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フェライト中空体およびそれを使用した電波吸収体
説明

フェライト中空体およびそれを使用した電波吸収体

【課題】軽量で、かつ、広帯域の電波吸収特性を有する電波吸収体を提供する。
【解決手段】殻がフェライト焼結体からなり、平均直径が0.5〜10mm、殻の平均厚さと平均直径との比、が0.01〜0.1であるフェライト中空体を使用し、すき間材中に体積%で20〜70%含有させる。これにより、軽量かつ電波吸収特性に優れた電波吸収体を容易に構成できる。なお、殻の外表面側に存在する気孔の量が、該殻の内表面側に存在する気孔の量より少なくすることがフェライト中空体の割れ防止には有効である。また、フェライト中空体を除く領域(すき間材)に、該領域全量に対する体積%で10%以上のフェライトを含むことが、更なる電波吸収特性の向上をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高層建築物の外壁材等用として好適な電波吸収特性に優れた電波吸収体に係り、とくに電波吸収体用として好適な中空体に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ信号が大きな建築物で反射され、テレビ画面にゴーストが生じる場合がある。このようなゴーストを防止するため、高層建築物では、外壁材として電波吸収機能を有する材料を使用している。このような外壁材の例としては、電波吸収プレキャスト・コンクリート・カーテンウォールがある。これは、内部に鉄筋を配し、コンクリートを板状に流し込み、その片面にフェライトタイルを貼り付け、その上を石材やタイルなどの表面外装材で覆う構造である。このような構造のプレキャスト・コンクリート・カーテンウォールでは、電波の吸収は配列したフェライトタイルのみによって行われる。しかし、非常に重いため、施工工事がコスト増となるうえ、適応周波数も狭く、また反射損失も少ないという問題があった。
【0003】
このような問題に対し、例えば特許文献1には、フェライト粉末を混入したケイ酸カルシウムからなる板状成形体の表面に溝部を形成し、該溝部に連続的に装着したフェライトタイルからなる電波吸収パネルが提案されている。特許文献1に記載された技術では、電波吸収能が向上し、さらに工場で量産でき製造コストが低減できるとしている。
また、電磁波遮蔽材料として、フェライトの中空粒子を使用することが知られている。例えば、特許文献2には、樹脂粉末と、樹脂粉末より小径のフェライト粒子とを圧接させながら混合し、フェライト粒子がその一部を埋め込んだ状態で樹脂粉末の表面を被覆してなるフェライト粉末被覆粒子としたのち、焼成し樹脂粉末を焼失させ、フェライト粉末同士を焼結させて中空構造を形成してなる、フェライト中空粒子の製造方法が記載されている。特許文献2に記載された技術によれば、従来よりも殻厚が厚く、球形に近く、粒径の揃った高強度のフェライト中空粒子が得られ、電磁波遮蔽材料として用いることができるとしている。
【0004】
また、フェライトの中空粒子として、例えば特許文献3には、特定組成のフェライトを含むシェルからなるフェライト含有中空粒子が記載されている。特許文献3に記載された技術で製造されたフェライト含有中空粒子は、直径が0.01〜150μm、粒子外径に対する内部空孔径の比が0.3〜0.99(粒子外径に対する膜厚の比が0.01〜0.7)である粒子で、比表面積が大きく、反応活性および触媒活性が大きく、活性の持続性がよい粒子であるとしている。
【0005】
また、特許文献4には、吸水膨潤した高吸収性ポリマーの球状粒子をセラミック原料粒子に接触させて、吸水膨潤した高吸収性ポリマーの球状粒子の全表面にセラミック原料粉末層を形成させた後、乾燥、焼成して得られたセラミックの球状殻の内部に球状空間を有してなるセラミック造粒体が記載されている。このセラミック造粒体は電波吸収体にも用いることができるとされる。特許文献4に記載された技術で製造されたセラミック造粒体は、直径6mm、殻厚1mm、中空内径4mm程度の焼結体で、粒子外径に対する膜厚の比は、0.17程度になると推定される。
【特許文献1】特開平7−74494号公報
【特許文献2】特開2005−29437号公報
【特許文献3】特開平7−237923号公報
