説明

フェニルスルホニルカーバメイト誘導体及び農園芸用植物病害防除剤

植物病害に対し、顕著な効果を示すフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩を活性成分として含有する農園芸用植物病害防除剤が提供される。
下記の一般式[I]で表されるフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩。
式中の記号はそれぞれ本文中に定義される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、フェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩を有効成分とする農園芸用植物病害防除剤に関するものであり、更に詳細には特定のフェニルスルホニルカーバメイト誘導体の使用方法に関するものである。
【背景技術】
これまでフェニルスルホニルカーバメイト誘導体に属する化合物について、下記の特許文献1〜8に記載された化合物が知られている。特許文献1は医薬に関して、特許文献2、5、7及び8は除草剤に関して、特許文献3、4及び6は除草剤中間体に関して記載されているが、いずれも農園芸用植物病害防除活性に関する記載は無い。
【特許文献1】特開昭51−143693号公報
【特許文献2】特開昭57−126404号公報
【特許文献3】特開昭59−39878号公報(=EP0101407)
【特許文献4】特開昭63−122671号公報(=EP269141)
【特許文献5】特開平4−234352号公報(=EP0467183)
【特許文献6】特開平4−346983号(=EP496701)
【特許文献7】EP−127469号
【特許文献8】WO9614289号
農作物或いは園芸作物の栽培において、植物病原菌によって引き起こされる病害発生は作物の生産効率に重大な影響を与えるため、植物病害防除には、これまで主として植物病原菌に直接作用する様々な化学合成農薬が使用されてきた。しかしながら、これらの化学合成農薬を多用してきた結果、耐性菌の出現による薬剤効力低下等の問題が発生してきている。また、化学物質の安全性、環境に対する影響への要求が高まってきており、より安全な農園芸用植物病害防除剤の開発が望まれている。
【発明の開示】
本発明者らはこのような状況に鑑み、上記の課題を解決するために、これまで植物病害防除活性の知られていないフェニルスルホニルカーバメイト誘導体を多数合成し、その植物病害防除活性と有用性について鋭意検討した。その結果、本発明のフェニルスルホニルカーバメイト誘導体(以下、本発明化合物という)を植物に対して施用しておくことにより、長期間に亘って植物病害を防除し、植物に薬害を与えることなく顕著な植物病害防除効果を示すことを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(1)一般式[I]

{式中、
は水素原子、C−C12アルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−CアルコキシカルボニルC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基、フェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cアルキルチオ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又は同一若しくは相異なってよい酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択される1個以上のヘテロ原子を有する炭素数3ないし10の複素環基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
は水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、シアノC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又はC−CアルコキシC−Cアルキル基を示し、
Yはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はNRを示し、
及びRはそれぞれ独立に水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
nは0から4の整数を示し、
Xは酸素原子又は硫黄原子を示し、
Xが酸素原子のとき、Rは水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はフェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
Xが硫黄原子のとき、Rは水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はフェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示す。
但し、Xが酸素原子であり、RがC−Cアルキル基のとき、RはC−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、シアノC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換される。]である。}で表されるフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする農園芸用植物病害防除剤。
(2)一般式[Ia]

{式中、RはC−C12アルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−CアルコキシカルボニルC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基、フェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cアルキルチオ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又は同一若しくは相異なってよい酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択される1個以上のヘテロ原子を有する炭素数3ないし10の複素環基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
は水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、シアノC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又はC−CアルコキシC−Cアルキル基示し、
Yはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はNRを示し、
及びRはそれぞれ独立に水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
nは0から4の整数を示す}で表されるフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩。
(3)一般式[Ib]

{式中、RはC−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はフェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
は水素原子、C−C12アルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−CアルコキシカルボニルC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基、フェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cアルキルチオ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又は同一若しくは相異なってよい酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択される1個以上のヘテロ原子を有する炭素数3ないし10の複素環基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、Rは水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、シアノC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又はC−CアルコキシC−Cアルキル基示し、
Yはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はNRを示し、
及びRはそれぞれ独立に水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
nは0から4の整数を示す}で表されるフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩。
(4)一般式[Ib]

{式中、RはC−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はフェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
は水素原子、C−C12アルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−CアルコキシカルボニルC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基、フェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cアルキルチオ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又は同一若しくは相異なってよい酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択される1個以上のヘテロ原子を有する炭素数3ないし10の複素環基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
は水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、シアノC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又はC−CアルコキシC−Cアルキル基示し、
Yはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はNRを示し、
及びRはそれぞれ独立に水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
nは0から4の整数を示す}で表されるフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩。
(5)一般式[Ib]

{式中、RはC−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はフェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
は水素原子、C−C12アルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−CアルコキシカルボニルC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基、フェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cアルキルチオ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又は同一若しくは相異なってよい酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択される1個以上のヘテロ原子を有する炭素数3ないし10の複素環基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
はC−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、シアノC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又はC−CアルコキシC−Cアルキル基示し、
Yはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はNRを示し、
及びRはそれぞれ独立に水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
nは0から4の整数を示す}で表されるフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩。
(6)一般式[Ib]

{式中、RはC−Cシクロアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はフェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
は水素原子、C−C12アルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−CアルコキシカルボニルC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基、フェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cアルキルチオ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又は同一若しくは相異なってよい酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択される1個以上のヘテロ原子を有する炭素数3ないし10の複素環基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
は水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、シアノC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又はC−CアルコキシC−Cアルキル基を示し、
Yはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はNRを示し、
及びRはそれぞれ独立に水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
nは0から4の整数を示す}で表されるフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩。
(7)一般式[Ic]

{式中、RはC−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はフェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
はC−C12アルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−CアルコキシカルボニルC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基、フェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cアルキルチオ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又は同一若しくは相異なってよい酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択される1個以上のヘテロ原子を有する炭素数3ないし10の複素環基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
は水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、シアノC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又はC−CアルコキシC−Cアルキル基示し、
Yはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はNRを示し、
及びRはそれぞれ独立に水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
nは0から4の整数を示す}で表されるフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩。
(8)一般式[Ic]

{式中、RはC−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はフェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
はC−C12アルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−CアルコキシカルボニルC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基、フェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cアルキルチオ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又は同一若しくは相異なってよい酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択される1個以上のヘテロ原子を有する炭素数3ないし10の複素環基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
は水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、シアノC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又はC−CアルコキシC−Cアルキル基示し、
Yはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はNRを示し、
及びRはそれぞれ独立に水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
nは0から4の整数を示す}で表されるフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩。
(9)上記(2)に記載のフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする農園芸用植物病害防除剤。
(10)上記(3)に記載のフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする農園芸用植物病害防除剤。
(11)上記(4)に記載のフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする農園芸用植物病害防除剤。
(12)上記(5)に記載のフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする農園芸用植物病害防除剤。
(13)上記(6)に記載のフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする農園芸用植物病害防除剤。
(14)上記(7)に記載のフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする農園芸用植物病害防除剤。
(15)上記(8)に記載のフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする農園芸用植物病害防除剤。
(16)一般式[II]

