説明

フェニルボロン酸エステル類の製造方法

【課題】ジボロン類とハロゲン化アリール類から、ニッケル触媒および塩基を用いて、収率良くフェニルボロン酸エステル類を製造する方法を提供する。
【解決手段】トリメチルホスフィン配位ニッケル触媒およびアルコキシド類を用いてジボロン類とクロロベンゼン誘導体を反応させて、一般式(3)


(式中、Aはメチル基で置換されていてもよいエチレン基等を、Rはフッ素原子等を、mは0〜5の整数を表す。)で表されるフェニルボロン酸エステル類を製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェニルボロン酸エステル類の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フェニルボロン酸エステル類は、医薬品や農薬などの生理活性物質、液晶や有機EL素子等の電子材料の製造中間体として工業的に有用な化合物である。ホウ素化合物とハロゲン化アリール類からフェニルボロン酸エステル類を製造する方法として、ニッケル触媒を用いる例は、これまでに2例が知られているのみである。特許文献1には、ジボロン類とハロゲン化アリール類を、トリフェニルホスフィン配位ニッケル触媒とアミン類の存在下に反応させる方法が開示されている。また、非特許文献1および2には、アルコキシボランとハロゲン化アリール類を、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンまたはジフェニルホスフィノプロパン配位ニッケル触媒とアミン類の存在下に反応させる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2010/110782号パンフレット
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】The Journal of Organic Chemistry,75巻,5438−5452ページ,2010年.
【非特許文献2】The Journal of Organic Chemistry,75巻,7822−7828ページ,2010年.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の方法は、アルキル基やアミノ基等の官能基をもつハロゲン化アリール類を基質として用いると、目的物の収率が各々60%、40%に留まっている。また、酢酸カリウムのような無機塩基を用いると、目的物が得られないことが記載されている。非特許文献1および2に記載の方法は、アルコキシボランを原料に用いているため、これと反応する可能性のあるアルケニル基やアミノ基等をもつフェニルボロン酸エステル類の製造例が明記されていない。
【0006】
本発明は、ジボロン類と種々の官能基をもっていてもよいハロゲン化アリール類から、ニッケル触媒および塩基を用いて、収率良くフェニルボロン酸エステル類を製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を鑑み鋭意検討を重ねた結果、トリメチルホスフィン配位ニッケル触媒およびアルコキシド類の存在下で、ジボロン類とクロロベンゼン誘導体から、種々の官能基をもっていてもよいフェニルボロン酸エステル類を収率良く製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、一般式(1)
【0009】
【化1】

(式中、Aは、メチル基で置換されていてもよいエチレン基またはトリメチレン基を表す。)で表されるジボロン類と、一般式(2)
【0010】
【化2】

(式中、Rは、フッ素原子;フッ素原子または炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基;(炭素数1〜4のアルコキシ)カルボニル基;塩素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基;炭素数2〜4のアルケニル基;炭素数2〜9のアシル基で置換されていてもよいアミノ基;炭素数2〜9のアシル基;モルホリノ基;フェニルカルボニル基;シアノ基;カルバモイル基;2,3−ジヒドロ−1H−ナフト[1,8−デ]−1,3,2−ジアゾボリニル基を表す。隣接するR同士は、結合する炭素と一体となって、芳香族炭化水素環を形成してもよい。mは、0〜5の整数を表す。mが2〜5のとき、Rは、同一または相異なっていてもよい。)で表されるクロロベンゼン誘導体を反応させて、一般式(3)
【0011】
【化3】

(式中、A、Rおよびmは、前記と同じ内容を表す。)で表されるフェニルボロン酸エステル類を製造する方法において、トリメチルホスフィン配位ニッケル触媒および一般式(4)
【0012】
【化4】

(式中、Rは、水素原子またはフッ素原子を表す。RおよびRは、各々独立に、水素原子またはメチル基を表す。Mは、アルカリ金属原子を表す。nは、1〜11の整数を表す。)で表されるアルコキシド類を用いることを特徴とするフェニルボロン酸エステル類の製造方法に関するものである。
【0013】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0014】
はじめに、本発明のジボロン類(1)、クロロベンゼン誘導体(2)およびフェニルボロン酸エステル類(3)について説明する。
【0015】
Aで表される、メチル基で置換されていてもよいエチレン基またはトリメチレン基としては、具体的には、エチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1,1,2,2−テトラメチルエチレン基、トリメチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基、1,1,3−トリメチルトリメチレン基等を例示することができる。収率が良い点で、1,1,2,2−テトラメチルエチレン基または1,1,3−トリメチルトリメチレン基が好ましい。
ジボロン類(1)は、市販品を用いることもできるが、Organic Synthesis、77巻、176ページ、2000年に記載の、テトラキス(ジメチルアミド)ジボロンと対応するジオールを用いる方法またはそれに準じた方法により調製することができる。
【0016】
で表されるフッ素原子または炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基は、直鎖または分岐のいずれでもよく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル基、1−メトキシエチル基、1−メトキシプロピル基、1−メトキシブチル基、ジメトキシメチル基、ジエトキシメチル基等が例示できる。
【0017】
で表される(炭素数1〜4のアルコキシ)カルボニル基は、直鎖または分岐のいずれでもよく、具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基を例示することができる。
【0018】
で表される塩素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基は、直鎖または分岐のいずれでもよく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、2−クロロエトキシ基、2−クロロプロポキシ基、3−クロロプロポキシ基、2−クロロブトキシ基、3−クロロブトキシ基、4−クロロブトキシ基等が例示できる。
【0019】
で表される炭素数2〜4のアルケニル基は、直鎖または分岐のいずれでもよく、具体的には、ビニル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基等が例示できる。
【0020】
で表される炭素数2〜9のアシル基で置換されていてもよいアミノ基としては、具体的には、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、イソプロピオニルアミノ、ブチリルアミノ基、イソブチリルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ヘキサノイルアミノ基、オクタノイルアミノ基等が例示できる。
【0021】
で表される炭素数2〜9のアシル基とは、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、イソプロピオニル基、シクロプロパンカルボニル基、ブチリル基、イソブチリル基、シクロブタンカルボニル基、ピバロイル基、シクロペンタンカルボニル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オクタノイル基、シクロオクタンカルボニル基等が例示できる。
【0022】
また、隣接するR同士は、結合する炭素原子と一体となって、フェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素環を形成してもよい。
【0023】
次に本発明の製造方法について説明する。
【0024】
本発明の製造方法は、トリメチルホスフィン配位ニッケル触媒の存在下で行うことが必須である。用いることのできるトリメチルホスフィン配位ニッケル触媒として、ジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル、ジブロモビス(トリメチルホスフィン)ニッケル、ジヨードビス(トリメチルホスフィン)ニッケル、ベンゾニトリルビス(トリメチルホスフィン)ニッケル、(ベンゾニトリル)(1,5−シクロオクタジエン)ビス(トリメチルホスフィン)ニッケル、ジメチルビス(トリメチルホスフィン)ニッケル、プロピレンビス(トリメチルホスフィン)ニッケル、クロロヒドリドビス(トリメチルホスフィン)ニッケル、(η−アリル)ブロモ(トリメチルホスフィン)ニッケル、(η−シクロペンタジエニル)メチル(トリメチルホスフィン)ニッケル等を例示することができる。収率が良い点で、ジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケルが好ましい。
