説明

フェニル−アセトアミドNNRT阻害剤

本発明は、HIV感染の治療もしくはHIV感染の予防、またはAIDSもしくはARCの処置に有用な化合物を提供する。本発明の化合物は、式Iのもの(式中、R1〜R4およびArは、本明細書で定義されているとおりである)である。同じく、本発明に開示されているものは、本明細書で定義されているとおりの化合物でHIV感染を処置する方法およびその化合物を含有する医薬組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗ウイルス治療の分野に関し、特にHIV逆転写酵素を阻害し、かつヒト免疫不全ウイルス(HIV)介在疾患を処置するのに有用である、非ヌクレオシド化合物に関する。本発明は、単独治療または併用治療においてこの化合物を使用する、HIV介在疾患、AIDSまたはARCの治療または予防のための式Iの新規N−フェニルフェニルアセトアミド化合物を提供する。
【0002】
ヒト免疫不全ウイルスHIVは、免疫系、特にCD4+T細胞の破壊とそれに付随して日和見感染症に罹患しやすいことを特徴とする疾患である、後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因物質である。HIV感染は、また、遷延性全身性リンパ節炎、発熱および体重減少のような症状を特徴とする症候群である、エイズ関連症候群(ARC)にも関連する。
【0003】
他のレトロウイルスと同様に、HIVゲノムは、gagおよびgag−polとして知られているタンパク質前駆物質をコードし、これらは、ウイルスプロテアーゼにより処理されて、プロテアーゼ、逆転写酵素(RT)、エンドヌクレアーゼ/インテグラーゼおよびウイルスコアの成熟構造タンパク質を与える。この処理の中断は、通常の感染性ウイルスの産生を防止する。ウイルスがコードした酵素を阻害することによるHIVの制御に向かって、鋭意努力がなされてきた。
【0004】
いくつかの現在利用可能な化学療法は、2つの重要なウイルス酵素:HIVプロテアーゼおよびHIV逆転写酵素を標的にする。(J. S. G. Montaner et al. Antiretroviral therapy: 'the state of the art', Biomed & Pharmacother. 1999 53:63-72; R. W. Shafer and D. A. Vuitton, Highly active retroviral therapy (HAART) for the treatment of infection with human immunodeficiency virus type, Biomed. & Pharmacother. 1999 53:73-86; E. De Clercq, New Developments in Anti-HIV Chemotherap. Curr. Med. Chem. 2001 8:1543-1572)。2つの一般的な種類のRTI阻害剤:ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NRTI)および非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤が同定されている。
【0005】
NRTIは、典型的には、ウイルスRTと相互作用する前にリン酸化されなければならない、2’,3’−ジデオキシヌクレオシド(ddN)類似体である。対応する三リン酸は、競合的阻害剤として、またはウイルスRTの代替的な基質として機能する。核酸への組み込みの後、ヌクレオシド類似体は、鎖延長プロセスを停止させる。HIV逆転写酵素は、ヌクレオシド類似体を切断し、かつ延長を続けさせて耐性菌株が遮断に打ち勝つことを可能にする、DNA編集能力を有する。現在臨床的に使用されているNRTIとして、ジドブジン(zidovudine)(AZT)、ジダノシン(didanosine)(ddI)、ザルシタビン(zalcitabine)(ddC)、スタブジン(stavudine)(d4T)、ラミブジン(lamivudine)(3TC)、およびテノフォビル(tenoforvir)(PMPA)が挙げられる。
【0006】
NNRTIは最初に1989年に発見された。NNRTIは、HIV逆転写酵素の非基質結合部位に可逆的に結合し、それにより活性部位の形状を変えるか、またはポリメラーゼ活性をブロックする、アロステリック阻害剤である(R. W. Buckheit, Jr., Non-nucleoside reverse transcriptase inhibitors: perspectives for novel therapeutic compounds and strategies for treatment of HIV infection, Expert Opin. Investig. Drugs 2001 10(8):1423-1442; E. De Clercq The role of non-nucleoside reverse transcriptase inhibitors (NNRTIs) in the therapy of HIV infection, Antiviral Res. 1998 38:153-179; E. De Clercq New Developments in Anti-HIV Chemotherapy, Current Med. Chem. 2001 8(13):1543-1572; G. Moyle, The Emerging Roles of Non-Nucleoside Reverse Transcriptase Inhibitors in Antiviral Therapy, Drugs 2001 61(1):19-26)。NNRTIの30種類以上の構造が実験室で同定されたが、HIV治療には僅か3つの化合物:エファビレンツ、ネビラピンおよびデラビルジンしか承認されていない。
【0007】
最初は有望な種類の化合物であると見られていたが、インビトロおよびインビボ研究から、NNRTIが、薬剤耐性HIV菌株および種類特異性の毒性の出現に対して低いバリアを示すことがすぐに明らかとなった。薬剤耐性は、しばしば、野生型RTにおける単一の点突然変異のみで発生する。NRTI、PI、およびNNRTIの併用治療は、多くの場合において、劇的にウイルス量を低減させ、病状の進行を遅らせるが、重大な治療上の問題が依然として残っている。(R. M. Gulick, Eur. Soc. Clin. Microbiol. and Inf. Dis. 2003 9(3):186-193)。多剤併用療法は全ての患者において有効であるわけではなく、潜在的に重篤な副作用がしばしば起こり、急激に増殖するHIVウイルスは、野生型プロテアーゼおよび逆転写酵素の突然変異薬剤耐性変種を創り出すのが巧みであることが証明された。HIVの野生型や一般的に起こる耐性菌に対する活性を有する、より安全な薬剤が依然として必要とされている。
【0008】
2−ベンゾイルフェニル−N−〔フェニル〕−アセトアミド化合物2aおよび2bは、HIV−1逆転写酵素を阻害することが示されている(P. G. Wyatt et al., J. Med. Chem. 1995 38(10):1657-1665)。さらなるスクリーニングから、関連する化合物、例えば2−ベンゾイルフェニルオキシ−N−〔フェニル〕−アセトアミド3aおよびスルホンアミド誘導体3bが同定され、これらも逆転写酵素を阻害した(J. H. Chan et al., J. Med Chem. 2004 47(5):1175-1182; C. L. Webster et al., WO01/17982)。
【0009】
【化7】

【0010】
ピリダジノン非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤1は、2004年3月23日出願のU. S. Publication No. 20040198736中でJ. P. Dunn et al.により、また2005年3月22日出願のU. S. Publication No. 2005021554中でJ. P. Dunn et al.により記載されている。5−アラルキル−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン、5−アラルキル−3H−[1,3,4]オキサジアゾール−2−オン、および5−アラルキル−3H−[1,3,4]チアジアゾール−2−オン非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤2は、2004年3月23日出願のU. S. Publication No. 20040192704中でJ. P. Dunn et al.により、また2005年6月27日出願のU. S. Publication No. 20060025462中でJ. P. Dunn et al.により記載されている。関連化合物は、U. S. Ser. No. 60/722,335中でY. D. Saito et al.により記載されている。
フェニルアセトアミド非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤は、2005年4月22日出願のU. S. Ser. No. 11/112,591中でJ. P. Dunn et al.により記載されており、フェニルアセトアミド化合物でレトロウイルスを処置する方法は、2005年4月22日出願のU. S. Publication No. 20050239881中でJ. P. Dunn et al.;2005年10月19日出願のU. S. Ser. No. 60/728,443中でT. Mirzadegan and T. Silva;2005年10月19日出願のU. S. Ser. No. 60/728,609中でZ. K. Sweeney and T. Silvaにより記載されている。これらの出願は、それらの全体が参照によりここに組み入れられる。
【0011】
【化8】

【0012】
2006年6月26日に刊行されたWO2006/067587中で、L. H. Jones et al.は、酵素逆転写酵素に結合し、それらのモジュレーター、特に阻害剤である、式6のビアリールエーテル誘導体およびそれらを含有する組成物を開示している。
【0013】
【化9】

【0014】
本発明の一つの目的は、(i)式I:
【0015】
【化10】

【0016】
(式中、
1は、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ニトロ、またはアミノであり;
2は、水素またはフッ素であり;
3は、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-8シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、およびニトロよりなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されているフェニルであり;
4は、水素、C1-6アルキル、またはハロゲンであり;
Arは、式IIaによる置換フェニル環であり、ただし、R7aおよびR7cは双方ともに水素であることはないか、またはR7cが水素である場合、R7aはハロゲン、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、シアノ、またはC1-6アルキルであり、
【0017】
【化11】

【0018】
ここで、R7aは、水素、C1-6アルキル、C1-3ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、ハロゲン、およびシアノよりなる群から選択され;
7cは、水素、−S(O)2NR89、−X2CH2(CH2pS(O)2NR89;−X4(CH2vCOOR10、−X4(CH2vCN、−OR13、−CO211、−CN、−CONR8a9a、およびX4(CH2vCONR8a9aよりなる群から選択され;
7bは、出現ごとに、独立に、C1-6アルキル;C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C1-6スルホニル、アミノC1-6アルキルスルホニル、SO2NR11a11b、C1-6ハロアルコキシ、C1-6ハロアルキルチオ、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C1-6ジアルキルアミノ、アミノアシル、アシル、CONR89、ニトロ、シアノ、およびC1-6ヘテロアルコキシよりなる群から選択され;
8およびR9は、(i)独立に、R8およびR9の一方は、水素またはC1-6アルキルであり、R8およびR9の他方は、水素、C1-6アルキル、−C(=O)R12、−(CH22N[(CH2223、または−(CH22NR11a11bよりなる群から選択されるか;あるいは(ii)R8およびR9は、一緒になって、ハロゲン、ヒドロキシルおよびNR11a11bよりなる群から選択される1または2個の置換基で場合により置換されている(CH22−X3−(CH22または−(CH2o−であり;
8aおよびR9aは、(i)独立に、R8およびR9の一方は、水素またはC1-6アルキルであり、R8およびR9の他方は、水素、C1-6ヒドロキシアルキル、−(CH2vN[(CH2223、および−(CH2vNR11a11bよりなる群から選択されるか;あるいは(ii)R8aおよびR9aは、それらが結合している窒素と一緒になって、ピロリジン、ピペリジンであり、そのピロリジンまたはそのピペリジンはヒドロキシルで場合により置換されているか;あるいは(iii)R8aおよびR9aは、一緒になって、(CH22−X3−(CH22であり;
10は、C1-6アルキルであり;
11は、水素またはC1-6アルキルであり;
11aおよびR11aは、独立にR11であり;
12は、C1-10アルキル、−(CH2sNR11a11b、−(CH2sOR11、−CH2CH(OH)CH3、−CH2N[(CH222O、−(CH22CO211、場合により置換されているフェニルまたはピリジニルであり;
13は、水素またはC1-6アルキルであり;
2は、−O−または結合であり;
3は、−O−、−S(O)n−、またはNR11であり;
4は、O−または−S(O)n−であり;
mおよびnは、独立に、0〜2の整数であり;
oは、4〜6の整数であり;
pは、0〜6の整数であり;
sは、1〜2の整数であり;
vは、1〜6の整数である)
の化合物、水和物、溶媒和物、およびその薬学的に許容しうる塩に関する。
【0019】
式Iの化合物は、HIV逆転写酵素の有用な阻害剤であり、HIV感染の予防および治療方法ならびにAIDSおよび/またはARCの処置方法を与える。HIVは、その遺伝子コードを容易に変異させて、現在の治療オプションでの治療に対する感受性が低下した株をもたらす。本発明は、また、HIV感染の予防および治療ならびにAIDSおよび/またはARCの処置に有用な式Iの化合物を含有する組成物に関する。本発明は、さらに、単独療法または他の抗ウイルス剤との併用療法に有用な式Iの化合物に関する。
【0020】
本発明の他の目的は、以下の化合物である。
(ii)(i)に記載の式I:
【0021】
【化12】

【0022】
[式中、
1は、ハロゲン、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシであり;
2は、水素であり;
3は、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-8シクロアルキル、ハロゲン、およびシアノよりなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されているフェニルであり;
4は、水素またはC1-6アルキルであり;
Arは、式IIa:
【0023】
【化13】

【0024】
(式中、
7aは、水素、C1-6アルキル、C1-3ハロアルキル、C1-6アルコキシ、およびハロゲンよりなる群から選択され;
7cは、水素、−S(O)2NR89、−X2CH2(CH2pS(O)2NR8'9';−X4(CH2vCOOR10、−X4'(CH2vCN、−OR13、−CO211、および−CNよりなる群から選択され;
7bは、出現ごとに、独立に、水素およびC1-6アルキルよりなる群から選択され;
ただし、R7aおよびR7cは、双方ともに水素であることはなく;
8およびR9は、独立に、水素またはC1-6アルキルであるか、またはR8およびR9は、それらが結合している窒素と一緒になって、ピロリジン、モルホリンであり;
8'およびR9'は、独立に、水素またはC1-6アルキルであり;
10は、C1-6アルキルであり;
11は、水素またはC1-6アルキルであり;
13は、水素またはC1-6アルキルであり;
2は、−O−または結合であり;
4は、OまたはSであり;
mは、0〜2の整数であり;
pは、0〜4の整数であり;
vは、1〜3の整数である)
による置換フェニルである]
の化合物、水和物、溶媒和物、およびその薬学的に許容しうる塩。.
【0025】
(iii)R7aが、水素、C1-6アルキル、またはハロゲンであり;
mが、0であり;
7cが、−S(O)2NR89、−X2CH2(CH2pS(O)2NR8'9'、および−X4(CH2vCOOR10よりなる群から選択され;
8、R9、R8'およびR9'が、水素である、
(ii)に記載の化合物。
【0026】
(iv)R3が、3,5−二置換、2,5−二置換フェニルまたは2,3,5−三置換フェニルである、(ii)または(iii)に記載の化合物。
【0027】
(v)R1が、F、Cl、Br、メチル、またはメトキシルであり;
2が、水素であり;
3が、メチル、−CHF2、Br、Cl、およびシアノよりなる群から独立に選択される、1〜3個の置換基で置換されているフェニルであり;
4は、水素またはメチルであり;
Arは、式IIa:
【0028】
【化14】

【0029】
(式中、
7aは、水素、−CH3、Br、−Cl、F、−CF3、−OCH3、−CH2CH3、および−CH(CH32よりなる群から選択され;
7cは、水素、−OCH3、−S(O)2NH2、−O(CH23S(O)2NH2、−S(O)2N(CH32
【0030】
【化15】

