説明

フェノールの精製方法

精製フェノール流の製造方法は、一般に、初期濃度のヒドロキシアセトン及びメチルベンゾフランを含むフェノール流を50〜100℃の温度で酸性イオン交換樹脂と接触させてフェノール流中のヒドロキシアセトン及びメチルベンゾフランの初期濃度を同時に低下させて精製フェノール流を得ることを含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にフェノールの精製及び回収法に関する。
【背景技術】
【0002】
全世界で使用されるフェノールの約95%は概して三段階クメン法で製造される。三段クメン法では、ベンゼンを出発物質として、(1)ベンゼンをプロペンでアルキル化してクメンを生成させ(通例、リン酸又は塩化アルミニウムで触媒される。)、(2)分子状酸素を用いてクメンをクメンヒドロペルオキシド(「CHP」ともいう。)に酸化し、(3)CHPをフェノール及びアセトンに開裂する(通例、硫酸で触媒される)。生成物のフェノール及びアセトンに加えて、通常は未反応クメンとその他様々な副生物、例えばα−メチルスチレン、アセトフェノン、クミルフェノール、ジメチルベンジルアルコール、メチルベンゾフラン(「MBF」ともいう)、さらにヒドロキシアセトン(以下、「アセトール」又は「HA」ともいう。)やメシチルオキシドやアルデヒドを始めとする様々な微量「カルボニル型」不純物が生成する。これらの不純物のため、得られたフェノール及びアセトン生成物を不要副生物及び不純物から分離する必要がある。例えば、フェノール中にアセトール及びメチルベンゾフラン不純物が存在すると、フェノール生成物の品質は、ビスフェノールA、ジフェニルカーボネート及びポリカーボネートの製造のような多くの最終用途に適さなくなる。さらに、アセトール及びメチルベンゾフランを不純物として含むフェノールは、経時的な或いは後段の反応(例えば、スルホン化及び塩素化反応)で変色する傾向がある。
【0003】
用いる作業条件によっては、CHPの酸触媒開裂で一般に約1000〜約2500ppmのアセトールが生成する。アセトールは、精留プロセスでフェノールと共に留出して最終フェノール生成物を汚染するので、下流プロセスにおけるフェノールからの除去が特に困難である。また、アセトールは作業条件下でフェノールと縮合してメチルベンゾフラン(類)を生成して、MBFの平衡濃度を高めることも知られているが、MBFはフェノールとの共沸混合物を生じるために蒸留法でのフェノールからの分離は非常に困難である。
【0004】
慣用蒸留法はフェノール生成物からのアセトール及びメチルベンゾフラン不純物の除去に有効ではないので、これらを除去すべく各種の化学処理法が試みられてきた。水酸化ナトリウム、アミン、イオン交換樹脂及びゼオライトのような塩基性及び酸性処理剤を用いる均一法及び不均一法が用いられてきた。フェノール生成物を酸触媒に2度通す二段階法が試みられている。二段階法は、一般に、フェノールをまず115℃の温度で酸触媒に通して初期HA濃度を低下させることを含む。しかし、この温度ではMBF濃度が増加するので、MBFの除去を行うための第二段階が必要になる。その他の二段階法では、まずフェノール生成物中のアセトールを低減させてから、酸処理を行う。かかる追加段階は作業コストを増加させるが、これはフェノールのような量産製品には望ましくない。
【特許文献1】米国特許第3029294号明細書
【特許文献2】米国特許第3335070号明細書
【特許文献3】米国特許第3454653号明細書
【特許文献4】米国特許第3962845号明細書
【特許文献5】米国特許第5414154号明細書
【特許文献6】米国特許第5502259号明細書
【特許文献7】米国特許第6066767号明細書
【特許文献8】米国特許第6388144号明細書
【特許文献9】米国特許第6489159号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2002/0159783号明細書
【特許文献11】米国特許第6489519号明細書
【特許文献12】米国特許第5064507号明細書
【特許文献13】米国特許第6486365号明細書
【特許文献14】米国特許第6573408号明細書
【特許文献15】米国特許第6635789号明細書
【特許文献16】米国特許第2734085号明細書
【特許文献17】米国特許第2744143号明細書
【特許文献18】米国特許第2992169号明細書
【特許文献19】米国特許第3437699号明細書
【特許文献20】米国特許第3862244号明細書