【0025】
また、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、酢酸ニッケル、硝酸ニッケル、π−アリルニッケルクロリドダイマー、ビス(アセチルアセトナト)ニッケル、ニッケロセン、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル等のニッケル化合物とトリメチルホスフィンを組み合わせて使用して、反応溶液中で、トリメチルホスフィン配位ニッケル触媒を発生させてもよい。収率が良い点で、ニッケル化合物として、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケルまたはニッケロセンが好ましい。ニッケル化合物とトリメチルホスフィンのモル比は、1:0.2〜1:5が収率が良い点で好ましく、さらに好ましくは1:0.5〜1:3が良い。
【0026】
製造に用いる際のトリメチルホスフィン配位ニッケル触媒とクロロベンゼン誘導体(2)の比に、特に制限はないが、収率が良い点で、1:2000〜1:2が好ましく、1:200〜1:5がさらに好ましい。
【0027】
本発明の製造方法では、アルコキシド類(4)の存在下で行うことが必須である。用いることのできるアルコキシド類としてカリウム2,2,2−トリフルオロエトキシド、ルビジウム2,2,2−トリフルオロエトキシド、セシウム2,2,2−トリフルオロエトキシド、カリウム2,2−ジフルオロエトキシド、ルビジウム2,2−ジフルオロエトキシド、セシウム2,2−ジフルオロエトキシド、カリウム(1,1,1−トリフルオロ−2−メチルプロパン−2−イル)オキシド、ルビジウム(1,1,1−トリフルオロ−2−メチルプロパン−2−イル)オキシド、セシウム(1,1,1−トリフルオロ−2−メチルプロパン−2−イル)オキシド等が例示できる。
【0028】
また、カリウム2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシド、ルビジウム2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシド、セシウム2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシド、カリウム2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシド、ルビジウム2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシド、セシウム2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシド、カリウム2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチルオキシド、ルビジウム2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチルオキシド、セシウム2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチルオキシド、カリウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルオキシド、ルビジウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルオキシド、セシウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルオキシド等が例示できる。
【0029】
また、カリウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチルオキシド、ルビジウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチルオキシド、セシウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチルオキシド、カリウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルオキシド、ルビジウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルオキシド、セシウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルオキシド、カリウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘプタデカフルオロノニルオキシド、ルビジウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘプタデカフルオロノニルオキシド、セシウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘプタデカフルオロノニルオキシド等が例示できる。
【0030】
また、カリウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシルオキシド、ルビジウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシルオキシド、セシウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシルオキシド、カリウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘニコサフルオロウンデシルオキシド、ルビジウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘニコサフルオロウンデシルオキシド、セシウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘニコサフルオロウンデシルオキシド等が例示できる。
【0031】
また、カリウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−トリコサフルオロドデシルオキシド、ルビジウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−トリコサフルオロドデシルオキシド、セシウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−トリコサフルオロドデシルオキシド、カリウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,13−ペンタコサフルオロトリデシルオキシド、ルビジウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,13−ペンタコサフルオロトリデシルオキシド、セシウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,13−ペンタコサフルオロトリデシルオキシド等が例示できる。
【0032】
また、カリウム2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシド、ルビジウム2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシド、セシウム2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシド、カリウム2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブトキシド、ルビジウム2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブトキシド、セシウム2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブトキシド、カリウム2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルオキシド、ルビジウム2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルオキシド、セシウム2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルオキシド、カリウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロヘキシルオキシド、ルビジウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロヘキシルオキシド、セシウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロヘキシルオキシド等が例示できる。
【0033】
また、カリウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチルオキシド、ルビジウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチルオキシド、セシウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチルオキシド、カリウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカフルオロオクチルオキシド、ルビジウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカフルオロオクチルオキシド、セシウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカフルオロオクチルオキシド、カリウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロノニルオキシド、ルビジウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロノニルオキシド、セシウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロノニルオキシド等が例示できる。
