説明

フィルム固定治具およびスクリーン印刷方法

【課題】プラスチックフィルムの乾燥時における収縮を防止することができるフィルム固定治具を提供する。
【解決手段】携帯電話等に使用される加熱収縮性のプラスチックフィルム2にスクリーン印刷を行う際に用いるフィルム固定治具1である。薄板状の固定治具本体3と、該固定治具本体3の周縁部又はその近傍において全周又は略全周に亘って設けられたフィルム固定枠4とを備え、プラスチックフィルム2が固定治具本体3上においてフィルム固定枠4により周縁部を固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
携帯電話等に使用される加熱収縮性のプラスチックフィルムにスクリーン印刷を行う際に用いるフィルム固定治具と、該フィルム固定治具を用いたスクリーン印刷方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等の各種装置の薄型傾向が進み、それに伴って各種装置の内部に設けられる部材も薄型が要求されている。例えば、携帯電話の番号ボタン部分の裏側には8〜600μmの薄いプラスチックフィルムが設けられ、該プラスチックフィルム上に各種電気回路が施され、さらにはボタンに対応する突起部等が形成される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このプラスチックフィルム上に各種電気回路を施す方法として、無機EL印刷等のスクリーン印刷が挙げられる。この方法では、プラスチックフィルム上に所定の電気回路のスクリーン印刷を行い、それを乾燥したあと、さらにその上から次の電気回路のスクリーン印刷を行い、乾燥するということを複数回を繰り返していく方法である。
【0004】
ところが、プラスチックフィルムの乾燥時において、プラスチックフィルムの薄さおよび材質から生じる加熱収縮性のために、プラスチックフィルムが内側に収縮してしまい、次のスクリーン印刷時には位置ずれが生じて、デザイン通りの印刷ができないという問題があった。特に複数回もスクリーン印刷を行って乾燥するとその位置ずれが非常に大きいものとなり、出来上がった製品は使用に耐えうるものではなかった。
【0005】
そこで、従来はプラスチックフィルムとは別に、非加熱収縮性部材に所定の電気回路のスクリーン印刷を複数回行い、それをプラスチックフィルムに貼り合わせるものが使用されていた。
【0006】
【特許文献1】特表2007−529949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のようにプラスチックフィルムとは別に非加熱収縮性部材を貼り合わせると、非加熱収縮性部材の厚みの分だけ製品全体の厚みが増すために、携帯電話等の薄型要求に十分に供することができないという問題があった。
【0008】
また、プラスチックフィルムに非加熱収縮性部材を別々に作成し、互いに貼り合わせるため、貼り合わせ工程でのロスや貼り合わせ工数によるコストアップが生じるという問題があった。
【0009】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、プラスチックフィルムの乾燥時における収縮を防止することができ、ひいては携帯電話等の各種装置の薄型要求に十分に供することが可能なフィルム固定治具と、該フィルム固定治具を用いるスクリーン印刷方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために、携帯電話等に使用される加熱収縮性のプラスチックフィルムにスクリーン印刷を行う際に用いるフィルム固定治具であって、薄板状の固定治具本体と、該固定治具本体の周縁部又はその近傍において全周又は略全周に亘って設けられたフィルム固定枠とを備え、前記プラスチックフィルムが固定治具本体上において前記フィルム固定枠により周縁部を固定されることをを特徴とする。
【0011】
これによれば、前記プラスチックフィルムがフィルム固定治具本体上において前記フィルム固定枠により周縁部が固定されるため、プラスチックフィルムの乾燥時における収縮を防止することができる。
【0012】
