フィードバック及びコンプライアンス装置を含む呼吸医薬供給装置
呼吸医薬供給装置(2)は、出口(30)を有する薬品保管及び供給装置(8)と、薬品保管及び供給装置に結合されるフィードバック及びコンプライアンス装置(32)とを含む。フィードバック及びコンプライアンス装置は、開口を含み、薬品保管及び供給装置の出口は、その開口を通じて受け入れられる。フィードバック及びコンプライアンス装置は、(i)1つ又はそれよりも多くのセンサ(46,52,54,56)と、(ii)1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置(48,50,62)と、(iii)処理ユニット(42)とを含み、1つ又はそれよりも多くのセンサの各々は、薬品保管及び供給装置の作動によって導入される薬品の流れを変更又は妨害せずに、呼吸医薬供給装置の使用に関するパラメータを感知するよう構成され、処理装置は、1つ又はそれよりも多くのセンサの少なくとも1つのセンサの出力に基づき1つ又はそれよりも多くのフィードバック及びコンプライアンス装置に呼吸医薬供給装置の使用に関するフィードバック情報を患者に提供させるようプログラムされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は呼吸医薬を患者に供給するための装置に関し、具体的には、特に患者が呼吸医薬供給装置を使用して自分で定期的に治療することを必要とする状況において、呼吸医薬供給装置の使用に関するフィードバックを患者にもたらすフィードバック及びコンプライアンス装置(feedback and compliance device)を含む呼吸医薬供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸医薬供給装置を使用して病状を治療するために患者の呼吸系に薬品を供給することは周知である。例えば、霧状ミストの形態のアルブテロール(サルブタモール)のような気管支拡張薬を患者の呼吸系に供給するために、急性喘息発作を患う患者が呼吸医薬供給装置を使用し得る。
【0003】
1つの既知の呼吸医薬供給装置は、計量投与量吸入器(MDI)と、スペーサ又は弁付き保持チャンバとで構成される。単に「吸入器」としても知られるMDIは、加圧下の薬品を収容するキャニスタ又はネブライザ(噴霧器)と、一般的にはブートと呼ばれるキャニスタホルダとを含み、キャニスタホルダは、典型的には「L」形状である。患者が煙霧状薬品をブートのエアロゾル(aerosol)計量分配脚部から直接的に気道内に受け入れるためのマウスピースとしてブートを使用するのは一般的であるが、この構造は薬品と空気の混合を最適化し得ない。何故ならば、煙霧状薬品は気道内に直接的に噴射されるからである。医薬が空気と十分に混合されなければ、薬品を患者の効果的な肺内に吸入し得ず、患者の口内に堆積され且つ所望の医学的効果を伴わずに飲み込まれる液滴のようになり得る。
【0004】
薬品と空気との混合を強化するために、一般的に弁付き保持チャンバとも呼ばれるスペーサを設けることが知られており、スペーサはブートのエアロゾル計量分配端部に取り付けられる。スペーサは、下流端部に一方向弁を備える小さな中空のシリンダであるのが典型的であり、キャニスタからエアロゾルを受け入れ、患者の気道内への吸入のためにエアロゾルが霧状ミストになるのを可能にする。選択的に、薬品を受け入れるために患者が自分の口を通じて呼吸し得るよう、MDIと反対側のスペーサの端部にマスクを設け得る。従来的なスペーサ及び関連構成部品の実施例が、Nowacki et al.に発効した米国特許第4,470,412号、4,809,692号、及び、4,832,015号、Foley et al.に発効した米国特許第5,012,803号、Foleyに発効した米国特許第5,042,467号、Smithに発効した米国特許第5,385,140号、Foley et al.に発効した米国特許第5,848,599号、並びに、Schmidt et al.に発効した米国特許第6,557,549号に示されている。他の既知の呼吸医薬供給装置は、乾燥粉末吸入器(DPI)及びネブライザを含む。
【0005】
呼吸医薬供給装置のような医療装置の適切な使用は本質的であり、病状を管理するために患者が自分で規則的に治療することを必要とする状況において特にそうである。これは患者が呼吸医薬供給装置を典型的に備え且つ患者が呼吸医薬供給装置を使用して病状を自己管理することが期待される状況において頻繁に当て嵌まる。普通、呼吸薬品を適切に自己投与するために、医療専門家は呼吸医薬供給装置をどのように使用するかについての初期教育を患者に提供する。理解されるように、この訓練の方法の有効性は、医療専門家の知識及び技能レベル並びにこの医療専門家が患者と費やす時間の量に概ね基づくが、それはしばしば限定的である。
【0006】
呼吸医薬供給の領域では、MDI又は弁付き保持チャンバを備えるMDIのような呼吸医薬供給装置を使用した薬品の適切な投与に関する医療専門家の知識レベルを定量化するための数多くの評価が行われた。残念なことに、そのような評価は励みになるものではなかった。医療専門家を巻き込む1つの具体的な研究は、MDIのみの使用のための適切なステップを正しく完了した参加者の割合が67.6%であり、スペーサを具備するMDIの使用のための適切なステップを正しく完了した参加者の割合が49.9%であり、ネブライザの使用のための適切なステップを正しく完了した参加者の割合が38%であることを示した。この研究はLaura T. Scarpaci, Pharm.D.による”Assessment of Hospice Nurses’ Technique in the Use of Inhalers and Nebulizers,” Palliative Medicine Vol. 10, No. 2, 2007において報告された。MDI及びスペーサ使用に関する病院環境における医療専門家に向けられた他の研究は、5%だけがMDIを完全に使用したことを示した。これは講義及び実演の後に13%に向上し、集中的な1対1セッションの後に73%に向上した。この研究はM. Lee-Wongによる”Results of a Programe to Improve House Staff Use of Metered Dose Inhalers and Spacers,” Post Graduate Medical Journal, Vol. 79, pages 221-225, 2003において報告された。
【0007】
MDIのみを使用した薬品の投与に関する患者の知識レベルを定量化するための他の研究が行われた。その結果は参加者の28〜68%がそれらのMDIを効果的に使用しなかったことを示した。加えて、MDIを使用することにおいて、患者の読解レベルが不適切な技法に相関した。具体的には、正しく遂行されたステップが3つ以下であることが明らかにされた不満足な技法は、小学校3年生レベルで読解する患者の89%及び高校レベルで読解する患者の48%に見出された。この研究はJames B. Finkによる”Problem with Inhaler Use: A call for Improved Clinician and Patient Education,” Respiratory Care, Vol. 50, No. 10, September 2005において報告された。
【0008】
その上、呼吸医薬供給装置のような医療装置は、典型的には、一組の書面の指示書を備える。しかしながら、多くの場合において、そのような指示書は患者によって読まれず、調べられず、且つ/或いは、装置の使用中に使用されない(患者は指示書を廃棄するか或いは指示書を装置自体とは別に保管し得る)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
よって、患者による装置の適切な使用を奨励することによって治療を増進する呼吸医薬供給装置のための長年に亘る切実な未解決の必要があることは明らかである。呼吸疾患管理の場合に良く当て嵌まるように、これは患者が保健専門家の監視から離れて自己治療することを必要とする状況において特に当て嵌まる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの実施態様では、呼吸医薬供給装置が提供され、呼吸医薬供給装置は、計量投与量吸入器(metered dose inhaler)、乾燥粉末吸入器、又は、水性液計量分配システムのような薬品貯蔵及び供給装置を含み、出口と、薬品保管及び供給装置に結合されるフィードバック及びコンプライアンス装置とを有する。フィードバック及びコンプライアンス装置は、開口を有し、薬品保管及び供給装置の出口は、開口を通じて受け入れられる。フィードバック及びコンプライアンス装置は、(i)1つ又はそれよりも多くのセンサと、(ii)1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置と、(iii)処理装置とを含み、1つ又はそれよりも多くのセンサの各々は、薬品保管及び供給装置の作動によって導入される薬品の流れを変更又は妨害せずに、呼吸医薬供給装置の使用に関するパラメータを感知するよう構成され、処理装置は、1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置に、1つ又はそれよりも多くのセンサの少なくとも1つのセンサの出力に基づき呼吸医薬供給装置の使用に関するフィードバック情報を患者に提供させるようプログラムされる。フィードバック情報は、可聴、視覚的、若しくは、触覚的、又は、それらの任意の組み合わせであり得る。
【0011】
他の実施態様では、薬品保管及び供給装置を含む呼吸医薬供給装置の適切な使用を奨励する方法が提供される。当該方法は、フィードバック及びコンプライアンス装置を提供することを含み、フィードバック及びコンプライアンス装置は、1つ又はそれよりも多くのセンサを含み、1つ又はそれよりも多くのセンサの各々は、薬品保管及び供給装置の作動によって導入される薬品の流れを変更又は妨害せずに、呼吸医薬供給装置の使用に関するパラメータを感知するよう構成され、当該方法は、薬品保管及び供給装置の出口をフィードバック及びコンプライアンス装置内に設けられる開口を通じて挿入することによって、薬品保管及び供給装置をフィードバック及びコンプライアンス装置に結合することを含み、当該方法は、1つ又はそれよりも多くのセンサのうちの少なくとも1つのセンサの出力に基づき、呼吸医薬供給装置の使用に関するフィードバック情報を患者に提供することを含む。
【0012】
本発明のこれらの及び他の目的、機能、及び、特徴、並びに、構造の関連素子の動作方法及び機能、部品の組み合わせ、及び、製造経済は、添付の図面を参照して以下の記載及び付属の請求項を検討した後により明らかになるであろう。それらの全ては、本出願の一部を形成し、類似の参照番号は、様々な図面中の対応する部分を指している。しかしながら、図面は例示及び記載の目的のためだけであり、本発明の限界を定めるものとして意図されていないことが、明示的に理解されるべきである。明細書及び請求項中で使用されるとき、不定冠詞及び定冠詞の単数形は、文脈が明らかにその他を指図しない限り、複数の参照を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の1つの具体的な実施態様に従った呼吸医薬供給装置を前方から示す等角図である。
【図2】本発明の1つの具体的な実施態様に従った呼吸医薬供給装置を後方から示す等角図である。
【図3】患者の口内に挿入された図1及び2の呼吸医薬供給装置を示す側断面図である。
【図4】1つの具体的な実施態様に従った図1及び2の呼吸医薬供給装置のフィードバック及びコンプライアンス装置を示すブロック図である。
【図5】呼吸医薬供給装置の動作の様々な局面を例示する患者の口内に挿入された図1及び2の呼吸医薬供給装置を示す側断面図である。
【図6】呼吸医薬供給装置の動作の様々な局面を例示する患者の口内に挿入された図1及び2の呼吸医薬供給装置を示す側断面図である。
【図7】呼吸医薬供給装置の動作の様々な局面を例示する患者の口内に挿入された図1及び2の呼吸医薬供給装置を示す側断面図である。
【図8A】本発明の1つの具体的な非限定的な実施態様に従った図1乃至7の呼吸医薬供給装置の動作を示すフローチャートである。
【図8B】本発明の1つの具体的な非限定的な実施態様に従った図1乃至7の呼吸医薬供給装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の他の具体的な実施態様に従った呼吸医薬供給装置を前方から示す等角図である。
【図10】本発明の代替的な例示的な実施態様に従った呼吸医薬供給装置を前方から示す等角図である。
【図11】本発明の代替的な例示的な実施態様に従った呼吸医薬供給装置を後方から示す等角図である。
【図12】図10及び11の呼吸医薬供給装置を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
例えば、並びに、無制限に、頂部、底部、左、右、上方、下方、前方、後方、及び、それらの派生語のような、ここで使用される方向表現は、図面に示される素子の向きに関し、請求項中で明示的に引用されない限り、請求項を限定しない。
【0015】
ここで使用されるとき、2つ又はそれよりも多くの部分(部品)又は構成部品が共に「結合される」という言い方は、それらの部品が直接的に或いは1つ又はそれよりも多くの中間の部分又は構成部品を通じて接合され或いは共に動作することを意味する。
【0016】
ここで使用されるとき、2つ又はそれよりも多くの部分(部品)又は構成部品が互いに「係合する」という言い方は、それらの部分が直接的に或いは1つ又はそれよりも多くの中間の部分又は構成部品を通じて互いに力を加え合うことを意味する。
【0017】
ここで使用されるとき、「数」という用語は、1又は1よりも大きい整数(即ち、複数)を意味する。
【0018】
図1及び2は、それぞれ、本発明の1つの具体的な実施態様に従った呼吸医薬供給装置2の前方及び後方の等角図である。図3は、患者4の口内に挿入された呼吸医薬供給装置(respiratory drug delivery apparatus)2の側断面図である。呼吸医薬供給装置2は、弁付き保持チャンバ6を含み、弁付き保持チャンバ6は、本明細書中の他の場所に記載するようなブート12内に受け入れられるキャニスタ10を有する計量投与量吸入器(MDI)8との関係で使用されるよう構成されている。弁付き保持チャンバ6は、概ね円筒形の主チャンバ14を含み、主チャンバ14は、その前方端部に結合される弾性ダックビル弁のような一方向弁16(図3)を有する。1つの例示的な実施態様において、主チャンバ14は透明な帯電防止材料から成る。加えて、マウスピース組立体18が主チャンバ14の前方端部に結合され、呼吸医薬供給装置2の使用中に患者4の舌内に受け入れられるよう構成されるマウスピース(口金)と、マウスピースに動作的に結合される吸入弁素子22とを含み、吸入弁素子22は、例示の実施態様では、フラップ吸入弁の形態にある。
【0019】