【0034】
また、カリウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−オクタデカフルオロウンデシルオキシド、ルビジウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−オクタデカフルオロウンデシルオキシド、セシウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−オクタデカフルオロウンデシルオキシド、カリウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11−エイコサフルオロウンデシルオキシド、ルビジウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11−エイコサフルオロウンデシルオキシド、セシウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11−エイコサフルオロウンデシルオキシド等が例示できる。
【0035】
また、カリウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12−ドコサフルオロドデシルオキシド、ルビジウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12−ドコサフルオロドデシルオキシド、セシウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12−ドコサフルオロドデシルオキシド、カリウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13−テトラコサフルオロトリデシルオキシド、ルビジウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13−テトラコサフルオロトリデシルオキシド、セシウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13−テトラコサフルオロトリデシルオキシド等が例示できる。
【0036】
収率が良い点で、カリウム2,2,2−トリフルオロエトキシド、ルビジウム2,2,2−トリフルオロエトキシド、セシウム2,2,2−トリフルオロエトキシド、セシウム2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチルオキシドが好ましい。
【0037】
アルコキシド類(4)は、例えば中国特許出願公開第101318879号明細書に記載の方法、またはそれに準じた方法により調製することができる。
【0038】
製造に用いる際のアルコキシド類(4)とクロロベンゼン誘導体(2)の比に、特に制限はないが、収率が良い点で、1:0.1〜1:10が好ましく、1:0.3〜1:2がさらに好ましい。
【0039】
また、アルコキシド類(4)は、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2−ジフルオロエタノール、1,1,1−トリフルオロ−2−メチルプロパン−2−オール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブタノール、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンタノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキサノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプタノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクタノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘプタデカフルオロノナノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデカノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘニコサフルオロウンデカノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−トリコサフルオロドデカノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,13−ペンタコサフルオロトリデカノール、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブタノール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンタノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロヘキサノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプタノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカフルオロオクタノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロノナノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−オクタデカフルオロウンデカノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11−エイコサフルオロウンデカノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12−ドコサフルオロドデカノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13−テトラコサフルオロトリデカノール等のアルコール類と、アルカリ金属塩基を系中で反応させて発生させてもよい。
【0040】
またアルコキシド類(4)は、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン、エチルジメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン、ジエチルメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン、トリエチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン、トリプロピル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン、トリブチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン、tert−ブチルジメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン、(2,2−ジフルオロエトキシ)トリメチルシラン、トリメチル[(1,1,1−トリフルオロ−2−メチルプロパン−2−イル)オキシ]シラン、トリメチル(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ)シラン、(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシ)トリメチルシラン、トリメチル(2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチルオキシ)シラン、トリメチル(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルオキシ)シラン、トリメチル(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチルオキシ)シラン、トリメチル(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルオキシ)シラン、(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘプタデカフルオロノニルオキシ)トリメチルシラン、トリメチル(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシルオキシ)シラン、(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘニコサフルオロウンデシルオキシ)トリメチルシラン、トリメチル(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−トリコサフルオロドデシルオキシ)シラン、トリメチル(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,13−ペンタコサフルオロトリデシルオキシ)シラン、トリメチル(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)シラン、(2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブトキシ)トリメチルシラン、トリメチル(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルオキシ)シラン、(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロヘキシルオキシ)トリメチルシラン、(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチルオキシ)トリメチルシラン、トリメチル(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカフルオロオクチルオキシ)シラン、(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロノニルオキシ)トリメチルシラン、トリメチル(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−オクタデカフルオロウンデシルオキシ)シラン、(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11−エイコサフルオロウンデシルオキシ)トリメチルシラン、(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12−ドコサフルオロドデシルオキシ)トリメチルシラン、トリメチル(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13−テトラコサフルオロトリデシルオキシ)シラン等のアルコキシ(トリアルキル)シラン類と、
