説明

フォトカプラの駆動装置、電力変換装置およびフォトカプラの駆動方法

【課題】フォトカプラによる信号の伝播遅延を抑制しつつ、フォトカプラの寿命を向上させる。
【解決手段】出力信号監視回路21、22は、フォトカプラFU1、FU2の出力信号SU2、SD2の信号レベルを監視し、その監視結果をフォトカプラFU4、FU5をそれぞれ介して制御回路1側の電流制御回路23、24にそれぞれ伝送し、電流制御回路23、24は、フォトカプラFU1、FU2の出力信号SU2、SD2の信号レベルの監視結果を出力信号監視回路21、22からそれぞれ受け取ると、フォトカプラFU1、FU2の出力側の信号レベルに基づいて、フォトカプラFU1、FU2の入力側に流れる発光ダイオードの順方向電流を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフォトカプラの駆動装置、電力変換装置およびフォトカプラの駆動方法に関し、特に、高電圧側と低電圧側との間を絶縁しながら信号を伝送するフォトカプラの電流変換効率(CTR:curent Transfer Ratio)を推定しながら、フォトカプラを駆動する方法に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年の車両機器では、高効率化および省エネ対策を図るために、駆動力を生む電動機の駆動システムに、昇降圧コンバータおよびインバータの搭載が行われている。
図12は、従来の昇降圧コンバータを用いた車両駆動システムの概略構成を示すブロック図である。
図12において、車両駆動システムには、昇降圧コンバータ1102に電力を供給する電源1101、電圧の昇降圧を行う昇降圧コンバータ1102、昇降圧コンバータ1102から出力された電圧を3相電圧に変換するインバータ1103および車両を駆動する電動機1104が設けられている。なお、電源1101は、架線からの給電電圧または直列接続されたバッテリーから構成することができる。
【0003】
そして、車両駆動時には、昇降圧コンバータ1102は、電源1101の電圧(例:280V)を電動機1104の駆動に適した電圧(例:750V)に昇圧し、インバータ1103に供給する。そして、スイッチング素子をオン/オフ制御することにより、昇降圧コンバータ1102にて昇圧された電圧を3相電圧に変換して、電動機1104の各相に電流を流し、スイッチング周波数を制御することで車両の速度を変化させることができる。
【0004】
一方、車両の制動時には、インバータ1103は、電動機1104の各相に生じる電圧に同期してスイッチング素子をオン/オフ制御することにより、整流動作を行い、直流電圧に変換してから、昇降圧コンバータ1102に供給する。そして、昇降圧コンバータ1102は、電動機1104から生じる電圧(例:750V)を電源1101の電圧(例:280V)に降圧して電力の回生動作を行うことができる。
【0005】
図13は、図12の昇降圧コンバータの概略構成を示すブロック図である。
図13において、昇降圧コンバータ1102には、エネルギーの蓄積を行うリアクトルL、電荷の蓄積を行うコンデンサC、インバータ1103に流入する電流を通電および遮断するスイッチング素子SW1、SW2、スイッチング素子SW1、SW2の導通および非導通を指示する制御信号をそれぞれ生成する制御回路1111、1112が設けられている。
【0006】
そして、スイッチング素子SW1、SW2は直列に接続されるとともに、スイッチング素子SW1、SW2の接続点には、リアクトルLを介して電源1101が接続されている。ここで、スイッチング素子SW1には、制御回路1111からの制御信号に従ってスイッチング動作を行うIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)1105が設けられ、IGBT1105に流れる電流と逆方向に電流を流すフライホイールダイオードD1がIGBT1105に並列に接続されている。
【0007】
また、スイッチング素子SW2には、制御回路1112からの制御信号に従ってスイッチング動作を行うIGBT1106が設けられ、IGBT1106に流れる電流と逆方向に電流を流すフライホイールダイオードD2がIGBT1106に並列に接続されている。そして、IGBT1106のコレクタは、コンデンサCおよびインバータ1103の双方に接続されている。
【0008】
図14は、昇圧動作時に図13のリアクトルに流れる電流の波形を示す図である。
図14において、昇圧動作では、スイッチング素子SW1のIGBT1105がオン(導通)すると、IGBT1105を介してリアクトルLに電流Iが流れ、LI/2のエネルギーがリアクトルLに蓄積される。
次に、スイッチング素子SW1のIGBT1105がオフ(非導通)すると、スイッチング素子SW2のフライホイールダイオードD2に電流が流れ、リアクトルLに蓄えられたエネルギーがコンデンサCに送られる。
【0009】
一方、降圧動作では、スイッチング素子SW2のIGBT1106がオン(導通)するとIGBT1106を介してリアクトルLに電流Iが流れ、LI/2のエネルギーがリアクトルLに蓄積される。
次に、スイッチング素子SW2のIGBT1106がオフ(非導通)すると、スイッチング素子SW1のフライホイールダイオードD1に電流が流れ、リアクトルLに蓄えられたエネルギーが電源1101へ回生される。
【0010】
ここで、スイッチング素子のオン時間(ON Duty)を変更することで、昇降圧の電圧を調整することが可能であり、概略の電圧値は以下の(1)式にて求めることができる。
/V=ON Duty(%) (1)
ただし、Vは電源電圧、Vは昇降圧後の電圧、ON Dutyはスイッチング素子SW1、SW2のスイッチング周期に対する導通期間の割合である。
ここで、実際には負荷の変動、電源電圧Vの変動などがあるので、昇降圧後の電圧Vを監視し、昇降圧後の電圧Vが目標値となるように、スイッチング素子SW1、SW2のオン時間(ON Duty)の制御が行われている。
【0011】
また、車体筐体に接地される制御回路1111、1112側は低圧であり、スイッチング素子SW1、SW2に接続されるアーム側は高圧となる。このため、スイッチング素子SW1、SW2の破壊などの事故が発生しても、人体が危険に晒されることがないようにするために、アーム側とは、フォトカプラやパルストランスを用いて制御回路1111、1112と電気的に絶縁しながら信号の授受が行われる。
ここで、フォトカプラは、パルストランスと比較して小型かつ安価という理由で、近年では車両に用いられつつある。
【0012】
図15は、フォトカプラを用いたPWM信号の伝送回路の構成を示す図である。
図15において、フォトカプラFCには、順電流Ifによって赤外光を放射する赤外発光ダイオードPD1、赤外発光ダイオードPD1から放射された赤外光を受光する受光ダイオードPD2および受光ダイオードPD2で発生した光電流をベース電流として電流増幅動作を行うフォトトランジスタM2が設けられている。そして、赤外発光ダイオードPD1には抵抗R28が並列接続されるとともに、赤外発光ダイオードPD1のカソードは抵抗R29および抵抗R00を順次介して電界効果型トランジスタM1に接続されている。なお、抵抗R28は、電界効果型トランジスタM1のオフ時に流れる漏れ電流やノイズ電流などの暗電流によって赤外発光ダイオードPD1が点灯しないようにするために設けられたものである。
【0013】
また、フォトトランジスタM2のコレクタは、負荷抵抗RLを介して電源電圧Vcc2に接続されるとともに、フォトトランジスタM2のコレクタを介して出力される出力信号Voutは、抵抗RLPFを介してIGBTドライブIC30に入力される。
ここで、IGBTドライブIC30には、IGBTドライブIC30の入力端子のプルアップ機能、フォトカプラFCからの出力信号Voutの2値化機能、IGBTのゲートドライブ機能およびIGBTの過電流/過温保護機能が備えられている。そして、IGBTドライブIC30の入力端子のプルアップ機能では、耐ノイズ性の向上を目的として、IGBTドライブIC30内のカレントミラー回路から最大80μA程度の定常電流ILV−ICが抵抗RLPFを介して外部に吐き出され、フォトカプラFCにてより多くの電流が引き込まれないと、IGBTをオンするしきい値に到達しないようにされている。
【0014】
そして、電界効果型トランジスタM1のゲートに入力信号Vinが入力されると、順電流Ifが赤外発光ダイオードPD1に流れ、赤外光が放射される。そして、赤外発光ダイオードPD1から放射された赤外光は、受光ダイオードPD2にて受光され、その赤外光に応じた光電流がフォトトランジスタM2のベースに流れる。そして、フォトトランジスタM2のベースに光電流が流れると、フォトトランジスタM2にコレクタ電流Icが流れるとともに、IGBTドライブIC30内のカレントミラー回路から定常電流ILV−ICが抵抗RLPFを介して外部に吐き出され、片端を電源電圧Vcc2に接続された負荷抵抗RLに流れる電流はIc−ILV−ICとなる。そして、コレクタ電流Icの変化に伴う負荷抵抗RLの他端電圧の変化が、フォトカプラFCからの出力信号Voutとして抵抗RLPFを介してIGBTドライブIC30に入力される。
【0015】
ここで、フォトカプラFCの赤外発光ダイオードPD1に流れる順電流Ifは、以下の(1)式で表すことができる。
If=(Vp−Vf)/(R29+R00+Ron)−Vf/R28 ・・・(1)
ただし、Vfは赤外発光ダイオードPD1の順方向電圧降下、Ronは電界効果型トランジスタM1のオン抵抗である。
そして、この順電流Ifによって流れるフォトトランジスタM2のコレクタ電流Icは、以下の(2)式で表すことができる。
Ic=If×初期保証CTR×CTR寿命劣化 ・・・(2)
【0016】