【0031】
−OCH2COOCH3、−OCH2CN、−SCH2COOCH3、CN、−COOCH3、および−CH2S(O)2NH2よりなる群から選択され;
7bは、出現ごとに、独立に、水素およびメチルよりなる群から選択され;
ただし、R7aおよびR7cは、双方ともに水素であることはない)
による置換フェニルである、
(ii)〜(iv)に記載の化合物。
【0032】
本発明の1つの実施態様において、式Iに係る化合物(式中、R1、R2、R3、R4、R7a、R7b、R7c、R8、R9、R8a、R9a、R10、R11、R11a、R11b、R12、R13、X2、X3、X4、m、n、o、p、s、およびvは、本明細書の上記で定義されたとおりである)が提供される。語句「本明細書の上記で定義されたとおり」は、発明の概要で提示されている各々の基に対する最も広い定義を意味する。以下に与えられる他の実施態様において、ある実施態様の記述内に明白には限定されない各々の実施態様において存在する置換基は、発明の概要で提示されている最も広い定義を有している。
【0033】
本発明の1つの実施態様において、式Iに係る化合物(式中、R4は、水素またはC1-6アルキルであり;R7aは、水素、C1-6アルキル、C1-3ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、ハロゲン、およびシアノよりなる群から選択され;R1、R2、R3、R7b、R7c、R8、R9、R8a、R9a、R10、R11、R11a、R11b、R12、R13、X2、X3、X4、m、n、o、p、s、およびvは、本明細書の上記で定義されたとおりである)が提供される。
【0034】
本発明の他の実施態様において、式Iに係る化合物(式中、R7aは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、シアノ、またはハロゲンであり;R7bは、水素またはC1-6アルキルであり;R7cは、水素、−S(O)2NR89、−X2CH2(CH2pS(O)2NR89、−X4(CH2vCOOR10、X4(CH2vCONR89、−X4(CH2vCOOR10、−X4(CH2vCN、C1-6アルコキシ、シアノ、およびCO211よりなる群から選択されるが、ただし、R7aおよびR7cは、双方ともに水素であることはなく;この実施態様において特に限定されていない他の置換基は、本明細書の上記で定義されたとおりである)が提供される。
【0035】
本発明の他の実施態様において、式Iに係る化合物(式中、R1は、クロロ、ブロモ、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシであり;R2は、水素またはフッ素であり;R4は、水素またはC1-6アルキルであり;R7aは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、シアノ、またはハロゲンであり;R7bは、水素またはC1-6アルキルであり;R7cは、水素、−S(O)2NR89、−X2CH2(CH2pS(O)2NR89、−X4(CH2vCOOR10、X4(CH2vCONR89、−X4(CH2vCOOR10、−X4(CH2vCN、C1-6アルコキシ、シアノ、−CO211よりなる群から選択されるが、ただし、R7aおよびR7cは、双方ともに水素であることはなく、この実施態様において特に限定されていない他の置換基は、本明細書の上記で定義されたとおりである)が提供される。
【0036】
本発明の他の実施態様において、式Iに係る化合物(式中、R4は、水素またはC1-6アルキルであり;R7aは、水素、C1-6アルキル、またはハロゲンであり;R7cは、−S(O)2NR89、−X2CH2(CH2pS(O)2NR89、および−X4(CH2vCOOR10よりなる群から選択され;R8およびR9の双方は、水素であり;mは0であり、この実施態様において特に限定されていない置換基は、本明細書の上記で定義されたとおりである)が提供される。
【0037】
本発明の他の実施態様において、式Iに係る化合物(式中、R1は、クロロ、ブロモ、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシであり;R2は、水素またはフルオロであり;R4は、水素またはC1-6アルキルであり;R7aは、水素、C1-6アルキル、またはハロゲンであり;R7cは、−S(O)2NR89、−X2CH2(CH2pS(O)2NR89、および−X4(CH2vCOOR10よりなる群から選択され;R8およびR9の双方は、水素であり;mは0であり;この実施態様において特に限定されていない置換基は、本明細書の上記で定義されたとおりである)が提供される。
【0038】
本発明の他の実施態様において、式Iに係る化合物(式中、R1は、クロロ、ブロモ、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシであり;R2は、水素またはフルオロであり;R3は、ハロゲン、シアノ、C1-6ハロアルキル、およびシクロプロピルよりなる群から選択される1〜3個の置換基で、出現ごとに独立に置換されているフェニルであり;R4は、水素またはC1-6アルキルであり;R7aは、水素、C1-6アルキル、またはハロゲンであり;R7cは、−S(O)2NR89、−X2CH2(CH2pS(O)2NR89、および−X4(CH2vCOOR10よりなる群から選択され;R8およびR9の双方は、水素であり;mは0であり;この実施態様において特に限定されていない置換基は、本明細書の上記で定義されたとおりである)が提供される。
【0039】
本発明の他の実施態様において、式Iに係る化合物(式中、R1は、クロロ、ブロモ、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシであり;R2は、水素またはフルオロであり;R3は、ハロゲン、シアノ、C1-6ハロアルキル、およびシクロプロピルよりなる群から選択される2個の置換基で、出現ごとに独立に置換されている二置換フェニルであり;R4は、水素またはC1-6アルキルであり;R7aは、水素、C1-6アルキル、またはハロゲンであり;R7cは、−S(O)2NR89、−X2CH2(CH2pS(O)2NR89、および−X4(CH2vCOOR10よりなる群から選択され;R8およびR9の双方は、水素であり;mは0であり;この実施態様において特に限定されていない置換基は、本明細書の上記で定義されたとおりである)が提供される。
【0040】
本発明の他の実施態様において、式Iに係る化合物(式中、R1は、クロロ、ブロモ、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシであり;R2は、水素またはフルオロであり;R4は、水素またはC1-6アルキルであり;R3は、ハロゲン、シアノ、C1-6ハロアルキル、およびシクロプロピルよりなる群から選択される2個の置換基で、出現ごとに独立に置換されている3,5−または2,5−二置換フェニルであり;R7aは、水素、C1-6アルキル、またはハロゲンであり;R7cは、−S(O)2NR89、−X2CH2(CH2pS(O)2NR89、および−X4(CH2vCOOR10よりなる群から選択され;R8およびR9の双方は、水素であり;mは0であり;この実施態様において特に限定されていない置換基は、本明細書の上記で定義されたとおりである)が提供される。
【0041】
本発明の他の実施態様において、式Iに係る化合物(式中、R1は、クロロ、ブロモ、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシであり;R2は、水素またはフルオロであり;R3は、ハロゲン、シアノ、C1-6ハロアルキル、およびシクロプロピルよりなる群から選択される2個の置換基で、出現ごとに独立に置換されている3,5−または2,5−二置換フェニルであり;R4は、水素またはC1-6アルキルであり;R7aは、水素、C1-6アルキル、またはハロゲンであり;R7cは、−S(O)2NR89、−X2CH2(CH2pS(O)2NR89、および−X4(CH2vCOOR10よりなる群から選択され;R8およびR9の双方は、水素であり;mは0であり;この実施態様において特に限定されていない置換基は、本明細書の上記で定義されたとおりである)が提供される。
【0042】
本発明の他の実施態様において、式Iに係る化合物(式中、R1は、クロロ、ブロモ、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシであり;R2は、水素またはフルオロであり;R3は、ハロゲン、シアノ、C1-6ハロアルキル、およびシクロプロピルよりなる群から選択される3個の基で、出現ごとに独立に置換されている2,3,5−三置換フェニルであり;mは0であり;R4は、水素またはC1-6アルキルであり;R7aは、水素、C1-6アルキル、またはハロゲンであり;R7cは、−S(O)2NR89、−X2CH2(CH2pS(O)2NR89、および−X4(CH2vCOOR10よりなる群から選択され;R8およびR9の双方は、水素であり;mは0であり;この実施態様において特に限定されていない置換基は、本明細書の上記で定義されたとおりである)が提供される。
【0043】
本発明の他の実施態様において、式Iに係る化合物(式中、R1は、クロロ、ブロモ、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシであり;R2は、水素またはフルオロであり;R3は、ハロゲン、シアノ、C1-6ハロアルキル、およびシクロプロピルよりなる群から選択される1〜3個の基で、出現ごとに独立に置換されているフェニルであり;mは0であり;R4は、水素またはC1-6アルキルであり;R7aは、水素、C1-6アルキル、またはハロゲンであり;R7cは、−S(O)2NR89であり;この実施態様において特に限定されていない置換基は、本明細書の上記で定義されたとおりである)が提供される。
【0044】
本発明の他の実施態様において、式Iに係る化合物(式中、R1は、クロロ、ブロモ、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシであり;R2は、水素またはフルオロであり;R3は、ハロゲン、シアノ、C1-6ハロアルキル、およびシクロプロピルよりなる群から選択される1〜3個の基で、出現ごとに独立に置換されているフェニルであり;mは0であり;R4は、水素またはC1-6アルキルであり;R7aは、水素、C1-6アルキル、またはハロゲンであり;R7cは、−S(O)2NR89であり;R8およびR9は、水素であり;この実施態様において特に限定されていない置換基は、本明細書の上記で定義されたとおりである)が提供される。
【0045】
本発明の他の実施態様において、式Iに係る化合物(式中、R1は、クロロ、ブロモ、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシであり;R2は、水素またはフルオロであり;R3は、ハロゲン、シアノ、C1-6ハロアルキル、およびシクロプロピルよりなる群から選択される2個の基で、出現ごとに独立に置換されている3,5−二置換または2,5−二置換フェニルであり;R4は、水素またはC1-6アルキルであり;R7aは、水素、C1-6アルキル、またはハロゲンであり;R7cは、−S(O)2NR89であり;mは0であり;この実施態様において特に限定されていない置換基は、本明細書の上記で定義されたとおりである)が提供される。
【0046】
本発明の他の実施態様において、式Iに係る化合物(式中、R1は、クロロ、ブロモ、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシであり;R2は、水素またはフルオロであり;R3は、ハロゲン、シアノ、C1-6ハロアルキル、およびシクロプロピルよりなる群から選択される2個の基で、出現ごとに独立に置換されている3,5−二置換または2,5−二置換フェニルであり;R4は、水素またはC1-6アルキルであり;R7aは、水素、C1-6アルキル、またはハロゲンであり;R7cは、−S(O)2NR89であり;R8およびR9は、水素であり;mは0であり;この実施態様において特に限定されていない置換基は、本明細書の上記で定義されたとおりである)が提供される。
【0047】
本発明の他の実施態様において、式Iに係る化合物(式中、R1は、クロロ、ブロモ、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシであり;R2は、水素またはフルオロであり;R3は、ハロゲン、シアノ、C1-6ハロアルキル、およびシクロプロピルよりなる群から選択される3個の基で、出現ごとに独立に置換されている2,3,5−三置換フェニルであり;R4は、水素またはC1-6アルキルであり;R7aは、水素、C1-6アルキル、またはハロゲンであり;R7cは、−S(O)2NR89であり;mは0であり;この実施態様において特に限定されていない置換基は、本明細書の上記で定義されたとおりである)が提供される。
【0048】
本発明の他の実施態様において、式Iに係る化合物(式中、R7aは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、シアノ、またはハロゲンであり;R7bは、水素またはC1-6アルキルであり;R7cは、C(O)NR8a9aであり;R8aおよびR9aの少なくとも一方は、水素以外であり;この実施態様において特に限定されていない置換基は、本明細書の上記で定義されたとおりである)が提供される。
【0049】
本発明の他の実施態様において、表1のI−1〜I−65〜I−66よりなる群から選択される化合物が提供される。
【0050】
本発明の他の実施態様において、式Iに係る化合物(式中、R7aは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、シアノ、またはハロゲンであり;R7bは、水素またはC1-6アルキルであり;R7cは、C(O)NR8a9aであり;R8aは水素であり;R9aは、−(CH2vN[(CH2223、または−(CH2vNR11a11bであり;この実施態様において特に限定されていない他の置換基は、本明細書の上記で定義されたとおりである)が提供される。
【0051】
本発明の他の実施態様において、治療有効量の式Iに係る化合物(式中、R1、R2、R3、R4、R7a、R7b、R7c、R8、R9、R8a、R9a、R10、R11、R11a、R11b、R12、R13、X2、X3、X4、m、n、o、p、s、およびvは、本明細書の上記で定義されたとおりである)を、それを必要とするホストに投与することを含む、HIV感染の治療もしくはHIV感染の予防方法、またはAIDSまたはARCの処置方法が提供される。
【0052】
本発明の他の実施態様において、治療有効量の式Iに係る化合物(式中、R7aは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、シアノ、またはハロゲンであり;R7bは、水素またはC1-6アルキルであり;R7cは、水素、−S(O)2NR89、−X2CH2(CH2pS(O)2NR89、−X4(CH2vCOOR10、X4(CH2vCONR89、−X4(CH2vCOOR10、−X4(CH2vCN、C1-6アルコキシ、シアノ、およびCO211よりなる群から選択されるが、ただし、R7aおよびR7cは、双方ともに水素であることはなく;この実施態様において特に限定されていない他の置換基は、本明細書の上記で定義されたとおりである)を、それを必要とするホストに投与することを含む、HIV感染の治療もしくはHIV感染の予防方法、またはAIDSまたはARCの処置方法が提供される。
【0053】
本発明の他の実施態様において、治療有効量の式Iに係る化合物(式中、R7aは、水素、C1-6アルキル、またはハロゲンであり;R7cは、−S(O)2NR89、−X2CH2(CH2pS(O)2NR89、および−X4(CH2vCOOR10よりなる群から選択され;R8およびR9の双方は、水素であり;mは0であり、この実施態様において特に限定されていない置換基は、本明細書の上記で定義されたとおりである)を、それを必要とするホストに投与することを含む、HIV感染の治療もしくはHIV感染の予防方法、またはAIDSまたはARCの処置方法が提供される。
【0054】
本発明の他の実施態様において、治療有効量の式Iに係る化合物(式中、R1、R2、R3、R4、R7a、R7b、R7c、R8、R9、R8a、R9a、R10、R11、R11a、R11b、R12、R13、X2、X3、X4、m、n、o、p、s、およびvは、本明細書の上記で定義されたとおりである)ならびにHIVプロテアーゼ阻害剤、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、CCR5アンタゴニスト、およびウイルス融合阻害剤よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物を、それを必要とするホストに共に投与することを含む、HIV感染の治療もしくはHIV感染の予防方法、またはAIDSまたはARCの処置方法が提供される。
【0055】
本発明の他の実施態様において、治療有効量の式Iに係る化合物(式中、R1、R2、R3、R4、R7a、R7b、R7c、R8、R9、R8a、R9a、R10、R11、R11a、R11b、R12、R13、X2、X3、X4、m、n、o、p、s、およびvは、本明細書の上記で定義されたとおりである)ならびにジドブジン(zidovudine)、ラミブジン(lamivudine)、ジダノシン(didanosine)、ザルシタビン(zalcitabine)、スタブジン(stavudine)、レスクリプター(rescriptor)、ススチバ(sustiva)およびビラムネ(viramune)、エファビレンツ(efavirenz)、ネビラピン(nevirapine)、デラビルジン(delavirdine)、サキナビル(saquinvir)、リトナビル(ritonavir)、ネルフィナビル(nelfinavir)、インジナビル(amprenavir)、アンプレナビル(amprenavir)、ならびにロピナビル(lopinavir)よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物を、それを必要とするホストに共に投与することを含む、HIV感染の治療もしくはHIV感染の予防方法、またはAIDSまたはARCの処置方法が提供される。
【0056】
本発明の他の実施態様において、治療有効量の式Iに係る化合物(式中、R7aは、水素、C1-6アルキル、またはハロゲンであり;R7cは、−S(O)2NR89、−X2CH2(CH2pS(O)2NR89、および−X4(CH2vCOOR10よりなる群から選択され;R8およびR9の双方は、水素であり;mは0であり、この実施態様において特に限定されていない置換基は、本明細書の上記で定義されたとおりである)を、それを必要とするホストに投与することを含む、HIV逆転写酵素の阻害方法が提供される。
【0057】
本発明の他の実施態様において、治療有効量の式Iに係る化合物(式中、R1、R2、R3、R4、R7a、R7b、R7c、R8、R9、R8a、R9a、R10、R11、R11a、R11b、R12、R13、X2、X3、X4、m、n、o、p、s、およびvは、本明細書の上記で定義されたとおりである)を、それを必要とするホストに投与することを含む、HIV逆転写酵素の阻害方法が提供される。
【0058】
本発明の他の実施態様において、治療有効量の式Iに係る化合物(式中、R7aは、水素、C1-6アルキル、またはハロゲンであり;R7cは、−S(O)2NR89、−X2CH2(CH2pS(O)2NR89、および−X4(CH2vCOOR10よりなる群から選択され;R8およびR9の双方は、水素であり;mは0であり、この実施態様において特に限定されていない置換基は、本明細書の上記で定義されたとおりである)を、それを必要とするホストに投与することを含み、ここで野生型HIVに比べて少なくとも一つの変異を有する逆転写酵素を発現するHIVの株にホストが感染している、HIV逆転写酵素の阻害方法が提供される。
【0059】
本発明の他の実施態様において、治療有効量の式Iに係る化合物(式中、R7aは、水素、C1-6アルキル、またはハロゲンであり;R7cは、−S(O)2NR89、−X2CH2(CH2pS(O)2NR89、および−X4(CH2vCOOR10よりなる群から選択され;R8およびR9の双方は、水素であり;mは0であり、この実施態様において特に限定されていない置換基は、本明細書の上記で定義されたとおりである)を、それを必要とするホストに投与することを含み、ここでエファビレンツ、ネビラピン、またはデラビルジンに低い感受性を有する逆転写酵素を発現するHIVの株にホストが感染している、HIV逆転写酵素の阻害方法が提供される。
【0060】
本発明の他の実施態様において、少なくとも1種の担体、賦形剤、または希釈剤と混合された治療有効量の式Iに係る化合物(式中、R1、R2、R3、R4、R7a、R7b、R7c、R8、R9、R8a、R9a、R10、R11、R11a、R11b、R12、R13、X2、X3、X4、m、n、o、p、s、およびvは、本明細書の上記で定義されたとおりである)を含む、HIV感染の治療用もしくはHIV感染の予防用、またはAIDSまたはARCの処置用の医薬組成物が提供される。
【0061】
本発明の他の実施態様において、少なくとも1種の担体、賦形剤、または希釈剤と混合された治療有効量の式Iに係る化合物(式中、R7aは、水素、C1-6アルキル、またはハロゲンであり;R7cは、−S(O)2NR89、−X2CH2(CH2pS(O)2NR89、および−X4(CH2vCOOR10よりなる群から選択され;R8およびR9の双方は、水素であり;mは0であり、この実施態様において特に限定されていない置換基は、本明細書の上記で定義されたとおりである)を含む、HIV感染の治療用もしくはHIV感染の予防用、またはAIDSまたはARCの処置用の医薬組成物が提供される。
【0062】
本明細書で使用されるとき、語句「1つ」の実体は、その実体の1つ以上を意味し、例えば1つの化合物は、1つ以上の化合物または少なくとも1つの化合物を意味する。そのような場合、用語「1つ」、「1つ以上」および「少なくとも1つ」は、本明細書において、交換可能に使用できる。
【0063】
語句「本明細書の上記で定義されている」は、発明の概要で提示されている各々の基の最初の定義を意味する。
【0064】
本明細書に記載の定義は、付加されて、化学的に関連する組み合わせ、例えば「ヘテロアルキルアリール」、「ハロアルキルヘテロアリール」、「アリールアルキルヘテロシクリル」、「アルキルカルボニル」、「アルコキシアルキル」などを形成するものとされる。用語「アルキル」が、「フェニルアルキル」または「ヒドロキシアルキル」中のように、接尾辞として他の用語に続いて用いられる場合には、これは、他の特定的に名づけられた基から選択される1〜2個の置換基で置換されている、上で定義されたようなアルキル基を表すことを意図するものとする。そこで、例えば、「フェニルアルキル」は、1〜2個のフェニル置換基を有するアルキル基を表し、従って、ベンジル、フェニルエチル、およびビフェニルを包含する。「アルキルアミノアルキル」は、1〜2個のアルキルアミノ置換基を有するアルキル基である。「ヒドロキシアルキル」は、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−(ヒドロキシメチル)、3−ヒドロキシプロピルなどを包含する。従って、本明細書で使用されるように、用語「ヒドロキシアルキル」は、以下で定義されるヘテロアルキル基の下位集合を定義するために使用される。用語(アル)アルキルは、置換されていないアルキルまたはアラルキル基のいずれかを表す。用語(ヘテロ)アリールは、アリールまたはヘテロアリール基のいずれかを表す。
【0065】
「場合による」または「場合により」は、後に続く記載の事象または状況が起こってもよいが起こる必要もなく、そしてその記載が、その事象または状況が起こる場合と起こらない場合とを含むことを意味する。例えば、「場合による結合」は、結合が存在していても、存在していなくともよく、その記述は、単結合、二重結合、または三重結合を包含することを意味する。
【0066】
本明細書で使用される、用語「アルキル」は、非分岐鎖状または分岐鎖状の1価の飽和炭化水素基を意味する。本明細書中で使用される、「C1-10アルキル」は、1〜10個の炭素からなるアルキルを意味する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチルまたはペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、およびオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
本明細書で使用される、用語「アルコキシ」は、アルキルが上で定義されたとおりである、−O−アルキル基を意味し、例えば、異性体を含んで、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、n−ブチルオキシ、i−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシである。「C1-10アルコキシ」は、アルキルがC1-10である−O−アルキルを意味する。
【0068】
本明細書で使用される、用語「アシル」は、式:−C(=O)Rの基(ここで、Rは、水素または本明細書で定義されているとおりのC1-6アルキルである)を意味する。本明細書で使用される、用語「アルキルカルボニル」は、式:C(=O)Rの基(ここで、Rは、本明細書で定義されているとおりのアルキルである)を意味する。本明細書で使用される、用語「アリールカルボニル」は、式:C(=O)Rの基(ここで、Rは、アリール基である)を意味し;本明細書で使用される、用語「ベンゾイル」は、「アリールカルボニル」基(ここで、Rはフェニルである)を意味する。
【0069】
本明細書で使用される、用語「アシルアミノ」は、異なるように定義されない限り、式:−NHC(=O)Rの基(ここで、Rは、水素または本明細書で定義されているとおりの低級アルキルである)を意味する。
【0070】
本明細書で使用される、用語「アミノ」、「アルキルアミノ」、および「ジアルキルアミノ」は、それぞれ、−NH、−NHR、および−NR2を意味し、Rは、上で定義されたとおりのアルキルである。ジアルキル部分中の窒素に結合した2個のアルキル基は、同一であっても異なっていてもよい。本明細書中で使用される、用語「アミノアルキル」、「アルキルアミノアルキル」、および「ジアルキルアミノアルキル」は、それぞれ、NH2(CH2n−、RHN(CH2n−、およびR2N(CH2n−(ここで、nは1〜6であり、Rは、上で定義されたとおりのアルキルである)を意味する。本明細書中で使用される、「C1-10アルキルアミノ」は、アルキルがC1-10であるアミノアルキルを意味する。
【0071】
本明細書で使用される、用語「アルキルスルフィニル」および「アリールスルフィニル」は、式:−S(=O)Rの基(ここで、Rは、それぞれアルキルまたはアリールである)を意味し、アルキルおよびアリールは、本明細書で定義されているとおりである。
【0072】
本明細書で使用される、用語「アルキルスルホニル」および「アリールスルホニル」は、式:−S(=O)2Rの基(ここで、Rは、それぞれアルキルまたはアリールである)を意味し、アルキルおよびアリールは、本明細書で定義されているとおりである。
【0073】
本明細書で使用される、用語「シクロアルキル」は、3〜8個の炭素原子を有する飽和炭素環式環、すなわち、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチルを意味する。本明細書中で使用される、「C3-7シクロアルキル」は、炭素環式環中で3〜7個の炭素からなるシクロアルキルを意味する。
【0074】
本明細書で使用される、用語「シアノ」は、三重結合で窒素に結合した炭素、すなわち、−C≡Nを意味する。本明細書で使用される、用語「ニトロ」は、NO2置換基を意味する。
【0075】
本明細書で使用される、用語「ハロアルキル」は、上記で定義されたとおりの、非分岐鎖状または分岐鎖状のアルキル基を意味し、ここで、1個、2個、3個またはそれ以上の水素原子がハロゲンに置き換わっている。本明細書で使用される、「C1-3ハロアルキル」は、1〜3個の炭素と1〜8個のハロゲン置換基よりなるハロアルキルを意味する。例は、1−フルオロメチル、1−クロロメチル、1−ブロモメチル、1−ヨードメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチル、トリヨードメチル、1−フルオロエチル、1−クロロエチル、1−ブロモエチル、1−ヨードエチル、2−フルオロエチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、2−ヨードエチル、2,2−ジクロロエチル、3−ブロモプロピル、または2,2,2−トリフルオロエチルである。
【0076】
本明細書で使用される、用語「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味する。
【0077】
本明細書で使用される、用語「ハロアルコキシ」は、基−OR(ここで、Rは、本明細書中で定義されているとおりのハロアルキルである)を意味する。本明細書中で使用される、用語「ハロアルキルチオ」は、基−SR(ここで、Rは、本明細書中で定義されているとおりのハロアルキルである)を意味する。
【0078】
本明細書で使用される、用語「ヘテロアルコキシ」は、−O−(ヘテロアルキル)基(ここで、ヘテロアルキルは、本明細書で定義されている)を意味する。本明細書で使用される、「C1-10ヘテロアルコキシ」は、−O−(ヘテロアルキル)(ここで、アルキルは、C1-10である)を意味する。代表的な例として、2−ジメチルアミノエトキシおよび3−スルホンアミド−1−プロポキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0079】
本明細書で使用される、用語「ヒドロキシアルキル」および「アルコキシアルキル」は、本明細書で定義されているとおりの非分岐鎖状または分岐鎖状のアルキル基(ここで、異なる炭素原子上の1〜3個の水素原子は、それぞれヒドロキシまたはアルコキシ基で置き換えられている)を意味する。
【0080】
本明細書で使用される、用語「ヘテロアルキル」は、ヘテロアルキル基の結合点が炭素原子を介しているとの理解で、1個、2個または3個の水素原子が、−ORa、−NRbcおよび−S(O)nd(ここで、nは0〜2の整数である)〔ここで、Raは、水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルであり;RbおよびRcは、互いに独立に、水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルであり;nが0である場合、Rdは、水素、アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルであり、nが1または2である場合、Rdは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノ、アシルアミノ、またはアルキルアミノである〕よりなる群から独立して選択される置換基で置き換えられている、本明細書で定義されているようなアルキル基を意味する。代表例としては、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシメチルエチル、3−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、2−メチルスルホニルエチル、アミノスルホニルメチル、アミノスルホニルエチル、アミノスルホニルプロピル、メチルアミノスルホニルメチル、メチルアミノスルホニルエチル、メチルアミノスルホニルプロピル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
本明細書で使用される、用語「野生型」は、逆転写酵素阻害剤に曝されていない通常の集団で自然に存在する、優位な遺伝子型を有するHIVウイルス株を意味する。本明細書で使用される、用語「野生型逆転写酵素」は、配列決定され、受託番号P03366でSwissProtデータベースに寄託されている野生型株によって発現された、逆転写酵素を意味する。
【0082】
本明細書で使用される、用語「低下した感受性」は、同じ実験系において、野生型ウイルスにより示される感受性と比較して、特定のウイルス分離株の感受性における約10倍以上の変化を意味する。
【0083】
本明細書で使用される、用語「ヌクレオシドおよびヌクレオシド逆転写酵素阻害剤」(「NRTI」)は、ウイルスゲノムHIV−1 RNAのプロウイルスHIV−1 DNAへの変換を触媒する酵素である、HIV−1逆転写酵素の活性を阻害する、ヌクレオシドおよびヌクレオチドおよびそれらの類似体を意味する。
【0084】
典型的に好適なNRTIとして、GSKからのジドブジン(AZT:RETROVIR(登録商標));Bristol-Myers Squibb Co.(BMS)からのジダノシン(ddl;VIDEX(登録商標));Rocheよりのザルシタビン(ddC;HIVID(登録商標));BMSよりのスタブジン(d4T;ZERIT(登録商標));GSKよりのラミブジン(3TC;EPIVIR(登録商標));WO96/30025で開示され、GSKより入手可能なアバカビル(abacavor)(1592U89;ZIAGEN(登録商標));アデフォビル・ジピボキシル(adefovir dipivoxil)〔ビス(POM)−PMEA;PREVON(登録商標)〕Gilead Sciences;ルボカビル(lobucavir)(BMS−180194)、EP−0358154およびEP−0736533で開示され、BMSで開発中の、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤;BCH−10652、Biochem Pharmaで開発中の逆転写酵素阻害剤(BCH−10618およびBCH−10619のラセミ混合物の形態);Emory Univ.米国特許第5,814,639号でEmory Universityからライセンス供与され、Gilead Sciences, Incにより開発中のエミトリシタビン(emitricitabine)〔(−)−FTC〕;Yale UniversityからVion Pharmaceuticalsにライセンス供与された、エブシタビン(Evucitabine)(β−L−D4FC;β−L−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロ−シチデン);DAPD、EP−0656778で開示され、Emory UniversityおよびUniversity of GeorgiaからTriangle Pharmaceuticalsにライセンス供与された、プリンヌクレオシド、(−)−β−D−2,6−ジアミノ−プリンジオキサオラン;およびローデノシン(lodenosine)(FddA)、9−(2,3−ジデオキシ−2−フルオロ−β−D−トレオ−ペントフラノシル)アデニン、NIHにより発見され、U.S. Bioscience Inc.により開発中の酸安定プリン系逆転写酵素阻害剤が挙げられる。
【0085】
3種のNNRTIが、米国において許可されている:Boehringer Ingelheim(BI)から入手可能なネビラピン(nevirapine)(BI−RG−587;VIRAMUNE(登録商標));Pfizerから入手可能なデラビラジン(delaviradine)(BHAP、U−90152;RESCRIPTOR(登録商標));エファビレンツ(efavirenz)(DMP−266、SUSTIVA(登録商標))、BMSよりのベンゾオキサジン−2−オン。現在研究中の他のNNRTIとして、Pfizerにより開発中の、PNU−142721、フロピリジン−チオ−ピリミド;ShionogiおよびPfizerによる、カプラビリン(capravirine)(S−1153または1549;5−(3,5−ジクロロフェニル)−チオ−4−イソプロピル−1−(4−ピリジル)メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルカルボネート);Mitsuibishi Chemical Co.およびTriangle Pharmaceuticalsによる、エミビリン(emivirine)[MKC−442;(1−(エトキシ−メチル)−5−(1−メチルエチル)−6−(フェニルメチル)−(2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン);NIH米国特許第5,489,697号で開示され、Sarawak/Advanced Life Sciencesにライセンス供与された、(+)−カラノリド(calanolide)A(NSC−675451)およびB、クマリン誘導体;Tibotec-VircoおよびJohnson & Johnsonによる、エトラビリン(etravirine)(TMC−125;4−[6−アミノ−5−ブロモ−2−(4−シアノ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イルオキシ]−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル)およびDAPY(TMC120;4−{4−[4−((E)−2−シアノビニル)−2,6−ジメチル−フェニルアミノ]−ピリミジン−2−イルアミノ}−ベンゾニトリル);Boehringer-IngeleheimによるBILR−355BS(12−エチル−8−[2−(1−ヒドロキシ−キノリン−4−イルオキシ)エチル]−5−メチル−11,12−ジヒドロ−5H−1,5,10,12−テトラアザ−ジベンゾ[a,e]シクロオクテン−6−オン;Paradigm PharmaceuticalsによるPHI−236(7−ブロモ−3−[2−(2,5−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−3,4−ジヒドロ−1H−ピリド[1,2−a][1,3,5]トリアジン−2−チオン)およびPHI−443(TMC−278、1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(2−チオフェン−2−イル−エチル)−チオウレア)が挙げられる。
【0086】
本明細書で使用される、用語「プロテアーゼ阻害剤」(「PI」)は、ウイルスポリタンパク質前駆物質(例えば、ウイルスGAGおよびGAG Polポリタンパク質)を感染性HIV−1で見出される個々の機能性タンパク質にタンパク質分解切断するのに必要な酵素である、HIV−1プロテアーゼの阻害剤を意味する。HIVプロテアーゼ阻害剤として、ペプチド模倣構造、高分子量(7600ダルトン)、および実質的なペプチド特性を有する化合物、例えば、CRIXIVAN(登録商標)、ならびに非ペプチド性プロテアーゼ阻害剤、例えば、VIRACEPT(登録商標)が挙げられる。
【0087】
典型的に好適なPIとして、INVIRASE(登録商標)として硬質ゲルカプセルでおよびFORTOVASE(登録商標)として軟質ゲルカプセルでRocheから入手可能なサキナビル(saquinavir);NORVIRとしてAbbott Laboratoriesから入手可能なリトナビル(ritonavir)(ABT−538);Abbotからまた入手可能なロピナビル(Lopinavir)(ABT−378); KALETRA(登録商標)は、ロピナビルと治療量以下の量のリトナビルの共調合物(Abbott Laboratoriesから入手可能)である;CRIXIVAN(登録商標)としてMerck & Co.から入手可能なインジナビル(indinavir)(MK−639);VIRACEPT(登録商標)としてAgouron Pharmaceuticals, Inc.から入手可能なネルフナビル(nelfnavir)(AG−1343);AGENERASE(登録商標)としてVertex Pharmaceuticals, Inc.およびGSKから入手可能なアンプレナビル(amprenavir)(141W94);APTIVUS(登録商標)としてBIから入手可能なチプラナビル(tipranavir)(PNU−140690);BMSによるラシナビル(lasinavir)(BMS−234475/CGP−61755);BMS−2322623、第二世代のHIV−1 PIとしてBMSが開発中のアザペプチド;GSKおよびVertexが共同で開発中のGW−640385X(VX−385);Agouron/Pfizerにより前臨床開発段階のAG−001859;Sumitomo pharmaceuticalsが開発中のSM−309515が挙げられる。
【0088】
前臨床開発段階のさらなるPIとして、BMSによるN−シクロアルキルグリシン、Enanta Pharmaceuticalsによるα−ヒドロキシアリールブタンアミド;α−ヒドロキシ−γ−[[(炭素環またはヘテロ環置換)アミノ)カルボニル]アルカンアミド誘導体;Merckによるγ−ヒドロキシ−2−(フルオロアルキルアミノカルボニル)−1−ピペラジンペンタンアミド;Pfizerによるジヒドロピロン誘導体ならびにα−およびβ−アミノ酸ヒドロキシエチルアミノスルホンアミド;およびProcyonによるN−アミノ酸置換L−リジン誘導体が挙げられる。HIVの標的細胞への侵入には、CD−4細胞表面受容体ならびにCCR5(M−トロピック株)およびCXCR4(T−トロピック株)ケモカイン共受容体が必要である。ケモカインへのウイルス結合をブロックするケモカインアンタゴナイズは、ウイルス感染の有用な阻害剤である。Takedaは、TAK−779を有力なCCR5拮抗剤として同定した。(M. Shiraishi et al., J. Med. Chem. 2000 43(10):2049-2063; M. Babba et al. Proc. Nat. Acad Sci. USA 1999 96:5698-5703)およびTAK−220(C. Tremblay et al. Antimicrob. Agents Chemother. 2005 49(8):3483-3485)。WO0039125(D. R. Armour et al.)およびWO0190106(M. Perros et al.)は、有力で選択的なCCR5拮抗剤であるヘテロ環化合物を開示している。ミラビロック(miraviroc)(UK−427,857;MVC)は、Pfizerにより、第III相臨床試験に進んでおり、HIV−1単離物および実験室株に対して活性を示す(P. Dorr et al., Antimicrob. Agents Chemother. 2005 49(11):4721-4732; A. Wood and D. Armour, Prog. Med. Chem. 2005 43:239-271; C. Watson et al., Mol. Pharm. 2005 67(4):1268-1282; M. J. Macartney et al., 43nd Intersci. Conf. Antimicrob. Agents Chemother. September 14-17, 2003, Abstract H-875)。Scheringは、Sch−351125(SCH−C)を第I/II相臨床研究に進ませており、また、より有力な後続の化合物、ビクロビロック(Vicroviroc)(Sch−417690、SCH−D)の第I相研究への進展を報告している。(S. W. McCrombie et al., WO00066559; B. M. Baroudy et al. WO00066558; A. Palani et al., J. Med. Chem. 2001 44(21):3339-3342; J. R. Tagat et al., J. Med. Chem. 2001 44(21):3343-3346; J. A. Este, Cur. Opin. Invest. Drugs 2002 3(3):379-383; J. M. Struzki et al. Proc. Nat. Acad Sci. USA 2001 98:12718-12723)。Merckは、CCR5受容体に対する良好な親和性と有力なHIV活性を持つ(2S)−2−(3−クロロフェニル)−1−N−(メチル)−N−(フェニルスルホニル)アミノ]−4−[スピロ(2,3−ジヒドロベンゾチオフェン−3,4’−ピペリジン−1’−イル)ブタンS−オキシド(1)および関連する誘導体を開示している。(P. E. Finke et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 2001 11:265-270; P. E. Finke et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 2001 11:2469-2475; P. E. Finke et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 2001 11:2475-2479; J. J. Hale et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 2001 11:2741-22745; D. Kim et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 2001 11:3099-3102) C. L. Lynch et al. Org Lett. 2003 5:2473-2475; R. S. Veazey et al. J. Exp. Med. 2003 198:1551-1562。GSK−873140(ONO−4128、E−913、AK−602)は、Kumamoto Universityで開始されたプログラムにおいて同定され(K. Maeda et al. J. Biol. Chem. 2001 276:35194-35200; H. Nakata et al. J. Virol. 2005 79(4):2087-2096)、臨床試験に進んでいる。WO00/166525; WO00/187839; WO02/076948; WO02/076948; WO02/079156; WO2002070749; WO2003080574, WO2003042178, WO2004056773, WO2004018425 Astra Zenecaは、CCR5拮抗剤である4−アミノピペリジン化合物を開示している。2005年8月11日に刊行されたU.S. Publication No. 20050176703において、S. D. Gabriel and D. M. Rotsteinは、HIV細胞侵入を阻害できるヘテロ環状CCR5拮抗剤を開示した。2006年1月19日に刊行されたU.S. Publication No. 20060014767において、E. K. Lee et al.は、HIV細胞侵入を阻害できるヘテロ環状CCR5拮抗剤を開示した。
【0089】
付着阻害剤は、ウイルス性エンベロープタンパク質とケモカイン受容体またはCD40タンパク質との間の相互作用を有効にブロックする。TNX−355は、CD4のドメイン2上のコンフォメーショナルエピトープに結合するヒト化されたIgG4モノクローナル抗体である。(L.C. Burkly et al., J. Immunol. 1992 149:1779-87)TNX−355は、CCR5−、CXCR4−、および二重/混合トロピックHIV−1株のウイルス付着を阻害することができる(E. Godofsky et al., In Vitro Activity of the Humanized Anti-CD4 Monoclonal Antibody, TNX-355, against CCR5, CXCR4, and Dual-Tropic Isolates and Synergy with Enfuvirtide, 45th Annual Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy (ICAAC). December 16-19, 2005, Washington DC. Abstract #3844; D. Norris et al. TNX-355 in Combination with Optimized Background Regime (OBR) Exhibits Greater Antiviral Activity than OBR Alone in HIV-Treatment Experienced Patients, 45th Annual interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy (ICAAD). December 16-19, Washington DC. Abstract #4020.)。
【0090】
抗体、可溶性受容体、およびそれらの生物学的に活性なフラグメントを含む分子治療剤は、従来の低分子量薬物に対する、ますます重要な補助剤となりつつある。(O. H. Brekke and I. Sandlie Nature Review Drug Discov. 2003 2:52-62; A. M. Reichert Nature Biotech. 2001 19:819-821)高い特異性および親和性を持つ抗体は、ウイルス性細胞融合に必須の細胞外タンパク質を標的とすることができる。CD4、CCR5、およびCXCR4は、ウイルス性融合を阻害する抗体の標的となっている。
【0091】
V. Roschke et al.(Characterization of a Panel of Novel Human Monoclonal Antibodies that Specifically Antagonize CCR5 and Block HIV-1 Entry, 44th Anual Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy (ICAAC). 2004年10月29日、ワシントンDC. Abstract #2871)は、CCR5受容体に結合し、CCR5受容体を発現する細胞へのHIV侵入を阻害するモノクローナル抗体を開示している。L. Wu and C. R MacKayは、2001年5月30日出願のU.S. Ser. No. 09/870,932において、細胞のHIV感染を阻害することができる形でCCR5受容体に結合するモノクローナル抗体5C7および2D7を開示している。W. C. Olsen et al.(J. Virol. 1999 73(5):4145-4155)は、(i)HIV−1細胞侵入、(ii)HIV−1エンベローブ介在膜融合,(iii)CCR5に結合するgp120、および(iv)CC−ケモカイン活性を阻害することができるモノクローナル抗体を開示している。抗CCR5抗体Pro140と低分子量CCR5拮抗剤との間の相乗作用が、Murga et al.(3rd IAS Conference on HIV Pathogenesis and Treatment, Abstract TuOa.02.06. 2005年7月24〜27日、Rio de Janeiro, Brazil)により開示されている。HIV−1細胞侵入を阻害する抗CCR5抗体は、M. Brandt et al.により、2006年3月31日出願のU.S. Ser. No. 11/394,439において、単離され、また、開示されている。
【0092】
FUZEON(登録商標)(T−20、DP−178、ペンタフシド(pentafuside))は、米国特許第5,464,933号に開示されている。T−20および類縁体、T−1249は、HIV融合に必要とされる立体配座の変化を効果的に阻害するHIVgp41フラグメントの類縁体である。T−20は、承認されており、RocheおよびTrimerisから入手可能である。FUZEONは、他の種類の抗HIV薬との併用治療において、連続的皮下(sc)注入または注射剤として投与される。
【0093】
HIV治療に有用と思われる他の抗ウイルス剤には、ヒドロキシ尿素、リバビリン(ribavirin)、IL−2、IL−12、ペンタフシドが含まれる。ヒドロキシ尿素(Droxia)、T細胞の活性化に関わる酵素である、リボヌクレオシド三リン酸還元酵素阻害剤は、NCIで発見され、Bristol-Myers Squibbにより開発中であり;前臨床研究において、それは、ジダノシンの活性に対して相乗効果を有することを示し、スタブジンと共に研究されてきた。IL−2は、EP−0142268(Ajinomoto)、EP−0176299(Takeda)、米国特許第RE33,653号、同第4,530,787号、同第4,569,790号、同第4,604,377号、同第4,748,234号、同第4,752,585号および同第4,949,314号(Chiron)で開示されており、静脈注入または皮下投与用の凍結乾燥粉末として、Chiron Corp.からPROLEUKIN(登録商標)(アルデスロイキン(aldesleukin))で入手可能である。IL−12は、WO96/25171に開示されており、RocheおよびWyeth Pharmaceuticalsから入手可能である。リバビリン、1−β−D−リボフラノシル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシアミドは、米国特許第4,211,771号に記載されており、ICN Pharmaceuticalsから入手可能である。
【0094】
一般に使用される略語には以下が含まれる:アセチル(Ac)、アゾ−ビス−イソブチリルニトリル(AIBN)、雰囲気(Atm)、9−ボラビシクロ〔3.3.1〕ノナン(9−BBNまたはBBN)、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ジ−tert−ブチルピロカルボネートまたはboc無水物(BOC2O)、ベンジル(Bn)、ブチル(Bu)、ベンジルオキシカルボニル(CBZまたはZ)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン(DABCO)、ジエチルアミノスルファトリフルオリド(DAST)、ジベンジリデンアセトン(dba)、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノン−5−エン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン(DBU)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,2−ジクロロエタン(DCE)、ジクロロメタン(DCM)、ジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)、ジ−イソ−プロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)、ジ−イソ−ブチルアルミニウムヒドリド(DIBALまたはDIBAL−H)、ジ−イソ−プロピルエチルアミン(DIPEA)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、(ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe)、(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、エチル(Et)、酢酸エチル(EtOAc)、エタノール(EtOH)、2−エトキシ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(EEDQ)、ジエチルエーテル(Et2O)、酢酸(HOAc)、1−N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、リチウムヘキサメチルジシラザン(LiHMDS)、メタノール(MeOH)、融点(mp)、MeSO2−(メシル又はMs)、メチル(Me)、アセトニトリル(MeCN)、m−クロロ過安息香酸(MCPBA)、質量スペクトル(ms)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、N−カルボキシ無水物(NCA)、N−クロロスクシンイミド(NCS)、N−メチルモルホリン(NMM)、N−メチルピロリドン(NMP)、ピリジニウムクロロクロメート(PCC)、ピリジニウムジクロメート(PDC)、フェニル(Ph)、プロピル(Pr)、イソ−プロピル(i−Pr)、平方インチあたりのポンド(psi)、ピリジン(pyr)、室温(rt又はRT)、tert−ブチルジメチルシリルまたはt−BuMe2Si(TBDMS)、トリエチルアミン(TEAまたはEt3N)、トリフラートまたはCF3SO2−(Tf)、トリフルオロ酢酸(TFA)、1,1’−ビス−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−2,6−ジオン(TMHD)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、1,1’−ビス−薄膜クロマトグラフィー(TLC)、テトラヒドロフラン(THF)、トリメチルシリルまたはMe3Si(TMS)、p−トルエンスルホン酸一水和物(TsOH又はpTsOH)、4−Me−C64SO2−又はトシル(Ts)、N−ウレタン−N−カルボキシ無水物(UNCA)。接頭辞ノルマル(n)、イソ(i−)、二級(sec-)、三級(tert-)およびネオを含む従来の命名法は、アルキル部分と共に使用されるとき、それらの慣用の意味を有する。(J. Rigaudy and D. P. Klesney, Nomenclature in Organic Chemistry, IUPAC 1979 Pergamon Press, Oxford.)。
【0095】
本発明の化合物は、以下に示され記載される例示的な合成反応スキームに記述される種々の方法により製造することができる。これらの化合物を調製する際に使用される出発原料および試薬は、アルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Co.)のような商業的な供給元から入手可能であるか、またはFieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis; Wiley & Sons: New York, Volumes1-21; R. C. LaRock, Comprehensive Organic Transformations, 2nd edition Wiley-VCH, New York 1999; Comprehensive Organic Synthesis, B. Trost and I. Fleming (Eds.) vol. 1-9 Pergamon, Oxford, 1991; Comprehensive Heterocyclic Chemistry, A. R. Katritzky and C. W. Rees (Eds) Pergamon, Oxford 1984, vol. 1-9; Comprehensive Heterocyclic Chemistry II, A. R. Katritzky and C. W. Rees (Eds) Pergamon, Oxford 1996, vol. 1-11; および Organic Reactions, Wiley & Sons: New York, 1991, Volumes 1-40のような文献に記述された手順に従い当業者が公知の方法によって調製される。以下の合成反応スキームは、本発明の化合物が合成できるいくつかの方法を単に例示するものにすぎず、様々な変形がこれらの合成反応スキームに施されてもよく、それらは、本願に含まれている開示を参照すると、当業者に理解されるであろう。
【0096】
合成反応スキームの出発材料および中間体は、濾過、蒸留、結晶化、フラッシュカラムクロマトグラフィー、HPLC等を含むが、これらに限定されない従来の技術を使用して、所望により、単離し、精製することができる。そのような材料は、物理定数を含み、また質量分析法、核磁気共鳴分光法および赤外分光法を含むがこれらに限定されない、従来の手段を使用して特徴付けることができる。
【0097】
別に特記されない限り、本明細書に記載の反応は、好ましくは、不活性雰囲気下に、大気圧で、約−78℃〜約150℃、より好ましくは約0℃〜約125℃、最も好ましく且つ簡便にはおよそ室温(周囲温度)、例えば約20℃で行われる。当業者は、過度の実験をすることなく、各々の変換に最適な反応条件を特定することが可能であろう。
【0098】
以下のスキームは、しばしば特定の化合物を示しているが、反応条件は例示的であって、他の反応物に簡単に適合させることができる。代替的な条件も周知である。以下の実施例における反応順序は、特許請求の範囲に記載の発明の範囲を限定することを意味するものではない。
【0099】
本発明により包含され、かつ本発明の範囲内である代表的な化合物の例が、以下の表に提示されている。以下のこれらの実施例および調製例は、当業者が本発明をより明確に理解し、実施できるために提示されている。それらは、本発明の範囲を制限するもとして考慮されるべきではなく、本発明の単なる例示および代表例として考慮されるべきである。
【0100】
以下のスキーム中のいくつかの構造は、一般化された置換基と共に示されているが;当業者は、R基の性質が変化すると、本発明で検討される種々の化合物を与えることができることを、直ちに理解するであろう。また、反応条件は例示的であり、代替的な条件は周知である。以下の実施例における反応順序は、特許請求の範囲に記載の発明の範囲を限定することを意味するものではない。
【0101】
一般に、本出願で使用される命名法は、IUPAC系統的命名法を生み出すBeilstein InstituteコンピュータシステムであるAUTONOM(商標)v.4.0に基づく。表示された構造とその構造に与えられた名称に不一致がある場合は、表示された構造により重みが与えられるべきである。さらに、構造または構造の一部分の立体化学が、例えば太線または破線で示されていない場合、構造または構造の一部分は、その立体異性体の全てを包含するものとして解釈されるべきである。
【0102】
【表1】