呼吸医薬供給装置2は、二部MDIアダプタ24を更に含み、二部MDIアダプタ24は、マウスピース組立体18と反対側の主チャンバ14の端部(即ち、後方端部)に取り外し可能に取り付けられるよう構成される。二部MDIアダプタ24は、MDI8を受け入れ且つ保持するよう構成される。二部MDIアダプタ24は、例えば、主チャンバ14の後方端部に選択的に取り付け可能であるよう構成される硬化プラスチック又は何らかの他の適切な剛性材料から成る、剛的なエンドキャップ26を含む。二部MDIアダプタ24は、他の適切な材料の中でも、シリコン、ゴム、TPE、又は、フォームのような可撓な材料から成る、可撓な内側部分28を更に含む。内側部分28はエンドキャップ26内に受け入れられ且つエンドキャップ26によって保持されるよう構成され、内側部分を洗浄し且つ/或いは損傷時に交換し得るよう内側部分28を取り外し可能に作製し得るし、或いは、代替的に、外側被覆プロセスのようなプロセスによって、内側部分28をエンドキャップ26に恒久的に固定し得る。可撓な内側部分28は、MDI8のブート12の出口30を受け入れるよう構成される孔を定める壁を含む。内側部分28の可撓性は、内側部分が異なる形状及び大きさのMDIを保持するのを可能にする。
【0020】
当該技術分野において既知であるように、本発明の1つの具体的な実施態様との関係においてここにより詳細に記載するように、弁付き保持チャンバ6が患者4によって使用されるとき、患者4はMDI8及び弁付き保持チャンバ6を振り動かし(shake)、マウスピース20を患者の口内に挿入し、肺の気体を少なくとも部分的に空にするために息を吐き出す。吐き出された気体は、吐出弁素子22の動作を通じて、吐出弁素子22によって覆われる1つ又はそれよりも多くの吐出ポートを通じて、マウスピース組立体18内から周囲環境に流れることが可能にされる。そのような気体は、主チャンバ14内に設けられる一方向吸入弁16の動作の結果として、主チャンバ14の内部に流入することが許容されない。吐出に続き、ある投与量の(エアロゾル柱の形態にある)薬品を主チャンバ14内に吹き付けさせるために、患者4はMDI8を作動し、然る後、吸入を開始する。吸入中、一方向吸入弁16は、(主チャンバ14内で空気と混合される)薬品を患者4の肺内に堆積し得るよう、主チャンバ14内からマウスピース組立体18内に至りマウスピース20を通じて外に出る流体流を許容する。具体的な患者の必要に依存して、このプロセスを1回又は数回反復し得る。
【0021】
呼吸医薬供給装置2は、MDIアダプタ24の後方端部に取り外し可能に結合されるフィードバック及びコンプライアンス装置(feedback and compliance device)32を更に含む。機械的な接続機構又は接着材によってフィードバック及びコンプライアンス装置32をMDIアダプタ24の後方端部に結合し得る。例えば、図9は、機械的接続機構を使用してフィードバック及びコンプライアンス装置32をMDIアダプタ24の後方端部に選択的に結合し得る1つの具体的な実施態様を示しており、機械的接続機構は、フィードバック及びコンプライアンス装置32から延びるコネクタ64を含み、それはMDIアダプタ24内に設けられるスロット66内に受け入れられ且つ保持されるよう構成される。代替的に、フィードバック及びコンプライアンス装置32をMDIアダプタ24の後方端部に結合し、且つ、ブート12の出口30がMDIアダプタ24の内側部分28によって保持される結果として、フィードバック及びコンプライアンス装置32を所定位置に保持し得る。その場合、フィードバック及びコンプライアンス装置32は、MDIアダプタ24とMDI8との間に保持され且つ挟装される。代替的な実施態様では、フィードバック及びコンプライアンス装置32を一体形の組立体内のMDIアダプタ24の一部として組み込み得る。これは患者又は介護者がそのような一体形の組立体を既存のチャンバアダプタと直ちに交換することを可能にする。
【0022】
フィードバック及びコンプライアンス装置32は、外側ハウジング34を含み、外部ハウジング34は、例示的な実施態様において、硬化プラスチック又は何らかの他の適切な剛性材料のような剛性材料から成る。外側ハウジング34は、MDI8のブート12の底部を受け入れるよう構成される中央凹部36を含み、ブート12の底部、具体的には、外側ハウジング34を通じてMDI8のブート12の出口30を挿入し、且つ、可撓な内側部分28によって受け入れ且つ保持し得るよう、開口を含む(図3)。ここで更に詳細に記載するように、フィードバック及びコンプライアンス装置32は、患者4による呼吸医薬供給装置2の使用を自動的に監視し、指示の形態のフィードバック及び呼吸医薬供給装置2の適切な使用に関するコンプライアンス情報を患者4に提供するよう構成され、MDI8のキャニスタ10から薬品を計量分配することを妨げない(例えば、供給される投与量は影響されない)。外側ハウジング34は、フィードバック及びコンプライアンス装置32がMDIアダプタ24の後方端部に結合されるときにMDIアダプタ24のエンドキャップ26内に設けられる通路40と流体連絡する通路38も含む。通路38及び40の目的を本明細書中のその他の場所に記載する。
【0023】
図4は、1つの具体的な実施態様に従ったフィードバック及びコンプライアンス装置32の選択的な構成部品を示すフィードバック及びコンプライアンス装置32のブロック図である。この具体的な実施態様におけるMDI8のキャニスタ10からの薬品の計量分配を妨げないような、それらの構成部品の特定の構成部品の位置付けが、図3に示されている。フィードバック及びコンプライアンス装置32は、処理装置42を含み、処理装置42は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は、任意の他の適切なプロセッサを含み、処理装置42は、処理装置によって実行されるべきプログラム/ルーチンを記憶する適切なメモリに動作的に結合される。具体的には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は、他の適切なプロセッサと別個であり、且つ/或いは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は、他の適切なプロセッサの内部にあり得るメモリは、本明細書中の別の場所により詳細に記載するように、フィードバック及びコンプライアンス装置32の動作を制御するための1つ又はそれよりも多くのルーチンを記憶する。フィードバック及びコンプライアンス装置32は、フィードバック及びコンプライアンス装置32の構成部品に電力を提供するための電池44又は類似の電源も含む。
【0024】
1つ又はそれよりも多くのIRセンサ46が処理装置42に動作的に結合される。例示的な実施態様では、図1及び図3に見られるように、2つのIRセンサ46が外側ハウジング34の前方端部の頂部に設けられている。図5を参照すると、IRセンサ46の第一のものは、図5中の破線によって示されるように、外側ハウジング34の前方端部と患者4の顔との間の距離を感知し、呼吸医薬供給装置2が患者4の顔の前方の所定位置に保持されているか否かを決定するよう構成される。以下により詳細に記載するように、患者4が自分の息を指示通りに止めているか否かを決定するよう、この情報を流体流情報との関連で使用し得る。図5も参照すると、IRセンサ46の第二のものは、図5中の矢印によって示されるように、吐出弁素子22の動作又は吐出弁素子22を通じて移動する音若しくは温度を感知することによって、吐出弁素子22の動作、よって、患者4による吐出を感知するよう構成される。
【0025】
加えて、1つ又はそれよりも多くのLED48、及び、LDCのようなディスプレイ50が、処理装置42に動作的に結合される。例示的な実施態様では、図1及び図3に見られるように、第一の複数のLED48が、外側ハウジング34の前方端部の頂部に設けられ、第二の複数のLED48及びLCDの形態のディスプレイ50が、外側ハウジング34の側部に設けられる。LED34及びディスプレイ50は、ここにより詳細に記載するように、フィードバック及び指示のような視覚的情報を患者4に提供するよう構成される。選択的に、本質的に触覚性のフィードバック及び指示を患者4に提供するよう、バイブレータのような触覚フィードバック装置を処理装置42に結合し得る。
【0026】
フィードバック及びコンプライアンス装置32は、処理装置42に動作的に結合される多数の追加的なセンサも含む。具体的には、呼吸医薬供給装置2が患者4によって振り動かされるか或いは他の方法で移動されるときを感知するために、加速度計52又は他の適切な運動感知装置がフィードバック及びコンプライアンス装置32の一部として提供される。図3に示される例示的な実施態様では、加速度計52が通路38より上で外側ハウジング34内に設けられた通路58内に設けられている。
【0027】
加えて、通路38及び40並びに主チャンバ14を通じる流体流、よって、患者4による吸入を感知するために、流動センサ54がフィードバック及びコンプライアンス装置32の一部として設けられている。図3に示される例示的な実施態様では、流動センサ54が外側ハウジング34内の通路38に隣接して設けられている。流動センサ54は、無制限に、MEMS型の流動センサであり得る。図6を参照すると、MDI8の作動に起因する流体流が矢印Aによって示され、吸入の故に通路38及び40を通じる空気流が矢印Bによって示されている。患者4による吸入を感知するための代替的な方法及び機構も利用し得る。例えば、出口30と通路40との間の圧力差を監視し得る。その圧力差は患者が吸入するときに変化する。また、患者4による吸入を示す音を聞き且つ検出するよう、音響マイクロフォンを外側ハウジング34内に設け得る。他の代替として、主ハウジング14内の温度を監視し、且つ、患者4による吸入の故のMDI8の作動によるエアロゾル柱の除去に起因する温度変化を検出するために、温度センサを外側ハウジング34内に設け得る。他の代替として、患者4の吸入の故の一方向弁16の動作を検出するために、IRセンサ又は音響運動センサを外側ハウジング34内に設け得る。
【0028】
最後に、MDI8のブート12によってフィードバック及びコンプライアンス装置に加えられる概ね下向きの力を感知するために、荷重計(load cell)又はひずみ計(strain gauge)56がフィードバック及びコンプライアンス装置32の一部として設けられる。そのような下向きの力は、フィードバック及びコンプライアンス装置32内へのMDI8の挿入及び患者4によるMDI8の作動又は点火に起因し得る(その場合には、そのような作用を検出するために、関連する力の検出を使用し得る)。図3に示される例示的な実施態様では、荷重計及びひずみ計56が外側ハウジング34内の通路58に隣接して設けられている。図7を参照すると、MDI8を作動又は点火するようキャニスタ10に加えられる力に起因するブート12の移動がブート12に隣接して配置された矢印によって示されている(ブート12は内側部分28の可撓性の故に外側ハウジング34に対して旋回し得る)。その移動に起因する力を荷重計若しくはひずみ計56又は他の種類の適切な力検出装置によって検出し得る。
【0029】
患者4によるMDI8の作動又は点火を感知するための代替的な方法及び機構も利用し得る。例えば、MDI8の作動又は点火を示す音を聞き且つ検出するために、音響マイクロフォンを外側ハウジング34内に設け得る。他の代替として、主ハウジング14内の温度を監視し、且つ、MDI8の作動によるエアロゾル柱の導入に起因する温度変化(減少)を検出するために、温度センサを外側ハウジング34内に設け得る。他の代替として、MDI8を作動させるようキャニスタ10に加えられる下向きの力に起因するMDI8、従って、呼吸医薬供給装置の動作を検出するために、加速度計52を使用し得る。更に他の代替として、MDI8から放出されるエアロゾルの存在を検出するために(エアロゾルは光ビームを破損する)、IRエミッタ及び検出器を使用し得る。具体的には、エミッタ/検出器の対は、エアロゾル柱に対して垂直な向きを伴って主チャンバ14の上に或いは主チャンバ14の内側に位置付けられる。フィードバック及びコンプライアンス装置32が(上述の)一体形の組立体としてMDIアダプタ24と組み合わせられる1つの例示的な実施態様において、それらはフィードバック及びコンプライアンス装置32の一部である。
【0030】
加えて、フィードバック及びコンプライアンス装置32内へのMDI8の挿入を感知するための代替的な方法及び機構も利用し得る。例えば、本願の譲受人が所有する米国特許出願第61/091,546号に記載されているように、外側ハウジング34から延び且つ中央凹部36を部分的に越えて延びるよう構成される可撓で弾性的なタブ作動部材を設け得る。MDI8がフィードバック及びコンプライアンス装置32内に挿入されるとき、タブ作動部材の先端は、処理装置42に結合されるスイッチに対して下向きに押される。この実施態様において、スイッチの作動は、MDI8の挿入を示す。
【0031】
1つの具体的な実施態様では、流動センサ54及びIRセンサ46及び/又は加速度計52を使用して、患者4による息止めを検出し且つ確認し得る。1つの実施態様では、流動センサ54を使用して吸入動作の終了を感知し、且つ、(i)患者4が(本明細書中の他の場所に記載する)IRセンサ46の1つによって決定されるように吐出弁素子22を通じて息を吐き出していないこと、(ii)患者4が呼吸医薬供給装置2を移動せず、呼吸医薬供給装置2を加速度計52によって決定されるような図5に示される所定位置に保持していること、及び、(iii)患者が流動センサ54によって決定されるような他の吸入動作を開始していないことの各々が正しいことを決定することによって、処理装置42は患者4が自分の息を止めていることを検出及び確認し(且つ時間を計り)得る。他の実施態様において、処理装置42は、患者4が流動センサ54を使用して吸入動作の終了を感知することによって患者が息を止めていることを検出及び確認し(且つ時間を計り)、(i)患者4が(本明細書中の他の場所に記載する)IRセンサ46の1つによって決定されるように吐出弁素子22を通じて息を吐き出していないこと、(ii)患者4が(本明細書中の他の場所に記載する)IRセンサ46の他の1つによって決定されるような図5に示されるような所定位置に呼吸医薬供給装置2を保持していること、及び、(iii)患者が流動センサ54によって決定されるような他の吸入動作を開始していないことの各々が正しいことを決定し得る。息止め決定の目的は、図8A及び図8Bとの関係で、本明細書中の他の場所に記載する。
【0032】
その上、例示的な実施態様において、フィードバック及びコンプライアンス装置32は、患者4が処理装置42内に情報を入力することを可能にするために、ボタン又は複数のボタン又はタッチスクリーンのような入力装置60を含む。フィードバック及びコンプライアンス装置32は、指示又は本明細書中の他の場所に記載するような他のフィードバックのような可聴出力を患者4に提供するために、処理装置42に動作的に結合されたスピーカ62も含む。
【0033】
