説明

フィルム外装型蓄電装置

【課題】 肉厚接合部分を有するフィルム外装型蓄電装置であって、フィルムによる封止部分のシール性を確保したフィルム外装型蓄電装置を提供すること。
【解決手段】 本発明のフィルム外装型蓄電装置1は、フィルム外装体2に電極体ユニット10A,10Bのコア部12A,12Bを収容する一又は二以上の電極体ユニット収容空間3A,3Bが相互に独立して設けられている。電極体ユニット収容空間に収容された少なくとも一つの電極体ユニットのコア部から引き出される少なくとも正極負極いずれかの端子14Bには、他の導体部材15Aが接合されて成る接合部分であって該部分に近接する非接合部分よりも厚みの増した肉厚接合部分16が付設されている。そして、肉厚接合部分を収容するとともに周囲が外装用フィルム同士の接着により封止された肉厚接合部分収容空間5が電極体ユニット収容空間とは独立して少なくとも一つ形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極体ユニットがフィルム外装体に封入されて成るフィルム外装型蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の電池(例えばリチウム二次電池)やキャパシタ等の蓄電装置は、電気を駆動源とする車両、パソコンその他の電気製品に搭載され、電力供給源として使用される。
これらの蓄電装置搭載製品(例えば、電気自動車、ハイブリッドカー等の車両)は高性能化と同時に低価格化、軽量化が望まれており、かかる要求は該製品に搭載される蓄電装置にも同様に課せられている。このような要求に応じ得る蓄電装置の一つとしてフィルム外装型蓄電装置が挙げられる。かかる蓄電装置は、所謂ラミネートフィルムのような外装(封止)用フィルムによって外装体が構成されるとともに、該フィルム外装体の内部、即ち重ね合わせた二つのフィルムの非接着面間に生じた空間(フィルム外装体内部空間)に所望の蓄電素子(例えばリチウム二次電池を構成するセル)が収容され、その周囲がフィルム(接着面)同士の接着(典型的には熱融着)により封止(シール)されたことにより構成されている。
【0003】
このようなフィルム外装型蓄電装置においては、構成上、蓄電素子の主体を成す電極体ユニットのコア部から引き出された正極端子及び負極端子(正極負極リード部)の一部がフィルム外装体を構成する二つのフィルム間(具体的には接着面間)に挟まれた状態でコア部周囲が封止される。例えば特許文献1には、電極体ユニットの正極端子部分(アルミニウム製)と外部リード端子部分(ステンレス、銅又はニッケル製)との接続部分を含む端子の一部分がフィルム封止部分(即ち重ね合わせた二つのフィルムが相互に接着してシールされた部分をいう。以下同じ。)に配置されているフィルム外装型蓄電装置が記載されている。また、特許文献2には、複数の電極体ユニットを一つのフィルム外装体に収容するとともに、それら電極体ユニット間を電気的に接続する接続導体部分がフィルム間の封止部分(接着部分)に配置されているフィルム外装型蓄電装置が記載されている。
その他、この種の技術として特許文献3に開示されている技術が挙げられる。
【0004】
【特許文献1】特開平10−208725号公報
【特許文献2】特開2004−55153号公報
【特許文献3】特開2004−139924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように電極体ユニットのコア部から外方に延伸した正極端子又は負極端子(リード部)の一部が外装用フィルム間に封止される場合、当該封止部分(フィルム接着部分)からフィルム外装体内部空間(即ち蓄電素子(電極体ユニットのコア部)が収容されている内部空間)への空気又は水分の進入を防止するため、当該端子部分(典型的には当該部分を含む端子全体)は十分に薄い形状に形成される必要があった。
しかしながら、この種の蓄電装置の需要拡大に伴う大容量、大出力化や形状の多様化によって電極体ユニットのコア部から引き出された端子(リード部)の一部に局所的な肉厚部位が生じ得る。例えば、二つ以上の電極体ユニットを直列に接続して成る蓄電装置(以下、二以上の電極体ユニットを備える蓄電装置を蓄電モジュールともいう。)では、直列接続される二つの電極体ユニット間において一方のユニットの正極端子に他方のユニットの負極端子を重ね合わせ、溶接等の手段によって両方の端子を接合する。このように端子の重ね合わせにより構成された接合部位は、その近傍(溶接等により接合されていない部位)よりも肉厚になりがちである(以下、かかる相対的に肉厚な部位を「肉厚接合部分」という。)。かかる肉厚接合部分を含む端子部分を2枚の外装用フィルムの接着面(融着面)間に封止する(挟み込む)場合、当該肉厚接合部分を含むフィルム封止部分を中心にフィルム外装体に皺や気泡が形成されやすい。このようなフィルム接着面における皺、気泡の発生はこの種の蓄電装置のシール性を低下させる要因となり得るため好ましくない。
