フィーチャをビューイングするための自動スライス・ミリング
【課題】荷電粒子ビーム・システムを用いてスライス・アンド・ビュー技法を実行するための方法および装置を提供すること。
【解決手段】試料の画像内の着目フィーチャの位置がマシン・ビジョンによって突き止められ、後続のスライス・アンド・ビューの繰返しにおいてミリングし、画像化する領域が、少なくとも部分的に、マシン・ビジョンによって集められたデータの分析によって決定される。決定されたミリング領域を、フィーチャの周囲の境界ボックスとして表現することができ、境界ボックスの寸法は、分析ステップに基づいて変更することができる。デュアル・ビーム・システムでは、次いで、これに応じてFIBを調整して、後続のスライス・アンド・ビューの繰返しにおいて新しいフェースをスライシングし、ミリングし、SEMが、この新しいフェースを画像化する。
【解決手段】試料の画像内の着目フィーチャの位置がマシン・ビジョンによって突き止められ、後続のスライス・アンド・ビューの繰返しにおいてミリングし、画像化する領域が、少なくとも部分的に、マシン・ビジョンによって集められたデータの分析によって決定される。決定されたミリング領域を、フィーチャの周囲の境界ボックスとして表現することができ、境界ボックスの寸法は、分析ステップに基づいて変更することができる。デュアル・ビーム・システムでは、次いで、これに応じてFIBを調整して、後続のスライス・アンド・ビューの繰返しにおいて新しいフェースをスライシングし、ミリングし、SEMが、この新しいフェースを画像化する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、ナノテクノロジ向けの荷電粒子ビーム画像化に関し、より具体的には、スライス・ミリング(slice milling)し、ビューイング(viewing)するために、試料中のフィーチャ(feature)の位置を自動的に突き止める方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子顕微鏡法は、材料の3D構造を高分解能で研究する機会を提供する。例えば生物科学の分野において、電子顕微鏡法は、病気の分子機構、柔軟なタンパク質構造の立体配座、ならびに生物学的自然状況における個々のウイルスおよびタンパク質の振舞いを観察することを可能にする。例えば生体材料を分析するために電子顕微鏡法とともに使用される1つの技法は、Slice−and−View(商標)(以後「スライス・アンド・ビュー」)と呼ばれている。この技法は一般に、本発明の譲受人であるFEI Company社から市販されているDualBeam(登録商標)(以後「デュアル・ビーム」)機器などのデュアル・ビーム・システム、すなわち集束イオン・ビーム(FIB)と走査型電子顕微鏡(SEM)とを組み合わせたシステムを用いて実行される。
【0003】
このスライス・アンド・ビュー技法では、FIBが、試料を高い精度で切削およびスライシングして、試料の3D内部構造またはフィーチャを露出させる。一般に、FIBは、ビューイングするフィーチャが隠れた試料材料の最上位面に対して垂直な断面、すなわちフェース(face)を露出させる。SEMビームの軸は一般にFIBビームの軸に対して鋭角に配置されるため、SEMビームがフェースに到達してフェースを画像化することができるように、フェースの前に位置する試料の部分は除去されることが好ましい。SEMによってフェースの画像を得た後、フェースの別の基体(substrate)層を、FIBを使用して除去して、より深い新たなフェース、したがってフィーチャのより深い断面を露出させることができる。SEMには、フェースの表面に露出したフィーチャの部分だけが見えるため、切削および画像化、すなわちスライシングおよびビューイングを順次繰り返すことによって、スライシングされた試料をフィーチャの3D表現に再構成するのに必要なデータが得られる。この3D構造は次いで、フィーチャを分析する目的に使用される。
【0004】
試料の大きな部分を処理する場合には、スライス・アンド・ビュー手順による試料の処理に、長い時間がかかることがある。フィーチャの位置は一般に、試料のフィーチャを含む隣接領域にFIBビームおよびSEMビームを誘導できるほど十分に正確には分からないため、着目フィーチャが試料に比べて比較的に小さい場合であっても、このことは同じである。したがって、フィーチャの位置を突き止めるために、フィーチャを有すると推測される試料の大きな部分が処理される。SEMの一般的な最大視野は約150ミクロンであるため、このサイズの領域をスライス・ミリングし、画像化するのに、かなりの時間がかかることがあり、SEMを高分解能設定で使用するときには特にそうである。あるいは、その領域のより小さな多くの部分を画像化することもできるが、そうすると、莫大な量の画像データが生成され、一般に、得られた画像を1つに継ぎ合わせて、より大きな複合画像を形成することが必要になる。このような工程は現在、数時間から数日かかる。
【0005】
先行技術の方法では、試料中のフィーチャの形状または方向が正確には予測されないため、スライス・アンド・ビュー手順を繰り返すたびに、比較的に大きな部分を処理する必要がある。この問題は特に、血管または神経の場合など、長い、曲がりくねった形状を有する試料中のある種のフィーチャでより悪化する。
【0006】
時間を節約するため、着目フィーチャをビューイングするのに必要な比較的に少量の基体材料をスライス・ミリングすることがより効率的であると考えられる。さらに、フィーチャを含む基体の比較的により小さな部分を画像化することがより効率的であると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,851,413号
【特許文献2】米国特許第5,435,850号
【特許文献3】米国特許第6,039,000号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本明細書には、スライス・アンド・ビュー技法でフィーチャを処理する方法および装置の実施形態であって、先行技術の方法よりも短い時間で実行することができ、したがって先行技術の方法よりも効率的な方法および装置の実施形態が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、試料の断面壁のフェース内へ進行する複数の逐次切削面をスライス・ミリングする方法および装置を含み、これらの切削面は、フィーチャを露出させ、画像化するのに必要な最低限の量の試料材料を除去することによって形成される。いくつかの実施形態は、スライス・アンド・ビュー工程のそれぞれの繰返しの後に、すなわち試料中に延びているフィーチャの位置が変化していることをそれぞれのスライスが明らかにしたときに、ビームのあるパラメータを変更するかどうかを自動的に判定することを含む。このために、マシン・ビジョンを使用して、フィーチャの質量中心および縁を追跡、検出し、それによって、ビームが試料を処理するときにビームのパラメータを変更するかどうかを判定し、それらのパラメータをどの程度変更するのかを決定する際に役立つ境界ボックスをフィーチャの周囲に画定する。いくつかの実施形態は、スライシングされた1つのフェースからスライシングされた次のフェースまでの間にフィーチャが分かれる、すなわち枝分れするかどうかを自動的に判定し、どの枝を追跡するのかを自動的に決定することを提供する。さらに、いくつかの実施形態は、SEMビームが、スライス・ミリングされたフェースまでの直接の見通し線を有することを妨げる試料材料を自動的に除去する。
【0010】
以上では、以下の本発明の詳細な説明をより理解できるように、本発明の特徴および技術上の利点をかなり広く概説した。以下では、本発明の追加の特徴および利点を説明する。開示される着想および特定の実施形態を、本発明の同じ目的を達成する他の構造を変更しまたは設計するベースとして容易に利用することができることを当業者は理解すべきである。さらに、このような等価の構造は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨および範囲を逸脱しないことを当業者は理解すべきである。
【0011】
次に、本発明および本発明の利点のより徹底的な理解のため、添付図面に関して書かれた以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】試料中に延びる非直線経路を有する着目フィーチャを含む試料の透視図である。
【図1B】図1Aの線「1B」から見た試料を示す図である。
【図2】試料中に延びる非直線経路を有する着目フィーチャを含む試料の透視図であり、後に論じる参照位置が記入された図である。
【図3A】図2の試料のさまざまな断面を示す図である。
【図3B】図2の試料のさまざまな断面を示す図である。
【図3C】図2の試料のさまざまな断面を示す図である。
【図3D】図2の試料のさまざまな断面を示す図である。
【図3E】図2の試料のさまざまな断面を示す図である。
【図3F】図2の試料のさまざまな断面を示す図である。
【図3G】図2の試料のさまざまな断面を示す図である。
【図4A】試料中に延びる非直線経路を有する着目フィーチャの縦断面に対して垂直にスライシングしたスライスの一例を示す図である。
【図4B】試料中に延びる非直線経路を有する着目フィーチャの経路に沿って互いに対して平行にスライシングしたスライスの一例を示す図である。
【図5A】SEMによるフィーチャの画像化を妨げる試料の障害物領域とFIBビームおよびSEMビームとの関係を示す図である。
【図5B】SEMによるフィーチャの画像化を可能にするために除去された試料の障害物部分を示す図である。
【図6】本発明の好ましい実施形態の諸ステップを示す流れ図であり、図7へ誘導する平行四辺形「A」を含む図である。
【図7】図6の平行四辺形「A」に従うことによる図6の追加のステップを示す流れ図である。
【図8】本発明を実施するために使用される一般的なデュアル・ビーム・システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の好ましい実施形態によれば、スライス・アンド・ビュー技法で試料を処理する方法および装置は、試料のスライスの画像内の着目フィーチャの位置を自動的に突き止め、そのフィーチャを自動的に測定すること、次のスライス内におけるそのフィーチャの位置を予測すること、および後続のスライス・アンド・ビューの繰返しにおいてスライシングし画像化するフィーチャを含む領域のサイズを決定することを含む。スライシングし画像化する領域を決定した後、決定された領域を次の繰返しで処理するように、以前の繰返しからFIBおよびSEMを調整する。着目フィーチャに関する所望の情報を集めるのに必要なサイズの領域だけをスライシングし、ビューイングすることによって、本発明は、先行技術の方法を用いて一般に可能な領域よりも相対的に小さな試料の領域をスライシングし、ビューイングすることを提供する。したがって、試料をはるかに迅速に処理することができる。
【0014】
ミリングする試料材料のサイズおよび形状を決定するステップは、この技法のそれぞれの繰返しによって画像化されるフィーチャのサイズおよび形状を観察するステップを含む。したがって、フィーチャのサイズが変化した場合も、またはフィーチャの配置または位置が、フィーチャの以前の画像に関して試料のいずれかの側へ実際に変化した場合にも、FIBおよびSEMを調整して、この技法のそれぞれの繰返しでフィーチャを処理する。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「ミリングする」は一般に、材料を除去することを意味し、用語「スライシングする」または「スライス・ミリングする」は、材料をスライスの形状に除去することを意味する。本明細書で名詞として使用するとき、用語「スライス」は、表面を露出させるためにスライス・ミリングを実行して、材料を除去した後に見える表面を意味する。FIBミリング工程によって生成されるミリングされたスライスは一般に20nm〜100nmであるが、用途に応じて500nmまで厚くすることができる。しかしながら、スライスの厚さは好ましくは約30nmから約60nm、より好ましくは約35nmから約45nm、最も好ましくは約35nmから約40nmである。一実施形態において、本出願の出願人らは、比較的に小さなフィーチャの画像を捕捉し、それでもなお良好なコントラストを有する画像を得るのに、スライスの厚さは約38nmで十分であることを見出した。さらに、それぞれのスライスの厚さは、視野のサイズに応じて、画像内において1または2画素であることが好ましい。スライスは、「バルク・ミル(bulk mill)」ではなく「ライン・ミル(line mill)」によって生成することが好ましい。すなわち、長方形をミリングするのではなく、実質的に1次元の線をミリングすることが好ましい。X寸法およびY寸法、すなわち幅および高さが10um〜100umのスライスが好ましい。試料の画像上のこの領域を「境界ボックス(bounding box)」と表現することがある。本明細書で使用する「画像」は例えば、表示ユニット上に表示された画像、または紙などの使い捨て媒体上に表示された画像、ならびにコンピュータの記憶装置内の画像表現を意味する。
【0016】
好ましい実施形態のFIB動作電流は、全てのスライシングおよび準備ステップに対して、電圧約30kVで100pA〜1nAだが、ビーム直径およびビーム電流は一般にシステムに依存することを当業者は理解するであろう。FIB工程またはSEM工程とともに、ビーム・ケミストリを使用することもできる。FIBを用いたミリングに関しては、選択的炭素エッチングまたは絶縁体増強エッチング(insulator enhanced etch)が好ましいことがある。表面保護のため、ミリング・ステップの間、保護したい領域に、白金、炭素またはタングステンを塗布することができる。
【0017】
SEM電子ビームは一般に電圧5kVで動作させ、好ましくはTTL(through−the−lens)検出器を使用することができる。前述のFIBの場合と同様に、SEMの動作パラメータも画像化する材料によって異なり、使用するごとに、過度の実験なしで最適化すべきであることを理解すべきである。例えば、SEMビーム電圧は、500Vから30kVに設定することが好ましい。
【0018】
本発明によって最も有利に観察される物体は一般に、生体構造(例えば神経、血管、細胞構造など)だが、本発明はそれらの材料に限定されず、例えば金属、触媒、ポリマー、半導体回路など、他の材料を含むことができることを理解すべきである。図1Aおよび1Bの着目フィーチャ10は、試料12中に延びる不均一な形状を有し、さらに枝分れした部分14を有することがある生体構造を示す。
【0019】
正確にするため、および自動化するためには、ミリングする領域のサイズおよび形状が、マシン・ビジョン(machine vision)によって集められた情報によって決定されることが好ましい。マシン・ビジョンは当技術分野において知られている。マシン・ビジョンでは、通常はSEM画像から得られた画像情報をコンピュータを使用して処理し、それによってフィーチャの縁、サイズ、質量中心などのフィーチャの物理特性を決定する。マシン・ビジョンのために使用されるソフトウェアには例えば、Cognex Corporation社(米マサチューセッツ州Nantick)のCognex VisionProソフトウェアが含まれる。一般的なマシン・ビジョン・ソフトウェアは、平均グレー・レベル、コントラスト、テクスチャなどの画像特性に基づいて試料領域内のフィーチャを識別するように動作する。例えば、画像内のそれぞれの画素には、周囲の画素に対するその画素のテクスチャ品質を表す単一の数値などの値が割り当てられる。着目フィーチャは一般に、そのフィーチャとともに画像化される周囲の試料とは異なる画像特性、例えばテクスチャを有する。したがって、着目フィーチャは、周囲の画像とは異なる値のあるパラメータ内の平均テクスチャを有する画素の集まりとして識別することができる。マシン・ビジョン・ソフトウェアは、試料の画像化されたそれぞれのスライス内における着目フィーチャの位置を自動的に突き止め、そのフィーチャを自動的に測定することが好ましい。図3A〜3Gは、試料24中のさまざまな深さでスライシングされた図2のフィーチャ20および枝22の異なるスライスを示す。