一方、IGBTドライブIC30の入力端子にはプルアップのための定常電流ILV−ICが抵抗RLPFを介して外部に吐き出され、片端を電源電圧Vcc2に接続された負荷抵抗RLに流れる電流はIc−ILV−ICとなるので、フォトトランジスタM2のコレクタ電位Vcは、以下の(3)式で表すことができる。
Vc=Vcc2−RL×(Ic−ILV−IC) ・・・(3)
そして、フォトトランジスタM2のコレクタ電位Vcは、抵抗RLPFを介してIGBTドライブIC30に入力されることから、IGBTドライブIC30に入力されるフォトカプラFCからの出力信号Voutの値は、以下の(4)式で表すことができる。
Vout=Vcc2−RL×(Ic−ILV−IC)+RLPF×ILV−IC ・・・(4)
【0017】
ここで、フォトカプラFC単体の入出力特性は、電流変換効率(CTR:Current Transfer Ratio)、すなわちIc/Ifにて定義することができる。そして、フォトカプラFCを用いて回路設計を行う際には、(1)フォトトランジスタM2の電流増幅率hfeの温度特性、(2)赤外発光ダイオードPD1の発光効率の寿命劣化、(3)電流変換効率のバラツキなどの点を考慮する必要がある。
そして、産業、鉄道、自動車などの分野では、−40〜+100℃の環境下において、フォトカプラFCが長期に渡って継続使用されるため、例えば、100℃、15000時間の累積使用を行った場合においても、電流変換効率の劣化および温度依存性に対応しながら、−40℃でも動作するように負荷抵抗RLの値が決定される。
【0018】
図16は、20℃におけるフォトカプラの発光ダイオードに流れる順電流Ifをパラメータとした時の電流変換効率のコレクタ/エミッタ電圧依存性を示す図である。
図16において、フォトトランジスタM2のコレクタ/エミッタ電圧Vceが0.5V以上では、フォトカプラFCの電流変換効率は順電流Ifにかかわらずほぼ一定である。
図17は、フォトカプラの発光ダイオードに流れる順電流Ifに対するフォトトランジスタのコレクタ電流Icをパラメータとした時の電流変換効率の温度依存性を示す図である。
図17において、低温になるほど、フォトカプラFCの電流変換効率は低下し、この要因としては、フォトトランジスタM2の電流増幅率hfeの温度特性が挙げられる。
【0019】
図18は、フォトカプラの発光ダイオードに流れる順電流Ifをパラメータとした時の電流変換効率の経時特性を示す図である。
図18において、フォトカプラFCの電流変換効率は、発光ダイオードPD1の順電流If、環境温度、累積使用時間に依存して低下し、特に、フォトカプラFCの連続使用時間が1000時間を越えると、電流変換効率の低下が顕著に表れる。このフォトカプラFCの電流変換効率の低下の主な原因は、発光ダイオードPD1の発光効率の低下であり、発光ダイオードPD1の順電流Ifが大きく、環境温度が高いほど電流変換効率の低下が著しくなる。
なお、フォトカプラFCの特性はロットおよび固体によるバラツキが大きく、最低保証として、−40℃において8%を目安とする必要がある。
また、図15のフォトカプラFCを用いたPWM信号の伝送回路において、入力信号Vinと出力信号Voutとの間には伝搬遅延が発生する。
【0020】
図19は、フォトカプラを用いたPWM信号の伝送回路における入力信号と出力信号の伝搬遅延時間の定義を示す図である。
図19において、図15の発光ダイオードPD1に流れる順電流Ifの立ち上がりから、出力信号Voutのロウレベルのしきい値VINLに達するまでの立ち下がり時間をTpHL、図13の発光ダイオードPD1に流れる順電流Ifの立ち下がりから、出力信号Voutのハイレベルのしきい値VINHに達するまでの立ち上がり時間をTpLHと定義する。
【0021】
ここで、図15のIGBTドライブIC30の出力が反転する時の入力端子での電位は、出力がハイレベルの時にはVINL、出力がロウレベルの時にはVINHとし、IGBTドライブIC30の出力が反転する時に誤動作しないようにするために、VINL≦VINHとして、ヒステリシスが設けられている。そして、IGBTドライブIC30の出力がハイレベルになるには、IGBTドライブIC30に入力されるフォトカプラFCからの出力信号Voutの値が、Vout≦VINL、IGBTドライブIC30の出力がロウレベルになるには、Vout≧VINHの関係を満たす必要がある。
【0022】
図20(a)は、負荷抵抗RLに対するフォトカプラの伝搬遅延時間特性を示す図、図20(b)は、周囲温度Taに対するフォトカプラの伝搬遅延時間特性を示す図である。
図20において、フォトカプラFCによる立ち下がり時間TpHLは、負荷抵抗RLや周囲温度Taにかかわらずほとんど変化しないにもかかわらず、立ち上がり時間TpLHは、負荷抵抗RLや周囲温度Taが大きくなるに従って増大する。
【0023】
この結果、負荷抵抗RLや周囲温度Taが大きくなるに従って、フォトカプラFCからの出力信号Voutのロウレベルの期間が長くなり、IGBTのオンの期間が長くなることから、インバータの上下アームが短絡し、IGBTの破壊を引き起こす。このため、IGBTのゲート信号にデッドタイムを設け、インバータの上下アームが短絡するのを防止することが行われている。
【0024】
図21は、IGBTのゲート信号のデッドタイムの設定方法を示す図である。
図21において、上アームのゲート電圧の立ち下がりに対して下アームのゲート電圧が遅れて立ち上がるようにデッドタイムDT1が設定され、下アームのゲート電圧の立ち下がりに対して上アームのゲート電圧が遅れて立ち上がるようにデッドタイムDT2が設定される。
このデッドタイムDT1、DT2は、フォトカプラFCの特性バラツキや使用環境に対応できるようにするために、立ち下がり時間TpHLと立ち上がり時間TpLHとの差ΔTに対して余裕を持たせて設定する必要がある。一方、デッドタイムDT1、DT2を大きくすると、PWM信号のデューティ比の可変範囲を狭め、IGBTの出力の制御応答性に大きな影響を与えることから、通常は5μs程度に設定される。
【0025】
図22は、発光ダイオードの順方向電圧の温度依存性を示す図、図23は、電界効果型トランジスタのオン抵抗の温度依存性を示す図、図24は、発光ダイオードに流れる順方向電流の温度依存性を示す図であるである。
図22において、図15の赤外発光ダイオードPD1の順方向電圧は負の温度特性を持つことが判る。また、図23において、図15の電界効果型トランジスタM1のオン抵抗Ronは正の温度特性を持つことが判る。この結果、図24に示すように、図15の赤外発光ダイオードPD1の順方向電流Ifは正の温度特性を持つようになり、高温になるほど順方向電流Ifは増加することが判る。
【0026】
図25は、順方向電流をパラメータとした時のフォトカプラの周囲温度に対する推定寿命を示す図である。
図25において、フォトカプラの推定寿命は、環境温度が高いほど短くなるとともに、赤外発光ダイオードPD1の順方向電流Ifが大きくなるほど短くなることが判る。
一方、フォトカプラFCの電流変換効率は、図17に示すように、環境温度が高いほど大きくなることから、図15の負荷抵抗RLに流れる電流が一定でよいならば、環境温度が高くなるほど赤外発光ダイオードPD1の順方向電流Ifを少なくすることができる。
【0027】
また、例えば、特許文献1には、機器に組み込まれて信号の送受信に使用されている状態のフォトカプラにおける入力側の発光素子を駆動した時のフォトカプラの出力側における信号レベルに基づいて、フォトカプラの動作状態を検出する方法が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、発光ダイオードの通電経路に設けられたホールド電流制限用の抵抗器にスピードアップコンデンサを並列接続するとともに、スピードアップコンデンサには抵抗器を直列接続することにより、フォトカプラの発光素子に流れるピーク電流およびホールド電流を簡単な回路構成にて個々に設定する方法が開示されている。
【特許文献1】特開2004−37155号公報
【特許文献2】特開平8−149085号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
しかしながら、従来のフォトカプラFCを用いたPWM信号の伝送回路では、図24に示すように、環境温度が高くなるほど赤外発光ダイオードPD1の順方向電流Ifが大きくなることから、図25に示すように、フォトカプラFCの推定寿命が短くなるという問題があった。
また、フォトカプラFCの電流変換効率が低下してもPWM信号の伝送が正常に行われるようにするために、赤外発光ダイオードPD1の順方向電流Ifが大きくなるように予め設定する必要がある。このため、フォトカプラFCの電流変換効率の低下が少ない初期の動作期間では、赤外発光ダイオードPD1の順方向電流Ifが本来必要な値を超過するようになり、図25に示すように、フォトカプラFCの寿命劣化を促進させるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、フォトカプラによる信号の伝播遅延を抑制しつつ、フォトカプラの寿命を向上させることが可能なフォトカプラの駆動装置、電力変換装置およびフォトカプラの駆動方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上述した課題を解決するために、請求項1記載のフォトカプラの駆動装置によれば、フォトカプラの出力側の信号レベルを監視する出力信号監視手段と、前記出力信号監視手段にて監視される信号レベルに基づいて、前記フォトカプラの入力側に流れる発光ダイオードの順方向電流を制御する電流制御手段とを備えることを特徴とする。
また、請求項2記載のフォトカプラの駆動装置によれば、フォトカプラの出力側の信号の立ち上がりまたは立ち下がりの傾きを前記フォトカプラの出力側で検出する傾き検出手段と、前記傾き検出手段にて検出されたフォトカプラの出力側の信号の立ち上がりまたは立ち下がりの傾きに基づいて、前記フォトカプラの入力側に流れる発光ダイオードの順方向電流を制御する電流制御手段とを備えることを特徴とする。
