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フェニルアゾ置換レゾルシノール型酸二無水物、その製造法及びポリイミド
説明

フェニルアゾ置換レゾルシノール型酸二無水物、その製造法及びポリイミド

【課題】有機溶媒溶解性に優れ、又液晶配向膜として光配向処理法での液晶配向性の発現が期待されるポリイミド用のモノマーである酸二無水物化合物、その製造法、ポリアミック酸及びポリイミドを提供すること。
【解決手段】下記式[1]で表される化合物、その製造方法及びポリイミド。
【化1】


(式中、R1、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のハロアルコキシ基及び炭素数2〜20のシアノアルキル基を表す。mは、1〜3の整数を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェニルアゾ置換レゾルシノール型酸二無水物、その製造法およびポリイミドに関し、さらに詳述すると、例えば、電子材料用として好適なポリイミドおよびその原料モノマーであるフェニルアゾ置換レゾルシノール型酸二無水物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ポリイミド樹脂はその特長である高い機械的強度、耐熱性、絶縁性、耐溶剤性のために、液晶表示素子や半導体における保護材料、絶縁材料、カラーフィルターなどの電子材料として広く用いられている。また、最近では光導波路用材料等の光通信用材料としての用途も期待されている。
【0003】
近年、この分野の発展は目覚ましく、それに対応して、用いられる材料に対しても益々高度な特性が要求される様になっている。即ち、単に耐熱性、耐溶剤性に優れるだけでなく、用途に応じた性能を多数合わせ有することが期待されている。
【0004】
しかしながら、ポリイミド、特に全芳香族ポリイミド樹脂の代表例として多用されているピロメリット酸無水物(PMDA)と4,4’−オキシジアニリン(ODA)から製造されるポリイミド(カプトン:商品名)に於いては、溶解性が乏しく溶液として用いることは出来ないため、ポリアミック酸と呼ばれる前駆体を経て、加熱し脱水反応させる方法により得ている。
また溶媒溶解性を有するポリイミド(以下可溶性ポリイミド)においては、従来多用されて来た溶解度の高いN−メチル−2−ピロリドン(NMP)やγ―ブチロラクトン等のアミド系やラクトン系有機溶媒は高沸点のため、溶媒を除去するためには高温焼成が避けられなかった。
液晶表示素子分野では、近年プラスチック基板を用いたフレキシブル液晶表示素子の研究開発が行われており、高温焼成になると素子構成成分の変質が問題になってくるため、近年低温焼成が望まれるようになった。
一方で、高い溶媒溶解性を示すポリアミック酸では十分な液晶表示特性が得られずイミド化に起因した体積変化も起こり易いという問題点もあり、沸点の低い有機溶媒類に対して可溶であるポリイミドが望まれるようになってきた。
その解決策として、有機溶媒溶解性に有利な脂環式ジカルボン酸無水物を利用したテトラカルボン酸二無水物の合成法が考えられる。その一例として、無水核水添トリメリット酸クロライドとヒドロキノンから得られるジエステル型酸二無水物が知られている(例えば、特許文献1)。しかし、「この酸二無水物と4,4’−オキシジアニリン(ODA)から得られるポリイミドは、シクロヘキサノンに溶解せず、加工性に劣るものである。」との記載があった(例えば、特許文献2)。
また、無水核水添トリメリット酸クロライドとレゾルシノールから得られるm−フェニレンジエステル型酸二無水物の化学構造式の記載(例示)はあった(例えば、特許文献3)。しかし、具体的な合成実施例の記載は無かった。
【0005】
又、近年、液晶表示素子分野において、配向処理法として従来のラビング法での傷の発生や塵の付着などの欠点を生じない光配向処理法が注目されている。
【0006】
その中でアゾベンゼン系高分子膜による液晶プレチルト角制御が報告されている。(例えば非特許文献1参照)
そのほかに、CDやDVD、更にはブルーレイのように年々大きな容量を記録できる記録媒体の開発がなされており、偽造防止策や認証システムなどにおいてはホログラムを用いた技術が応用されている。
これらの光記録媒体などの材料にアゾベンゼン系色素が応用されており、長期に亘る化学的・物理的安定性が望まれている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】機能材料,Vol.17,No.11,13〜22(1997)
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】WO2006/129771号パンフレット
【特許文献2】特開2008−163088号公報
【特許文献3】特開2008−163089号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、有機溶媒類に対して溶解性に優れ、又液晶配向膜分野においては、液晶配向膜に光配向性能を付与でき、光記録媒体として応用可能性のあるフェニルアゾ置換レゾルシノール型酸二無水物、その製造法およびポリイミドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、光配向制御化合物としてフェニルアゾ置換レゾルシノール化合物と無水核水添トリメリット酸ハライド化合物から得られるエステル型酸二無水化合物の製造方法を確立し、そのポリイミドへの誘導を図り本発明を完成させた。得られた酸二無水物及びそのポリイミドは新規化合物である。
【0011】
すなわち、本発明は、
1.下記式[1]で表される化合物、
【0012】
【化1】

【0013】
(式中、R1、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のハロアルコキシ基及び炭素数2〜20のシアノアルキル基を表し、mは1〜3の整数を表す。)
2.R1及びRが、水素原子である1記載の化合物、
3.下記式[2]
【0014】
【化2】

【0015】
(式中、R1、R、R、R及びRは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のハロアルコキシ基及び炭素数2〜20のシアノアルキル基を表し、mは1〜3の整数を表す。)
で表されるレゾルシノール化合物と下記式[3]
【0016】
【化3】

【0017】
(式中、Xはハロゲン原子を表す。)
で表される無水核水添トリメリット酸ハライドとを、塩基の存在下で反応させることを特徴とする下記式[1]
【0018】
【化4】

【0019】
(式中、R1、R、R、R、R及びmは、前記と同じ意味を表す。)
で表されるテトラカルボン酸二無水物化合物の製造法、
4.R1、R、R、R及びRが、水素原子であり、無水核水添トリメリット酸ハライドが無水核水添トリメリット酸クロライドである3記載の製造法、
5.式[4]で表される繰り返し単位を含有するポリアミック酸、
【0020】
【化5】