【0103】
本発明の化合物は、よく確立された手法により製造することができる。(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−酢酸、(4−ヒドロキシ−3−メチル−フェニル)酢酸、(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−フェニル)酢酸、(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)酢酸、および4−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−フェニル)アセトニトリルが一般的に入手可能であり、そのヒドロキシ酸の対応するメチルエーテルおよび/またはアルキルエステルが市販されている。(3−クロロ−4−ヒドロキシ−フェニル)酢酸エチルは、実施例7に記載のように、3−クロロ−4−メトキシ−トルエンから調製された。メチルエーテルは、BBr3、HBrもしくはHIまたはLiI/コリジンで、周知の条件下に容易に脱メチル化される。カルボン酸は、標準的な方法論により、対応するエステルに変換することができる。3−クロロ−5−フルオロ−ベンゾニトリル、5−フルオロ−イソフタロニトリル、1−ブロモ−2−フルオロ−4−クロロ−ベンゼン、4−クロロ−2−フルオロ−ベンゾニトリル、1,3−ジクロロ−2−フルオロベンゾニトリル、4−フルオロ−3−メチル−ベンゾニトリルを含む、フェノールとカップリングするのに必要なフッ素化フェニル誘導体は、市販の化合物である。3−ジフルオロメチル−5−フルオロ−ベンゾニトリルは、実施例11に記載のように、3,5−ジブロモ−フルオロ−ベンゼンから調製された。
【0104】
【化16】

