説明

フェノキサジン誘導体の製造方法

【課題】2−アミノフェノールを縮合して高収率でフェノキサジン誘導体を得るための、フェノキサジン誘導体の製造方法の提供。
【解決手段】スルホン酸、酸性リン化合物、固体酸から選択される酸性添加剤及び/又は有機N−ハロ化合物の存在下で、2−アミノフェノール誘導体を縮合させることにより、フェノキサジン誘導体が効率よく得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2−アミノフェノール誘導体を縮合させるフェノキサジン誘導体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フェノキサジン誘導体を製造する方法としては、2−アミノフェノールと等モルの2−アミノフェノール塩酸塩の混合物を265〜290℃で加熱する方法が報告されている(非特許文献1参照)。また、より簡便な方法として、触媒量のヨウ素を用い、2−アミノフェノールを270〜275℃で加熱し縮合させる方法が報告されている(非特許文献2参照)。しかしながら、非特許文献1(塩化水素)、非特許文献2(ヨウ素)ともに反応が効率的に進まず、より効率的な製造方法が求められていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Journal ofAmerican Chemical Society, 1957, 79, p.3485−3487.
【非特許文献2】Journal ofOrganic Chemistry, 1959, 24, p.37−39.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の製造方法では困難であった、2−アミノフェノールを縮合して高収率でフェノキサジン誘導体を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、スルホン酸、酸性リン化合物、固体酸から選択される酸性添加剤及び/又は有機N−ハロ化合物の存在下で、2−アミノフェノール誘導体を縮合させることにより、フェノキサジン誘導体が効率よく得られることを見出した。
【0006】
即ち本発明は、スルホン酸、酸性リン化合物、固体酸から選択される酸性添加剤及び/又は有機N−ハロ化合物の存在下で、一般式(1)で示される2−アミノフェノール誘導体を縮合させる一般式(2)で示されるフェノキサジン誘導体の製造方法である。
【化1】

(式中、各Rは同一でも異なってもよく、アルキル基、アラルキル基、アリール基、または、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲン原子を表し、nは0〜2の整数である。)
【化2】

(式中、各Rは同一でも異なってもよく、アルキル基、アラルキル基、アリール基、または、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲン原子を表し、nは0〜2の整数である。)
【発明の効果】
【0007】
本発明の製造方法は、スルホン酸、酸性リン化合物、固体酸から選択される酸性添加剤及び/又は有機N−ハロ化合物が反応系に留まり、さらに2−アミノフェノール誘導体の縮合反応を促進することにより、フェノキサジン誘導体を高収率で得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
2−アミノフェノール誘導体
本発明で使用する2−アミノフェノール誘導体は、下記一般式(1)で示される2−アミノフェノール誘導体である。即ち、2−アミノフェノールはもとより反応に影響を与えない置換基である限り置換された2−アミノフェノールであっても特に限定されることなく使用することができる。
【化3】


(式中、各Rは同一でも異なってもよく、アルキル基、アラルキル基、アリール基、または、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲン原子を表し、nは0〜2の整数である。)
Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数6〜12のアリール基、またはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲン原子であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基であることがより好ましい。
【0009】
一般式(1)で示される2−アミノフェノール誘導体の具体例としては、2−アミノフェノール、2−アミノ−3−メチルフェノール、2−アミノ−4−メチルフェノール、2−アミノ−5−メチルフェノール、6−アミノ−2,4−ジメチルフェノール、2−アミノ−4−フェニルフェノール、2−アミノ−4−tert−ブチルフェノール、2−アミノ−4−クロロフェノール、2−アミノ−5−クロロフェノール、2−アミノ−4−ブロモフェノール、2−アミノ−4−フルオロフェノール、2−アミノ−4−ヨードフェノールなどが挙げられる。
中でも2−アミノフェノール、2−アミノ−3−メチルフェノール、2−アミノ−4−メチルフェノール、2−アミノ−5−メチルフェノール、6−アミノ−2,4−ジメチルフェノール、2−アミノ−4−フェニルフェノールなどの無置換もしくはアルキルまたはアリール置換の2−アミノフェノール誘導体が特に好ましい。
【0010】
フェノキサジン誘導体
本発明で目的とするフェノキサジン誘導体は下記一般式(2)で示され、上記一般式(1)で示される2−アミノフェノール誘導体を縮合して得られる。
【化4】

