説明

フィルムカッタ

【課題】基材フィルムの切断作業を繰り返しても接着剤が切断部分や本体部分に付着しにくいフィルムカッタを提供する。
【解決手段】切断部分120で切断される基材フィルムから接着剤が付着しにくい非粘着性に少なくとも本体部分110の一部が表面処理されているので、フィルムカッタ100に付着した接着剤のために基材フィルムの切断が困難となることを防止でき、フィルムカッタ100に滞積した接着剤が切断された基材フィルムにダマや糸状に付着してウェハへの接着を阻害することを防止でき、フィルムカッタ100に滞積した接着剤がダマや糸状にカッタ装置本体を汚染することを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェハに接着される接着剤が一面に成膜されている基材フィルムを切断するフィルムカッタに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、半導体装置の製造工程の一つとしてウェハの一面に基材フィルムを接着することがある。その場合、接着剤が一面に成膜されている基材フィルムをフィルムカッタでウェハと同一形状に切断している。
【0003】
そのフィルムカッタ10は、図5に示すように、長方形状の金属板の本体部分11の上端部を三角形に形成し、その先縁部に先鋭な切断部分12が形成されている。このようなフィルムカッタ10は、例えば、全長25mm、板厚0.4mm、切断部分12の長手方向の長さ7mm、この切断部分12以外の本体部分11の長さ18mm、などに形成されている。
【0004】
このようなフィルムカッタ10を利用した基材フィルム20の切断作業は、図6に示すように、基材フィルム20を上側として接着剤21を下側とし、フィルムカッタ10を下側から穿刺して切断する。図7に示すように、このように切断された基材フィルム20はウェハ30と同一の円形となるので、この基材フィルム20が接着剤21でウェハ30の一面に接着される。
【0005】
現在、上述のようなフィルムカッタとして各種の提案がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−283607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述のようなフィルムカッタ10で何枚もの基材フィルム20を切断してゆくと、接着剤21がフィルムカッタ10の切断部分12や本体部分11に付着して滞積する。すると、フィルムカッタ10に付着した接着剤21のために基材フィルム20の切断が困難となる。また、フィルムカッタ10に滞積した接着剤21が、切断された基材フィルム20にダマや糸状に付着し、基材フィルム20を汚染してウェハ30への接着を阻害することがある。さらに、フィルムカッタ10に滞積した接着剤21がダマや糸状にカッタ装置本体(図示せず)に付着し、カッタ装置本体を汚染することがある。
【0008】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、基材フィルムの切断作業を繰り返しても、接着剤が切断部分や本体部分に付着しにくい、または、付着する接着剤が基材フィルムに接触する位置に滞積しにくい、フィルムカッタを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第一のフィルムカッタは、ウェハに接着される接着剤が一面に成膜されている基材フィルムを切断するフィルムカッタであって、本体部分の先縁部位に基材フィルムを接着剤とともに切断する先鋭な切断部分が形成されており、切断部分で切断される基材フィルムから接着剤が付着しにくい非粘着性に本体部分の少なくとも一部が表面処理されている。従って、本発明のフィルムカッタでは、本体部分の少なくとも一部が非粘着性に表面処理されているので、切断する基材フィルムから接着剤が付着しにくい。
【0010】
また、上述のようなフィルムカッタにおいて、本体部分の少なくとも一部の表面に樹脂が被覆されていてもよい。
【0011】
また、上述のようなフィルムカッタにおいて、樹脂が、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、四フッ化エチレン共重合体、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、シリコン樹脂、フッ素樹脂、からなる群の少なくとも一つからなってもよい。
【0012】
また、上述のようなフィルムカッタにおいて、本体部分の少なくとも一部の表面に微粒子が分散された樹脂が被覆されていてもよい。
【0013】
また、上述のようなフィルムカッタにおいて、微粒子が、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、ボロンナイトライド、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、四フッ化エチレン共重合体、ナイロン、ポリイミド、シリコン、セラミック、からなる群の少なくとも一つからなってもよい。
【0014】
また、上述のようなフィルムカッタにおいて、樹脂が、エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、からなる群の少なくとも一つからなってもよい。