(式中、R、n及びYは前記と同じ意味を示す。)
で表される化合物を塩基性条件下で加水分解させ、酸性化することを特徴とする
一般式[Id]

(式中、R、n及びYは前記と同じ意味を示す。)
で表されるスルホニルカーバメート誘導体の製造法。
発明を実施するための最良の態様
本明細書に記載された記号及び用語について説明する。
ハロゲン原子とはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。
−C等の表記は、これに続く置換基の炭素数が、この場合では1〜6であることを示している。
−Cアルキル基とは、特に限定しない限り、炭素数が1〜6の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示し、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1−エチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、ネオペンチル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル等の基を挙げることができる。
−C12アルキル基とは、特に限定しない限り、炭素数が1〜12の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示し、例えば上記C−Cアルキル基の例示に加え、ヘプチル、1−メチルヘキシル、5−メチルヘキシル、1,1−ジメチルペンチル、2,2−ジメチルペンチル、4,4−ジメチルペンチル、1−エチルペンチル、2−エチルペンチル、1,1,3−トリメチルブチル、1,2,2−トリメチルブチル、1,3,3−トリメチルブチル、2,2,3−トリメチルブチル、2,3,3−トリメチルブチル、1−プロピルブチル、1,1,2,2−テトラメチルプロピル、オクチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、6−メチルヘプチル、2−エチルヘキシル、5,5−ジメチルヘキシル、2,4,4−トリメチルペンチル、1−エチル−1−メチルペンチル、ノニル、1−メチルオクチル、2−メチルオクチル、3−メチルオクチル、7−メチルオクチル、1−エチルヘプチル基、1,1−ジメチルヘプチル、6,6−ジメチルヘプチル、デシル、1−メチルノニル、2−メチルノニル、6−メチルノニル、1−エチルオクチル、1−プロピルヘプチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル又はn−ドデシル等の基を挙げることができる。
−Cシクロアルキルとは特に限定しない限り、炭素数が3〜6のシクロアルキル基を示し、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル等の基を挙げることができる。
−Cハロアルキル基とは、ハロゲン原子によって置換された、炭素数が1〜6の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示し、例えばフルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、クロロジフルオロメチル、ブロモジフルオロメチル、2−フルオロエチル、1−クロロエチル、2−クロロエチル、1−ブロモエチル、2−ブロモエチル、2,2−ジフルオロエチル、1,2−ジクロロエチル、2,2−ジクロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、2−ブロモ−2−クロロエチル、2−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエチル、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエチル、1−クロロプロピル、2−クロロプロピル、3−クロロプロピル、2−ブロモプロピル、3−ブロモプロピル、2−ブロモ−1−メチルエチル、3−ヨードプロピル、2,3−ジクロロプロピル、2,3−ジブロモプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、3,3,3−トリクロロプロピル、3−ブロモ−3,3−ジフルオロプロピル、3,3−ジクロロ−3−フルオロプロピル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、1−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル、ヘプタフルオロプロピル、1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル、2,3−ジクロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロピル、2−クロロブチル、3−クロロブチル、4−クロロブチル、2−クロロ−1,1−ジメチルエチル、4−ブロモブチル、3−ブロモ−2−メチルプロピル、2−ブロモ−1,1−ジメチルエチル、2,2−ジクロロ−1,1−ジメチルエチル、2−クロロ−1−クロロメチル−2−メチルエチル、4,4,4−トリフルオロブチル、3,3,3−トリフルオロ−1−メチルプロピル、3,3,3−トリフルオロ−2−メチルプロピル、2,3,4−トリクロロブチル、2,2,2−トリクロロ−1,1−ジメチルエチル、4−クロロ−4,4−ジフルオロブチル、4,4−ジクロロ−4−フルオロブチル、4−ブロモ−4,4−ジフルオロブチル、2,4−ジブロモ−4,4−ジフルオロブチル、3,4−ジクロロ−3,4,4−トリフルオロブチル、3,3−ジクロロ−4,4,4−トリフルオロブチル、4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブチル、4−ブロモ−3−クロロ−3,4,4−トリフルオロブチル、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチル、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル、2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−1−トリフルオロメチルエチル、3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチルプロピル、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル、2,3,3,3−テトラフルオロ−2−トリフルオロメチルプロピル、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル、ノナフルオロブチル、4−クロロ−1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル等の基を挙げることができる。
−Cアルケニル基とは、特に限定しない限り、炭素数が2〜6の直鎖又は分岐鎖状のアルケニル基を示し、例えばビニル、1−プロペニル、i−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、2−ブテニル、1−メチル−2−プロペニル、3−ブテニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1,3−ブタジエニル、1−ペンテニル、1−エチル−2−プロペニル、2−ペンテニル、1−メチル−1−ブテニル、3−ペンテニル、1−メチル−2−ブテニル、4−ペンテニル、1−メチル−3−ブテニル、3−メチル−1−ブテニル、1,2−ジメチル−2−プロペニル、1,1−ジメチル−2−プロペニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1,2−ジメチル−1−プロペニル、2−メチル−3−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、1,3−ペンタジエニル、1−ビニル−2−プロペニル、1−ヘキセニル、1−プロピル−2−プロペニル、2−ヘキセニル、1−メチル−1−ペンテニル、1−エチル−2−ブテニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−メチル−4−ペンテニル、1−エチル−3−ブテニル、1−(i−ブチル)ビニル、1−エチル−1−メチル−2−プロペニル、1−エチル−2−メチル−2−プロペニル、1−(i−プロピル)−2−プロペニル、2−メチル−2−ペンテニル、3−メチル−3−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1,3−ジメチル−2−ブテニル、1,1−ジメチル−3−ブテニル、3−メチル−4−ペンテニル、4−メチル−4−ペンテニル、1,2−ジメチル−3−ブテニル、1,3−ジメチル−3−ブテニル、1,1,2−トリメチル−2−プロペニル、1,5−ヘキサジエニル、1−ビニル−3−ブテニル又は2,4−ヘキサジエニル等の基を挙げることができる。
−Cアルキニル基とは、特に限定しない限り、炭素数が2〜6の直鎖又は分岐鎖状のアルキニル基を示し、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、1−エチル−2−プロピニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、1−メチル−2−ブチニル、4−ペンチニル、1−メチル−3−ブチニル、2−メチル−3−ブチニル、1−ヘキシニル、1−(n−プロピル)−2−プロピニル、2−ヘキシニル、1−エチル−2−ブチニル、3−ヘキシニル、1−メチル−2−ペンチニル、1−メチル−3−ペンチニル、4−メチル−1−ペンチニル、3−メチル−1−ペンチニル、5−ヘキシニル、1−エチル−3−ブチニル、1−エチル−1−メチル−2−プロピニル、1−(i−プロピル)−2−プロピニル、1,1−ジメチル−2−ブチニル又は2,2−ジメチル−3−ブチニル等の基を挙げることができる。