【0021】
(式中、R1、R、R、R及びRは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のハロアルコキシ基及び炭素数2〜20のシアノアルキル基を表し、Aは、2価の有機基を表し、mは、1〜3の整数を表し、nは、2以上の整数を表す。)
6.前記R1、R、R、R及びRが、水素原子である5記載のポリアミック酸、
7.式[5]で表される繰り返し単位を含有するポリイミド、
【0022】
【化6】

【0023】
(式中、R1、R、R、R及びRは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のハロアルコキシ基及び炭素数2〜20のシアノアルキル基を表し、Aは、2価の有機基を表し、mは、1〜3の整数を表し、nは、2以上の整数を表す。)
8.前記R1、R、R、R及びRが、水素原子である7記載のポリイミドを提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、光配向制御官能基のフェニルアゾ基を有するフェニルアゾ置換レゾルシノール化合物と無水核水添トリメリット酸化合物から得られるエステル型酸二無水化合物の製造方法を確立し、そのポリイミドは液晶配向膜として光配向処理法での液晶配向性の発現とポリイミド主鎖に対するフェニルアゾ基の分岐置換構造と脂環式酸無水物構造とから高い有機溶媒溶解性の発現が期待される。
実用場面としては、液晶表示素子の他に半導体における保護材料、絶縁材料などの電子材料等として好適に用いることが期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
【0026】
上記式[1]で表されるエステル型酸二無水化合物(以下、PAOCCと略記する)の製造法は、下記の反応スキームで表される。
【0027】
【化7】

