フェンス用固定金具
【課題】メッシュフェンスのパネル同士を連結する際に、パネルの横桟を挟み込む一方および他方の金具同士の位置決めが確実に行え、しかも、ボルト締めした後での両金具の動きを最小限に抑えることが可能となるフェンス用固定金具を提供する。
【解決手段】それぞれボルト孔2、5が形成された一方および他方の金具1、4と、一方の金具1と他方の金具4とを結合するボルト6とを備え、ボルト6によって、一方の金具1と他方の金具4との間にパネルの線材が挟み込まれるフェンス用固定金具において、一方の金具1のボルト孔2部分の上面には、テーパー状の凹部3が形成され、他方の金具4のボルト孔2部分の下面には、凹部3に入り込むリング状の突出部4Bが形成されている。
【解決手段】それぞれボルト孔2、5が形成された一方および他方の金具1、4と、一方の金具1と他方の金具4とを結合するボルト6とを備え、ボルト6によって、一方の金具1と他方の金具4との間にパネルの線材が挟み込まれるフェンス用固定金具において、一方の金具1のボルト孔2部分の上面には、テーパー状の凹部3が形成され、他方の金具4のボルト孔2部分の下面には、凹部3に入り込むリング状の突出部4Bが形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、フェンス用固定金具、特に、メッシュフェンスのパネル同士を連結するために使用されるフェンス用固定金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、縦桟と横桟とを格子状に溶接したものからなるパネルを、支柱間に固定することによって構築されるメッシュフェンスにおいて、パネル同士を連結する固定金具の一例が、非特許文献1(意匠登録第1056673号公報)に開示されている。以下、この固定金具を従来固定金具といい、図面を参照しながら説明する。
【0003】
図8は、従来固定金具を示す正面図、図9は、従来固定金具を示す平面図、図10は、従来固定金具を示す側面図、図11は、従来固定金具を示す底面図、図12は、図8のA−A線断面図、図13は、図9のB−B線断面図、図14は、従来固定金具により連結されたパネルを示す部分斜視図である。
【0004】
図8から図14において、11は、中央部に谷部12が形成された板状をなす一方の金具である。一方の金具11の長手方向両端部には、雌ねじが切られたボルト孔13が形成され、幅方向両端部には、後述するパネル17の横線19が入り込む段部11Aが形成されている。
【0005】
14は、コ字状に形成された一対の他方の金具であり、中央部にボルト孔15が形成されている。他方の金具14は、一方の金具11の端部上に重ね合わされ、両側のフランジ14Aは、直角に折れ曲がっている。
【0006】
16は、一方の金具11と他方の金具14とを結合するボルトであり、他方の金具14のボルト孔15から一方の金具11のボルト孔13に通され、締め付けられる。
【0007】
なお、図14に示すように、パネル17は、縦桟18と横桟19とを格子状に溶接したものからなり、パネル17の上端部には、縦桟18の上端部を円弧状に折り曲げ、この折り曲げ部の外側に複数本の横桟19を溶接することによって上胴縁が形成されている。
【0008】
このように構成されている従来固定金具によれば、一方のパネル17と他方のパネル17の上胴縁同士が以下のようにして連結される。
【0009】
付き合わされたパネル17の上胴縁内に跨って一方の金具11を、上胴縁の横桟19が一方の金具11の段部11A内に入り込むように挿入する。この際、一方の金具11の谷部12に上胴縁端部の縦桟18が入り込むので、横桟19は、縦桟18に干渉されずに段部11A内に入り込む。次いで、上胴縁の外側から他方の金具14を一方の金具11の長手方向端部上にあてがって、上胴縁の横桟19を一方の金具11と他方の金具14とによって挟み込む。そして、ボルト16を両金具11、14のボルト孔13、15に挿入し、締め付ければ、両パネル17の上胴縁同士が連結される。
【0010】
従来固定金具によって、一方のパネル17と他方のパネル17との中間部同士を連結する場合にも、上胴縁の場合と同様に、図14に示すように、一方の金具11と他方の金具14とによって横桟19を挟み込み、ボルト16を締め付ければ、両パネル17の中間部同士が連結される。
【0011】
【非特許文献1】意匠登録第1056673号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述した従来固定金具によれば、一方のパネル17と他方のパネル17とを連結することはできるが、以下のような問題があった。
【0013】
図13に示すように、一方の金具11と他方の金具14とは、平面同士の接触であるので滑りやすく、位置決めがし難かった。特に、両金具11、14には塗装が施されているので、余計に滑りやすく、この点でも位置決めがし難かった。