【0105】
一般的経路を、スキーム1に示す。フェノキシ置換基および側鎖の酢酸を有するフェニル環の双方は、特許請求の範囲に記載のように場合により置換されており、符号R、R’、R”、およびR”’は、スキームを、これらの位置が特許請求の範囲および明細書中で定義されている範囲に、一般化されるように意図されている。
【0106】
ジアリールエーテルの調製(上記の工程1)は、概説されている(J. S. Sawyer, Recent Advances in Diaryl Ether Synthesis, Tetrahedron 2000 56:5045-5065)。アリールエーテルの導入は、しばしば、脱離基と電子陰性置換基で置換されている芳香環11(X=脱離基)上でのフェノール10との直接SNAr置換により達成することができる。電子陰性置換基を有するフルオロ芳香族化合物は、ソフトな求核剤での求核攻撃に感受性であることが知られている。フッ素置換基は、一般的に、他のハロゲン置換基よりも、有意に不安定である。水や水酸化物のようなハードな求核剤は、フッ化物を置換することはできないが、フェノール、イミダゾール、アミン、チオール、およびいくつかのアミドのようなソフトな求核剤は、室温であっても容易に置換反応する(D. Boger et al., Biorg. Med. Chem. Lett. 2000 10:1471-75; F. Terrier Nucleophilic Aromatic Displacement: The Influence of the Nitro Group VCH Publishers, New York, NY 1991)。スキーム1において10で表されるフェノールは、適切に置換されているアリールフッ素化合物で処理すると、ジアリールエーテルを製造することができる(下記)。
【0107】
アリールエーテルは、また、置換ベンゼンボロン酸(11、X=B(OH)2)とフェノールとのCu(OAc)2触媒縮合により効果的に調製することができる(D. A. Evans et al., Tetrahedron Lett., 1998 39:2937-2940 and D. M. T. Chan et al., Tetrahedron Lett. 1998 39:2933-2936)。このプロトコールは、また、10等のフェノールに適合させることができる。種々の他の置換基を有するベンゼンボロン酸は、市販されている。
【0108】
あるいは、Cu(I)塩でのウルマンジアリールエーテル合成の変法(J. -F. Marcoux et al., J. Am. Chem. Soc. 1997 119:10539-540; E. Buck et al, Org. Lett. 2002 4(9):1623-1626)またはパラジウム触媒カップリング手法が報告されており(G. Mann et al., J. Am. Chem. Soc., 1999 121:3224-3225)、記載されている。当業者は、最適な手法はカップリングされるアリール環上の置換基の性質および位置により変化し、カップリングに有用な条件は過度な実験なしに特定することができることを理解するであろう。
【0109】
カルボン酸エステル12の対応するアニリド13への変換は、標準的な方法論で行われる。カルボン酸エステルは、温和な塩基性条件下に加水分解されると、対応するカルボン酸を与え、これは、対応する酸塩化物に変換され、最後に、置換アニリンと縮合される。
【0110】
置換アニリンは、容易に入手できる。4−アミノ−ベンゼンスルホンアミド(20)および4−アミノ−3−メチル−ベンゼンスルホンアミド(21)は、市販されている。20の3位および/または5位での求電子置換は、アミンによるオルト位の活性化により、容易に達成される。そこで、20をNBSまたはNCSと接触させると、それぞれ、4−アミノ−3−ブロモ−および4−アミノ−3−クロロ−ベンゼンスルホンアミドが得られる。
【0111】
本発明の化合物は、多種多様な経口投与投薬形態および担体で配合することができる。経口投与は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬および軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤、シロップ剤、または懸濁剤の剤形であることができる。本発明の化合物は、他の投与経路のうち、持続的(静脈内滴注)局所非経口的、筋肉内、静脈内、皮下、経皮(これは、浸透向上剤を含むこともある)、口腔内、鼻腔内、吸入および坐剤投与を含む他の投与経路により投与される場合にも有効である。好ましい投与方法は、一般に、罹患の程度および活性成分に対する患者の応答に従って調整できる都合のよい1日用量投薬計画を使用する経口である。
【0112】
1種または複数種の本発明の化合物およびそれらの薬学的に使用できる塩を、従来の賦形剤、担体、または希釈剤の1種以上と一緒に医薬組成物および単位投薬形態にすることができる。医薬組成物および単位投薬形態は、慣用の成分を慣用の割合で、追加の活性化合物もしくは有効成分と共にまたはそれなしで含むことができ、単位投薬形態は、使用される1日投与量の意図される範囲に相応する任意の適切な有効量の活性成分を含むことができる。医薬組成物は、錠剤もしくは充填カプセル剤、半固形剤、粉末剤、持続性放出製剤のような固体として、または液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤もしくは経口用の充填カプセル剤のような液体として;または直腸内もしくは膣内投与用の坐剤の形態で;または非経口的使用の注射用滅菌液剤の形態で使用することができる。典型的な製剤は、1種または複数種の活性化合物を約5%〜約95%(w/w)含有する。用語「製剤」または「投薬形態」は、活性化合物の固体および液体配合剤の双方を含むことを意図しており、当業者は、活性成分が標的器官または組織ならびに所望の用量および薬物動態パラメータに応じて異なる調合で存在できることを理解するであろう。
【0113】
本明細書で使用される、用語「賦形剤」は、一般的に安全で、非毒性であり、生物学的にも、それ以外にも望ましくないものではない、医薬組成物の調製に有用である化合物を意味し、ヒトに対する薬学的使用と同様に獣医学用に許容できる賦形剤を含む。本明細書で使用される、用語「賦形剤」は、1種または1種より多いそのような賦形剤の双方を含む。
【0114】
活性成分の「薬学的に許容しうる塩」形態は、また、非塩形態では存在しない、所望の薬物動態学的特性を活性成分にもたらし、体内でのその治療活性に関して、活性成分の薬物動態学にプラスにさえ影響を与える可能性がある。化合物の「薬学的に許容しうる塩」という語句は、薬学的に許容可能であり、親化合物の所望の薬理学的活性を有する塩を意味する。そのような塩には以下が含まれる:(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などのような無機酸により形成される酸付加塩;または酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、ショウノウスルホン酸、4−メチルビシクロ〔2.2.2〕−オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert−ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などのような有機酸により形成される酸付加塩;あるいは(2)親化合物に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオンもしくはアルミニウムイオンにより置換されるか;またはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどのような有機塩基と配位結合するかのいずれかの場合に形成される塩。薬学的に許容しうる塩への言及の全てのものには、同じ酸付加塩の本明細書で定義される溶媒付加形態(溶媒和物)または結晶形(多形)が含まれることを理解するべきである。
【0115】
固体形態の製剤には、粉末剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、および分散性顆粒剤が含まれる。固体担体は、希釈剤、風味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩解剤、またはカプセル化材料としても作用することができる1種以上の物質であってよい。粉末剤では、担体は、一般に微粉化した活性成分との混合物である微粉化した固体である。錠剤では、活性成分は、一般に必要な結合能力を有する担体と適切な割合で混合され、所望の形状および大きさに成形される。適切な担体として、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ロウ、ココアバターなどが挙げられるが、これらに限定されない。固体形態の製剤は、活性成分に加えて、着色剤、風味剤、安定剤、緩衝剤、人工および天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含有していてもよい。
【0116】
液体配合剤も経口投与に適切であり、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、水性液剤、水性懸濁剤を含む液体配合剤が挙げられる。これらには、使用の直前に液体形態の製剤に変換されることが意図される固体形態の製剤が含まれる。乳剤は、溶液、例えば、プロピレングリコール水溶液に調製されることができるか、またはレシチン、ソルビタンモノオレエート、もしくはアカシアのような乳化剤を含有することができる。水性液剤は、活性成分を水に溶解し、適切な着色剤、風味剤、安定剤、および増粘剤を加えることにより調製することができる。水性懸濁剤は、微粉化した活性成分を、天然または合成ガム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および他の周知の懸濁剤のような粘性材料と共に水に分散することにより調製することができる。
【0117】
本発明の化合物は、非経口投与(例えば、注射、例としてはボーラス注入または持続注入による)のために配合することができ、アンプル剤、充填済注射器(pre-filled syringes)、防腐剤を添加した小量注入容器または多用量容器に単位用量形態で存在しうる。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁剤、液剤、または乳剤、例えばポリエチレングリコール水溶液中の液剤のような形態をとりうる。油性または非水性担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例として、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)、および注射用有機エステル類(例えば、オレイン酸エチル)が挙げられ、防腐剤、湿潤剤、乳化剤もしくは懸濁剤、安定剤および/または分散剤のような配合化剤を含有していてもよい。あるいは、活性成分は、適切なビヒクル、例えば滅菌した、発熱物質を含まない水で使用前に構成されるための、滅菌固体の無菌分離によるかまたは溶液から凍結乾燥することにより得られる粉末形態であってもよい。
【0118】
本発明の化合物は、坐剤としての投与のために配合しうる。脂肪酸グリセリドまたはココアバターの混合物のような低融点ロウを最初に溶融し、活性成分を例えば撹拌により均質に分散させる。次いで、均質溶融混合物を、都合のよい大きさの成形型に注ぎ、冷却、および凝固させる。
【0119】
本発明の化合物は、膣内投与用に配合しうる。活性成分に加えて、そのような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、またはスプレーが適切であることは、当該技術で既知である。
【0120】
所望であれば、配合剤は、活性成分の持続的または制御的放出投与に適合するように、腸溶コーティングを用いて調製できる。例えば、本発明の化合物は、経皮または皮下薬剤送達デバイスに配合できる。これらの送達系は、化合物の持続放出が必要であり、患者の治療計画に対するコンプライアンスが重要である場合に有益である。経皮送達系における化合物は、しばしば、皮膚付着固体支持体に結合されている。目的の化合物は、また、浸透向上剤、例えばアゾン(1−ドデシルアザ−シクロヘプタン−2−オン)と組み合わせることができる。持続的放出送達系は、手術または注入により皮下層に皮下的に挿入される。皮下インプラントは、脂質可溶膜、例えばシリコーンゴムまたは生物分解性ポリマー、例えばポリ乳酸で化合物を包み込む。
【0121】
医薬担体、希釈剤、および賦形剤を伴った好適な配合剤は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 1995, edited by E. W. Martin, Mack Publishing Company, 19th edition, Easton, Pennsylvaniaに記載されている。熟練した配合科学者は、本明細書の組成物を不安定にしたり、その治療活性を損なったりすることなく、特定の投与経路のための多数の配合剤を提供するために、本明細書の教示の範囲内で配合剤を変更することができる。
【0122】
水または他のビヒクル中で本発明の化合物をより可溶性にするそれらの化合物の変性は、例えば、僅かな変性(塩形成、エステル化など)により容易に達成することができ、これは十分に、当分野における通常の技術範囲内である。また、患者における最大限の有益な効果のために本発明の化合物の薬物動態を管理する目的で、特定の化合物の投与経路および投薬計画を変更することは、十分に、当分野における通常の技術範囲内である。
【0123】
本明細書で使用される、用語「治療有効量」は、個体における疾患の症状を低減するために必要な量を意味する。用量は、それぞれの特定の場合において個別の要件に適合される。投与量は、治療される疾患の重篤度、患者の年齢および身体全体の健康状態、患者が治療を受けている他の医薬、投与経路および形態、ならびに関与する医師の選択および経験のような多数の要因に応じて広い範囲で変わることができる。経口投与では、1日あたり約0.01〜約100mg/kg体重の1日投与量が、単剤療法および/または併用療法で適切であるべきである。好ましい1日投与量は、1日あたり、約0.1〜約500mg/kg体重、より好ましくは0.1〜約100mg/kg体重、最も好ましくは1.0〜約10mg/kg体重である。したがって、70kgの人に対する投与では、投与量範囲は、1日あたり約7mg〜0.7gであろう。1日投与量は、単回投与としてまたは分割投与で、典型的には1日あたり1〜5回投与で投与できる。一般に、処置は、化合物の最適用量未満であるより少ない投与量で始められる。その後、投与量は、個別の患者に最適な効果が達成されるまで少量ずつ増加される。本明細書で記載されている疾患を処置する通常の技術のうちの1つにより、過度の実験を行うことなく、かつ個人的な知識、経験および本出願の開示に拠り、所与の疾患および患者のための本発明の化合物の治療有効量を確認することが可能となろう。
【0124】
本発明の実施態様において、活性化合物または塩は、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、別の非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、またはHIVプロテアーゼ阻害剤などの、別の抗ウイルス剤と組み合わせて投与できる。活性化合物またはその誘導体もしくは塩を別の抗ウイルス剤と組み合わせて投与すると、活性を、親化合物を超えて増大させることができる。処置が併用治療である場合、そのような投与は、ヌクレオシド誘導体の投与と同時であるか、またはそれに続くものであってもよい。したがって、本明細書で使用される、「同時投与」には、同時または異なる時の薬剤の投与が包含される。同時に2種以上の薬剤を投与することは、2種以上の活性成分を含有する単一の配合剤によってか、または単一の活性薬剤の2種以上の投与剤形の実質的な同時投与によって、達成できる。さらに、本明細書で使用されるHIV感染の処置には、HIV感染に関連するまたはそれが介在する疾患もしくは状態、またはその臨床症状の、治療または予防も含まれる。
【0125】
医薬製剤は、好ましくは単位投薬形態である。そのような形態では、製剤は、活性成分の適切な量を含有する単位用量に細分化されている。単位投薬形態は、パッケージ製剤であることができ、そのパッケージは、パケット錠剤、カプセル剤、およびバイアルまたはアンプル中の粉末剤のように、製剤の個々の分量を含有する。また、単位投薬形態は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤、またはトローチ剤それ自体であることができるか、またはこれらのうちのいずれかの適切な数のパッケージ形態であることができる。
【0126】
以下のこれらの実施例および製剤は、当業者が本発明をより明確に理解し、実施することを可能とするために提供される。それらは本発明の範囲を限定するものとして考えるべきではなく、単にそれらを例証し、代表するものとして考えるべきである。
【0127】
実施例1
[3−ブロモ−4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−酢酸エチルエステル(I−46)
【0128】
【化17】