図8A及び図8Bは、本発明の1つの具体的な非限定的な実施態様に従った呼吸医薬供給装置2の動作を例示するフローチャートである。例示的な実施態様において、図8A及び図8Bは、フィードバック及びコンプライアンス装置32の処理装置42内に記憶され且つフィードバック及びコンプライアンス装置32の処理装置42によって実行される1つ又はそれよりも多くのプログラム/ルーチンにおいて実施される。この方法は、ステップ100で開始し、ステップ100では、MDI8がフィードバック及びコンプライアンス装置32内に挿入されたか否かについての決定が行われる。本明細書中の他の場所に記載するように、その決定は、フィードバック及びコンプライアンス装置32の一部として設けられる荷重計又はひずみ計56或いはタブ作動部材及び関連スイッチのような他の自動検出機構による、そのような挿入と関連する力の検出に基づき行われ得る。代替的に、その決定は、患者4が入力装置60の一部を作動してMDI8が挿入され且つ治療が開始し得ることを示すこと(例えば、入力装置60の一部を形成するボタンを押すこと)に応答して行われ得る。ステップ100での返答が「はい」であるならば、処理装置42は、ステップ102で、第一LEDを(例えば、初期的な赤の状態から)緑に変えさせ、患者4に呼吸医薬供給装置2を振り動かすよう指示する音声指示を、スピーカ62を通じて提供させる。次に、ステップ104で、処理装置42は、呼吸医薬供給装置2の震動(shaking)が検出されたか否かについての決定を行う。本明細書中の他の場所に記載するように、加速度計52を使用して震動を検出し得る。ステップ104での返答が「いいえ」であるならば、ステップ106で、振り動かすことの指示が反復され、方法はステップ102に戻る。しかしながら、ステップ104での返答が「はい」であるならば、処理装置42は、ステップ108で、第二LED48を(例えば、初期的な赤の状態から)緑に変えさせ、MDI8を5秒のような所定時間内作動させるよう患者4に指示する可聴指示を、スピーカを通じて提供させる。ステップ110で、処理装置42は、MDI8が所定時間(例えば、振り動かされる5秒)内に実際に作動させられたか否かを決定する。本明細書中の他の場所に記載するように、荷重計又はひずみ計56を使用してそのような作動によって引き起こされる力を感知することによって、上記のことを行い得る。
【0034】
ステップ110での返答が「いいえ」であるならば、ステップ112で、第二LED48は処理装置42によって赤に変えられ、処理装置42は、呼吸医薬供給装置2を振り動かすという可聴指示を、スピーカ62を通じて再び提供させる。次に、本方法はステップ104に戻る。しかしながら、ステップ110での返答が「はい」であるならば、ステップ114で、処理装置42は、第三LED48を(例えば、初期的な赤の状態から)緑に変えさせ、ゆっくり息をして、所定の数、例えば、5を数えることを患者4に指示する可聴指示を、スピーカ62を通じて提供させる。次に、本方法は、図8Bのステップ116に進む。ステップ116で、処理装置42は、患者4による吸入が少なくとも5秒のような所定時間に亘って検出されたか否かの決定を行う。本明細書中の他の場所に記載するように、流動センサ54を使用して吸入を検出し得る。ステップ116での返答が「いいえ」であるならば、ステップ118で、処理装置42は、吸入を継続することを患者4に指示する指示を、スピーカ62を通じて提供させる。次に、本方法はステップ116に戻る。
【0035】
ステップ116での返答が「はい」である、即ち、少なくとも所定時間(例えば、5秒)に亘る吸入が検出されたことを意味するならば、ステップ120で、処理装置42は、第四LED48を(例えば、初期的な赤の状態から)緑に変えさせ、自分の息を止め、所定の数、例えば、3を数えることを患者に指示する可聴指示を、スピーカ62を通じて提供させる。次に、ステップ140で、処理装置42は、例えば、3秒のような、少なくとも所定の時間期間の息止めが検出されたか否かについての決定を行う。例示的な実施態様において、息止めは、IRセンサ46及び流動センサ54及び/又は加速度計52を使用して、本明細書中の他の場所に記載されたように検出される(図5)。ステップ140での返答が「いいえ」であるならば、ステップ145で、処理装置42は、呼吸医薬供給装置2を使用するとき、患者4が少なくとも3秒のような所定時間期間に亘って息を止めなければならないことを示す可聴の注意喚起(reminder)を、スピーカ62を通じて提供させる。ステップ140での返答が「はい」であるならば、ステップ150で、処理装置42は、第五LEDを(例えば、初期的な赤の状態から)緑に変えさせ、治療が完了したことを示す可聴指示を、スピーカ62を通じて提供させる。
【0036】
選択的に、1つ又はそれよりも多くの治療セッション中の呼吸医薬供給装置2の使用に関する情報を記憶するよう処理装置42をプログラムし得る。そのように記憶される情報は、1つ又はそれよりも多くの治療セッションのために、呼吸医薬供給装置2を操作する各ステップが正しく遂行されたか(例えば、LEDが緑に変わったか)否かに関する情報、及び、そのようなステップのタイミング及び長さ(例えば、MDI8はどれぐらい長く振り動かされるか、MDI8が振り動かされたどれぐらい後にMDI8は作動させられるか、検出される吸入の長さ、及び、検出される息止めの長さ)に関する情報を含む。次に、患者4及び/又は患者の介護者は、上記情報をダウンロードし且つ検討及び/又は分析し得る。
【0037】
図10及び図11は、それぞれ、本発明の代替的な例示的な実施態様に従った呼吸医薬供給装置70の前方及び後方の等角図である。図12は、呼吸医薬供給装置70の側断面図である。図10乃至12の実施態様において、呼吸医薬供給装置70は、フィードバック及びコンプライアンス装置72に結合されたMDI8のみを含む。換言すれば、図10乃至12の実施態様は、MDI8と共に使用されるべきスペーサ又は弁付き保持チャンバを必要としない。呼吸医薬供給装置70のフィードバック及びコンプライアンス装置72は、機能性においてフィードバック及びコンプライアンス装置32と類似し、例示的な実施態様では、そのハウジング74内に、図4に示され且つ本明細書中の他の場所に記載されるフィードバック及びコンプライアンス装置32の構成部品の全てを含む(類似の構成部品は類似の参照番号で印されている)。図12を参照すると、フィードバック及びコンプライアンス装置72は、剛性ハウジング74内に取り付けられ且つ支持される可撓な内側部分28を含む。可撓な内側部分28は、ブート12がハウジング74の中央凹部78を通じて受け入れられるとき、本明細書中の他の場所に記載するようなMDI8のブート12の出口30を受け入れるよう構成される孔を定める壁を含む。フィードバック及びコンプライアンス装置72は、薬品流のための中央通路がハウジング74を通じて存在するよう、ハウジング74の前方端部にマウスピース76も含む。上述のように、フィードバック及びコンプライアンス装置72は、本明細書中の他の場所に記載するフィードバック及びコンプライアンス装置32のフィードバック及びコンプライアンス機能性の全てをもたらすよう構成される。よって、患者はマウスピース76を通じて直接的に薬品を受け入れ得るので、フィードバック及びコンプライアンス装置72は、MDI8に直接的に結合可能であり且つ弁付き保持チャンバ又はスペーサを備えずに使用し得るその機能性をもたらすための装置を提供する。
【0038】
本発明の他の場所に記載する本発明の例示的な実施態様の各々は、計量投与量吸入器(MDI)の形態の薬品保管及び供給装置(medication storage and delivery device)を利用するが、それは例示的であることだけを意味し、限定的であることを意味しないことが理解されるべきである。他の種類の既知の或いは今後開発される薬品保管及び供給装置もフィードバック及びコンプライアンス装置32及びフィードバック及びコンプライアンス72と共に利用し得る。例えば、無制限に、フィードバック及びコンプライアンス装置32及びフィードバック及びコンプライアンス装置72を乾燥粉末吸入器(DPI)又は水性液計量分配システムに結合し且つ乾燥粉末吸入器(DPI)又は水性液計量分配システムと共に使用し得る。
【0039】
例示の目的のために現時点で最も実用的且つ好適であると考えられる実施態様に基づき本発明を詳細に記載したが、そのような詳細は専らその目的のためであること、並びに、本発明は開示の実施態様に限定されず、逆に付属の請求項の精神及び範囲内にある変形及び均等な構成をカバーすることが意図されることが理解されるべきである。例えば、本発明は、可能な限り、任意の実施態様の1つ又はそれよりも多くの機能を任意の他の実施態様の1つ又はそれよりも多くの機能と組み合わせ得ることが理解されるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は呼吸医薬を患者に供給するための装置に関し、具体的には、特に患者が呼吸医薬供給装置を使用して自分で定期的に治療することを必要とする状況において、呼吸医薬供給装置の使用に関するフィードバックを患者にもたらすフィードバック及びコンプライアンス装置(feedback and compliance device)を含む呼吸医薬供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸医薬供給装置を使用して病状を治療するために患者の呼吸系に薬品を供給することは周知である。例えば、霧状ミストの形態のアルブテロール(サルブタモール)のような気管支拡張薬を患者の呼吸系に供給するために、急性喘息発作を患う患者が呼吸医薬供給装置を使用し得る。
【0003】
1つの既知の呼吸医薬供給装置は、計量投与量吸入器(MDI)と、スペーサ又は弁付き保持チャンバとで構成される。単に「吸入器」としても知られるMDIは、加圧下の薬品を収容するキャニスタ又はネブライザ(噴霧器)と、一般的にはブートと呼ばれるキャニスタホルダとを含み、キャニスタホルダは、典型的には「L」形状である。患者が煙霧状薬品をブートのエアロゾル(aerosol)計量分配脚部から直接的に気道内に受け入れるためのマウスピースとしてブートを使用するのは一般的であるが、この構造は薬品と空気の混合を最適化し得ない。何故ならば、煙霧状薬品は気道内に直接的に噴射されるからである。医薬が空気と十分に混合されなければ、薬品を患者の効果的な肺内に吸入し得ず、患者の口内に堆積され且つ所望の医学的効果を伴わずに飲み込まれる液滴のようになり得る。
【0004】
薬品と空気との混合を強化するために、一般的に弁付き保持チャンバとも呼ばれるスペーサを設けることが知られており、スペーサはブートのエアロゾル計量分配端部に取り付けられる。スペーサは、下流端部に一方向弁を備える小さな中空のシリンダであるのが典型的であり、キャニスタからエアロゾルを受け入れ、患者の気道内への吸入のためにエアロゾルが霧状ミストになるのを可能にする。選択的に、薬品を受け入れるために患者が自分の口を通じて呼吸し得るよう、MDIと反対側のスペーサの端部にマスクを設け得る。従来的なスペーサ及び関連構成部品の実施例が、Nowacki et al.に発効した米国特許第4,470,412号、4,809,692号、及び、4,832,015号、Foley et al.に発効した米国特許第5,012,803号、Foleyに発効した米国特許第5,042,467号、Smithに発効した米国特許第5,385,140号、Foley et al.に発効した米国特許第5,848,599号、並びに、Schmidt et al.に発効した米国特許第6,557,549号に示されている。他の既知の呼吸医薬供給装置は、乾燥粉末吸入器(DPI)及びネブライザを含む。
【0005】
呼吸医薬供給装置のような医療装置の適切な使用は本質的であり、病状を管理するために患者が自分で規則的に治療することを必要とする状況において特にそうである。これは患者が呼吸医薬供給装置を典型的に備え且つ患者が呼吸医薬供給装置を使用して病状を自己管理することが期待される状況において頻繁に当て嵌まる。普通、呼吸薬品を適切に自己投与するために、医療専門家は呼吸医薬供給装置をどのように使用するかについての初期教育を患者に提供する。理解されるように、この訓練の方法の有効性は、医療専門家の知識及び技能レベル並びにこの医療専門家が患者と費やす時間の量に概ね基づくが、それはしばしば限定的である。
【0006】
呼吸医薬供給の領域では、MDI又は弁付き保持チャンバを備えるMDIのような呼吸医薬供給装置を使用した薬品の適切な投与に関する医療専門家の知識レベルを定量化するための数多くの評価が行われた。残念なことに、そのような評価は励みになるものではなかった。医療専門家を巻き込む1つの具体的な研究は、MDIのみの使用のための適切なステップを正しく完了した参加者の割合が67.6%であり、スペーサを具備するMDIの使用のための適切なステップを正しく完了した参加者の割合が49.9%であり、ネブライザの使用のための適切なステップを正しく完了した参加者の割合が38%であることを示した。この研究はLaura T. Scarpaci, Pharm.D.による”Assessment of Hospice Nurses’ Technique in the Use of Inhalers and Nebulizers,” Palliative Medicine Vol. 10, No. 2, 2007において報告された。MDI及びスペーサ使用に関する病院環境における医療専門家に向けられた他の研究は、5%だけがMDIを完全に使用したことを示した。これは講義及び実演の後に13%に向上し、集中的な1対1セッションの後に73%に向上した。この研究はM. Lee-Wongによる”Results of a Programe to Improve House Staff Use of Metered Dose Inhalers and Spacers,” Post Graduate Medical Journal, Vol. 79, pages 221-225, 2003において報告された。
【0007】
MDIのみを使用した薬品の投与に関する患者の知識レベルを定量化するための他の研究が行われた。その結果は参加者の28〜68%がそれらのMDIを効果的に使用しなかったことを示した。加えて、MDIを使用することにおいて、患者の読解レベルが不適切な技法に相関した。具体的には、正しく遂行されたステップが3つ以下であることが明らかにされた不満足な技法は、小学校3年生レベルで読解する患者の89%及び高校レベルで読解する患者の48%に見出された。この研究はJames B. Finkによる”Problem with Inhaler Use: A call for Improved Clinician and Patient Education,” Respiratory Care, Vol. 50, No. 10, September 2005において報告された。
【0008】
その上、呼吸医薬供給装置のような医療装置は、典型的には、一組の書面の指示書を備える。しかしながら、多くの場合において、そのような指示書は患者によって読まれず、調べられず、且つ/或いは、装置の使用中に使用されない(患者は指示書を廃棄するか或いは指示書を装置自体とは別に保管し得る)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