【0028】
(式中、R1、R、R、R、R、X及びmは、上記と同じ意味を表す。)
即ちフェニルアゾ置換レゾルシノール化合物(PARC)と2モル倍の無水核水添トリメリット酸ハライド(DOCH)を、塩基の存在下で縮合させることにより、目的のPAOCCが製造される。
PARCに対するDOCHの使用量は、2.0〜3.0モル倍が好ましく、2.0〜2.5モル倍がより好ましい。
塩基としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン及びピリジン等の有機塩基または炭酸リチウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等を用いることができるが、特には、トリエチルアミン及びピリジンが好ましい。その使用量は、PARCに対し、2.0〜3.0モル倍が好ましく、2.0〜2.5モル倍が好ましく、2.0〜2.3モル倍がより好ましい。
【0029】
反応溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)及び1,4−ジオキサン等が好ましい。それらの使用量は、PARCに対し3〜50質量倍が好ましく、5〜30質量倍がより好ましい。
【0030】
反応温度は、−30〜150℃程度であるが、0〜120℃が好ましい。
反応時間は、1〜50時間が好ましく、特には、2〜30時間が好ましい。
【0031】
反応後は、副生した固体をろ別後、ろ液を濃縮すると粗物が得られる。この粗物に酢酸エチルを加えて加温溶解後水冷してから、水洗して得られた有機層を濃縮・減圧乾燥すると目的物の粗固体が得られる。精製は、この固体に酢酸エチルを加えて加温してから水冷して、得られた固体をろ取・減圧乾燥するとPAOCCが得られる。
本反応は、常圧または加圧下で行うことができ、また回分式でも連続式でもよい。
原料の一つであるPARCは、フェニルアゾ基のフェニル部分に各種置換基を導入することが可能である。
ここで、R1、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のハロアルコキシ基及び炭素数2〜20のシアノアルキル基を表す。
炭素数1〜20のアルキル基としては、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、c−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、c−ブチル、n−ペンチル、1−メチル−n−ブチル、2−メチル−n−ブチル、3−メチル−n−ブチル、1,1−ジメチル−n−プロピル、c−ペンチル、2−メチル−c−ブチル、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル、2−メチル−n−ペンチル、1,1−ジメチル−n−ブチル、1−エチル−n−ブチル、1,1,2−トリメチル−n−プロピル、c−ヘキシル、1−メチル−c−ペンチル、1−エチル−c−ブチル、1,2−ジメチル−c−ブチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル及びn−エイコシル基等が一例として挙げられる。
なお、nはノルマルを、iはイソを、sはセカンダリーを、tはターシャリーを、cはシクロをそれぞれ表す。
炭素数1〜20のハロアルキル基としては、CF3−、CF3CH2−、CF3CF2−、CF3CH2−、CF3(CF2)2−、CF3CF2CH2−、CF3(CF2)3−、CF3CF2(CH2)2−、CF3(CF2)4−、CF3(CF2)2(CH2)2−、CF3(CF2)5−、CF3(CF2)3(CH2)2−、CF3(CF2)6−、CF3(CF2)4(CH2)2−、CF3(CF2)7−、CF3(CF2)5(CH2)2−、CF3(CF2)8−、CF3(CF2)6(CH2)2−、CF3(CF2)9−、CF3(CF2)7(CH2)2−、CF3(CF2)10−、CF3(CF2)8(CH2)2−、CF3(CF2)11−、CF3(CF2)12−、CF3(CF2)13−、CF3(CF2)14−、CF3(CF2)15−、CF3(CF2)16−、CF3(CF2)17−、CF3(CF2)18−及びCF3(CF2)19−基等が一例として挙げられる。
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、1−メチル−n−ブチルオキシ、2−メチル−n−ブチルオキシ、3−メチル−n−ブトキシ、1,1−ジメチル−n−プロポキシ、n−ヘキシルオキシ、1−メチル−n−ペンチルオキシ、2−メチル−n−ペンチルオキシ、1,1−ジメチル−n−ブトキシ、1−エチル−n−ブトキシ、1,1,2−トリメチル−n−プロポキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ、n−ウンデシルオキシ、n−ドデシルオキシ、n−トリデシルオキシ、n−テトラデシルオキシ、n−ペンタデシルオキシ、n−ヘキサデシルオキシ、n−ヘプタデシルオキシ、n−オクタデシルオキシ、n−ノナデシルオキシ及びn−エイコシルオキシ基等が一例として挙げられる。
炭素数1〜20のハロアルコキシ基としては、CF3O−、CF3CH2O−、CF3CF2O−、CF3CH2O−、CF3(CF2)2O−、CF3CF2CH2O−、CF3(CF2)3O−、CF3CF2(CH2)2O−、CF3(CF2)4O−、CF3(CF2)2(CH2)2O−、CF3(CF2)5O−、CF3(CF2)3(CH2)2O−、CF3(CF2)6O−、CF3(CF2)4(CH2)2O−、CF3(CF2)7O−、CF3(CF2)5(CH2)2O−、CF3(CF2)8O−、CF3(CF2)6(CH2)2O−、CF3(CF2)9O−、CF3(CF2)7(CH2)2O−、CF3(CF2)10O−、CF3(CF2)8(CH2)2O−、CF3(CF2)11O−、CF3(CF2)12O−、CF3(CF2)13O−、CF3(CF2)14O−、CF3(CF2)15O−、CF3(CF2)16O−、CF3(CF2)17O−、CF3(CF2)18O−及びCF3(CF2)19O−基等が一例として挙げられる。
炭素数2〜20のシアノアルキル基としては、シアノメチル、シアノエチル、シアノプロピル、シアノブチル、シアノペンチル、シアノヘキシル、シアノヘプチル、シアノオクチル、シアノノニル、シアノデシル、シアノウンデシル、シアノドデシル、シアノトリデシル、シアノテトラデシル、シアノペンタデシル、シアノヘキサデシル、シアノヘプタデシル、シアノオクタデシル、シアノノナデシル及びシアノエイコシル等が一例として挙げられる。
これらの中で、代表例としては、R1、R、R、R及びRが共に水素原子であり、mが1である4−フェニルアゾレゾルシノール(PAR)やR1、R、R、R及びRが共に水素原子であり、mが2である4,6−ビスフェニルアゾレゾルシノール(BPAR)を挙げることができる。PARは、市販品を使用することができる。又BPARは、公知の方法(特開2001−131134号公報)を用いることにより、高収率で製造できる。更に、R1、R、R、R及びRが共に水素原子であり、mが3である2,4,6−トリスフェニルアゾレゾルシノール(TPAR)は、BPAR製造時の副生物として得られ、反応条件を選べば主生成物としても得られる。
【0032】
もう一方の原料は、無水核水添トリメリット酸ハライド(DOCH)であり、Xは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素の各原子を表す。
DOCHは、無水核水添トリメリット酸を各種のハロゲン化剤でハライド化することによって得られる。一例として、ハロゲン化剤としてオキザリルクロライドを用いることにより温和な反応条件で高収率で目的のDOCHが得られる。
オキザリルクロライドの使用量は、無水核水添トリメリット酸に対し、1.0〜2.0モル倍が好ましく、特には、1.0〜1.5モル倍が好ましい。
反応温度は、0〜50℃が好ましい。
【0033】
以上説明した本発明のテトラカルボン酸二無水物であるPAOCCは、ジアミンとの重縮合反応によりポリアミック酸とした後、熱または脱水剤を用いた脱水閉環反応により対応するポリイミドに導くことができる。
【0034】
本発明のテトラカルボン酸二無水物であるPAOCCは、ジアミンの種類により有機溶媒溶解性が異なるポリイミドを与え、低沸点有機溶媒に対しても優れた溶解性を有するポリイミドを与える。
【0035】