また、前記フィルム固定枠は、前記固定治具本体に対して脱着可能に構成されているのが好ましい。
【0013】
これによれば、一つの固定治具本体に対して複数のプラスチックフィルムにスクリーン印刷を順に行うことができるため、多くの固定治具本体を要することがなくなり、本固定治具に要するコストをおさえることが可能となる。特に固定治具本体に座ぐり部を彫り込みにより形成しているような高価なものである場合にはコスト効果は大きいものとなる。しかも、固定治具本体は乾燥されないことから、熱耐久性の素材を用いる必要がなくなり、本固定治具に要するコストをさらにおさえることもできる。
【0014】
また、前記フィルム固定枠は、表面粘着性の樹脂製又は金属製からなり、前記固定治具本体の表面と同一平面となるように前記固定治具本体の周縁部に形成された溝部に嵌め込まれ、前記プラスチックフィルムがフィルム固定治具本体上において該フィルム固定枠により周縁部を粘着される態様で固定されてもよい。
【0015】
これによれば、プラスチックフィルムの周縁部をフィルム固定枠に粘着するだけよいので、本固定治具への固定が容易となる。このため特に大量生産が要求される現場においては全体の製造工程が短縮することができ、製造コストをおさえるとともに製造スピードを向上させることが可能となる。
【0016】
また、前記フィルム固定枠は、固定枠本体と、該固定枠本体の上面に設けられた粘着性のシリコンゴムとからなるのが好ましい。
【0017】
これによればプラスチックフィルムを何度も、しかも簡単に粘着することができる。
【0018】
また、前記フィルム固定枠は、上側に位置する上側固定枠と、下側に位置する下側固定枠と、上側固定枠と下側固定枠を平行に連結する締結部材とからなり、プラスチックフィルムがフィルム固定治具本体上において上側固定枠と下側固定枠との間に周縁部を挟着される態様で固定されてもよい。
【0019】
これによれば、フィルム固定枠はアルミニウム等の金属製枠や合成樹脂製枠を用いることができるため、フィルム固定枠の製造コストをより一層おさえることが可能となる。
【0020】
また、前記固定治具本体は、前記フィルム固定枠の内側において前記プラスチックフィルムに形成された突起部および/またはアイランド部に嵌合する孔部および/または座ぐり部が形成されているのが好ましい。
【0021】
これによればプラスチックフィルムに携帯電話等の情報端末装置のボタン等に対応する突起部やアイランド部や形成されている場合には、それら突起部やアイランド部を固定治具本体の孔部や座ぐり部に嵌め込むことにより、本固定治具上のプラスチックフィルムがフラットな状態となり、スクリーン印刷の仕上がり精度を向上させることができる。しかも、フィルム固定枠による固定と相俟って、プラスチックフィルムを本固定治具により一層確実に固定することができる。
【0022】
また、前記固定治具本体は、前記フィルム固定枠の内側において前記プラスチックフィルムに形成されたアイランド部に嵌合する座ぐり部を形成するために、該座ぐり部に相当する部分以外に所定形状の薄板部材が貼着されていてもよい。
【0023】
これによれば座ぐり部以外の部分に薄板部材を貼着することにより、固定治具本体上において擬似的に座ぐり部を形成することができる。そして、このような薄板部材を利用して座ぐり部を形成した場合は、固定治具本体に座ぐり部を彫り込みにより形成した場合に比べて、本固定治具に要するコストをおさえることができる。
【0024】
また、前記固定治具本体は、最周縁部が外方に向かって次第に肉薄となる傾斜面に形成されているのが好ましい。
【0025】
これによれば、固定治具本体の最周縁部のエッジがなるなるため、スクリーン印刷時においてエッジによりプラスチックフィルムが傷ついたりすることを防止することができる。また、プラスチックフィルムを本固定治具に固定するに際して、誤ってプラスチックフィルムを固定治具本体の外周部に接触させた場合でも、プラスチックフィルムに傷が付いたり、破れたりすることを防止することができる。
【0026】