−Cアルコキシ基とは、アルキル部分が前記の意味を有する炭素数が1〜6の(アルキル)−O−基を示し、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ又はヘキシルオキシ等の基を挙げることができる。
−Cハロアルコキシ基とは、ハロアルキル部分が前記の意味を有する同一又は相異なるハロゲン原子1〜13で置換されている炭素数が1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基を示し、例えばクロロメトキシ、ジフルオロメトキシ、クロロジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ又は2,2,2−トリフルオロエトキシ等の基を挙げることができる。
−CアルコキシC−Cアルキル基とはアルキル部分及びアルコキシ部分が前記の意味を有する炭素数が1〜6のアルコキシにより置換された炭素数が1〜6のアルキル基を示し、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、イソプロポキシメチル、ペンチルオキシメチル、メトキシエチル又はブトキシエチル等の基を挙げることができる。
−CアルコキシカルボニルC−Cアルキル基とはアルコキシ部分及びアルキル部分が前記の意味を有するアルコキシカルボニルアルキル基を示し、例えばメトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、イソプロポキシカルボニルエチル、ヘキシルオキシカルボニルエチル等の基を挙げることができる。
同一若しくは相異なってよい酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択される1個以上のヘテロ原子を有する炭素数3ないし10の複素環基とは、例えばフラン、チオフェン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モリホリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール等を挙げることができる。
酸性化に用いられる酸としては、例えば、塩酸又は硫酸等の鉱酸、酢酸又はくえん酸等の有機酸等を挙げることができる。
その塩とは、一般式[I]を有する化合物において、水酸基、カルボキシル基又はアミノ基等がその構造中に存在する場合に、これらの基と金属もしくは有機塩基との塩又は鉱酸もしくは有機酸との塩である。ここで、金属としてはナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属或いはマグネシウム又はカルシウム等のアルカリ土類金属を挙げることができ、有機塩基としてはトリエチルアミン又はジイソプロピルアミン等のアミン類を挙げることができ、鉱酸としては塩酸又は硫酸等を挙げることができ、有機酸としては酢酸等のカルボン酸類、メタンスルホン酸等のアルキルスルホン酸類又はパラ−トルエンスルホン酸等の(置換)ベンゼンスルホン酸類、等を挙げることができる。
一般式[I]又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする農園芸用植物病害防除剤において、好適には、
は水素原子、C−C12アルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、ベンジル基[該基は、同一又は異なってもよい1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、又はフェニル基[該基は同一又は異なってもよい1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cアルキルチオ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]であり、
は水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、シアノC−Cアルキル基、又はC−CアルコキシC−Cアルキル基であり、
Yはハロゲン原子又はC−Cアルキル基であり、
nは0から4の整数であり、
Xは酸素原子又は硫黄原子であり、
Xが酸素原子のとき、Rは水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、ベンジル基[該基は同一又は異なってもよい1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、又はC−CアルコキシC−Cアルキル基であり、
Xが硫黄原子のとき、Rは水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、ベンジル基[該基は同一又は異なってもよい1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、又はC−CアルコキシC−Cアルキル基であり、
ここで、Xが酸素原子であって、RがC−Cアルキル基のときは、RはC−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、シアノC−Cアルキル基である。
さらに上記一般式[Ia]において好適には、
はC−C12アルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、ベンジル基[該基は同一又は異なってもよい1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基、又はフェニル基[該基は同一又は異なってもよい1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cアルキルチオ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]であり、
は水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、シアノC−Cアルキル基、又はC−CアルコキシC−Cアルキル基であり、
Yはハロゲン原子又はC−Cアルキル基であり、
nは0から4の整数である。
さらに上記一般式[Ib]において好適には、
は、C−Cシクロアルキル基、ベンジル基[該基は同一又は異なってもよい1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、又はC−CアルコキシC−Cアルキル基であり、
は、C−C12アルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、ベンジル基[該基は同一又は異なってもよい1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、又はC−CアルコキシC−Cアルキル基、又はフェニル基[該基は同一又は異なってもよい1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cアルキルチオ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]であり、
は、水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、シアノC−Cアルキル基、又はC−CアルコキシC−Cアルキル基であり、
Yはハロゲン原子又はC−Cアルキル基であり、
nは0から4の整数である。
さらに上記一般式[Ic]において好適には、
は、C−Cシクロアルキル基、ベンジル基[該基は同一又は異なってもよい1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、又はC−CアルコキシC−Cアルキル基であり、
は、C−C12アルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、ベンジル基[該基は同一又は異なってもよい1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基、又はフェニル基[該基は同一又は異なってもよい1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cアルキルチオ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]であり、
は水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、シアノC−Cアルキル基、又はC−CアルコキシC−Cアルキル基であり、
Yはハロゲン原子、又はC−Cアルキル基であり、
nは0から4の整数である。
次に、一般式[I]で示される本発明化合物の具体例を表1〜表7に記載する。しかしながら、本発明化合物はこれらの化合物に限定されるものではない。なお、化合物番号は以後の記載において参照される。
本明細書における表中の次の表記は下記の通りそれぞれ該当する基を表す。
例えばMeとはメチル基を示し、Etとはエチル基を示し、Pr−nとはn−プロピル基を示し、Pr−iとはイソプロピル基を示し、Bu−nとはn−ブチル基を示し、Bu−sとはセカンダリーブチル基を示し、Bu−iとはイソブチル基を示し、Bu−tとはターシャリーブチル基を示し、Pn−nとはn−ペンチル基を示し、Pn−cとはシクロペンチル基を示し、C13とはn−ヘキシル基を示し、C15−nとはn−ヘプチル基を示し、C17−nとはn−オクチル基を示し、C19−nとはn−ノニル基を示し、C1021−nとはn−デシル基を示し、C1123−nとはn−ウンデシル基を示し、C1225−nとはn−ドデシル基を示し、Phとはフェニル基を示す。また、例えばPh(4−Cl)とは4−クロロフェニル基を示す。