本発明はかかる課題を解決すべく創出されたものであり、その目的は、肉厚接合部分を有するフィルム外装型蓄電装置であって、当該肉厚接合部分の存在に起因するフィルム外装体内部への水分やガスの浸入を未然に防止し、フィルムによる封止部分のシール性を確保したフィルム外装型蓄電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべくここで開示される蓄電装置は、正極及び負極を有するコア部と該コア部から外方に引き出されている正極端子及び負極端子(以下これらを総称して正負極端子という場合がある。)とを有する一又は二以上の電極体ユニットと、外装用フィルムで構成されたフィルム外装体であって前記電極体ユニットを内部に収容するフィルム外装体とを備えたフィルム外装型蓄電装置である。
そして本発明の蓄電装置は、前記フィルム外装体において、前記電極体ユニットのコア部を収容するとともに周囲が外装用フィルム同士の接着により封止された一又は二以上の電極体ユニット収容空間(封入空間)が相互に独立して設けられている。
また、本発明の蓄電装置は、少なくとも一つの電極体ユニット収容空間に収容された少なくとも一つの電極体ユニットのコア部から引き出される少なくとも正極負極いずれかの端子には、他の導体部材が接合されて成る接合部分であって該部分に近接する非接合部分よりも厚みの増した肉厚接合部分が付設されている。そして、前記フィルム外装体には、前記肉厚接合部分を収容するとともに周囲が外装用フィルム同士の接着により封止された肉厚接合部分収容空間(封入空間)が前記電極体ユニット収容空間とは独立して少なくとも一つ形成されている。
なお、本明細書において「蓄電装置」とは、所定の電気エネルギーを取り出し得る一又は二以上の蓄電素子(典型的には電池、或いはキャパシタ)を備える蓄電装置をいい、特定の蓄電機構に限定されない。リチウム一次電池その他の一次電池、リチウム二次電池その他の二次電池のような電池、或いは、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(物理電池)は、ここでいう蓄電装置に包含される典型例である。
また、本明細書において「電極体ユニット」とは、少なくとも一つずつの正極及び負極を含み、電池又はキャパシタ(蓄電素子)の主体をなす構造体をいう。ここで「コア部」とは、正極構成物及び負極構成物が共に存在し、蓄電素子の主体をなす部分をいう。
【0007】
かかる構成のフィルム外装型蓄電装置では、一の電極体ユニットのコア部から引き出される正極負極いずれかの端子と他の導体部材(例えば隣接する別の電極体ユニットの対応する正極負極いずれかの端子)との接合部分に形成されるような肉厚接合部分は電極体ユニット収容空間とは別個独立に設けられた上記肉厚接合部分収容空間に配置され、2枚の外装用フィルムの接着面(典型的には熱融着面)間には封止されない、即ち挟み込まれない。
従って、本発明のフィルム外装型蓄電装置によると、電極体ユニット収容空間及び肉厚接合部分収容空間の周囲にあるフィルム封止部分(フィルム接着面)に皺や気泡が発生するのを防止することができる。これにより、フィルム封止部分から内部への水分浸入、或いは内部からの電解液滲出が防止され、電極体ユニットの劣化や肉厚接合部分の腐食を防ぐことができる。
【0008】
ここで開示される蓄電装置の好適な一態様は、前記電極体ユニットが複数備えられるとともに、前記フィルム外装体には前記電極体ユニット収容空間が相互に独立して複数設けられている。そして、少なくともいずれか二つの電極体ユニット収容空間にそれぞれ収容された二つの電極体ユニット間において、一方の電極体ユニットの正極負極いずれかの端子と他方の電極体ユニットの対応する正極負極いずれかの端子とが電気的に接続されるように接続導体部が形成されている。ここで前記肉厚接合部分は、前記接続導体部において一箇所又は二箇所以上形成されていることを特徴とする。
本明細書において「接続導体部」とは、二つの電極体ユニット間に配置され該二つのユニットを電気的に接続する導体部分をいい、典型的には各ユニットに備えられた正極負極それぞれの端子を含む接合体により構成される。従って、該接合導体部における肉厚接合部分としての一典型例として、一方のユニットの正極端子と他方のユニットの負極端子とを溶接して成る接合体の該溶接部分が挙げられる。
【0009】
かかる構成の蓄電装置では、接続導体部に存在する肉厚接合部分(典型的には上記正負極端子の溶接部分)が独立した肉厚接合部分収容空間内に配置され、2枚の外装用フィルムの接着面(典型的には熱融着面)間には封止されない(挟み込まれない)。
従って、本態様のフィルム外装型蓄電装置(即ち蓄電モジュール)によると、接続導体部に含まれる肉厚接合部分に起因してフィルム封止部分(フィルム接着面)に皺や気泡が発生するのを防止することができる。
【0010】
例えば、一方の電極体ユニットのアルミニウム製正極端子と他方の電極体ユニットの銅製負極端子とを溶接等によって接合した場合のような二つの異なる金属から成る肉厚接合部分を有する場合であっても、本態様の蓄電装置(モジュール)では、当該肉厚接合部分(即ち相互に異なる金属から成る端子同士の接合部分)に水分が浸入するのを防止することができる。このような異種金属の端子接合部分(具体的には接続端子間の隙間)に水分が浸入し蓄積すると、当該部位に微電流の流れる回路が形成される虞がある。かかる回路に電流が流れることによって当該端子接合部分の腐食が促進され得る。本態様の蓄電装置によると、かかる異種金属端子間の接合部分(肉厚接合部分)に水分が浸入して腐食が進行することを未然に防止することができる。