【0014】
また、他方の金具14のフランジ14Aは、直角に折れ曲がっているので、段部11A内での横桟19の移動量(図12中、Lで示す)が大きく、ボルト締めした後であっても、両金具11、14が移動量(L)の範囲内で動いてしまう恐れがあった。
【0015】
従って、この発明の目的は、メッシュフェンスのパネル同士を連結する際に、パネルの横桟を挟み込む一方および他方の金具同士の位置決めが確実に行え、しかも、ボルト締めした後での両金具の動きを最小限に抑えることが可能なフェンス用固定金具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この発明は、上記目的を達成するためになされたものであって、下記を特徴とするものである。
【0017】
請求項1記載の発明は、それぞれボルト孔が形成された一方および他方の金具と、前記一方の金具と前記他方の金具とを結合するボルトとを備え、前記ボルトによって、前記一方の金具と前記他方の金具との間にパネルの線材が挟み込まれるフェンス用固定金具において、前記一方の金具の前記ボルト孔部分の上面には、テーパー状の凹部が形成され、前記他方の金具の前記ボルト孔部分の下面には、前記凹部に入り込むリング状の突出部が形成されていることに特徴を有するものである。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記一方の金具の前記ボルト孔には、雌ねじが形成されていることに特徴を有するものである。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記一方の金具は、板状をなし、前記一方の金具の前記ボルト孔は、前記一方の金具の長手方向両端部に形成され、前記一方の金具の幅方向両端部には、前記線材が入り込む段部が形成されていることに特徴を有するものである。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項1から3の何れかに記載された発明において、前記他方の金具は、コ字状をなし、前記一方の金具に重ね合わされ、両側のフランジは、外方に広がっていることに特徴を有するものである。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、メッシュフェンスのパネル同士を連結する際に、パネルの横桟を挟み込む一方および他方の金具同士の位置決めが確実に行え、しかも、ボルト締めした後での両金具の動きを最小限に抑えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
この発明のフェンス用固定金具の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、この発明のフェンス固定金具を示す正面図、図2は、この発明のフェンス固定金具を示す平面図、図3は、この発明のフェンス固定金具を示す側面図、図4は、この発明のフェンス固定金具を示す底面図、図5は、図1のA−A線断面図、図6は、図2のB−B線断面図、図7は、この発明のフェンス固定金具により連結されたパネルを示す部分斜視図である。
【0024】
図1から図7において、1は、両端部にボルト孔2が形成された板状をなす一方の金具である。ボルト孔2には、雌ねじが切られ、ボルト孔2部分の上面には、テーパー状(すり鉢状)の凹部3が形成されている。凹部3の中心とボルト孔2との中心軸は一致している。一方の金具1の幅方向両端部には、後述するパネル7の横線9が入り込む段部1Aが形成されている。
【0025】
4は、コ字状に形成された一対の他方の金具であり、中央部にボルト孔5が形成されている。他方の金具4のボルト孔5部分の下面には、一方の金具1の凹部3に入り込むリング状の突出部4Bが形成されている。突出部4Bは、後述するボルト6を締めたときに突出部4Bの下端が一方の金具1の凹部3に接する高さを有している。他方の金具4は、一方の金具1の端部上に重ね合わされ、両側のフランジ4Aは、角度(θ)の角度で外方に広がるように折り曲げられている。
【0026】
6は、一方の金具1と他方の金具4とを結合するボルトであり、他方の金具4のボルト孔5から一方の金具1のボルト孔2に通され、締め付けられる。
【0027】
なお、図7に示すように、パネル7は、縦桟8と横桟9とを格子状に溶接したものからなり、パネル7の上端部には、縦桟8の上端部を円弧状に折り曲げ、この折り曲げ部の内側に複数本の横桟9を溶接することによって上胴縁が形成されている。
【0028】
このように構成されている、この発明のフェンス固定金具によれば、以下のようにして、一方のパネル7と他方のパネル7の上胴縁同士が連結される。
【0029】