【0020】
フィーチャの位置を突き止め、測定値を得た後、コンピュータ・ソフトウェアは、それらの測定値に基づいて、スライス・アンド・ビュー工程の次の繰返しでスライスをミリングする領域のサイズを予測する。例えば、図3Aに示されたフィーチャ30は完全な円形に見え、このことは、次のスライス内のフィーチャの位置がフィーチャ30と同じ位置にあることを示唆している。このケースでは、フィーチャの形状およびサイズに変化が見られない場合に試料内へ直線方向に続けることによって、スライシング工程およびビューイング工程はそのフィーチャ構造を追跡することになる。
【0021】
後続のスライス・ミリング・ステップでミリングする領域を決定する際には、最初に、画像化されたフィーチャのサイズまたは形状が、そのフィーチャの以前に画像化されたスライスに比べて変化したかどうかを判定する。この変化は、後続のスライスではフィーチャ位置が変化していることを示している可能性がある。例えば、管状フィーチャの垂直軸方向断面からのずれは、後続のスライスにおいて、フィーチャの位置が以前のスライスから変化している可能性があることを示す傾向がある。このような変化が示された場合には、フィーチャがサイズ、形状または位置を変化させるにつれてそのフィーチャを「追跡する」ように、FIBビームおよびSEMビームを調整することになる。
【0022】
この点をさらに示すため、血管、神経などの管状フィーチャの画像が円として示される場合、断面は、そのスライス内のフィーチャの縦軸に対して実質的に垂直である可能性が高く、フィーチャは、少なくとも近傍において、試料の中を、切削された(スライシングされた)フェースの平面から垂直に延びている可能性が高い。実質的に丸形または円形のフィーチャを示す後続の画像は、この判定を確認する役割を果たすことになる。しかし、続く画像が、楕円形のフィーチャを示した場合、それは、フィーチャが、切削されたフェースから垂直には延びておらず、代わりに、楕円の向きによって決定することができるある方向に延びていることを示唆していることになる。
【0023】
例えば、画像化された図3Bのスライスは、フィーチャ31の形状が、フィーチャ30に比べてわずかに楕円形であることを示している。ここでは、図3Aのスライスと図3Bのスライスの間のある点で、フィーチャの形状が変化していると判定され、処理を続けるとフィーチャの後続の位置が変化することを指示していた。フィーチャ31は、このフィーチャが、(紙面に示されたとおり)試料の左側に向かって位置を変えていることを示している。図3Cは、フィーチャが位置をさらに左へ変化させていること裏付ける。さらに、フィーチャ32のかなり楕円形の形状は、形成される後続のスライス内での位置が、フィーチャ31のごくわずかな楕円形状よりも大きく変化することを示す役割を果たしている。ここでは、後続のスライシングをさらに左で実行すべきとの予測を実施することができる。図3Dは、さらに左へ移動したフィーチャ33を示しており、このことは図3Cの予測を裏付けている。しかしながら、フィーチャ33の楕円の程度は小さくなっており、このことは、フィーチャが「まっすぐになっている」ことを示している。図3Eは、試料24の端の近くのフィーチャ34を示す。図3Aから始まり図3Eへフィーチャの位置が変化していることに留意されたい。
【0024】
本発明の少なくとも1つの実施形態では、構造の枝を追跡することが望ましいことがある。図3Fのスライスに示されているように、枝を画像化し、その位置を突き止めることができる。この図で、フィーチャ35は主構造で、フィーチャ36は枝である。枝36を追跡した場合には、図3Gに示された構造37で終わることが示されている。
【0025】
画像上のその領域に、それぞれのフィーチャの周りの実線で描かれたボックスとして図3A〜3Gに示された典型的な「境界ボックス」が割り当てられることが好ましい。境界ボックスは、着目フィーチャおよびフィーチャの周囲の領域を含む。フィーチャの周囲の領域がミリングする範囲に含まれるのは、続いて実行するスライス内のフィーチャの位置、サイズおよび形状を予測する際の誤りマージンを考慮に入れるため、ならびにマシン・ビジョンが着目フィーチャと周囲の試料材料とを比較するための十分な試料領域を提供するためである。それぞれの図3A〜3Gの境界ボックスは、一般的な先行技術の方法においてミリングされる領域を表す点線で描かれたボックスよりもはるかに小さい。
【0026】
上記の例の実施形態は、図4Bに示すように平行なスライスをスライス・ミリング(し、画像化)することを含む。しかしながら、他の実施形態は、フィーチャのマシン・ビジョン測定によって決定されるフィーチャの軸方向の中心に沿って垂直にスライス・ミリング(し、画像化)することを含むことができる。すなわち、画像化されたフィーチャが楕円形の構造を示し始めたら、それに応じてFIBおよびSEM(または試料を保持するステージ)を移動させて、軸方向スライスを、図4Aに示すように、構造体に沿って垂直に処理するようにビームを維持する。言い換えると、少なくともいくつかの実施形態では、図4Bで実行されるようにその機能に関連したビーム・パラメータを変更するのではなしに、試料を移動させることによって、新たな領域を画像化することが好ましいことがある。試料は例えば、ステージまたは他の装置を移動させることによって、試料がビームに対して移動するような態様で移動させることができる。図4Aによって示される実施形態は、ビームの最大視野の外側を移動するフィーチャの追跡を、ビームに対して試料を再配置することによって可能にすることを当業者は理解するであろう。
【0027】
本発明は、試料中のフィーチャを追跡し、先行技術の方法よりも少ない基体材料をミリングすることを提供するため、一般的なデュアル・ビーム・システムの向きが原因で、スライシングされたフェースの遮られていない画像を得ることを、ミリングされていない基体材料が妨げることがある。FIBのイオン・ビーム・カラムは一般に、試料表面に対して垂直に、または垂直から数度の向きに配置され、SEMの電子ビームは一般に、イオン・ビーム・カラムに対して約52度の向きに向けられる。試料内部へさらにスライシングすることで試料の処理を続けると、フィーチャの位置が相当に変化することによって、試料材料の障害物の後ろにフィーチャが入り、SEMビームが直接に到達することが妨げられることがある。この問題を解決するため、本発明の実施形態は、障害物となる試料材料の残部を除去することを提供する。
【0028】
図5Aに示されているように、SEM50のビーム56は、フィーチャ58の部分54に当てることができない。ここで、FIB52を、試料59の障害物57を除去するように誘導する。図5Bは、障害物57が除去された試料59、およびフィーチャ58の部分54を直接に見通すことができるSEMビーム56を示す。
【0029】
好ましくは、障害物となる試料材料が迅速に除去されるように、この除去工程を、精度は劣るがより高速なミリング手順で実行することができる。この荒いミリングでは、FIB動作パラメータが、障害物のサイズおよびその材料組成に応じて、21nA〜6.5nAであることが好ましい。
【0030】
より高速なミリング手順で残部をミリングする間に生じる可能性がある問題は、再付着(redeposition)である。すなわち、残部材料の粒子が、画像化するフィーチャのフェースに再付着し、材料が再付着したフェースが画像化された場合には、画像分解能が望ましくないものになる可能性がある。ここで、フェースを画像化する前に、浄化(clean up)ステップを実行することができる。浄化ステップは、残部材料を除去するために使用したビームよりも高品質のイオン・ビームをフェースに向かって誘導することを含むことが好ましい。浄化ステップに対するFIB電流設定は、フィーチャ・サイズおよび材料に応じて、2.8nA〜500pAであることが好ましい。
【0031】
あるいは、後続のスライス・ミリング手順が、SEMと新しいフェースとの間に試料材料障害物を生じさせることが予め分かっていることがある。その場合には、後続の新しいフェースをミリングする前に、試料材料障害物または残部を予防的に除去し、それによって別個の浄化ステップを回避することができる。
【0032】
図6および7(図6の平行四辺形「A」は図7へ誘導する)は、本発明の実施形態に基づく方法の好ましいステップを示す流れ図である。これらの図に示された好ましい実施形態のステップは、マシン・ビジョンによって着目フィーチャの位置を突き止め、得られた画像内のフィーチャを評価、測定し、継続される処理に対するデュアル・ビーム・システムを、評価ステップの結果に従って調整する、スライシングおよび画像化ステップを広く含む。
【0033】
動作時、FEI Company社のDA−300 Defect AnalyzerまたはHelios NanoLab 400 DualBeamツールなどの画像化システム内へ、試料を装填する。ステップ602で、試料の上面に対して垂直に試料内へスライスを切削して、ミリングされたフェース領域を形成する。それが試料内への初めてのスライスである場合、そのスライスは最初のスライスであり、着目フィーチャの位置が所望の確実性レベルでは分かっていない可能性がある点で、後続のスライスとは異なる可能性がある。最初のスライスの前に、最初の画像内の着目フィーチャの位置を正確には決定できないことが予め分かっている場合には、その領域の結果として得られる画像内の着目フィーチャの位置を突き止めるために、大きな最初のスライスを実行することが好ましい。着目フィーチャの位置が高い確実性レベルで分かっている場合には、時間を節約するために、比較的に小さなスライスを実施することができる。
【0034】
図7へ誘導する図6の平行四辺形「A」をたどることによって、ステップ702で、スライス・フェースを画像化するためのSEMの障害物のない自由経路が存在するかどうかを判定する。最初のスライスの後、または後述する追加の処理の後では一般的であるように、自由経路がない場合には、ステップ706で、障害物を除去する。上で論じたとおり、障害物を除去すると、新たに切削されたフェースに試料材料が再付着する可能性がある。その場合には、ステップ708で、このフェースの表面を再処理する。あるいは、SEMに対する障害となることが予め分かっている試料材料の部分を、最初のフェースを形成する前に予め除去することもできる。スライス・フェースまでのSEMの自由経路がある場合、ステップ704は、工程を図6のステップ604へ戻す。
【0035】
フェースを形成し、SEMに対する障害物を除去した後、ステップ604で、SEMによりスライス領域の画像を得ることができる。ステップ606で、その画像を評価して、着目フィーチャの位置を突き止め、そのフィーチャを測定する。評価ステップは、マシン・ビジョンまたは他のプログラムに関連したコンピュータ上で動作するソフトウェアによって画像を評価することを含むことが好ましく、あるいは、人間のオペレータによって画像を評価することもできる。しかしながら、この評価は、評価を自動化して、スライス・アンド・ビュー工程のそれぞれの画像内のフィーチャを迅速に評価する(例えばフィーチャの位置を突き止め、そのフィーチャを測定する)ことができるように、コンピュータ化されていることが好ましい。上で論じたとおり、フィーチャの位置を突き止め、そのフィーチャを測定する好ましい方法は、コントラストを比較して、縁および質量中心を検出することを含む。手動で実行する場合には、オペレータがコンピュータ・マウス、スタイラスまたは同等の手段を使用することによって、コンピュータ画像またはディスプレー上で、例えば質量中心を指示することができる。
【0036】
画像を評価した後、ステップ608で、スライシングを続けるべきかどうかを判定する。この技法によってフィーチャの3D画像を再構築するためには、フィーチャのサイズまたは所望の3D詳細に応じた多数の画像を得ることが望ましい。このステップは、試料内のフィーチャを処理するときにスライス・アンド・ビュー技法の繰返しをカウントすることを可能にする。この工程は、所定の数のスライスが実行されるまで続けることができ、あるいは、あるトリガ事象において、または非常に多くの繰返しの後に、処理を続けるべきかどうかを判定するために、単に数をカウントするのではない他の入力が必要となることがある。いずれにせよ、この繰返しスライシング工程が終了したと判定された場合、フローは、「No」の岐路をたどって、ステップ612で画像の結果を分析する。このステップでは一般に、画像を処理して、フィーチャを3D画像に再構成する。次いで、その3D画像は一般に手動オペレータによって分析される。好ましくは、3−D構造用のソフトウェアには例えば、Visage Imaging,Inc.社(米カリフォルニア州San Diego)のAmira3次元画像化ソフトウェアまたはVSG(Visualization Sciences Group,Inc.)(米マサチューセッツ州Burlington)社のAvizo3次元視覚化ソフトウェアなどが含まれる。繰返しスライシング工程を続けるべきであると判定された場合、フローは、「Yes」の岐路をたどってステップ610へ進む。
【0037】
ステップ610では、後続のスライスおよびビュー・ステップ602および604に対するシステム・パラメータまたはビーム・パラメータを変更するかどうかに関して、フィーチャの画像および評価ステップ606からの情報を分析する。そのために、フィーチャを包含する境界ボックスは有用である。境界ボックスは、評価ステップ606で、またはこれらのステップを繰返す以前の調整ステップ610(すなわち、これが、この工程のこのステップの最初の実行でない場合)で、画像に割り当てられることが好ましい。前述のとおり、フィーチャを取り囲む境界ボックスは、フィーチャの縁を超えて、次の画像内でフィーチャが発達する可能性を考慮した公称量だけ延びることが好ましい。
【0038】
境界ボックスのサイズおよび位置の変化は、ビームのパラメータ、およびスライス・アンド・ビュー工程の後続の繰返しにおいてビームが誘導される位置の変更を指図する。すなわち、境界ボックスの寸法の変化に対して、次のスライス・アンド・ビューの繰返しでスライシングし、ビューイングする領域のXおよびY寸法を変更する。例えば、フィーチャ・サイズおよび形状がかなり変化する場合には、境界ボックスの寸法を調整し、それに応じてビームを調整して、次のフェースをスライシングし、ビューイングする。フィーチャ寸法が低減する場合には、より小さな領域のスライシングを実施するように、したがってスライシングし、ビューイングするのに必要な時間が短くなるようにFIBが調整されるよう、境界ボックスの寸法を調整する(X寸法とY寸法のうちの1つまたは複数の寸法を低減させる)。境界ボックスのサイズが増大する場合には、ビームは、基体のより大きな領域をスライシングし、ビューイングする。いずれにせよ、着目フィーチャおよびフィーチャの周囲の最小限の領域を含む基体の領域をスライシングし、ビューイングするように、ビームを調整する。そのためには、境界ボックスの幅(X寸法)が、着目フィーチャの幅(X寸法)の300%よりも小さいことが好ましく、境界ボックスの幅が、着目フィーチャの幅の200%よりも小さいことがより好ましく、境界ボックスの幅が、着目フィーチャの幅の150%よりも小さいことがよりいっそう好ましい。フィーチャの直前の画像に対してフィーチャの配置または位置が変化した場合には、それに応じてビームをその位置に誘導する。図4Aに示した実施形態に関して上で説明したように、スライス・ミリングする領域を調整することに加えて、またはスライス・ミリングする領域を調整する代わりに、ビームに対して試料を再配置することも好ましい。
【0039】