【特許文献4】特開平10−183364号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載された技術によって製造されたパネルは、コンクリートやフェライトタイルの重量が非常に重く、施工性に問題を残しており、更なる軽量化が要望されていた。また、混入したフェライト粉末の磁気特性が低く、電波吸収特性が低いため、厚いフェライトタイルの貼り付けが必要となるという問題や、適応周波数範囲が狭いといった問題があった。
【0007】
また、特許文献2に記載された技術で製造されたフェライト中空粒子、および特許文献3に記載された技術で得られたフェライト含有中空粒子は、直径が小さく、単位体積当たりの重量が大きくなり軽量化への寄与が少ないということに加えて、相対的に膜厚が薄くなり、割れなどの欠陥が多発しやすいうえ、膜作成時に欠陥が発生しやすくなるという問題があった。また、特許文献4に記載された技術で製造されたセラミック造粒体は、質量が大きくなり、軽量化できにくいという問題が残されていた。
【0008】
本発明は、上記した従来技術の問題を解決し、軽量で、かつ、広帯域の電波吸収特性を有する電波吸収体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記した目的を達成するためには、まず、電波吸収体を、殻がフェライト焼結体からなる中空体(以下、フェライト中空体という)を使用して構成することがよいことに想到した。フェライト中空体は、高密度なフェライト焼結体で構成されているため、フェライト粉末に比べて良好な磁気特性を有し、形状に起因する電波吸収特性の異方性が少なく、高周波特性に優れるという利点を有する。しかし、上記したように、中空体の殻を薄肉化すると、割れやすくなりまた欠陥発生の頻度が高くなり、一方、それらを回避するために中空体の殻を厚肉化すると、所望の軽量化が達成できないという問題がある。
【0010】
そこで、フェライト中空体の軽量化と高い機械的強度との両立の可能性について鋭意研究した。その結果、中空体の直径(平均)と殻厚(平均)とを所定の範囲内でかつ所定の関係を満足するように調整することにより、中空体の軽量化と高い機械的強度を有することを両立させることが可能であることを見出した。
また、本発明者らは、中空体をフェライト焼結体で構成することにより、中空体の外面側の気孔量が内面側の気孔量に比べて少なくすることができ、中空体の割れ発生を顕著に防止できるという知見を得た。
【0011】
また、上記した構造のフェライト中空体をバインダー材料で結合し中空体の集合体とすることにより、軽量で、かつ、広帯域の電波吸収特性を有する電波吸収体を容易に構成することができるという知見も得ている。
本発明は、上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)殻の内部に空間を有し、前記殻がフェライト焼結体からなる中空体であって、該中空体の平均直径が0.5〜10mm、前記殻の平均厚さと前記中空体の平均直径との比、殻平均厚さ/中空体平均直径、が0.01〜0.1であることを特徴とするフェライト中空体。
(2)(1)において、前記殻の外表面側に存在する気孔の量が、該殻の内表面側に存在する気孔の量より少ないことを特徴とするフェライト中空体。
(3)(1)または(2)に記載のフェライト中空体を体積%で20〜70%含有することを特徴とする電波吸収体。
(4)(3)において、前記フェライト中空体を除く領域が、体積%で10%以上のフェライトを含むことを特徴とする電波吸収体。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電波吸収体に用いて好適な、軽量で、高い機械的強度を有するフェライト中空体を容易に製造でき、さらにこのフェライト中空体を使用すれば、軽量かつ電波吸収特性に優れた電波吸収体を容易に提供でき、産業上格段の効果を奏する。また、本発明になる電波吸収体は、高層建築物の外装壁に適用して、テレビ画面のゴースト防止に有効に寄与するという効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のフェライト中空体は、殻の内部に空間を有し、殻がフェライト焼結体で構成された中空体である。本発明では、中空体の形状は等方的であれば、とくに限定する必要はないが、製造容易性の観点から、球状体とするのが好ましい。また、使用するフェライトの種類はとくに限定する必要はないが、MgZn系フェライト、NiZn系フェライト、MnZn系フェライトが特に好適である。
【0014】
本発明のフェライト中空体は、平均直径が0.5〜10mmで、殻の平均厚さと中空体の平均直径との比、(殻平均厚さ)/(中空体平均直径)、が0.01〜0.1の範囲の中空体とする。