【0030】
また、請求項3記載のフォトカプラの駆動装置によれば、前記傾き検出手段は、前記フォトカプラの出力側の信号が異なるレベルの複数のしきい値に達したかを検出するレベル検出手段と、前記フォトカプラの出力側の信号が異なるレベルの複数のしきい値に達した時の時間差を測定する時間間隔測定手段とを備え、前記電流制御手段は、前記フォトカプラの出力側の信号が異なるレベルの複数のしきい値に達した時の時間差に基づいて、前記フォトカプラの入力側に流れる発光ダイオードの順方向電流を制御することを特徴とする。
【0031】
また、請求項4記載のフォトカプラの駆動装置によれば、フォトカプラの出力側の信号の立ち上がりまたは立ち下がり時の遅延時間を算出する検出する遅延時間算出手段と、前記遅延時間算出手段にて算出されたフォトカプラの出力側の信号の立ち上がりまたは立ち下がり時の遅延時間に基づいて、前記フォトカプラの入力側に流れる発光ダイオードの順方向電流を制御する電流制御手段とを備えることを特徴とする。
また、請求項5記載のフォトカプラの駆動装置によれば、前記フォトカプラの出力側の信号は、前記フォトカプラを構成するフォトトランジスタの光電流が作用する信号であることを特徴とする。
【0032】
また、請求項6記載のフォトカプラの駆動装置によれば、前記フォトカプラの入力側の発光ダイオードに印加される順方向電圧を可変する可変電圧源をさらに備え、前記電流制御手段は、前記可変電圧源の電圧を制御することにより、前記フォトカプラの入力側に流れる発光ダイオードの順方向電流を制御することを特徴とする。
また、請求項7記載のフォトカプラの駆動装置によれば、前記可変電圧源の電圧値が、前記フォトカプラの発光ダイオードの許容パルス電流に相当する値を超えた場合、アラームを生成することを特徴とする。
【0033】
また、請求項8記載の電力変換装置によれば、上アーム用および下アーム用としてそれぞれ作動するように互いに直列に接続され、負荷へ流入する電流を通電および遮断する1対のスイッチング素子と、前記スイッチング素子の導通および非導通を指示する制御信号を生成する制御回路と、前記制御信号に基づいて前記スイッチング素子の制御端子を駆動する駆動回路と、前記制御回路と前記駆動回路とが絶縁されるように前記スイッチング素子ごとに設けられ、前記制御回路と前記駆動回路との間で信号を伝送するフォトカプラと、前記フォトカプラの出力側の信号が異なるレベルの複数のしきい値に達したかを検出するレベル検出手段と、前記フォトカプラの出力側の信号が異なるレベルの複数のしきい値に達した時の時間差を測定する時間間隔測定手段と、前記フォトカプラの出力側の信号が異なるレベルの複数のしきい値に達した時の時間差に基づいて、前記フォトカプラの入力側に流れる発光ダイオードの順方向電流を制御する電流制御手段とを備えることを特徴とする。
【0034】
また、請求項9記載のフォトカプラの駆動方法によれば、フォトカプラの出力側の信号が異なるレベルの複数のしきい値に達した時の時間差を測定するステップと、前記フォトカプラの出力側の信号が異なるレベルの複数のしきい値に達した時の時間差に基づいて、前記フォトカプラの入力側に流れる発光ダイオードの順方向電流を制御するステップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
以上説明したように、本発明によれば、フォトカプラの出力側の信号レベルを監視することで、フォトカプラが使用される環境温度やフォトカプラの電流変換効率の劣化に応じて、フォトカプラの入力側に流れる発光ダイオードの順方向電流を制御することが可能となる。このため、環境温度が高くなるほどフォトカプラの入力側の発光ダイオードの順方向電流を小さくしたり、フォトカプラの電流変換効率の低下が少ない初期の動作期間では、フォトカプラの入力側の発光ダイオードの順方向電流を本来必要な値に制限したりすることが可能となり、フォトカプラによる信号の伝播遅延を抑制しつつ、フォトカプラの寿命を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態に係るフォトカプラの駆動装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るフォトカプラの駆動装置が適用される昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの概略構成を示すブロック図である。
図1において、昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールには、負荷へ流入する電流を通電および遮断するスイッチング素子SWU、SWDおよびスイッチング素子SWU、SWDの導通および非導通を指示する制御信号をそれぞれ生成する制御回路1が設けられている。
【0037】
ここで、制御回路1は、CPUまたは論理IC、あるいは論理ICとCPUが搭載されたシステムLSIなどで構成することができる。そして、制御回路1には、昇降圧指令値SPをV検出回路13にて生成されたPWM信号SD6と比較するV比較器4、V比較器4による比較結果に基づいて、ゲートドライブ用PWM信号SU1、SD1のデューティ比を制御するゲート信号発生器5、V検出回路13にて生成されたPWM信号SD6から不要な高域成分を除去するローパスフィルタ6、フォトカプラFU1、FU2の出力側の信号レベルに基づいて、フォトカプラFU1、FU2の入力側に流れる発光ダイオードの順方向電流を制御する電流制御回路23、24が設けられている。
【0038】
そして、制御回路1は、PWM制御によってスイッチング素子SWU、SWDを動作させるゲートドライブ用PWM信号SU1、SD1を生成することができる。そして、PWM制御では、各相のアームにおけるスイッチング素子SWU、SWDのオン・オフを、正弦波上の電圧指令値と搬送波(代表的には三角波)との電圧比較に従って制御することができる。そして、上アーム2側のスイッチング素子SWUのオン期間に対応するハイレベル期間と、下アーム3側のスイッチング素子SWDのオン期間に対応するローレベル期間との集合について、一定期間でその基本成分が正弦波になるようにデューティ比を制限することができる。
【0039】
また、スイッチング素子SWU、SWDはそれぞれ上アーム2用および下アーム3用として動作するように直列に接続されている。そして、スイッチング素子SWUには、ゲート信号SU3に従ってスイッチング動作を行うIGBT7が設けられ、IGBT7に流れる電流と逆方向に電流を流すフライホイールダイオードDU1がIGBT7に並列に接続されている。また、IGBT7が形成されたチップには、チップの温度変化に起因するダイオードDU2のVF変化を測定原理として用いた温度センサ、および抵抗RU1、RU2を介してIGBT7のエミッタ電流を分流して主回路電流を検出する電流センサが設けられている。
【0040】
また、スイッチング素子SWDには、ゲート信号SD3に従ってスイッチング動作を行うIGBT8が設けられ、IGBT8に流れる電流と逆方向に電流を流すフライホイールダイオードDD1がIGBT8に並列に接続されている。また、IGBT8が形成されたチップには、チップの温度変化に起因するダイオードDD2のVF変化を測定原理として用いた温度センサ、およびIGBT8のエミッタ電流を抵抗RD1、RD2を介して分流して主回路電流を検出する電流センサが設けられている。
【0041】
なお、スイッチング素子SWU、SWDとしては、例えば、IGBT7、8の他、パワーMOSFETやバイポーラトランジスタなどを用いるようにしてもよい。
そして、上アーム2側には、IGBT7の制御端子を駆動するためのゲート信号SU3を生成するゲートドライバ9が設けられるとともに、温度センサからの過熱検知信号SU5および電流センサからの過電流検知信号SU4を監視しながら、ゲートドライバ9の駆動を制御することでIGBT7を保護するIGBT保護回路10が設けられている。
【0042】
また、上アーム2側には、フォトカプラFU1からの出力信号SU2の信号レベルを監視し、その監視結果を制御回路1側の電流制御回路23に伝える出力信号監視回路21が設けられている。
また、下アーム3側には、IGBT8の制御端子を駆動するためのゲート信号SD3を生成するゲートドライバ11が設けられるとともに、温度センサからの過熱検知信号SD5および電流センサからの過電流検知信号SD4を監視しながら、ゲートドライバ11の駆動を制御することでIGBT8を保護するIGBT保護回路12が設けられている。
【0043】
また、下アーム3側には、フォトカプラFD1からの出力信号SD2の信号レベルを監視し、その監視結果を制御回路1側の電流制御回路24に伝える出力信号監視回路22が設けられている。
さらに、下アーム3側には、IGBT7からの出力信号VをPWM信号SD6に変換するV検出回路13が設けられ、V検出回路13には、三角波を生成する三角波生成器14、IGBT7からの出力信号Vを分圧する分圧回路16、分圧回路16にて分圧されたIGBT7からの出力信号Vのレベル調整を行うレベル調整部15およびレベル調整されたIGBT7からの出力信号Vと、三角波生成器14にて生成された三角波との比較結果に基づいてPWM信号SD6を生成する比較回路17が設けられている。
【0044】
また、車体筐体に接地される制御回路1側と、高圧となる上アーム2側および下アーム3側との間には、フォトカプラFU1〜FU5が介挿され、制御回路1では、フォトカプラFU1〜FU5を用いて上アーム2側および下アーム3側と電気的に絶縁しながら信号の授受を行うことができる。
そして、ゲート信号発生器5は、IGBT7、8の導通または非導通をそれぞれ指示するゲートドライブ用PWM信号SU1、SD1を生成し、このゲートドライブ用PWM信号SU1、SD1をフォトカプラFU1、FU2をそれぞれ介してゲートドライバ9、11にそれぞれ絶縁伝送するとともに、駆動装置21、22にそれぞれ絶縁伝送する。
