説明

フィルム装着装置

【課題】フィルムシャフトにフィルムロールを取り付けて使用するシステムにおいて、重量のあるフィルムロールを手で持ち上げてフィルムシャフトの先端部から水平方向に移動しながら差し込まなければならない。フィルムロールを一人で持ち上げて紙管をシャフトに差し込むには困難が伴う。容易に重たいフィルムの取替えが安全にできる装置を提供する。
【解決手段】上下自在に稼動するリフターHの天板に、複数のローラーからなるフィルム移送構造R1、R2をフィルムロールFの側面に接触するように配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光沢加工機等で使用されるフィルムロールの装着装置に関する。
詳しくは、紙管に巻き取られたフィルムロールを、光沢加工機のフィルム装着部(フィルムシャフト等のフィルムホルダー部)に取り付けるための装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光沢機械等は紙管に巻き取られたロール状のフィルムを連続的に繰り出し、別ルートから順次繰り出される印刷用紙と整合して被覆ラミネートするもので、フィルムがなくなると当然新しい物に取り替える必要が起こる。その際に、フィルムホルダー部がエアーチャック等により紙管の両側から銜え込むタイプであれば、ハンドリフター等を使用して容易に取り付け、取り外しを行うことができるのであるが、フィルムシャフトに紙管を差し込むタイプの場合、重量のあるフィルムロールを手で持ち上げてフィルムシャフトの先端部から水平方向に移動しながら差し込まなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記フィルムシャフトに差し込むタイプの場合、例えば30kg以上のフィルムロールを一人で持ち上げて紙管をシャフトに差し込むには男性でも困難が伴う。従って、ホイスト等を使用してチェーンで持ち上げて取り付ける等の手段が考えられるが、それでは大掛かり過ぎて取り回しが不便になる。
本発明は、前記問題に鑑み、女性でも簡単にフィルムロールを取り付けることが可能なフィルム装着装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するために、本発明のフィルム装着装置は、上下自在に稼動するリフターの天板に複数のローラーからなる少なくとも2列のフィルム移送構造をフィルムロールの側面に接触するように配置したことを特徴としている。
【0005】
複数の移送構造を取り付けるリフターの構造に制限はなく、重量物を安全に上下させることができればよい。そしてその天板に取り付けられるフィルム移送構造は、例えば複数のローラーを同一角度を持たせて水平に対して斜めに配置したもの等が好適に使用でき、そのような場合には前記リフターの天板上に対称位置に2列配置すればよい。対称に配置されることにより、フィルムロールを安定して保持することができる。またフィルム移送構造を構成する部材の材質に関して特別な制限はなく、金属、プラスチック樹脂、セラミック等を好適に使用することができる。
【0006】
前記2列のフィルム移送構造に設置されたフィルムロールはフィルム移送構造の上で極めてスムーズに前後移動する。従ってフィルム移送構造から飛び出すことがないように、フィルム移送構造の前後にフィルムの飛び出しを防止するためのストッパーを設けることが好ましい。この際、フィルムを出し入れする側はストッパーを可動式にして、フィルムの出し入れの都度に邪魔にならないように移動可能にしても構わない。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、従来の取替えが不便な、フィルムシャフトタイプのフィルムホルダーに、女性でも安全で極めて容易にフィルムロールを取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】(A)及び(B)は本発明のフィルム装着装置の平面図及び正面図をそれぞれ表す。
【図2】本発明のフィルム装着装置を使用してフィルムシャフトにフィルムロールを取り付ける様子を示す概略図である。
【図3】フィルムロールをフィルムシャフトへ取り付ける様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に示すように、本発明のフィルム装着装置は、複数のローラー1が水平から角度を持って斜めの状態で梯子状に組みつけられたローラーユニットR1と、前記ローラーユニットR1と対象の角度からなるローラーユニットR2が、ハンドリフターHの天板上に平行に配置されている。
【0010】
前記ローラーユニットR1、R2の後方と前方には、フィルムロールFがローラー1上に設置されると、そのままではローラー1のコロの作用で不安定に動きかねないので、滑り落ちることがないようにそれぞれストッパー2が設けてある。
なお、前方からフィルムロールFを載せるため、前方のストッパー2は開閉自在に取り付けてある。
【0011】
上記のように構成されたフィルム装着装置を使用するには、前方のストッパー2を解放してからフィルムロールFをローラーユニットR1、R2上に載せる〔図1(A)及び図2参照〕。この際前記各ユニットはハンドリフター等の天板に設置されているため、低い位置に下ろしておけば楽に積載することができるのである。
【0012】
フィルムローラーFを載せた後は、図2に示すように、フィルムロールを取り替える対象のシステムに設けられているフィルムシャフトSとフィルムロールFの紙管との高さが合致するようにハンドリフターHにより装置全体を持ち上げる。その後前方のストッパー2を開放してフィルムロールFを押し出せば、力を全く必要とせずに複数のローラー1上を平行移動して、フィルムロールFの紙管とフィルムシャフトSが合致して装着が完了する(図3参照)。
【0013】
なお、本発明は上記実施例に限られるものではない。
例えばフィルム移送構造をさらに増設しても構わない。例えば実施例中では2個であるが、フィルムロールの底面や側面に接触するようにして、さらに安定してフィルムロールを送り出せるようにしても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明は光沢加工機を使用する光沢業界のみならず、印刷関連や、その他のフィルム関連業界で使用されている各種同種のシステムに幅広く利用することができる。
【符号の説明】
【0015】
H ハンドリフト
R1、R2 ローラーユニット
F フィルムロール
S フィルムシャフト
1 ローラー
2 ストッパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下自在に稼動するリフターの天板に複数のローラーからなる少なくとも2列のフィルム移送構造をフィルムロールの側面に接触するように配置したことを特徴としたフィルム装着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−241594(P2010−241594A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−112311(P2009−112311)
【出願日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(000105280)ケイディケイ株式会社 (99)
【Fターム(参考)】