フェライト中空体の平均直径が0.5mm未満では、単位体積当たりの質量が大きくなり、所望の軽量化を達成できなくなるとともに、相対的に殻厚さが薄くなり、割れなどの欠陥が多発するという問題に加えて、殻作成時に欠陥が発生しやすくなるという問題もある。一方、フェライト中空体の平均直径が10mmを超えると、単位体積当たりのフェライト量が少なくなり、電波吸収特性が低下する。このようなことから、フェライト中空体の平均直径を0.5〜10mmの範囲に限定した。なお、好ましくは0.7〜8mmである。なお、ノギス、マイクロメータ等を使用して、当該中空体の複数の箇所(3箇所以上)で中空体の直径を測定し、それらの算術平均値をその中空体の平均直径とする。
【0015】
また、本発明のフェライト中空体の(殻平均厚さ)/(中空体平均直径)が、0.01未満では、フェライト焼結体からなる殻の平均厚さが小さく、したがってフェライト中空体としての強度が低下し、電波吸収体の母材に埋め込む場合に割れやすく、電波吸収体の特性低下をもたらす。一方、(殻平均厚さ)/(中空体平均直径)が0.1を超えて大きくなると、フェライト中空体の質量が大きくなり、所望の軽量化が達成できなくなる。このようなことから、フェライト中空体の(殻平均厚さ)/(中空体平均直径)を0.01〜0.1の範囲に限定した。なお、好ましくは0.02〜0.1である。なお、中空体断面を顕微鏡で観察し、複数箇所(4箇所以上)の殻厚さを測定し、それらを算術平均した値を殻平均厚さとする。
【0016】
また、本発明のフェライト中空体では、殻の外表面側に存在する気孔の量が、殻の内表面側に存在する気孔の量より少なくすることが好ましい。殻の外表面側の気孔の量を、内表面側のそれよりも少ない構造とすることにより、中空体の割れの発生を顕著に防止できる。その理由については、現在までのところ明確にはなっていないが、本発明者らは、気孔が衝撃等のクッションの役割を果しているものと推察している。なお、殻の外表面側に比べ、殻の内表面側の気孔量が多くなるように、二層構造としてもよい。このような二層構造を得るには、外表面側に最適焼結温度が低くなる種類のフェライトを、一方、内表面側に、外表面に配したフェライトより最適焼結温度が高くなる種類のフェライトを使用することが好ましい。例えば、NiZnフェライトでは、Cuを添加することにより最適焼結温度が低下することを利用し、外周側にCuを多くしたNiZnフェライトを配し、焼結することで、外表面側が内表面側よりも焼結が進んで、外表面側が気孔の少ない構造を実現できる。なお、二層に限定されるものではなく、二層以上の多層構造としてもよいのは言うまでもない。また、殻の外表面側および内表面側の気孔量の差は、フェライト中空体の断面を観察することにより判断するものとする。
【0017】
つぎに、本発明のフェライト中空体の好ましい製造方法について説明する。
球形発泡スチロールに、フェライト粉末とバインダとしてのポリビニルアルコール(PVA)を含む水スラリーを、例えばスプレーコーティング等で塗布する。なお、塗布方法はスプレーコーティングに限定されない。ミキサー中で混合する方法でもよい。また、コーティング厚さは、スプレー時間や、スラリー中のフェライト濃度で調整できる。また、フェライト中空体の直径は、使用する発泡スチロールの直径で調整できる。また、フェライト中空体の殻厚さは、コーティング厚さで調整できる。
【0018】
スプレーコーティング等で発泡スチロールにスラリーを塗布した後、1000〜1100℃の範囲の温度で焼結することが好ましい。焼結することにより、フェライト粉末同士が焼結して気孔を含むフェライト焼結体となり殻を形成し、一方、発泡スチロールは消失し内部空間を形成し、本発明のフェライト中空体とすることができる。なお、本発明のフェライト中空体の製造方法は、上記した製造方法に限定されないことは言うまでもない。
【0019】
上記した構造を有するフェライト中空体を、適正なバインダー材料(すき間材)で結合し、本発明の電波吸収体とする。
すき間材は、フェライト中空体を支持することが可能な物質であればよく、とくに限定されないが、例えば、セメントなどの無機系材料、樹脂などの有機系材料がいずれも好適である。すき間材としての無機系材料には、フェライト中空体と同じ組成のフェライト焼結体を用いても良い。
【0020】
本発明の電波吸収体でのフェライト中空体の含有量は、電波吸収体全量に対する体積%で20〜70%である。