ミリングし、画像化する試料の位置および領域を(必要に応じて)調整し、または試料を再配置した後に、工程はステップ602へ戻って、この工程を繰り返す。しかしながら、ステップ602へ進む前に、次のスライスへ進むことが、SEMによる画像化に対する障害物を生じさせないかどうかを判定することが好ましい。ここで、工程は平行四辺形「A」へ進み、上で論じた図7の諸ステップをたどる。
【0040】
前述の方法の好ましい実施形態を実行するための好ましい装置が図8に示されており、この図は、垂直に取り付けられたSEMカラムと、垂直線から約52度の角度で取り付けられた集束イオン・ビーム(FIB)カラムとを備える一般的なデュアル・ビーム・システム810を示す。このようなデュアル・ビーム・システムは、例えば本出願の譲受人であるFEI Company社(米オレゴン州Hillsboro)から市販されている。適当なハードウェアの一例を以下に示すが、本発明は、特定のタイプのハードウェアによって実現されることに限定されない。
【0041】
デュアル・ビーム・システム810は、走査型電子顕微鏡841および電源・制御ユニット845を備える。カソード852とアノード854の間に電圧を印加することによって、カソード852から電子ビーム843が放出される。電子ビーム843は、コンデンサ・レンズ856および対物レンズ858によって微細なスポットに集束する。電子ビーム843は、偏向コイル860によって、試験体を2次元走査する。コンデンサ・レンズ856、対物レンズ858および偏向コイル860の動作は、電源・制御ユニット845によって制御される。
【0042】
電子ビーム843を、下の室826内の可動X−Yステージ825上にある基体822上に集束させることができる。電子ビーム中の電子が基体822に衝突すると、2次電子が放出される。これらの2次電子は、後に論じる2次電子検出器840によって検出される。TEM試料ホルダ824およびステージ825の下に位置するSTEM検出器862は、前に論じたTEM試料ホルダ上に装着された試料を透過した電子を集めることができる。
【0043】
デュアル・ビーム・システム810はさらに、集束イオン・ビーム(FIB)システム811を含み、FIBシステム811は、上ネック部分812を有する排気された室を備え、上ネック部分812内にはイオン源814および集束カラム816が位置し、集束カラム816は引き出し電極および静電光学系を含む。集束カラム816の軸は、電子カラムの軸から52度傾いている。イオン・カラム812は、イオン源814、引き出し電極815、集束要素817、偏向要素820および集束イオン・ビーム818を含む。イオン・ビーム818は、イオン源814から、カラム816内および概略的に820で示された静電偏向手段間を通り、基体822に向かって進む。基体822は、例えば下の室826内の可動X−Yステージ825上に配置された半導体デバイスを含む。
【0044】
ステージ825はさらに、1つまたは複数のTEM試料ホルダ824を、半導体デバイスから試料を抜き取り、TEM試料ホルダまで移動させることができるように支持することができる。ステージ825は、水平面(XおよびY軸)内を移動することができ、さらに垂直に(Z軸)移動することができることが好ましい。ステージ825はさらに約60度傾くことができ、Z軸の周りを回転することができる。いくつかの実施形態では、別個のTEM試料ステージ(図示せず)を使用することができる。このようなTEM試料ステージもX、YおよびZ軸に沿って可動であることが好ましい。扉861は、基体822をX−Yステージ825上に挿入するため、さらには、内部ガス供給リザーバが使用される場合にそれを保守するために開かれる。システムが真空下にある場合に開けることができないように、扉はインタロックされる。
【0045】
ネック部分812から排気するためにイオン・ポンプ868が使用される。室826は、真空コントローラ832の制御下にあるターボ分子・機械ポンピング・システム830によって排気される。この真空システムは、室826内において、約1×10-5パスカルから7×10-2パスカルの真空を提供する。エッチング支援ガス、エッチング遅延ガスまたは付着前駆体ガスが使用される場合、室のバックグラウンド圧力は、一般に約1.33×10-3パスカルまで上昇することがある。
【0046】
イオン・ビーム818にエネルギーを付与し、イオン・ビーム818を集束させるため、高圧電源が、イオン・ビーム集束カラム816内の電極に適当な加速電圧を印加する。イオン・ビーム818が基体822に衝突すると、試料から材料がスパッタリングされる、すなわち物理的に放出される。あるいは、イオン・ビーム818は、前駆体ガスを分解して材料を付着させることができる。
【0047】
約1keVから60keVのイオン・ビーム818を形成し、それを試料に向かって誘導するため、高圧電源834は、液体金属イオン源814とイオン・ビーム集束カラム816内の適当な電極とに接続される。パターン発生器838によって提供される規定のパターンに従って動作する偏向コントローラ・増幅器836が、偏向板820に結合され、それによってイオン・ビーム818を、基体822の上面の対応するパターンをたどるように手動または自動で制御することができる。当技術分野ではよく知られているように、いくつかのシステムでは、これらの偏向板が最後のレンズの前に置かれる。ブランキング・コントローラ(図示せず)が、イオン・ビーム集束カラム816内のビーム・ブランキング電極(図示せず)にブランキング電圧を印加すると、ブランキング電極は、イオン・ビーム818を、基体822ではなくブランキング・アパーチャ(図示せず)に衝突させる。
【0048】
液体金属イオン源814は一般にガリウムの金属イオン・ビームを提供する。この源は一般に、イオン・ミリング、強化エッチングまたは材料付着によって基体822を改変するために、あるいは基体822を画像化する目的で、基体822のところで幅1/10マイクロメートル未満のビームに集束することができる。
【0049】
2次イオンまたは2次電子の放出を検出するために使用されるエバーハート ソーンレイ(Everhart Thornley)、マルチチャネル・プレートなどの荷電粒子検出器840がビデオ回路842に接続され、ビデオ回路842はビデオ・モニタ844に駆動信号を供給し、ビデオ・モニタ844はシステム・コントローラ819から偏向信号を受け取る。下の室826内の荷電粒子検出器840の位置は、実施形態によって変更することができる。例えば、荷電粒子検出器840をイオン・ビームと同軸とし、荷電粒子検出器840が、イオン・ビームが通過することができる穴を含むことができる。他の実施形態では、最後のレンズを通して2次粒子を集め、次いでそれらの2次粒子を軸からそらして収集することができる。
【0050】
Omniprobe,Inc.社(米テキサス州Dallas)のAutoProbe 200(商標)、Kleindiek Nanotechnik社(ドイツReutlingen)のModel MM3Aなどのマイクロマニピュレータ847は、真空室内の物体を精密に移動させることができる。真空室内に位置する部分849のX、Y、Zおよびθ制御を提供するため、マイクロマニピュレータ847は、真空室の外側に置かれた精密電動機848を備えることができる。マイクロマニピュレータ847には、小さな物体を操作するさまざまなエンド・エフェクタを取り付けることができる。本明細書に記載された実施形態では、エンド・エフェクタが細いプローブ850である。
【0051】
ガス状の蒸気を導入し、基体822に向かって誘導するガス送達システム846が下の室826内へ延びる。本発明の譲受人に譲渡されたCasella他の「Gas Delivery Systems for Particle Beam Processing」という名称の米国特許第5,851,413号は適当なガス送達システム846を記載している。別のガス送達システムが、やはり本発明の譲受人に譲渡されたRasmussenの「Gas Injection System」のいう名称の米国特許第5,435,850号に記載されている。例えば、ヨウ素を送達してエッチングを強化することができ、または金属有機化合物を送達して金属を付着させることができる。
【0052】
システム・コントローラ819は、デュアル・ビーム・システム810のさまざまな部分の動作を制御する。システム・コントローラ819を介して、ユーザは、従来のユーザ・インタフェース(図示せず)にコマンドを入力することにより、イオン・ビーム818または電子ビーム843を、希望通りに走査することができる。あるいは、システム・コントローラ819は、記憶装置821に記憶されたプログラムされた命令に従ってデュアル・ビーム・システム810を制御することができる。いくつかの実施形態では、デュアル・ビーム・システム810が、画像認識ソフトウェアまたは上で論じたマシン・ビジョンを含む。
【0053】
実験例
一般的な生体試料に対して本発明の好ましい一実施形態を実行するための好ましいFIBパラメータの一例は、荒いミリングのビーム電流設定21nA、浄化ミリングの電流設定2.8nA、スライス・ミリングの電流設定460pAを含む。好ましいSEMパラメータは、ビーム加速電圧1kVおよび電流170pAを含む。
【0054】
これらのシステム設定を用いて実行した実験の間に、後方散乱電子(BSE)画像を集め、ディジタル方式でコントラスト値および輝度値を反転させた。画像水平フィールド幅(HFW)は25umであった。スライス厚は30nmとし、200〜300スライスを処理した。完了までに6〜8時間かかった。
【0055】
本発明を、イオン・ビーム・カラム811と電子ビーム・カラム841とを備える図8のデュアル・ビーム・システムに関して説明したが、参照によってその全体が本出願に組み込まれる2000年3月21日にCharles J.Libby他に付与された米国特許第6,039,000号に開示されている粒子ビーム・システムなど、チルティング・カラム(tilting column)またはワーク・ステージ・アセンブリ(work stage assembly)を有するシングル・ビーム・システムにおいて、本発明を具体化することもできることを当業者は理解するであろう。すなわち、ワーク・ステージ・アセンブリおよび単一粒子ビーム源を含み、ワークピースと相互作用する粒子ビーム・システムおよび方法を、本発明の実施形態に従って使用することができる。このような実施形態では、ワーク・ステージ・アセンブリが、a)ワークピースを支持し、b)第1の軸に沿って平行移動し、c)第1の軸に対して垂直な第2の軸に沿って平行移動し、d)第1の軸と第2の軸の両方に対して垂直な第3の軸を中心に回転するように適合される。ワーク・ステージ・アセンブリは、この第3の軸に実質的に平行なワーク・ステージ軸を有する。ワークピースと相互作用する粒子ビーム源は、ワーク・ステージ・アセンブリによって支持される。粒子ビーム源は粒子ビーム軸を有する。一実施形態では、第1の粒子ビーム軸が第3の軸とある角度をなすように、第1の粒子ビーム源の向きが決められる。他の実施形態では、粒子ビーム源を、第1の粒子ビーム軸が第3の軸と実質的に平行な第1の位置から、第1の粒子ビーム軸が第3の軸とある角度をなす第2の位置へ傾けることができる。したがって、この粒子ビーム・システムは、ワーク・ステージ軸を第3の軸からオフセットすることなく、ワークピースの垂直断面をエッチングし、画像化することができる。
【0056】
このように、本発明は、シングル・ビーム・システムにおいて具体化することができる。例えば、集束イオン・ビームを使用して、第1のスライスをミリングし、次いで、基体を保持しているワーク・ステージに関してイオン・ビーム・カラムを傾けることができる。第1のスライスのミリングに続いて、同じイオン・ビーム・カラムを使用して、集束イオン・ビームを異なる角度で誘導し、それによって第1のスライスの画像を形成することができる。あるいは、第1のスライスのミリングに続いて、イオン・ビーム・カラムに対して、基体を保持しているワーク・ステージを傾け、同じイオン・ビーム・カラムを使用して、集束イオン・ビームを異なる角度で誘導し、それによって第1のスライスの画像を形成することもできる。
【0057】
本発明の一実施形態は、荷電粒子ビーム・システムを使用してフィーチャを観察する方法を含む。この方法は、基体に向かって荷電粒子ビームを誘導して、基体内に、観察するフィーチャの部分を露出させる第1のスライスをミリングするステップを含む。この方法はさらに、第1のスライスに向かって荷電粒子ビームを誘導して、フィーチャの露出した部分のビーム画像を形成するステップを含む。この方法はさらに、フィーチャのビーム画像を分析して、フィーチャの追加の部分を露出させる後続のミリング操作のサイズおよび位置を決定するステップを含む。この方法はさらに、基体に向かって荷電粒子ビームを誘導して、後続のミリング操作を実行することによって、基体内に、第2のスライスをミリングするステップを含み、後続のミリング操作は、第1のスライスのサイズまたは向きとは異なるサイズまたは向きを有する第2のスライスを露出させ、かつ/あるいは後続のミリング操作は、イオン・ビームに対して垂直な方向に第1のスライスからオフセットした第2のスライスを生成することを含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、荷電粒子ビームが集束イオン・ビームを含む。他の実施形態では、荷電粒子ビームが電子ビームを含む。他の実施形態では、デュアル・ビーム・システムが使用され、第1の荷電粒子ビームを基体に向かって誘導することによって、第1のスライスがミリングされ、第2の荷電粒子ビームを基体に向かって誘導することによって、第1のスライスの前記ビーム画像が形成される。他の実施形態では、第1の荷電粒子ビームが集束イオン・ビームであり、第2の荷電粒子ビームが電子ビームである。
【0059】
いくつかの実施形態では、フィーチャのビーム画像を分析するステップが、周囲の基体材料に対するコントラスト、グレー・レベル、縁境界および/またはテクスチャを決定するステップを含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、この方法がさらに、フィーチャのビーム画像の分析に基づいて、基体の位置または向きを調整するステップを含む。さらに、基体に向かって荷電粒子ビームを誘導して、後続のミリング操作を実行するステップが、フィーチャの縦軸に対して垂直な断面を露出させるようにミリングするステップを含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、この方法がさらに、第2のスライスの領域までのビーム経路を遮る障害物が存在するかどうかを判定するステップと、障害物が存在すると判定されたことに応答して、障害物をミリングによって除去するステップとを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、この方法がさらに、第1のスライスまたは第2のスライスをミリングして、再付着した基体材料を除去するステップを含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、フィーチャのビーム画像を分析して、後続のミリング操作を決定するステップが、測定され、かつ/または記録された着目フィーチャの位置および/または寸法に基づいて、後続のスライス・アンド・ビューの繰返しにおける着目フィーチャの位置および/または寸法を予測するステップを含む。この分析ステップはさらに、後続の繰返しのために、荷電粒子ビーム・パラメータシステムに対して実施すべき調整がある場合に、どの調整を実施すべきかを判定し、かつ/または後続の繰返しのために、ビームに関する試料位置に対して調整がある場合に、どの調整を実施すべきかを判定するステップを含む。この分析ステップはさらに、予測した位置および/または寸法に従って、後続のスライス・アンド・ビューの繰返しを実行するために、判定ステップに基づいて、荷電粒子ビーム・パラメータを調整し、かつ/または試料位置を調整するステップを含む。この分析ステップはさらに、後続のスライス・アンド・ビューの繰返しを実行するステップを含む。以上のステップは、トリガ事象に到達するまでを繰り返し実行することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、これらのステップが、手動介入なしで自動的に実行される。