【0129】
工程1−NMP(12ml)中の15(1.6g、6.20mmol)の溶液に、KCO(2.56g、18.6mmol)及び3−クロロ−5−フルオロベンゾニトリル(16、0.96g、6.20mmol)を加えた。反応物を実験用マイクロ波で110℃で5分間及び120℃で80分間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、10%HCl水溶液で希釈した。混合物をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機物をHO及びブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で蒸発させた。粗生成物をMeOH/ヘキサンで溶離するSiOクロマトグラフィーで精製して、17aを得た。
【0130】
工程2−17a(0.62g、1.57mmol)、LiOH(113mg、4.7mmol)及びTHF/HO(4/1、25ml)の溶液を、室温で1時間撹拌した。反応物を10%HCl水溶液の添加によりクエンチした。混合物をDCMで3回抽出し、合わせた有機物をHO及びブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させて、17bを得て、それを更に精製しないで次の工程で用いた。
【0131】
工程3−N雰囲気下で室温に保持した17b(557mg、1.52mmol)及びDCM(7ml)の撹拌溶液に、塩化オキサリル(265μL;3.04mmol)を、続いてDMF2滴を滴下した。反応物を室温で1時間撹拌した。過剰の溶媒及び塩化オキサリルを真空下で除去して、17cを得て、それを更に精製しないで次の工程で用いた。
【0132】
工程4−N雰囲気下、アセトン(1ml)中の17c(0.22mmol)の撹拌溶液に、順次NaHCO(36.5mg、0.434mmol)、4−アミノ−ベンゼンスルホンアミド(36.4mg、0.22mmol)及び水(2ml)を加えた。混合物を5分間超音波処理し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、固体を水及びEtOで洗浄し、真空下で乾燥して、I−46:融点=205.3−207.4℃;ms[M−H]=518を得た。
【0133】
実施例2
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−21)
【0134】
【化18】

