説明

フィルム折りユニット

【課題】 フィルムに意図しない局部的な折れ目がついてしまうことを防止するとともに、ラベルの印刷模様がボトルに対してずれてしまうことを抑制することが可能なフィルム折りユニットを提供すること。
【解決手段】 1対の折り目Faが幅方向両端となるように帯状に折りたたまれた筒状のフィルムFに対して、1対折り目Faとは異なる位置に1対の折り目Fbを形成するフィルム折りユニットであって、x方向を幅方向として搬送されるフィルムFを開口する入り側ガイド321と、入り側ガイド321に対して下流側に位置するとともに、y方向に離間する1対の折り目FbをフィルムFに形成する、折りたたみガイド331と、折りたたみガイド331に対して下流側に位置するとともに、x方向に離間する1対の折り目Faにおいて折りたたまれた状態で、フィルムFを排出する出側ガイド341と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状に折りたたまれた筒状のフィルムに折り目を追加するフィルム折りユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、飲料の容器として用いられるボトルには、内容物の表示や保護を目的としてラベルが被せられている。ラベルをボトルに密着させるには、熱収縮が広く用いられている。熱収縮する前のラベルは、1つずつボトルに装着される。この装着作業を行うラベル装着システムにおいては、装着するためのラベルが順次作成される。これらのラベルは、一般的に、帯状に折りたたまれた筒状のフィルムを所定間隔で切断することにより作成される。ボトルに装着する前に折りたたまれたラベルをスムーズに開けることを意図して、このフィルムに折り目を追加するためのフィルム折りユニットが提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
図15は、従来のフィルム折りユニットの一例を示している。同図に示されたフィルム折りユニットXは、搬送方向Tに沿って上流側から、入り側ガイドローラ91、入り側補助ローラ92、フィルム折りガイド93、フィルム折りローラ94、ニップローラ95、および出側ガイドローラ96が配置された構成とされている。フィルムFは、入り側ガイドローラ91を経由した後に、1対の折り目Faがx方向に離間するように折りたたまれた状態で、搬送方向Tに沿ってフィルム折りガイド93に搬送されてくる。
【0004】
フィルム折りガイド93は、入り側ガイド93aおよび出側ガイド93bを有している。入り側ガイド93aは、x方向に延びたごく扁平な部分であり、出側ガイド93bは、搬送方向Tおよびx方向のいずれに対しても直角である方向に延びたごく扁平な部分である。フィルムFは、入り側ガイド93aに開口された後に、出側ガイド93bへと進行する。この進行に伴い、フィルムFは、1対の折り目Faの中間部分が折られた状態へと変化する。そして、出側ガイド93bの直後において、フィルム折りローラ94によって新たな1対の折り目Fbが形成される。そして、フィルムFは、1対の折り目Fbを幅方向両端とした状態で、空気漏れ防止のニップローラ95、および方向転換させる出側ガイドローラ96を経由して以降の下流工程へと排出される。
【0005】
フィルム折りユニットXの後は、フィルムFは、フィルムFを切断することにより複数のラベルを生成するラベル供給装置へと搬送される。たいていの場合、この搬送経路においてフィルムFは、複数対のローラに挟まれる。フィルムFは、たとえばフィルム工場から出荷された後は、常に1対の折り目Faにおいて折りたたまれた状態に置かれている。そのため、1対の折り目Faは比較的強固に形作られており、上記搬送経路においてもその形状が明瞭に残りやすい。このため、上記複数対のローラを経由するときに、1対の折り目Faであったところが局部的に折り曲げられてしまい、図16に示す形態となってしまう場合がある。ときにZ折れと称されるこのような形態となったフィルムFからは、意図しない局部的な折れ目がついたラベルが生成されることとなり、好ましくない。
【0006】