【0045】
そして、ゲートドライバ9、11は、ゲートドライブ用PWM信号SU1、SD1にそれぞれ基づいてゲート信号SU3、SD3を生成し、IGBT7、8の制御端子をそれぞれ駆動することにより、IGBT7、8をそれぞれスイッチング動作させる。
ここで、温度センサから出力された過熱検知信号SU5、SD5がIGBT保護回路10、12にそれぞれ入力されるとともに、電流センサから出力された過電流検知信号SU4、SD4がIGBT保護回路10、12にそれぞれ入力される。そして、IGBT保護回路10、12は、IGBT7、8が破壊しない閾値を超過した場合には、そのことをゲートドライバ9、11にそれぞれ通知する。そして、ゲートドライバ9、11は、IGBT7、8が破壊しない閾値を超過したという通知をIGBT保護回路10、12からそれぞれ受け取ると、ゲート信号SU3、SD3の生成をそれぞれ停止することにより、IGBT7、8に流れる電流を遮断する。
【0046】
また、IGBT7からの出力信号VはV検出回路13に入力され、分圧回路16およびレベル調整部15にてレベル調整が行われた後、三角波生成器14にて生成された三角波との電圧比較に従って、比較回路17にてPWM信号SD6が生成される。そして、比較回路17にて生成されたPWM信号SD6は、フォトカプラFU3を介して制御回路1側に絶縁伝送され、制御回路1側に絶縁伝送されたPWM信号SD7は、ローパスフィルタ6にて不要な高域成分が除去された後、V比較器4に入力される。そして、V比較器4は、フォトカプラFU3を介してPWM信号SD7が送られると、そのPWM信号SD7を昇降圧指令値SPと比較することにより、PWM信号SD7が昇降圧指令値SPに従うようにゲートドライブ用PWM信号SU1、SD1のデューティ比をゲート信号発生器5に制御させることができる。
【0047】
また、ゲート信号発生器5にて生成されたゲートドライブ用PWM信号SU1、SD1がフォトカプラFU1、FU2をそれぞれ介してゲートドライバ9、11にそれぞれ絶縁伝送されると、フォトカプラFU1、FU2からの出力信号SU2、SD2が出力信号監視回路21、22にそれぞれ入力される。そして、フォトカプラFU1、FU2からの出力信号SU2、SD2が出力信号監視回路21、22にそれぞれ入力されると、出力信号監視回路21、22は、フォトカプラFU1、FU2の出力信号SU2、SD2の信号レベルを監視し、その監視結果をフォトカプラFU4、FU5をそれぞれ介して制御回路1側の電流制御回路23、24にそれぞれ伝送する。
【0048】
そして、電流制御回路23、24は、フォトカプラFU1、FU2の出力信号SU2、SD2の信号レベルの監視結果を出力信号監視回路21、22からそれぞれ受け取ると、フォトカプラFU1、FU2の出力側の信号レベルに基づいて、フォトカプラFU1、FU2の入力側に流れる発光ダイオードの順方向電流を制御することができる。
【0049】
これにより、フォトカプラFU1、FU2の出力側の信号レベルを監視することで、フォトカプラFU1、FU2が使用される環境温度やフォトカプラFU1、FU2の電流変換効率の劣化に応じて、フォトカプラFU1、FU2の入力側に流れる発光ダイオードの順方向電流を制御することが可能となる。このため、環境温度が高くなるほどフォトカプラFU1、FU2の入力側の発光ダイオードの順方向電流を小さくしたり、フォトカプラFU1、FU2の電流変換効率の低下が少ない初期の動作期間では、フォトカプラFU1、FU2の入力側の発光ダイオードの順方向電流を本来必要な値に制限したりすることが可能となり、フォトカプラFU1、FU2による信号の伝播遅延を抑制しつつ、フォトカプラFU1、FU2の寿命を向上させることが可能となる。
【0050】
図2は、本発明の第1実施形態に係るフォトカプラの駆動装置の概略構成を示すブロック図である。
図2において、フォトカプラFC1の駆動装置には、低圧側と高圧側との間で信号の絶縁伝送を行うフォトカプラFC1、FC2が設けられている。ここで、フォトカプラFC1には、順電流Ifによって赤外光を放射する赤外発光ダイオードPD1、赤外発光ダイオードPD1から放射された赤外光を受光する受光ダイオードPD2および受光ダイオードPD2で発生した光電流をベース電流として電流増幅動作を行うフォトトランジスタM2が設けられている。そして、赤外発光ダイオードPD1にはR28が並列接続されるとともに、赤外発光ダイオードPD1のカソードは抵抗R29および抵抗R00を順次介して電界効果型トランジスタM1に接続されている。また、フォトトランジスタM2のコレクタは、負荷抵抗RLを介して電源電圧Vcc2に接続されるとともに、フォトトランジスタM2のコレクタを介して出力される出力信号Voutは、抵抗RLPFを介してIGBTドライブIC30に入力される。なお、IGBTドライブIC30の入力端子とフォトトランジスタM2のコレクタとの間に挿入された抵抗RLPFは微小ノイズを除去するためのもので、抵抗RLPFは必ずしも挿入する必要はない。
【0051】
また、フォトカプラFC2には、赤外光を放射する赤外発光ダイオードPD4、赤外発光ダイオードPD4から放射された赤外光を受光する受光ダイオードPD3および受光ダイオードPD3で発生した光電流をベース電流として電流増幅動作を行うフォトトランジスタM3が設けられている。そして、赤外発光ダイオードPD4にはR27が並列接続されるとともに、抵抗赤外発光ダイオードPD4のカソードは時間間隔/PWMパルス変換回路34に接続されている。また、フォトトランジスタM2のコレクタは、抵抗R26を介して電源電圧Vcc3に接続されるとともに、演算ユニット36に接続されている。
【0052】
また、フォトカプラFC1の駆動装置において、フォトカプラFC1の出力側には、フォトカプラFCからの出力信号Voutと基準電圧Vref1とを比較する演算増幅器32、フォトカプラFCからの出力信号Voutと基準電圧Vref2とを比較する演算増幅器33、フォトカプラFCからの出力信号Voutが基準電圧Vref1、Vref2にそれぞれ達した時の時間差を測定するパルス時間間隔測定回路31、パルス時間間隔測定回路31にて測定された時間差に対応したPWMパルスを生成する時間間隔/PWMパルス変換回路34が設けられている。
【0053】
なお、基準電圧Vref1、Vref2にそれぞれ達した時の時間差を測定する信号は、フォトカプラFC1を構成するフォトトランジスタM2の光電流が作用する信号ならばどれでもよく、例えば、IGBTドライブIC30の入力端子に入力される信号(出力信号Vout)であってもよいし、フォトトランジスタM2のコレクタ端子の電圧であってもよい。また、基準電圧Vref1、Vref2は、フォトカプラからの出力信号Voutの立ち下がりが傾いている部分の異なるレベルに設定することができる。
【0054】
また、フォトカプラFC1の駆動装置において、フォトカプラFC1の入力側には、パルス時間間隔測定回路31にて測定される時間差と、負荷抵抗RLに流れる電流Ic−ILV−ICとの対応関係が登録された時間間隔/電流対応テーブル35、時間間隔/電流対応テーブル35を参照することで、負荷抵抗RLに実際に流れている電流IC_R−ILV−IC_Rを推測し、その推測結果に基づいて可変電圧源37の電圧を増減させる演算ユニット36およびフォトカプラFC1の入力側の発光ダイオードPD1に印加される順方向電圧を可変する可変電圧源37が設けられている。
【0055】
そして、電界効果型トランジスタM1のゲートに入力信号Vinが入力されると、順電流Ifが赤外発光ダイオードPD1に流れ、赤外光が放射される。そして、赤外発光ダイオードPD1から放射された赤外光は、受光ダイオードPD2にて受光され、その赤外光に応じた光電流がフォトトランジスタM2のベースに流れる。そして、フォトトランジスタM2のベースに光電流が流れると、フォトトランジスタM2にコレクタ電流Icが流れるとともに、IGBTドライブIC30内のカレントミラー回路から定常電流ILV−ICが抵抗RLPFを介して外部に吐き出され、片端を電源電圧Vcc2に接続された負荷抵抗RLに流れる電流はIc−ILV−ICとなる。そして、コレクタ電流Icの変化に伴う負荷抵抗RLの他端電圧の変化が、(4)式に示すように、フォトカプラFCからの出力信号Voutとして抵抗RLPFを介してIGBTドライブIC30に入力される。
【0056】
さらに、IGBTドライブIC30に入力される出力信号Voutは演算増幅器32、33に送られ、その出力信号Voutのレベルが演算増幅器32、33にて基準電圧Vref1、Vref2とそれぞれ比較される。そして、出力信号Voutのレベルが基準電圧Vref1、Vref2にそれぞれ達すると、演算増幅器32、33の出力レベルがロウレベルからハイレベルにそれぞれ変化し、演算増幅器32、33の出力レベルが変化した時の時間差がパルス時間間隔測定回路31にて測定され、その測定結果が時間間隔/PWMパルス変換回路34に送られる。
【0057】
そして、演算増幅器32、33の出力レベルが変化した時の時間差が時間間隔/PWMパルス変換回路34に送られると、時間間隔/PWMパルス変換回路34は、パルス時間間隔測定回路31にて測定された時間差に対応したPWMパルスを生成し、そのPWMパルスを赤外発光ダイオードPD4のカソードに印加する。そして、時間間隔/PWMパルス変換回路34にて生成されたPWMパルスが赤外発光ダイオードPD4のカソードに印加されると、そのPWMパルスのレベルに対応して順電流が赤外発光ダイオードPD4に流れ、赤外光が放射される。
【0058】