また、本発明に係るスクリーン印刷方法は、携帯電話等に使用される加熱収縮性のプラスチックフィルムにスクリーン印刷を行う際に用いるフィルム固定治具であって、薄板状の固定治具本体と、該固定治具本体の周縁部又はその近傍において全周又は略全周に亘って設けられたフィルム固定枠とを備え、前記固定治具本体とフィルム固定枠とが脱着可能に構成されたフィルム固定治具を用いたスクリーン印刷方法であって、前記プラスチックフィルムの周縁部を前記フィルム固定枠に固定する第1の工程と、該プラスチックフィルムが固定された前記フィルム固定枠を前記固定治具本体に取り付ける第2の工程と、該固定治具本体上の前記プラスチックフィルムに所定の電気回路等のスクリーン印刷を行う第3の工程と、該プラスチックフィルムが固定された前記フィルム固定枠を前記固定治具本体から取り外す第4の工程と、該プラスチックフィルムを前記フィルム固定枠に固定した状態のまま乾燥する第5の工程と、乾燥した前記プラスチックフィルムが固定されている前記フィルム固定枠を再び前記固定治具本体に取り付ける第6の工程を有し、一つのフィルム固定治具本体に対して複数のプラスチックフィルムが前記第2の工程から第6の工程とを順次繰り返すことをことを特徴とする。
【0027】
これによれば、 一つのフィルム固定治具本体に対して複数のプラスチックフィルムが印刷と乾燥をループ状に順次繰り返される。このため所定回数のループが完了すると、複数層のスクリーン印刷が行われたプラスチックフィルムが複数枚出来上がるため、少ない固定治具本体にて多くの印刷済みのプラスチックフィルム製品を効率的に生産することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、プラスチックフィルムがフィルム固定治具本体上においてフィルム固定枠により周縁部を固定されるため、プラスチックフィルムの乾燥時における収縮を防止することができる。
【0029】
このため、プラスチックフィルムを乾燥したあとに次のスクリーン印刷を行ったときでも位置ずれが生じることがなく、デザイン通りの印刷を行うことができる。
【0030】
また、プラスチックフィルムにスクリーン印刷を直接行っているため、従来の非加熱収縮性部材と貼り合わせてるものに比べて、製品全体を薄くすることができ、ひいては携帯電話等の各種装置の薄型要求に十分に供することが可能となる。
【0031】
さらに、従来のように貼り合わせ工程がない分だけ、製造工程数を削減し得るため、製造コストもおさえることができるとともに、製造スピードを向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
[実施形態1]
次に本発明の一実施形態に係るフィルム固定治具(以下、本固定治具という)について図1〜図4を参照しつつ説明する。
【0033】
本固定治具(1)は、プラスチックフィルム(2)が固定され、該プラスチックフィルム(2)に対して各種電気回路等を無機EL印刷等のスクリーン印刷を行う際に用いるものである。
【0034】
このプラスチックフィルム(2)は、主に携帯電話等に使用される透明性に優れたものである。プラスチックフィルム(2)の厚みは8〜600μmと非常に薄く、材質は例えばPET、PC、PMMA、PE、PSなどのほか、TPUやシリコンゴム等のゴム系又はそれらの複合体などが挙げられる。このプラスチックフィルム(2)の薄さおよび材質のために耐熱性に乏しく、加熱すると内側に収縮する加熱収縮性の性質を有する。
【0035】
また、本実施形態では、プラスチックフィルム(2)の表面に携帯電話等のボタン部に対応する所定形状の突起部(201)やアイランド部(202)が形成されている。この所定形状の突起部(201)やアイランド部(202)の形成方法については、特に限定されるものではないが、例えばプラスチックフィルム(2)に紫外線硬化性樹脂等を凸型形状に成形付与する方法が挙げられる。
【0036】
本固定治具(1)は、固定治具本体(3)とフィルム固定枠(4)とを備え、プラスチックフィルム(2)が固定治具本体(3)上において前記フィルム固定枠(4)により周縁部を固定されるようになっている。
【0037】
前記固定治具本体(3)は、平面視矩形状の薄板状のベークライト材からなり、周縁部近傍には前記フィルム固定枠(4)を嵌め込むための平面視矩形枠状の溝部(300)が形成されている。