(式中、各Rは同一でも異なってもよく、アルキル基、アラルキル基、アリール基、または、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲン原子を表し、nは0〜2の整数である。)
Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数6〜12のアリール基、またはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲン原子であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基であることがより好ましい。
【0011】
酸性添加剤
本発明において使用される酸性添加剤としては、スルホン酸、酸性リン化合物、固体酸が挙げられ、スルホン酸、酸性リン化合物であることが好ましく、スルホン酸であることがより好ましい。
【0012】
スルホン酸としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、1−ペンタンスルホン酸、1−ヘキサンスルホン酸、1−ヘプタンスルホン、1−オクタンスルホン酸、1−ノナンスルホン酸、1ーデカンスルホン酸等の炭素数1〜10のアルカンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のハロゲン置換アルカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−キシレン−2−スルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸等のベンゼンスルホン酸及びベンゼンスルホン酸誘導体、カンファースルホン酸を例示することができ、メタンスルホン酸、カンファースルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸が好ましく、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸を使用することが特に好ましい。スルホン酸の使用量は、上記一般式(1)で表される2−アミノフェノール誘導体に対して、0.01〜3倍当量の範囲であり、0.02〜1倍当量が好ましく、0.05〜0.5倍当量がより好ましい。
【0013】
酸性リン化合物としては、リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸などのリン酸類、五酸化リン等のリン酸化物、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素マグネシウム、リン酸二水素カルシウム(重過リン酸石灰)などのリン酸金属塩が例示される。中でも、リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸などのリン酸類、五酸化リンなどのリン酸化物が好ましく、ポリリン酸もしくは五酸化リンが特に好ましい。酸性リン化合物の使用量は、上記一般式(1)で表される2−アミノフェノール誘導体に対して、0.01〜3倍当量の範囲であり、0.02〜1倍当量が好ましく、0.05〜0.5倍当量がより好ましい。
【0014】
固体酸としては、無機酸化物、酸性有機化合物、及びそれらの組み合わせを例示することができる。無機酸化物としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、ランタニア等の金属酸化物、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、シリカ−チタニア、アルミナ−ジルコニア、シリカ−ランタニア、チタニア−ジルコニア、ゼオライト類等の複合酸化物を例示することができる。前記ゼオライト類は、A型、X型、Y型、ベータ型の合成ゼオライト、ソーダライト類、モルデナイト、ZSM−5などの各種ゼオライト等を例示することができる。酸性有機化合物としては、ナフィオン(Nafion登録商標)、アンバーリスト(Amberlyst登録商標)等の強酸性イオン交換樹脂等を例示することができる。固体酸の使用量は、上記一般式(1)で表される2−アミノフェノール誘導体に対して、0.01〜3倍重量の範囲であり、0.02〜1倍重量が好ましく、0.05〜0.5倍重量がより好ましい。
【0015】
上記の酸性添加剤を2種類以上組み合わせて使用しても問題ない。具体的には、五酸化リンとメタンスルホン酸の混合物であるイートン試薬や、リン酸をシリカなどの多孔質の担体に担持したリン酸−シリカなどが挙げられる。
【0016】
有機N−ハロ化合物
本発明における有機N−ハロ化合物とは、窒素原子にハロゲン原子、好ましくは塩素、臭素、ヨウ素が結合した構造(−N−Cl、−N−Br、−N−I)を有する化合物の総称であり、N−ハロカルボン酸アミド(イミド)、N−ハロスルホン酸アミド(イミド)等を包含する。本発明の有機N−ハロ化合物を具体的に例示するとN−ブロモアセトアミド、N−クロロコハク酸イミド、N−ブロモコハク酸イミド、N−ヨードコハク酸イミド、N−ブロモサッカリン、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジヨード−5,5−ジメチルヒダントイン、トリクロロイソシアヌル酸、トリブロモイソシアヌル酸などが挙げられる。有機N−ハロ化合物の使用量は、上記一般式(1)で表される2−アミノフェノール誘導体に対して、0.01〜3倍当量の範囲であり、0.02〜1倍当量が好ましく、0.05〜0.5倍当量がより好ましい。
【0017】
溶媒
本発明においては、無溶媒で反応を行うことも可能であるが溶媒を使用することも可能である。使用する溶媒の沸点は160℃以上であることが好ましい。使用可能な溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリンなどのアルコール溶媒、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系の溶媒、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N‘−ジメチルプロピレン尿素、ヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジプロピルスルホン、スルホランなどの硫黄系の溶媒が挙げられる。好ましくは、硫黄系の溶媒である。
溶媒の使用量は上記一般式(1)で表される2−アミノフェノール誘導体に対して、0.01〜50倍重量の範囲であり、好ましくは0.1〜20倍重量の範囲である。
【0018】
反応条件
本発明において、反応温度は160〜300℃で行われ、好ましくは230〜280℃である。通常の加熱反応とマイクロ波照射での加熱のどちらでも実施可能であるが、反応時間が短縮できるマイクロ波照射での加熱が好ましい。
マイクロ波は、300MHz〜30GHzの周波数を有する電磁波であり、工業用マイクロ波照射機では2,450MHzが使用されているため、通常はそれを使用すればよい。照射時間は仕込み量、マイクロ波照射装置のワット数などによって異なるが、約0.1〜10kWで、約1〜60分とすればよい。
マイクロ波照射実験装置は、例えば四国計測工業(株)、ミクロ電子(株)、マイルストーンゼネラル社、CEM社等により製作、販売されているものを使用すればよい。
