説明

フェニルC−グルコシド誘導体並びにその調製方法及び使用

本発明は、フェニルC−グルコシド構造を有するナトリウム−グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤、その調製方法、それを含有する医薬組成物、並びに、糖尿病の治療及び抗糖尿病薬の調製におけるその使用に関する。本発明は、一般式I
[式中、R及びRの定義は、以下:
(1)R5=R6=Me、(2)R5=Me、R6=OMe、(3)R5=Me、R6=H、(4)R5=Me、R6=F、(5)R5=F、R6=H、及び(6)R5=OMe、R6=H
から選択される]
【化1】


の構造を有する化合物、並びにその薬学的に許容される塩及びプロドラッグエステルを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糖尿病のための関連薬物の分野に関する。とりわけ、本発明は、糖尿病の治療に有効な、フェニルC−グルコシド構造を有するナトリウム−グルコース共輸送体2(SGLT2、sodium glucose cotransporter 2)阻害剤、その調製方法、及びそれを含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
現時点では、世界中で1億7000万人の糖尿病患者が存在し、その大部分はII型糖尿病患者(すなわち、インスリン非依存型)である。現在、臨床使用のための抗糖尿病薬としては、主に、メトホルミン、スルホニル尿素、インスリン、チアゾリジンジオン、α−グルコシダーゼ阻害剤及びジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤が挙げられる。これらの薬は治療においては有効であるものの、長期治療の場合に安全上の懸念(例えば肝毒性)が存在し、中には体重増加など多くの問題を引き起こすと考えられるものもある。
【0003】
ナトリウム−グルコース共輸送体2(SGLT2)は、糖尿病の治療のための新しい標的であることが、近年発見された。SGLT2は、腎臓の近位尿細管に主に分布し、尿中のグルコースを吸収し、これを血液に戻す役割を果たしている。そのため、SGLT2を阻害すると、結果として、血液中のグルコース濃度を低下させることができ、それにより、以前のものとは異なる経路により血中グルコース値が低下する。SGLT2の機能が阻害されると、より多くのグルコースが尿中に分泌することになると考えられ、これにより、糖尿病患者が正常な血中グルコース値を維持できるようになる。SGLT2阻害剤は、グルコース代謝に関与しないので、血中グルコースを制御するための主要な方法の補助的な手段として役立つと考えられる。
【0004】
中国特許出願第CN200610093189.9号明細書には、SGLT2阻害剤として、以下の構造:
【0005】
【化1】

【0006】
[式中、Aは、O、S、NH、(CH(式中、n=0〜3である)である]
を有する化合物が開示されている。
【0007】
中国特許出願第CN200380110040.1号明細書には、SGLT2阻害剤として、以下の構造:
【0008】
【化2】

【0009】
[式中、Aは、共有結合、O、S、NH、(CH(式中、n=1〜3である)である]
を有する化合物が開示されている。
【0010】
中国特許出願第CN200480006761.2号明細書には、SGLT2阻害剤として、以下の構造:
【0011】
【化3】

【0012】
[式中、Xは、共有結合又は低級アルキレン基である]
を有する化合物が開示されている。
【0013】
国際公開第2005/012326号パンフレットには、SGLT2阻害剤として、以下の構造:
【0014】
【化4】

【0015】
を有する化合物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】中国特許出願第CN200610093189.9号明細書
【特許文献2】中国特許出願第CN200380110040.1号明細書
【特許文献3】中国特許出願第CN200480006761.2号明細書
【特許文献4】国際公開第2005/012326号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
先行技術の欠点及び短所を克服するために、本発明の一目的は、良好な活性を有するSGLT2阻害剤を提供することであり、前記阻害剤は、一般式Iの構造を有するフェニルC−グルコシド並びにその薬学的に許容される塩及びプロドラッグエステルである。
【0018】
本発明の別の目的は、一般式Iの構造を有するフェニルC−グルコシドを調製する方法を提供することである。
【0019】
本発明のさらに別の目的は、活性成分としての一般式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグエステルと、1又は2以上の薬学的に許容される担体、賦形剤及び/又は希釈剤とを含む医薬組成物、並びに、ナトリウム−グルコース共輸送体2の阻害におけるその使用(糖尿病の治療における使用など)を提供することである。
【0020】
本発明により提供されるフェニルC−グルコシド誘導体は、糖尿病、特にインスリン非依存性糖尿病の治療にさらに使用できる医薬を調製するための主成分として役立つ、新規のSGLT2阻害剤である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の目的と併せて、本発明を詳細に記載する。
【0022】
本発明は、一般式Iの構造を有する化合物を提供する:
【0023】
【化5】

【0024】
[式中、
、R、R及びRは、H、F、Cl、Br、I、OH、OR、SR、OCF、CF、CHF、CHF、C−Cアルキル及び3〜5個の炭素原子を有するシクロアルキルからなる群から独立に選択され、ここで、R及びRは、C−Cアルキルから独立に選択され、前述のアルキル及びシクロアルキルは両方とも、F及びClから選択される1又は2以上の原子で置換でき、
環Aは、芳香族単環(aromatic monocycle)及び芳香族二環(aromatic bicycle)から選択され、該芳香族二環における2つの環は、縮合して縮合環を形成しているか、又は、2つの独立した芳香環として共有結合により連結しているかのいずれかとすることができる。前記芳香族単環及び前記芳香族二環は両方とも、O、S及びNから選択される1〜3個のヘテロ原子で置換できる5〜12員環であり、環Aは、任意の可能な位置で化合物Iの他の部分と連結でき、
及びRの定義は、以下:
(1)R=R=Me、
(2)R=Me、R=OMe、
(3)R=Me、R=H、
(4)R=Me、R=F、
(5)R=F、R=H、及び
(6)R=OMe、R=H
から選択される]。
【0025】
一般式Iの構造を有する好ましい化合物は、以下の通りである:
[式中、
、R、R及びRは、H、F、Cl、OR、SR、OCF、CF、CHF、CHF、C−Cアルキル及び3〜5個の炭素原子を有するシクロアルキルからなる群から独立に選択され、ここで、R及びRは、C−Cアルキルから独立に選択され、前述のアルキル及びシクロアルキルは両方とも、F原子及びCl原子から選択される1又は2以上の原子で置換でき、
環Aは、芳香族単環及び芳香族二環から選択され、該芳香族二環における2つの環は、縮合して縮合環を形成しているか、又は、2つの独立した芳香環として共有結合により連結しているかのいずれかとすることができる。前記芳香族単環及び前記芳香族二環は両方とも、O及びSから選択される1個又は2個のヘテロ原子で置換できる5〜12員環であり、環Aは、任意の可能な位置で化合物Iの他の部分と連結でき、
及びRの定義は、以下:
(1)R=R=Me、
(2)R=Me、R=H、
(3)R=Me、R=F、及び
(4)R=F、R=H
から選択される]。
【0026】
一般式Iの構造を有する、より好ましい化合物は、以下の通りである:
[式中、
、R、R及びRは、F、Cl、OR、SR、OCF、CF、CHF、CHF、C−Cアルキル及び3〜4個の炭素原子を有するシクロアルキルからなる群から独立に選択され、ここで、R及びRは、C−Cアルキルから独立に選択され、前述のアルキル及びシクロアルキルは両方とも、1又は2以上のF原子で置換でき、
環Aは、ベンゼン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、アズレン、任意の可能な形態で共有結合により連結されているベンゼン環及びチオフェン環、並びに任意の可能な形態で共有結合により連結されているベンゼン環及びフラン環からなる群から選択され、環Aは、任意の可能な位置で化合物Iの他の部分と連結でき、
及びRの定義は、以下:
(1)R=R=Me、
(2)R=Me、R=H、及び
(3)R=F、R=H
から選択される]。
【0027】
一般式Iの構造を有する最も好ましい化合物の構造は、以下の通りである:
【0028】
【化6】