【0015】
また、上述のようなフィルムカッタにおいて、本体部分の少なくとも一部の表面が所定の粗度の粗面とされていてもよい。
【0016】
また、上述のようなフィルムカッタにおいて、本体部分の少なくとも一部の表面がブラスト処理されていてもよい。
【0017】
また、上述のようなフィルムカッタにおいて、本体部分の少なくとも一部の表面が所定の粗度の粗面とされており、粗面に所定の皮膜が被覆されていてもよい。
【0018】
また、上述のようなフィルムカッタにおいて、皮膜が、トシカルエスコーティング、アドロン、からなる群の少なくとも一つからなてもよい。
【0019】
また、上述のようなフィルムカッタにおいて、切断部分に隣接する本体部分の先端部位が薄肉に形成されていてもよい。
【0020】
本発明の第二のフィルムカッタは、ウェハに接着される接着剤が一面に成膜されている基材フィルムを切断するフィルムカッタであって、本体部分の先縁部位に基材フィルムを接着剤とともに切断する先鋭な切断部分が形成されており、切断部分に隣接する本体部分の先端部位が薄肉に形成されている。
【0021】
従って、本発明のフィルムカッタでは、切断部分に隣接する本体部分の先端部位が薄肉に形成されているので、通常の肉厚のカッターよりも刃の進行方向の断面積が小さくなり、接着剤が刃に掻き取られにくく、付着しにくくなる。
【0022】
本発明の第三のフィルムカッタは、ウェハに接着される接着剤が一面に成膜されている基材フィルムを切断するフィルムカッタであって、基材フィルムに穿刺される穿刺部分と、穿刺部分に所定角度で連続していて基材フィルムを切断する切断部分と、を有する。
【0023】
従って、本発明のフィルムカッタでは、基材フィルムへの穿刺と切断とが各々適切な角度で実行され、切断する基材フィルムから付着する接着剤が基材フィルムと接触する位置に滞積しにくい。
【0024】
なお、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明の第一および第二のフィルムカッタでは、切断する基材フィルムから接着剤が付着しにくいので、フィルムカッタに付着した接着剤のために基材フィルムの切断が困難となることを防止でき、フィルムカッタに滞積した接着剤が切断された基材フィルムにダマや糸状に付着してウェハへの接着を阻害することを防止でき、フィルムカッタに滞積した接着剤がダマや糸状にカッタ装置本体を汚染することを防止できる。
【0026】
本発明の第三のフィルムカッタでは、基材フィルムへの穿刺と切断とを各々適切な角度で実行することができ、切断する基材フィルムから付着する接着剤が基材フィルムに接触する位置に滞積しないので、フィルムカッタに付着した接着剤のために基材フィルムの切断が困難となることを防止でき、フィルムカッタに滞積した接着剤が切断された基材フィルムにダマや糸状に付着してウェハへの接着を阻害することを防止でき、フィルムカッタに滞積した接着剤がダマや糸状にカッタ装置本体を汚染することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の第一の形態のフィルムカッタの構造を示す模式的な側面図である。
【図2】一変形例のフィルムカッタの構造を示す模式的な側面図である。
【図3】本発明の実施の第二の形態のフィルムカッタの構造を示す模式的な側面図である。
【図4】本発明の実施の第三の形態のフィルムカッタの構造を示す模式的な側面図である。
【図5】一従来例のフィルムカッタの構造を示す模式的な側面図である。
【図6】フィルムカッタで基材フィルムを切断する状態を示す模式的な斜視図である。
【図7】切断された基材フィルムをウェハに接着する状態を示す模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施の第一の形態を図1を参照して以下に説明する。ただし、以下の実施の形態に関して前述した一従来例と同一の部分は、同一の名称および符号を使用して詳細な説明は省略する。
【0029】
本実施の形態のフィルムカッタ100は、ウェハ30に接着される接着剤21が一面に成膜されている基材フィルム20を切断する。このため、本実施の形態のフィルムカッタ100は、本体部分110の先縁部位に基材フィルム20を接着剤21とともに切断する先鋭な切断部分120が形成されており、切断部分120で切断される基材フィルム20から接着剤21が付着しにくい非粘着性に少なくとも本体部分110の一部が表面処理されている。
【0030】
より具体的には、本実施の形態のフィルムカッタ100では、全体の表面に樹脂130が被覆されており、その樹脂130が、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、四フッ化エチレン共重合体、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、シリコン樹脂、フッ素樹脂、からなる群の少なくとも一つからなる。
【0031】
上述のような構成において、本実施の形態のフィルムカッタ100を利用した基材フィルム20の切断作業でも、従来と同様に、図6に示すように、基材フィルム20を上側として接着剤21を下側とし、フィルムカッタ10を下側から穿刺して切断する。図7に示すように、このように切断された基材フィルム20はウェハ30と同一の円形となるので、この基材フィルム20が接着剤21でウェハ30の一面に接着される。