【0065】
いくつかの実施形態では、少なくとも、フィーチャの位置を突き止めるステップが、マシン・ビジョンを使用することによって、フィーチャの位置を自動的に突き止めるステップを含み、少なくとも、測定し、予測し、判定するステップが、コンピュータ上で動作するソフトウェアによって自動的に実行される。
【0066】
いくつかの実施形態では、この方法がさらに、電子ビームと切削されたフェースの間に、切削されたフェースを画像化するための障害物のない経路が存在するかどうか、または後続のスライス繰返しにおいてそのような経路が存在するかどうかを判定するステップと、障害物のない経路が存在しないと判定された場合に、デュアル・ビーム・システムの集束イオン・ビームによって障害物のない経路を形成するステップとを含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、この方法がさらに、FIBによって障害物のない経路を形成する前記ステップによって切削されたフェース上に再付着した材料を除去する浄化ステップを含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、ビーム・パラメータまたは試料位置に対して実施すべき調整がある場合に、どの調整を実施すべきかを判定するステップが、着目フィーチャの幅の300%よりも少ない幅を有するスライス・ミリングする領域を決定するステップを含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、スライス・ミリングされることが決定した領域が、着目フィーチャの幅の200%よりも少ない幅を有する。
【0070】
いくつかの実施形態では、スライス・ミリングされることが決定した領域が、着目フィーチャの幅の150%よりも少ない幅を有する。
【0071】
本発明の他の実施形態は、デュアル荷電粒子ビームを使用してフィーチャを観察する装置を含み、この装置は、イオン・ビームを生成し、集束させ、誘導するイオン・ビーム・カラムと、電子ビームを生成し、集束させ、誘導する電子ビーム・カラムと、電子ビームおよびイオン・ビームの動作を制御するコントローラとを含む。このコントローラは、コンピュータ命令を記憶した記憶装置を含む。記憶されたコンピュータ命令を実行したときに、このコントローラは、この装置が基体に向かってイオン・ビームを誘導し、観察するフィーチャの部分を露出させる第1のスライスを基体内にミリングするようにする。このコントローラはさらに、この装置が、第1のスライスに向かって電子ビームを誘導し、フィーチャの露出した部分の電子ビーム画像を形成するようにする。このコントローラはさらに、この装置が、フィーチャの電子ビーム画像を分析し、フィーチャの追加の部分を露出させる後続のミリング操作のサイズおよび位置を決定するようにする。このコントローラはさらに、この装置が、基体に向かってイオン・ビームを誘導して、後続のミリング操作を実行することによって、基体内に第2のスライスをミリングするようにし、後続のミリング操作は、第1のスライスのサイズまたは向きとは異なるサイズまたは向きを有する第2のスライスを露出させ、および/あるいは後続のミリング操作は、イオン・ビームに対して垂直な方向に第1のスライスからオフセットした第2のスライスを生成する。
【0072】
いくつかの実施形態では、フィーチャの電子ビーム像を分析するための記憶されたコンピュータ命令が、周囲の基体材料に対するフィーチャのコントラスト、グレー・レベル、縁境界および/またはテクスチャを決定するための記憶されたコンピュータ命令を含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、フィーチャの電子ビーム像を分析するための記憶されたコンピュータ命令が、フィーチャの中心に対応する座標値を割り当てるための記憶されたコンピュータ命令を含む。
【0074】
本発明の他の実施形態は、荷電粒子ビームを使用してフィーチャを観察する装置を含む。この装置は、荷電粒子ビームを生成し、集束させ、誘導する荷電粒子ビーム・カラムと、基体を支持するワーク・ステージ・アセンブリと、荷電粒子ビームの動作を制御するコントローラとを含む。このコントローラは、基体に向かって荷電粒子ビームを誘導して、観察するフィーチャの部分を露出させる第1のスライスを基体内にミリングするステップと、第1のスライスに向かって荷電粒子ビームを誘導して、フィーチャの露出した部分のビーム画像を形成するステップと、フィーチャのビーム画像を分析して、フィーチャの追加の部分を露出させる後続のミリング操作のサイズおよび位置を決定するステップと、基体に向かって荷電粒子ビームを誘導して、後続のミリング操作を実行することによって、基体内に、第2のスライスをミリングするステップとをこの装置が実行するようにする記憶されたコンピュータ命令を含むコンピュータ可読記憶装置を含み、後続のミリング操作は、第1のスライスのサイズまたは向きとは異なるサイズまたは向きを有する第2のスライスを露出させ、かつ/あるいは後続のミリング操作は、イオン・ビームに対して垂直な方向に第1のスライスからオフセットした第2のスライスを生成する。
【0075】
いくつかの実施形態では、荷電粒子ビーム・カラムに対してワーク・ステージ・アセンブリを移動させることによって、基体と荷電粒子ビームの間の角度を変更することができる。他の実施形態では、ワーク・ステージ・アセンブリに対してイオン・ビーム・カラムを移動させることによって、基体と荷電粒子ビームの間の角度を変更することができる。
【0076】
本発明の実施形態および本発明の利点を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更、置換および改変を実施することができることを理解されたい。例えば、記載した例では、一般的なスライス・アンド・ビュー手順とともに本発明を使用することを示したが、本明細書に記載した方法および装置の代替実施態様は、荒くミリングするためのレーザおよび薄くスライシングするためのeビーム・ケミストリを使用することができる。さらに、FIBとSEMの間の角度を、例えば45〜54度など、52度以外の角度にすることができることも、本発明の範囲に含まれると考えられる。さらに、本出願の範囲が、本明細書に記載された工程、機械、製造、組成物、手段、方法およびステップの特定の実施形態に限定されることは意図されていない。当業者なら本発明の開示から容易に理解するように、本明細書に記載された対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行し、または実質的に同じ結果を達成する既存のまたは今後開発される工程、機械、製造、組成物、手段、方法またはステップを、本発明に従って利用することができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内に、このような工程、機械、製造、組成物、手段、方法またはステップを含むことが意図されている。
【符号の説明】
【0077】
810 デュアル・ビーム・システム
811 集束イオン・ビーム(FIB)システム
816 集束カラム
819 システム・コントローラ
820 偏向要素
824 TEM試料ホルダ
825 X−Yステージ
830 ターボ分子・機械ポンピング・システム
832 真空コントローラ
834 高圧電源
836 偏向コントローラ・増幅器
838 パターン発生器
840 2次電子検出器
841 走査型電子顕微鏡
842 ビデオ回路
844 ビデオ・モニタ
845 電源・制御ユニット
846 ガス送達システム
868 イオン・ポンプ
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、ナノテクノロジ向けの荷電粒子ビーム画像化に関し、より具体的には、スライス・ミリング(slice milling)し、ビューイング(viewing)するために、試料中のフィーチャ(feature)の位置を自動的に突き止める方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子顕微鏡法は、材料の3D構造を高分解能で研究する機会を提供する。例えば生物科学の分野において、電子顕微鏡法は、病気の分子機構、柔軟なタンパク質構造の立体配座、ならびに生物学的自然状況における個々のウイルスおよびタンパク質の振舞いを観察することを可能にする。例えば生体材料を分析するために電子顕微鏡法とともに使用される1つの技法は、Slice−and−View(商標)(以後「スライス・アンド・ビュー」)と呼ばれている。この技法は一般に、本発明の譲受人であるFEI Company社から市販されているDualBeam(登録商標)(以後「デュアル・ビーム」)機器などのデュアル・ビーム・システム、すなわち集束イオン・ビーム(FIB)と走査型電子顕微鏡(SEM)とを組み合わせたシステムを用いて実行される。
【0003】
このスライス・アンド・ビュー技法では、FIBが、試料を高い精度で切削およびスライシングして、試料の3D内部構造またはフィーチャを露出させる。一般に、FIBは、ビューイングするフィーチャが隠れた試料材料の最上位面に対して垂直な断面、すなわちフェース(face)を露出させる。SEMビームの軸は一般にFIBビームの軸に対して鋭角に配置されるため、SEMビームがフェースに到達してフェースを画像化することができるように、フェースの前に位置する試料の部分は除去されることが好ましい。SEMによってフェースの画像を得た後、フェースの別の基体(substrate)層を、FIBを使用して除去して、より深い新たなフェース、したがってフィーチャのより深い断面を露出させることができる。SEMには、フェースの表面に露出したフィーチャの部分だけが見えるため、切削および画像化、すなわちスライシングおよびビューイングを順次繰り返すことによって、スライシングされた試料をフィーチャの3D表現に再構成するのに必要なデータが得られる。この3D構造は次いで、フィーチャを分析する目的に使用される。
【0004】
試料の大きな部分を処理する場合には、スライス・アンド・ビュー手順による試料の処理に、長い時間がかかることがある。フィーチャの位置は一般に、試料のフィーチャを含む隣接領域にFIBビームおよびSEMビームを誘導できるほど十分に正確には分からないため、着目フィーチャが試料に比べて比較的に小さい場合であっても、このことは同じである。したがって、フィーチャの位置を突き止めるために、フィーチャを有すると推測される試料の大きな部分が処理される。SEMの一般的な最大視野は約150ミクロンであるため、このサイズの領域をスライス・ミリングし、画像化するのに、かなりの時間がかかることがあり、SEMを高分解能設定で使用するときには特にそうである。あるいは、その領域のより小さな多くの部分を画像化することもできるが、そうすると、莫大な量の画像データが生成され、一般に、得られた画像を1つに継ぎ合わせて、より大きな複合画像を形成することが必要になる。このような工程は現在、数時間から数日かかる。
【0005】
先行技術の方法では、試料中のフィーチャの形状または方向が正確には予測されないため、スライス・アンド・ビュー手順を繰り返すたびに、比較的に大きな部分を処理する必要がある。この問題は特に、血管または神経の場合など、長い、曲がりくねった形状を有する試料中のある種のフィーチャでより悪化する。
【0006】
時間を節約するため、着目フィーチャをビューイングするのに必要な比較的に少量の基体材料をスライス・ミリングすることがより効率的であると考えられる。さらに、フィーチャを含む基体の比較的により小さな部分を画像化することがより効率的であると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,851,413号
【特許文献2】米国特許第5,435,850号
【特許文献3】米国特許第6,039,000号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本明細書には、スライス・アンド・ビュー技法でフィーチャを処理する方法および装置の実施形態であって、先行技術の方法よりも短い時間で実行することができ、したがって先行技術の方法よりも効率的な方法および装置の実施形態が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、試料の断面壁のフェース内へ進行する複数の逐次切削面をスライス・ミリングする方法および装置を含み、これらの切削面は、フィーチャを露出させ、画像化するのに必要な最低限の量の試料材料を除去することによって形成される。いくつかの実施形態は、スライス・アンド・ビュー工程のそれぞれの繰返しの後に、すなわち試料中に延びているフィーチャの位置が変化していることをそれぞれのスライスが明らかにしたときに、ビームのあるパラメータを変更するかどうかを自動的に判定することを含む。このために、マシン・ビジョンを使用して、フィーチャの質量中心および縁を追跡、検出し、それによって、ビームが試料を処理するときにビームのパラメータを変更するかどうかを判定し、それらのパラメータをどの程度変更するのかを決定する際に役立つ境界ボックスをフィーチャの周囲に画定する。いくつかの実施形態は、スライシングされた1つのフェースからスライシングされた次のフェースまでの間にフィーチャが分かれる、すなわち枝分れするかどうかを自動的に判定し、どの枝を追跡するのかを自動的に決定することを提供する。さらに、いくつかの実施形態は、SEMビームが、スライス・ミリングされたフェースまでの直接の見通し線を有することを妨げる試料材料を自動的に除去する。
【0010】
以上では、以下の本発明の詳細な説明をより理解できるように、本発明の特徴および技術上の利点をかなり広く概説した。以下では、本発明の追加の特徴および利点を説明する。開示される着想および特定の実施形態を、本発明の同じ目的を達成する他の構造を変更しまたは設計するベースとして容易に利用することができることを当業者は理解すべきである。さらに、このような等価の構造は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨および範囲を逸脱しないことを当業者は理解すべきである。
【0011】
次に、本発明および本発明の利点のより徹底的な理解のため、添付図面に関して書かれた以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】試料中に延びる非直線経路を有する着目フィーチャを含む試料の透視図である。
【図1B】図1Aの線「1B」から見た試料を示す図である。
【図2】試料中に延びる非直線経路を有する着目フィーチャを含む試料の透視図であり、後に論じる参照位置が記入された図である。
【図3A】図2の試料のさまざまな断面を示す図である。
【図3B】図2の試料のさまざまな断面を示す図である。
【図3C】図2の試料のさまざまな断面を示す図である。
【図3D】図2の試料のさまざまな断面を示す図である。
【図3E】図2の試料のさまざまな断面を示す図である。
【図3F】図2の試料のさまざまな断面を示す図である。
【図3G】図2の試料のさまざまな断面を示す図である。
【図4A】試料中に延びる非直線経路を有する着目フィーチャの縦断面に対して垂直にスライシングしたスライスの一例を示す図である。
【図4B】試料中に延びる非直線経路を有する着目フィーチャの経路に沿って互いに対して平行にスライシングしたスライスの一例を示す図である。
【図5A】SEMによるフィーチャの画像化を妨げる試料の障害物領域とFIBビームおよびSEMビームとの関係を示す図である。
【図5B】SEMによるフィーチャの画像化を可能にするために除去された試料の障害物部分を示す図である。
【図6】本発明の好ましい実施形態の諸ステップを示す流れ図であり、図7へ誘導する平行四辺形「A」を含む図である。