アルカリ金属塩基を系中で反応させて発生させても良い。
【0041】
用いることのできるアルカリ金属塩基としては、具体的には、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、フッ化セシウム等のフッ化物塩、リン酸カリウム、リン酸ルビジウム等のリン酸塩、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム等の炭酸塩等が例示できる。
【0042】
収率が良い点で、アルコール類としては、2,2,2−トリフルオロエタノールまたは2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプタノールが、アルコキシ(トリアルキル)シラン類としては、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シランが好ましい。
【0043】
使用する際のこれらのアルコール類またはアルコキシ(トリアルキル)シラン類とアルカリ金属塩基の比に、特に制限はないが、1:0.3〜1:10が収率が良い点で好ましく、さらに好ましくは1:0.5〜1:5が良い。
【0044】
アルコキシ(トリアルキル)シラン類は、対応するトリアルキルシリルクロリドと前記のアルコール類から、例えばJournal of Fluorine Chemistry,128巻,110−113ページ,2007年に記載の方法、またはそれに準じた方法により調製することができる。
【0045】
本発明の製造方法は有機溶媒中で実施することができ、反応に害を及ぼす恐れのない有機溶媒であればよい。用いることのできる溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン、メチル−tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、ペンタン、キシレン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒等を例示することができ、上記の溶媒のうち2種類以上を混合してもよい。収率が良い点で、エーテル系溶媒、炭化水素系溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、トルエン、ヘキサンがさらに好ましい。
【0046】
本発明の製造方法は、0℃〜200℃の温度から適宜選ばれた温度で実施することができる。収率が良い点で、30℃〜150℃の温度から適宜選ばれた温度が好ましい。
【0047】
反応の際の雰囲気は、アルゴン、窒素等の不活性ガスが望ましいが、空気中でも十分に進行する。
【0048】
反応後の溶液からフェニルボロン酸エステル類(3)を単離する方法に特に限定はないが、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー、蒸留、再結晶または昇華等の汎用的な方法で目的物を得ることができる。
【発明の効果】
【0049】
本発明は、医薬品や農薬などの生理活性物質、液晶や有機EL素子などの電子材料の製造中間体として有用なフェニルボロン酸エステル類を収率良く製造する方法として有効である。
【実施例】
【0050】
次に本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0051】
実施例−1
【0052】
【化5】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル7.0mg(0.025mmol)、4−クロロアニソール70.6mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で2時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出した。得られた有機相を、ガスクロマトグラフィーを用いて分析することにより、目的物の生成を確認した(GC収率97%)。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=16:4:0〜16:4:1)を用いて精製することにより、2−(4−メトキシフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン107mg(無色液体、収率93%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.75(d,J=8.6Hz,2H),6.89(d,J=8.6Hz,2H),3.81(s,3H),1.33(s,12H)。
【0053】
実施例−2
トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シランに替えてトリメチル(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチルオキシ)シラン424mg(1.05mmol)を用いた以外は全て実施例−1と同じ操作を行い、ガスクロマトグラフィーを用いて分析することにより、目的物の生成を確認した(GC収率95%)。
【0054】
実施例−3
アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル4.2mg(0.015mmol)、4−クロロアニソール70.6mg(0.5mol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mL、酢酸エチル8mLを加えた後、ガスクロマトグラフィーを用いて分析することにより、2−(4−メトキシフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの生成を確認した(GC収率98%)。
【0055】
実施例−4
フッ化セシウムに替えてリン酸カリウム212mg(1.0mmol)を用いた以外は全て実施例−3と同じ操作を行い、ガスクロマトグラフィーを用いて分析することにより、目的物の生成を確認した(GC収率78%)。
【0056】
比較例−1
ジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケルに替えてジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル9.8mg(0.015mmol)を用いた以外は全て実施例−3と同じ操作を行い、ガスクロマトグラフィーを用いて分析することにより、目的物の生成を確認した(GC収率49%)。
【0057】
実施例−5
トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シランに替えて(2,2−ジフルオロエトキシ)トリメチルシラン162mg(1.05mmol)を用いた以外は全て実施例−3と同じ操作を行い、ガスクロマトグラフィーを用いて分析することにより、目的物の生成を確認した(GC収率97%)。
【0058】
実施例−6
トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シランに替えて[(1,1,1−トリフルオロ−2−メチルプロパン−2−イル)オキシ]トリメチルシラン210mg(1.05mmol)を用いた以外は全て実施例−3と同じ操作を行い、ガスクロマトグラフィーを用いて分析することにより、目的物の生成を確認した(GC収率87%)。
【0059】
実施例−7
フッ化セシウムに替えてフッ化ルビジウム104mg(1.0mmol)を用いた以外は全て実施例−3と同じ操作を行い、ガスクロマトグラフィーを用いて分析することにより、目的物の生成を確認した(GC収率87%)。
【0060】
実施例−8
フッ化セシウムに替えてフッ化カリウム58.1mg(1.0mmol)、テトラヒドロフランに替えて1,4−ジオキサン0.5mLを用いた以外は全て実施例−3と同じ操作を行い、ガスクロマトグラフィーを用いて分析することにより、目的物の生成を確認した(GC収率90%)。
【0061】
実施例−9
【0062】
【化6】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル14.0mg(0.05mmol)、4−クロロアニソール70.6mg(0.5mmol)、カリウム2,2,2−トリフルオロエトキシド138mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)およびトルエン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出した。得られた有機相を、ガスクロマトグラフィーを用いて分析することにより、目的物の生成を確認した(GC収率86%)。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=16:4:0〜16:4:1)を用いて精製することにより、2−(4−メトキシフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン93mg(無色液体、収率79%)を得た。
【0063】
比較例−2