本発明化合物である一般式[I]で示されるフェニルスルホニルカーバメイト誘導体の代表的な製造方法を以下に例示するが、これらの方法に限定されるものではない。
<製造方法1>

(式中、Y、n及びRはそれぞれ前記と同じ意味を表す。)
(工程1)
一般式[II]で表されるサッカリン誘導体は、サッカリン化合物[III]とクロロ炭酸エステルから一般に知られている方法〔例えば、ケミッシェ・ベリヒテ(Chemisch Berichte)、第56巻、第1810頁(1923年);ジャーナル・オブ・ファーマシューティカル・サイエンス(Journal of Pharmaceutical Science)第50巻、第672頁(1961年);特開昭49−20779号公報記載の方法〕により製造する事ができる。
本工程で使用するクロロ炭酸エステルの使用量は、化合物[III]1モルに対して0.5〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0〜1.2モルである。
(工程2)
一般式[Id]で表される本発明化合物は一般式[II]で表されるサッカリン誘導体を適当な条件下で加水分解させた後、酸性化することにより製造することができる。
加水分解の条件としては塩基性条件が好ましく、本反応で使用できる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム等の金属炭酸塩類、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム又は酢酸マグネシウム等の金属酢酸塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムターシャリーブトキシド、カリウムメトキシド又はカリウムターシャリーブトキシド等の金属アルコキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム又は水酸化マグネシウム等の金属水酸化物等を挙げることができる。
酸性化に用いられる酸としては、例えば塩酸又は硫酸等の鉱酸、酢酸又はくえん酸等の有機酸等を挙げることができる。
塩基の使用量は化合物[III]1モルに対して0.1〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.5〜3モルである。
本反応で使用できる溶媒としては、本反応の進行を阻害しないものであればよく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム又はジグライム等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、アセトン等のケトン類、水等を使用することができ、さらにこれらの混合溶媒も使用することができる。
反応温度は−20℃から使用する不活性溶媒の沸点域から選択すればよく、好ましくは0℃〜80℃の範囲で行うのがよい。
反応時間は反応温度、反応基質、反応量等により異なるが、一般的には30分〜48時間である。
反応の目的物である一般式[Id]で表される本発明化合物は、反応終了後、常法により反応系から採取される。得られた目的物は、必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再結晶等の操作によって精製することもできる。
<製造方法2>

(式中、X、Y、n、R及びRはそれぞれ前記と同じ意味を表しMはリチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子等のアルカリ金属原子を表す。)
一般式[Ie]で表される本発明化合物は日本化学会誌第4巻、第582項(1978年)記載の方法により、一般式[II]で表されるサッカリン誘導体と求核試薬とを、塩基の存在下に適当な溶媒中で反応させた後、酸性化することによって製造することができる。
本反応で使用する、R−X−Mで表わされる求核試薬の使用量は、化合物[II]1モルに対して0.5〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0〜1.2モルである。
本反応で使用できる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム等の金属炭酸塩類、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム又は酢酸マグネシウム等の金属酢酸塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムターシャリーブトキシド、カリウムメトキシド又はカリウムターシャリーブトキシド等の金属アルコキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム又は水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム又は水素化カルシウム等の金属水素化物等である。
塩基の使用量は化合物[II]1モルに対して0.5〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0〜1.2モルである。
酸性化に用いられる酸としては、例えば、塩酸又は硫酸等の鉱酸、酢酸又はくえん酸等の有機酸等を挙げることができる。
本反応で使用できる溶媒としては、本反応の進行を阻害しないものであればよく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム又はジグライム等のエーテル類、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素又はテトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン又はトルエン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン等のイミダゾリノン類、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物類、アセトニトリル等のニトリル類等を使用することができ、さらにこれらの混合溶媒も使用することができる。
反応温度は−20℃から使用する不活性溶媒の沸点域から選択すればよく、好ましくは0℃〜80℃の範囲で行うのがよい。
反応時間は反応温度、反応基質、反応量等により異なるが、一般的には30分〜48時間である。
反応の目的物である一般式[Ie]で表される本発明化合物は、反応終了後、常法により反応系から採取される。得られた目的物は、必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再結晶等の操作によって精製することもできる。
<製造方法3>

(式中、X、Y、n、R及びRはそれぞれ前記と同じ意味を表す。)
一般式[Ie]で表される本発明化合物は、一般に知られている方法(例えば、特開昭57−126404号公報記載の方法)により、一般式[IV]で表されるスルホニルイソシアネート誘導体とアルコールとを適当な溶媒中で反応させることで製造することもできる。
本反応で使用できる溶媒としては、本反応の進行を阻害しないものであればよく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム又はジグライム等のエーテル類、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン又はトルエン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン等のイミダゾリノン類、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物類、アセトニトリル等のニトリル類等を使用することができ、さらにこれらの混合溶媒も使用することができる。
反応温度は−20℃から使用する不活性溶媒の沸点域から選択すればよく、好ましくは0℃〜80℃の範囲で行うのがよい。
反応時間は反応温度、反応基質、反応量等により異なるが、一般的には30分〜48時間である。
反応の目的物である一般式[Ie]で表される本発明化合物は、反応終了後、常法により反応系から採取される。得られた目的物は、必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再結晶等の操作によって精製することもできる。
<製造方法4>

(式中、X、Y、n、R、R、及びRはそれぞれ前記と同じ意味を表す。)
一般式[I]で表される本発明化合物は、一般に知られている方法〔例えば、特開昭57−126404号公報記載の方法〕により一般式[V]で表されるスルホンアミド誘導体とクロロ炭酸エステルとを塩基の存在下、適当な溶媒中で反応させることにより製造することができる。
本反応で使用するクロロ炭酸エステルの使用量は、化合物[V]1モルに対して1〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0〜1.2モルである。
ここで使用できる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム等の金属炭酸塩類、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム又は酢酸マグネシウム等の金属酢酸塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムターシャリーブトキシド、カリウムメトキシド又はカリウムターシャリーブトキシド等の金属アルコキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム又は水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム又は水素化カルシウム等の金属水素化物等である。
塩基の使用量は、化合物[V]1モルに対して1〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0〜1.2モルである。
本反応で使用できる溶媒としては、本反応の進行を阻害しないものであればよく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム又はジグライム等のエーテル類、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン又はトルエン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン等のイミダゾリノン類、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物類、アセトニトリル等のニトリル類等を使用することができ、さらにこれらの混合溶媒も使用することができる。
反応温度は−20℃から使用する不活性溶媒の沸点域から選択すればよく、好ましくは0℃〜80℃の範囲で行うのがよい。
反応時間は反応温度、反応基質、反応量等により異なるが、一般的には30分〜48時間である。
反応の目的物である一般式[I]で表される本発明化合物は、反応終了後、常法により反応系から採取される。得られた目的物は、必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再結晶等の操作によって精製することもできる。
<製造方法5>

