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フィルム乾燥方法及び装置並びに溶液製膜方法
説明

フィルム乾燥方法及び装置並びに溶液製膜方法

【課題】フィルムの搬送を阻害する異物を除去してフィルムの搬送を安定させる。
【解決手段】ピンテンタは、湿潤フィルムの耳部をピン72で差し込んだ状態で、その湿潤フィルムを搬送するとともに乾燥を行う。ピン72が多数植えつけられたピンプレート73はピンキャリア58により支持される。ピンキャリア58はレール44aと44bとの間に配されている。ピンキャリア58はレール44a,44bの案内に従って走行する。スチーム洗浄エリア82では、スチームの吹き付けによりピン72、ピンプレート73及びピンキャリア58などに付着した異物を除去する。ジェット風洗浄エリアでは、窒素ガスの吹き付けにより、スチームにより除去できなかった異物を除去するとともに、スチーム洗浄で残った水分を吹き飛ばす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムの両側端部を担持した状態でフィルムを搬送しながら乾燥させるフィルム乾燥方法及び装置に関する。また、本発明は、フィルム乾燥方法及び装置を導入した溶液製膜方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマーフィルムは、優れた光透過性や柔軟性を有し、軽量薄膜化が可能であることから、光学機能性フィルムとして多岐に利用されている。この中でも、セルロースアシレート等を用いたセルロースエステル系フィルムは、前述の特性に加えて、さらに強靭性や低複屈折率を有している。このセルロースエステル系フィルムは、写真感光用フィルムをはじめとして、近年市場が拡大している液晶表示装置(LCD)の構成部材である偏光板の保護フィルムや光学補償フィルムとして利用されている。
【0003】
ポリマーフィルムの製造方法の一つとして、溶液製膜方法が挙げられる。この溶液製膜方法によれば、まず、ポリマーと溶媒とが含まれたドープを流延ダイから支持体上に流延して流延膜を形成する。次に、流延膜が自己支持性を有するものとなった後に、流延膜を湿潤フィルムとして支持体から剥ぎ取る。そして、テンタにより、湿潤フィルムの両側端部(以下「耳部」とする)を保持した状態でその湿潤フィルムを搬送する。また、テンタでは、搬送中の湿潤フィルムに対して乾燥が行われる。これにより、フィルムが得られる。そして、フィルムの耳部を切断した後に、乾燥装置により更に乾燥を行う。乾燥装置を経たフィルムは、巻取装置によって巻き取られる。
【0004】
テンタにおける湿潤フィルムの乾燥は、フィルムの両側端部をクリップやピンなどの担持手段により担持して走行させ、この走行中のフィルムに対して乾燥風を吹き付けることにより行っている。一方、担持手段はチェーンなどの無端移動体に固定して循環走行させるため、テンタ出口近くで高温乾燥風にさらされて高温となった担持手段で再度フィルムを担持すると、フィルム中の溶剤の沸騰による発泡が発生し、フィルム切断に至る場合がある。また、冷却ゲル化により自己支持性を持たせる溶液製膜方法では、ピンプレートによりフィルムを担持するが、ピンの温度が高いと、ピンがフィルムに入り込む際にピン先端に被る樹脂が固形化して剥がれキャップ状の粉末となり、異物故障や擦り傷の原因となる。これを防止するために、フィルム両側端部を担持する前に、冷却ダクトを通過させて担持手段を冷却することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−85846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、冷却ダクトを設けることによって、新たな問題が生じている。テンタ内では、湿潤フィルムから蒸発した溶剤ガスが充満している。テンタ内の高温雰囲気下では、湿潤フィルム内の可塑剤やUV剤が溶剤と共に蒸発しており、これらも溶剤ガス中に混じっている。このような溶剤ガスがクリップやピンプレートの移動に伴い、冷却ダクト内に同伴される。冷却ダクトに入り込んだ溶剤ガスは、その冷却ダクトの冷却により液化または固化し、異物としてピンやピンプレートに付着するようになる。この異物には、ドープに添加した可塑剤やUV剤などの添加剤が多く含まれている。この異物の堆積量が増加すると、ピンプレートに大きな負担がかかるようになる。さらに、ピンプレートの搬送に用いる搬送用ガイドローラやこれに用いられるベアリングに異物が堆積するようになると、フィルムの搬送を安定的に行うことができなくなる。
【0006】
以上の問題に対して、蒸発しにくい可塑剤やUV剤の導入、テンタの乾燥温度の低温化、テンタの乾燥の長時間化などの対策が考えられる。しかしながら、それら対策を講じることで、製造後のフィルムの品質が変化してしまったり、コストが余分にかかってしまったりするなどの新たな問題が発生し、好ましくない。また、ブラシなどを用いてピンプレートに付着した異物を除去することも考えられるが、異物の除去を繰り返すうちに、ブラシが目詰まりしたり、一度除去した異物が再びピンプレートに付着したりするなどの問題がある。また、ブラシでは落とせない部分があるなどの問題がある。
【0007】
テンタでは、そのテンタ内の溶剤ガスから凝縮回収や吸着回収などにより溶剤を回収し、その溶剤が除かれたガスを再びテンタ内に送っており、この溶剤の回収に合わせて可塑剤やUV剤などを回収している。しかしながら、この方法を用いても、ピンプレートなどに付着する異物の量を皆無にすることはできない。
【0008】
また、洗浄用溶剤を用いてピンプレートなどを洗浄することが考えられるが、洗浄効果が弱い上に、その洗浄用の溶剤により搬送用ガイドローラやベアリングの潤滑剤としてのオイル成分を溶かしてしまうという問題がある。さらには、この洗浄用溶剤がテンタ内に蒸発してしまうと、その洗浄用溶剤の回収も行わなければならないという問題がある。したがって、これまでは、定期的にフィルムの製造ラインを停止し、オフラインでピンプレートなどの洗浄を行っていた。
【0009】
本発明は、フィルムの搬送を阻害する異物を除去して、フィルムの搬送を安定させるフィルム乾燥方法及び装置並びに溶液製膜方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のフィルム乾燥方法はフィルムの両側端部を担持部材で担持し、前記担持部材が所定ピッチで複数取り付けられるキャリア本体からなる1対の無端移動部により前記フィルムを走行させ、その走行中の前記フィルムに対して乾燥風を送り乾燥させる乾燥工程と、前記フィルムの担持が開放されている前記担持部材及び前記キャリア本体に対してスチームを吹き付けて、前記担持部材及び前記キャリア本体を洗浄するスチーム洗浄工程とを有することを特徴とする。
【0011】
前記スチーム洗浄工程の後に、前記フィルムの担持が開放されている前記担持部材及び前記キャリア本体に対してガスを吹き付けて、前記担持部材及び前記キャリア本体を洗浄するガス吹き付け洗浄工程を有することが好ましい。前記フィルムを担持している区間の前記キャリア本体をダクトで覆い、前記ダクト内に不活性ガスを送りガスパージするガスパージ工程を有することが好ましい。前記不活性ガスの供給位置及び回収位置は、前記フィルムの担持開放位置近傍であることが好ましい。
【0012】
本発明の溶液製膜方法は、エンドレスに走行する支持体の上に、ポリマーと溶媒とを含むドープを流延して流延膜を形成し、この流延膜を前記支持体から湿潤フィルムとして剥ぎ取り、この剥ぎ取り後の前記湿潤フィルムを上記のフィルム乾燥方法により乾燥してフィルムを製造することを特徴とする。
【0013】