このように本発明は、少なくとも一つの前記肉厚接合部分が相互に異なる金属材の接合により構成されていることを特徴とする蓄電装置を提供する。
【0011】
また、上記接続導体部を有する蓄電装置として特に好ましい一態様は、少なくとも二つの前記電極体ユニット収容空間と、該電極体ユニット収容空間のうち隣接する二つの電極体ユニット収容空間の間にそれぞれ形成された少なくとも一つの前記肉厚接合部分収容空間とが一列に形成されていることを特徴とする。
本構成の蓄電装置(モジュール)では、上記電極体ユニット収容空間と肉厚接合部分収容空間とが一列に配列されるため、省スペース化(例えば該一列に配列される方向と直交する方向の省スペース化)を実現することができる。
【0012】
また、上記接続導体部を有する蓄電装置として特に好ましい他の一態様は、少なくとも二つの前記電極体ユニット収容空間と、少なくとも一つの前記肉厚接合部分収容空間とを有し、該電極体ユニット収容空間は相互に隣接して一列に形成されており、該肉厚接合部分収容空間は、該電極体ユニット収容空間の配列方向に沿って並列に形成されていることを特徴とする。
本構成の蓄電装置(モジュール)では、上記電極体ユニット収容空間と肉厚接合部分収容空間とが並列に配列されるため、蓄電モジュールの外形が規則的となり得、自動車のような限定された電源収納スペースにおいて、複数の同型モジュールを効率的に積載することができる。また、外部との接続(配線)が容易となる。
【0013】
ここで開示される蓄電装置の好適な他の一態様は、少なくとも一つの前記電極体ユニット収容空間に収容された少なくとも一つの電極体ユニットのコア部から引き出される少なくとも正極負極いずれかの端子が、本フィルム外装型蓄電装置から引き出される外部接続用端子(リード端子)の少なくとも一部を構成している。ここで前記肉厚接合部分は、かかる外部接続用端子において一箇所又は二箇所以上形成されていることを特徴とする。
かかる構成の蓄電装置では、外部接続用端子に存在する肉厚接合部分(典型的には、電極体ユニットから引き出される正負極端子と外部接続用に装備される他の導体部材であって該正負極端子の一端と溶接等により接合した導体部材との間の当該接合部分)が独立した肉厚接合部分収容空間内に配置され、2枚の外装用フィルムの接着面(典型的には熱融着面)間には封止されない(挟み込まれない)。
従って、本態様のフィルム外装型蓄電装置によると、外部接続用端子に含まれる肉厚接合部分に起因してフィルム封止部分(フィルム接着面)に皺や気泡が発生するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって、本発明の具体的な実施に必要な事柄(例えば、電極体ユニットを構成する活物質、セパレータその他の材料、電解質の組成、外装用フィルムの種類及び該フィルム相互の接着手段)は、当該分野における技術常識に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示される内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
【0015】
本発明のフィルム外装型蓄電装置は、上記のとおり、電極体ユニット収容空間とは別個独立して肉厚接合部分収容空間が一又は二以上形成されておればよく、他の構成要素や製造プロセスの内容に特に制限はない。
例えば、フィルム外装体を構成する外装(封止)用フィルムとしては、この種の蓄電装置(例えばフィルム外装型のリチウム二次電池その他の電池)の外装体を構成するものを特に制限なく用いることができる。例えば、リチウム二次電池等の外装体として従来使用されている多層構造のラミネートフィルムを好適に用いることができる。
好ましくは高融点樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミド(PA)系樹脂)から構成された外面(保護)層と、金属箔(例えばアルミニウム、スチール)から構成されたバリア層と、熱融着性樹脂(比較的低融点である樹脂、例えばエチレンビニルアセテート、或いはポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂)から構成された接着層との三層構造を有するラミネートフィルムを好適に用いることができる。このような三層構造ラミネートフィルムは、適当な加熱圧着手段(例えばヒートプレス機)を使用することによって、接着層同士を容易に接着(即ち熱融着)することができる。また、この種のラミネートフィルムは、絞り加工その他の一般的な加工(典型的にはプレス加工)によって容易に凹みを形成することができる。従って、かかる一般的なプレス加工等を施すことによって、予めラミネートフィルムの所定部位に所定の凹み形状の電極体ユニット収容空間及び肉厚接合部分収容空間を形成しておくことができる。なお、絞り加工等のプレス加工方法自体は従来技法をそのまま適用すればよく、本発明を特徴付けるものではない。
【0016】