(式中、X、Y、n、R、R、及びRはそれぞれ前記と同じ意味を表す。)
一般式[I]で表される本発明化合物は、一般式[Ib]で表される安息香酸誘導体を一般に知られている公知の方法により通常用いられる溶媒、反応温度でエステル化することにより製造できる。
反応の目的物である一般式[I]で表される本発明化合物は、反応終了後、常法により反応系から採取される。得られた目的物は、必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再結晶等の操作によって精製することもできる。
<製造方法6>

(式中、X、Y、n、R、R、及びRはそれぞれ前記と同じ意味を表し、Zは、メタンスルホニルオキシ基等のアルキルスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等のハロアルキルスルホニルオキシ基、パラトルエンスルホニルオキシ基等の(置換)フェニルスルホニルオキシ基又はハロゲン原子を示す。
一般式[I]で表される本発明化合物は日本化学会誌第4巻、第582頁(1978年)記載の方法により、一般式[Id]で表されるフェニルスルホニルカーバメイト誘導体及びR−Zを溶媒中、塩基の存在下反応させることにより製造する事ができる。
本工程で使用するR−Zの使用量は、化合物[Id]1モルに対して0.5〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0〜1.2モルである。
本工程で使用できる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム等の金属炭酸塩類、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム又は酢酸マグネシウム等の金属酢酸塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムターシャリーブトキシド、カリウムメトキシド又はカリウムターシャリーブトキシド等の金属アルコキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム又は水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム又は水素化カルシウム等の金属水素化物等である。
塩基の使用量は化合物[Id]1モルに対して0.5〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0〜1.2モルである。
本反応で使用できる溶媒としては、本反応の進行を阻害しないものであればよく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム又はジグライム等のエーテル類、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素又はテトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン又はトルエン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン等のイミダゾリノン類、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物類、アセトニトリル等のニトリル類等を使用することができ、さらにこれらの混合溶媒も使用することができる。
反応温度は−20℃から使用する不活性溶媒の沸点域の範囲から選択すればよく、好ましくは0℃〜100℃の範囲で行うのがよい。
反応時間は反応温度、反応基質、反応量等により異なるが、一般的には30分〜48時間である。
一般式[I]の塩は、一般式[I]に水酸基、カルボキシル基、アミノ基等がその構造中にある場合、一般式[I]と、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物、水素化カルシウム等のアルカリ土類金属水素化物、ナトリウムメトキシド等のアルカリ金属アルコラート、アンモニア、トリエチルアミン又はジイソプロピルアミン等のアミン、塩酸又は硫酸等の鉱酸、酢酸等のカルボン酸、或いは、メタンスルホン酸又はパラ−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸等とを、無溶媒或いは適当な溶媒中で反応させることによって製造することができる。
反応の目的物である一般式[I]で表される本発明化合物は、反応終了後、常法により反応系から採取される。得られた目的物は、必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再結晶等の操作によって精製することもできる。
本発明の農園芸用植物病害防除剤は、一般式[I]で示されるフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩を有効成分として含有してなる。
本発明化合物を農園芸用植物病害防除剤として使用する場合には、単独で用いてもよいが、その目的に応じて有効成分を適当な剤型で用いることができる。
通常は有効成分を不活性な液体又は固体の担体で希釈し、必要に応じて界面活性剤、その他をこれに加え、粉剤、水和剤、乳剤、粒剤等の製剤形態で使用できる。有効成分の配合割合は必要に応じ適宜選ばれるが、粉剤及び粒剤とする場合は0.1〜50%(重量)、また、乳剤及び水和剤とする場合は5〜80%(重量)が適当である。
製剤化に際して用いられる担体としては、例えばタルク、ベントナイト、クレー、カオリン、珪藻土、ホワイトカーボン、バーミキュライト、炭酸カルシウム、消石灰、珪砂、硫安、尿素等の固体担体、イソプロピルアルコール、キシレン、シクロヘキサン、メチルナフタレン等の液体担体等があげられる。
界面活性剤及び分散剤としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸金属塩、ジナフチルメタンジスルホン酸金属塩、アルコール硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ポリオキシエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキレート等があげられる。補助剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、アラビアゴム等があげられる。
さらに、本発明の農園芸用植物病害防除剤には、上記様々な製剤形態において有効成分である本発明化合物以外に必要に応じて他の公知の活性化合物、例えば、殺虫剤、殺ダニ剤、昆虫生育調整剤、殺線虫剤、殺菌剤、植物病害防除剤、除草剤、植物生長調節剤、肥料及び土壌改良剤等と混合してもよい。
本発明の農園芸用植物病害防除剤は、これらの製剤をそのまま、あるいは希釈して茎葉散布、種子処理、土壌施用、水面施用または育苗箱施用等により使用することができる。これらの施用量は、使用される化合物の種類、対象病害、発生傾向、被害の程度、環境条件、使用する剤型などによって変動する。
例えば粉剤及び粒剤のようにそのまま使用する場合には、有効成分で10アール当り0.1g〜5kg、好ましくは1g〜1kgの範囲から適宜選ぶのがよい。また、乳剤及び水和剤のように液状で使用する場合には、0.1ppm〜10,000ppm、好ましくは10〜3,000ppmの範囲から適宜選ぶのがよい。
また、育苗箱施用によって用いる場合、化合物の溶出性を制御した製剤化を行うことにより、長期にわたる効果を付与することが可能である。
本発明の農園芸用植物病害防除剤は上記の施用形態により、糸状菌、細菌およびウィルスに起因する植物の病害を防除できる。
次に、具体的な病害を非限定例としてあげる。
キュウリべと病(Pseudoperonospora cubensis)、リンゴ黒星病(Venturia inaequalis)、キュウリうどんこ病(Sphaerotheca cucurbitae)、コムギうどんこ病(Erysiphe graminis)、コムギふ枯病菌(Septoria nodorum)、イネいもち病(Pyricularia oryzae)、キュウリ灰色かび病(Botrytis cinerea)、イネ紋枯病(Rhizoctonia solani)、コムギ赤さび病(Puccinia recondita)、キュウリ斑点細菌病(Pseudomonas syringe)、イネ白葉枯病(Xanthomonas oryzae)、イネもみ枯細菌病(Burkholderia glumae)、イネ苗立枯細菌病(Burkholderia plantarii)、イネ褐状病(Acidovorax avenae)、内穎褐変病(Erwinia ananas)
また、一般式[II]で表されるサッカリン誘導体も病害防除剤として有用である。
【実施例】
以下、本発明の農園芸用植物病害防除剤で用いる一般式[I]の誘導体及びその合成中間体の製造法、製剤法並びに用途を下記の実施例で詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。尚、以下の説明において「%」は重量百分率を示す。
【実施例1】
2−エトキシカルボニルアミノスルホニル安息香酸(化合物番号I−2)
2−エトキシカルボニル−1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オキソ−1,1−ジオキシド(3.5g)をテトラヒドロフラン(100mL)に溶解し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(70mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応溶液を水100mLに注加し、酢酸エチルで洗浄した。水溶液に10%塩酸を酸性になるまで加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた固体をn−ヘキサンで洗浄し、白色粉末(融点149−152℃以上)の目的物2.7gを得た。
【実施例2】
2−エトキシカルボニルアミノスルホニル安息香酸プロピル(化合物番号I−104)
プロピルアルコール(0.15g)をテトラヒドロフラン(15mL)に溶解し、60%水素化ナトリウム(0.1g)を加えた。この混合物を室温で1時間撹拌した後、2−エトキシカルボニル−1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オキソ−1,1−ジオキシド(0.6g)を加え、5時間加熱還流させた。反応液を冷却後、水50mL加え、酢酸エチルで洗浄した。水溶液に10%塩酸を酸性になるまで加え、析出物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮して得られた固体をn−ヘキサンで洗浄し、白色粉末(融点69−70℃)の目的物0.46gを得た。
【実施例3】
N−エトキシカルボニル−N−メトキシメチル−2−アリルオキシカルボニル)ベンゼンスルホンアミド(化合物番号I−145)
(1)2−エトキシカルボニルアミノスルホニル安息香酸アリル
アリルアルコール(8.89g)をN,N−ジメチルホルムアミド(200mL)に溶解し、55%水素化ナトリウム(6.68g)を加えた。この混合物を室温で1時間撹拌した後、2−エトキシカルボニル−1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オキソ−1,1−ジオキシド(37.2g)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に水500mL加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色粉末(融点78−80℃)の目的物15.5gを得た。
(2)N−エトキシカルボニル−N−メトキシメチル−2−アリルオキシカルボニル)ベンゼンスルホンアミド
2−エトキシカルボニルアミノスルホニル安息香酸アリル(10.0g)をN,N−ジメチルホルムアミド(100ml)に溶解し、55%水素化ナトリウム(1.39g)を加えた。この混合物を室温で30分間撹拌した後、クロロメチルメチルエーテル(2.83g)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に水200mL加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、無色アメ状物質の目的物10.98gを得た。
H−NMRデータ(CDCl/TMS δ(ppm)):1.16(3H,t)、3.51(3H,s)、4.15(2H,q)、4.84(2H,d)、5.26(2H,s)、5.33(1H,d)、5.43(1H,d)、6.02(1H,m)、7.64(3H,m)、8.31(1H,m)
【実施例4】
2−イソブチルオキシカルボニルアミノスルホニル安息香酸 カルシウム塩(化合物番号I−199)
(1)2−イソブチルオキシカルボニルアミノスルホニル安息香酸
2−イソブチルオキシカルボニル−1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オキソ−1,1−ジオキシド(22.0g)をテトラヒドロフラン(100mL)に溶解し、25%水酸化ナトリウム水溶液37.2gを加え、室温で2時間撹拌した。反応溶液を水200mLにあけ、酢酸エチルで洗浄した。この水溶液に10%塩酸を酸性になるまで加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮して得られた固体をイソプロピルエーテルで洗浄し、白色粉末(融点149−152℃以上)の目的物17.56gを得た。
(2)2−イソブチルオキシカルボニルアミノスルホニル安息香酸 カルシウム塩
2−イソブチルオキシカルボニルアミノスルホニル安息香酸(2.0g)をテトラヒドロフラン(50mL)に溶解し、水素化カルシウム0.27gを加え2日間加熱還流させた。反応液を冷却後、不溶物をロ別した。得られた個体をイソプロピルエーテルで洗浄し、さらにジエチルエーテル洗浄、ヘキサン洗浄して、灰色粉末(融点300℃以上)の目的物0.84gを得た。
H−NMRデータ(d−DMSO/TMS δ(ppm)):0.81(6H,d)、1.76(1H,m)、3.57(2H,d)、7.36(3H,m)、7.77(1H,d)
これらの方法に準じて製造した一般式[I]で表される本発明化合物の物性値を表8及び表9に示す。尚、表中の番号は表1〜表7に示した番号を表す。