【図7】図6の平行四辺形「A」に従うことによる図6の追加のステップを示す流れ図である。
【図8】本発明を実施するために使用される一般的なデュアル・ビーム・システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の好ましい実施形態によれば、スライス・アンド・ビュー技法で試料を処理する方法および装置は、試料のスライスの画像内の着目フィーチャの位置を自動的に突き止め、そのフィーチャを自動的に測定すること、次のスライス内におけるそのフィーチャの位置を予測すること、および後続のスライス・アンド・ビューの繰返しにおいてスライシングし画像化するフィーチャを含む領域のサイズを決定することを含む。スライシングし画像化する領域を決定した後、決定された領域を次の繰返しで処理するように、以前の繰返しからFIBおよびSEMを調整する。着目フィーチャに関する所望の情報を集めるのに必要なサイズの領域だけをスライシングし、ビューイングすることによって、本発明は、先行技術の方法を用いて一般に可能な領域よりも相対的に小さな試料の領域をスライシングし、ビューイングすることを提供する。したがって、試料をはるかに迅速に処理することができる。
【0014】
ミリングする試料材料のサイズおよび形状を決定するステップは、この技法のそれぞれの繰返しによって画像化されるフィーチャのサイズおよび形状を観察するステップを含む。したがって、フィーチャのサイズが変化した場合も、またはフィーチャの配置または位置が、フィーチャの以前の画像に関して試料のいずれかの側へ実際に変化した場合にも、FIBおよびSEMを調整して、この技法のそれぞれの繰返しでフィーチャを処理する。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「ミリングする」は一般に、材料を除去することを意味し、用語「スライシングする」または「スライス・ミリングする」は、材料をスライスの形状に除去することを意味する。本明細書で名詞として使用するとき、用語「スライス」は、表面を露出させるためにスライス・ミリングを実行して、材料を除去した後に見える表面を意味する。FIBミリング工程によって生成されるミリングされたスライスは一般に20nm〜100nmであるが、用途に応じて500nmまで厚くすることができる。しかしながら、スライスの厚さは好ましくは約30nmから約60nm、より好ましくは約35nmから約45nm、最も好ましくは約35nmから約40nmである。一実施形態において、本出願の出願人らは、比較的に小さなフィーチャの画像を捕捉し、それでもなお良好なコントラストを有する画像を得るのに、スライスの厚さは約38nmで十分であることを見出した。さらに、それぞれのスライスの厚さは、視野のサイズに応じて、画像内において1または2画素であることが好ましい。スライスは、「バルク・ミル(bulk mill)」ではなく「ライン・ミル(line mill)」によって生成することが好ましい。すなわち、長方形をミリングするのではなく、実質的に1次元の線をミリングすることが好ましい。X寸法およびY寸法、すなわち幅および高さが10um〜100umのスライスが好ましい。試料の画像上のこの領域を「境界ボックス(bounding box)」と表現することがある。本明細書で使用する「画像」は例えば、表示ユニット上に表示された画像、または紙などの使い捨て媒体上に表示された画像、ならびにコンピュータの記憶装置内の画像表現を意味する。
【0016】
好ましい実施形態のFIB動作電流は、全てのスライシングおよび準備ステップに対して、電圧約30kVで100pA〜1nAだが、ビーム直径およびビーム電流は一般にシステムに依存することを当業者は理解するであろう。FIB工程またはSEM工程とともに、ビーム・ケミストリを使用することもできる。FIBを用いたミリングに関しては、選択的炭素エッチングまたは絶縁体増強エッチング(insulator enhanced etch)が好ましいことがある。表面保護のため、ミリング・ステップの間、保護したい領域に、白金、炭素またはタングステンを塗布することができる。
【0017】
SEM電子ビームは一般に電圧5kVで動作させ、好ましくはTTL(through−the−lens)検出器を使用することができる。前述のFIBの場合と同様に、SEMの動作パラメータも画像化する材料によって異なり、使用するごとに、過度の実験なしで最適化すべきであることを理解すべきである。例えば、SEMビーム電圧は、500Vから30kVに設定することが好ましい。
【0018】
本発明によって最も有利に観察される物体は一般に、生体構造(例えば神経、血管、細胞構造など)だが、本発明はそれらの材料に限定されず、例えば金属、触媒、ポリマー、半導体回路など、他の材料を含むことができることを理解すべきである。図1Aおよび1Bの着目フィーチャ10は、試料12中に延びる不均一な形状を有し、さらに枝分れした部分14を有することがある生体構造を示す。
【0019】
正確にするため、および自動化するためには、ミリングする領域のサイズおよび形状が、マシン・ビジョン(machine vision)によって集められた情報によって決定されることが好ましい。マシン・ビジョンは当技術分野において知られている。マシン・ビジョンでは、通常はSEM画像から得られた画像情報をコンピュータを使用して処理し、それによってフィーチャの縁、サイズ、質量中心などのフィーチャの物理特性を決定する。マシン・ビジョンのために使用されるソフトウェアには例えば、Cognex Corporation社(米マサチューセッツ州Nantick)のCognex VisionProソフトウェアが含まれる。一般的なマシン・ビジョン・ソフトウェアは、平均グレー・レベル、コントラスト、テクスチャなどの画像特性に基づいて試料領域内のフィーチャを識別するように動作する。例えば、画像内のそれぞれの画素には、周囲の画素に対するその画素のテクスチャ品質を表す単一の数値などの値が割り当てられる。着目フィーチャは一般に、そのフィーチャとともに画像化される周囲の試料とは異なる画像特性、例えばテクスチャを有する。したがって、着目フィーチャは、周囲の画像とは異なる値のあるパラメータ内の平均テクスチャを有する画素の集まりとして識別することができる。マシン・ビジョン・ソフトウェアは、試料の画像化されたそれぞれのスライス内における着目フィーチャの位置を自動的に突き止め、そのフィーチャを自動的に測定することが好ましい。図3A〜3Gは、試料24中のさまざまな深さでスライシングされた図2のフィーチャ20および枝22の異なるスライスを示す。
【0020】
フィーチャの位置を突き止め、測定値を得た後、コンピュータ・ソフトウェアは、それらの測定値に基づいて、スライス・アンド・ビュー工程の次の繰返しでスライスをミリングする領域のサイズを予測する。例えば、図3Aに示されたフィーチャ30は完全な円形に見え、このことは、次のスライス内のフィーチャの位置がフィーチャ30と同じ位置にあることを示唆している。このケースでは、フィーチャの形状およびサイズに変化が見られない場合に試料内へ直線方向に続けることによって、スライシング工程およびビューイング工程はそのフィーチャ構造を追跡することになる。
【0021】
後続のスライス・ミリング・ステップでミリングする領域を決定する際には、最初に、画像化されたフィーチャのサイズまたは形状が、そのフィーチャの以前に画像化されたスライスに比べて変化したかどうかを判定する。この変化は、後続のスライスではフィーチャ位置が変化していることを示している可能性がある。例えば、管状フィーチャの垂直軸方向断面からのずれは、後続のスライスにおいて、フィーチャの位置が以前のスライスから変化している可能性があることを示す傾向がある。このような変化が示された場合には、フィーチャがサイズ、形状または位置を変化させるにつれてそのフィーチャを「追跡する」ように、FIBビームおよびSEMビームを調整することになる。
【0022】
この点をさらに示すため、血管、神経などの管状フィーチャの画像が円として示される場合、断面は、そのスライス内のフィーチャの縦軸に対して実質的に垂直である可能性が高く、フィーチャは、少なくとも近傍において、試料の中を、切削された(スライシングされた)フェースの平面から垂直に延びている可能性が高い。実質的に丸形または円形のフィーチャを示す後続の画像は、この判定を確認する役割を果たすことになる。しかし、続く画像が、楕円形のフィーチャを示した場合、それは、フィーチャが、切削されたフェースから垂直には延びておらず、代わりに、楕円の向きによって決定することができるある方向に延びていることを示唆していることになる。
【0023】
例えば、画像化された図3Bのスライスは、フィーチャ31の形状が、フィーチャ30に比べてわずかに楕円形であることを示している。ここでは、図3Aのスライスと図3Bのスライスの間のある点で、フィーチャの形状が変化していると判定され、処理を続けるとフィーチャの後続の位置が変化することを指示していた。フィーチャ31は、このフィーチャが、(紙面に示されたとおり)試料の左側に向かって位置を変えていることを示している。図3Cは、フィーチャが位置をさらに左へ変化させていること裏付ける。さらに、フィーチャ32のかなり楕円形の形状は、形成される後続のスライス内での位置が、フィーチャ31のごくわずかな楕円形状よりも大きく変化することを示す役割を果たしている。ここでは、後続のスライシングをさらに左で実行すべきとの予測を実施することができる。図3Dは、さらに左へ移動したフィーチャ33を示しており、このことは図3Cの予測を裏付けている。しかしながら、フィーチャ33の楕円の程度は小さくなっており、このことは、フィーチャが「まっすぐになっている」ことを示している。図3Eは、試料24の端の近くのフィーチャ34を示す。図3Aから始まり図3Eへフィーチャの位置が変化していることに留意されたい。
【0024】
本発明の少なくとも1つの実施形態では、構造の枝を追跡することが望ましいことがある。図3Fのスライスに示されているように、枝を画像化し、その位置を突き止めることができる。この図で、フィーチャ35は主構造で、フィーチャ36は枝である。枝36を追跡した場合には、図3Gに示された構造37で終わることが示されている。
【0025】
画像上のその領域に、それぞれのフィーチャの周りの実線で描かれたボックスとして図3A〜3Gに示された典型的な「境界ボックス」が割り当てられることが好ましい。境界ボックスは、着目フィーチャおよびフィーチャの周囲の領域を含む。フィーチャの周囲の領域がミリングする範囲に含まれるのは、続いて実行するスライス内のフィーチャの位置、サイズおよび形状を予測する際の誤りマージンを考慮に入れるため、ならびにマシン・ビジョンが着目フィーチャと周囲の試料材料とを比較するための十分な試料領域を提供するためである。それぞれの図3A〜3Gの境界ボックスは、一般的な先行技術の方法においてミリングされる領域を表す点線で描かれたボックスよりもはるかに小さい。
【0026】
上記の例の実施形態は、図4Bに示すように平行なスライスをスライス・ミリング(し、画像化)することを含む。しかしながら、他の実施形態は、フィーチャのマシン・ビジョン測定によって決定されるフィーチャの軸方向の中心に沿って垂直にスライス・ミリング(し、画像化)することを含むことができる。すなわち、画像化されたフィーチャが楕円形の構造を示し始めたら、それに応じてFIBおよびSEM(または試料を保持するステージ)を移動させて、軸方向スライスを、図4Aに示すように、構造体に沿って垂直に処理するようにビームを維持する。言い換えると、少なくともいくつかの実施形態では、図4Bで実行されるようにその機能に関連したビーム・パラメータを変更するのではなしに、試料を移動させることによって、新たな領域を画像化することが好ましいことがある。試料は例えば、ステージまたは他の装置を移動させることによって、試料がビームに対して移動するような態様で移動させることができる。図4Aによって示される実施形態は、ビームの最大視野の外側を移動するフィーチャの追跡を、ビームに対して試料を再配置することによって可能にすることを当業者は理解するであろう。
【0027】
本発明は、試料中のフィーチャを追跡し、先行技術の方法よりも少ない基体材料をミリングすることを提供するため、一般的なデュアル・ビーム・システムの向きが原因で、スライシングされたフェースの遮られていない画像を得ることを、ミリングされていない基体材料が妨げることがある。FIBのイオン・ビーム・カラムは一般に、試料表面に対して垂直に、または垂直から数度の向きに配置され、SEMの電子ビームは一般に、イオン・ビーム・カラムに対して約52度の向きに向けられる。試料内部へさらにスライシングすることで試料の処理を続けると、フィーチャの位置が相当に変化することによって、試料材料の障害物の後ろにフィーチャが入り、SEMビームが直接に到達することが妨げられることがある。この問題を解決するため、本発明の実施形態は、障害物となる試料材料の残部を除去することを提供する。
【0028】
図5Aに示されているように、SEM50のビーム56は、フィーチャ58の部分54に当てることができない。ここで、FIB52を、試料59の障害物57を除去するように誘導する。図5Bは、障害物57が除去された試料59、およびフィーチャ58の部分54を直接に見通すことができるSEMビーム56を示す。
【0029】
好ましくは、障害物となる試料材料が迅速に除去されるように、この除去工程を、精度は劣るがより高速なミリング手順で実行することができる。この荒いミリングでは、FIB動作パラメータが、障害物のサイズおよびその材料組成に応じて、21nA〜6.5nAであることが好ましい。
【0030】
より高速なミリング手順で残部をミリングする間に生じる可能性がある問題は、再付着(redeposition)である。すなわち、残部材料の粒子が、画像化するフィーチャのフェースに再付着し、材料が再付着したフェースが画像化された場合には、画像分解能が望ましくないものになる可能性がある。ここで、フェースを画像化する前に、浄化(clean up)ステップを実行することができる。浄化ステップは、残部材料を除去するために使用したビームよりも高品質のイオン・ビームをフェースに向かって誘導することを含むことが好ましい。浄化ステップに対するFIB電流設定は、フィーチャ・サイズおよび材料に応じて、2.8nA〜500pAであることが好ましい。
【0031】
あるいは、後続のスライス・ミリング手順が、SEMと新しいフェースとの間に試料材料障害物を生じさせることが予め分かっていることがある。その場合には、後続の新しいフェースをミリングする前に、試料材料障害物または残部を予防的に除去し、それによって別個の浄化ステップを回避することができる。
【0032】
図6および7(図6の平行四辺形「A」は図7へ誘導する)は、本発明の実施形態に基づく方法の好ましいステップを示す流れ図である。これらの図に示された好ましい実施形態のステップは、マシン・ビジョンによって着目フィーチャの位置を突き止め、得られた画像内のフィーチャを評価、測定し、継続される処理に対するデュアル・ビーム・システムを、評価ステップの結果に従って調整する、スライシングおよび画像化ステップを広く含む。
【0033】
動作時、FEI Company社のDA−300 Defect AnalyzerまたはHelios NanoLab 400 DualBeamツールなどの画像化システム内へ、試料を装填する。ステップ602で、試料の上面に対して垂直に試料内へスライスを切削して、ミリングされたフェース領域を形成する。それが試料内への初めてのスライスである場合、そのスライスは最初のスライスであり、着目フィーチャの位置が所望の確実性レベルでは分かっていない可能性がある点で、後続のスライスとは異なる可能性がある。最初のスライスの前に、最初の画像内の着目フィーチャの位置を正確には決定できないことが予め分かっている場合には、その領域の結果として得られる画像内の着目フィーチャの位置を突き止めるために、大きな最初のスライスを実行することが好ましい。着目フィーチャの位置が高い確実性レベルで分かっている場合には、時間を節約するために、比較的に小さなスライスを実施することができる。