【0038】
また、この固定治具本体(3)は、前記溝部(300)の内側において前記プラスチックフィルム(2)の突起部(201)に対応する孔部(301)が形成されるとともに、前記プラスチックフィルム(2)のアイランド部(202)に対応する座ぐり部(302)が形成されている。この孔部(301)および座ぐり部(302)は、一つの携帯電話のボタン部に対応する単体(A)を構成しており、これらの単体(A)が固定治具本体(3)上に所定間隔で並んで配置されている。
【0039】
したがって、図3および図4に示すように、プラスチックフィルム(2)を固定治具本体(3)上に固定した場合、プラスチックフィルム(2)の突起部(201)およびアイランド部(202)が固定治具本体(3)の孔部(301)および座ぐり部(302)に嵌め込まれるため、固定治具本体(3)上のプラスチックフィルム(2)がフラットな状態となり、スクリーン印刷の仕上がり精度を向上させることができる。しかも、フィルム固定枠(4)による固定と相俟って、プラスチックフィルム(2)を本固定治具(1)により一層確実に固定することができる。
【0040】
なお、プラスチックフィルム(2)に突起部(201)やアイランド部(202)が形成されていない場合には、固定治具本体(3)上にも孔部(301)や座ぐり部(302)が形成されなくてもよい。
【0041】
また、この固定治具本体(3)は、最周縁部が外方に向かって次第に肉薄となる傾斜面に形成されている。これによれば、固定治具本体(3)の最周縁部のエッジがなるなるため、スクリーン印刷時においてエッジによりプラスチックフィルム(2)が傷ついたりすることを防止することができる。また、プラスチックフィルム(2)を本固定治具(3)に固定するに際して、誤ってプラスチックフィルム(2)を固定治具本体(3)の外周部に接触させた場合でも、プラスチックフィルム(2)に傷が付いたり、破れたりすることを防止することができる。
【0042】
前記フィルム固定枠(4)は、平面視矩形状のアルミニウム等の金属製の固定枠本体(401)と、該固定枠本体(401)の上面に設けられた表面粘着性のシリコンゴム(402)とからなり、固定治具本体(3)の周縁部において全周に亘って設けられている。
【0043】
このフィルム固定枠(4)は、固定治具本体(3)の周縁部に形成された溝部(300)に嵌め込むことにより取り付けられており、固定治具本体(3)と同一平面上のフラットな状態となされている。
【0044】
これによれば、図3および図4に示すように、前記プラスチックフィルム(2)がフィルム固定治具本体(3)上において前記フィルム固定枠(4)により周縁部を固定されるため、スクリーン印刷後の乾燥段階における収縮を防止することができる。
【0045】
具体的には、上述のようにプラスチックフィルム(2)は薄さおよび材質のために耐熱性に乏しく、加熱すると内側に収縮する加熱収縮性の性質を有する。しかしながら、スクリーン印刷後の乾燥時においてプラスチックフィルム(2)が内側に収縮しようとしても、プラスチックフィルム(2)の周縁部が固定されているために内側に収縮することができないようになっている。
【0046】
また、フィルム固定枠(4)としてシリコンゴム(402)を用いた場合、プラスチックフィルム(2)の周縁部をフィルム固定枠(4)に粘着するだけよいので、本固定治具(1)への固定が容易となる。このため特に大量生産が要求される現場においては全体の製造工程が短縮することができ、製造コストをおさえるとともに製造スピードを向上させることが可能となる。
【0047】
また、フィルム固定枠(4)の全体をシリコンゴム(402)とするのではなく、平面視矩形状のアルミニウム製の固定枠本体(401)を用いた場合、本固定治具(1)に要するコストをおさえることができる。しかも、固定枠本体(401)にアルミニウムなどの金属を用いた場合には、スクリーン印刷後の乾燥時においても変形を防止することができる。
【0048】