また、1対の折り目Faは、フィルムFに施された印刷の模様に対して比較的正確な位置に形成される。一方、フィルム折りガイド93を通過する際のフィルム折り作業によって形成される1対の折り目Fbは、印刷の模様に対する位置が、1対の折り目Faに比べてずれてしまいやすい。たとえば、フィルムFを切断することによりラベルLが生成される。図17に示すように、このラベルLを断面略四角形のボトルBに装着する際の位置決めは、搬送時に幅方向両端となっていた1対の折り目Fbであった1対の折り目LbとボトルBの互いに対角に位置する1対の角とを合わせることにより行われる。このため、1対の折り目Faがほぼ正規な位置にあり、1対の折り目Fbがずれていると、ボトルBに対しては1対の折り目Faであった1対の折り目Laがずれてしまうこととなる。これは、印刷の模様がボトルBに対してずれてしまうことを意味しており、ボトルBを不良品として扱わざるを得ないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−76635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、フィルムに意図しない局部的な折れ目がついてしまうことを防止するとともに、ラベルの印刷模様がボトルに対してずれてしまうことを抑制することが可能なフィルム折りユニットを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によって提供されるフィルム折りユニットは、1対の第1の折り目が幅方向両端となるように帯状に折りたたまれた筒状のフィルムに対して、上記1対の第1の折り目とは異なる位置に1対の第2の折り目を形成するフィルム折りユニットであって、フィルムの搬送方向に対して直角である第1の方向を幅方向として搬送される上記フィルムを開口する入り側ガイドと、上記入り側ガイドに対して下流側に位置するとともに、上記搬送方向に対して直角であり、かつ上記第1の方向と異なる方向である第2の方向に離間する1対の第2の折り目を上記フィルムに形成する、折りたたみガイドと、上記折りたたみガイドに対して下流側に位置するとともに、上記第1の方向に離間する上記1対の第1の折り目において折りたたまれた状態で、上記フィルムを排出する出側ガイドと、を備えることを特徴としている。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記入り側ガイド、上記折りたたみガイド、および上記出側ガイドを有する一体構造とされたフィルム折りガイドを備える。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記折りたたみガイドには、上記第2の方向両端に位置する1対の切り欠き部が形成されており、上記1対の切り欠き部において上記フィルムを挟む1対のフィルム折りローラをさらに備える。
【0012】
このような構成によれば、以降の搬送経路においてたとえばローラによって上記フィルムが挟まれるときには、上記1対の第2の折り目が幅方向中央に位置する状態で挟まれる。上記1対の第2の折り目は、上記1対の第1の折り目と比較して、それほど折りの程度が強固ではない。したがって、上記フィルムがいわゆるZ折れと称される形態となることを抑制することが可能であり、上記フィルムから生成されるラベルに意図しない局部的な折れ目がついてしまうことを回避することができる。
【0013】
また、上記ボトルへの上記ラベルの装着において、上記1対の第1の折り目を上記ボトルへの位置決めの基準として用いることができる。すなわち、上記フィルム折りユニットにおけるフィルム折りにおいて上記1対の第2の折り目の幅方向位置が意図せずに若干ずれたとしても、その分だけ上記ラベルのうち上記1対の第2の折り目であった部分が上記ボトルに対してずれるだけであり、上記1対の第1の折り目であった部分は、ほとんどずれない。上記1対の第1の折り目は、上記フィルムラベルに施された印刷模様との位置合わせが比較的正確になされている。したがって、たとえ上記1対の第2の折り目の位置が若干ずれたとしても、上記ボトルに対する上記ラベルの印刷模様の位置決めを正確に行うことができる。
【0014】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るフィルム折りユニットの一例を備えるラベル装着システムを示す概略平面図である。
【図2】本発明に係るフィルム折りユニットの一例を示す正面図である。
【図3】本発明に係るフィルム折りユニットの一例を示す側面図である。
【図4】本発明に係るフィルム折りユニットの一例のフィルム折りガイドを示す斜視図である。
【図5】本発明に係るフィルム折りユニットの一例のフィルム折りガイドをフィルムが通過する状態示す斜視図である。
【図6】本発明に係るフィルム折りユニットの一例のフィルム折りガイドを示す正面図である。
【図7】本発明に係るフィルム折りユニットの一例のフィルム折りガイドを示す側面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】図6のIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】図1に示すラベル装着システムのラベル供給装置を示す概略正面図である。