付き合わされたパネル7の上胴縁内に跨って一方の金具1を、上胴縁の横桟9が一方の金具1の段部1A内に入り込むように挿入する。次いで、上胴縁の外側から他方の金具4を一方の金具1の長手方向端部上にあてがって、上胴縁の横桟9を一方の金具1と他方の金具4とによって挟み込む。
【0030】
そして、ボルト6を両金具1、4のボルト孔2、5に挿入し、締め付ければ、両パネル7の上胴縁同士が連結される。この際、他方の金具4の突出部4Bは、ボルト6の締め付けに伴って、一方の金具1の凹部3に徐々に押し付けられるが、このとき突出部4Bと一方の金具1のボルト孔2との位置が多少ずれていても、凹部3がテーパー状に形成されているので、最終的には、リング状の突出部4Bは、一方の金具1のボルト孔2の中心部に強制的に移動し、これにより両金具1、4の位置決めが両金具1、4への塗装の有無にかかわらず確実になされる。
【0031】
また、他方の金具4のフランジ4Aが外方に広がっているので、従来固定金具のように、フランジ4Aが直角に折り曲げられている場合に比べて、図5に示すように、一方の金具1の段部1A内での横桟9の動きが制約される。従って、ボルト6締結後に両金具1、4が大きく動いてしまう恐れはない。
【0032】
この発明のフェンス固定金具によって、一方のパネル7と他方のパネル7との中間部同士を連結する場合にも、上胴縁の場合と同様に、一方の金具1と他方の金具4とによって横桟9を挟み込み、ボルト6を締め付ければ、両パネル7の中間部同士が連結される。
【0033】
以上、説明したように、この発明にフェンス固定金具によれば、一方の金具のボルト孔部分の上面にテーパー状の凹部を形成し、他方の金具のボルト孔部分の下面に前記凹部に入り込むリング状の突出部を形成することによって、両金具の位置決めが確実に行え、しかも、他方の金具のフランジを外方に広げることによって、一方の金具の段部内での横桟の動きが阻止されるので、ボルト締めした後での両金具の動きを最小限に抑えることが可能となる。
【0034】
なお、上述した、この発明のフェンス固定金具は、胴縁の内側に横線を配したパネル同士を連結するものであるが、図14に示すように、胴縁の外側に横線を配したパネル同士を連結する場合には、一方の金具1の中央部に、従来固定金具のように、谷部を形成すれば良い。
【0035】
この発明は、以上の固定金具以外に、一方の金具と他方の金具との間に線材を挟み込んで固定する別の金具にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明のフェンス固定金具を示す正面図である。
【図2】この発明のフェンス固定金具を示す平面図である。
【図3】この発明のフェンス固定金具を示す側面図である。
【図4】この発明のフェンス固定金具を示す底面図である。
【図5】図1のA−A線断面図である。
【図6】図2のB−B線断面図である。
【図7】この発明のフェンス固定金具により連結されたパネルを示す部分斜視図である。
【図8】従来固定金具を示す正面図である。
【図9】従来固定金具を示す平面図である。
【図10】従来固定金具を示す側面図である。
【図11】従来固定金具を示す底面図である。
【図12】図8のA−A線断面図である。
【図13】図9のB−B線断面図である。
【図14】従来固定金具により連結されたパネルを示す部分斜視図である。
【符号の説明】
【0037】
1:一方の金具
1A:段部
2:ボルト孔
3:凹部
4:他方の金具
4A:フランジ
5:ボルト孔
6:ボルト
7:パネル
8:縦桟
9:横桟
11:一方の金具
11A:段部
12:谷部
13:ボルト孔
14:他方の金具
14A:フランジ
15:ボルト孔
16:ボルト
17:パネル
18:縦桟
19:横桟
【技術分野】
【0001】
この発明は、フェンス用固定金具、特に、メッシュフェンスのパネル同士を連結するために使用されるフェンス用固定金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、縦桟と横桟とを格子状に溶接したものからなるパネルを、支柱間に固定することによって構築されるメッシュフェンスにおいて、パネル同士を連結する固定金具の一例が、非特許文献1(意匠登録第1056673号公報)に開示されている。以下、この固定金具を従来固定金具といい、図面を参照しながら説明する。
【0003】
図8は、従来固定金具を示す正面図、図9は、従来固定金具を示す平面図、図10は、従来固定金具を示す側面図、図11は、従来固定金具を示す底面図、図12は、図8のA−A線断面図、図13は、図9のB−B線断面図、図14は、従来固定金具により連結されたパネルを示す部分斜視図である。
【0004】
図8から図14において、11は、中央部に谷部12が形成された板状をなす一方の金具である。一方の金具11の長手方向両端部には、雌ねじが切られたボルト孔13が形成され、幅方向両端部には、後述するパネル17の横線19が入り込む段部11Aが形成されている。