なお、本実施形態では、フィルム固定枠(4)を固定治具本体(3)の周縁部の全周に亘って設けるものとしたが、全周隙間なく設けることに限定されるものではない。ただ、仮に固定治具本体(3)の周縁部にフィルム固定枠(4)が設けられていない部分があると、当該部分に位置するプラスチックフィルム(2)が乾燥により収縮してしまい、スクリーン印刷を精度良く行うことができない部分が生じ、全体として製品価値が低下してう場合が多い。したがって、フィルム固定枠(4)を固定治具本体(3)の全周に亘って設けるのが最も好ましい形態である。
【0049】
[実施形態2]
次に本発明の第2実施形態について図5〜図7を用いて説明する。
【0050】
本実施形態に係るフィルム固定治具(以下、本固定治具(1)という)では、図5および図6に示すように、フィルム固定枠(4)が固定治具本体(3)に対して脱着可能なものとなされている。
【0051】
なお、固定治具本体(3)およびフィルム固定枠(4)については、実施形態1に示すものと同一であるので、同一符号を付してその説明を省略する。
【0052】
次に本固定治具(1)によるスクリーン印刷の手順について図7を参照しつつ説明する。
【0053】
まず、プラスチックフィルム(2)の周縁部をフィルム固定枠(4)のシリコンゴム(402)に粘着させて固定する。
【0054】
そして、プラスチックフィルム(2)が固定されたフィルム固定枠(4)を固定治具本体(3)の溝部(300)に嵌め込むことにより取り付ける。この状態では、本固定治具(1)は図1に示す本固定治具(1)と同一の状態となっている。
【0055】
このとき、プラスチックフィルム(2)に形成された突起部(201)およびアイランド部(202)を固定治具本体(3)に形成された孔部(301)および座ぐり部(302)に嵌め込めば、プラスチックフィルム(2)の表面がフラットな状態となる。
【0056】
そして、固定治具本体(3)上のプラスチックフィルム(2)上に所定の電気回路等のスクリーン印刷を行う。このとき本固定治具(1)上のプラスチックフィルム(2)はフラットな状態となっているため、スクリーン印刷を精度良く行うことができる。
【0057】
そして、プラスチックフィルム(2)が固定されたフィルム固定枠(4)をそのまま固定治具本体(3)から取り外して、別に設けられた乾燥装置に入れてプラスチックフィルム(2)を乾燥する。
【0058】
このとき、プラスチックフィルム(2)の周縁部が前記フィルム固定枠(4)により固定されているため、プラスチックフィルム(2)の収縮を防止することができる。
【0059】
一方、プラスチックフィルム(2)を乾燥している間、上述と同様にして新たなプラスチックフィルム(2)が固定されたフィルム固定枠(2)を固定治具本体(3)の溝部(300)に嵌め込むことにより取り付けたあと、プラスチックフィルム(2)へのスクリーン印刷、フィルム固定枠(4)の取り外し、およびプラスチックフィルム(2)の乾燥を行い、これを複数のプラスチックフィルムについて順に行っていく。
【0060】
そして、所定時間が経過して最初のプラスチックフィルム(2)の乾燥が完了したとき、該プラスチックフィルム(2)が固定されたフィルム固定枠(4)を乾燥装置から取り出して、再び元の固定治具本体(3)に嵌め込み、次のスクリーン印刷を行ったあと、乾燥する。
【0061】
そして、各プラスチックフィルム(2)の乾燥が完了するごとに、上述と同様にしてプラスチックフィルム(2)が固定されたフィルム固定枠(4)を乾燥装置から取り出して、再び元の固定治具本体(3)に嵌め込み、スクリーン印刷を行ったあと、乾燥することを順次繰り返していく。
【0062】
このように一つのフィルム固定治具本体(3)に対して複数枚のプラスチックフィルム(2)が印刷と乾燥をループ状に順次繰り返される。このため所定回数のループが完了すると、複数層のスクリーン印刷が行われたプラスチックフィルム(2)が複数枚出来上がるため、多くの固定治具本体(3)が必要なくなり、本固定治具(1)に要するコストをおさえることができる。
【0063】
特に固定治具本体(2)に座ぐり部(302)を彫り込みにより形成しているような高価なものである場合にはコスト効果は大きいものとなる。しかも、固定治具本体(3)は乾燥されないことから、熱耐久性の素材を用いる必要がなくなり、本固定治具(1)に要するコストをさらにおさえることもできる。