フェライト中空体の含有量が20%未満では、十分な電波吸収特性が実現できない。一方、70%を超えて多量に含有すると、結合材でもあるすき間材の量が少なくなり、電波吸収体が十分な強度を確保できなくなる。このため、フェライト中空体の含有量を電波吸収体全量に対する体積%で20〜70%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは40〜60%である。フェライト中空体の含有量は、フェライト中空体の比重、添加量から、電波吸収体中のフェライト中空体の体積を求め、電波吸収体の体積(全量)からフェライト中空体の体積%を求める。
【0021】
また、すき間材中には、フェライト中空体と同じ組成のフェライトを含有してもよい。すき間材中にフェライトを含有することにより、電波吸収体の電波吸収特性を更に向上させることができる。電波吸収体の電波吸収特性を顕著に向上させるためには、すき間材中に含有するフェライトの含有量は、フェライト中空体を除く領域全量(体積)に対する体積%で、10%以上とすることが好ましい。フェライトの含有量が10%未満でも、電波吸収特性は向上するが、その効果は顕著ではない。
【0022】
なお、すき間材中のフェライトの含有量は、添加したフェライトの比重、添加量から、フェライトの体積を求め、電波吸収体のフェライト中空体を除く領域全量(体積)から、フェライトの体積%を求める。
本発明の電波吸収体の好ましい構成の一例を模式的断面図で図1に示す。
すき間材2はセメント等としても、あるいはセメント等にさらにフェライト中空体1と同じ組成のフェライト粉末を含有させてもよい。また本発明では、すき間材2をフェライト粉末全量としてもよい。その際、フェライト中空体1とフェライト粉末とを混合し、焼結して、電波吸収体3とする。
【0023】
以下、さらに実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
【実施例】
【0024】
(実施例1)
水に、平均粒子径0.7μmのフェライト粉末:30質量%、PVA:2質量%を加えたスラリーを作製した。該スラリーを発泡スチロールとともに、ミキサー中に装入し混合して、発泡スチロール表面にスラリーを塗布した。なお、使用したフェライト粉末は(Ni0.5Zn0.5)Fe24(組成1)とした。塗布後、1100℃(大気中)で焼結し、種々の殻平均厚さ、平均直径を有するフェライト中空体とした。
【0025】
なお、スラリーの塗布厚さ(殻厚さ)はスラリーと発泡スチロールの混合割合で、また、フェライト中空体の直径は芯材となる発泡スチロールの直径で調整した。また、得られたフェライト中空体について、平均直径および殻平均厚さを測定した。平均直径は、ノギスを用いて、得られたフェライト中空体の複数箇所(3箇所)で直径を測定し、それらを算術平均して得た。また、殻平均厚さは、得られたフェライト中空体の断面を光学顕微鏡で観察し、複数箇所(4箇所)で殻厚さを測定し、それらを算術平均して得た。
【0026】
また、一部のフェライト中空体では、フェライト粉末として、組成の異なる2種((Ni0.5Zn0.5)Fe24(組成1)と(Ni0.45Zn0.45Cu0.1)Fe(組成2))の粉末を用意し、まず、組成1のフェライト粉末を用いたスラリーを発砲スチロールに塗布し乾燥したのち、ついで、組成2のフェライト粉末を用いたスラリーを発砲スチロールに塗布した。なお、スラリーのフェライト濃度は一定とした。そして乾燥後、1050℃(大気中)で焼結して2層構造の殻を有するフェライト中空体とした。層厚さは、1対1とした。なお、組成1のフェライトは、組成2のフェライトに比べて最適焼結温度が高いフェライトである。この構造のフェライト中空体は、外表面側の気孔量が内表面側に比べて少ない、外内表面で気孔量に差がある構造を有している。この場合を「気孔分布あり」として表記した。外内表面で気孔量に差がない構造の場合には「気孔分布なし」として表記している。
【0027】
また、得られたフェライト中空体について、中空体の殻の強度を測定した。
中空体の殻の強度は、1mの高さからコンクリート床に中空体を100個、自然落下させ、割れた中空体の個数を測定し、割れた個数で中空体の殻の強度を評価した。割れた個数の少ないほど高強度のフェライト中空体であると評価する。
得られたフェライト中空体の寸法形状(平均直径、殻平均厚さ/平均直径、気孔分布)および強度を表1に示す。
【0028】
【表1】

本発明の範囲内のフェライト中空体(本発明例)であれば、中空体として高い強度を有し、電波吸収体に埋め込まれた場合でも破損する可能性は低いと考えられる。