ジアミンとしては、特に限定されるものではなく、従来ポリイミド合成に用いられている各種ジアミンを用いることができる。その具体例としては、p−フェニレンジアミン(以下、p−PDAと略記する)、m−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−メチレンジアニリン(以下、MDAと略記する)、4,4’−オキシジアニリン(以下、ODAと略記する)、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、ビス(3,5−ジエチル−4−アミノフェニル)メタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノベンゾフェノン、ジアミノナフタレン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、4,4’−(1,3−フェニレンジオキシ)ジアニリン(以下、PODAと略記する)、3,5−ジアミノ−1,6−ジメトキシベンゼン、3,5−ジアミノ−1,6−ジメトキシトルエン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−トリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル等の芳香族ジアミン;4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(以下、MBCAと略記する)、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、ビス(4−アミノシクロヘキシル)エーテル、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)エーテル、ビス(4−アミノシクロヘキシル)スルフィド、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)スルフィド、ビス(4−アミノシクロヘキシル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)スルホン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)プロパン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)ジメチルシラン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)ジメチルシラン等の脂環式ジアミン;テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及び3,3’−(ジメチルシランジイル)ビス(オキシ)ジプロパン−1−アミン(MSPA)等の脂肪族ジアミン等が挙げられる。これらのジアミンは、単独で、または2種類以上を混合して用いることができる。
【0036】
なお、上記式[4]および[5]におけるAは、使用したジアミンに由来する2価の有機基である。
【0037】
本発明においては、使用されるテトラカルボン酸二無水物の全モル数のうち、少なくとも10mol%は式[1]のPAOCCであることが好ましい。
さらに、本発明の目的である高い有機溶媒溶解性及び液晶光配向性を達成するためには、テトラカルボン酸二無水物のうち、50mol%以上がPAOCCであることが好ましく、70mol%以上がPAOCCであることがより好ましく、90mol%以上がPAOCCであることが最適である。
【0038】
なお、通常のポリイミドの合成に使用されるテトラカルボン酸化合物およびその誘導体を同時に用いることもできる。
その具体例としては、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、3,4−ジカルボキシ−1−シクロヘキシルコハク酸、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸等の脂環式テトラカルボン酸およびこれらの酸二無水物、並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物等が挙げられる。
また、ピロメリット酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジン等の芳香族テトラカルボン酸およびこれらの酸二無水物、並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物等も挙げられる。なお、これらのテトラカルボン酸化合物は、それぞれ単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい
本発明のポリアミック酸を得る方法は特に限定されるものではなく、テトラカルボン酸二無水物およびその誘導体とジアミンとを公知の手法によって反応、重合させればよい。
【0039】
ポリアミック酸を合成する際の全テトラカルボン酸二無水物化合物のモル数と全ジアミン化合物のモル数との比は、カルボン酸化合物/ジアミン化合物=0.8〜1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応と同様に、このモル比が1に近いほど生成する重合体の重合度は大きくなる。重合度が小さすぎるとポリイミドを製膜した際の強度が不十分となり、また重合度が大きすぎるとポリイミド塗膜を形成する際の作業性が悪くなる場合がある。
【0040】
したがって、本反応における生成物の重合度は、ポリアミック酸溶液の還元粘度換算で、0.05〜5.0dl/g(30℃のN−メチル−2−ピロリドン中、濃度0.5g/dl)が好ましい。
【0041】
ポリアミック酸合成に用いられる溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記する)、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記する)、N,N−ジメチルアセトアミド(以下、DMAcと略記する)、m−クレゾール、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらは、単独で使用しても、混合して使用してもよい。さらに、ポリアミック酸を溶解しない溶媒であっても、均一な溶液が得られる範囲内で上記溶媒に加えて使用してもよい。
【0042】
重縮合反応の温度は、−20〜150℃、好ましくは−5〜100℃の任意の温度を選択することができる。
【0043】
本発明のポリイミドは、以上のようにして合成したポリアミック酸を、加熱により脱水閉環(熱イミド化)して得ることができる。なお、この際、ポリアミック酸を溶媒中でイミドに転化させ、溶剤可溶性のポリイミドとして用いることも可能である。
【0044】
また、公知の脱水閉環触媒を使用して化学的に閉環する方法も採用することができる。
【0045】
加熱による方法は、100〜350℃、好ましくは120〜300℃の任意の温度で行うことができる。
【0046】
化学的に閉環する方法は、例えば、ピリジンやトリエチルアミン等と、無水酢酸等との存在下で行うことができ、この際の温度は、−20〜200℃の任意の温度を選択することができる。
【0047】
このようにして得られたポリイミド溶液は、そのまま使用することもでき、また、メタノール、エタノール及び水等の貧溶媒を加えてポリイミドを沈殿させ、これを単離してポリイミド粉末として、あるいはそのポリイミド粉末を適当な溶媒に再溶解させて使用することができる。
【0048】
再溶解用溶媒は、得られたポリイミドを溶解させるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、m−クレゾール、2−ピロリドン、NMP、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、DMAc、DMF、γ−ブチロラクトン、1,4−ジオキサン、THF、アセトニトリル、酢酸エチル及びクロロホルム等が挙げられる。
【0049】
また、単独ではポリイミドを溶解しない溶媒であっても、溶解性を損なわない範囲であれば上記溶媒に加えて使用することができる。その具体例としては、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、ジプロピレングリコール、2−(2−エトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステル等が挙げられる。
【0050】
以上のようにして調製したポリアミック酸(ポリイミド前駆体)溶液を基板に塗布し、加熱により溶媒を蒸発させながら脱水閉環させることで、あるいは、ポリイミド溶液を基板に塗布して加熱により溶媒を蒸発させることで、ポリイミド膜を製造することができる。
【0051】
この際、加熱温度は、通常100〜300℃程度である。
【0052】
なお、ポリイミド膜と基板との密着性を更に向上させる目的で、ポリアミック酸溶液やポリイミド溶液に、カップリング剤等の添加剤を加えてもよい。
【実施例】
【0053】
以下、合成例、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。実施例における各物性の測定装置は以下のとおりである。
【0054】
[1] [質量分析(MASS)]
機種:AQ−Tod(JEOL) イオン化法:DART+ 測定範囲:m/z = 100〜1000
[2] [1H NMR]
機種:Varian社製NMR System 400NB(400MHz)
測定溶媒:CDCl3、DMSO−d6
標準物質:テトラメチルシラン(TMS)
[3][IR]
機種:Nicolet 6700 FT-IR(Thermo)
測定法:ATR法(ダイヤモンド結晶) 分解能:4.0cm-1 (測定範囲:400~4000cm-1)
サンプルスキャン:50回 バックグラウンドスキャン:50回
[4] [融点(m.p.)][軟化点(PMT)]
機種:微量融点測定装置(MP−S3)(ヤナコ機器開発研究所社製))
[5]数平均分子量および重量平均分子量の測定:GPC(Gel Permeation Chromatography)法
ポリマーの重量平均分子量(以下Mwと略す)と分子量分布は、日本分光(株)製GPC装置(Shodex(登録商標)カラムKF803LおよびKF805L)を用い、溶出溶媒としてDMFを流量1mL/分、カラム温度50℃の条件で測定した。なお、Mwはポリスチレン換算値とした。
[参考例1] DOCCの合成
【0055】
【化8】