【0034】
図7へ誘導する図6の平行四辺形「A」をたどることによって、ステップ702で、スライス・フェースを画像化するためのSEMの障害物のない自由経路が存在するかどうかを判定する。最初のスライスの後、または後述する追加の処理の後では一般的であるように、自由経路がない場合には、ステップ706で、障害物を除去する。上で論じたとおり、障害物を除去すると、新たに切削されたフェースに試料材料が再付着する可能性がある。その場合には、ステップ708で、このフェースの表面を再処理する。あるいは、SEMに対する障害となることが予め分かっている試料材料の部分を、最初のフェースを形成する前に予め除去することもできる。スライス・フェースまでのSEMの自由経路がある場合、ステップ704は、工程を図6のステップ604へ戻す。
【0035】
フェースを形成し、SEMに対する障害物を除去した後、ステップ604で、SEMによりスライス領域の画像を得ることができる。ステップ606で、その画像を評価して、着目フィーチャの位置を突き止め、そのフィーチャを測定する。評価ステップは、マシン・ビジョンまたは他のプログラムに関連したコンピュータ上で動作するソフトウェアによって画像を評価することを含むことが好ましく、あるいは、人間のオペレータによって画像を評価することもできる。しかしながら、この評価は、評価を自動化して、スライス・アンド・ビュー工程のそれぞれの画像内のフィーチャを迅速に評価する(例えばフィーチャの位置を突き止め、そのフィーチャを測定する)ことができるように、コンピュータ化されていることが好ましい。上で論じたとおり、フィーチャの位置を突き止め、そのフィーチャを測定する好ましい方法は、コントラストを比較して、縁および質量中心を検出することを含む。手動で実行する場合には、オペレータがコンピュータ・マウス、スタイラスまたは同等の手段を使用することによって、コンピュータ画像またはディスプレー上で、例えば質量中心を指示することができる。
【0036】
画像を評価した後、ステップ608で、スライシングを続けるべきかどうかを判定する。この技法によってフィーチャの3D画像を再構築するためには、フィーチャのサイズまたは所望の3D詳細に応じた多数の画像を得ることが望ましい。このステップは、試料内のフィーチャを処理するときにスライス・アンド・ビュー技法の繰返しをカウントすることを可能にする。この工程は、所定の数のスライスが実行されるまで続けることができ、あるいは、あるトリガ事象において、または非常に多くの繰返しの後に、処理を続けるべきかどうかを判定するために、単に数をカウントするのではない他の入力が必要となることがある。いずれにせよ、この繰返しスライシング工程が終了したと判定された場合、フローは、「No」の岐路をたどって、ステップ612で画像の結果を分析する。このステップでは一般に、画像を処理して、フィーチャを3D画像に再構成する。次いで、その3D画像は一般に手動オペレータによって分析される。好ましくは、3−D構造用のソフトウェアには例えば、Visage Imaging,Inc.社(米カリフォルニア州San Diego)のAmira3次元画像化ソフトウェアまたはVSG(Visualization Sciences Group,Inc.)(米マサチューセッツ州Burlington)社のAvizo3次元視覚化ソフトウェアなどが含まれる。繰返しスライシング工程を続けるべきであると判定された場合、フローは、「Yes」の岐路をたどってステップ610へ進む。
【0037】
ステップ610では、後続のスライスおよびビュー・ステップ602および604に対するシステム・パラメータまたはビーム・パラメータを変更するかどうかに関して、フィーチャの画像および評価ステップ606からの情報を分析する。そのために、フィーチャを包含する境界ボックスは有用である。境界ボックスは、評価ステップ606で、またはこれらのステップを繰返す以前の調整ステップ610(すなわち、これが、この工程のこのステップの最初の実行でない場合)で、画像に割り当てられることが好ましい。前述のとおり、フィーチャを取り囲む境界ボックスは、フィーチャの縁を超えて、次の画像内でフィーチャが発達する可能性を考慮した公称量だけ延びることが好ましい。
【0038】
境界ボックスのサイズおよび位置の変化は、ビームのパラメータ、およびスライス・アンド・ビュー工程の後続の繰返しにおいてビームが誘導される位置の変更を指図する。すなわち、境界ボックスの寸法の変化に対して、次のスライス・アンド・ビューの繰返しでスライシングし、ビューイングする領域のXおよびY寸法を変更する。例えば、フィーチャ・サイズおよび形状がかなり変化する場合には、境界ボックスの寸法を調整し、それに応じてビームを調整して、次のフェースをスライシングし、ビューイングする。フィーチャ寸法が低減する場合には、より小さな領域のスライシングを実施するように、したがってスライシングし、ビューイングするのに必要な時間が短くなるようにFIBが調整されるよう、境界ボックスの寸法を調整する(X寸法とY寸法のうちの1つまたは複数の寸法を低減させる)。境界ボックスのサイズが増大する場合には、ビームは、基体のより大きな領域をスライシングし、ビューイングする。いずれにせよ、着目フィーチャおよびフィーチャの周囲の最小限の領域を含む基体の領域をスライシングし、ビューイングするように、ビームを調整する。そのためには、境界ボックスの幅(X寸法)が、着目フィーチャの幅(X寸法)の300%よりも小さいことが好ましく、境界ボックスの幅が、着目フィーチャの幅の200%よりも小さいことがより好ましく、境界ボックスの幅が、着目フィーチャの幅の150%よりも小さいことがよりいっそう好ましい。フィーチャの直前の画像に対してフィーチャの配置または位置が変化した場合には、それに応じてビームをその位置に誘導する。図4Aに示した実施形態に関して上で説明したように、スライス・ミリングする領域を調整することに加えて、またはスライス・ミリングする領域を調整する代わりに、ビームに対して試料を再配置することも好ましい。
【0039】
ミリングし、画像化する試料の位置および領域を(必要に応じて)調整し、または試料を再配置した後に、工程はステップ602へ戻って、この工程を繰り返す。しかしながら、ステップ602へ進む前に、次のスライスへ進むことが、SEMによる画像化に対する障害物を生じさせないかどうかを判定することが好ましい。ここで、工程は平行四辺形「A」へ進み、上で論じた図7の諸ステップをたどる。
【0040】
前述の方法の好ましい実施形態を実行するための好ましい装置が図8に示されており、この図は、垂直に取り付けられたSEMカラムと、垂直線から約52度の角度で取り付けられた集束イオン・ビーム(FIB)カラムとを備える一般的なデュアル・ビーム・システム810を示す。このようなデュアル・ビーム・システムは、例えば本出願の譲受人であるFEI Company社(米オレゴン州Hillsboro)から市販されている。適当なハードウェアの一例を以下に示すが、本発明は、特定のタイプのハードウェアによって実現されることに限定されない。
【0041】
デュアル・ビーム・システム810は、走査型電子顕微鏡841および電源・制御ユニット845を備える。カソード852とアノード854の間に電圧を印加することによって、カソード852から電子ビーム843が放出される。電子ビーム843は、コンデンサ・レンズ856および対物レンズ858によって微細なスポットに集束する。電子ビーム843は、偏向コイル860によって、試験体を2次元走査する。コンデンサ・レンズ856、対物レンズ858および偏向コイル860の動作は、電源・制御ユニット845によって制御される。
【0042】
電子ビーム843を、下の室826内の可動X−Yステージ825上にある基体822上に集束させることができる。電子ビーム中の電子が基体822に衝突すると、2次電子が放出される。これらの2次電子は、後に論じる2次電子検出器840によって検出される。TEM試料ホルダ824およびステージ825の下に位置するSTEM検出器862は、前に論じたTEM試料ホルダ上に装着された試料を透過した電子を集めることができる。
【0043】
デュアル・ビーム・システム810はさらに、集束イオン・ビーム(FIB)システム811を含み、FIBシステム811は、上ネック部分812を有する排気された室を備え、上ネック部分812内にはイオン源814および集束カラム816が位置し、集束カラム816は引き出し電極および静電光学系を含む。集束カラム816の軸は、電子カラムの軸から52度傾いている。イオン・カラム812は、イオン源814、引き出し電極815、集束要素817、偏向要素820および集束イオン・ビーム818を含む。イオン・ビーム818は、イオン源814から、カラム816内および概略的に820で示された静電偏向手段間を通り、基体822に向かって進む。基体822は、例えば下の室826内の可動X−Yステージ825上に配置された半導体デバイスを含む。
【0044】
ステージ825はさらに、1つまたは複数のTEM試料ホルダ824を、半導体デバイスから試料を抜き取り、TEM試料ホルダまで移動させることができるように支持することができる。ステージ825は、水平面(XおよびY軸)内を移動することができ、さらに垂直に(Z軸)移動することができることが好ましい。ステージ825はさらに約60度傾くことができ、Z軸の周りを回転することができる。いくつかの実施形態では、別個のTEM試料ステージ(図示せず)を使用することができる。このようなTEM試料ステージもX、YおよびZ軸に沿って可動であることが好ましい。扉861は、基体822をX−Yステージ825上に挿入するため、さらには、内部ガス供給リザーバが使用される場合にそれを保守するために開かれる。システムが真空下にある場合に開けることができないように、扉はインタロックされる。
【0045】
ネック部分812から排気するためにイオン・ポンプ868が使用される。室826は、真空コントローラ832の制御下にあるターボ分子・機械ポンピング・システム830によって排気される。この真空システムは、室826内において、約1×10-5パスカルから7×10-2パスカルの真空を提供する。エッチング支援ガス、エッチング遅延ガスまたは付着前駆体ガスが使用される場合、室のバックグラウンド圧力は、一般に約1.33×10-3パスカルまで上昇することがある。
【0046】
イオン・ビーム818にエネルギーを付与し、イオン・ビーム818を集束させるため、高圧電源が、イオン・ビーム集束カラム816内の電極に適当な加速電圧を印加する。イオン・ビーム818が基体822に衝突すると、試料から材料がスパッタリングされる、すなわち物理的に放出される。あるいは、イオン・ビーム818は、前駆体ガスを分解して材料を付着させることができる。
【0047】
約1keVから60keVのイオン・ビーム818を形成し、それを試料に向かって誘導するため、高圧電源834は、液体金属イオン源814とイオン・ビーム集束カラム816内の適当な電極とに接続される。パターン発生器838によって提供される規定のパターンに従って動作する偏向コントローラ・増幅器836が、偏向板820に結合され、それによってイオン・ビーム818を、基体822の上面の対応するパターンをたどるように手動または自動で制御することができる。当技術分野ではよく知られているように、いくつかのシステムでは、これらの偏向板が最後のレンズの前に置かれる。ブランキング・コントローラ(図示せず)が、イオン・ビーム集束カラム816内のビーム・ブランキング電極(図示せず)にブランキング電圧を印加すると、ブランキング電極は、イオン・ビーム818を、基体822ではなくブランキング・アパーチャ(図示せず)に衝突させる。
【0048】
液体金属イオン源814は一般にガリウムの金属イオン・ビームを提供する。この源は一般に、イオン・ミリング、強化エッチングまたは材料付着によって基体822を改変するために、あるいは基体822を画像化する目的で、基体822のところで幅1/10マイクロメートル未満のビームに集束することができる。
【0049】
2次イオンまたは2次電子の放出を検出するために使用されるエバーハート ソーンレイ(Everhart Thornley)、マルチチャネル・プレートなどの荷電粒子検出器840がビデオ回路842に接続され、ビデオ回路842はビデオ・モニタ844に駆動信号を供給し、ビデオ・モニタ844はシステム・コントローラ819から偏向信号を受け取る。下の室826内の荷電粒子検出器840の位置は、実施形態によって変更することができる。例えば、荷電粒子検出器840をイオン・ビームと同軸とし、荷電粒子検出器840が、イオン・ビームが通過することができる穴を含むことができる。他の実施形態では、最後のレンズを通して2次粒子を集め、次いでそれらの2次粒子を軸からそらして収集することができる。
【0050】
Omniprobe,Inc.社(米テキサス州Dallas)のAutoProbe 200(商標)、Kleindiek Nanotechnik社(ドイツReutlingen)のModel MM3Aなどのマイクロマニピュレータ847は、真空室内の物体を精密に移動させることができる。真空室内に位置する部分849のX、Y、Zおよびθ制御を提供するため、マイクロマニピュレータ847は、真空室の外側に置かれた精密電動機848を備えることができる。マイクロマニピュレータ847には、小さな物体を操作するさまざまなエンド・エフェクタを取り付けることができる。本明細書に記載された実施形態では、エンド・エフェクタが細いプローブ850である。
【0051】
ガス状の蒸気を導入し、基体822に向かって誘導するガス送達システム846が下の室826内へ延びる。本発明の譲受人に譲渡されたCasella他の「Gas Delivery Systems for Particle Beam Processing」という名称の米国特許第5,851,413号は適当なガス送達システム846を記載している。別のガス送達システムが、やはり本発明の譲受人に譲渡されたRasmussenの「Gas Injection System」のいう名称の米国特許第5,435,850号に記載されている。例えば、ヨウ素を送達してエッチングを強化することができ、または金属有機化合物を送達して金属を付着させることができる。
【0052】
システム・コントローラ819は、デュアル・ビーム・システム810のさまざまな部分の動作を制御する。システム・コントローラ819を介して、ユーザは、従来のユーザ・インタフェース(図示せず)にコマンドを入力することにより、イオン・ビーム818または電子ビーム843を、希望通りに走査することができる。あるいは、システム・コントローラ819は、記憶装置821に記憶されたプログラムされた命令に従ってデュアル・ビーム・システム810を制御することができる。いくつかの実施形態では、デュアル・ビーム・システム810が、画像認識ソフトウェアまたは上で論じたマシン・ビジョンを含む。
【0053】
実験例
一般的な生体試料に対して本発明の好ましい一実施形態を実行するための好ましいFIBパラメータの一例は、荒いミリングのビーム電流設定21nA、浄化ミリングの電流設定2.8nA、スライス・ミリングの電流設定460pAを含む。好ましいSEMパラメータは、ビーム加速電圧1kVおよび電流170pAを含む。
【0054】
これらのシステム設定を用いて実行した実験の間に、後方散乱電子(BSE)画像を集め、ディジタル方式でコントラスト値および輝度値を反転させた。画像水平フィールド幅(HFW)は25umであった。スライス厚は30nmとし、200〜300スライスを処理した。完了までに6〜8時間かかった。
【0055】