【0064】
[実施形態3]
次に本発明の第3実施形態について図8および図9を用いて説明する。
【0065】
本実施形態に係るフィルム固定治具(以下、本固定治具(1)という)では、前記固定治具本体(3)がフィルム固定枠(4)の内側においてプラスチックフィルム(2)に形成されたアイランド部(202)に嵌合する座ぐり部(302)を形成するために、該座ぐり部(302)に相当する部分以外に所定形状の薄板部材(5)が貼着されている。
【0066】
これによれば、座ぐり部(302)以外の部分に薄板部材(5)を貼着することにより、固定治具本体(1)上において擬似的に座ぐり部(302)を形成することができる。そして、このような薄板部材(5)を利用して座ぐり部(302)を形成した場合は、固定治具本体(1)に彫り込みにより座ぐり部を直接形成した場合に比べて、本固定治具(1)に要するコストをおさえることができる。
【0067】
[実施形態4]
次に本発明の第4実施形態について図10および図11を用いて説明する。
【0068】
本実施形態に係るフィルム固定治具(以下、本固定治具(1)という)では、粘着式の上記フィルム固定枠(4)に代わって挟着式のフィルム固定枠(6)が設けられている。
【0069】
このフィルム固定枠(6)は、上側に位置する上側固定枠(601)と、下側に位置する下側固定枠(602)と、上側固定枠(601)と下側固定枠(602)を平行に連結するボルト(701)およびナット(702)からなる締結部材(7)とから構成される。そして、プラスチックフィルム(2)は、図11に示すように、フィルム固定治具本体(3)上において上側固定枠(601)と下側固定枠(602)との間に周縁部を挟着される態様で固定される。
【0070】
これによれば、プラスチックフィルム(2)の周縁部を確実に固定することができるほか、フィルム固定枠(6)はアルミニウム等の金属製枠や合成樹脂製枠を用いることができるため、フィルム固定枠(6)の製造コストをより一層おさえることが可能となる。
【0071】
なお、本実施形態では、フィルム固定枠(6)を固定治具本体(3)の溝部(300)に嵌め込むことによる脱着可能なものとなされているが、フィルム固定枠(6)のうち下側固定枠(602)を固定治具本体(3)に固着し、上側固定枠(601)のみを締結部材(7)を介して脱着可能なものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本装置は、携帯電話等の情報端末に使用されるプラスチックフィルムにおけるスクリーン印刷に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】第1の実施形態に係る本固定治具の斜視図である。
【図2】本固定治具の一部拡大図である。
【図3】本固定治具にプラスチックフィルムを固定した状態を示す斜視図である。
【図4】本固定治具にプラスチックフィルムを固定した状態を示す断面図である。
【図5】第2の実施形態に係る本固定治具の分解斜視図である。
【図6】図5の本固定治具にプラスチックフィルムを固定した状態を示す分解斜視図である。
【図7】プラスチックフィルムの固定、印刷、および乾燥の工程を示す概略図である。
【図8】第3の実施形態に係る本固定治具の一部拡大図である。
【図9】図8の本固定治具にプラスチックフィルムを固定した状態を示す断面図である。
【図10】第4の実施形態に係る本固定時治具の分解斜視図である。
【図11】図10の本固定治具にプラスチックフィルムを固定した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0074】
1・・・本固定治具
2・・・プラスチックフィルム
3・・・固定治具本体
4・・・フィルム固定枠
5・・・薄板部材
201・・・突起部
202・・・アイランド部
300・・・溝部
301・・・孔部
302・・・座ぐり部
401・・・固定枠本体
402・・・シリコンゴム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話等に使用される加熱収縮性のプラスチックフィルムにスクリーン印刷を行う際に用いるフィルム固定治具であって、