【0056】
200mLの四つ口反応フラスコにDOCA6.24g(31.5mmol)及びTHF50gを仕込み、氷浴上で5℃に冷却しながらマグネティクスターラーで攪拌・溶解させた。続いて、DMF100mgを添加した後、オキザリルクロライド4.95g(39mmol)を20分かけて滴下した。更に氷浴を外して20〜25℃で15分攪拌した後30〜40℃で1時間攪拌した。
その後、この反応液を50℃で減圧濃縮・乾燥することにより淡黄色油状物7.3gが得られた。この生成物は、H NMRから目的の1,3−ジオキソオクタヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニルクロライド(DOCC)であることを確認した。
[実施例1] BPACの合成(TEA)
【0057】
【化9】

【0058】
200mLの四つ口反応フラスコに4,6−ビス(フェニルアゾ)レゾルシノール(BPAR)4.78g(15mmol)及びDMF48g(10質量倍)を仕込み、氷浴上5℃に冷却下にマグネティクスターラーで攪拌しながらスラリー中に、参考例1で合成したDOCC粗物7.3g(31.5mmol)をDMF14gに溶解した溶液を添加した。続いてトリエチルアミン3.64g(36mmol)を20分かけて滴下した。続いて氷浴を外して30〜40℃で4時間攪拌し、反応を停止させた。
続いて、ろ過後残渣をアセトニトリルで3回洗浄してからろ液と洗液を混合した後濃縮後減圧乾燥すると黒色油状物14.2gが得られた。この粗物に酢酸エチルを加えて70℃で攪拌してから、氷冷・ろ過し、酢酸エチルで洗浄してから減圧乾燥すると褐色固体6.7g(収率66%)が得られた。更に、この褐色固体に酢酸エチル42gを加えて70℃で攪拌し、次いで水冷してから水20gを添加した。これを攪拌してからろ過により得られた固体を110℃で1時間減圧乾燥すると褐色固体4.27g(Y43%)(m.p.:190〜192℃:不純物含有品)が得られた。
この結晶は、MASS及びH NMR及びIRから目的の4,6−ビス(フェニルジアゼニル)−1,3−フェニレンビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキシレート)(BPAC)であることを確認した。
MASS ( ESI+, m/z(%) ) : 679.0(M+, 100)
1H NMR ( DMSO-d6, δppm ) : 1.511-1.613 ( m, 1H ), 1.700-1.874 ( m, 2H ), 2.021-2.116 ( m, 2H ), 2.410-2.471 ( m, 1H ), 2.938-3.002 ( m, 1H ), 3.384-3.451 ( m, 1H ), 3.565-3.614 ( m, 1H ), 7.593-7.662 ( m, 6H ), 7.683 ( s, 1H ), 7.852-7.873 ( m, 4H ), 8.023 ( s, 1H )
IR(cm-1) : 1775.7(酸無水物C=O)
又、ろ液の有機層を分液し濃縮及び110℃で1時間減圧乾燥すると褐色固体1.10g(収率11%)が得られた。この結晶も目的のBPACであることをH NMRから確認した。
[実施例2] BPACの合成(TEA)
【0059】
【化10】

【0060】
200mLの四つ口反応フラスコに4,6−ビス(フェニルアゾ)レゾルシノール(BPAR)6.37g(20mmol)及びDMF64g(10質量倍)を仕込み、氷浴上5℃に冷却下にマグネティクスターラーで攪拌しながらスラリー中に、参考例1と同様にして合成したDOCC粗物9.3g(42mmol)をDMF20gに溶解した溶液を添加した。続いて、温度を5℃に維持しながらトリエチルアミン5.26g(52mmol)を20分かけて滴下した。続いて氷浴を外して20〜24℃で20時間攪拌し、反応を停止させた。
続いて、反応液をろ過した後残渣をDMFで3回洗浄してからろ液と洗液を混合した後濃縮し、減圧乾燥すると黒色油状物21.4gが得られた。この粗物に酢酸エチル100gを加えて70℃で攪拌してから、水冷後水を加えて攪拌した。このスラリー液をろ過した後、ろ液を分液して有機層を濃縮すると黒色固体16.1gが得られた。この黒色固体に酢酸エチルを加えて70℃で攪拌してから、35gまで濃縮した後氷冷した。続いて固体をろ取した後酢酸エチルで洗浄してから減圧乾燥すると橙色固体4.18g(収率30.8%)(m.p.:198〜199℃:高純度品)が得られた。
この結晶は、H NMRから目的のBPACであることを確認した。
[実施例3] BPACの合成(ピリジン)
【0061】
【化11】

【0062】
200mLの四つ口反応フラスコに4,6−ビス(フェニルアゾ)レゾルシノール(BPAR)15.9g(50mmol)、THF180g(11質量倍)及びピリジン12.7g(160mmol)を仕込み、氷浴上5℃に冷却下にマグネティクスタラーで攪拌しながらスラリー中に、参考例1と同様にして合成したDOCC粗物23.8g(52.5mmol)をTHF46gに溶解した溶液を25分かけて滴下した添加した。続いて氷浴を外して26〜29℃で21時間攪拌し後反応を停止させた。
続いて、反応液をろ過した後、残渣をTHFで3回洗浄してからろ液と洗液を混合した後濃縮し、減圧乾燥すると褐色固体39.6gが得られた。この粗物に酢酸エチル108gを加えて75℃で攪拌してから、水冷後水50gを加えて10分間攪拌した。このスラリー状混合物をろ過した後、ケーキを酢酸エチルで2回洗浄した。更に、80℃で減圧乾燥すると褐色固体25.7g(収率75.7%)(m.p.:160〜163℃:不純物含有品)が得られた。
この結晶は、H NMRから目的のBPACであることを確認した。
[実施例4]BPAC−PODAポリアミック酸およびポリイミドの合成
【0063】
【化12】

【0064】
20℃の室温に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、実施例1で得られたBPAC1.43g(2.1mmol)及びNMP4.7gを仕込み、攪拌溶解させた。続いて、この溶液の攪拌中に、4,4’−(1,3−フェニレンジオキシ)ジアニリン(PODA)0.585g(2.0mmol)を添加した。更に、20℃で22時間攪拌して重合反応を行い、固形分濃度30質量%のポリアミック酸溶液を得た。この重合液の粘度は、2780mPa・sであった。
【0065】
この溶液に、NMP27gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は8,169で、重量平均分子量(Mw)は17,077であり、Mw/Mnは2.09であった。
続いて、この固形分6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で3時間攪拌した。室温に戻してから、水140ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して褐色固形物を析出させた。これをろ過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、BPAC−PODAポリイミドの褐色粉末2.0g(収率100%)を得た。
PMT:106〜108℃
[実施例5]BPBC−ODAポリアミック酸およびポリイミドの合成
【0066】
【化13】

【0067】
20℃の室温に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、実施例1で得られたBPAC1.43g(2.1mmol)及びNMP4.3gを仕込み、攪拌溶解させた。続いて、この溶液の攪拌中に、4,4’−オキシジアニリン(ODA)0.401g(2.0mmol)を添加した。更に、20℃で22時間攪拌して重合反応を行い、固形分濃度30質量%のポリアミック酸溶液を得た。この重合液にNMP6.1gを加えて15%溶液に希釈した粘度は、61mPa・sであった。
【0068】
この溶液に、更にNMP18.3gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は5,966で、重量平均分子量(Mw)は12,047であり、Mw/Mnは2.02であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、水120ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して橙色固形物を析出させた。これをろ過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、BPAC−ODAポリイミドの橙色粉末1.54g(収率91%)を得た。
PMT:115〜125℃
[実施例6]BPAC−p−PDAポリアミック酸およびポリイミドの合成
【0069】
【化14】