【0029】
本発明の一般式Iの化合物は、以下のステップ:
【0030】
【化7】

【0031】
[式中、塩基Aは、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、ピリジン及び4−ジメチルアミノピリジンから選択でき、塩基Bは、酢酸ナトリウム無水物、ピリジン及び4−ジメチルアミノピリジンから選択でき、塩基Cは、ナトリウムメトキシド、NaOH及びKOHから選択できる]
により合成できる。
【0032】
前述の合成ステップにおいて、トリメチルシリル化試薬はトリメチルクロロシランであってもよく、アルキルリチウム試薬はn−ブチルリチウムであってもよく、酸はメタンスルホン酸及びトリフルオロメタンスルホン酸から選択でき、ルイス酸はBF・EtO、BF・MeCN及びトリフルオロ酢酸から選択でき、還元剤はトリエチルシラン及びトリイソプロピルシランから選択でき、アセチル化試薬は無水酢酸及び塩化アセチルから選択できる。
【0033】
化合物IIを、塩基の存在下にてトリメチルシリル化試薬で処理して化合物IIIを生じる。塩基は、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどであり、トリメチルシリル化試薬は、トリメチルクロロシランなどである。
【0034】
化合物IVを、n−ブチルリチウムなどのアルキルリチウム試薬で処理して化合物Vを生じ、化合物Vは、単離せず、反応混合物中で化合物IIと直接反応して化合物VIを生じる。化合物VIを、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸などの酸の触媒作用下にてメタノールで処理して化合物VIIを生じる。化合物VIIを、BF・EtO、BF・MeCN又はトリフルオロ酢酸などのルイス酸の存在下で、トリエチルシラン、トリイソプロピルシランなどの還元剤により還元して化合物VIIIとする。化合物VIIIを、酢酸ナトリウム無水物、ピリジン及び4−ジメチルアミノピリジンなどの塩基の存在下にて、無水酢酸、塩化アセチルなどのうち1つでアセチル化してIXとする。化合物IXを、カラムクロマトグラフィー又は再結晶化などにかけて化合物Xを生じる。化合物Xを、ナトリウムメトキシド、NaOH、KOHなどの塩基で処理してアセチルを除去して化合物Iを生じる。
【0035】
とりわけ、本発明の一般式Iの化合物は、以下のステップ:
【0036】
【化8】

【0037】
により合成される。
【0038】
化合物IVは、R及びRの選択の違いによって、以下の異なる経路により調製できる。
【0039】
(1)R=R=Me
この場合、化合物IVは、化合物IV−1と表すことができる。
【0040】
【化9】

【0041】
化合物IV−1は、以下の経路:
【0042】
【化10】

【0043】
により合成される。
【0044】
化合物XVIIIを、MeLi、MeMgI又はMeMgBrなどの試薬で処理して化合物XIXを生じる。化合物XIXは、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸又は濃硫酸などの酸の存在下で化合物XIIと反応して、化合物IV−1を生じる。
【0045】
(2)R=Me、R=OMe
この場合、化合物IVは、化合物IV−2と表すことができる。
【0046】
【化11】

【0047】
化合物IV−2は、以下の経路:
【0048】
【化12】

【0049】
により合成される。
【0050】
化合物XIIIを、MeLi、MeMgI又はMeMgBrなどの試薬で処理して化合物XXを生じる。化合物XXを、NaH、KH又はNaNHなどの塩基の存在下で、MeSO又はMeIなどのメチル化試薬で処理して化合物IV−2を生じる。
【0051】
代替的に、前述の経路における化合物XXは、以下の方法:
【0052】
【化13】

【0053】
により合成できる。
【0054】
化合物XIVを、n−BuLi又は金属Mgで処理して化合物XVを生じる。化合物XVは、化合物XXIと反応して、化合物XXを生じる。
【0055】
(3)R=Me、R=H
この場合、化合物IVは、化合物IV−3と表すことができる。
【0056】
【化14】

【0057】
化合物IV−3は、以下の経路:
【0058】
【化15】

【0059】
により合成される。
【0060】
化合物XXを、BF・EtO又はトリフルオロ酢酸などの酸の存在下で、トリエチルシラン又はトリイソプロピルシランなどの還元剤で還元して化合物IV−3とする。
【0061】
(4)R=Me、R=F
この場合、化合物IVは、化合物IV−4と表すことができる。
【0062】
【化16】

【0063】
化合物IV−4は、以下の経路:
【0064】
【化17】

【0065】
により合成される。
【0066】
化合物XXは、SF又はEtNSFなどのフッ素化剤と反応して、化合物IV−4を生じる。
【0067】
(5)R=F、R=H
この場合、化合物IVは、化合物IV−5と表すことができる。
【0068】
【化18】

【0069】
化合物IV−5は、以下の経路:
【0070】
【化19】

【0071】
により合成される。
【0072】
化合物XVIIは、SF又はEtNSFなどのフッ素化剤と反応して、化合物IV−5を生じる。
【0073】
【化20】

【0074】
化合物XVIIは、化合物XIIIを、NaBH、KBH、LiAlH及びLiBHなどから選択される還元剤で還元することにより生成できる。
【0075】
(6)R=OMe、R=H
この場合、化合物IVは、化合物IV−6と表すことができる。
【0076】
【化21】

【0077】
化合物IV−6は、以下の経路:
【0078】
【化22】

【0079】
により合成される。
【0080】
化合物XVIIを、NaH、KH又はNaNHなどの塩基の存在下で、MeSO又はMeIなどのメチル化試薬で処理して化合物IV−6を生じる。
【0081】
本発明の一般式Iの化合物の薬学的に許容されるプロドラッグエステルは、その分子中に存在する任意の1又は2以上のヒドロキシル基を、アセチル、ピバロイル、多様なホスホリルのうち1つ、カルバモイル、アルコキシホルミルなどでエステル化することにより形成されるエステルを包含する。
【0082】
本発明の一般式Iの化合物を、1又は2以上の薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と組み合わせて、医薬組成物を調製してもよい。この医薬組成物は、固体経口製剤、液体経口製剤、注射用製剤などに製剤化してもよい。前記固体経口製剤及び液体経口製剤は、錠剤、分散錠、糖衣製剤、顆粒剤、乾燥散剤、カプセル剤及び液剤を包含する。注射用製剤は、バイアル注射剤、注入用の液剤及び凍結乾燥粉末注射剤などを包含する。
【0083】
本発明の組成物の薬学的に許容される補助材料は、充填剤、崩壊剤、滑沢剤、滑剤、発泡剤、中和剤(corrective)、保存剤、コーティング材又は他の賦形剤から選択される。
【0084】
充填剤には、乳糖、ショ糖、デキストリン、デンプン、アルファ化デンプン、マンニトール、ソルビトール、リン酸水素カルシウム(calcium hydrophosphate)、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム及び微結晶性セルロースのうち1又は2以上が含まれてもよい。粘着剤(adhesive)には、ショ糖、デンプン、ポビドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、医薬用エタノール及び水のうち1又は2以上が含まれてもよい。崩壊剤には、デンプン、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び発泡性の崩壊剤のうち1又は2以上が含まれてもよい。
【0085】
本発明の一般式Iの化合物は、SGLT2の阻害において有効であり、糖尿病を治療するための医薬の調製において活性成分として使用できる。本発明の一般式Iの化合物の活性は、インビボで低血糖モデルにより確認される。
【0086】
一般式Iの化合物は、非常に広い用量範囲で有効である。例えば、1日用量は1人当たり1mg〜1000mgであってもよく、単回又は複数回投与の形で投与できる。一般式Iの化合物を摂取するための実際の用量は、関連する条件を勘案して医師が決定できる。そうした条件としては、対象の体の状態、投与経路、年齢、体重、医薬に対する個人的な反応、症状の重症度などが挙げられる。
【0087】
本発明の実施形態
以下の項では、実施例と併せて本発明をさらに記載する。以下の実施例は、本発明を例証することを意図したものであって、本発明を限定することを意図したものではないことは理解されるべきである。本発明の教示に照らして当業者が行うことができる多様な改変は、本出願の特許請求の範囲により特許請求されている保護範囲内に包含されるべきである。
[実施例1]
【0088】
1−{4−クロロ−3−[(4−エトキシフェニル)フルオロメチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノース
【0089】
【化23】