カリウム2,2,2−トリフルオロエトキシドに替えてトリエチルアミン153mg(1.5mmol)を用いた以外は全て実施例−9と同じ操作を行い、ガスクロマトグラフィーを用いて分析することにより、目的物の生成を確認できなかった。
【0064】
実施例−10
【0065】
【化7】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル1.4mg(0.005mmol)、4−クロロ安息香酸メチル85.0mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=16:4:0〜16:4:1)を用いて精製することにより、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチル129mg(白色固体、収率99%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ8.02(d,J=8.3Hz,2H),7.87(d,J=8.3Hz,2H),3.92(s,3H),1.36(s,12H)。
【0066】
実施例−11
テトラヒドロフランに替えてトルエン0.5mLを用いた以外は全て実施例−10と同じ操作を行い、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチル119mg(白色固体、収率90%)を得た。
【0067】
実施例−12
アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル1.4mg(0.005mmol)、4−クロロ安息香酸メチル85.0mg(0.5mmol)、カリウム2,2,2−トリフルオロエトキシド138mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)およびトルエン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mL、酢酸エチル8mLを加えた後、ガスクロマトグラフィーを用いて分析することにより、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成を確認した(GC収率88%)。
【0068】
比較例−3
ジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケルに替えてジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル32.7mg(0.05mmol)を用いた以外は全て実施例−12と同じ操作を行い、ガスクロマトグラフィーを用いて分析することにより、目的物の生成を確認した(GC収率42%)。
【0069】
比較例−4
ジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケルに替えてジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ニッケル34.2mg(0.05mmol)を用いた以外は全て実施例−12と同じ操作を行い、ガスクロマトグラフィーを用いて分析することにより、目的物の生成を確認した(GC収率35%)。
【0070】
比較例−5
ジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケルに替えてジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル27.1mg(0.05mmol)を用いた以外は全て実施例−12と同じ操作を行い、ガスクロマトグラフィーを用いて分析することにより、目的物の生成を確認した(GC収率31%)。
【0071】
比較例−6
ジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケルに替えてジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ニッケル34.5mg(0.05mmol)を用いた以外は全て実施例−12と同じ操作を行い、ガスクロマトグラフィーを用いて分析することにより、目的物の生成を確認した(GC収率49%)。
【0072】
実施例−13
ジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケルに替えてビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル1.4mg(0.005mmol)およびトリメチルホスフィン0.8mg(0.01mmol)を用いた以外は全て実施例−12と同じ操作を行い、ガスクロマトグラフィーを用いて分析することにより、目的物の生成を確認した(GC収率92%)。
【0073】
実施例−14
ジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケルに替えてニッケロセン0.9mg(0.005mmol)およびトリメチルホスフィン0.8mg(0.01mmol)を用いた以外は全て実施例−12と同じ操作を行い、ガスクロマトグラフィーを用いて分析することにより、目的物の生成を確認した(GC収率74%)。
【0074】
実施例−15
アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル1.4mg(0.005mmol)、4−クロロ安息香酸メチル85.0mg(0.5mmol)、カリウム2,2,2−トリフルオロエトキシド138mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)およびヘキサン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=16:4:0〜16:4:1)を用いて精製することにより、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチル105mg(白色固体、収率79%)を得た。
【0075】
実施例−16
【0076】
【化8】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル14.0mg(0.05mmol)、2−クロロアニソール71.0mg(0.5mmol)、カリウム2,2,2−トリフルオロエトキシド138mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)165mg(0.65mmol)およびトルエン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=16:4:0〜16:4:1)を用いて精製することにより、2−(2−メトキシフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン89mg(白色固体、収率76%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.68(dd,J=1.8Hz,7.3Hz,1H),7.39(ddd,J=1.8Hz,7.3Hz,8.3Hz,1H),6.94(dd,J=7.3Hz,7.3Hz,1H),6.85(d,J=8.3Hz,1H),3.83(s,3H),1.35(s,12H)。
【0077】
実施例−17
【0078】
【化9】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル2.8mg(0.01mmol)、3−クロロアニソール70.7mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=16:4:0〜16:4:1)を用いて精製することにより、2−(3−メトキシフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン94mg(無色液体、収率81%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.40(dd,J=0.9Hz,7.2Hz,1H),7.33−7.27(m,2H),7.00(ddd,J=0.9Hz,1.8Hz,8.2Hz,1H),3.82(s,3H),1.34(s,12H)。
【0079】
実施例−18
【0080】
【化10】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル4.2mg(0.015mmol)、4−tert−ブトキシ−1−クロロベンゼン91.8mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=16:4:0〜16:4:1)を用いて精製することにより、2−(4−tert−ブトキシフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン115mg(白色固体、収率84%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.72(d,J=8.4Hz,2H),6.99(d,J=8.4Hz,2H),1.36(s,9H),1.33(s,12H)。
【0081】
実施例−19
【0082】
【化11】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル4.2mg(0.015mmol)、1−クロロ−4−(4−クロロブトキシ)ベンゼン110mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=16:4:0〜16:4:1)を用いて精製することにより、2−[4−(4−クロロブトキシ)フェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン122mg(無色液体、収率78%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.74(d,J=8.7Hz,2H),6.88(d,J=8.7Hz,2H),4.02(t,J=5.8Hz,2H),3.62(t,J=6.2Hz,2H),2.02−1.91(m,4H),1.33(s,12H)。