本発明化合物のH−NMRデータ(CDCl/TMS δ(ppm)値)を以下に示す。
化合物番号I−47:1.17(3H,t),3.36(3H,s),4.15(2H,q),7.86(3H,m),8.29(1H,d),9.13(1H,br)
化合物番号I−111:0.91(3H,t),1.34(9H,m),1.71(2H,quin),3.10(2H,t),4.13(2H,q),7.70(2H,m),7.79(2H,m),8.26(1H,m)
化合物番号 I−129:1.17(3H,t),1.41(3H,t),3.36(3H,s),4.13(2H,q),4.42(2H,q),7.63(3H,m),8.26(1H,m)
化合物番号 I−131:0.91(3H,t),1.23(3H,t),1.39(6H,m),1.79(2H,quintet),4.14(2H,q),4.38(2H,t),7.68(2H,m),7.81(1H,m),8.20(1H,br),8.29(1H,m)
化合物番号I−142:1.22(3H,t),1.69(6H,s),4.13(2H,q),5.26(2H,m),6.23(1H,m),7.68(3H,m),8.04(1H,br),8.24(1H,d)
化合物番号I−143:1.17(3H,t),3.37(3H,s),4.14(2H,q),4.85(2H,d),5.38(2H,m),6.01(1H,m),7.63(3H,m),8.28(1H,d)
化合物番号I−144:1.15(3H,t),4.13(2H,q),4.41(2H,d),4.85(2H,d),5.35(2H,m),6.04(1H,m),7.63(3H,m),8.27(1H,d)
化合物番号I−145:1.16(3H,t),3.51(3H,s),4.15(2H,q),4.84(2H,d),5.26(2H,s),5.40(2H,m),6.03(1H,m),7.65(3H,m),8.31(1H,d)
化合物番号I−146:1.25(3H,t),4.25(2H,q),4.72(2H,s),4.85(2H,d),5.41(2H,m),6.02(1H,m),7.71(3H,m),8.35(1H,d)
化合物番号I−153:1.24(3H,t),2.16(1H,m),2.71(2H,m),4.15(2H,q),4.50(2H,t),7.70(2H,m),7.82(1H,m),8.31(1H,m),8.36(1H,br)
化合物番号I−157:1.15(3H,t),2.58(1H,m),4.14(2H,q),4.45(2H,d),4.94(2H,d),5.30(2H,m),6.04(1H,m),7.66(3H,m),8.28(1H,m)
化合物番号I−158:1.17(3H,t),2.57(1H,m),3.51(3H,s),4.16(2H,q),4.93(2H,d),5.28(2H,s),7.68(3H,m),8.32(1H,m)
化合物番号I−173:1.16(3H,t),3.33(3H,s),4.12(2H,q),5.38(2H,s),7.41(5H,m),7.62(3H,m),8.27(1H,m)
本発明化合物のH−NMRデータ(d−DMSO/TMS δ(ppm)値)を以下に示す。
化合物番号I−195:1.04(3H,t),3.80(2H,q),7.49(3H,br),7.75(1H,d)
化合物番号I−198:0.84(3H,t),1.33(4H,m),3.77(2H,t),7.48(3H,br),7.73(1H,m)
化合物番号I−199:0.81(6H,d),1.76(1H,m),3.57(2H,d),7.36(3H,m),7.77(1H,d)
化合物番号I−204:0.84(3H,t),1.21(6H,br),1.43(2H,m),3.76(2H,t),7.33(3H,m),7.76(1H,d)
化合物番号I−206:0.86(3H,t),1.25(10H,br),1.46(2H,m),3.77(2H,t),7.39(3H,m),7.77(1H,m)
化合物番号I−208:0.85(3H,t),1.22(14H,br),1.44(2h,m),3.76(2H,t),7.36(3H,m),7.77(1H,d)
次に本発明化合物の合成中間体(サッカリン誘導体[II])の具体例を表10及び表11に示す。