【0090】
A.(5−ブロモ−2−クロロフェニル)(4−エトキシフェニル)フルオロメタン
2.35gの5−ブロモ−2−クロロ安息香酸、1.40gの塩化オキサリル及び5mlの無水ジクロロメタンを100mlの丸底フラスコ中に加え、室温で磁気撹拌した。1滴のN,N−ジメチルホルムアミドをその中に加えた。この混合物を室温で一晩撹拌してから、溶媒をロータリーエバポレーターで蒸発させた。その結果得られる残留物を5mlの無水ジクロロメタンに溶解し、1.34gのフェネトールを加えた。その結果得られる混合物を氷水浴中で磁気撹拌してから、1.73gの塩化アルミニウムを少しずつゆっくり加え、その後、反応混合物を室温でさらに2時間撹拌した。次に、反応混合物を氷水中に慎重に注ぎ、撹拌し、100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させた。その結果得られる混合物をカラムクロマトグラフィーにより精製すると無色の結晶が得られ、これが、(5−ブロモ−2−クロロフェニル)(4−エトキシフェニル)メタノンであった。ESI−MS、m/z=339.3([M(79Br)+1])、341.2([M(81Br)+1])。
【0091】
前述の通りに調製した(5−ブロモ−2−クロロフェニル)(4−エトキシフェニル)メタノン3.40g及び20mlの無水THFを100mlの丸底フラスコ中に加え、氷水浴中で撹拌した。0.38gのLiAlHを少しずつ加え、その後、結果として得られる混合物をさらに1時間撹拌した。反応混合物を、200mlの氷水中に慎重に注いでから、濃塩酸でpH2〜3に調節した。その結果得られる酸性の混合物を100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させるとオフホワイトの固体が得られ、これが、(5−ブロモ−2−クロロフェニル)(4−エトキシフェニル)メタノールであった。ESI−MS、m/z=341.1([M(79Br)+1])、343.3([M(81Br)+1])。
【0092】
前述の通りに調製した(5−ブロモ−2−クロロフェニル)(4−エトキシフェニル)メタノール3.07gを10mlの無水ジクロロメタンに溶解してから、5mlの(ジエチルアミノ)イオウ三フッ化物(EtNSF)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、200mlの氷水中に注いでから、100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させると、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した後に無色の油性の生成物が得られた。シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した後に無色の油性の生成物が得られ、これが、(5−ブロモ−2−クロロフェニル)(4−エトキシフェニル)フルオロメタンであった。ESI−MS、m/z=343.2([M(79Br)+1])、345.3([M(81Br)+1])。
【0093】
B.1−{4−クロロ−3−[(4−エトキシフェニル)フルオロメチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノース
前述の通りに調製した(5−ブロモ−2−クロロフェニル)(4−エトキシフェニル)フルオロメタン2.72g、10mlの無水THF及び磁気撹拌用のバーを100mlの丸底フラスコ中に加えた。フラスコをラバーセプタムで密封し、アセトン−ドライアイス系中に入れ、−78℃に冷却した。撹拌中に、8ml(1.0M)のn−BuLiを注射器により反応混合物中にゆっくり加え、その後、この混合物を−78℃でさらに1時間撹拌してから、10mlの乾燥トルエン中の、実施例1で調製した2,3,4,6−テトラ−O−トリメチルシリルグルコノラクトンの溶液を注射器により反応混合物中にゆっくり加えた。添加後、この混合物をさらに1時間撹拌してから、10mlの無水トルエンに溶解した1.92gのメタンスルホン酸の溶液を注射器により滴下添加し、次いで、この混合物を室温まで温め、室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和NaCl溶液中に注ぎ、100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると無色の油性の生成物が得られ、これが、メチル1−{4−クロロ−3−[(4−エトキシフェニル)フルオロメチル]フェニル}−α/β−D−グルコピラノシド、ESI−MS、m/z=457.1([M+1])であった。
【0094】
結果として得られたメチル1−{4−クロロ−3−[(4−エトキシフェニル)フルオロメチル]フェニル}−α/β−D−グルコピラノシド3.07gを3mlの無水ジクロロメタンに溶解し、氷水浴中で撹拌してから、2mlのトリエチルシラン及び1mlの三フッ化ホウ素ジエチルエーテレートを連続的に加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、100mlの氷水中に慎重に注ぎ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液でpH=8に調節し、100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると無色の油性の生成物が生じ、これが、1−{4−クロロ−3−[(4−エトキシフェニル)フルオロメチル]フェニル}−α/β−D−グルコピラノース、ESI−MS、m/z=427.4([M+1])であった。
【0095】
結果として得られた1−{4−クロロ−3−[(4−エトキシフェニル)フルオロメチル]フェニル}−α/β−D−グルコピラノースの無色の油性の生成物2.57gを20mlの無水酢酸に溶解し、0.5gの酢酸ナトリウム無水物をその中に加えた。その結果得られる溶液を磁気撹拌し、1時間加熱還流した。冷却した後、この混合物を100mlの水中に注ぎ、室温で一晩撹拌し、100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると、オフホワイトの固体が得られた。シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した後に無色の結晶が生じ、これが、2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−{4−クロロ−3−[(4−エトキシフェニル)フルオロメチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノース、ESI−MS、m/z=595.2([M+1])であった。
【0096】
2.86gの前述の2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−{4−クロロ−3−[(4−エトキシフェニル)フルオロメチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノースを、0.11gのナトリウムメトキシドを含有する7mlの無水メタノールに溶解し、室温で5時間撹拌した。次いで、1gの乾燥した強酸性樹脂を加え、室温で一晩撹拌した。樹脂を濾過により除去し、その結果得られる濾液をロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると白色の固体が得られ、これが、1−{4−クロロ−3−[(4−エトキシフェニル)フルオロメチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノース、ESI−MS、m/z=427.2([M+1])であった。
[実施例2−15]
【0097】
実施例1の方法及びプロセスを用いるがR、R、R、R及び環Aを変えると、以下の表に列挙する化合物を作製できることは理解できる。
【0098】
【化24】

【0099】
【表1】


[実施例16]
【0100】
1−{4−クロロ−3−[(ジメチル)(4−エトキシフェニル)メチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノース
【0101】
【化25】