【0005】
14は、コ字状に形成された一対の他方の金具であり、中央部にボルト孔15が形成されている。他方の金具14は、一方の金具11の端部上に重ね合わされ、両側のフランジ14Aは、直角に折れ曲がっている。
【0006】
16は、一方の金具11と他方の金具14とを結合するボルトであり、他方の金具14のボルト孔15から一方の金具11のボルト孔13に通され、締め付けられる。
【0007】
なお、図14に示すように、パネル17は、縦桟18と横桟19とを格子状に溶接したものからなり、パネル17の上端部には、縦桟18の上端部を円弧状に折り曲げ、この折り曲げ部の外側に複数本の横桟19を溶接することによって上胴縁が形成されている。
【0008】
このように構成されている従来固定金具によれば、一方のパネル17と他方のパネル17の上胴縁同士が以下のようにして連結される。
【0009】
付き合わされたパネル17の上胴縁内に跨って一方の金具11を、上胴縁の横桟19が一方の金具11の段部11A内に入り込むように挿入する。この際、一方の金具11の谷部12に上胴縁端部の縦桟18が入り込むので、横桟19は、縦桟18に干渉されずに段部11A内に入り込む。次いで、上胴縁の外側から他方の金具14を一方の金具11の長手方向端部上にあてがって、上胴縁の横桟19を一方の金具11と他方の金具14とによって挟み込む。そして、ボルト16を両金具11、14のボルト孔13、15に挿入し、締め付ければ、両パネル17の上胴縁同士が連結される。
【0010】
従来固定金具によって、一方のパネル17と他方のパネル17との中間部同士を連結する場合にも、上胴縁の場合と同様に、図14に示すように、一方の金具11と他方の金具14とによって横桟19を挟み込み、ボルト16を締め付ければ、両パネル17の中間部同士が連結される。
【0011】
【非特許文献1】意匠登録第1056673号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述した従来固定金具によれば、一方のパネル17と他方のパネル17とを連結することはできるが、以下のような問題があった。
【0013】
図13に示すように、一方の金具11と他方の金具14とは、平面同士の接触であるので滑りやすく、位置決めがし難かった。特に、両金具11、14には塗装が施されているので、余計に滑りやすく、この点でも位置決めがし難かった。
【0014】
また、他方の金具14のフランジ14Aは、直角に折れ曲がっているので、段部11A内での横桟19の移動量(図12中、Lで示す)が大きく、ボルト締めした後であっても、両金具11、14が移動量(L)の範囲内で動いてしまう恐れがあった。
【0015】
従って、この発明の目的は、メッシュフェンスのパネル同士を連結する際に、パネルの横桟を挟み込む一方および他方の金具同士の位置決めが確実に行え、しかも、ボルト締めした後での両金具の動きを最小限に抑えることが可能なフェンス用固定金具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この発明は、上記目的を達成するためになされたものであって、下記を特徴とするものである。
【0017】
請求項1記載の発明は、それぞれボルト孔が形成された一方および他方の金具と、前記一方の金具と前記他方の金具とを結合するボルトとを備え、前記ボルトによって、前記一方の金具と前記他方の金具との間にパネルの線材が挟み込まれるフェンス用固定金具において、前記一方の金具の前記ボルト孔部分の上面には、テーパー状の凹部が形成され、前記他方の金具の前記ボルト孔部分の下面には、前記凹部に入り込むリング状の突出部が形成されていることに特徴を有するものである。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記一方の金具の前記ボルト孔には、雌ねじが形成されていることに特徴を有するものである。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記一方の金具は、板状をなし、前記一方の金具の前記ボルト孔は、前記一方の金具の長手方向両端部に形成され、前記一方の金具の幅方向両端部には、前記線材が入り込む段部が形成されていることに特徴を有するものである。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項1から3の何れかに記載された発明において、前記他方の金具は、コ字状をなし、前記一方の金具に重ね合わされ、両側のフランジは、外方に広がっていることに特徴を有するものである。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、メッシュフェンスのパネル同士を連結する際に、パネルの横桟を挟み込む一方および他方の金具同士の位置決めが確実に行え、しかも、ボルト締めした後での両金具の動きを最小限に抑えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