また、ここで開示される蓄電装置に装備される電極体ユニットの内容は所望する蓄電装置に応じて異なり、所定の電力を貯蔵及び放出し得る蓄電素子構成要素(或いは発電素子構成要素ともいえる)たり得るものであれば特に限定されない。典型的な蓄電素子としては、種々の形態の一次電池(例えばリチウム一次電池、マンガン電池)、二次電池(例えばリチウム二次電池、ニッケル水素電池)、或いはキャパシタ(例えば電気二重層キャパシタ)を挙げることができる。蓄電装置に搭載される電極体ユニットの個々の形状やサイズについて特に制限はなく、フィルム外装体の形態や用途に応じて適当な形態及び/又はサイズをとり得る。例えば、リチウム二次電池等で使用されるような、シート形状の正極及び負極をセパレータと共に捲回又は積層して成る電池構造体(セル)は、ここで開示される蓄電装置を構成する電極体ユニットの一典型例である。
ここで開示される蓄電装置は、電極体ユニットの内容に応じて種々の付加的構成要素を備えることができる。例えば、電極体ユニットとして複数の電池構造体(例えばリチウム二次電池)を採用する場合、種々の性状の電解質(電解液、ゲル電解質、固体電解質等)が備えられるが、かかる電解質の内容は電池の種類に応じて異なり得る。例えば、非水系電解液を備えたリチウム二次電池は、本発明によって提供される蓄電装置の好適な一態様である。
【0017】
次に、本発明の蓄電装置が備える正負極端子について説明する。これら端子類は、蓄電装置と外部の電気回路との間、或いは電極体ユニットを複数備える場合にはそれらユニット間を電気的に接続し得るものであり、フィルム外装型蓄電装置に適するものであればその形状や組成に特に限定はない。典型的には金属製であり、例えば箔状或いは薄板状端子が好適である。これら端子は、1種類の成分で全体が構成されていてもよく、2種類以上の成分(或いは合金)で構成されていてもよい。
【0018】
二以上の電極体ユニットを備える場合、これら正負極端子から接続導体部(即ちユニット間を接続する装置内部接続端子)が構成される。例えば、二つの電極体ユニットを直列接続する場合、一方の電極体ユニットのアルミニウム製正極端子と他方の電極体ユニットの銅製負極端子とを溶接(超音波溶接、抵抗溶接等)の手段によって接合した接続導体部が形成され得る。この場合、当該溶接部位がここでいう肉厚接合部分となり得る。なお、接続導体部は、他の導体部材を有し得る。例えば、上記アルミニウム製正極端子と銅製負極端子との間に他の導体部材(中間導体部材)を備えたものでもよい。一例として、アルミニウム製正極端子と銅製負極端子との間に異種金属(例えばニッケル又はステンレス)製導体部材を配置した構造の接続導体部が挙げられる。この場合、アルミニウム製正極端子の一端と中間導体部材の一端との接合部位が一つの肉厚接合部分を構成し、且つ、銅製負極端子の一端と中間導体部材の他の一端との接合部位が他の一つの肉厚接合部分を構成し得る。かかる二つの肉厚接合部分を有する場合、これら二つの肉厚接合部分を共に収容する一つの肉厚接合部分収容空間を設けてもよいし、或いは、これら二つの肉厚接合部分を別々に収容する二つの肉厚接合部分収容空間を設けてもよい。
【0019】
ここで開示される蓄電装置には、外部の電気回路と接続するための外部接続用端子が備えられる。典型的には、かかる外部接続用端子は、蓄電装置に含まれるいずれかの電極体ユニットの少なくとも正極負極いずれかの端子によって構成される。外部接続用端子は、他の導体部材を有し得る。例えば、電極体ユニットのアルミニウム製正極端子又は銅製負極端子の先端に他の導体部材(リード部材)を接合して外部接続用端子を構成してもよい。一例として、正極端子又は負極端子の先端に他のリード部材を配置した構造の外部接続用端子が挙げられる。この場合、正負極端子の一端とリード部材の一端との溶接部位が一つの肉厚接合部分を構成し得る。
【0020】
以下、本発明に関する好適ないくつかの実施例を図面を参照しつつ説明するが、本発明をかかる図面に示すものに限定することを意図したものではない。
【0021】
<第一実施例>
図1及び図2に基づいて第一実施例に係るフィルム外装型蓄電装置1を説明する。図1は、本実施例に係るフィルム外装型蓄電装置1を模式的に示す平面図である。図2は、本実施例に係る蓄電装置1の接続導体部18(肉厚接合部分16)を示す要部拡大断面図である。
なお、本発明の特徴をよく示すため、フィルム外装体内部の構造を実線で示すとともにフィルム外装体自体は二点鎖線で示している。また、フィルム封止部分には網掛けパターンを付している。
【0022】
本実施例に係る蓄電装置1は、フィルム外装型のリチウム二次電池モジュールである。図1に示すように、本実施例に係る蓄電装置1は、大まかにいって、フィルム外装体2と、その内部に収容される計二つの電極体ユニット10A,10Bとから構成されている。フィルム外装体2は、2枚の三層構造ラミネートフィルム(即ち、PET等の高融点樹脂から成る外面層とアルミ等の金属箔から成るバリア層とポリオレフィン等の比較的低融点の熱融着性樹脂から成る接着層とを備える。)を貼り合わせることによって形成されている。
【0023】
電極体ユニット10A,10Bは、正極シート及び負極シートをセパレータシートと共に積層し更に捲回して作製された捲回型電極体ユニット10A,10Bである。これら電極体ユニット10A,10Bは、上記捲回された部分に相当するコア部12A,12Bと、該コア部12A,12Bの捲回方向に対する横方向の両端からそれぞれ外方に引き出されているアルミニウム製の薄板状正極端子14A,14B及び銅製の薄板状負極端子15A,15Bとから構成されている。
