の第1の実施形態に係るフィルタ装置の構造を示し、図2〜図5にはそのフィルタ装置を分解する際の手順を順に示してある。
【0017】
このフィルタ装置1は、ヘッド2と、このヘッド2に着脱可能に取り付けられたフィルタカートリッジ3とを備えている。ヘッド2には、一端部に流入口4が、他端部に流出口5がそれぞれ形成されているとともに、中間部にその下方に突出する接続筒6が一体に形成され、この接続筒6内が前記流出口5に通じる流出通路7となっており、また接続筒6の外周とヘッド2の下部周壁2aとの間の環状の空間が前記流入口4に通じる流入通路8となっている。
【0018】
ヘッド2の下部周壁2aの外周面にはねじ11が形成され、また流入口4と流出口5との間の壁部2bには、その流入口4と流出口5とを直接連通させる貫通口12が形成され、この貫通口12内に異常圧力時に動作する安全弁としてのリリーフバルブ13が装着されている。
【0019】
フィルタカートリッジ3は、有低筒状のケース16と、このケース16内に収容されたフィルタエレメント17とを備え、ケース16の上端の開口は広口となっており、この広口の開口部の外周に結合部材18が溶接等により取り付けられている。この結合部材18は本実施形態ではナットであり、内周面にはねじ19が形成されている。
【0020】
フィルタエレメント17は、例えばひだ折りされたろ紙あるいは不織布等を円筒状に形成してなるろ材21と、このろ材21の両端側の端面に取り付けられた第1および第2のエンドプレート22,23とを備え、第1のエンドプレート22の中央部にはろ材21の内部に通じる挿入口24が形成され、ろ材21の下端面は第2のエンドプレート23により密閉されている。前記挿入口24は、ろ材21の中心軸線上に同心的に配置され、そのの内周部にはねじ25が形成されている。
【0021】
前記ヘッド2、フィルタカートリッジ3のケース16および結合部材18は、いずれも金属で形成され、またフィルタエレメント17のエンドプレート22,23は、いずれも金属あるいは合成樹脂で形成されている。
【0022】
ケース16内には定着部材27が挿入されており、この定着部材27は主部28と内筒体29とを一体的に有し、主部28は中央部に内孔31を有する環状をなしている。そしてこの主部28には、中央部の内孔31の周辺部に位置して複数の透孔32が形成され、また外周部にはねじ33が形成されている。
【0023】
内筒体29は、主部28の内孔31の内周に嵌着固定され、主部28の下方側に延出するように主部28に一体的に結合されている。この内筒体29は、複数のリング材35を一定の間隔をあけて同軸的に配列させ、その各リング材35を複数の縦材36で連結固定して周面に多数の流体透過用の隙間37を設けた円筒状に構成されている。この内筒体29の上部の外周面にはねじ38が形成されている。
【0024】
定着部材27の内筒体29は、フィルタエレメント17におけるエンドプレート22の挿入口24を通してろ材21の内部にその上端部から下端部に渡るように挿入され、主部28はケース16の結合部材18の内側に嵌合されている。
【0025】
そして、エンドプレート22における挿入口24のねじ25が内筒体29の上部のねじ38に螺着され、これにより内筒体29とフィルタエレメント17とが一体的に組み合わされ、また主部28の外周部のねじ33が結合部材18のねじ19に螺着され、これによりフィルタエレメント17を備える定着部材27がケース16に組み付けられ、この定着部材27を介してフィルタエレメント17がケース16の中心軸線上に同心的に配置するように定着されている。
【0026】
このように組み立てられているフィルタカートリッジ3をヘッド2に取り付ける際には、ヘッド2の下部周壁2aの外周に結合部材18を嵌め込み、ケース16と一体に結合部材18を回動して結合部材18のねじ19をヘッド2のねじ11に螺合して締め付ける。これにより、フィルタカートリッジ3がヘッド2に締結されてフィルタ装置1が組み立てられる。
【0027】
このような組み立てに応じて、ヘッド2の接続筒6の先端部が定着部材27の主部28の内孔31を通して内筒体29内に進入して嵌合し、これにより接続筒6内の流出通路7がフィルタエレメント17のろ材21の内部に連通する。
【0028】