【図11】ラベル供給装置からテイクアップ部へのラベルの受け渡しを示す側面図である。
【図12】図1に示すラベル装着システムのラベル装着ユニットを示す正面図である。
【図13】図12に示すラベル装着ユニットのフィルムオープナを示す要部平面図である。
【図14】ボトルにラベルが装着された状態を示す断面図である。
【図15】従来のフィルム折りユニットの一例を示す正面図である。
【図16】図15に示すフィルム折りユニットによって折り目が形成されたフィルムを示す要部斜視図である。
【図17】図15に示すフィルム折りユニットによって折り目が形成されたフィルムから生成されたラベルをボトルに装着した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係るフィルム折りユニットの一例が用いられたラベル装着システムを示している。本実施形態のラベル装着システムAは、ボトル供給装置1、ラベル装着装置2、フィルム供給装置3、ラベル供給装置4、ラベル受け渡し装置5、およびボトル搬送装置6を備えている。ラベル装着システムAは、たとえば飲料の容器として用いられる複数のボトルに、ラベルを順次装着する構成とされている。
【0018】
ボトル供給装置1は、ベルトコンベア11、スクリューコンベア12、およびスターホイール13を備えており、複数のボトルBをラベル装着装置2へと順次供給する。ベルトコンベア11は、複数のボトルBを図中左方から導入する。ベルトコンベア11からスクリューコンベア12へと受け渡された複数のボトルBは、所定間隔をおいてスターホイール13へと導かれる。スターホイール13に受け渡された複数のボトルBは、円形軌道上をおよそ半周移動した後に、受け渡し位置K1においてラベル装着装置2へと受け渡される。
【0019】
フィルム供給装置3は、フィルム繰り出しユニット39およびフィルム折りユニット30を備えており、ラベル供給装置4へとフィルムFを供給する。フィルム繰り出しユニット39には、フィルムFがたとえばリールに巻かれた状態で保持されている。このリールから繰り出されたフィルムFは、フィルム折りユニット30へと送られる。
【0020】
フィルムFは、1対の折り目Faが幅方向両端となるように帯状に折りたたまれた状態でフィルム折りユニット30へと送られる。フィルム折りユニット30は、このフィルムFに別の1対の折り目Fbを形成するためのものであり、図2および図3に示すように、フィルム折りガイド31と、入り側ガイドローラ391、複数対の入り側補助ローラ392、1対の入り側サポートローラ393、1対のフィルム折りローラ394、1対の出側サポートローラ395、1対のニップローラ396、および出側ガイドローラ397とを備えている。
【0021】
フィルム繰り出しユニット39から水平方向に送られてきたフィルムFは、入り側ガイドローラ391を経由することにより鉛直方向上方へと送られる。このため、フィルム折りユニット30においては、搬送方向Tが鉛直方向上方を向いている。複数対の入り側補助ローラ392は、搬送方向Tに互いに離間して配置されている。本実施形態においては、入り側ガイドローラ391の軸方向がy方向に沿っているのに対し、複数対の入り側補助ローラ392の軸方向はx方向に沿っている。このため、フィルムFは、入り側ガイドローラ391ともっとも下方にある1対の入り側補助ローラ392との間の区間において、90度ねじられながら送られる。
【0022】
もっとも上方にある入り側補助ローラ392から送り出されたフィルムFは、フィルム折りガイド31を経由する。フィルム折りガイド31は、図4〜図9に示すように、入り側ガイドプレート32、中央ガイドプレート33、出側ガイドプレート34、方向転換ブロック35,36、およびサポートローラユニット37,38を備えている。本実施形態のフィルム折りガイド31は、鉛直方向(搬送方向T)においてほぼ対称な形状とされている。
【0023】
入り側ガイドプレート32は、開口を有する略台形状とされており、方向転換ブロック35に支持されている。入り側ガイドプレート32のうち台形状の底辺付近にあたる部分が方向転換ブロック35から鉛直方向下方(搬送方向T上流側)に露出している。この露出した部分は、入り側ガイド321とされている。入り側ガイド321は、x方向に沿う平板状であり、x方向に離間する1対の端部321aを有している。フィルム折りガイド31に送られてきたフィルムFは、1対の折り目Faが1対の端部321aと一致する状態で、順次開口される。
【0024】