薄板状の固定治具本体と、該固定治具本体の周縁部又はその近傍において全周又は略全周に亘って設けられたフィルム固定枠とを備え、前記プラスチックフィルムが固定治具本体上において前記フィルム固定枠により周縁部を固定されることを特徴とするフィルム固定治具。
【請求項2】
前記フィルム固定枠は、前記固定治具本体に対して脱着可能に構成されている請求項1に記載のフィルム固定治具。
【請求項3】
前記フィルム固定枠は、表面粘着性の樹脂製又は金属製からなり、前記固定治具本体の表面と同一平面となるように前記固定治具本体の周縁部に形成された溝部に嵌め込まれ、前記プラスチックフィルムがフィルム固定治具本体上において該フィルム固定枠により周縁部を粘着される態様で固定される請求項1または請求項2に記載のフィルム固定治具。
【請求項4】
前記フィルム固定枠は、固定枠本体と、該固定枠本体の上面に設けられた粘着性のシリコンゴムとからなる請求項3に記載のフィルム固定治具。
【請求項5】
前記フィルム固定枠は、上側に位置する上側固定枠と、下側に位置する下側固定枠と、上側固定枠と下側固定枠を平行に連結する締結部材とからなり、プラスチックフィルムがフィルム固定治具本体上において上側固定枠と下側固定枠との間に周縁部を挟着される態様で固定される請求項1または請求項2に記載のフィルム固定治具。
【請求項6】
前記固定治具本体は、前記フィルム固定枠の内側において前記プラスチックフィルムに形成された突起部および/またはアイランド部に嵌合する孔部および/または座ぐり部が形成されている請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のフィルム固定治具。
【請求項7】
前記固定治具本体は、前記フィルム固定枠の内側において前記プラスチックフィルムに形成されたアイランド部に嵌合する座ぐり部を形成するために、該座ぐり部に相当する部分以外に所定形状の薄板部材が貼着されている請求項6に記載のフィルム固定治具。
【請求項8】
前記固定治具本体は、最周縁部が外方に向かって次第に肉薄となる傾斜面に形成されている請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のフィルム固定治具。
【請求項9】
携帯電話等に使用される加熱収縮性のプラスチックフィルムにスクリーン印刷を行う際に用いるフィルム固定治具であって、薄板状の固定治具本体と、該固定治具本体の周縁部又はその近傍において全周又は略全周に亘って設けられたフィルム固定枠とを備え、前記固定治具本体とフィルム固定枠とが脱着可能に構成されたフィルム固定治具を用いたスクリーン印刷方法であって、
前記プラスチックフィルムの周縁部を前記フィルム固定枠に固定する第1の工程と、
該プラスチックフィルムが固定された前記フィルム固定枠を前記固定治具本体に取り付ける第2の工程と、
該固定治具本体上の前記プラスチックフィルムに所定の電気回路等のスクリーン印刷を行う第3の工程と、
該プラスチックフィルムが固定された前記フィルム固定枠を前記固定治具本体から取り外す第4の工程と、
該プラスチックフィルムを前記フィルム固定枠に固定した状態のまま乾燥する第5の工程と、
乾燥した前記プラスチックフィルムが固定されている前記フィルム固定枠を再び前記固定治具本体に取り付ける第6の工程を有し、
一つのフィルム固定治具本体に対して複数のプラスチックフィルムが前記第2の工程から第6の工程とを順次繰り返すことをことを特徴とするスクリーン印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−126159(P2009−126159A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−306923(P2007−306923)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【出願人】(507391616)CBC株式会社 (1)
【出願人】(307037624)株式会社 函館セコニック (8)
【Fターム(参考)】