【0083】
実施例−20
【0084】
【化12】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル7.0mg(0.025mmol)、2−クロロ安息香酸エチル91.4mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で2時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=16:4:0〜16:4:1)を用いて精製することにより、2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸エチル107mg(白色固体、収率78%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.93(ddd,J=0.8Hz,0.8Hz,7.8Hz,1H),7.51−7.48(m,2H),7.40(ddd,J=3.4Hz,5.3Hz,7.8Hz,1H),4.38(q,J=7.2Hz,2H),1.42(s,12H),1.38(t,J=7.2Hz,3H)。
【0085】
実施例−21
【0086】
【化13】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル2.8mg(0.01mmol)、(4−クロロフェニル)メチルケトン76.5mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=16:4:0〜16:4:1)を用いて精製することにより、メチル[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ケトン99mg(白色固体、収率81%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.93(d,J=8.4Hz,2H),7.89(d,J=8.4Hz,2H),2.62(s,3H),1.36(s,12H)。
【0087】
実施例−22
【0088】
【化14】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル1.4mg(0.005mmol)、(4−クロロフェニル)フェニルケトン108mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=16:4:0〜16:4:1)を用いて精製することにより、フェニル[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ケトン112mg(白色固体、収率73%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.92(d,J=8.2Hz,2H),7.81−7.76(m,4H),7.59(dd,J=7.4Hz,7.4Hz,1H),7.48(dd,J=7.4Hz,7.4Hz,2H),1.37(s,12H)。
【0089】
実施例−23
【0090】
【化15】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル4.2mg(0.015mmol)、(2−クロロフェニル)シクロペンチルケトン101mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=16:4:0〜16:4:1)を用いて精製することにより、シクロペンチル[2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)]フェニルケトン107mg(無色液体、収率73%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.78(d,J=7.2Hz,1H),7.52(ddd,J=0.8Hz,1.7Hz,7.2Hz,1H),7.49(ddd,J=0.8Hz,7.2Hz,7.2Hz,1H),7.39(ddd,J=1.7Hz,7.2Hz,7.2Hz,1H),3.65(ddd,J=7.2Hz,8.4Hz,15.7Hz,1H),2.00−1.86(m,4H),1.77−1.57(m,4H),1.42(s,12H)。
【0091】
実施例−24
【0092】
【化16】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル1.4mg(0.005mmol)、4−クロロベンズアミド77.4mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)および1,4−ジオキサン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=4:1:0〜4:1:1)を用いて精製することにより、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアミド92mg(白色固体、収率75%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.88(d,J=8.2Hz,2H),7.80(d,J=8.2Hz,2H),6.21(s,2H),1.36(s,12H)。
【0093】
実施例−25
【0094】
【化17】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル4.2mg(0.015mmol)、4−ブチル−1−クロロベンゼン83.5mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=16:4:0〜16:4:1)を用いて精製することにより、2−(4−ブチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン93mg(白色固体、収率72%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.72(d,J=8.0Hz,2H),7.19(d,J=8.0Hz,2H),2.62(t,J=7.6Hz,2H),1.62−1.57(m,2H),1.39−1.28(m,2H),1.33(s,12H),0.91(t,J=7.3Hz,3H)。
【0095】
実施例−26
【0096】
【化18】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル4.2mg(0.015mmol)、4−tert−ブチル−1−クロロベンゼン83.8mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=16:4:0〜16:4:1)を用いて精製することにより、2−(4−tert−ブチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン93mg(白色固体、収率72%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.76(d,J=8.2Hz,2H),7.40(d,J=8.2Hz,2H),1.33(s,12H),1.32(s,9H)。
【0097】
実施例−27
【0098】
【化19】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル2.8mg(0.01mmol)、2−クロロベンゾトリフルオリド89.6mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=16:4:0〜16:4:1)を用いて精製することにより、4,4,5,5−テトラメチル−2−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3,2−ジオキサボロラン119mg(無色液体、収率88%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.73−7.64(m,2H),7.53−7.47(m,2H),1.37(s,12H).
19F−NMR(CDCl,376MHz)δ−59.7(s,3F)。
【0099】
実施例−28
【0100】
【化20】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル4.2mg(0.015mmol)、1−クロロ−4−(ジエトキシメチル)ベンゼン108.6mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=16:4:0〜16:4:1)を用いて精製することにより、2−[4−(ジエトキシメチル)フェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン127mg(無色液体、収率82%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.81(d,J=8.0Hz,2H),7.48(d,J=8.0Hz,2H),5.52(s,1H),3.63−3.49(m,4H),1.34(s,12H),1.23(t,J=7.0Hz,6H)。
【0101】
実施例−29
【0102】
【化21】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル2.8mg(0.01mmol)、5−クロロ−2−フルオロトルエン72.4mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=16:4:0〜16:4:1)を用いて精製することにより、2−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン104mg(無色液体、収率88%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.66−7.59(m,2H),6.99(dd,J=8.1Hz,10.0Hz,1H),2.27(d,J=1.8Hz,3H),1.33(s,12H).