なお、かかる電極体ユニット10A,10Bの構成自体は本発明を制限するものではなく、従来使用されている種々の材料を用いて構成されておればよい。例えば、正極シートは長尺状の正極集電体の上にリチウム二次電池用正極活物質層が付与されて形成され得る。正極集電体にはアルミニウム箔等の金属箔が好適に使用される。正極活物質は従来からリチウム二次電池に用いられる物質の一種又は二種以上を特に限定することなく使用することができる。好適例として、LiMn、LiCoO、LiNiO等を挙げることができる。他方、負極シートは長尺状の負極集電体の上にリチウム二次電池用負極活物質層が付与されて形成され得る。負極集電体には銅箔等の金属箔が好適に使用される。負極活物質は従来からリチウム二次電池に用いられる物質の一種又は二種以上を特に限定することなく使用することができる。好適例として、グラファイトカーボン、アモルファスカーボン等の炭素系材料、リチウム含有遷移金属酸化物や遷移金属窒化物等を挙げることができる。正負極シート間に使用される好適なセパレータシートとしては多孔質オレフィン系樹脂で構成されたものが挙げられる。
【0024】
図1及び図2に示すように、一方の電極体ユニット10Bの正極端子14Bと、他方の電極体ユニット10Aの負極端子15Aとは、その先端の一部が相互に重ね合わされて溶接されており、本実施例に係る接続導体部18を形成している。図2に示すように、かかる溶接部分が本実施例に係る肉厚接合部分16である。かかる接続導体部18の形成によって、二つの電極体ユニット10A,10Bは一列に配列されると共に電気的に直列に接続される。
【0025】
フィルム外装体を構成する2枚の外装用フィルムには電極体ユニット収容空間3A,3Bに相当する凹部が予め形成されており、それら凹部(電極体ユニット収容空間3A,3B)に電極体ユニットコア部12A,12Bがそれぞれ配置(収容)される。そして、2枚の外装用フィルムを重ね合わせ、所定の部分を熱融着して封止することによって、図1に示すような電極体ユニット10A,10Bを内部に収容した状態のフィルム外装体2が形成される。
図示するように、本実施例の蓄電装置(リチウム二次電池モジュール)1では、重ね合わせたラミネートフィルムの外縁に沿って環状に形成された外周封止部分4と、接続導体部18の肉厚接合部分16よりもコア部12A,12B寄りの部分を横切るようにして一方の外縁(長辺)側の外周封止部分4から他方の外縁(長辺)側の外周封止部分4に至る二つの直線状の横断封止部分6,7とが形成されている。
なお、本実施例では、フィルムの外縁の一部において各凹部(電極体ユニット収容空間3A,3B)に連通する図示しない電解質注入路を確保しつつ、当該部分以外のフィルム外縁の接着面同士を先ず熱融着させる。そして、当該電解質注入路の開口部分(即ち注入口)から各凹部(電極体ユニット収容空間3A,3B)内に所定のリチウム二次電池用電解質を注入する。電解質の注入後、電解質注入路の部分を熱融着等によって閉塞することによって、外周封止部分4が完成する。かかる電解質注入路の形成及び電解質注入プロセスは、従来のフィルム外装型リチウム二次電池の製造で行われている手法と同様でよく、本発明を特徴付けるものではない。なお、ここで注入される電解質は従来からリチウム二次電池の電解質として使用されるものであれば特に制限なく使用し得、本発明を特徴付けるものではない。典型的には液状(例えば非水電解液)或いはゲル状であるポリマー電解質を用いる。例えば、ジエチルカーボネート(DEC)とエチレンカーボネート(EC)の混合溶媒(例えばDEC:ECが7:3の質量比である混合溶媒)にリチウム塩として1mol/LのLiPFを溶解した非水電解液を好適に使用することができる。
【0026】
図示されるようなパターンでフィルム封止部分4,6,7が形成された結果、フィルム封止部分4,6,7によって包囲されて周囲から遮断された内部空間5が二つの電極体ユニット収容空間3A,3Bの間に形成され、その内部には接続導体部18の肉厚接合部分16が収容される。
即ち、本実施例に係る蓄電装置1は、二つの電極体ユニット収容空間3A,3Bと、該電極体ユニット収容空間3A,3Bの間に形成された一つの肉厚接合部分収容空間5とが一列に形成された蓄電装置1である。なお、直列接続された二つの電極体ユニット10A,10Bの有する正負極端子のうち、接続導体部18の形成に関与していない正極端子14A及び負極端子15Bは、外周封止部分4を越えて外方に引き出されており、それぞれ外部接続用正極端子及び外部接続用負極端子を構成している。
【0027】
以上の構成により、本実施例に係る蓄電装置1では、接続導体部18に存在する肉厚接合部分16がフィルム封止部分4,6,7に配置されない。換言すれば、肉厚接合部分16は、2枚の外装用フィルムの接着面(熱融着面)間に挟み込まれない。従って、接続導体部18に含まれる肉厚接合部分16に起因してフィルム封止部分(フィルム接着面)に皺や気泡が発生するのを防止し、延いては当該皺や気泡を通じた水分の浸入や電解液の滲出を未然に防止することができる。そして、異種金属同士の接合(ここではアルミニウムと銅との接合)から成る肉厚接合部分16の腐食を防止することができる。