【0135】
工程1−NMP(10ml)中の(3−クロロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−酢酸エチルエステル(19、1.34g、6.22mmol)の溶液に、KCO(2.58g、18.7mmol)及び5−フルオロ−イソフタロニトリル(20、1.0g、6.84mmol)を加えた。反応物を100℃に4時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水を加え、混合物をEtOAcで3回抽出した。合わせた抽出物をHO及びブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で蒸発させて、21を得て、それを更に精製しないで用いた。
【0136】
工程2〜4を実施例1の例2〜4に記載されたように実施したが、但し工程4では3−ブロモ−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いて、I−21を得た。
【0137】
4−アミノ−3−ブロモ−ベンゼンスルホンアミド−0℃に冷却したDMF(10ml)中の4−アミノ−ベンゼンスルホンアミド(10g、58.1mmol)の撹拌溶液に、NBS(10.3g、58.1)を加えた。得られた混合物を0℃で10分間撹拌し、次に水の添加によりクエンチした。生成した沈殿物を濾過し、水で洗浄し、真空下で乾燥して、4−アミノ−3−ブロモ−ベンゼンスルホンアミドを得た。
【0138】
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−アセトアミド(I−9)を同様にして調製したが、但し工程4では2−トリフルオロメチル−アニリンを3−ブロモ−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0139】
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(4−メトキシ−2−メチル−フェニル)−アセトアミド(I−10)を同様にして調製したが、但し工程4では2−メチル−4−メトキシ−アニリンを3−ブロモ−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0140】
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(4−ジメチルスルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−11)を同様にして調製したが、但し工程4では4−アミノ−N,N−ジメチル−ベンゼンスルホンアミドを3−ブロモ−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0141】
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−[4−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル]−アセトアミド(I−12)を同様にして調製したが、但し工程4では4−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニルアミンを3−ブロモ−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0142】
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−[4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル]−アセトアミド(I−13)を同様にして調製したが、但し工程4では4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニルアミンを3−ブロモ−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0143】
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2,3−ジメチル−フェニル)−アセトアミド(I−14)を同様にして調製したが、但し工程4では2,3−ジメチル−フェニルアミンを3−ブロモ−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0144】
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−エチル−フェニル)−アセトアミド(I−15)を同様にして調製したが、但し工程4では2−エチル−フェニルアミンを3−ブロモ−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0145】
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−o−トリル−アセトアミド(I−16)を同様にして調製したが、但し工程4では2−メチル−フェニルアミンを3−ブロモ−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0146】
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−メトキシ−フェニル)−アセトアミド(1−17)を同様にして調製したが、但し工程4では2−メトキシ−フェニルアミンを3−ブロモ−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0147】
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−イソプロピル−フェニル)−アセトアミド(I−19)を同様にして調製したが、但し工程4では2−イソプロピル−フェニルアミンを3−ブロモ−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0148】
N−(2−ブロモ−フェニル)−2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−アセトアミド(I−20)を同様にして調製したが、但し工程4では2−ブロモ−フェニルアミンを3−ブロモ−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0149】
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(4−シアノ−フェニル)−アセトアミド(I−22)を同様にして調製したが、但し工程4では4−アミノ−ベンゾニトリルを3−ブロモ−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0150】
(4−{2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−アセチルアミノ}−フェノキシ)−酢酸メチルエステル(I−26)を同様にして調製したが、但し工程4では(4−アミノ−フェノキシ)−酢酸メチルエステルを3−ブロモ−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0151】
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(4−シアノメトキシ−フェニル)−アセトアミド(I−27)を同様にして調製したが、但し工程4では(4−アミノ−フェノキシ)−アセトニトリルを3−ブロモ−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0152】
(4−{2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−アセチルアミノ}−フェニルスルファニル)−酢酸メチルエステル(I−28)を同様にして調製したが、但し工程4では(4−アミノ−フェニルスルファニル)−酢酸メチルエステルを3−ブロモ−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0153】
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−シアノ−フェニル)−アセトアミド(I−29)を同様にして調製したが、但し工程4では2−アミノ−ベンゾニトリルを3−ブロモ−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0154】
4−{2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−アセチルアミノ}−安息香酸メチルエステル(I−30)を同様にして調製したが、但し工程4では4−アミノ−安息香酸メチルエステルを3−ブロモ−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0155】
4−{2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−安息香酸メチルエステル(I−31)を同様にして調製したが、但し工程4では4−アミノ−3−メチル−安息香酸メチルエステルを3−ブロモ−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0156】
3−クロロ−4−{2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−アセチルアミノ}−安息香酸メチルエステル(I−32)を同様にして調製したが、但し工程4では4−アミノ−3−クロロ−安息香酸メチルエステルを3−ブロモ−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0157】
実施例3
2−[4−(2−ブロモ−5−クロロ−フェノキシ)−3−クロロ−フェニル]−N−o−トリル−アセトアミド(I−7)
【0158】
【化19】

【0159】
工程1−NMP(20ml)中の(3−クロロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−酢酸エチルエステル(19、2.0g、9.32mmol)の溶液に、KCO(3.86g、28.0mmol)及び1−ブロモ−4−クロロ−2−フルオロ−ベンゼン(20、1.28ml、10.3mmol)を加えた。反応物を100℃に6時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水を加え、混合物をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機物をHO及びブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で蒸発させて、23を得て、それを更に精製しないで用いた。
【0160】
工程2〜4を、実施例1の例2〜4に記載されるように実施したが、但し工程4では2−メチル−フェニルアミンを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いて、I−7を得た。
【0161】
2−[4−(2−ブロモ−5−クロロ−フェノキシ)−3−クロロ−フェニル]−N−(4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−3)を同様にして調製したが、但し工程4では4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドを3−ブロモ−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0162】
2−[4−(2−ブロモ−5−クロロ−フェノキシ)−3−クロロ−フェニル]−N−[2−メチル−4−(3−スルファモイル−プロポキシ)−フェニル]−アセトアミド(I−5)を同様にして調製したが、但し工程4では3−(4−アミノ−3−メチル−フェノキシ)−プロパン−1−スルホン酸アミドを3−ブロモ−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0163】
2−[4−(2−ブロモ−5−クロロ−フェノキシ)−3−クロロ−フェニル]−N−(2−フルオロ−フェニル)−アセトアミド(I−8)を同様にして調製したが、但し工程4では2−フルオロ−フェニルアミンを3−ブロモ−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0164】
2−[4−(2−ブロモ−5−クロロ−フェノキシ)−3−クロロ−フェニル]−N−(2−クロロ−フェニル)−アセトアミド(I−6)を同様にして調製したが、但し工程4では2−クロロ−フェニルアミンを3−ブロモ−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0165】
実施例4
2−[3−クロロ−4−(2−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−34)
【0166】
【化20】

【0167】
工程1−NMP(20ml)中の(3−クロロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−酢酸エチルエステル(19、3.0g、14.0mmol)の溶液に、KCO(5.80g、41.9mmol)及び4−クロロ−3−フルオロ−ベンゾニトリル(24、2.17g、14.0mmol)を加えた。反応物を120℃に一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水を加え、混合物をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機物をHO及びブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で蒸発させて、25を得て、それを更に精製しないで次の工程で用いた。
【0168】
工程1からのエステルをI−34に変換するための工程2〜4を、実施例1の工程2〜4のために記載されたように行った。
【0169】
2−[3−クロロ−4−(2−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−35)を同様にして調製したが、但し工程4では4−アミノ−3−メチル−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0170】
2−[3−クロロ−4−(2−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−36)を同様にして調製したが、但し工程4では4−アミノ−3−クロロ−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0171】
実施例5
2−[3−クロロ−4−(2,6−ジクロロ−フェノキシ)−フェニル]−N−(4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−40)
【0172】
【化21】

【0173】
工程1−NMP(20ml)中の19(3.0g、14.0mmol)の溶液に、KCO(5.80g、41.9mmol)及び1,3−ジクロロ−2−フルオロ−ベンゼン(26、2.31g、14.0mmol)を加えた。反応物を120℃に一晩に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、HOで希釈し、EtOAcで3回抽出した。合わせた抽出物をHO及びブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で蒸発させて、27を得て、それを更に精製しないで次の工程で用いた。
【0174】
工程1からのエステル27をI−40に変換するための工程2〜4を、実施例1の工程2〜4のために記載されたように行った。
【0175】
2−[3−クロロ−4−(2,6−ジクロロ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−41)を同様に調製したが、但し工程4では4−アミノ−3−メチル−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0176】
2−[3−クロロ−4−(2,6−ジクロロ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−45)を同様にして調製したが、但し工程4では4−アミノ−3−クロロ−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0177】
実施例6
2−[3−クロロ−4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−フェニル]−N−(4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−42)
【0178】
【化22】

【0179】
工程1−NMP(20ml)中の19(3.0g、14.0mmol)の溶液に、KCO(5.80g、41.9mmol)及び4−フルオロ−3−メチル−ベンゾニトリル(28、1.89g、14.0mmol)を加えた。反応物を120℃に一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、HOで希釈し、EtOAcで3回抽出した。合わせた抽出物をHO及びブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で蒸発させて、29を得て、それを更に精製しないで次の工程で用いた。
【0180】
工程1からのエステル29をI−42に変換するための工程2〜4を、実施例1の工程2〜4のために記載されたように行った。
【0181】
2−[3−クロロ−4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−43)を同様にして調製したが、但し工程4では4−アミノ−3−メチル−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0182】
2−[3−クロロ−4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−44)を同様にして調製したが、但し工程4では4−アミノ−3−クロロ−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0183】
実施例7
2−[3−クロロ−4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−37)
【0184】
【化23】