【0102】
A.(5−ブロモ−2−クロロフェニル)(4−エトキシフェニル)(ジメチル)メタン
2.64gのエチル5−ブロモ−2−クロロ安息香酸及び10mlの無水THFを100mlの丸底フラスコ中に加え、その結果得られる溶液を氷水浴中で冷却し、磁気撹拌してから、等圧滴下漏斗(pressure-equalizing funnel)を用いて、25ml(1.0M)の、THF中のメチルヨウ化マグネシウム(methyl iodine magnesium)を加えた。添加後、反応混合物を室温で1時間撹拌し、200mlの氷水中に慎重に注ぎ、濃塩酸でpH=3〜4に調節した。その結果得られる酸性の混合物を100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると無色の油性の生成物が得られ、これが、(5−ブロモ−2−クロロフェニル)ジメチルメタノールであった。H NMR(DMSO−d,400MHz)、δ 7.95(d,1H,J=2.8Hz)、7.44(dd,1H,J=2.6Hz及び8.6Hz)、7.33(d,1H,J=8.0Hz)、5.46(s,1H)、1.56(s,6H);ESI−MS、m/z=249.2([M(79Br)+1])、251.3([M(81Br)+1])。
【0103】
2.35gの前述の(5−ブロモ−2−クロロフェニル)ジメチルメタノール及び2.44g(20mmol)のフェネトールを25mlの丸底フラスコ中に加え、磁気撹拌してから、4.11gの塩化アルミニウム無水物を加えた。反応混合物を20℃で一晩撹拌し、200mlの氷水中に慎重に注いだ。その結果得られる酸性の混合物を100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると無色の油性の生成物が得られ、これが、2.69gの(5−ブロモ−2−クロロフェニル)(4−エトキシフェニル)(ジメチル)メタンであった。収率は81%であった。H NMR(DMSO−d,400MHz)、δ 7.76(d,1H,J=2.4Hz)、7.47(dd,1H,J=2.4Hz及び8.4Hz)、7.25(d,1H,J=8.4Hz)、6.96(d,2H,J=8.8Hz)、6.78(d,2H,J=9.2Hz)、3.96(q,2H,J=7.1Hz)、1.64(s,6H)、1.29(t,3H,J=7.0Hz);ESI−MS、m/z=353.4([M(79Br)+1])、355.2([M(81Br)+1])。
【0104】
B.1−{4−クロロ−3−[(ジメチル)(4−エトキシフェニル)メチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノース
前述の通りに調製した(5−ブロモ−2−クロロフェニル)(4−エトキシフェニル)ジメチルメタン2.69g、10mlの無水THF及び磁気撹拌用のバーを100mlの丸底フラスコ中に加えた。フラスコをラバーセプタムで密封し、アセトン−ドライアイス系中に入れ、−78℃に冷却した。撹拌中に、8ml(1.0M)のn−BuLiを注射器により反応混合物中にゆっくり加え、その後、この混合物を−78℃でさらに1時間撹拌してから、10mlの無水トルエン中の、実施例1で調製した通りの2,3,4,6−テトラ−O−トリメチルシリルグルコノラクトンの溶液を注射器により反応混合物中にゆっくり加えた。添加後、この混合物をさらに1時間撹拌してから、10mlの無水メタノール中の1.92gのメタンスルホン酸の溶液を注射器により加え、次いで、この混合物を室温まで温め、室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和NaCl溶液中に注ぎ、100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると無色の油性の生成物が得られ、これが、1−{4−クロロ−3−[(ジメチル)(4−エトキシフェニル)メチル]フェニル}−α/β−D−メチルグルコピラノシド、ESI−MS、m/z=467.1([M+1])であった。
【0105】
結果として得られたメチル1−{4−クロロ−3−[(ジメチル)(4−エトキシフェニル)メチル]フェニル}−α/β−D−グルコピラノシド3.09gを3mlの無水ジクロロメタンに溶解し、氷水浴中で撹拌してから、2mlのトリエチルシラン及び1mlの三フッ化ホウ素ジエチルエーテレートを連続的に加えた。その結果得られる反応混合物を室温で一晩撹拌し、100mlの氷水中に慎重に注ぎ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液でpH=8に調節してから、100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると無色の油性の生成物が得られ、これが、1−{4−クロロ−3−[(ジメチル)(4−エトキシフェニル)メチル]フェニル}−α/β−D−グルコピラノース、ESI−MS、m/z=437.2([M+1])であった。
【0106】
結果として得られた無色の油性の生成物1−{4−クロロ−3−[(ジメチル)(4−エトキシフェニル)メチル]フェニル}−α/β−D−グルコピラノース2.62gを20mlの無水酢酸に溶解し、0.5gの酢酸ナトリウム無水物を加えた。その結果得られる溶液を磁気撹拌し、1時間加熱還流した。冷却した後、この混合物を100mlの水中に注ぎ、室温で一晩撹拌し、100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると、オフホワイトの固体が得られた。シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した後に無色の結晶が生じ、これが、2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−{4−クロロ−3−[(4−エトキシフェニル)メチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノースであった。H NMR(DMSO−d,400MHz)、δ 7.58(s,1H)、7.27(s,2H)、6.90(d,2H,J=8.8Hz)、6.76(d,2H,J=8.8Hz)、5.39(t,1H,J=9.6Hz)、5.13(t,1H,J=9.6Hz)、5.05(t,1H,J=9.6Hz)、4.78(d,1H,J=9.6Hz)、4.14〜4.15(m,2H)、4.06〜4.11(m,1H)、3.95(q,2H,J=6.9Hz)、2.02(s,3H)、2.01(s,3H)、1.94(s,3H)、1.82(s,3H)、1.64(s,6H)、1.28(t,3H,J=7.0Hz);ESI−MS、m/z=605.3([M+1])。
【0107】
前述の通りに調製した2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−{4−クロロ−3−[(4−エトキシフェニル)メチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノース3.27gを、0.11gのナトリウムメトキシドを含有する7mlの無水メタノールに溶解し、室温で5時間撹拌してから、1gの乾燥した強酸性樹脂を加え、室温で一晩撹拌した。樹脂を濾過により除去し、その結果得られる濾液をロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると白色の固体が得られ、これが、1−{4−クロロ−3−[(ジメチル)(4−エトキシフェニル)メチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノースであった。H NMR(DMSO−d,400MHz)、δ 7.62(s,1H)、7.23(s,2H)、6.97(d,2H,J=8.8Hz)、6.76(d,2H,J=8.8Hz)、4.93〜4.95(m,2H)、4.87(d,1H,J=5.6Hz)、4.46(t,1H,J=5.8Hz)、4.09(d,1H,J=9.6Hz)、3.95(q,2H,J=6.9Hz)、3.71〜3.75(m,1H)、3.44〜3.50(m,1H)、3.24〜3.30(m,2H)、3.15〜3.22(m,2H)、1.653(s,3H)、1.645(s,3H)、1.29(t,3H,J=7.0Hz);ESI−MS、m/z=437.4([M+1])。
[実施例17−35]
【0108】
実施例16の方法及びプロセスを用いるがR、R、R、R及び環Aを変えると、以下の表に列挙する化合物を作製できることは理解できる。
【0109】
【化26】

【0110】
【表2】



[実施例36]
【0111】
1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)エチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノース
【0112】
【化27】