通常の加熱反応において、反応時間は約2〜24時間とすればよい。
【0019】
反応組成物
本発明においては、加熱条件もしくはマイクロ波照射条件下に置かれている一般式(1)で示される2−アミノフェノール誘導体にスルホン酸、酸性リン化合物、固体酸から選択される酸性添加剤及び/又は有機N−ハロ化合物を添加させて反応させてもよく、2−アミノフェノール誘導体とスルホン酸、酸性リン化合物、固体酸から選択される酸性添加剤及び/又は有機N−ハロ化合物を含む反応組成物を加熱条件もしくはマイクロ波照射条件下で反応させてもよい。反応組成物には上述した溶媒を含んでもよい。
【0020】
目的とするフェノキサジン誘導体は公知の方法で精製することができる。具体的には、反応混合物から抽出を行い、カラムクロマトグラフィー、昇華もしくは蒸留などの方法により、分離、取得することができる。
【0021】
実施例
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
シリカゲルクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーの条件については以下の通りである。
シリカゲルクロマトグラフィー
シリカゲル:ダイソーゲルIR−60−63/210
溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=10
高速液体クロマトグラフィー
カラム:ダイソーパックSP−120−5−ODS−AP
移動相:水/アセトニトリル=40/60
【0022】
[実施例1]
100mLのナス型フラスコに、2−アミノフェノール5.0g(45.8mmol)、p−トルエンスルホン酸一水和物1.74g(9.16mmol)を入れ、500Wマイクロ波を5分間照射した。反応後、反応生成物をトルエンで溶かし、不溶物はろ過により取り除き、ろ液を濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、フェノキサジンがベージュ色の結晶として、2.39g(収率57%)得られた。
【0023】
[比較例1]
p−トルエンスルホン酸一水和物を加えなかったこと以外は、実施例1と同じ条件で反応を行った。反応後、反応生成物をアセトニトリルで溶かし、高速液体クロマトグラフィーにより分析を行ったが、出発原料である2−アミノフェノールが未反応のまま残っていた。
【0024】
[比較例2]
100mLのナス型フラスコに、2−アミノフェノール2.5g(22.9mmol)、2−アミノフェノール塩酸塩3.34g(22.9mmol)を入れ、500Wマイクロ波を5分間照射した。反応後、反応生成物をアセトニトリルで溶かし、高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ、2−アミノフェノールは消失していたが、フェノキサジンは定量収率8%しか生成しておらず、主な生成物は2,2‘−ジヒドロキシジフェニルアミンであった。
【0025】
[実施例2]
100mLのナス型フラスコに、2−アミノフェノール5.0g(45.8mmol)、p−トルエンスルホン酸一水和物0.44g(2.29mmol)、スルホラン5mLを入れ、270〜280℃に保ちながら4時間加熱を行った。反応後、反応生成物をトルエンに溶かし、不溶物はろ過により取り除き、ろ液を濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、フェノキサジンがベージュ色の結晶として、1.47g(収率35%)得られた。
【0026】
[実施例3]
100mLのナス型フラスコに、2−アミノフェノール5.0g(45.8mmol)、85%リン酸1.06g(9.16mmol)、スルホラン5mLを入れ、600Wマイクロ波を10分間照射した。反応後、反応生成物をメタノールに溶かし、不溶物はろ過により取り除き、ろ液を濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、フェノキサジンがベージュ色の結晶として、1.93g(収率46%)得られた。
【0027】
[実施例4]
100mLのナス型フラスコに、2−アミノフェノール5.0g(45.8mmol)、五酸化リン0.65g(2.29mmol)、スルホラン5mLを入れ、400Wマイクロ波を10分間照射した。反応後、反応生成物をメタノールに溶かし、不溶物はろ過により取り除き、ろ液を濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、フェノキサジンがベージュ色の結晶として、1.89g(収率45%)得られた。
【0028】
[実施例5]
100mLのナス型フラスコに、2−アミノフェノール5.0g(45.8mmol)、メタンスルホン酸0.44g(4.58mmol)を入れ、700Wマイクロ波を5分間照射した。反応後、反応生成物をジエチルエーテルに溶かし、不溶物はろ過により取り除いた。ろ液に10%水酸化ナトリウム水溶液を20g加え、水相を取り除いた。10%水酸化ナトリウム水溶液を20g加え、水相を取り除く作業を3回行い、ジエチルエーテル相を濃縮した。濃縮物をクーゲルロール蒸留により精製し(沸点215℃/4mmHg)、フェノキサジンがベージュ色の結晶として、2.18g(収率52%)得られた。
【0029】
[実施例6]
100mLのナス型フラスコに、2−アミノフェノール5.0g(45.8mmol)、N−ヨードコハク酸イミド0.21g(0.92mmol)を入れ、750Wマイクロ波を15分間照射した。反応後、反応生成物をジクロロメタンに溶かし、不溶物はろ過により取り除いた。ろ液を5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、10%水酸化ナトリウム水溶液を20g加え、水相を取り除いた。10%水酸化ナトリウム水溶液を20g加え、水相を取り除く作業を3回行い、トルエン相を濃縮した。濃縮物をクーゲルロール蒸留により精製し(沸点215℃/4mmHg)、フェノキサジンがベージュ色の結晶として、1.26g(収率30%)得られた。
【0030】
[実施例7]
100mLのナス型フラスコに、2−アミノ−4−メチルフェノール5.0g(40.6mmol)、メタンスルホン酸 0.78g(0.81mmol)を入れ、600Wマイクロ波を5分間照射した。反応後、反応生成物を1,2−ジクロロエタンに溶かし、不溶物はろ過により取り除き、ろ液を濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、2,8−ジメチルフェノキサジンがベージュ色の結晶として、2.14g(収率50%)得られた。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の製造方法により得られるフェノキサジン誘導体は、医薬中間体、電子材料、染料などとして有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スルホン酸、酸性リン化合物、固体酸から選択される酸性添加剤及び/又は有機N−ハロ化合物の存在下で、一般式(1)で示される2−アミノフェノール誘導体を縮合させる一般式(2)で示されるフェノキサジン誘導体の製造方法。
【化1】