よって、患者による装置の適切な使用を奨励することによって治療を増進する呼吸医薬供給装置のための長年に亘る切実な未解決の必要があることは明らかである。呼吸疾患管理の場合に良く当て嵌まるように、これは患者が保健専門家の監視から離れて自己治療することを必要とする状況において特に当て嵌まる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの実施態様では、呼吸医薬供給装置が提供され、呼吸医薬供給装置は、計量投与量吸入器(metered dose inhaler)、乾燥粉末吸入器、又は、水性液計量分配システムのような薬品貯蔵及び供給装置を含み、出口と、薬品保管及び供給装置に結合されるフィードバック及びコンプライアンス装置とを有する。フィードバック及びコンプライアンス装置は、開口を有し、薬品保管及び供給装置の出口は、開口を通じて受け入れられる。フィードバック及びコンプライアンス装置は、(i)1つ又はそれよりも多くのセンサと、(ii)1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置と、(iii)処理装置とを含み、1つ又はそれよりも多くのセンサの各々は、薬品保管及び供給装置の作動によって導入される薬品の流れを変更又は妨害せずに、呼吸医薬供給装置の使用に関するパラメータを感知するよう構成され、処理装置は、1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置に、1つ又はそれよりも多くのセンサの少なくとも1つのセンサの出力に基づき呼吸医薬供給装置の使用に関するフィードバック情報を患者に提供させるようプログラムされる。フィードバック情報は、可聴、視覚的、若しくは、触覚的、又は、それらの任意の組み合わせであり得る。
【0011】
他の実施態様では、薬品保管及び供給装置を含む呼吸医薬供給装置の適切な使用を奨励する方法が提供される。当該方法は、フィードバック及びコンプライアンス装置を提供することを含み、フィードバック及びコンプライアンス装置は、1つ又はそれよりも多くのセンサを含み、1つ又はそれよりも多くのセンサの各々は、薬品保管及び供給装置の作動によって導入される薬品の流れを変更又は妨害せずに、呼吸医薬供給装置の使用に関するパラメータを感知するよう構成され、当該方法は、薬品保管及び供給装置の出口をフィードバック及びコンプライアンス装置内に設けられる開口を通じて挿入することによって、薬品保管及び供給装置をフィードバック及びコンプライアンス装置に結合することを含み、当該方法は、1つ又はそれよりも多くのセンサのうちの少なくとも1つのセンサの出力に基づき、呼吸医薬供給装置の使用に関するフィードバック情報を患者に提供することを含む。
【0012】
本発明のこれらの及び他の目的、機能、及び、特徴、並びに、構造の関連素子の動作方法及び機能、部品の組み合わせ、及び、製造経済は、添付の図面を参照して以下の記載及び付属の請求項を検討した後により明らかになるであろう。それらの全ては、本出願の一部を形成し、類似の参照番号は、様々な図面中の対応する部分を指している。しかしながら、図面は例示及び記載の目的のためだけであり、本発明の限界を定めるものとして意図されていないことが、明示的に理解されるべきである。明細書及び請求項中で使用されるとき、不定冠詞及び定冠詞の単数形は、文脈が明らかにその他を指図しない限り、複数の参照を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の1つの具体的な実施態様に従った呼吸医薬供給装置を前方から示す等角図である。
【図2】本発明の1つの具体的な実施態様に従った呼吸医薬供給装置を後方から示す等角図である。
【図3】患者の口内に挿入された図1及び2の呼吸医薬供給装置を示す側断面図である。
【図4】1つの具体的な実施態様に従った図1及び2の呼吸医薬供給装置のフィードバック及びコンプライアンス装置を示すブロック図である。
【図5】呼吸医薬供給装置の動作の様々な局面を例示する患者の口内に挿入された図1及び2の呼吸医薬供給装置を示す側断面図である。
【図6】呼吸医薬供給装置の動作の様々な局面を例示する患者の口内に挿入された図1及び2の呼吸医薬供給装置を示す側断面図である。
【図7】呼吸医薬供給装置の動作の様々な局面を例示する患者の口内に挿入された図1及び2の呼吸医薬供給装置を示す側断面図である。
【図8A】本発明の1つの具体的な非限定的な実施態様に従った図1乃至7の呼吸医薬供給装置の動作を示すフローチャートである。
【図8B】本発明の1つの具体的な非限定的な実施態様に従った図1乃至7の呼吸医薬供給装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の他の具体的な実施態様に従った呼吸医薬供給装置を前方から示す等角図である。
【図10】本発明の代替的な例示的な実施態様に従った呼吸医薬供給装置を前方から示す等角図である。
【図11】本発明の代替的な例示的な実施態様に従った呼吸医薬供給装置を後方から示す等角図である。
【図12】図10及び11の呼吸医薬供給装置を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
例えば、並びに、無制限に、頂部、底部、左、右、上方、下方、前方、後方、及び、それらの派生語のような、ここで使用される方向表現は、図面に示される素子の向きに関し、請求項中で明示的に引用されない限り、請求項を限定しない。
【0015】
ここで使用されるとき、2つ又はそれよりも多くの部分(部品)又は構成部品が共に「結合される」という言い方は、それらの部品が直接的に或いは1つ又はそれよりも多くの中間の部分又は構成部品を通じて接合され或いは共に動作することを意味する。
【0016】
ここで使用されるとき、2つ又はそれよりも多くの部分(部品)又は構成部品が互いに「係合する」という言い方は、それらの部分が直接的に或いは1つ又はそれよりも多くの中間の部分又は構成部品を通じて互いに力を加え合うことを意味する。
【0017】
ここで使用されるとき、「数」という用語は、1又は1よりも大きい整数(即ち、複数)を意味する。
【0018】
図1及び2は、それぞれ、本発明の1つの具体的な実施態様に従った呼吸医薬供給装置2の前方及び後方の等角図である。図3は、患者4の口内に挿入された呼吸医薬供給装置(respiratory drug delivery apparatus)2の側断面図である。呼吸医薬供給装置2は、弁付き保持チャンバ6を含み、弁付き保持チャンバ6は、本明細書中の他の場所に記載するようなブート12内に受け入れられるキャニスタ10を有する計量投与量吸入器(MDI)8との関係で使用されるよう構成されている。弁付き保持チャンバ6は、概ね円筒形の主チャンバ14を含み、主チャンバ14は、その前方端部に結合される弾性ダックビル弁のような一方向弁16(図3)を有する。1つの例示的な実施態様において、主チャンバ14は透明な帯電防止材料から成る。加えて、マウスピース組立体18が主チャンバ14の前方端部に結合され、呼吸医薬供給装置2の使用中に患者4の舌内に受け入れられるよう構成されるマウスピース(口金)と、マウスピースに動作的に結合される吸入弁素子22とを含み、吸入弁素子22は、例示の実施態様では、フラップ吸入弁の形態にある。
【0019】
呼吸医薬供給装置2は、二部MDIアダプタ24を更に含み、二部MDIアダプタ24は、マウスピース組立体18と反対側の主チャンバ14の端部(即ち、後方端部)に取り外し可能に取り付けられるよう構成される。二部MDIアダプタ24は、MDI8を受け入れ且つ保持するよう構成される。二部MDIアダプタ24は、例えば、主チャンバ14の後方端部に選択的に取り付け可能であるよう構成される硬化プラスチック又は何らかの他の適切な剛性材料から成る、剛的なエンドキャップ26を含む。二部MDIアダプタ24は、他の適切な材料の中でも、シリコン、ゴム、TPE、又は、フォームのような可撓な材料から成る、可撓な内側部分28を更に含む。内側部分28はエンドキャップ26内に受け入れられ且つエンドキャップ26によって保持されるよう構成され、内側部分を洗浄し且つ/或いは損傷時に交換し得るよう内側部分28を取り外し可能に作製し得るし、或いは、代替的に、外側被覆プロセスのようなプロセスによって、内側部分28をエンドキャップ26に恒久的に固定し得る。可撓な内側部分28は、MDI8のブート12の出口30を受け入れるよう構成される孔を定める壁を含む。内側部分28の可撓性は、内側部分が異なる形状及び大きさのMDIを保持するのを可能にする。
【0020】
当該技術分野において既知であるように、本発明の1つの具体的な実施態様との関係においてここにより詳細に記載するように、弁付き保持チャンバ6が患者4によって使用されるとき、患者4はMDI8及び弁付き保持チャンバ6を振り動かし(shake)、マウスピース20を患者の口内に挿入し、肺の気体を少なくとも部分的に空にするために息を吐き出す。吐き出された気体は、吐出弁素子22の動作を通じて、吐出弁素子22によって覆われる1つ又はそれよりも多くの吐出ポートを通じて、マウスピース組立体18内から周囲環境に流れることが可能にされる。そのような気体は、主チャンバ14内に設けられる一方向吸入弁16の動作の結果として、主チャンバ14の内部に流入することが許容されない。吐出に続き、ある投与量の(エアロゾル柱の形態にある)薬品を主チャンバ14内に吹き付けさせるために、患者4はMDI8を作動し、然る後、吸入を開始する。吸入中、一方向吸入弁16は、(主チャンバ14内で空気と混合される)薬品を患者4の肺内に堆積し得るよう、主チャンバ14内からマウスピース組立体18内に至りマウスピース20を通じて外に出る流体流を許容する。具体的な患者の必要に依存して、このプロセスを1回又は数回反復し得る。
【0021】
呼吸医薬供給装置2は、MDIアダプタ24の後方端部に取り外し可能に結合されるフィードバック及びコンプライアンス装置(feedback and compliance device)32を更に含む。機械的な接続機構又は接着材によってフィードバック及びコンプライアンス装置32をMDIアダプタ24の後方端部に結合し得る。例えば、図9は、機械的接続機構を使用してフィードバック及びコンプライアンス装置32をMDIアダプタ24の後方端部に選択的に結合し得る1つの具体的な実施態様を示しており、機械的接続機構は、フィードバック及びコンプライアンス装置32から延びるコネクタ64を含み、それはMDIアダプタ24内に設けられるスロット66内に受け入れられ且つ保持されるよう構成される。代替的に、フィードバック及びコンプライアンス装置32をMDIアダプタ24の後方端部に結合し、且つ、ブート12の出口30がMDIアダプタ24の内側部分28によって保持される結果として、フィードバック及びコンプライアンス装置32を所定位置に保持し得る。その場合、フィードバック及びコンプライアンス装置32は、MDIアダプタ24とMDI8との間に保持され且つ挟装される。代替的な実施態様では、フィードバック及びコンプライアンス装置32を一体形の組立体内のMDIアダプタ24の一部として組み込み得る。これは患者又は介護者がそのような一体形の組立体を既存のチャンバアダプタと直ちに交換することを可能にする。
【0022】
フィードバック及びコンプライアンス装置32は、外側ハウジング34を含み、外部ハウジング34は、例示的な実施態様において、硬化プラスチック又は何らかの他の適切な剛性材料のような剛性材料から成る。外側ハウジング34は、MDI8のブート12の底部を受け入れるよう構成される中央凹部36を含み、ブート12の底部、具体的には、外側ハウジング34を通じてMDI8のブート12の出口30を挿入し、且つ、可撓な内側部分28によって受け入れ且つ保持し得るよう、開口を含む(図3)。ここで更に詳細に記載するように、フィードバック及びコンプライアンス装置32は、患者4による呼吸医薬供給装置2の使用を自動的に監視し、指示の形態のフィードバック及び呼吸医薬供給装置2の適切な使用に関するコンプライアンス情報を患者4に提供するよう構成され、MDI8のキャニスタ10から薬品を計量分配することを妨げない(例えば、供給される投与量は影響されない)。外側ハウジング34は、フィードバック及びコンプライアンス装置32がMDIアダプタ24の後方端部に結合されるときにMDIアダプタ24のエンドキャップ26内に設けられる通路40と流体連絡する通路38も含む。通路38及び40の目的を本明細書中のその他の場所に記載する。
【0023】
図4は、1つの具体的な実施態様に従ったフィードバック及びコンプライアンス装置32の選択的な構成部品を示すフィードバック及びコンプライアンス装置32のブロック図である。この具体的な実施態様におけるMDI8のキャニスタ10からの薬品の計量分配を妨げないような、それらの構成部品の特定の構成部品の位置付けが、図3に示されている。フィードバック及びコンプライアンス装置32は、処理装置42を含み、処理装置42は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は、任意の他の適切なプロセッサを含み、処理装置42は、処理装置によって実行されるべきプログラム/ルーチンを記憶する適切なメモリに動作的に結合される。具体的には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は、他の適切なプロセッサと別個であり、且つ/或いは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は、他の適切なプロセッサの内部にあり得るメモリは、本明細書中の別の場所により詳細に記載するように、フィードバック及びコンプライアンス装置32の動作を制御するための1つ又はそれよりも多くのルーチンを記憶する。フィードバック及びコンプライアンス装置32は、フィードバック及びコンプライアンス装置32の構成部品に電力を提供するための電池44又は類似の電源も含む。
【0024】
1つ又はそれよりも多くのIRセンサ46が処理装置42に動作的に結合される。例示的な実施態様では、図1及び図3に見られるように、2つのIRセンサ46が外側ハウジング34の前方端部の頂部に設けられている。図5を参照すると、IRセンサ46の第一のものは、図5中の破線によって示されるように、外側ハウジング34の前方端部と患者4の顔との間の距離を感知し、呼吸医薬供給装置2が患者4の顔の前方の所定位置に保持されているか否かを決定するよう構成される。以下により詳細に記載するように、患者4が自分の息を指示通りに止めているか否かを決定するよう、この情報を流体流情報との関連で使用し得る。図5も参照すると、IRセンサ46の第二のものは、図5中の矢印によって示されるように、吐出弁素子22の動作又は吐出弁素子22を通じて移動する音若しくは温度を感知することによって、吐出弁素子22の動作、よって、患者4による吐出を感知するよう構成される。
【0025】
加えて、1つ又はそれよりも多くのLED48、及び、LDCのようなディスプレイ50が、処理装置42に動作的に結合される。例示的な実施態様では、図1及び図3に見られるように、第一の複数のLED48が、外側ハウジング34の前方端部の頂部に設けられ、第二の複数のLED48及びLCDの形態のディスプレイ50が、外側ハウジング34の側部に設けられる。LED34及びディスプレイ50は、ここにより詳細に記載するように、フィードバック及び指示のような視覚的情報を患者4に提供するよう構成される。選択的に、本質的に触覚性のフィードバック及び指示を患者4に提供するよう、バイブレータのような触覚フィードバック装置を処理装置42に結合し得る。
【0026】
フィードバック及びコンプライアンス装置32は、処理装置42に動作的に結合される多数の追加的なセンサも含む。具体的には、呼吸医薬供給装置2が患者4によって振り動かされるか或いは他の方法で移動されるときを感知するために、加速度計52又は他の適切な運動感知装置がフィードバック及びコンプライアンス装置32の一部として提供される。図3に示される例示的な実施態様では、加速度計52が通路38より上で外側ハウジング34内に設けられた通路58内に設けられている。