【特許文献21】米国特許第3931339号明細書
【特許文献22】米国特許第3965187号明細書
【特許文献23】米国特許第4092360号明細書
【特許文献24】米国特許第4298765号明細書
【特許文献25】米国特許第4334107号明細書
【特許文献26】米国特許第4973766号明細書
【特許文献27】米国特許第5262016号明細書
【特許文献28】米国特許第5264636号明細書
【特許文献29】米国特許第5491268号明細書
【特許文献30】米国特許第5510543号明細書
【特許文献31】米国特許第4933494号明細書
【特許文献32】米国特許第5008470号明細書
【特許文献33】米国特許第5105026号明細書
【特許文献34】米国特許第5358701号明細書
【特許文献35】米国特許第5399329号明細書
【特許文献36】米国特許第5507980号明細書
【特許文献37】米国特許第6156696号明細書
【特許文献38】米国特許第6313063号明細書
【特許文献39】英国特許第865677号明細書
【特許文献40】英国特許第920864号明細書
【特許文献41】英国特許第1108584号明細書
【特許文献42】英国特許第1381398号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、フェノール中のアセトール及びメチルベンゾフラン不純物のレベルを低下させるための一段と有効な一段階法に対するニーズが依然として存在している。かかる方法は、高品質の芳香族ビスフェノール及びポリカーボネートの製造に適した精製フェノールの経済的製造方法につながる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
精製フェノール流を製造するための一段階法は、初期濃度のヒドロキシアセトン及びメチルベンゾフランを含むフェノール流を50〜100℃の温度で酸性イオン交換樹脂と接触させてフェノール流中のヒドロキシアセトン及びメチルベンゾフランの初期濃度を同時に低下させて精製フェノール流を得ることを含む。
【0007】
別の実施形態では、精製フェノール流を製造するための連続法は、フェノール流を、50〜100℃の温度及び0.1〜5の重量時間空間速度で、樹脂総重量の約8重量%以上のジビニルベンゼンで架橋したスルホン化スチレン−ジビニルベンゼン酸性イオン交換樹脂と接触させて、フェノール流のヒドロキシアセトン及びメチルベンゾフラン初期濃度を同時に低下させるとともにフェノールよりも沸点の高い生成物を生成させる段階、及び処理済みフェノール流を蒸留する段階を含む。
【0008】
さらに別の実施形態では、方法は、初期濃度のヒドロキシアセトン及びメチルベンゾフランを含むフェノール流を約50〜約100℃の温度で酸性イオン交換樹脂と接触させてフェノール流中のヒドロキシアセトン及びメチルベンゾフランの初期濃度を同時に低下させることを含む。
【0009】
本発明の様々な特徴に関する以下の詳細な説明、図面及び実施例を参照することによって、本発明の理解が図られるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1に、精製フェノールの製造方法を示す。流れ1はクメン−フェノールプロセスからの粗フェノール流であり、中和されてサージタンク2内に貯蔵される。粗フェノールを蒸留塔3、5及び7に通すと、アセトン流4、タール流6、及びフェノール含有量が概して約97〜約99重量%の不純フェノール流8が生ずる。このフェノールプロセス由来の微量不純物には、約100〜約200ppmのHA及びMBFがある。流れ8は、イオン交換樹脂を充填した固定層反応器10に約50〜約100℃の温度で連続的に通される。流れ8の温度は温度調節装置9で維持される。HA及びMBFの低減した流出流11は最終蒸留塔12に供給され、精製フェノール流14から高沸点不純物流13が分離される。
【0011】
フェノールから不純物を低減させるための本発明の一段階法を実施することによって、多様な供給源から得られるフェノールを精製することが可能である。例えば、一実施形態では、好適なフェノール供給原料1はフェノール生産プロセスから得られるフェノールからなる。別の実施形態では、好適なフェノール供給原料1は、他のポリマー構造単位(その非限定的な例としては、ビスフェノールAのような芳香族ビスフェノール、及びジフェニルカーボネートのようなジアリールカーボネートが挙げられる。)を合成するための他の製造プロセスの原料として使用されるフェノールからなる。さらに具体的には、フェノール供給原料はCHPの酸触媒分解で得られる粗フェノールからなる。