方向転換ブロック35は、たとえば樹脂からなり、1対ずつのガイド面351,352を有している。1対のガイド面351は、鉛直方向下側(搬送方向T上流側)を底辺とする略二等辺三角形であり、底辺がx方向に沿っている。1対のガイド面352は、鉛直方向上側(搬送方向T下流側)を底辺とする略二等辺三角形であり、底辺がy方向に沿っている。ガイド面351の底辺から進んできたフィルムFが1対ずつのガイド面351,352に接するように進行することにより、x方向に離間していた1対の折り目Faどうしが徐々に近づくこととなる。すなわち、フィルムFは、y方向に扁平な形状に転換されていく。
【0025】
方向転換ブロック35には、サポートローラユニット37が取り付けられている。サポートローラユニット37は、ケース371および1対のサポートローラ372を備えている。ケース371は、1対のサポートローラ372を支持するとともに、入り側ガイドプレート32に取り付けられている。図9によく表れているように、1対のサポートローラ372は、x方向を軸方向としており、y方向に平行に配置されている。各サポートローラ372にほぼ接する位置には、入り側サポートローラ393が配置されている。サポートローラ372と入り側サポートローラ393とは、フィルムFを方向転換ブロック35に沿って不当に浮き上がったりねじれたりすることなく進行させる。
【0026】
図4〜図9に示すように、方向転換ブロック35の鉛直方向上側(搬送方向T下流側)には、中央ガイドプレート33が取り付けられている。中央ガイドプレート33は、方向転換ブロック35,36の双方によって支持されており、略六角形状とされている。中央ガイドプレート33のうち方向転換ブロック35,36から露出した部分は、折りたたみガイド331とされている。折りたたみガイド331は、y方向に沿う平板状であり、y方向両端部には、1対の切り欠き部331aが形成されている。
【0027】
図6〜図9に示すように、折りたたみガイド331を挟んで1対のフィルム折りローラ394が配置されている。各フィルム折りローラ394は、軸方向がy方向に沿っており、y方向に2分割された形状となっている。そして、1対のフィルム折りローラ394のうち、y方向において同じ側にある分割された部分同士は、折りたたみガイド331の切り欠き部331aにおいて互いにほぼ接する配置とされている。
【0028】
方向転換ブロック35によって形状が転換されたフィルムFは、y方向に扁平となった状態で折りたたみガイド331へと導かれる。そして、1対のフィルム折りローラ394によって、フィルムFのy方向両端に1対の折り目Fbが形成される。
【0029】
1対の折り目Fbが形成されたフィルムFは、方向転換ブロック36へと導かれる。方向転換ブロック36は、たとえば樹脂からなり、1対ずつのガイド面361,362を有している。1対のガイド面361は、鉛直方向上側(搬送方向T下流側)を底辺とする略二等辺三角形であり、底辺がx方向に沿っている。1対のガイド面362は、鉛直方向下側(搬送方向T上流側)を底辺とする略二等辺三角形であり、底辺がy方向に沿っている。ガイド面362の底辺から進んできたフィルムFが1対ずつのガイド面361,362に接するように進行することにより、y方向に離間していた1対の折り目Fbどうしが徐々に近づくこととなり、1対の折り目Faがふたたびx方向に離間していく。すなわち、フィルムFは、x方向に扁平な形状へと戻されていく。
【0030】
方向転換ブロック36には、サポートローラユニット38が取り付けられている。サポートローラユニット38は、ケース381および1対のサポートローラ382を備えている。ケース381は、1対のサポートローラ382を支持するとともに、出側ガイドプレート34に取り付けられている。図9によく表れているように、1対のサポートローラ382は、x方向を軸方向としており、y方向に平行に配置されている。各サポートローラ382にほぼ接する位置には、出側サポートローラ395が配置されている。サポートローラ382と出側サポートローラ395とは、フィルムFを方向転換ブロック36に沿って不当に浮き上がったりねじれたりすることなく進行させる。
【0031】
図4〜図9に示すように、方向転換ブロック36の鉛直方向上側(搬送方向T下流側)には、出側ガイドプレート34が取り付けられている。出側ガイドプレート34は、開口を有する略台形状とされている。出側ガイドプレート34のうち台形状の底辺付近にあたる部分が方向転換ブロック36から鉛直方向上方(搬送方向T下流側)に露出している。この露出した部分は、出側ガイド341とされている。出側ガイド341は、x方向に沿う平板状であり、x方向に離間する1対の端部341aを有している。出側ガイド341に送られてきたフィルムFは、1対の折り目Faが1対の端部341aと一致する状態で、順次排出される。