【0027】
加えて、通路38及び40並びに主チャンバ14を通じる流体流、よって、患者4による吸入を感知するために、流動センサ54がフィードバック及びコンプライアンス装置32の一部として設けられている。図3に示される例示的な実施態様では、流動センサ54が外側ハウジング34内の通路38に隣接して設けられている。流動センサ54は、無制限に、MEMS型の流動センサであり得る。図6を参照すると、MDI8の作動に起因する流体流が矢印Aによって示され、吸入の故に通路38及び40を通じる空気流が矢印Bによって示されている。患者4による吸入を感知するための代替的な方法及び機構も利用し得る。例えば、出口30と通路40との間の圧力差を監視し得る。その圧力差は患者が吸入するときに変化する。また、患者4による吸入を示す音を聞き且つ検出するよう、音響マイクロフォンを外側ハウジング34内に設け得る。他の代替として、主ハウジング14内の温度を監視し、且つ、患者4による吸入の故のMDI8の作動によるエアロゾル柱の除去に起因する温度変化を検出するために、温度センサを外側ハウジング34内に設け得る。他の代替として、患者4の吸入の故の一方向弁16の動作を検出するために、IRセンサ又は音響運動センサを外側ハウジング34内に設け得る。
【0028】
最後に、MDI8のブート12によってフィードバック及びコンプライアンス装置に加えられる概ね下向きの力を感知するために、荷重計(load cell)又はひずみ計(strain gauge)56がフィードバック及びコンプライアンス装置32の一部として設けられる。そのような下向きの力は、フィードバック及びコンプライアンス装置32内へのMDI8の挿入及び患者4によるMDI8の作動又は点火に起因し得る(その場合には、そのような作用を検出するために、関連する力の検出を使用し得る)。図3に示される例示的な実施態様では、荷重計及びひずみ計56が外側ハウジング34内の通路58に隣接して設けられている。図7を参照すると、MDI8を作動又は点火するようキャニスタ10に加えられる力に起因するブート12の移動がブート12に隣接して配置された矢印によって示されている(ブート12は内側部分28の可撓性の故に外側ハウジング34に対して旋回し得る)。その移動に起因する力を荷重計若しくはひずみ計56又は他の種類の適切な力検出装置によって検出し得る。
【0029】
患者4によるMDI8の作動又は点火を感知するための代替的な方法及び機構も利用し得る。例えば、MDI8の作動又は点火を示す音を聞き且つ検出するために、音響マイクロフォンを外側ハウジング34内に設け得る。他の代替として、主ハウジング14内の温度を監視し、且つ、MDI8の作動によるエアロゾル柱の導入に起因する温度変化(減少)を検出するために、温度センサを外側ハウジング34内に設け得る。他の代替として、MDI8を作動させるようキャニスタ10に加えられる下向きの力に起因するMDI8、従って、呼吸医薬供給装置の動作を検出するために、加速度計52を使用し得る。更に他の代替として、MDI8から放出されるエアロゾルの存在を検出するために(エアロゾルは光ビームを破損する)、IRエミッタ及び検出器を使用し得る。具体的には、エミッタ/検出器の対は、エアロゾル柱に対して垂直な向きを伴って主チャンバ14の上に或いは主チャンバ14の内側に位置付けられる。フィードバック及びコンプライアンス装置32が(上述の)一体形の組立体としてMDIアダプタ24と組み合わせられる1つの例示的な実施態様において、それらはフィードバック及びコンプライアンス装置32の一部である。
【0030】
加えて、フィードバック及びコンプライアンス装置32内へのMDI8の挿入を感知するための代替的な方法及び機構も利用し得る。例えば、本願の譲受人が所有する米国特許出願第61/091,546号に記載されているように、外側ハウジング34から延び且つ中央凹部36を部分的に越えて延びるよう構成される可撓で弾性的なタブ作動部材を設け得る。MDI8がフィードバック及びコンプライアンス装置32内に挿入されるとき、タブ作動部材の先端は、処理装置42に結合されるスイッチに対して下向きに押される。この実施態様において、スイッチの作動は、MDI8の挿入を示す。
【0031】
1つの具体的な実施態様では、流動センサ54及びIRセンサ46及び/又は加速度計52を使用して、患者4による息止めを検出し且つ確認し得る。1つの実施態様では、流動センサ54を使用して吸入動作の終了を感知し、且つ、(i)患者4が(本明細書中の他の場所に記載する)IRセンサ46の1つによって決定されるように吐出弁素子22を通じて息を吐き出していないこと、(ii)患者4が呼吸医薬供給装置2を移動せず、呼吸医薬供給装置2を加速度計52によって決定されるような図5に示される所定位置に保持していること、及び、(iii)患者が流動センサ54によって決定されるような他の吸入動作を開始していないことの各々が正しいことを決定することによって、処理装置42は患者4が自分の息を止めていることを検出及び確認し(且つ時間を計り)得る。他の実施態様において、処理装置42は、患者4が流動センサ54を使用して吸入動作の終了を感知することによって患者が息を止めていることを検出及び確認し(且つ時間を計り)、(i)患者4が(本明細書中の他の場所に記載する)IRセンサ46の1つによって決定されるように吐出弁素子22を通じて息を吐き出していないこと、(ii)患者4が(本明細書中の他の場所に記載する)IRセンサ46の他の1つによって決定されるような図5に示されるような所定位置に呼吸医薬供給装置2を保持していること、及び、(iii)患者が流動センサ54によって決定されるような他の吸入動作を開始していないことの各々が正しいことを決定し得る。息止め決定の目的は、図8A及び図8Bとの関係で、本明細書中の他の場所に記載する。
【0032】
その上、例示的な実施態様において、フィードバック及びコンプライアンス装置32は、患者4が処理装置42内に情報を入力することを可能にするために、ボタン又は複数のボタン又はタッチスクリーンのような入力装置60を含む。フィードバック及びコンプライアンス装置32は、指示又は本明細書中の他の場所に記載するような他のフィードバックのような可聴出力を患者4に提供するために、処理装置42に動作的に結合されたスピーカ62も含む。
【0033】
図8A及び図8Bは、本発明の1つの具体的な非限定的な実施態様に従った呼吸医薬供給装置2の動作を例示するフローチャートである。例示的な実施態様において、図8A及び図8Bは、フィードバック及びコンプライアンス装置32の処理装置42内に記憶され且つフィードバック及びコンプライアンス装置32の処理装置42によって実行される1つ又はそれよりも多くのプログラム/ルーチンにおいて実施される。この方法は、ステップ100で開始し、ステップ100では、MDI8がフィードバック及びコンプライアンス装置32内に挿入されたか否かについての決定が行われる。本明細書中の他の場所に記載するように、その決定は、フィードバック及びコンプライアンス装置32の一部として設けられる荷重計又はひずみ計56或いはタブ作動部材及び関連スイッチのような他の自動検出機構による、そのような挿入と関連する力の検出に基づき行われ得る。代替的に、その決定は、患者4が入力装置60の一部を作動してMDI8が挿入され且つ治療が開始し得ることを示すこと(例えば、入力装置60の一部を形成するボタンを押すこと)に応答して行われ得る。ステップ100での返答が「はい」であるならば、処理装置42は、ステップ102で、第一LEDを(例えば、初期的な赤の状態から)緑に変えさせ、患者4に呼吸医薬供給装置2を振り動かすよう指示する音声指示を、スピーカ62を通じて提供させる。次に、ステップ104で、処理装置42は、呼吸医薬供給装置2の震動(shaking)が検出されたか否かについての決定を行う。本明細書中の他の場所に記載するように、加速度計52を使用して震動を検出し得る。ステップ104での返答が「いいえ」であるならば、ステップ106で、振り動かすことの指示が反復され、方法はステップ102に戻る。しかしながら、ステップ104での返答が「はい」であるならば、処理装置42は、ステップ108で、第二LED48を(例えば、初期的な赤の状態から)緑に変えさせ、MDI8を5秒のような所定時間内作動させるよう患者4に指示する可聴指示を、スピーカを通じて提供させる。ステップ110で、処理装置42は、MDI8が所定時間(例えば、振り動かされる5秒)内に実際に作動させられたか否かを決定する。本明細書中の他の場所に記載するように、荷重計又はひずみ計56を使用してそのような作動によって引き起こされる力を感知することによって、上記のことを行い得る。
【0034】
ステップ110での返答が「いいえ」であるならば、ステップ112で、第二LED48は処理装置42によって赤に変えられ、処理装置42は、呼吸医薬供給装置2を振り動かすという可聴指示を、スピーカ62を通じて再び提供させる。次に、本方法はステップ104に戻る。しかしながら、ステップ110での返答が「はい」であるならば、ステップ114で、処理装置42は、第三LED48を(例えば、初期的な赤の状態から)緑に変えさせ、ゆっくり息をして、所定の数、例えば、5を数えることを患者4に指示する可聴指示を、スピーカ62を通じて提供させる。次に、本方法は、図8Bのステップ116に進む。ステップ116で、処理装置42は、患者4による吸入が少なくとも5秒のような所定時間に亘って検出されたか否かの決定を行う。本明細書中の他の場所に記載するように、流動センサ54を使用して吸入を検出し得る。ステップ116での返答が「いいえ」であるならば、ステップ118で、処理装置42は、吸入を継続することを患者4に指示する指示を、スピーカ62を通じて提供させる。次に、本方法はステップ116に戻る。
【0035】
ステップ116での返答が「はい」である、即ち、少なくとも所定時間(例えば、5秒)に亘る吸入が検出されたことを意味するならば、ステップ120で、処理装置42は、第四LED48を(例えば、初期的な赤の状態から)緑に変えさせ、自分の息を止め、所定の数、例えば、3を数えることを患者に指示する可聴指示を、スピーカ62を通じて提供させる。次に、ステップ140で、処理装置42は、例えば、3秒のような、少なくとも所定の時間期間の息止めが検出されたか否かについての決定を行う。例示的な実施態様において、息止めは、IRセンサ46及び流動センサ54及び/又は加速度計52を使用して、本明細書中の他の場所に記載されたように検出される(図5)。ステップ140での返答が「いいえ」であるならば、ステップ145で、処理装置42は、呼吸医薬供給装置2を使用するとき、患者4が少なくとも3秒のような所定時間期間に亘って息を止めなければならないことを示す可聴の注意喚起(reminder)を、スピーカ62を通じて提供させる。ステップ140での返答が「はい」であるならば、ステップ150で、処理装置42は、第五LEDを(例えば、初期的な赤の状態から)緑に変えさせ、治療が完了したことを示す可聴指示を、スピーカ62を通じて提供させる。
【0036】
選択的に、1つ又はそれよりも多くの治療セッション中の呼吸医薬供給装置2の使用に関する情報を記憶するよう処理装置42をプログラムし得る。そのように記憶される情報は、1つ又はそれよりも多くの治療セッションのために、呼吸医薬供給装置2を操作する各ステップが正しく遂行されたか(例えば、LEDが緑に変わったか)否かに関する情報、及び、そのようなステップのタイミング及び長さ(例えば、MDI8はどれぐらい長く振り動かされるか、MDI8が振り動かされたどれぐらい後にMDI8は作動させられるか、検出される吸入の長さ、及び、検出される息止めの長さ)に関する情報を含む。次に、患者4及び/又は患者の介護者は、上記情報をダウンロードし且つ検討及び/又は分析し得る。
【0037】
図10及び図11は、それぞれ、本発明の代替的な例示的な実施態様に従った呼吸医薬供給装置70の前方及び後方の等角図である。図12は、呼吸医薬供給装置70の側断面図である。図10乃至12の実施態様において、呼吸医薬供給装置70は、フィードバック及びコンプライアンス装置72に結合されたMDI8のみを含む。換言すれば、図10乃至12の実施態様は、MDI8と共に使用されるべきスペーサ又は弁付き保持チャンバを必要としない。呼吸医薬供給装置70のフィードバック及びコンプライアンス装置72は、機能性においてフィードバック及びコンプライアンス装置32と類似し、例示的な実施態様では、そのハウジング74内に、図4に示され且つ本明細書中の他の場所に記載されるフィードバック及びコンプライアンス装置32の構成部品の全てを含む(類似の構成部品は類似の参照番号で印されている)。図12を参照すると、フィードバック及びコンプライアンス装置72は、剛性ハウジング74内に取り付けられ且つ支持される可撓な内側部分28を含む。可撓な内側部分28は、ブート12がハウジング74の中央凹部78を通じて受け入れられるとき、本明細書中の他の場所に記載するようなMDI8のブート12の出口30を受け入れるよう構成される孔を定める壁を含む。フィードバック及びコンプライアンス装置72は、薬品流のための中央通路がハウジング74を通じて存在するよう、ハウジング74の前方端部にマウスピース76も含む。上述のように、フィードバック及びコンプライアンス装置72は、本明細書中の他の場所に記載するフィードバック及びコンプライアンス装置32のフィードバック及びコンプライアンス機能性の全てをもたらすよう構成される。よって、患者はマウスピース76を通じて直接的に薬品を受け入れ得るので、フィードバック及びコンプライアンス装置72は、MDI8に直接的に結合可能であり且つ弁付き保持チャンバ又はスペーサを備えずに使用し得るその機能性をもたらすための装置を提供する。
【0038】
本発明の他の場所に記載する本発明の例示的な実施態様の各々は、計量投与量吸入器(MDI)の形態の薬品保管及び供給装置(medication storage and delivery device)を利用するが、それは例示的であることだけを意味し、限定的であることを意味しないことが理解されるべきである。他の種類の既知の或いは今後開発される薬品保管及び供給装置もフィードバック及びコンプライアンス装置32及びフィードバック及びコンプライアンス72と共に利用し得る。例えば、無制限に、フィードバック及びコンプライアンス装置32及びフィードバック及びコンプライアンス装置72を乾燥粉末吸入器(DPI)又は水性液計量分配システムに結合し且つ乾燥粉末吸入器(DPI)又は水性液計量分配システムと共に使用し得る。
【0039】
例示の目的のために現時点で最も実用的且つ好適であると考えられる実施態様に基づき本発明を詳細に記載したが、そのような詳細は専らその目的のためであること、並びに、本発明は開示の実施態様に限定されず、逆に付属の請求項の精神及び範囲内にある変形及び均等な構成をカバーすることが意図されることが理解されるべきである。例えば、本発明は、可能な限り、任意の実施態様の1つ又はそれよりも多くの機能を任意の他の実施態様の1つ又はそれよりも多くの機能と組み合わせ得ることが理解されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出口を有する薬品保管及び供給装置と、
該薬品保管及び供給装置に結合されるフィードバック及びコンプライアンス装置とを含む、
呼吸医薬供給装置であって、