【0113】
A.1−(5−ブロモ−2−クロロフェニル)−1−(4−エトキシフェニル)エタン
3.40gの(5−ブロモ−2−クロロフェニル)−1−(4−エトキシフェニル)ケトン及び10mlの無水THFを100mlの丸底フラスコに加え、その結果得られる溶液を氷水浴中で冷却し、磁気撹拌してから、等圧滴下漏斗で、10ml(1.0M)の、THF中のメチルヨウ化マグネシウムを加えた。添加後、反応混合物を室温で1時間撹拌し、200mlの氷水中に慎重に注ぎ、濃塩酸でpH=3〜4に調節した。その結果得られる酸性の混合物を100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると無色の油性の生成物が生じ、これが、1−(5−ブロモ−2−クロロフェニル)−1−(4−エトキシフェニル)エタノールであった。ESI−MS、m/z=355.2([M(79Br)+1])、357.2([M(81Br)+1])。
【0114】
3.20gの前述の1−(5−ブロモ−2−クロロフェニル)−1−(4−エトキシフェニル)エタノールを25mlの丸底フラスコ中に加え、3mlの無水ジクロロメタンに溶解し、磁気撹拌した。次に、2mlのトリエチルシラン及び1mlの三フッ化ホウ素ジエチルエーテレートを連続的に加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌してから、200mlの氷水中に慎重に注いだ。その結果得られる酸性の混合物を100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると無色の油性の生成物が生じ、これが、1−(5−ブロモ−2−クロロフェニル)−1−(4−エトキシフェニル)エタンであった。ESI−MS、m/z=339.2([M(79Br)+1])、341.3([M(81Br)+1])。
【0115】
B.1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)エチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノース
前述の通りに調製した1−(5−ブロモ−2−クロロフェニル)−1−(4−エトキシフェニル)エタン2.45g、10mlの無水THF及び磁気撹拌用のバーを100mlの丸底フラスコ中に加えた。フラスコをラバーセプタムで密封し、アセトン−ドライアイス系中に入れ、−78℃に冷却した。撹拌中に、8ml(1.0M)のn−BuLiを注射器により反応容器中にゆっくり加え、その後、この反応物を−78℃でさらに1時間撹拌してから、10mlの無水トルエン中の、実施例1で調製した通りの2,3,4,6−テトラ−O−トリメチルシリルグルコノラクトンの溶液を注射器により反応混合物中にゆっくり加えた。添加後、この混合物をさらに1時間撹拌してから、10mlの無水メタノール中の1.92gのメタンスルホン酸の溶液を注射器により加え、この混合物を室温まで温め、室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和NaCl溶液中に注ぎ、100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると無色の油性の生成物が得られ、これが、メチル1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)エチル]フェニル}−α/β−D−グルコピラノシド、ESI−MS、m/z=453.4([M+1])であった。
【0116】
結果として得られた油性の生成物メチル1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)エチル]フェニル}−α/β−D−グルコピラノシド2.77gを3mlの無水ジクロロメタンに溶解し、氷水浴中で撹拌してから、2mlのトリエチルシラン及び1mlの三フッ化ホウ素ジエチルエーテレートを連続的に加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、100mlの氷水中に慎重に注ぎ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液でpH=8に調節し、100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると無色の油性の生成物が得られ、これが、1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)エチル]フェニル}−α/β−D−グルコピラノース、ESI−MS、m/z=423.2([M+1])であった。
【0117】
結果として得られた無色の油性の生成物1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)エチル]フェニル}−α/β−D−グルコピラノース2.32gを20mlの無水酢酸に溶解し、0.5gの酢酸ナトリウム無水物を加えた。その結果得られる溶液を磁気撹拌し、1時間加熱還流した。冷却した後、この混合物を100mlの水中に注ぎ、室温で一晩撹拌してから、100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると、オフホワイトの固体が得られた。シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した後に無色の結晶が生じ、これが、2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)エチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノースであった。ESI−MS、m/z=591.4([M+1])。
【0118】
3.12gの前述の2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)エチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノースを、0.11gのナトリウムメトキシドを含有する7mlの無水メタノールに溶解し、室温で5時間撹拌してから、1gの乾燥した強酸性樹脂を加え、室温で一晩撹拌した。樹脂を濾過により除去し、その結果得られる濾液をロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると白色の固体が得られ、これが、1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)エチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノース、ESI−MS、m/z=423.2([M+1])であった;H NMR(DMSO−d,400MHz)、δ 7.30〜7.38(m,2H)、7.20〜7.22(d,1H,J=8.4Hz)、7.08〜7.11(m,2H)、6.79〜6.82(m,2H)、4.43〜4.48(m,1H)、3.93〜4.03(m,3H)、3.68〜3.70(d,1H,J=11.6Hz)、3.42〜3.46(m,1H)、3.07〜3.29(m,4H)、1.52〜1.53(d,3H,J=6.8Hz)、1.27〜1.30(t,3H,J=7.0Hz)。
[実施例37−50]
【0119】
実施例36の方法及びプロセスを用いるがR、R、R、R及び環Aを変えると、以下の表に列挙する化合物を作製できることは理解できる。
【0120】
【化28】

【0121】
【表3】


[実施例51]
【0122】
1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)−1−メトキシエチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノース
【0123】
【化29】

【0124】
A.1−(5−ブロモ−2−クロロフェニル)−1−(4−エトキシフェニル)−1−メトキシエタン
3.40gの(5−ブロモ−2−クロロフェニル)(4−エトキシフェニル)(メチル)メタノール及び10mlの無水THFを100mlの丸底フラスコ中に加え、その結果得られる溶液を氷水浴中で冷却し、磁気撹拌した。0.40g(60%)の固体のNaHを少しずつ加え、その後、その結果得られる混合物をさらに1時間撹拌してから、1.70gの乾燥MeIを加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、200mlの氷水中に慎重に注いでから、濃塩酸を用いてpHを2〜3に調節した。その結果得られる酸混合物を100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると無色の油性の生成物が得られ、これが、1−(5−ブロモ−2−クロロフェニル)−1−(4−エトキシフェニル)−1−メトキシエタンであった。ESI−MS、m/z=369.2([M(79Br)+1])、371.4([M(81Br)+1])。
【0125】
B.1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)−1−メトキシ−エチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノース
前述の通りに調製した1−(5−ブロモ−2−クロロフェニル)−1−(4−エトキシフェニル)−1−メトキシエタン3.40g、10mlの無水THF及び磁気撹拌用のバーを100mlの丸底フラスコ中に加えた。フラスコをラバーセプタムで密封し、アセトン−ドライアイス系中に入れ、−78℃に冷却した。撹拌中に、10ml(1.0M)のn−BuLiを注射器により反応混合物中にゆっくり加え、その後、この混合物を−78℃でさらに1時間撹拌してから、10mlの無水トルエン中の、実施例1で調製した通りの2,3,4,6−テトラ−O−トリメチルシリルグルコノラクトンの溶液を注射器により反応混合物中にゆっくり加えた。添加後、この混合物をさらに1時間撹拌し、10mlの無水メタノール中の1.92gのメタンスルホン酸の溶液を注射器により加えてから、この混合物を室温まで温め、室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和NaCl溶液中に注ぎ、100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると無色の油性の生成物が得られ、これが、メチル1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)−1−メトキシメチル]フェニル}−α/β−D−グルコピラノシド、ESI−MS、m/z=483.4([M+1])であった。
【0126】
結果として得られたメチル1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)−1−メトキシ−エチル]フェニル}−α/β−D−グルコピラノシド3.69gを3mlの無水ジクロロメタンに溶解し、氷水浴中で撹拌してから、2mlのトリエチルシラン及び1mlの三フッ化ホウ素ジエチルエーテレートを連続的に加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、100mlの氷水中に慎重に注ぎ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液でpH=8に調節し、100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると無色の油性の生成物が得られ、これが、1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)−1−メトキシエチル]フェニル}−α/β−D−グルコピラノース、ESI−MS、m/z=453.4([M+1])であった。
【0127】
結果として得られた油性の生成物1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)−1−メトキシエチル]フェニル}−α/β−D−グルコピラノース3.13gを20mlの無水酢酸に溶解し、0.5gの酢酸ナトリウム無水物を加えた。その結果得られる溶液を磁気撹拌し、1時間加熱還流した。冷却した後、この混合物を100mlの水中に注ぎ、室温で一晩撹拌し、100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると、オフホワイトの固体が得られた。シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した後に無色の結晶が生じ、これが、2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−{4−クロロ−3−[(4−エトキシフェニル)−1−メトキシエチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノースであった。ESI−MS、m/z=621.4([M+1])。
【0128】
4.07gの前述の2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)−1−メトキシエチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノースを、0.11gのナトリウムメトキシドを含有する7mlの無水メタノールに溶解し、室温で5時間撹拌した。次いで、1gの乾燥した強酸性樹脂を加え、室温で一晩撹拌した。樹脂を濾過により除去し、その結果得られる濾液をロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると白色の固体が得られ、これが、1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)−1−メトキシエチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノースであった。ESI−MS、m/z=453.4([M+1])。
[実施例52]
【0129】
1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)−1−フルオロエチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノース
【0130】
【化30】