【0032】
フィルム折りガイド31から排出されたフィルムFは、1対の折り目Faが幅方向両端に位置するように帯状に折りたたまれている。そして、各折り目Fbは、フィルムFの幅方向中央に位置している。
【0033】
フィルム折りガイド31の鉛直方向上方(搬送方向T下流側)には、1対のニップローラ396が配置されている。1対のニップローラ396は、互いに比較的強い圧力で押し当てられている。これは、フィルムF内に滞留している空気が1対の折り目Fbを経由してフィルム折りガイド31付近から鉛直方向上方(搬送方向T下流側)へと漏れてしまうことを防ぐためである。フィルム折りガイド31付近から空気がなくなってしまうと、フィルムFがフィルム折りガイド31に張り付いてしまい、フィルムFの搬送が阻害されてしまう。
【0034】
1対のニップローラ396の鉛直方向上方(搬送方向T下流側)には、出側ガイドローラ397が配置されている。出側ガイドローラ397を経由することにより、フィルムFは、図1に示すようにラベル供給装置4へと送られる。
【0035】
ラベル供給装置4は、フィルム供給装置3から送られてきたフィルムFを切断することにより複数のラベルLを生成し、これらをラベル受け渡し装置5へと供給する。ラベル供給装置4は、たとえば図10に示す構成とされており、駆動ローラ41、切断ユニット42、上流側搬送ユニット43、吸引補助ユニット44、下流側搬送ユニット45、およびラベル検出センサ46を備えている。
【0036】
フィルムFは、駆動ローラ41を経由して切断ユニット42へと送られる。切断ユニット42は、固定刃42aおよび回転刃42bを備えている。回転刃42bは、フィルムFの送り動作と同期して、たとえばサーボモータによって回転駆動制御される。回転刃42bの回転によって、フィルムFが切断される。この切断を連続的に行うことにより、複数のラベルLが順次生成される。
【0037】
上流側搬送ユニット43は、駆動プーリ43aおよび複数のガイドプーリ43bと、これらに掛けまわされたベルト43cと、吸引チャンバ43dとを備えている。図11に示すように、ベルト43cには、複数の貫通孔が形成されている。そして、図10および図11に示すように、ベルト43cの軌道のうち鉛直方向に延びる部分に沿うように吸引チャンバ43dが設けられている。吸引チャンバ43dが発する吸引力は、ベルト43cの上記複数の貫通孔を通してラベルLへと作用する。これにより、複数のラベルLは、ベルト43cに張り付きながら順次送られる。
【0038】
吸引補助ユニット44は、駆動プーリ44aおよび複数のガイドプーリ44bと、これらに掛けまわされたベルト44cとを備えている。吸引補助ユニット44は、ラベルLの搬送経路を挟んで上流側搬送ユニット43と正対するように配置されており、ベルト43cに吸着されたラベルLをベルト43cに押し付けることにより、よりスムーズなラベルLの搬送に寄与している。
【0039】
下流側搬送ユニット45は、駆動プーリ45aおよび複数のガイドプーリ45bと、これらの掛けまわされたベルト45cと、吸引チャンバ45dとを備えている。図11に示すように、ベルト45cには、複数の貫通孔が形成されている。これらの貫通孔を通して、吸引チャンバ45dの吸引力がラベルLに作用する。これにより、上流側搬送ユニット43から送られてきたラベルLは、ベルト45cに保持される。
【0040】
ラベル検出センサ46は、下流側搬送ユニット45に保持されたラベルLのたとえば上端位置を検出する。ラベル検出センサ46によって上端が検出されたラベルLは、図1における受け渡し位置K5に位置することを意味する。
【0041】
図1に示すように、ラベル供給装置4から供給されたラベルLは、ラベル受け渡し装置5を介してラベル装着装置2に受け渡される。ラベル受け渡し装置5は、回転軸52と、これを中心として配置された複数のテイクアップ部51とを備えている。各テイクアップ部51は、1枚のラベルLを保持可能である。図11に示すように、各テイクアップ部51は、1対の吸引杆51aを有している。1対の吸引杆51aは、互いに平行に配置された棒状部材であり、それぞれに吸引用の複数の孔が設けられている。1対の吸引杆51a同士の間隔は、下流側搬送ユニット45のベルト45cや吸引チャンバ45dの幅よりも若干大とされている。これにより、図10に示すように、下流側搬送ユニット45の所定位置(図1における受け渡し位置K5に相当)に保持されたラベルLをテイクアップ部51が受け取っていく。
【0042】
図1に示すように、ラベル受け渡し装置5によって受け渡し位置K2に運ばれたラベルLは、ラベル装着装置2に受け渡される。ラベル装着装置2は、同心円状に回転移動可能に配置された複数のラベル装着ユニット20を有している。
