説明

フェイスマスク

【課題】 化粧水なしでも使用できるフェイスマスクであり、顔面を炭層で覆って肌に適度の刺激を与え、目の疲れを癒す。
【解決手段】 炭粉とエチレン酢酸ビニル樹脂で構成された炭層と紙又は不織布が一体化したシートを成形したものであり、炭層を顔面に接触させて使用するフェイスマスク。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェイスマスクに係る。
【背景技術】
【0002】
顔面に当てるマスク状のものが多数開発されている。その中でも、遠赤外線効果を有するものや美容成分を含有したものがある。
【0003】
従来のシート状の美顔用マスクには、天然、合成繊維質材料に炭質包被鉱物粒子、ペグマタイト酸化鉱物粒子を内蔵又は被覆させたものもある(例えば、参考文献2参照。)。
【0004】
遠赤外線効果を目的としたものとして、顔面全体又は顔の任意の部分を覆う美顔用マスクであって、炭質粉末層をセルロース系繊維から構成された2枚の不織布で挟み一体化してなることを特徴とする美顔用マスクがある。(例えば、参考文献1参照)
【0005】
参考文献3には植物性炭素繊維からなる生地を肌に接する裏面又は中間層として用いたことを特徴とした顔に取り付けることができるマスクがある。
【0006】
参考文献1の美顔用マスクでは、炭粉を不織布などで挟んだ物であって、厚みがあって柔軟性に欠け、顔面に取り付け部分がないため乾燥時の使用はできない。参考文献2の美顔用マスクでは遠赤外線放射特性が悪く、遠赤効果は低い。双方共に直接炭粉に皮膚が接触できないものであった。参考文献3は植物性炭素繊維からなる生地を肌に接しないようにしたマスクである。
【0007】
このように従来のものは炭化物の遠赤効果を主に利用しようとするもので、特に顔面に炭層を接触させて、炭の摩擦による刺激を利用したものはなく、多様な炭の機能を十分に利用できていない。当然、乾燥時使用による効果を得るような設計にはなっていない。
【参考文献】
【0008】
【参考文献1】
特願2002−281679
【参考文献2】
実開昭53−30967号公報(第1−3頁、第1、2図)
【参考文献3】
特開2002−172022
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
炭の特長は、常温での遠赤外線放射特性が優れているだけでなく、吸着性、吸湿性、抗菌性、抗酸化作用、テラ領域の電磁波吸収作用、摩擦係数が大きい等があり、遮蔽物なく直接炭を肌に接触させて炭の全ての機能を得ることが望ましい。本発明は炭の遠赤外線放射特性のほか、抗酸化作用、抗菌性、吸着性、吸水性、を利用し、特に摩擦の大きさを利用した刺激を得るフェイスマスクに係わる。
【0010】
このようなフェイスマスクを得るためには、炭の吸水性を保持し、化粧水を吸収させても汚れなくする加工技術や、紙と炭粉が一体化して柔軟性を保持する技術を要する。
【0011】
本発明のフェイスマスクは、炭層と顔面を接触させることが特徴であり、炭層に化粧水を吸収させて、遠赤外線の温熱作用で吸収を促進するだけでなく、遮蔽物がないため抗酸化作用や殺菌効果で肌を健全に保ち、肌への適度の刺激を得る。また、化粧水がなくても、顔面が適度の刺激で付け心地がよく、直接的に遠赤外線効果を得て新陳代謝を高め、特に目の疲れを癒すフェイスマスクを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
エチレン酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤と炭粉と水を、例えば8:10:6で混合したものを不織布または紙に塗布して、特に柔軟性、吸水性、耐水性がある炭層を得、紙や不織布と一体化して、炭層に化粧水を吸収させた時に問題となる粉塵の発生や汚れを解決した炭塗工不織布、炭塗工紙を得たことが特徴である。
【0013】
炭層の厚みは0.02〜0.2mmであり、望ましくは0.05mm前後である。
【0014】
炭粉には木炭、竹炭、活性炭を使用し、炭粉径は30〜200ミクロン範囲で、望ましくは80ミクロン前後の粒状であり、不織布や紙は0.1〜1mm範囲の厚みであり、望ましくは0.5mm前後である。
【0015】
目は遠赤外線によって加熱して相当疲れが癒されることが、添付書類1のように実験によって明らかになったため、目の部分を大きくくり貫かず、図1のようにテレビが最低限見える程度にしている形が特徴である。
【0016】
殺菌効果は添付書類2のようであり、炭層に化粧水を含浸しても雑菌の増殖はない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
請求項1のフェイスマスクは図1のように、化粧水無しでも顔に取り付け可能なように取り付け部を有していて、炭層と顔面が接触するのが特徴であり、目の疲れを癒すように開口部が小さい形であるのが特徴である。
【0018】
本発明に係るフェイスマスクは、顔面の全体を覆う任意の形状であり、例えば、図1に示すような顔面とほぼ同じ大きさの略円形状のフェイスマスクで、素材は不織布や紙と炭層が一体化した構造をしている。
【0019】
素材の構成は、炭粉とエチレン酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤と水を10:6〜10:4〜10、望ましくは10:8:6比率で混合した炭塗工液を得て、不織布や紙へ塗布したものである。塗布量は50〜200g/mであり、望ましい混合比率における固形物中の炭重量比は約72%である。
【0020】
図1に示すように、目及び口に対応する部分と両端に顔に取り付け用の開口部(2)を設け、鼻の輪郭と鼻の下に切り目(3)を設けている。尚、目は小さな開口部であり、口部分は楕円の大きな開口部を設け、顔に取り付け用の開口部はゴムなどが入る穴で成っている。顔の曲面に対応するためにマスクの周囲に求心状に複数の切り目(3)や切り込み(4)を設ける。
【発明の効果】
【0021】
以上詳述した如く、請求項1に係る発明は、顔面全体を覆うフェイスマスクであって、紙または不織布と炭層で構成され、炭層は炭粉約72%重量とエチレン酢酸ビニル樹脂約28%重量で構成されていて安全であり、顔面と炭層が遮蔽物なく接触するものであり、炭の全ての機能を得ることができるフェイスマスクである。
【0022】
炭が直接肌に触れるため、顔面に適度の刺激があり、化粧水を付けなくても遠赤外線効果と刺激で細胞を活性化し新陳代謝を促進する。特に目と周辺の細胞を活性化して、目疲れを癒す作用が大きい。当然化粧水を付けても同様であり細胞が活性化されるため吸収がよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】顔面全体を覆う美顔用マスクの平面図である。
【符号の説明】
【0024】
1.フェイスマスク
2.開口部
3.切り込み
4.切抜き

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭粉とエチレン酢酸ビニル樹脂で構成された炭層と紙又は不織布が一体化したシートを成形したものであり、顔面に炭層を接触させて使用するフェイスマスク。

【図1】
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【公開番号】特開2010−17498(P2010−17498A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−203607(P2008−203607)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(598095042)株式会社森林研究所 (24)
【出願人】(506409136)