【0131】
A.1−(5−ブロモ−2−クロロフェニル)−1−(4−エトキシフェニル)−1−フルオロエタン
実施例36によって調製した(5−ブロモ−2−クロロフェニル)(4−エトキシフェニル)(メチル)メタノール3.56g及び10mlの無水ジクロロメタンを100mlの丸底フラスコに加えた。その結果得られる溶液を氷水浴中で冷却し、磁気撹拌してから、2mlの(ジエチルアミノ)イオウ三フッ化物(EtNSF)を加え、次いで、反応混合物を一晩撹拌してから、200mlの氷水中に慎重に注いだ。その結果得られる混合物を100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると無色の油性の生成物が得られ、これが、1−(5−ブロモ−2−クロロフェニル)−1−(4−エトキシフェニル)−1−フルオロエタンである。ESI−MS、m/z=357.3([M(79Br)+1])、359.1([M(81Br)+1])。
【0132】
B.1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)−1−フルオロエチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノース
前述の通りに調製した1−(5−ブロモ−2−クロロフェニル)−1−(4−エトキシフェニル)−1−フルオロエタン3.40g、10mlの無水THF及び磁気撹拌用のバーを100mlの丸底フラスコ中に加えた。フラスコをラバーセプタムで密封し、アセトン−ドライアイス系中に入れ、−78℃に冷却した。撹拌中に、10ml(1.0M)のn−BuLiを注射器により反応容器中にゆっくり加え、その後、この混合物を−78℃でさらに1時間撹拌してから、10mlの無水トルエン中の、実施例1で調製した通りの2,3,4,6−テトラ−O−トリメチルシリルグルコノラクトンの溶液を注射器により反応混合物中にゆっくり加えた。添加後、この混合物をさらに1時間撹拌してから、10mlの無水メタノール中の1.92gのメタンスルホン酸の溶液を注射器により加えてから、この混合物を室温まで温め、室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和NaCl溶液中に注ぎ、100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると無色の油性の生成物が得られ、これが、メチル1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)−1−フルオロエチル]フェニル}−α/β−D−グルコピラノシド、ESI−MS、m/z=471.3([M+1])であった。
【0133】
結果として得られたメチル1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)−1−フルオロエチル]フェニル}−α/β−D−グルコピラノシド3.58gを3mlの無水ジクロロメタンに溶解し、氷水浴中で撹拌してから、2mlのトリエチルシラン及び1mlの三フッ化ホウ素ジエチルエーテレートを連続的に加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、100mlの氷水中に慎重に注ぎ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液でpH=8に調節し、100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると無色の油性の生成物が得られ、これが、1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)−1−フルオロエチル]フェニル}−α/β−D−グルコピラノースであった。ESI−MS、m/z=441.2([M+1])。
【0134】
結果として得られた無色の油性の生成物1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)−1−フルオロエチル]フェニル}−α/β−D−グルコピラノース3.02gを20mlの無水酢酸に溶解してから、0.5gの酢酸ナトリウム無水物を加えた。その結果得られる溶液を磁気撹拌し、1時間加熱還流した。冷却した後、この混合物を100mlの水中に注ぎ、室温で一晩撹拌し、100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると、オフホワイトの固体が得られた。シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した後に無色の結晶が生じ、これが、2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)−1−フルオロエチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノース、ESI−MS、m/z=609.2([M+1])であった。
【0135】
前述の通りに調製した2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)−1−フルオロエチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノース3.98gを、0.11gのナトリウムメトキシドを含有する7mlの無水メタノールに溶解し、室温で5時間撹拌してから、1gの乾燥した強酸性樹脂を加え、室温で一晩撹拌した。樹脂を濾過により除去し、その結果得られる濾液をロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると白色の固体が得られ、これが、1−{4−クロロ−3−[(4−エトキシフェニル)−1−フルオロエチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノースであった。ESI−MS、m/z=441.2([M+1])。
[実施例53]
【0136】
1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)(メトキシル)メチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノース
【0137】
【化31】