19F−NMR(CDCl,376MHz)δ−112.9(s,1F)。
【0103】
実施例−30
【0104】
【化22】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル4.2mg(0.015mmol)、1−クロロ−4−イソプロペニルベンゼン74.7mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=16:4:0〜16:4:1)を用いて精製することにより、4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−イソプロペニルフェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン94mg(無色液体、収率79%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.77(d,J=8.3Hz,2H),7.46(d,J=8.3Hz,2H),5.41(dd,J=0.8Hz,1.5Hz,1H),5.11(dd,J=1.5Hz,1.5Hz,1H),2.15(dd,J=0.8Hz,1.5Hz,3H),1.33(s,12H)。
【0105】
実施例−31
【0106】
【化23】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル4.2mg(0.015mmol)、5−クロロ−2−フルオロアニリン72.8mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=4:1:0〜4:1:1)を用いて精製することにより、2−フルオロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン96mg(淡黄色液体、収率81%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.23(dd,J=1.6Hz,9.6Hz,1H),7.16(ddd,J=1.6Hz,5.3Hz,8.0Hz,1H),6.97(dd,8.0Hz,11.3Hz,1H),3.68(s,2H),1.33(s,12H).
19F−NMR(CDCl,376MHz)δ−130.9(s,1F)。
【0107】
実施例−32
【0108】
【化24】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル4.2mg(0.015mmol)、4−(4−クロロフェニル)モルホリン98.4mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=4:1:0〜4:1:1)を用いて精製することにより、4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]モルホリン123mg(白色固体、収率86%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.72(d,J=8.6Hz,2H),6.87(d,J=8.6Hz,2H),3.84(t,J=4.8Hz,4H),3.21(t,J=4.8Hz,4H),1.32(s,12H)。
【0109】
実施例−33
【0110】
【化25】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル1.4mg(0.005mmol)、N−(3−クロロフェニル)アセトアミド85.1mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)および1,4−ジオキサン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=4:1:0〜4:1:1)を用いて精製することにより、N−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]アセトアミド122mg(白色固体、収率93%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.87(d,J=7.6Hz,1H),7.66(s,1H),7.53(d,J=7.6Hz,1H),7.49(s,1H),7.33(dd,J=7.6Hz,7.6Hz,1H),2.15(s,3H),1.32(s,12H)。
【0111】
実施例−34
【0112】
【化26】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル4.2mg(0.015mmol)、N−(2−クロロフェニル)ピバルアミド106mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)および1,4−ジオキサン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=4:1:0〜4:1:1)を用いて精製することにより、N−[2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ピバルアミド129mg(白色固体、収率85%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ9.53(s,1H),8.56(d,J=7.4Hz,1H),7.77(d,J=7.4Hz,1H),7.45(dd,J=7.4Hz,7.4Hz,1H),7.05(dd,J=7.4Hz,7.4Hz,1H),1.38(s,12H),1.33(s,9H)。
【0113】
実施例−35
【0114】
【化27】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル4.2mg(0.015mmol)、2−(4−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ナフト[1,8−デ]−1,3,2−ジアゾボリニン139mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=4:1:0〜4:1:1)を用いて精製することにより、2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ナフト[1,8−デ]−1,3,2−ジアゾボリニン153mg(白色固体、収率82%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.87(d,J=8.2Hz,2H),7.64(d,J=8.2Hz,2H),7.13(dd,J=7.2Hz,8.2Hz,2H),7.05(dd,J=0.8Hz,8.2Hz,2H),6.41(dd,J=0.8Hz,7.2Hz,2H),6.04(s,2H),1.36(s,12H)。
【0115】
実施例−36
【0116】
【化28】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル4.2mg(0.015mmol)、2−(2−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ナフト[1,8−デ]−1,3,2−ジアゾボリニン139mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、120℃で3時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=4:1:0〜4:1:1)を用いて精製することにより、2−[2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ナフト[1,8−デ]−1,3,2−ジアゾボリニン158mg(白色固体、収率86%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.82(dd,J=1.0Hz,7.3Hz,1H),7.63(dd,J=1.0Hz,7.3Hz,1H),7.50−7.40(m,2H),7.12(dd,J=7.3Hz,8.3Hz,2H),7.02(dd,J=0.8Hz,8.3Hz,2H),6.39(s,2H),6.33(dd,J=0.8Hz,7.3Hz,2H),1.34(s,12H)。
【0117】
実施例−37
【0118】
【化29】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル4.2mg(0.015mmol)、2−(3−クロロー4−フルオロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ナフト[1,8−デ]−1,3,2−ジアゾボリニン149mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、120℃で3時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=4:1:0〜4:1:1)を用いて精製することにより、2−[4−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ナフト[1,8−デ]−1,3,2−ジアゾボリニン165mg(白色固体、収率85%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ8.02(dd,J=2.0Hz,6.2Hz,1H),7.72(ddd,J=2.0Hz,5.8Hz,7.8Hz,1H),7.16−7.04(m,5H),6.43(dd,J=0.8Hz,7.2Hz,2H),6.04(s,2H),1.40(s,12H).