この発明のフェンス用固定金具の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、この発明のフェンス固定金具を示す正面図、図2は、この発明のフェンス固定金具を示す平面図、図3は、この発明のフェンス固定金具を示す側面図、図4は、この発明のフェンス固定金具を示す底面図、図5は、図1のA−A線断面図、図6は、図2のB−B線断面図、図7は、この発明のフェンス固定金具により連結されたパネルを示す部分斜視図である。
【0024】
図1から図7において、1は、両端部にボルト孔2が形成された板状をなす一方の金具である。ボルト孔2には、雌ねじが切られ、ボルト孔2部分の上面には、テーパー状(すり鉢状)の凹部3が形成されている。凹部3の中心とボルト孔2との中心軸は一致している。一方の金具1の幅方向両端部には、後述するパネル7の横線9が入り込む段部1Aが形成されている。
【0025】
4は、コ字状に形成された一対の他方の金具であり、中央部にボルト孔5が形成されている。他方の金具4のボルト孔5部分の下面には、一方の金具1の凹部3に入り込むリング状の突出部4Bが形成されている。突出部4Bは、後述するボルト6を締めたときに突出部4Bの下端が一方の金具1の凹部3に接する高さを有している。他方の金具4は、一方の金具1の端部上に重ね合わされ、両側のフランジ4Aは、角度(θ)の角度で外方に広がるように折り曲げられている。
【0026】
6は、一方の金具1と他方の金具4とを結合するボルトであり、他方の金具4のボルト孔5から一方の金具1のボルト孔2に通され、締め付けられる。
【0027】
なお、図7に示すように、パネル7は、縦桟8と横桟9とを格子状に溶接したものからなり、パネル7の上端部には、縦桟8の上端部を円弧状に折り曲げ、この折り曲げ部の内側に複数本の横桟9を溶接することによって上胴縁が形成されている。
【0028】
このように構成されている、この発明のフェンス固定金具によれば、以下のようにして、一方のパネル7と他方のパネル7の上胴縁同士が連結される。
【0029】
付き合わされたパネル7の上胴縁内に跨って一方の金具1を、上胴縁の横桟9が一方の金具1の段部1A内に入り込むように挿入する。次いで、上胴縁の外側から他方の金具4を一方の金具1の長手方向端部上にあてがって、上胴縁の横桟9を一方の金具1と他方の金具4とによって挟み込む。
【0030】
そして、ボルト6を両金具1、4のボルト孔2、5に挿入し、締め付ければ、両パネル7の上胴縁同士が連結される。この際、他方の金具4の突出部4Bは、ボルト6の締め付けに伴って、一方の金具1の凹部3に徐々に押し付けられるが、このとき突出部4Bと一方の金具1のボルト孔2との位置が多少ずれていても、凹部3がテーパー状に形成されているので、最終的には、リング状の突出部4Bは、一方の金具1のボルト孔2の中心部に強制的に移動し、これにより両金具1、4の位置決めが両金具1、4への塗装の有無にかかわらず確実になされる。
【0031】
また、他方の金具4のフランジ4Aが外方に広がっているので、従来固定金具のように、フランジ4Aが直角に折り曲げられている場合に比べて、図5に示すように、一方の金具1の段部1A内での横桟9の動きが制約される。従って、ボルト6締結後に両金具1、4が大きく動いてしまう恐れはない。
【0032】
この発明のフェンス固定金具によって、一方のパネル7と他方のパネル7との中間部同士を連結する場合にも、上胴縁の場合と同様に、一方の金具1と他方の金具4とによって横桟9を挟み込み、ボルト6を締め付ければ、両パネル7の中間部同士が連結される。
【0033】
以上、説明したように、この発明にフェンス固定金具によれば、一方の金具のボルト孔部分の上面にテーパー状の凹部を形成し、他方の金具のボルト孔部分の下面に前記凹部に入り込むリング状の突出部を形成することによって、両金具の位置決めが確実に行え、しかも、他方の金具のフランジを外方に広げることによって、一方の金具の段部内での横桟の動きが阻止されるので、ボルト締めした後での両金具の動きを最小限に抑えることが可能となる。
【0034】
なお、上述した、この発明のフェンス固定金具は、胴縁の内側に横線を配したパネル同士を連結するものであるが、図14に示すように、胴縁の外側に横線を配したパネル同士を連結する場合には、一方の金具1の中央部に、従来固定金具のように、谷部を形成すれば良い。
【0035】
この発明は、以上の固定金具以外に、一方の金具と他方の金具との間に線材を挟み込んで固定する別の金具にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明のフェンス固定金具を示す正面図である。