【0070】
20℃の室温に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、実施例1で得られたBPAC1.43g(2.1mmol)及びNMP4.25gを仕込み、攪拌溶解させた。続いて、この溶液の攪拌中に、p−フェニレンジアミン(p−PDA)0.216g(2.0mmol)を添加した。更に、20℃で22時間攪拌して重合反応を行い、固形分濃度30質量%のポリアミック酸溶液を得た。この重合液にNMP2.7gを加えて20%溶液に希釈した粘度は、209mPa・sであった。
この溶液に、更にNMP19.3gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は5,782で、重量平均分子量(Mw)は11,547であり、Mw/Mnは2.00であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で6時間攪拌した。室温に戻してから、水120ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して褐色固形物を析出させた。これをろ過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、BPAC−p−PDAポリイミドの橙色粉末1.43g(収率95%)を得た。
PMT:185〜190℃
[実施例7]BPAC−MDAポリアミック酸およびポリイミドの合成
【0071】
【化15】

【0072】
20℃の室温に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、実施例2で得られたBPAC1.43g(2.1mmol)及びNMP4.25gを仕込み、攪拌溶解させた。続いて、この溶液の攪拌中に、4,4’−メチレンジアニリン(MDA)0.397g(2.0mmol)を添加した。更に、20℃で22時間攪拌して重合反応を行い、固形分濃度30質量%のポリアミック酸溶液を得た。この重合液にNMP3.0gを加えて20%溶液に希釈した粘度は、122mPa・sであった。
この溶液に、更にNMP21.3gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は6,267で、重量平均分子量(Mw)は11,626であり、Mw/Mnは1.86であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、水120ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して橙色固形物を析出させた。これをろ過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、BPAC−MDAポリイミドの橙色粉末1.45g(収率86%)を得た。
PMT:125〜130℃
[実施例8]BPAC−MBCAポリアミック酸およびポリイミドの合成
【0073】
【化16】

【0074】
20℃の室温に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(MBCA)0.421g(2.0mmol)及びNMP4.30gを溶解後、実施例2で得られたBPAC1.43g(2.1mmol)を添加した。更に、20℃で22時間攪拌して重合反応を行い、固形分濃度30質量%のポリアミック酸溶液を得た。この重合液の粘度は、178mPa・sであった。
この溶液に、更にNMP24.6gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は2,440で、重量平均分子量(Mw)は3,857であり、Mw/Mnは1.58であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、水120ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して褐色固形物を析出させた。これをろ過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、BPAC−MBCAポリイミドの橙色粉末1.64g(収率95%)を得た。
PMT:120〜125℃
[比較例1]PMDA−ODAポリアミック酸およびポリイミドの合成
【0075】
【化17】

【0076】
22℃の室温に設置した攪拌機付き50ml四つ口反応フラスコに、ODA1.00g(5.0mmol)およびNMP18.2gを仕込み溶解させた。続いて、この溶液を攪拌中、ピロメリット酸二無水物(PMDA)1.03g(4.75mmol)を溶解させながら分割添加した。さらに、20℃で23時間攪拌して重合反応を行い、固形分濃度10質量%のポリアミック酸溶液を得た。この溶液に、NMP14gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は2,173で、重量平均分子量(Mw)は4,310であり、Mw/Mnは1.98であった。
続いて、この固形分6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸5.1g(50mmol)およびピリジン2.37g(30mmol)を加えて100℃で4時間攪拌した。室温に戻してから、メタノール147ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して橙色固形物を析出させた。これを濾過後、メタノール50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で2時間減圧乾燥し、PMDA−ODAポリイミドの橙色粉末1.55g(収率86%)を得た。
PMT: >300℃
上記実施例4〜8で得られたBPAC−各ジアミンポリイミド(BPAC-DA-PI)、および比較例1で得られたPMDA−ODAポリイミドの有機溶媒溶解性を下記手法によって評価した。その結果を表1に示す。
(測定法)
各ポリイミド5mgを、有機溶媒100mgに添加し、所定温度で撹拌し、その溶解性を確認した。
DMSO:ジメチルスルホオキシド、DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、THF:テトラヒドロフラン、PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
(表1)

【0077】
表1に示されるように、実施例4〜8で得られた本発明のポリイミドは、低沸点有機溶媒をはじめとした各種の有機溶媒に優れた溶解性のポリイミドであることが明らかになった。一方、PMDA−ODAポリイミドは、低分子量の場合でもいずれの有機溶媒にも不溶であった。
[実施例9] PPBCの合成
【0078】
【化18】

【0079】
200mLの四つ口反応フラスコに4−フェニルアゾレゾルシノール(PAR)4.28g(純度70%:14mmol)、THF86g(20質量倍)及びピリジン6.80g(86mmol)を仕込み、氷浴上5℃に冷却下にマグネティクスターラーで攪拌しながらスラリー中に、参考例1と同様にして合成したDOCC粗物9.8g(42mmol)をTHF22gに溶解した溶液を15分かけて滴下した。続いて氷浴を外して35〜40℃で6時間攪拌した後、20〜25℃で15時間攪拌し、反応を停止させた。
続いて、反応液をろ過した後、残渣をTHFで2回洗浄してからろ液と洗液を混合し、これを濃縮後減圧乾燥すると赤色ガム状物14.7gが得られた。この粗物に酢酸エチル65gを加えて70℃で攪拌溶解してから、水冷後水50gを加えて洗浄してから有機層を濃縮すると赤色ガム状物11.7gが得られた。この粗物に酢酸エチル35gを加えて75℃で攪拌溶解してから、やや濃縮した後ヘプタン5gを加えて70℃に加温すると二層になったので、下層のペーストをデカンテーションで分離し、再び酢酸エチルを加えて溶解後少量のヘプタンを加えてから氷冷すると結晶が析出した。この結晶をろ取し、酢酸エチル/ヘキサン=1/1(v/v)で2回洗浄した後、70℃で減圧乾燥すると橙色固体2.21g(収率27.4%)(m.p.:172〜174℃:不純物含有品)が得られた。
この結晶は、H NMR及びIRから目的の4−(フェニルジアゼニル)−1,3−フェニレンビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフランー5−カルボキシレート)(PPBC)であることを確認した。
1H NMR ( DMSO-d6, δppm ) : 1.488-1.582 ( m, 2H ), 1.646-1.857 ( m, 4H ), 1.9910-2.089 ( m, 4H ), 2.330-2.440 ( m, 2H ), 2.787-2.839 ( m, 1H ), 2.884-2.937 ( m, 1H ), 3.315-3.431 ( m, 2H ), 3.551-3.600 ( m, 2H ), 7.260 ( dd, J1=2.4Hz, J2=8.8Hz, 1H ), 7.340 ( d, J=2.4Hz, 1H ),7.576-7.616 ( m, 3H ), 7.789-7.811 ( m, 3H )
IR(cm-1) : 1775.7(酸無水物C=O)
[実施例10] PPBCの合成
【0080】
【化19】