【0028】
<第二実施例>
次に、外部接続用端子に肉厚接合部分を設けた一例を説明する。図3は、本実施例に係る蓄電装置21を模式的に示す平面図である。以下、本実施例の特徴を説明するが第一実施例と相違しない部分(例えばラミネートフィルムや電極体ユニットの構造、非水電解液の組成)についての重複する説明は省略する。
本実施例に係る蓄電装置21は、フィルム外装型のリチウム二次電池モジュールである。図3に示すように、本実施例に係る蓄電装置21は、大まかにいって、フィルム外装体22と、その内部に収容される計二つの電極体ユニット30A,30Bとから構成されている。フィルム外装体22は第一実施例と同様の三層構造ラミネートフィルムによって形成されている。
【0029】
電極体ユニット30A,30Bは、多数の正極シート、負極シート及びセパレータシートを何層にも積層して作製された積層型電極体ユニット30A,30Bである。これら電極体ユニット30A,30Bは、上記積層された部分に相当するコア部32A,32Bと、該コア部32A,32Bの一側面(図では上側面)から外方に引き出されているアルミニウム製の薄板状正極端子34A,34B及び銅製の薄板状負極端子35A,35Bとから構成されている。図示されるように、本実施例の蓄電装置では、正極端子34A,34B及び負極端子35A,35Bはコア部の一方の側面から同方向に引き出されている。
【0030】
而して、図3に示すように、二つの電極体ユニット30A,30Bを正負極端子34A,34B,35A,35Bが同じ方向に配置されるようにして配列させるとともに、一方の電極体ユニット30Bの正極端子34Bと、隣接する他方の電極体ユニット30Aの負極端子35Aとを、電気的に接続する。具体的には、ニッケル製の薄板状導体部材を中間導体部材39として使用し、該導体部材39を介して両端子が電気的に接続される。即ち、中間導体部材39の両端部は、それぞれ、正極端子34Bの端部及び負極端子35Aの端部と相互に重ね合わされて溶接されており、本実施例に係る接続導体部を形成している。かかる二箇所の溶接部分は本実施例に係る肉厚接合部分37A,37Bである。
【0031】
一方、上記接続導体部の形成に関与していない一方の電極体ユニット30Aの正極端子34A及び他方の電極体ユニット30Bの負極端子35Bの先端には、それぞれ、同種の金属又は異種金属製の薄板状導体部材(正負極リード部材)31A,31Bが溶接によって接合されている。
具体的には、図示するように、正極リード部材31Aの延伸(長軸)方向がコア部32Aの配列方向に一致し且つコア部32Aの外方(図中では左方向)に延伸するように、正極端子34Aの延伸方向に対してほぼ直角に曲がった方向で該正極リード部材31Aの一端部と正極端子34Aの先端部とが重ね合わされて溶接されている。これにより、外部接続用正極端子31A+34Aが構成されている。そして、かかる溶接部分が本実施例に係る一つの肉厚接合部分36である。
同様に、負極リード部材31Bの延伸(長軸)方向がコア部32Bの配列方向に一致し且つコア部32Bの外方(図中では右方向)に延伸するように、負極端子35Bの延伸方向に対してほぼ直角に曲がった方向で該負極リード部材31Bの一端部と負極端子の先端部とが重ね合わされて溶接されている。これにより、外部接続用負極端子31B+35Bが構成されている。そして、かかる溶接部分が本実施例に係る一つの肉厚接合部分38である。
【0032】
フィルム外装体を構成する2枚の外装用フィルムには電極体ユニット収容空間23A,23Bに相当する凹部が予め形成されており、それら凹部(電極体ユニット収容空間23A,23B)に電極体ユニットコア部32A,32Bがそれぞれ配置(収容)される。そして、2枚の外装用フィルムを重ね合わせ、所定の部分を熱融着して封止することによって、図3に示すような電極体ユニット30A,30Bを内部に収容した状態のフィルム外装体22が形成される。
図示するように、本実施例の蓄電装置(リチウム二次電池モジュール)21では、重ね合わせたラミネートフィルムの外縁に沿って環状に形成された外周封止部分24と、上記肉厚接合部分36,37A,37B,38よりもコア部32A,32B寄りの部分を該コア部32A,32Bに沿って一方の外縁(短辺)側の外周封止部分24から他方の外縁(短辺)側の外周封止部分24に至る直線状の横断封止部分28が形成されている。また、二つのコア部32A,32B間を縦断し、横断封止部分28から一方の外縁(長辺)側の外周封止部分24に至る直線状の縦断封止部分26が形成されている。さらに、二つの電極体ユニット30A,30Bの正負極端子34A,35A,34B,35B間をそれぞれ縦断し、横断封止部分28から一方の外縁(長辺)側の外周封止部分24に至る直線状の二つの端子間封止部分27A,27Bが形成されている。
なお、第一実施例と同様、本実施例においてもフィルムの外縁の一部において各凹部(電極体ユニット収容空間23A,23B)に連通する図示しない電解質注入路を確保しつつ、当該部分以外のフィルム外縁の接着面同士を先ず熱融着させ、当該電解質注入路の開口部分から各凹部内に所定のリチウム二次電池用電解質を注入後、電解質注入路の部分を熱融着等によって閉塞する。