前記フィードバック及びコンプライアンス装置は、開口を有し、前記薬品保管及び供給装置の前記出口は、前記開口を通じて受け入れられ、
前記フィードバック及びコンプライアンス装置は、
(i)1つ又はそれよりも多くのセンサと、
(ii)1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置と、
(iii)処理装置とを含み、
前記1つ又はそれよりも多くのセンサの各々は、前記薬品保管及び供給装置の作動によって導入される薬品の流れを変更又は妨害せずに、当該呼吸医薬供給装置の使用に関するパラメータを感知するよう構成され、
前記処理装置は、前記1つ又はそれよりも多くのフィードバック及びコンプライアンス装置に、前記1つ又はそれよりも多くのセンサのうちの少なくとも1つのセンサの出力に基づき、当該呼吸医薬供給装置の使用に関するフィードバック情報を患者に提供させるようプログラムされる、
呼吸医薬供給装置。
【請求項2】
前記薬品保管及び供給装置は、ブート内に受け入れられるキャニスタを有する計量投与量吸入器であり、前記出口は、前記ブートの一部であり、前記薬品保管及び供給装置の作動によって導入される前記薬品の流れは、エアロゾル柱である、請求項1に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項3】
前記フィードバック情報は、可聴、視覚的、触覚的、又は、それらの組み合わせである、請求項1に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項4】
前記1つ又はそれよりも多くのセンサは、(i)前記薬品保管及び供給装置の震動を感知するための運動感知装置、(ii)患者による吸入を感知するための流動センサ、及び、(iii)前記薬品保管及び供給装置の作動を感知するための力感知装置を含む、請求項1に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項5】
前記運動感知装置は、加速度計であり、前記流動センサは、MEMS型の流動センサであり、前記力感知装置は、荷重計又はひずみ計である、請求項4に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項6】
前記1つ又はそれよりも多くのセンサは、患者の顔に対する当該呼吸医薬供給装置の位置を感知するための近接センサである、請求項1に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項7】
前記近接センサは、IRセンサである、請求項6に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項8】
前記処理装置は、1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置に、(i)前記薬品保管及び供給装置が前記フィードバック及びコンプライアンス装置内に挿入されたという決定に応答して、前記薬品保管及び供給装置を振り動かすという指示、(ii)前記薬品保管及び供給装置が振り動かされたという決定に応答して、前記薬品保管及び供給装置を作動させるという指示、(iii)前記薬品保管及び供給装置が作動させられたという決定に応答して、第一の特定の方法において吸入するという指示、及び、(iv)前記第一の特定の方法における吸入が完了したという決定に応答して、患者に第二の特定の方法において自分の息を止めるよう指示するという指示の形態のフィードバック情報を提供させるようプログラムされる、請求項4に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項9】
前記指示の各々は、可聴指示である、請求項8に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項10】
前記処理装置は、前記1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置に、
(i)前記薬品保管及び供給装置が前記フィードバック及びコンプライアンス装置内に挿入されたという決定に応答する、前記薬品保管及び供給装置が前記フィードバック及びコンプライアンス装置内に挿入されたことを示す第一の表示、(ii)前記薬品保管及び供給装置が振り動かされたという決定に応答する、前記薬品保管及び供給装置が適切に振り動かされたことを示す第二の表示、(iii)前記薬品保管及び供給装置が作動させられたという決定に応答する、前記薬品保管及び供給装置が適切に作動させられたことを示す第三の表示、(iv)第一の特定の方法における吸入が完了したという決定に応答する、吸入が適切に遂行されたことを示す第四の表示、及び、(v)患者が第二の特定の方法において自分の息を止めたという決定に応答する、息止めが適切に遂行されたことを示す第五の表示の形態のフィードバック情報を提供させるようプログラムされる、請求項4に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項11】
前記1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置は、複数のLEDを含み、前記第一の表示、前記第二の表示、前記第三の表示、前記第四の表示、及び、前記第五の表示は、それぞれ、前記LEDのうちの関連するLEDに特定の色の光を放射させることを含む、請求項10に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項12】
前記フィードバック及びコンプライアンス装置は、開口を定めるハウジングを含み、該ハウジングは、前記開口より上に配置される頂部と、前記開口より下に配置される底部と、前方側部と、後方側部とを含み、前記出口は、前記前方側部から外向きに延び、前記力感知装置は、前記底部において前記ハウジング内に設けられる、請求項4に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項13】
前記底部は、前記後方側部から前記前方側部まで貫通して延びる通路を含み、該通路は、前記ハウジングを通じる流体流を可能にするよう構成され、前記流動センサは、前記通路に近接して前記底部内に位置付けられる、請求項12に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項14】
前記フィードバック及びコンプライアンス装置は、前記開口を定めるハウジングを含み、該ハウジングは、前記開口より上に配置される頂部と、前記開口より下に配置される底部と、前方側部と、後方側部とを含み、前記出口は、前記前方側部から外向きに延び、前記近接センサは、前記前方側部の上で前記頂部内に設けられる、請求項6に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項15】
前記1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置は、前記ハウジングの前記前方側部上で前記頂部内に設けられる複数のLEDを含む、請求項12に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項16】
前記1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置は、複数のLEDを含み、前記処理装置は、前記1つ又はそれよりも多くのセンサのうちの少なくとも1つのセンサの出力に基づき、前記LEDのうちの選択的なLEDに特定の色の光を放射させるようプログラムされ、前記フィードバック情報は、前記特定の色の光を含む、請求項1に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項17】
前記1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置は、スピーカを含み、前記処理装置は、前記1つ又はそれよりも多くのセンサの内の少なくとも1つのセンサの出力に基づき、前記スピーカに当該呼吸医薬供給装置の適切な使用に関する可聴指示を提供させるようプログラムされ、前記フィードバック情報は、可聴指示を含む、請求項1に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項18】
弁付き保持チャンバを更に含み、該弁付き保持チャンバは、主チャンバと、該主チャンバに結合されるアダプタとを含み、該アダプタは、前記計量投与量吸入器の前記出口を受け入れ且つ保持し、前記フィードバック及びコンプライアンス装置は、前記計量投与量吸入器の一部と前記アダプタとの間に保持され且つ位置付けられる、請求項2に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項19】
前記フィードバック及びコンプライアンス装置は、前記アダプタに取り外し可能に取り付けられるよう構成される、請求項18に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項20】
前記フィードバック及びコンプライアンス装置と前記アダプタとは、一体形の組立体を形成する、請求項18に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項21】
前記弁付き保持チャンバは、吐出弁を含み、前記1つ又はそれよりも多くのセンサは、前記吐出弁の開放を感知するためのセンサを含む、請求項18に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項22】
前記吐出弁の開放を感知するための前記センサは、IRセンサである、請求項21に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項23】
出口を有する薬品保管及び供給装置を含む呼吸医薬供給装置の適切な使用を奨励する方法であって、
フィードバック及びコンプライアンス装置を提供することを含み、該フィードバック及びコンプライアンス装置は、1つ又はそれよりも多くのセンサを含み、該1つ又はそれよりも多くのセンサの各々は、前記薬品保管及び供給装置の作動によって導入される薬品の流れを変更又は妨害せずに、前記呼吸医薬供給装置の使用に関するパラメータを感知するよう構成され、
前記出口を前記フィードバック及びコンプライアンス装置内に設けられる開口を通じて挿入することによって、前記薬品保管及び供給装置を前記フィードバック及びコンプライアンス装置に結合することを含み、
前記1つ又はそれよりも多くのセンサのうちの少なくとも1つのセンサの出力に基づき、前記呼吸医薬供給装置の使用に関するフィードバック情報を患者に提供することを含む、
方法。
【請求項24】
前記薬品保管及び供給装置は、ブート内に受け入れられるキャニスタを有する計量投与量吸入器であり、前記出口は、前記ブートの一部であり、前記薬品保管及び供給装置の作動によって導入される前記薬品の流れは、エアロゾル柱である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記フィードバック情報は、可聴、視覚的、触覚的、又は、それらの組み合わせである、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記フィードバック情報を提供することは、(i)前記薬品保管及び供給装置が前記フィードバック及びコンプライアンス装置内に挿入されたことを前記フィードバック及びコンプライアンス装置内で決定し、それに応答して、前記薬品保管及び供給装置を振り動かすという指示を提供すること、(ii)前記薬品保管及び供給装置が振り動かされたことを前記フィードバック及びコンプライアンス装置内で決定し、それに応答して、前記薬品保管及び供給装置を作動させるという指示を提供すること、(iii)前記薬品保管及び供給装置が作動させられたことを前記フィードバック及びコンプライアンス装置内で決定し、それに応答して、第一の特定の方法において吸入するという指示を提供すること、及び、(iv)前記第一の特定の方法における吸入が完了したことを前記フィードバック及びコンプライアンス装置内で決定し、それに応答して、患者に第二の特定の方法において自分の息を止めることを指示するという指示を提供することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記指示の各々は、可聴指示である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記フィードバック情報を提供することは、(i)前記薬品保管及び供給装置が前記フィードバック及びコンプライアンス装置内に挿入されたことを前記フィードバック及びコンプライアンス装置内で決定し、それに応答して、前記薬品保管及び供給装置が前記フィードバック及びコンプライアンス装置内に適切に挿入されたことを示す第一の表示を提供すること、(ii)前記薬品保管及び供給装置が振り動かされたことを前記フィードバック及びコンプライアンス装置内で決定し、それに応答して、前記薬品保管及び供給装置が適切に振り動かされたことを示す第二の表示を提供すること、(iii)前記薬品保管及び供給装置が作動させられたことを前記フィードバック及びコンプライアンス装置内で決定し、それに応答して、前記薬品保管及び供給装置が適切に作動させられたことを示す第三の表示を提供すること、(iv)吸入が第一の特定の方法において完了したことを前記フィードバック及びコンプライアンス装置内で決定し、それに応答して、吸入が適切に遂行されたことを示す第四の表示を提供すること、及び、(v)患者が第二の特定の方法において自分の息を止めたことを前記フィードバック及びコンプライアンス装置内で決定し、それに応答して、息止めが適切に遂行されたことを示す第五の表示を提供することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記第一の表示、前記第二の表示、前記第三の表示、前記第四の表示、及び、前記第五の表示は、視覚的表示を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
主チャンバと該主チャンバに結合されるアダプタとを含む弁付き保持チャンバを提供することを更に含み、前記計量投与量吸入器の前記ブートの前記出口を前記アダプタ内に挿入することを更に含み、前記フィードバック及びコンプライアンス装置は、前記計量投与量吸入器の一部と前記アダプタとの間に保持され且つ位置付けられる、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
呼吸医薬供給装置と共に使用するためのフィードバック及びコンプライアンス装置であって、
開口を有するハウジングと
1つ又はそれよりも多くのセンサと、
1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置と、
処理装置とを含み、
前記開口は、前記薬品保管の出口を受け入れるよう構成され、
前記1つ又はそれよりも多くのセンサの各々は、前記薬品保管及び供給装置の作動によって導入される薬品の流れを変更又は妨害せずに、前記薬品保管及び供給装置の使用に関するパラメータを感知するよう構成され、
前記処理装置は、前記1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置に、前記1つ又はそれよりも多くのセンサのうちの少なくとも1つのセンサの出力に基づき、前記薬品保管及び供給装置の使用に関するフィードバック情報を患者に提供させるようプログラムされる、
フィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項32】
前記1つ又はそれよりも多くのセンサは、(i)前記薬品保管及び供給装置の震動を感知するための運動感知装置と、(ii)患者による吸入を感知するための流動センサと、(iii)前記薬品保管及び供給装置の作動を感知するための力感知装置とを含む、請求項31に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項33】
前記1つ又はそれよりも多くのセンサは、患者の顔に対する前記フィードバック及びコンプライアンス装置の一部を感知するための近接センサを含む、請求項31に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項34】
前記近接センサは、IRセンサである、請求項33に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項35】
前記処理装置は、1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置に、(i)前記薬品保管及び供給装置が前記フィードバック及びコンプライアンス装置内に挿入されたという決定に応答する、前記薬品保管及び供給装置を振り動かすという指示、(ii)前記薬品保管及び供給装置が振り動かされたという決定に応答する、前記薬品保管及び供給装置を作動させるという指示、(iii)前記薬品保管及び供給装置が作動させられたという決定に応答する、第一の特定の方法において吸入するという指示、及び、(iv)前記第一の特定の方向における吸入が完了したという決定に応答する、患者が第二の特定の方法において自分の息を止めることを指示するという指示の形態のフィードバック情報を提供させるようプログラムされる、請求項32に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項36】
前記処理装置は、1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置に、(i)前記薬品保管及び供給装置が前記フィードバック及びコンプライアンス装置内に挿入されたという決定に応答する、前記薬品保管及び供給装置が前記フィードバック及びコンプライアンス装置内に適切に挿入されたことを示す第一の表示、(ii)前記薬品保管及び供給装置が振り動かされたという決定に応答する、前記薬品保管及び供給装置が適切に振り動かされたことを示す第二の表示、(iii)前記薬品保管及び供給装置が作動させられたという決定に応答する、前記薬品保管及び供給装置が適切に作動させられたことを示す第三の表示、(iv)吸入が第一の特定の方法において完了したという決定に応答する、吸入が適切に遂行されたことを示す第四の表示、及び、(v)患者が第二の特定の方法において自分の息を止めたという決定に応答する、息止めが適切に遂行されたことを示す第五の決定の形態のフィードバック情報を提供させるようプログラムされる、請求項32に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項37】
前記1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置は、複数のLEDを含み、前記第一の表示、前記第二の表示、前記第三の表示、前記第四の表示、及び、前記第五の表示は、前記LEDのうちの関連するLEDに特定の色の光を放射させることをそれぞれ含む、請求項36に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項38】
前記フィードバック及びコンプライアンス装置は、前記開口を定めるハウジングを含み、前記ハウジングは、前記開口より上に配置される頂部と、前記開口より下に配置される底部と、前方側部と、後方側部とを含み、前記出口は、前記前方側部から外向きに延び、前記力感知装置は、前記底部において前記ハウジング内に設けられる、請求項32に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項39】
前記底部は、前記後方側部から前記前方側部まで貫通して延びる通路を含み、前記通路は、前記ハウジングを通じる流体流を可能にするよう構成され、前記流動センサは、前記通路に隣接して前記底部内に位置付けられる、請求項38に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項40】
前記フィードバック及びコンプライアンス装置は、前記開口を定めるハウジングを含み、該ハウジングは、前記開口より上に配置される頂部と、前記開口より下に配置される底部と、前方側部と、後方側部とを含み、前記出口は、前記前方側部から外向きに延び、前記近接センサは、前記前方側部の上の頂部に設けられる、請求項33に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項41】
1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置は、複数のLEDを含み、前記処理装置は、前記1つ又はそれよりも多くのセンサのうちの少なくとも1つのセンサの出力に基づき、前記LEDのうちの選択的なLEDに特定の色の光を放射させるようプログラムされ、前記フィードバック情報は、前記特定の色の光を含む、請求項31に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項42】
前記1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置は、スピーカを含み、前記処理装置は、前記スピーカに、前記1つ又はそれよりも多くのセンサのうちの少なくとも1つのセンサの出力に基づき、前記呼吸医薬供給装置の適切な使用に関する可聴指示を提供させるようプログラムされ、前記フィードバック情報は、前記可聴指示を含む、請求項31に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項43】
弁付き保持チャンバの主チャンバに結合されるよう構成されるアダプタを更に含み、該アダプタは、前記出口を受け入れ且つ保持するよう構成される、請求項31に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項44】
前記ハウジングは、弁付き保持チャンバの主チャンバに結合されるよう構成されるアダプタに取り外し可能に取り付けられるよう構成され、該アダプタは、前記出口を受け入れ且つ保持するよう構成される、請求項31に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項45】
前記1つ又はそれよりも多くのセンサは、弁付き保持チャンバの吐出弁の開放を感知するためのセンサを含む、請求項31に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項1】
出口を有する薬品保管及び供給装置と、
該薬品保管及び供給装置に結合されるフィードバック及びコンプライアンス装置とを含む、
呼吸医薬供給装置であって、
前記フィードバック及びコンプライアンス装置は、開口を有し、前記薬品保管及び供給装置の前記出口は、前記開口を通じて受け入れられ、
前記フィードバック及びコンプライアンス装置は、
(i)1つ又はそれよりも多くのセンサと、
(ii)1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置と、
(iii)処理装置とを含み、
前記1つ又はそれよりも多くのセンサの各々は、前記薬品保管及び供給装置の作動によって導入される薬品の流れを変更又は妨害せずに、当該呼吸医薬供給装置の使用に関するパラメータを感知するよう構成され、
前記処理装置は、前記1つ又はそれよりも多くのフィードバック及びコンプライアンス装置に、前記1つ又はそれよりも多くのセンサのうちの少なくとも1つのセンサの出力に基づき、当該呼吸医薬供給装置の使用に関するフィードバック情報を患者に提供させるようプログラムされる、
呼吸医薬供給装置。
【請求項2】
前記薬品保管及び供給装置は、ブート内に受け入れられるキャニスタを有する計量投与量吸入器であり、前記出口は、前記ブートの一部であり、前記薬品保管及び供給装置の作動によって導入される前記薬品の流れは、エアロゾル柱である、請求項1に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項3】
前記フィードバック情報は、可聴、視覚的、触覚的、又は、それらの組み合わせである、請求項1に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項4】
前記1つ又はそれよりも多くのセンサは、(i)前記薬品保管及び供給装置の震動を感知するための運動感知装置、(ii)患者による吸入を感知するための流動センサ、及び、(iii)前記薬品保管及び供給装置の作動を感知するための力感知装置を含む、請求項1に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項5】
前記運動感知装置は、加速度計であり、前記流動センサは、MEMS型の流動センサであり、前記力感知装置は、荷重計又はひずみ計である、請求項4に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項6】
前記1つ又はそれよりも多くのセンサは、患者の顔に対する当該呼吸医薬供給装置の位置を感知するための近接センサである、請求項1に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項7】
前記近接センサは、IRセンサである、請求項6に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項8】
前記処理装置は、1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置に、(i)前記薬品保管及び供給装置が前記フィードバック及びコンプライアンス装置内に挿入されたという決定に応答して、前記薬品保管及び供給装置を振り動かすという指示、(ii)前記薬品保管及び供給装置が振り動かされたという決定に応答して、前記薬品保管及び供給装置を作動させるという指示、(iii)前記薬品保管及び供給装置が作動させられたという決定に応答して、第一の特定の方法において吸入するという指示、及び、(iv)前記第一の特定の方法における吸入が完了したという決定に応答して、患者に第二の特定の方法において自分の息を止めるよう指示するという指示の形態のフィードバック情報を提供させるようプログラムされる、請求項4に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項9】
前記指示の各々は、可聴指示である、請求項8に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項10】
前記処理装置は、前記1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置に、
(i)前記薬品保管及び供給装置が前記フィードバック及びコンプライアンス装置内に挿入されたという決定に応答する、前記薬品保管及び供給装置が前記フィードバック及びコンプライアンス装置内に挿入されたことを示す第一の表示、(ii)前記薬品保管及び供給装置が振り動かされたという決定に応答する、前記薬品保管及び供給装置が適切に振り動かされたことを示す第二の表示、(iii)前記薬品保管及び供給装置が作動させられたという決定に応答する、前記薬品保管及び供給装置が適切に作動させられたことを示す第三の表示、(iv)第一の特定の方法における吸入が完了したという決定に応答する、吸入が適切に遂行されたことを示す第四の表示、及び、(v)患者が第二の特定の方法において自分の息を止めたという決定に応答する、息止めが適切に遂行されたことを示す第五の表示の形態のフィードバック情報を提供させるようプログラムされる、請求項4に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項11】
前記1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置は、複数のLEDを含み、前記第一の表示、前記第二の表示、前記第三の表示、前記第四の表示、及び、前記第五の表示は、それぞれ、前記LEDのうちの関連するLEDに特定の色の光を放射させることを含む、請求項10に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項12】
前記フィードバック及びコンプライアンス装置は、開口を定めるハウジングを含み、該ハウジングは、前記開口より上に配置される頂部と、前記開口より下に配置される底部と、前方側部と、後方側部とを含み、前記出口は、前記前方側部から外向きに延び、前記力感知装置は、前記底部において前記ハウジング内に設けられる、請求項4に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項13】
前記底部は、前記後方側部から前記前方側部まで貫通して延びる通路を含み、該通路は、前記ハウジングを通じる流体流を可能にするよう構成され、前記流動センサは、前記通路に近接して前記底部内に位置付けられる、請求項12に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項14】
前記フィードバック及びコンプライアンス装置は、前記開口を定めるハウジングを含み、該ハウジングは、前記開口より上に配置される頂部と、前記開口より下に配置される底部と、前方側部と、後方側部とを含み、前記出口は、前記前方側部から外向きに延び、前記近接センサは、前記前方側部の上で前記頂部内に設けられる、請求項6に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項15】
前記1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置は、前記ハウジングの前記前方側部上で前記頂部内に設けられる複数のLEDを含む、請求項12に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項16】
前記1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置は、複数のLEDを含み、前記処理装置は、前記1つ又はそれよりも多くのセンサのうちの少なくとも1つのセンサの出力に基づき、前記LEDのうちの選択的なLEDに特定の色の光を放射させるようプログラムされ、前記フィードバック情報は、前記特定の色の光を含む、請求項1に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項17】