本発明のフィルム乾燥装置は、フィルムの両側端部を担持部材で担持し、前記担持部材が所定ピッチで複数取り付けられるキャリア本体からなり、前記フィルムを走行させる1対の無端移動部と、前記担持部材で担持されて走行する前記フィルムに対して乾燥風を送り乾燥させる乾燥部と、前記フィルムの担持が開放されている前記担持部材及び前記キャリア本体に対して、スチームを吹き付けて、前記担持部材及び前記キャリア本体を洗浄するスチーム洗浄部とを備えることを特徴とする。
【0014】
前記スチーム洗浄部に対して前記キャリア本体の移動方向の下流側に設けられ、前記フィルムの担持が開放されている前記担持部材及び前記キャリア本体に対してガスを吹き付けて、前記担持部材及び前記キャリア本体を洗浄するガス吹き付け洗浄部を有することが好ましい。
【0015】
前記フィルムを担持している区間の前記キャリア本体をダクトで覆い、前記ダクト内に不活性ガスを送りガスパージするガスパージ工程を有することが好ましい。また、前記不活性ガスの供給位置及び回収位置は、前記フィルムの担持開放位置近傍であることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、フィルムの搬送の阻害となる異物を除去して、フィルムの搬送を安定させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の第1実施形態を説明する。図1に示すように、フィルム製造設備10は、流延室11と、渡り部12と、ピンテンタ13と、クリップテンタ14と、耳切装置15と、乾燥装置16と、冷却装置17と、巻取装置18とから構成されている。
【0018】
流延室11には、ドープ製造設備20からのドープが送り込まれるフィードブロック21と、支持体としての流延ドラム22と、ドープを流延ドラム22に流延する流延ダイ23と、流延ドラム22上の流延膜24を湿潤フィルム25として剥ぎ取る剥取ローラ26と、流延膜24及び湿潤フィルム25から蒸発した溶剤ガスを凝縮液化する凝縮器27(コンデンサ)と、液化した溶剤を回収する回収装置28とが備えられている。また、流延ドラム22には伝熱媒体供給装置(図示省略)が接続されており、この伝熱媒体供給装置の内部に伝熱媒体を供給することで、流延ドラム22の表面温度を所望の温度に調整している。また、流延室11には、その内部温度を調整するための温調装置30が取り付けられている。
【0019】
フィードブロック21の内部にはドープの流路が形成されている。流延ダイ23には減圧チャンバ32が取り付けられており、この減圧チャンバ32は、流延ダイ23の吐出口から流延ドラム22に到達するまでのドープの流れ(以下「ビード」とする)の後方を減圧し、流延ドラム22に対するビードの接触を安定させる。減圧チャンバ32にはジャケット(図示省略)が取り付けられており、減圧チャンバ32を所望の温度に調整している。
【0020】
流延ドラム22は連続回転が可能なステンレス製のドラムから構成される。また、流延ドラム22の表面には研磨加工等が施されている。これにより、流延ドラム22上には平面性に優れる流延膜24が形成される。なお、支持体として流延ドラムを使用するが、支持体の形態は特に限定されるものではない。例えば、1対のローラに巻き掛けられ、無端で走行する流延バンドを支持体として用いてもよい。また、支持体の寸法は、ドープの流延幅に対して1.1〜2.0倍程度の幅を有するものが好ましい。また、支持体の材質は耐腐食性や高強度を有するもの、例えばステンレスであることが好ましい。
【0021】
流延ダイ23の形状、材質、大きさ等は特に限定されるものではないが、コートハンガー型のものを用いるとドープの流延幅を略均一に保持することができるので好ましい。また、ドープの流延幅に対して1.1〜2.0倍程度の吐出口を有するものが好ましい。材質は耐久性、耐熱性等の観点から、析出硬化型のステンレス鋼を用いることが好ましく、ジクロロメタン、メタノール、水の混合溶液に3ヶ月浸漬させても気液界面に孔開きを生じることがないような耐腐食性を有するものが好ましい。また、電解質水溶液での強制腐食試験でSUS316と同等の耐腐食性を有するものも好適に用いることができる。なお、耐熱性の観点からは、熱膨張率が2×10−5(℃−1)以下のものを用いることが好ましい。
【0022】
流延ダイ23の吐出口の先端には、耐摩耗性向上等を目的として硬化膜が形成されていることが好ましい。硬化膜の形成方法は特に限定されるものではないが、例えば、セラミックスコーティング、ハードクロムめっき、窒化処理等が挙げられる。硬化膜としてセラミックスを用いる場合には、その硬化膜は、研削加工が可能であること、気孔率が高いこと、更には、脆弱性及び耐腐食性に優れること、流延ダイに対する密着度は高いが、ドープに対する密着度が低いこと等の条件を満たしていることが好ましい。具体的には、タングステン・カーバイド(WC)、Al、TiN、Cr等が挙げられるが、その中でも、WCを用いることが好ましい。なお、WCのコーティングは公知の溶射法により行うことができる。
【0023】
渡り部12には多数のローラ35が設置されている。これらローラ35は、流延ドラム22から剥ぎ取られた湿潤フィルム25をピンテンタ13まで搬送する。以下、この湿潤フィルム25の搬送方向をA方向とする。湿潤フィルム25の搬送路の上方には送風器36が設けられており、この送風器36は湿潤フィルム25に対して乾燥風を吹き付けて、湿潤フィルム25の乾燥を促進させる。
【0024】
ピンテンタ13は、詳細は後述するが、湿潤フィルム25の耳部にピンに差し込んで保持し、その耳部を保持した状態で湿潤フィルム25を搬送する。この湿潤フィルム25に対しては、乾燥ダクト52,53(図3参照)から乾燥風が送られて、所望の温度に加熱され、乾燥が促進される。乾燥風は排気孔60a(図3参照)を介して、乾燥風循環装置60(図3参照)に送られる。乾燥風循環装置60は、乾燥風から溶媒や可塑剤を吸着回収するとともに、吸着回収後の乾燥風を乾燥ダクト52,53に戻す。
【0025】
クリップテンタ14はピンテンタ13の下流に設けられ、ピンテンタ13から出た湿潤フィルム25の耳部を把持して搬送するとともに乾燥を行う。クリップテンタ14内にも、乾燥ダクト(図示省略)が湿潤フィルム25を挟むようにして上下方向に複数配置されており、その乾燥ダクト(図示省略)により湿潤フィルム25が乾燥される。これにより、フィルム37が得られる。なお、クリップテンタは必要に応じて設けられるもので、省略してもよい。この場合には、ピンテンタ13を出たフィルム37は乾燥装置16に送られる。
【0026】
耳切装置15は、クリップテンタ14を出たフィルム37の耳部を切断する。また、耳切装置15にはクラッシャ66が接続されており、このクラッシャ66によりフィルム37の耳部は粉砕されてチップにされる。そして、耳部が切断されたフィルム37は乾燥装置16に送られる。乾燥装置16の内部には多数のローラ67が備えられており、フィルム37はローラ67により搬送されながら乾燥される。この乾燥装置16内でフィルム37から発生した溶剤ガスは、乾燥装置16の外側に設けられた吸着回収装置69により吸着回収される。吸着回収により溶剤が除去されたガスは、再び乾燥装置16に戻される。乾燥装置16を出たフィルム37は冷却装置17に送られ、この冷却装置17内で略室温まで冷却される。なお、耳切装置はピンテンタ13の出口にも設け、耳部を切断した後に、これをクリップテンタに送るようにしてもよい。
【0027】
巻取装置18は巻芯70を備え、冷却装置17を出たフィルム37は巻芯70にロール状に巻き取られる。また、巻取装置18はプレスローラ71を備え、このプレスローラ71は巻き圧を調節しながらフィルム37を巻き取る。
【0028】
図2及び図3に示すように、ピンテンタ13は、湿潤フィルム25の両側端部(耳部)25aを保持した状態で、その湿潤フィルム25をA方向に搬送するとともに、その幅方向(以下「B方向」とする)に所定の延伸率で延伸する。