また、ヘッド2の下部周壁2aの下面が主部28の上面に密着することにより、下部周壁2aの内側の流入通路8が主部28の各透孔32を通してろ材21の外周とケース16の内周との間の空間内に連通する。
【0029】
そして、ヘッド2の流入口4から流入通路8を通してろ材21の外側に流体が順次流入する。この流体はろ材21を通過するとともに内筒体29の周面の各隙間37を通してろ材21の内側に流入する。流体がろ材21を通過する際に、その流体中の異物等がろ材21により捕捉されて除去される。ろ材21の内側に流入した流体は、ヘッド2の流出通路7を経て流出口5から順次流出する。
【0030】
流体がろ材21を通過するように流通する際には、ろ材21にその外側から内側に向く比較的大きな圧力が加わるが、ろ材21の内側には内筒体29が挿入され、この内筒体29でろ材21が補強されており、このためろ材21の変形が防止される。
【0031】
また、ろ材21は内筒体29と共にケース16の中心軸線上となる所定の位置に的確に定着されており、このため流体がろ材21の各部に均等的な圧力で均等的に分流してろ材21を通過し、このためろ材21の性能を低下させることなく的確に機能させることができる。
【0032】
一方、長期の使用による目詰まり等でフィルタエレメント17の性能が低下してその交換時期に達したときには、まず結合部材18を緩めてフィルタカートリッジ3をヘッド2から取り外す(図2参照)。
【0033】
次に、取り外したフィルタカートリッジ3における定着部材27をケース16に対して軸回り方向に回動して主部28のねじ33と結合部材18のねじ19との螺合を外し、定着部材27を上方に引き上げてケース16内から引き抜く(図3参照)。
【0034】
定着部材27にはフィルタエレメント17が一体的に組み付けられており、したがってケース16内から定着部材27を引き抜いて取り出すことにより、同時にフィルタエレメント17をその定着部材27と一体的にケース16内から取り出すことができる。
【0035】
定着部材27と共にフィルタエレメント17をケース16内から取り出した後には、フィルタエレメント17に対して定着部材27をその軸回り方向に回動してエンドプレート22における挿入口24のねじ25と内筒体29の上部のねじ38との螺合を外し、定着部材27をフィルタエレメント17に対して上方に引き上げて内筒体29をフィルタエレメント17の内部から引き抜く(図4参照)。
【0036】
これにより定着部材27とフィルタエレメント17とが分離され、フィルタエレメント17が単一品となる(図5参照)。このように分離して単一品としたフィルタエレメント17は、所定の廃棄ルートを経て廃棄する。
【0037】
分解したフィルタカートリッジ3のケース16や定着部材27は廃棄せずに再使用する。すなわち、ケース16および定着部材27はまず洗浄し、定着部材27に新たなフィルタエレメント17を装着し、前述と逆順の手順で定着部材27と共に新たなフィルタエレメント17をケース16内に収容してフィルタカートリッジ3を組み立て、このフィルタカートリッジ3をヘッド2に取り付けて再使用する。
【0038】
このように、フィルタエレメント17が交換時期に達したときには、そのフィルタエレメント17のみを廃棄してフィルタエレメント17のみを新たなものと交換するだけでよい。
【0039】
フィルタエレメント17を補強するための内筒体29は、フィルタエレメント17をケース16内に定着させる部材を兼ねている。そしてこの内筒体29は、フィルタエレメント17の交換時にはそのフィルタエレメント17と分離され、廃棄されることなく繰り返して再使用され、このため無駄がなく、フィルタエレメント17の交換時のコストを軽減することができ、また廃棄の対象物はフィルタエレメント17のみで廃棄物量を削減することができるから、環境問題や資源節約等に役立つ。
【0040】
フィルタカートリッジ3は、ケース16と定着部材27とフィルタエレメント17との3部品からなり、フィルタカートリッジ3を組み立てる際には、定着部材27の内筒体29にフィルタエレメント17を装着し、その定着部材27をケース16内に挿入するわけであるが、定着部材27には予めフィルタエレメント17が組み付けられているから、定着部材27をケース16内に挿入する作業によりフィルタエレメント17を同時にケース16内に収容することができ、したがって作業工程が減少し、能率よくフィルタカートリッジ3を組み立てることができる。