19F−NMR(CDCl,376MHz)δ−99.5(s,1F)。
【0119】
実施例−38
【0120】
【化30】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル4.2mg(0.015mmol)、1−クロロナフタレン80.5mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)153mg(0.6mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で2時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=16:4:0〜16:4:1)を用いて精製することにより、2−(1−ナフチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン101mg(白色固体、収率80%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ8.76(d,J=8.2Hz,1H),8.07(dd,J=1.3Hz,6.8Hz,1H),7.93(d,J=8.2Hz,1H),7.83(dd,J=1.3Hz,8.0Hz,1H),7.55−7.45(m,3H),1.43(s,12H)。
【0121】
実施例−39
【0122】
【化31】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル2.8mg(0.01mmol)、2−クロロナフタレン81.5mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で2時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=16:4:0〜16:4:1)を用いて精製することにより、2−(2−ナフチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン104mg(白色固体、収率82%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ8.37(s,1H),7.89−7.81(m,4H),7.53−7.45(m,2H),1.39(s,12H)。
【0123】
実施例−40
【0124】
【化32】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル7.0mg(0.025mmol)、4−クロロアニソール70.2mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,6,4’,4’,6’−ヘキサメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロリナリル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で2時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=16:4:0〜16:4:1)を用いて精製することにより、2−(4−メトキシフェニル)−4,4,6−トリメチル−1,3,2−ジオキサボリナン107mg(無色液体、収率93%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.75(d,J=8.4Hz,2H),6.86(d,J=8.4Hz,2H),4.31(ddq,J=3.0Hz,6.0Hz,11.9Hz,1H),3.80(s,3H),1.83(dd,J=3.0Hz,13.8Hz,1H),1.56(dd,J=11.9Hz,13.8Hz,1H),1.35(s,3H),1.34(s,3H),1.32(d,J=6.0Hz,3H)。
【0125】
実施例−41
【0126】
【化33】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル1.4mg(0.005mmol)、4−クロロ安息香酸メチル85.0mg(0.5mmol)、リン酸カリウム212mg(1.0mmol)、2,2,2−トリフルオロエタノール25mg(0.25mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)およびトルエン1.0mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mL、酢酸エチル8mLを加えた後、ガスクロマトグラフィーを用いて分析することにより、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルの生成を確認した(GC収率90%)。
【0127】
実施例−42
【0128】
【化34】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル7.0mg(0.025mmol)、2−クロロ−4,6−ジフルオロアニリン81.6mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)、テトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。減圧蒸留(115−120度、1.5mmHg)することにより、2,4−ジフルオロ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン105mg(白色固体、収率82%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.10(ddd,J=1.4Hz,2.9Hz,8.7Hz,1H),6.84(ddd,J=2.9Hz,8.3Hz,11.2Hz,1H),4.64(s,2H),1.34(s,12H).
19F−NMR(CDCl,376MHz)δ−126.4(s,1F),−132.1(s,1F)。
【0129】
実施例−43
【0130】
【化35】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル4.2mg(0.015mmol)、2−クロロアニリン63.3mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。減圧蒸留(125−130℃、1.5mmHg)することにより、2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン87mg(白色固体、収率80%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.61(dd,J=1.7Hz,7.3Hz,1H),7.21(ddd,J=1.7Hz,7.3Hz,8.2Hz,1H),6.67(ddd,J=1.0Hz,7.3Hz,7.3Hz,1H),6.59(d,J=8.2Hz,1H),4.71(s,2H),1.34(s,12H)。
【0131】
実施例−44
【0132】
【化36】

アルゴン雰囲気下、反応容器にジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル4.2mg(0.015mmol)、2−クロロ−4−シアノアニリン63.3mg(0.5mmol)、フッ化セシウム152mg(1.0mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラニル)140mg(0.55mmol)、トリメチル(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン180mg(1.05mmol)およびテトラヒドロフラン0.5mLを加えて密閉し、100℃で2時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1mLを加え酢酸エチル8mLで3回抽出し、得られた有機相を合わせた。減圧蒸留(170−175℃、3mmHg)することにより、4−シアノ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン101mg(白色固体、収率83%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ7.89(d,J=1.9Hz,1H),7.41(dd,J=1.9Hz,8.5Hz,1H),6.55(d,J=8.5Hz,1H),5.28(s,2H),1.34(s,12H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

(式中、Aは、メチル基で置換されていてもよいエチレン基またはトリメチレン基を表す。)で表されるジボロン類と、一般式(2)
【化2】

(式中、Rは、フッ素原子;フッ素原子または炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基;(炭素数1〜4のアルコキシ)カルボニル基;塩素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基;炭素数2〜4のアルケニル基;炭素数2〜9のアシル基で置換されていてもよいアミノ基;炭素数2〜9のアシル基;モルホリノ基;フェニルカルボニル基;シアノ基;カルバモイル基;2,3−ジヒドロ−1H−ナフト[1,8−デ]−1,3,2−ジアゾボリニル基を表す。隣接するR同士は、結合する炭素と一体となって、芳香族炭化水素環を形成してもよい。mは、0〜5の整数を表す。mが2〜5のとき、Rは、同一または相異なっていてもよい。)で表されるクロロベンゼン誘導体を反応させて、一般式(3)
【化3】

(式中、A、Rおよびmは、前記と同じ内容を表す。)で表されるフェニルボロン酸エステル類を製造する方法において、トリメチルホスフィン配位ニッケル触媒および一般式(4)
【化4】

(式中、Rは、水素原子またはフッ素原子を表す。RおよびRは、各々独立に、水素原子またはメチル基を表す。Mは、アルカリ金属原子を表す。nは、1〜11の整数を表す。)で表されるアルコキシド類を用いることを特徴とするフェニルボロン酸エステル類の製造方法。
【請求項2】
トリメチルホスフィン配位ニッケル触媒が、ジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケルである請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
アルカリ金属原子が、カリウム、ルビジウムまたはセシウムである請求項1または2に記載の製造方法。

【公開番号】特開2012−240933(P2012−240933A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110062(P2011−110062)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【出願人】(000173762)公益財団法人相模中央化学研究所 (151)
【Fターム(参考)】