つぎに、得られたフェライト中空体を使用し、該フェライト中空体が表2に示す含有量となるように、ケイ酸カルシウムを主成分とするセメント(すき間材)に混入し、厚さ5cmの板状材(電波吸収体)に成型した。なお、フェライト中空体を使用せず、(Ni0.5Zn0.5)Fe24(組成1)組成のフェライト粉末を、成型し焼結して同一寸法形状の板状材として、従来例(板状体No.9)とした。また、ケイ酸カルシウムを主成分とするセメント(すき間材)に、組成1のフェライト粉末を50体積%混入し、成型して、同一寸法形状の板状材とし比較例(板状体No.10)とした。
【0029】
得られた板状材について、反射損失を測定した。各板材に、各種の周波数100MHzの電波をそれぞれ照射し、ネットワークアナライザで反射損失(dB)を測定した。反射損失値が大きな方が、電波を吸収しやすいことを意味する。
ついで、得られた板状材を切断して断面を実体顕微鏡で観察し、フェライト中空体の破損状況を確認した。破損したフェライト中空体の数が、20%未満である場合を○、それ以上の場合を×として評価した。
【0030】
また、得られた板状材の軽量性についても評価した。軽量性は、従来例(板状体No.9)の重量を1.0とした場合の重量の相対比で評価した。
得られた結果を表2に示す。
【0031】
【表2】

本発明範囲のフェライト中空体を、本発明範囲内の含有量混入した本発明例はいずれも、従来に比較して軽量で、かつ混入したフェライト中空体の破損も少なく、反射損失も大きく、電波吸収性に優れた電波吸収体となっている。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、反射損失が小さいか、軽量化が少ないか、あるいはフェライト中空体の破損が多かった。
(実施例2)
表1に示すフェライト中空体(フェライト中空体No.A)を表3に示す含有量(パネル全量を100%とした場合の体積%)となるように、ケイ酸カルシウムを主成分とするセメント(すき間材)に混入して、パネル(厚さ:50mm)に成型した。なお、すき間材であるセメントには、表3に示す含有量(母材全量を100%とした場合の体積%)のフェライト粉末を混合している。パネルNo.4は、フェライト中空体と、すき間材としてのフェライト粉末とを混合し、1050℃で焼結して、同一寸法のパネルとした。
【0032】
得られたパネルについて、実施例1と同様に反射損失を測定した。得られた結果について、表3に示す。なお、表3に示す反射損失は、実施例1と同様に周波数:100MHzの場合である。
【0033】
【表3】

本発明例はいずれも、反射損失は大きく、優れた電波吸収特性を有するパネルとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の電波吸収体の構成を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0035】
1 フェライト中空体
2 すき間材
3 電波吸収体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
殻の内部に空間を有し、前記殻がフェライト焼結体からなる中空体であって、該中空体の平均直径が0.5〜10mm、前記殻の平均厚さと前記中空体の平均直径との比、殻平均厚さ/中空体平均直径、が0.01〜0.1であることを特徴とするフェライト中空体。
【請求項2】
前記殻の外表面側に存在する気孔の量が、該殻の内表面側に存在する気孔の量より少ないことを特徴とする請求項1に記載のフェライト中空体。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のフェライト中空体を体積%で20〜70%含有することを特徴とする電波吸収体。
【請求項4】
前記フェライト中空体を除く領域が、体積%で、10%以上のフェライトを含むことを特徴とする請求項3に記載の電波吸収体。

【図1】
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【公開番号】特開2008−227099(P2008−227099A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−62349(P2007−62349)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(591006298)JFEテクノリサーチ株式会社 (52)
【Fターム(参考)】