【0029】
ピンテンタ13は、ピン差込用のブラシローラ40と、除塵装置42と、レール44と、スプロケット(戻し経路構成部材)46〜48と、乾燥ダクト52,53と、レールカバー(ダクト)54と、ピンキャリア(無端移動部)58とを備える。
【0030】
ブラシローラ40はピンテンタ13の入口13a側に設けられ、ピンテンタ13に入った湿潤フィルム25の耳部25aにピン72(図4参照)をその根元部まで差し込む。除塵装置42はピンテンタ13の出口13b側に設けられ、耳部25a上のゴミ等を吸引により除去する。
【0031】
レール44は湿潤フィルム25の搬送路の両側に設置されている。レール44は、湿潤フィルム25の延伸率に応じてその幅や拡幅パターンが決定されており、図示のものは、延伸状態が誇張して表示してある。また、拡幅パターンも一例であり、フィルムの光学特性を考慮して各種の拡幅パターンを採用してもよい。レール44は上下方向に配される1対のレール44a,44bから構成されている。
【0032】
スプロケット46,47はピンテンタ13の入口13a側に、スプロケット48はピンテンタ13の出口13b側に設けられている。スプロケット46の歯59(図5参照)はピンキャリア58の噛合溝74b(図5参照)と噛み合っている。スプロケット47,48の歯(図示省略)も同様に、ピンキャリア58の噛合溝74bと噛み合っている。ピンキャリア58はレール44上において互いに連結しあっており、スプロケット48がモータ等の回転駆動により回転すると、ピンキャリア58はレール44に沿って走行する。そして、このピンキャリア58の走行とともに、スプロケット46,47が回転する。
【0033】
乾燥ダクト52は湿潤フィルム25の搬送路の上方に、乾燥ダクト53は湿潤フィルム25の搬送路の下方に設置されている。乾燥ダクト52は、湿潤フィルム25の上面に乾燥風を吹き付ける。また、乾燥ダクト53は、湿潤フィルム25の下面に乾燥風を吹き付ける。乾燥ダクト52,53の乾燥風の温度は、40℃以上200℃以下の範囲で所定の温度に設定されている。これにより、湿潤フィルム25の乾燥が促進されるとともに、湿潤フィルム25から溶剤ガスが蒸発する。
【0034】
図4に示すように、レールカバー54は、レール44a,44b及びピンキャリア58の一部を覆う。レールカバー54の内部の上面にはレール44aが、その下面にはレール44bが取り付けられている。ピンキャリア58は、レール44aとレール44bとの間に配されている。また、レールカバー54には、ピンキャリア58の走行方向に沿ってスリット54aが形成されている。このスリット54aは後述する遮風部材75により覆われており、レールカバー54内に送られる不活性ガスや冷却風が逃げることがないようにされている。また、図5に示すように、スプロケット46の設置位置付近のレールカバー54には、スプロケット46が入り込むためのスリット54bが形成されている。スプロケット47の設置位置付近のレールカバー54についても、同様であるので、説明を省略する。
【0035】
図4に示すように、ピンキャリア58は、ピン72と、ピンプレート73と、キャリア本体74と、遮風部材75と、ガイドローラ76〜79とから構成される。
【0036】
ピン72は、ピンプレート73に所定の間隔で多数植えつけられている。このピンプレート73は、遮風部材75の遮風部75aに固着されている。また、キャリア本体74の側面には、遮風部材75を支持するための突起部74aが形成されている。この突起部74aには遮風部材75が固着されている。また、キャリア本体74の下面の中央部には、スプロケット46,47,48の歯と噛み合う噛合溝74bが形成されている。
【0037】
遮風部材75は、レールカバー54のスリット54aを介して、キャリア本体74の突起部74aと固着している。また、この遮風部材75はスリット54aを覆うように上下左右方向に延びた遮風部75aを備えており、遮風部75aはレールカバー54のスリット54aを覆い隠している。この遮風部75aにより、湿潤フィルム25から蒸発した溶剤ガスを含む乾燥風がレールカバー54の内部に侵入することが防止される。また、遮風部75aは、後述するスチーム洗浄エリア82(図7参照)にてピン72及びピンプレート73をスチーム洗浄する際に、そのスチームがレールカバー54内部に入ることを防止する。
【0038】
ガイドローラ76とガイドローラ77とは、キャリア本体74の上面に、レール44aの幅だけ離間して設けられている。同様に、ガイドローラ78とガイドローラ79とは、キャリア本体74の下面に、レール44bの幅だけ離間して設けられている。これらガイドローラ76〜79はレール44a,44bを挟持し、キャリア本体74がレール44a,44bに沿って移動する際に、キャリア本体74を案内する。
【0039】
各キャリア本体74の走行方向の前端部及び後端部には、各キャリア本体74を相互に連結する連結ブラケットが設けられており、この連結ブラケットに連結ピンが水平方向で取り付けられている。したがって、連結ピンを介して各キャリア本体74は連結されるため、図3に示すように鉛直面内で走行移動することができる。なお、ブロック状のキャリア本体を連結ピンで相互に連結してピンキャリアを構成する代わりに、チェーンを用いてピンキャリアを構成してもよい。
【0040】
図3に示すように、ピンテンタ13には、ピンキャリア58の走行方向に沿って、ガスパージエリア81、スチーム洗浄エリア82、ジェット風洗浄エリア83、第1冷却エリア84、ドライアイス洗浄エリア85、第2冷却エリア86が設けられている。スチーム洗浄エリア82、ジェット風洗浄エリア83、及びドライアイス洗浄エリア85における洗浄で除去される異物の大部分は、湿潤フィルム25から蒸発した溶剤ガスに含まれる成分、特にTPP(トリフェニルフォスフェート)などの可塑剤や、ベンゾトリアゾール系素材などのUV剤等のドープの添加剤が液化又は固化したものである。また、異物には光学特性調整剤が液化又は固化したものが含まれている。
【0041】
図6に示すように、ガスパージエリア81に位置するレールカバー54には給気用のノズル90と吸気用の排出パイプ91が取り付けられており、ノズル90の吹出孔及び排出パイプ91の吸気孔は、それぞれレールカバー54の内部に向けられている。また、ガスパージエリア81には、窒素ガス供給部94、吸引装置95、フィルタ96が設置されており、窒素ガス供給部94はノズル90に、吸引装置95は排出パイプ91に接続されている。また、吸引装置95は、フィルタ96を介して、窒素ガス供給部94と接続している。
【0042】
ガスパージを行う際には、窒素ガス供給部94からノズル90に窒素ガスが供給される。この窒素ガスは、ノズル90の吹出孔を介して、レールカバー54内に供給される。ノズル90からの窒素ガスの吹出により、レールカバー54内部の圧力が上昇するとともに、キャリア本体74,ガイドローラ76〜79及びレール44a,44bに付着した異物が除去される。吸引装置95は、排出パイプ91の吸気孔を介して、加圧状態のレールカバー54内からガスを吸気するとともに、そのレールカバー54内部に溜まった異物を吸引する。フィルタ96は、吸引装置95で吸引されたガスから異物を除去する。そして、その異物が除去された窒素ガスは、窒素ガス供給部94に送られる。
【0043】