【図2】この発明のフェンス固定金具を示す平面図である。
【図3】この発明のフェンス固定金具を示す側面図である。
【図4】この発明のフェンス固定金具を示す底面図である。
【図5】図1のA−A線断面図である。
【図6】図2のB−B線断面図である。
【図7】この発明のフェンス固定金具により連結されたパネルを示す部分斜視図である。
【図8】従来固定金具を示す正面図である。
【図9】従来固定金具を示す平面図である。
【図10】従来固定金具を示す側面図である。
【図11】従来固定金具を示す底面図である。
【図12】図8のA−A線断面図である。
【図13】図9のB−B線断面図である。
【図14】従来固定金具により連結されたパネルを示す部分斜視図である。
【符号の説明】
【0037】
1:一方の金具
1A:段部
2:ボルト孔
3:凹部
4:他方の金具
4A:フランジ
5:ボルト孔
6:ボルト
7:パネル
8:縦桟
9:横桟
11:一方の金具
11A:段部
12:谷部
13:ボルト孔
14:他方の金具
14A:フランジ
15:ボルト孔
16:ボルト
17:パネル
18:縦桟
19:横桟
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれボルト孔が形成された一方および他方の金具と、前記一方の金具と前記他方の金具とを結合するボルトとを備え、前記ボルトによって、前記一方の金具と前記他方の金具との間にパネルの線材が挟み込まれるフェンス用固定金具において、
前記一方の金具の前記ボルト孔部分の上面には、テーパー状の凹部が形成され、前記他方の金具の前記ボルト孔部分の下面には、前記凹部に入り込むリング状の突出部が形成されていることを特徴とするフェンス用固定金具。
【請求項2】
前記一方の金具の前記ボルト孔には、雌ねじが形成されていることを特徴とする、請求項1記載のフェンス用固定金具。
【請求項3】
前記一方の金具は、板状をなし、前記一方の金具の前記ボルト孔は、前記一方の金具の長手方向両端部に形成され、前記一方の金具の幅方向両端部には、前記線材が入り込む段部が形成されていることを特徴とする、請求項1または2記載のフェンス用固定金具。
【請求項4】
前記他方の金具は、コ字状をなし、前記一方の金具に重ね合わされ、両側のフランジは、外方に広がっていることを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載されたフェンス用固定金具。
【請求項1】
それぞれボルト孔が形成された一方および他方の金具と、前記一方の金具と前記他方の金具とを結合するボルトとを備え、前記ボルトによって、前記一方の金具と前記他方の金具との間にパネルの線材が挟み込まれるフェンス用固定金具において、
前記一方の金具の前記ボルト孔部分の上面には、テーパー状の凹部が形成され、前記他方の金具の前記ボルト孔部分の下面には、前記凹部に入り込むリング状の突出部が形成されていることを特徴とするフェンス用固定金具。
【請求項2】
前記一方の金具の前記ボルト孔には、雌ねじが形成されていることを特徴とする、請求項1記載のフェンス用固定金具。
【請求項3】
前記一方の金具は、板状をなし、前記一方の金具の前記ボルト孔は、前記一方の金具の長手方向両端部に形成され、前記一方の金具の幅方向両端部には、前記線材が入り込む段部が形成されていることを特徴とする、請求項1または2記載のフェンス用固定金具。
【請求項4】
前記他方の金具は、コ字状をなし、前記一方の金具に重ね合わされ、両側のフランジは、外方に広がっていることを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載されたフェンス用固定金具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−144466(P2008−144466A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−332883(P2006−332883)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【出願人】(000221351)JFE建材フェンス株式会社 (30)
【出願人】(000154853)株式会社北浦工業 (21)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【出願人】(000221351)JFE建材フェンス株式会社 (30)
【出願人】(000154853)株式会社北浦工業 (21)
【Fターム(参考)】
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