【0043】
図12に示すように、ラベル装着ユニット20は、たとえばフィルムオープナ21およびマンドレル22を有している。フィルムオープナ21は、テイクアップ部51から受け取ったラベルLを筒状に開くためのものである。図13は、フィルムオープナ21の一例を示している。フィルムオープナ21は、1対のアーム21aとこれらのアーム21aを開閉させる開閉手段21bとを備えている。1対のアーム21a先端には、吸引孔が形成されている。
【0044】
図12(a)および図13(a)に示すように、テイクアップ部51から受け渡されたラベルLは、1対のアーム21aによって挟まれる。このとき、1対のアーム21aは、ラベルLのうち1対の折り目Lb付近を吸着している。フィルムオープナ21の上方には、複数の開閉杆23を有するマンドレル22が配置されている。このときには、複数の開閉杆23は先端同士が近接した、閉状態とされている。次いで、図12(b)および図13(b)に示すように、開閉手段21bによって1対のアーム21aが開かれると、ラベルLが筒状に開く。続いて、マンドレル22が下降することにより、複数の開閉杆23がラベルLに挿入される。そして、複数の開閉杆23を開状態とすることにより、ラベルLがその内側から複数の開閉杆23によって保持される。そして、図12(c)に示すように、マンドレル22がさらに下降することにより、下方に配置されたボトルBにラベルLが装着される。この装着作業は、図1に示す装着位置K3において行われる。
【0045】
図14は、ラベルLが装着されたボトルBを示している。本実施形態においては、ボトルBは、断面略正方形状である。ラベルLは、1対の折り目Laおよび1対の折り目Lbを有している。1対の折り目Laは、1対の折り目Faであった部分であり、1対の折り目Lbは、1対の折り目Fbであった部分である。ボトルBの四隅には、1対の折り目Laおよび1対の折り目Lbが位置している。特に、ボトルBへのラベルLの装着においては、フィルムオープナ21によって開かれる直前までラベルLの幅方向両端に位置していた1対の折り目LaとボトルBの角との位置あわせが比較的正確になされる。
【0046】
ラベル装着装置2によってラベルLが装着されたボトルBは、図1に示す受け渡し位置K4においてボトル搬送装置6へと受け渡される。ボトル搬送装置6は、たとえばスターホイール61およびベルトコンベア62を備えている。スターホイール61は、ラベル装着装置2から受け取った複数のボトルBを、所定間隔で円形軌道上を搬送する。ベルトコンベア62は、複数のボトルBをたとえばラベルLを熱収縮させるヒータを備えたラベル収縮装置(図示略)へと搬送する。以上により、ボトルBへのラベルLの装着が完了する。
【0047】
次に、フィルム折りユニット30を備えるラベル装着システムの作用について説明する。
【0048】
本実施形態によれば、フィルム折りユニット30によって1対の折り目Fbが形成された後に、1対の折り目Faが幅方向両端となるようにふたたび折りたたまれる。このため、以降の搬送経路において図示しないローラに挟まれるときには、1対の折り目Fbが幅方向中央に位置する状態で挟まれる。1対の折り目Fbは、1対の折り目Faと比較して、それほど折りの程度が強固ではない。したがって、フィルムFが図16に示すようないわゆるZ折れと称される形態となることを抑制することが可能であり、ラベルLに意図しない局部的な折れ目がついてしまうことを回避することができる。
【0049】
また、図14に示すように、ボトルBへのラベルLの装着において、1対の折り目LaをボトルBへの位置決めの基準として用いることができる。すなわち、フィルム折りユニット30におけるフィルム折りにおいて1対の折り目Fbの幅方向位置が意図せずに若干ずれたとしても、その分だけ1対の折り目LbがボトルBに対してずれるだけであり、1対の折り目Laは、ほとんどずれない。1対の折り目Laは、ラベルLに施された印刷模様との位置合わせが比較的正確になされている。したがって、たとえ1対の折り目Fbの位置が若干ずれたとしても、ボトルBに対するラベルLの印刷模様の位置決めを正確に行うことができる。
【0050】
フィルム折りガイド31は、x方向に沿って延びる入り側ガイド321および出側ガイド341と、これらの間に位置するy方向に沿って延びる折りたたみガイド331とが、搬送方向Tに沿って直列に配置された構成となっている。これにより、1対の折り目Faで折りたたまれたフィルムFに1対の折り目Fbを形成した後に、1対の折り目Faで折りたたまれた状態にふたたび戻す作業をスムーズに行うことができる。