【0041】
ところで、フィルタエレメント17を誤って上下が反転する逆さまの状態でケース16内に収容してしまうと、正規の性能を得ることができなくなるが、本実施形態ではフィルタエレメント17の上端の挿入口24からその内部に定着部材27の内筒体29を挿入し、さらにその挿入口24の内周のねじ25を内筒体29の上部のねじ38に螺合させてフィルタエレメント17と定着部材27とを一体的に組み立て、この状態でフィルタエレメント17を定着部材27と共にケース16内に収容するものであり、このためフィルタエレメント17を誤って上下反転する逆さまの状態でケース16内に収容してしまうような組み立てミスを招くようなことなく、常に誤りのない適正な状態に組み立てることができる。 なお、フィルタエレメント17のエンドプレート22,23を可燃性の合成樹脂で形成するようなことも可能であり、この場合には定着部材27から取り外したフィルタエレメント17をそのまま焼却処分して廃棄することができる。
【0042】
また、前記実施形態では、定着部材27の内筒体29が複数のリング材35と複数の縦材36との組み合わせで構成されているが、このような構成に限らず、例えば定着部材27の主部28と内筒体29とが合成樹脂や金属による一体成形品で構成されるような場合であってもよい。
【0043】
さらに、前記実施形態では、定着部材27を結合部材18の内周部にねじ込んでその定着部材27を結合部材18に結合させるようにしたが、図6および図7に第2の実施形態として示すような結合手段で結合させることも可能である。
【0044】
すなわち、第2の実施形態においては、定着部材27の主部28の外周面にその直径方向に延びる収納孔40が形成され、この収納孔40内に例えば鋼球等の小さな球状の係合子41が移動自在に収納されている。この係合子41はコイルスプリング等の弾性体42によりその一部が定着部材27の主部28の外周面から突出するように弾性的に付勢されている。収納孔40の先端の開口は円形でその直径が係合子41の直径よりやや小さく、したがって係合子41は収納孔40の内部において弾性的に変位し、収納孔40から離脱することはない。
【0045】
一方、結合部材18の内周面には、前記係合子41に対応する係合溝43が形成されている。この係合溝43は例えば断面V字状をなし、結合部材18の周方向に沿って連続するように環状に形成されている。
【0046】
図6および図7は定着部材27が結合部材18に結合されている状態であり、この状態では弾性体42による弾性力で係合子41の一部が定着部材27の外周面から突出して結合部材18の係合溝43に係合し、この係合で定着部材27が結合部材18に一体的に組み付けられている。
【0047】
この状態からフィルタエレメント17の交換にあたって定着部材27と共にフィルタエレメント17をケース16内から取り出す際には、定着部材27を結合部材18に対して一定以上の力で上方に引き上げる。この際、係合子41はその引き上げの力で結合部材18の内周面により弾性体42の弾性力に抗して弾性的に変位して収納孔40の奥方側に押し込められ、結合部材18の係合溝43との係合が外れ、これにより結合部材18と定着部材27との分離が可能となり、定着部材27と共にフィルタエレメント17をケース16から取り出すことができる。
【0048】
一方、定着部材27の内筒体29に新たなフィルタエレメント17を装着してその定着部材27をケース16内に組み付ける際には、フィルタエレメント17と共に内筒体29をケース16内に挿入するとともに定着部材27の主部28を結合部材18内に一定以上の力で下方に向けて押し込む。
【0049】
定着部材27の主部28が結合部材18内に進入する前には、係合子41が主部28の外周面から突出しているが、主部28が結合部材18内に進入するのに伴い係合子41が収納孔40の奥方側に弾性体42の弾性力に抗して没入する。そして、定着部材27が結合部材18内の所定の位置まで押し込められて係合溝43が係合子41に対向した際に、その係合子41が弾性体42による付勢力で弾性的に変位し、定着部材27の外周面側に突出して前記係合溝43に係合し、この係合で定着部材27が結合部材18に結合し、これにより一体的なフィルタカートリッジ3が組み立てられる。