前記1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置は、スピーカを含み、前記処理装置は、前記1つ又はそれよりも多くのセンサの内の少なくとも1つのセンサの出力に基づき、前記スピーカに当該呼吸医薬供給装置の適切な使用に関する可聴指示を提供させるようプログラムされ、前記フィードバック情報は、可聴指示を含む、請求項1に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項18】
弁付き保持チャンバを更に含み、該弁付き保持チャンバは、主チャンバと、該主チャンバに結合されるアダプタとを含み、該アダプタは、前記計量投与量吸入器の前記出口を受け入れ且つ保持し、前記フィードバック及びコンプライアンス装置は、前記計量投与量吸入器の一部と前記アダプタとの間に保持され且つ位置付けられる、請求項2に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項19】
前記フィードバック及びコンプライアンス装置は、前記アダプタに取り外し可能に取り付けられるよう構成される、請求項18に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項20】
前記フィードバック及びコンプライアンス装置と前記アダプタとは、一体形の組立体を形成する、請求項18に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項21】
前記弁付き保持チャンバは、吐出弁を含み、前記1つ又はそれよりも多くのセンサは、前記吐出弁の開放を感知するためのセンサを含む、請求項18に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項22】
前記吐出弁の開放を感知するための前記センサは、IRセンサである、請求項21に記載の呼吸医薬供給装置。
【請求項23】
出口を有する薬品保管及び供給装置を含む呼吸医薬供給装置の適切な使用を奨励する方法であって、
フィードバック及びコンプライアンス装置を提供することを含み、該フィードバック及びコンプライアンス装置は、1つ又はそれよりも多くのセンサを含み、該1つ又はそれよりも多くのセンサの各々は、前記薬品保管及び供給装置の作動によって導入される薬品の流れを変更又は妨害せずに、前記呼吸医薬供給装置の使用に関するパラメータを感知するよう構成され、
前記出口を前記フィードバック及びコンプライアンス装置内に設けられる開口を通じて挿入することによって、前記薬品保管及び供給装置を前記フィードバック及びコンプライアンス装置に結合することを含み、
前記1つ又はそれよりも多くのセンサのうちの少なくとも1つのセンサの出力に基づき、前記呼吸医薬供給装置の使用に関するフィードバック情報を患者に提供することを含む、
方法。
【請求項24】
前記薬品保管及び供給装置は、ブート内に受け入れられるキャニスタを有する計量投与量吸入器であり、前記出口は、前記ブートの一部であり、前記薬品保管及び供給装置の作動によって導入される前記薬品の流れは、エアロゾル柱である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記フィードバック情報は、可聴、視覚的、触覚的、又は、それらの組み合わせである、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記フィードバック情報を提供することは、(i)前記薬品保管及び供給装置が前記フィードバック及びコンプライアンス装置内に挿入されたことを前記フィードバック及びコンプライアンス装置内で決定し、それに応答して、前記薬品保管及び供給装置を振り動かすという指示を提供すること、(ii)前記薬品保管及び供給装置が振り動かされたことを前記フィードバック及びコンプライアンス装置内で決定し、それに応答して、前記薬品保管及び供給装置を作動させるという指示を提供すること、(iii)前記薬品保管及び供給装置が作動させられたことを前記フィードバック及びコンプライアンス装置内で決定し、それに応答して、第一の特定の方法において吸入するという指示を提供すること、及び、(iv)前記第一の特定の方法における吸入が完了したことを前記フィードバック及びコンプライアンス装置内で決定し、それに応答して、患者に第二の特定の方法において自分の息を止めることを指示するという指示を提供することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記指示の各々は、可聴指示である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記フィードバック情報を提供することは、(i)前記薬品保管及び供給装置が前記フィードバック及びコンプライアンス装置内に挿入されたことを前記フィードバック及びコンプライアンス装置内で決定し、それに応答して、前記薬品保管及び供給装置が前記フィードバック及びコンプライアンス装置内に適切に挿入されたことを示す第一の表示を提供すること、(ii)前記薬品保管及び供給装置が振り動かされたことを前記フィードバック及びコンプライアンス装置内で決定し、それに応答して、前記薬品保管及び供給装置が適切に振り動かされたことを示す第二の表示を提供すること、(iii)前記薬品保管及び供給装置が作動させられたことを前記フィードバック及びコンプライアンス装置内で決定し、それに応答して、前記薬品保管及び供給装置が適切に作動させられたことを示す第三の表示を提供すること、(iv)吸入が第一の特定の方法において完了したことを前記フィードバック及びコンプライアンス装置内で決定し、それに応答して、吸入が適切に遂行されたことを示す第四の表示を提供すること、及び、(v)患者が第二の特定の方法において自分の息を止めたことを前記フィードバック及びコンプライアンス装置内で決定し、それに応答して、息止めが適切に遂行されたことを示す第五の表示を提供することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記第一の表示、前記第二の表示、前記第三の表示、前記第四の表示、及び、前記第五の表示は、視覚的表示を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
主チャンバと該主チャンバに結合されるアダプタとを含む弁付き保持チャンバを提供することを更に含み、前記計量投与量吸入器の前記ブートの前記出口を前記アダプタ内に挿入することを更に含み、前記フィードバック及びコンプライアンス装置は、前記計量投与量吸入器の一部と前記アダプタとの間に保持され且つ位置付けられる、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
呼吸医薬供給装置と共に使用するためのフィードバック及びコンプライアンス装置であって、
開口を有するハウジングと
1つ又はそれよりも多くのセンサと、
1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置と、
処理装置とを含み、
前記開口は、前記薬品保管の出口を受け入れるよう構成され、
前記1つ又はそれよりも多くのセンサの各々は、前記薬品保管及び供給装置の作動によって導入される薬品の流れを変更又は妨害せずに、前記薬品保管及び供給装置の使用に関するパラメータを感知するよう構成され、
前記処理装置は、前記1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置に、前記1つ又はそれよりも多くのセンサのうちの少なくとも1つのセンサの出力に基づき、前記薬品保管及び供給装置の使用に関するフィードバック情報を患者に提供させるようプログラムされる、
フィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項32】
前記1つ又はそれよりも多くのセンサは、(i)前記薬品保管及び供給装置の震動を感知するための運動感知装置と、(ii)患者による吸入を感知するための流動センサと、(iii)前記薬品保管及び供給装置の作動を感知するための力感知装置とを含む、請求項31に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項33】
前記1つ又はそれよりも多くのセンサは、患者の顔に対する前記フィードバック及びコンプライアンス装置の一部を感知するための近接センサを含む、請求項31に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項34】
前記近接センサは、IRセンサである、請求項33に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項35】
前記処理装置は、1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置に、(i)前記薬品保管及び供給装置が前記フィードバック及びコンプライアンス装置内に挿入されたという決定に応答する、前記薬品保管及び供給装置を振り動かすという指示、(ii)前記薬品保管及び供給装置が振り動かされたという決定に応答する、前記薬品保管及び供給装置を作動させるという指示、(iii)前記薬品保管及び供給装置が作動させられたという決定に応答する、第一の特定の方法において吸入するという指示、及び、(iv)前記第一の特定の方向における吸入が完了したという決定に応答する、患者が第二の特定の方法において自分の息を止めることを指示するという指示の形態のフィードバック情報を提供させるようプログラムされる、請求項32に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項36】
前記処理装置は、1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置に、(i)前記薬品保管及び供給装置が前記フィードバック及びコンプライアンス装置内に挿入されたという決定に応答する、前記薬品保管及び供給装置が前記フィードバック及びコンプライアンス装置内に適切に挿入されたことを示す第一の表示、(ii)前記薬品保管及び供給装置が振り動かされたという決定に応答する、前記薬品保管及び供給装置が適切に振り動かされたことを示す第二の表示、(iii)前記薬品保管及び供給装置が作動させられたという決定に応答する、前記薬品保管及び供給装置が適切に作動させられたことを示す第三の表示、(iv)吸入が第一の特定の方法において完了したという決定に応答する、吸入が適切に遂行されたことを示す第四の表示、及び、(v)患者が第二の特定の方法において自分の息を止めたという決定に応答する、息止めが適切に遂行されたことを示す第五の決定の形態のフィードバック情報を提供させるようプログラムされる、請求項32に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項37】
前記1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置は、複数のLEDを含み、前記第一の表示、前記第二の表示、前記第三の表示、前記第四の表示、及び、前記第五の表示は、前記LEDのうちの関連するLEDに特定の色の光を放射させることをそれぞれ含む、請求項36に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項38】
前記フィードバック及びコンプライアンス装置は、前記開口を定めるハウジングを含み、前記ハウジングは、前記開口より上に配置される頂部と、前記開口より下に配置される底部と、前方側部と、後方側部とを含み、前記出口は、前記前方側部から外向きに延び、前記力感知装置は、前記底部において前記ハウジング内に設けられる、請求項32に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項39】
前記底部は、前記後方側部から前記前方側部まで貫通して延びる通路を含み、前記通路は、前記ハウジングを通じる流体流を可能にするよう構成され、前記流動センサは、前記通路に隣接して前記底部内に位置付けられる、請求項38に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項40】
前記フィードバック及びコンプライアンス装置は、前記開口を定めるハウジングを含み、該ハウジングは、前記開口より上に配置される頂部と、前記開口より下に配置される底部と、前方側部と、後方側部とを含み、前記出口は、前記前方側部から外向きに延び、前記近接センサは、前記前方側部の上の頂部に設けられる、請求項33に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項41】
1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置は、複数のLEDを含み、前記処理装置は、前記1つ又はそれよりも多くのセンサのうちの少なくとも1つのセンサの出力に基づき、前記LEDのうちの選択的なLEDに特定の色の光を放射させるようプログラムされ、前記フィードバック情報は、前記特定の色の光を含む、請求項31に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項42】
前記1つ又はそれよりも多くのフィードバック装置は、スピーカを含み、前記処理装置は、前記スピーカに、前記1つ又はそれよりも多くのセンサのうちの少なくとも1つのセンサの出力に基づき、前記呼吸医薬供給装置の適切な使用に関する可聴指示を提供させるようプログラムされ、前記フィードバック情報は、前記可聴指示を含む、請求項31に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項43】
弁付き保持チャンバの主チャンバに結合されるよう構成されるアダプタを更に含み、該アダプタは、前記出口を受け入れ且つ保持するよう構成される、請求項31に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項44】
前記ハウジングは、弁付き保持チャンバの主チャンバに結合されるよう構成されるアダプタに取り外し可能に取り付けられるよう構成され、該アダプタは、前記出口を受け入れ且つ保持するよう構成される、請求項31に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【請求項45】
前記1つ又はそれよりも多くのセンサは、弁付き保持チャンバの吐出弁の開放を感知するためのセンサを含む、請求項31に記載のフィードバック及びコンプライアンス装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2013−516265(P2013−516265A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547559(P2012−547559)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【国際出願番号】PCT/IB2010/055642
【国際公開番号】WO2011/083377
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【国際出願番号】PCT/IB2010/055642
【国際公開番号】WO2011/083377
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
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