【0051】
折りたたみガイド331の両端に1対の切り欠き部331aを設け、かつ、それぞれがy方向に分割された部分を有する1対のフィルム折りローラ394を用いることにより、1対の折り目Fbを形成しつつ、フィルム折りガイド31を入り側から出側まで一体となった構造とすることができる。これにより、入り側ガイド321、折りたたみガイド331、および出側ガイド341どうしの位置合わせ作業を不要とすることが可能であり、作業効率を高めることができる。
【0052】
本発明に係るフィルム折りユニットは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るフィルム折りユニットの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0053】
入り側ガイド321、折りたたみガイド331、および出側ガイド341は、一体構造とされたフィルム折りガイド31の一部によって構成されることが好ましいが、本発明はこれに限定されず、入り側ガイド321、折りたたみガイド331、および出側ガイド341が別体部品によってそれぞれ構成されてもよい。
【符号の説明】
【0054】
A ラベル装着システム
B ボトル
F フィルム
Fa (第1の)折り目
Fb (第2の)折り目
L ラベル
La,Lb 折り目
T 搬送方向
x (第1の)方向
y (第2の)方向
1 ボトル供給装置
11 ベルトコンベア
12 スクリューコンベア
13 スターホイール
2 ラベル装着装置
20 ラベル装着ユニット
21 フィルムオープナ
22 マンドレル
23 開閉杆
3 フィルム供給装置
30 フィルム折りユニット
31 フィルム折りガイド
32 入り側ガイドプレート
321 入り側ガイド
321a 端部
33 中央ガイドプレート
331 折りたたみガイド
331a 切り欠き部
34 出側ガイドプレート
341 出側ガイド
341a 端部
35 方向転換ブロック
351 ガイド面
352 ガイド面
36 方向転換ブロック
361 ガイド面
362 ガイド面
37 サポートローラユニット
371 ケース
372 サポートローラ
38 サポートローラユニット
381 ケース
382 サポートローラ
39 フィルム繰り出しユニット
391 入り側ガイドローラ
392 入り側補助ローラ
393 入り側サポートローラ
394 フィルム折りローラ
395 出側サポートローラ
396 ニップローラ
397 出側ガイドローラ
4 ラベル供給装置
41 駆動ローラ
42 切断ユニット
43 上流側搬送ユニット
44 吸引補助ユニット
45 下流側搬送ユニット
46 ラベル検出センサ
5 ラベル受け渡し装置
51 テイクアップ部
6 ボトル搬送装置
61 スターホイール
62 ベルトコンベア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1対の第1の折り目が幅方向両端となるように帯状に折りたたまれた筒状のフィルムに対して、上記1対の第1の折り目とは異なる位置に1対の第2の折り目を形成するフィルム折りユニットであって、
フィルムの搬送方向に対して直角である第1の方向を幅方向として搬送される上記フィルムを開口する入り側ガイドと、
上記入り側ガイドに対して下流側に位置するとともに、上記搬送方向に対して直角であり、かつ上記第1の方向と異なる方向である第2の方向に離間する1対の第2の折り目を上記フィルムに形成する、折りたたみガイドと、
上記折りたたみガイドに対して下流側に位置するとともに、上記第1の方向に離間する上記1対の第1の折り目において折りたたまれた状態で、上記フィルムを排出する出側ガイドと、
を備えることを特徴とする、フィルム折りユニット。
【請求項2】
上記入り側ガイド、上記折りたたみガイド、および上記出側ガイドを有する一体構造とされたフィルム折りガイドを備える、請求項1に記載のフィルム折りユニット。
【請求項3】
上記折りたたみガイドには、上記第2の方向両端に位置する1対の切り欠き部が形成されており、
上記1対の切り欠き部において上記フィルムを挟む1対のフィルム折りローラをさらに備える、請求項2に記載のフィルム折りユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2011−195327(P2011−195327A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67188(P2010−67188)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】