なお、上記の化合物、II−1からII−5、II−8からII−13、及びII−23からII−28の化合物は、植物病害防除剤として有用である。
次に本発明化合物の合成中間体(サッカリン誘導体[II])の製造例を示す。
<中間体例1>
2−エトキシカルボニル−1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オキソ−1,1−ジオキシド(化合物番号II−2)
サッカリン(4.0g)と炭酸水素ナトリウム(1.7g)をアセトニトリル(20mL)に溶解し、クロロ炭酸エチル(2.5g)を加えた。反応溶液を3時間加熱還流し、冷却後、水にあけ、酢酸エチルにて抽出した。抽出液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮して得られた固体をエタノールで再結晶し、白色粉末(融点132−134℃)の目的物5.5gを得た。
<中間体例2>
2−イソブチルオキシカルボニル−1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オキソ−1,1−ジオキシド(化合物番号11−9)
無水サッカリンナトリウム(22.6g)をアセトニトリル(200mL)に溶解し、クロロ炭酸イソブチル(15.0g)を加えた。反応溶液を5時間還流し、冷却後、水にあけ、クロロホルムで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮して得られた固体をイソプロピルエーテルで洗浄し、白色粉末(融点92−93℃)の目的物22.0gを得た。
次にこの方法に準じて製造した本発明化合物の合成中間体(サッカリン誘導体[II])の物性値を表12に示す。尚、表中の化合物番号は表10及び表11に示した化合物番号を示す。

<実施例5> 製剤例1 粉剤
化合物(I−1)2%、珪藻土5%及びクレ−93%を均一に混合粉砕して粉剤とした。また、化合物番号I−1に代えて、表1〜7に記載の化合物各々を用いて同様に粉剤を得ることができる。
<実施例6> 製剤例2 水和剤
化合物(I−2)50%、珪藻土45%、ジナフチルメタンジスルホン酸ナトリウム2%及びリグニンスルホン酸ナトリウム3%を均一に混合粉砕して水和剤とした。また、化合物番号I−2に代えて、表1〜7に記載の化合物各々を用いて同様に水和剤を得ることができる。
<実施例7> 製剤例3 乳剤
化合物(I−4)30%、シクロヘキサノン20%、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル11%、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム4%及びメチルナフタリン35%を均一に溶解して乳剤とした。また、化合物番号I−4に代えて、表1〜7に記載の化合物各々を用いて同様に乳剤を得ることができる。
<実施例8> 製剤例4 粒剤
化合物(I−5)24%、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩2%、リグニンスルホン酸ナトリウム5%、カルボキシメチルセルロース2%及びクレー67%を均一に混合粉砕する。この混合物に水20%を加えて練合し、押出式造粒機を用いて14〜32メッシュの粒状に加工したのち、乾燥して粒剤とした。また、化合物番号I−5に代えて、表1〜7に記載の化合物各々を用いて同様に粒剤を得ることができる。
<実施例9> 製剤例5 粒剤
化合物(I−6)26%、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.4%、α化でんぷん3%、クレー70.6%を高速撹拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて混練後、バスケット型造粒機を用い目開き径1.0mmのスクリーンより押出造粒し、造粒物を60℃で静置乾燥して基剤を得た。この基剤82%にアクリル樹脂6%、ウレタン樹脂3%、クレー9%を混合し、化合物(I−6)21.3質量%を含有する溶出制御粒剤を得た。また、化合物番号I−6に代えて、表1〜7に記載の化合物各々を用いて同様に粒剤を得ることができる。
次に、本発明の農園芸用植物病害防除剤の奏する効果について試験例をあげて具体的に説明する。
<試験例1> イネいもち病水面施用試験
直径9cmの白磁鉢に1.5葉期の水稲(品種:愛知旭)稚苗を3茎ずつ4カ所に移植し、温室内で育成した。2.5葉期に製剤例2に準じて調製した水和剤を有効成分濃度が10アールあたり1000gになるように鉢に水面施用処理をした。処理10日後に、イネいもち病菌(Pyricularia oryzae)の分生胞子懸濁液を噴霧接種し、直ちに25℃の湿室内に24時間入れた。その後、温室内に移し、接種5日後に各葉位の病斑数を調査した。数1により防除価を求め、表13の基準により評価した結果を表14及び表15に示した。




比較薬剤A:特許文献2記載の化合物番号2
<試験例2> イネいもち病育苗箱施用試験
イネ用の育苗箱(30cm×60cm×3cm)に人工培土を詰め、1箱当たりイネ(品種;愛知旭)の種籾180g(乾重量換算)を播種した。播種3週間後に、製剤例4に準じて調製した粒剤を有効成分が箱当り12gになるように育苗箱に均一に処理した。処理4時間後に、イネの幼苗5茎を育苗培土ごと分け取り、1/10000aワグネルポットに移植した。処理40日後に、イネいもち病菌(Pyricularia oryzae)の分生胞子懸濁液を噴霧接種し、直ちに25℃の湿室内に24時間入れた。その後、温室内に移し、接種6日後に接種時の各葉位の病斑数を調査した。数1により防除価を求め、表13の基準により評価した結果を表16に示した。