このガスパージエリア81のなかでも、特に湿潤フィルム25の耳部25aの保持が開放されるエリアは、ピンテンタ13内でも特に溶剤ガスの濃度が高くなるエリアである。したがって、窒素ガスの給気によりレールカバー54内部の圧力を高めておくことで、レールカバー54内部に溶剤ガスが入り込むことが防止される。また、仮に、レールカバー54内に溶剤ガスが入り込み、その溶剤ガスが液化又は固化したものが異物としてガイドローラ76〜79に付着したとしても、そのような異物は窒素ガスの吹き付けにより除去される。さらには、その除去された異物は吸引装置95によりレールカバー54外に排出されるため、ピンキャリア58の走行を阻害するものがレールカバー54内部に存在しなくなる。これにより、ピンキャリア58はレール44に沿って安定的に走行することが可能となる。
【0044】
なお、ガスパージは、湿潤フィルム25の搬送エリアのみならず、ピンキャリア58が走行するエリア全体で行ってもよい。また、排出パイプ91をノズル90に対応する位置でレールカバー54の反対側に設けているが、排出パイプ91は、ピンキャリア58の走行方向でノズル90から離して設けてもよい。この場合には、排出位置がノズル90の位置から離されることで、レールカバー54内をテンタ室よりも圧力を高く設定することが効率よく行える。また、ノズル90及び排出パイプ91は、ガスパージエリア81内でピンキャリア58の走行方向に適宜ピッチで複数設けてもよい。
【0045】
図7に示すように、スチーム洗浄エリア82には、スチームを吹き付けるためのノズル120a〜120cが設置されている。ノズル120aの吹出孔はピン72及びピンプレート73の方向に向けられている。また、ノズル120b,120cの吹出孔は、レール44a,44b、キャリア本体74、ガイドローラ76〜79の方向に向けられている。また、スチーム洗浄エリア82にはスチーム供給部122が設置されており、このスチーム供給部122は、ノズル120a〜120cに接続されている。
【0046】
スチーム洗浄を行う場合には、スチーム供給部122からノズル120a〜120cにスチームが供給される。このスチームは、ノズル120aの吹出孔から、ピン72及びピンプレート73に吹き付けられる。また、スチームは、ノズル120b,120cの吹出孔から、レール44a,44b、キャリア本体74、ガイドローラ76〜79に吹き付けられる。このスチームの吹き付けにより、ピン72、ピンプレート73、レール44a,44b、キャリア本体74、ガイドローラ76〜79に付着していた異物が除去される。なお、スチームの吹き付けにより異物の除去を行ったが、これに限らず、異物を除去する効果が高い液体を含有した蒸気を用いて洗浄してもよい。
【0047】
図8に示すように、ジェット風洗浄エリア83には、ジェット風を吹き付けるためのノズル125a〜125cが設置されている。ここでは、ジェット風として窒素ガスが用いられる。ノズル125aの吹出孔はピン72及びピンプレート73の方向に向けられている。また、ノズル125b,125cの吹出孔は、レール44a,44b、キャリア本体74、ガイドローラ76〜79の方向に向けられている。また、ジェット風洗浄エリア83には窒素ガス供給部127が設置されており、この窒素ガス供給部127はノズル125a〜125cと接続している。
【0048】
ジェット風洗浄を行う場合には、窒素ガス供給部127からノズル125a〜125cに窒素ガスが供給される。この窒素ガスは、ノズル125aの吹出孔から、ピン72及びピンプレート73に吹き付けられる。また、窒素ガスは、ノズル125b,125cの吹出孔から、レール44a,44b、キャリア本体74、ガイドローラ76〜79に吹き付けられる。
【0049】
この窒素ガスの吹き付けにより、先のスチーム洗浄によってピン72及びピンプレート73上に残った水分が吹き飛ばされるとともに、スチーム洗浄で除去しきれなかった異物が除去される。なお、窒素ガスの風速は10m/分以上であることが好ましい。
【0050】
図9に示すように、第1冷却エリア84内では、ピン72及びピンプレート73はピンカバー130により覆われている。このピンカバー130の側面には供給孔130aが形成されている。また、第1冷却エリア84に位置するレールカバー54には、給気用のノズル132が取り付けられている。このノズル132の吹出孔は、レールカバー54の内部に向けられている。また、第1冷却エリア84には冷却風供給部134が設置されており、この冷却風供給部134は供給孔130aに接続されている。
【0051】
第1冷却エリア84内では、第1冷却エリア84のレールカバー54の内部及びピンカバー130の内部全体の温度が略均一となるように、冷却風供給部134から冷却風が供給される。この冷却風の温度は、例えば−30℃以上+30℃以下の所定の温度とされる。これにより、レールカバー54の内部及びピンカバー130の内部全体の温度が、TPPの融点以下、即ち50℃以下となる。したがって、湿潤フィルム25から溶剤と共に蒸発したTPPなどがピンキャリア58やピンプレート73の移動に伴い第1冷却エリア84内に入ってしまった場合には、そのTPPなどがピン72やピンキャリア58などに析出してしまう。
【0052】
なお、第2冷却エリア86では、ピン72及びピンプレート73のみを冷却風により冷却する。この第2冷却エリア86の構成は、ピンカバーを設置しない以外は第1冷却エリア84と同様であるので、説明を省略する。この第2冷却エリア86では、第1冷却エリア84に引き続いて冷却を行うことで、ピン72及びピンプレート73の表面温度が35℃以上50℃以下となる。ピン72の温度を前記範囲の温度とすることで、ピン72が耳部25aに通り易くなる。
【0053】
図10に示すように、ドライアイス洗浄エリア85には、ドライアイス粒子を吹き付けるためのノズル140a〜140cが設置されている。ノズル140aの吹出孔は、ピン72及びピンプレート73の方向に向けられている。また、ノズル140b,140cの吹出孔は、レール44a,44b、キャリア本体74、ガイドローラ76〜79の方向に向けられている。このドライアイス洗浄エリア85には、エア供給部142とドライアイス生成部143とが設置されている。エア供給部142は、配管145を介して、ノズル140a〜140cと接続している。また、ドライアイス生成部143は、配管146を介して、配管145に接続している。
【0054】
ドライアイス洗浄を行う場合には、エア供給部142はエアを配管145に供給する。また、ドライアイス生成部143でドライアイス粒子が生成される。このドライアイス粒子は、配管146を介して、配管145内のエアと混合される。ドライアイス粒子が混合された混合エア148は、ノズル140aの吹出孔を介して、ピン72及びピンプレート73に吹き付けられる。また、混合エア148は、ノズル140b,140cの吹出孔を介して、レール44a,44b、キャリア本体74、ガイドローラ76〜79に吹き付けられる。なお、ドライアイスをドライアイス生成部143で形成する代わりに、ノズル内にCOガスと圧縮エアとを導入し、ノズル内で圧縮エアにCOガスを導入することで、ドライアイス粒子を形成するタイプのノズルを用いて、ドライアイス粒子を形成してもよい。
【0055】
この混合エア148の吹き付けにより、ドライアイス粒子がピン72、ピンプレート73、レール44a,44b、キャリア本体74、ガイドローラ76〜79に付着していた異物に衝突する。この衝突により、異物は粉砕して除去される。除去された異物は、混合エア148に乗って、周囲の集塵機により集塵される。
【0056】
なお、ドライアイス粒子を含有する混合エアの吹き付けにより異物を除去したが、これに限る必要はなく、異物に衝突して昇華する性質を有する粒子であればよい。また、ドライアイス粒子の吹き付けにエアを用いたが、これに限る必要はなく、窒素ガスなどの不活性ガスでもよい。
【0057】
本実施形態における各ノズル90,120a〜120c,125a〜125c,132,140a〜140cや排出パイプ91のレイアウトや取り付け個数は、図示のものに限られず、適宜変更してよい。
【0058】