そして、赤外発光ダイオードPD4から放射された赤外光は、受光ダイオードPD3にて受光され、その赤外光に応じた光電流がフォトトランジスタM3のベースに流れる。そして、フォトトランジスタM3のベースに光電流が流れると、フォトトランジスタM3にコレクタ電流が流れ、そのコレクタ電流は片端を電源電圧Vcc3に接続された抵抗R26に流入する。そして、パルス時間間隔測定回路31にて測定された時間差が、フォトトランジスタM3に流れるコレクタ電流の変化に伴う抵抗R26の他端電圧の変化として演算ユニット36に入力される。
【0059】
そして、演算ユニット36は、パルス時間間隔測定回路31にて測定された時間差が入力されると、時間間隔/電流対応テーブル35を参照することで、負荷抵抗RLに実際に流れている電流IC_R−ILV−IC_Rを推測し、ILV−IC_Rとして既知の値を適用することで、フォトトランジスタM2に実際に流れているコレクタ電流IC_Rを算出する。そして、演算ユニット36は、フォトトランジスタM2に実際に流れているコレクタ電流IC_Rを、フォトトランジスタM2に流れるように予め規定されたコレクタ電流IC_Sと比較し、フォトトランジスタM2に実際に流れているコレクタ電流IC_Rが、フォトトランジスタM2に流れるように予め規定されたコレクタ電流IC_Sと一致するように、可変電圧源37の電圧を増減させながら、フォトカプラFC1の入力側の発光ダイオードPD1に流れる順電流Ifを制御することができる。
【0060】
そして、演算ユニット36は、可変電圧源37の電圧値が、フォトカプラFC1の発光ダイオードPD1の許容パルス電流に相当する値を超えた場合には、フォトカプラFC1が寿命限界に達したと判断し、アラーム信号ALを発生させる。
なお、演算ユニット36としては、例えば、上述した順電流Ifの制御方法が記述されたプログラムを実行するCPUを用いることができる。また、IGBTのゲートドライブ信号は、数kHzから数十kHzなので、上述した順電流Ifの制御は頻繁に行うことができる。
【0061】
これにより、フォトカプラFC1の出力信号Voutの立ち下がりの傾きをフォトカプラFC1の出力側で算出することで、フォトカプラFC1の入力側の信号(赤外発光ダイオードPD1に流れる順電流If)を参照することなく、フォトカプラFC1が使用される環境温度やフォトカプラFC1の電流変換効率の劣化に応じて、フォトカプラFC1の入力側に流れる発光ダイオードPD1の順方向電流Ifを制御することが可能となる。このため、低圧側と高圧側との間で信号の絶縁伝送が行われている場合においても、フォトカプラFC1による信号の伝播遅延を抑制しつつ、フォトカプラFC1の寿命を向上させることが可能となるとともに、フォトカプラFC1の電流変換効率が低下した場合においても、負荷抵抗RLに流れる電流値を一定に保つことが可能となり、フォトカプラFC1による信号の伝播遅延の増大を抑制することができる。
【0062】
図3は、図2のIGBTドライブICの概略構成を示すブロック図である。
図3において、IGBTドライブIC30には、IGBTドライブIC30の入力端子のプルアップ機能、フォトカプラFC1からの出力信号Voutの2値化機能、IGBTのゲートドライブ機能およびIGBTの過電流/過温保護機能が備えられている。
すなわち、IGBTドライブIC30には、定常電流ILV−ICを外部に吐き出すためのカレントミラー回路から構成される電流源41、フォトカプラFC1からの出力信号Voutを2値化する2値化回路42、IGBTのゲートドライブを行うためのMOS−FETドライバ44、IGBTの過電流/過温保護を行うための論理回路43、45、温度信号比較器46、電流信号比較器47が設けられている。
【0063】
そして、電流源41にて生成された定常電流ILV−ICを外部に吐き出しながら、IGBTドライブIC30にPWM信号が入力されると、2値化回路42にて2値化された後、論理回路43を介してMOS−FETドライバ44に供給され、IGBTのゲートドライブが行われる。
また、IGBT温度信号が温度信号比較器46に入力されるとともに、IGBT電流信号が電流信号比較器47に入力され、IGBTが破壊しない閾値を超過した場合には、論理回路45を介してアラーム信号が出力されるとともに、論理回路43にてゲート信号の生成を停止させることにより、IGBTに流れる電流を遮断し、IGBTを破壊から保護することができる。
【0064】
ここで、図2のIGBTドライブIC30の出力をロウレベルにするには、赤外発光ダイオードPD1に流れる順電流Ifを0にすると、(4)式において、Vout=Vcc2+RLPF×ILV−ICとなり、フォトカプラFCからの出力信号Voutは必ずVINH以上の電圧となる。
一方、IGBTドライブIC30の出力をハイレベルにするには、回路素子のバラツキや温度特性、電源電圧の変動に加え、フォトカプラFCの電流変換効率は劣化寿命を考慮する必要があることから、稼働環境100℃、稼動時間15000時間においてフォトカプラFCの電流変換効率が最も低下する動作保証温度−30℃で、Vout≦VINLという条件を満足させるように順電流Ifを流す必要がある。
【0065】
そして、稼働環境100℃、稼動時間15000時間においてフォトカプラFCの電流変換効率が最も低下する動作保証温度−30℃で、Vout≦VINLという条件を満足させるように、電源電圧Vcc2を5V、8V、11Vのチューナダイオードにて生成した場合の負荷抵抗RLの値を求めると、電源電圧Vcc2が11Vのチューナダイオードでは、RL≧16.2kΩ、電源電圧Vcc2が8Vのチューナダイオードでは、RL≧11.3kΩ、電源電圧Vcc2が5Vのチューナダイオードでは、RL≧6.8kΩの場合には、IGBTドライブIC30は製品寿命まで確実に動作することができる。
【0066】
そして、図20に示すように、図1の上アーム2と下アーム3とが短絡しないように、デッドタイムDT1、DT2が通常は5μs程度に設定されるが、図2のフォトカプラFCによる信号伝送時にデッドタイムDT1、DT2が狭くなるのは望ましくなく、図18の出力信号Voutの立ち下がり時間TpHLと立ち上がり時間TpLHとの差ΔTはできる限り小さいほうがよい。そして、IGBTドライブIC30の入力がロウレベルになると、IGBTがオンすることから、TpHL≧TpLHならばデッドタイムDT1、DT2が増加する方向、TpHL≦TpLHならばデッドタイムDT1、DT2が減少する方向に作用する。そして、出力信号Voutの立ち下がり時間TpHLと立ち上がり時間TpLHとの差ΔTは、IGBTドライブIC30内での伝播時間差やIGBTのスイッチング時間差を考慮して、−30℃から+100℃までの全使用温度範囲内において少なくとも2μs以下に抑制するのが好ましい。
【0067】
図4(a)は、図2のフォトカプラの初期状態における入力側の電圧Vinの立ち上がり波形および出力側の電圧Voutの立ち下がり波形、図4(b)は、図2のフォトカプラの初期状態における入力側の電圧Vinの立ち下がり波形および出力側の電圧Voutの立ち上がり波形、図4(c)は、図2のフォトカプラの寿命劣化状態における入力側の電圧Vinの立ち上がり波形および出力側の電圧Voutの立ち下がり波形、図4(d)は、図2のフォトカプラの寿命劣化状態における入力側の電圧Vinの立ち下がり波形および出力側の電圧Voutの立ち上がり波形を示すである。
【0068】
図4において、フォトカプラFC1の寿命劣化状態では、フォトカプラFC1の初期状態に比べて、出力電圧Voutの立ち上がりの傾きにはほとんど変化が見られないのに対して、出力電圧Voutの立ち下がりの傾きが小さくなる。従って、フォトカプラFC1からの出力電圧Voutの立ち下がりの傾きを監視することにより、フォトカプラFC1の寿命劣化状態を判定することができる。
【0069】
そして、フォトカプラFC1の寿命が劣化すると、(2)式に示すように、フォトトランジスタM2に流れるコレクタ電流Icが小さくなることから、フォトトランジスタM2に流れるコレクタ電流Icを監視し、フォトトランジスタM2に流れるコレクタ電流Icが一定になるように発光ダイオードPD1に流れる順電流Ifを制御することで、フォトカプラFC1による信号の伝播遅延の増大を抑制することができる。
【0070】
図5は本発明の一実施形態に係るフォトカプラの電流変換効率と出力側の電圧Voutの立ち下がり時間TpLHとの関係について温度をパラメータとして示す図、図6は、本発明の一実施形態に係るフォトカプラの電流変換効率と出力側の電圧Voutの立ち上がり時間TpHLとの関係について温度をパラメータとして示す図である。
図5および図6において、フォトカプラFC1による立ち上がり波形の遅延時間TpLHは、フォトカプラFC1の電流変換効率の依存性が少ないのに対して、フォトカプラFC1による立ち下がり波形の遅延時間TpHLは、フォトカプラFC1の電流変換効率が劣化するに従って大きくなり、特に、温度が低くなるに従ってその傾向が顕著に表れる。
【0071】
従って、フォトカプラFC1からの出力電圧Voutの立ち下がりの傾きを監視することにより、フォトカプラFC1の寿命劣化状態を判定することができ、フォトトランジスタM2に流れるコレクタ電流Icが一定になるように発光ダイオードPD1に流れる順電流Ifを制御することで、フォトカプラFC1が使用される環境温度やフォトカプラFC1の電流変換効率の劣化にかかわらず、フォトカプラFC1による信号の遅延時間TpHLを一定に保つことができる。
【0072】
図7は、本発明の一施形態に係る昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの概略構成を示す断面図である。
図7において、昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールでは、回路基板104の上段には駆動回路105が搭載されるとともに、回路基板104の下段にはIGBTチップ103が搭載されている。そして、IGBTチップ103および駆動回路105が搭載された回路基板104はケース101に収容され、ケース101を介して主回路用端子108が取り出されるとともに、放熱ベース102を介して冷却フィン107に取り付けられている。