【0081】
200mLの四つ口反応フラスコに4−フェニルアゾレゾルシノール(PAR)10.6g(純度70%:34.2mmol)、THF212g(20質量倍)及びピリジン9.48g(120mmol)を仕込み、氷浴上5℃に冷却下にマグネティクスターラーで攪拌しながらスラリー中に、参考例1と同様にして合成したDOCC粗物23.5g(105mmol)をTHF46gに溶解した溶液を40分かけて滴下した。続いて氷浴を外して30〜40℃で3時間攪拌した後、23〜25℃で16時間攪拌し、反応を停止させた。
続いて、反応液をろ過した後、残渣をTHFで3回洗浄してからろ液と洗液を混合した後濃縮後減圧乾燥すると赤色ガム状物35.1gが得られた。この粗物に酢酸エチル200gを加えて70℃で攪拌溶解してから、水冷後水50gを加えて洗浄してから有機層を濃縮すると赤色ガム状物32.4gが得られた。この粗物に酢酸エチル100gを加えて70℃で攪拌溶解してから、全体重量が50gになるまで濃縮した後、ヘプタン10gを加えた。次いで70℃に加温すると二層になったので、再び酢酸エチル10gを加えてから氷冷した。続いて析出した結晶をろ取し、酢酸エチル/ヘキサン=1/1(v/v)で2回洗浄した後、80℃で減圧乾燥すると橙色固体19.2g(m.p.:155〜157℃:不純物含有品)が得られた。ここで、この結晶に再び酢酸エチル100gを加えて75℃で40分攪拌後水冷してからろ過し、酢酸エチルで洗浄した後、80℃で4時間減圧乾燥すると第一次結晶橙色固体9.73g(収率48.9%)(m.p.:192〜194℃:高純度品)が得られた。
ろ液と洗液の混合液をを半量まで濃縮してから氷冷すると結晶が析出し、これをろ過し、酢酸エチル/ヘキサン=1/1(v/v)で2回洗浄した後、減圧乾燥すると第二次結晶橙色固体5.85g(収率29.5%)が得られた。
これらの第一次結晶及び第二次結晶は、いずれもH NMR及びIRから目的のPPBCであることを確認した。
[実施例11]PPBC−PODAポリアミック酸およびポリイミドの合成
【0082】
【化20】

【0083】
25℃の室温に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、実施例9で得られたPPBC1.21g(2.1mmol)及びNMP4.18gを仕込み、攪拌溶解させた。続いて、この溶液の攪拌中に、4,4’−(1,3−フェニレンジオキシ)ジアニリン(PODA)0.585g(2.0mmol)を添加した。更に、25℃で18時間攪拌して重合反応を行い、固形分濃度30質量%のポリアミック酸溶液を得た。この重合液の粘度は、670mPa・sであった。
【0084】
この溶液に、NMP24gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は5,481で、重量平均分子量(Mw)は10,453であり、Mw/Mnは1.91であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、メタノール110ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して褐色固形物を析出させた。これをろ過後、メタノール150mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、PPBC−PODAポリイミドの褐色粉末1.11g(収率67%)を得た。
PMT:167〜169℃
[実施例12]PPBC−ODAポリアミック酸およびポリイミドの合成
【0085】
【化21】

【0086】
25℃の室温に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、4,4’−オキシジアニリン(ODA)0.400g(2.0mmol)及びNMP3.74gを仕込み、攪拌溶解させた。続いて、この溶液の攪拌中に、実施例10で得られたPPBC1.21g(2.1mmol)を添加した。攪拌1時間後に高粘度になったので、NMP2.73gを添加し固形分濃度を30質量%から20質量%に低下させた。続いて、25℃で21時間攪拌して重合反応を行い、固形分濃度20質量%のポリアミック酸溶液を得た。この重合液の粘度は、760mPa・sであった。
【0087】
この溶液に、更にNMP16.0gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は19,441で、重量平均分子量(Mw)は49,294であり、Mw/Mnは2.54であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、メタノール110ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して橙色固形物を析出させた。これをろ過後、メタノール50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、PPBC−ODAポリイミドの橙色粉末1.19g(収率81%)を得た。
PMT:199〜201℃
[実施例13]PPBC−MDAポリアミック酸およびポリイミドの合成
【0088】
【化22】

【0089】
25℃の室温に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、4,4’−メチレンジアニリン(MDA)0.397g(2.0mmol)及びNMP4.25gを仕込み、攪拌溶解させた。続いて、この溶液の攪拌中に、実施例9で得られたPPBC1.21g(2.1mmol)を添加した。続いて、25℃で22時間攪拌して重合反応を行い、固形分濃度30質量%のポリアミック酸溶液を得た。NMP2.62gを添加し固形分濃度20質量%に低下させたポリアミック酸溶液の粘度は、106mPa・sであった。
この溶液に、更にNMP18.5gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は5,658で、重量平均分子量(Mw)は9,902であり、Mw/Mnは1.75であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、メタノール110ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して橙色固形物を析出させた。これをろ過後、メタノール50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、PPBC−MDAポリイミドの橙色粉末0.83g(収率57%)を得た。
PMT:180〜182℃
[実施例14]PPBC−p−PDAポリアミック酸およびポリイミドの合成
【0090】
【化23】