【0012】
どのような酸性イオン交換樹脂も、不純物を高沸点化合物(即ち、フェノールよりも沸点の高いもの)に転化させるための触媒として使用できる。本明細書で用いる「酸性イオン交換樹脂」という用語は、水素型の陽イオン交換樹脂で、水素イオンが活性部位に結合していて溶液中での解離又は他の陽イオンとの置換によって除去できるものをいう。樹脂の活性部位は各種イオンに対して吸着の強さが異なり、この選択的吸着力がイオン交換の手段としての役目を果たす。好適な酸性イオン交換樹脂の非限定的な例としては、一群のスルホン化ジビニルベンゼン架橋スチレンコポリマーが挙げられ、例えば、酸性イオン交換樹脂の総重量の約1〜約20重量%のジビニルベンゼンで架橋したコポリマーなどがある。さらに具体的には、好適な触媒としては、酸性イオン交換樹脂触媒の総重量の約8重量%以上のジビニルベンゼンで架橋した酸性イオン交換樹脂が挙げられ、例えば、Aldrich Chemical社から市販のAmberlyst 15、Bayer社から市販のBayer K2431、Thermax社から市販のT−66などがある。その他の好適な樹脂は、Bayer社、Rohm and Haas Chemical社、Dow Chemical社、Thermax India社、Permutit社及びPurolite社のような製造業者から市販品として入手できる。かかる触媒は、フェノール供給原料中の初期濃度約250ppm以下のアセトール及び初期濃度約500ppm以下のメチルベンゾフランの効果的な同時低減を示す。さらに、かかる触媒は比較的低い流量(例えば、約0.1〜約5の重量時間空間速度(WHSV))及び低い温度(例えば、約50〜約100℃の温度)で有効である。重量時間空間速度は、単位時間当たり単位触媒量当たりの供給原料の質量である。
【0013】
上述の一段階法は、回分操作で実施でき、或いは、当業者に自明の適当な修正を施すことによって半連続操作又は連続操作で実施できる。不純フェノール流の処理は固定層又は流動層反応器で実施でき、さらに好ましくは固定層反応器内の酸性イオン交換樹脂で実施できる。回分法では、一段階処理は一般に約1.5〜約23時間実施される。一般に、かかる処理を約2時間実施すると、アセトール及びメチルベンゾフランの十分な低減が達成できる。連続法では、重量時間空間速度は一般に約0.1〜約5の範囲内にある。特定の実施形態では、重量時間空間速度約1〜約2である。不純フェノール流を酸性イオン交換樹脂と接触させる前に、不純フェノール流は約50〜約100℃の温度に維持される。触媒層は約50〜約100℃の温度に維持される。特定の実施形態では、触媒層は約70〜約90℃の温度に維持される。イオン交換樹脂は高温では経時的な活性の低下を示すので、酸性イオン交換樹脂触媒では低い作業温度(即ち、約100℃未満の温度)を用いるのが有利である。得られる処理済みフェノール流は、アセトールレベルは一般に約10ppm以下に低下し、メチルベンゾフランレベルは一般に約50ppm以下に低下する。イオン交換樹脂に暴露した後、フェノール流は熱分離装置に供給され、精製フェノールを分離・回収できる。熱分離は、蒸留技術その他の精留法を用いて達成できる。
【0014】
別の実施形態では、初期HA濃度10ppm以上の不純フェノール流を一般に約50〜約100℃の温度でイオン交換樹脂で処理することによって、HA濃度が10ppm以下に低下し、MBF濃度が約50ppm以下のフェノール流が得られる。
【0015】
上述の技術は、単一段階及び低い作業温度でのHAとMBFの同時低減による精製フェノールの製造が可能となる。有利な効果として、これらの技術によって比較的高純度で着色殿低いフェノール及びアセトンを生産することができるとともに、フェノール生産プラント全体を高い生産速度で運転できるが、これらは顕著な商業的利点である。高い生産速度は、上述の通り製造した処理済みフェノール流中のMBF存在量が低いことに起因する。処理済みフェノール中のMBFレベルが低い(即ち、50ppm未満)と、下流の蒸留操作での処理量が高まり、低コストの精製フェノール生産プロセスをもたらす。
【0016】
かかるプロセスで得られる精製フェノールは、ジフェニルカーボネート又はビスフェノールの製造に使用できる。ジフェノールカーボネートは、水性環境(スラリー又はメルト)中又は塩化メチレンのような溶媒中でのフェノールのホスゲン化、或いはジメチルカーボネートとフェノールとのエステル交換反応を始めとする様々な方法で製造できる。もっと直接的なジフェニルカーボネートの製造方法では、一酸化炭素でフェノールをカルボニル化する。カルボニル化法では、当業者周知の通り、パラジウム触媒のような遷移金属触媒が大抵はハロゲン化第四アンモニウムと共に用いられる。別のジフェニルカーボネートの製造方法では、シクロアルキレンカーボネートとフェノールとの反応が行われる。