<試験例3> コムギうどんこ病防除効果試験直径6cmのプラスチックポット各々に、コムギ種子(品種:農林61号)を10粒ずつ播種し、温室内で育成した。2葉が展開したコムギ苗に、製剤例6に準じて調製した水和剤を、有効成分濃度が500ppmになるように水で希釈し、1ポット当り10ml散布した。処理7日後に、コムギうどんこ病菌(Erysiphe graminis)の分生胞子を振りかけて接種し、接種8日後に第1葉の発病面積を調査し、表17の基準により評価した結果を表18に示した。


【産業上の利用可能性】
本発明の農園芸用植物病害防除剤は、イネいもち病、コムギふ枯病、キュウリべと病などに対して高い防除効果を有し、しかも、作物に薬害を生ずることなく、残効性、耐雨性に優れるという特徴をも併せ持っているため、農園芸用植物病害防除剤として有用である。
なお、本発明の明細書の開示として、本出願の優先権主張の基礎となる日本特許特願2003−136654号(2003年5月15日に日本特許庁に出願)の全明細書の内容をここに引用し取り入れるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式[I]

{式中、
は水素原子、C−C12アルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−CアルコキシカルボニルC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基、フェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cアルキルチオ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又は同一若しくは相異なってよい酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択される1個以上のヘテロ原子を有する炭素数3ないし10の複素環基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、Rは水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、シアノC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又はC−CアルコキシC−Cアルキル基を示し、
Yはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はNRを示し、
及びRはそれぞれ独立に水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
nは0から4の整数を示し、
Xは酸素原子又は硫黄原子を示し、
Xが酸素原子のとき、Rは水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はフェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
Xが硫黄原子のとき、Rは水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はフェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示す。
但し、Xが酸素原子であり、RがC−Cアルキル基のとき、RはC−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、シアノC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換される。]である。}で表されるフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする農園芸用植物病害防除剤。
【請求項2】
一般式[Ia]

{式中、RはC−C12アルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−CアルコキシカルボニルC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基、フェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cアルキルチオ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又は同一若しくは相異なってよい酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択される1個以上のヘテロ原子を有する炭素数3ないし10の複素環基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
は水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、シアノC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又はC−CアルコキシC−Cアルキル基示し、
Yはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はNRを示し、
及びRはそれぞれ独立に水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
nは0から4の整数を示す}で表されるフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩。
【請求項3】
一般式[Ib]

{式中、RはC−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はフェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
は水素原子、C−C12アルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−CアルコキシカルボニルC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基、フェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cアルキルチオ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又は同一若しくは相異なってよい酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択される1個以上のヘテロ原子を有する炭素数3ないし10の複素環基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
は水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、シアノC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又はC−CアルコキシC−Cアルキル基示し、
Yはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はNRを示し、
及びRはそれぞれ独立に水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
nは0から4の整数を示す}で表されるフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩。
【請求項4】
一般式[Ib]

{式中、RはC−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はフェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
は水素原子、C−C12アルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−CアルコキシカルボニルC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基、フェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cアルキルチオ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又は同一若しくは相異なってよい酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択される1個以上のヘテロ原子を有する炭素数3ないし10の複素環基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
は水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、シアノC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又はC−CアルコキシC−Cアルキル基示し、
Yはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はNRを示し、
及びRはそれぞれ独立に水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
nは0から4の整数を示す}で表されるフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩。
【請求項5】
一般式[Ib]

{式中、RはC−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はフェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
は水素原子、C−C12アルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−CアルコキシカルボニルC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基、フェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cアルキルチオ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又は同一若しくは相異なってよい酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択される1個以上のヘテロ原子を有する炭素数3ないし10の複素環基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
はC−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、シアノC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又はC−CアルコキシC−Cアルキル基示し、
Yはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はNRを示し、
及びRはそれぞれ独立に水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
nは0から4の整数を示す}で表されるフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩。
【請求項6】
一般式[Ib]

{式中、RはC−Cシクロアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はフェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
は水素原子、C−C12アルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−CアルコキシカルボニルC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基、フェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cアルキルチオ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又は同一若しくは相異なってよい酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択される1個以上のヘテロ原子を有する炭素数3ないし10の複素環基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
は水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、シアノC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又はC−CアルコキシC−Cアルキル基を示し、
Yはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はNRを示し、
及びRはそれぞれ独立に水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
nは0から4の整数を示す}で表されるフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩。
【請求項7】
一般式[Ic]

{式中、RはC−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はフェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
はC−C12アルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−CアルコキシカルボニルC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基、フェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cアルキルチオ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又は同一若しくは相異なってよい酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択される1個以上のヘテロ原子を有する炭素数3ないし10の複素環基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
は水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、シアノC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又はC−CアルコキシC−Cアルキル基示し、
Yはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はNRを示し、
及びRはそれぞれ独立に水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
nは0から4の整数を示す}で表されるフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩。
【請求項8】
一般式[Ic]

{式中、RはC−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はフェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
はC−C12アルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−CアルコキシカルボニルC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]、C−CアルコキシC−Cアルキル基、フェニル基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cアルキルチオ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又は同一若しくは相異なってよい酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択される1個以上のヘテロ原子を有する炭素数3ないし10の複素環基[該基は、1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]を示し、
は水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cハロアルキル基、シアノC−Cアルキル基、ベンジル基[該基は、い1〜5個の、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基又はシアノ基で置換されていてもよい。]又はC−CアルコキシC−Cアルキル基示し、
Yはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、C−Cハロアルコキシ基、C−CアルコキシC−Cアルキル基又はNRを示し、
及びRはそれぞれ独立に水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
nは0から4の整数を示す}で表されるフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩。
【請求項9】
請求項2〜8のいずれかに記載のフェニルスルホニルカーバメイト誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする農園芸用植物病害防除剤。
【請求項10】
一般式[II]

(式中、R、n及びYは前記と同じ意味を示す。)
で表される化合物を塩基性条件下で加水分解させ、酸性化することを特徴とする一般式[Id]

(式中、R、n及びYは前記と同じ意味を示す。)
で表されるスルホニルカーバメイト誘導体の製造法。

【国際公開番号】WO2004/108662
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【発行日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−506737(P2005−506737)
【国際出願番号】PCT/JP2004/006807
【国際出願日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(000000169)クミアイ化学工業株式会社 (86)
【Fターム(参考)】