【0032】
ただし、本実施の形態のフィルムカッタ100では、接着剤21が付着しにくい樹脂130で全体が被覆されている。このため、切断する基材フィルム20から接着剤21が付着しにくい。
【0033】
従って、本実施の形態のフィルムカッタ100では、付着した接着剤21のために基材フィルム20の切断が困難となることを防止でき、滞積した接着剤21が切断された基材フィルム20にダマや糸状に付着してウェハ30への接着を阻害することを防止でき、滞積した接着剤21がダマや糸状にカッタ装置本体を汚染することを防止できる。
【0034】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態では接着剤21が付着しにくい樹脂130でフィルムカッタ100の全体が被覆されていることを例示した。
【0035】
しかし、図2に例示するフィルムカッタ200のように、接着剤21を切断する位置より下方の本体部分110の部位のみ樹脂130が被覆されていてもよい。この場合でも切断する基材フィルム20から接着剤21がフィルムカッタ200の本体部分110に付着して滞積することを防止できる。
【0036】
また、上記形態では切断部分120で切断される基材フィルム20から接着剤21が付着しにくい非粘着性の表面処理として樹脂130が被覆されていることを例示した。しかし、少なくとも本体部分110の一部の表面に微粒子が分散された樹脂130が被覆されていてもよい。
【0037】
その場合、微粒子は、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、ボロンナイトライド、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、四フッ化エチレン共重合体、ナイロン、ポリイミド、シリコン、セラミック、からなる群の少なくとも一つからなり、樹脂130は、エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、からなる群の少なくとも一つからなればよい。
【0038】
さらに、少なくとも本体部分110の一部の表面が所定の粗度の粗面とされていてもよい。その場合、少なくとも本体部分110の一部の表面がブラスト処理されていればよい。このようなフィルムカッタ(図示せず)でも、切断する基材フィルム20から接着剤21が本体部分110に付着して滞積することを防止できる。
【0039】
また、少なくとも本体部分110の一部の表面が所定の粗度の粗面とされており、粗面に所定の皮膜が被覆されていてもよい。この場合、皮膜が、トシカルエスコーティング、アドロン、からなる群の少なくとも一つからなればよい。このようなフィルムカッタ(図示せず)でも、切断する基材フィルム20から接着剤21が本体部分110に付着して滞積することを防止できる。
【0040】
つぎに、本発明の実施の第二の形態のフィルムカッタ300を図3に基づいて以下に説明する。本実施の形態のフィルムカッタ300では、切断部分120に隣接する本体部分110の先端部位111が薄肉に形成されている。
【0041】
上述のような構成において、本実施の形態のフィルムカッタ300を利用した基材フィルム20の切断作業でも、従来と同様に、図6に示すように、基材フィルム20を上側として接着剤21を下側とし、フィルムカッタ10を下側から穿刺して切断する。図7に示すように、このように切断された基材フィルム20はウェハ30と同一の円形となるので、この基材フィルム20が接着剤21でウェハ30の一面に接着される。
【0042】
ただし、本実施の形態のフィルムカッタ300では、切断部分120に隣接する本体部分110の先端部位111が薄肉に形成されている。このため、切断する基材フィルム20から接着剤21が本体部分110に付着しにくい。
【0043】
従って、本実施の形態のフィルムカッタ300では、付着した接着剤21のために基材フィルム20の切断が困難となることを防止でき、滞積した接着剤21が切断された基材フィルム20にダマや糸状に付着してウェハ30への接着を阻害することを防止でき、滞積した接着剤21がダマや糸状にカッタ装置本体を汚染することを防止できる。
【0044】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態ではフィルムカッタ300が表面処理されていないことを想定した。しかし、上述のようなフィルムカッタ300で、接着剤21が付着しにくい非粘着性に少なくとも本体部分110が表面処理されていてもよい。
【0045】
その場合、例えば、全体の表面に樹脂130が被覆されており、その樹脂130が、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、四フッ化エチレン共重合体、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、シリコン樹脂、フッ素樹脂、からなる群の少なくとも一つからなればよい。
【0046】