【0033】
図示されるようなパターンでフィルム封止部分24,26,27A,27B,28が形成された結果、隣接する二つの電極体ユニット収容空間23A,23Bの配列方向に沿って並列に形成された三つの内部空間25A,25B,25Cが形成される。而して、その内部には、それぞれ(図中左側から)、外部接続用正極端子の肉厚接合部分36、接続導体部の二つの肉厚接合部分37A,37B、外部接続用負極端子の肉厚接合部分38が収容される。
即ち、本実施例に係る蓄電装置21は、二つの電極体ユニット収容空間23A,23Bは相互に隣接して一列に形成されており、三つの肉厚接合部分収容空間25A,25B,25Cは、該電極体ユニット収容空間23A,23Bの配列方向に沿って並列に形成された蓄電装置21である。なお、外部接続用正極端子及び外部接続用負極端子の一部(即ち正負極リード部材31A,31Bの先端部)は、外周封止部分24を越えて外方に引き出されている。
【0034】
以上の構成により、本実施例に係る蓄電装置21では、接続導体部や外部接続用端子に存在する肉厚接合部分36,37A,37B,38がいずれのフィルム封止部分24,26,27A,27B,28にも配置されない。即ち肉厚接合部分は2枚の外装用フィルムの接着面(熱融着面)間に挟み込まれない。
従って、本実施例に係る蓄電装置21においても、これら肉厚接合部分36,37A,37B,38に起因してフィルム封止部分(フィルム接着面)に皺や気泡が発生するのを防止し、延いては当該皺や気泡を通じた水分の浸入や電解液の滲出を未然に防止することができる。
【0035】
<第三実施例>
上述した第一実施例及び第二実施例は、いずれも複数の電極体ユニット(電解質を含む蓄電素子)を備えた蓄電モジュールについての好適例(リチウム二次電池)であるが、本発明の蓄電装置は、かかるモジュールタイプ(組電池)に限定されない。次に、電極体ユニットを一つ備えた蓄電装置に関する好適な実施例を説明する。
本実施例に係る蓄電装置41は、フィルム外装型のリチウム二次電池である。図4に示すように、本実施例に係る蓄電装置41は、大まかにいって、フィルム外装体42と、その内部に収容される一つの電極体ユニット50とから構成されている。フィルム外装体42は第一、第二実施例と同様の三層構造ラミネートフィルムによって形成されている。
また、電極体ユニット50は、第二実施例で使用したものと同じタイプの積層型電極体ユニット50であり、コア部52の一側面(図では上側面)から外方に引き出されているアルミニウム製の薄板状正極端子54と銅製の薄板状負極端子55とを備える。これら正極端子54及び負極端子55は、本蓄電装置41の外部接続用正極端子及び外部接続用負極端子をそれぞれ構成する。また、図4に示すように、本実施例では、正極端子54の先端部に同種の金属又は異種金属製の薄板状導体部材(正極リード部材)51が溶接によって接合されている。かかる溶接部分が本実施例に係る肉厚接合部分56を構成する。本実施例では負極端子55側に他の導体部材(リード部材)は接合されていないが、このことが発明を限定するものではなく、正極端子54側と同様に他の導体部材(リード部材)を設けてもよい。
【0036】
フィルム外装体を構成する2枚の外装用フィルムには電極体ユニット収容空間43に相当する凹部が予め形成されており、該凹部(電極体ユニット収容空間43)に電極体ユニットコア部52が配置(収容)される。そして、2枚の外装用フィルムを重ね合わせ、所定の部分を熱融着して封止することによって、図4に示すような電極体ユニット50を内部に収容した状態のフィルム外装体42が形成される。
図示するように、本実施例の蓄電装置(リチウム二次電池)41では、重ね合わせたラミネートフィルムの外縁に沿って環状に形成された外周封止部分44と、上記肉厚接合部分56よりもコア部52寄りの部分を該コア部52に沿って一方の外縁側の外周封止部分44から他方の外縁側の外周封止部分44に至る直線状の横断封止部分46が形成されている。
なお、第一実施例と同様、本実施例においてもフィルムの外縁の一部において凹部(電極体ユニット収容空間43)に連通する図示しない電解質注入路を確保しつつ、当該部分以外のフィルム外縁の接着面同士を先ず熱融着させ、当該電解質注入路の開口部分から該凹部内に所定のリチウム二次電池用電解質を注入後、電解質注入路の部分を熱融着等によって閉塞する。
【0037】
図示されるようなパターンでフィルム封止部分44,46が形成された結果、電極体ユニット収容空間43とは独立に肉厚接合部分収容空間45が形成され、その内部には外部接続用正極端子の肉厚接合部分56が収容される。なお、外部接続用正極端子及び外部接続用負極端子の一部は、外周封止部分44を越えて外方に引き出されている。
【0038】
以上の構成により、本実施例に係る蓄電装置41では、外部接続用端子に存在する肉厚接合部分56がフィルム封止部分44,46に配置されない。即ち肉厚接合部分は2枚の外装用フィルムの接着面(熱融着面)間に挟み込まれない。
従って、本実施例に係る蓄電装置41においても、肉厚接合部分56に起因してフィルム封止部分(フィルム接着面)に皺や気泡が発生するのを防止し、延いては当該皺や気泡を通じた水分の浸入や電解液の滲出を未然に防止することができる。