【0185】
工程1−4−クロロ−3−メトキシ−トルエン(30a;0.5g;3.2mmol)、NBS(0.57g;3.2mmol)及びベンゾイルペルオキシド(0.031g;0.13mmol)及びDCE32mlの溶液を、3時間加熱還流した。反応混合物を冷却し、DCMで希釈し、水及びブラインで洗浄した。有機抽出物を乾燥し、濾過し、蒸発させて、ブロモメチル化合物30bを得て、それを更に精製しないで用いた。
【0186】
工程2−前の工程からの30b(0.166mmol)28g、NaCN(28g;0.58mmol;3.5当量)及び90%EtOH水溶液500mlを、室温で一晩撹拌した。粗残留物をEtOAc/HO(各359ml)に分配し、ブラインで洗浄し、乾燥し、濾過し、蒸発させた。粗生成物を、EtOAc/ヘキサン勾配(100〜90%ヘキサン)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、30c 21gを得た。
【0187】
工程3−気体HClを、トルエン(10ml)、エーテル(10ml)及びEtOH(1ml)中の4−クロロ−3−メトキシアセトニトリル(30c)の冷却溶液に約10分間ゆっくりと泡立てた。反応物に栓をし、−30℃で1週間保存した。TLCは、残留出発物質を少しも検出できなかった。溶媒を蒸発させ、黄色の固体をEtOで撹拌し、濾過し、EtOで洗浄し、真空オーブン中で乾燥して、4−クロロ−3−メトキシフェニルメチルイミド酸エチル0.57g(90%)(30、X=C(=NH)OEt))を得た。
【0188】
イミダート(0.57g)及びHO(10ml)の溶液を40℃で3時間加熱した。反応物を室温に冷却し、EtOAcで抽出した。反応物を乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させ、得られた生成物30dを更に精製しないで用いた。
【0189】
工程4−4−クロロ−3−メトキシフェニル酢酸エチル(30d;36g;157mmol)及びDCM(2L)の溶液を−78℃に冷却し、BBr(74ml;785mmol;DCM中の1.0M)の溶液を30分間かけて加えた。−78℃で1時間後、反応物を室温に温めた。出発物質が消費された時、反応物を氷水浴中で冷却し、反応を水200mlでクエンチした。水相をDCM:EtOAc(4:1 v/v)で抽出した。合わせた抽出物を水及びブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させて、19 30g(90%)を得た。
【0190】
工程5−19(1.07g、5mmol)、16(1.3g、7.56mmol)、KCO(2.07g、15.0mmol)及びNMP(10ml)の溶液を撹拌し、110℃に6時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、HO(50ml)で希釈し、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機抽出物を順次、水及びブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮した。粗生成物をEtOAc/ヘキサン(10:90)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、31 0.328gを得た。
【0191】
工程5からのエステル31をI−37に変換するための工程6〜8を、実施例1の工程2〜4のために記載されたように行った。
【0192】
2−[3−クロロ−4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−38)を同様にして調製したが、但し工程8では4−アミノ−3−メチル−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0193】
2−[3−クロロ−4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−39)を同様にして調製したが、但し工程8では4−アミノ−3−クロロ−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0194】
実施例8
2−[3−ブロモ−4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−46)
【0195】
【化24】

【0196】
工程1−NMP(12ml)中の(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−フェニル)−酢酸エチルエステル(32、1.6g、6.20mmol)の溶液に、KCO(2.56g、18.6mmol)及び16(0.96g、6.20mmol)を加えた。反応物を実験用マイクロ波にて110℃で5分間及び120℃で80分間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、HCl(10%)を加えた。混合物をEtOAcで3回抽出した。合わせた抽出物をHO及びブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で蒸発させた。粗生成物をヘキサン/EtOAcで溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、33を得た。
【0197】
工程2〜4を、実施例1の工程2〜4について記載されたように行って、I−46:融点=205.3〜207.4℃,ms,[M−H]=518を得た。
【0198】
2−[3−ブロモ−4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−47)を同様にして調製したが、但し工程4では4−アミノ−3−メチル−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた:融点=214.6〜215.9℃;ms[M−H]=532。
【0199】
2−[3−ブロモ−4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−48)を同様にして調製したが、但し工程4では4−アミノ−3−クロロ−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた:融点=205.0〜207.3℃;ms[M−H]=552。
【0200】
2−[3−ブロモ−4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(4−スルファモイルメチル−フェニル)−アセトアミド(I−49)を同様にして調製したが、但し工程4では(4−アミノ−フェニル)−メタンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた:融点=133.4〜135.3℃;ms[M−H]=532。
【0201】
(4−アミノ−フェニル)−メタンスルホンアミドを以下の手順により調製した:
工程1−0℃に冷却したTHF(34ml)中の濃NHOH(17ml)の撹拌溶液に、(4−ニトロ−フェニル)−メタンスルホニルクロリド(2g、8.42mmol)を滴下した。反応物を0℃で15分間撹拌し、次に氷水に注ぎ、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機物を水及びブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で蒸発させて、(4−ニトロ−フェニル)−メタンスルホンアミドを得た。
【0202】
工程2−EtOH(120ml)中の(4−ニトロ−フェニル)−メタンスルホンアミド(1.18g、5.41mmol)の溶液に、Pd/C(10%、118mg)を加えた。混合物をH(バルーン圧)下で一晩撹拌し、触媒をcelite(登録商標)パッドで濾別し、フィルターケーキをEtOHで洗浄した。濾液を真空下で濃縮して、(4−アミノ−フェニル)−メタンスルホンアミドを得た。
【0203】
2−[3−ブロモ−4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−ブロモ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−50)を同様にして調製したが、但し工程4では4−アミノ−3−ブロモ−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた:融点=168.1〜170.4℃;ms[M−H]=596。
【0204】
実施例9
2−[4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−3−メトキシ−フェニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−51)
【0205】
【化25】

【0206】
工程1−NMP(10ml)中の(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−酢酸エチルエステル(34、2.0g、9.51mmol)の溶液に、KCO(3.94g、28.5mmol)及び16(1.48g、9.51mmol)を加えた。反応物を100℃で5時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、HCl(10%)を加えた。混合物をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機物をHO及びブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、真空下で蒸発させた。粗生成物をヘキサン/EtOAcで溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、35を得た。
【0207】
工程2〜4を、実施例1の工程2〜4について記載されたように行ったが、但し工程4では4−アミノ−3−メチル−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いて、I−51を得た。
【0208】
2−[4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−3−メトキシ−フェニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−52)を同様にして調製したが、但し工程4では4−アミノ−3−クロロ−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−3−メチル−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0209】
N−(2−ブロモ−4−スルファモイル−フェニル)−2−[4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アセトアミド(I−53)を同様にして調製したが、但し工程4では4−アミノ−3−ブロモ−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−3−メチル−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0210】
2−[4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−3−メトキシ−フェニル]−N−(4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−57)を同様にして調製したが、但し工程4では4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−3−メチル−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0211】
2−[4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−3−メトキシ−フェニル]−N−(4−スルファモイルメチル−フェニル)−アセトアミド(I−58)を同様にして調製したが、但し工程4では(4−アミノ−フェニル)−メタンスルホンアミドを4−アミノ−3−メチル−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0212】
実施例10
2−[4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−3−メトキシ−フェニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−54)
【0213】
【化26】

【0214】
2−[4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−3−メトキシ−フェニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−54)を、実施例1に記載された手順により調製したが、但し工程1では4−フルオロ−3−メチルベンゾニトリル(28)を3−クロロ−5−フルオロ−ベンゾニトリルの代わりに用い、工程4では4−アミノ−3−メチル−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0215】
N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−2−[4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アセトアミド(I−55)を、実施例1に記載された手順により調製したが、但し工程1では4−フルオロ−3−メチルベンゾニトリルを3−クロロ−5−フルオロ−ベンゾニトリルの代わりに用い、工程4では4−アミノ−3−クロロ−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0216】
N−(2−ブロモ−4−スルファモイル−フェニル)−2−[4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アセトアミド(I−56)を、実施例1に記載された手順により調製したが、但し工程1では4−フルオロ−3−メチルベンゾニトリルを3−クロロ−5−フルオロ−ベンゾニトリルの代わりに用い、工程4では4−アミノ−3−ブロモ−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0217】
実施例11
2−[3−ブロモ−4−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−62)
【0218】
【化27】

【0219】
工程1−−78℃に冷却し、Ar雰囲気下に保持した38a(25.39g、0.1mol)及び無水EtO(125ml)の溶液に、30分間かけてn−BuLi(40ml、0.1mol、ヘキサン中2.5M)を滴下した。黄色の溶液を−78℃で10分間撹拌した。反応混合物に、乾燥DMF(8.52ml、2.2mmol)を5分間かけて滴下し、反応物を−78℃で10分間撹拌した後で冷却浴を取り外し、反応物を30分間かけて−30℃に温めた。反応容器を氷水浴中に置き、−10℃に温めた。混合物を氷冷却飽和NHCl水溶液(400ml)にゆっくりと加えた。有機層を分離し、水相をEtOで3回抽出した。合わせた抽出物を水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させて油状物を得て、それを放置して凝固させた。粗生成物をヘキサン/EtOAc勾配(3〜5%EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、38b 15gを得た。
【0220】
工程2−隔壁蓋付き1L Nalgene細口ボトル中のAr雰囲気下の氷/MeOH/水浴中で−10℃に冷却した38b(32.4g、0.15mol)及びDCM(160ml)の溶液に、DAST(35.85ml、0.27mol)を滴下した。反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を、0℃に冷却した飽和NaHCO水溶液(400ml)に30分間かけて滴下した。追加の飽和NaHCOを加え、反応物を僅かに塩基性pHに保持した。相を分離し、水相をEtOで2回抽出し、合わせた抽出物を乾燥し(MgSO)し、室内真空下で30℃にて濃縮して、橙色の油状物36gを得て、それをKugel−Rohrの球体対球体蒸留装置により100℃にて室内真空下で精製して、38c 30.65gを得た。
【0221】
工程3−乾燥DMF(400ml)中の38c(41.6g、0.182mol)、Pd[P(Ph)(O)(15g、13mmol)、及びシアン化亜鉛(12.82g、0.109mol)の溶液を、窒素下で80℃に5.5時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、黄色の固体を濾過し、濾液を水(500ml)に加えた。濾液をEtOで3回抽出し、合わせた抽出物を水で2回洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、30℃で蒸発させた。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc勾配(100:0〜95:5〜90:10)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、39 26.3gを部分的に結晶化している無色の油状物として得た。
【0222】
工程4−15(0.500g;1.920mmol)及びNMP(4ml)の溶液に、KCO(0.796g;5.76)及び3−フルオロ−5−(ジフルオロメチル)−ベンゾニトリル(39、0.362g;2.11mmol)を加えた。反応物を120℃に加熱し、TLCにより監視した。8時間後、反応物を室温に冷却し、10%HClを加えた。混合物をEtOAcで抽出し、合わせた抽出物をHO及びブラインで洗浄した。抽出物を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発した。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc勾配(0〜40%EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーに付して精製して、41を得た。
【0223】
工程5〜7を、実施例1の工程2〜4のために記載されたように行ったが、但し工程4では4−アミノ−3−メチル−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いて、I−62を得た。
【0224】
2−[3−ブロモ−4−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−63)を同様にして調製したが、但し工程4では4−アミノ−3−クロロ−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−3−メチル−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0225】
2−[3−ブロモ−4−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−ブロモ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−64)を同様にして調製したが、但し工程4では4−アミノ−3−ブロモ−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−3−メチル−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0226】
実施例12
2−[3−ブロモ−4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−59)
【0227】
【化28】

【0228】
2−[3−ブロモ−4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−59)を、実施例1に記載された手順により調製したが、但し工程1では4−フルオロ−2−メチルベンゾニトリルを3−クロロ−5−フルオロ−ベンゾニトリルの代わりに用い、工程4では4−アミノ−3−メチル−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0229】
2−[3−ブロモ−4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−60)を、実施例1に記載された手順により調製したが、但し工程1では4−フルオロ−2−メチルベンゾニトリルを3−クロロ−5−フルオロ−ベンゾニトリルの代わりに用い、工程4では4−アミノ−3−クロロ−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0230】
2−[3−ブロモ−4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−ブロモ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−61)を、実施例1に記載された手順により調製したが、工程1では4−フルオロ−2−メチルベンゾニトリルを3−クロロ−5−フルオロ−ベンゾニトリルの代わりに用い、工程4では4−アミノ−3−ブロモ−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0231】
実施例13
2−[4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2,3−ジメチル−フェニル]−N−(4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−65)
【0232】
【化29】

【0233】
(4−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−フェニル)−酢酸エチルエステル
工程1−(4−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−フェニル)−アセトニトリル(45a、6g)、氷HOAc(60ml)及びHBr(48%、60ml)の混合物を、110℃で3時間撹拌した。反応物を室温で冷却し、EtOAcを加え、有機相を分離し、ブラインで2回洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で蒸発させて、45bを得た。
【0234】
工程2−EtOH(100ml)中の45b(4.82g)、HSO(4.8ml)の混合物を、75℃で3時間撹拌した。反応物を室温で冷却し、溶媒を真空下で除去した。残留物をEtOAcとブラインに分配し、有機相を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)し、濾過し、真空下で蒸発させて、45cを得た。
【0235】
工程3〜6を、実施例1に記載された手順により実施したが、但し工程1では[3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−4,5−ジメチル−フェニル]−酢酸エチルエステルを[3−ブロモ−4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−酢酸エチルの代わりに用いた。
【0236】
2−[4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2,3−ジメチル−フェニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−66)を、I−65のために記載された手順により調製したが、但し工程6では4−アミノ−3−メチル−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0237】
2−[4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2,3−ジメチル−フェニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−18)を、I−65について記載された手順により調製したが、但し工程6では4−アミノ−3−クロロ−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0238】
N−(2−ブロモ−4−スルファモイル−フェニル)−2−[4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2,3−ジメチル−フェニル]−アセトアミド(I−33)を、I−65について記載された手順により調製したが、但し工程6では4−アミノ−3−ブロモ−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0239】
実施例14
N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−2−[4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−2,3−ジメチル−フェニル]−アセトアミド(I−25)
【0240】
【化30】

【0241】
(4−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−フェニル)−酢酸エチルエステル(45c)を、実施例13に記載されたように調製した。N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−2−[4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−2,3−ジメチル−フェニル]−アセトアミド(I−25)を、実施例1からの手順を使用して、45cから出発して調製したが、但し工程1では45cを3−ブロモ−4−ヒドロキシ−フェニル)−酢酸エチルエステルの代わりに用い、3−メチル−4−フルオロ−ベンゾニトリルを3−クロロ−5−フルオロ−ベンゾニトリルの代わりに用い、工程4では4−アミノ−3−クロロ−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0242】
N−(2−ブロモ−4−スルファモイル−フェニル)−2−[4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−2,3−ジメチル−フェニル]−アセトアミド(I−24)を、I−25について記載された手順により調製したが、但し最終工程では4−アミノ−3−ブロモ−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−3−クロロ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0243】
2−[4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−2,3−ジメチル−フェニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−23)を、I−25のために記載された手順により調製したが、但し最終工程では4−アミノ−3−メチル−ベンゼンスルホンアミドを4−アミノ−3−クロロ−ベンゼンスルホンアミドの代わりに用いた。
【0244】
実施例14
2−[4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−3−メチル−フェニル]−N−(4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(I−4)
【0245】
【化31】

【0246】
工程1−−78℃に冷却したDCM(15ml)中の(4−メトキシ−3−メチル−フェニル)−酢酸(47a、2.23g、12.4mmol)の溶液に、BBr(CHCl中1M溶液、61.7mmol)をシリンジを介して滴下した。反応物を−78℃で1時間及び室温で4時間撹拌した。反応混合物を−78℃に再冷却し、反応物を水の添加によりクエンチした。溶液を室温に温め、EtOAcで3回抽出した。合わせた抽出物を乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で蒸発させて、47bを得た。
【0247】
工程2〜5を、実施例1の工程1〜4について記載されたように行ったが、但し工程5では48を17aの代わりに用いた。
【0248】
実施例15
2−[3−ブロモ−4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−ブロモ−4−ペンタノイルスルファモイル−フェニル)−アセトアミド(49c)
【0249】
【化32】