また、図2に例示するフィルムカッタ200のように、接着剤21を切断する位置より下方の本体部分110の部位のみ樹脂130が被覆されていてもよい。この場合、薄肉に形成されている先端部位111から下方のみ樹脂130が被覆されていればよい。
【0047】
さらに、少なくとも本体部分110の一部の表面に微粒子が分散された樹脂130が被覆されていてもよい。その場合、微粒子は、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、ボロンナイトライド、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、四フッ化エチレン共重合体、ナイロン、ポリイミド、シリコン、セラミック、からなる群の少なくとも一つからなり、樹脂130は、エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、からなる群の少なくとも一つからなればよい。
【0048】
また、少なくとも本体部分110の一部の表面が所定の粗度の粗面とされていてもよい。その場合、少なくとも本体部分110の一部の表面がブラスト処理されていればよい。さらに、少なくとも本体部分110の一部の表面が所定の粗度の粗面とされており、粗面に所定の皮膜が被覆されていてもよい。この場合、皮膜が、トシカルエスコーティング、アドロン、からなる群の少なくとも一つからなればよい。
【0049】
つぎに、本発明の実施の第三の形態のフィルムカッタ400を図4を参照して以下に説明する。本実施の形態のフィルムカッタ400は、基材フィルム20に穿刺される穿刺部分410と、穿刺部分410に所定角度で連続していて基材フィルム20を切断する切断部分120と、を有する。
【0050】
基材フィルム20の表面と直交する基準線に対して穿刺部分410が鋭角に形成されており、基準線に対して切断部分120が鈍角に形成されている。このフィルムカッタ400は、例えば、基材フィルム20を上側で接着剤21を下側としたときに、切断部分120で切断される基材フィルム20から付着する接着剤21が下側に変位する形状に形成されている。より具体的には、切断部分120が上側から下側へと基材フィルム20の進行方向に傾斜している。
【0051】
上述のような構成において、本実施の形態のフィルムカッタ400を利用した基材フィルム20の切断作業では、例えば、基材フィルム20を上側として接着剤21を下側とし、最初に穿刺部分410で基材フィルム20に穿刺されることで、切断部分120が基材フィルム20の位置まで移動する。
【0052】
このような状態で、図6に示すように、従来と同様にフィルムカッタ10を切断する。図7に示すように、このように切断された基材フィルム20はウェハ30と同一の円形となるので、この基材フィルム20が接着剤21でウェハ30の一面に接着される。
【0053】
ただし、本実施の形態のフィルムカッタ400では、基材フィルム20の穿刺と切断とが各々適切な角度で実行される。また、切断部分120が上側から下側へと基材フィルム20の進行方向に傾斜している。このため、切断する基材フィルム20から付着する接着剤21が下方に滞積する。
【0054】
従って、本実施の形態のフィルムカッタ400では、滞積した接着剤21のために基材フィルム20の切断が困難となることを防止でき、滞積した接着剤21が切断された基材フィルム20にダマや糸状に付着してウェハ30への接着を阻害することを防止でき、滞積した接着剤21がダマや糸状にカッタ装置本体を汚染することを防止できる。
【0055】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態ではフィルムカッタ400が表面処理されていないことを想定した。しかし、上述のようなフィルムカッタ400で、接着剤21が付着しにくい非粘着性に少なくとも本体部分110が表面処理されていてもよい。
【0056】
その場合、例えば、全体の表面に樹脂130が被覆されており、その樹脂130が、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、四フッ化エチレン共重合体、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、シリコン樹脂、フッ素樹脂、からなる群の少なくとも一つからなればよい。
【0057】
また、図2に例示するフィルムカッタ200のように、接着剤21を切断する位置より下方の本体部分110の部位のみ樹脂130が被覆されていてもよい。さらに、少なくとも本体部分110の一部の表面に微粒子が分散された樹脂130が被覆されていてもよい。
【0058】
その場合、微粒子は、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、ボロンナイトライド、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、四フッ化エチレン共重合体、ナイロン、ポリイミド、シリコン、セラミック、からなる群の少なくとも一つからなり、樹脂130は、エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、からなる群の少なくとも一つからなればよい。
【0059】