本実施形態では、湿潤フィルムの耳部の保持を開始してから開放するまでの間、湿潤フィルムを反転させずに搬送したが、これに限る必要はなく、湿潤フィルムを複数回反転させながら搬送する多段搬送方式としてもよい。
【0059】
本実施形態では、ガスパージエリア81及びジェット風洗浄エリア83において、窒素ガスを用いたが、その他の不活性ガスでもよい。また、窒素ガスに代えてエアを用いてもよいが、この場合には、そのエアに含まれる可塑剤やUV剤の濃度が100ppb以下であることが好ましく、10ppb以下であることがより好ましく、1ppb以下であることが最も好ましい。
【0060】
本実施形態では、ピン、ピンプレート、ガイドローラなどを洗浄したが、それら以外にスプロケットの歯を洗浄してもよい。スプロケットの歯を適宜洗浄することで、スプロケットの歯とピンキャリアの噛合溝との噛み合いが良好となるため、ピンキャリアの走行の安定性が更に向上することになる。また、スプロケットに付着した異物がフィルムに付着することもなくなる。
【0061】
本実施形態では、窒素ガスパージの他に、窒素ガスの吹き付けによるジェット風洗浄、スチームの吹き付けによるスチーム洗浄、ドライアイス粒子混合エアの吹き付けによるドライアイス洗浄という4種類の洗浄方法を用いて異物の除去を行ったが、これら全ての洗浄を行う必要はない。例えば、窒素ガスパージ以外の洗浄手段は適宜選択して用いてよい。例えば、窒素ガスパージとそれ以外の上記3種の洗浄方法のいずれか一つとの組み合わせ、いずれか2つとの組み合わせとしてもよい。また、窒素ガスパージを常時行い、その他のジェット風洗浄、スチーム洗浄、ドライアイス洗浄は、必要に応じて間欠的に行ってもよい。そして、間欠的な洗浄を行う場合に、これら3種類の洗浄を同時に行う洗浄の他に、そのなかの1種のみを順に行う逐次洗浄としてもよい。
【0062】
本実施形態では、本発明のピンテンタをフィルム製造設備内に導入したが、これに限る必要はない。例えば、フィルム以外のウェブを製造するウェブ製造設備内に本発明を実施してもよい。また、本実施形態では、本発明をピンテンタに適用したが、これに限らず、クリップテンタにも本発明を適用することができる。この場合には、例えばクリップを有するキャリア本体から無端移動部を構成する。
【0063】
本実施形態で製造されるフィルム37の幅は1400mm以上2500mm以下であることが好ましい。なお、フィルム37の幅が2500mmを超える場合であっても、本発明の効果を得ることができる。また、上記実施形態で製造されるフィルム37の厚みは、20μm以上100μm以下であることが好ましく、20μm以上80μm以下であることがより好ましく、30μm以上70μm以下であることが最も好ましい。
【0064】
上記実施形態では、1種類のドープを用いて単層のフィルムを製造する場合について説明したが、本発明は複層構造の流延膜を形成する場合にも効果を発揮する。この場合には、所望の数のドープを同時或いは逐次に流延する等の公知の方法を用いればよく、特に限定されない。また、流延ダイ、減圧室、支持体等の構造、共流延、剥離法、延伸、各工程の乾燥条件、ハンドリング方法、カール、平面性矯正後の巻取方法から、溶剤回収方法、フィルム回収方法まで、特開2005−104148号公報の[0617]段落から[0889]段落に詳しく記述されており、これらの記載に係る発明も本発明に適用することができる。また、完成したフィルムの性能や、カールの度合い、厚み、及びこれらの測定法は、特開2005−104148号公報の[1073]段落から[1087]段落に記載されており、これらの記載に係る発明も本発明に適用することができる。
【0065】
完成したフィルムの少なくとも一方の面に表面処理を施すと、偏光板等の光学部材との接着度を高めることができるので好ましい。表面処理としては、例えば、真空グロー放電処理、大気圧プラズマ放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理等が挙げられ、これらの中から少なくとも1つの処理を行うことが好ましい。
【0066】
完成したフィルムをベースとし、その両面あるいは一方の面に所望の機能層を設けると、各種機能性フィルムとして用いることができる。機能層としては、例えば、帯電防止層、硬化樹脂層、反射防止層、易接着層、防眩層、光学補償層等が挙げられる。例えば、反射防止層を設けると、光の反射を防止して高画質を提供することができる反射防止フィルムが得られる。上記の機能層や形成方法等に関しては、特開2005−104148号公報の[0890]段落から[1072]段落に詳細に記載されており、これらの記載に係る発明も本発明に適用することができる。また、ポリマーフィルムの具体的用途に関しては、例えば、特開2005−104148号公報の[1088]段落から[1265]段落に記載される、TN型、STN型、VA型、OCB型、反射型等の液晶表示装置への利用等が挙げられる。
【0067】
次に、ドープ製造設備20で製造されるドープの原料を以下に示す。
【0068】
ドープの原料としてセルロースエステルを用いると、透明度の高いフィルムを得ることができるので好ましい。セルロースエステルとしては、例えば、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアシレートブチレート等のセルロースの低級脂肪酸エステルが挙げられる。中でも、透明度の高さから、セルロースアシレートを用いることが好ましく、トリアセチルセルロース(TAC)を用いることが好ましい。なお、上記実施形態で用いるドープは、ポリマーとしてトリアセチルセルロース(TAC)を含むものとする。このようにTACを用いる場合には、TACの90質量%以上が0.1〜4mmの粒子であることが好ましい。
【0069】
上記のセルロースアシレートとしては、より透明度の高いフィルムを得るためにも、セルロースの水酸基へのアシル基への置換度が下記式(a)〜(c)の全てを満足するものが好ましい。下記式中のA、Bは、セルロースの水酸基中の水素原子に対するアシル基の置換度を表しており、具体的には、Aはアセチル基の置換度であり、Bは炭素数が3〜22のアシル基の置換度である。
(a) 2.5≦A+B≦3.0
(b) 0≦A≦3.0
(c) 0≦B≦2.9
【0070】
セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位及び6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部又は全部を炭素数が2以上のアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位、3位、及び6位それぞれについて、セルロースの水酸基がエステル化している割合を意味する。なお、100%のエステル化の場合を置換度1とする。
【0071】
全アシル化置換度、すなわち、DS2+DS3+DS6の値は、2.00〜3.00が好ましく、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DS6/(DS2+DS3+DS6)の値は、0.28以上が好ましく、より好ましくは0.30以上であり、特に好ましくは0.31〜0.34である。ここで、DS2は、グルコース単位における2位の水酸基の水素がアシル基によって置換されている割合であり、DS3は、グルコース単位における3位の水酸基の水素がアシル基によって置換されている割合であり、DS6は、グルコース単位において、6位の水酸基の水素がアシル基によって置換されている割合である。
【0072】