【0138】
A.(5−ブロモ−2−クロロフェニル)(4−エトキシフェニル)(メトキシ)エタン
実施例1によって調製した(5−ブロモ−2−クロロフェニル)(4−エトキシフェニル)メタノール3.42g及び10mlの無水THFを100mlの丸底フラスコ中に加え、その結果得られる溶液を氷水浴中で冷却し、磁気撹拌した。0.40g(60%)の固体のNaHを少しずつ加え、その後、その結果得られる混合物をさらに1時間撹拌してから、1.70gの乾燥MeIを加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、200mlの氷水中に慎重に注ぎ、濃塩酸でpHを4〜5に調節した。その結果得られる酸性の混合物を100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると無色の油性の生成物が得られ、これが、(5−ブロモ−2−クロロフェニル)(4−エトキシフェニル)(メトキシ)メタンであった。ESI−MS、m/z=355.2([M(79Br)+1])、357.2([M(81Br)+1])。
【0139】
B.1−{4−クロロ−3−[(4−エトキシフェニル)(メトキシ)メチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノース
前述の通りに調製した(5−ブロモ−2−クロロフェニル)(4−エトキシフェニル)(メトキシ)メタン3.20g、10mlの無水THF及び磁気撹拌用のバーを100mlの丸底フラスコ中に加えてから、フラスコをラバーセプタムにより密封し、アセトン−ドライアイス系中に入れ、−78℃に冷却した。撹拌中に、10ml(1.0M)のn−BuLiを注射器により反応混合物中にゆっくり加え、その後、この混合物を−78℃でさらに1時間撹拌した。次いで、10mlの無水トルエン中の、実施例1によって調製した2,3,4,6−テトラ−O−トリメチルシリルグルコノラクトンの溶液を注射器により反応容器中にゆっくり加えた。添加後、この混合物をさらに1時間撹拌し、10mlの無水メタノール中の1.92gのメタンスルホン酸の溶液を注射器により加え、次いで、この混合物を室温まで温め、室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和NaCl溶液中に注ぎ、100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると無色の油性の生成物が得られ、これが、メチル1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)(メトキシ)メチル]フェニル}−α/β−D−グルコピラノシドであった。ESI−MS、m/z=469.3([M+1])。
【0140】
結果として得られたメチル1−{4−クロロ−3−[(4−エトキシフェニル)(メトキシ)メチル]フェニル}−α/β−D−グルコピラノシド3.63gを3mlの無水ジクロロメタンに溶解し、氷水浴中で撹拌し、2mlのトリエチルシラン及び1mlの三フッ化ホウ素ジエチルエーテレートを連続的に加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、100mlの氷水中に慎重に注ぎ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液でpH=8に調節し、100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると無色の油性の生成物が得られ、これが、1−{4−クロロ−3−[(4−エトキシフェニル)(メトキシル)メチル]フェニル}−α/β−D−グルコピラノースであった。ESI−MS、m/z=439.1([M+1])。
【0141】
結果として得られた無色の油性の生成物1−{4−クロロ−3−[(4−エトキシフェニル)(メトキシ)メチル]フェニル}−α/β−D−グルコピラノース3.13gを20mlの無水酢酸に溶解し、0.5gの酢酸ナトリウム無水物を加えた。その結果得られる溶液を磁気撹拌し、1時間加熱還流した。冷却した後、この混合物を100mlの水中に注ぎ、室温で一晩撹拌し、100mlのジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を合わせたものを飽和NaCl溶液により1回洗浄し、硫酸ナトリウム無水物で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると、オフホワイトの固体が得られた。シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した後に無色の結晶が生じ、これが、2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−{4−クロロ−3−[(4−エトキシフェニル)(メトキシル)メチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノース、ESI−MS、m/z=607.3([M+1])であった。
【0142】
前述の通りに調製した2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−{4−クロロ−3−[(4−エトキシフェニル)(メトキシル)メチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノース4.10gを、0.11gのナトリウムメトキシドを含有する7mlの無水メタノールに溶解し、室温で5時間撹拌してから、1gの乾燥した強酸性樹脂を加え、室温で一晩撹拌した。樹脂を濾過により除去し、その結果得られる濾液をロータリーエバポレーターで蒸発乾燥させると白色の固体が得られ、これが、1−{4−クロロ−3−[1−(4−エトキシフェニル)(メトキシル)メチル]フェニル}−1−デオキシ−β−D−グルコピラノースであった。ESI−MS、m/z=439.1([M+1])。
[実施例54]
【0143】
用量/錠
実施例2の試料 10mg
微結晶性セルロース 80mg
アルファ化デンプン 70mg
ポリビニルピロリドン 6mg
カルボキシメチルデンプンナトリウム 5mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
タルク粉末 2mg
【0144】
活性成分、アルファ化デンプン及び微結晶性セルロースをふるいにかけ、徹底的に混合した。ポリビニルピロリドン溶液を加え、その結果得られる混合物を混合し、湿った塊に調製し、次いで、これをふるいにかけ、湿り気のある顆粒に調製してから50〜60℃で乾燥させた。カルボキシメチルデンプンナトリウム、ステアリン酸マグネシウム及びタルク粉末をあらかじめふるいにかけ、錠剤化のために、前述の顆粒中に加えた。
[実施例55]
【0145】
用量/錠
実施例1の試料 10mg
微結晶性セルロース 80mg
アルファ化デンプン 70mg
ポリビニルピロリドン 6mg
カルボキシメチルデンプンナトリウム 5mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
タルク粉末 2mg
【0146】
活性成分、アルファ化デンプン及び微結晶性セルロースをふるいにかけ、徹底的に混合した。ポリビニルピロリドン溶液を加え、その結果得られる混合物を混合し、湿った塊に調製し、次いで、これをふるいにかけ、湿り気のある顆粒に調製してから50〜60℃で乾燥させた。カルボキシメチルデンプンナトリウム塩、ステアリン酸マグネシウム及びタルク粉末をあらかじめふるいにかけ、錠剤化のために、前述の顆粒中に加えた。
[実施例56]
【0147】
用量/錠
実施例16の試料 10mg
微結晶性セルロース 30mg
アルファ化デンプン 20mg
ポリビニルピロリドン 3mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
タルク粉末 1mg
【0148】
活性成分、アルファ化デンプン及び微結晶性セルロースをふるいにかけ、徹底的に混合した。ポリビニルピロリドン溶液を加え、その結果得られる混合物を混合し、湿った塊に調製し、次いで、これをふるいにかけ、湿り気のある顆粒に調製してから50〜60℃で乾燥させた。ステアリン酸マグネシウム及びタルク粉末をあらかじめふるいにかけてから、前述の通り顆粒中に加え、その結果得られる混合物をカプセル中に充填した。
[実施例57]
【0149】
用量/錠
実施例31の試料 10mg
微結晶性セルロース 30mg
アルファ化デンプン 20mg
ポリビニルピロリドン 3mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
タルク粉末 1mg
【0150】
活性成分、アルファ化デンプン及び微結晶性セルロースをふるいにかけ、徹底的に混合した。ポリビニルピロリドン溶液を加え、その結果得られる混合物を混合し、湿った塊に調製し、次いで、これをふるいにかけ、湿り気のある顆粒に調製してから50〜60℃で乾燥させた。ステアリン酸マグネシウム及びタルク粉末をあらかじめふるいにかけてから、前述の通り顆粒中に加え、その結果得られる混合物をカプセル中に充填した。
[実施例58]
【0151】
用量/50ml
実施例45の試料 10mg
クエン酸 100mg
NaOH 適切な量(pH4.0〜5.0に)
蒸留水 50ml
【0152】
初めに、クエン酸を蒸留水中に加えた。撹拌及び溶解の後、試料を加えた。溶解させるために溶液をわずかに加熱し、pH4.0〜5.0に調節した。0.2gの活性炭を加え、溶液を室温で20分間撹拌してから濾過した。濾液の濃度を制御し、測定してから、濾液を1アンプル当たり5mlずつ詰め、高温で30分間滅菌した。こうして、注射剤が得られる。
[実施例59]
【0153】
用量/50ml
実施例46の試料 10mg
クエン酸 100mg
NaOH 適切な量(pH4.0〜5.0に)
蒸留水 50ml
【0154】
初めに、クエン酸を蒸留水中に加えた。撹拌及び溶解の後、試料を加えた。溶解させるために溶液をわずかに加熱し、pH4.0〜5.0に調節した。0.2gの活性炭を加え、溶液を室温で20分間撹拌してから濾過した。濾液の濃度を制御し、測定してから、濾液を1アンプル当たり5mlずつ詰め、高温で30分間滅菌した。こうして、注射剤が得られる。
[実施例60]
【0155】
実施例47の試料 3.0g
ポロキサマー 1.0g
水酸化ナトリウム 0.2g
クエン酸 適量
マンニトール 26.0g
乳糖 23.0g
注射用水 100ml
【0156】
調製プロセス:主薬、マンニトール、乳糖及びポロキサマーを80mlの注射用水中に加え、撹拌して溶解させた。1l当たり1molのクエン酸を加えてpHを7.0〜9.0に調節し、水を加えて100mlにした。0.5gの活性炭を加え、その結果得られる混合物を30℃で20分間撹拌してから、脱炭素処理した。Milliporeフィルターを用いて、細菌を濾過により除去した。濾液を1ストリップ当たり1ml詰めた。2時間凍結させた後、試料を凍結下で12時間低圧乾燥させた(hypobaric dried)。試料の温度を室温に戻した後、試料をさらに5時間乾燥させると白色の脆いブロックが生じ、生成が終わる前にこれを密封した。
[実施例61]
【0157】
顆粒 100袋
実施例48の試料 30.0g
乳糖 55.0g
マンニトール 14.0g
アスパルテーム 0.05g
エッセンス 0.05g
2%ヒドロキシプロピルメチルセルロース(純水で調製) 適量
【0158】
調製プロセス:主薬及び補助材料を100メッシュのふるい(screen)によりふるいにかけ、徹底的に混合してから、処方用量の補助材料を計量し、主薬と徹底的に混合した。粘着剤を加えてから、この混合物を湿った塊に調製し、14メッシュのふるいを用いて顆粒化し、55℃で乾燥させ、12メッシュのスクリーンにより、ふるいにかけて調整した。袋の重量を計量してから、これを包装した。
[実施例62]
【0159】
1ml当たり5mgの試験化合物の懸濁液を、試料を1%カルボキシメチルセルロースナトリウム溶液に溶解することにより調製した。投与用量は、体重20g当たり0.2mlであり、これは、1kg当たり10mgの用量に等しい。
【0160】
健康なICRマウスの雌雄は半分ずつであり、標準的なレベルのマウスに従い、体重は20〜24gである。動物は16時間絶食させた。試験化合物の投薬2時間後に、生理食塩水中のグルコース2g/kgを腹腔内注射し(ダパグリフロジンについては、投薬1.5時間後にグルコースを注射した)、血液試料は、グルコースで負荷をかけた(challenging)後、0.5時間、1時間、2時間、3時間及び4時間の一定の時間で、毛細管を用いてマウスの尾静脈から採取した。遠心分離を用いて血清を分離した。グルコースオキシダーゼ法を用いて、異なる時点における血清のグルコース含有量を測定した。結果を以下の表に示す。
【0161】
【表4】

【0162】
この結果から、全ての化合物は耐糖能を顕著に改善できることが示唆される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Iの構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグエステル:
【化1】