【0091】
25℃の室温に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、p−フェニレンジアミン(p−PDA)0.216g(2.0mmol)及びNMP4.25gを仕込み、攪拌溶解させた。続いて、この溶液の攪拌中に、実施例9で得られたPPBC1.21g(2.1mmol)を添加した。攪拌4時間後に高粘度になったので、NMP2.37gを添加し固形分濃度を30質量%から20質量%に低下させた。続いて、25℃で19時間攪拌して重合反応を行い、固形分濃度20質量%のポリアミック酸溶液を得た。この重合液の粘度は、319mPa・sであった。
この溶液に、更にNMP16.6gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は4,437で、重量平均分子量(Mw)は6,932であり、Mw/Mnは1.56であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、メタノール95ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して褐色固形物を析出させた。これをろ過後、メタノール50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、PPBC−p−PDAポリイミドの橙色粉末0.97g(収率73%)を得た。
PMT:184〜186℃
[実施例15]PPBC−m−PDAポリアミック酸およびポリイミドの合成
【0092】
【化24】

【0093】
25℃の室温に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、m−フェニレンジアミン(m−PDA)0.216g(2.0mmol)及びNMP4.25gを仕込み、攪拌溶解させた。続いて、この溶液の攪拌中に、実施例9で得られたPPBC1.21g(2.1mmol)を添加した。攪拌4時間後に高粘度になったので、NMP2.37gを添加し固形分濃度を30質量%から20質量%に低下させた。続いて、25℃で19時間攪拌して重合反応を行い、固形分濃度20質量%のポリアミック酸溶液を得た。この重合液の粘度は、89mPa・sであった。
この溶液に、更にNMP16.6gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は4,276で、重量平均分子量(Mw)は7,044であり、Mw/Mnは1.65であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、水95ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して褐色固形物を析出させた。これをろ過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、PPBC−m−PDAポリイミドの橙色粉末1.20g(収率93%)を得た。
PMT:158〜160℃
[実施例16]PPBC−MBCAポリアミック酸およびポリイミドの合成
【0094】
【化25】

【0095】
25℃の室温に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(MBCA)0.421g(2.0mmol)及びNMP3.80gを溶解後、実施例9で得られたPPBC1.21g(2.1mmol)を添加した。続いて、塩を形成したので、50℃で6時間攪拌溶解させた。更に、25℃で17時間攪拌して重合反応を行い、固形分濃度30質量%のポリアミック酸溶液を得た。この重合液の粘度は、294mPa・sであった。
この溶液に、更にNMP21.7gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は2,522で、重量平均分子量(Mw)は3,668であり、Mw/Mnは1.45であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、水110ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して褐色固形物を析出させた。これをろ過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、PPBC−MBCAポリイミドの橙色粉末1.46g(収率97%)を得た。
PMT:130〜132℃
上記実施例11〜16で得られたPPBC−各ジアミンポリイミド(PPBC-DA-PI)、および比較例1で得られたPMDA−ODAポリイミドの有機溶媒溶解性を下記手法によって評価した。その結果を表2に示す。
(測定法)
各ポリイミド5mgを、有機溶媒100mgに添加し、所定温度で撹拌し、その溶解性を確認した。
DMSO:ジメチルスルホオキシド、DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、THF:テトラヒドロフラン、PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
(表2)

【0096】
表2に示されるように、実施例11〜16で得られた本発明のポリイミドは、低沸点有機溶媒をはじめとした各種の有機溶媒に高い溶解性を有するポリイミドであることが明らかになった。一方、PMDA−ODAポリイミドは、低分子量の場合でもいずれの有機溶媒にも不溶であった。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明で提供される新規化合物から得られる新規なポリアミック酸及びポリイミドは低沸点の有機溶媒を始めとした各種有機溶媒に対する溶解性が高い。そのため、低温での焼成が必要な各種電子デバイスへの利用が期待される。また、本発明のポリアミック酸、ポリイミドは、光反応するアゾベンゼン基を有するため、光配向法用途の液晶配向剤としての利用が期待される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式[1]で表される化合物。
【化1】


(式中、R1、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のハロアルコキシ基及び炭素数2〜20のシアノアルキル基を表し、mは、1〜3の整数を表す。)
【請求項2】
1及びRが、水素原子である請求項1記載の化合物。
【請求項3】
下記式[2]
【化2】


(式中、R1、R、R、R及びRは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のハロアルコキシ基及び炭素数2〜20のシアノアルキル基を表し、mは、1〜3の整数を表す。)
で表されるレゾルシノール化合物と下記式[3]
【化3】


(式中、Xは、ハロゲン原子を表す。)
で表される無水核水添トリメリット酸ハライドとを、塩基の存在下で反応させることを特徴とする下記式[1]
【化4】


(式中、R1、R、R、R、R及びmは、前記と同じ意味を表す。)
で表されるテトラカルボン酸二無水物化合物の製造法。
【請求項4】
1、R、R、R及びRが、水素原子であり、無水核水添トリメリット酸ハライドが無水核水添トリメリット酸クロライドである請求項3記載の製造法。
【請求項5】
式[4]で表される繰り返し単位を含有するポリアミック酸。
【化5】


(式中、R1、R、R、R及びRは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のハロアルコキシ基及び炭素数2〜20のシアノアルキル基を表し、Aは、2価の有機基を表し、mは、1〜3の整数を表し、nは、2以上の整数を表す。)
【請求項6】
前記R1、R、R、R及びRが、水素原子である請求項5記載のポリアミック酸。
【請求項7】
式[5]で表される繰り返し単位を含有するポリイミド。
【化6】


(式中、R1、R、R、R及びRは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のハロアルコキシ基及び炭素数2〜20のシアノアルキル基を表し、Aは、2価の有機基を表し、mは、1〜3の整数を表し、nは、2以上の整数を表す。)
【請求項8】
前記R1、R、R、R及びRが、水素原子である請求項7記載のポリイミド。

【公開番号】特開2013−28570(P2013−28570A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166887(P2011−166887)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000003986)日産化学工業株式会社 (510)
【Fターム(参考)】