本発明を、イオン・ビーム・カラム811と電子ビーム・カラム841とを備える図8のデュアル・ビーム・システムに関して説明したが、参照によってその全体が本出願に組み込まれる2000年3月21日にCharles J.Libby他に付与された米国特許第6,039,000号に開示されている粒子ビーム・システムなど、チルティング・カラム(tilting column)またはワーク・ステージ・アセンブリ(work stage assembly)を有するシングル・ビーム・システムにおいて、本発明を具体化することもできることを当業者は理解するであろう。すなわち、ワーク・ステージ・アセンブリおよび単一粒子ビーム源を含み、ワークピースと相互作用する粒子ビーム・システムおよび方法を、本発明の実施形態に従って使用することができる。このような実施形態では、ワーク・ステージ・アセンブリが、a)ワークピースを支持し、b)第1の軸に沿って平行移動し、c)第1の軸に対して垂直な第2の軸に沿って平行移動し、d)第1の軸と第2の軸の両方に対して垂直な第3の軸を中心に回転するように適合される。ワーク・ステージ・アセンブリは、この第3の軸に実質的に平行なワーク・ステージ軸を有する。ワークピースと相互作用する粒子ビーム源は、ワーク・ステージ・アセンブリによって支持される。粒子ビーム源は粒子ビーム軸を有する。一実施形態では、第1の粒子ビーム軸が第3の軸とある角度をなすように、第1の粒子ビーム源の向きが決められる。他の実施形態では、粒子ビーム源を、第1の粒子ビーム軸が第3の軸と実質的に平行な第1の位置から、第1の粒子ビーム軸が第3の軸とある角度をなす第2の位置へ傾けることができる。したがって、この粒子ビーム・システムは、ワーク・ステージ軸を第3の軸からオフセットすることなく、ワークピースの垂直断面をエッチングし、画像化することができる。
【0056】
このように、本発明は、シングル・ビーム・システムにおいて具体化することができる。例えば、集束イオン・ビームを使用して、第1のスライスをミリングし、次いで、基体を保持しているワーク・ステージに関してイオン・ビーム・カラムを傾けることができる。第1のスライスのミリングに続いて、同じイオン・ビーム・カラムを使用して、集束イオン・ビームを異なる角度で誘導し、それによって第1のスライスの画像を形成することができる。あるいは、第1のスライスのミリングに続いて、イオン・ビーム・カラムに対して、基体を保持しているワーク・ステージを傾け、同じイオン・ビーム・カラムを使用して、集束イオン・ビームを異なる角度で誘導し、それによって第1のスライスの画像を形成することもできる。
【0057】
本発明の一実施形態は、荷電粒子ビーム・システムを使用してフィーチャを観察する方法を含む。この方法は、基体に向かって荷電粒子ビームを誘導して、基体内に、観察するフィーチャの部分を露出させる第1のスライスをミリングするステップを含む。この方法はさらに、第1のスライスに向かって荷電粒子ビームを誘導して、フィーチャの露出した部分のビーム画像を形成するステップを含む。この方法はさらに、フィーチャのビーム画像を分析して、フィーチャの追加の部分を露出させる後続のミリング操作のサイズおよび位置を決定するステップを含む。この方法はさらに、基体に向かって荷電粒子ビームを誘導して、後続のミリング操作を実行することによって、基体内に、第2のスライスをミリングするステップを含み、後続のミリング操作は、第1のスライスのサイズまたは向きとは異なるサイズまたは向きを有する第2のスライスを露出させ、かつ/あるいは後続のミリング操作は、イオン・ビームに対して垂直な方向に第1のスライスからオフセットした第2のスライスを生成することを含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、荷電粒子ビームが集束イオン・ビームを含む。他の実施形態では、荷電粒子ビームが電子ビームを含む。他の実施形態では、デュアル・ビーム・システムが使用され、第1の荷電粒子ビームを基体に向かって誘導することによって、第1のスライスがミリングされ、第2の荷電粒子ビームを基体に向かって誘導することによって、第1のスライスの前記ビーム画像が形成される。他の実施形態では、第1の荷電粒子ビームが集束イオン・ビームであり、第2の荷電粒子ビームが電子ビームである。
【0059】
いくつかの実施形態では、フィーチャのビーム画像を分析するステップが、周囲の基体材料に対するコントラスト、グレー・レベル、縁境界および/またはテクスチャを決定するステップを含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、この方法がさらに、フィーチャのビーム画像の分析に基づいて、基体の位置または向きを調整するステップを含む。さらに、基体に向かって荷電粒子ビームを誘導して、後続のミリング操作を実行するステップが、フィーチャの縦軸に対して垂直な断面を露出させるようにミリングするステップを含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、この方法がさらに、第2のスライスの領域までのビーム経路を遮る障害物が存在するかどうかを判定するステップと、障害物が存在すると判定されたことに応答して、障害物をミリングによって除去するステップとを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、この方法がさらに、第1のスライスまたは第2のスライスをミリングして、再付着した基体材料を除去するステップを含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、フィーチャのビーム画像を分析して、後続のミリング操作を決定するステップが、測定され、かつ/または記録された着目フィーチャの位置および/または寸法に基づいて、後続のスライス・アンド・ビューの繰返しにおける着目フィーチャの位置および/または寸法を予測するステップを含む。この分析ステップはさらに、後続の繰返しのために、荷電粒子ビーム・パラメータシステムに対して実施すべき調整がある場合に、どの調整を実施すべきかを判定し、かつ/または後続の繰返しのために、ビームに関する試料位置に対して調整がある場合に、どの調整を実施すべきかを判定するステップを含む。この分析ステップはさらに、予測した位置および/または寸法に従って、後続のスライス・アンド・ビューの繰返しを実行するために、判定ステップに基づいて、荷電粒子ビーム・パラメータを調整し、かつ/または試料位置を調整するステップを含む。この分析ステップはさらに、後続のスライス・アンド・ビューの繰返しを実行するステップを含む。以上のステップは、トリガ事象に到達するまでを繰り返し実行することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、これらのステップが、手動介入なしで自動的に実行される。
【0065】
いくつかの実施形態では、少なくとも、フィーチャの位置を突き止めるステップが、マシン・ビジョンを使用することによって、フィーチャの位置を自動的に突き止めるステップを含み、少なくとも、測定し、予測し、判定するステップが、コンピュータ上で動作するソフトウェアによって自動的に実行される。
【0066】
いくつかの実施形態では、この方法がさらに、電子ビームと切削されたフェースの間に、切削されたフェースを画像化するための障害物のない経路が存在するかどうか、または後続のスライス繰返しにおいてそのような経路が存在するかどうかを判定するステップと、障害物のない経路が存在しないと判定された場合に、デュアル・ビーム・システムの集束イオン・ビームによって障害物のない経路を形成するステップとを含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、この方法がさらに、FIBによって障害物のない経路を形成する前記ステップによって切削されたフェース上に再付着した材料を除去する浄化ステップを含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、ビーム・パラメータまたは試料位置に対して実施すべき調整がある場合に、どの調整を実施すべきかを判定するステップが、着目フィーチャの幅の300%よりも少ない幅を有するスライス・ミリングする領域を決定するステップを含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、スライス・ミリングされることが決定した領域が、着目フィーチャの幅の200%よりも少ない幅を有する。
【0070】
いくつかの実施形態では、スライス・ミリングされることが決定した領域が、着目フィーチャの幅の150%よりも少ない幅を有する。
【0071】
本発明の他の実施形態は、デュアル荷電粒子ビームを使用してフィーチャを観察する装置を含み、この装置は、イオン・ビームを生成し、集束させ、誘導するイオン・ビーム・カラムと、電子ビームを生成し、集束させ、誘導する電子ビーム・カラムと、電子ビームおよびイオン・ビームの動作を制御するコントローラとを含む。このコントローラは、コンピュータ命令を記憶した記憶装置を含む。記憶されたコンピュータ命令を実行したときに、このコントローラは、この装置が基体に向かってイオン・ビームを誘導し、観察するフィーチャの部分を露出させる第1のスライスを基体内にミリングするようにする。このコントローラはさらに、この装置が、第1のスライスに向かって電子ビームを誘導し、フィーチャの露出した部分の電子ビーム画像を形成するようにする。このコントローラはさらに、この装置が、フィーチャの電子ビーム画像を分析し、フィーチャの追加の部分を露出させる後続のミリング操作のサイズおよび位置を決定するようにする。このコントローラはさらに、この装置が、基体に向かってイオン・ビームを誘導して、後続のミリング操作を実行することによって、基体内に第2のスライスをミリングするようにし、後続のミリング操作は、第1のスライスのサイズまたは向きとは異なるサイズまたは向きを有する第2のスライスを露出させ、および/あるいは後続のミリング操作は、イオン・ビームに対して垂直な方向に第1のスライスからオフセットした第2のスライスを生成する。
【0072】
いくつかの実施形態では、フィーチャの電子ビーム像を分析するための記憶されたコンピュータ命令が、周囲の基体材料に対するフィーチャのコントラスト、グレー・レベル、縁境界および/またはテクスチャを決定するための記憶されたコンピュータ命令を含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、フィーチャの電子ビーム像を分析するための記憶されたコンピュータ命令が、フィーチャの中心に対応する座標値を割り当てるための記憶されたコンピュータ命令を含む。
【0074】
本発明の他の実施形態は、荷電粒子ビームを使用してフィーチャを観察する装置を含む。この装置は、荷電粒子ビームを生成し、集束させ、誘導する荷電粒子ビーム・カラムと、基体を支持するワーク・ステージ・アセンブリと、荷電粒子ビームの動作を制御するコントローラとを含む。このコントローラは、基体に向かって荷電粒子ビームを誘導して、観察するフィーチャの部分を露出させる第1のスライスを基体内にミリングするステップと、第1のスライスに向かって荷電粒子ビームを誘導して、フィーチャの露出した部分のビーム画像を形成するステップと、フィーチャのビーム画像を分析して、フィーチャの追加の部分を露出させる後続のミリング操作のサイズおよび位置を決定するステップと、基体に向かって荷電粒子ビームを誘導して、後続のミリング操作を実行することによって、基体内に、第2のスライスをミリングするステップとをこの装置が実行するようにする記憶されたコンピュータ命令を含むコンピュータ可読記憶装置を含み、後続のミリング操作は、第1のスライスのサイズまたは向きとは異なるサイズまたは向きを有する第2のスライスを露出させ、かつ/あるいは後続のミリング操作は、イオン・ビームに対して垂直な方向に第1のスライスからオフセットした第2のスライスを生成する。
【0075】
いくつかの実施形態では、荷電粒子ビーム・カラムに対してワーク・ステージ・アセンブリを移動させることによって、基体と荷電粒子ビームの間の角度を変更することができる。他の実施形態では、ワーク・ステージ・アセンブリに対してイオン・ビーム・カラムを移動させることによって、基体と荷電粒子ビームの間の角度を変更することができる。
【0076】
本発明の実施形態および本発明の利点を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更、置換および改変を実施することができることを理解されたい。例えば、記載した例では、一般的なスライス・アンド・ビュー手順とともに本発明を使用することを示したが、本明細書に記載した方法および装置の代替実施態様は、荒くミリングするためのレーザおよび薄くスライシングするためのeビーム・ケミストリを使用することができる。さらに、FIBとSEMの間の角度を、例えば45〜54度など、52度以外の角度にすることができることも、本発明の範囲に含まれると考えられる。さらに、本出願の範囲が、本明細書に記載された工程、機械、製造、組成物、手段、方法およびステップの特定の実施形態に限定されることは意図されていない。当業者なら本発明の開示から容易に理解するように、本明細書に記載された対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行し、または実質的に同じ結果を達成する既存のまたは今後開発される工程、機械、製造、組成物、手段、方法またはステップを、本発明に従って利用することができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内に、このような工程、機械、製造、組成物、手段、方法またはステップを含むことが意図されている。
【符号の説明】
【0077】
810 デュアル・ビーム・システム
811 集束イオン・ビーム(FIB)システム
816 集束カラム
819 システム・コントローラ
820 偏向要素
824 TEM試料ホルダ
825 X−Yステージ
830 ターボ分子・機械ポンピング・システム
832 真空コントローラ
834 高圧電源
836 偏向コントローラ・増幅器
838 パターン発生器
840 2次電子検出器
841 走査型電子顕微鏡
842 ビデオ回路
844 ビデオ・モニタ
845 電源・制御ユニット
846 ガス送達システム
868 イオン・ポンプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子ビーム・システムを使用してフィーチャを観察する方法であって、
基体に向かって荷電粒子ビームを誘導して、前記基体内に、観察する前記フィーチャの部分を露出させる第1のスライスをミリングするステップと、
前記第1のスライスに向かって前記荷電粒子ビームを誘導して、前記フィーチャの露出した前記部分のビーム画像を形成するステップと、
前記フィーチャの前記ビーム画像を分析して、前記フィーチャの追加の部分を露出させる後続のミリング操作のサイズおよび位置を決定するステップと、
前記基体に向かって前記荷電粒子ビームを誘導して、前記後続のミリング操作を実行することによって、前記基体内に、第2のスライスをミリングするステップと
を含み、
前記後続のミリング操作が、前記第1のスライスのサイズまたは向きとは異なるサイズまたは向きを有する前記第2のスライスを露出させ、および/あるいは前記後続のミリング操作が、前記イオン・ビームに対して垂直な方向に前記第1のスライスからオフセットした第2のスライスを生成する
方法。
【請求項2】
前記荷電粒子ビームが集束イオン・ビームを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記荷電粒子ビームが電子ビームを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1の荷電粒子ビームを基体に向かって誘導することによって、前記第1のスライスがミリングされ、第2の荷電粒子ビームを基体に向かって誘導することによって、前記第1のスライスの前記ビーム画像が形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の荷電粒子ビームが集束イオン・ビームを含み、前記第2の荷電粒子ビームが電子ビームを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記フィーチャの前記電子ビーム画像を分析する前記ステップが、周囲の基体材料に対するコントラスト、グレー・レベル、縁境界および/またはテクスチャを決定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記フィーチャの前記ビーム画像を分析する前記ステップに基づいて、前記基体の位置または向きを調整するステップをさらに含み、基体に向かって前記荷電粒子ビームを誘導して、前記後続のミリング操作を実行する前記ステップが、前記フィーチャの縦軸に対して垂直な断面を露出させるようにミリングするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のスライスの領域までの荷電粒子ビーム経路を遮る障害物が存在するかどうかを判定するステップと、