また、少なくとも本体部分110の一部の表面が所定の粗度の粗面とされていてもよい。その場合、少なくとも本体部分110の一部の表面がブラスト処理されていればよい。さらに、少なくとも本体部分110の一部の表面が所定の粗度の粗面とされており、粗面に所定の皮膜が被覆されていてもよい。この場合、皮膜が、トシカルエスコーティング、アドロン、からなる群の少なくとも一つからなればよい。
【0060】
なお、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各部の構造などを具体的に説明したが、その構造などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
【符号の説明】
【0061】
10 フィルムカッタ
11 本体部分
12 切断部分
20 基材フィルム
21 接着剤
30 ウェハ
100 フィルムカッタ
110 本体部分
111 先端部位
120 切断部分
130 樹脂
200 フィルムカッタ
300 フィルムカッタ
400 フィルムカッタ
410 穿刺部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハに接着される接着剤が一面に成膜されている基材フィルムを切断するフィルムカッタであって、
本体部分の先縁部位に前記基材フィルムを前記接着剤とともに切断する先鋭な切断部分が形成されており、
前記切断部分で切断される前記基材フィルムから前記接着剤が付着しにくい非粘着性に少なくとも前記本体部分の一部が表面処理されているフィルムカッタ。
【請求項2】
少なくとも前記本体部分の一部の表面に樹脂が被覆されている請求項1に記載のフィルムカッタ。
【請求項3】
前記樹脂が、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、四フッ化エチレン共重合体、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、シリコン樹脂、フッ素樹脂、からなる群の少なくとも一つからなる請求項2に記載のフィルムカッタ。
【請求項4】
少なくとも前記本体部分の一部の表面に微粒子が分散された樹脂が被覆されている請求項1に記載のフィルムカッタ。
【請求項5】
前記微粒子が、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、ボロンナイトライド、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、四フッ化エチレン共重合体、ナイロン、ポリイミド、シリコン、セラミック、からなる群の少なくとも一つからなる請求項4に記載のフィルムカッタ。
【請求項6】
前記樹脂が、エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、からなる群の少なくとも一つからなる請求項4または5に記載のフィルムカッタ。
【請求項7】
少なくとも前記本体部分の一部の表面が所定の粗度の粗面とされている請求項1に記載のフィルムカッタ。
【請求項8】
少なくとも前記本体部分の一部の表面がブラスト処理されている請求項7に記載のフィルムカッタ。
【請求項9】
少なくとも前記本体部分の一部の表面が所定の粗度の粗面とされており、
前記粗面に所定の皮膜が被覆されている請求項1に記載のフィルムカッタ。
【請求項10】
前記皮膜が、トシカルエスコーティング、アドロン、からなる群の少なくとも一つからなる請求項9に記載のフィルムカッタ。
【請求項11】
前記切断部分に隣接する前記本体部分の先端部位が薄肉に形成されている請求項1ないし10の何れか一項に記載のフィルムカッタ。
【請求項12】
前記基材フィルムに穿刺される穿刺部分と、
前記穿刺部分に所定角度で連続していて前記基材フィルムを切断する前記切断部分と、
を有する請求項1ないし11の何れか一項に記載のフィルムカッタ。
【請求項13】
前記基材フィルムの表面と直交する基準線に対して前記穿刺部分が鋭角に形成されており、
前記基準線に対して前記切断部分が鈍角に形成されている請求項12に記載のフィルムカッタ。
【請求項14】
ウェハに接着される接着剤が一面に成膜されている基材フィルムを切断するフィルムカッタであって、
本体部分の先縁部位に前記基材フィルムを前記接着剤とともに切断する先鋭な切断部分が形成されており、
前記切断部分に隣接する前記本体部分の先端部位が薄肉に形成されているフィルムカッタ。
【請求項15】
ウェハに接着される接着剤が一面に成膜されている基材フィルムを切断するフィルムカッタであって、
基材フィルムに穿刺される穿刺部分と、
前記穿刺部分に所定角度で連続していて前記基材フィルムを切断する切断部分と、
を有するフィルムカッタ。
【請求項16】
前記基材フィルムの表面と直交する基準線に対して前記穿刺部分が鋭角に形成されており、
前記基準線に対して前記切断部分が鈍角に形成されている請求項15に記載のフィルムカッタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−161875(P2012−161875A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23629(P2011−23629)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】