【0017】
ビスフェノールは、酸触媒存在下でのフェノールとカルボニル含有化合物との縮合反応によって合成できる。この種の縮合反応では、塩酸、過塩素酸、三フッ化ホウ素、並びにゼオライト、酸性白土、ヘテロポリ酸及びイオン交換樹脂のような固体酸触媒を始めとする数多くの種類の酸触媒が用いられている。
【0018】
ビスフェノール及びジフェニルカーボネートは、当技術分野で公知の方法によるビスフェノールポリカーボネートの製造に使用できる。好適なポリカーボネート製造法としては、特に限定されないが、ビスフェノールとハロゲン又はビスフェノールとジフェニルカーボネートを溶融状態で直接反応させてエステル交換反応を行わせる界面法、金属の有機酸塩、無機酸塩、酸化物、水酸化物もしくは水素化物又はアルコラートのような触媒の存在下で通例250℃又は330℃の温度で実施されるエステル交換法、並びに第三アミンによる触媒作用下での相境界法がある。第三アミンは、ビスフェノールとハロゲンの反応によるポリカーボネートの製造にも使用できる。別法として、ポリカーボネートは、溶融エステル交換重合法を用いてジフェニルカーボネートとビスフェノールとをアルカリ触媒の存在下で高温で反応させることによって製造することもできる。
【実施例】
【0019】
以下の具体的な実施例を参照することによって、上述の技術に関する理解を深めることができよう。ただし、実施例は例示を目的としたものにすぎず、限定的なものではない。
【0020】
実施例1
本実施例では、フェノール、HA及びMBFを含む合成混合物からHA及びMBFを低減させるための連続法を記載する。
【0021】
連続反応器システムにおいて、フェノール、HA(209ppm)及びMBF(9ppm)の合成混合物を1.66の重量時間空間速度(WHSV)及び0.6時間の滞留時間で90℃のBayer K2431イオン交換樹脂(15g、Bayer社から市販のジビニルベンゼン架橋度15%のもの)に通した。得られた処理済みフェノール流中のHA及びMBFの量は、ガスクロマトグラフィー(GC)で測定してそれぞれ6ppm未満及び1ppm未満であった。
【0022】
実施例2〜5
これらの実施例では、実施例1に記載のフェノール、HA及びMBFを含む合成混合物からアセトール及びメチルベンゾフランを同時に低減させるための連続法を記載する。フェノール、HA及びMBFを含む合成混合物を、Bayer K2431(Bayer社から市販のジビニルベンゼン架橋度15%のもの)イオン交換樹脂(5g)に通した。イオン交換樹脂による処理の前後におけるHA及びMBFのppmを以下の表Iに示す。
【0023】
【表1】


実施例6
本実施例は、実際のフェノールプラント供給原料からHA及びMBFを低減させるための連続法を示す。
【0024】
連続反応器システムにおいて、フェノール、HA(215.7ppm)、MBF(22.33ppm)及び他のカルボニル不純物を含む実際のフェノールプラント供給原料を、57日間、70℃でBayer K2431(Bayer社から市販のジビニルベンゼン架橋度15%のもの)イオン交換樹脂(12.5g)に通した。最初の17日間に関するデータを以下の表IIに示す。
【0025】
【表2】


概して約166分以後にMBF濃度の増加が観察されるる。理論に束縛されるものではないが、イオン交換樹脂上の活性部位が飽和(消尽)したと考えられ、上述の連続法ではイオン交換樹脂を再生又は交換する必要があることを示している。回分法では、以下の実施例7に示す通り、飽和は問題とならず、長期間にわたり同時低減が明瞭に観察される。
【0026】
実施例7
本実施例は、フェノール、HA及びMBFの合成混合物からHA及びMBFを低減させるための回分法を示す。
【0027】
回分反応器システムにおいて、回分法で、フェノール、HA(187ppm)及びMBF(241ppm)の合成混合物を90℃でT−66(Thermax社から市販のジビニルベンゼン架橋度8%のもの)イオン交換樹脂の試料(5g)で処理した。結果を以下の表IIIに示す。
【0028】
【表3】


比較例
本例は、実際のフェノールプラント供給原料からHA及びMBFを低減させるための先行技術の連続法を示す。
【0029】