セルロースアシレートに用いられるアシル基は1種類だけでも良いし、2種類以上のアシル基が用いられていても良い。なお、2種類以上のアシル基を用いるときには、その1つがアセチル基であることが好ましい。2位、3位及び6位の水酸基がアセチル基により置換されている度合いの総和をDSAとし、2位、3位及び6位の水酸基がアセチル基以外のアシル基によって置換されている度合いの総和をDSBとすると、DSA+DSBの値は、2.22〜2.90であることが好ましく、特に好ましくは2.40〜2.88である。
【0073】
また、DSBは0.30以上であることが好ましく、特に好ましくは0.7以上である。更に、DSBは、その20%以上が6位水酸基の置換基であることが好ましく、より好ましくは25%以上であり、30%以上がさらに好ましく、33%以上であることが特に好ましい。更に、セルロースアシレートの6位におけるDSA+DSBの値が0.75以上であり、さらに好ましくは、0.80以上であり、特には0.85以上であるセルロースアシレートも好ましい。このようなセルロースアシレートを用いると、非常に溶解性に優れたドープを調製することができる。なお、上記のようなセルロースアシレートを用いる場合には、非塩素系溶剤を用いると、非常に優れた溶解性を有し、低粘度であり、かつ濾過性に優れるドープを調製することができる。
【0074】
セルロースアシレートの原料であるセルロースは、リンター綿、パルプ綿のどちらから得られたものでも良い。
【0075】
セルロースアシレートの炭素数が2以上のアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でも良く、特に限定はされない。例えば、セルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステル、芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステル等が挙げられる。更に、それぞれが置換された基を有していても良い。これらの好ましい例としては、プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、iso−ブタノイル基、t−ブタノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基等が挙げられる。中でも、プロピオニル基、ブタノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、t−ブタノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基等がより好ましく、特に好ましくは、プロピオニル基、ブタノイル基である。
【0076】
なお、本発明で用いることができるセルロースアシレートの詳細については、特開2005−104148号公報の[0140]段落から[0195]段落に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。
【0077】
ドープ原料となる溶剤は、用いられるポリマーを溶解することができる有機化合物を用いることが好ましい。ただし、本発明においてドープとは、ポリマーを溶剤に溶解又は分散させることで得られる混合物を意味するため、ポリマーとの溶解性が低いような溶剤も用いることができる。好適に用いることができる溶剤としては、例えば、ベンゼンやトルエン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタンやクロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、メタノールやエタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ジエチレングリコール等のアルコール、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン、酢酸メチルや酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル、テトラヒドロフランやメチルセロソルブ等のエーテル等が挙げられる。これらの溶剤の中から2種類以上の溶剤を選択し、混合した混合溶剤を用いても良い。中でもジクロロメタンを用いると溶解度に優れるドープを得ることが出来ると共に、短時間のうちに流延膜中の溶剤を蒸発させてフィルムとすることができるので好ましい。
【0078】
上記のハロゲン化炭化水素としては、炭素原子数1〜7のものが好ましく用いられる。更に、ポリマーとの相溶性や、支持体から剥ぎ取る流延膜の剥ぎ取る易さの指標である剥ぎ取り性、フィルムの機械強度、光学特性等の観点から、ジクロロメタンに炭素数が1〜5のアルコールを1種ないしは、数種類混合させたものを用いることが好ましい。アルコールの含有量は、溶剤全体に対して2〜25重量%が好ましく、5〜20重量%がより好ましい。アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等が挙げられ、中でも、メタノール、エタノール、n−ブタノール、或いはこれらの混合物を用いることが好ましい。
【0079】
最近、環境に対する影響を最小限に抑えるため、ジクロロメタンを用いない溶剤組成も提案されている。この目的に対しては、炭素数が4〜12のエーテル、炭素数が3〜12のケトン、炭素数が3〜12のエステルが好ましく、これらを適宜混合して用いることが好ましい。これらの化合物は環状構造を有していても良いし、エーテル、ケトン及びエステルの官能基、すなわち、−O−、−CO−、及び−COO−のいずれかを2つ以上有する化合物も溶剤として用いることができる。その他にも、溶剤は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していても良い。なお、2種類以上の官能基を有する場合には、その炭素数がいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であれば良く、特に限定はされない。
【0080】
ドープには、目的に応じて可塑剤、紫外線吸収剤(UV剤)、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤等の公知である各種添加剤を添加させても良い。例えば、可塑剤としては、トリフェニルフィスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート等のリン酸エステル系可塑剤や、ジエチルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤、及びポリエステルポリウレタンエラストマー等の公知の各種可塑剤を用いることができる。
【0081】
また、ドープには、フィルム同士の接着を防止したり、屈折率を調整したりする目的で微粒子を添加させることが好ましい。この微粒子としては、二酸化ケイ素誘導体を用いることが好ましい。本発明における二酸化ケイ素誘導体とは、二酸化ケイ素や、三次元の網状構造を有するシリコーン樹脂も含まれる。このような二酸化ケイ素誘導体は、その表面がアルキル化処理されたものを用いることが好ましい。アルキル化処理のような疎水化処理が施されている微粒子は、溶剤に対する分散性に優れるため、微粒子同士が凝集することなくドープを調製し、更には、フィルムを製造することができるので、面状欠陥が少なく、透明度の高いフィルムを製造することが可能となる。
【0082】
上記の様に、表面にアルキル化処理された微粒子としては、例えば、表面にオクチル基が導入された二酸化ケイ素誘導体として市販されているアエロジルR805(日本アエロジル(株)製)等を用いることができる。なお、微粒子を添加させる効果を確保しつつ、透明度の高いフィルムを得るためにも、ドープの固形分に対する微粒子の含有量は0.2%以下となるようにすることが好ましい。更に、微粒子が光の通過を阻害させないように、その平均粒径は1.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.0μmであり、特に好ましくは、0.4〜0.8μmである。