【0250】
スルホンアミド49a(0.188g、0.314mmol)、THF(2ml)及びDCE(2ml)の溶液に、無水吉草酸(0.064g、0.345mmol)を加えた。DMAPの結晶1個を溶液に加えた。溶液を24時間撹拌し、水とDCMに分配した。有機相を、順次10%HCl、水及びブラインで洗浄した。有機相を乾燥し(NaSO)し、溶媒を真空下で除去した。残留物をEtOで粉砕し、得られた固体を濾過し、乾燥して、49bを得た。アシルスルホンアミド49bをTHFに懸濁し、溶液が均質になるまで撹拌した。0℃に冷却した溶液に、1M NaOHの1当量を加えた。反応物を10分間撹拌し、次に室温に温め、溶媒を真空下で除去した。得られた物質をEtO及びEtOAcで粉砕して、49cを結晶質固体として得て、それを100℃で24時間乾燥した。
【0251】
実施例16
HIV逆転写酵素アッセイ:阻害剤IC50測定
HIV−1 RTアッセイを、精製した組換え酵素およびポリ(rA)/オリゴ(dT)16テンプレート−プライマーを使用し、総量50μLで、96−ウエルMillipore MultiScreen MADVNOB50プレート中で実施した。アッセイの構成成分は、50mMトリス/HCl、50mM NaCl、1mM EDTA、6mM MgCl2、5μM dTTP、0.15μCi〔3H〕dTTP、2.5μg/mlオリゴ(dT)16にプレアニールした5μg/mlポリ(rA)および10%DMSOの最終濃度における阻害剤濃度の範囲であった。反応は、4nM HIV−1 RTを加えて開始し、37℃で30分間のインキュベーションの後、反応を20%氷冷TCA50μLの添加によって停止させ、4℃で30分間沈殿させた。沈殿物を、プレートに真空を適用して回収し、順次、10%TCA(3×200μL)および70%エタノール(2×200μL)で洗浄した。最後に、プレートを乾燥し、ウエルごとにシンチレーション液25μLを加えた後で、Packard TopCounterで放射活性をカウントした。阻害%をlog10阻害剤濃度に対してプロットしてIC50を算出した。
【0252】
実施例17
抗ウイルスアッセイ
抗ウイルスアッセイを、R. E. Pauwels et al. J. Virol. Methods 1988 20(4):309-322によって記載された方法により実施した。
【0253】
【表2】

【0254】
実施例18
医薬組成物
いくつかの経路による投与のための対象化合物の医薬組成物を、本実施例に記載されたように調製した。
【0255】
経口投与組成物(A)
【0256】
【表3】

【0257】
成分を混合し、約100mgずつを含有するカプセルに充填する;1カプセルがほぼ全1日用量となる。
【0258】
経口投与組成物(B)
【0259】
【表4】

【0260】
成分を合わせ、メタノールなどの溶媒を使用して造粒する。次に、配合物を乾燥し、適切な錠剤成形機を用いて錠剤(活性化合物約20mg含有)を成形する。
【0261】
経口投与組成物(C)
【0262】
【表5】

【0263】
成分を混合して、経口投与用の懸濁剤を形成する。
【0264】
非経口配合物(D)
【0265】
【表6】

【0266】
活性成分を注射剤用の水の一部に溶解する。次に塩化ナトリウムの十分な量を撹拌しながら加えて、溶液を等張にする。注射剤用の水の残りで溶液を増量して、0.2μ膜フィルタを通して濾過し、滅菌条件下で包装する。
【0267】
坐剤用配合物(E)
【0268】
【表7】

【0269】
成分を一緒に溶融し、蒸気浴で混合し、全重量2.5gを含有する型に注ぐ。
【0270】
局所用配合物(F)
【0271】
【表8】

【0272】
水以外の全ての成分を合わせ、撹拌しながら約60℃に加熱する。次に、十分な量の水を激しく撹拌しながら約60℃で加え、成分を乳化し、次いで、適量の水を加えて約100gにする。
【0273】
前記の記載、あるいは、特定の形態で、または開示された機能を実行する手段により、または適切であれば、開示された結果に達成する方法もしくはプロセスに関して表現された下記の特許請求の範囲に開示された特徴は、別個に、または、このような特徴の任意の組み合わせにおいて、それらの多様な形態で本発明を実現するために利用しうる。
【0274】
前記の発明は、明瞭さおよび理解の目的のために、説明および例により、いくらか詳細に記載されている。変更および変形を添付の特許請求の範囲の範囲内で実施してもよいことが、当業者には明白であろう。したがって、上記の記載は、例示的であり制限的ではないことを意図していることを理解すべきである。したがって、本発明の範囲は、上記の記載を参照して決定されるべきではなく、下記添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が享有できるものの同等物の全範囲と共に決定されるべきである。
【0275】
本出願に引用した全ての特許、特許出願、および刊行物は、それぞれの個々の特許、特許出願、または刊行物が個々に意味するのと同じ程度に、すべての目的に対して、それぞれその全体が参照として本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】


(式中、
1は、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ニトロ、またはアミノであり;
2は、水素またはフッ素であり;
3は、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-8シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、およびニトロよりなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されているフェニルであり;
4は、水素、C1-6アルキル、またはハロゲンであり;
Arは、式IIaによる置換フェニル環であり、ただし、R7aおよびR7cは双方ともに水素であることはないか、またはR7cが水素である場合、R7aはハロゲン、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、シアノ、またはC1-6アルキルであり、
【化2】


ここで、R7aは、水素、C1-6アルキル、C1-3ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、ハロゲン、およびシアノよりなる群から選択され;
7cは、水素、−S(O)2NR89、−X2CH2(CH2pS(O)2NR89;−X4(CH2vCOOR10、−X4(CH2vCN、−OR13、−CO211、−CN、−CONR8a9a、およびX4(CH2vCONR8a9aよりなる群から選択され;
7bは、出現ごとに、独立に、C1-6アルキル;C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C1-6スルホニル、アミノC1-6アルキルスルホニル、SO2NR11a11b、C1-6ハロアルコキシ、C1-6ハロアルキルチオ、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C1-6ジアルキルアミノ、アミノアシル、アシル、CONR89、ニトロ、シアノ、およびC1-6ヘテロアルコキシよりなる群から選択され;
8およびR9は、(i)独立に、R8およびR9の一方は、水素またはC1-6アルキルであり、R8およびR9の他方は、水素、C1-6アルキル、−C(=O)R12、−(CH22N[(CH2223、または−(CH22NR11a11bよりなる群から選択されるか;あるいは(ii)R8およびR9は、一緒になって、ハロゲン、ヒドロキシルおよびNR11a11bよりなる群から選択される1または2個の置換基で場合により置換されている(CH22−X3−(CH22または−(CH2o−であり;
8aおよびR9aは、(i)独立に、R8およびR9の一方は、水素またはC1-6アルキルであり、R8およびR9の他方は、水素、C1-6ヒドロキシアルキル、−(CH2vN[(CH2223、および−(CH2vNR11a11bよりなる群から選択されるか;あるいは(ii)R8aおよびR9aは、それらが結合している窒素と一緒になって、ピロリジン、ピペリジンであり、そのピロリジンまたはそのピペリジンはヒドロキシルで場合により置換されているか;あるいは(iii)R8aおよびR9aは、一緒になって、(CH22−X3−(CH22であり;
10は、C1-6アルキルであり;
11は、水素またはC1-6アルキルであり;
11aおよびR11aは、独立にR11であり;
12は、C1-10アルキル、−(CH2sNR11a11b、−(CH2sOR11、−CH2CH(OH)CH3、−CH2N[(CH222O、−(CH22CO211、場合により置換されているフェニルまたはピリジニルであり;
13は、水素またはC1-6アルキルであり;
2は、−O−または結合であり;
3は、−O−、−S(O)n−、またはNR11であり;
4は、O−または−S(O)n−であり;
mおよびnは、独立に、0〜2の整数であり;
oは、4〜6の整数であり;
pは、0〜6の整数であり;
sは、1〜2の整数であり;
vは、1〜6の整数である)
の化合物、水和物、溶媒和物、およびその薬学的に許容しうる塩。
【請求項2】
請求項1に記載の、式I:
【化3】


[式中、
1は、ハロゲン、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシであり;
2は、水素であり;
3は、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-8シクロアルキル、ハロゲン、およびシアノよりなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されているフェニルであり;
4は、水素またはC1-6アルキルであり;
Arは、式IIa:
【化4】


(式中、
7aは、水素、C1-6アルキル、C1-3ハロアルキル、C1-6アルコキシ、およびハロゲンよりなる群から選択され;
7cは、水素、−S(O)2NR89、−X2CH2(CH2pS(O)2NR8'9';−X4(CH2vCOOR10、−X4'(CH2vCN、−OR13、−CO211、および−CNよりなる群から選択され;
7bは、出現ごとに、独立に、水素およびC1-6アルキルよりなる群から選択され;
ただし、R7aおよびR7cは、双方ともに水素であることはなく;
8およびR9は、独立に、水素またはC1-6アルキルであるか、またはR8およびR9は、それらが結合している窒素と一緒になって、ピロリジン、モルホリンであり;
8'およびR9'は、独立に、水素またはC1-6アルキルであり;
10は、C1-6アルキルであり;
11は、水素またはC1-6アルキルであり;
13は、水素またはC1-6アルキルであり;
2は、−O−または結合であり;
4は、OまたはSであり;
mは、0〜2の整数であり;
pは、0〜4の整数であり;
vは、1〜3の整数である)
による置換フェニルである]
の化合物、水和物、溶媒和物、およびその薬学的に許容しうる塩。
【請求項3】
7aが、水素、C1-6アルキル、またはハロゲンであり;
mが、0であり;
7cが、−S(O)2NR89、−X2CH2(CH2pS(O)2NR8'9'、および−X4(CH2vCOOR10よりなる群から選択され;
8、R9、R8'およびR9'が、水素である、
請求項2記載の化合物。
【請求項4】
3が、3,5−二置換、2,5−二置換フェニル、または2,3,5−三置換フェニルである、請求項2または3に記載の化合物。
【請求項5】
1が、F、Cl、Br、メチル、またはメトキシルであり;
2が、水素であり;
3が、メチル、−CHF2、Br、Cl、およびシアノよりなる群から独立に選択される、1〜3個の置換基で置換されているフェニルであり;
4は、水素またはメチルであり;
Arは、式IIa:
【化5】


(式中、
7aは、水素、−CH3、Br、−Cl、F、−CF3、−OCH3、−CH2CH3、および−CH(CH32よりなる群から選択され;
7cは、水素、−OCH3、−S(O)2NH2、−O(CH23S(O)2NH2、−S(O)2N(CH32
【化6】


−OCH2COOCH3、−OCH2CN、−SCH2COOCH3、CN、−COOCH3、および−CH2S(O)2NH2よりなる群から選択され;
7bは、出現ごとに、独立に、水素およびメチルよりなる群から選択され;
ただし、R7aおよびR7cは、双方ともに水素であることはない)
による置換フェニルである、
請求項2〜4のいずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
2−[4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−3−フルオロ−フェニル]−N−(4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[4−(2−ブロモ−5−クロロ−フェノキシ)−3−クロロ−フェニル]−N−(4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−3−メチル−フェニル]−N−(4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[4−(2−ブロモ−5−クロロ−フェノキシ)−3−クロロ−フェニル]−N−[2−メチル−4−(3−スルファモイル−プロポキシ)−フェニル]−アセトアミド、
2−[4−(2−ブロモ−5−クロロ−フェノキシ)−3−クロロ−フェニル]−N−(2−クロロ−フェニル)−アセトアミド、
2−[4−(2−ブロモ−5−クロロ−フェノキシ)−3−クロロ−フェニル]−N−o−トリル−アセトアミド、
2−[4−(2−ブロモ−5−クロロ−フェノキシ)−3−クロロ−フェニル]−N−(2−フルオロ−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(4−メトキシ−2−メチル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(4−ジメチルスルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−[4−(ピペリジン−l−スルホニル)−フェニル]−アセトアミド、
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−[4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル]−アセトアミド、
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2,3−ジメチル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−エチル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−o−トリル−アセトアミド、
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−メトキシ−フェニル)−アセトアミド、
2−[4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2,3−ジメチル−フェニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−イソプロピル−フェニル)−アセトアミド、
N−(2−ブロモ−フェニル)−2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−アセトアミド、
N−(2−ブロモ−4−スルファモイル−フェニル)−2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−アセトアミド、
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(4−シアノ−フェニル)−アセトアミド、
2−[4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−2,3−ジメチル−フェニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
N−(2−ブロモ−4−スルファモイル−フェニル)−2−[4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−2,3−ジメチル−フェニル]−アセトアミド、
N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−2−[4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−2,3−ジメチル−フェニル]−アセトアミド、
(4−{2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−アセチルアミノ}−フェノキシ)−酢酸メチルエステル、
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(4−シアノメトキシ−フェニル)−アセトアミド、
(4−{2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−アセチルアミノ}−フェニルスルファニル)−酢酸メチルエステル、
2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−シアノ−フェニル)−アセトアミド、
4−{2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−アセチルアミノ}−安息香酸メチルエステル、
4−{2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−安息香酸メチルエステル、
3−クロロ−4−{2−[3−クロロ−4−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−フェニル]−アセチルアミノ}−安息香酸メチルエステル、
N−(2−ブロモ−4−スルファモイル−フェニル)−2−[4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2,3−ジメチル−フェニル]−アセトアミド、
2−[3−クロロ−4−(2−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−クロロ−4−(2−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−クロロ−4−(2−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−クロロ−4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−クロロ−4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−クロロ−4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−クロロ−4−(2,6−ジクロロ−フェノキシ)−フェニル]−N−(4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−クロロ−4−(2,6−ジクロロ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−クロロ−4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−フェニル]−N−(4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−クロロ−4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−クロロ−4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−クロロ−4−(2,6−ジクロロ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−ブロモ−4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−ブロモ−4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−ブロモ−4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−ブロモ−4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(4−スルファモイルメチル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−ブロモ−4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−ブロモ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−3−メトキシ−フェニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−3−メトキシ−フェニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
N−(2−ブロモ−4−スルファモイル−フェニル)−2−[4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アセトアミド、
2−[4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−3−メトキシ−フェニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−2−[4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アセトアミド、
N−(2−ブロモ−4−スルファモイル−フェニル)−2−[4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アセトアミド、
2−[4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−3−メトキシ−フェニル]−N−(4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−3−メトキシ−フェニル]−N−(4−スルファモイルメチル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−ブロモ−4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−ブロモ−4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−ブロモ−4−(4−シアノ−2−メチル−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−ブロモ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−ブロモ−4−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−ブロモ−4−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[3−ブロモ−4−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−フェニル]−N−(2−ブロモ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、
2−[4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2,3−ジメチル−フェニル]−N−(4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド、又は
2−[4−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2,3−ジメチル−フェニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド
である、請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
医薬として使用するための、請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物。
【請求項8】
HIV感染の治療もしくはHIV感染の予防、またはAIDSもしくはARCの処置用の医薬を製造するための、請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項9】
少なくとも1種の担体、賦形剤、または希釈剤と混合された、治療有効量の請求項1記載の化合物を含む、医薬組成物。
【請求項10】
本明細書に記載の発明。

【公表番号】特表2009−515826(P2009−515826A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−536014(P2008−536014)
【出願日】平成18年10月9日(2006.10.9)
【国際出願番号】PCT/EP2006/067193
【国際公開番号】WO2007/045573
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】