連続反応器システムにおいて、フェノール、HA(211ppm)、MBF(52ppm)及び他のカルボニル不純物を含む実際のフェノールプラント供給原料を、Bayer K2431(Bayer社から市販のジビニルベンゼン架橋度15%のもの)イオン交換樹脂(12.5g)に通した。HA及びMBFの量に対する温度の効果を調べるために温度を上昇させた。結果を以下の表IVに示す。
【0030】
【表4】


この例は、高い温度及び短い滞留時間を用いると、MBF量が高まることを実証している。したがって、高い温度ではHA及びMBFの同時低減は不可能である。
【0031】
低い温度を長い滞留時間と組合せて使用すると、HA及びMBFの同時除去が達成されるという予想外の知見が得られた。理論に束縛されるものではないが、観察された現象は先行技術で用いられてきた高い温度がHAの十分な除去には必要でないことによるとも考えられる。さらに、滞留時間を長くするとMBFから高沸点物質への転化が促進されるが、かかる高沸点物質はフェノールと共留出しないので容易に除去される。
【0032】
以上、本明細書では本発明の幾つかの特徴を例示し説明してきたが、数多くの修正及び変更は当業者には自明であろう。したがって、特許請求の範囲は本発明の技術的思想の範囲内にあるすべてのかかる修正及び変更を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の精製フェノールの製造方法を示す略図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
精製フェノール流を製造するための一段階法であって、
初期濃度500ppm以下のヒドロキシアセトン及び250ppm以下のメチルベンゾフランを含むフェノール流を50〜100℃の温度で酸性イオン交換樹脂と接触させてフェノール流中のヒドロキシアセトン及びメチルベンゾフランの初期濃度を同時に低下させて精製フェノール流を得ることを含んでなり、精製フェノール流に含まれるメチルベンゾフラン50ppm以下及びヒドロキシアセトン10ppm以下である、一段階法。
【請求項2】
当該連続法が、フェノール流を0.1〜5の重量時間空間速度で酸性イオン交換樹脂触媒と接触させることを含む、請求項1記載の一段階法。
【請求項3】
フェノール流と酸性イオン交換樹脂との接触が約70〜約90℃の温度で行われる、請求項1記載の一段階法。
【請求項4】
酸性イオン交換樹脂が水素型のスルホン化スチレン−ジビニルベンゼンイオン交換樹脂の水素型からなる、請求項1記載の一段階法。
【請求項5】
酸性イオン交換樹脂触媒が酸性イオン交換樹脂触媒の総重量の約1〜約20重量%のジビニルベンゼンで架橋している、請求項4記載の一段階法。
【請求項6】
精製フェノール流を製造するための連続法であって、
フェノール流を、50〜100℃の温度及び0.1〜5の重量時間空間速度で、樹脂総重量の約8重量%以上のジビニルベンゼンで架橋したスルホン化スチレン−ジビニルベンゼン酸性イオン交換樹脂と接触させて、フェノール流のヒドロキシアセトン及びメチルベンゾフラン初期濃度を同時に低下させるとともにフェノールよりも沸点の高い生成物を生成させる段階、及び
処理済みフェノール流を蒸留する段階
を含んでなる連続法。
【請求項7】
ヒドロキシアセトンの初期濃度が約500ppm以下であり、メチルベンゾフランの初期濃度が約250ppm以下である、請求項6記載の連続法。
【請求項8】
ヒドロキシアセトン及びメチルベンゾフランの初期濃度を低下させる段階が、ヒドロキシアセトンの初期濃度を約10ppm以下、メチルベンゾフランの初期濃度を約50ppm以下に低下させることを含む、請求項6記載の連続法。
【請求項9】
ある初期濃度のヒドロキシアセトン及びメチルベンゾフランを含むフェノール流を50〜100℃の温度で酸性イオン交換樹脂と接触させてフェノール流中のヒドロキシアセトン及びメチルベンゾフランの初期濃度を同時に低下させることを含んでなる方法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−514781(P2007−514781A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545673(P2006−545673)
【出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/039297
【国際公開番号】WO2005/066104
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】