【0083】
先に説明した通り、本発明では、透明度の高いポリマーフィルムを得るためにもポリマーとしてTACを利用してドープを調製することが好ましい。この場合、溶剤や添加剤等を混合した後のドープの全量に対して、TACを含有する割合が5〜40重量%であることが好ましい。より好ましくは、TACを含有する割合が15〜30重量%であり、特に好ましくは17〜25重量%である。また、添加剤(主に可塑剤)を含有させる割合は、ドープ中に含まれるポリマーやその他添加剤等を含めた固形分全体に対して、1〜20重量%とすることが好ましい。
【0084】
なお、溶剤、可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤、光学異方性コントロール剤、レタデーション制御剤、染料、剥離剤等の各種添加剤及び微粒子については、特開2005−104148号公報の[0196]段落から[0516]段落に詳細に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。また、TACを利用したドープの製造方法であり、例えば、素材、原料、添加剤の溶解方法及び添加方法、濾過方法、脱泡等についても同様に、特開2005−104148号公報の[0517]段落から[0616]段落に詳細に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。
【実施例】
【0085】
図1に示すフィルム製造設備10においてフィルム37を製造した。適量のドープをドープ製造設備20からフィードブロック21を介して流延ダイ23に送り、この流延ダイ23から連続回転する流延ドラム22上にドープを流延し、流延膜24を形成した。流延ダイ23の吐出口を、幅が1.8mのスリットとした。流延時のドープの温度を36℃とした。フィードブロック21の内部温度は36℃とした。減圧チャンバ32の圧力を600Paとしてビードの後方を減圧した。
【0086】
流延ドラム22は、回転数の制御が可能なステンレス製ドラムを用いた。伝熱媒体供給装置から冷媒を流延ドラム22の内部に供給することにより、流延ドラム22の表面温度を−10℃とした。温調装置30を用いて流延室11の内部温度を常時35℃とした。
【0087】
流延膜24を冷却ゲル化させ、自己支持性を有するようになったときに、剥取ローラ26により流延膜24を湿潤フィルム25として剥ぎ取った。この剥ぎ取った湿潤フィルム25を渡り部12に送り、渡り部12に設けられた複数のローラ35で支持しながら搬送した。この搬送中に、送風器36から40℃に調整した乾燥風を供給してフィルム37を乾燥した。
【0088】
図2に示すように、湿潤フィルム25の耳部25aにピン72(図4参照)を差し込んで耳部25aを保持した。耳部25aを保持した状態で湿潤フィルム25を搬送した。また、図3に示すように、湿潤フィルム25の搬送路の上方に乾燥ダクト52を、その下方に乾燥ダクト53を設け、これら乾燥ダクト52,53から乾燥風を湿潤フィルム25に吹き付けた。また、第1冷却エリア84において、ピンキャリア58、ピン72及びピンプレート73を冷却風により冷却した。また、第2冷却エリア86において、ピン72及びピンプレート73を冷却風により冷却した。
【0089】
図1に示すように、ピンテンタ13を経た湿潤フィルム25をクリップテンタ14に送った。クリップテンタ14において、湿潤フィルム25の耳部25aを把持しながら搬送し、その搬送中に湿潤フィルム25の乾燥を行った。これにより、フィルム37が得られた。クリップテンタ14の出口から30秒以内に配するNT型カッタを備える耳切装置15を用いて、フィルム37の耳部から内側に向かって50mmの位置を切断した。切断したフィルム37の耳部を、カッターブロア(図示省略)を介して、クラッシャ66に送り、平均80mm程度のチップに粉砕した。
【0090】
耳切装置15と乾燥装置16との間に予備乾燥室(図示省略)を設けて100℃の乾燥風を供給することによりフィルム37を予備加熱した後、乾燥装置16に送った。乾燥装置16では、フィルム37を複数のローラ67に巻き掛けながら搬送し、その搬送中に乾燥を行った。乾燥装置16の内部温度を、フィルム37の膜面温度が140℃となるように調整した。乾燥装置16におけるフィルム37の乾燥時間を10分とした。フィルム37の膜面温度は、フィルム37の搬送路の真上かつ表面近傍に設けた温度計(図示省略)を用いて測定した。乾燥装置16では、活性炭からなる吸着剤と乾燥窒素からなる脱着剤とを有する吸着回収装置69を用いて、フィルム37から蒸発した溶剤ガスを回収した後、水分量が0.3重量%以下になるまで溶剤ガスの水分を除去した。
【0091】
乾燥装置16と冷却装置17との間に調湿室(図示省略)を設けて、フィルム37に対して、温度50℃、露点20℃のエアを供給した後、直接的に90℃、湿度70%のエアを吹き付けて調湿し、フィルム37に発生しているカールを矯正した。次に、フィルム37を冷却装置17に送り、30℃以下になるまでフィルム37を徐々に冷却させた。
【0092】
フィルム37を巻取装置18に送り、プレスローラ71によりフィルム37に対して50N/mの押し圧を付与しながらφ169mmの巻芯70で巻き取った。巻取り時には、フィルム37の巻き始めの張力を300N/mとし、巻き終わりの張力を200N/mとした。以上により、ロール状のフィルム37を得た。
【0093】
完成したフィルム37の幅は1700mmで、膜厚は80μmであった。なお、全製膜工程を通じて、流延膜やフィルムの平均乾燥速度を20重量%/分とした。
【0094】
本実施例で用いたドープの原料の処方を下記に4つ示す。
[処方1]
塩化メチレン 83.5重量部
メタノール 16重量部
ブタノール 0.5重量部
水(外割) 0.2〜1.0重量部
[処方2]
塩化メチレン 84.5重量部
メタノール 13.5重量部
ブタノール 2重量部
水(外割) 0.2〜1.0重量部
[処方3]
塩化メチレン 85重量部
メタノール 12重量部
ブタノール 3重量部
水(外割) 0.2〜1.0重量部
[処方4]
塩化メチレン 92重量部
メタノール 8重量部
ブタノール 0重量部
水(外割) 0.2〜1.0重量部
なお、上記[処方1]〜[処方4]では、各処方の原料に加えて、下記の原料も処方した。
TAC 100重量部
可塑剤A 7.6重量部
可塑剤B 3.8重量部
UV剤a 0.7重量部
UV剤b 0.3重量部
クエン酸エステル混合物 0.006重量部
微粒子 0.05重量部
【0095】
上記のTACは、置換度2.84、粘度平均重合度306、含水率0.2重量%、ジクロロメタン溶液中の6重量%の粘度 315mPa・s、平均粒子径1.5mm、標準偏差0.5mmの粉体であり、可塑剤Aは、トリフェニルフォスフェートであり、可塑剤Bは、ジフェニルフォスフェートであり、UV剤aは、2(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールであり、UV剤bは、2(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾールであり、クエン酸エステル化合物はクエン酸とモノエチルエステルとジエチルエステルとトリエチルエステルとの混合物であり、微粒子は平均粒径が15nm、モース硬度が約7の二酸化ケイ素である。また、ドープの調製時には、レタデーション制御剤(N−N−ジ−m−トルイル−N−P−メトキシフェニル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン)をフィルムとしたときの全重量に対して4.0重量%となるように添加した。