【0050】
このように、この第2の実施形態においては、第1の実施形態の場合のように定着部材27を回動してねじ込むのではなく、単にその軸方向に一定以上の力で引き上げたり押し込んだりする簡単な作業で定着部材27を結合部材18に対して脱着することができ、したがってより能率的にフィルタエレメント17を交換することができる。
【0051】
なお、前記実施形態では係合子41を定着部材27に設け、その係合子41が係脱する係合溝43を結合部材18に設けるようにしたが、この構成とは逆に係合子41を結合部材18に設け、その係合子41が係脱する係合溝43を定着部材27に設けるようにしてもよい。
【0052】
また、前記実施形態の球状の係合子41に代えて、一部に突部を有する合成樹脂製や金属製の板ばね部材を係合子とし、その係合子の突部を弾性的に変位させて係合溝に係脱可能に係合させることにより結合部材18と定着部材27とを結合させるような構成を採用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明の第1の実施形態に係るフィルタ装置を示す断面図。
【図2】フィルタ装置のフィルタカートリッジをヘッドから取り外すときの状態を示す断面図。
【図3】フィルタカートリッジから定着部材と共にフィルタエレメントを取り外すときの状態を示す断面図。
【図4】フィルタエレメントから定着部材を取り外すときの状態を示す断面図。
【図5】定着部材を取り外した状態のフィルタエレメントを示す断面図。
【図6】この発明の第2の実施形態に係るフィルタ装置を示す断面図。
【図7】そのフィルタ装置の要部を拡大して示す断面図。
【符号の説明】
【0054】
1…フィルタ装置
2…ヘッド
3…フィルタカートリッジ
4…流入口
5…流出口
16…ケース
17…フィルタエレメント
18…ナット
21…ろ材
24…挿入口
27…定着部材
28…主部
29…内筒体
31…内孔
32…透孔
40…収納孔
41…係合子
42…弾性体
43…係合溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入口および流出口を有するヘッドと、ケース内に筒状のフィルタエレメントを収容してなるフィルタカートリッジとを備え、前記ヘッドに前記フィルタカートリッジが着脱可能に取り付けられ、前記ヘッドの流入口から前記フィルタカートリッジ内に流入する流体が前記フィルタエレメントを通過してヘッドの流出口から流出するフィルタ装置において、
前記フィルタカートリッジのケースは、有底筒状で一端側の開口部に前記ヘッドとの結合が可能な結合部材を備え、このケース内に前記フィルタエレメントおよび定着部材が収容され、前記定着部材は内筒体を一体的に備え、この内筒体が前記フィルタエレメントの内部に挿脱可能に挿入され、この挿入によりフィルタエレメントが定着部材に一体的に組み合わされ、前記定着部材が前記結合部材に脱着可能に結合することにより前記ケース内に前記フィルタエレメントが定着されていることを特徴とするフィルタ装置。
【請求項2】
前記定着部材と前記結合部材は、ねじ込みによる手段で互いに脱着可能に結合されていることを特徴とする請求項2に記載のフィルタ装置。
【請求項3】
前記定着部材と前記結合部材は、前記定着部材と前記結合部材とのいずれか一方に設けられた弾性的変位が可能な係合子と、他方に設けられた係合溝との係合による手段で互いに脱着可能に結合されていることを特徴とする請求項2に記載のフィルタ装置。
【請求項4】
前記定着部材の内筒体と前記フィルタエレメントは、ねじ込みによる手段で互いに分離可能に組み合わされていることを特徴とする請求項1乃至3に記載のフィルタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−289353(P2006−289353A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−71370(P2006−71370)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(000178675)ヤマシンフィルタ株式会社 (18)
【Fターム(参考)】