【0039】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば上記実施例では本発明をリチウム二次電池に適用した例を説明したが、本発明に係る蓄電装置はリチウム二次電池に限定されない。例えば、電極体ユニットはリチウム二次電池以外の一次電池又は二次電池(セル)でもよく、或いは電気二重層キャパシタ等の物理電池を構成するものであってもよい。
本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】第一実施例に係る蓄電装置の構成を模式的に示す平面図である。
【図2】図1の蓄電装置の接続導体部及び肉厚接合部分を模式的に示す要部拡大断面図である。
【図3】第二実施例に係る蓄電装置の構成を模式的に示す平面図である。
【図4】第三実施例に係る蓄電装置の構成を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
【0041】
1,21,41 蓄電装置
2,22,42 フィルム外装体
3A,3B,23A,23B,43 電極体ユニット収容空間
5,25A,25B,25C,45 肉厚接合部分収容空間
10A,10B,35,37,87 電極体ユニット
12A,12B,32A,32B,52 コア部
14A,14B,34A,34B,54 正極端子
15A,15B,35A,35B,55 負極端子
18 接続導体部
16,36,37A,37B,38,56 肉厚接合部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極及び負極を有するコア部と該コア部から外方に引き出されている正極端子及び負極端子とを有する一又は二以上の電極体ユニットと、外装用フィルムで構成されたフィルム外装体であって前記電極体ユニットを内部に収容するフィルム外装体とを備えたフィルム外装型蓄電装置であって、
前記フィルム外装体には、前記電極体ユニットのコア部を収容するとともに周囲が外装用フィルム同士の接着により封止された一又は二以上の電極体ユニット収容空間が相互に独立して設けられており、
少なくとも一つの電極体ユニット収容空間に収容された少なくとも一つの電極体ユニットのコア部から引き出される少なくとも正極負極いずれかの端子には、他の導体部材が接合されて成る接合部分であって該部分に近接する非接合部分よりも厚みの増した肉厚接合部分が付設されており、
前記フィルム外装体には、前記肉厚接合部分を収容するとともに周囲が外装用フィルム同士の接着により封止された肉厚接合部分収容空間が前記電極体ユニット収容空間とは独立して少なくとも一つ形成されている、フィルム外装型蓄電装置。
【請求項2】
前記電極体ユニットが複数備えられるとともに、前記フィルム外装体には前記電極体ユニット収容空間が相互に独立して複数設けられており、
少なくともいずれか二つの電極体ユニット収容空間にそれぞれ収容された二つの電極体ユニット間において、一方の電極体ユニットの正極負極いずれかの端子と他方の電極体ユニットの対応する正極負極いずれかの端子とが電気的に接続されるように接続導体部が形成されており、
ここで前記肉厚接合部分は、前記接続導体部において一箇所又は二箇所以上形成されている、請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
少なくとも二つの前記電極体ユニット収容空間と、該電極体ユニット収容空間のうち隣接する二つの電極体ユニット収容空間の間にそれぞれ形成された少なくとも一つの前記肉厚接合部分収容空間とが一列に形成されている、請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
少なくとも二つの前記電極体ユニット収容空間と、少なくとも一つの前記肉厚接合部分収容空間とを有し、
該電極体ユニット収容空間は相互に隣接して一列に形成されており、該肉厚接合部分収容空間は、該電極体ユニット収容空間の配列方向に沿って並列に形成されている、請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項5】
少なくとも一つの前記電極体ユニット収容空間に収容された少なくとも一つの電極体ユニットのコア部から引き出される少なくとも正極負極いずれかの端子は、本フィルム外装型蓄電装置から引き出される外部接続用端子の少なくとも一部を構成しており、
ここで前記肉厚接合部分は、前記外部接続用端子において一箇所又は二箇所以上形成されている、請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項6】
少なくとも一つの前記肉厚接合部分は、相互に異なる金属材の接合により構成されている、請求項1〜5のいずれかに記載の蓄電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−221938(P2006−221938A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−33491(P2005−33491)
【出願日】平成17年2月9日(2005.2.9)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】