【0073】
そして、昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの運転時には、IGBTのスイッチング損失によってIGBTチップ103から発熱し、冷却フィン107を介して冷却水を流すことで、回路基板104の冷却が行われる。ここで、降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの継続運転時には、冷却水の温度は70〜80℃になるため、回路基板104の温度は100℃近辺まで上昇することから、100℃近辺における出力信号Voutの立ち下がり時間TpHLと立ち上がり時間TpLHとの差ΔTを考慮しながら、回路設計を行うことが好ましい。
【0074】
ここで、昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの回路設計を行う場合、フォトカプラFC1を介して絶縁伝送した時の出力信号Voutの立ち下がり時間TpHLと立ち上がり時間TpLHとの差ΔTが2μs以下という条件を満たした上で、仕様温度範囲の最も厳しい条件で継続使用されたCTR寿命末期に到達後に、フォトカプラFC1の最も電流変換効率の小さな温度でも、後段回路のしきい値を満足させる回路定数を採用することが好ましい。
【0075】
図8(a)は、負荷抵抗をパラメータとした時のフォトカプラの初期状態における立ち下がり時間TpHLの温度依存性を示す図、図8(b)は、負荷抵抗をパラメータとした時のフォトカプラの初期状態における立ち上がり時間TpHLの温度依存性を示す図、図8(c)は、負荷抵抗をパラメータとした時のフォトカプラの初期状態における立ち下がり時間TpHLと立ち上がり時間TpLHとの差ΔTの温度依存性を示す図、図8(d)は、負荷抵抗をパラメータとした時のフォトカプラの15000時間寿命劣化後(CTR=9.5%)における立ち下がり時間TpHLの温度依存性を示す図、図8(e)は、負荷抵抗をパラメータとした時のフォトカプラの15000時間寿命劣化後(CTR=9.5%)における立ち上がり時間TpHLの温度依存性を示す図、図8(f)は、負荷抵抗をパラメータとした時のフォトカプラの15000時間寿命劣化後(CTR=9.5%)における立ち下がり時間TpHLと立ち上がり時間TpLHとの差ΔTの温度依存性を示す図である。
【0076】
なお、図8の例では、図2の負荷抵抗RLに印加される電源電圧Vcc2を5Vとし、フォトカプラの初期状態での実力値と、―30℃でのCTRフを9.5%とし、100℃の環境下で15000時間連続使用後の最悪値とを比較して示した。
図8において、電源電圧Vcc2が11Vにおいて、−30℃から+100℃までの全使用温度範囲内においてIGBTドライブIC30が動作するには、負荷抵抗RLの値は16.2kΩ以上でなければならず、フォトカプラの初期状態での実力値も+100℃において、出力信号Voutの立ち下がり時間TpHLと立ち上がり時間TpLHとの差ΔTが2μs以下を超えることはない。従って、−30℃から+100℃までの全使用温度範囲内において、フォトカプラの使用開始から15000時間経過に至るまで、図2のフォトカプラFCによる信号伝送時に図21のデッドタイムDT1、DT2が狭くなるのを防止することができる。
【0077】
図9は、本発明の第2施形態に係るフォトカプラの駆動装置の概略構成を示すブロック図である。
図9において、フォトカプラFC1の入力側には、図2の演算ユニット36および時間間隔/電流対応テーブル35の代わりに、フォトトランジスタM3からの出力信号を基準電圧Vref4と比較する演算増幅器38、フォトトランジスタM3からの出力信号を演算増幅器38の反転入力端子に入力する抵抗R25および演算増幅器38の反転入力端子と出力端子との間に接続されたコンデンサC1が設けられるとともに、可変電圧源37の電圧を基準電圧Vref3と比較する演算増幅器39が設けられている。
【0078】
そして、パルス時間間隔測定回路31にて測定された時間差が、フォトトランジスタM3に流れるコレクタ電流の変化に伴う抵抗R26の他端電圧の変化として、抵抗R25を介して演算増幅器38に入力される。
そして、演算増幅器38は、フォトトランジスタM3からの出力信号が入力されると、その出力信号のレベルを基準電圧Vref4と比較し、フォトトランジスタM3からの出力信号のレベルと基準電圧Vref4との差分を可変電圧源37に出力し、フォトトランジスタM3からの出力信号のレベルと基準電圧Vref4とが一致するように、可変電圧源37の電圧を増減させながら、フォトカプラFC1の入力側の発光ダイオードPD1に流れる順電流Ifを制御することにより、負荷抵抗RLに流れる電流値を一定に保つことができる。
【0079】
そして、可変電圧源37の電圧は発光ダイオードPD1に印加されるとともに、演算増幅器38に入力される。そして、演算増幅器38は、可変電圧源37の電圧値が基準電圧Vref3を超えた場合には、フォトカプラFC1が寿命限界に達したと判断し、アラーム信号ALを発生させる。なお、基準電圧Vref3は、フォトカプラFC1の発光ダイオードPD1の許容パルス電流に相当する値に設定することができる。
【0080】
図10は、本発明の第3施形態に係るフォトカプラの駆動装置の概略構成を示すブロック図である。
図10において、フォトカプラFC1の出力側には、図2の演算増幅器32、33、パルス時間間隔測定回路31および時間間隔/PWMパルス変換回路34の代わりに、フォトカプラFCからの出力信号Voutと基準電圧Vrefとを比較する演算増幅器51が設けられている。
また、フォトカプラFC1の入力側には、図2の演算ユニット36および時間間隔/電流対応テーブル35の代わりに、入力信号Vinが入力されてからフォトトランジスタM3の出力信号が入力されるまでの時間間隔をカウントするカウンタ52、カウンタ52によるカウント値と、負荷抵抗RLに流れる電流Ic−ILV−ICとの対応関係が登録されたカウント値/電流対応テーブル53、カウント値/電流対応テーブル53を参照することで、負荷抵抗RLに実際に流れている電流IC_R−ILV−IC_Rを推測し、その推測結果に基づいて可変電圧源37の電圧を増減させる演算ユニット54が設けられている。
【0081】
そして、電界効果型トランジスタM1のゲートに入力信号Vinが入力されると、順電流Ifが赤外発光ダイオードPD1に流れ、赤外光が放射される。そして、赤外発光ダイオードPD1から放射された赤外光は、受光ダイオードPD2にて受光され、その赤外光に応じた光電流がフォトトランジスタM2のベースに流れる。そして、フォトトランジスタM2のベースに光電流が流れると、フォトトランジスタM2にコレクタ電流Icが流れるとともに、IGBTドライブIC30内のカレントミラー回路から定常電流ILV−ICが抵抗RLPFを介して外部に吐き出され、片端を電源電圧Vcc2に接続された負荷抵抗RLに流れる電流はIc−ILV−ICとなる。そして、コレクタ電流Icの変化に伴う負荷抵抗RLの他端電圧の変化が、(4)式に示すように、フォトカプラFCからの出力信号Voutとして抵抗RLPFを介してIGBTドライブIC30に入力される。
【0082】
また、入力信号Vinは、電界効果型トランジスタM1のゲートに入力されるとともにカウンタ52にも入力され、入力信号Vinがカウンタ52に入力されると、カウンタ52はカウントを開始する。
そして、IGBTドライブIC30に入力される出力信号Voutは演算増幅器51に送られ、その出力信号Voutが演算増幅器51にて基準電圧Vrefと比較される。そして、出力信号Voutのレベルが基準電圧Vrefに達すると、演算増幅器51の出力レベルがロウレベルからハイレベルに変化し、その演算増幅器51の出力レベルが赤外発光ダイオードPD4のカソードに印加される。そして、演算増幅器51の出力レベルが赤外発光ダイオードPD4のカソードに印加されると、演算増幅器51の出力レベルに対応して順電流が赤外発光ダイオードPD4に流れ、赤外光が放射される。
【0083】
そして、赤外発光ダイオードPD4から放射された赤外光は、受光ダイオードPD3にて受光され、その赤外光に応じた光電流がフォトトランジスタM3のベースに流れる。そして、フォトトランジスタM3のベースに光電流が流れると、フォトトランジスタM3にコレクタ電流が流れ、そのコレクタ電流は片端を電源電圧Vcc3に接続された抵抗R26に流入する。そして、演算増幅器51の出力レベルの変化が、フォトトランジスタM3に流れるコレクタ電流の変化に伴う抵抗R26の他端電圧の変化としてカウンタ52に入力される。
そして、カウンタ52は、演算増幅器51の出力レベルの変化が入力されると、カウント動作を停止し、入力信号Vinが入力されてから演算増幅器51の出力レベルが変化するまでのカウント値を演算ユニット54に送る。
【0084】
そして、演算ユニット54は、カウンタ52からのカウント値を受け取ると、カウント値/電流対応テーブル53を参照することで、負荷抵抗RLに実際に流れている電流IC_R−ILV−IC_Rを推測し、ILV−IC_Rとして既知の値を適用することで、フォトトランジスタM2に実際に流れているコレクタ電流IC_Rを算出する。そして、演算ユニット54は、フォトトランジスタM2に実際に流れているコレクタ電流IC_Rを、フォトトランジスタM2に流れるように予め規定されたコレクタ電流IC_Sと比較し、フォトトランジスタM2に実際に流れているコレクタ電流IC_Rが、フォトトランジスタM2に流れるように予め規定されたコレクタ電流IC_Sと一致するように、可変電圧源37の電圧を増減させながら、フォトカプラFC1の入力側の発光ダイオードPD1に流れる順電流Ifを制御することができる。