[式中、
、R、R及びRは、H、F、Cl、Br、I、OH、OR、SR、OCF、CF、CHF、CHF、C−Cアルキル及び3〜5個の炭素原子を有するシクロアルキルからなる群から独立に選択され、ここで、R及びRは、C−Cアルキルから独立に選択され、前記アルキル及びシクロアルキルは両方とも、F及びClから選択される1又は2以上の原子で置換されていてもよく、
環Aは、芳香族単環及び芳香族二環から選択され、前記芳香族二環における2つの環は、縮合して縮合環を形成しているか、又は、2つの独立した芳香環として共有結合により連結しているかのいずれかであり、前記芳香族単環及び前記芳香族二環は両方とも、O、S及びNから選択される1〜3個のヘテロ原子で置換されていてもよい5〜12員環であり、環Aは、任意の可能な位置で化合物Iの他の部分と連結されており、
及びRの定義は、以下:
(1)R=R=Me、
(2)R=Me、R=OMe、
(3)R=Me、R=H、
(4)R=Me、R=F、
(5)R=F、R=H、及び
(6)R=OMe、R=H
から選択される]。
【請求項2】
、R、R及びRが、H、F、Cl、OR、SR、OCF、CF、CHF、CHF、C−Cアルキル及び3〜5個の炭素原子を有するシクロアルキルからなる群から独立に選択され、ここで、R及びRは、C−Cアルキルから独立に選択され、前記アルキル及びシクロアルキルが両方とも、F及びClから選択される1又は2以上の原子で置換されていてもよく、
環Aが、芳香族単環及び芳香族二環から選択され、前記芳香族単環及び芳香族二環が両方とも、O及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子で置換されていてもよい5〜12員環であり、環Aが、任意の可能な位置で化合物Iの他の部分と連結されており、
及びRの定義が、以下:
(1)R=R=Me、
(2)R=Me、R=H、
(3)R=Me、R=F、及び
(4)R=F、R=H
から選択される、請求項1に記載の一般式Iの構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグエステル。
【請求項3】
、R、R及びRが、F、Cl、OR、SR、OCF、CF、CHF、CHF、C−Cアルキル及び3〜4個の炭素原子を有するシクロアルキルからなる群から独立に選択され、ここで、R及びRは、C−Cアルキルから独立に選択され、前記アルキル及びシクロアルキルが両方とも、1又は2以上のF原子で置換されていてもよく、
環Aが、ベンゼン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、アズレン、任意の可能な形態で共有結合により連結されているベンゼン環及びチオフェン環、並びに任意の可能な形態で共有結合により連結されているベンゼン環及びフラン環からなる群から選択され、環Aが、任意の可能な位置で化合物Iの他の部分と連結されており、
及びRの定義が、以下:
(1)R=R=Me、
(2)R=Me、R=H、及び
(3)R=F、R=H
から選択される、請求項1又は2に記載の一般式Iの構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグエステル。
【請求項4】
化合物の構造が、以下:
【化2】







の構造から選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の一般式Iの構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグエステル。
【請求項5】
薬学的に許容されるプロドラッグエステルが、分子中に存在する任意の1又は2以上のヒドロキシル基を、アセチル、ピバロイル、ホスホリル、カルバモイル及びアルコキシホルミルのうち1又は2以上でエステル化することにより形成されるエステルを包含する、請求項1〜4のいずれかに記載の一般式Iの構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグエステル。
【請求項6】
【化3】

(式中、塩基Aは、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、ピリジン及び4−ジメチルアミノピリジンから選択され、塩基Bは、酢酸ナトリウム無水物、ピリジン及び4−ジメチルアミノピリジンから選択され、塩基Cは、ナトリウムメトキシド、NaOH及びKOHから選択される)
のステップを含む、請求項1〜5のいずれかに記載の一般式Iの構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグエステルを調製する方法。
【請求項7】
トリメチルシリル化試薬がトリメチルクロロシランであり、アルキルリチウム試薬がn−ブチルリチウムであり、酸がメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸から選択され、ルイス酸がBF・EtO、BF・MeCN及びトリフルオロ酢酸から選択され、還元剤がトリエチルシラン及びトリイソプロピルシランから選択され、アセチル化試薬が無水酢酸及び塩化アセチルから選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
(1)R=R=Meであるとき、化合物IVが、IV−1
【化4】

であり、前記化合物IV−1が、以下の経路:
【化5】

(式中、化合物XVIIIはMeLi、MeMgI又はMeMgBrで処理されて化合物XIXを生じ、化合物XIXは、酸の存在下で化合物XIIと反応して化合物IV−1を生じ、前記酸はメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸又は濃硫酸である)により合成され、又は
(2)R=Me、R=OMeであるとき、化合物IVが、IV−2
【化6】

であり、前記化合物IV−2が、以下の経路:
【化7】

[式中、化合物XIIIは、MeLi、MeMgI又はMeMgBrで処理されて化合物XXを生じ、該化合物XXは、塩基の存在下でメチル化試薬で処理されて化合物IV−2を生じ、前記塩基はNaH、KH又はNaNHであり、前記メチル化試薬はMeSO又はMeIであり、
代替的に、前記化合物XXは、以下の経路:
【化8】

(式中、化合物XIVは、n−BuLi又は金属Mgで処理されて化合物XVを生じ、該化合物XVは、化合物XXIと反応して化合物XXを生じる)により合成される]により合成され、又は
(3)R=Me、R=Hであるとき、化合物IVが、IV−3
【化9】

であり、前記化合物IV−3が、以下の経路:
【化10】

(式中、化合物XXは、酸の存在下で還元剤により還元されて化合物IV−3になり、前記酸はBF・EtO又はトリフルオロ酢酸であり、前記還元剤はトリエチルシラン又はトリイソプロピルシランである)により合成され、又は
(4)R=Me、R=Fであるとき、化合物IVが、IV−4
【化11】

であり、前記化合物IV−4が、以下の経路:
【化12】

(式中、化合物XXは、フッ素化剤と反応して化合物IV−4を生じ、前記フッ素化剤はSF又はEtNSFである)により合成され、又は
(5)R=F、R=Hであるとき、化合物IVが、IV−5
【化13】

であり、前記化合物IV−5が、以下の経路:
【化14】

(式中、化合物XVIIは、フッ素化剤と反応して化合物IV−5を生じ、前記フッ素化剤はSF又はEtNSFであり、前記化合物XVIIは、以下の反応により化合物XIIIを還元することにより生成され、還元剤は、NaBH、KBH、LiAlH及びLiBHから選択される)
【化15】


により合成され、又は
(6)R=OMe、R=Hであるとき、化合物IVが、IV−6
【化16】

であり、前記化合物IV−6が、以下の経路:
【化17】

(式中、化合物XVIIは、塩基の存在下でメチル化試薬で処理されて化合物IV−6を生じ、前記塩基はNaH、KH又はNaNHであり、前記メチル化試薬はMeSO又はMeIである)により合成される、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
【化18】

のステップを含む、請求項6〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれかに記載の一般式Iの構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグエステル、或いは、請求項6〜9のいずれかに記載の方法により調製される一般式Iの構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグエステルの、ナトリウム−グルコース共輸送体2の阻害における使用。
【請求項11】
請求項1〜5のいずれかに記載の一般式Iの構造を有する化合物及びその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグエステル、或いは、請求項6〜9のいずれかに記載の方法により調製される一般式Iの構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグエステルの、糖尿病の治療における使用。
【請求項12】
請求項1〜5のいずれかに記載の一般式Iの構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグエステル、或いは、請求項6〜9のいずれかに記載の方法により調製される一般式Iの構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグエステルの、ナトリウム−グルコース共輸送体2阻害剤の調製における使用。
【請求項13】
請求項1〜5のいずれかに記載の一般式Iの構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグエステル、或いは、請求項6〜9のいずれかに記載の方法により調製される一般式Iの構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグエステルの、糖尿病を治療するための医薬の調製における使用。
【請求項14】
有効量の、請求項1〜5のいずれかに記載の一般式Iの構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグエステル、或いは、請求項6〜9のいずれかに記載の方法により調製される一般式Iの構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグエステルを患者に投与するステップを含む、糖尿病を治療する方法。
【請求項15】
請求項1〜5のいずれかに記載の一般式Iの構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグエステル、或いは、請求項6〜9のいずれかに記載の方法により調製される一般式Iの構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグエステルと、薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項16】
固体経口製剤、液体経口製剤又は注射用製剤である、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
固体経口製剤及び液体経口製剤が、分散錠、腸溶コーティング錠、チュアブル錠、口腔内崩壊錠、カプセル剤、顆粒剤及び経口液剤を包含し、注射用製剤が、バイアル注射剤、注射用の凍結乾燥粉末剤、大量注入剤(large volume infusion)及び小量注入剤(small volume infusion)を包含する、請求項16に記載の医薬組成物。


【公表番号】特表2013−518065(P2013−518065A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550305(P2012−550305)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【国際出願番号】PCT/CN2011/000061
【国際公開番号】WO2011/091710
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(510069663)テンシン インスティチュート オブ ファーマシューティカル リサーチ (2)
【氏名又は名称原語表記】TIANJIN INSTITUTE OF PHARMACEUTICAL RESEARCH
【Fターム(参考)】