(式中、各Rは同一でも異なってもよく、アルキル基、アラルキル基、アリール基、または、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲン原子を表し、nは0〜2の整数である。)
【化2】

(式中、各Rは同一でも異なってもよく、アルキル基、アラルキル基、アリール基、または、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲン原子を表し、nは0〜2の整数である。)
【請求項2】
加熱条件又はマイクロ波照射条件下で2−アミノフェノール誘導体を縮合させることを特徴とする請求項1に記載のフェノキサジン誘導体の製造方法。
【請求項3】
酸性添加剤が、スルホン酸または酸性リン化合物である請求項1又は2に記載のフェノキサジン誘導体の製造方法。
【請求項4】
酸性添加剤が、スルホン酸である請求項1〜3いずれかに記載のフェノキサジン誘導体の製造方法。
【請求項5】
スルホン酸が、メタンスルホン酸もしくはp−トルエンスルホン酸である請求項1〜4いずれかに記載のフェノキサジン誘導体の製造方法。
【請求項6】
酸性リン化合物が、五酸化リンもしくはポリリン酸である請求項1〜3いずれかに記載のフェノキサジン誘導体の製造方法。
【請求項7】
マイクロ波照射条件下で2−アミノフェノール誘導体を縮合させることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載のフェノキサジン誘導体の製造方法。
【請求項8】
一般式(1)で示される2−アミノフェノール誘導体とスルホン酸、酸性リン化合物、固体酸から選択される酸性添加剤及び/又は有機N−ハロ化合物を含む反応組成物。
【化3】


【公開番号】特開2011−246374(P2011−246374A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119947(P2010−119947)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(000108993)ダイソー株式会社 (229)
【Fターム(参考)】