そして、演算ユニット54は、可変電圧源37の電圧値が、フォトカプラFC1の発光ダイオードPD1の許容パルス電流に相当する値を超えた場合には、フォトカプラFC1が寿命限界に達したと判断し、アラーム信号ALを発生させることができる。
【0085】
図11は、本発明の第4施形態に係るフォトカプラの駆動装置の概略構成を示すブロック図である。
図11において、フォトカプラFC1の駆動装置には、低圧側と高圧側との間で信号の絶縁伝送を行うフォトカプラFC1、FC2が設けられている。ここで、フォトカプラFC1には、順電流Ifによって赤外光を放射する赤外発光ダイオードPD1、赤外発光ダイオードPD1から放射された赤外光を受光する受光ダイオードPD2および受光ダイオードPD2で発生した光電流をベース電流として電流増幅動作を行うフォトトランジスタM2が設けられている。そして、赤外発光ダイオードPD1にはR28が並列接続されるとともに、赤外発光ダイオードPD1のカソードは抵抗R29および抵抗R00を順次介して電界効果型トランジスタM1に接続されている。また、フォトトランジスタM2のコレクタは電源電圧Vcc2に接続されるとともに、フォトトランジスタM2のエミッタは抵抗RLを介して接地電位に接続され、フォトトランジスタM2のエミッタを介して出力される出力信号Voutは、抵抗RLPFを介してIGBTドライブIC30に入力される。なお、IGBTドライブIC30の入力端子とフォトトランジスタM2のエミッタとの間に挿入された抵抗RLPFは微小ノイズを除去するためのもので、抵抗RLPFは必ずしも挿入する必要はない。
【0086】
また、フォトカプラFC2には、赤外光を放射する赤外発光ダイオードPD4、赤外発光ダイオードPD4から放射された赤外光を受光する受光ダイオードPD3および受光ダイオードPD3で発生した光電流をベース電流として電流増幅動作を行うフォトトランジスタM3が設けられている。そして、赤外発光ダイオードPD4にはR27が並列接続されるとともに、抵抗赤外発光ダイオードPD4のカソードは時間間隔/PWMパルス変換回路34に接続されている。また、フォトトランジスタM2のコレクタは、抵抗R26を介して電源電圧Vcc3に接続されるとともに、演算ユニット36に接続されている。
【0087】
また、フォトカプラFC1の駆動装置において、フォトカプラFC1の出力側には、フォトカプラFCからの出力信号Voutと基準電圧Vref1とを比較する演算増幅器132、フォトカプラFCからの出力信号Voutと基準電圧Vref2とを比較する演算増幅器133、フォトカプラFCからの出力信号Voutが基準電圧Vref1、Vref2にそれぞれ達した時の時間差を測定するパルス時間間隔測定回路131、パルス時間間隔測定回路131にて測定された時間差に対応したPWMパルスを生成する時間間隔/PWMパルス変換回路134が設けられている。
【0088】
なお、基準電圧Vref1、Vref2にそれぞれ達した時の時間差を測定する信号は、フォトカプラFC1を構成するフォトトランジスタM2の光電流が作用する信号ならばどれでもよく、例えば、IGBTドライブIC30の入力端子に入力される信号(出力信号Vout)であってもよいし、フォトトランジスタM2のエミッタ端子の電圧であってもよい。また、基準電圧Vref1、Vref2は、フォトカプラからの出力信号Voutの立ち上がりが傾いている部分の異なるレベルに設定することができる。
【0089】
また、フォトカプラFC1の駆動装置において、フォトカプラFC1の入力側には、パルス時間間隔測定回路131にて測定される時間差と、負荷抵抗RLに流れる電流Ic−ILV−ICとの対応関係が登録された時間間隔/電流対応テーブル135、時間間隔/電流対応テーブル135を参照することで、負荷抵抗RLに実際に流れている電流IC_R−ILV−IC_Rを推測し、その推測結果に基づいて可変電圧源37の電圧を増減させる演算ユニット136およびフォトカプラFC1の入力側の発光ダイオードPD1に印加される順方向電圧を可変する可変電圧源137が設けられている。
【0090】
そして、電界効果型トランジスタM1のゲートに入力信号Vinが入力されると、順電流Ifが赤外発光ダイオードPD1に流れ、赤外光が放射される。そして、赤外発光ダイオードPD1から放射された赤外光は、受光ダイオードPD2にて受光され、その赤外光に応じた光電流がフォトトランジスタM2のベースに流れる。そして、フォトトランジスタM2のベースに光電流が流れると、フォトトランジスタM2にコレクタ電流Icが流れるとともに、IGBTドライブIC30内のカレントミラー回路に定常電流ILV−ICが抵抗RLPFを介して外部から吸い込まれ、片端を接地電位に接続された負荷抵抗RLに流れる電流はIc−ILV−ICとなる。そして、コレクタ電流Icの変化に伴う負荷抵抗RLの他端電圧の変化が、フォトカプラFCからの出力信号Voutとして抵抗RLPFを介してIGBTドライブIC30に入力される。
【0091】
さらに、IGBTドライブIC30に入力される出力信号Voutは演算増幅器132、133に送られ、その出力信号Voutのレベルが演算増幅器132、133にて基準電圧Vref1、Vref2とそれぞれ比較される。そして、出力信号Voutのレベルが基準電圧Vref1、Vref2にそれぞれ達すると、演算増幅器132、133の出力レベルがロウレベルからハイレベルにそれぞれ変化し、演算増幅器132、133の出力レベルが変化した時の時間差がパルス時間間隔測定回路131にて測定され、その測定結果が時間間隔/PWMパルス変換回路134に送られる。
【0092】
そして、演算増幅器132、133の出力レベルが変化した時の時間差が時間間隔/PWMパルス変換回路134に送られると、時間間隔/PWMパルス変換回路134は、パルス時間間隔測定回路131にて測定された時間差に対応したPWMパルスを生成し、そのPWMパルスを赤外発光ダイオードPD4のカソードに印加する。そして、時間間隔/PWMパルス変換回路134にて生成されたPWMパルスが赤外発光ダイオードPD4のカソードに印加されると、そのPWMパルスのレベルに対応して順電流が赤外発光ダイオードPD4に流れ、赤外光が放射される。
【0093】
そして、赤外発光ダイオードPD4から放射された赤外光は、受光ダイオードPD3にて受光され、その赤外光に応じた光電流がフォトトランジスタM3のベースに流れる。そして、フォトトランジスタM3のベースに光電流が流れると、フォトトランジスタM3にコレクタ電流が流れ、そのコレクタ電流は片端を電源電圧Vcc3に接続された抵抗R26に流入する。そして、パルス時間間隔測定回路131にて測定された時間差が、フォトトランジスタM3に流れるコレクタ電流の変化に伴う抵抗R26の他端電圧の変化として演算ユニット136に入力される。
【0094】
そして、演算ユニット136は、パルス時間間隔測定回路131にて測定された時間差が入力されると、時間間隔/電流対応テーブル135を参照することで、負荷抵抗RLに実際に流れている電流IC_R−ILV−IC_Rを推測し、ILV−IC_Rとして既知の値を適用することで、フォトトランジスタM2に実際に流れているコレクタ電流IC_Rを算出する。そして、演算ユニット136は、フォトトランジスタM2に実際に流れているコレクタ電流IC_Rを、フォトトランジスタM2に流れるように予め規定されたコレクタ電流IC_Sと比較し、フォトトランジスタM2に実際に流れているコレクタ電流IC_Rが、フォトトランジスタM2に流れるように予め規定されたコレクタ電流IC_Sと一致するように、可変電圧源37の電圧を増減させながら、フォトカプラFC1の入力側の発光ダイオードPD1に流れる順電流Ifを制御することができる。
【0095】
そして、演算ユニット136は、可変電圧源37の電圧値が、フォトカプラFC1の発光ダイオードPD1の許容パルス電流に相当する値を超えた場合には、フォトカプラFC1が寿命限界に達したと判断し、アラーム信号ALを発生させる。
これにより、フォトカプラFC1の出力信号Voutの立ち上がりの傾きをフォトカプラFC1の出力側で算出することで、フォトカプラFC1の入力側の信号(赤外発光ダイオードPD1に流れる順電流If)を参照することなく、フォトカプラFC1が使用される環境温度やフォトカプラFC1の電流変換効率の劣化に応じて、フォトカプラFC1の入力側に流れる発光ダイオードPD1の順方向電流Ifを制御することが可能となる。このため、低圧側と高圧側との間で信号の絶縁伝送が行われている場合においても、フォトカプラFC1による信号の伝播遅延を抑制しつつ、フォトカプラFC1の寿命を向上させることが可能となるとともに、フォトカプラFC1の電流変換効率が低下した場合においても、負荷抵抗RLに流れる電流値を一定に保つことが可能となり、フォトカプラFC1による信号の伝播遅延の増大を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の一実施形態に係るフォトカプラの駆動装置が適用される昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1施形態に係るフォトカプラの駆動装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図2のIGBTドライブICの概略構成を示すブロック図である。
【図4】図4(a)は、図2のフォトカプラの初期状態における入力側の電圧Vinの立ち上がり波形および出力側の電圧Voutの立ち下がり波形、図4(b)は、図2のフォトカプラの初期状態における入力側の電圧Vinの立ち下がり波形および出力側の電圧Voutの立ち上がり波形、図4(c)は、図2のフォトカプラの寿命劣化状態における入力側の電圧Vinの立ち上がり波形および出力側の電圧Voutの立ち下がり波形、図4(d)は、図2のフォトカプラの寿命劣化状態における入力側の電圧Vinの立ち下がり波形および出力側の電圧Voutの立ち上がり波形を示すである。