障害物が存在すると判定されたことに応答して、前記障害物をミリングによって除去するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のスライスまたは前記第2のスライスをミリングして、再付着した基体材料を除去するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記フィーチャの前記ビーム画像を分析して、後続のミリング操作を決定する前記ステップが、
測定され、および/または記録された着目フィーチャの位置および/または寸法に基づいて、後続のスライス・アンド・ビューの繰返しにおける着目フィーチャの位置および/または寸法を予測するステップと、
前記後続の繰返しのために、荷電粒子ビーム・パラメータに対して調整がある場合に、どの調整を実施すべきかを判定し、および/または前記後続の繰返しのために、前記荷電粒子ビームに関する試料位置に対して調整がある場合に、どの調整を実施すべきかを判定するステップと、
予測した位置および/または寸法に従って、前記後続のスライス・アンド・ビューの繰返しを実行するために、前記判定ステップに基づいて、荷電粒子ビーム・パラメータを調整し、および/または試料位置を調整するステップと、
前記後続のスライス・アンド・ビューの繰返しを実行するステップと、
トリガ事象に到達するまで、上記のステップを繰り返し実行するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ステップが、手動介入なしで自動的に実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも、前記フィーチャの位置を突き止めるステップが、マシン・ビジョンを使用することによって、前記フィーチャの位置を自動的に突き止めるステップを含み、少なくとも、測定し、予測し、判定するステップが、コンピュータ上で動作するソフトウェアによって自動的に実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ビーム・パラメータまたは試料位置に対して調整がある場合に、どの調整を実施すべきかを判定する前記ステップが、着目フィーチャの幅の300%よりも少ない幅を有する領域であって、スライス・ミリングする領域を決定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
スライス・ミリングすることが決定した前記領域が、着目フィーチャの幅の200%よりも少ない幅を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
スライス・ミリングすることが決定した前記領域が、着目フィーチャの幅の150%よりも少ない幅を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
荷電粒子ビームを使用してフィーチャを観察する装置であって、
イオン・ビームを生成し、集束させ、誘導する荷電粒子ビーム・カラムと、
基体を支持するワーク・ステージ・アセンブリと、
電子ビームおよび前記イオン・ビームの動作を制御するコントローラと
を含み、前記コントローラが、
前記基体に向かってイオン・ビームを誘導して、前記基体内に、観察する前記フィーチャの部分を露出させる第1のスライスをミリングし、
前記基体に向かって前記荷電粒子ビームを誘導して、前記基体内に、観察する前記フィーチャの部分を露出させる第1のスライスをミリングし、
前記第1のスライスに向かって前記荷電粒子ビームを誘導して、前記フィーチャの露出した前記部分のビーム画像を形成し、
前記フィーチャの前記ビーム画像を分析して、前記フィーチャの追加の部分を露出させる後続のミリング操作のサイズおよび位置を決定し、
前記基体に向かって前記荷電粒子ビームを誘導して、前記後続のミリング操作を実行することによって、前記基体内に、第2のスライスをミリングする
記憶されたコンピュータ命令を含むコンピュータ可読記憶装置を含み、
前記後続のミリング操作が、前記第1のスライスのサイズまたは向きとは異なるサイズまたは向きを有する前記第2のスライスを露出させ、かつ/あるいは前記後続のミリング操作が、前記イオン・ビームに対して垂直な方向に前記第1のスライスからオフセットした第2のスライスを生成する
装置。
【請求項17】
前記荷電粒子ビーム・カラムに対して前記ワーク・ステージ・アセンブリを移動させることによって、および/または前記ワーク・ステージ・アセンブリに対して前記荷電粒子ビーム・カラムを移動させることによって、前記基体と前記荷電粒子ビームの間の角度を変更することができる、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記荷電粒子ビームが集束イオン・ビームまたは電子ビームを含む、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
第1の荷電粒子ビーム・カラムおよび第2の荷電粒子ビーム・カラムをさらに含み、前記第1の荷電粒子ビーム・カラムを使用して第1の荷電粒子ビームを基体に向かって誘導することによって、前記第1のスライスがミリングされ、前記第2の荷電粒子ビーム・カラムを使用して第2の荷電粒子ビームを基体に向かって誘導することによって、前記第1のスライスの前記ビーム画像が形成される、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記第1の荷電粒子ビーム・カラムが集束イオン・ビーム・カラムを含み、前記第1の荷電粒子ビームが集束イオン・ビームを含み、前記第2の荷電粒子ビーム・カラムが電子ビーム・カラムを含み、前記第2の荷電粒子ビームが電子ビームを含む、請求項19に記載の装置。
【請求項1】
荷電粒子ビーム・システムを使用してフィーチャを観察する方法であって、
基体に向かって荷電粒子ビームを誘導して、前記基体内に、観察する前記フィーチャの部分を露出させる第1のスライスをミリングするステップと、
前記第1のスライスに向かって前記荷電粒子ビームを誘導して、前記フィーチャの露出した前記部分のビーム画像を形成するステップと、
前記フィーチャの前記ビーム画像を分析して、前記フィーチャの追加の部分を露出させる後続のミリング操作のサイズおよび位置を決定するステップと、
前記基体に向かって前記荷電粒子ビームを誘導して、前記後続のミリング操作を実行することによって、前記基体内に、第2のスライスをミリングするステップと
を含み、
前記後続のミリング操作が、前記第1のスライスのサイズまたは向きとは異なるサイズまたは向きを有する前記第2のスライスを露出させ、および/あるいは前記後続のミリング操作が、前記イオン・ビームに対して垂直な方向に前記第1のスライスからオフセットした第2のスライスを生成する
方法。
【請求項2】
前記荷電粒子ビームが集束イオン・ビームを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記荷電粒子ビームが電子ビームを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1の荷電粒子ビームを基体に向かって誘導することによって、前記第1のスライスがミリングされ、第2の荷電粒子ビームを基体に向かって誘導することによって、前記第1のスライスの前記ビーム画像が形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の荷電粒子ビームが集束イオン・ビームを含み、前記第2の荷電粒子ビームが電子ビームを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記フィーチャの前記電子ビーム画像を分析する前記ステップが、周囲の基体材料に対するコントラスト、グレー・レベル、縁境界および/またはテクスチャを決定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記フィーチャの前記ビーム画像を分析する前記ステップに基づいて、前記基体の位置または向きを調整するステップをさらに含み、基体に向かって前記荷電粒子ビームを誘導して、前記後続のミリング操作を実行する前記ステップが、前記フィーチャの縦軸に対して垂直な断面を露出させるようにミリングするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のスライスの領域までの荷電粒子ビーム経路を遮る障害物が存在するかどうかを判定するステップと、
障害物が存在すると判定されたことに応答して、前記障害物をミリングによって除去するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のスライスまたは前記第2のスライスをミリングして、再付着した基体材料を除去するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記フィーチャの前記ビーム画像を分析して、後続のミリング操作を決定する前記ステップが、
測定され、および/または記録された着目フィーチャの位置および/または寸法に基づいて、後続のスライス・アンド・ビューの繰返しにおける着目フィーチャの位置および/または寸法を予測するステップと、
前記後続の繰返しのために、荷電粒子ビーム・パラメータに対して調整がある場合に、どの調整を実施すべきかを判定し、および/または前記後続の繰返しのために、前記荷電粒子ビームに関する試料位置に対して調整がある場合に、どの調整を実施すべきかを判定するステップと、
予測した位置および/または寸法に従って、前記後続のスライス・アンド・ビューの繰返しを実行するために、前記判定ステップに基づいて、荷電粒子ビーム・パラメータを調整し、および/または試料位置を調整するステップと、
前記後続のスライス・アンド・ビューの繰返しを実行するステップと、
トリガ事象に到達するまで、上記のステップを繰り返し実行するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ステップが、手動介入なしで自動的に実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも、前記フィーチャの位置を突き止めるステップが、マシン・ビジョンを使用することによって、前記フィーチャの位置を自動的に突き止めるステップを含み、少なくとも、測定し、予測し、判定するステップが、コンピュータ上で動作するソフトウェアによって自動的に実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ビーム・パラメータまたは試料位置に対して調整がある場合に、どの調整を実施すべきかを判定する前記ステップが、着目フィーチャの幅の300%よりも少ない幅を有する領域であって、スライス・ミリングする領域を決定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
スライス・ミリングすることが決定した前記領域が、着目フィーチャの幅の200%よりも少ない幅を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
スライス・ミリングすることが決定した前記領域が、着目フィーチャの幅の150%よりも少ない幅を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
荷電粒子ビームを使用してフィーチャを観察する装置であって、
イオン・ビームを生成し、集束させ、誘導する荷電粒子ビーム・カラムと、
基体を支持するワーク・ステージ・アセンブリと、
電子ビームおよび前記イオン・ビームの動作を制御するコントローラと
を含み、前記コントローラが、
前記基体に向かってイオン・ビームを誘導して、前記基体内に、観察する前記フィーチャの部分を露出させる第1のスライスをミリングし、
前記基体に向かって前記荷電粒子ビームを誘導して、前記基体内に、観察する前記フィーチャの部分を露出させる第1のスライスをミリングし、
前記第1のスライスに向かって前記荷電粒子ビームを誘導して、前記フィーチャの露出した前記部分のビーム画像を形成し、
前記フィーチャの前記ビーム画像を分析して、前記フィーチャの追加の部分を露出させる後続のミリング操作のサイズおよび位置を決定し、
前記基体に向かって前記荷電粒子ビームを誘導して、前記後続のミリング操作を実行することによって、前記基体内に、第2のスライスをミリングする
記憶されたコンピュータ命令を含むコンピュータ可読記憶装置を含み、
前記後続のミリング操作が、前記第1のスライスのサイズまたは向きとは異なるサイズまたは向きを有する前記第2のスライスを露出させ、かつ/あるいは前記後続のミリング操作が、前記イオン・ビームに対して垂直な方向に前記第1のスライスからオフセットした第2のスライスを生成する
装置。
【請求項17】
前記荷電粒子ビーム・カラムに対して前記ワーク・ステージ・アセンブリを移動させることによって、および/または前記ワーク・ステージ・アセンブリに対して前記荷電粒子ビーム・カラムを移動させることによって、前記基体と前記荷電粒子ビームの間の角度を変更することができる、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記荷電粒子ビームが集束イオン・ビームまたは電子ビームを含む、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
第1の荷電粒子ビーム・カラムおよび第2の荷電粒子ビーム・カラムをさらに含み、前記第1の荷電粒子ビーム・カラムを使用して第1の荷電粒子ビームを基体に向かって誘導することによって、前記第1のスライスがミリングされ、前記第2の荷電粒子ビーム・カラムを使用して第2の荷電粒子ビームを基体に向かって誘導することによって、前記第1のスライスの前記ビーム画像が形成される、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記第1の荷電粒子ビーム・カラムが集束イオン・ビーム・カラムを含み、前記第1の荷電粒子ビームが集束イオン・ビームを含み、前記第2の荷電粒子ビーム・カラムが電子ビーム・カラムを含み、前記第2の荷電粒子ビームが電子ビームを含む、請求項19に記載の装置。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2011−215135(P2011−215135A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−54411(P2011−54411)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(501419107)エフ・イ−・アイ・カンパニー (78)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54411(P2011−54411)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(501419107)エフ・イ−・アイ・カンパニー (78)
【Fターム(参考)】
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