【0096】
次に、ピンテンタ13において、ピンやピンプレート等の洗浄を以下の実施例1〜4、比較例1、及び参考例1,2に基づいて行った(表1参照)。
[実施例1]
スチーム洗浄エリア82において、ノズル120a〜120cにより、ピン72、ピンプレート73、レール44a,44b、キャリア本体74、ガイドローラ76〜79に向けてスチームを吹き付けた(以下「スチーム洗浄」という)。
[実施例2]
スチーム洗浄を行うとともに、ジェット風洗浄エリア83において、窒素ガスをピン72、ピンプレート73、キャリア本体74、レール44a,44b、ガイドローラ76〜79に吹き付けた(以下「ジェット風洗浄」という)。
[実施例3]
スチーム洗浄及びジェット風洗浄を行うとともに、ガスパージエリア81において、レールカバー54,55内部に対して窒素ガスパージを行った(以下「ガスパージ」という)。
[実施例4]
スチーム洗浄、ジェット風洗浄、及びガスパージを行うとともに、ドライアイス洗浄エリア85において、ドライアイス粒子を混合させた混合エア148をピン72、ピンプレート73、キャリア本体74、レール44a,44b、ガイドローラ76〜79に吹き付けた(以下「ドライアイス洗浄」という)。
[比較例1]
ピン72、ピンプレート73、キャリア本体74、レール44a,44b、ガイドローラ76〜79に対し、スチーム洗浄、ジェット風洗浄、ガスパージ、及びドライアイス洗浄は行わなかった。
[参考例1]
ドライアイス洗浄のみを行った。
[参考例2]
ドライアイス洗浄及びガスパージのみを行った。
【0097】
上記[実施例1]〜[実施例4]、[比較例1]、[参考例1]〜[参考例2]の結果を表1に示す。
【表1】

表1の「ピンプレート洗浄効果」はピンプレート73に付着した異物がどの程度除去されたかを、「ガイドローラ洗浄効果」はガイドローラ76〜79に付着した異物がどの程度除去されたかを示している。ここで、「A」は1年半を超えてメンテナンスフリーであり、しかも異物が完全に除去されたことを、「B」は1年半を超えてメンテナンスフリーな程度に異物が除去されたことを、「C」は1年を超えて1年半以内メンテナンスフリーな程度に異物が除去されたことを、「D」は半年を超えて1年以内メンテナンスフリーな程度に異物が除去されたことを、「E」は半年以内でのメンテナンスが必要になる程度にしか異物を除去できなかったことを示している。本実施例では、半年を超えてメンテナンスフリーな程度に異物が除去されたものを、効果ありと判定した。また、スチーム洗浄のみならず、ジェット風洗浄、ガスパージを更に行うことで、洗浄効果が向上していることが判る。しかも、ガスパージを加えることで、異物が完全に除去されていることが判る。なお、参考例1からも判るように、ドライアイス洗浄のみでも、ジェット風洗浄並みに洗浄効果が得られていることが判る。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】フィルム製造設備を示す概略図である。
【図2】本発明のピンテンタを示す平面図である。
【図3】本発明のピンテンタを示す正面図である。
【図4】レール、レールカバー及びピンキャリアの断面図である。
【図5】スプロケットの歯とピンキャリアの噛込溝とが噛み合った状態を示すレール、レールカバー及びピンキャリアの断面図である。
【図6】ガスパージエリア内のレール、レールカバー及びピンキャリアを示す断面図である。
【図7】スチーム洗浄エリア内のレール、レールカバー及びピンキャリアを示す断面図である。
【図8】ジェット風洗浄エリア内のレール、レールカバー及びピンキャリアを示す断面図である。
【図9】第1冷却エリア内のレール、レールカバー及びピンキャリアを示す断面図である。
【図10】ドライアイス洗浄エリア内のレール、レールカバー及びピンキャリアを示す断面図である。
【符号の説明】
【0099】
10 フィルム製造設備
13 ピンテンタ
25 湿潤フィルム
25a 耳部
44,44a,44b, レール
46〜48 スプロケット
54 レールカバー
58 ピンキャリア
72 ピン
73 ピンプレート
76〜79 ガイドローラ
81 ガスパージエリア
82 スチーム洗浄エリア
83 ジェット風洗浄エリア
84 第1冷却エリア
86 第2冷却エリア
94 窒素ガス供給部
95 吸引装置
122 スチーム供給部
127 窒素ガス供給部
130 ピンカバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムの両側端部を担持部材で担持し、前記担持部材が所定ピッチで複数取り付けられるキャリア本体からなる1対の無端移動部により前記フィルムを走行させ、その走行中の前記フィルムに対して乾燥風を送り乾燥させる乾燥工程と、
前記フィルムの担持が開放されている前記担持部材及び前記キャリア本体に対してスチームを吹き付けて、前記担持部材及び前記キャリア本体を洗浄するスチーム洗浄工程とを有することを特徴とするフィルム乾燥方法。
【請求項2】
前記スチーム洗浄工程の後に、前記フィルムの担持が開放されている前記担持部材及び前記キャリア本体に対してガスを吹き付けて、前記担持部材及び前記キャリア本体を洗浄するガス吹き付け洗浄工程を有することを特徴とする請求項1記載のフィルム乾燥方法。
【請求項3】
前記フィルムを担持している区間の前記キャリア本体をダクトで覆い、前記ダクト内に不活性ガスを送りガスパージするガスパージ工程を有することを特徴とする請求項1または2記載のフィルム乾燥方法。
【請求項4】
前記不活性ガスの供給位置及び回収位置は、前記フィルムの担持開放位置近傍であることを特徴とする請求項3記載のフィルム乾燥方法。
【請求項5】
エンドレスに走行する支持体の上に、ポリマーと溶媒とを含むドープを流延して流延膜を形成し、この流延膜を前記支持体から湿潤フィルムとして剥ぎ取り、この剥ぎ取り後の前記湿潤フィルムを請求項1ないし4いずれか1項記載のフィルム乾燥方法により乾燥してフィルムを製造することを特徴とする溶液製膜方法。
【請求項6】
フィルムの両側端部を担持部材で担持し、前記担持部材が所定ピッチで複数取り付けられるキャリア本体からなり、前記フィルムを走行させる1対の無端移動部と、
前記担持部材で担持されて走行する前記フィルムに対して乾燥風を送り乾燥させる乾燥部と、
前記フィルムの担持が開放されている前記担持部材及び前記キャリア本体に対して、スチームを吹き付けて、前記担持部材及び前記キャリア本体を洗浄するスチーム洗浄部とを備えることを特徴とするフィルム乾燥装置。
【請求項7】
前記スチーム洗浄部に対して前記キャリア本体の移動方向の下流側に設けられ、前記フィルムの担持が開放されている前記担持部材及び前記キャリア本体に対してガスを吹き付けて、前記担持部材及び前記キャリア本体を洗浄するガス吹き付け洗浄部を有することを特徴とする請求項6記載のフィルム乾燥装置。
【請求項8】
前記フィルムを担持している区間の前記キャリア本体をダクトで覆い、前記ダクト内に不活性ガスを送りガスパージするガスパージ工程を有することを特徴とする請求項6または7記載のフィルム乾燥装置。
【請求項9】
前記不活性ガスの供給位置及び回収位置は、前記フィルムの担持開放位置近傍であることを特徴とする請求項8記載のフィルム乾燥方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−265292(P2008−265292A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−44995(P2008−44995)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】