【図5】本発明の一実施形態に係るフォトカプラの電流変換効率と出力側の電圧Voutの立ち下がり時間TpLHとの関係について温度をパラメータとして示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るフォトカプラの電流変換効率と出力側の電圧Voutの立ち上がり時間TpHLとの関係について温度をパラメータとして示す図である。
【図7】本発明の一施形態に係る昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの概略構成を示す断面図である。
【図8】図8(a)は、負荷抵抗をパラメータとした時のフォトカプラの初期状態における立ち下がり時間TpHLの温度依存性を示す図、図8(b)は、負荷抵抗をパラメータとした時のフォトカプラの初期状態における立ち上がり時間TpHLの温度依存性を示す図、図8(c)は、負荷抵抗をパラメータとした時のフォトカプラの初期状態における立ち下がり時間TpHLと立ち上がり時間TpLHとの差ΔTの温度依存性を示す図、図8(d)は、負荷抵抗をパラメータとした時のフォトカプラの15000時間寿命劣化後(CTR=9.5%)における立ち下がり時間TpHLの温度依存性を示す図、図8(e)は、負荷抵抗をパラメータとした時のフォトカプラの15000時間寿命劣化後(CTR=9.5%)における立ち上がり時間TpHLの温度依存性を示す図、図8(f)は、負荷抵抗をパラメータとした時のフォトカプラの15000時間寿命劣化後(CTR=9.5%)における立ち下がり時間TpHLと立ち上がり時間TpLHとの差ΔTの温度依存性を示す図である。
【図9】本発明の第2施形態に係るフォトカプラの駆動装置の概略構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第3施形態に係るフォトカプラの駆動装置の概略構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第4施形態に係るフォトカプラの駆動装置の概略構成を示すブロック図である。
【図12】従来の昇降圧コンバータを用いた車両駆動システムの概略構成を示すブロック図である。
【図13】図12の昇降圧コンバータの概略構成を示すブロック図である。
【図14】昇圧動作時に図13のリアクトルに流れる電流の波形を示す図である。
【図15】フォトカプラを用いたPWM信号の伝送回路の構成を示す図である。
【図16】20℃におけるフォトカプラの発光ダイオードに流れる順電流Ifをパラメータとした時の電流変換効率のコレクタ/エミッタ電圧依存性を示す図である。
【図17】フォトカプラの発光ダイオードに流れる順電流Ifに対するフォトトランジスタのコレクタ電流Icをパラメータとした時の電流変換効率の温度依存性を示す図である。
【図18】フォトカプラの発光ダイオードに流れる順電流Ifをパラメータとした時の電流変換効率の経時特性を示す図である。
【図19】フォトカプラを用いたPWM信号の伝送回路における入力信号と出力信号の伝搬遅延時間の定義を示す図である。
【図20】図20(a)は、負荷抵抗RLに対するフォトカプラの伝搬遅延時間特性を示す図、図20(b)は、周囲温度Taに対するフォトカプラの伝搬遅延時間特性を示す図である。
【図21】IGBTのゲート信号のデッドタイムの設定方法を示す図である。
【図22】発光ダイオードの順方向電圧の温度依存性を示す図である。
【図23】電界効果型トランジスタのオン抵抗の温度依存性を示す図である。
【図24】発光ダイオードに流れる順方向電流の温度依存性を示す図である。
【図25】順方向電流をパラメータとした時のフォトカプラの周囲温度に対する推定寿命を示す図である。
【符号の説明】
【0097】
SWU、SWD スイッチング素子
1 制御回路
2 上アーム
3 下アーム
4 V比較器
5 ゲート信号発生器
6 ローパスフィルタ
7、8 IGBT
9、11 ゲートドライバ
10、12 IGBT保護回路
13 V検出回路
14 三角波生成器
15 レベル調整部
16 分圧回路
17 比較回路
21、22 出力信号監視回路
23、24 電流制御回路
FU1〜FU5、FC1、FC2 フォトカプラ
DU1、DU2、DD1、DD2 ダイオード
RU1、RU2、RD1、RD2、R00、R25、R26、R27、R28、R29、RL、RLPF 抵抗
M1 電界効果型トランジスタ
M2、M3 フォトトランジスタ
C1 コンデンサ
30 IGBTドライブIC
32、33、38、39、51、132、133 演算増幅器
Vref、Vref1、Vref2、Vref3、Vref4 基準電圧
31、131 パルス時間間隔測定回路
34、134 時間間隔/PWMパルス変換回路
35、135 時間間隔/電流対応テーブル
36、54、136 演算ユニット
37 可変電圧源
41 電流源
42 2値化回路
43、45 論理回路
44 MOS−FETドライバ
46 温度信号比較器
47 電流信号比較器
52 カウンタ
53 カウント値/電流対応テーブル
101 ケース
102 放熱ベース
103 IGBTチップ
104 回路基板
105 駆動回路
107 冷却フィン
108 主回路用端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトカプラの出力側の信号レベルを監視する出力信号監視手段と、
前記出力信号監視手段にて監視される信号レベルに基づいて、前記フォトカプラの入力側に流れる発光ダイオードの順方向電流を制御する電流制御手段とを備えることを特徴とするフォトカプラの駆動装置。
【請求項2】
フォトカプラの出力側の信号の立ち上がりまたは立ち下がりの傾きを前記フォトカプラの出力側で検出する傾き検出手段と、
前記傾き検出手段にて検出されたフォトカプラの出力側の信号の立ち上がりまたは立ち下がりの傾きに基づいて、前記フォトカプラの入力側に流れる発光ダイオードの順方向電流を制御する電流制御手段とを備えることを特徴とするフォトカプラの駆動装置。
【請求項3】
前記傾き検出手段は、
前記フォトカプラの出力側の信号が異なるレベルの複数のしきい値に達したかを検出するレベル検出手段と、
前記フォトカプラの出力側の信号が異なるレベルの複数のしきい値に達した時の時間差を測定する時間間隔測定手段とを備え、
前記電流制御手段は、前記フォトカプラの出力側の信号が異なるレベルの複数のしきい値に達した時の時間差に基づいて、前記フォトカプラの入力側に流れる発光ダイオードの順方向電流を制御することを特徴とする請求項2記載のフォトカプラの駆動装置。
【請求項4】
フォトカプラの出力側の信号の立ち上がりまたは立ち下がり時の遅延時間を算出する検出する遅延時間算出手段と、
前記遅延時間算出手段にて算出されたフォトカプラの出力側の信号の立ち上がりまたは立ち下がり時の遅延時間に基づいて、前記フォトカプラの入力側に流れる発光ダイオードの順方向電流を制御する電流制御手段とを備えることを特徴とするフォトカプラの駆動装置。
【請求項5】
前記フォトカプラの出力側の信号は、前記フォトカプラを構成するフォトトランジスタの光電流が作用する信号であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のフォトカプラの駆動装置。
【請求項6】
前記フォトカプラの入力側の発光ダイオードに印加される順方向電圧を可変する可変電圧源をさらに備え、
前記電流制御手段は、前記可変電圧源の電圧を制御することにより、前記フォトカプラの入力側に流れる発光ダイオードの順方向電流を制御することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載のフォトカプラの駆動装置。
【請求項7】
前記可変電圧源の電圧値が、前記フォトカプラの発光ダイオードの許容パルス電流に相当する値を超えた場合、アラームを生成することを特徴とする請求項6記載のフォトカプラの駆動装置。
【請求項8】
上アーム用および下アーム用としてそれぞれ作動するように互いに直列に接続され、負荷へ流入する電流を通電および遮断する1対のスイッチング素子と、
前記スイッチング素子の導通および非導通を指示する制御信号を生成する制御回路と、
前記制御信号に基づいて前記スイッチング素子の制御端子を駆動する駆動回路と、
前記制御回路と前記駆動回路とが絶縁されるように前記スイッチング素子ごとに設けられ、前記制御回路と前記駆動回路との間で信号を伝送するフォトカプラと、
前記フォトカプラの出力側の信号が異なるレベルの複数のしきい値に達したかを検出するレベル検出手段と、
前記フォトカプラの出力側の信号が異なるレベルの複数のしきい値に達した時の時間差を測定する時間間隔測定手段と、
前記フォトカプラの出力側の信号が異なるレベルの複数のしきい値に達した時の時間差に基づいて、前記フォトカプラの入力側に流れる発光ダイオードの順方向電流を制御する電流制御手段とを備えることを特徴とする電力変換装置。
【請求項9】
フォトカプラの出力側の信号が異なるレベルの複数のしきい値に達した時の時間差を測定するステップと、
前記フォトカプラの出力側の信号が異なるレベルの複数のしきい値に達した時の時間差に基づいて、前記フォトカプラの入力側に流れる発光ダイオードの順方向電流を制御するステップとを備えることを特徴とするフォトカプラの駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2008−270548(P2008−270548A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−111873(P2007−111873)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(503361248)富士電機デバイステクノロジー株式会社 (1,023)
【Fターム(参考)】